JP7203373B2 - 摩擦攪拌接合方法 - Google Patents
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(概要)
本発明の一実施形態に係る摩擦攪拌接合装置1について、図1~図3を参照して以下に説明する。
ツール20は、互いに突き合わさった2枚のアルミニウム板W1・W2の境界Cを摩擦攪拌接合するための工具である。
本発明の一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法について、図3および図4を参照して以下に説明する。
摩擦攪拌接合装置1を用いた摩擦攪拌接合は、例えば以下の各工程を踏むことにより行われる。
(1) まず、接合するアルミニウム板W1・W2の板厚およびサイズ等に従って、接合条件(ツール高さ、ツール回転数、ツール移送量、および後述する前進角θ等)を制御装置50に入力する。なお、以降の各工程におけるツール20の動作は全て、制御装置50により制御される。
(2) 次に、アルミニウム板W1・W2を突き合わせた状態によって、押さえ6を用いて支持台5上に固定する。このとき、アルミニウム板W1・W2の境界Cが、裏当て材30に当接する位置にアルミニウム板W1・W2が固定される。
(3) 次に、ツール20における回動部21が回動を開始すると共に、回動している回動部21の先端が境界Cの一端を押圧する。
(4) 次に、回動している回動部21の先端が境界Cを押圧しながら、境界Cに沿って移動する。これにより、境界Cがその一端から連続的に接合されていく。
(5) 次に、ツール20が境界Cに沿って移動した距離が予め設定されたツール移送量に到達したら、ツール20の移動および回動部21の回動が停止する。
(6) 最後に、ツール20がアルミニウム板W1・W2から遠ざけられる。これにより、接合されたアルミニウム板W1・W2を支持台5から取り外すことができる。
摩擦攪拌接合装置1により摩擦攪拌接合を行う際、ツール20の中心軸を回転軸として回動している回動部21の先端が、2枚のアルミニウム板W1・W2の境界Cに押圧される。このとき、回動部21の先端は境界Cに圧入される。圧入された回動部21の先端は、境界Cに沿って移動する。これにより、回動している回動部21の先端と境界Cとの接触により摩擦熱および攪拌力が発生し、境界Cにおいて塑性流動が起きる。ツール20が移動した後、溶解および攪拌された境界Cが速やかに冷却され凝固することで、境界Cが接合される。
図4に示すように、回動部21の先端は、回転軸が鉛直方向に対して傾斜した状態(ツール20に前進角θを付与した状態)により、アルミニウム板Wを押圧することが好ましい。また、回転軸の傾斜方向と反対方向(図4における、加工方向)にツール20を移動させることが好ましい。このような構成によれば、圧入量を深くしても残存板厚が大きくなる傾向がある。
本実施形態に係る摩擦攪拌接合方法において使用される裏当て材30は、窒化ケイ素(Si3N4)により形成される。窒化ケイ素は、熱伝導率が比較的高く(略90W/m・K)、低反応性の材料である。したがって、摩擦攪拌接合の際に接合部分に発生する熱を吸熱および放熱することができるため、接合部分に発生する熱が過度に高くならない。また、接合部分と裏当て材30との凝着を防止することができる。
本発明の一態様に係る摩擦攪拌接合方法では、2枚の金属板の突き合わせ部分(あるいは、重ね合わせ部分)と、1枚の金属板とを重ね合わせてもよい。例えば、図5に示すように、1枚のアルミニウム板W3(1枚の金属板)でアルミニウム板W1・W2の突き合わせ部分(接触部分)の全体を覆うように、当該1枚のアルミニウム板W3を突き合わせ部分に重ね合せる。そして、1枚のアルミニウム板W3と突き合わせ部分とが重ね合わさった2段重ね部分Pを、摩擦攪拌接合装置1のツール20によって摩擦攪拌接合してもよい。
本実施形態に係る摩擦攪拌接合方法によれば、板厚1mm以下のアルミニウム板を突き合わせ接合したアルミニウム板接合体を得ることができる。このようなアルミニウム板接合体は、接合部分における板厚減少並びにシワおよびヨレが少ない。従来技術に係るツール(プローブを備えるツール)によれば、このようなアルミニウム板接合体を得ることは困難である。
本発明は、以下のようにも表現することができる。本発明の一態様に係る工具(ツール20)は、板厚が1mm以下である複数の金属板(アルミニウム板W1・W2)を接合するための工具であって、前記工具の中心軸を回転軸として回動可能な回動部(21)を備えており、前記回動部における先端の端面の全域が、平面形状、または外部に向けて凸となる球面形状であり、前記複数の金属板を接合する際、回動している前記回動部の前記先端が、互いに端部が接触した2枚の前記金属板の接触部分(境界C)を押圧しつつ、前記接触部分に沿って移動することを特徴とする。
本発明の一実施例について以下に説明する。球面状ツール20aおよび平面状ツール20bを用いて摩擦攪拌接合操作を行い、形成された接合部分の外観を観察した。ここでは、2枚の金属板の接触部分ではなく、1枚の金属板の表面における任意の部分に対する摩擦攪拌接合操作(このような操作を、「スターインプレート」と称する)を行った。
スターインプレートに用いた金属板は、板厚1mmのアルミニウム板である。接合条件は、前進角θは3度、接合速度は100mm/min、接合距離は100mmとした。圧入量(図6~図8の“Penetration depth”)は、球面状ツール20aを用いる場合は0.15mmまたは0.2mmとし、平面状ツール20bを用いる場合は0.05mm、0.1mm、または0.15mmとした。また、それぞれのツールの回転数は、1500rpm、2250rpm、または3000rpmとした。
図6の(a)は球面状ツール20aによる結果を、図6の(b)は平面状ツール20bによる結果をそれぞれ示す。“Welding direction”は接合方向を示す。すなわち、図6中のそれぞれの写真において、反時計回りに回動するツールを、左から右に移動させることにより接合を行った。
本発明の一実施例について以下に説明する。球面状ツール20aを用いて、板厚0.5mmのアルミニウム板に対してスターインプレートを行った。これにより形成された接合部分の外観および断面組織を観察した。
スターインプレートに用いた金属板は、板厚0.5mmのアルミニウム板である。接合条件は、前進角θは3度、接合速度は100mm/min、接合距離は100mm、圧入量は0.05mmまたは0.1mmとした。ツールの回転数は、1500rpm、2250rpm、または3000rpmとした。接合部分における断面組織を観察するため、接合操作後に、接合方向に対して垂直に、接合部分を含むようにアルミニウム板を切断した。
結果を図7および図8に示す。図7の(a)は接合部分の外観を、図7の(b)は接合部分の断面組織をそれぞれ示す。図7の(a)は、図6の(a)および(b)と同様の構成により示しているため、説明を省略する。図7の(b)において、“Stir zone”は攪拌領域を示す。
本発明の一実施例について以下に説明する。板厚0.5mmのアルミニウム板を、球面状ツール20aを用いて突き合わせ接合し、接合部分の強度(引張強さおよび伸び)を測定した。
板厚0.5mmの2枚のアルミニウム板について、球面状ツール20aを用いて突き合わせ接合を行った。接合条件は、前進角θは3度、接合速度は100mm/min、接合距離は100mm、圧入量は0.1mmとした。ツールの回転数は3000rpmとした。
図9の(b)は、引張試験片(FSW)および参照用試験片(Base metal)の引張強さおよび伸びを示すグラフである。グラフの左縦軸は引張強さ(単位:N)を示し、右縦軸は伸び(単位:mm)を示す。“Failure load”は引張強さの結果を示し、“Elongation”は伸びの結果を示す。
20 ツール(工具)
20a 球面状ツール(工具)
20b 平面状ツール(工具)
21 回動部
23a、23b 端面
24 側面
25 境界部(第2境界)
30 裏当て材
50 制御装置
C 境界(第1境界)
F2 押圧面
P 2段重ね部分
W1、W2、W3 アルミニウム板(金属板)
θ 前進角
Claims (3)
- 工具の中心軸を回転軸として回動可能な回動部を備える前記工具を用いて、板厚が1mm以下である複数の金属板を接合する摩擦攪拌接合方法であって、
前記回動部における先端の端面の全域が、外部に向けて凸となる球面形状であり、
前記回転軸を鉛直方向に対して所定の角度で傾斜させた状態で、互いに突き合わさった2枚の前記金属板の第1境界を、回動している前記回動部の前記先端で押圧しつつ、前記先端を、前記第1境界に沿って前記回転軸の傾斜方向と反対方向に移動させ、
接合後の2枚の前記金属板において、接合部分の残存板厚が、前記接合部分以外の部分の板厚と略同一であることを特徴とする、摩擦攪拌接合方法。 - 前記第1境界における、前記先端によって押圧される押圧面と反対側の面に、窒化ケイ素により形成された裏当て材を当接させることを特徴とする、請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
- 前記回動部における側面と前記端面との第2境界は、曲面状に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の摩擦攪拌接合方法。
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