JP7204012B2 - 機械学習装置、デザインレビュー検証装置、機械学習方法 - Google Patents

機械学習装置、デザインレビュー検証装置、機械学習方法 Download PDF

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Description

本開示は、機械学習装置、デザインレビュー検証装置、機械学習方法に関する。
ソフトウェア開発の各工程においては、設計書、ソースコード、試験成績書等が成果物として作成される。ソフトウェア開発では、各工程の多数の成果物が正しく作成されているか否かが、デザインレビューによって開発者により検証される。
デザインレビューでは、インスペクション、ウォークスルー、チームレビュー、ラウンドロビンレビュー、パスアラウンド、ピアレビュー等の様々な方式が用いられる。これらのデザインレビューでは、各成果物で設定されている検証基準を満たしているか否かが、有識者を含む複数人による会議方式で検証されることが多い。このため、デザインレビューでは、通常、累積作業時間が長くなる。そこで、デザインレビューに関して様々な技術が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2)。
特開2018-5802号公報 特開2017-188030号公報
ところで、Automotive SPICE(登録商標)は、車両システム開発向けのプロセス改善のための規格である。Automotive SPICEでは、開発者が、複数の構成品目に変更依頼の内容を結び付けて双方向トレーサビリティを確保する活動を行い、変更依頼の実現可能性をレビューして複数の構成品目の一貫性を確保する活動を行うことが求められる。一貫性の確保は、検証基準に従って、有識者によって確認される。しかしながら、有識者による確認方法は、有識者のスキルに依存する要素が多い。なお、限られた時間で確認するためには変更点の重要度を設定すればよいが、これもまた有識者のスキルに依存している。また、双方向トレーサビリティによって関連付けられた構成品目を限られた時間内で全てレビューすることは困難である。
さらに、近年、ソフトウェア開発の複雑化や高度化に伴って、障害につながる要因も複雑化しているため、双方向トレーサビリティを活用して、かつ有識者によるデザインレビューを実施しても構成品目の検証結果における達成度の予知も難しくなってきている。すなわち、スキルを有する一部の有識者が、一定の検証基準に従って達成度を予知する方法であっても、実際の状況に適切に対応できず、対応できたとしても正確性を欠くようになってきている。特に、車両などに用いられるソフトウェアを開発するためのデザインレビューでは、過去の開発情報に基づいて継続的に仕様をアップグレードするため、上記の問題が顕在化している。
そこで、本開示は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、複数の構成品目の検証結果における達成度などの達成状況の正確性を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。
本開示に係る機械学習装置は、ソフトウェア開発のデザインレビューの対象である複数の構成品目の検証基準を示す検証基準情報と、前記複数の構成品目のうち、トレース可能に関連付けられた2以上の構成品目から導き出される機能要素を含む状態変数と、前記複数の構成品目の検証結果を示す検証結果情報とを取得する取得部と、前記検証基準情報に基づいて前記検証結果情報から抽出して取得される判定データと、前記状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、前記複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習する学習部とを備える。
本開示によれば、判定データと状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習する。このような構成によれば、複数の構成品目の検証結果における達成状況の正確性を高めることができる。
本開示の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置の学習処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る状態変数の一例を示す図である。 実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置の学習を説明するための図である。 実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置の学習を説明するための図である。 実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1に係るデザインレビュー議事録情報の一例を示す図である。 実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況情報の一例を示す図である。 その他の変形例に係る機械学習装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 その他の変形例に係る機械学習装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
<実施の形態1>
<学習に関する構成>
図1は、本実施の形態1に係るデザインレビュー検証装置であるデザインレビュー達成状況予知装置(システム)の構成の一例を示すブロック図である。この図1には、デザインレビュー達成状況予知装置のうち学習に関する構成が主に図示されている。図1のデザインレビュー達成状況予知装置は、管理系構成品目登録端末101と、技術系構成品目登録端末201と、トレーサビリティ登録端末301と、機械学習機能を有する機械学習装置401とを備える。
まず、デザインレビュー達成状況予知装置の概要について説明する。技術系構成品目登録端末201は、例えば、要件情報部202、設計情報部203、プログラム情報部204及び試験情報部205(以下、これらを区別しない場合には「情報部202~205」と略記することもある)を含む。なお、技術系構成品目登録端末201は、情報部202~205の少なくともいずれか1つを含んでいればよい。
技術系構成品目登録端末201、ひいては情報部202~205には、ソフトウェア開発のデザインレビューの対象である複数の構成品目を含む構成品目情報206と、複数の構成品目の検証結果を示す検証結果情報207とが登録されている。構成品目には、例えば設計書、ソースコード、試験成績書等の成果物が用いられる。ここで、複数の構成品目のうち、2以上の構成品目をトレース可能に関連付けるトレース情報が、構成品目情報206に付随されている。このトレース情報により、複数の構成品目のうち、トレース可能に関連付けられた2以上の構成品目から導き出される機能要素が規定される。
管理系構成品目登録端末101は、例えば、開発計画情報部102を含む。管理系構成品目登録端末101、ひいては開発計画情報部102には、複数の構成品目の検証基準を示す検証基準情報103が登録されている。
トレーサビリティ登録端末301は、例えば、トレーサビリティ情報部302を含む。トレーサビリティ登録端末301、ひいてはトレーサビリティ情報部302には、トレーサビリティ情報303と重要度情報304とが登録されている。トレーサビリティ情報303には、構成品目情報206と同様にトレース情報が付随されている。重要度情報304は、機能要素の重要度を含んでいる。
機械学習装置401は、例えば、検証基準抽出部402と、検証結果抽出部403と、機能要素抽出部404と、学習部405とを含む。
検証基準抽出部402、検証結果抽出部403及び機能要素抽出部404は、取得部として機能する。この取得部は、検証基準情報103と、トレース情報で規定される機能要素を含む状態変数と、検証結果情報207とを取得する。
学習部405は、検証基準情報103に基づいて検証結果情報207から抽出して取得される判定データと、状態変数とを互いに関連付けた(組み合わせた)データセットを作成する。そして、学習部405は、作成されたデータセットに基づいて、デザインレビューの対象である複数の構成品目の検証結果における達成状況(以下「達成状況」とのみ記すこともある)を学習する。
詳細については、「学習結果の活用に関する構成」で説明するが、本実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置は、学習部405の学習結果を活用可能に構成されている。具体的には、デザインレビュー達成状況予知装置は、現在の状態変数と学習部405の学習結果とに基づいて、現在の状態変数の達成状況を示す達成状況予知情報407を予知(作成)するように構成されている。
この達成状況予知情報407は、デザインレビューの検証結果の網羅性の状況を表している。本実施の形態1に係る達成状況予知情報407は、現在の状態変数に関して、各情報部202~205の検証結果のデザインレビュー達成度を表す情報、または、各情報部202~205の検証結果の合否を表す情報を含む。
デザインレビュー達成度としては、数値的な達成度合と定性的な達成度合とがある。数値的な達成度合は、例えば、達成値と目標値との割合である。定性的な達成度合は、例えば、達成済み項目数と全目標項目数との割合である。なお、デザインレビュー達成度の最大値及び最小値のいずれか一方は制限されてもよい。また、デザインレビュー達成度は、連続量であっても離散量であってもよい。
各情報部202~205の検証結果の合否を表す情報としては、検証結果が正常な状態であるか否かを表す工法であってもよい。
以下、技術系構成品目登録端末201の各情報部202~205について達成状況予知情報407を予知するための学習を行うデザインレビュー達成状況予知装置について説明する。しかしながら、技術系構成品目登録端末201と同様の他の任意の技術系構成品目登録端末に対しても、本実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置を適用することができるのは言うまでもない。
次に、デザインレビュー達成状況予知装置の各構成要素について詳細に説明する。
<管理系構成品目登録端末101>
管理系構成品目登録端末101、ひいては開発計画情報部102には、例えば、開発体制及びスキルマップを含むプロジェクト開発計画書と、構成管理計画書と、問題解決管理計画書と、変更依頼管理計画書と、検証基準情報103とを含む検証計画書が登録されている。このように本実施の形態1では、検証基準情報103は、管理系構成品目のドキュメント情報に含まれ、技術系構成品目登録端末201に登録された複数の構成品目を検証するための技術系構成品目の検証基準を含んでいる。
<技術系構成品目登録端末201>
技術系構成品目登録端末201、ひいては情報部202~205には、構成品目情報206と、検証結果情報207とが登録されている。
構成品目情報206は、顧客から提示された要求仕様書、及び、ソフトウェア開発の各工程において作成された成果物等を含む。ソフトウェア開発の工程は、例えば、システム設計、ソフトウェア設計、ソフトウェア詳細設計、プログラム制作、単体試験、ソフトウェア試験、及び、システム試験等を含む。成果物は、例えば、設計書、ソースコード、試験仕様書、試験報告書等を含み、複数の構成品目として用いられる。
複数の構成品目のそれぞれには複数のトレース識別子(以下「トレースID」と記すこともある)が付与される。複数のトレースIDは、要求仕様書に付与された要求ID、設計書に付与された設計ID、プログラムに付与されたプログラムID、試験仕様書及び試験報告書に付与された試験ID等を含む。各トレースIDにより、各トレースIDが付与された構成品目を識別することが可能となる。
複数のトレースIDにはトレース情報がそれぞれ付随する。トレース情報は、トレース情報が付随するトレースIDが付与された構成品目同士の間でトレースを行うことができるように、構成品目同士を関連付ける情報である。
検証結果情報207は、複数の構成品目の検証結果を示す。本実施の形態1では、検証結果情報207は、技術系構成品目のドキュメント情報に含まれている。
<トレーサビリティ登録端末301>
トレーサビリティ登録端末301、ひいてはトレーサビリティ情報部302には、トレーサビリティ情報303と重要度情報304とが登録されている。
トレーサビリティ情報303は、複数のトレースIDを含む。トレーサビリティ情報303の複数のトレースIDには、構成品目情報206の複数のトレースIDと同様にトレース情報が付随されている。トレーサビリティ情報303のトレース情報は、各情報部202~205の構成品目と、開発工程などによって作成される他の構成品目との間でトレースを行うことができるように、構成品目と他の構成品目とを関連付ける情報である。
本実施の形態1では、トレーサビリティ情報303のトレース情報により、構成品目と他の構成品目とが、機能要素を導き出す2以上の構成品目として用いられる。なお、他の構成品目は、各情報部202~205の構成品目の上流及び下流の少なくとも一方の工程の構成品目を含むことが望ましいが、含まなくてもよい。また、トレーサビリティ情報303は、トレース情報が付随しないトレースIDを含んでいてもよい。
重要度情報304は、トレースの重要度を含む。トレースの重要度には、例えば、トレースの変更回数、または、コードのライン数が用いられる。なお、トレースの重要度は、トレースの変更回数及びコードのライン数と同じ傾向があり、これらと実質的に同じように扱うことができる。
<機械学習装置401>
検証基準抽出部402は、管理系構成品目登録端末101から検証基準情報103を抽出する。検証基準抽出部402は、検証基準情報103に不足がある場合には、不足している検証基準情報103を手動登録で受け付けてもよい。また、検証基準抽出部402は、機械学習装置401と管理系構成品目登録端末101(端末)との間のネットワークの接続が開始されるときに、検証基準情報103を取得してもよい。
検証結果抽出部403は、検証基準抽出部402で抽出した検証基準情報103に基づいて、技術系構成品目登録端末201の情報部202~205から、検証結果情報207を抽出する。このように、検証結果抽出部403は、検証基準情報103に基づいて検証結果情報207を抽出することによって判定データを取得する。判定データは、例えば、検証結果情報207のうち、検証基準情報103の検証基準で対象となっている構成品目の検証結果情報である。
機能要素抽出部404は、技術系構成品目登録端末201の構成品目情報206と、トレーサビリティ登録端末301のトレーサビリティ情報303とを抽出する。そして、機能要素抽出部404は、構成品目情報206及びトレーサビリティ情報303に基づいて、それらに付随するトレース情報によってトレース可能に関連付けられた2以上の構成品目を抽出し、当該2以上の構成品目から導き出される機能要素を抽出する。それから、機能要素抽出部404は、抽出した機能要素を含む状態変数を生成する。なお本実施の形態1のように、機能要素抽出部404が、重要度情報304のトレースの重要度から、機能要素の重要度を抽出するように構成されている場合、機能要素抽出部404は、機能要素と、当該機能要素の重要度とを含む状態変数を生成する。
検証結果抽出部403は判定データを学習部405に出力し、機能要素抽出部404は状態変数を学習部405に出力する。機能要素抽出部404は、機能要素抽出部404で生成可能な全ての機能要素を含む状態変数ではなく、一部の機能要素を含む状態変数を学習部405に出力してもよいし、機能要素抽出部404以外で生成された別の状態変数も学習部405に出力してもよい。
学習部405は、検証結果抽出部403から出力された判定データと、機能要素抽出部404から出力された状態変数とを互いに関連付けたデータセットを作成する。学習部405は、作成したデータセットに基づいて達成状況を学習することにより、予知モデル(学習結果)を獲得する。
ここで一般的に、デザインレビューでは、例えば、複数の変更点が発生した構成品目、及び、当該構成品目と関係する他の構成品目の検証基準を全て検証する作業は膨大である。このため、有識者のスキルであっても、変更点に関わる全ての構成品目を限られた時間内で網羅的に検証することは困難である。
これに対して後述するように、本実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置は、例えば、トレーサビリティによって変更点に関係する現在の状態変数(現在の機能要素)と、学習部405の学習結果とに基づいて、達成状況予知情報407を予知する。このような構成によれば、デザインレビュー達成度などの達成状況の正確性を高めることができる。
<動作>
図2は、本実施の形態1に係る機械学習装置401の学習処理の一例を示すフローチャートである。
まずステップS1にて、機能要素抽出部404は、機能要素と、当該機能要素の重要度とを含む状態変数を生成する。ここでいう機能要素は、デザインレビューの対象である構成品目から導き出される機能要素であり、例えば、変更された機能要素である。
ステップS2にて、検証基準抽出部402は、デザインレビューの対象である構成品目の検証基準情報103を抽出し、検証結果抽出部403は、当該検証基準情報103に基づいて検証結果情報207を抽出することによって判定データを取得する。
ステップS3にて、学習部405は、ステップS1で生成した状態変数と、ステップS2で取得した判定データとを互いに関連付けたデータセットに基づいて達成状況を学習し、予知モデル(学習結果)を獲得する。
図3は、データセットの状態変数の一例を示す図である。図3の状態変数は、機能要素21と、開発工程22と、トレースID23と、機能要素の重要度24とを含む。学習部405は、判定データと、図3のような状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて達成状況を学習することにより、機能要素21に類似する機能要素について達成状況を予知する。
<学習>
ステップS1~ステップS3の処理は、例えば、学習部405が達成状況を十分に学習するまで繰り返し実行される。この際、学習部405は、デザインレビューの対象である構成品目の機能要素が複数回変更されたときに得られる全ての動作パターンを実行することが好ましい。
図4は、機能要素の変更回数と指摘件数とを示す動作パターンの例を示す図である。動作パターン11aは収束しつつある課題を表し、動作パターン11bはなかなか収束しない課題を表している。
動作パターン11a,11bは、デザインレビュー品質指標に相当する。学習部405は、このようなデザインレビュー品質指標に基づいて機械学習を行うことが好ましい。これにより、達成状況の条件を揃えた学習を促進することができる。
また、学習部405は、例えば動作パターン11a,11bの間の中間的な振舞いの課題については機械学習を行い、中間的な振舞いとは言えない不規則な変化をする課題については機械学習を行わないことが好ましい。つまり、学習部405は、デザインレビュー品質指標の変動に表れる一般的な傾向と大きく異なるデータ、及び、デザインレビュー品質指標として用いることを予期しない分散傾向の激しいデータを除外して機械学習を行うことが好ましい。これにより、達成状況の学習を特徴ある動作に限定することができるので、データサイズを抑えることができる。
図5は、ニューラルネットワークの構成例を示す図である。学習部405は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、達成状況を学習してもよい。図5に示されるように、ニューラルネットワークは1個のニューロンx1、x2、x3、・・・、xlを含む入力層と、m個のニューロンy1、y2、y3、・・・、ymを含む中間層(隠れ層)と、n個のニューロンz1、z2、z3、・・・、znを含む出力層とを含む。なお図5では、中間層は、1層のみ示されているが、2層以上の中間層が設けられてもよい。また、ニューラルネットワークを実現する学習部405には、後述するように汎用の計算機またはプロセッサなどが用いられてもよいが、大規模PCクラスター等が適用されると、より高速に処理することが可能である。
ニューラルネットワークは、技術系構成品目登録端末201の検証結果の達成状況に関係付けられる情報部202~205の達成状況を学習する。ニューラルネットワークは、検証結果抽出部403で取得された判定データと、機能要素抽出部404で生成された状態変数とを互いに関連付けたデータセットに従って、いわゆる「教師あり学習」により、データセットと達成状況との関連性(関係性)を学習する。すなわち、ニューラルネットワークは、情報部202~205の達成状況を学習する。なお「教師あり学習」は、入力データと結果(ラベル、出力データ)との組を大量に学習部405に与えることで、それらの間に存在する特徴を学習し、入力データから結果を推定するモデルである。すなわち、「教師あり学習」とは、入力データと結果との関連性(関係性)を帰納的に獲得する学習である。
なお、ニューラルネットワークが行う学習は、「教師あり学習」に限ったものではない。例えば、ニューラルネットワークは、異常な検証結果がない判定データ、すなわち、技術系構成品目登録端末201の情報部202~205の検証結果が正常に検証基準を満たしている判定データのデータセットのみを蓄積してもよい。そして、ニューラルネットワークは、いわゆる「教師なし学習」を当該データセットに行うことによって、情報部202~205の達成状況を学習してもよい。
ここで、「教師なし学習」とは、入力データに対応する教師出力データを与えずに、入力データのみを大量に学習部405に与え、入力データに圧縮・分類・整形等を行うことによって、入力データがどのような分布をしているかを学習する手法である。「教師なし学習」では、例えば、データセットに存在する特徴を似た者同士に分けるクラスタリング等が用いられる。そのような「教師なし学習」では、クラスタリング等の結果に対して何らかの基準を設けて、当該基準を最適にするような出力の割り当てを行うことで、出力の予測を実現することができる。
「教師なし学習」は、例えば、技術系構成品目登録端末201の情報部202~205の検証結果の達成状況が極めて高い場合に有効であると考えられる。なお、ニューラルネットワークが行う学習は、「教師なし学習」と「教師あり学習」との中間的な問題設定を対象とする、いわゆる「半教師あり学習」であってもよい。この「半教師あり学習」では、一部のデータについては入力データと出力データとの組が学習部405に与えられ、それ以外のデータについては入力データのみが学習部405に与えられる。
以上のような、検証結果に係る機械学習装置及び機械学習方法によれば、実際の運用状況に応じた達成状況の学習を行うことで、予知モデルを獲得することができる。これにより、検証結果の達成につながる要因が複雑であっても、または、達成状況を予知するための事前の設定が困難であっても、判定データのみに基づいて予知される達成状況よりも高い精度で、達成状況の予知が可能になる。
なお、次に説明するように、機械学習装置401は、判定データ(検証結果)のデータセットの入力層への入力に応答して、出力層から達成状況を達成状況予知情報407として出力することにより、達成状況予知情報407を予知する。
<学習結果の活用に関する構成>
図6は、本実施の形態1に係るデザインレビュー達成状況予知装置の構成の一例を示すブロック図である。この図6には、デザインレビュー達成状況予知装置のうち学習結果の活用に関する構成が主に図示されている。図6のデザインレビュー達成状況予知装置は、図1の構成に加えて、デザインレビュー分析装置601と、表示装置である検証結果表示装置801とを備える。なお、機械学習装置401は、検証結果出力部406を含んでいる。
デザインレビュー分析装置601は音声解析部602を含み、この音声解析部602は、デザインレビュー会議701の集音部702で集音された音声を解析して、当該音声を文字化したデザインレビュー議事録情報603を作成する。
図7は、デザインレビュー議事録情報603の一例を示す図である。デザインレビュー議事録情報603は、現在の構成品目(新たな構成品目)から導き出される現在の機能要素を含む現在の状態変数に相当する。本実施の形態1では、デザインレビュー分析装置601は、デザインレビュー議事録情報603(現在の状態変数)をリアルタイムで取得することが可能に構成されている。デザインレビュー分析装置601は、取得したデザインレビュー議事録情報603(現在の状態変数)を、機械学習装置401の検証結果出力部406に出力する。
検証結果出力部406は、デザインレビュー議事録情報603(現在の状態変数)と、学習部405(図1)の学習結果とに基づいて、デザインレビュー達成状況情報408を求める。
図8は、デザインレビュー達成状況情報408の一例を示す図である。デザインレビュー達成状況情報408は、デザインレビュー議事録情報603(現在の状態変数)についての達成状況予知情報407(図1)に相当する。図8の例では、デザインレビュー達成状況情報408は、デザインレビュー議事録31と、開発工程32と、トレースID33と、機能要素の重要度34と、達成状況であるデザインレビュー達成度35と、理由36を含む。
図3の状態変数の機能要素と、図7のデザインレビュー議事録情報603とはほぼ同じである。このため図8の例では、デザインレビュー達成状況情報408として、デザインレビューの対象構成品目の同位構成品目の機能要素であるデザインレビュー議事録31が導き出され、上位構成品目である開発工程32及びトレースID33が導き出されている。一方、同位構成品目との関係から、デザインレビュー達成度35には100%でないものが存在している。
なお図3のように、状態変数が機能要素の重要度24を含む場合には、図8のように、現在の機能要素の重要度34を含むデザインレビュー達成状況情報408が生成される。検証結果出力部406は、現在の状態変数(現在の機能要素)の達成状況に重要度で割合を設定することにより、デザインレビュー達成度35を定量的に予知することができる。この方法としては、例えば、次式(1)のように個別の重要度と個別の達成度との積を全体の重要度で割る方法が用いられる。なお、次式(2)は、図8の結果を式(1)に適用した式である。デザインレビューの検証結果として妥当なデザインレビュー達成度の閾値は、例えば、下位工程で発生する障害発生件数、または、障害回収コスト及び障害回収期間から導き出される。
Figure 0007204012000001
Figure 0007204012000002
検証結果表示装置801は検証結果表示部802を含み、この検証結果表示部802は、検証結果出力部406で求められたデザインレビュー達成状況情報408を表示する。デザインレビュー会議701の人は、達成状況の学習結果に基づくデザインレビュー達成状況情報408の表示を見ることで、達成状況をリアルタイムに確認することができる。
<実施の形態1のまとめ>
以上のような本実施の形態1に係るデザインレビュー検証装置によれば、検証基準情報に基づいて検証結果情報から抽出して取得される判定データと、状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習する。このような構成によれば、デザインレビュー達成度などの達成状況の正確性を高めることができる。
<変形例1>
学習部405の学習は、上記の学習に限ったものではない。例えば、学習部405は、検証結果抽出部403で判定データが取得されてから、当該判定データに用いられる検証結果情報207の検証結果が検証基準情報103の検証基準を達成するまでの経過時間の長さに基づいて当該判定データに重み付けしてもよい。そして、学習部405は、重み付けされた判定データに基づいて達成状況を学習してもよい。一般的に、判定データが取得されてから、当該判定データの検証結果が検証基準を満たすまでの経過時間が短ければ短いほど、デザインレビューの完結が近い傾向がある。したがって、上記経過時間が短い判定データのデータセットと関連する達成状況が高くなるように、判定データを重み付けすれば、上述した達成状況の学習を効果的に行うことができる。
<変形例2>
実施の形態1では、1つの技術系構成品目登録端末201の検証結果情報207から上述した処理を行うことによって作成されるデータセットに従って達成状況を学習したが、これに限ったものではない。
例えば、学習部405は、複数の技術系構成品目登録端末201の検証結果情報207のそれぞれから上述した処理を行うことによって作成されるデータセットに従って達成状況を学習してもよい。また、学習部405は、同一の開発現場で稼働する複数の技術系構成品目登録端末201で収集される検証結果情報207を用いて達成状況を学習してもよい。または、学習部405は、異なる開発現場で独立して稼働する複数の技術系構成品目登録端末201で収集される検証結果情報207を用いて達成状況を学習してもよい。さらに検証結果情報207を収集する技術系構成品目登録端末201を途中で学習対象に追加してもよいし、逆に学習対象から除去してもよい。
以下、複数の技術系構成品目登録端末201で検証結果情報207を共有(共用)する方法として、3つの例を説明する。
まず、第1の例としては、ニューラルネットワークのモデルが同じになるように共有する方法がある。この方法には、例えば、各ネットワークに重み係数を設定して、各技術系構成品目登録端末201間の差分を、通信手段の送信に反映させる方法がある。第2の例としては、ニューラルネットワークの入力と出力との学習結果を共有することにより、機械学習の重み等を共有する方法がある。第3の例としては、あるデータベースを用意し、それにアクセスしてより妥当なニューラルネットワークのモデルをロードすることで状態を共有する(同じようなモデルとする)方法がある。
以上のような構成によれば、学習部405の学習結果を、複数のデザインレビュー会議で共用することが可能となる。なお以上では、複数の技術系構成品目登録端末201の検証結果情報207する方法として、3つの例を説明したが、3つの例以外の方法が適用されてもよい。
<変形例3>
学習部405の学習に用いられるデータセットは、現在の状態変数と、現在の状態変数の構成品目の検証結果とを関連付けた現在のデータセットを含んでもよい。つまり、学習部405は、現在の状態変数と、現在の状態変数の構成品目の検証結果とを関連付けた現在のデータセットに基づいて、達成状況を再学習してもよい。
<変形例4>
管理系構成品目登録端末101、技術系構成品目登録端末201及びトレーサビリティ登録端末301は、1つの端末ごとに構成されなくてもよい。例えば、管理系構成品目登録端末101、技術系構成品目登録端末201及びトレーサビリティ登録端末301のいずれか2つまたは全てが、1つの端末によって構成されてもよい。
また例えば、機械学習装置401は、ネットワークを介してトレーサビリティ登録端末301に接続された、技術系構成品目登録端末201とは別個のデジタルコンピュータであってもよい。
また例えば、機械学習装置401は、管理系構成品目登録端末101、技術系構成品目登録端末201及びトレーサビリティ登録端末301のいずれかに設けられていてもよい。機械学習装置401がトレーサビリティ登録端末301に内蔵されている場合には、トレーサビリティ登録端末301のプロセッサを利用して機械学習を実行してもよい。また例えば、機械学習装置401は、クラウドサーバに設けられてもよい。
<その他の変形例>
上述した取得部(検証基準抽出部402、検証結果抽出部403、機能要素抽出部404)、学習部405、及び、検証結果出力部406を、以下「取得部等」と記す。検証基準抽出部402等は、図9に示す処理回路81により実現される。すなわち、処理回路81は、ソフトウェア開発のデザインレビューの対象である複数の構成品目の検証基準を示す検証基準情報と、複数の構成品目のうち、トレース可能に関連付けられた2以上の構成品目から導き出される機能要素を含む状態変数と、複数の構成品目の検証結果を示す検証結果情報とを取得する取得部と、検証基準情報に基づいて検証結果情報から抽出して取得される判定データと、状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習する学習部405と、を備える。処理回路81には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されてもよい。プロセッサには、例えば、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
処理回路81が専用のハードウェアである場合、処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。取得部等の各部の機能それぞれは、処理回路を分散させた回路で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
処理回路81がプロセッサである場合、取得部等の機能は、ソフトウェア等との組み合わせにより実現される。なお、ソフトウェア等には、例えば、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェア及びファームウェアが該当する。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。図10に示すように、処理回路81に適用されるプロセッサ82は、メモリ83に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、機械学習装置401は、処理回路81により実行されるときに、取得部が、ソフトウェア開発のデザインレビューの対象である複数の構成品目の検証基準を示す検証基準情報と、複数の構成品目のうち、トレース可能に関連付けられた2以上の構成品目から導き出される機能要素を含む状態変数と、複数の構成品目の検証結果を示す検証結果情報とを取得するステップと、学習部405が、検証基準情報に基づいて検証結果情報から抽出して取得される判定データと、状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習するステップと、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ83を備える。換言すれば、このプログラムは、取得部等の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ83は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、そのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
以上、取得部等の各機能が、ハードウェア及びソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、取得部等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、取得部については専用のハードウェアとしての処理回路81、インターフェース及びレシーバなどでその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ82としての処理回路81がメモリ83に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
以上のように、処理回路81は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なお、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
101 管理系構成品目登録端末、103 検証基準情報、201 技術系構成品目登録端末、207 検証結果情報、301 トレーサビリティ登録端末、303 トレーサビリティ情報、304 重要度情報、401 機械学習装置、402 検証基準抽出部、403 検証結果抽出部、404 機能要素抽出部、405 学習部、601 デザインレビュー分析装置、603 デザインレビュー議事録情報。

Claims (13)

  1. ソフトウェア開発のデザインレビューの対象である複数の構成品目の検証基準を示す検証基準情報と、前記複数の構成品目のうち、トレース可能に関連付けられた2以上の構成品目から導き出される機能要素を含む状態変数と、前記複数の構成品目の検証結果を示す検証結果情報とを取得する取得部と、
    前記検証基準情報に基づいて前記検証結果情報から抽出して取得される判定データと、前記状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、前記複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習する学習部と
    を備える、機械学習装置。
  2. 請求項1に記載の機械学習装置であって、
    前記検証基準情報は、管理系構成品目のドキュメント情報に含まれ、技術系構成品目の検証基準を含む、機械学習装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
    前記機能要素を導き出す前記2以上の構成品目は、前記構成品目と他の構成品目とを含み、
    前記状態変数は、前記機能要素の重要度をさらに含む、機械学習装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の機械学習装置であって、
    前記検証結果情報は、技術系構成品目のドキュメント情報に含まれる、機械学習装置。
  5. 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の機械学習装置であって、
    前記学習部は、
    前記判定データが取得されてから、当該判定データに用いられる前記検証結果情報の検証結果が前記検証基準情報の検証基準を達成するまでの経過時間の長さに基づいて当該判定データに重み付けし、重み付けされた前記判定データに基づいて前記達成状況を学習する、機械学習装置。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の機械学習装置であって、
    前記取得部は、
    前記機械学習装置と端末との間のネットワークの接続が開始されるときに、前記検証基準情報を取得する、機械学習装置。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の機械学習装置と、
    現在の前記状態変数と前記学習部の学習結果とに基づいて求められた、現在の前記状態変数の前記達成状況を表示する表示装置と
    を備える、デザインレビュー検証装置。
  8. 請求項7に記載のデザインレビュー検証装置であって、
    前記データセットは、
    現在の前記状態変数と、現在の前記状態変数の前記構成品目の検証結果とを関連付けた現在のデータセットを含む、デザインレビュー検証装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載のデザインレビュー検証装置であって、
    前記機械学習装置がクラウドサーバに設けられている、デザインレビュー検証装置。
  10. 請求項7または請求項8に記載のデザインレビュー検証装置であって、
    前記機械学習装置が端末に設けられている、デザインレビュー検証装置。
  11. 請求項7から請求項10のうちのいずれか1項に記載のデザインレビュー検証装置であって、
    前記学習部の前記学習結果は、複数のデザインレビュー会議で共用される、デザインレビュー検証装置。
  12. 請求項7から請求項11のうちのいずれか1項に記載のデザインレビュー検証装置であって、
    現在の前記状態変数を取得するデザインレビュー分析装置をさらに備える、デザインレビュー検証装置。
  13. 取得部が、ソフトウェア開発のデザインレビューの対象である複数の構成品目の検証基準を示す検証基準情報と、前記複数の構成品目のうち、トレース可能に関連付けられた2以上の構成品目から導き出される機能要素を含む状態変数と、前記複数の構成品目の検証結果を示す検証結果情報とを取得し、
    学習部が、前記検証基準情報に基づいて前記検証結果情報から抽出して取得される判定データと、前記状態変数とを関連付けたデータセットに基づいて、前記複数の構成品目の検証結果における達成状況を学習する、機械学習方法。
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