JP7203330B2 - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

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Description

本開示は、ヘッドアップディスプレイに関する。
特許文献1は、凹面鏡をターニングミラーとして用い、凹面鏡の虚の像点を出現させる範囲において、物点としての表示器と凹面鏡との間の距離を、手動または自動もしくはこれらの組合せによって可変させることにより、虚像の位置を可変させるヘッドアップディスプレイ装置を開示する。
特許文献2は、光源と、光源からの光を2次元にする走査手段と、走査光を結像するスクリーンと、スクリーン上の映像を投影する投影手段とを備え、投影手段とスクリーンとの間の距離を変えることにより、投影された虚像の位置を、観察者から見て遠い側に位置する遠焦点位置と、観察者から見て近い側の近焦点位置とに可変にする車両用ヘッドアップディスプレイ装置を開示する。
特開平6-115381号公報 特開2009-150947号公報
従来のヘッドアップディスプレイでは、虚像の位置が遠焦点位置にある場合、観察者の視点位置の高さ、虚像が表示される俯角、および表示虚像の垂直方向の画角によって、虚像が路面にめり込む場合があり、本来は路面の下に隠れるはずの部分が、路面に重なって見え、観察者が違和感を覚えることがあった。
本開示は、遠焦点位置における虚像が路面にめり込むことのないヘッドアップディスプレイを提供する。
本開示のヘッドアップディスプレイは、
車両等の移動体に設置され、画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、
前記画像を表示する表示デバイスと、前記画像を拡大して投影する投射光学系と、を含み、前記虚像の位置を、前記観察者から遠い遠視位置と、前記観察者に近い近視位置とに変化させる結像位置可変部を備え、
前記結像位置可変部は、前記遠視位置において、前記観察者の視点が位置する視点領域の中心に到達する基準光線の垂直面に対して、前記虚像の上端を前記移動体の前方に第2の傾斜角度で傾斜させ、前記近視位置において、前記基準光線の垂直面に対して、前記虚像の上端を前記移動体の前方に前記第2の傾斜角度よりも小さい第1の傾斜角度で傾斜させる。
前記投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備える。
前記少なくとも一つの光学素子は、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側から、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側までの間のパワーの変化により、前記遠視位置における前記虚像の下端を、前記移動体の前方の路面の位置以上の高い位置になる前記第2の傾斜角度にする。または、前記少なくとも一つの光学素子は、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側から、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側までの間のパワーの変化により、前記移動体が傾斜する姿勢変動が生じた際であっても、前記遠視位置における前記虚像の下端を、前記移動体の前方の路面の位置以上の高い位置になる前記第1の傾斜角度にする。
本開示におけるヘッドアップディスプレイは、遠焦点時に虚像が路面にめり込むことのないヘッドアップディスプレイを提供することができる。
実施の形態1におけるヘッドアップディスプレイを搭載した車両の断面を示す図 実施の形態1におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態1におけるヘッドアップディスプレイの遠視距離と近視距離を説明するための模式図 表示デバイスに対する第2レンズの相対位置に対する視距離の変化を示すグラフ 実施の形態2におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイにおける結像位置可変部の構成を示す模式図 実施の形態4におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態5におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態6におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態7におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態8におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態9におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態10におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図 実施の形態10における第2レンズの斜視図 実施の形態10における第2レンズのA断面を示す図 実施の形態10における第2レンズのB断面を示す図 実施の形態10における第1レンズの斜視図 実施の形態10における第1レンズのC断面を示す図 実施の形態10における第1レンズのD断面を示す図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図1~3を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1. ヘッドアップディスプレイの全体構成]
本開示のヘッドアップディスプレイ100の具体的な実施の形態及び実施例を、図面を参照して、以下、説明する。
図1は、本開示の実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100を搭載した車両200の断面を示す図である。図1に示すように、ヘッドアップディスプレイ100は、車両200のウインドシールド220下部のダッシュボード210内部に配置される。観察者Dは、ヘッドアップディスプレイ100から投射される画像を虚像Iとして認識する。
本実施の形態においては、虚像Iは、観察者Dから見て遠い位置にある遠焦点位置と、観察者Dから見て近い位置にある近焦点位置とに、その位置が可変となっているが、虚像Iを遠焦点位置に表示させる場合には、虚像Iが路面Rにめり込んでしまうことがある。そこで、虚像Iを傾斜させることで、虚像Iが路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を持たせることのない自然なAR(Augmented Reality)表示を実現させることができ、ドライバー(観察者D)の認識力をアップさせることができる。
図2は、本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図3は、本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ100の遠視距離と近視距離を説明するための模式図である。
図2に示すように、ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイス110と、投射光学系140とを含む結像位置可変部150を備える。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイス110が拡散特性を有する光学部材となっており、表示デバイス110に表示する画像を投射光学系140を介してウインドシールド220に投射する。投射された光は、ウインドシールド220において反射され、観察者Dの視点領域300に導かれる。これにより、ヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに近視位置(近焦点位置)P1における虚像Iおよび遠視位置(遠焦点位置)P2における虚像Iを視認させる。本実施の形態におけるヘッドアップディスプレイ100は、虚像位置が近視位置P1と遠視位置P2とに移動する可変焦点機能を備えている。ここで、視点とは、観察者Dの目をレンズと考えた場合の主点であり、視点領域300とは、虚像I,Iを欠けることなく視認できる、観察者Dの視点の位置する領域である。
図2に示すように、表示デバイス110から出射する光線のうち、視点領域300の中心に到達する光線のうち、虚像Iの上端I_uおよび虚像Iの上端I_uに相当する光線を上光線Luとし、虚像Iの下端I_lおよび虚像Iの下端I_lに相当する光線を下光線Llとする。また、表示デバイス110から出射する光線のうち、虚像I,Iの中心部を通り、視点領域300の中心に到達する光線を基準光線Lcとする。すなわち、観察者Dから見た場合、基準光線Lcは、虚像I,Iの中心から観察者Dの視点までの光路に相当する。観察者Dが視認する基準光線Lcは、実際には表示デバイス110から光学系を経て観察者Dに到達したものである。そのため、虚像I,Iの中心から出射する基準光線Lcに対応する、表示デバイス110から観察者Dに到達するまでの光線も基準光線Lcと表現される。また、これらの光線に対応する光路も同様に基準光線Lcと表現される。ただし、観察者Dの視点が視点領域300の中心にあるものとする。
ここで、本開示において、前方とは、観察者Dから見て車両200のウインドシールド220のある方向である。後方とは、前方の反対の方向である。また、下方とは車両200が走行する地面の方向である。上方とは、下方の反対の方向である。
表示デバイス110は、図示しないCPU等の制御部による制御に基づき、表示画像を表示する。表示デバイス110には、例えば、バックライト付きの液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode)、プラズマディスプレイなどを用いることができる。また、表示デバイス110として、光を拡散または反射するスクリーンと、プロジェクタや走査型レーザを用いて画像を生成してもよい。表示デバイス110は、道路進行案内表示や、前方車両までの距離、車のバッテリー残量、現在の車速など、各種の情報を表示することができる。また、表示デバイス110は、投射光学系140やウインドシールド220で発生する歪みや、図示を省略するカメラで取得する観察者Dの位置に応じて、あらかじめ画像を電子的に歪ませておくことで、観察者Dに良好な虚像I,Iを視認させることができる。また、表示デバイス110は、投射光学系140で発生する色収差に応じて、あらかじめ複数波長の表示画素を表示位置毎にずらして表示することで、観察者Dに良好な虚像I,Iを視認させることができる。
投射光学系140は、光学素子としての第1レンズ123、第2レンズ124、および第1ミラー125とを備える。第1レンズ123と第2レンズ124は、一例として自由曲面レンズであり、第1ミラー125は、一例として自由曲面ミラーである。投射光学系140は、第1レンズ123および第2レンズ124によって拡大された画像を、第1ミラー125を介して反射することにより、ウインドシールド220に投射する。
また、第2レンズ124は、図2に実線で示すように第1レンズ123に近づく位置と、図2に点線で示すように第1レンズ123から遠ざかる位置とに、矢印A方向に移動可能に構成されている。第2レンズ124が第1レンズ123に遠ざかる場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、第2レンズ124が第1レンズ123に近づく位置にある場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、投射光学系140の第2レンズ124を移動可能に構成することにより、結像位置が変更可能となっている。
[1-1-2.結像位置可変部の構成]
ヘッドアップディスプレイ100は、ウインドシールド220に虚像I,Iを投影して車両200の前方の実像に重ねることで、ドライバーである観察者Dが視線と目の焦点調節を大きく動かすことなく経路案内、または警告等を確認することができ、運転中の安全性を向上させる。
しかしながら、遠視位置P2における虚像Iは、路面Rにめり込んでしまうことがあり、観察者Dが違和感を抱く不自然な表現となる場合がある。そこで、本実施の形態においては、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図2に示すように、基準光線Lcに対して反時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、高速走行時は車間距離が比較的長いため、観察者Dは遠方を見て運転する。したがって、この場合には、虚像までの視距離を長くすることで、目の視距離調整が少なくて済み、視認性が向上する。一方、低速走行時は前方車両との車間が短く、観察者Dは前方車両を気にしながら手前を見て運転する。したがって、この場合には、虚像までの視距離を短くすることで、目の視距離調整が少なくなり、視認性が向上する。また、前方車両の距離に対して、虚像の距離が遠くなることが少なくなるようにすることで、違和感を低減することができる。
そこで、本実施の形態では、上述したように結像位置可変部150に含まれる投射光学系140の第2レンズ124を移動可能に構成し、虚像Iの結像位置である視距離が短い近視位置P1と、虚像Iの結像位置である視距離が長い遠視位置P2とに、虚像の結像位置を変更可能としている。
また、本実施の形態においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの下端I_lを、図3に点線の丸印Cで示ように、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの下端I_lの路線Rからの高さよりも、虚像Iの上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
なお、虚像Iの下端I_lは、必ずしも路面Rの位置以上の高い位置でなくてもよく、虚像Iの主要部の下端が路面Rの位置以上の高い位置にあれば、虚像Iの下端I_lが路面Rよりも若干低い位置にあっても問題はない。この場合、虚像Iの「主要部」とは、虚像Iが示すターンバイターンの矢印の方向等、虚像Iが示す標識等の意味・内容を確認できる部分を言うものとする。
車両200における観察者Dの視点位置は、車両200の種類、観察者Dの身長等によっても異なるが、本実施の形態においては、例えば、運転者の視線位置の高さとして、1.2mを視点位置の所定の高さとしている。但し、これは一例であり、視点位置の所定の高さとして他の数値を用いてもよい。
また、観察者Dの視点位置からの車両200の水平方向Hに対する基準光線Lcの角度である俯角θについても、観察者Dの身長等によって異なるが、本実施の形態においては、例えば、3°~4°を俯角θの所定の角度としている。但し、これは一例であり、俯角θの所定の角度として他の数値を用いてもよい。
さらに、画角については、本実施の形態においては、基準光線Lcから上光線Luおよび下光線Llまでがそれぞれ1.5°となるように設定している。但し、これは一例であり、画角として他の数値を用いてもよい。
本実施の形態では、一例として、近視位置P1における虚像Iの下端I_lの観察者Dからの近視距離が5m、近視位置P1における虚像Iの上端I_uの観察者Dからの近視距離が6mとなるように虚像Iを傾斜させる。
また、本実施の形態では、一例として、遠視位置P2における虚像Iの下端I_lの観察者Dからの遠視距離が10m、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uの観察者Dからの遠視距離が15mとなるように虚像Iを傾斜させる。
以上のように、本実施の形態によれば、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの下端I_lを、路面Rと下光線Llの交線の位置とするように投射光学系14を設定した。その結果、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、路面Rと上光線Luの交線よりも上の位置とするように投射光学系14を設定した。その結果、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
本実施の形態では、上述のように投射光学系140を設定することにより、第2レンズ124の移動量を削減することができる。以下、視距離とレンズの移動量との関係について説明する。
図4は、表示デバイス110に対する第2レンズ124の相対位置に対する視距離の変化を示すグラフである。図4に示すように、第2レンズ124の単位移動量当たりの視距離変化量は、視距離が長いほど大きくなる。例えば、従来のように路面Rに対して垂直で、観察者Dから4mの視距離にある虚像を考えた場合、第2レンズ124を、その時点の位置(0mm)から10mmまで10mm移動させると、虚像までの視距離は4mから5mまで変化し、視距離変化量は1mとなる。
次に、従来のように路面Rに対して垂直で、観察者Dから約12mの視距離にある虚像を考えた場合、第2レンズ124を、その時点の位置(40mm)から50mmまで10mm移動させると、虚像までの視距離は約12mから20mまで変化し、視距離変化量は5mとなる。
つまり、従来のように路面Rに対して垂直な虚像の場合には、観察者Dを基準にして4mの近視距離に虚像を表示させた状態から、観察者Dを基準にして20mの遠視距離に虚像を表示させようとすると、第2レンズ124を、0mmから50mmまで50mm移動させる必要がある。
しかしながら、図4に示ように、4mの位置に虚像Iの下端I_lを表示させ、5mの位置に虚像Iの上端I_uを表示させて虚像Iを傾斜させた場合には、第2レンズ124の移動量は少なくなる。つまり、図3に示すように虚像Iを傾斜させた場合には、第2レンズ124を、0mmから40mmまで40mm移動させることにより、約12mの位置に虚像Iの下端I_lが表示され、20mの位置に虚像Iの上端I_uが表示されることになる。
以上のような視距離とレンズの移動量との関係は、第2レンズ124を固定し、表示デバイス110を移動可能した場合には、視距離と表示デバイス110の移動量との関係として置き換えることができる。
以上のように、本実施の形態におけるヘッドアップディスプレイ100の投射光学系140は、遠視位置P2における虚像Iの下端I_lまたは虚像Iの主要部の下端を路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されているので、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
また、本実施の形態におけるヘッドアップディスプレイ100の投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像I2の上端I2_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I2_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように投射光学系14を設定されているので、虚像Iの上端I_uが下端I2_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
さらに、本実施の形態におけるヘッドアップディスプレイ100の投射光学系140は、上述のように虚像I,Iを傾斜させることにより、第2レンズ124の移動量を削減し、レンズ駆動機構への負荷を軽減することができる。
[1-2.効果等]
実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、投射光学系140は、複数の光学素子として第1レンズ123と第2レンズ124とを備え、結像位置可変部150は、虚像I,Iの中心に相当する光線を基準光線Lcとしたとき、第1レンズ123と第2レンズ124とのうちの少なくともいずれか一つのレンズ、例えば、第2レンズ124の、第1レンズ123に対する基準光線Lc方向の間隔を変えることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。
実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。さらに、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、第2レンズ124の移動量を削減し、レンズ駆動機構への負荷を軽減することができる。
(実施の形態2)
次に、図5を参照しつつ、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図5は、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図5に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる表示デバイス110が、図5に点線で示すように第2レンズ124に近づく位置と、図5に実線で示すように第2レンズ124から遠ざかる位置とに、矢印A方向に移動可能に構成されている。表示デバイス110が第2レンズ124に近づく位置にある場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、表示デバイス110が第2レンズ124から遠ざかる位置にある場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、表示デバイス110を移動可能に構成することにより、結像位置が変更可能となっている。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図5に示すように、基準光線Lcに対して反時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像I2の上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
[2-2.効果等]
実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さよりも高い位置とするように設定されている。
また、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、結像位置可変部150は、虚像I,Iの中心に相当する光線を基準光線Lcとしたとき、表示デバイス110の、投射光学系140に対する基準光線Lc方向の間隔を変えることにより、虚像I,Iの位置を変化させる、
実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイによれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態3)
次に、図6を参照しつつ、実施の形態3を説明する。
[3-1.構成]
図6は、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイ100における結像位置可変部150の構成を示す模式図である。図6に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、実施の形態2で説明した第2レンズ124の代わりに設けた第2ミラー126と、第1ミラー125とを備える。第1ミラー125および第2ミラー126は、一例として自由曲面ミラーである。投射光学系140は、第2ミラー126によって拡大された画像を、第1ミラー125を介して反射することにより、ウインドシールド220に投射する。
本実施の形態においては、表示デバイス110は、図6に示すように、第2ミラー126よりも、車両200の前方方向に位置する。また、表示デバイス110は、実施の形態2と同様に、図6に点線で示すように第2ミラー126に近づく位置と、図6に実線で示すように第2ミラー126から遠ざかる位置とに、矢印B方向に移動可能に構成されている。表示デバイス110が第2ミラー126に近づく位置にある場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、表示デバイス110が第2ミラー126から遠ざかる位置にある場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、表示デバイス110を移動可能に構成することにより、結像位置が変更可能となっている。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図6に示すように、基準光線Lcに対して時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rから高さよりも、上端I_uの路面Rから高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
[3-2.効果等]
実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、結像位置可変部150は、虚像I,Iの中心に相当する光線を基準光線Lcとしたとき、表示デバイス110の、投射光学系140に対する基準光線Lc方向の間隔を変えることにより、虚像I,Iの位置を変化させる、
したがって、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態4)
次に、図7を参照しつつ、実施の形態4を説明する。
[4-1.構成]
図7は、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図7に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、実施の形態3で説明した第1ミラー125の代わりに設けた第3ミラー127と、第1ミラー125とを備える。第2ミラー126は、一例として自由曲面ミラーである。
また、第3ミラー127は、パワーを変化させることが可能なパワー可変光学素子である。第3ミラー127は、一例として、電歪素子で鏡面を構成し曲面の曲率を電圧の印加により変化させるようにした曲率可変のミラーである。第3ミラー127としては、他の方法により曲面の曲率を可変としたミラーでもよい。
本実施の形態においては、結像位置可変部150は、パワー可変光学素子としての第3ミラー127のパワーを変化させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。本実施の形態においては、第3ミラー127は、図7に点線で示すように曲率が大きくなる形状と、図7に実線で示すように曲率が小さくなる形状とに、変形可能に構成されている。第3ミラー127が曲率の小さくなる形状である場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、第3ミラー127が曲率の大きくなる形状である場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、第3ミラー127のパワーを変化させることにより、結像位置が変更可能となっている。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図7に示すように、基準光線Lcに対して時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
[4-2.効果等]
実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、投射光学系140は、パワーを変化させることが可能なパワー可変光学素子としての第3ミラー127を備え、結像位置可変部150は、パワー可変光学素子としての第3ミラー127のパワーを変化させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。
したがって、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態5)
次に、図8を参照しつつ、実施の形態5を説明する。
[5-1.構成]
図8は、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図8に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、第3レンズ128と、第1ミラー125とを備える。
第3レンズ128は、パワーを変化させることが可能なパワー可変光学素子である。第3レンズ128は、一例として、電磁アクチュエータで圧力を加えることによりレンズ形状を変化させることができる可変焦点レンズである。第3レンズ128としては、液体レンズ、または液晶レンズ等を用いてもよい。
本実施の形態においては、結像位置可変部150は、パワー可変光学素子としての第3レンズ128のパワーを変化させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。本実施の形態においては、第3レンズ128は、負レンズであり、図8に点線で示すようにレンズ厚が厚くなる形状と、図8に実線で示すようにレンズ厚が薄くなる形状とに、変形可能に構成されている。第3レンズ128のレンズ厚が厚くなる場合は、負レンズのパワーが強くなる状態を示しており、第3レンズ128のレンズ厚が薄くなる場合は、負レンズのパワーが弱くなる状態を示している。したがって、第3レンズ128のレンズ厚が薄くなる形状である場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、第3レンズ128のレンズ厚が厚くなる形状である場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、第3レンズ128のパワーを変化させることにより、結像位置が変更可能となっている。ただし、第3レンズ128のパワーが正パワーである場合は、レンズ厚が厚くなり、正のパワーが強くなると、遠焦点位置P2に虚像Iが形成され、レンズ厚が薄くなり星のパワーが弱くなると、近焦点位置P1に虚像Iが形成される。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図8に示すように、基準光線Lcに対して時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
[5-2.効果等]
実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uのからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、投射光学系140は、パワーを変化させることが可能なパワー可変光学素子としての第3レンズ128を備え、結像位置可変部150は、パワー可変光学素子としての第3レンズ128のパワーを変化させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。
したがって、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態6)
次に、図9を参照しつつ、実施の形態6を説明する。
[6-1.構成]
図9は、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図9に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、第1ミラー125、第2ミラー126、および図9に示す矢印C方向に抜き差し可能に構成された第4レンズ129とを備える。第4レンズ129は、一例として、自由曲面レンズである。
本実施の形態においては、結像位置可変部150は、第4レンズ129を矢印C方向に抜き差しすることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。本実施の形態においては、第4レンズ129は、図9に実線で示すように、表示デバイス110から第2レンズ126までの光路上から外れる位置と、図9に点線で示すように、表示デバイス110から第2レンズ126までの光路上に配置される位置とに、移動可能に構成されている。第4レンズ129が表示デバイス110から第2レンズ126までの光路上から外れる位置にある場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、第4レンズ129が表示デバイス110から第2レンズ126までの光路上に配置される位置である場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、第4レンズ129の抜き差しにより、結像位置が変更可能となっている。なお、第4レンズ129のパワーの正負が反対の場合は、虚像の位置の遠近関係も反転する。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図9に示すように、基準光線Lcに対して時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
[6-2.効果等]
実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、投射光学系140は、複数の光学素子としての第1ミラー125、第2ミラー126、および第4レンズ129を備え、結像位置可変部150は、これらの複数の光学素子のうちの少なくともいずれか一つの光学素子である第4レンズ129を、上光線および下光線と交差する位置と、交差しない位置とに移動させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。
したがって、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態7)
次に、図10を参照しつつ、実施の形態7を説明する。
[7-1.構成]
図10は、実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図10に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、第1ミラー125、第2ミラー126、半透過反射ミラー130、および、基準光線Lcに沿って図10に示す矢印E方向に移動可能に構成された第4ミラー131とを備える。
本実施の形態においては、結像位置可変部150は、第4ミラー131を矢印E方向に移動させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。本実施の形態においては、第4ミラー131は、半透過反射ミラー130に近づく位置と、半透過反射ミラー130から遠ざかる位置とに、移動可能に構成されている。第4ミラー131が半透過反射ミラー130に近づく位置にある場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、第4ミラー131が半透過反射ミラー130から遠ざかる位置にある場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、第4ミラー131を移動させることにより、結像位置が変更可能となっている。つまり、第4ミラー131は、投射光学系140の入射面から出射面までの光路長を変化させる光学素子であり、結像位置可変部150は、投射光学系140の光路長を変化させる第4ミラー131の位置を変化させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図10に示すように、基準光線Lcに対して時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。さらに、本実施の形態におけるヘッドアップディスプレイ100の投射光学系140は、上述のように虚像I,Iを傾斜させることにより、第4ミラー131の移動量を削減し、第4ミラー131の駆動機構への負荷を軽減することができる。
[7-2.効果等]
実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100においては、投射光学系140は、複数の光学素子として第1ミラー125、第2ミラー126、半透過反射ミラー130、および、第4ミラー131を備え、これらの複数の光学素子のうちの少なくともいずれか一つの光学素子である第4ミラー131は、表示デバイス110から虚像I,Iの位置までの光路長を変化させる光学素子であり、結像位置可変部150は、光路長を変化させる光学素子である第4ミラー131の位置を変化させることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。
したがって、実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態8)
次に、図11を参照しつつ、実施の形態8を説明する。
[8-1.構成]
図11は、実施の形態8に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図11に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、第1ミラー125、第2ミラー126、および半透過反射ミラー130を備える。また、結像位置可変部150には、表示デバイス110と表示デバイス111との2つの表示デバイスが含まれる。表示デバイス110は、表示デバイス111に比べて半透過反射ミラー130に近い位置に配置され、表示デバイス111は、表示デバイス110に比べて半透過反射ミラー130から遠い位置に配置されている。つまり、表示デバイス110、111は、表示デバイスから投射光学系140までの光路長がそれぞれ異なる位置に配置されている。
本実施の形態においては、結像位置可変部150は、画像を表示する表示デバイスを、表示デバイス110と、表示デバイス111とのいずれかに切り替えることにより、虚像I,Iの位置を変化させる。本実施の形態においては、表示デバイス110により画像を表示する場合には、近視位置P1に虚像Iが形成され、表示デバイス111により画像を表示する場合には、遠視位置P2に虚像Iが形成される。このように、本実施の形態では、画像を表示する表示デバイスを、表示デバイス110と、表示デバイス111とのいずれかに切り替えることにより、結像位置が変更可能となっている。
なお、本実施の形態においては、第2ミラー126を用いているが、第2ミラー126の代わりに、図5に示す実施の形態2のように、第2レンズ124等のレンズを使用しても同様の効果を得ることができる。
本実施の形態においても、虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜して表示されるように構成している。このように虚像I,Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図11に示すように、基準光線Lcに対して時計回り方向に所定角度傾けて配置されている。
また、本実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、本実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
[8-2.効果等]
実施の形態8に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像I,Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。虚像I,Iは、観察者Dの視線に対して傾斜している。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140とを含み、虚像の位置を、観察者Dから遠い遠視位置P2と、観察者Dに近い近視位置P1とに変化させる結像位置可変部150を備える。結像位置可変部150は、移動体としての車両200の走行面である路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定され、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さ高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態8に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100においては、表示デバイスとして、表示デバイス110と表示デバイス11の二つの表示デバイスを備え、二つの表示デバイス110,111は、それぞれの表示デバイス110,111から虚像I,Iの位置までの光路長がそれぞれ異なる位置に配置されている。また、結像位置可変部150は、それぞれの表示デバイス110,111を切り替えて画像を表示することにより、虚像I,Iの位置を変化させる、
したがって、実施の形態8に係るヘッドアップディスプレイ100によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態9)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~8を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~8で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
図12は、実施の形態9に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。実施の形態1~8においては、虚像I,Iを傾斜させるために、表示デバイス110,111を基準光線Lcに対して傾斜させる態様について説明した。しかしながら、本開示のヘッドアップディスプレイ100は、そのような態様に限定される訳ではない。
例えば、図12に示す他の実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ100では、表示デバイス110の表示面は基準光線Lcに対して垂直に配置し、レンズ132のパワーに上下方向で強弱をつけることにより、あるいは、レンズ132のパワーを上下方向で連続的に変化させることにより、焦点面Fを傾斜させている。このようにしても、虚像I,Iを傾斜させることができる。なお、焦点面Fとは、ウインドシールド220と虚像系との合成焦点面である。
また、光学素子としてミラーを用いる場合には、ミラーの上下方向でパワーを連続的に変化させることで、焦点面Fを傾斜させて、虚像I,Iを傾斜させることができる。
以上のように、他の実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ100においては、投射光学系140は、複数の光学素子としてレンズまたはミラーを備え、これらの複数の光学素子の少なくともいずれか一つの光学素子であるレンズまたはミラーは、虚像I,Iの中心に相当する光線を基準光線Lcとしたとき、基準光線Lcに対して、入射面と前記出射面との少なくともいずれかが傾斜している。
このような他の実施の形態においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
したがって、他の実施の形態によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(実施の形態10)
次に、図13から図17Bを参照しつつ、実施の形態10を説明する。
[10-1.構成]
図13は、実施の形態10に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図13に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、光学素子として、第1ミラー125、第1レンズ133、および第2レンズ134を備える。また、結像位置可変部150には、表示デバイス110が含まれる。
第1レンズ133は、一例として自由曲面レンズであり、正のパワーを有している。第1レンズ133は、虚像I,Iの下側に到達する下光線Llが通過する側の正のパワーを弱くし、虚像I,Iの上側に到達する上光線Luが通過する側の正のパワーを強くした。
第2レンズ134は、一例として自由曲面レンズであり、負のパワーを有している。第2レンズ134は、虚像I,Iの下側に到達する下光線Llが通過する側の負のパワーを強くし、虚像I,Iの上側に到達する上光線Luが通過する側の負のパワーを弱くした。
図14は、第2レンズ134の斜視図である。図14に示すように、第2レンズ134における、虚像I,Iの下側に到達する下光線Llが通過する側と、平面S1とが交差した際の断面をA断面とする。また、第2レンズ134における、虚像I,Iの上側に到達する上光線Luが通過する側と、平面S2とが交差した際の断面をB断面とする。ここで、平面S1,S2は、互いに平行な平面であり、かつ、基準光線Lcに平行な平面である。
図15Aは、上述した第2レンズ134のA断面を示す図であり、図15Bは、上述した第2レンズ134のB断面を示す図である。図15Aおよび図15Bを比較すると分かるように、第2レンズ134は、A断面における偏肉比を、B断面の偏肉比に比べて、相対的に大きくした。ここで、偏肉比とは、レンズ中心部付近における厚さに対する、レンズ周辺部の厚さの比であり、1より大きい値をとる。
図15A,15Bにおいては、レンズ中心部付近における厚さを「TC_A」または「TC_B」で表し、レンズ周辺部の厚さを「TE_A」または「TE_B」で表している。但し、レンズ周辺部の厚さはレンズの両側のコバ部のうち、厚い方で定義するものとし、レンズ中心部付近における厚さはレンズの最も薄い部分の厚さで定義するものとする。また、コバ部は、光線が通る領域で定義するのが望ましい(明らかな保持代は除く)。
図15Aに示すA断面の偏肉比Rut_Aは次式で表される。
(数1)
Figure 0007203330000001



また、図15Bに示すB断面の偏肉比Rut_Bは次式で表される。
(数2)
Figure 0007203330000002



A断面の偏肉比Rut_AとB断面の偏肉比Rut_Bの関係は次式で表される。
(数3)
Figure 0007203330000003



負のパワーを有する第2レンズ134におけるA断面側の偏肉比Rut_Aが、B断面側の偏肉比Rut_Bよりも大きいということは、A断面側の方がB断面側よりも負のパワーが強いということを意味している。虚像I,Iの下側に到達する下光線Llが通過するA断面側における負のパワーが強いことにより、焦点距離が短くなり、図13に示す焦点面FはA断面側から遠い側に位置する。また、虚像I,Iの上側に到達する上光線Luが通過するB断面側における負のパワーが弱いことにより、焦点距離が長くなり、図13に示す焦点面FはB断面側に近い側に位置する。
図16は、第1レンズ133の斜視図である。図16に示すように、第1レンズ133における、虚像I,Iの下側に到達する下光線Llが通過する側と、平面S3とが交差した際の断面をC断面とする。また、第1レンズ133における、虚像I,Iの上側に到達する上光線Luが通過する側と、平面S4とが交差した際の断面をD断面とする。ここで、平面S3,S4は、互いに平行な平面であり、かつ、基準光線Lcに平行な平面である。
図17Aは、上述した第1レンズ133のC断面を示す図であり、図17Bは、上述した第1レンズ133のD断面を示す図である。図17Aに示すように、第1レンズ133は、D断面における偏肉比を、C断面の偏肉比に比べて、相対的に大きくした。ここで、偏肉比とは、レンズ中心部付近における厚さに対する、レンズ周辺部の厚さの比であり、1より小さい値をとる。
図17A,17Bにおいては、レンズ中心部付近における厚さを「TC_C」または「TC_D」で表し、レンズ周辺部の厚さを「TE_C」または「TE_D」で表している。但し、レンズ周辺部の厚さはレンズの両側のコバ部のうち、薄い方で定義するものとし、レンズ中心部付近における厚さはレンズの最も厚い部分の厚さで定義するものとする。また、コバ部は、光線が通る領域で定義するのが望ましい(明らかな保持代は除く)。
図17Aに示すC断面の偏肉比Rut_Cは次式で表される。
(数4)
Figure 0007203330000004




また、図17Bに示すD断面の偏肉比Rut_Dは次式で表される。
(数5)
Figure 0007203330000005



C断面の偏肉比Rut_CとD断面の偏肉比Rut_Dの関係は次式で表される。
(数6)
Figure 0007203330000006

正のパワーを有する第1レンズ133におけるC断面側の偏肉比Rut_Cが、D断面側の偏肉比Rut_Dよりも大きいということは、C断面側の方がD断面側よりも正のパワーが弱いということを意味している。つまり、虚像I,Iの下側に到達する下光線Llが通過するC断面側における正のパワーが弱いことにより、焦点距離が長くなり、図13に示す焦点面FはC断面側から遠い側に位置する。また、虚像I,Iの上側に到達する上光線Luが通過するD断面側における正のパワーが強いことにより、焦点距離が短くなり、焦点面FはD断面側に近い側に位置する。
本実施の形態では、以上のように第2レンズ134の負のパワーに上下方向で強弱をつけ、また、第1レンズ133の正のパワーに上下方向で強弱をつけることにより、焦点面Fを傾斜させ、虚像I,Iを傾斜させることができる。
なお、本実施の形態において、虚像Iの結像位置である視距離が短い近視位置P1と、虚像Iの結像位置である視距離が長い遠視位置P2とに、虚像の結像位置を変更可能とするためには、実施の形態1と同様に、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140の第2レンズ134を移動可能に構成すればよい。
[10-2.効果等]
以上のように、実施の形態10に係るヘッドアップディスプレイ100においては、第2レンズ134の負のパワーに上下方向で強弱をつけ、また、第1レンズ133の正のパワーに上下方向で強弱をつけることにより、焦点面Fを傾斜させ、虚像I,Iを傾斜させる。また、実施の形態10においても、結像位置可変部150に含まれる投射光学系140は、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの主要部の下端を、路面Rの位置以上の高い位置とするように設定されている。また、投射光学系140は、同様に、路面Rに対する観察者Dの視点位置の高さを所定の高さとし、俯角を所定の角度とした時、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。したがって、実施の形態10によれば、遠視位置P2における虚像Iが、路面Rにめり込むことを防止し、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本実施の形態によれば、虚像Iの上端I_uが下端I_lよりも低くならず、観察者Dに違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
なお、実施の形態1~10では、車両200の前方に重心が移動し、車両200が前のめりになるような姿勢変動が生じた場合であっても、遠視位置P2における虚像Iの上端I_uを、下端I_lの路面Rからの高さよりも、上端I_uの路面Rからの高さが高くなる位置とするように設定されている。
また、実施の形態1~10では、ヘッドアップディスプレイ100はダッシュボード210の下方に配置しているが、ダッシュボード210の上方に配置しても良い。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
(実施形態の概要)
(1)本開示のヘッドアップディスプレイは、車両等の移動体に設置され、画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、画像を表示する表示デバイスと、画像を拡大して投影する投射光学系と、を含み、虚像の位置を、観察者から遠い遠視位置と、観察者に近い近視位置とに変化させる結像位置可変部を備え、結像位置可変部は、遠視位置において、観察者の視点が位置する視点領域の中心に到達する基準光線の垂直面に対して、虚像の上端を移動体の前方に第2の傾斜角度で傾斜させ、近視位置において、基準光線の垂直面に対して、虚像の上端を移動体の前方に第2の傾斜角度よりも小さい第1の傾斜角度で傾斜させる。
したがって、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(2)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子は、虚像の下側に到達する光線が通過する側から、虚像の上側に到達する光線が通過する側までの間のパワーの変化により、遠視位置における虚像の下端を、前記移動体の前方の路面の位置以上の高い位置になる第2の傾斜角度にする。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(3)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子は、虚像の下側に到達する光線が通過する側から、虚像の上側に到達する光線が通過する側までの間のパワーの変化により、移動体が傾斜する姿勢変動が生じた際であっても、遠視位置における虚像の下端を、移動体の前方の路面の位置以上の高い位置になる第1の傾斜角度にする。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(4)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、複数の光学素子を備え、結像位置可変部は、複数の光学素子のうちの少なくともいずれか一つの光学素子と、他の光学素子との基準光線方向の間隔を変えることにより、虚像の位置を変化させる。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(5)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、結像位置可変部は、表示デバイスと、投射光学系との基準光線方向の間隔を変えることにより、虚像の位置を変化させる。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(6)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、結像位置可変部は、光学素子を、表示デバイスからの光路と交差する位置と、交差しない位置とに移動させることにより、虚像の位置を変化させる。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(7)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、複数の光学素子を備え、複数の光学素子のうちの少なくとも一つの光学素子は、投射光学系の光路長を変化させる光学素子であり、結像位置可変部は、光路長を変化させる光学素子の位置を変化させることにより、虚像の位置を変化させる。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(8)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、表示デバイスとして、二つの表示デバイスを備え、二つの表示デバイスは、それぞれの表示デバイスから投射光学系までの光路長がそれぞれ異なる位置に配置されており、結像位置可変部は、それぞれの表示デバイスを切り替えて画像を表示することにより、虚像の位置を変化させる。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(9)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、パワーを変化させることが可能なパワー可変光学素子を備え、結像位置可変部は、パワー可変光学素子のパワーを変化させることにより、虚像の位置を変化させる。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(10)(1)ないし(9)のいずれかのヘッドアップディスプレイにおいて、虚像の中心に相当する光線を基準光線としたとき、表示デバイスは、基準光線に対して、画像表示が傾斜している。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(11)(1)ないし(10)のいずれかのヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子は、上下方向のパワーが異なっており、焦点面が基準光線に対して傾斜している。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(12)(1)ないし(11)のいずれかのヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子が負のパワーを有しており、当該光学素子における、虚像の下側に到達する光線が通過する側の負のパワーを強くし、虚像の上側に到達する光線が通過する側の負のパワーを弱くした。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(13)(1)ないし(12)のいずれかのヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子が正のパワーを有しており、当該光学素子における、虚像の下側に到達する光線が通過する側の正のパワーを弱くし、虚像の上側に到達する光線が通過する側の正のパワーを強くした。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(14)(1)ないし(13)のいずれかのヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子が負のパワーを有しており、当該光学素子における、虚像の上側に到達する光線が通過する側のレンズ中心部付近に対する周辺部との厚さの比である1より大きい偏肉比を、虚像の上側に到達する光線が通過する側の偏肉比に比べて、相対的に大きくした。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
(15)(1)ないし(14)のいずれかのヘッドアップディスプレイにおいて、投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、光学素子が正のパワーを有しており、当該光学素子における、虚像の下側に到達する光線が通過する側のレンズ中心部付近に対する周辺部との厚さの比である偏肉比を、虚像の下側に到達する光線が通過する側の前記偏肉比に比べて、相対的に大きくした。したがって、遠視位置における虚像が、走行面にめり込むことを防止し、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。また、本開示のヘッドアップディスプレイによれば、虚像の上端が下端よりも低くならず、観察者に違和感を覚えさせることを防ぐことができる。
本開示は、液晶ディスプレイ等の表示デバイス、および自由曲面レンズまたは自由曲面ミラー等の投射光学系を用いたヘッドアップディスプレイに適用可能である。具体的には、車両用などのヘッドアップディスプレイに、本開示は適用可能である。
100 ヘッドアップディスプレイ
110 表示デバイス
111 表示デバイス
123,133 第1レンズ
124,134 第2レンズ
125 第1ミラー
126 第2ミラー
127 第3ミラー
128 第3レンズ
129 第4レンズ
130 半透過反射ミラー
131 第4ミラー
132 レンズ
140 投射光学系
150 結像位置可変部
200 車両
210 ダッシュボード
220 ウインドシールド
300 視点領域
D 観察者
I 虚像
Lc 基準光線
Lu 上光線
Ll 下光線
P1 近視位置
P2 遠視位置
R 路面

Claims (10)

  1. 移動体に設置され、画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、
    前記画像を表示する表示デバイスと、前記画像を拡大して投影する投射光学系と、を含み、前記虚像の位置を、前記観察者から遠い遠視位置と、前記観察者に近い近視位置とに変化させる結像位置可変部を備え、
    前記結像位置可変部は、前記遠視位置において、前記観察者の視点が位置する視点領域の中心に到達する基準光線の垂直面に対して、前記虚像の上端を前記移動体の前方に第2の傾斜角度で傾斜させ、前記近視位置において、前記基準光線の垂直面に対して、前記虚像の上端を前記移動体の前方に前記第2の傾斜角度よりも小さい第1の傾斜角度で傾斜させ、
    前記投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、
    前記少なくとも一つの光学素子は、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側から、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側までの間のパワーの変化により、前記遠視位置における前記虚像の下端を、前記移動体の前方の路面の位置以上の高い位置になる前記第2の傾斜角度にする、
    ヘッドアップディスプレイ。
  2. 移動体に設置され、画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、
    前記画像を表示する表示デバイスと、前記画像を拡大して投影する投射光学系と、を含み、前記虚像の位置を、前記観察者から遠い遠視位置と、前記観察者に近い近視位置とに変化させる結像位置可変部を備え、
    前記結像位置可変部は、前記遠視位置において、前記観察者の視点が位置する視点領域の中心に到達する基準光線の垂直面に対して、前記虚像の上端を前記移動体の前方に第2の傾斜角度で傾斜させ、前記近視位置において、前記基準光線の垂直面に対して、前記虚像の上端を前記移動体の前方に前記第2の傾斜角度よりも小さい第1の傾斜角度で傾斜させ、
    前記投射光学系は、少なくとも一つの光学素子を備え、
    前記少なくとも一つの光学素子は、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側から、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側までの間のパワーの変化により、前記移動体が傾斜する姿勢変動が生じた際であっても、前記遠視位置における前記虚像の下端を、前記移動体の前方の路面の位置以上の高い位置になる前記第1の傾斜角度にする、
    ヘッドアップディスプレイ。
  3. 前記投射光学系は、前記少なくとも一つの光学素子を含む複数の光学素子を備え、
    前記結像位置可変部は、前記複数の光学素子のうちの前記少なくとも一つの光学素子と、他の光学素子との前記基準光線方向の間隔を変えることにより、前記虚像の位置を変化させる、
    請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイ。
  4. 前記少なくとも一つの光学素子は、パワーを変化させることが可能なパワー可変光学素子であり
    前記結像位置可変部は、前記パワー可変光学素子のパワーを変化させることにより、前記虚像の位置を変化させる、
    請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイ。
  5. 前記表示デバイスは、前記基準光線に対して、画像表示が傾斜している、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  6. 前記少なくとも一つの光学素子は、上下方向のパワーが異なっており、焦点面が基準光線に対して傾斜している、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  7. 前記少なくとも一つの光学素子が負のパワーを有しており、当該光学素子における、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側の負のパワーを強くし、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側の負のパワーを弱くした、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  8. 前記少なくとも一つの光学素子が正のパワーを有しており、当該光学素子における、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側の正のパワーを弱くし、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側の正のパワーを強くした、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  9. 前記少なくとも一つの光学素子が負のパワーを有しており、当該光学素子における、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側のレンズ中心部付近に対する周辺部との厚さの比である1より大きい偏肉比を、前記虚像の上側に到達する光線が通過する側の前記偏肉比に比べて、相対的に大きくした、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  10. 前記少なくとも一つの光学素子が正のパワーを有しており、当該光学素子における、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側のレンズ中心部付近に対する周辺部との厚さの比である偏肉比を、前記虚像の下側に到達する光線が通過する側の前記偏肉比に比べて、相対的に大きくした、
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。
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