JP7199994B2 - トナー製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高い生産性が要求されるようになってきている。トナーにおいては、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーによる帯電性の安定化などにより、現像性や転写性が安定化し、高画質化を図ることができる。
一般的な、トナー粒子の製造方法として溶融混練粉砕法が知られている。具体的には、決着樹脂、色材、離型剤などの等のトナー構成材料を溶融混練し、冷却固化した後、混練物を粉砕手段により微細化しトナー粒子を得る手法であり、その後、必要に応じて所望の粒度分布に分級したり、流動化剤などを添加したりして、トナーを製造する。
混練物の粉砕手段として各種粉砕装置が用いられるが、高圧気体で被粉砕物を搬送し、加速管の出口より噴射し、加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させて、その衝撃力により被粉砕物を粉砕する衝突式気流粉砕機(特許文献1)や、被粉砕物の投入口および排出口を有するケーシング内に、中心回転軸に支持され、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、この回転子の外側に、この回転子の外周面と所定の間隙を設けて配置され、その内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子とを備え、投入口から排出口を流れる気流にのって回転子と固定子とが対抗する処理部を被粉砕物が通過する際に、回転子もしくは固定子の凸部もしくは凹部に衝突することで被粉砕物を粉砕する機械式粉砕装置(特許文献2)などが知られている。
特開2006-051496号公報 特開2011-237816号公報
前記、機械式粉砕機によるトナー溶融混練物の粉砕では、機械式粉砕機の回転子の回転速度を高回転にすることにより回転子外側の凸部と凹部の周速が向上し、被粉砕物との衝突エネルギーが増大するためトナー粒子を小粒径化することが可能となるが、回転子の最大回転数は粉砕装置の性能に依存する。また、トナー粒子の生産性向上のための手段として、単位時間当たりの被粉砕物の投入量増やすことが考えられる。しかし、該機械式粉砕機の回転子および固定子の間隙を被粉砕物が通過する際、前記投入口近傍から前記排出口付近に近づくにつれて、徐々に粗大粒子が粉砕され、微粒子化されるため、排出口近傍と比較して投入口近傍の仕事量が多いために、投入量を増やしたとき入口近傍で被粉砕物が融着し前記処理部内に被粗砕物を導入できなくなる場合がある。
本発明の課題は、溶融混練粉砕法において、トナーの生産性の向上及び小粒径化を達成する粉砕方法を提供することにある。
本発明者らの鋭意検討の結果、結着樹脂および着色剤を含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粗粉砕し、粗粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、
該粉砕手段は、粗粉砕物を粉砕手段内に投入するための2つの粉体投入口と、内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための1つだけの粉体排出口とを有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
微粉砕工程においては、2つの粉体投入口から粗粉砕物が並行して供給され、供給された粗粉砕物は、それぞれの粉体投入口から粉体排出口へと流れる気流にのり、該固定子と該回転子とが対向する処理部を経て、1つだけの粉体排出口から微粉砕されて排出されることを特徴とするトナーの製造方法を用いたとき、トナーの生産性の向上と小粒径化を実現できることを見出し、本発明に至った。
本発明によると、溶融混練粉砕法においてトナー粒子の生産性の向上と小粒径化を実現できる。
この要因については明確になっていないが、以下のように想定している。
本発明における機械式粉砕装置は、ケーシング内に、中心回転軸に支持され、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、この回転子の外側に、この回転子の外周面と所定の間隙を設けて配置され、その内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子とを備え、投入口から排出口を流れる気流にのって回転子と固定子との間隙を通過する際に、回転子もしくは固定子の凸部もしくは凹部に衝突することで被粉砕物を粉砕する機械式粉砕装置である。
一つの被粉砕物の投入口および一つの排出口を有する従来の該機械式粉砕機では、投入口から投入された被粉砕物は、投入口から排出口に向かう気流により中心回転軸と並行する力と回転子の凸部および凹部との衝突により回転子の外周の接線方向の力を受け、結果として投入口近傍の回転子と固定子の間隙内を起点とし、排出口近傍を終点とする、回転子の回転方向に向けた一筋の螺旋軌道をとって移動しながら粉砕されると考えられる。
これに対し、複数の投入口および一つの排出口を有する該機械式粉砕装置の場合、投入された被粉砕物は、排出口近傍を共通の終点とする起点の異なる螺旋軌道をとりながら粉砕されると考えられる。このため、投入口から排出口の方向に向かうにつれて、該間隙中に存在する被粉砕物の粉体密度が徐々に増してゆくものと考えられる。投入口が複数あることで投入口近傍の粉体密度が低くなり被粉砕物の融着が起こりにくくると考えられる。また、粉体密度が変わらないときは、被粉砕物の粒径が細かくなると、固定子と回転子間の間隙を通過しやすくなり、固定子と回転子への衝突確率が減少し粉砕効率が悪化してしまう。これに対し、粉体密度上昇する場合、被粉砕物同士の接触が発生しやすく被粉砕物がランダム方向に力を受けることで回転子と固定子との衝突確率低下が防止され排出口近傍における粉砕効率の低下が起こらない。
上述の理由により、単位時間当たりの被粉砕物の投入量を増やすことが可能となり、生産性の向上を可能とし、さらに、粉砕装置排出部近傍における粉砕効率の低下を抑制できることからトナー粒子の小粒径化を実現できると考えられる。
従来の機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の比較例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる加速噴射機構の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の実施例に用いられる機械式粉砕装置の概略図である。 本発明の比較例に用いられる機械式粉砕装置の排出口の概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明に用いる機械式粉砕機による粉砕方法の概略を、図1を用いて説明する。
図1では、横型の一般的な機械式粉砕装置の概略断面図を示しているが、縦型であっても構わない。ケーシング、ケーシング内にあって冷却水を通水できるジャケット、ケーシング内にあって中心回転軸に取り付けられた回転体からなる高速回転する表面に複数の凸部及び凹部が設けられている回転子103、回転子103の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に複数の凸部及び凹部が設けられている固定子104、更に、被粉砕物(粗粉砕物)を粉砕手段内に導入する為の粉体投入口101、処理後の粉体を排出する為の粉体排出口106とから構成されている。
以上のように構成してなる機械式粉砕機では、定量供給機から機械式粉砕機の粉体投入口101へ所定量の被粉砕物が投入されると、被粉砕物は機械式粉砕装置内の前室102を通過し、回転子103と固定子104の間隙による粉砕処理部を通過し、後室105を通過し、後室105と連通する粉体排出口106より排出される。被粉砕物は該粉砕処理部内で高速回転する回転子の凸部及び凹部表面と、固定子の凸部及び凹部表面の衝突により粉砕される。粉砕後のトナー粒子を搬送しているエアー(空気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口106を通過し、補集用サイクロンや、バグフィルター、吸引ブロワー224などを通過し装置システムの系外に排出される。
このような機械式粉砕機としては、イノマイザー(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、トルネードミル(日機装社製)などを挙げることができる。これらを次に述べる本発明に係る改造を加えて用いることができる。
粉砕法によるトナーの製造方法においては、粒径2mm程度にする粗粉砕工程と、所望の粒径にする微粉砕工程との間に中粉砕工程を入れても良く、本発明の粉砕プロセスはこの中粉砕工程であってもいいし、微粉砕工程であっても良い。また本発明の粉砕プロセスを直列または並列に2段以上連結して粉砕しても良い。
図1に示した機械式粉砕装置における粉体投入口101は一つであるが、本発明においては図2により例示されるように、粉体投入口101は複数個かつ粉砕後のトナー粒子の粉体排出口106はただ一つでなくてはならない。これにより、複数の粉体投入口101により粉砕装置に並行して投入され、ただ一つの粉体排出口106により排出される被粉砕物は、排出口近傍を共通の終点とする起点の異なる螺旋軌道をとりながら粉砕され、投入口から排出口の方向に向かうにつれて、該間隙中に存在する被粉砕物の粉体密度が徐々に増してゆくことから、回転子表面、固定子表面の凸部および凹部との衝突確率の低下が起こることなく、高効率で粉砕されるものと考えられる。
粉体投入口101は複数存在していれば、形状は問わないが、図2で示されるような定量供給機から直接前室102に供給可能な形状や、図3及び図4に示されるような、前室の形状が投入口に連通した渦巻形状を持つ渦巻室(スクロール室)1021であり、該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成され、回転子の側面と対向した渦巻室出口部(開口部)1022から被粉砕物が供給される形状などが例示される。
また、粉体供給機構として図5に示されるような加速噴射供給機構(JET)201を用い被粉砕を機械式粉砕機内に加速供給することも被粉砕物の供給手段として用いることも可能である。この際は、被粉砕物の供給口は該加速噴射供給機構に設置され、該加速噴射供給機構出口部2011が機械式粉砕機内に挿入され、加速噴射供給機構出口部2011より加速噴射された被粉砕物が機械式粉砕機に供給される。
図6のように、加速噴射供給機構による被粉砕物の噴射方向として回転子と固定子の間隙に水平となる方向に噴射供給した場合、被粉砕物のうち粒径の小さな微粉成分を加速噴射の効果で回転子および固定子に衝突させることなく遠くへ運ぶことができるため、これによって微粉成分の粉砕を抑制することができ、粒度分布のシャープ化につなげることが可能となる。
回転子および固定子の粉砕歯は回転子の中心軸方向に対して平行であることが重要である。凹凸が噛み合わさるような歯形状では、加速噴射によって微粉を飛ばし粉砕させにくくする効果が得られない。回転子および固定子の歯の深さは1.0mm以上2.0mm以下であることが好ましい。歯の間隔は1.0mm以上4.0mm以下であることが好ましい。この範囲にあるとき粗砕側を粉砕しつつ微粉を飛ばし粉砕させない空隙となる。粗砕物の加速噴射時の速度は10m/s以上50m/s以下であることが好ましい。この範囲にあるとき粗砕側を粉砕しつつ微粉を飛ばし粉砕させない噴射速度となる。
図7のように、加速噴射供給機構による被粉砕物の噴射方向として固定子側から回転子に向けて噴射供給する手段も取ることができ、加速噴射された被粉砕物が高速回転する回転子の凸部もしくは凹部に直接衝突した後、エアー搬送により回転子と固定子による間隙である処理部および排出口を通過するために、さらなる小粒径化が可能である。この場合、該処理部を通過する距離が短くなってしまうと粉砕効率の低下が懸念されるため、加速噴射供給機構は回転子を軸線方向に4分割した際の供給口側4分の1までの位置において加速噴射供給機構出口部2011を回転子に向けて設置することが好ましい。
本発明において供給口は複数存在する必要があるが、供給口の形式はそれぞれ同形式であってもよいし、図8に例示されるように、一方を渦巻室および他方を接続された加速供給機構による供給など、異なる形式をとってもよい。
次に、本発明の製造方法および製造装置で、トナーを製造する手順について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも結着樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤、該離型剤を分散させる分散剤、帯電制御剤などを混合してもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕される。更に、イノマイザー(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)等の機械式粉砕機に本発明に係る改造を加えたもので微粉砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。
次に、本発明で使用する結着樹脂及び着色剤を少なくとも含むトナー微粒子の原材料について説明する。
<結着樹脂>
電子写真に用いられるトナーに用いられる結着樹脂としては、一般的な樹脂を用いることができ、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが例示できる。この中でも、低温定着性を良好にするという観点から非晶性ポリエステル樹脂が用いられ、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、低分子量ポリエステルと高分子量ポリエステルを併用することが知られている。また、さらなる低温定着性の向上と保管時の耐ブロッキング性の観点から結晶性ポリエステルを可塑剤として用いることもある。
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、公知の有機顔料若しくは油性染料、カーボンブラック、又は磁性体などが挙げられる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
マゼンタ系着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
黒色系着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は、前記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
該着色剤は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
<離型剤>
必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤を用いてもよい。該離型剤としては、低分子量ポリオレフィン類、シリコーンワックス、脂肪酸アミド類、エステルワックス類、カルナバワックス、炭化水素系ワックスなどが一般的に例示できる。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、50μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を1μm以上30μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの個数平均粒径(D4)の測定方法の(7)の工程において、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<加速噴射速度の算出>
加速噴射の速度は、以下の式1から算出を行った。体積流量は流量計で測定を行うことで得られる値を使用する。
(速度)=(体積流量)/(管の有効断面積) (式1)
<非晶性ポリエステル樹脂Lの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:28.0質量部(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した。
・無水トリメリット酸:1.3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が90℃に達したことを確認してから温度を下げて反応を止め、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Lを得た。
<非晶性ポリエステル樹脂Hの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.3質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:18.3質量部(0.11モル;多価カルボン酸総モル数に対して65.0mol%)
・フマル酸:2.9質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した。
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が137℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Hを得た。
<結晶性ポリエステル樹脂>
・1,6-ヘキサンジオール:
34.5質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:
65.5質量部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。次に、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、表2に示した、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた1種以上の脂肪族化合物を、原料モノマー100.0mol%に対し7.0mol%加え、常圧下にて200℃で2時間反応させた。
その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して200℃で3時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
<トナーの製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂L 60質量部
・非晶性ポリエステル樹脂H 40質量部
・結晶性ポリエステル樹脂 5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(炭化水素ワックス、最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 8質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合して混合物を得た後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。混練時のバレル温度は、混練物の出口温度が120℃になるよう設定した。混練物の出口温度は、安立計器社製ハンディタイプ温度計HA-200Eを用い直接計測した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、粗砕物1を得た。
<製造装置1:スクロール/スクロール>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図4のように、2つの投入口に連通した1つの渦巻室を有し、渦巻室の出口部を経て、処理部に供給可能であり、一つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置2:スクロール/水平JET>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図8のように、1つの投入口に連通した1つの渦巻室を有し、さらに、加速噴射供給装置出口部が回転子及び固定子の間隙に水平方向を向くように設置された加速噴射供給装置を一つ有し、一つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置3:スクロール/直接JET>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図9のように、1つの投入口に連通した1つの渦巻室を有し、さらに、供給口側の回転子端部から5cm排出口寄りの位置において、加速噴射供給装置出口部が固定子側から回転子方向を設置された加速噴射供給装置を一つ有し、一つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置4:直接/直接>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図2のように、粉砕装置前室に連通した供給口を2つ有し、一つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置5:スクロール/水平JET>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、粉砕装置前室に連通した供給口を1つ有し、さらに、加速噴射供給装置出口部が回転子及び固定子の間隙に水平方向を向くように設置された加速噴射供給装置を一つ有し、一つの排出口を有する装置構成に改造した(図10において201位置Aのみに加速噴射供給装置を設置した)。構成を表1に示す。
<製造装置6:スクロール/直接JET>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、粉砕装置前室に連通した供給口を1つ有し、ささらに、供給口側の回転子端部から5cm排出口寄りの位置において、加速噴射供給装置出口部が固定子側から回転子方向を設置された加速噴射供給装置を一つ有し一つの排出口を有する装置構成に改造した(図11において201位置Aのみに加速噴射供給装置を設置した)。構成を表1に示す。
<製造装置7:水平JET/水平JET>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図10において粉砕装置前室に連通した供給口に関しては冷風の取り込み口とし(被粉砕物の供給口としない)、加速噴射供給装置出口部が回転子及び固定子の間隙に水平方向を向くように設置された加速噴射供給装置を201位置Aおよび201位置Bの位置設置し、一つの排出口を有するように装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置8:水平JET/水平JET>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図11において粉砕装置前室に連通した供給口に関しては冷風の取り込み口とし(被粉砕物の供給口としない)、供給口側の回転子端部から5cm排出口寄りの位置において、加速噴射供給装置出口部が固定子側から回転子方向を設置された加速噴射供給装置を201位置Aおよび201位置Bの位置設置し、一つの排出口を有するように装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置9:スクロール室>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を用いた(図3)。構成を表1に示す。
<製造装置10:直接>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図1のように、粉砕装置前室に連通した供給口を1つ有し、一つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置11:スクロール/スクロール出口2>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図4のように、2つの投入口に連通した1つの渦巻室を有し、渦巻室の出口部を経て、処理部に供給可能であり、図12のように、2つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
<製造装置12:直接/直接出口2>
粉砕装置の構成として、機械式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT250-CRS-ローター形状RS型)を、図2のように、粉砕装置前室に連通した供給口を2つ有し、図12のように、2つの排出口を有する装置構成に改造した。構成を表1に示す。
Figure 0007199994000001
以下、上記で得た粗砕物1を製造装置1~12で微粉砕してトナーを製造する実施例及び比較例を示す。ここで、供給量(生産Feed量)を2パターンとし、且つ、トナーとして小粒径(D4が5.00μm未満)を条件に、生産性の向上と小粒径化の達成具合を調べた。
<実施例1(トナー1製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件1A)
製造装置1を用い2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ10kg/h、冷風をそれぞれ風量4m3/min流入させ、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー1Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件1B)
2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ20kg/h供給した以外は条件1Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー1Bを得た。
<実施例2(トナー2製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件2A)
製造装置2を用い渦巻室と連通した供給口から、粗砕物1を10kg/h、冷風を風量8m3/min流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を10kg/h、流速22.7m/s、ノズル径21.6mm、圧力0.5MPa、流量0.5L/min加速供給し、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー2Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件2B)
渦巻室と連通した供給口から、粗砕物1を20kg/h流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を20kg/h加速供給した以外は条件2Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー2Bを得た。
<実施例3(トナー3製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件3A)
製造装置3を用い渦巻室と連通した供給口から、粗砕物1を10kg/h、冷風を風量8m3/min流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を10kg/h、流速22.7m/s、ノズル径21.6mm、圧力0.5MPa、流量0.5L/min加速供給し、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー3Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件3B)
渦巻室と連通した供給口から、粗砕物1を20kg/h流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を20kg/h加速供給した以外は条件3Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー3Bを得た。
<実施例4(トナー4製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件4A)
製造装置4を用い2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ10kg/h、冷風をそれぞれ風量4m3/min流入させ、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行いった。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー4Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件4B)
2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ20kg/h供給した以外は条件4Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー4Bを得た。
<実施例5(トナー5製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件5A)
製造装置5を用い前室と連通した供給口から、粗砕物1を10kg/h、冷風を風量8m3/min流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を10kg/h、流速22.7m/s、ノズル径21.6mm、圧力0.5MPa、流量0.5L/min加速供給し、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー5Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件5B)
渦巻室と連通した供給口から、粗砕物1を20kg/h流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を20kg/h加速供給した以外は条件5Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー5Bを得た。
<実施例6(トナー6製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件6A)
製造装置6を用い前室と連通した供給口から、粗砕物1を10kg/h、冷風を風量8m3/min流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を10kg/h、流速22.7m/s、ノズル径21.6mm、圧力0.5MPa、流量0.5L/min加速供給し、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー6Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件6B)
渦巻室と連通した供給口から、粗砕物1を20kg/h流入させ、加速噴射供給装置から粗砕物を20kg/h加速供給した以外は条件6Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー6Bを得た。
<実施例7(トナー7製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件7A)
製造装置7を用い、冷風の取り込み口から、冷風を風量8m3/min流入させ、2つの加速噴射供給装置からそれぞれ粗砕物を10kg/h、流速22.7m/s、ノズル径21.6mm、圧力0.5MPa、流量0.5L/min加速供給し、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー7Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件7B)
2つの加速噴射供給装置からそれぞれ粗砕物を20kg/h加速供給した以外は条件7Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー7Bを得た。
<実施例8(トナー8製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件8A)
製造装置8を用い、冷風の取り込み口から、冷風を風量8m3/min流入させ、2つの加速噴射供給装置からそれぞれ粗砕物を10kg/h、流速22.7m/s、ノズル径21.6mm、圧力0.5MPa、流量0.5L/min加速供給し、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物をトナー8Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件8B)
2つの加速噴射供給装置からそれぞれ粗砕物を20kg/h加速供給した以外は条件8Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、トナー8Bを得た。
<比較例1(比較トナー1製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件9A)
製造装置9を用い、供給口からの粗砕物を20kg/h、冷風を風量8m3/min流入させ、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物を比較トナー1Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件9B)
供給口からの粗砕物1を40kg/h供給した以外は条件9Aと同様に粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分に達する前に、粉砕装置内供給口近傍で融着が発生したためトナーを得ることができなかった。
<比較例2(比較トナー2製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件10A)
製造装置10を用い、供給口からの粗砕物を20kg/h、冷風を風量8m3/min流入させ、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物を比較トナー2Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件10B)
供給口からの粗砕物1を40kg/h供給した以外は条件10Aと同様に粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分に達する前に、粉砕装置内供給口近傍で融着が発生したためトナーを得ることができなかった。
<比較例3(比較トナー3製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件11A)
製造装置11を用い2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ10kg/h、冷風をそれぞれ風量4m3/min流入させ、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物を比較トナー3Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件11B)
2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ20kg/h供給した以外は条件11Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、比較トナー3Bを得た。
<比較例4(比較トナー4製造)>
生産Feed:20kg/h条件(条件12A)
製造装置12を用い2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ10kg/h、冷風をそれぞれ風量4m3/min流入させ、回転子の回転数を周速170m/s、回転子と固定子とギャップ1.0mm、冷風温度-10℃、の条件で粗砕物1の粉砕を行った。装置運転開始30分後の前記粉砕物を比較トナー4Aとして回収した。
生産Feed:40kg/h条件(条件12B)
2つの供給口からの粗砕物1をそれぞれ20kg/h供給した以外は条件11Aと同様に粗砕物1の粉砕を行い、比較トナー4Bを得た。
[評価:粒度分布]
トナー1A~8A、トナー1B~8B、比較トナー1A~4A、比較トナー3B及び4Bに関して、上述したトナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法を用いて粒度分布を測定した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:重量平均粒径が4.40μm未満 (非常に優れている)
B:重量平均粒径が4.40μm以上、4.70μm未満 (良好である)
C:重量平均粒径が4.70μm以上、5.00μm未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:重量平均粒径が5.00μm以上 (本発明では許容できない)
E:融着発生のためトナーを得られない
[評価:粒度分布]
トナー1A~8A、トナー1B~8B、比較トナー1A~4A、比較トナー3B及び4Bに関して、上述したトナー粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法を用いてD1を測定し粒度分布(D4/D1)を評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:D4/D1が1.40未満 (非常に優れている)
B:D4/D1が1.40以上、1.50未満 (良好である)
C:D4/D1が1.50μm以上
Figure 0007199994000002
101:粉体投入口、102:前室、1021:渦巻室、1022:渦巻室出口部、103:回転子、104:固定子、105:後室、106:粉体排出口、107:中心回転軸、108:冷風発生装置、109:冷水供給口、110:冷水排出口、2011:加速噴射供給機構、201:加速噴射供給機構出口部

Claims (8)

  1. 結着樹脂および着色剤を含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粗粉砕し、粗粉砕物を粉砕手段によって微粉砕する工程を有するトナーの製造方法であって、
    該粉砕手段は、
    粗粉砕物を粉砕手段内に投入するための2つの粉体投入口と、
    内周面に複数の凸部と凹部とを有する固定子と、
    中心回転軸に取り付けられ、外周面に複数の凸部と凹部とを有する回転子と、
    微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための1つだけの粉体排出口と、
    を有し、
    該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とが所定の間隙を有して対向するように、該回転子は配置されており、
    微粉砕工程においては、2つの粉体投入口から粗粉砕物が並行して供給され、供給された粗粉砕物は、それぞれの粉体投入口から粉体排出口へと流れる気流にのり、該固定子と該回転子とが対向する処理部を経て、1つだけの粉体排出口から微粉砕されて排出されることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該粉砕手段は、2つの該粉体投入口に連通した1つの渦巻室を有し、該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成され、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、供給された粗粉砕物は、該渦巻室の該出口部を経て、該処理部に供給される請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 該粉砕手段は、一方の粉体投入口にのみ連通した渦巻室を有し、該渦巻室は、該中心回転軸の外周を囲むように形成され、該渦巻室の出口部は、該回転子の側面と対向した開口部を有しており、この粉体投入口から供給された粗粉砕物は、該渦巻室の該出口部を経て、該処理部に供給され、
    該渦巻室が連通していない、他方の粉体投入口から供給された粗粉砕物は、該処理部に、直接供給される請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 該渦巻室が連通していない該粉体投入口には、粉体供給機構が接続されており、該粗粉砕物は、該中心回転軸の軸線方向に沿って加速噴射されて、該処理部に供給される請求項3に記載のトナーの製造方法。
  5. 該渦巻室が連通していない該粉体投入口には、粉体供給機構が接続されており、該粗粉砕物は、固定子側から回転子方向に向かって加速噴射されて、該処理部に供給される請求項3に記載のトナーの製造方法。
  6. 2つの該粉体投入口から供給された粗粉砕物は、該処理部に、それぞれ直接供給される請求項1に記載のトナーの製造方法。
  7. 2つの該粉体投入口には、それぞれ粉体供給機構が接続されており、該粗粉砕物は、該中心回転軸の軸線方向に沿って加速噴射されて、該処理部に供給される請求項6に記載のトナーの製造方法。
  8. 2つの該粉体投入口には、それぞれ粉体供給機構が接続されており、該粗粉砕物は、固定子側から回転子方向に向かって加速噴射されて、該処理部に供給される請求項6に記載のトナーの製造方法。
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