以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
<画像形成装置200>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置200の構成を示す概略図である。画像形成装置200は、画像形成ユニット1と、後処理装置2と、を備えている。画像形成ユニット1は、用紙に画像を形成する画像形成部の一例である。具体的には、画像形成ユニット1は、用紙に対して電子写真方式にてトナー像を形成するユニット(装置)である。
後処理装置2は、画像形成部によって画像が形成された複数の用紙で構成された用紙束を綴じる綴じ装置の一例である。具体的には、後処理装置2は、画像形成ユニット1によってトナー像が形成された複数の用紙で構成された用紙束に対して綴じ処理を施す装置である。なお、各図において、用紙を符号Pにて示し、複数の用紙で構成された用紙束を符号PBにて示している。
なお、画像形成ユニット1と後処理装置2とを備える画像形成装置200を、綴じ装置の一例として把握してもよい。後処理装置2における、用紙に対して綴じ動作を行う綴じ機能部分(綴じ処理装置300)を綴じ装置の一例として把握してもよい。
画像形成ユニット1における、用紙に対して画像形成を行う機能部分を画像形成部の一例として把握してもよい。また、画像形成ユニット1に、綴じ機能部分を設けてもよく、この場合は、画像形成ユニット1を綴じ装置の一例として把握してもよい。
<画像形成ユニット1>
画像形成ユニット1は、各色の画像データに基づいてトナー像を形成する4つのトナー像形成ユニット100Y,100M,100C,100K(「トナー像形成ユニット100」とも総称する)を備えている。また、画像形成ユニット1は、各トナー像形成ユニット100に設けられた感光体ドラム107を露光し、感光体ドラム107の表面に静電潜像を形成するレーザ露光装置101を備えている。
また、画像形成ユニット1は、各トナー像形成ユニット100にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト102と、各トナー像形成ユニット100にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト102に順次転写(一次転写)する一次転写ロール103と、を備えている。更に、画像形成ユニット1は、中間転写ベルト102上に転写された各色トナー像を用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール104と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着装置105と、画像形成ユニット1の動作を制御する制御部106と、を備えている。
各トナー像形成ユニット100では、感光体ドラム107の帯電、感光体ドラム107への静電潜像の形成が行われる。そして、静電潜像の現像が行われて、感光体ドラム107の表面には、各色のトナー像が形成される。
感光体ドラム107の表面に形成された各色トナー像は、一次転写ロール103により中間転写ベルト102上に順次転写される。そして、各色トナー像は、中間転写ベルト102の移動に伴って二次転写ロール104が設置された位置へ搬送される。
画像形成ユニット1の用紙収容部110A~110Dには、異なるサイズや異なる種類の用紙が収容されている。そして、例えば、ピックアップロール111により用紙収容部110Aから用紙が取り出され、搬送ロール112によってレジストロール113まで搬送される。
そして、中間転写ベルト102上の各色トナー像が二次転写ロール104に搬送されるタイミングに合わせて、二次転写ロール104と中間転写ベルト102とが対向する対向部(二次転写部)に対してレジストロール113から用紙が供給される。
そして、中間転写ベルト102上の各色トナー像が、二次転写ロール104により形成された転写電界の作用によって、用紙上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、各色トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト102から剥離されて定着装置105へ搬送される。定着装置105では、熱及び圧力による定着処理により、各色トナー像が用紙上に定着され、用紙上に画像が形成される。
そして、画像が形成された用紙は、搬送ロール114によって画像形成ユニット1の用紙排出部Tから排出され、画像形成ユニット1に接続された後処理装置2へ供給される。
後処理装置2は、画像形成ユニット1の用紙排出部Tの下流側に配置され、画像が形成された用紙に対して穴あけや綴じ等の後処理を行う。
<後処理装置2>
図2は、後処理装置2の構成を示す概略図である。図2に示されるように、後処理装置2は、画像形成ユニット1の用紙排出部Tに接続された搬送ユニット21と、搬送ユニット21により搬送されてきた用紙に対して予め定められた処理を施す後処理ユニット22と、を備えている。
また、後処理装置2は、不図示の信号ラインで制御部106(図1参照)に接続された用紙処理制御部23(図1参照)を備えている。本実施形態では、制御部106が、用紙処理制御部23を介して、後処理装置2の各機構部を制御する。また、後処理装置2は、後処理装置2による処理が終了した用紙が積載されるスタッカー部80を備えている。
図2に示されるように、後処理装置2の搬送ユニット21には、2穴や4穴等の穴あけ(パンチ)を施すパンチ機能部30が設けられている。更に、搬送ユニット21には、画像形成ユニット1にて画像形成された後の用紙を後処理ユニット22に向けて搬送する複数の搬送ロール211が設けられている。
後処理ユニット22には、複数の用紙で構成された用紙束に対する綴じ処理を行う綴じ処理装置300が設けられている。本実施形態の綴じ処理装置300は、ステープル(針)を用いずに用紙を構成する繊維同士を絡ませ、用紙束に対する綴じ処理を行う。なお、前述のように、綴じ処理装置300を綴じ装置の一例として把握してもよい。
綴じ処理装置300には、用紙を下方から支持すると共に用紙を必要枚数だけ集積させて用紙束を生成する用紙集積部70が設けられている。用紙集積部70は、搬送ユニット21により搬送された用紙の用紙束を収容する収容部して機能する。また、綴じ処理装置300には、用紙束に対して綴じ処理を行う綴じユニット500が設けられている。
また、綴じ処理装置300には、搬出ロール71及び移動ロール72が設けられている。搬出ロール71は、図中時計回り方向に回転し、用紙集積部70上の用紙束をスタッカー部80へ送る。移動ロール72は、回転軸72aを中心に移動可能に設けられ、用紙を用紙集積部70に集積させる際には搬出ロール71から退避した箇所に位置する。また、生成された用紙束をスタッカー部80へ送る際には、用紙集積部70上の用紙束に押し当てられる。
後処理装置2は、用紙処理制御部23を介して制御部106からの用紙に対する処理を実行する旨の指示信号を受信した後に、用紙に対する処理を実行する。そして、後処理装置2は、まず搬送ユニット21に対し、画像形成ユニット1により画像形成が行われた用紙が供給される。搬送ユニット21では、制御部106からの指示信号に応じてパンチ機能部30による穴あけが行われた後、搬送ロール211によって、後処理ユニット22に向けて用紙が搬送される。一方、制御部106からの穴あけ指示が無い場合、用紙は、パンチ機能部30による穴あけ処理は行われずに後処理ユニット22へ送られる。
後処理ユニット22に送られた用紙は、綴じ処理装置300に設けられた用紙集積部70へ搬送される。そして、用紙は、用紙集積部70に付与された傾斜角も利用して用紙集積部70の上をスライド移動し、用紙集積部70の端部に設けられた用紙規制部74に突き当たって停止する。用紙規制部74に用紙が突き当たることで、用紙の後端部が揃えられた状態の用紙束が用紙集積部70上に生成される。なお、本実施形態では、用紙を用紙規制部74に向けて移動させる回転パドル73が設けられている。
図3は、綴じ処理装置300の構成を示す平面図である。用紙集積部70の幅方向における両端部には、第1移動部材81が設けられている。第1移動部材81は、用紙束を構成する用紙の側辺を押し当て、用紙束を構成する用紙の端部の位置を揃える。また、第1移動部材81は、用紙束の幅方向に移動し、用紙束の幅方向へ用紙束を移動させる。用紙が用紙集積部70に集積される際、用紙の側辺に第1移動部材81が押し当てられ、用紙の側辺の位置が揃えられる。また、用紙束の綴じ位置が変更される場合には、第1移動部材81によって用紙束が押され、用紙束の幅方向に用紙束が移動する。
また、綴じ処理装置300には、図の上下方向に移動し用紙束の幅方向と直交する方向に用紙束を移動させる第2移動部材82と、第1移動部材81及び第2移動部材82を移動させる移動用モータM1とが設けられている。
図3の矢印4Aで示されるように、綴じユニット500は、用紙の幅方向に移動可能に設けられている。そして、綴じユニット500は、例えば、用紙束の幅方向において異なる箇所に位置する2点((A)位置と(B)位置)にて、綴じ処理(2点綴じ処理)を行う。
また、綴じユニット500は、図3の(C)位置へ移動し、用紙束の角部にて綴じ処理(1点綴じ)を行う。(A)位置と(B)位置との間では、綴じユニット500は直線的に移動するが、(A)位置と(C)位置との間では、綴じユニット500は、例えば45°の回転を伴いながら移動する。
用紙規制部74は、底板70Aに対向配置される対向部70Cを有している。この対向部70Cは、用紙束のうちの最も上に重ねられた用紙に接触して、用紙束の厚み方向における用紙の移動を規制する。また、本実施形態では、用紙規制部74及び第2移動部材82が設けられていない箇所にて、綴じユニット500による綴じ処理が行われる。具体的には、図3に示されるように、図の左側に位置する用紙規制部74と第2移動部材82との間、及び、図の右側に位置する用紙規制部74と第2移動部材82との間にて、綴じユニット500による綴じ処理が行われる。また、図の右側の用紙規制部74に隣接する箇所(用紙束の角部)にて綴じ処理が行われる。
なお、図3に示されるように、底板70Aには、3つの切り欠き70Dが設けられている。これにより、用紙集積部70と綴じユニット500との干渉が避けられる。また、綴じユニット500が移動する際、第2移動部材82は、図3の符号4Bに示す位置へ移動する。これにより、綴じユニット500と第2移動部材82との干渉が避けられる。
<綴じユニット500の構造>
次に、綴じユニット500について、図4~図10を用いて説明する。図4は、綴じユニット500の構成を示す斜視図である。図5は、綴じユニット500の綴じ構造50を示す斜視図である。図6は、綴じユニット500の綴じ補助部700の構成を示す斜視図である。また、図7は、綴じユニット500の綴じ構造50における押し出しリンク60の構成を示す斜視図である。図8は、綴じユニット500の筐体90の構成を示す斜視図である。図9は、綴じユニット500の上方接触部710及びその周囲の構成を示す側面図である。図10は、綴じユニット500の下方接触部720及びその周囲の構成を示す側面図である。
図4に示される綴じユニット500は、上歯型61(図5参照)と下歯型62(図5参照)とで用紙束を挟んで凹凸状に変形させることで、用紙束を綴じる機能を有している。具体的には、綴じユニット500は、用紙束を凹凸状に変形させることで、用紙束の用紙相互に繊維を絡ませて用紙同士を結合し、用紙束を綴じる機能を有している。換言すれば、綴じユニット500は、針を用いずに用紙束を綴じる機能を有している。綴じユニット500は、例えば、2枚~10枚の用紙で構成される用紙束を綴じる。なお、本明細書において「n枚~m枚」と表記する場合、当該枚数には、n枚及びm枚が含まれる。
綴じユニット500は、図4に示されるように、用紙束を綴じる綴じ構造50と、綴じ構造50の綴じ動作を行う前に用紙集積部70(図2参照)に置かれた用紙束を押える綴じ補助部700と、綴じ構造50及び綴じ補助部700の動作を駆動する駆動部800と、綴じ構造50、綴じ補助部700及び駆動部800を支持する筐体90と、を備えている。
なお、以下の説明において、図3に示された用紙束の幅方向を単に「幅方向」とし、用紙束の厚み方向を「上下方向」として説明する。また、搬送される用紙束の搬送方向を「出入方向」とし、綴じ構造50が用紙束の厚み方向の一方及び他方から用紙束を挟む方向を単に「挟み方向」として説明する。ここで、「幅方向」は、「一方向」の一例である。「挟み方向」は、「上下方向」に用紙束を挟むときの方向であり、綴じ構造50の上歯型61及び下歯型62が近づく方向の一例である。「出入方向」は、綴じ構造50の上歯型61及び下歯型62が用紙束を挟む位置(領域)に対して、用紙束が出入りする方向である。当該挟む位置から出る方向を出入方向上流側とし、当該挟む位置へ入る(進入する)方向を出入方向下流側と称する場合がある。
<綴じ構造50>
次に、綴じ構造50について、図4、図5及び図7を用いて説明する。
綴じ構造50は、図4及び図5に示されるように、アッパーアーム51と、ロウアーアーム52と、アッパーアーム51及びロウアーアーム52を連結するシャフトアーム53と、を有している。また、綴じ構造50は、図4及び図7に示されるように、アッパーアーム51及びロウアーアーム52を上下方向に移動させる押し出しリンク60を有している。なお、アッパーアーム51は、第一支持部の一例であり、ロウアーアーム52は、第二支持部の一例である。アッパーアーム51及びロウアーアーム52は、一対の支持部の一例である。また、上歯型61は、第一歯型の一例であり、下歯型62は、第二歯型の一例である。上歯型61及び下歯型62は、一対の歯型の一例である。
アッパーアーム51は、図5に示されるように、上歯型61が設けられた一端部511と、リンク連結穴515が形成された他端部512と、を有している。このアッパーアーム51は、一端部511から他端部512へ向かって屈曲しながら幅方向視にてC字状に延びて形成されている。また、アッパーアーム51は、一端部511と他端部512との間の屈曲部分の近傍にてロウアーアーム52を支持する支持部513を有している。支持部513には、アッパーアーム51の回転中心となる回転中心穴516(図9参照)が設けられている。他端部512に形成されたリンク連結穴515には、後述のシャフトレバーロウアー64が挿入される。
ロウアーアーム52は、図5に示されるように、上歯型61に対峙する下歯型62が設けられた一端部521と、回転中心穴526が形成された他端部522と、を有している。ロウアーアーム52は、一端部521から他端部522へ略線状に延びて形成されている。一端部521側には、後述のシャフトレバーアッパー63が接触する凹部523が設けられている。凹部523は、ロウアーアーム52の一端部521にて、下歯型62を有する箇所の下方側に配置され、下方側へ開口している。
ロウアーアーム52の回転中心穴526と、アッパーアーム51の回転中心穴516(図9参照)とには、シャフトアーム53が差し通されている。これにより、ロウアーアーム52及びアッパーアーム51は、他端部同士がシャフトアーム53によって相対回転可能に連結されている。換言すれば、ロウアーアーム52がアッパーアーム51に回転可能に支持されているともいえる。さらに換言すれば、アッパーアーム51がロウアーアーム52に回転可能に支持されているともいえる。
シャフトアーム53は、この両端部に径小部531を有しており、この径小部531が筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に設けられた後述のアームガイド953に差し込まれている。これにより、シャフトアーム53は、出入方向に移動可能に筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に支持されている。以上の構成により、アッパーアーム51及びロウアーアーム52は、出入方向に移動可能に、且つ、シャフトアーム53周りに回転可能に、筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に支持されている。換言すれば、アッパーアーム51及びロウアーアーム52は、シャフトアーム53周りの回転成分と、アームガイド953に沿った出入方向への移動成分と、有する移動が可能となっている。
上歯型61及び下歯型62は、図5に示されるように、複数の歯が幅方向に並んで配置されている。上歯型61及び下歯型62の各歯は、図12に示されるように、先端部が幅方向視にて台形状に形成されている。
<押し出しリンク60>
次に、押し出しリンク60について、図7を用いて説明する。
押し出しリンク60は、図7に示されるように、レバー56と、リンク57と、を有している。レバー56は、リンク57に対して相対回転可能にスピンドル58によって連結されている。
レバー56は、スピンドル58と連結する連結部561と、連結部561から延びる本体部562と、を有している。本体部562の一端部には、後述するカム54と接触する接触面563が設けられ、本体部562の他端部には、ロウアーアーム52を押し上げる押し上げ部564が設けられている。押し上げ部564には、ロウアーアーム52に接触するシャフトレバーアッパー63が取り付けられている。シャフトレバーアッパー63は円筒形状に形成されており、この両端部には、径が小さい径小部631が形成されている。径小部631は、筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に設けられた後述の押し上げガイド963に差し込まれている。円筒形状であるシャフトレバーアッパー63は、ロウアーアーム52の凹部523(図5参照)に接触する。
リンク57は、スピンドル58と連結する連結部571を一端部に有し、シャフトレバーロウアー64によって、アッパーアーム51のリンク連結穴515と連結する連結穴572を他端部に有している。押し出しリンク60は、カム54によって動作され、シャフトレバーアッパー63を通じて、ロウアーアーム52の一端部521をアッパーアーム51の一端部511に向けて押し出す機能を有している。
スピンドル58は円筒形状を有しており、この両端部に設けられ平面部を有する板状部581は、筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に設けられたスピンドルガイド958に差し込まれている(図4参照)。
アッパーアーム51及び押し出しリンク60を連結するシャフトレバーロウアー64は、円筒形状であり、この円筒の両端部に径小部641が設けられ、筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に設けられたロウアーガイド964に差し込まれている(図4参照)。
<綴じ補助部700>
次に、綴じ補助部700について、図4、図6、図9及び図10を用いて説明する。
綴じ補助部700は、図4及び図6に示されるように、用紙束の厚み方向の上方から用紙束を押える上方接触部710と、用紙束の厚み方向の下方から用紙束を支持する下方接触部720と、を備えている。
上方接触部710は、図6に示されるように、アッパーアーム51に固定されている上方連結部750により、アッパーアーム51の動作に対して連動可能であると共に、アッパーアーム51に対してスライド可能に連結されている。また、上方接触部710は、その他端部が、回転中心軸717によって筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に設けられた穴(ガイド971)に対して回転可能に設けられている。
具体的には、上方接触部710は、一対の側板713と、用紙束を上方から押さえる押え板711と、を有している。一対の側板713は、幅方向に間隔をおいて対向配置されている。一対の側板713の間には、アッパーアーム51が配置されている。
一対の側板713は、図9に示されるように、出入方向に長さを有すると共に、複数の屈曲部を有することで幅方向視にて略M字状に形成されている。押え板711は、一対の側板713の一端部の下側に固定されている。押え板711は、図6に示されるように、幅方向及び出入方向に延びる平面状に形成されている。押え板711には、上歯型61の上下方向への移動を許容する開口715が設けられている。
上方接触部710の他端部712には、上方接触部710の回転中心(回転支点)となる回転中心軸717が設けられている。そして、一対の側板713の出入方向の上流側部分(押え板711に近い部分)に連動溝730が形成されている。上方連結部750は、アッパーアーム51の一端部511に固定されているが、この上方連結部750に設けられ円筒形状を有する径小部751が、この連動溝730に挿入されている。これによって、上方接触部710は、アッパーアーム51の移動に対して連動可能となるように、アッパーアーム51に連結されている。
連動溝730は、図6及び図9に示されるように、一端部719側(出入方向の上流側)に向かって上り勾配を有する第一溝731と、第一溝731から一端部719側(出入方向の上流側)に向かって出入方向に沿って延びる第二溝732と、第二溝732から下側(押え板711側)へ延びる第三溝733と、を有している。第二溝732は、具体的には、押え板711に沿った方向に延びている。第三溝733は、具体的には、押え板711に交差する方向であって、挟み方向の成分を有する方向に沿って延びている。
上方連結部750の径小部751は、連動溝730の第一溝731と、第二溝732と、第三溝733とに沿って移動する。この径小部751の動作に伴って、アッパーアーム51の一端部511及び上歯型61が移動する。
上歯型61は、下方へ移動して綴じ位置に到達し、用紙束に突き当たるが、このとき、第三溝733に沿う径小部751は、第三溝733の最も下方にある端ではなく、余裕をもった第三溝733の中間位置、すなわち、第三溝733の挟み方向の最も上方にある端及び最も下方にある端の間に位置している。このため、上歯型61が用紙束に突き当たった際に、その前に用紙束と接触していた上方接触部710が、用紙束から離れる方向(挟み方向の上方)に移動する余裕が与えられている。
一方、下方接触部720は、ロウアーアーム52に固定されている下方連結部770により、ロウアーアーム52の動作に対して連動可能であると共に、ロウアーアーム52に対してスライド可能に連結されている。また、下方接触部720は、その他端部が、回転中心軸727によって筐体90(左側ガイド91及び右側ガイド92)に設けられた穴(ガイド972)に対して回転可能に設けられている。
具体的には、下方接触部720は、一対の側板723と、用紙束を下方から支持する支持板721と、を有している。一対の側板723は、幅方向に間隔をおいて対向配置されている。一対の側板723の間には、ロウアーアーム52が配置されている。
一対の側板723は、図10に示されるように、出入方向に長さを有している。支持板721は、一対の側板723の一端部の上側に固定されている。支持板721は、図6に示されるように、幅方向及び出入方向に延びる平面状に形成されている。支持板721には、下歯型62の上下方向への移動を許容する開口725が設けられている。
下方接触部720の他端部722には、下方接触部720の回転中心(回転支点)となる回転中心軸727が設けられている。一対の側板723の出入方向の上流側部分(支持板721に近い部分)には、連動溝740が形成されている。下方連結部770は、ロウアーアーム52の一端部521に固定されているが、この下方連結部770に設けられ円筒形状を有する径小部771が、この連動溝740に挿入されている。これによって、下方接触部720は、ロウアーアーム52の移動に対して連動可能となるように、ロウアーアーム52に連結されている。
連動溝740は、図6及び図10に示されるように、上下方向に延び且つ下方で開口する第一溝741と、第一溝741の上部から一端部719側(出入方向の上流側)に向かって出入方向に沿って延びる第二溝742と、第二溝742から上側(支持板721側)へ延びる第三溝743と、を有している。第二溝742は、具体的には、支持板721に沿った方向に延びている。第三溝743は、具体的には、支持板721に交差する方向であって、挟み方向の成分を有する方向に沿って延びている。
下方連結部770の径小部771(ロウアーアーム52の一端部521及び下歯型62)は、連動溝740の第一溝741と、第二溝742と、第三溝743とに沿って移動する。この径小部771の動作に伴って、ロウアーアーム52の一端部521及び下歯型62が移動する。
下歯型62は、上方へ移動して綴じ位置に到達し、用紙束に突き当たるが、このとき、第三溝743に沿う径小部771は、第三溝743の最も上方にある端ではなく、余裕をもった第三溝743の中間位置、すなわち、第三溝743の挟み方向の最も上方にある端及び最も下方にある端の間に位置している。このため、下歯型62が用紙束に突き当たった際に、その前に用紙束と接触していた下方接触部720が、用紙束から離れる方向(挟み方向の下方)に移動する余裕が与えられている。
<筐体90及び駆動部800>
次に、図4及び図8を用いて、筐体90及び駆動部800について説明する。
筐体90は、図8に示されるように、綴じユニット500の各構造物の動作をガイドする左側ガイド91及び右側ガイド92と、左側ガイド91及び右側ガイド92のそれぞれの外側に配置され、これらを後処理ユニット22の本体(フレーム)に固定する左側筐体93及び右側筐体94と、を有している。
左側ガイド91及び右側ガイド92は、スピンドル58の板状部581の動作をガイドするスピンドルガイド958と、シャフトレバーアッパー63の径小部631の動作をガイドする押し上げガイド963と、を有している。また、シャフトレバーロウアー64の径小部641の動作をガイドするロウアーガイド964と、シャフトアーム53の径小部531の動作をガイドするアームガイド953と、を有している。また、上方接触部710の回転中心軸717を回転可能に支持するガイド971と、下方接触部720の回転中心軸727を回転可能に支持するガイド972と、を有している。更に、後述するカム54の回転軸を回転可能に支持するカム回転軸穴959を有している。
スピンドルガイド958、押し上げガイド963、ロウアーガイド964、及びアームガイド953は、長穴の形状を有し、この長穴の形状に沿った方向への部材の移動を許容する。それぞれの長穴は、出入方向成分及び/または挟み方向(上下方向)成分を有しているが、押し上げガイド963とロウアーガイド964とは特に上下方向成分の部材の移動を許容し、スピンドルガイド958とアームガイド953とは特に出入方向成分の部材の移動を許容している。
ガイド971及びガイド972は、円形の穴であり、ガイド971は上方接触部710の回転中心軸717を回転可能に支持し、ガイド972は下方接触部720の回転中心軸727を回転可能に支持している。また、本実施形態では、ガイド971及びガイド972はアームガイド953の近傍に形成されている。具体的には、ガイド971は、アームガイド953の上方、かつ出入方向にてアームガイド953の両端の間に形成され、ガイド972は、アームガイド953の下方、かつ出入方向にてアームガイド953の最も上流側の端よりも上流側に形成されている。
駆動部800は、図4に示されるように、駆動源となるモータ83と、駆動を伝達するギヤ列84とを有している。また、綴じユニット500は、一律ではない運動を生み出すためのカム54と、モータ83からギヤ列84を介して得た駆動力をカム54に伝達する回転軸とを有している。本実施形態では、カム54に、シャフトアーム53と、押し出しリンク60(レバー56の接触面563)と接触し、これらがカム54の形状に合わせて予め定められた運動を行なっている。
カム54は、図4に示されるように、幅方向(カム54の厚み方向)にて外径形状の異なる2つの偏心カムが同一軸で形成されている。この2つの偏心カムは、偏心量が共通するカム谷部と、偏心量が異なるカム山部と、を有している。
<綴じユニット500の動作>
次に、綴じユニット500の動作について、図11を用いて説明する。図11-1は、カム54の回転が開始する前の初期状態を示す側面図であり、図11-2は、図11-1の初期状態からカム54が回転した状態を示す側面図であり、図11-3は、図11-2の状態からカム54が更に回転した状態を示す側面図であり、図11-4は、図11-3の状態からカム54が更に回転し、上方接触部710及び下方接触部720が用紙束と接触した状態を示す側面図である。
綴じユニット500の動作は、カム54がギヤ列84(図4参照)を介してモータ83(図4参照)によって回転されることで行われる。本実施形態では、カム54の回転によって、綴じユニット500の綴じ構造50及び綴じ補助部700が動作する。具体的には、綴じ補助部700は、綴じ構造50のアッパーアーム51及びロウアーアーム52の移動に連動する。
カム54の回転が開始する前の初期状態では、図11-1に示されるように、カム54は、山部(長径部)でシャフトアーム53と接触しているが、押し出しリンク60とは接触していない状態にある。この初期状態において、シャフトアーム53がカム54に押し付けられ、シャフトアーム53はアームガイド953の出入方向の最も下流側に位置する。よって、シャフトアーム53に支持されているアッパーアーム51及びロウアーアーム52も、出入方向の最も下流側の退避位置にある。このとき、ロウアーアーム52は自らの可動範囲の最も下方に位置し、アッパーアーム51も自らの可動範囲の最も上方側に位置している。これにより、アッパーアーム51の上歯型61とロウアーアーム52の下歯型62との間の開口(距離)が最大となっている。
更に、このとき、アッパーアーム51と連結している上方接触部710は、アッパーアーム51と共に、自らの可動範囲の最も上方側に位置する。上方連結部750の径小部751は、上方接触部710の第二溝732の最も下流側に位置する。同様に、このとき、ロウアーアーム52と連結している下方接触部720は、ロウアーアーム52と共に、自らの可動範囲の最も下方側に位置する。下方連結部770の径小部771は、下方接触部720の第二溝742の最も下流側に位置する。
そして、カム54の回転によって、図11-2に示されるように、カム54とシャフトアーム53との接触位置が変わり、シャフトアーム53はアームガイド953に沿って出入方向の上流側へ向けて移動する。このとき、上歯型61と下歯型62とが近づく方向(挟み方向)へ、アッパーアーム51とロウアーアーム52とがシャフトアーム53周りに相対回転する。これにより、アッパーアーム51及びロウアーアーム52は、出入方向の最も下流側の退避状態から上流側に向けて移動すると共に、挟み方向へ移動する。
アッパーアーム51が出入方向の上流側に向けて移動すると、図11-3に示されるように、上方連結部750の径小部751は、上方接触部710の第二溝732に沿って第二溝732の上流側に向けて移動する。同様に、ロウアーアーム52が出入方向の上流側に向けて移動すると、下方連結部770の径小部771は、下方接触部720の第二溝742に沿って第二溝742の上流側に向けて移動する。
その後、カム54はシャフトアーム53との接触を解消し、押し出しリンク60と接触し始める。この押し出しリンク60との接触によって、図11-4に示されるように、押し出しリンク60は伸び上がり、シャフトレバーアッパー63によって、ロウアーアーム52の一端部521がアッパーアーム51へ向けて押し出される。
これにより、ロウアーアーム52の一端部521に取り付けられている下歯型62が、上方へ(上歯型61側)へ移動する。下方接触部720は、ロウアーアーム52と連動して上方(用紙束の下方の面)に向けて移動する。
一方、アッパーアーム51の一端部511は、押し出しリンク60の動作によって、シャフトレバーロウアー64を介して、アッパーアーム51の他端部512が下方に移動することで、下方(ロウアーアーム52側)へ移動する。上方接触部710は、アッパーアーム51と連動して下方(用紙束の上方の面)に向けて移動する。
そして、上方接触部710の押え板711及び下方接触部720の支持板721は、上歯型61及び下歯型62よりも先に、用紙束に接触して、用紙束を押える状態になる。
その後、カム54の更なる回転によって、押し出しリンク60が動作し、上歯型61及び下歯型62が挟み方向へ移動する。このとき、上方連結部750の径小部751は、上方接触部710の第三溝733に沿って移動し、下方連結部770の径小部771は、下方接触部720の第三溝743に沿って移動する。そして、上歯型61と下歯型62が用紙束を挟んで、凹凸状に変形させる。用紙束を凹凸状に変形させることで、用紙を伸ばし、用紙束の用紙相互に繊維を絡ませて用紙同士を結合し、用紙束を綴じる。
なお、用紙束に対する綴じ動作を終えた後に、カム54が更に回転すると、カム54と押し出しリンク60との接触位置が変わり、上歯型61と下歯型62とで挟んだ状態が解除される。なお、用紙束に対する綴じ動作を終えた後に、カム54を逆回転させて、上歯型61と下歯型62とで挟んだ状態を解除してもよい。
以上のように、本実施形態では、カム54を回転させて、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向(挟み方向)へ相対移動することで、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。したがって、カム54が回転する回転角度によって、上歯型61が下歯型62に対して相対移動する相対移動量(以下、上下歯の相対移動量という)が決定される。具体的には、カム54が回転する回転角度が増加すれば、上下歯の相対移動量が増加し、カム54が回転する回転角度が減少すれば、上下歯の相対移動量が減少する。また、カム54は、幅方向視における外径形状が曲線で形成されている。すなわち、カム54は、シャフトアーム53及び押し出しリンク60に対する接触面が曲面で構成されている。これにより、カム54は、上下歯の相対移動量を無段階に調整可能となっている。
また、本実施形態では、上歯型61は、前述のように、シャフトアーム53のアームガイド953に沿った出入方向上流側への移動と、シャフトアーム53周りのアッパーアーム51の回転と、上方連結部750の径小部751の上方接触部710の第二溝732及び第三溝733に沿った移動と、に伴って移動する。したがって、上歯型61は、シャフトアーム53周りの回転成分と、アームガイド953に沿った出入方向上流側への移動成分と、上方接触部710の第二溝732及び第三溝733に沿った移動成分とを含んで、下歯型62に対して近づく方向(下方)へ移動する。
一方、下歯型62は、シャフトアーム53のアームガイド953に沿った出入方向上流側への移動と、シャフトアーム53周りのアッパーアーム51の回転と、下方連結部770の径小部771の下方接触部720の第二溝742及び第三溝743に沿った移動と、に伴って移動する。したがって、下歯型62は、シャフトアーム53周りの回転成分と、アームガイド953に沿った出入方向上流側への移動成分と、下方接触部720の第二溝742及び第三溝743に沿った移動成分とを含んで、上歯型61に対して近づく方向(上方)へ移動する。
このように、上歯型61が下歯型62は、シャフトアーム53周りの回転成分を有して相対移動するため、幅方向に見た上歯型61の下歯型62に対する相対角度(以下、上下歯の相対角度という)が変化する。換言すれば、本実施形態では、上下歯の相対角度が小さくなるように、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動する。したがって、上歯型61が下歯型62に対して遠ざかる方向へ相対移動すると、上下歯の相対角度は大きくなる。さらに換言すれば、上歯型61及び下歯型62は、出入方向に対して角度を有した状態で相対移動するともいえる。具体的には、上歯型61の下端面61Aと下歯型62の上端面62Aが出入方向に対して角度を有した状態で相対移動するともいえる。なお、上歯型61の下端面61Aと下歯型62の上端面62Aは、上歯型61と下歯型62が噛み合った状態において、平行になってもよい。
なお、上下歯の相対角度とは、図12に示されるように、幅方向に見たときにおける、上歯型61の下歯型62に対する相対角度である。具体的には、上下歯の相対角度とは、幅方向に見たときにおける、上歯型61の下端面61Aと下歯型62の上端面62Aとがなす角度θである。なお、上歯型61と下歯型62とは、綴じ枚数が少ない場合には、図12に示されるように幅方向に見て重なるが、綴じ枚数が多くなると幅方向に見て重ならない場合もありうる。
また、本実施形態では、上下歯の相対移動量が同じである場合において、用紙束の用紙枚数が増すと、用紙束が厚くなるため、上歯型61及び下歯型62が用紙束へ付与する荷重が大きくなる。一方で、用紙束の用紙枚数が増すと、上歯型61及び下歯型62の相対移動が用紙束によって規制されるため、用紙束を挟んだ際に上歯型61と下歯型62とが若干離れ、且つ、上下歯の相対角度が若干大きくなる。
<カム54の回転角度の制御>
次に、用紙束を綴じる際におけるカム54の回転角度の制御について説明する。
本実施形態では、図1に示される制御部106が、用紙処理制御部23を介してモータ83の駆動を制御する。制御部106は、後述の回転角度情報を含むプロブラムが記録されたROM(ロム)やストレージ等で構成された記録部と、プログラムに従って動作するプロセッサと、を有している。
制御部106には、図1に示されるように、操作部としてのユーザーインターフェイス120(以下、UI120という)が接続されている。UI120は、例えばタッチパネル付き液晶表示器により構成される。その画面上には、操作ボタン(仮想ボタン)及び、操作者(ユーザー)に報知する情報が表示される。
UI120を通じて、操作者により、操作ボタンが操作されることで、画像処理条件及び後処理条件が指定される。なお、操作部としては、例えば、画像形成ユニット1に対してネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)などであってもよく、画像処理条件及び後処理条件を指定する操作が可能な操作部であればよい。
用紙処理制御部23は、モータ83に対して駆動信号を供給するPWM(Pulse Width Modulation)コントローラを含んでいる。これにより、制御部106が、用紙処理制御部23を介して、モータ83の駆動により回転するカム54の回転角度(回転量)を制御する。
さらに、制御部106は、綴じユニット500が綴じる対象となる用紙束における用紙枚数の数値情報(以下、綴じ枚数情報という)を取得する。具体的には、例えば、制御部106は、2枚~10枚の用紙に対して画像を形成する場合に用紙の全枚数に対して綴じ動作を実行する綴じ動作指令を取得した場合では、画像を形成する用紙の枚数情報を、綴じ枚数情報として取得する。また、UI120を通じて、綴じ動作を実行する用紙束の用紙枚数が指定された場合には、当該指定された用紙枚数を、綴じ枚数情報として取得する。なお、綴じユニット500では、前述のように、2枚~10枚の用紙枚数の用紙束に対して綴じ動作を実行する構成とされており、2枚~10枚の範囲で、綴じ動作を実行する用紙束の用紙枚数を指定可能とされる。
さらに、本実施形態では、綴じる対象となる用紙束における用紙枚数(以下、綴じ枚数という)に予め対応づけられたカム54の回転角度(カム回転角度という)が設定されている。当該設定された回転角度の情報(回転角度情報という場合がある)は、制御部106における前述の記録部に記録されている。
具体的には、以下のように、綴じ枚数に対応付けられるカム回転角度が設定されている。すなわち、綴じ枚数が2枚~5枚である場合において、上歯型61及び下歯型62が用紙束に付与する付与荷重が、予め定められた第一荷重となるように、各枚数に応じてカム回転角度が設定されている(図13参照)。第一荷重は、例えば、4250N(ニュートン)以上、4750N未満の範囲とされる。具体的には、第一荷重は、一例として、4500Nとされる。第一荷重としては、予め定められた範囲を有する荷重であってもよい。なお、予め定められた荷重とは、付与荷重の目標値として、予め設定された荷重である。
そして、2枚に対応付けられたカム回転角度が最大値とされる。綴じ枚数が2枚~10枚の場合において、3枚、4枚、5枚と枚数が一枚増すごとに、カム回転角度の設定値が減る。2枚~5枚の各枚数間における設定値の差分(減少値)は、一例として、同じとされる。なお、当該差分は、異なっていてもよい。当該差分は、例えば、枚数が増すごとに減るようになっていてもよい。具体的には、2枚、3枚、4枚、5枚に対応付けられたカム回転角度は、それぞれ、例えば、120°、118°、116°、114°とされる。
さらに、綴じ枚数が6枚~10枚の場合において、上歯型61及び下歯型62が用紙束に付与する付与荷重が、予め定められた第二荷重となるように、各枚数に応じてカム回転角度が設定されている。第二荷重は、第一荷重よりも大きい荷重である。第二荷重は、例えば、4750N(ニュートン)以上、5250N未満の範囲とされる。具体的には、第二荷重は、一例として、5000Nとされる。第二荷重としては、予め定められた範囲を有する荷重であってもよい。
さらに、綴じ枚数を4枚から5枚に増したときにおけるカム回転角度の減少量をaとし、5枚におけるカム回転角度をbとし、6枚におけるカム回転角度をcとした場合に、c>(b-a)となるように、cが設定されている。具体的には、c>bとなるように、cが設定されている(図13参照)。
綴じ枚数が7枚~10枚の場合において、7枚、8枚、9枚、10枚と枚数が一枚増すごとに、カム54の回転角度の設定値が減る。6枚~10枚の各枚数間における設定値の差分(減少値)は、一例として、同じとされる。なお、当該差分は、異なっていてもよい。当該差分は、例えば、枚数が増すごとに減るようになっていてもよい。そして、10枚に対応付けられたカム回転角度が最小値とされる。具体的には、6枚、7枚、8枚、9枚、10枚に対応付けられたカム54の回転角度は、それぞれ、例えば、115°、113°、111°、109°、107°とされる。
ここで、制御部106、用紙処理制御部23及びモータ83が、「移動量制御手段」の一例である。なお、制御部106、用紙処理制御部23及びモータ83のいずれか1つ又は2つを、「移動量制御手段」の一例として把握してもよい。また、用紙処理制御部23を介してモータ83の駆動を制御する制御部としては、後処理装置2に設けられていてもよいし、画像形成ユニット1と後処理装置2とに跨って設けられていてもよい。さらに、制御部106は、前述のように、取得部の一例としても機能する。また、「6枚」は、「規定枚数」の一例である。「綴じ枚数が2枚~5枚である場合」は、「用紙束の用紙枚数が規定枚数未満である場合」の一例である。「綴じ枚数が7枚~10枚である場合」は、「用紙束の用紙枚数が前記規定枚数を超える場合」の一例である。
<カム回転角度の制御による上下歯の相対移動量の制御>
綴じユニット500では、前述のように、カム回転角度によって、上下歯の相対移動量(ストローク量)が決定される。したがって、前述のように設定されたカム回転角度によって、カム54を動作させることで、上下歯の相対移動量が制御される。
具体的には、綴じ枚数が2枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第一荷重(例えば、4500N)になるように、2枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、120°)でモータ83を駆動する。これにより、予め定められた相対移動量にて、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動することで、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
綴じ枚数が3枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第一荷重(例えば、4500N)になるように、3枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、118°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が2枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる(図13参照)。
綴じ枚数が4枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第一荷重(例えば、4500N)になるように、4枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、116°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が3枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
綴じ枚数が5枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第一荷重(例えば、4500N)になるように、5枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、114°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が4枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
このように、本実施形態では、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が増した場合に、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らす(図13参照)。このため、綴じ枚数に関わらず上歯型61の下歯型62に対する相対移動量が常に一定である構成に比べ、綴じ枚数が増した場合でも、用紙束への付与荷重の上昇が抑制される。これにより、用紙束の破損(ダメージ)が抑制される。
また、本実施形態では、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が増した場合に、用紙束への付与荷重が第一荷重(例えば、4500N)になるように、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らすため、予め定められた荷重を目標とせずに相対移動量を減らす構成に比べ、用紙束への付与荷重のばらつきが抑制される。
さらに、本実施形態では、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が一枚増すごとに、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らす。このため、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が複数枚増すごとに、相対移動量を減らす構成に比べ、用紙束への付与荷重のばらつきが抑制される。
さらに、綴じ枚数が6枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第二荷重(例えば、5000N)になるように、6枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、115°)でモータ83を駆動する。
したがって、本実施形態では、綴じ枚数が6枚である場合における上下歯の相対移動量が、綴じ枚数が5枚である場合における上下歯の相対移動量よりも多くなる。
換言すれば、綴じ枚数を4枚から5枚に増したときにおける相対移動量の差分(減少量)をAとし、5枚における相対移動量をBとし、6枚における相対移動量をCとした場合に、C>(B-A)となるように、制御部106がCを制御する。さらに言えば、C>Bとなるように、制御部106がCを制御する(図13参照)。
さらに言えば、綴じ枚数が5枚から6枚に増すと、上下歯の相対移動量が同じである場合において用紙束を挟んだ状態における上下歯の相対角度が大きくなるため、用紙束を挟んだ状態における上下歯の相対角度が大きくなる場合に、上下歯の相対移動量を増やす構成ともいえる。
このように、本実施形態では、C>(B-A)となるように、制御部106がCを制御するので、C=(B-A)となるように制御部106がCを制御する構成に比べ、綴じ枚数が6枚である用紙束を綴じる綴じ力が増大される。
具体的には、本実施形態では、C>Bとなるように、制御部106がCを制御するので、C≦Bとなるように制御部106がCを制御する構成に比べ、綴じ枚数が6枚である用紙束を綴じる綴じ力が増大される。
さらに、用紙束を挟んだ状態における上下歯の相対角度が大きくなる場合に、上下歯の相対移動量を増やすため、用紙束を挟んだ状態における上下歯の相対角度が大きくなる場合に相対移動量を常に減らす構成に比べ、用紙束を挟んだ状態における相対角度が大きくなることによって、用紙束を綴じる綴じ力が低下しやすい場合でも、用紙束を綴じる綴じ力が維持される。
さらに、本実施形態では、綴じ枚数が7枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第二荷重(例えば、5500N)になるように、7枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、113°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が6枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
また、綴じ枚数が8枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第二荷重(例えば、5500N)になるように、8枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、111°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が7枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
また、綴じ枚数が9枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第二荷重(例えば、5500N)になるように、9枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、109°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が8枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
また、綴じ枚数が10枚である綴じ枚数情報を制御部106が取得すると、制御部106は、用紙束への付与荷重が第二荷重(例えば、5500N)になるように、9枚に対応付けられたカム回転角度(例えば、107°)でモータ83を駆動する。これにより、綴じ枚数が9枚である場合における相対移動量よりも少ない相対移動量で、上歯型61が下歯型62に対して近づく方向へ相対移動し、用紙束を挟んで凹凸状に変形させる。
このように、本実施形態では、綴じ枚数が7枚~10枚の範囲において、綴じ枚数が増した場合に、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らす。このため、綴じ枚数に関わらず上歯型61の下歯型62に対する相対移動量が常に一定である構成に比べ、綴じ枚数が増した場合でも、用紙束への付与荷重の上昇が抑制される。
また、本実施形態では、綴じ枚数が7枚~10枚の範囲において、綴じ枚数が増した場合に、用紙束への付与荷重が第二荷重(例えば、5000N)になるように、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らすため、予め定められた荷重を目標とせずに相対移動量を減らす構成に比べ、用紙束への付与荷重のばらつきが抑制される。
さらに、本実施形態では、綴じ枚数が7枚~10枚の範囲において、綴じ枚数が一枚増すごとに、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らす。このため、綴じ枚数が7枚~10枚の範囲において、綴じ枚数が複数枚増すごとに、相対移動量を減らす構成に比べ、用紙束への付与荷重のばらつきが抑制される。
(変形例)
本実施形態では、綴じ枚数を4枚から5枚に増したときにおける相対移動量の差分(減少量)をAとし、5枚における相対移動量をBとし、6枚における相対移動量をCとした場合に、C>Bとなるように、制御部106がCを制御していたが、これに限られない。例えば、C=Bとなるように、制御部106がCを制御する構成であってもよい(図13の6X参照)。さらに、C>(B-A)を満たせばよく、C<Bとなるように、制御部106がCを制御する構成であってもよい。すなわち、Cは、少なくとも、図13において、6Yで示す値よりも大きければよい。
また、本実施形態では、例えば、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が増した場合に、用紙束への付与荷重が第一荷重(例えば、4500N)になるように、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らしていたが、これに限られない。例えば、予め定められた荷重を目標とせずに、相対移動量を減らす構成であってもよい。なお、綴じ枚数が7枚~10枚の範囲の場合においても同様である。
また、本実施形態では、例えば、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が一枚増すごとに、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らしていたが、これに限られない。例えば、綴じ枚数が2枚~5枚の範囲において、綴じ枚数が複数枚増すごとに、相対移動量を減らす構成であってもよい。なお、綴じ枚数が7枚~10枚の範囲の場合においても同様である。
また、本実施形態では、上歯型61及びアッパーアーム51と、下歯型62及びロウアーアーム52とが互いに近づく方向(挟み方向)へ移動する構成であったが、これに限られない。例えば、上歯型61及びアッパーアーム51のみが、下歯型62及びロウアーアーム52へ近づく方向へ移動する構成であってもよいし、下歯型62及びロウアーアーム52のみが上歯型61及びアッパーアーム51へ近づく方向へ移動する構成であってもよい。すなわち、上歯型61及びアッパーアーム51が、下歯型62及びロウアーアーム52に対して相対移動する構成であればよい。
(カム54の回転角度の制御の第一変形例)
前述の構成では、用紙束の綴じ枚数に応じて、カム54の回転角度を制御し、上下歯の相対移動量を制御していたが、これに限られない。例えば、用紙束の厚さに応じて、カム54の回転角度を制御し、上下歯の相対移動量を制御する構成であってもよい。
第一変形例では、制御部106は、綴じユニット500が綴じる対象となる用紙束の厚さの数値情報(以下、厚さ情報という)を取得する。具体的には、例えば、制御部106は、2枚~10枚の用紙に対して画像を形成する場合に用紙の全枚数に対して綴じ動作を実行する綴じ動作指令を取得した場合では、画像を形成する用紙の枚数に一枚当たりの厚さを乗じた値を、厚さ情報として取得する。
また、UI120を通じて、綴じ動作を実行する用紙束の用紙枚数が指定された場合には、当該指定された用紙枚数に一枚当たりの厚さを乗じた値を、厚さ情報として取得する。なお、一枚当たりの厚さは、例えば、用紙種類に予め対応付けられた値が、制御部106における前述の記録部に記録されており、UI120を通じて選択された用紙種類に予め対応付けられた値が用いられる。
さらに、第一変形例では、前述の例と同様に、綴じる対象となる用紙束の厚さに予め対応づけられたカム54の回転角度(カム回転角度という)が設定されている。当該設定された回転角度の情報(回転角度情報という場合がある)は、制御部106における前述の記録部に記録されている。
そして、第一変形例では、例えば、前述の例のように、用紙束の厚さが予め定められた範囲において、厚さが増した場合に、用紙束への付与荷重が予め定められた荷重(例えば、4500N)になるように、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らす構成とされる。
なお、用紙束の厚さは、センサ等により測定した値を取得してもよい。この場合、例えば、用紙集積部70に集積されて、用紙の後端部が揃えられた状態の用紙束の厚さが測定される。さらに、例えば、上歯型61及び下歯型62が用紙束に接触する前であって、上方接触部710の押え板711及び下方接触部720の支持板721が用紙束を押える状態において、用紙束の厚さを測定してもよい。
(カム54の回転角度の制御の第二変形例)
前述の構成では、用紙束の綴じ枚数に応じて、カム54の回転角度を制御し、上下歯の相対移動量を制御していたが、これに限られない。上下歯の相対角度に応じて、カム54の回転角度を制御し、上下歯の相対移動量を制御する構成であってもよい。
第二変形例では、制御部106は、上下歯の相対角度の数値情報(以下、相対角度情報という)を取得する。具体的には、例えば、制御部106は、2枚~10枚の用紙に対して画像を形成する場合に用紙の全枚数に対して綴じ動作を実行する綴じ動作指令を取得した場合では、第一変形例と同様に、用紙束の厚さ(画像を形成する用紙の枚数に一枚当たりの厚さを乗じた値)を算出し、当該厚さの用紙束を予め定められた上下歯の相対移動量で挟んだときの相対角度の数値を、相対角度情報として取得する。
なお、当該厚さの用紙束を予め定められた上下歯の相対移動量で挟んだときの相対角度の数値は、用紙束の厚さに予め対応付けられている。
さらに、第二変形例では、前述の例と同様に、上下歯の相対角度に予め対応づけられたカム54の回転角度(カム回転角度という)が設定されている。当該設定された回転角度の情報(回転角度情報という場合がある)は、制御部106における前述の記録部に記録されている。
そして、第二変形例では、例えば、前述の例のように、上下歯の相対角度が予め定められた範囲において、上下歯の相対角度が増した場合に、用紙束への付与荷重が予め定められた荷重(例えば、4500N)になるように、上歯型61の下歯型62に対する相対移動量を減らす構成とされる。
なお、上歯型61及び下歯型62における出入方向の特定の位置で、センサ等により用紙束の厚さを測定し、相対角度の数値を求めてもよい。この場合、例えば、用紙集積部70に集積されて、用紙の後端部が揃えられた状態の用紙束の厚さが測定される。さらに、例えば、上歯型61及び下歯型62が用紙束に接触する前であって、上方接触部710の押え板711及び下方接触部720の支持板721が用紙束を押える状態において、用紙束の厚さを測定してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。