JP7206966B2 - 管端蓋及びそれを用いた鋼管の製造方法 - Google Patents

管端蓋及びそれを用いた鋼管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、管端蓋及びそれを用いた鋼管の製造方法に関する。
鋼材の熱処理は機械部品や鉄鋼製品に所望の特性や性能を与えることを目的として古くから広く行われており、その本質は金属組織の調整である。なかでも「焼入れ」は熱処理の大半を占め、常温では通常フェライト・パーライト組織である被熱処理材をAc点(オーステナイト変態終了温度)以上の高温に加熱してオーステナイト化後、急冷してマルテンサイト組織を形成するものである。マルテンサイト組織は金属材料の組織のなかでも高い強度を示し、あらゆる産業分野で利用されている非常に重要な組織形態である。
管状体の焼入れにおいて最も留意すべき点は、周方向の均一冷却である。周方向の冷却が不均一となった場合、冷却中の鋼管の曲がりが発生する。この曲がりは鋼管が長くなるほど大きくなり、ライン搬送時のトラブルや曲がり矯正工程の追加など好ましくない事態を招く。鋼管の焼入れでは、鋼管を移動搬送しつつ冷却帯を通過させながら外面水冷することが好適である。外面水冷の均一化は環状主管に冷却ノズルを均等に配置するなどの手段で比較的簡単に実現できるが、内面水冷は技術的に課題が多いことに加え、設備構成を複雑化させることがその理由である。
鋼管の外面のみから冷媒を吹き付けても、管端部から鋼管の内部に冷媒が浸入する場合がある。鋼管の内部に冷媒が浸入すると、鋼管の内面が不均一に冷却され、曲がりの原因になる。鋼管肉厚が大きい場合は曲がりの悪影響は小さいが、そうであっても、硬さのばらつきなど、諸々の問題の原因となる。また、鋼管の内面を伝って冷媒が加熱炉に流入し、加熱炉を損傷させる恐れもある。
特開昭56-96018号公報には、搬送される管状物体に冷媒を噴射して冷却する冷却装置において、冷却水遮断用挿入円筒を設け、冷媒が管後端から管内に浸入することを防止することが記載されている。特許第5252131号公報には、鋼管を外面から水冷して焼入れする焼入れ方法において、管端部を空冷することが記載されている。特開2012-172173号公報には、加熱された鋼管を長手方向に沿って搬送しながら、鋼管の外周面に焼入れ水を搬送方向に対して傾斜して噴射し、鋼管を焼入れする方法において、鋼管の搬送方向の後端に蓋を取り付けることが記載されている。実開昭61-77192号公報には、複数の鋼管に対し、管端蓋を連続的に自動溶接する装置が記載されている。
特開昭56-96018号公報 特許第5252131号公報 特開2012-172173号公報 実開昭61-77192号公報
鋼管の内部への冷媒の浸入を抑制する手段としては、管端に蓋を取り付けるのが簡便かつ確実である。蓋の取り付けは、鋼管の管端に蓋を全周又はスポット溶接するのが一般的であるが、処理前の取り付け工程、及び処理後の蓋を含めた管端の切り落とし工程が必要になり、生産効率及び歩留まりが低下する。また、単なるはめ込みによる取り付けでは、熱処理中に蓋が脱落する場合がある。
本発明の目的は、取り付けが容易で、熱処理中の脱落を防ぐことができる管端蓋を提供すること、及びこれを用いた鋼管の製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態による管端蓋は、鋼管の管端に取り付ける管端蓋であって、前記鋼管の内面に接する第1当接部材と、前記第1当接部材に接して配置される耐熱性の圧縮コイルばねと、前記圧縮コイルばねを収容する有底筒状のばね座と、前記鋼管の前記第1当接部材が接する面と対向する面に接する第2当接部材と、前記ばね座と前記第2当接部材とを所定の間隔に保持して連結する連結部材と、前記連結部材に連結され、前記鋼管の開口部を覆う遮蔽板とを備える。前記第1当接部材は、前記ばね座が嵌合する筒部を含む。
本発明の一実施形態による鋼管の製造方法は、素管を準備する工程と、前記素管の管端の少なくとも一方に、前記管端蓋を取り付ける工程と、前記管端蓋が取り付けられた素管を焼入れする工程とを備える。
本発明によれば、取り付けが容易で、熱処理中の脱落を防ぐことができる管端蓋が得られる。この管端蓋を用いて鋼管を製造することで、鋼管の曲がりを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による管端蓋の構成を示す分解斜視図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。 図4は、ばねユニット及び第1当接部材の近傍の構成を示す図である。 図5は、第2当接部材の近傍の構成を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態による鋼管の製造方法を示すフロー図である。 図7は、熱処理ラインの一例の機能的構成を示すブロック図である。 図8は、相変態を生じる一般的な鉄鋼材料の温度-伸び線図である。 図9は、熱処理中の第1当接部材とばね座との間隙の変化を示す図である。 図10は、鋼管の内面の熱伝達率と鋼管内面の残留引張応力との関係を示すグラフである。 図11は、鋼管の底部に冷媒が滞留している状態を示す図である。 図12は、底部に冷媒が滞留しているときの鋼管の応力分布である。 図13は、防水性能評価試験の概要を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[管端蓋の構成]
図1は、本発明の一実施形態による管端蓋1の構成を示す分解斜視図である。図2及び図3はそれぞれ、図1のII-II線及びIII-III線に沿った断面図である。管端蓋1は、連結部材10、ばねユニット20、第1当接部材30、第2当接部材40、遮蔽板50、及び接続部材60を備えている。
第1当接部材30及び第2当接部材40は、鋼管Pの内面の互いに対向する面に接するように配置される。第1当接部材30と第2当接部材40とは、連結部材10、ばねユニット20によって所定の間隔に保持される。管端蓋1は後述するように、ばねユニット20の作用によって、熱処理時の連結部材10と鋼管Pとの熱膨張差を吸収する。
遮蔽板50は、鋼管Pの開口部を覆うように配置される。遮蔽板50は、ボルト51によって連結部材10に連結される。
接続部材60は、第1当接部材30が連結部材10の軸方向と平行な方向に移動できるように、第1当接部材30と連結部材10とを接続する。
以下、各部材を詳述する。以下の説明では、鋼管Pの管軸方向をx方向、連結部材10の軸方向をz方向、これらに垂直な方向をy方向と呼ぶ。
[連結部材10]
図1~図3に示すように、連結部材10は、筒状の胴体部11、ボルト12及び13、並びにゆるみ止めナット121及び131を備えている。
図2及び図3に示すように、胴体部11は、z方向と平行なねじ穴11a及び11bを有している。ねじ穴11aは、第1当接部材30側に開口し、ボルト12が嵌合できるように形成されている。ねじ穴11bは、第2当接部材40側に開口し、ボルト13が嵌合できるように形成されている。ねじ穴11aと11bとは、連通していてもよい。
ボルト12の端部(ねじ穴11aに嵌合する側と反対側の端部)は、ばねユニット20に接続される。この構成によれば、ボルト12をねじ穴11aに嵌合させる深さを調整することによって、ばねユニット20と胴体部11との間隔を調整することができる。本実施形態ではボルト12の端部は、ばねユニット20のばね座22(後述)の底面に溶接等によって固定されている。
ボルト13の端部(ねじ穴11bに嵌合する側と反対側の端部)は、第2当接部材40に接続される。この構成によれば、ボルト13をねじ穴11bに嵌合させる深さを調整することによって、第2当接部材40と胴体部11との間隔を調整することができる。本実施形態ではボルト13の端部は、第2当接部材40の接続板41(後述)に溶接等によって固定されている。
胴体部11はさらに、z方向と垂直な方向に胴体部11を貫通する穴11cを有している。穴11cは、ボルト51が嵌合できるように形成されている。ボルト51は、ナット511によって胴体部11に固定される。胴体部11は、ボルト51がx方向と平行になるように配置される。
[ばねユニット20]
図4は、ばねユニット20及び第1当接部材30の近傍の構成を示す図である。ばねユニット20は、圧縮コイルばね21と、圧縮コイルばね21を収納するばね座22とを備えている。
圧縮コイルばね21は、ばね座22の内部に、第1当接部材30と接するように配置される。圧縮コイルばね21は、熱処理温度でも弾性を失わない耐熱性を有していることが好ましい。圧縮コイルばね21は、例えば、セラミックばねである。
ばね座22は、圧縮コイルばね21を収容する。ばね座22は、より具体的には、圧縮コイルばね21の外径よりも少し大きい内径を有する有底筒状の形状を有している。ばね座22の深さは、圧縮コイルばね21を突出させるため、例えば圧縮コイルばね21の自然長未満とする。ばね座22の深さは、圧縮コイルばね21が許容たわみ量を超えて圧縮されることを防止するため、(圧縮コイルばね21の自然長-最大たわみ量)以上とすることが好ましい。
[第1当接部材30]
引き続き図4を参照して、第1当接部材30の構成を説明する。第1当接部材30は、平板状の接続板31と、上R座32とを備えている。
第1当接部材30はさらに、ばね座22が嵌合する筒部311を含んでいる。筒部311は、接続板31に溶接等によって固定されている。
筒部311は、より具体的には、ばね座22の外径よりもわずかに大きい内径を有している。ばね座22が筒部311に嵌合することで、第1当接部材30のxy面内の移動が規制される。一方、ばね座22と筒部311とが摺動することで、第1当接部材30は、z方向に移動することができる。
本実施形態では、ばね座22及び筒部311の両方が円筒形状である。本実施形態では上述のとおり、ボルト12をねじ穴11aに嵌合させる深さを調整することによって、ばねユニット20と胴体部11との間隔を調整する。また、ボルト12の端部はばね座22の底面に固定されているため、ボルト12を回転させると、ばね座22も回転する。ばね座22及び筒部311の両方を円筒形状にすることによって、ばね座22が筒部311に嵌合した状態で、ばね座22をz軸の周りに回転させることができる。
上R座32は、鋼管Pの内面に沿うように、一方の面が鋼管Pの内径と概略同じ曲率半径の曲面に形成されている。接続板31及び上R座32は、それぞれ貫通孔31a及び32aを有しており、ボルト33及びナット331によって脱着することができる。
[第2当接部材40]
図5は、第2当接部材40の近傍の構成を示す図である。第2当接部材40は、接続板41と、下R座42とを含んでいる。
接続板41は上述のとおり、ボルト13の端部と溶接等によって固定されている。
下R座42は、鋼管Pの内面に沿うように、一方の面が鋼管Pの内径と概略同じ曲率半径の曲面に形成されている。第1当接部材30の場合と同様に、接続板41及び下R座42は、それぞれ貫通孔41a及び42aを有しており、ボルト43及びナット431によって脱着することができる。
[遮蔽板50]
図1及び図2を参照して、遮蔽板50の構成を説明する。遮蔽板50は、鋼管Pの開口を覆って、冷媒が鋼管Pの内部に侵入するのを防止する。遮蔽板50は、具体的には、鋼管Pの内径よりも大きく、鋼管Pの外径以下の大きさの外径を有する円盤形状を有している。遮蔽板50は、中央近傍に形成された貫通孔50aを有している。
本実施形態の遮蔽板50は、ボルト51によって連結部材10と連結される。上述のとおり、ボルト51は、ナット511によって連結部材10の胴体部11に固定される。貫通孔50aにボルト51を通した状態でナット512を締結することで、遮蔽板50が胴体部11側に移動する。遮蔽板50は、鋼管Pの端面とナット512とに挟まれることによって鋼管Pに密着する。
貫通孔50aは、ボルト51のz方向の位置が鋼管Pの中心から多少ずれても調整できるように、遮蔽板50の径方向に延びた形状に形成されている。
貫通孔50aは、ナット512を締結しても完全に密閉されないようにすることが好ましい。これによって、鋼管Pの熱処理時、鋼管Pの内部で熱膨張した空気を逃がすことができる。遮蔽板50は、貫通孔50aとは別に、空気を逃がすための排気口をさらに備えていてもよい。
遮蔽板50は、鋼管Pの内周面に沿うように形成されたガイド52をさらに備えている。ガイド52は、遮蔽板50にねじ53によって固定されている。ガイド52によって、遮蔽板50の面内方向(鋼管Pの径方向)の位置が規制される。
[接続部材60]
図1、図3及び図4を参照して、接続部材60の構成を説明する。接続部材60は、第1当接部材30がz方向に移動できるように、第1当接部材30と連結部材10とを接続する。本実施形態では、一対の板状の接続部材60が、連結部材10のy方向の両側に配置されている。
接続部材60のそれぞれは、一方の端部が第1当接部材30の接続板31に固定されている(図4を参照)。接続部材60のそれぞれは、他方の端部にz方向に伸びた長穴60aが形成されている(図1及び図3を参照)。長穴60aからボルト61を挿入し、ボルト61を連結部材10に形成されたねじ穴(不図示)に嵌合させることで、接続部材60と連結部材10とが接続される。
長穴60aはz方向に伸びた形状を有しているため、第1当接部材30は、長穴60aに沿ってz方向に移動することができる。この構成によれば、ばねユニット20の動作を妨げることなく、第1当接部材30と連結部材10とを接続できる。これによって、鋼管Pへの取り付けや取り外し作業中に第1当接部材30が脱落するのを防止できる。
[材質等]
連結部材10、ばね座22、第1当接部材30、第2当接部材40、及び接続部材60の材質は特に限定されない。連結部材10、ばね座22、第1当接部材30、第2当接部材40、及び接続部材60の材質は例えば、炭素鋼やステンレスである。連結部材10、ばね座22、第1当接部材30、第2当接部材40、及び接続部材60の材質は、好ましくはSUS304(汎用酸化鋼で870℃までの繰り返し加熱に対応)であり、より好ましくはSUS310(1035℃までの繰り返し加熱に対応)である。連結部材10、ばね座22、第1当接部材30、第2当接部材40、及び接続部材60は、すべて同じ材質であってもよいし、それぞれ異なる材質であってもよい。また、連結部材10を構成する胴体部11、ボルト12及び13等も、すべて同じ材質であってもよいし、それぞれ異なる材質であってもよい。
また、変形を防止する観点から、ボルト12及び13は太い方が好ましい。ボルト12及び13は、好ましくはM12以上であり、より好ましくはM14以上であり、さらに好ましくはM16以上であり、一層好ましくはM18以上である。
遮蔽板50は、熱変形をできるだけ抑制するため、線熱膨張係数αが小さい材料で形成されていることが好ましい。遮蔽板50の材質は例えば、炭素鋼である。
[鋼管の製造方法]
次に、この管端蓋1を用いた鋼管の製造方法を説明する。以下、鋼管の製造方法に関する説明では、熱処理の対象となる鋼管を「素管」と呼ぶ。また、「素管」と区別して、熱処理されて製造された鋼管という意味で「鋼管」の用語を用いる。
図6は、本発明の一実施形態による鋼管の製造方法を示すフロー図である。本実施形態による鋼管の製造方法は、素管を準備する工程(ステップS1)と、素管の管端の少なくとも一方に管端蓋1を取り付ける工程(ステップS2)と、管端蓋1が取り付けられた素管を焼入れする工程(ステップS3)とを備えている
熱処理の対象となる素管を準備する(ステップS1)。対象となる素管は限定されないが、本実施形態の製造方法は、炭素含有量が0.45~0.65質量%である高炭素系材料の鋼管の製造に好適であり、特に高炭素系材料の油井管の製造に好適である。本実施形態の製造方法は、より具体的には、炭素含有量が0.45~0.65質量%である低合金鋼及び高合金鋼の油井管の製造に特に好適である。
素管の管端の少なくとも一方に管端蓋1を取り付ける(ステップS2)。管端蓋1は、素管の管端の両方に取り付けることが好ましいが、冷媒を吹き付ける角度等によっては、前方及び後方の一方のみに取り付けることでも、冷媒の浸入を抑制することができる。
再び図2を参照して、管端蓋1の取り付け方法の具体例を説明する。まず、連結部材10によってばね座22と第2当接部材40との間隔を短くした状態で、連結部材10、ばねユニット20、第1当接部材30、第2当接部材40等を素管の内部に配置する。
第1当接部材30及び第2当接部材40が素管の内面に接するようにした状態で、連結部材10によってばね座22と第2当接部材40との間隔を広げていき、圧縮コイルばね20を圧縮させる。このとき、接続板31の下面とばね座22の上端面とが接しないようにすることが好ましい。接続板31の下面とばね座22の上端面との間隙の好適な大きさについては後述する。圧縮コイルばね20を所定量だけ圧縮させた後、遮蔽板50を取り付ける。
再び図6を参照して、鋼管の製造方法の説明を続ける。管端蓋1が取り付けられた素管を焼入れする(ステップS3)。具体的には、管端蓋1が取り付けられた素管をAc点以上の温度まで加熱してオーステナイト変態させた後、マルテンサイト変態終了温度以下まで冷却してマルテンサイト変態させる。このとき、冷却速度が小さすぎるとマルテンサイト以外の拡散変態相、例えばベイナイトとの混相組織となり、マルテンサイト率の高い組織が得られなくなる。一方、冷却速度が大きすぎると曲がりや焼割れが生じる。そのため、冷却速度を適切に制御する必要がある。好ましくは、マルテンサイト変態開始温度まではできるたけ冷却速度を大きくし、マルテンサイト変態開始温度から冷却終了温度(マルテンサイト変態終了温度又は室温)まではできるだけ冷却速度を小さくする。
図7は、熱処理ラインの一例である熱処理ライン100の機能的構成を示すブロック図である。熱処理ライン100は、焼入れ装置70及び焼戻し装置80を備えている。焼入れ装置70は、加熱装置71、冷却装置72、及び浸漬槽73を備えている。各装置の間には、搬送ローラ90(搬送装置)が配置されている。
搬送ローラ90は、加熱装置71から冷却装置72へ、冷却装置72から浸漬槽73へ、浸漬槽73から焼戻し装置80へ、素管を順次搬送する。素管は、加熱装置71で加熱され、冷却装置72及び/又は浸漬槽73によって冷却される。素管はその後、焼戻し装置80によって再び加熱される。
熱処理ライン100の構成によれば、加熱装置71によって素管をAc点以上に加熱した後、冷却装置72及び/又は浸漬槽73によって素管を冷却することによって、素管を焼入れすることができる。さらに、焼戻し装置80によって素管を所定の温度に加熱することによって、素管を焼戻しすることができる。焼戻しされた素管は例えば、図示しない冷却装置によって冷却された後、探傷装置などに搬送される。
熱処理ライン100の構成によれば、素管に焼入れ焼戻しの熱処理を連続して実施することができる。ただし、焼入れ焼戻しは連続して実施されなくてもよい。この場合、熱処理ライン100は、焼戻し装置80を含んでいなくてもよい。
冷却装置72は、詳しい構成は図示しないが、複数の冷却リングを備えている。複数の冷却リングの各々は複数のノズルを備えており、複数のノズルの各々から、冷却リングの内側を通過する素管の外面に冷媒を吹き付けることができるように構成されている。冷媒の量は冷却リング毎に制御できるように構成されおり、冷却リング毎の冷媒量と素管の搬送速度とを調整することによって、素管を最適な速度で冷却することができる。
浸漬槽73には、冷媒が充填されており、素管を浸漬させることで内外面から急冷することができる。熱処理対象の素管が焼割れ感受性の低い低中炭素鋼(C含有量0.30%未満)の場合、冷却装置72を使用せず、浸漬槽73だけを使用して素管を冷却することもできる。この場合、処理速度を大きくすることができる。一方、熱処理対象の素管が焼割れ感受性の高い素管の場合でも、冷却装置72によって鋼管を十分に冷却しておけば、浸漬槽73に浸漬しても曲がりや焼割れが発生することはない。
すなわち、焼入れ装置70の構成によれば、対象となる素管の性質に応じて、冷却装置72による冷却と浸漬槽73による冷却とを選択的に実施することができる。一方、焼割れ感受性の高い素管だけを対象とする場合、熱処理ライン100は浸漬槽73を含んでいなくてもよい。
[管端蓋1の効果]
以下、管端蓋1の効果を説明する。図8は、相変態を生じる一般的な鉄鋼材料の温度-伸び線図である。この鋼は、図8に示すように、室温からAc点までは温度の上昇に伴い熱膨張するが、Ac点を超えるとオーステナイト変態によって収縮する(オーステナイト変態収縮)。その後、オーステナイトの線膨張係数で再び膨張して最高温度(Tmax)に到達する。冷却過程ではマルテンサイト変態が開始するまでオーステナイトの状態で過冷されるため、オーステナイトの線膨張係数で収縮し、マルテンサイト変態開始温度Ms(当該材料では300℃前後)に到達すると膨張を開始する(α変態膨張)。
鋼管の熱処理においても、加熱・冷却によって図8に示す膨張や収縮が発現する。そのため、単純な機械的手段では、熱処理の前後にわたって蓋を鋼管に固定しておくことは困難である。例えば、ねじの反力を利用して鋼管の内面に密着させる固定手段(突張り棒)によって蓋を固定した場合、室温では強固に固定できても、加熱・冷却によって緩みが生じる。特に、冷却過程のα変態膨張に突張り棒が追従できず、緩みが生じる。
本実施形態の管端蓋1は、第1当接部材30とばね座22との間に配置された耐熱性の圧縮コイルばね21を備える。この構成によれば、鋼管Pが膨張・収縮しても、圧縮コイルばね21の反力によって、第1当接部材30及び第2当接部材40を鋼管Pの内面に密着させておくことができる。そのため、冷却終了温度(マルテンサイト変態終了温度又は室温)まで脱落することなく、冷媒の浸入を抑制することができる。
本実施形態の管端蓋1は、鋼管Pへの脱着が容易である。管端蓋1は、蓋を溶接して取り付ける場合のように熱処理後に管端を切断する必要がないため、歩留まりも向上する。また、管端蓋1は再利用が可能である。
本実施形態の管端蓋1の連結部材10は、ばね座22と第2当接部材40との間隔を調整できるように構成されている。本実施形態の構成によれば、鋼管の内径に応じて上R座32及び下R座42だけを交換すれば、複数のサイズの鋼管に適用することができる。
本実施形態の管端蓋1のばね座22は、有底筒状の形状を有する。この構成によれば、ばね座22が、接続板31の下端面に接触することによって、圧縮コイルばね21が許容たわみ量を超えて圧縮されることを防止できる。これによって、圧縮コイルばね21の破損を防止することができる。
一方、第1当接部材30とばね座22とが接触した状態で鋼管Pがさらに収縮すると(あるいは連結部材10等が膨張すると)、連結部材10に圧縮応力が加わる。この圧縮応力が過度になると、連結部材10が折れ曲がるなどして、再利用できなくなる。連結部材10の破損を防止するためには、熱処理中、連結部材10に過度な圧縮応力が加わらないようにすることが好ましい。そのためには、初期状態において、第1当接部材30とばね座22との間隙(より正確には、接続板31の本体部の下端面とばね座22の上端との間隙)を適切な大きさに設定しておくことが好ましい。
以下、図9を参照して、熱処理中の第1当接部材30とばね座22との間隙の変化について説明する。図9では、変化を分かりやすくするため、第1当接部材30とばね座22との間隙を大きく図示している。また、接続部材60等の図示を省略している。
鋼管Pの加熱時、鋼管の線膨張係数αpipeと連結部材10の線膨張係数αbarとが異なっていれば、第1当接部材30とばね座22との間隙の大きさが変化する。温度差をΔT、鋼管内径をΦとしたとき、鋼管Pの膨張量ΔLpipe及び連結部材10の膨張量ΔLbarは下記の式で表される。
ΔLpipe=αpipe・ΔT・Φ
ΔLbar=αbar・ΔT・Φ
例えば、鋼管PがΦ=314.36mmの炭素鋼(αpipe=11×10-6/℃)、連結部材10がSUS304(αbar=18×10-6/℃)であり、20℃から950℃まで加熱する場合(ΔT=930℃)、ΔLpipeは3.22mm、ΔLbarは5.26mmとなる。鋼管Pの膨張量よりも連結部材10の膨張量の方が大きいため、最高加熱温度における接続板31の下面とばね座22の上端面との間隙の大きさCheatは、初期の間隙の大きさCから2.04mm(=ΔLbar-ΔLpipe)縮まる。
最高加熱温度に到達してから冷却を開始後、鋼管Pが最も収縮するのは、鋼管Pの温度がマルテンサイト変態開温度(Ms=300℃)に到達する直前の時点である。ΔT=950℃-300℃=650℃として、鋼管Pの膨張量(収縮量)ΔLpipeは、上記と同じ式ΔLpipe=αpipe・ΔT・Φから、-2.27mmとなる。このときのΦは最高加熱温度時の鋼管内径なので、317.58mmである。一方、連結部材10は、鋼管Pの内側にあり、冷媒とも直接接触しないことから、その温度低下は非常に遅いと考えられる。そのため、この間における結合部材10の膨張量(収縮量)ΔLbarはゼロと近似できる。したがって、マルテンサイト変態開始直前における第1当接部材30とばね座22との間隙の大きさCcoolは、最高加熱温度時の間隙の大きさCheatからさらに2.27mm縮まる。
鋼管Pの温度がマルテンサイト変態開始温度以下になると、マルテンサイト変態膨張が起こり、第1当接部材30とばね座22との間隙は大きくなる。そのため、第1当接部材30とばね座22との間隙の大きさは、マルテンサイト変態開始直前で最も小さくなる。したがって、マルテンサイト変態開始直前の間隙Ccoolがゼロ以上であれば、熱処理中、連結部材10に過度の圧縮応力が加わるのを防止できる。また、マルテンサイト変態開始時点で圧縮コイルばね21は許容最大まで圧縮された状態になり、変態膨張に対して圧縮コイルばね21の有する最大反力で変態膨張を補えるので、変態膨張による連結部材10の緩み、それによる管端蓋1の脱落をより確実に防止することができる。上記の例の場合、初期の間隙Cの大きさを2.04mm+2.27mm=4.31mm以上にしておけばよい。
適正初期間隙量Cは、下記の式で一般化できる。すなわち、熱処理前の第1当接部材30とばね座22との間隙の大きさがC以上であれば、連結部材10に過度の圧縮応力が加わるのを防止できる。
=Φ{(αbar-αpipe)ΔTheat+(1+ΔTheat・αpipe)αpipe・ΔTcool
ここで、Φは鋼管Pの内径、αbarは連結部材10の線熱膨張係数、αpipeは鋼管の線熱膨張係数、ΔTheatは焼入れ工程における最高加熱温度と室温との差、ΔTcoolは最高加熱温度と鋼管のマルテンサイト変態開始温度との差である。
熱処理前の第1当接部材30とばね座22との間隙の大きさの上限は、好ましくはC+2mmであり、より好ましくはC+1mmであり、さらに好ましくはC+0.5mmである。
以上、本発明の一次実施形態による管端蓋1、及び管端蓋1を用いた鋼管の製造方法を説明した。本実施形態によれば、取り付けが容易で、熱処理中の脱落を防ぐことができる管端蓋が得られる。また、この管端蓋を用いて鋼管を製造することで、鋼管の曲がりを抑制することができる。
本実施形態による鋼管の製造方法は、鋼管が角型鋼管の場合にも適用可能である。この場合、第1当接部材30及び第2当接部材40の鋼管と接触する面を平面とすればよい。
図1~図3等では、連結部材10の軸方向が、天地方向(鉛直方向)と平行になるように配置されている場合を図示した。連結部材10は、作業性の観点からは、軸方向が天地方向と平行になるように配置することが好ましい。しかし、必ずしもこのように配置しなければならない訳ではなく、連結部材10の軸方向を天地方向から傾けて配置してもよいし、あるいは、天地方向と垂直に配置してもよい。第1当接部材30の上R座31、及び第2当接部材40の下R座41といった名称も、あくまでも便宜上のものである。第1当接部材30が、第2当接部材40よりも下側になるように配置してもよい。
上述した実施形態では、連結部材10が、ゆるみ止めナット121及び131を備えている場合を説明した。連結部材10は、ゆるみ止めナット121及び131の両方を備えていることが好ましいが、どちらか片方だけであってもよいし、あるいは、どちらも備えていなくてもよい。
上述した実施形態では、連結部材10は、ばね座22と第2当接部材40との間隔を調整できるように構成されている。しかし、連結部材10は、ばね座22と第2当接部材40との間隔を調整できなくてもよい。連結部材10は、例えば、ばね座22と第2当接部材40とを接続する棒であってもよい。この場合でも、圧縮コイルばね21をたわませることによって管端蓋1を鋼管に取り付けることができる。
上述した実施形態では、ばね座22と第2当接部材40との間隔を調整できる連結部材10の具体的な構成として、胴体部11にねじ穴11a及び11bが形成され、これにボルト12及び13を嵌合させる構成を説明した。しかし、この構成は例示であり、連結部材10は、種々の構成を採用することができる。
例えば、ばね座22の底面及び第2当接部材40にねじ穴が設けられ、ボルト12及びボルト13が胴体部11に固定されている構成としてもよい。あるいは、胴体部11、ばね座22及び第2当接部材40のすべてにねじ穴が設けられ、両軸ボルトで連結する構成としてもよい。上述した実施形態では、第1当接部材30と胴体部11との間隔、第2当接部材40と胴体部11との間隔をそれぞれ調整できる構成を説明したが、どちらか片方のみを調整できる構成としてもよい。すなわち、ボルト12及びボルト13の一方は、胴体部11等に固定された棒であってもよい。また、部材間の間隔を調整する機構として、ボルトのねじ穴の他に、例えばロッドとクランプなどを採用することもできる。
上述した実施形態では、ばね座22、及び第1当接部材30の筒部311の両方が円筒形状の場合を説明した。この構成によれば、ばね座22が筒部311に嵌合した状態で、ばね座22をz軸の周りに回転させることができる。しかし上述のとおり、第一当接部材30と第2当接部材40との間の間隔を調整することは必須ではなく、ばね座22は回転できなくてもよい。そのため、ばね座22及び筒部311は、円筒形状でなくてもよい。
ばね座22を回転させる場合も、ばね座22の外周及び筒部311の内周が円であればよく、ばね座22の内周及び筒部311の外周の形状は任意である。また、ばね座22及び筒部311が摺動する部分のみが、円形であればよい。
上述した実施形態では、接続板31と上R座32とが別の部品として構成されている場合を説明した。しかし、接続板31と上R座32とは一体物であってもよい。同様に、上述した実施形態では、接続板41と下R座42とが別の部品として構成されている場合を説明したが、接続板41と下R座42とは一体物であってもよい。
上述した実施形態では、連結部材10にボルト51を固定し、このボルト51に遮蔽板50を固定する構成を説明した。この構成によれば、遮蔽板50の脱着を簡便にできる。しかし、遮蔽板50の固定方法は任意である。例えば、連結部材10のボルト51の代わりに棒を固定し、当該棒に遮蔽板50をクランプで固定したり、遮蔽板50を溶接して固定したりしてもよい。
上述した実施形態では、一対の接続部材60が連結部材10のy方向の両側に配置されている構成を説明した。しかし、接続部材60は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、接続部材60は任意の構成であり、管端蓋1は、接続部材60を備えていなくてもよい。管端蓋1が接続部材60を備えていなくても、蓋の脱落を防止するという目的は達成できる。
上述した実施形態では、接続部材60にz方向に伸びた長穴60aが形成され、長穴60aを通してボルト61を連結部材10に嵌合させることで、第1当接部材30と連結部材10とを接続させる構成を説明した。しかし、接続部材60は、第1当接部材30がz方向に移動可能なように第1当接部材30と連結部材10とを接続できるものであればよく、その構成は任意である。例えば、接続部材60を連結部材10に固定して、ボルト61を第1当接部材30に嵌合させる構成としてもよい。また、接続部材60として、直線運動軸受け等を備えるものを用いてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、この実施例は本発明を限定するものではない。
[内面冷却の影響調査]
鋼管の内面冷却の影響を有限要素法(FEM)による数値解析によって調査した。図10は、鋼管の内面の熱伝達率(外面の熱伝達率hに対する比)と鋼管内面の残留引張応力との関係を示すグラフである。図10に示すとおり、内面の熱伝達率が外面の熱伝達率の50%となるとき、最も高い引張応力が発生する。内面の熱伝達率を外面と同等(100%)にすると応力は圧縮になるが、これは鋼管の内面を均一に冷却するという条件での結果である。
図11示すように、実際には鋼管Pの底部に冷媒Cが滞留し、円周方向に不均一な熱応力が生じていると考えられる。そこで、鋼管横断面をモデル化し、冷媒が滞留している部分の熱伝達率を外面と同等、それ以外の部分を空冷とした条件で残留応力を計算した。結果を図12に示す。図12に示すように、冷媒有無の境界部分で高い引張応力が発生することが分かった。
[防水性能評価試験]
実施形態で説明した管端蓋1に準じた構成の管端蓋を作製し、ラボ試験設備を用いて防水性能評価試験を実施した。対象鋼管として外径356mm、肉厚21mm、長さ2000mmの炭素鋼管を使用した。
試験の概要を図13に示す。鋼管Pの先端側に管端蓋1を装着し、加熱炉Qで950℃まで加熱・均熱後、水冷リングR設置位置まで速やかに搬送して定位置に留め、蓋装着部を水冷した。水冷リングRからの冷媒供給量は50m/hrとした。管端蓋1を装着した鋼管Pの先端部で冷却水の浸入があれば鋼管Pの後端部から流出する。当試験において、水漏れは発生せず、管端蓋1の防水機能が満足できるものであることを確認した。
以上、本発明の実施の形態を説明した。上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 管端蓋
10 連結部材
11 胴体部
11a、11b ねじ穴
11c 穴
12、13 ボルト
121、131 ゆるみ止めナット
20 ばねユニット
21 圧縮コイルばね
22 ばね座
30 第1当接部材
31 接続板
311 筒部
31a 貫通孔
32 上R座
32a 貫通孔
33 ボルト
331 ナット
40 第2当接部材
41 接続板
41a 貫通孔
42 下R座
42a 貫通孔
43 ボルト
431 ナット
50 遮蔽板
51 ボルト
511 ナット
512 ナット
52 ガイド
53 ねじ
60 接続部材
60a 長穴
61 ボルト
70 焼入れ装置
71 加熱装置
72 冷却装置
73 浸漬槽
80 焼戻し装置
90 搬送ローラ(搬送装置)
100 熱処理ライン

P 鋼管(素管)
C 冷媒
Q 加熱炉
R 水冷リング

Claims (5)

  1. 鋼管の管端に取り付ける管端蓋であって、
    前記鋼管の内面に接する第1当接部材と、
    前記第1当接部材に接して配置される耐熱性の圧縮コイルばねと、
    前記圧縮コイルばねを収容する有底筒状のばね座と、
    前記鋼管の前記第1当接部材が接する面と対向する面に接する第2当接部材と、
    前記ばね座と前記第2当接部材とを所定の間隔に保持して連結する連結部材と、
    前記連結部材に連結され、前記鋼管の開口部を覆う遮蔽板とを備え、
    前記第1当接部材は、前記ばね座が嵌合する筒部を含む、管端蓋。
  2. 請求項1に記載の管端蓋であって、
    前記第1当接部材が前記連結部材の軸方向と平行な方向に移動できるように、第1当接部材と連結部材とを接続する接続部材をさらに備える、管端蓋。
  3. 請求項1又は2に記載の管端蓋であって、
    前記連結部材は、前記ばね座と前記第2当接部材との間隔を調整できるように構成されている、管端蓋。
  4. 素管を準備する工程と、
    前記素管の管端の少なくとも一方に、請求項1~3のいずれか一項に記載の管端蓋を取り付ける工程と、
    前記管端蓋が取り付けられた素管を焼入れする工程とを備える、鋼管の製造方法。
  5. 請求項4に記載の鋼管の製造方法であって、
    前記管端蓋を取り付ける工程において、前記第1当接部材と前記ばね座との間隙を下記の式で定義される適正初期間隙量C (mm)以上にする、鋼管の製造方法。
    =Φ{(αbar-αpipe)ΔTheat+(1+ΔTheat・αpipe)αpipe・ΔTcool
    ここで、Φ(mm)は前記素管の内径、αbar (1/℃)は前記連結部材の線熱膨張係数、αpipe (1/℃)は前記素管の線熱膨張係数、ΔTheat (℃)は前記焼入れする工程における最高加熱温度と室温との差、ΔTcool (℃)は前記最高加熱温度と前記素管のマルテンサイト変態開始温度との差である。
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