JP7206835B2 - 磁気回路 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気回路に関する。
特許文献1には、非磁性層を取り囲むように配置された磁化反転素子と軟磁性体とから構成される磁気回路を電線(ワード線)の近傍に設置し、該電線に電流を流すことにより発生する磁界によって磁気回路に所定方向の磁束の流れを発生させる磁気回路構成が開示されている。この磁気回路構成は、磁化反転素子の主たる磁化方向に対して軟磁性体を対向して配置することで、該電線に電流を流すことにより発生する磁界からより大きな磁束を生成することを目的とする。
特開平10-302456号公報
しかしながら、特許文献1に開示された磁気回路構成のように、磁化反転素子の主たる磁化方向に対して軟磁性体を単に対向して配置するだけでは、軟磁性体と磁化反転素子との間に生じる磁気抵抗により磁化反転素子の減磁が起こり、十分な磁束を生成することができない。
本発明は、磁化反転素子と軟磁性体とから構成される磁気回路において、磁化反転素子の減磁を抑制し、より大きな磁束を生成することができる技術を提供することを目的とする。
本発明による磁気回路は、電流または電圧を印加することにより磁化状態を制御可能な磁化反転素子で構成される起磁力源と、軟磁性体とを備える。そして、この磁気回路は、磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向と略直交方向において磁化反転素子と軟磁性体とが電気的絶縁層を介して対抗する対向部を、磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向に沿った2箇所に有し、この対向部において、軟磁性体に、磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向に一致する方向の磁束の流れが生成される
本発明によれば、起磁力源と軟磁性体との間において、面方向における主たる磁化方向と略直交方向において対向する部位を有することにより、磁気回路の磁気抵抗を低減することができるので、磁化反転素子の減磁を抑制し、磁気回路内により大きな磁束を生成することができる。
図1は、第1実施形態の磁気回路を説明する概略構成図である。 図2は、磁化反転素子を説明する概略構成図である。 図3は、磁気回路に生成される磁束の流れを説明する図である。 図4は、第2実施形態の磁気回路を説明する概略構成図である。 図5は、第3実施形態の磁気回路を説明する概略構成図である。 図6は、第4実施形態の磁気回路を説明する概略構成図である。 図7は、直線運動を得られるモータ(リニアモータ)に適用される第5実施形態の磁気回路を説明する概略構成図である。 図8は、回転運動を得られるモータ(回転機)に適用される第5実施形態の磁気回路を説明する概略構成図である。 図9は、可動子(回転子)を反時計回りに回転させる場合の各磁化反転素子の動作状態を説明する図である。 図10は、可動子(回転子)をトルクリプルを抑制しながら回転させる場合の各磁化反転素子の動作状態を説明する図である。 図11は、従来技術の問題点を説明する図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気回路100の構造(磁気回路構造)を説明する概略構成図である。図1(a)は、磁気回路を面方向に垂直な方向から見た上面図を示し、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図を示す。
本実施形態の磁気回路100は、主に、磁化反転素子101と、軟磁性体102と、絶縁層103と、を含んで構成される。
磁化反転素子101は、磁気回路100の起磁力源として機能する。磁化反転素子101として、例えばスピンゼーベック素子が適用される。本実施形態の磁化反転素子101の具体的構成について図2を用いて説明する。
図2は、磁化反転素子101を説明する概略構成図である。図示するとおり、本実施形態の磁化反転素子101は、平板形状の三層構造であって、磁化反転層101aと、非磁性層101bと、磁化保持層101cとから構成される。
磁化反転層101aは、磁化保持層101cに対して保磁力が相対的に小さい磁石(低保磁力磁石)で構成された導電性の磁性層である。
非磁性層101bは、導電性の非磁性層であって、例えば銅(Cu)で構成される。
磁化保持層101cは、磁化反転層101aに対して保磁力が相対的に大きい磁石(高保磁力磁石)で構成された導電性の磁性層である。磁化保持層101cは、最初(例えば磁石製造時)に着磁された際に設定された磁化方向が維持される。
なお、図示する電気回路10は、磁化反転素子101に電流を印加するために構成される電気回路である。ただし、電気回路10は、図示するように一方向(上から下)にのみ電流を流すものではなく、逆方向(下から上)にも流せるように構成される。すなわち、図には表されていないが、電気回路10は、電流を流す方向を切替え可能に構成される。
このように構成される磁化反転素子101に電流を流すことにより磁化反転素子101の主たる磁化方向を制御することができる。例えば、磁化反転素子101に対して図2で示すような電気回路10を接続し、図の上から下、すなわち磁化反転層101aから磁化保持層101cに向かう方向に電流を流すと、磁化保持層101cから磁化反転層101aに向かって電子が移動する。この時、電子が磁化保持層101cを通過することで、ランダムであった電子の回転方向が磁化保持層101cの磁化方向と一致する。そして、回転方向が磁化保持層101cの磁化方向に揃えられた電子が磁化反転層101aを通ることで、磁化反転層101aの磁化方向を電子の回転方向と一致させることができる。その結果、磁化反転層101aの磁化方向を磁化保持層101cの磁化方向と一致させることができる。
他方、図の下から上、すなわち磁化保持層101cから磁化反転層101aに向かう方向に電流を流すと磁化反転層101aから磁化保持層101cに向かって電子が移動する。この時、ランダムな回転方向を有する電子は、回転方向がランダムな状態を維持したまま磁化反転層101aおよび非磁性層101bを通過することができるが、磁化保持層101cは、回転方向が磁化保持層101cの磁化方向と一致する電子しか通過することができない。そうすると、磁化保持層101cの磁化方向と異なる回転方向を有する電子のみが磁化反転層101aに留まることになるので、磁化反転層101aは、回転方向が磁化保持層101cの磁化方向と逆の方向を示す電子の影響を強く受ける。その結果、磁化反転層101aの磁化方向を磁化保持層101cの磁化方向と異なる方向に反転させることができる。
このように、電気的に直列に接続された3層構造を有する磁化反転素子101に電流を印加することによって、磁化保持層101cと磁化反転層101aとの間で電子をキャリアとしてその回転エネルギーを伝達して、磁化反転層101aの磁化方向を制御することができる。その結果、磁気回路100には、図3で例示するように、制御された磁化反転層101aの磁化方向に一致する方向の磁束の流れが生成される。なお、本明細書においては、磁化反転層101aの磁化方向が、磁化反転素子101の主たる磁化方向として定義されるものとする。
なお、磁化反転素子101が備える非磁性層101bは絶縁体で構成されてもよい。その場合には、例えば図2で示す電気回路10により磁化反転素子101に電圧を印加することにより磁化反転素子101の磁化方向を制御することができる。より詳細には、絶縁体で構成された非磁性層101bを備える磁化反転素子101に電圧を印加することによって、コンデンサと同様の作用によって非磁性層101bに電界(電場)を生じさせることができる。電界の方向は、磁化反転素子101の磁化方向に影響する。したがって、上述の電流印加時と同様に、電圧を印加する方向を変えることで電界の方向を変化させることにより、磁化反転素子101の磁化方向を制御することができる。
以上が本実施形態の磁化反転素子101の詳細である。以下、磁気回路100の構成について図1に戻って説明を続ける。なお、図1では、図2で例示したような磁化反転素子に電流或いは電圧を印加するための電気回路は省略されている。
軟磁性体102は、磁気回路100において、起磁力源としての磁化反転素子101から生じる磁束の主たる流路(磁路)として機能する。軟磁性体102は、例えば電磁鋼板により構成される。
絶縁層103は、磁気回路100において、磁化反転素子101と軟磁性体102との間に介在され、磁化反転素子101と軟磁性体102との間に所定幅のギャップを形成するとともに、磁化反転素子101と軟磁性体102との間を電気的に絶縁する機能を有している。本実施形態の絶縁層103は例えば空気層であってもよい。ただし、絶縁層103は、絶縁機能の安定性の観点からは、非磁性体の材料(非磁性材料)で構成されるのが好ましい。絶縁層103が非磁性材料で構成されることにより、磁化反転素子101と軟磁性体102との間を磁気的に絶縁する機能を安定的に備えることができるので、磁化反転素子101と周囲との間に電気的および磁気的な絶縁不良が生じることを好適に防止して、磁化反転素子101をより安定して駆動させることができる。
ここで、従来技術(特許文献1参照)の課題について説明する。図11は、従来技術の課題を説明するための図である。
図11で示されるのは、磁性層(磁化反転素子)と軟磁性材料とで構成される磁気回路である。図中の矢印は、それぞれの磁化方向を示している。図示するように、従来の磁気回路は、磁性層と軟磁性材料とが非磁性層を囲むように配置されている。そして、磁性層と軟磁性材料とは、それぞれの磁化方向が反平行となるように対向して配置されている。すなわち、従来の磁気回路では、磁性層の主たる磁化方向に垂直な側面に軟磁性材料の対向面が接するように配置されている。
しかしながら、磁性層の主たる磁化方向上に軟磁性材料の対向面を単に配置した磁気回路構成では、磁性層と軟磁性材料との間に生じる磁気抵抗が大きくなってしまう。そのため、従来の磁気回路構成では、磁性層に減磁を生じさせてしまい、起磁力源としての磁化磁性層から十分な磁束を生成することができない。
これに対して、本実施形態の磁気回路100は、特に磁化反転素子101と軟磁性体102との配置を工夫することによって上記課題を解決し、磁化反転素子101からより大きな磁束を取り出すことができる。
具体的には、図1(b)に示すように、磁気回路100は、磁化反転素子101の一部(端部)と軟磁性体102の一部(端部)とが磁化反転素子101の主たる磁化方向と略直交する方向において絶縁層103を介して対向するように配置されてなる構造(対向部104、105)を有している。換言すれば、磁気回路100は、磁化反転素子101と軟磁性体102とが、磁化反転素子101の主たる磁化方向と略直交方向において、電気的絶縁層(絶縁層103)により構成されるギャップを挟んで重複対向する部位(対向部104、105)を有している。
ここで、磁化反転素子101を構成する磁化反転層101aおよび磁化保持層101cの少なくとも一方は、磁性体であって、ランダムな磁化容易方向(磁化容易軸)を有する材料によって構成される。これにより、磁化反転素子101は、磁化容易方向が一致する材料で構成される磁性体に比べて、磁化方向と略垂直な方向により多くの磁束が出るという特性を備える。
換言すると、磁化反転層101aおよび磁化保持層101cは、その磁化容易方向がランダムであることにより、面方向における磁化方向と平行な面の磁界の強さをより向上させることができる。このため、磁気回路100に形成される対向部104、105において磁化反転素子101から軟磁性体102へより効率的に磁束を取り出すことができるので、磁化反転素子101と軟磁性体102との間の磁気抵抗が低減され、磁気回路100内で生成可能な磁束を増大させることができる。なお、磁気回路100において、磁化反転素子101を構成する磁化反転層101aおよび磁化保持層101cのうち、いずれか一方のみの磁化容易方向がランダムである場合には、磁化反転素子101における軟磁性体102側の面の磁界をより向上させる観点から、磁化容易方向がランダムである層を軟磁性体102側に配置することが好ましい。
さらに、対向部104、105の寸法、すなわち、対向部104、105のそれぞれにおける軟磁性体102と磁化反転素子101との対向面積およびギャップの長さは、以下式(1)を満たすように設定されることが好ましい。なお、対向面積とは、対向部104、105のそれぞれにおいて、磁化反転素子101と軟磁性体102とが絶縁層103を介して対向する面積を示し、ギャップの長さとは、磁化反転素子101の磁化方向と垂直な方向において対向する磁化反転素子101と軟磁性体102との間の距離を示す。
Figure 0007206835000001
式(1)中の各変数は次のとおりである。すなわち、Rgapは、絶縁層103の磁気抵抗を示す。Hmは、磁化反転層101aと磁化保持層101cのいずれか一方のクニック点磁界を示す。Bmは、磁化反転層101aと磁化保持層101cのいずれか一方のクニック点磁束密度を示す。Smは、磁化反転層101aと磁化保持層101cのいずれか一方の磁化方向と直交方向の断面積を示す。lmは、磁化反転素子101の磁化方向と一致する長さであって、対向部104、105において軟磁性体102と対向する部分を除く距離を示す(図1中の「lm」を参照)。
なお、式(1)中のHm、Bm、およびSmにおいて選択される「磁化反転層101aと磁化保持層101cのいずれか一方」とは、磁気回路100の磁化反転素子101において、軟磁性体102側に配置される層を示す。また、式(1)中のRgapは、以下式(2)で算出される。
Figure 0007206835000002
ただし、式(2)中のlgapはギャップの長さを示し、μgapは絶縁層103の透磁率を示し、Sgapは対向部104、105のいずれかにおける対向面積を示す。
磁気回路100が備える各対向部104、105の対向面積、およびギャップの長さを上記式(1)、(2)を用いて設定することにより、磁化反転素子101が減磁することを適切に抑制し、磁気回路100において起磁力源である磁化反転素子101に基づいて生成可能な磁束をより的確に増大させることができる。
また、各対向部104、105における軟磁性体102の断面積Scは、以下式(3)を満たすように設定されるのが好ましい。ただし、軟磁性体102の断面積Scは、軟磁性体102の内部に生じる磁束の磁路方向と直交方向の断面積を示す。
Figure 0007206835000003
ただし、式(3)中のSmmは、磁化反転層101aおよび磁化保持層101cの磁化方向に垂直な断面積の和を示す。Bmは、式(1)中のBmと同様、磁化反転層101aと磁化保持層101cのいずれか一方のクニック点磁束密度を示す。Bcは、軟磁性体102の飽和磁束密度を示す。
磁気回路100が備える各対向部104、105における軟磁性体102の断面積Scを上記式(3)を用いて設定することにより、軟磁性体102に形成される磁路が飽和することを抑制し、磁気回路100において起磁力源である磁化反転素子101に基づいて生成可能な磁束をより効率的に増大させることができる。
以上、第1実施形態の磁気回路100は、電流または電圧を印加することにより磁化状態を制御可能な磁化反転素子101で構成される起磁力源と、軟磁性体102とを備える。起磁力源と軟磁性体102とは、起磁力源の面方向における主たる磁化方向と略直交方向において電気的絶縁層103を介して対向する部位(104、105)を有する。起磁力源(磁化反転素子101)と軟磁性体102との間において、面方向における主たる磁化方向と略直交方向において対向する部位(104、105)を有することにより、磁気回路100の磁気抵抗を低減することができるので、磁気回路内により大きな磁束を生成することができる。
また、第1実施形態の磁気回路100によれば、磁化反転素子101は、磁化反転層101aと磁化保持層101cとを含み、磁化反転層101aおよび磁化保持層101cの少なくとも一方は、ランダムな磁化容易方向を有する材料により構成される。これにより、磁化反転素子の面方向における磁化方向に略直交する方向にもより磁束が出るので、磁気回路100の磁気抵抗をさらに低減でき、磁気回路100内に生成される磁束を更に増大させることができる。
また、第1実施形態の磁気回路100によれば、電気的絶縁層(絶縁層103)は、非磁性体で構成される。これにより、磁化反転素子101と軟磁性体102との間を磁気的に絶縁する機能を安定的に備えることができるので、磁化反転素子101と周囲との間に電気的および磁気的な絶縁不良が生じることを好適に防止して、磁化反転素子101をより安定して駆動させることができる。
また、第1実施形態の磁気回路100によれば、対向する部位(104、105)の対向面積と、対向する部位(104、105)における起磁力源と軟磁性体102との間のギャップ長とに基づいて算出される電気的絶縁層103の磁気抵抗をRgapとし、磁化反転層101aおよび磁化保持層101cのうち、軟磁性体102側に配置される層のクニック点磁界をHmとし、軟磁性体102側に配置される層のクニック点磁束密度をBmとし、軟磁性体102側に配置される層において磁化方向と直交する方向の断面積をSmとし、起磁力源の磁化方向において、対向する部位(104、105)を除いた部分の長さをlmとした場合に、対向する部位(104、105)の対向面積およびギャップ長は、上記式(1)を満たすように設定される。これにより、磁化反転素子101が減磁することを適切に抑制し、磁気回路100において起磁力源である磁化反転素子101に基づいて生成可能な磁束をより的確に増大させることができる。
また、第1実施形態の磁気回路100は、軟磁性体102において磁束の流れと直交する方向の断面積をScとし、磁化反転層101aおよび磁化保持層101cにおいてそれぞれの主たる磁化方向と直交方向の断面積の和をSmmとし、磁化反転層101aおよび磁化保持層101cのうち、軟磁性体102側に配置される層のクニック点磁束密度をBmとし、軟磁性体102の飽和磁束密度をBcとした場合に、軟磁性体102の断面積Scは、上記式(3)を満たすように設定される。これにより、軟磁性体102に形成される磁路が飽和することを抑制し、磁気回路100において起磁力源である磁化反転素子101に基づいて生成可能な磁束をより効率的に増大させることができる。
[第2実施形態]
以下では、第2実施形態の磁気回路200について説明する。本実施形態の磁気回路200は、少なくとも2つ以上の磁化反転素子201が磁気的に直列に結合されて構成される点が第1実施形態と相違する。以下、図4を参照して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図4は、第2実施形態の磁気回路200を説明するための図である。図4(a)は、磁気回路200を磁化反転素子201の磁化方向に垂直な方向から見た上面図を示す図である。図4(b)は、図4(a)のA-A断面図を示す図である。図4(c)は、磁気回路200に生成される磁束の流れの一例を示す図である。なお、図4(a)では、絶縁層203の記載が省略されている。
本実施形態の磁気回路200は、図4(a)、(b)に示すように、磁化反転素子201と軟磁性体202とが絶縁性の非磁性層である絶縁層203を介して対向する部分である対向部204、205を有しながら、磁気的に直列に結合するように配置される。なお、対向部204、205の対向面積およびギャップの長さは、第1実施形態の対向部104、105と同様に設定される。このように配置された磁気回路200においても、第1実施形態と同様、図4(c)で例示するように、制御した磁化反転素子201の磁化方向に一致する方向の磁束の流れが生成される。
このように、磁気回路200において複数の磁化反転素子201と軟磁性体202とを磁気的に直列に結合して配置することにより、起磁力源の長さ(磁極面積)を等価的に伸長することができる。その結果、第1実施形態と同様に磁化反転素子201の減磁を抑制しながらも、起磁力源の長さを等価的に伸長させる長さに応じて、磁気回路200に発生する磁束量をさらに増大させることができる。
以上、第2実施形態の磁気回路は、起磁力源は、少なくとも2つの磁化反転素子201を磁気的に直列に結合して構成される。これにより、起磁力源の長さを等価的に伸長させる長さに応じて、磁気回路200に発生する磁束量をさらに増大させることができる。
[第3実施形態]
以下では、第3実施形態の磁気回路300について説明する。本実施形態の磁気回路300は、少なくとも2つ以上の磁化反転素子301が磁気的に並列に結合されて構成される点が上記実施形態と相違する。以下、図5を参照して上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図5は、第3実施形態の磁気回路300を説明するための図である。図5(a)は、磁気回路300を磁化反転素子201の磁化方向に垂直な方向から見た上面図を示す図である。図5(b)は、図5(a)のA-A断面図を示す図である。なお、図5(a)では、絶縁層303の記載が省略されている。
本実施形態の磁気回路300は、図5(a)、(b)に示すように、磁化反転素子301と軟磁性体302とが絶縁性の非磁性層である絶縁層303を介して対向する部分である対向部304、305を有しながら、磁気的に並列に結合するように配置される。なお、対向部304、305の対向面積およびギャップの長さは、第1実施形態の対向部104、105と同様に設定される。このように配置された磁気回路300においても、上記実施形態と同様に、磁化反転素子301の磁化方向に一致する方向の磁束の流れが生成される。
このように、磁気回路300において複数の磁化反転素子301と軟磁性体302とを磁気的に並列に結合して配置することにより、起磁力源の磁極面積を等価的に増大させることができる。その結果、上記実施形態と同様に磁化反転素子301の減磁を抑制しながらも、等価的に増大させた起磁力源の磁極面積に応じて、磁気回路300に発生する磁束量をさらに増大させることができる。
以上、第3実施形態の磁気回路は、少なくとも2つの磁化反転素子301を磁気的に並列に結合して構成される。等価的に増大させた起磁力源の磁極面積に応じて、磁気回路300に発生する磁束量をさらに増大させることができる。
[第4実施形態]
以下では、第4実施形態の磁気回路400について説明する。
本実施形態の磁気回路400は、磁化反転素子401と軟磁性体402とが、磁化反転素子101の主たる磁化方向において、図では単なる空間で示す電気的絶縁層(絶縁層403)を介して対向する部分(対向部405)を更に有している点が上記実施形態と異なっている。具体的な態様について図6を用いて説明する。
図6は、第4実施形態の磁気回路400を説明するための図である。図6が示すように、本実施形態の軟磁性体402は、磁化反転素子401に対して、磁化反転素子401の主たる磁化方向と略直交する方向(矢印a)と、磁化反転素子401の主たる磁化方向(矢印b)との双方において、電気的絶縁層を介して対向する部分を有している。この場合、軟磁性体401の厚みは、図6(a)が示すように全て一様である必要はなく、図6(b)が示すように異なる厚み部分を有していてもよい。なお、図6では、磁化反転素子401の一方の端部に対する軟磁性体402の形状を示しているが、他方の端部においても図示する対向部405と同様の対向部が形成されるように構成してもよい。
なお、上記式(3)を用いて設定される軟磁性体401の断面積Scは、磁化反転素子401の主たる磁化方向と略直交する方向において当該磁化反転素子401と対向する部分において、磁化反転素子401の主たる磁化方向と略直交する方向と平行な断面の断面積とする(図中の縦両矢印部分を参照)。
このような構成とすることにより、磁化反転素子401と軟磁性体402との間の対向面積が増大し、磁化反転素子401から軟磁性体402へより効率的に磁束を取り出すことができるので、磁化反転素子401と軟磁性体402との間の磁気抵抗を低減させて、磁気回路400内で生成可能な磁束を増大させることができる。
以上、第4実施形態の磁気回路構造によれば、軟磁性体401は、起磁力源の面方向における主たる磁化方向において電気的絶縁層403を介して起磁力源と対向する部位をさらに有する。これにより、磁化反転素子401と軟磁性体402との間の磁気抵抗をさらに低減させて、磁気回路400内で生成可能な磁束を増大させることができる。
[第5実施形態]
以下では、第5実施形態の磁気回路500、600について説明する。本実施形態の磁気回路500、600は、モータに適用される。以下、本実施形態の磁気回路500、600について、図7~図10を参照して上記実施形態との相違点を中心に説明する。
図7は、直線運動を得られるモータ(リニアモータ)に適用される磁気回路500の一態様を例示する図である。図7(a)は、磁気回路500を磁化反転素子501の面方向から見た側面図を示し。図7(b)は、磁気回路500を磁化反転素子501の厚み方向から見た上面図を示す。
図7に示すとおり、本実施形態の磁気回路500は、少なくとも3つ以上(図では一例として三つ)の磁化反転素子501と、軟磁性体502と、絶縁層503とで構成される。
軟磁性体502は、図7(a)で示すように、C字形状の側面を有しており、本体部502aと、本体部502aから突出する複数(図では二つ)の凸部(突極部)502bと、複数の凸部502b間に形成される凹部502cとで構成される。なお、モータに適用される軟磁性体502は可動子として機能する。換言すると、磁気回路500は、軟磁性体502により構成され、所定方向に所定間隔で突出する複数の突極部を有して構成される可動子を有する。なお、ここでの所定方向とは、磁気回路500を構成する際に、磁化方向と一致する方向とする。
3つの磁化反転素子501(1)~(3)は、図示するとおり、磁化方向に互いに位置ずれして階段状に配置される。より詳細には、三つの磁化反転素子501(1)~(3)は、磁化方向を基準として並列に並ぶとともに、それぞれが隣接する磁化反転素子501に対して磁化方向に所定幅ずらして階段状に配置される。なお、モータに適用される少なくとも三つ以上の磁化反転素子501は、固定子として機能する。換言すると、磁気回路500は、複数の磁化反転素子501が主たる磁化方向に互いに所定幅ずらして階段状に配置されて構成される固定子を有する。
具体的には、まず、磁気回路500を構成する3つの磁化反転素子501(1)~(3)は、それぞれの磁化方向が一致するようにして並列に配置される。そして、一の磁化反転素子501(1)に対して、隣接する磁化反転素子501(2)が磁化方向に所定幅ずらして配置される。さらに、磁化反転素子501(2)に対して、隣接する磁化反転素子501(3)が磁化方向に所定幅ずらして配置される。このようにして、少なくとも三つ以上の複数の磁化反転素子501は、磁化方向に互いに位置ずれして階段状に配置される。なお、図7では、磁化反転素子501(1)が最も左側に位置するとともに、磁化反転素子501(3)が最も右側に位置するように配置された構成が例示されているが、磁化反転素子501(1)が最も右側に位置するとともに、磁化反転素子501(3)が最も左側に位置するように構成されてもよい。また、図示するように階段状に配置された磁化反転素子501(1)~(3)を一組の磁化反転素子群として、これを磁化方向に複数直列に配置してもよい。なお、より多い数の磁化反転素子501を使用する場合(例えば九つ)でも、同様に並列、且つ階段状に配置される。すなわち、磁化反転素子501(1)が最も左側に位置する場合には、磁化反転素子501(9)が最も右側に位置するように構成される。
そして、磁気回路500における軟磁性体502と磁化反転素子501とは、軟磁性体502が有する少なくとも二つの凸部502bの端面の少なくとも一部が、磁化反転素子501の少なくとも一部と絶縁層503を介して対向するように構成される。このとき、軟磁性体502と磁化反転素子501とは、互いの位置関係により磁化反転素子501に対する軟磁性体502のパーミアンス係数が変動するように構成される。換言すると、磁気回路500は、軟磁性体502と磁化反転素子501(1)~(3)の位置関係に応じて磁化反転素子501(1)~(3)を順次動作(磁化/消磁)させることにより、軟磁性体502と磁化反転素子501との間で形成される閉磁路中の磁束を変化させることができるように構成される。この結果、軟磁性体502で構成される可動子を磁化反転素子501で構成される固定子上を所望の磁化方向に推進させる移動磁界を形成することが可能となり、移動磁界によって可動子としての軟磁性体502にトルクを生じさせることができる。
なお、磁化反転素子501は、図2で示す磁化反転素子101と同じ構造であるところ、電流又は電圧を印加することによって、磁化反転層101aの磁化方向を磁化保持層101cの磁化方向と一致させて磁化するとともに、磁化反転層101aの磁化方向を磁化保持層101cの磁化方向と反転させて消磁することができる(後述する磁化反転素子群601を構成する磁化反転素子についても同様)。
なお、軟磁性体502が有する凸部502bの端面と一つの軟磁性体501との対向面積の最大値は、上記式(1)、(2)も用いて算出されてもよい。また、磁気回路500において、軟磁性体502が有する凸部502bの数、凹部502cの大きさ、および、磁化反転素子501の磁化方向長さ等は、生成可能なトルクの大きさ、効率等の観点から適宜設定される。
続いて、本発明にかかる磁気回路が回転運動を得られるモータに適用された場合の構成例について説明する。
図8は、回転運動を得られるモータ(回転機)に適用される磁気回路600の一態様を例示する図である。図8は、磁気回路500が適用された回転機の軸方向に垂直な断面図であって、構成全体の4分の1を示す図である。全体構成の残りの4分の3の部分は、図1で示す部分構成が周方向に連続的に繰り返される。すなわち、磁気回路600は、全体として円筒状の形状を有する。
軟磁性体602は、軟磁性体で構成された可動子(回転子)である。軟磁性体602は、円筒形状の本体部602aと、本体部602aから外周側に向けて突出する凸部(突極部)602bとを備える。また、凸部602bが本体部602aの外周面において軸方向に延在するとともに周方向に一定の間隔で周期的に設けられることによって、周方向に隣接する凸部602b間に凹部602cが形成される。すなわち、磁気回路600は、軟磁性体602により構成され、所定方向に所定間隔で突出する複数の突極部を有して構成される可動子(回転子)を有する。なお、ここでの所定方向とは、磁気回路600を構成する際の周方向とする。
磁化反転素子群601は、複数の磁化反転素子601a1、601a2、601b1、601b2、601c1、601c2により構成された固定子である。すなわち、磁気回路600は、複数の磁化反転素子が主たる磁化方向(周方向)に互いに所定幅ずらして階段状に配置された磁化反転素子群601で構成される固定子を有する。磁化反転素子群601は、磁化反転素子601a1と601a2とが周方向に交互に並ぶ磁化反転素子列aと、磁化反転素子601b1と601b2とが周方向に交互に並ぶ磁化反転素子列bと、磁化反転素子601c1と601c2とが周方向に交互に並ぶ磁化反転素子列cとが、軸方向に並んで構成される磁化反転素子列a、b、cを少なくとも一組含んで構成される。また、磁化反転素子群601において、磁化反転素子601a1、601b1、および、601c1、並びに、磁化反転素子601a2、601b2、および、601c2は、それぞれ周方向に互いに位置ずれして階段状に配置される。このように構成された一組の磁化反転素子列a、b、cは、軟磁性体602の軸方向長さに応じて軸方向に複数組配置される。
なお、一の組の磁化反転素子列a、b、cを構成する磁化反転素子a1、b1、および、c1、並びにa2、b2、および、c1は、他の組の磁化反転素子列a、b、cを構成する磁化反転素子a1、b1、および、c1、並びにa2、b2、および、c1とそれぞれ周方向における同じ位置に配置される。
さらに、磁化反転素子群601は、通電制御されるための電気配線を備える。図示する電気配線604、605は、磁化反転素子列aが備える磁化反転素子601a1、a2のそれぞれの上下面(外周面と内周面)に電気的に接続される。このような電気配線は、磁化反転素子列b、cにも同様に接続される。そして、一の組の磁化反転素子列a、b、cと他の組の磁化反転素子列a、b、cはそれぞれの列ごとに並列接続される。このように配線された電気配線を介して磁化反転素子に電流または電圧を印加することにより、磁化反転素子の磁化/消磁を制御することができる。なお、磁化反転素子群601を構成する磁化反転素子の磁化方向は、原則として全て周方向となるように設定される。そして、磁化反転素子列a、b、cにおいて、磁化反転素子a1とa2、b1とb2、c1とc2は、それぞれが備える磁化保持層(図2参照)の磁化方向が互いに逆となるように構成される。
このように構成された磁化反転素子群601は、軟磁性体602の外周面を覆うようにして、絶縁層603を介して当該外周面と対向して配置される。なお、本実施形態の絶縁層603は、例えば空気層である。
以上の構成を前提として、磁気回路600が適用された回転機において軟磁性体602(回転子)を回転させるときの各磁化反転素子の動作状態について説明する。
図9は、軟磁性体602(回転子)を反時計回りに回転させる場合の各磁化反転素子の動作状態を示す図である。横軸は回転子の位相角[deg]を示し、縦軸は一組の磁化反転素子列a、b、cにおける各磁化反転素子a1、a2、b1、b2、c1、c2を示している。θ=0[deg]は、図8で示す状態である。図中のONは磁化反転素子が磁化した状態を示し、図中のOFFは磁化反転素子が消磁した状態を示す。また、本実施形態の磁気回路600において周方向に並ぶ二つの磁化反転素子(例えばa1、a2)の周方向長さは、回転子の位相角一周期分に相当するものとする。
図9で示すように、磁化反転素子列cから磁化反転素子列aに向かって順次繰り返して磁化することによって(c→b→a→c→b…)、回転子を反時計回りに回転させる移動磁界を生成することができる。なお、回転子が出力するトルクの大きさは、各磁化反転素子がON状態となっている時間の長さを調整することにより制御することができる。また、図10で示すように、磁化反転素子列a、b、cの動作状態(磁化/消磁)を回転子の位相角に対してオーバーラップさせることにより、回転子が出力するトルクのトルクリプルを低減させることもできる。
なお、磁気回路600においても、軟磁性体602が有する凸部602bの数、凹部602cの周方向幅、磁化反転素子群601を構成する磁化反転素子の周方向長さ、磁化反転素子列の数、および軸方向幅等は、生成可能なトルクの大きさ、効率等の観点から適宜設定されてよい。
以上、第5実施形態の磁気回路によれば、複数の磁化反転素子(501、601a1、601a2、601b1、601b2、601c1、601c2)が主たる磁化方向に互いに所定幅ずらして階段状に配置されて構成される固定子と、軟磁性体(502、602)により構成され、所定方向(磁化方向、周方向)に所定間隔で突出する複数の突極部(502b、602b)を有する可動子とを備える。可動子と固定子とは、複数の突極部(502b、602b)の端面の少なくとも一部と磁化反転素子(501、601a1、601a2、601b1、601b2、601c1、601c2)の少なくとも一部とが、所定方向(磁化方向、周方向)と磁化反転素子の磁化方向とが略一致した状態で電気的絶縁層(503、603)を介して対向して配置され、磁化反転素子と軟磁性体(502、602)との位置関係に応じて磁化反転素子を順次動作させることにより可動子を所定方向に推進する移動磁界が形成される。これにより、軟磁性体502、602で構成される可動子を磁化反転素子で構成される固定子上を所望の磁化方向に推進させる移動磁界を形成することが可能となるので、移動磁界によって可動子としての軟磁性体502に安定した駆動トルクを生じさせることができる。
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は適宜組み合わせ可能である。
例えば、磁気回路100~600を説明する際に用いた図面に表された形状は、実際の磁気回路100~600の形状をそれに限定するものとは限られない。例えば、図1で示す軟磁性体102は、C字状形状に描かれているが、上記式(1)等を満たす限り適宜設定されて良く、その具体的形状が限定されるものではない。
また、図2で示す磁化反転素子101の上下方向、および、電気回路10の正負は、特に限定されず、それぞれが逆に構成されてもよい。
100、200、300、400、500、600…磁気回路
101、201、301、401、501、601a1、601a2、601b1、601b2、601c1、601c2…磁化反転素子
104、105、204、205、304、305、405…対向する部位
102、202、302、402、502、602…軟磁性体
103、203、303、403、503、603…絶縁層
502b、602b…突極部

Claims (9)

  1. 電流または電圧を印加することにより磁化状態を制御可能な磁化反転素子で構成される起磁力源と、軟磁性体とを備える磁気回路であって、
    前記磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向と略直交方向において前記磁化反転素子と前記軟磁性体とが電気的絶縁層を介して対向する対向部を、前記磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向に沿った2箇所にし、
    2箇所の前記対向部において、前記軟磁性体に、前記磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向に一致する方向の磁束の流れが生成される、
    ことを特徴とする磁気回路。
  2. 前記磁化反転素子は、磁化反転層と磁化保持層とを含み、
    前記磁化反転層および前記磁化保持層の少なくとも一方は、ランダムな磁化容易方向を有する材料により構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気回路。
  3. 前記電気的絶縁層は、非磁性体で構成される請求項1または2に記載の磁気回路。
  4. 前記対向部の対向面積と、前記対向部における前記起磁力源と前記軟磁性体との間のギャップ長とに基づいて算出される前記電気的絶縁層の磁気抵抗をRgapとし、
    前記磁化反転層および前記磁化保持層のうち、前記軟磁性体側に配置される層のクニック点磁界をHmとし、
    前記層のクニック点磁束密度をBmとし、
    前記層において磁化方向と直交する方向の断面積をSmとし、
    前記起磁力源の磁化方向において、前記対向部を除いた部分の長さをlmとした場合に、
    前記対向部の対向面積および前記ギャップ長は、以下式(1)を満たすように設定されることを特徴とする請求項2に記載に磁気回路。
    Figure 0007206835000004
  5. 前記軟磁性体において磁束の流れと直交する方向の断面積をScとし、
    前記磁化反転層および前記磁化保持層においてそれぞれの主たる磁化方向と直交方向の断面積の和をSmmとし、
    前記磁化反転層および前記磁化保持層のうち、前記軟磁性体側に配置される層のクニック点磁束密度をBmとし、
    前記軟磁性体の飽和磁束密度をBcとした場合に、
    前記軟磁性体の断面積Scは、以下式(2)を満たすように設定されることを特徴とする請求項2または4に記載の磁気回路。
    Figure 0007206835000005
  6. 前記起磁力源は、少なくとも2つの前記磁化反転素子を磁気的に直列に結合して構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の磁気回路。
  7. 前記起磁力源は、少なくとも2つの前記磁化反転素子を磁気的に並列に結合して構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の磁気回路。
  8. 前記磁化反転素子の面方向における主たる磁化方向において、前記磁化反転素子と前記軟磁性体とが電気的絶縁層を介して対向する対向部をさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の磁気回路。
  9. 複数の前記磁化反転素子が主たる磁化方向に互いに所定幅ずらして階段状に配置されて構成される固定子と、
    前記軟磁性体により構成され、所定方向に所定間隔で突出する複数の突極部を有する可動子と、を備え、
    前記可動子と固定子とは、前記複数の突極部の端面の少なくとも一部と前記磁化反転素子の少なくとも一部とが、前記所定方向と前記磁化反転素子の磁化方向とが略一致した状態で前記電気的絶縁層を介して対向して配置され、
    前記磁化反転素子と前記軟磁性体との位置関係に応じて前記磁化反転素子を順次動作させることにより前記可動子を前記所定方向に推進する移動磁界が形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の磁気回路。
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