JP7205550B2 - 光学装置、及び制御装置 - Google Patents
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Description
本願は、2018年12月10日に、日本に出願された特願2018-230771号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る撮像システムSの一例を示す図である。また、撮像システムSは、光学装置Dでもある。本実施形態において撮像システムS(光学装置D)とは、一例として、眼科顕微鏡である。なお撮像システムS(光学装置D)は、生物顕微鏡、工業顕微鏡、医用顕微鏡、監視カメラ、及び車載カメラなどであってもよい。
撮像システムSは、結像光学系OSと、波面制御装置3と、撮像素子6と、コンピュータ7と、表示部8と、入力部9とを備える。
波面制御装置3は、一例として、液晶位相変調素子(LCOS:Liquid Crystal On Silicon)である。波面制御装置3は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーやデフォーマルミラーであってもよい。
図2は、本実施形態に係る画像Pの一例を示す図である。画像Pは、一例として、手術中の網膜の画像である。本実施形態では、画像Pを領域R1~領域R25に分割する。領域R1~領域R25は、一例として、それぞれが画像Pの一部の領域であってそれぞれ等しい面積をもつ正方形の領域である。上述した領域Rは、領域R1~領域R25の総称である。
入力部9は、一例として、マウスである。入力部9は、キーボードやタッチパネルであってもよい。入力部9は、撮像システムSのユーザの視線を検出する立体ディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイであってもよい。入力部9は、フットスイッチであってもよい。入力部9は、撮像システムSのユーザの音声やジェスチャーを認識する認識装置であってもよい。
本実施形態では、制御装置7Bは、学習装置7Aによる学習結果である波面状態テーブルTに基づいて波面制御装置3を制御する。
図3は、本実施形態に係る波面制御装置3の波面状態の一例を示す図である。図3では、波面の位相の遅れが、36個のピクセル毎に白黒の濃淡によって示されている。
図4は、本実施形態に係る学習装置7Aの構成の一例を示す図である。学習装置7Aは、光学シミュレーション装置7Cによる光学シミュレーションに基づいて波面状態テーブルTを生成し、制御装置7Bに供給する。学習装置7Aは、波面状態テーブルTを生成するために、網膜画像データベース7Dに記憶される網膜画像データRIを用いてよい。
なお、学習装置7A、光学シミュレーション装置7C、及び網膜画像データベース7Dは、コンピュータ7に備えられる代わりに、コンピュータ7から独立した外部のコンピュータに備えられる構成であってもよい。
以下、波面状態テーブルTを生成する処理を学習処理という。
学習画像信号取得部71Aは、撮像素子6から供給される学習画像信号LISを取得する。学習画像信号LISとは、学習処理において撮像素子6によって生成される画像Pの各画素の値を示す信号である。
学習部74は、特徴量算出部740と、評価値算出部741と、関係学習部742と、波面状態推定部743と、波面状態テーブル生成部744とを備える。
評価値算出部741は、撮像素子6から供給される学習画像信号LISと、重みWYとに基づいて、結像性能評価値Yを算出する。評価値算出部741は、特徴量算出部740によって算出される特徴量に基づいて重みWYの値を変更してよい。
波面状態推定部743は、関係学習部742の学習結果に基づいて、特定の領域Rについて、結像性能評価値Yを最大にする波面状態θを推定する。
波面状態テーブル生成部744は、波面状態推定部743による推定結果に基づいて波面状態テーブルTを生成する。
結像光学系シミュレーション部70Cは、光学系データDTに基づいて結像光学系OSの光学シミュレーションを実行する。光学系データDTとは、光学シミュレーションのための波面状態θと、光学系条件Λとの組である。結像光学系シミュレーション部70Cは、光学系条件Λとして、所定の数だけ予め所定の条件を保持している。
結像光学系シミュレーション部70Cは、光学系条件Λに基づいて学習光学系条件情報LLSを生成する。
図5は、本実施形態に係る制御装置7Bの構成の一例を示す図である。制御装置7Bは、領域設定情報取得部70Bと、光学系条件情報取得部75Bと、波面制御信号生成部72Bと、記憶部73Bとを備える。
波面制御信号生成部72Bは、波面制御装置3に波面制御信号WSを供給する。波面制御信号WSは、波面状態θを示す信号である。
記憶部73Bには、波面状態テーブルTが記憶される。波面状態テーブルTは、上述したように、予め学習処理において学習装置7Aにより生成される。
図6は、本実施形態に係る学習処理の一例を示す図である。図6に示す学習処理は、制御装置7Bによる波面制御装置3の制御が実行される前に予め実行される。
数N通りの波面状態θの集合は、式(1)により示される。
図7は、本実施形態に係る光学系条件Λの一例を示す図である。図7の光学系条件Λの例では、ズーム倍率として「2倍」が、前置きレンズとして「タイプA」が、被検体1として「ナバロアイモデル」が選択されている。
ステップS120:結像光学系シミュレーション部70Cは、光学シミュレーションに用いる光学系データDTを設定する。ここで結像光学系シミュレーション部70Cは、ステップS100において波面制御シミュレーション部71Cにより生成された数N通りの波面状態θのそれぞれと、ステップS110において選択した光学系条件Λとを組にして数M通りの光学系データDTを生成する。数Mは、ステップS110において選択された光学系条件Λの数と、数Nとの積に等しい。
図8は、本実施形態に係る波面状態θの一例を示す図である。図8の例では、波面制御装置3のピクセル毎に、結像光学系OSの瞳における波面の位相の遅れの値が示されている。
ステップS130:結像光学系シミュレーション部70Cは、光学シミュレーションを実行する。結像光学系シミュレーション部70Cは、数M通りの光学系データDTそれぞれについて光学シミュレーションを実行する。つまり、結像光学系シミュレーション部70Cは、ステップS100においてランダムに生成された数N通りの波面状態θについて、光学シミュレーションを光学系条件Λ毎に実行する。
結像光学系シミュレーション部70Cは、例えば、公知の光学設計解析ソフトウェアを用いて光学シミュレーションを実行する。
撮像素子6は、光学系条件Λ毎の画像P1~画像PNそれぞれの画素の値を、学習画像信号LISに含め学習装置7Aに出力する。
以下、画像P1~画像PNのうちの1枚を代表させて画像Piという場合がある。
評価値算出部741は、学習画像信号LISに含まれる画像Piの各画素の値に基づいて、画像Piの領域R毎の結像性能PYを算出する。ここで画像Pの領域R毎の結像性能PYとは、一例として点拡がり関数(PSF:Point Spread Function)の値である。なお、結像性能PYは、コントラストの値や、線広がり関数(LSF:Line Spread Function)や、MTF(Modulation Transfer Function)であってもよい。
評価値算出部741は、ステップS140の処理を、光学系条件Λ毎に、画像P1~画像PNについて繰り返す。
図9は、本実施形態に係る結像性能PY及び重みWYの一例を示す図である。図9では、領域R1~領域R25それぞれについて、結像性能PYとしてPSFの値が示されている。また、図9では、領域R1~領域R25それぞれについて重みWY1~重みWY25の値が示されている。
結像性能評価値Yの集合は、式(2)により示される。
ステップS150において、関係学習部742は、波面状態θと結像性能評価値Yの関係を学習するために、パラメトリックな回帰、及びノンパラメトリックな回帰のいずれを用いてもよい。なお、SVRは、非線形なノンパラメトリック回帰のアルゴリズムの一例である。
ステップS160において、波面状態推定部743は、波面状態θを推定するために、グリッドサーチや、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC:Markov chain Monte Carlo methods)を用いてもよい。
また、波面制御装置3の波面状態θは、ピクセルを単位として表現される代わりに、Zernike係数を用いて表現されてもよい。波面制御装置3の波面状態θがZernike係数を用いて表現される場合、解探索の効率が本実施形態に比べて向上する場合がある。
図10は、本実施形態に係る制御装置7Bによる波面制御装置3の制御処理の一例を示す図である。図10に示す制御処理は、図6に示した学習処理が実行された後に実行される。
以上において、制御装置7Bは、波面制御装置3の制御処理を終了する。
上述した第1の実施形態においては、波面状態テーブルTの生成に、光学シミュレーションが用いられる場合について説明した。ここでは第1の実施形態の変形例として、波面状態テーブルTの生成に、光学シミュレーションの代わりに実際の撮像システムS(光学装置D)による撮影が用いられる場合について説明する。
本変形例の学習装置を学習装置7Aaという。
光学系条件取得部75Aは、結像光学系OSから学習光学系条件情報LLSを取得する。
図12は、本変形例に係る学習処理の一例を示す図である。なお、ステップS300、ステップS310、ステップS330、ステップS340、ステップS350、及びステップS360の各処理は、図6におけるステップS100、ステップS110、ステップS140、ステップS150,ステップS160、及びステップS170の各処理と同様であるため、説明を省略する。
結像光学系OSは、被検体1の像を形成する。
撮像素子6は、結像光学系OSによって形成される被検体1の像の画像信号ISを出力する。
波面制御装置3は、結像光学系OSの瞳における波面の位相を変化させる。
制御部(この一例において、制御装置7B)は、撮像素子6が出力する画像信号ISに基づいて波面制御装置3を制御する。
この構成により、本実施形態に係る光学装置Dでは、結像光学系OSの瞳における波面の位相を制御できる。
この構成により、本実施形態に係る光学装置Dでは、画像P中の特定領域RCに対応する領域の波面の位相を変化させることができるため、画像P中の特定領域RCの結像性能を向上させることができる。
本実施形態に係る光学装置Dでは、ユーザが特定領域RCを設定できるため、ユーザは画像P中の注視したい画角の結像性能を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
上記第1の実施形態では、撮像システム(光学装置)は、画像信号と結像光学系の瞳における波面の位相との関連性が予め学習された学習結果に基づいて波面制御装置を制御する場合について説明をした。本実施形態では、撮像システム(光学装置)が、使用中に画像信号と結像光学系の瞳における波面の位相との関連性が即時に学習され、学習結果が更新される場合について説明をする。
本実施形態に係る撮像システムを撮像システムSbといい、光学装置を光学装置Dbという。
波面制御信号生成部72Eは、記憶部73Eに記憶されるモード設定情報STに応じて、波面状態テーブルTとして、プリセット波面状態テーブルTPと、アダプティブ波面状態テーブルTAとのいずれかを選択する。
ここで学習部74E(図13)と、学習装置7Aの学習部74(図4)とを比較すると、波面状態推定部743Eと、波面状態テーブル生成部744Eと、解推定範囲管理部745Eとが異なる。他の構成要素(特徴量算出部740、評価値算出部741、関係学習部742)が持つ機能は学習部74(図4)と同じである。
波面状態テーブル生成部744Eは、波面状態テーブル生成部744の機能を有し、かつ、波面状態推定部743Eによる推定結果に基づいてアダプティブ波面状態テーブルTAを生成する。
解推定範囲管理部745Eは、波面状態推定部743Eが推定する波面状態θの範囲を設定する。
解推定範囲管理部745Eが設定する範囲Ωは、式(5)のように表される。式(5)におけるΔは、プリセット波面状態テーブルTPに対して幅を持たせておくための量であり、予め設定される。
ここで図15を参照し、学習部74Eによるアダプティブ学習処理について説明する。
図15は、本実施形態に係るアダプティブ学習処理の一例を示す図である。図15に示すアダプティブ学習処理は、図14のステップS480に対応する。
ステップS490:波面制御信号生成部72Eは、波面状態テーブルTとして、アダプティブ波面状態テーブルTAを選択する。
この構成により、本実施形態に係る光学装置Dbでは、波面制御装置3が制御された状態を固定できるため、波面制御装置3の波面状態θを一度制御すれば、ユーザが望んだ結像性能をもつ手術画像OPを取得し続けることができる。本実施形態に係る光学装置Dbでは、画像処理によって画像を高精細にする場合と異なり1フレーム毎の処理を必要としない。本実施形態に係る光学装置Dbでは、手術画像OPを動画として即時に観察した場合に、光学装置の処理による遅れが生じない。
本実施形態に係る光学装置Dbでは、表示を拡大するだけではなく、波面も修正できるため、従来技術である電子ズームよりも高精細な像を取得することができる。
本実施形態に係る光学装置Dbでは、光学素子を自動で調整できる。本実施形態に係る光学装置Dbでは、光学素子の調整の十分な知見をもたないユーザであっても、波面制御装置3の波面状態θを一度制御すれば、ユーザが望んだ結像性能をもつ手術画像OPを取得し続けることができる。
この構成により、本実施形態に係る光学装置Dbでは、画像信号ISと結像光学系OSの瞳における波面の位相との関連性が予め学習された学習結果と、撮像素子6が出力する画像信号ISとに基づいて波面制御装置3を制御できるため、学習結果に基づかない場合に比べて光学装置の結像性能を向上させることができる。
学習処理において深層学習が用いられる場合、画像信号ISと結像光学系OSの瞳における波面の位相との関連性が予め学習された学習結果は深層学習により得られた結果である。
例えば、制御装置7B及び制御装置7Eは、画像信号ISを撮像素子6から逐次取得し、画像Pのうちの特定領域RCの結像性能PYが、現在よりも高くなる波面状態θを探索してもよい。
また、上述した実施形態における学習装置7A、7Aa、及び制御装置7B、7Eの一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。学習装置7A、7Aa、及び制御装置7B、7Eの各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
Claims (16)
- 被検体の像を形成する結像光学系と、
前記結像光学系の結像面の互いに異なる位置に配置された第一画素と第二画素とを有し、前記結像光学系が形成する前記像のそれぞれ異なる領域における画像信号を出力する撮像素子と、
互いに位置が異なる第一ピクセルと第二ピクセルとを有し、前記結像光学系の瞳面または前記瞳面の共役位置に配置され、前記結像光学系の瞳における波面の位相を変化させる空間変調素子と、
前記第一画素から出力される前記像の第一領域における第一画像信号と前記第二画素から出力される前記像の第二領域における第二画像信号とに基づいて、前記第一ピクセルを制御し、かつ、前記第一及び第二画像信号とに基づいて前記第二ピクセルを制御する制御部と
を備える光学装置。 - 前記撮像素子は、前記画像信号から前記被検体の画像を生成し、
前記制御部は、前記画像中の特定領域に合わせて前記波面の位相を変化させるように前記空間変調素子を制御する
請求項1に記載の光学装置。 - 前記特定領域の指定に関するユーザからの入力を受け付ける領域指定部を有し、
前記特定領域は、前記領域指定部が受け付けた入力に基づいて設定される
請求項2に記載の光学装置。 - 前記特定領域における、点広がり関数の値、コントラストの値、線広がり関数の値、及び、MTF(Modulation Transfer Function)の値のうち、少なくとも一つの値を含む結像性能を算出する評価値算出部を有し、
前記制御部は前記結像性能に基づいて前記空間変調素子を制御する
請求項2または請求項3に記載の光学装置。 - 前記画像の見え方に関するユーザからの入力を受け付ける見え方情報入力部を有し、
前記制御部は、前記見え方情報入力部が受け付けた入力に基づいて前記空間変調素子を制御する、
請求項2に記載の光学装置。 - 前記制御部は、所定の条件に基づいて前記空間変調素子が制御された状態を固定する
請求項1から5のいずれか一項に記載の光学装置。 - 前記画像信号と前記瞳における前記波面の位相との関連性が予め学習された学習部を有し、
前記制御部は、前記学習部の学習結果と、前記撮像素子が出力する前記画像信号とに基づいて前記空間変調素子を制御する
請求項1から6のいずれか一項に記載の光学装置。 - 前記学習結果は深層学習により得られた結果である
請求項7に記載の光学装置。 - 被検体の像を形成する結像光学系の瞳面または前記瞳面の共役位置に配置され、互いに位置が異なる第一ピクセルと第二ピクセルによって前記結像光学系の瞳における波面の位相を変化させる空間変調素子を、前記結像光学系の結像面の互いに異なる位置に配置された第一画素と第二画素とを有する撮像素子が前記被検体の像のそれぞれ異なる領域を撮像して得られた信号である画像信号に基づいて制御する制御部
を備える制御装置であって、
前記制御部は、前記第一画素から出力される前記像の第一領域における第一画像信号と前記第二画素から出力される前記像の第二領域における第二画像信号とに基づいて、前記第一ピクセルを制御し、かつ、前記第一及び第二画像信号に基づいて前記第二ピクセルを制御する制御装置。 - 前記制御部は、前記画像信号から得られた画像中の特定領域に合わせて前記空間変調素子を制御する
請求項9に記載の制御装置。 - 前記特定領域は、ユーザによって設定された領域である
請求項10に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記特定領域において算出された、点広がり関数の値、コントラストの値、線広がり関数の値、及び、MTF(Modulation Transfer Function)の値のうち、少なくとも一つの値を含む結像性能に基づいて前記空間変調素子を制御する
請求項10または請求項11に記載の制御装置。 - 前記制御部は、ユーザによって入力された、前記画像の見え方に関する情報に基づいて前記空間変調素子を制御する、
請求項10に記載の制御装置。 - 前記制御部は、所定の条件に基づいて前記空間変調素子が制御された状態を固定する
請求項9から13のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記画像信号と前記瞳における前記波面の位相との関連性が予め学習された学習部の学習結果と、前記撮像素子が出力する前記画像信号とに基づいて前記空間変調素子を制御する
請求項9から14のいずれか一項に記載の制御装置。 - 前記学習結果は深層学習により得られた結果である
請求項15に記載の制御装置。
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