JP7203999B2 - エレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーター - Google Patents

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Description

この発明は、エレベーターのカゴ内を撮影するエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターに関する。
従来より、カゴ内を撮影する防犯カメラを設置することにより、乗員の安全性を向上させたり器物破損を防止したりするようにしたエレベーターが存在していた。
関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、防犯カメラを備えた乗りかごへの利用者の乗り込みを検知した場合に、防犯カメラの存在を利用者に報知することにより、防犯カメラの存在を利用者に確実に認識させて犯罪やマナー違反の抑止効果を高めるようにしたエレベーターの防犯装置に関する技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
特開2008-24414号公報
しかしながら、上述した従来の技術は、防犯カメラで撮影できずに死角となる範囲が存在し、せっかく防犯カメラを設置しても、乗員の安全性を十分に確保できなかったり、乗員の安心感を満足させることが難しいという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、エレベーターの乗員の安全性および安心感の向上を図ることができるエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置は、エレベーターの1つのカゴ内における、それぞれ異なる撮影範囲を撮影する撮影手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置は、上記の発明において、前記撮影手段が、前記カゴ内における、それぞれ異なる箇所に配置された複数の光学系と、前記複数の光学系のそれぞれに1対1で対応づけられた複数の撮像素子と、を備え、1対1で対応づけられた光学系および撮像素子によって構成される撮影ユニットごとに、それぞれ独立して撮影をおこなうことを特徴とする。
また、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置は、上記の発明において、前記撮影ユニットの撮影範囲が、別の前記撮影ユニットを含むことを特徴とする。
また、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置は、上記の発明において、前記撮影ユニットが、所定の情報を視覚可能に表示する表示画面を一面側に備えた筐体に設けられていることを特徴とする。
また、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置は、上記の発明において、前記撮影ユニットが、前記表示画面の近傍に設けられていることを特徴とする。
また、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置は、上記の発明において、前記表示画面が、同一時刻においてそれぞれ異なる情報を表示することを特徴とする。
また、この発明にかかるエレベーターは、1つのカゴに設けられて、当該カゴ内におけるそれぞれ異なる撮影範囲を撮影する複数の撮影ユニットを備えたことを特徴とする。
この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターによれば、エレベーターの乗員の安全性および安心感の向上を図ることができるという効果を奏する。
図1は、この発明にかかる実施の形態のエレベーターの構成を示す説明図である。 図2Aは、タブレット型端末装置の設置の一例を示す説明図である。 図2Bは、タブレット型端末装置の外観の一例を示す説明図である。 図3は、タブレット型端末装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 図4は、エレベーター用防犯カメラ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図5は、この発明にかかる実施の形態のタブレット型端末装置108が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである(その1)。 図6は、この発明にかかる実施の形態のタブレット型端末装置108が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである(その2)。 図7は、この発明にかかる実施の形態のタブレット型端末装置108が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである(その3)。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(エレベーターの構成)
まず、この発明にかかる実施の形態のエレベーターの構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のエレベーターの構成を示す説明図である。図1に示すように、この発明にかかる実施の形態のエレベーター100は、複数階建てのビル内などに設置され、人や物品を搭載するカゴ(乗りかご)101を備えている。カゴ101は、建物における各階床を、鉛直方向に沿って貫通する昇降路内に設けられている。カゴ101は、1つの昇降路に1つずつ設けられている。
昇降路には、カゴ101の昇降動作にかかわる駆動機構102が設けられている。駆動機構102は、たとえば、昇降路における上部に設けることができ、巻上機103、ロープ104、カウンタウエイト105などによって構成されている。また、駆動機構102は、さらに、電磁ブレーキ106や調速機(図示を省略する)などを備えている。昇降路の底部には、万一、カゴ101が落下して底面に衝突したときの衝撃を和らげる緩衝器Dが設けられている。
カゴ101には、操作盤107が設けられている。操作盤107は、各種の操作ボタンを含む操作ボタン群や、カゴ101が位置する階床などを表示する表示器などを備えている。また、操作盤107は、マイクおよびスピーカー(図示を省略する)を備えており、インターフォンの機能を実現する。操作盤107は、操作盤107用の制御基板を備えている。
また、カゴ101には、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)が設けられている。タブレット型端末装置108は、1つのカゴに3台以上設けられていてもよい。タブレット型端末装置108(108a、108b)は、通信機能を備えており、無線または有線によってインターネットなどのネットワーク(図3を参照)に接続されている。
この実施の形態においては、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)によって、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置が実現される(図4における符号400を参照)。この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置を実現する2台のタブレット型端末装置108は、同一の機種であってもよく、異なる機種であってもよい。また、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置を実現する2台のタブレット型端末装置108の設置者や管理者は、それぞれ異なっていてもよい。すなわち、2台のタブレット型端末装置108のうちの一方をA社が設置し、他方をB社が設置してもよく、さらに、A社およびB社によってそれぞれ設置された2台のタブレット型端末装置108をC社が管理してもよい。
昇降路における各階床に対応した位置(乗り場)109には、扉109aが設けられている。乗り場109に設けられた扉109aは、インターロックなどと称される装置で施錠されている。カゴ101が停止階に到着した状態で、カゴ101に設けられたモーター(図示を省略する)を駆動すると、カゴ101の扉101aの駆動機構部分とインターロックとがかみ合ってインターロックによる施錠が解放され、扉101aおよび扉109aが連動して開閉する。
各乗り場109には、それぞれ、操作盤110が設置されている。操作盤110は、それぞれ、乗り場呼びボタン110a、カゴ101が位置する階床などを表示する表示器110bなどを備えている。また、操作盤110は、それぞれ、操作盤110用の制御基板110cを備えている。
エレベーター100は、エレベーター100が備える各部を駆動制御する制御基板111を備えている。制御基板111は、たとえば、巻上機103を駆動制御し、カゴ101を昇降させる。また、制御基板111は、たとえば、操作盤107用の制御基板や操作盤110用の制御基板110cと接続されており、操作盤107用の制御基板や操作盤110用の制御基板110cとの間で信号の送受信をおこなう。
(タブレット型端末装置108の設置例)
つぎに、タブレット型端末装置108(108a、108b)の設置例について説明する。図2Aは、タブレット型端末装置108の設置の一例を示す説明図である。図2Aにおいては、エレベーター100のカゴ101内の様子を示している。図2Aに示すように、カゴ101の正面には、乗員が出入りする出入り口部分の扉101aと、カゴ101に搭乗した乗員が操作する操作盤107と、が設けられている。
タブレット型端末装置108は、1つのカゴ101内に2台設けられている。2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)のうち、第1のタブレット型端末装置108aは、扉101aおよび操作盤107が設けられている正面側の壁面201に設けられ、第2のタブレット型端末装置108bは、当該正面側の壁面201に対向する背面側の壁面202に設けられている。第1のタブレット型端末装置108aおよび第2のタブレット型端末装置108bは、いずれも、天井203の近くに設けられている。
タブレット型端末装置108は、それぞれ、筐体204を備えている。筐体204の一面側には、表示画面205およびレンズ206が設けられている。表示画面205が設けられた状態の筐体204は、平板形状の外観をなす。表示画面205は、横方向に長い長方形状をなし、たとえば、エレベーター100の運行にかかる情報や広告などを表示する。表示画面205は、具体的には、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、7セグメントディスプレイなどによって実現される。
レンズ206は、撮像素子(図3における符号303を参照)とともに、この発明にかかる撮影ユニット(図4における符号410を参照)を構成する。この実施の形態においては、各タブレット型端末装置108a、108bが備えるレンズ206によって、この発明にかかる光学系を実現することができる。
撮影ユニットは、レンズ206と撮像素子との間に1または複数のレンズや、当該複数のレンズのうちの少なくとも1つのレンズを光軸方向に沿って移動させる可動機構などを備えていてもよい。撮影ユニットは、具体的には、たとえば、コントラストAF(AutoFocus)や位相差AFなどのパッシブ方式により焦点を合わせるAFユニットによって実現される。撮影ユニットは、カゴ101内における、撮影ユニットごとにあらかじめ設定された撮影範囲を撮影する。各タブレット型端末装置108に設定された撮影範囲は、それぞれ異なる。この実施の形態においては、カゴ101内に設けられた複数(2台)のタブレット型端末装置108のそれぞれが備える、複数の撮影ユニットによってこの発明にかかる撮影手段を実現することができる。
乗員は、カゴ101に乗り込む際には背面側の壁面202を向いており、カゴ101内にいる際およびカゴ101から降りる際には、正面側の壁面201を向く。このため、正面側の壁面201と背面側の壁面202とにそれぞれタブレット型端末装置108(108a、108b)を設けることで、乗員がタブレット型端末装置108(タブレット型端末装置108aあるいはタブレット型端末装置108b)に対して対面する機会を確実につくることができる。乗員とタブレット型端末装置108とを対面させることにより、手荷物などによって遮られることなく、乗員の顔を撮影することができる。
また、タブレット型端末装置108を天井203の近くに設けることにより、乗員は、手荷物などによって遮られることなく、表示画面205を容易に見ることができるようになる。これにより、表示画面205に表示した広告に高い広告効果を発揮させることができる。また、タブレット型端末装置108を天井203の近くに設けることにより、カゴ101内の乗員は、表示画面205を見るために顔を上げた姿勢をとる。これにより、乗員の表情を確実に撮影することができる。
さらに、タブレット型端末装置108を天井203の近くに設けることにより、乗員は、通常の状態で手を伸ばしてもタブレット型端末装置108に容易に触れることができない。したがって、乗員により、不用意にタブレット型端末装置108に触れられたり、不正操作されたり、壊されたりすることを防止することができる。
2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)は、それぞれが備える撮影ユニットの撮影範囲に、自身とは別のタブレット型端末装置108が備える撮影ユニットを含む位置関係で設けられている。これにより、各タブレット型端末装置108(108a、108b)は、それぞれが備える撮影ユニットにより、お互いを撮影することができる。
また、タブレット型端末装置108は、正面側の壁面201の上側に代えて、両側の側壁面に設けるようにしてもよい。この場合、タブレット型端末装置108は、カゴ101の両側の側壁面において、天井203に近い上側の位置に設けることが好ましい。
タブレット型端末装置108は、カゴ101内のどの位置に設置してもよく、カゴ101の広さ(定員数)、カゴ101の高さ、カゴの形状(床が正方形あるいは長方形など)、エレベーター100の種類(シースルー型、壁面に鏡の有り無し)、外扉の種類(窓の有り無し)などを勘案した最適な位置に設置することができる。
タブレット型端末装置108は、エレベーター100の設置後に、後付けすることができる。また、タブレット型端末装置108は、設置後に、自由にその設置位置を変更できるようにしてもよい。タブレット型端末装置108は、たとえば、壁面201、202へのネジ止めにより設置することができる。タブレット型端末装置108を壁面201、202にネジ止めすることにより、落下を確実に防止することができる。ネジ止めは、壁面201、202に限らず、ステーなどを介してカゴ101の天井203に施してもよい。タブレット型端末装置108は、ネジ止め以外の方法(たとえばマグネットや粘着テープなどを使用するなど)によって設置してもよい。
タブレット型端末装置108を後付けする場合は、タブレット型端末装置108に、コンセントプラグPを設けるようにしてもよい。また、カゴ101には、コンセントプラグPの挿入を受け付けるプラグソケット207が設けられていてもよい。プラグソケット207は、コンセントプラグPが挿入されることによって当該コンセントプラグPとともに配線用差込接続器を構成する。具体的には、たとえば、日本において汎用的に用いられているAタイプのプラグソケットを用いることができる。
プラグソケット207は、Aタイプに限るものではない。具体的には、たとえば、インドやインドネシアなどにおいて広く用いられているB3タイプやCタイプのプラグソケットを用いてもよく、香港などにおいて広く用いられているBFタイプのプラグソケットを用いてもよい。
あるいは、プラグソケット207は、韓国などにおいて広く用いられているSEタイプのプラグソケットを用いてもよく、台湾などにおいて広く用いられているOタイプのプラグソケットを用いてもよい。中国など、複数タイプのプラグソケットが普及している国や地域においては、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、B3タイプ、BFタイプ、SEタイプ、Oタイプなど様々なタイプの中から、エレベーター100を設置する地域に応じた任意のタイプのプラグソケットを用いることが好ましい。
プラグソケット207は、カゴ101の上側に設けられたカゴ上ボックスが収容する基板の電気回路に、電気的に接続されている。プラグソケット207は、カゴ上ボックスが収容する基板の電気回路の端子に直接結線されているものに限らず、当該端子に接続された電力線に接続されていてもよい。このような電力線にプラグソケット207を接続する場合、当該電力線に分岐用のコネクタを設け、当該コネクタにプラグソケット207を接続することができる。
図2Aに示すように、プラグソケット207がカゴ101内に露出している場合、当該プラグソケット207は、カゴ101内の高い位置に配置することが好ましい。プラグソケット207は、図2に示すように、カゴ101の天井203の面に設けられていてもよく、カゴ101の壁面201、202に設けられていてもよい。カゴ101内に露出したプラグソケット207をカゴ101内の高い位置に配置することにより、雨天時に傘や衣服から飛んだ水滴が付着することを防止でき、また、盗電や子供などによる悪戯をしにくくすることができる。
プラグソケット207は、1つのカゴ101に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ101に複数設けられていてもよい。1つのカゴ101に複数のプラグソケット207を設ける場合、当該複数のプラグソケット207を並べて配置してもよく、複数箇所に分散して配置してもよい。プラグソケット207は、たとえば、当該プラグソケット207がカゴ101の内壁面(天井203の面)と同一面内に位置するように配置するとよい。
また、カゴ101には、プラグソケット207に代えて、図示を省略する、接栓座を設けるようにしてもよい。接栓座は、図示を省略するカゴ上ボックスが収容する電気回路から供給される電源を、当該接栓座に接続されたタブレット型端末装置108に対して供給する機能を備える。具体的には、たとえば、電源供給用の配線を備えたレセクタブルを用いることによって、接栓座に接続された電気機器に対して電源を供給することができる。なお、レセクタブルは、電源供給用の配線に加えて、信号伝送用の配線を備えていてもよい。
接栓座を実現するレセクタブルは、当該レセクタブルに接続されているタブレット型端末装置108の動作中に抜き差しすることができるホットプラグによって実現することが好ましい。接栓座を実現するレセクタブルは、さらに、図示を省略する制御回路を介してタブレット型端末装置108への給電をおこなうようにしてもよい。
また、接栓座は、たとえば、USBコネクタによって実現してもよい。接栓座を実現するレセクタブルとしてのUSBコネクタは、たとえば、USB Type-Aコネクタ、Micro USBコネクタ、Micro USB Type-Bコネクタ、USB Type-Cコネクタなど公知の各種のUSBコネクタのレセクタブルによって実現することができる。
また、接栓座を実現するレセクタブルは、USBインタフェースのコネクタ(レセクタブル)に限るものではなく、たとえば、IEEE 1394コネクタ、PS/2コネクタ、D-Subコネクタ、DINコネクタ、同軸コネクタ、その他公知の各種の通信用のコネクタによって実現されるものであってもよい。
接栓座を実現するレセクタブルは、1つのカゴ101に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ101に複数設けられていてもよい。1つのカゴ101に複数の接栓座を実現するレセクタブルを設ける場合、通信I/Fのコネクタは1種類であってもよく、複数種類であってもよい。
接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部が、壁面201、202などのカゴ101の内壁面と同一面内に位置するように配置することができる。また、接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ101の内壁面よりもカゴ101の内側に飛び出していてもよく、カゴ101の内壁面から凹んだ位置に配置してもよい。
(タブレット型端末装置108の外観)
つぎに、タブレット型端末装置108の外観について説明する。図2Bは、タブレット型端末装置108の外観の一例を示す説明図である。図2Bに示すように、タブレット型端末装置108の表示画面205は、横方向に長い長方形をなす。
表示画面205は、防犯カメラ映像表示領域211、管理情報表示領域212、各種情報表示領域213、広告表示領域(広告エリア)214などのように複数(この実施の形態においては4つ)の領域から構成されるものであってもよい。このように、複数の領域に区切って表示することによって、各種情報を効率よく乗員に伝えることができる。
防犯カメラ映像表示領域211、管理情報表示領域212、各種情報表示領域213は、表示画面205の左下側の長方形の広告表示領域214を囲むように、上側から右側にかけて、逆「L」字状に設けられている。防犯カメラ映像表示領域211は、左側に設けられ、それに続いて、管理情報表示領域212が横長に設けられる。防犯カメラ映像表示領域211は、たとえば、表示画面205の下側に配置されたレンズ206を備えた撮影ユニット(図4を参照)によって撮影された映像をリアルタイムで表示する。
管理情報表示領域212は、たとえば、メンテナンス予定などのエレベーターの管理情報を表示する。管理情報表示領域212は、管理情報が長いメッセージである場合は、当該メッセージを右側から左側に流れるように表示する。管理情報表示領域212は、表示画面205の上側に設けることが好ましい。表示画面205の上側は乗員にとって視認しやすい位置であり、管理情報表示領域212を表示画面205の上側に設けることによって、比較的重要な管理情報を確実に乗客に伝えることができる。
表示画面205における右側の側面に設けられる各種情報表示領域213は、縦長に設けられており、図2Bに示すような天気予報や、交通情報、ニュースなど、エレベーター120の乗員に通知したい各種情報を表示する。各種情報表示領域213において多くの情報を表示する場合は、下側から上側へ流れるように表示するようにしてもよい。具体的には、たとえば、各地域の天気予報を表示する場合は、新しい地域の情報は、順次下から表示され、古い地域の情報は上側へ移動してから、消去するようにしてもよい。また、その逆に、上側から、下側へ流れるように表示してもよい。また、左右どちらかへ流れるように表示してもよい。このように、各種情報表示領域213では、表示する情報の内容によって、表示形態を変えることができる。
管理情報表示領域212と、各種情報表示領域213とでは、その境に明確な区切りはない。これは、表示する状況に応じて、管理情報表示領域212を右側に長くしてもよく、また、各種情報表示領域213を上側に長くしてもよくできるようにしている。また、表示する情報によっては、管理情報表示領域212と、各種情報表示領域213とを、一続きとして、使用することもできる。
広告表示領域214は、エレベーター120の乗員に対する広告に関する広告情報に基づく広告を表示する。広告情報は、特典に関する特典情報を含んでいてもよい。特典に関する特典情報とは、たとえば、エレベーター100の乗員のみが提供を受けられ、それ以外の人は提供を受けられない利点などである。具体的には、広告主が提供する商品やサービスに対する割引や特別待遇などである。たとえば、特典情報は、商品またはサービスに対する割引クーポンであってもよい。
特典情報には、広告を表示したエレベーター100、当該エレベーター100が設置された建物(マンションやオフィスビル)および当該建物が存在する地域(住所による区分あるいは距離による区分によって特定された地域など)の少なくともいずれか1つを特定する情報が含まれていてもよい。
ここで、エレベーター100を特定する情報は、具体的には、たとえば、住所や電話番号などであってエレベーター100にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。また、エレベーター100が設置された建物を特定する情報は、具体的には、たとえば、当該エレベーターが設置されている建物名、住所、電話番号などであってもよく、また、エレベーター管理会社が各エレベーター100を管理する際に各建物にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。
エレベーター100が設置された建物が存在する地域を特定する情報は、具体的には、当該建物の住所の単位(○○町一丁目など)や、当該建物の所在地の緯度経度情報から、その所在地を中心としたエリア(半径○○m以内など)、あるいは、当該建物の所在地から最寄りの交通機関(地下鉄駅など)を中心としたエリアなどであってもよい。
特典情報には、特典の提供を受ける条件に関する情報が含まれていてもよい。また、特典情報には、当該特典情報を含む広告を表示するまたは表示した日時に関する情報が含まれていてもよい。制御部401は、この特典の提供を受ける条件に関する情報または広告を表示するまたは表示した日時に関する情報を特典情報に含めるようにしてもよい。
特典情報に、当該エレベーターに関する情報、エレベーターが設置された建物を特定する情報、エレベーターが設置された建物が存在する地域を特定する情報の少なくともいずれかに関する情報や、日時に関する情報が含まれていることによって、当該特典情報を用いて特典の提供を申し出た乗客がエレベーター内で広告を見た日時を容易に特定することができ、その後のマーケティング情報として活用することができる。
また、特典情報に、特典の提供を受ける条件に関する情報が含まれていることによって、利用者(乗客)が受けられる特典の内容を正確に把握でき、より確実に、当該特典を利用することができるようになる。
特典情報は、スマートフォンなどの携帯端末装置が取得可能な情報であってもよい。具体的には、たとえば、特典情報は、2次元コードにより表示される情報であってもよい。表示画面205に表示された2次元コードは、たとえば、携帯端末装置のカメラによって撮影され、携帯端末装置が備えるアプリケーションにより、その2次元コードに記録されている情報を取得することができる。
このように、表示画面205をレイアウトすることで、広告情報を表示しながら、それ以外の情報も同時に、乗員に伝えることができる。表示画面205は、通常は、このようなレイアウトであるが、状況によっては、このレイアウトを変更してもよい。たとえば、エレベーター120の故障などの緊急事態が生じた場合は、広告エリアを消去して、必要な情報を表示するようにしてもよい。また、広告の表示演出として、表示画面205の全面を広告表示としてもよい。
表示画面205においては、領域を区切らずに、全面に広告を表示してもよい。また、表示画面205においては、通常は、領域ごとに異なる複数の情報を表示し、たとえば、エレベーターの異常運行が検出された場合などの非常事態が生じた場合は、レイアウトを変更し、領域を区切らずに、避難のためのガイダンスメッセージなどの案内情報を全面に表示してもよい。
(タブレット型端末装置108のハードウエア構成)
つぎに、タブレット型端末装置108のハードウエア構成について説明する。図3は、タブレット型端末装置108のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すタブレット型端末装置108のハードウエア構成は、第1のタブレット型端末装置108aも第2のタブレット型端末装置108bも同様である。
図3に示すように、タブレット型端末装置108(108a、108b)は、CPU301と、メモリ302と、撮像素子303と、通信インタフェース(I/F)304と、表示画面205と、スピーカー305と、マイク306と、振動センサ307と、照度センサ308と、を備えている。各構成部301~308は、バス300によって接続されている。
CPU301は、メモリ302に記憶されたプログラムを実行することによってタブレット型端末装置108の装置全体の制御をつかさどる。メモリ302は、たとえば、CPU301が実行するプログラムや、広告情報を含む各種情報を記憶している。メモリ302は、ハードディスクメモリのほか、ICメモリ、SSD(Solid State Drive)などであってもよい。
また、メモリ302は、タブレット型端末装置108に対して、タブレット型端末装置108に設けられたカードスロットを介して着脱可能なメモリカードであってもよい。メモリカードは、たとえば、SD(Secure Digital)メモリカードなどのICカードによってその機能を実現することができる。メモリカードは、外付けハードディスク、USBメモリ、SSDなどによって、その機能を実現するようにしてもよい。
撮像素子303は、レンズ206を通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報(撮影データ)を生成する。これにより、撮影ユニットにおける撮影が実現される。レンズ206および撮像素子303によって構成される撮影ユニットは、静止画を撮影するものであってもよく、動画を撮影するものであってもよい。動画は、静止画を所定時間間隔で撮影したものを連続して再生するものであってもよい。また、動画は、所定の動画・音声データの圧縮方式の標準規格(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group))などであってもよい。
通信I/F304は、通信回線を通じてタブレット型端末装置108とインターネットなどのネットワーク310とを接続するインタフェースであり、ネットワーク310と内部のインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
通信I/F304は、たとえば、Wi-Fi(登録商標)による無線インタフェースである。また、通信I/F304は、携帯電話回線(たとえばLTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handy-phone System)などの無線通信のインタフェースであってもよく、また、モデムやLANアダプタなどの有線通信のインタフェースを採用することができる。また、エレベーターが遠隔監視などのために有しているネットワークに接続し、そのネットワークを介して、情報の送受信をおこなうようにしてもよい。また、通信I/F304は、たとえば、USBインタフェースによって実現してもよい。
表示画面205は、メモリ302に記憶された情報に基づいて、広告などを表示する。スピーカー305は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。また、スピーカー305は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカーを接続して、音を発生させるようにしてもよい。
マイク306は、カゴ101内の音声を集音する。振動センサ307は、カゴ101の振動を検出する。振動センサ307は、たとえば、加速度センサなどによって実現することができる。照度センサ308は、カゴ101内の照度(明るさ)を検出する。照度センサ308は、たとえば、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いて実現することができる。
その他、図示は省略するが、タブレット型端末装置108は、メモリカードインタフェース(I/F)、入出力デバイス、電源制御部、GPS受信機などを備えていてもよい。メモリカードインタフェース(I/F)は、カードスロットを介してタブレット型端末装置108と接続されるインタフェースである。メモリカードI/Fは、メモリカードと内部のインタフェースをつかさどり、メモリカードからのデータの入力およびメモリカードへのデータの出力を制御する。
入出力デバイスは、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーまたはボタンを含む。入出力デバイスは、たとえば、表示画面205に積層されたタッチパネルによって実現することができる。また、入出力デバイスは、マイク、ディスプレイ(タッチパネル)、他の情報処理装置を接続可能な接続端子などを含む。
電源制御部は、外部からの電源の供給を受けるコンセントプラグおよびケーブルと、供給を受けた電源の電圧を調整する、タブレット型端末装置108の内部に備えられた電圧調整部とを含む。また、タブレット型端末装置108は、リチウム電池などのバッテリーなどを備えていてもよい。
GPS受信機は、3つないし5つのGPS衛星からの電波を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求めるために、GPS衛星からの電波を受信してGPS測位データを出力する。GPS受信機により、タブレット型端末装置108の現在位置を把握することができる。
(エレベーター用防犯カメラ装置の機能的構成)
つぎに、エレベーター用防犯カメラ装置の機能的構成について説明する。図4は、エレベーター用防犯カメラ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。上述したように、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置400は、同様の機能を備えた2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)によって実現される。図4に示すように、各タブレット型端末装置108(108a、108b)は、それぞれ、制御部401と、広告情報受信部402と、広告情報記憶部403と、広告情報表示制御部404と、表示内容判断部405と、撮影制御部406と、撮影情報記憶部407と、撮影判断部408と、撮影ユニット410と、を含む構成となっている。
制御部401は、タブレット型端末装置108の全体を制御する。制御部401は、具体的には、たとえば、図3に示したCPU301が、メモリ302などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
広告情報受信部402は、エレベーターの乗員に対する広告に関する広告情報を受信する。広告情報受信部402は、具体的には、たとえば、図3に示した通信I/F304などによってその機能を実現することができる。広告情報受信部402は、図示を省略する、広告配信サーバあるいは広告主の情報端末装置から、ネットワーク310を介して、広告情報を受信することができる。また、広告情報受信部402は、エレベーターの乗員が備えるスマートフォンなどの情報端末装置から広告情報を受信するようにしてもよい。
広告情報記憶部403は、広告情報受信部402によって受信された広告情報を記憶する。広告情報記憶部403は、具体的には、たとえば、図3に示したメモリ302などによってその機能を実現することができる。広告情報記憶部403は、広告情報受信部402によって受信された広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、広告情報受信部402によって受信された広告情報について、制御部401によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
図3に示した通信I/F304が、USBインタフェースによって実現される場合、広告情報記憶部403は、当該通信I/F304を介して接続されたUSBメモリや外部装置などから取得した広告情報を記憶してもよい。この場合も、広告情報記憶部403は、USBメモリや外部装置などから取得した広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、USBメモリや外部装置などから取得した広告情報について、制御部401によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
広告情報記憶部403は、たとえば、タブレット型端末装置108またはエレベーターの管理者と、広告主との間に成立した契約に基づいて定められる契約期間の間、広告情報を記憶する。契約期間が経過した広告情報は、広告情報記憶部403から消去する。契約期間が経過した広告情報の消去は、たとえば、管理者の操作を介することなく制御部401が適宜おこなってもよく、管理者の操作に応じておこなってもよい。
広告情報表示制御部404は、広告情報受信部402によって受信され、広告情報記憶部403に記憶された広告情報に基づいて、表示画面205に広告を表示する。広告情報表示制御部404は、具体的には、たとえば、図3に示したCPU301が、メモリ302などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
広告情報表示制御部404は、広告情報記憶部403に記憶された広告情報を表示画面205に表示するようにしてもよく、また、広告情報記憶部403に記憶された広告情報について、制御部401によって加工された後に、表示画面205に表示するようにしてもよい。
制御部401は、タブレット型端末装置108(108a、108b)(の各メモリ302)が記憶する、タブレット型端末装置108が備える当該エレベーター100に関する情報、エレベーターが設置された建物を特定する情報、エレベーターが設置された建物が存在する地域を特定する情報の少なくともいずれか1つを取得して、特典情報に含めることができる。また、制御部401は、たとえば、タブレット型端末装置108(のCPU301)が備える時計から日時情報を取得して、特典情報を含む広告を表示するまたは表示した日時に関する情報を特典情報に含めることができる。
広告情報表示制御部404は、広告情報に代えて、あるいは、図2Bに示すように、広告情報とともに、メンテナンス予定などのエレベーターの管理情報を、表示画面205に表示してもよい。管理情報は、たとえば、エレベーターの管理者などによって適宜タブレット型端末装置108に送信される。管理情報は、当該管理情報を表示画面205に表示する期間(表示開始日時や表示終了日時など)を示す情報を含んでいてもよい。
広告情報表示制御部404は、広告情報に代えて管理情報を表示画面205に表示してもよく、広告情報とともに管理情報を表示画面205に表示してもよい。広告情報とともに管理情報を表示画面205に表示する場合、1つの表示画面205において、広告情報と管理情報とが同時期に表示される。この場合、具体的には、たとえば、表示画面205を複数の領域に分割し、1つの領域において広告情報を表示し、別の領域において管理情報を表示する。あるいは、広告情報の一部に、管理情報を重ねて表示してもよい。
表示内容判断部405は、表示画面205に表示する内容を判断する。たとえば、第1のタブレット型端末装置108aにおける表示内容判断部405は、第2のタブレット型端末装置108bの表示画面205に表示されている情報とは異なる情報を、第1のタブレット型端末装置108aにおける表示画面205に表示する内容として判断する。
第2のタブレット型端末装置108bの表示画面205に表示されている情報は、たとえば、第2のタブレット型端末装置108bと通信をおこなうことによって特定することができる。この場合、表示内容判断部405は、具体的には、たとえば、図3に示した通信I/F304を介した別のタブレット型端末装置108(タブレット型端末装置108aあるいはタブレット型端末装置108b)との通信内容に基づいて、CPU301が、メモリ302などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
あるいは、広告配信サーバや広告主の情報端末装置から広告情報を受信している場合、たとえば、広告配信サーバから送信される広告の識別情報や広告情報の送信元の情報端末装置の識別情報などに基づいて、第2のタブレット型端末装置108bの表示画面205に表示されている情報を特定することができる。この場合、表示内容判断部405は、具体的には、たとえば、図3に示した通信I/F304を介した広告配信サーバや広告主の情報端末装置との通信内容に基づいて、CPU301が、メモリ302などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
広告情報表示制御部404は、表示内容判断部405による判断結果に基づいて、同一時刻に、各タブレット型端末装置108の表示画面205に表示されている情報が、それぞれ異なる情報となるように調整して広告情報をする。上記のように、一方のタブレット型端末装置108の表示画面205に表示されている情報を特定することにより、広告情報表示制御部404は、容易かつ確実に、同一時刻に各タブレット型端末装置108の表示画面205に表示されている情報を、それぞれ異ならせることができる。
広告情報表示制御部404は、別のタブレット型端末装置108(タブレット型端末装置108aあるいはタブレット型端末装置108b)が表示している広告の内容にかかわらず、表示画面205に広告を表示してもよい。この場合、2台のタブレット型端末装置108a、108bが表示する広告が同じ広告になることがある。
また、広告情報表示制御部404は、別のタブレット型端末装置108(タブレット型端末装置108aあるいはタブレット型端末装置108b)が表示している広告と同じ画像を表示画面205に表示し、表示する広告の内容に応じて別のタブレット型端末装置108とは異なる音声を出力するものであってもよい。これにより、ステレオ効果あるいはサラウンド効果による音場の広がりを出すことができ、より印象深い広告をおこなって、広告効果を高めることができる。そして、印象深い広告をおこなうことにより、乗員の表情を確実に撮影することができる。
撮影制御部406は、撮影ユニット410を制御して、カゴ101内を撮影する。これにより、各タブレット型端末装置108が備える撮影ユニット410に設定された撮影範囲を撮影した画像情報を得ることができる。撮影制御部406は、具体的には、たとえば、図3に示した、タブレット型端末装置108が備える撮影ユニット410などによって、その機能を実現することができる。
撮影情報記憶部407は、撮影制御部406による撮影ユニット410の制御によって撮影された画像情報を記憶する。撮影情報記憶部407は、図3に示したメモリ302などによってその機能を実現することができる。撮影情報記憶部407は、撮影ユニット410が撮影したカゴ101の画像情報に加えて、マイク306を介して集音されたカゴ101内の音声情報を、あわせて記憶してもよい。
撮影判断部408は、撮影制御部406による撮影をおこなうか否かを判断する。撮影判断部408は、たとえば、あらかじめ設定された動作モードに基づいて、撮影制御部406による撮影をおこなうか否かを判断する。たとえば、カゴ101が走行中である場合は第1のタブレット型端末装置108aによる撮影をおこない、カゴ101が停止中である場合は第2のタブレット型端末装置108bによる撮影をおこなうように、あらかじめ各タブレット型端末装置108に設定をおこなっておく。そして、撮影判断部408は、加速度センサなどによって実現される振動センサ307の検出結果に基づいて、カゴ101が走行中であるか否かに応じて、撮影制御部406による撮影をおこなうか否かを判断する。
このとき、第1のタブレット型端末装置108aの撮影判断部408であれば、カゴ101が走行中である場合に、撮影制御部406による撮影をおこなうと判断する。また、第2のタブレット型端末装置108bの撮影判断部408であれば、カゴ101が停止中である場合に、撮影制御部406による撮影をおこなうと判断する。撮影判断部408は、具体的には、たとえば、図3に示したCPU301が、メモリ302などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
あるいは、撮影判断部408は、自身とは別のタブレット型端末装置108(タブレット型端末装置108aあるいはタブレット型端末装置108b)が動作していない場合に、撮影制御部406による撮影をおこなうと判断するようにしてもよい。別のタブレット型端末装置108が動作しているか否かは、たとえば、所定間隔ごと(「1秒ごと」、「5秒ごと」、「10秒ごと」など)に別のタブレット型端末装置108との間で通信をおこない、応答があるか否かをもって特定することができる。あるいは、自身が撮影した画像情報に基づいて画像解析をおこない、別のタブレット型端末装置108が広告を表示しているか否かを判断することによって、別のタブレット型端末装置108が動作しているか否かを特定してもよい。
撮影判断部408による判断をおこなう場合、上記の撮影制御部406は、カゴ101が走行中であるか停止中であるかに応じて、いずれか一方のタブレット型端末装置108における撮影ユニット410のみを動作させる。撮影判断部408による判断は、必ずしも必要ではなく、カゴ101が走行中であるか停止中であるかにかかわらず、常に、2台のタブレット型端末装置108における撮影ユニット410を動作させて撮影をおこない、撮影により得られた画像情報をそれぞれの撮影情報記憶部407に記憶するようにしてもよい。
(タブレット型端末装置108が実行する処理手順)
つぎに、タブレット型端末装置108が実行する処理手順について説明する。図5~図7は、この発明にかかる実施の形態のタブレット型端末装置108が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートにおいては、第1のタブレット型端末装置108aおよび第2のタブレット型端末装置108bが実行する処理手順の一例を示している。図5のフローチャートにおいて、タブレット型端末装置108は、ネットワーク310を介して、広告情報を受信したか否かを判断する(ステップS501)。そして、広告情報を受信するのを待って(ステップS501:No)、受信した場合(ステップS501:Yes)、受信した広告情報を、たとえば広告情報記憶部502に記憶する(ステップS502)。
つぎに、広告開始時期になったか否かを判断する(ステップS503)。広告開始時期になったか否かの判断は、受信した広告情報に含まれる開始時期に関する情報に基づいておこなうことができる。また、他の広告情報との優先順位(この優先順位に関する情報も、広告情報に含まれていてもよい)に基づいて判断してもよい。
ステップS503においては、メモリに記憶されている広告情報のうちのいずれかの広告情報が広告開始時期になったか否かを判断する。ステップS503においては、メモリに記憶されている広告情報のうちのいずれかの広告情報も広告開始時期になっていない場合(ステップS503:No)、ステップS501へ移行する。
ステップS503において、広告開始時期になった場合(ステップS503:Yes)、広告開始時期になった広告情報に基づく広告が、別のタブレット型端末装置108で表示されているか否かを判断する(ステップS504)。そして、広告開始時期になった広告情報に基づく広告が、別のタブレット型端末装置108で表示されていない場合(ステップS504:No)、表示画面205に、該当する広告情報に基づく広告を表示して(ステップS505)、一連の処理を終了する。
ステップS505においては、あらかじめ設定された広告表示時間(たとえば、30秒)の間、表示画面205に広告を表示する。広告表示時間は、たとえば、タブレット型端末装置108またはエレベーター100の管理者と、広告主との間の契約に基づいて設定される。同一の時間枠に、複数の広告主との契約が成立している場合、当該時間枠において該当する複数の広告を順次繰り返して表示する。広告が動画である場合、広告表示時間は、たとえば、当該動画の再生時間としてもよい。
一方、ステップS504において、広告開始時期になった広告情報に基づく広告が、別のタブレット型端末装置108で表示されている場合(ステップS504:Yes)、広告開始時期になった別の広告情報を特定して(ステップS506)、ステップS503へ移行する。これにより、広告開始時期になった広告情報に基づく広告のうち、別のタブレット型端末装置108で表示されていない広告を表示することができる。
図6のフローチャートにおいては、たとえば、第1のタブレット型端末装置108aがおこなう処理手順の一例を示している。第1のタブレット型端末装置108aは、図6のフローチャートに示す処理を、エレベーター100が起動している間、継続しておこなう。図6のフローチャートにおいて、第1のタブレット型端末装置108aは、カゴ101が走行中になるまで待機し(ステップS601:No)、走行中になった場合(ステップS601:Yes)、撮影ユニット410を制御して(ステップS602)、撮影ユニット410によるカゴ101内の撮影をおこなう。そして、メモリ302に、撮影により得られる画像情報を記憶する(ステップS603)。
そして、カゴ101が停止したか否かを判断し(ステップS604)、停止していない場合(ステップS604:No)、ステップS602へ移行して、撮影ユニット410によるカゴ101内の撮影を継続する。一方、ステップS604において、カゴ101が停止した場合(ステップS604:Yes)、撮影ユニット410を停止し、カゴ101内の撮影を停止して(ステップS605)、一連の処理を終了する。
図7のフローチャートにおいては、たとえば、第2のタブレット型端末装置108bがおこなう処理手順の一例を示している。第2のタブレット型端末装置108bは、図7のフローチャートに示す処理を、エレベーター100が起動している間、継続しておこなう。
図7のフローチャートにおいて、第2のタブレット型端末装置108bは、カゴ101が停止中になるまで待機し(ステップS701:No)、停止中になった場合(ステップS701:Yes)、撮影ユニット410を制御して(ステップS702)、撮影ユニット410によるカゴ101内の撮影をおこなう。そして、メモリ302に、撮影により得られる画像情報を記憶する(ステップS703)。
そして、カゴ101が走行を開始したか否かを判断し(ステップS704)、走行を開始していない場合(ステップS704:No)、ステップS702へ移行して、撮影ユニット410によるカゴ101内の撮影を継続する。一方、ステップS704において、カゴ101が走行を開始した場合(ステップS704:Yes)、撮影ユニット410を停止し、カゴ101内の撮影を停止して(ステップS705)、一連の処理を終了する。
図6および図7に示すように、常に撮影をおこなうのではなく、撮影をおこなう条件を限定し、条件に合致した場合に該当するタブレット型端末装置108が撮影をおこなうようにすることにより、タブレット型端末装置108のそれぞれの長寿命化を図ることができる。
なお、図6および図7に示すように、複数のタブレット型端末装置108のうちの一部の撮影ユニット410を動作させて撮影をおこなうエレベーター用防犯カメラ装置400は、3台以上のタブレット型端末装置108を備えていることが好ましい。そして、このようなエレベーター用防犯カメラ装置400においては、複数台のタブレット型端末装置10が同時に撮影をおこなうように、各タブレット型端末装置108の撮影条件を設定することが好ましい。これにより、タブレット型端末装置108の長寿命化を図るとともに、カゴ101内の死角をなくし、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、図6および図7に示すように、2台のタブレット型端末装置108の一方の撮影ユニット410によって撮影するエレベーター用防犯カメラ装置400の場合、カゴ101が走行している場合に撮影をおこなうタブレット型端末装置108と、カゴ101が停止している場合に撮影をおこなうタブレット型端末装置108と、を定期的あるいは不定期に変更してもよく、定期的あるいは不定期に2台のタブレット型端末装置108の両方が撮影をおこなうように変更してもよい。
複数台のタブレット型端末装置108のいずれにも顔を向けることなくカゴ101に乗り降りすることは難しいため、撮影をおこなっているタブレット型端末装置108を特定しにくくすることで、悪意をもった乗員がエレベーター100を利用する場合にも、乗員の顔を撮影しやすくすることができる。
上述した実施の形態においては、それぞれが独立して撮影をおこなったり広告を表示したりする2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)によって構成されるエレベーター用防犯カメラ装置400や、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)が相互に通信をおこなうことによって、撮影をおこなうかどうか判断したり、表示する広告の内容を調整したりするエレベーター用防犯カメラ装置400について説明したが、これに限るものではない。
2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)は、別の中継装置を介して通信をおこなってもよい。具体的には、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)は、たとえば、エレベーター100の制御基板111を中継装置とし、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)が制御基板111を介して通信をおこなうことによって、撮影をおこなうかどうか判断したり、表示する広告の内容を調整したりするものであってもよい。あるいは、撮影をおこなうかどうかの判断や、表示する広告の内容の調整を、制御基板111においておこない、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)および制御基板111によって、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置400を実現してもよい。
また、管理サーバコンピュータによって遠隔監視されているエレベーター100であれば、管理サーバコンピュータを中継装置とし、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)が管理サーバコンピュータを介して通信をおこなうことによって、撮影をおこなうかどうか判断したり、表示する広告の内容を調整したりするものであってもよい。あるいは、撮影をおこなうかどうかの判断や、表示する広告の内容の調整を、管理サーバコンピュータにおいておこない、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)および管理サーバコンピュータによって、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置400を実現してもよい。
さらに、エレベーター100が、設置時には通信機能を備えていないために後付けした監視装置、あるいは、設置時とは異なる管理者による遠隔監視を実現するための監視装置を介して管理サーバコンピュータに接続されている場合、監視装置を中継装置とし、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)が監視装置を介して通信をおこなうことによって、撮影をおこなうかどうか判断したり、表示する広告の内容を調整したりするものであってもよい。あるいは、撮影をおこなうかどうかの判断や、表示する広告の内容の調整を、監視装置においておこない、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)および監視装置によって、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置を実現してもよい。
また、上述した実施の形態においては、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置400を、2台のタブレット型端末装置108(108a、108b)によって実現する例について説明したが、この発明にかかる撮影ユニットや撮影手段は、タブレット型端末装置が備えるカメラ機能(撮影機能)によって実現されるものに限らない。撮影手段を実現する複数の撮影ユニット410のうちの一部を、カメラ機能を備え表示画面を備えていない汎用的な防犯カメラ装置によって実現し、別の一部をタブレット型端末装置108が備えるカメラ機能によって実現するようにしてもよい。
また、タブレット型端末装置108に代えて、たとえば、パーソナルコンピュータのように、表示画面やカメラ機能を備え、可搬性を有する情報処理装置を用いてこの発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置を実現してもよい。さらに、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置400に含まれる表示画面やカメラ機能は、単一の筐体に一体に設けられているものに限らない。表示画面やカメラ機能は、それぞれが独立して設けられていてもよい。
また、この発明にかかる撮影ユニットや撮影手段は、タブレット型端末装置108の筐体204に一体に設けられているものに限らない。たとえば、「Webカメラ」などと称される、撮影ユニットを備えていないタブレット型端末装置108と、USB規格などの所定の通信規格にしたがったインタフェースを介して接続されることにより、タブレット型端末装置108のCPU301や、メモリ302に記憶されたプログラムを利用して撮影をおこなうカメラによって実現してもよい。
あるいは、この発明にかかる撮影ユニットや撮影手段は、たとえば、「IPカメラ」などと称される、撮影や撮影した画像の伝送をおこなうCPUを備えたカメラによって実現してもよい。この発明にかかる撮影ユニットや撮影手段をIPカメラによって実現することにより、タブレット型端末装置108などが備えるCPU301による制御をおこなうことなく、カゴ101内の撮影をおこなうことができる。
さらに、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400においては、撮像ユニット410(レンズ206および撮像素子303)の他、表示画面205とCPU301とが、それぞれ別体とされていてもよい。これにより、配置の自由度の向上を図ることができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400は、2台のタブレット型端末装置108a、108bによって構成され、エレベーター100の1つのカゴ101内における、それぞれ異なる撮影範囲を撮影する撮影ユニット410を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、エレベーター100の1つのカゴ101内における、それぞれ異なる撮影範囲を撮影することにより、密室となるカゴ101内において可視化できない範囲、すなわち死角をなくすことができる。これにより、エレベーター100の事故発生時におけるカゴ101内の状況を迅速かつ正確に把握したり、カゴ101内でトラブルが発生したことを迅速に発見したり、カゴ101内における犯罪の抑止力を高めたりすることができ、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400は、カゴ101内における、それぞれ異なる箇所に配置された複数の光学系であるレンズ206と、複数のレンズ206のそれぞれに1対1で対応づけられた複数の撮像素子303と、を備え、1対1で対応づけられたレンズ206および撮像素子303によって構成される撮影ユニット410ごとに、それぞれ独立して撮影をおこなうことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、撮影ユニット410(1対1で対応づけられたレンズ206および撮像素子303)ごとに、それぞれ独立して撮影をおこなうことにより、複雑な制御を要することなくカゴ101内の複数の撮影範囲を撮影することができる。これにより、たとえば、既設のエレベーター100であっても容易に適用することができ、幅広い種類のエレベーター100において、乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、各撮影ユニット410においてそれぞれ独立して撮影をおこなうことにより、仮にいずれかの撮影ユニット410が故障した場合にも、別の撮影ユニット410に影響をおよぼすことがなく、カゴ内の撮影を継続することができる。これにより、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、複数の撮影ユニット410を用いて撮影範囲の死角をなくすことができるため、1つの撮影ユニット410を用いて広範囲を撮影するために広角レンズを用いることなく、標準画角のレンズ206を用いてカゴ101内を死角なく撮影することができる。これにより、同一の撮像素子303を使用した場合においては、広角レンズを用いて撮影する場合と比較して、標準画角のレンズ206の方が、センサーに占める「乗員の顔」が写る面積を広く取ることができ、かつ、撮影された画像の歪みを抑えることができる。これによって、撮影された画像に基づく顔認識精度の向上を図ることができ、カゴ101内における犯罪の抑止力を一層向上させ、確実に、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、広角レンズを用いて高画素数の撮像素子303に結像する場合と、標準画角のレンズ206を用いて低画素数の撮像素子303に結像する場合とでは、「乗員の顔」が撮影される画素数は同等となる。同じ面積の撮像素子303であれば、低画素数の撮像素子303は、高画素数の撮像素子303より一画素当たりの面積が広い。すなわち、低画素数の撮像素子303は、高画素数の撮像素子303より一画素当たりの受光量が多く、集光力が高い。
国土交通省告示により、エレベーター100のカゴ101の床における照度は、当該エレベーター100が乗用や寝台用である場合は50ルクス以上、当該エレベーター100が乗用や寝台用以外である場合は25ルクス以上を確保することが定められている。50ルクスというのは、JIS(日本工業規格)の照度基準に照らすと、屋内非常階段と同等の最低レベルであるため、一般的な居室内と比較してカゴ101内は暗い。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400においては、標準画角のレンズ206を用いることにより、エレベーター100のカゴ101内のような暗い場所で撮影された画像に基づく高い顔認識精度を維持することができる。そして、これにより、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、一般的に、撮像素子303の価格は、撮像素子303の面積が広いほど高くなる傾向にある。この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400においては、標準画角のレンズ206を用いることにより、撮影された画像に基づく顔認識精度を犠牲にすることなく、低画素数の撮像素子303を用いて撮影ユニット410を実現することができる。これにより、撮影ユニット410を安価に構成することができるので、エレベーター100へのエレベーター用防犯カメラ装置400の設置の促進が期待され、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400は、撮影ユニット410の撮影範囲が、別の撮影ユニット410を含むことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、撮影ユニット410の撮影範囲が別の撮影ユニット410を含んでいるため、撮影ユニット410どうしがお互いを撮影することができる。これにより、たとえば、カゴ内の複数の撮影ユニット410が正常に動作しているかを確認したり、不正の目的で撮影ユニット410を壊そうとする乗員を別の撮影ユニット410によって撮影することで犯罪の抑止力を高めたりすることができ、エレベーターの乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400は、撮影ユニット410が、所定の情報を視覚可能に表示する表示画面205を一面側に備えた筐体204に設けられていることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、表示画面205を備えた汎用的なタブレット型端末装置108の撮影機構を用いて実現することができる。これにより、新設のエレベーター100のみならず、既設のエレベーター100であっても、カゴ101内の死角をなくすことができ、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400は、撮影ユニット410が、表示画面205の近傍に設けられていることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、近傍に撮影ユニット410が設けられた表示画面205に情報を表示することにより、カゴ101内の乗員の顔を表示画面205の方向へ向かせやすくすることができる。これにより、乗員の顔を撮影しやすくして、カゴ101内のすべての乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400は、表示画面205が、同一時刻においてそれぞれ異なる情報を表示することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター用防犯カメラ装置400によれば、各タブレット型端末装置108が備える表示画面205に、同一時刻においてそれぞれ異なる情報を表示することにより、表示画面205を介して乗員に伝達する情報量を増やすことができる。具体的には、たとえば、第1のタブレット型端末装置108aの表示画面205に広告を表示し、第2のタブレット型端末装置108bの表示画面205にメンテナンス予定などのエレベーターの管理情報などを表示することができる。
また、具体的には、たとえば、第1のタブレット型端末装置108aの表示画面205に第1の広告を表示し、第2のタブレット型端末装置108bの表示画面205に第1の広告とは異なる第2の広告を表示することができる。これにより、乗員に伝達する情報量を増やすことができるとともに、タブレット型端末装置108を介しておこなう広告による広告収益力の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のエレベーター100は、1つのカゴ101に設けられて、当該カゴ101内におけるそれぞれ異なる撮影範囲を撮影する複数の撮影ユニット410を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のエレベーター100によれば、複数の撮影ユニット410によって、カゴ101内における複数の撮影範囲を撮影することによって、密室となるカゴ101内において可視化できない範囲、すなわち死角をなくすことができる。これにより、エレベーター100の事故発生時におけるカゴ101内の状況を迅速かつ正確に把握したり、カゴ101内でトラブルが発生したことを迅速に発見したり、犯罪の抑止力を高めたりすることができ、エレベーター100の乗員の安全性および安心感の向上を図ることができる。
なお、この実施の形態で説明したエレベーター用防犯方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上のように、この発明にかかるエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターは、防犯の目的でカゴ内を撮影するエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターに有用であり、特に、乗員の一層の安全性の向上を図ることができるエレベーター用防犯カメラ装置およびエレベーターに適している。
100 エレベーター
101 カゴ
108、108a、108b タブレット型端末装置
111 制御基板
201、202 壁面
204 筐体
205 表示画面
206 レンズ
211 防犯カメラ映像表示領域
212 管理情報表示領域
213 各種情報表示領域
214 広告表示領域(広告エリア)
301 CPU
302 メモリ
303 撮像素子
304 通信I/F
400 エレベーター用防犯カメラ装置
401 制御部
402 広告情報受信部
403 広告情報記憶部
404 広告情報表示制御部
405 表示内容判断部
406 撮影制御部
407 撮影情報記憶部
408 撮影判断部

Claims (1)

  1. 1つのカゴ内の異なる位置にそれぞれ設置される複数の筐体を備え、
    各前記筐体は、前記カゴの乗員に対して所定の情報を視覚可能に表示する表示画面からなる情報表示ユニットと、当該カゴ内を撮影する撮影ユニットと、を含んで構成され、
    各前記撮影ユニットは、自撮影ユニットが設けられた筐体とは別の筐体が備える前記表示画面に表示される情報を撮影することを特徴とするエレベーター。

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