JP7205736B1 - エアコンプレッサ - Google Patents

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Abstract

制御手段を備えるエアコンプレッサであって、制御手段は、一の前記圧縮タンクが圧縮・排気工程を実行する制御状態である場合に、他の前記圧縮タンクが膨張・吸気工程を実行する制御状態となるように、工程切替要素群を制御し、前記圧縮・排気工程においては、前記圧縮タンク内に圧縮空気が残留した状態で液体ポンプを停止することにより当該工程を終了し、前記膨張・吸気工程においては、残留する前記圧縮空気の膨張中の所定時期まで前記液体ポンプの停止を継続し、その後に前記液体ポンプを駆動するエアコンプレッサとする。

Description

本発明は、エアコンプレッサに関する。
従来、スクリュ式、スクロール式、ロータリーベーン式、往復ピストン式等の電動エアコンプレッサが汎用されている。これらのエアコンプレッサは、吸入した空気を機械的な圧縮機構により断熱圧縮し、所要圧力の圧縮空気を製造する装置である。機械的な圧縮機構においては、一定の運転時間が経過すると、ガスシール部(具体的には、ロータ歯溝部、チップシール、スライドベーン、ピストンリング等)の摩耗によって圧縮空気の漏れ返りが発生するようになり、体積効率の低下が起こりやすい。
また、断熱圧縮プロセスでは、気相部が分子の運動エネルギー増大により生じた圧縮熱を保有して高温になり、圧縮過程の空気は圧縮に抗して膨張しようとする。そのため、この種のエアコンプレッサでは、比動力(1m/minの圧縮空気を製造するのに必要な消費電力、単位:kW/(m/min))の大小がランニングコストに直結することになる。
このような機械的な圧縮機構の特性を鑑み、かねてより例えば特許文献1,2に開示される液体ポンプ式のエアコンプレッサが検討されてきた。
特開昭56-92381号公報 特開平3-160170号公報
液体ポンプ式のエアコンプレッサは、大気圧力の空気が取り込まれた圧縮タンクの下部から液体(典型的には水)を液体ポンプで送り込むことにより、圧縮タンクの内部で空気の圧縮を行う仕組みとなっている。すなわち、圧縮タンクの内部に充填された液体がピストンとなり、液面の上昇に伴って空気の圧縮が進行する。特許文献1,2に開示された装置は、2基の圧縮タンク間で交互に液体ピストンを移動させて周期的に圧縮空気を製造する構成を有している。そして、圧縮空気の製造中は、液体ポンプを連続的に駆動する運転制御が採用されている。
空気の圧縮過程では、シリンダに相当する圧縮タンクと液体ピストンとの接触面が完全にシールされるため、圧縮空気の漏れ返りは発生せず、高い体積効率が維持される。しかしながら、液体ポンプを連続的に駆動させると消費電力が増えてしまい、期待した比動力値が得られにくいという課題があった。
また、圧縮過程で生じる圧縮熱の一部は、液体ピストンの液面を介して液体に吸収されることから、断熱圧縮と等温圧縮の中間的な圧縮プロセス(準等温圧縮プロセス)が実現される。しかしながら、完全な等温圧縮プロセスには程遠く、比動力に関して更なる改善の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、比動力を改善することのできる液体ポンプ式のエアコンプレッサを提供することを目的とする。
本発明に係るエアコンプレッサは、少なくとも2基の圧縮タンクと、前記圧縮タンクそれぞれの上部空間と連通する吸気機構および排気機構と、前記圧縮タンクそれぞれの下部に設けられた液体取出部と、前記圧縮タンクそれぞれの下部に設けられた液体取入部と、一の前記圧縮タンクから他の前記圧縮タンクへ液体を移送する液体ポンプと、前記圧縮タンクそれぞれの前記液体取出部と接続された複数の液体取出ラインと、前記圧縮タンクそれぞれの前記液体取入部と接続された複数の液体取入ラインと、前記液体ポンプの吸入側を前記複数の液体取出ラインそれぞれと接続する液体吸入ラインと、前記液体ポンプの吐出側を前記複数の液体取入ラインそれぞれと接続する液体吐出ラインと、前記液体取出ラインごとに設けられた複数の液体取出制御弁と、前記液体取入ラインごとに設けられた複数の液体取入制御弁と、前記液体ポンプ、前記液体取出制御弁、および前記液体取入制御弁を含む工程切替要素群を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、一の前記圧縮タンクが圧縮・排気工程を実行する制御状態である場合に、他の前記圧縮タンクが膨張・吸気工程を実行する制御状態となるように、前記工程切替要素群を制御し、前記圧縮・排気工程においては、前記圧縮タンク内に圧縮空気が残留した状態で前記液体ポンプを停止することにより当該工程を終了し、前記膨張・吸気工程においては、残留する前記圧縮空気の膨張中の所定時期まで前記液体ポンプの停止を継続し、その後に前記液体ポンプを駆動する構成とする。
本構成によれば、液体ポンプの断続的な駆動による運転サイクルを実現することにより、比動力の改善を達成することが可能となる。
上記構成としてより具体的には、前記圧縮タンクごとに設けられ、内部空間に液体を噴霧するインジェクタと、前記液体取入制御弁の二次側の前記液体取入ラインから分岐し、前記液体ポンプで移送中の液体の一部を前記インジェクタに導く液体導入ラインと、前記液体導入ラインごとに設けられた液体導入制御弁と、を備え、前記工程切替要素群は、前記液体導入制御弁を含み、前記制御手段は、前記圧縮・排気工程において、前記液体取入部から液体を充填中に前記液体導入制御弁を開放する構成としても良い。
本構成によれば、完全な形で(或いは、ほぼ完全に近い形で)等温圧縮プロセスを実現することにより、比動力の更なる改善を図ることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記圧縮タンクそれぞれは、内部空間の液位を検知する液位検知手段を有し、前記制御手段は、前記圧縮・排気工程においては、前記排気機構の作動後、前記液位検知手段により所定液位が検知された場合に、当該工程を終了する構成としても良い。本構成によれば、膨張・吸気工程に切り替え直後は、液体ポンプを駆動せずに気相部の膨張を利用した液体の送り出しが可能となり、比動力の低減に貢献することができる。
また上記構成としてより具体的には、前記圧縮タンクそれぞれは、内部空間の圧力を検知する圧力検知手段を有し、前記制御手段は、前記圧縮・排気工程においては、前記排気機構の作動後、前記圧力検知手段により所定圧力が検知された場合に、当該工程を終了する構成としても良い。本構成によれば、膨張・吸気工程に切り替え直後は、液体ポンプを駆動せずに気相部の膨張を利用した液体の送り出しが可能になり、比動力の低減に貢献することができる。
また上記構成において、前記液体吐出ライン、前記液体吸入ライン、または前記液体ポンプに設けられた流量検知手段を備え、前記制御手段は、膨張・吸気工程においては、前記流量検知手段により所定流量が検知された場合に、停止中の前記液体ポンプを駆動する構成としても良い。本構成によれば、遅滞なく液体ポンプを駆動して圧縮空気を製造することができる。
また上記構成としてより具体的には、前記吸気機構は、吸気ラインおよび吸気弁を含み、前記排気機構は、排気ラインおよび排気弁を含み、前記吸気弁は、前記圧縮タンクの内部圧力が第1圧力を下回ると開放する一方、前記圧縮タンクの内部圧力が第1圧力以上である第2圧力を上回ると閉鎖する弁であり、前記排気弁は、前記圧縮タンクの内部圧力が第3圧力を下回ると閉鎖する一方、前記圧縮タンクの内部圧力が第3圧力以上である第4圧力を上回ると開放する弁である構成としても良い。
また上記構成としてより具体的には、前記圧縮タンク、前記液体取出ライン、前記液体取入ライン、前記液体吸入ライン、および前記液体吐出ラインのいずれかと接続される液体排出ラインおよび液体補給ラインと、前記液体排出ラインに設けられた液体排出弁と、前記液体補給ラインに設けられた液体補給弁と、を備える構成としても良い。
本構成によれば、液体排出ラインおよび液体排出弁を介して定期的に保有水のブローダウンを実施することが可能であるとともに、ブローダウン後は、液体補給ラインおよび液体補給弁を介して新たな水補給が可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記圧縮タンクのそれぞれ、および、液体の流通するいずれか1以上のライン、の少なくとも一方において、熱回収機構ないし冷却機構を備える構成としても良い。
本発明に係るエアコンプレッサによれば、比動力を改善することが可能となる。
本実施形態に係るエアコンプレッサの概略的な構成を示す構成図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの主な制御系統に関する説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態の推移に関する説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態A1を示す説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態A2を示す説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態A3を示す説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態A4を示す説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態A5を示す説明図である。 本実施形態に係るエアコンプレッサの制御状態B1を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
1.エアコンプレッサの装置構成
図1は、本発明の実施形態に係るエアコンプレッサ10の概略的な構成を示す構成図である。エアコンプレッサ10は、液体ポンプ式のエアコンプレッサである。
図1に示すようにエアコンプレッサ10は、2基の圧縮タンク1A,1B、吸気機構2、および排気機構3を備えており、圧縮タンク1A,1Bそれぞれの下部から液体Lを送り込むことにより、圧縮タンク1A,1Bそれぞれの内部に収容された空気を圧縮することができる。なお液体Lの種類については、後述するように清浄な水が好適であるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り他種の液体であっても構わない。
エアコンプレッサ10には、各圧縮タンク1A,1B内の気相圧力を検知する圧力センサPxが設けられている。圧縮タンク1A内の空気は、必要に応じてエア抜き弁14Aを開くことで放出可能であり、圧縮タンク1B内の空気は、必要に応じてエア抜き弁14Bを開くことで放出可能である。
吸気機構2は、各圧縮タンク1A,1Bの上部空間と連通しており、圧縮タンク1Aに対応して設けられた吸気ライン21Aと、圧縮タンク1Bに対応して設けられた吸気ライン21Bと、を有する。吸気ライン21Aには吸気弁22Aが設けられ、吸気ライン21Bには吸気弁22Bが設けられている。
吸気弁22Aは、圧縮タンク1Aの内部圧力が第1圧力を下回ると開放する(開いた状態となる)一方、圧縮タンク1Aの内部圧力が第1圧力以上である第2圧力を上回ると閉鎖する(閉じた状態となる)弁である。吸気弁22Bは、圧縮タンク1Bの内部圧力が第1圧力を下回ると開放する一方、圧縮タンク1Bの内部圧力が第1圧力以上である第2圧力を上回ると閉鎖する弁である。吸気弁22A,22Bは、所要の圧力で動作する自力弁または自動弁により構成され得る。本実施形態では一例として、吸気弁22A,22Bは自力弁により構成されているとする。
吸気弁22A,22Bを自力弁とする場合、図1の構成図に示すように逆止弁を適用することができる。この場合に逆止弁は、二次圧力が第1圧力を下回ると(すなわち、負圧になると)開放し、第2圧力を上回ると(すなわち、正圧になると)と閉鎖する。
吸気弁22A,22Bを自動弁とする場合、電気駆動弁(電磁弁や電動弁)を適用することができる。この場合に電気駆動弁は、圧力センサPxの検知圧力が第1圧力を下回ると開放し、第2圧力を上回ると閉鎖する。この場合における第1圧力および第2圧力は、例えば制御手段7において、適正な値に設定しておくことが可能である。
排気機構3は、各圧縮タンク1A,1Bの上部空間と連通している。排気機構3は、圧縮タンク1Aに対応して設けられた排気ライン31Aと、圧縮タンク1Bに対応して設けられた排気ライン31Bと、を有する。排気ライン31Aには排気弁32Aが設けられ、排気ライン31Bには排気弁32Bが設けられている。
排気弁32Aは、圧縮タンク1Aの内部圧力が第3圧力を下回ると閉鎖する一方、圧縮タンク1Aの内部圧力が第3圧力以上である第4圧力を上回ると開放する弁である。排気弁32Bは、圧縮タンク1Bの内部圧力が第3圧力を下回ると閉鎖する一方、圧縮タンク1Bの内部圧力が第3圧力以上である第4圧力を上回ると開放する弁である。排気弁32A,32Bは、所要の圧力で動作する自力弁または自動弁により構成され得る。本実施形態では一例として、排気弁32A,32Bは自力弁により構成されているとする。
排気弁32A,32Bを自力弁とする場合、図1の構成図に示すように背圧弁(一次圧力調整弁)を適用することができる。この場合に背圧弁は、一次圧力が第3圧力(機械的に調整可能な設定値)を下回ると閉鎖し、第4圧力(機械的に調整可能な設定値であり、第3圧力と同じ値とすることも可能)を上回ると開放する。
排気弁32A,32Bを自動弁とする場合、電気駆動弁(電磁弁や電動弁)を使用できる。この場合に電気駆動弁は、圧力センサPxの検知圧力が第3圧力を下回ると開放し、第4圧力を上回ると閉鎖する。この場合における第3圧力および第4圧力は、例えば制御手段7において、適正な値に設定しておくことが可能である。
なお、上述した自力弁を用いる場合、吸入・排出が電力を使用することなく能動的に行われるため、この観点から、比動力の低減に貢献することができる。一方で、上述した自動弁を用いる場合、吸入・排出時の圧力損失が小さい弁タイプの選定により、エネルギーロスの少ない省電力運転が可能になるため、この観点から、比動力の低減に貢献することができる。
圧縮タンク1Aの下部には、液体取出部11Aおよび液体取入部12Aが設けられている。また、圧縮タンク1Bの下部には、液体取出部11Bおよび液体取入部12Bが設けられている。液体取出部11Aには液体取出ライン41Aが接続されており、液体取出部11Bには液体取出ライン41Bが接続されている。液体取入部12Aには液体取入ライン51Aが接続されており、液体取入部12Bには液体取入ライン51Bが接続されている。
またエアコンプレッサ10には、液体ポンプ6が設けられている。更にエアコンプレッサ10は、液体ポンプ6の吸入側を各液体取出ライン41A,41Bと接続する液体吸入ライン(吸入側共通ライン)61と、液体ポンプ6の吐出側を各液体取入ライン51A,51Bと接続する液体吐出ライン(吐出側共通ライン)62と、を備える。
液体取出ライン41Aには液体取出制御弁42Aが設けられ、液体取出ライン41Bには液体取出制御弁42Bが設けられている。液体取入ライン51Aには液体取入制御弁52Aが設けられ、液体取入ライン51Bには液体取入制御弁52Bが設けられている。
圧縮タンク1A,1Bのうち一方に対応する液体取出制御弁42A,42Bが開放状態とされ、圧縮タンク1A,1Bのうち他方に対応する液体取入制御弁52A,52Bが開放状態とされた場合に、液体ポンプ6が駆動されると、圧縮タンク1A,1Bのうち一方に対応する液体取出ライン41A,41B、液体吸入ライン61、液体ポンプ6、液体吐出ライン62、および圧縮タンク1A,1Bのうち他方に対応する液体取入ライン51A,51Bを介して、液体Lが移送される。すなわち、圧縮タンク1A,1Bのうち一方から圧縮タンク1A,1Bのうち他方へ液体Lが移送される。
また、液体吸入ライン61には送液逆止弁611が設けられており、液体吐出ライン62には流量センサFx(流量検知手段の一形態)が設けられている。なお流量センサFxは、液体吐出ライン62の代わりに、液体吸入ライン61または液体ポンプ6に設けられても良い。流量センサFxは、所定の流量を検知することで、後述する膨張・吸気工程における圧縮タンク1A,1B内部の空気の膨張終了を検知することができる。
なおエアコンプレッサ10においては、流量センサFxを用いる代わりに、その代替手段を用いるようにしても良い。例えば、フロースイッチ(設定流量以上でオンの状態となり、設定流量未満でオフの状態となるスイッチ)や、磁気センサ(液体ポンプ6の回転子(インペラや歯車等)に直結された駆動軸に磁石を取り付けておき、回転数を検知するセンサ)を、流量センサFxの代替手段として用いることができる。
また、圧縮タンク1Aには、その内部空間に液体Lを噴霧するインジェクタ13Aが設けられ、圧縮タンク1Bには、その内部空間に液体Lを噴霧するインジェクタ13Bが設けられている。更にエアコンプレッサ10には、液体取入制御弁52Aの二次側の液体取入ライン51Aから分岐し、液体ポンプ6で移送中の液体の一部をインジェクタ13Aに導く液体導入ライン53Aと、液体取入制御弁52Bの二次側の液体取入ライン51Bから分岐し、液体ポンプ6で移送中の液体Lの一部をインジェクタ13Bに導く液体導入ライン53Aと、が設けられている。液体導入ライン53Aには液体導入制御弁54Aが設けられており、液体導入ライン53Bには液体導入制御弁54Bが設けられている。
後述する圧縮・排気工程において、圧縮タンク1A内部の圧縮空気に対してはインジェクタ13Aから液体Lが噴霧されることにより、圧縮タンク1B内部の圧縮空気に対してはインジェクタ13Bから液体Lが噴霧されることにより、等温圧縮プロセスが実現される。インジェクタ13A,13Bは、例えばフルコーン型ノズルやホローコーン型ノズルを使用することができ、圧縮タンク1A,1B内において、空気の圧縮空間に対して液体Lを噴霧可能に設置される。
各圧縮タンク1A,1Bには、液位検知電極棒Lx(液位検知手段の一形態)が設けられる。液位検知電極棒Lxにより圧縮タンク1A,1B内部の液体Lの液位が所定液位に達したことを検知することで、圧縮・排気工程における液体ピストンの上死点を検知することができる。
吸気ライン21A,21Bの上流側には、エアフィルタ23が設けられている。エアフィルタ23により、吸気のときに空気中に含まれる汚染物質や細菌などを除去することが可能である。
液体取出ライン41Aには、液体排出ライン81および液体補給ライン83が接続されている。なお、液体排出ライン81および液体補給ライン83は、液体取出ライン41Aの代わりに、圧縮タンク1A,1B、液体取入ライン51A,51B、液体吸入ライン61、および液体吐出ライン62のいずれかに接続されても良い。液体排出ライン81には液体排出弁82が設けられており、液体補給ライン83には液体補給弁84が設けられている。
エアコンプレッサ10において液体Lとして水を用いる場合、例えばエアフィルタ23によっても汚染物質や細菌が十分に除去できない可能性があり、吸気の繰り返しによる水質汚染や雑菌繁殖が懸念される。この点、本実施形態の構成によれば、液体排出ライン81および液体排出弁82を介して、定期的に保有水のブローダウンを実施することが可能である。また、ブローダウン後は、液体補給ライン83および液体補給弁84を介して新たな水補給も可能である。これにより、液体ピストンを清浄な状態に保ち、汚染のないクリーンな圧縮空気を負荷設備に供給することができる。
排気ライン31A,31Bの下流側には、エアセパレータ91が設けられている。排気ライン31A,31Bから送り出された圧縮空気は、エアセパレータ91にて気液分離された後、下流側に配置された不図示のリザーバタンクに蓄積される。エアセパレータ91で分離された液体Lは、エアセパレータ91の液溜まり部に接続されたドレントラップ92より排出される。
ドレントラップ92より断続的に排出される液体Lは、圧縮空気の圧力およびエアセパレータ91内の水頭圧力を利用して、液体圧力の低い圧縮タンク1A或いは圧縮タンク1Bに戻される。ドレントラップ92から圧縮タンク1Aに液体Lを戻すラインには返液逆止弁93Aが設けられ、ドレントラップ92から圧縮タンク1Bに液体Lを戻すラインには返液逆止弁93Bが設けられている。返液逆止弁93A,93Bの設置により、これらのラインにおける液体Lの流失が防止される。
なお上述したように、エアセパレータ91の下流側には、圧縮空気を蓄積するためのリザーバタンク(不図示)が設置される。これにより、一般的なエアコンプレッサの運転制御と同様に、リザーバタンクの内部圧力に応じて、エアコンプレッサ10の運転と停止を制御することが可能である。なおエアコンプレッサ10において、エアセパレータ91の設置を省略し、リザーバタンクで気液分離を行う構成としても良い。この構成では、リザーバタンクの底部にドレントラップ92を接続することができる。
ここで、エアコンプレッサ10の主な制御系統の構成を図2に示す。本図に示すように、エアコンプレッサ10には制御手段7が設けられている。制御手段7は、エアコンプレッサ10が正常に動作するように、少なくとも、図2に示す工程切替要素群Zの各要素の動作を制御する。
なお工程切替要素群Zには、液体ポンプ6、圧縮タンク1Aに対応した各弁(液体取出制御弁42A、液体取入制御弁52A、および液体導入制御弁54A)、および、圧縮タンク1Bに対応した各弁(液体取出制御弁42B、液体取入制御弁52B、および液体導入制御弁54B)の各要素が含まれる。すなわち制御手段7は、液体ポンプ6の駆動・停止、各液体取出制御弁42A,42Bの開閉、各液体取入制御弁52A,52Bの開閉、および液体導入制御弁54A,54Bの開閉を制御する。
2.制御内容
次に、エアコンプレッサ10における主な動作の制御内容について説明する。図3は、エアコンプレッサ10の制御状態(特に、各圧縮タンク1A,1Bの制御状態)の推移を概略的に示す説明図である。本図に示すようにエアコンプレッサ10の制御状態については、制御状態A1~A5を順に経た後、更に制御状態B1~B5を順に経て制御状態A1に戻り、同じ制御状態が繰り返される。なお制御状態B1~B5は、圧縮タンク1Aと圧縮タンク1Bの間で制御状態を逆とした場合の制御状態A1~A5と同等である。
以下、上述した各制御状態について、図4~図9を参照しながらより詳細に説明する。なお図4~図9に示す各々の弁について、黒塗り表示されたものは閉鎖された状態を示し、白抜き表示されたものは開放された状態を示す。
図4は、制御状態A1を示している。制御状態A1は、圧縮タンク1A(本図での左側のタンク)において圧縮・排気工程が終了した時点の状態、圧縮タンク1B(本図での右側のタンク)において膨張・吸気工程が終了した時点の状態である。ここでは、液体ポンプ6は停止され、圧縮タンク1Aは所定の上限液位(液体ピストンの上死点)に到達した状態であり、圧縮タンク1Bは下限液位(液体ピストンの下死点)に到達した状態である。圧縮タンク1Aからの排気は終了しており、気相部は第3圧力以下となっている。ただし、第3圧力に近い膨張可能な圧縮空気は、圧縮タンク1A内部に残量している。
図5は、制御状態A2を示している。制御状態A1からA2への切替えは、制御手段7による液体取出制御弁42A,42Bおよび液体取入制御弁52A,52Bのそれぞれの開閉を切り替えることで行われる。制御状態A2においては、圧縮タンク1Aにおける膨張・吸気工程が開始され、圧縮タンク1Bにおける圧縮・排気工程が開始される。すなわち、圧縮タンク1Aにおいて気相部の膨張による液体Lの送り出しが行われ、圧縮タンク1Bにおいて液体Lの取り込みによる気相部の部分的な圧縮と冷却が行われる。
液体ポンプ6を停止させた状態で、圧縮タンク1Aから圧縮タンク1Bへの液体Lの移送が開始される。移送は、液体取出ライン41A、液体吸入ライン61、液体ポンプ6、液体吐出ライン62、および液体取入ライン51Bを介して行われる。具体的には、圧縮タンク1Aにおける気相部の膨張(残留する圧縮空気の膨張)と液相部の水頭圧力を利用して液体Lを送り出す。
圧縮タンク1Bでは、液位の上昇に伴って気相部の部分的な圧縮が開始される。制御手段7は、液体取入部12Bから液体Lを充填中に液体導入制御弁54Bを開放状態に制御するので、インジェクタ13Bから液体Lが噴霧され、圧縮タンク1Bにおける圧縮空気が冷却される。気相部で発生する圧縮熱は、噴霧された液体Lに吸収されつつ、圧縮タンク1Bの下部より充填中の液体Lに合流する。上部より噴霧された液体Lの液滴と、下部より充填された液体Lの液面の両方を介して圧縮熱の吸収が効率よく行われるため、理論通りの(完全な形、或いは、ほぼ完全に近い形での)等温圧縮プロセスが実現される。これにより、比動力を更に改善することができる。
なお、出願人による試算によれば、1m/minの圧縮空気を製造する場合の断熱圧縮プロセスによる消費電力を100%とした場合、本発明に係る液体噴霧方式の気相冷却を採用した等温圧縮プロセスによる消費電力は、70~80%程度になると見込まれている。また、圧縮タンク1Aの内部は正圧(第2圧力を上回る圧力状態)であるので、吸気弁22Aはいまだ閉鎖された状態である。
図6は、制御状態A3を示している。制御状態A3においては、圧縮タンク1Aにおいて気相部の膨張が終了し、圧縮タンク1Bにおいて気相部の部分的な圧縮が終了し、気相部の全体的な圧縮が開始される。
流量センサFxによる検知流量が所定流量まで下降すると、停止状態にある液体ポンプ6が制御手段7により駆動される。圧縮タンク1A内に残留する圧縮空気の膨張が終わって水頭圧力差がバランスすると、圧縮タンク1Aの液体取出部11Aに作用する液体圧力(気相部の空気圧力と液相部の水頭圧力の合計)と、圧縮タンク1Bの液体取入部12Bに作用する液体圧力とが釣り合った状態となるので液体Lの送り出しが止まってしまい、空気の圧縮ができなくなる。
そこで本実施形態では、液体ポンプ6の停止中、検知流量が所定流量(空気圧縮が不可能になる下限流量値よりもディファレンシャル値分だけ高い設定値)まで下降すると液体ポンプ6を駆動し、液体Lの送り出しを継続する。これにより、遅滞なく液体ポンプ6を駆動して圧縮空気を製造することができる。すなわち、圧縮タンク1Aでの液位が圧縮タンク1Bでの液位よりも高い関係にて液体Lが十分な流量で流れ、空気圧縮ができている状態で液体ポンプ6が駆動される。上記のように本実施形態では、残留する圧縮空気の膨張中の所定時期まで液体ポンプ6の停止を継続し、その後に液体ポンプ6を駆動する。
圧縮タンク1Bでは、気相部の冷却(水相部への熱吸収)により等温圧縮プロセスが継続中である。ただし、液体ポンプ6を駆動前は、圧縮タンク1Aの液体圧力の下降に伴い、インジェクタ13Bからの噴霧流量は徐々に低下する。
図7は、制御状態A4を示している。制御状態A4は、圧縮タンク1Aにおいて負圧発生による吸気の開始が行われ、圧縮タンク1Bにおいて気相部の全体的な圧縮と冷却が行われる。
液体ポンプ6の駆動が継続されると、圧縮タンク1Aの液体圧力が圧縮タンク1Bの液体圧力よりも低くなる。圧縮タンク1Aの気相部が負圧(第1圧力を下回る圧力状態)に転じると、吸気弁22Aが開放され、エアフィルタ23を介して外部空気が圧縮タンク1Aに取り込まれる。
圧縮タンク1Bでは、気相部の冷却により等温圧縮プロセスが継続中である。液体ポンプ6の駆動後は、インジェクタ13Bからの噴霧流量が回復する。なお、この噴霧流量は、圧縮タンク1Aの水頭圧力(液体ポンプの吸込ヘッド)の下降に伴って少しずつ減少していく
図8は、制御状態A5を示している。制御状態A5においては、圧縮タンク1Aにおいて負圧発生による吸気の継続が行われ、圧縮タンク1Bにおいて気相部の設定圧力到達による排気の開始が行われる。
圧縮タンク1Bの気相部が第4圧力に到達したことを圧力センサPxで検知すると、制御手段7は、等温圧縮プロセスが終了したと判断し、液体導入制御弁54Bを閉鎖してインジェクタ13Bからの液体噴霧を停止すると共に、排気弁32Bが開放されて圧縮空気の排出を開始する。圧縮空気の送り出しのため、液体ポンプ6の駆動は継続する。
送り出された圧縮空気は、エアセパレータ91にて気液分離された後、下流側に配置された不図示のリザーバタンクに蓄積される。エアセパレータ91で分離された液体Lは、ドレントラップ92より排出される。ドレントラップ92より断続的に排出される液体Lは、圧縮空気の圧力およびエアセパレータ91内の水頭圧力を利用して、液体圧力の低い圧縮タンク(ここでは液位が下降し、吸気により気相部が大気圧力と平衡している圧縮タンク1A)に戻される。
なお、液滴が圧縮空気に同伴されるのを防止するため、液体導入制御弁54Bの閉鎖タイミングを排気弁32Bの開放タイミングよりも早めても良い。すなわち、液体導入制御弁54Bを、第4圧力よりも低い設定圧力で閉鎖するようにしても良い。
図9は、制御状態B1を示している。制御状態B1においては、圧縮タンク1Aにおいて膨張・吸気工程が終了し、圧縮タンク1Bにおいて圧縮・排気工程が終了する。
圧縮タンク1Bにおいて、液位検知電極棒Lxにより液体ピストンの上死点(上限液位)が検知されると、制御手段7により液体ポンプ6が停止される。このとき、排気弁32Bは閉鎖される。なおこのようにする代わりに、圧縮タンク1Bにおいて、圧力センサPxによる気相部の検知圧力が第3圧力(排気開始圧力値よりもディファレンシャル値分だけ低い設定値)まで下降すると、制御手段7により液体ポンプ6が停止されるようにしても良い。このとき、排気弁32Bは閉鎖される。
以上により、圧縮・排気工程が終了されることになる。これにより、当該工程の終了時点では、圧縮タンク1B内に圧縮空気が確実に残留した状態となる。この結果、圧縮タンク1Bにおける膨張・吸気工程に切り替え直後は、液体ポンプ6を駆動せずに気相部の膨張を利用した液体Lの送り出しが可能となり、比動力の低減に貢献する。
なお制御状態B1は、圧縮タンク1Aと圧縮タンク1Bの間で制御状態を逆とした場合の制御状態A1(図4を参照)に該当する。これ以降は既に説明したように、制御状態B2~B5(圧縮タンク1Aと圧縮タンク1Bの間で制御状態を逆とした場合の制御状態A2~A5)を順に経て制御状態A1に戻り、同じ制御状態が繰り返されることになる。制御状態B2~B5の際には、圧縮タンク1Bにおいて膨張・吸気工程が実行され、圧縮タンク1Aにおいて圧縮・排気工程が実行される。
以上に説明したとおり本実施形態に係る制御手段7は、一の圧縮タンク(1A,1Bの一方)が圧縮・排気工程を実行する制御状態である場合に、他の圧縮タンク(1A,1Bの他方)が膨張・吸気工程を実行する制御状態となるように、工程切替要素群Zを制御する。また制御手段7は、圧縮・排気工程においては、圧縮タンク1A,1B内に圧縮空気が残留した状態で液体ポンプ6を停止することにより当該工程を終了する。更に制御手段7は、膨張・吸気工程においては、残留する圧縮空気の膨張中の所定時期まで液体ポンプ6の停止を継続し、その後に液体ポンプ6を駆動する。そのためエアコンプレッサ10によれば、液体ポンプ6の断続的な駆動による運転サイクルを実現することにより、比動力の改善を達成することが可能となっている。
膨張・吸気工程では、液体ポンプ6を停止した状態にて、少なくとも気相部の膨張を利用して、好ましくは気相部の膨張と液相部の水頭圧力を利用して、圧縮タンク1A,1B内に充填された液体Lの送り出しが行われる。そして、気相部の膨張中の所定時期より後に液体ポンプ6が駆動され、さらなる液体Lの送り出しに伴って発生する気相部の負圧を利用して、外部空気の吸入が行われる。
圧縮・排気工程では、液体ポンプ6を停止した状態にて、液体Lの取り込みによる気相部の部分的な圧縮が行われる。その後、液体ポンプ6が駆動されると、さらなる液体Lの取り込みによる気相部の全体的な圧縮が行われる。そして、気相部が設定圧力に達すると、生成した圧縮空気の排出が行われる。
また圧縮・排気工程では、圧縮タンク内に圧縮空気が残留した状態で液体ポンプ6を停止することにより当該工程を終了するので、膨張・吸気工程に切り替えられた直後は、液体ポンプ6の停止を継続しても気相部の膨張を利用した液体Lの送り出しが可能になる。これにより、本発明に係るエアコンプレッサ10は、液体ポンプ6を断続的に駆動しながら、圧縮空気を周期的に製造する。その結果、液体ポンプを連続的に駆動する旧来タイプの装置に比べて比動力を大幅に改善することができる。また、吸込・吐出能力の高い液体ポンプを搭載しても、比動力の増大を最小限に止めることができる。
3.作動媒体について
3-1.作動媒体の種類
上述した液体L、すなわちエアコンプレッサ10における液体ピストン用の作動媒体としては、例えば、清浄な水(好ましくは、純水(RO水、イオン交換水)または軟化水)が好適である。水の比熱容量は他の物質より非常に大きいため、圧縮熱の吸収を伴う等温圧縮プロセスの作動媒体に特に向いている。また、清浄な水は人体に無害であるので、食品工場向けのエアコンプレッサの作動媒体としても好適である。
なお、本実施形態では装置の吸気口にエアフィルタ23を装備するが、空気中に浮遊する汚染物質や細菌類は通過する場合があり、装置の設置環境によっては吸気の繰り返しによる水質汚染や雑菌繁殖が懸念される。そのため、液体排出弁82を使用した定期的なブローダウンおよび液体補給弁84を使用した清浄水の補給を行うのが望ましい。
また、作動媒体としては、例えば、ブライン(塩化カルシウム水溶液・塩化ナトリウム水溶液等)、グリセリン水溶液、エチレングリコール水溶液、流動パラフィン、植物油、合成油を寒冷地向けの不凍液として使用することも好適である。食品工場向けのエアコンプレッサ10の作動媒体としては、ブライン、グリセリン水溶液、流動パラフィン、植物油のいずれかが好ましい。
3-2.作動媒体の凍結防止対策
寒冷地においては、冬季にはエアコンプレッサ10の停止中に水の凍結が懸念される。そのため、この問題を極力解消させる観点から、次のような対策を行うのが望ましい。まず第1の対策として、液体Lの種類については、夏季および中間季には清浄な水を使用する場合であっても、冬季には上記ブライン等の不凍液に入れ替えることが望ましい。なお、このような不凍液を使用する場合は、以下に説明するヒータや保温材の取付けは基本的に不要である。
また第2の対策として、装置全体をケーシングで囲い、ケーシングパネルの内面に面状ヒータを取り付けることが望ましい。この場合、例えばケーシングの内部温度が設定温度以下になったときに、当該ヒータに通電して加温を行うと良い。
更に第3の対策として、エアコンプレッサ10における液体Lが流通するラインおよび液体ポンプ6を保温材(断熱材)で覆うと共に、圧縮タンク1A,1Bの外面に面状ヒータを取り付けることが望ましい。この場合、例えば圧縮タンク1A,1Bの周囲温度が設定温度以下になったときに、当該ヒータに通電して加温を行うと良い。
4.圧縮タンクの基数について
上述した実施形態では、エアコンプレッサにおける圧縮タンクの基数は2基としたが、圧縮タンクの基数を3基とし、待機工程を含む3つの工程をローテーションさせても良い。本構成の意義として、定期的な作動媒体の入れ替えやメンテナンスの際、待機工程中の1基を休止状態として残りの2基で圧縮空気の製造を継続することが挙げられる。この場合、3基の圧縮タンク(便宜的に、第1~第3タンクとする。)を有するエアコンプレッサの動作モードは、第1~第3動作モードの3パターンの中で順次切り替えられる。
第1動作モードにおいては、第1タンクは膨張・吸気工程(圧縮・排気工程)となり、第2タンクは圧縮・排気工程(膨張・吸気工程)となり、第3タンクは待機工程となる。第2動作モードにおいては、第1タンクは待機工程となり、第2タンクは膨張・吸気工程(圧縮・排気工程)となり、第3タンクは圧縮・排気工程(膨張・吸気工程)となる。第3動作モードにおいては、第1タンクは圧縮・排気工程(膨張・吸気工程)となり、第2タンクは待機工程となり、第3タンクは膨張・吸気工程(圧縮・排気工程)となる。
なお圧縮タンクの基数を4基以上とすることも可能である。但し、例えば圧縮タンクの基数を4基とする場合、1台のエアコンプレッサに4基の圧縮タンクを搭載するよりも、2基の圧縮タンクを搭載したエアコンプレッサを2台設置して、単位時間当たりの圧縮空気の製造量を2倍にする方が通常は望ましい。
5.熱回収機構・冷却機構について
エアコンプレッサ10には、熱回収機構ないし冷却機構を設けることも可能である。このようにする場合、例えば、圧縮タンク1A,1Bのそれぞれ、および、液体Lの流通するいずれか1以上のラインの少なくとも一方において、熱回収機構ないし冷却機構を設けると良い。
液体ピストンに吸収された圧縮熱や、液体Lの掻き混ぜや摩擦により液体ポンプ6内部で発生する発熱は、通常、圧縮タンク1A,1Bの壁面等を通じて外気中に放熱されるが、この排熱を二次利用できるように熱回収機構を備えるように構成しても良い。例えば、熱回収機構により補給水を加熱して温水を製造し、この温水を生産プロセス水(洗浄水等)やボイラ給水に利用することで、エアコンプレッサに投入される電力エネルギーのほぼ100%を活用することができる。
また、熱回収機構に替えて、液体ピストンからの放熱を促進するための冷却機構を備えるように構成しても良い。夏季などでエアコンプレッサ10の周囲温度が運転中の液体温度よりも高くなる場合、液体ピストンに圧縮熱が蓄積するおそれがあるが、熱回収機構ないし冷却機構を作動させることで液体ピストンを周囲温度以下に保ち、比動力を下げる効果が得られる。これにより、季節とは関係なく年間を通じて目標の比動力を達成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
1A,1B 圧縮タンク
2 吸気機構
3 排気機構
6 液体ポンプ
7 制御手段
10 エアコンプレッサ
11A,11B 液体取出部
12A,12B 液体取入部
13A,13B インジェクタ
14A,14B エア抜き弁
21A,21B 吸気ライン
22A,22B 吸気弁
23 エアフィルタ
31A,31B 排気ライン
32A,32B 排気弁
41A,41B 液体取出ライン
42A,42B 液体取出制御弁
51A,51B 液体取入ライン
52A,52B 液体取入制御弁
53A,53B 液体導入ライン
54A,54B 液体導入制御弁
61 液体吸入ライン
62 液体吐出ライン
81 液体排出ライン
82 液体排出弁
83 液体補給ライン
84 液体補給弁
91 エアセパレータ
92 ドレントラップ
93A,93B 返液逆止弁
611 送液逆止弁
Fx 流量センサ
Lx 液位検知電極棒
Px 圧力センサ
L 液体
Z 工程切替要素群

Claims (9)

  1. 少なくとも2基の圧縮タンクと、
    前記圧縮タンクそれぞれの上部空間と連通する吸気機構および排気機構と、
    前記圧縮タンクそれぞれの下部に設けられた液体取出部と、
    前記圧縮タンクそれぞれの下部に設けられた液体取入部と、
    一の前記圧縮タンクから他の前記圧縮タンクへ液体を移送する液体ポンプと、
    前記圧縮タンクそれぞれの前記液体取出部と接続された複数の液体取出ラインと、
    前記圧縮タンクそれぞれの前記液体取入部と接続された複数の液体取入ラインと、
    前記液体ポンプの吸入側を前記複数の液体取出ラインそれぞれと接続する液体吸入ラインと、
    前記液体ポンプの吐出側を前記複数の液体取入ラインそれぞれと接続する液体吐出ラインと、
    前記液体取出ラインごとに設けられた複数の液体取出制御弁と、
    前記液体取入ラインごとに設けられた複数の液体取入制御弁と、
    前記液体ポンプ、前記液体取出制御弁、および前記液体取入制御弁を含む工程切替要素群を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    一の前記圧縮タンクが圧縮・排気工程を実行する制御状態である場合に、他の前記圧縮タンクが膨張・吸気工程を実行する制御状態となるように、前記工程切替要素群を制御し、
    前記圧縮・排気工程においては、前記圧縮タンク内に圧縮空気が残留した状態で前記液体ポンプを停止することにより当該工程を終了し、
    前記膨張・吸気工程においては、残留する前記圧縮空気の膨張中の所定時期まで前記液体ポンプの停止を継続し、その後に前記液体ポンプを駆動することを特徴とするエアコンプレッサ。
  2. 前記圧縮タンクごとに設けられ、内部空間に液体を噴霧するインジェクタと、
    前記液体取入制御弁の二次側の前記液体取入ラインから分岐し、前記液体ポンプで移送中の液体の一部を前記インジェクタに導く液体導入ラインと、
    前記液体導入ラインごとに設けられた液体導入制御弁と、を備え、
    前記工程切替要素群は、前記液体導入制御弁を含み、
    前記制御手段は、前記圧縮・排気工程において、前記液体取入部から液体を充填中に前記液体導入制御弁を開放することを特徴とする請求項1に記載のエアコンプレッサ。
  3. 前記圧縮タンクそれぞれは、内部空間の液位を検知する液位検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記圧縮・排気工程においては、前記排気機構の作動後、前記液位検知手段により所定液位が検知された場合に、当該工程を終了することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアコンプレッサ。
  4. 前記圧縮タンクそれぞれは、内部空間の圧力を検知する圧力検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記圧縮・排気工程においては、前記排気機構の作動後、前記圧力検知手段により所定圧力が検知された場合に、当該工程を終了することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアコンプレッサ。
  5. 前記液体吐出ライン、前記液体吸入ライン、または前記液体ポンプに設けられた流量検知手段を備え、
    前記制御手段は、膨張・吸気工程においては、前記流量検知手段により所定流量が検知された場合に、停止中の前記液体ポンプを駆動することを特徴とする請求項3に記載のエアコンプレッサ。
  6. 前記液体吐出ライン、前記液体吸入ライン、または前記液体ポンプに設けられた流量検知手段を備え、
    前記制御手段は、膨張・吸気工程においては、前記流量検知手段により所定流量が検知された場合に、停止中の前記液体ポンプを駆動することを特徴とする請求項4に記載のエアコンプレッサ。
  7. 前記吸気機構は、吸気ラインおよび吸気弁を含み、
    前記排気機構は、排気ラインおよび排気弁を含み、
    前記吸気弁は、前記圧縮タンクの内部圧力が第1圧力を下回ると開放する一方、前記圧縮タンクの内部圧力が第1圧力以上である第2圧力を上回ると閉鎖する弁であり、
    前記排気弁は、前記圧縮タンクの内部圧力が第3圧力を下回ると閉鎖する一方、前記圧縮タンクの内部圧力が第3圧力以上である高い第4圧力を上回ると開放する弁であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアコンプレッサ。
  8. 前記圧縮タンク、前記液体取出ライン、前記液体取入ライン、前記液体吸入ライン、および前記液体吐出ラインのいずれかと接続される液体排出ラインおよび液体補給ラインと、
    前記液体排出ラインに設けられた液体排出弁と、
    前記液体補給ラインに設けられた液体補給弁と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアコンプレッサ。
  9. 前記圧縮タンクのそれぞれ、および、液体の流通するいずれか1以上のライン、の少なくとも一方において、熱回収機構ないし冷却機構を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアコンプレッサ。
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