JP7206883B2 - ヨーレート補正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヨーレート補正装置に係り、特に、走行路と横滑りを含む車両の平面運動の関係に基づき、車両のヨーレートセンサが検出したヨーレートを補正するヨーレート補正装置に関する。
車両は、路面に対して前後運動、横運動及びヨー運動の3軸方向の運動を行っている。ヨー運動の速度を示すヨーレートは車両の進行方向を把握する際に重要であり、車両の横滑り防止装置又は自動ブレーキシステム等では、車両に設けられたヨーレートセンサによって検出される。
ヨーレートセンサは加速度センサの一種であるが、温度によって検出値が影響を受けやすい。例えば、環境温度が変化した結果、ヨーレートセンサのゼロ点がゼロからずれる場合があった。
従って、ヨーレートセンサを用いる際には、ヨーレートセンサで検出したヨーレートの値を補正することが必要となる。一例として、車両の操舵角が所定の値以下の場合に車両が直進していると仮定して、ヨーレートセンサのゼロ点を補正するという方法があるが、操舵角センサのゼロ点が正確に調整されていない場合は、ヨーレートセンサのゼロ点の補正が正確にできない。また、路面環境によっては、操舵角センサによって検出した操舵角がゼロを示していても、実際には車両が旋回している場合があるので、補正の精度が良好でないという問題があった。
また、GPS(Global Positioning System)によって車両の挙動を把握してヨーレートセンサが検出したヨーレートを補正する方法がある。しかしながら、かかる方法は、車両がトンネル内又はビル街等のGPS衛星からの電波の受信が困難な場所を走行している場合に、ヨーレートの補正ができないという問題があった。
特許文献1には、車載カメラ等の撮像装置で取得した車両周囲の画像情報から抽出した路面の消失点の変化量に基づいてヨーレートセンサが検出したヨーレートの値を補正するヨーレート補正装置の発明が開示されている。
特許文献2には、車載カメラ等の撮像装置で取得した車両周囲の画像情報から得られた道路情報と、車速センサが検出した車速とを用いてヨーレートセンサのオフセット誤差及びスケールファクタを補正する計測装置の発明が開示されている。
特許文献3には、車載カメラ等の撮像装置で取得した車両周囲の画像情報から道路のレーン中央に対する車両の横位置を検出し、検出した横位置に基づいてヨーレートを算出するヨーレート検出装置の発明が開示されている。
特開2011-169728号公報 特開2015-190920号公報 特開2014-215232号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、交差点での右左折又は走行時のレーンチェンジ等の車両の旋回半径が極端に小さくなる場合は、消失点の移動距離が大きくなり、その結果、ヨーレート補正の精度が悪化するおそれがあった。
特許文献2に記載の発明は、車線と車両の進行方向との差分が小さいという仮定の下でヨーレートを補正するため、交差点での右左折又は走行時のレーンチェンジ等の車両の旋回半径が極端に小さくなる場合は、車線と車両の進行方向との差分が大きくなり、当該補正に誤差が生じるおそれがあった。
特許文献3に記載の発明は、データベースに登録された道路曲率と車速との積に基づいてヨーレートを算出しているので、当該データベースにアクセスできない場合にはヨーレートの補正ができなくなる。また、交差点での右左折又は走行時のレーンチェンジ等の車両がデータベース上の道路曲率と異なる方向に走行している場合は、ヨーレート補正に誤差が生じるおそれがあった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、撮像装置が取得した画像及び車速から推定した適正ヨーレートに基づいて車両のヨーレートセンサが検出した検出ヨーレートの誤差を算出することにより、検出ヨーレートを正確に補正可能なヨーレート補正装置を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のヨーレート補正装置は、車両周辺の画像情報を取得する撮像装置と、前記撮像装置が取得した画像情報から、目標経路と車両との横位置偏差、前記目標経路と車両のヨー角偏差、及び前記目標経路の曲率を算出する画像情報処理部と、前記画像情報処理部で算出した前記横位置偏差及び前記ヨー角偏差により定まる前記目標経路上の目標点の移動と、横滑りを含む前記車両の運動との関係を表す式を用いて、前記横位置偏差、前記ヨー角偏差、前記曲率、及び車速センサから得られる車両前後速度を含む実測値から、前記車両の適正ヨーレートを推定し、前記車両の適正ヨーレートに基づいて、前記車両が備えるヨーレートセンサが検出した検出ヨーレートの誤差を算出する演算部と、を含んでいる。
また、請求項2に記載のヨーレート補正装置は、請求項1に記載のヨーレート補正装置において、前記関係を表す式は、前記目標点の移動速度と前記曲率との積である前記目標点の接線方向の変化率から、前記ヨー角偏差の変化量を減算した結果と、前記適正ヨーレートとが等しい関係を表す式を含む。
また、請求項3に記載のヨーレート補正装置は、請求項1又は2記載のヨーレート補正装置において、前記関係を表す式は、前記車両前後速度から、前記適正ヨーレートと前記横位置偏差との積を減算したものを、前記ヨー角偏差を用いて補正した結果と、前記目標点の移動速度とが等しい関係を表す式を含む。
請求項4に記載のヨーレート補正装置は、請求項1~請求項3の何れか1項記載のヨーレート補正装置において、前記演算部は、前記関係を表す式に基づいて、前回推定された、前記車両のヨーレートを含む前記車両の状態量から、次時刻の前記車両の状態量を予測する予測部と、予め定められた観測方程式を用いて算出される、前記予測された次時刻の前記車両の状態量に対応する、前記横位置偏差、前記ヨー角偏差、前記曲率、及び車両前後速度と、それぞれの前記実測値との差分、及び前回推定された前記車両の状態量に基づいて、前記予測部で予測された前記車両の状態量を補正することにより、前記車両の適正ヨーレートを推定する更新部と、を含む。
本発明によれば、撮像装置が取得した画像及び車速から推定した適正ヨーレートに基づいて車両のヨーレートセンサが検出した検出ヨーレートの誤差を算出することにより、検出ヨーレートを正確に補正可能なヨーレート補正装置を実現することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係るヨーレート補正装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における座標系を示した概略図である。 撮像装置の位置、車両の重心、横位置偏差及びヨー角偏差の関係の一例を示した説明図である。 横滑りを含む車両の運動と目標経路との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態に係るヨーレート補正装置の入出力の概略を示した説明図である。 本発明の実施の形態に係るヨーレート補正装置の演算装置の機能ブロック図の一例である。 事前推定部の機能ブロック図の一例である。 フィルタリング部の機能ブロック図の一例である。 交差点での右左折時のように、横位置偏差とヨー角偏差とが大きい場合の車両の旋回の一例を示した概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1に示すように、本実施の形態に係るヨーレート補正装置10は、後述する演算装置14の演算に必要なデータ及び演算装置14による演算結果を記憶する記憶装置18と、撮像装置22が取得した画像情報から目標経路と車両との横位置偏差、車両のヨー角偏差及び目標経路の曲率を算出する画像情報処理部20と、画像情報処理部20が算出した横位置偏差、ヨー角偏差、曲率、車速センサ24が検出した車両前後速度及びヨーレートセンサ26が検出したヨーレートが入力される入力装置12と、入力装置12から入力された入力データ及び記憶装置18に記憶されたデータに基づいて車両のヨーレートの演算を行なうコンピュータ等で構成された演算装置14と、演算装置14で演算されたヨーレート等を表示するCRT又はLCD等で構成された表示装置16と、で構成されている。
続いて、車両200の挙動に係る座標系を図2に示したように定義する。地球座標系204は地球平面を基準として重力加速度方向とzeとが平行で、yeが北方向を向いている座標系である。路面座標系206は、zrが車両200の重心を通り路面に垂直な方向に向き、xrは車両進行方向に向いている座標系である。車両座標系208は車体バネ上に固定された座標系で、zvは車体鉛直上方向、xvは車体進行方向を向いている。
本実施の形態は、撮像装置22で取得した画像情報を用いて車両200の横速度を算出する。本実施の形態では横速度の算出に際して、図3にあるように、目標点Ptにおける目標経路220である走行車線の曲率ρに加え、センサ位置Psを基準とした目標点Ptに対する横位置偏差e1とヨー角偏差e2とを想定する。なお、センサ位置Psは車両重心Prから車両200の前方方向に距離(車両重心Prとセンサ位置Psとのオフセット距離)lsで隔てられた位置にあり、車載カメラ等の撮像装置22が設けられている。図3に示したように、センサ位置Psを基準とした車両200の進行方向の移動量はxSであり、センサ位置Psを基準とした車両200の横方向の移動量はysである。
次に、車両200の横速度を推定する際に用いる、横滑りを含む車両200の運動と目標経路220との関係を図4に示す。一般に車両200は路面に対して横滑りをしており、横速度を有する運動を伴っている。車両200の挙動に対し、走行車線上の目標位置Ptは前後方向の速度のみを有し、横速度を有さない運動をしている。この特徴を利用し、車両200の運動と目標位置Ptの運動との差分を導出する事で、車両200の横速度を推定するのに必要な条件式を導出する事が可能になる。
本実施の形態では、図3、4のように各変数を設定する。目標経路220上の目標位置Ptは、接線方向の速度成分Utのみを持つとして、目標位置Ptの速度ベクトルをVt=[Ut 0]T、目標位置PtをPt=[xtt ]T、地球座標系のx軸方向に対する接線方向のヨー角をψtと定義する。さらに車両200は前後方向のみならず横速度を有するとして(車体スリップ角を有する)、路面座標系206の原点をPr=[xrr ]T、ヨー角をψr、車両200の各軸方向の速度成分を図4に示したように、νr=[Urr ]Tとする。本実施の形態では、後に車両座標系208を基準に計測されたセンサ情報との関係を容易にするため、偏差の基準座標系を路面座標系206とし、ヨー角偏差としてψet-ψrを定義する。
図5は、本実施の形態に係るヨーレート補正装置10の入出力の概略を示した説明図である。ヨーレート補正装置10を構成する演算装置14には、画像情報処理部20から横位置偏差e1とヨー角偏差e2と曲率ρとが入力される。また、車速センサ24からは車両200の前後速度Ur(以下、「車両前後速度Ur」と略記)が、ヨーレートセンサ26からはヨーレートセンサ26が検出した検出ヨーレートRsが、各々、演算装置14に入力される。
演算装置14は、後述する演算処理によって、横位置偏差e1、ヨー角偏差e2、曲率ρ及び車両前後速度Urから適正ヨーレートRrを推定して出力すると共に、適正ヨーレートRrと検出ヨーレートRsとの差異から算出したヨーレートセンサ誤差Rerrを出力する。又は、適正ヨーレートRr(若しくはヨーレートセンサ誤差Rerr)に基づいて、検出ヨーレートRsを補正する。
路面座標系206から見た目標位置Ptの偏差ベクトルをPe=[xee ]とすると、当該偏差ベクトルPeの微分は下記の2式で表される。
Figure 0007206883000001
車載カメラ等の撮像装置22が取得した車両200周辺の画像情報を、画像情報処理部20において既知の手法によって画像解析することにより、目標点Ptにおける走行車線の曲率ρに加え、センサ位置Psを基準とした目標点Ptに対する横位置偏差e1とヨー角偏差e2とが抽出される。撮像装置22はセンサの一種であるから、当該撮像装置22で取得した画像情報から抽出した曲率ρ、横位置偏差e1及びヨー角偏差e2をセンサで取得されるセンサ情報とする。さらに、車速センサ24で検出する車両前後速度Urをセンサ情報として、上記式を変形すると、下記の3式が得られる。
Figure 0007206883000002
さらに車体の横速度Vrと適正ヨーレートRrとについて上記3式を整理すると、下記の式(1)、(2)、(3)が得られる。
Figure 0007206883000003
上記式(1)は、車両200の横速度Vrは、車両前後速度Urの目標経路220に対する垂直成分、言い換えれば、車両前後速度Urの車両座標系208のy座標成分であるUtsine2から、目標経路との横位置偏差e1の変化量(e1の微分値)と、車両200のヨー運動に伴う車両重心位置Prに対する撮像装置22の横速度Rrsを引いたものと一致することを示している。なお、上記式(1)は、目標点の移動速度の、車両前後方向に対する垂直成分から、横位置偏差の変化量と、車両のヨー運動に伴う車両重心位置に対する撮像装置の横速度とを減算した結果と、車両の横速度とが等しい関係を表す式の一例である。
上記式(2)は、車両200の適正ヨーレートRrは、目標点Ptの移動速度Utと曲率ρとの積であり、目標経路220上の目標点Ptの接線方向の変化率ρUtから、接線方向と車両進行方向とのヨー角偏差e2の変化量(e2の微分値)を引いたものと一致することを示している。なお、上記式(2)は、目標点の移動速度と曲率との積から、ヨー角偏差の変化量を減算した結果と、車両のヨーレートとが等しい関係を表す式の一例である。
上記式(3)は、目標経路220上の目標点Ptの移動速度Utは、車両前後速度Urから車両200の適正ヨーレートRrと横位置偏差e1を乗算したRr1を減算することで旋回半径の補正を行い、さらにそれをヨー角偏差e2の余弦cose2で除算することで求められることを示している。なお、上記式(3)は、車両前後速度から、車両ヨーレートと横位置偏差との積を減算したものを、ヨー角偏差を用いて補正した結果と、目標点の移動速度とが等しい関係を表す式の一例である。
上記式(1)~(3)を用いて、撮像装置22及び車速センサ24によって取得されたデータに対して最もよくあてはまる未知変数を推定することにより、適正ヨーレートRrの推定が可能になる。
上記式(1)~(3)はいずれも運動の近似をしておらず、非線形な形を取っているが、上記式(1)~(3)を直接用いて非線形カルマンフィルタに適用することにより、車両200が目標経路220から大きく逸脱している場合でも正確な推定が可能となる。また、状態変数に関して局所線形化する事により、拡張カルマンフィルタを適用してもよい。
本実施の形態では、目標経路220と車両200の運動との関係を用いて、状態方程式f(x)を定義し、演算装置14における事前推定とフィルタリングのステップとで活用する。事前推定及びフィルタリングのステップの詳細については、後述する。
まず、撮像装置22より得られる目標経路220に対する横位置偏差e1、ヨー角偏差e2及び目標経路220の曲率ρの情報を用いて、車両200の適正ヨーレートRrを推定する場合の状態方程式f(x)は、以下のように定義する。
かかる場合の状態方程式f(x)は、下記のような、時間tにおける状態量x(t)に対して、下記の式(4)の関係が成り立つ。
Figure 0007206883000004

Figure 0007206883000005
上記の状態量x(t)に対して、上記式(4)の関係が成り立つ状態方程式f(x)を下記のように立式する。
Figure 0007206883000006
式(5)、(6)は、目標経路220と車両200との運動の関係を示した微分方程式である。
また、本実施の形態では、各状態に対するシステムノイズを下記のように定義する。
Figure 0007206883000007
次に観測量を下記のように定義する。
Figure 0007206883000008
y=h(x)を満たす観測方程式h(x)は、下記の各式のように、状態量(右辺)と観測量(左辺)との対応を定義したものである。
Figure 0007206883000009
ただし、各観測量に対する観測ノイズを下記のように定義する。
Figure 0007206883000010
カルマンフィルタでは、式(5)、(6)を含む状態方程式f(x)の各々を離散化して使用する。従って、関数f(x)の入出力関係を、時間t=k、k-1に対して、x(k)=f(x(k-1))となる形で使用する。
図6は、本実施の形態に係るヨーレート補正装置10の演算装置14の機能ブロック図の一例である。図6に示したように、演算装置14は、状態方程式f(x)を用いて、目標経路220である走行車線と横滑りを含む車両200の平面運動との関係に基づく状態の推定を行うと共に、観測方程式h(x)を用いて、対応するセンサ情報を推定する事前推定部102と、事前推定部102が出力した事前推定値を、センサ情報を用いて補正するフィルタリング部104と、を含む。
カルマンフィルタは線形・非線形を含め種々の手法が提案されている。本実施の形態では、前述のように状態方程式f(x)が非線形である事を踏まえ、非線形カルマンフィルタを活用する例を示す。中でも状態方程式f(x)についての線形化を要さず、かつ計算負荷が比較的小さいアンセンティッドカルマンフィルタを一例として採用する。状態方程式f(x)が線形の場合は、線形カルマンフィルタを用いてもよいし、アンセンティッドカルマンフィルタ以外の非線形カルマンフィルタを用いてもよい。
図7は、事前推定部102の機能ブロック図の一例である。図7に示したように、事前推定部102は、第1アンセンティッド変換部102Aと第2アンセンティッド変換部102Bとを含む。
第1アンセンティッド変換部102Aは、状態方程式f(x)に基づいて状態量を更新する1回目のアンセンティッド変換(Unscented transfer)を行って、xの平均及びxの共分散行列を出力する。
第2アンセンティッド変換部102Bは、第1アンセンティッド変換部102Aが出力した状態量xの平均及び状態量xの共分散行列を用いて、観測方程式h(x)に従って、対応する観測量に変換する2回目のアンセンティッド変換を行う。
なお、アンセンティッド変換の目的は、ある非線形関数y=f(x)による変換において、下記の観測量yの平均及び共分散行列を精度よく求めることにある。
Figure 0007206883000011
従って、本実施の形態は、平均値と標準偏差とに対応する2n+1個のサンプル(シグマポイント)を用いて、確率密度関数を近似することを特徴とする。
図7に示したように、第1アンセンティッド変換部102Aは、シグマポイント重み係数部102A1と、関数変換部102A2と、U変換部102A3と、を含む。また、第2アンセンティッド変換部102Bは、シグマポイント重み係数部102B1と、関数変換部102B2と、U変換部102B3と、を含む。
第1アンセンティッド変換部102Aのシグマポイント重み係数部102A1及び第2アンセンティッド変換部102Bのシグマポイント重み係数部102B1では、シグマポイントXi:i=0、1、2、…2nが、下記のように選択される。
Figure 0007206883000012
ただし、スケーリングファクタκは、κ≧0となるように選択する。また、シグマポイントに対する重みは下記のように定義する。
Figure 0007206883000013
第1アンセンティッド変換部102Aの関数変換部102A2における、非線形関数f(x)による各シグマポイントの変換は下記のようになる。下記は、第1アンセンティッド変換部102Aの関数変換部102A2での状態方程式f(x)による変換だが、第2アンセンティッド変換部102Bの関数変換部102B2での観測方程式h(x)を用いた変換では、観測値が得られる。
Figure 0007206883000014
第1アンセンティッド変換部102AのU変換部102A3では、関数f(x)によって変換された値と、前述の重み係数とを用いて、下記のように状態量xの平均値と状態量xの共分散行列を算出する。なお、下記式中のQnはシステムノイズである。
Figure 0007206883000015
第2アンセンティッド変換部102BのU変換部102B3では、下記の計算を行う。
Figure 0007206883000016
図8は、フィルタリング部104の機能ブロック図の一例である。フィルタリング部104では、U変換部102B3で計算された、状態量の事前予測値に対応する観測値と、実際に観測された観測値との差を比較し、状態量の予測値を補正する処理を行う。
状態量の予測値を実際に観測された値でフィードバックする処理はカルマンゲイン(Kalman Gain)と呼ばれ、次式で計算される。なお、次式のRnは観測ノイズである。
Figure 0007206883000017
次に、このカルマンゲインを用いて、状態量の事前予測値を補正する処理を次のように行う。
Figure 0007206883000018
以上の事前推定部102及びフィルタリング部104の処理を各タイムステップごとに繰り返すことにより、車両200の適正ヨーレートRrを推定する。
車両200の適正ヨーレートRrを推定する場合、フィルタリング部104が出力したx(k)、Px(k)を前回値として事前推定部102に入力し、上述のように2段階のアンセンティッド変換を行って状態量の事前予測値及び対応する観測値を計算する。計算した状態量の予測値は、フィルタリング部104でカルマンゲイン及び実際に観測された最新の観測値を用いて補正される。フィルタリング部104が出力したx(k)、Px(k)は、記憶装置18に一時的にホールドし、記憶装置18にホールドしたx(k)、Px(k)を前回値として事前推定部102に入力する。
この状態量の事前予測値の計算と実際に観測された最新の値での補正を繰り返すことによって推定した車両200の適正ヨーレートRrと、ヨーレートセンサ26が検出した検出ヨーレートRsとの差分により、検出ヨーレートRsの誤差を正確に算出できる。また、検出ヨーレートRsの誤差を用いて、ヨーレートセンサ26が検出した検出ヨーレートRsを補正するようにしてもよい。
ヨーレートセンサ26が検出した検出ヨーレートRsの補正は、前述のように、車両200の操舵角が所定の値以下の場合に車両200が直進していると仮定して、ヨーレートセンサ26のゼロ点を補正するという方法、又はGPSによって車両200の挙動を把握してヨーレートセンサ26検出したヨーレートを補正する方法がある。しかしながら、前者の方法では、操舵角センサのゼロ点が正確に調整されていない場合は、ヨーレートセンサ26のゼロ点の補正が正確にできない。さらに、路面環境によっては、操舵角センサによって検出した操舵角がゼロを示していても、実際には車両200が旋回している場合があるので、補正の精度が良好でないという問題があった。
また、後者の方法では、車両200がトンネル内又はビル街等のGPS衛星からの電波の受信が困難な場所を走行している場合に、ヨーレートの補正ができないという問題があった。
その他、撮像装置22で取得した画像情報から認識した車線の道路波形に基づいて車両200のヨーレートを推定する方法も考えられるが、当該方法は、車線と車両200の進行方向が概ね同じであると仮定している。従って、図9に示したように、交差点での右左折時のように、センサ位置Psを基準とした目標点Ptに対する横位置偏差e1とヨー角偏差e2とが大きい場合は、ヨーレートの推定に誤差が生じるおそれがあった。特に交差点等での低速旋回時には、車両200がぐるぐると回転しているような挙動を示すヨーレートが推定されるターンテーブル現象が生じ得る。
本実施の形態に係るヨーレート補正装置10は、式(2)が示すように、車両200の適正ヨーレートRrを、目標点Ptの移動速度Utと曲率ρとの積であり、目標経路220上の目標点Ptの接線方向の変化率ρUtから、接線方向と車両進行方向とのヨー角偏差e2の変化量(e2の微分値)を引いたものと一致することに基づいて推定している。
また、本実施の形態に係るヨーレート補正装置10は、式(3)が示すように、目標経路220上の目標点Ptの移動速度Utを、車両前後速度Urから車両200の適正ヨーレートRrと横位置偏差e1を乗算したRr1を減算することで旋回半径の補正を行い、さらにそれをヨー角偏差e2の余弦cose2で除算することで推定している。
以上説明したように、本実施の形態に係るヨーレート補正装置10は、既存の状態方程式に依存せず、かつ車両200の運動について近似をしていないので、車両200が目標経路220から大きく逸脱した場合でも撮像装置が取得した画像及び車速から適正ヨーレートRrの推定が可能となる。そして、推定した適正ヨーレートRrに基づいて、ヨーレートセンサ26が検出した検出ヨーレートRsを正確に補正することができる。
10 ヨーレート補正装置
12 入力装置
14 演算装置
16 表示装置
18 記憶装置
20 画像情報処理部
22 撮像装置
24 車速センサ
26 ヨーレートセンサ
102 事前推定部
102A 第1アンセンティッド変換部
102A1 シグマポイント重み係数部
102A2 関数変換部
102A3 U変換部
102B 第2アンセンティッド変換部
102B1 シグマポイント重み係数部
102B2 関数変換部
102B3 U変換部
104 フィルタリング部
200 車両
204 地球座標系
206 路面座標系
208 車両座標系
220 目標経路

Claims (4)

  1. 車両周辺の画像情報を取得する撮像装置と、
    前記撮像装置が取得した画像情報から、目標経路と車両との横位置偏差、前記目標経路と車両のヨー角偏差、及び前記目標経路の曲率を算出する画像情報処理部と、
    前記画像情報処理部で算出した前記横位置偏差及び前記ヨー角偏差により定まる前記目標経路上の目標点の移動と、横滑りを含む前記車両の運動との関係を表す式を用いて、前記横位置偏差、前記ヨー角偏差、前記曲率、及び車速センサから得られる車両前後速度を含む実測値から、前記車両の適正ヨーレートを推定し、前記車両の適正ヨーレートに基づいて、前記車両が備えるヨーレートセンサが検出した検出ヨーレートの誤差を算出する演算部と、
    を含むヨーレート補正装置。
  2. 前記関係を表す式は、前記目標点の移動速度と前記曲率との積である前記目標点の接線方向の変化率から、前記ヨー角偏差の変化量を減算した結果と、前記適正ヨーレートとが等しい関係を表す式を含む請求項1記載のヨーレート補正装置。
  3. 前記関係を表す式は、前記車両前後速度から、前記適正ヨーレートと前記横位置偏差との積を減算したものを、前記ヨー角偏差を用いて補正した結果と、前記目標点の移動速度とが等しい関係を表す式を含む請求項1又は請求項2記載のヨーレート補正装置。
  4. 前記演算部は、前記関係を表す式に基づいて、前回推定された、前記車両のヨーレートを含む前記車両の状態量から、次時刻の前記車両の状態量を予測する予測部と、
    予め定められた観測方程式を用いて算出される、前記予測された次時刻の前記車両の状態量に対応する、前記横位置偏差、前記ヨー角偏差、前記曲率、及び車両前後速度と、それぞれの前記実測値との差分、及び前回推定された前記車両の状態量に基づいて、前記予測部で予測された前記車両の状態量を補正することにより、前記車両の適正ヨーレートを推定する更新部と、
    を含む請求項1~請求項3の何れか1項記載のヨーレート補正装置。
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