JP7202183B2 - 非視覚的生理作用を刺激する方法と眼科用エレメント - Google Patents

非視覚的生理作用を刺激する方法と眼科用エレメント Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、非視覚的生理作用を刺激することに適した方法と眼科用エレメントに関する。
[背景技術]
可視範囲内の光が人間の非視覚的生理作用に関する役割を果たすことが何年か前より知られている。特に、可視光の一部は対象者の概日リズムの制御に関与している。
すると、概日リズムの維持又は調整を助けることは、時差ぼけを感じる、労働時間と休息時間が不規則な交代勤務に携わる、又は睡眠障害のある対象者にとって有利であるかもしれない。この目的のために、米国特許第7,748,845号は、夜間に490nm(ナノメートル)未満の波長の光を選択的に遮断し、又はそれに対する網膜の曝露を低減させることにより、対象者の概日リズムを維持する方法と装置を提案している。これらの方法と装置は、睡眠ホルモンであるメラトニンが光により影響を受けるという発見に基づいており、メラトニンの分泌は420nm~520nmの波長の光への夜間曝露により抑制されると言われている。
同じ目的のために、米国特許第7,520,607号は、約530nm以下のある波長範囲を有する光の入射波長の50%超を遮断し、それと同時に、光のうち遮断されない波長の50%超を透過させることによって、光によるメラトニン抑制を阻害するための方法と装置を提案している。このようにして、米国特許第7,520,607号の方法と装置を夜に利用すると、メラトニン生成の光による抑制を阻害できる。それに加えて、米国特許第7,520,607号は、使用される装置がフィルタを実装してもよく、ユーザが操作可能なレンズであってもよく、これは眼鏡、ゴーグル、コンタクトレンズ、及び安全眼鏡等のアイウェアに組み込まれる可能性がある。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
この状況から、本発明の1つの目的は、このような装置の効率を定量化するための方法を提供することである。
本発明の他の目的は、非視覚的生理作用を刺激するための装置を、その効率の定量的評価と共に提供することである。
[課題を解決するための手段]
これらの目的の少なくとも1つ又はその他を達成するために、本発明の第一の態様は、少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激することに関する光フィルタの効率を定量化するための方法を提案し、この少なくとも1つの非視覚的生理作用は、対象者の眼に入る光の一部に反応する。本発明の方法は、フィルタの効率係数Fを、波長可視範囲[380nm~780nm]での、パーセンテージの値で表現されるフィルタの分光透過率Tと、非視覚的生理作用の分光感度プロファイルMと、フィルタを用いないときに対象者の眼に入る光の少なくとも一部に対応する光強度の分光分布Eに基づいて計算するステップを含む。
本発明の枠内で、「少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激する」という語句は、フィルタにより生成される非視覚的生理作用のあらゆる変調を含み、これには非視覚的生理作用のトリガ、活性化、強化、低減、抑制、及び阻止が含まれる。
本発明の効率係数は、フィルタの分光特性のほか、非視覚的生理作用の分光特性と光のそれらもまた考慮する。それゆえ、効率係数は、少なくとも1つの具体的な光環境における非視覚的生理作用に関するフィルタ効率の真の評価である。
本発明の好ましい実施例において、フィルタの効率係数Fは次式を使って計算されてもよい:
Figure 0007202183000001
式中、
λは、380nm~780nmの可視範囲内の光波長であり、
T(λ)は、波長λでのフィルタの透過率の値であり、
M(λ)は、波長λでの非視覚的生理作用の分光感度プロファイルMの値であり、
E(λ)は、波長λでの光強度の分光分布Eの値である。
T(λ)は、パーセンテージの値%として表現され、E(λ)は、1平方メールあたり1ナノメートルあたりワット(W・m-2・nm-1)で表現されてもよい。M(λ)は、光強度の分光分布Eに適用される増倍率として表現される。特に、M(λ)は、パーセンテージの値として、若しくは最大値で1に正規化されて、又はパーセンテージによるM値からの一次変換により得られる他の何れかのスケールを使って表現されてよい。実際に、M値にこのような一次スケール変換を適用しても、式(1)から得られる効率係数Fの値は変化しない。
効率係数Fはそれゆえ、非視覚的生理作用の分光感度プロファイルMの値と光強度の分光分布Eとの積を分光重み付けとして用いた、波長可視範囲でのフィルタ透過率Tの平均に基づくものである。それに加えて、効率係数Fは0~100(両極端を含む)の範囲であり、非視覚的生理作用に関する最大効率では100と等しい。特に、フィルタは、その効率係数Fの値が30以上、好ましくは70より大きい、より好ましくは90より大きい場合、少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するのに効率的であると言われてもよい。
光強度の分光分布Eは、少なくとも1つの光源に関する分光強度分布の測定値、又は少なくとも1つの光源の分光強度分布のモデル、又は少なくとも1つの光源の強度の分光分布の表を含んでいてもよい。
対象者の眼に入る光が幾つかの光源から発せられる光量の組合せである場合、1つの効率係数の値はフィルタについて、光源ごとに別々に、この光源により放出された光強度の分光分布を使って計算されてもよい。その後、合成された効率係数の値が、それぞれ各光源で計算された効率係数の値の加重平均として計算されてもよい。
本発明が関係するフィルタは、眼科用エレメントの一部であってもよく、これは、このエレメントを装備した装用者により使用されたときにシースルーとなるようになされる。特に、フィルタは眼鏡の一部、又は眼鏡に取り付けられる予定の眼科用パッチの一部であってもよい。
少なくとも2つのフィルタを考えるとき、一方の効率係数の値はこれらのフィルタの各々について別々に計算されてもよく、方法は、フィルタのそれぞれの効率係数の値を比較するステップと、効率係数のより高い値を有するフィルタを、少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するのに最も効率的であると表明するステップと、をさらに含んでいてもよい。
本発明の方法は、フィルタを通じて透過した光に関するbのCIE Labの比色分析パラメータの値を得るステップと、効率係数Fの値がK×b(Kは1以上の係数)以上の場合に、このフィルタの複数のユニットを複製又は製造するためのフィルタを選択するステップをさらに含んでいてもよい。すると、複製又は製造されたフィルタは、審美的特徴、装用者にとって十分な色再現、及び非視覚的生理作用に関する効率を併せ持つ。b値を評価するために、CIEイルミナントD65が使用されてもよい。
K係数が1.2の場合、特に100までの係数Fについてbは84未満であってもよく、又は特に70までのF係数についてbは59未満であってもよく、又は特に30以下のFについて、bは25未満であってもよい。
本発明の特定の実施例において、少なくとも1つの非視覚的生理作用は、対象者の眼に入り、メラノプシンの分光感度範囲に含まれる光の量を減らすことにより刺激されてもよい。すると、効率係数の値を計算するために使用される予定の分光感度プロファイルMは、メラノプシンの分光感度プロファイルであってもよい。このような場合、フィルタは、有利な態様として、フィルタの透過率Tが、下限の波長と上限の波長により限定されるメラノプシン吸収波長範囲に含まれる少なくとも1つの第一の波長の値について70%未満であり、フィルタの透過率Tが下限の波長より低い少なくとも1つの第二の波長の値について70%より高く、上限波長より高い少なくとも1つの第三の波長の値についても70%より高く、第一、第二、及び第三の波長の値は波長可視範囲内にあるように設計されてもよい。このようにして、十分な光強度が対象者の眼に入ることができ、それと同時に、非視覚的生理作用に関する十分な効率が保たれる。
メラノプシンの分光感度プロファイルに基づくフィルタの改良により、対象者の眼にフィルタを通して透過する光の無彩色を保つことができる。この改良によれば、フィルタはさらに、その透過率Tが波長可視範囲内で少なくとも2つの極小領域と少なくとも1つの極大領域を持つプロファイルを有するように設計されてもよい。極小領域の第一の領域は、メラノプシン吸収波長範囲内にある極小波長を含み、極小領域の第二の領域はメラノプシン吸収波長範囲の外にある別の極小波長を含み、極大領域は波長において前記第一及び第二の極小領域間の中間である。このようなフィルタの設計は、カラーバランスを実現する。このようなカラーバランスフィルタの場合、効率係数FはK×b以上であってもよく、K係数は2.2以上であり得る。それゆえ、非視覚的生理作用に関する有効性、対象者にとっての良好な色再現、及びフィルタ装置の無彩色又は審美性の組合せが大きく改良される。極小領域の第二の領域は好ましくは、メラノプシンによる非視覚的生理作用のために、第一の極小領域に関してより高い波長の値に向かってシフトされる。
メラノプシンによる作用に関する本発明のさらに改良された実施例において、第二の極小領域は、メラノプシン再生分光範囲の少なくとも一部と重複してもよく、このメラノプシン再生分光範囲の中に含まれる波長を有する光は、メラノプシン感光色素の再生、特にこの後者の高速再生を刺激する。実際、本発明の方法とフィルタは、メラノプシンが双安定であってもよいとの仮説を利用する。560nm~600nmの波長をもち、ピークが580nmにある放射の網膜吸収は、メラノプシン感光色素の再生に関わっているかもしれない。それぞれがメラノプシンの吸収分光範囲と再生分光範囲にある2つの極小領域を持つフィルタの分光透過率を提供することは、メラノプシンを含む網膜神経節細胞の最適化された阻害に貢献する。すると、式(1)により定義される効率係数Fは、メラノプシンのこのような双安定挙動を考慮して実現されてよい。このために、式(1)で使用される予定の分光感度プロファイルMは、メラノプシン吸収とメラノプシン再生に関わる2つのメラノプシン状態のそれぞれの分光感度プロファイルの組合せであってもよい。このようなプロファイルの組合せは、適当な重み係数との一次結合であってもよい。
本発明の第二の態様は眼科用エレメントを提案し、これは、このエレメントを装着した装用者により使用されたときにシースルーとなるようになされ、少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するようになされている。このエレメントは、波長可視範囲[380nm~780nm]でのパーセンテージの値として表現される分光透過率Tによる分光フィルタ効果を有する。それは、このエレメントについて計算された効率係数Fの値が30以上、好ましくは70より高く、より好ましくは90より高くなるようになされ、この効率係数の値は、透過率T、非視覚的生理作用の分光感度プロファイルM、及びフィルタを使用しない場合に装用者の眼に入る光の少なくとも一部に対応する光強度の分光分布Eに基づいて計算される。エレメントの効率係数の値は、K×b以上であり、Kは1以上のCIE Lab係数であり、bはエレメントを通じて透過する光の比色分析パラメータである。b値は、CIEにより定義されるイルミナントD65を使って評価されてもよい。
K係数が1.2と等しいとき、bは、特に100までの係数Fについて84未満であってもよく、又はbは、特に70までのF係数について59未満であってもよく、又はbは、特に30以下のFについて25未満であってもよい。
あるいは、K係数は2.2と等しくてもよく、bは45未満、好ましくは32未満、より好ましくは14未満であってもよい。
特に、効率係数Fは上記の式(1)を使って計算されてもよく、Τ(λ)はパーセンテージの値で表現される、波長λでのエレメントの透過率の値であり、その他の記号は前述の意味を有する。
強度分光分布Eは、昼光、白熱光源、エレクトロルミネッセントダイオード、ディスプレイ用バックライト、自発光装置、又は蛍光光源に関していてもよい。
波長可視範囲にわたり計算される昼光に関するエレメントの積分光透過率は、70%より高くてもよい。このような条件で、エレメントは透明な眼鏡を形成してもよい。
エレメントはまた、日光保護用眼鏡であってもよい。
眼科用エレメントは、メラノプシンに基づく非視覚的生理作用を刺激するようになされていてもよい。このような場合、エレメントは、有利な点として、フィルタに関してこの点で前述した特徴を有していてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、眼科用エレメントは、透明マトリクス材料の一部及び、透明マトリクス材料内に分散された第一の量の第一の光吸収色素を含んでいてもよい。この第一の光吸収色素は、眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の460nm~510nmである第一の吸光最大値を有していてもよい。このような波長範囲は、メラノプシンによる最大吸光に対応する。好ましくは、第一の光吸収色素は、この第一の光吸収色素が塩化メチレン(CHCl)中に溶解しているときに、第一の吸光最大値が40nm未満の半値全幅の光波長で487nm~497nmである、というものであってよい。
最も好ましくは、また、特にカラーバランス効果を実現するために、眼科用エレメントは第二の量の第二の光吸収色素をさらに含んでいてもよく、これもまた、透明マトリクス材料中に分散させられる。この第二の光吸収色素は、眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の550nm~630nmである第二の吸光最大値を有していてもよい。このような波長範囲は光によるメラノプシン再生に対応する。好ましくは、第二の光吸収色素は、この第二の光吸収色素が塩化メチレン中に溶解しているときに、第二の吸光最大値が30nm未満の半値全幅の光波長で579nm~589nmである、というものであってよい。
このような眼科用エレメントがある量の第一の光吸収色素と第二の光吸収色素の両方を含む場合、これらの量は、眼科用エレメントの効率係数が30より高く、bが10未満となる、というものであってよい。
眼科用エレメントはまた、少なくとも2つの状態のうちの何れか一方にとどまるようになされていてもよく、各状態は、効率係数Fについて、もう一方の状態に関する値とは異なる1つの値に対応し、エレメントはまた、両方の状態の間で切り換えられるようになされていてもよい。それゆえ、当業者の専門用語においては、眼科用エレメントはスマートエレメントであってもよい。特に、エレメントの状態は電気的に制御されてもよい。エレメントはまた、エレメントの現在の状態をリアルタイムで制御し、以下の基準のうちの少なくとも1つに基づいて他方の状態への切換えを制御するようになされたコントローラをさらに含んでいてもよい:
- 現在、エレメントに到達している光の少なくとも1つの特徴、
- ある期間中にエレメントに到達した光の少なくとも1つの特徴の履歴、
- エレメントの装用者の年齢、
- エレメントの装用者の行動データ及び/又は生活様式データ、
- エレメントの装用者が入力する少なくとも1つの制御動作。
一般に、第二の発明の態様に関して、眼科用エレメントは、眼鏡の少なくとも一部又は、眼鏡に取り付けられる予定の眼科用パッチの少なくとも一部を形成してもよい。
ここで、本発明のこれら及びその他の特徴を、添付図面を参照しながら説明するが、これらは本発明の好ましいが限定的ではない実施形態に関する。
[図面の簡単な説明]
[図1-3]本発明を実施することにより設計される幾つかのフィルタのスペクトル図である。
[図4]本発明による眼鏡の断面図である。
[発明を実施するための形態]
明瞭性を期し、図4に示される要素の大きさは実際の寸法又は寸法比に対応していない。
本発明は何れの非視覚的生理作用にも適用できるが、ここでは、例としてメラノプシンにより刺激されるこのような作用について説明する。
メラノプシンは、最近になって(2000年頃)発見された、人間の網膜内の第三の光受容体である。これは天然の感光色素であり、網膜神経節細胞の1~3%のみに含まれ、脳の非視覚領域に向けられた信号を生成する。これらの信号は、特に各種の非視覚的生理機能を調整することに関与し、これには気分、体温、瞳孔反射、ホルモンの働き、及び人間の体内時計の機能も含まれる。睡眠はメラトニンホルモンが生成されると改善されることもよく知られているが、メラトニンの生成は、メラノプシンの光刺激により阻害される。幾つかの状況では、対象者の行動を改善するために、メラノプシンによる作用の少なくとも幾つかを阻害することが望まれるかもしれない。これは、例えば時差ぼけ、交代勤務、又は自発光装置による長時間の光曝露により、リズムが不規則となった、又は逆転した対象者にとって有益であるかもしれない。
メラノプシンの吸光は、特許請求項1の図に示されているように、410nm(ナノメートル)~580nm、最大半量の感度が450nm~530nm、及び最大感度が460nm~510nmの範囲に含まれる波長を有する光について起こる。このプロットにおいて、x軸は、380nm~780nmの可視範囲での波長の値λを表し、y軸は、入射光のパーセントの値として表現されるメラノプシンの分光吸収値A(λ)を表す。したがって、この吸収範囲内の波長の光は、メラノプシンによる非視覚的生理作用を刺激する。A(λ)の正確な値は科学文献に記載されている。
この目的のために、メラノプシン感受性スペクトルに合わせて調整された光フィルタ効果を有するゴーグルと眼鏡がこれまでに提案されている。このような既知のゴーグルと眼鏡は、カットオフ波長が510nm~530nmの範囲であるロングパス吸収フィルタを含む。このような既知のゴーグルと眼鏡は色認識と暗所視に強く影響し、これらは審美的に好ましくなく見える。実際に、このようなゴーグルは黄色から橙色に見える。これらは、b値が非常に高く、これは色の中性さがないことを示す。これに加えて、これらの既知のゴーグルと眼鏡には、中間的な効率又は変調効果がまったく取り入れられていない。
さらに、メラノプシンによる生理作用に関するこれらの装置の幾つかの効率を判断することは難しく、それは、平均光透過率又は比色分析パラメータ等の一般的に使用されているパラメータがメラノプシンの吸光範囲にマッチしないからである。この問題に対処するために、本発明は次の効率係数Fを導入する:
Figure 0007202183000002
式中、E(λ)はゴーグル又は眼鏡をかけていないときに装用者の眼に入る入射光に対応する光強度分布Eの波長λでの値であり、W・m-2・nm-1の単位で表現され、M(λ)は、非視覚的生理作用の分光感度プロファイルMの波長λでの値であり、光強度分布Eに適用される増倍率として表現され、T(λ)はゴーグル又は眼鏡の光透過率の波長λでの値であり、パーセンテージの値として表現される。メラノプシンによる生理作用の特定の場合では、メラノプシンの分光吸収値A(λ)が値M(λ)の代わりに使用され、これはおそらくパーセンテージの値として表現される。すると、効率係数Fは、メラノプシンの吸光範囲内の波長の値を有する光成分を遮断するためのゴーグル又は眼鏡の効率を定量化するのに適している。Fが100と等しいことは、メラノプシンの吸光範囲内のすべての光がこのゴーグル又は眼鏡により除去されることを意味し、Fが0と等しいことは、このゴーグル又は眼鏡がメラノプシンによる生体作用に影響を与えないことを意味する。図1のプロットはまた、TF30、TF50、TF80、及びTF90として示される4つのフィルタプロファイルも示しており、これらはそれぞれ効率係数Fが約30、約50、約80、及び約90の値に対応する。明らかに、本発明の効率係数Fは、本明細書の中で例としてのみ使用されるゴーグルと眼鏡以外の視覚装置にも適用されてよい。
しかし、フィルタプロファイルTF30、TF50、及びTF80は、メラノプシンによる生理作用に関して、関係する視覚装置のある程度の効率を示しているが、これらの装置は透過光において強力な色を示し、それによってこれらの装置の装用者にとって、色再現が変化するかもしれない。プロファイルTF30、TF50、及びTF80に対応するロングパス吸収型フィルタは、波長が527nm未満であるときに光を低減させ、又は遮断するように設計されているため、装置は透過光において黄色又は橙色に見える。この透過光の色は、例えばCIE基準において定義されているイルミナントAと、シリーズD及びFからの1つのイルミナント、例えばイルミナントD65について測定又は計算された、よく知られているbの比色分析パラメータで定量化できる。実践的に、メラノプシンによる生理作用に関する効率係数Fの高い値を有するフィルタを設計することにより、b比色分析パラメータの値が高くなるかもしれず、これは色再現にとって不利である。
この色再現の問題を軽減するために、以下に示すような幾つかの方法が実行されてもよく、これらは個別にも、又はそのうちの少なくとも2つを組み合わせても実施されてよい:
- 図1に示されるフィルタプロファイルTF30、TF50、及びTF80を変更して、メラノプシン光吸収波長範囲、すなわち460nm~510nmの光透過率の値が低下しているが、460nm未満の少なくとも幾つかの波長後と510nmより大きい少なくとも幾つかのその他の波長の値については光透過率の値が増大している新しいプロファイルを得ること。換言すれば、このプロファイルは、有利な点として、メラノプシン光吸収波長範囲に対応する1つの極小領域だけでなく、それぞれ460nm未満と510nm超にある2つの極大領域を示してもよい。このようにして、460nm未満にある極大領域は、視覚装置により装用者の眼へと透過させられる光の中に紫色光を再び導入することにより、b比色分析パラメータの値を下げる傾向がある。これは、「選択特性効果」と呼ばれてもよい。図2のプロットは図1のそれと同様であり、再びメラノプシン光吸収プロファイルが用いられているが、T’F30、T’F50、及びT’F80と表示された別のプロファイルはこれらが説明する第二のプロファイルタイプに対応する。プロファイルT’F30、T’F50、及びT’F80は、それぞれプロファイルTF30、TF50、及びTF80と実質的に同じ効率係数Fの値に対応しており、これは、TF30とT’F30が図1及び2に示されるメラノプシン光吸収範囲にわたって同様の値を有し、TF50とT’F50についても、さらにTF80及びT’F80についても同様である。
- 効率係数の値を低下させずに、視覚装置の色再現を改善するための別の方法は、フィルタの透過率プロファイルを、それが第一の極小領域に加えて、メラノプシン光吸収範囲に重ねられる別の極小領域を呈するように設計することである。すると、両方の極小領域は520nmのすぐ上にあってもよい極大領域により分離される。メラノプシン光吸収範囲及び極大領域より上にある第二の極小領域は、b比色分析パラメータにおける高い波長の値の貢献度を低減させ、それによってこのb比色分析パラメータの値を下げる。これは、「カラーバランス効果」と呼ばれてもよい。図3のプロットは、再度、図1のそれと同様であるが、T’’F30、T’’F50、及びT’’F80と表示されたまた別のプロファイルは、これから説明する第三のプロファイルタイプに対応する。プロファイルT’’30、T’’50、及びT’’F80はまた、効率係数Fに関して、再び同じメラノプシン分光吸収プロファイルを使用したときに前述のものと同じ理由でそれぞれプロファイルTF30、TF50、及びTF80と実質的に同じ値に対応する。実際に、図3に示されるフィルタプロファイルは、選択特性及びカラーバランスプロファイルのタイプ(第二及び第三のプロファイルタイプ)の組合せである。これは、460nm未満の極大領域、460nm~510nmのメラノプシン光吸収範囲内の極小領域、510nm~550nmの別の極大領域、及び550nm~630nmの別の極小領域を組み合わせている。
- メラノプシンによる生理作用を効率的に刺激することと、bパラメータの値を限定することの間のトレードオフを選択すること。このようなトレードオフは、効率係数FがK×b以上であると表現されてもよく、Kは1以上の係数である。K係数が1.2で、bが84未満の装置を使用する装用者からは、肯定的なフィードバックを受け取った。より低い値のb比色分析パラメータで1.2×b以下のFのトレードオフ条件を維持することにより、視覚装置が改善される。好ましくは、比色分析パラメータaの値は、bについて使用されたものと同じイルミナントの場合に正又はゼロである。
各フィルタを通じた色再現のための特別な要求事項は、自動車運転分野のQ信号の値により表現されてもよい。既知のQ信号の要求事項はフィルタにより満たされてもよく、これは、ベースカラーが確実に対象者によりフィルタを通じてはっきりと識別できるようにするためである。本発明による各フィルタは、黄色から橙色の先行技術のロングパスフィルタのプロファイルタイプより、Q信号の値に関する限定をよく満たす。
実際に、メラノプシンは二重の受光感度を有する。すなわち、これは460nm~510nmの波長範囲の光を吸収し、その結果、前述のように非視覚的生理作用を刺激するだけでなく、約560nm~600nm、ほとんど580nmも吸収して、メラノプシンを再生する。実際、メラノプシン分子が460nm~510nmの波長の光を吸収すると、これらは第一の分子状態から、460nm~510nmの光に対する感度を持たなくなった第二の分子状態に変換される。しかしながら、これらはすると、550nm~630nmの範囲内にある波長の光に対する感度を持ち、それによってこれらは第一の状態に戻る。それゆえ、メラノプシンは、この後者の波長範囲の光で再生できる。すると、メラノプシンによる非視覚的生理作用を阻害するための完全な方法は、非視覚的生理作用の刺激を生成する光への曝露を減少させるか、抑制することに加えて、メラノプシン再生を阻害することにある。これは、上述の第三のタイプのフィルタの透過率プロファイルで、第二の極小領域をメラノプシン再生波長範囲に位置付ける、すなわち第三のタイプのフィルタ透過率プロファイルの第二の極小領域を550nm~630nmの波長範囲に重ねることによって得られてもよい。図3のプロファイルはこのような実施に対応する。これを発明者は「デュアルメラノプシン効果」と呼ぶ。
このようなデュアルメラノプシン効果を改良された方法を達成するために、効率係数Fの計算に使用される予定の分光感度プロファイルM(λ)は、メラノプシンの両方の分子状態のそれぞれの分光感度プロファイルの組合せであってもよい。一次結合が使用される場合、M(λ)=α・M(λ)+α・M(λ)であり、M(λ)はメラノプシンの分子状態の第一の状態の分光感度プロファイルであり、M(λ)はメラノプシンのこれらの分子状態の第二の状態の分光感度プロファイルであり、α及びαは重み係数である。M(λ)とM(λ)は、メラノプシンの両方の状態のそれぞれの分光吸収プロファイルであってもよく、これらは科学文献からわかる。分光吸収プロファイルM(λ)のピークは460nm~510nmの間にあり、分光吸収プロファイルM(λ)のピークは550nm~630nmの間にある。例えば、重み係数α及びαはどちらも0.5と等しくてもよく、又は、別の例として、αは0.75と等しくてもよく、αは0.25と等しくてもよい。
光強度分布Eは、当業界で知られている何れのイルミナントのそれであってもよい。これはまた、例えば本発明の眼科用エレメントの装用者によって使用される予定のあらゆる実際の光源、例えば昼光、白熱光源、エレクトロルミネッセントダイオード、ディスプレイ用バックライト、又は蛍光光源等の分光強度分布であってもよい。しかしながら、光強度分布はまた、各々が別の光強度分布Eに対応し、iは1~Nの正の整数であり、Nは光源の数である。このような場合、別の効率係数Fが、同一のフィルタ又は眼科用エレメントについて、ただし各光源iについて、次式(1’)に従って、計算されてもよい:
Figure 0007202183000003
すると、組み合わされた効率係数Fがこれらの別々の効率係数Fから、式(2)による一次結合によって計算されてもよい:
Figure 0007202183000004
式中、wは光源iの重み係数である。式(2)から得られるこのような平均効率係数Fにより、対象者の経験する実際の光の組成を一度にフィットさせること、又は幾つかの曝露期間ごとに異なる光の組成をフィットさせることが可能となる。第一のケースでは、実際の光がN個の光源から同時に発せられると、各重み係数wは可視範囲について積分された光源iの光強度を、N個の光源について合算され、同じく可視範囲について積分された全体の光強度で割ったものに対応してもよい。対象者がそれぞれの持続期間にわたり異なる光源に曝露される第二のケースでは、各重み係数wは、光源iに関する曝露持続時間を、N個すべての光源に関する曝露持続時間の合計で割ったものに対応してもよい。これらの複数の光曝露状況のための各光源iは、他の光源とは独立した昼光、白熱光源、エレクトロルミネッセントダイオード、ディスプレイ用バックライト、又は蛍光光源であってもよい。
非視覚的生理作用を刺激することを専用とするフィルタを設計するための上記のルールを提供したところで、このようなフィルタを生成することは、フィルタのパラメータ又は構成要素を適切に選択することを含み、これらは、吸収型フィルタの場合は色素分子、フィルタの厚さ、及び色素濃度、反射型フィルタの場合は光波伝播媒質、光波伝播媒質の厚さ、接合部形成材料、又は接合層を含む。おそらく、各種のタイプのいくつかのフィルタを相互に積層させて、結合することにより、その結果として、本発明により設計された目標のプロファイルとマッチするフィルタプロファイルを得てもよい。
このようなフィルタは、特に眼鏡、ゴーグル、マスク、保護シート、ヘルメットの窓部等の視覚装置用の自立型であってもよい。おそらく、傷を防止し、クリーニングしやすくするための保護透明膜間に積層されてもよい。
あるいは、フィルタは、透明基板により提供される視覚的機能に加えて、非視覚的生理作用の所望の刺激を生成するために透明基板上に積層されてもよい。特に、透明基板は眼科用の眼鏡レンズであってもよい。このような眼鏡レンズは、屈折異常矯正レンズ、又は日光保護レンズ、又は他の何れかの目的に専用とされるベースとなる眼鏡レンズであってもよい。おそらく、日光保護機能は、基板によって提供されるだけでなく、基板とフィルタの組合せの結果であってもよく、あるいはフィルタだけにより提供されてもよい。またおそらくは、フィルタは眼鏡に適用される予定の眼科用パッチを形成してもよい。
幾つかのフィルタが結合される場合、これらのうちのいくつかは、基板の第一の面に積層されてもよく、他のフィルタは基板の、第一の面とは反対の第二の面に積層されてもよい。このような場合、両面のフィルタは同様でも異なっていてもよい。
各フィルタは、欧州特許第1 866 144号において教示されている積層プロセスにより、基板形成レンズ上に積層されてもよく、この基板形成レンズはおそらく機能層を担持する。
図4は、本発明により設計されたフィルタを基板形成眼科用レンズの上に積層することによって得られる眼鏡を示す。参照番号1及び2は、それぞれ眼科用レンズとフィルタを示す。
より詳しくは、基板として使用可能な眼鏡は、装用者の視力を矯正すること、装用者の眼を保護すること、及び/又は装用者の視力を向上させることを目的としたレンズであってもよい。適当な眼科用レンズの非限定的な例は、非矯正用(プラノ又はアフォーカルレンズとも呼ばれる)及び、単焦点又は、区画分けされていてもされていなくてもよい二焦点、三焦点、若しくは累進レンズ等の多焦点レンズを含む矯正用レンズを含む。このような眼科用レンズは、セミフィニッシュトレンズでもフィニッシュトレンズでもよく、一般に、眼鏡だけでなくコンタクトレンズ用の、眼科業界で使用されるあらゆるタイプの眼科用基板でよい。それは、ミネラルガラス又は有機材料から製作されていてもよい。
基板形成レンズのための有機材料は、例えばポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリウレタン、及びこれらのコポリマ、ポリ(エチレンテレフタレート)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)から選択される熱可塑性材料であってもよい。本明細書において使用されるかぎり、ポリカーボネート(PC)は、ホモポリカーボネート又はコポリカーボネート又はブロックコポリカーボネートの何れかを意味するものとする。(コ)ポリマは、コポリマ又はポリマを意味するものとし、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味するものとする。
基板形成レンズのための有機材料はまた、例えば、エチレン/ノルボルネン又はエチレン/シクロペンタジエンコポリマ等のシクロオレフィンコポリマ、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(CR 39(登録商標))等の直鎖又は分岐状脂肪酸又は芳香族ポリオールのアリルカーボネートのホモ及びコポリマ、ビフェノールAから得られる(メタ)アクリル酸及びそのエステル類のホモ及びコポリマ、チオ(メタ)アクリル酸及びそのエステル類のポリマ及びコポリマ、ビスフェノールA又はフタル酸及びスチレン等のアリル芳香族から得られるアリルエステル類のポリマ及びコポリマ、ウレタン及びチオウレタン等のポリマ及びコポリマ、並びに硫化物、ジスルフィド、エピスルフィドのポリマ及びコポリマ、これらの組合せ等から選択される熱可硬化性材料であってもよい。
特に推奨される基板形成レンズは、例えばPPG Industries社によりCR-39(登録商標)の商品名で販売されているジエチレングリコールビスアリルカーボネート(ORMA(登録商標)レンズ、ESSILOR)、若しくは例えば三井によりMRシリーズとして販売されるポリチオウレタン/ポリスルフィドの(コ)ポリマリゼーションを通じて得られる基板、又は屈折率が1.54及び1.58のアリル酸及び(メタ)アクリル酸コポリマを含む。基板形成レンズに適したさらにまた別の有機材料は、PPG Industries社がTrivex(登録商標)の商品名で販売し、窒素富化ウレタン系プレポリマから得られるものである。
基板形成レンズの、本発明のフィルタがこのような基板形成レンズにより支持される場合のために引用されたすべての材料はまた、自立型フィルタのためのフィルタマトリクス材料としても使用されてよい。これらの後者の場合、色素分子はマトリクス材料中に分散されてもよい。
フィルタが基板形成レンズにより支持される場合、フィルタのマトリクス材料はまた、ニスであってもよく、あるいは米国特許第6,187,444号及び米国特許第7,258,437号に記載されているようなポリウレタンベースの層であってもよい。
本発明を実施するフィルタは、単層又は多層構造を有していてもよい。これは、基板形成レンズの上に直接堆積させられてもよい。幾つかの用途において、基板形成レンズは、フィルタを堆積させる前に、1つ又は複数の機能コーティングで被覆されてもよい。他の用途において、1つ又は複数の機能コーティングはフィルタの上にコーティングされる。光学系で一般に使用されるこれらの機能コーティングは、耐衝撃プライマ層、傷防止コーティング及び/又はスクラッチ耐性コーティング、偏光コーティング、フォトクロミックコーティング、又は着色コーティングであってもよく、これらに限定されない。表面特性を改質することのできるコーティング、例えば撥水及び/又は撥油コーティング(汚れ防止、しみ防止、曇り防止)もまた、最後の機能コーティングの露出面上に、基板と反対の方向に沿って堆積させてもよい。
特に、審美性のため、特に空からの昼光を含む装用者の環境から発せられる光から眼科用エレメントにより生成される光反射の色と強度を選択するためのコーティングがフィルタと共に使用されてもよい。
本発明による、メラノプシンによる生理作用のためのフィルタは、米国オハイオ州デイトンのExciton,Inc.により製造される1種又は2種の光吸収色素を使って製造された。第一の光吸収色素は、P491と呼ばれ、その光吸収ピークは塩化メチレン(CHCl)で492+/-1nmの波長の値にあり、これはメラノプシンの吸光範囲に対応する。P491の光吸収ピークの半値全幅は約32nmである。第二の光吸収色素はABS 584Lと呼ばれ、その光吸収ピークは塩化メチレンで584+/-2nmの波長の値にあり、これはメラノプシンの再生範囲に対応する。ABS 584L光吸収ピークの半値全幅は約22nmである。
3つのフィルタが、眼科用レンズを形成するための1つの透明基板材料の中に組み込まれる以下の量の光吸収色素を使って製造された:
フィルタF1:透明基板材料100g(グラム)あたり光吸収色素Exciton P491を1.2mg(ミリグラム)、Exciton ABS 584Lは使用せず。
フィルタF2:透明基板材料100g(グラム)あたり光吸収色素Exciton P491を1.2mg(ミリグラム)と光吸収色素Exciton ABS 584Lを0.9mg
フィルタF3:透明基板材料100g(グラム)あたり光吸収色素Exciton P491を2.4mg(ミリグラム)、Exciton ABS 584Lは使用せず。
比較のために、フィルタF0は、いずれの光吸収色素も用いずに、透明基板材材料で構成される。4つのフィルタはすべて、下表に示される測定又は評価対象の特徴に関して同一の厚さの値を有する。
Figure 0007202183000005
この表において、各コラムの特徴は、CIEのイルミナントD65について計算される以下ものである:
TBV:415~455nmの波長範囲(青-紫色)での透過率の値
TBT:460~510nmの波長範囲(青-青緑色)での透過率の値
TA:570~600nmの波長範囲(琥珀色)での透過率の値
Tv:人間の眼にとっての380~780nmの範囲での視覚的透明度
:CIE Labモデルの比色分析パラメータ。正のb値は黄色の色相を示し、負のb値は青色の色相を示す。
F:本発明の効率係数であり、メリノプシンの両方の分子状態での分光吸収プロファイルM(λ)及びM(λ)(M(λ)のピークは460nm~510nmの間にあり、M(λ)のピークは550nm~630nmの間にある)と、一次結合のための重み係数:α=0.75及びα=0.25を使って計算される
x:フィルタF0に関するメラトニン生成の増加
y:フィルタF0に関する睡眠潜時の減少
3つのフィルタF1~F3は、前述の選択特性効果を実現し、フィルタF1に関するフィルタF3の効率係数がより高いのは、光吸収色素Exciton P491の濃度が高いことによる。光吸収染料の濃度が高いことによる別の結果として、フィルタF3のb値はフィルタF1のそれより高い。
フィルタF2は、光吸収色素Exciton P491に関して光吸収色素Exciton ABS 584Lにより提供されるカラーバランス効果のおかげで、比色分析パラメータbの低い数値を回復している。また、メラノプシン再生範囲内の光吸収色素Exciton ABS 584Lの生理的有効性は実質的に、光吸収色素Exciton P491の量の2倍分と実質的に等しいようにも見える。
最も好ましい実施例において、本発明による光フィルタ機能を備える眼科用エレメントはスマートエレメントであってもよい。本明細書の枠内において、眼科用スマートエレメントとは、2つの光学的状態間で切換え、各状態を保持することのできる眼科用エレメントを指し、各状態はエレメントの効率係数Fについて、もう一方の状態の値とは異なる値に対応する。エレメントの切換えは、活動、時刻、周辺光の強度等の各種の制御パラメータにより制御又はトリガされてもよい。
しかしながら、好ましくは、本発明を実施するこのような眼科用スマートエレメントは電気的に制御される。フィルタ能力を変化させることのできる光フィルタはよく知られており、これは例えばコレステリック液晶型である。エレメントの現在の状態をリアルタイムで制御し、またもう一方の状態への切換えを制御するために、コントローラを眼科用スマートエレメントと組み合わせてもよい。切換えをトリガする基準には以下が含まれていてもよい:
- 眼科用エレメントに現在到達している光の少なくとも1つの特徴、例えば光強度。おそらく、効率係数の最小値を持つ状態は、周囲光強度の第一のレベル未満に制御されてもよく、その後、周辺光の強度が増大すると、周辺光強度の第二のレベルで飽和するまで、効率係数の値の増加が制御されてもよい。
- ある期間中に眼科用エレメントに到達した光の特徴に関する履歴。例えば、エレメントがメラノプシンによる非視覚的生理効果に関する効率のために設計されたとき、メラノプシン吸光範囲に含まれる時間積分された光の量を使用してもよい。
- エレメントの装用者の年齢。これは、高齢者は青の範囲の光成分に対する感度が低下していることが知られているからである。すると、高齢者にとっての青色の減衰を低減させるように、眼科用エレメントのフィルタリング効率を適用させることが適当であるかもしれない。
- エレメントの装用者の行動データ及び/又は生活様式データ。例えば、眼科用エレメントを睡眠の質を改善するための状態への切換えは、対象者の活動又はスケジュールに応じた所望の、又は所定の時間に制御されてもよい。
- 眼科用エレメントの装用者により入力される制御動作。装用者により制御される切換えのために、入力ボタン又は触覚領域がエレメントに提供されてもよい。
- 装用者により好まれる色の外観。例えば、装用者は暖色を好むかもしれず、これは、その人物にとって、自分の環境の視覚的認識において青色成分レベルが低いと快適であることを意味する。すると、この人物は、例えばメラノプシンによる非視覚的生理作用を刺激するために設計された眼科用エレメントのために、より高い値の効率係数Fにアクセスすることが可能である。
本発明は、メラノプシンによる非視覚的生理作用について、可視範囲内にメラノプシン吸光範囲があることによる比色分析の問題と共により詳しく説明されているが、紹介された効率係数Fは他の何れの非視覚的生理作用にも適用できることは明らかである。
また本発明は主として屈折異常の矯正又は日光からの保護のための眼鏡を含む眼鏡について説明されているが、これは、コンタクトレンズ、ゴーグル、目を保護するためのマスク、ヘルメットの窓部等にも実施できる。
本発明を実施することにより設計される幾つかのフィルタのスペクトル図である。 本発明を実施することにより設計される幾つかのフィルタのスペクトル図である。 本発明を実施することにより設計される幾つかのフィルタのスペクトル図である。 本発明による眼鏡の断面図である。

Claims (20)

  1. 少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激することに関する光のフィルタの効率を定量化するための眼科エレメントを使用する方法において、前記少なくとも1つの非視覚的生理作用は、対象者の眼に入る光の一部に反応し、前記光のフィルタは、波長可視範囲[380nm~780nm]での、パーセンテージの値で表現される分光透過率Tによる分光フィルタ効果を有し、
    前記フィルタの効率係数Fの値を、前記フィルタの透過率Tと、前記非視覚的生理作用の分光感度プロファイルMと、前記分光フィルタ効果を用いないときに前記対象者の眼に入る前記光に対応する光強度の分光分布Eに基づいて計算するステップを含む方法であって、
    前記フィルタの前記効率係数Fは次式を使って計算され:
    Figure 0007202183000006

    式中、
    λは、前記可視範囲内の光波長であり、
    T(λ)は、波長λでの前記フィルタの前記分光透過率の値であり、
    M(λ)は、波長λでの前記非視覚的生理作用の前記分光感度プロファイルMの値であり、
    E(λ)は、波長λでの前記光強度の前記分光分布Eの値であり、
    前記少なくとも1つの非視覚的生理作用は、前記対象者の眼に入る光の量であって、メラノプシンの分光感度範囲に含まれる光の量を減らすことにより刺激され、前記効率係数の値を計算するために使用される前記分光感度プロファイルMは、メラノプシンの分光感度プロファイルである、
    前記エレメントは透明マトリクス材料及び前記透明マトリクス材料中に分散した第二の量の第二の光吸収色素を含み、前記第二の光吸収色素は、前記眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の550nm~630nmである第二の吸光最大値を有する、
    方法。
  2. 前記光強度の前記分光分布Eは、少なくとも1つの光源の分光強度分布の測定値、又は少なくとも1つの光源の分光強度分布のモデル、又は少なくとも1つの光源の強度の分光分布の表を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象者の眼に入る前記光は幾つかの光源から発せられる光量の組合せであり、1つの効率係数の値は前記フィルタについて、光源ごとに別々に、前記光源により放出された前記光強度の分光分布を使って計算され、前記方法は、合成された効率係数の値を、それぞれ各光源で計算された効率係数の値の加重平均として計算するステップをさらに含む、請求項1~2の何れか1項に記載の方法。
  4. 前記フィルタは、エレメントを装備した装用者により使用されたときにシースルーとなるようになされた眼科用エレメントの一部であり、眼鏡の一部、又は眼鏡に取り付けられる予定の眼科用パッチの一部である、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
  5. 1つの効率係数の値は、少なくとも2つのフィルタの各々について別々に計算され、前記方法は、前記フィルタのそれぞれの前記効率係数の値を比較するステップと、前記効率係数のより高い値を有する前記フィルタを、前記少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するのに最も効率的であると表明するステップと、をさらに含む、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記フィルタは、前記効率係数の値が30以上より高いときに、前記少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するのに効率的
    であると表明するステップをさらに含む、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記フィルタを通じて透過した光に関するbのCIE Labの比色分析パラメータの値を得るステップと、前記フィルタの複数のユニットを複製又は製造するためのフィルタを選択するステップと、複数のユニットを製造するステップと、をさらに含み、前記効率係数Fの値がK×b以上であり、Kは1以上の係数である、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
  8. 係数Kが1.2と等しく、bは比色分析パラメータが84未満である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記フィルタは、前記フィルタの前記透過率Tが、前記波長可視範囲内の少なくとも2つの極小領域と少なくとも1つの極大領域を有するプロファイルを有し、前記極小領域の第一の極小領域はメラノプシン吸光波長範囲内にある極小波長を含み、前記極小領域の第二の極小領域はメラノプシン吸光波長範囲の外にある他の極小波長を含み、前記極大領域は、波長において前記第一及び第二の極小領域間の中間であるように設計される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第二の極小領域は、メラノプシン再生分光範囲の少なくとも一部と重複し、前記メラノプシン再生分光範囲の中に含まれる波長を有する光は、メノプシン分子の再生を刺激する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記分光感度プロファイルMは、メラノプシン吸収及びメラノプシン再生に関わる2つのメラノプシンの状態のそれぞれの分光感度プロファイルの組合せである、請求項10に記載の方法。
  12. 眼科用のエレメントであって、前記エレメントを装着した装用者により使用されたときにシースルーとなるようになされ、少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するようになされている眼科用エレメントにおいて、前記エレメントは、波長可視範囲[380nm~780nm]でのパーセンテージの値として表現される分光透過率Tによる分光フィルタ効果を有し、
    前記エレメントは、前記エレメントについて計算された効率係数Fの値が30以上より高くなるようになされ、前記効率係数の値は、前記分光透過率T、前記非視覚的生理作用の分光感度プロファイルM、及び分光フィルタ効果を使用しない場合に前記装用者の眼に入る光に対応する光強度の分光分布Eに基づいて計算され、
    前記効率係数の値は、K×b以上であり、Kは1以上の係数であり、bは前記エレメントを通じて透過する光のCIE Lab比色分析パラメータであり、
    前記効率係数Fは次式を使って計算され:
    Figure 0007202183000007

    式中、
    λは、前記可視範囲内の光波長であり、
    T(λ)は、波長λでの前記エレメントの前記分光透過率の値であり、
    M(λ)は、波長λでの前記非視覚的生理作用の前記分光感度プロファイルMの値であり、
    E(λ)は、波長λでの前記光強度の前記分光分布Eの値であり、
    前記少なくとも1つの非視覚的生理作用は、前記装用者の眼に入る光の量であって、メラノプシンの分光感度範囲に含まれる光の量を減らすことにより刺激され、前記エレメントの前記効率係数の値を計算するために使用される前記分光感度プロファイルMは、メラノプシンの分光感度プロファイルであり、
    前記眼科用エレメントは透明マトリクス材料の一部を含み、且つ、前記透明マトリクス材料内に分散された第一の量の第一の光吸収色素を含み、前記第一の光吸収色素は、前記眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の460nm~510nmである第一の吸光最大値を有し、
    係数Kが1.2と等しく、bが84未満であり、
    同じく前記透明マトリクス材料中に分散した第二の量の第二の光吸収色素をさらに含み、前記第二の光吸収色素は、前記眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の550nm~630nmである第二の吸光最大値を有する、
    眼科用エレメント。
  13. 眼科用のエレメントであって、前記エレメントを装着した装用者により使用されたときにシースルーとなるようになされ、少なくとも1つの非視覚的生理作用を刺激するようになされている眼科用エレメントにおいて、前記エレメントは、波長可視範囲[380nm~780nm]でのパーセンテージの値として表現される分光透過率Tによる分光フィルタ効果を有し、
    前記エレメントは、前記エレメントについて計算された効率係数Fの値が30以上より高くなるようになされ、前記効率係数の値は、前記分光透過率T、前記非視覚的生理作用の分光感度プロファイルM、及び分光フィルタ効果を使用しない場合に前記装用者の眼に入る光に対応する光強度の分光分布Eに基づいて計算され、
    前記効率係数の値は、K×b以上であり、Kは1以上の係数であり、bは前記エレメントを通じて透過する光のCIE Lab比色分析パラメータであり、
    前記効率係数Fは次式を使って計算され:
    Figure 0007202183000008

    式中、
    λは、前記可視範囲内の光波長であり、
    T(λ)は、波長λでの前記エレメントの前記分光透過率の値であり、
    M(λ)は、波長λでの前記非視覚的生理作用の前記分光感度プロファイルMの値であり、
    E(λ)は、波長λでの前記光強度の前記分光分布Eの値であり、
    前記少なくとも1つの非視覚的生理作用は、前記装用者の眼に入る光の量であって、メラノプシンの分光感度範囲に含まれる光の量を減らすことにより刺激され、前記エレメントの前記効率係数の値を計算するために使用される前記分光感度プロファイルMは、メラノプシンの分光感度プロファイルであり、
    前記眼科用エレメントは透明マトリクス材料の一部を含み、且つ、前記透明マトリクス材料内に分散された第一の量の第一の光吸収色素を含み、前記第一の光吸収色素は、前記眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の460nm~510nmである第一の吸光最大値を有し、
    前記エレメントの前記透過率Tが、前記波長可視範囲内の少なくとも2つの極小領域と少なくとも1つの極大領域を有するプロファイルを有し、前記極小領域の第一の極小領域はメラノプシン吸光波長範囲内にある極小波長を含み、前記極小領域の第二の極小領域はメラノプシン吸光波長範囲の外にある他の極小波長を含み、前記極大領域は、波長において前記第一及び第二の極小領域間の中間であるように設計され、
    同じく前記透明マトリクス材料中に分散した第二の量の第二の光吸収色素をさらに含み、前記第二の光吸収色素は、前記眼科用エレメントに衝突する光の波長の値の550nm~630nmである第二の吸光最大値を有する、
    眼科用エレメント。
  14. 第二の極小領域は、メラノプシン再生分光範囲の少なくとも一部と重複し、前記メラノプシン再生分光範囲の中に含まれる波長を有する光はメラノプシン分子の、前記メラノプシン分子が前記メラノプシン吸光波長範囲に含まれる波長の光を吸収した後の再生を刺激する、請求項13に記載の眼科用エレメント。
  15. 前記第一の光吸収色素は、前記第一の光吸収色素が塩化メチレン中に溶解しているときに、前記第一の吸光最大値が40nm未満の半値全幅の光波長で487nm~497nmである、というものである、請求項12または13に記載の眼科用エレメント。
  16. 前記第二の光吸収色素は、前記第二の光吸収色素が塩化メチレン中に溶解しているときに、前記第二の吸光最大値が30nm未満の半値全幅の光波長で579nm~589nmである、というものである、請求項12または13に記載の眼科用エレメント。
  17. 前記第一の量と前記第二の量は、前記眼科用の前記効率係数Fが30より高く、bが10未満となる、というものである、請求項12,13又は16に記載の眼科用エレメント。
  18. 少なくとも2つの状態のうちの何れか一方にとどまるようになされ、各状態は、前記効率係数Fについて、もう一方の状態に関する値とは異なる1つの値に対応し、前記エレメントはまた、両方の状態の間で切り換えられるようになされる、請求項12又は13に記載の眼科用エレメント。
  19. 前記エレメントの現在の状態をリアルタイムで制御し、以下の基準のうちの少なくとも1つに基づいて他方の状態への切換えを制御するようになされたコントローラをさらに含む、請求項18に記載の眼科用エレメント:
    -現在、前記エレメントに到達している光の少なくとも1つの特徴、
    -ある期間中に前記エレメントに到達した光の少なくとも1つの特徴の履歴、
    -前記エレメントの前記装用者の年齢、
    -前記エレメントの前記装用者の行動データ及び/又は生活様式データ、
    -前記エレメントの前記装用者が入力する少なくとも1つの制御動作。
  20. 眼鏡の少なくとも一部又は、眼鏡に取り付けられる予定の眼科用パッチの少なくとも一部を形成する、請求項12~19の何れか1項に記載の眼科用エレメント。
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