JP7197572B2 - 切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置および方法およびこのような装置を備えた顕微鏡 - Google Patents

切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置および方法およびこのような装置を備えた顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP7197572B2
JP7197572B2 JP2020515121A JP2020515121A JP7197572B2 JP 7197572 B2 JP7197572 B2 JP 7197572B2 JP 2020515121 A JP2020515121 A JP 2020515121A JP 2020515121 A JP2020515121 A JP 2020515121A JP 7197572 B2 JP7197572 B2 JP 7197572B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
sample
target
laser
collection container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020515121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020533598A (ja
Inventor
ジーメンゼン クリスティアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Leica Microsystems CMS GmbH
Original Assignee
Leica Microsystems CMS GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Leica Microsystems CMS GmbH filed Critical Leica Microsystems CMS GmbH
Publication of JP2020533598A publication Critical patent/JP2020533598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7197572B2 publication Critical patent/JP7197572B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/04Devices for withdrawing samples in the solid state, e.g. by cutting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L3/00Containers or dishes for laboratory use, e.g. laboratory glassware; Droppers
    • B01L3/50Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes
    • B01L3/508Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes rigid containers not provided for above
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2200/00Solutions for specific problems relating to chemical or physical laboratory apparatus
    • B01L2200/06Fluid handling related problems
    • B01L2200/0647Handling flowable solids, e.g. microscopic beads, cells, particles
    • B01L2200/0668Trapping microscopic beads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2400/00Moving or stopping fluids
    • B01L2400/04Moving fluids with specific forces or mechanical means
    • B01L2400/0403Moving fluids with specific forces or mechanical means specific forces
    • B01L2400/0415Moving fluids with specific forces or mechanical means specific forces electrical forces, e.g. electrokinetic
    • B01L2400/0424Dielectrophoretic forces
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • G01N1/2813Producing thin layers of samples on a substrate, e.g. smearing, spinning-on
    • G01N2001/2833Collecting samples on a sticky, tacky, adhesive surface
    • G01N2001/284Collecting samples on a sticky, tacky, adhesive surface using local activation of adhesive, i.e. Laser Capture Microdissection
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • G01N1/286Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q involving mechanical work, e.g. chopping, disintegrating, compacting, homogenising
    • G01N2001/2873Cutting or cleaving
    • G01N2001/2886Laser cutting, e.g. tissue catapult

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Description

本発明は、切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置および方法およびこのような装置を備えたレーザ顕微鏡システムに関する。つまり本発明の分野は、レーザマイクロダイセクションならびに目標物から試料を切除するまたは切り離す別の方法である。試料の切り離しもしくは切除の前および/または最中および/または後の、前記のような目標物の画像化および検査は、一般に顕微鏡を使用して行われる。
「レーザ顕微鏡システム」という用語は、本発明ではレーザマイクロダイセクションシステムまたはレーザアブレーションシステムを意味するが、正立顕微鏡または倒立顕微鏡を、レーザにより生ずるレーザビームと共に使用して目標物から試料を切り離すまたは切除する、別のシステムをも意味する。
レーザマイクロダイセクションによる生体試料の加工方法は、既に1970年代半ばから存在しており、それ以来継続して発展してきた。レーザマイクロダイセクションでは、生体試料(「目標物」)から細胞、組織領域等を分離し、いわゆる切片として得ることができる。レーザマイクロダイセクションの1つの特別な利点は、試料とレーザビームとの短い接触という点にあり、これにより、試料はほとんど変化しない。切片は、様々な方式で得ることができる。
例えば周知の方法では、紫外レーザビームを用いてレーザビームにより生じた切断線に基づき試料から切片を分離することができ、切片は、重力の影響を受けて適当な切片回収容器内へ落下する。この場合は、切片を試料から、試料に付着しているメンブレンと共に切り出すことができる。これに対して、いわゆる「レーザキャプチャーマイクロダイセクション」の場合には、相応する赤外レーザビームにより、熱可塑性メンブレンが加熱される。この場合、メンブレンは試料の所望の領域と共に溶融し、引き続くステップにおいて裂断により除去され得る。別の代替手段では、レーザビームを用いて、切片を切片回収容器の蓋に付着させる。レーザマイクロダイセクション用の周知の倒立顕微鏡システムでは、移送パルスにより上方に移送される切片を、接着性コーティングが施された切片回収容器の底部にも付着させることができる。
レーザマイクロダイセクション用の周知の顕微鏡システムは落射型照明装置を有しており、落射型照明装置の光路にレーザビームが入射結合される。レーザビームは、都度使用される顕微鏡対物レンズを通り、モータにより移動可能な顕微鏡台に載置された試料に集束させられる。固定式のレーザビームに対して試料を相対的に移動させるために、切断時に顕微鏡台を移動させることにより、切断線を生ずることができる。しかしながらこのことはとりわけ、断面線の形成中に試料を容易には観察し得ない、という欠点を有している。それというのも、試料が視界内で移動して、画像は別の補正手段無しではぼやけるかもしくはにじんで見えるからである。
よって、レーザビームもしくはレーザビームの入射点を、切り離そうとする固定試料に対して移動させるように設けられたレーザ偏向装置もしくはレーザ走査装置を有するレーザマイクロダイセクションシステムが、より有利である。以下に、本発明の枠内でも使用されるべき、特別な利点を提供するこのようなレーザマイクロダイセクションシステムを詳細に説明する。レーザ光路内に互いに変位可能な複数の楔状ガラスを備えたレーザ偏向装置を有する、特に有利なレーザ顕微鏡システムは、例えば欧州特許第1276586号明細書に記載されている。
両ケースでは、つまり試料の移動を伴うシステムまたは試料の固定を伴うシステムでは、一般にパルスレーザを用いて作業が行われ、この場合、レーザパルス毎に1つの孔もしくは凹所が試料に形成される。このような孔もしくは凹所が複数、相接して連なり、場合によりオーバラップすることで、切断線が生じる。
レーザマイクロダイセクションは、例えば約500μmの直径を備えた個別細胞、細胞コンパートメントまたは所定の組織領域を得るために利用され得る。適当に制御すると、レーザビームは、切断されるべき試料が配置された目標物支持体の大きさのみによって画定される、大幅に大きな領域を切り出すこともできる。
ただし一般に、切片は、μm範囲の大きさ、例えば20μmちょうどまたはそれ未満の大きさしか有しておらず、切片は、レーザビームにより周囲の組織から分離され、次いで例えば様々な診断分析方法を受ける。腫瘍学では、レーザマイクロダイセクションが例えば、微視的な切片から特定の(腫瘍)細胞を分離し、これらの細胞の特定の代謝物質、RNA発現レベル、DNA変異またはタンパク質を検査するために使用され得る。
上述した、欧州特許第1276586号明細書に基づくレーザマイクロダイセクションシステムでは、目標物面においてレーザビーム焦点を光軸に対して垂直に移動させるために、走査装置が用いられる。この走査装置は、2つの光学楔(プリズム、楔状ガラスプレート)を用いて働くようになっており、光学楔の面は光軸に対して傾斜しており(楔角)、光学楔は光学軸を中心として回動可能に支承されている。光学楔を互いに回動させることにより、レーザビームのビーム偏向が生じ、これにより、レーザビーム焦点を目標物面において所定の形式で移動させ、そこに位置する試料を切り離すことができるようになっている。この走査装置の構成形式および機能形式に関しては、具体的には前掲の欧州特許第1276586号明細書を参照されたい。相応するシステムは、実地では、(目標物面に対して垂直な)z方向には動かない固定式の対物レンズレボルバを備えた正立基台、という点において優れており、この場合、焦点調節のためには顕微鏡台が前記z方向に動かされる。切り離し中、顕微鏡台は、x方向およびy方向(つまり目標物面)において固定されている。
別のレーザマイクロダイセクションシステムは、一般に倒立顕微鏡に基づくものであり、固定されたレーザビームを用いる(走査装置無し)ため、試料は、x方向およびy方向に顕微鏡台を移動させることにより、切断される。このようなシステムでは、焦点調節は対物レンズレボルバをz方向に移動させることにより行われ、この場合は一般に、顕微鏡台自体をz方向に移動させることはできない。
独国特許第10322348号明細書からは、メンブレン支持式のレーザマイクロダイセクションにより得られた切片を非接触式に移動させるための装置が公知である。切出し過程は、切り出された切片に静電気を帯電させるという前提条件の下で、回収容器内への移送を静電気により支援することができるようになっている。このためには直線的に配置された2つの電極が目標物の下側に配置されており、静電気を帯電させられた切片の電荷とは逆に帯電させられている。目標物の上側には、試料もしくは切片と一致するように帯電させられていることにより切出しプロセスを支援することができる、別の電極が位置している。その結果生じるクーロン力が、切片を回収容器の下側の電極の方へ引き寄せる。そこに説明された方法は、試料、つまり切片が切出し過程に基づき常に静電気を帯びていることに依存している、という欠点を有している。このことは、環境条件(例えば培養器内の空気湿度、試料の組成(湿潤試料または乾燥試料、試料の塩分等))に応じて管理することができない。電気的に中性の試料では、静電気原理は、その効果を再現可能に発揮することができない、または大きな技術的な手間に結び付いている。説明された方法では、第2の電極が、回収容器の下の電極に前置された管内の制御格子と同様に、帯電した試料もしくは切片の予備加速をもたらす。このことは、試料の電荷および中間電極の電圧に応じて、試料がこの電極の領域に付着し続けひいては最早見つけ出すことができなくなる、ということを生ずる場合がある。これにより、3つの電極に対する電圧の制御過程ならびに機械的な構造が極めて複雑になり、これに相応してコストも高くなる。
独国特許第19804800号明細書からは、切り離された、メンブレン支持された試料を自動で回収し、後置された回収容器内へ移送する装置が公知である。このために回収容器の領域には、帯電させられたマイクロ切片もしくは磁化されたマイクロ切片を引きつける電界または磁界が形成される。ここでも、帯電させられたまたは磁化された試料またはメンブレンが前提条件であり、中性の試料については、既に上述した欠点が生じることになる。
試料のレーザダイセクションまたは切除においては、既に上述したように、切り出された試料が回収容器内へ落下するもしくはそこまで移送される。切り出された試料は次いで回収容器内で、低い拡大率の対物レンズを備えた顕微鏡により鑑定されることがある。この場合には切り出された試料を探さねばならなくなるということが頻繁に生じ、これにより、実験の実施時間が大幅に延長されることになる。試料および/または回収容器には静電気が帯電させられていることもあり、これにより、回収容器の縁部または回収容器の上側の目標物ホルダに切り出された試料が付着するため、切り出された試料を見つけ出すことは最早できなくなる、という危険が生じる。
したがって本発明の課題は、試料の切り離しまたは切除における前記欠点を回避すると共に、特に、中性の試料も特に静電気を帯電させられた試料も確実に回収容器内へ、特に回収容器の所定の領域内へ移送する手段を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、各独立特許請求項に記載の、目標物から切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置、レーザ顕微鏡システムならびに相応する方法を提案する。有利な構成は、各下位請求項および以下の説明から明らかである。
切り離されたまたは切除された試料を回収するための、本発明による回収装置は、試料を回収するための少なくとも1つの回収容器を有しており、この場合、この回収容器は一般に、目標物に向けられた開口を有しており、この開口を、切り離されたまたは切除された試料が通り抜ける。さらに、少なくとも1対の電極が、回収容器の底部の、目標物ひいては回収容器の開口とは反対の側に、または回収容器の底部に直接に配置されている。切り離しまたは切除後に、試料が重力に基づき回収容器内へ落下すると、例えば回収容器の底部の下側に電極対が位置している。回収装置はさらに、電極対の電極に電圧を印加するための、少なくとも1つの電圧供給手段を有しており、この場合、同心的に配置された1対の電極が設けられており、電極対に印可された電圧は、少なくとも回収容器の領域に、電界の発散を生ずる。
以下では、一般性を制限せずに本発明をより簡単に説明するために、特に試料の切り離し(ダイセクション)のケースを考察する。この場合、電極対に電圧が印可されること無しに、試料は重力の影響を受けて回収容器内へ移送される。他の、試料の切除(アブレーション)ならびに重力に抗した試料移送のケースは、簡単のために詳しくは説明しないが、これにより本発明の限定につながることはない。
電極対の適当な幾何学形状に基づき、極めて不均一な電界を生ずることができる。このことは、通常は誘電性の試料内に双極子モーメントを誘発する。双極子には、電界が強く発散している領域に試料を移動させる力が作用する。この力は、誘発された双極子モーメントおよび電界の発散に依存する。よって強く発散した電界は、弱く発散した電界よりも大きな力を、双極子ひいては試料に加えることになる。この、誘電泳動として知られる物理的作用が、本発明では切り離されたまたは切除された試料を回収容器内に回収するために利用される。回収容器の下側もしくは回収容器の底部に設けられた1対の電極により、高電圧印加を介して、強く発散する電界を、回収容器の領域、つまり回収容器の内部および切り離しまたは切除位置に到るまでの、回収容器の周辺領域に生ずることができる。切り離されたまたは切除された試料は大抵誘電性であるため、試料には、電界の最大発散の方向に向けられた力が作用する。つまり、切り離されたまたは切除された試料が回収される位置は、電界の延在部に依存して決定され得る。
本発明では、同心的に配置された内側の電極と外側の電極とを備えた1対の電極が使用される。この場合、外側の電極自体は、回収容器の周に対して同心的であると有利である。それというのも、これにより試料が回収容器の中央に集められるからである。この場合もやはり、外側の電極は実質的に、回収容器の周、特に回収容器の底部の周と同じ寸法を有しており、内側の電極は回収容器の中心軸線の領域、つまり例えば回収容器の底部中央の領域に配置されていると有利である。この場合、試料は中央の内側の電極の周りに集まる。例えば、小さな横断面の内側の電極または先鋭電極として形成された電極が使用されてよい。外側の電極としては環状電極を使用することができ、この場合、この電極は、1つまたは複数のリングセグメントもしくは円セグメントを有していてもよい。特に有利なのは、回収容器の底部の周に対して同心的に延在しかつ内側の先鋭電極を同心的に包囲する外側の環状電極である、ということが判った。電界が回収容器の内部にかつ切り離しまたは切除位置から可能な限り遠くに広がることができるようにするために、回収容器自体は非導電性であってよい。「環状」とは、円い開口を備えたプレートとしてまたは円盤として形成された電極をも意味する。電極対は、例えばそれ自体は回収容器の底部の下側または底部上に配置されていてよいシートの形態の、例えば印刷されたストリップ導体から成っていてよい。
誘電泳動の原理は、従来は特に生体粒子の捕集に用いられる。米国特許第4956065号明細書からは、特別な電極構成により生じた電界内で、生体細胞等の中性粒子を自由に泳動させ、これにより、この粒子を顕微鏡で検査しかつ結像することができるようにする方法が公知である。
米国特許第8021532号明細書からは、特別な電極構成から形成された、誘電泳動を用いて分子を捕集するためのピンセットが公知である。
さらに米国特許第7704363号明細書からは、双極子モーメントを有しかつ経路に沿って移送される核酸、タンパク質、炭水化物、細胞等の極性物質を、極性物質の移送路に対して垂直に延在する交番電界により形成される濃縮ゾーン内で捕捉して回収する装置が公知である。
切り離されたまたは切除された試料は、有利には回収容器の底部において、中央の内側の電極の周りに集まる。これによりユーザはより迅速に、切り出された試料を見つけることができる。試料または回収容器が静電気を帯びている場合、試料はそれにもかかわらず回収容器の内部に確実に到達し、既に目標物ホルダまたは回収容器の縁部に付着したままになることはない。このことは試料を分析する場合、ユーザにかなりの時間的な利点を与えると共に、特に試料の大きさが数μmを超えることが滅多にないレーザアブレーションの場合には、試料を実際に捕捉したという確信をも与える。
電界の発散に基づく誘電力の他に、試料には、電界の発散に応じて誘電力よりも若干大きくなり得るオーダの重力も作用する。よって本来、とりわけ目標物と回収容器の底部との間の距離が比較的大きな場合には、試料が誘導されることはほとんどない。しかしながら、試料の数μm範囲の小さな粒径に基づき、試料はストークスの摩擦により数ms以内で空気中もしくは周囲ガス中で制動され、数mm/sの一定の速度で下方に向かって落下する。したがって摩擦力が重力を完全に相殺することになり、その結果生じる力が誘電力である。つまり試料は、電界が最も大きく発散している方に向かって落下する。
電界の大きな発散は、電極の特別な配置形式により達成され得る。有利な幾何学形状には1対の同心的な電極が含まれ、この電極対は特に、接地された外側の電極を有しており、外側の電極の中心には、特に100ボルト~10kVの高電位差の先鋭電極が位置している。
有利なのは、電圧供給手段が電極対に、もしくは外側の電極が接地されている場合には中心の電極に、交流電圧を供給する場合である。このようにして、誘電力を粒子に、静電気を帯電させられると生じるその表面電荷とは全く無関係に作用させることができる。それというのも、静電気力は時間にわたり平均化されるが、誘電力は電界の極性に依存していないからである。
1つの別の有利な構成では、電圧供給手段自体は制御ユニットにより、電圧振幅および/または時間的な電圧推移に関して制御または調整される。制御ユニットは特に、フラッシュオーバーまたは短絡等の機能不全を感知するためにとりわけ適している。さらに、有利には制御ユニットにより電圧、特に直流電圧または交流電圧の時間的な推移を調節することができる。さらに機能不全の場合には、伝達可能な最大エネルギ量を制御ユニットにより制限することができる。
1つの別の可能な実施形態では、回収装置は、マトリックスまたはアレイに接続された複数の電極対を有しており、この場合、単一のまたは複数の回収容器が設けられており、少なくともいくつかの電極対が、単一の回収容器の底部の、目標物とは反対の側に配置されているか、または各回収容器の底部の、目標物とは反対の側に配置されている。これに対して択一的に、複数の電極対が単一の回収容器もしくは各1つの回収容器の底部に配置されていてもよい。このようにして、複数の容器内への試料回収が可能になる、または複数の試料が1つの大型容器内で位置に関連して回収され得る。
本発明はさらに、目標物から試料を切り離すまたは切除するためのレーザ顕微鏡システムであって、目標物を支持するための目標物ホルダおよび光軸を規定する対物レンズを備えた顕微鏡を備えており、さらにレーザおよびレーザにより生ずる、目標物から試料を切り離すまたは切除するためのレーザビームを備えており、かつ切り離されたまたは切除された試料を回収するための、上で詳しく説明したような本発明による回収装置を備えている、レーザ顕微鏡システムに関する。
このようなレーザ顕微鏡システムは、従来技術において例えばレーザマイクロダイセクションシステムまたはレーザアブレーションシステムとして説明されており、周知である。レーザ顕微鏡システムは、落射型または透過型で作動し、正立顕微鏡または倒立顕微鏡を用いることができる。典型的なレーザマイクロダイセクションシステムの場合、目標物は落射光内で照明され、落射型照明の光路は、顕微鏡もしくは対物レンズの光軸に入射結合される。また、試料を切断するレーザビームも顕微鏡に入射結合され、顕微鏡対物レンズを介してガイドされる。一般性を制限すること無しに本発明をより広く例示するために、この特別なケースを起点とするが、これがこのようなレーザマイクロダイセクションシステムへの限定に結び付くことはない。
本発明に基づき、このようなレーザ顕微鏡システムでは、本発明による回収装置を介して回収容器の領域、つまり回収容器の内部および回収容器の、切り離しまたは切除位置に到るまでの周辺領域に、強力に発散する電界が生ずる。このことから得られる利点および別の構成については、本発明による回収装置に関する前記説明を参照されたい。
目標物ホルダが顕微鏡台上に配置されており、この場合、顕微鏡台は接地されているかまたは非導電性であると、合理的である。合理的には、同じことが目標物ホルダ自体にも当てはまる。レーザマイクロダイセクションシステムの説明した特別なケースでは、一般に目標物はメンブレン上に被着され、メンブレン自体は、合理的には接地された枠状の金属の目標物ホルダに載置されている。これに対して択一的に、ガラスから成る目標物支持体が使用されてもよく、この場合、この目標物支持体は、目標物の、回収容器に面した側を切除するまたは切り離すために使用される。前記コンポーネントの接地は、顕微鏡台もしくは目標物ホルダの領域における電界の、より広範な発散を回避するために合理的である。
外側の環状電極が、接地されていると共に小さな横断面の内側の電極もしくは先鋭電極を同心的に包囲している電極配置形式が特に有利である、ということが判った。この場合、内側の電極は、光軸上にまたは光軸近傍に配置されている。
一般にレーザ顕微鏡システムは、照明光路を生じ、照明光路を顕微鏡の目標物面に向ける、照明装置を有している。この場合は、落射型照明光路または透過型照明光路であってよい。照明光路が回収容器の側から目標物に向けられる場合には、電極配置による最小限の光損失を考慮せねばならない。このためには、外側の電極が、環状に形成されておりかつ外側の電極の位置における照明光路の直径に実質的に等しいかまたは照明光路の直径よりも大きな直径を有していると有利である。内側の電極も、やはり合理的に先鋭電極として、特に光軸の位置に形成されている。このようにして、電界の強力な発散が保証されておりかつ他方では、可能な限り多くの光が通過することができるようになっている。
最後に本発明は、本発明による回収装置または本発明によるレーザ顕微鏡システムを使用して、目標物から切り離されたまたは切除された試料を回収する方法であって、目標物から試料を切り離すかまたは切除し、切り離したまたは切除した試料を回収装置の回収容器内へ移送し、回収装置の電極対を、回収装置の電圧供給手段により電極対に電圧を印加した後で回収容器の領域に電界が所定の電界発散を伴って形成され、これにより、切り離したまたは切除した試料に、試料を回収容器内へ誘導する誘電力が作用するように、回収容器に配置する、方法に関する。
電極対は、有利にはやはり、回収容器の底部の、目標物とは反対の側または底部自体に配置されている。複数の回収容器を、複数の付属する電極対と共に使用することもでき、この場合は複数の電圧供給手段が設けられていてもよい。これらの構成および別の構成に関しては、具体的には本発明による回収装置もしくは本発明によるレーザ顕微鏡システムに関する前記説明を参照されたい。
1つの有利な構成では、適当な回収容器を選択することにより、発散させられる電界の強さおよび/またはプロファイルおよび/または発散に影響を及ぼすことができる。回収容器の材料も、特に回収容器の形状も、特に発散させられる電界のプロファイルに関しては重要であり、回収容器の特別な形状により、電界の勾配を制御することができる。同じことが同様に、電極対と目標物ホルダとの間の領域に択一的または追加的に挿入された誘電性媒体にも当てはまる。
最後に、試料の誘電特性および/または回収容器内への飛行経路に影響を及ぼすためには、目標物または少なくとも切り離そうとするかまたは切除しようとする試料に、誘電体をコーティングまたは印刷することが有利な場合がある。同じことは、目標物がマイクロダイセクションシート上に被着されている場合にも当てはまる。この場合、本出願全体において「目標物」もしくは「試料」には、マイクロダイセクションシートが一緒に含まれているものとする。
さらに、目標物または少なくとも切り離そうとするかまたは切除しようとする試料に、半導体または導体をコーティングもしくは印刷してから、試料の切り離しまたは切除を行うことが有利な場合もある。このようにして、切り出された試料の電気的中性を保証することができる。
強調しておくと、本発明による回収装置もしくは本発明によるレーザ顕微鏡システムに関連して説明した利点および構成は、本発明による方法にも全く同様に当てはまる。この理由から、本発明による方法の利点および構成は、反復を避けるためにここで詳細には検討しない。
上述の、以下でさらに説明する本発明の特徴は、記載された各組合せにおいてだけでなく、別の組合せにおいても、または単独でも、本発明の枠から逸脱すること無しに使用可能である、ということは自明である。
本発明、場合により生じ得る別の実施形態およびそれらの利点を、1つの実施例に基づき添付の図面に概略的に示し、以下で図面を参照して詳細に説明する。
レーザマイクロダイセクション装置の形態のレーザ顕微鏡システムの構造を回収装置無しで概略的に示す図である。 本発明の1つの実施形態による回収装置の構造を、図1に示したレーザ顕微鏡システムの一部と共に概略的に示す図である。 同心的な電極対の1つの可能な実施形態を概略的に示す平面図である。
図1には、レーザ顕微鏡システムの例として、顕微鏡30を備えたレーザマイクロダイセクション装置1が示されている。顕微鏡台は符号2で、顕微鏡対物レンズは符号8で、鏡筒は符号34で、それぞれ表されている。レーザマイクロダイセクション装置1の構成要素は、本実施例では次のようになっている。すなわち:レーザビーム6を発生させるレーザ光源5、偏向部材31および32および負レンズ19ならびに正レンズ18;レーザビーム用の可動(二重矢印)の減衰器(「アッテネータ」)17(一般にフィルタであり、フィルタの位置に応じて強度を低下させる);なお操作すべき光学式のレーザ焦点移動装置15、絞り装置36、レーザ走査装置10ならびに別の偏向部材33である。さらに、顕微鏡台2をz方向に移動させる(二重矢印)ための、顕微鏡台2用のz方向変位装置4が図示されている。
顕微鏡対物レンズ8の主軸または光軸は、符号9で表されている。z方向は、主軸9に対して平行に延在している。x-y方向は、主軸9に対して垂直に位置する、ここでは顕微鏡30の顕微鏡台2の水平面と合致する平面の方向を表す。レーザビーム拡開軸は、符号6aで表されている。符号13は、レーザマイクロダイセクション装置1のレーザ偏向ユニットを表す。さらに、顕微鏡30により結像される顕微鏡台2上の目標物を照明する照明光路43を形成するための照明光源41ならびに照明光学系42を備えた、落射型照明の照明装置40が図示されている。このためには照明光路43が偏向部材44により、顕微鏡対物レンズ8の光軸9に入射結合させられる。鏡筒34に設けられた相応のインタフェースを介して、特に切断過程の最中または後に、目標物を直接に目視してかつ/またはカメラから観察することができるようになっている。
図1に示したレーザマイクロダイセクション装置1に関するより詳しい詳細は、本出願人の独国特許発明第10018253号明細書からも看取され得る。特にそこには、図1に略示した、拡開レーザビームの光軸14に対して傾けられており、この光軸を中心として互いに独立して回動可能な2つの厚い楔状ガラスプレート11および12を有するレーザ走査装置10の構成および機能形式に関する詳細な説明が見られる。前記楔状ガラスプレート11および12を通って案内されるレーザビーム6は、光軸14に対して偏向角度αだけ偏向させられる。この偏向角度は、楔状プレート11および/または12を回動させることにより調節可能または可変である。楔状ガラスプレート11および12の厚さおよび傾斜角度は、あらゆる偏向角度αについて顕微鏡対物レンズ8の対物レンズひとみの中心が的確にとらえられるように設計されている。このレーザ走査装置10の別の利点は、切断過程中、顕微鏡台2は固定されていてよいため、x-y走査台を顕微鏡台2として使用せずに済む、という点にある。つまり、顕微鏡対物レンズ8を通り目標物3(図2も参照)に集束させられたレーザビーム6の移動は、もっぱらレーザ走査装置10のみを介してx-y方向に行われる。絞り装置36が、レーザビーム絞りを適当に調節する。図1に示したレーザマイクロダイセクション装置1の光学素子は、目標物の切断に特に適した、目標物において適当な直径および適当な強度を有するレーザビーム焦点を提供するために用いられる。
略示した光学式の焦点移動装置15は、拡開レーザビームの軸6aの方向に移動可能な少なくとも1つのレンズ16(レンズ部材またはレンズ群も含まれる)を有している。二重矢印により、相応する動きが示唆されている。このようなレンズの動きは、レーザビーム焦点をz方向に移動させるために役立つ。レーザビーム焦点と目標物3もしくは顕微鏡台2との間の相対運動は、相応するz方向変位装置4を介した顕微鏡台2のz方向変位によっても達成され得る。
図2には、目標物3から特に図1に示したレーザマイクロダイセクション装置1を用いて切り離された試料を回収するための回収装置50の、1つの特に有利な実施形態が概略的に示されている。同一の符号は、図1と同一の部材を表す。
図2には、顕微鏡台2の下側に配置された回収装置50が概略的に示されている。回収装置50は、切り離された試料を回収するための回収容器56ならびに回収容器56の底部の、目標物3とは反対の側、つまり回収容器56の底部の下側に配置された電極対57,58を有している。電極対57,58の電極57および58に電圧を印加するためには、電圧供給手段53が設けられている。
このようにして、レーザビーム6を用いた切断により目標物3から切り離された試料を、その下に位置する回収容器56内へ移送することができるようになっている。レーザビームは一般に、対物レンズ8を通って目標物3に集束させられる、高エネルギ密度のUVレーザビームである。目標物3は、一般にメンブレン上に被着されており、メンブレン自体は金属の目標物ホルダ20に載着されている。これに対して択一的に、ガラスから成る目標物ホルダ20が使用されてもよく、この場合、目標物は、目標物支持体の下面に位置している。有利なのは、図2に示すように顕微鏡台2が接地されている場合である。顕微鏡台2自体は、-金属の場合は-同様に接地されている目標物ホルダ20を支持している。
回収装置50の電極57および58は、本実施例では同心的に配置された電極対として設けられており、この場合、内側の電極58は先鋭電極として形成されており、外側の電極57は環状電極として形成されている。本実施例では、外側の環状電極57が接地されている一方で、内側の電極58には、制御可能な電圧(ACおよび/またはDC)が供給される。このためには電圧供給手段53が設けられている。内側の電極58を、100~10000ボルトの電位差の高電圧にすることが有利である。強力に発散した電界の電気力線は、内側の電極58、ここでは先鋭電極の位置に集束する。この位置は同時に、電界の最大発散位置に相当する。よって切り離された試料は、内側の電極/先鋭電極58に向かって、つまり回収容器56の底部中央に移送されることになる。
電圧供給手段53は、とりわけフラッシュオーバーまたは短絡等の機能不全を感知するために適した制御ユニット59の構成部材である。さらに制御ユニット59により、電圧の振幅および電圧の時間的な推移を制御することができる。制御ユニット59が機能不全を感知した場合には、電圧の振幅および電圧の推移を相応に調節することで、伝達可能な最大エネルギ量を制限することができる。
外側の電極57は、透過照明(ここには図示せず)の場合の検査において、照明装置のコンデンサの光を妨げずに透過させるように、環状に(または円盤状に)形成されている。換言すると、このために外側の環状電極57は、外側の電極57の位置における照明光路の直径に実質的に等しいか、またはこれよりも大きな、光を透過させる内径を有している。これに対して内側の電極およびそのリード線は最小限の横断面を有しており、これにより一方では強力な電界の発散が保証され、かつ他方では透過照明装置(ここには図示せず)のコンデンサから最大限の光を透過させることができる。
電極57および58に交流電圧が供給されると、切り離された試料には、いくつかのケースでは切り離し過程に基づき生ずるような、場合により生じ得るこの試料の表面電荷とは全く関係なく、誘電力が作用する。交流電圧に基づき、クーロン力は時間の経過にわたり平均化されるのに対し、誘電力は電界の極性には依存せず、電界の発散のみに依存する。この点において、静電試料の場合には、電極対57,58に交流電圧を印加することが特に合理的である。
図3には、同心的な電極対57,58の1つの実施形態が平面図で概略的に示されている。外側の(接地された)電極57は実質的に、本願の意味での環状電極を形成するために、円形の切抜き部を備えた電極プレートから成っている。これに対して同心的に内側の電極58が配置されており、内側の電極58は、ここでは実質的に先鋭電極として形成されている。さらに、電圧供給手段53もしくは制御ユニット59(図2参照)を起点とするリード線54が内側の電極58に通じている、ということが判る。
1 レーザマイクロダイセクション装置、レーザ顕微鏡システム
2 顕微鏡台
3 目標物
4 z方向変位装置
5 レーザ
6 レーザビーム
6a レーザビーム拡開軸
7 レーザビーム焦点
8 顕微鏡対物レンズ
9 顕微鏡対物レンズの主軸または光軸
10 レーザ走査装置
11 楔状ガラスプレート
12 楔状ガラスプレート
13 レーザ偏向ユニット
14 レーザユニットの光軸
15 光学式の焦点移動装置
16 レンズ
17 減衰器
18 レンズ
19 レンズ
20 目標物ホルダ
30 顕微鏡
31 偏向部材
32 偏向部材
33 偏向部材
34 鏡筒
36 絞り装置
40 照明装置
41 照明光源
42 照明光学系
43 照明光路
44 偏向部材
50 回収装置
53 電圧供給手段
54 リード線
56 回収容器
57 外側の電極
58 内側の電極
59 制御ユニット

Claims (20)

  1. 目標物(3)から切り離されたまたは切除された試料を回収するための回収装置(50)であって、前記回収装置(50)は、
    前記切り離されたまたは切除された試料を回収するための回収容器(56)と、
    前記回収容器(56)の底部の、前記回収容器(56)の開口とは反対の側または前記底部自体に配置された1対の電極(57,58)と、
    前記電極対(57,58)の電極に電圧を印加するための電圧供給手段(53)と、
    を備えており、
    同心的に配置された1対の電極(57,58)が設けられており、前記電極対(57,58)に印可された電圧が、少なくとも前記回収容器(56)の領域に、電界の発散を生ずる、
    回収装置(50)。
  2. 同心的に配置された前記電極対(57,58)は、外側の環状電極(57)を有している、
    請求項1記載の回収装置(50)。
  3. 同心的に配置された前記電極対(57,58)は、先鋭電極として形成された内側の電極(58)を有している、
    請求項1または2記載の回収装置(50)。
  4. 前記電圧供給手段(53)は、交流電圧を供給する、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の回収装置(50)。
  5. 前記電圧供給手段(53)は、制御ユニット(59)により、電圧振幅および/または時間的な電圧推移に関して制御可能または調整可能である、
    請求項1から4までのいずれか1項記載の回収装置(50)。
  6. 前記電圧供給手段(53)は、特に100ボルト~10kVの高電圧を供給する、
    請求項1から5までのいずれか1項記載の回収装置(50)。
  7. 前記電極対(57,58)に印可された電圧は、前記回収容器(56)の内部および前記回収容器(56)の、切り離しまたは切除位置に到るまでの周辺領域に、電界の発散を生ずる、
    請求項1から6までのいずれか1項記載の回収装置(50)。
  8. 複数の電極対(57,58)が接続されて1つのアレイを形成しており、前記複数の電極対(57,58)のうち少なくともいくつかの電極対(57,58)は、単一の回収容器(56)の底部の、前記開口とは反対の側または前記底部自体または各1つの回収容器(56)の底部の、前記開口とは反対の側または各前記底部自体に配置されている、
    請求項1から7までのいずれか1項記載の回収装置(50)。
  9. 目標物(3)から試料を切り離すまたは切除するためのレーザ顕微鏡システム(1)であって、前記レーザ顕微鏡システム(1)は、
    前記目標物(3)を支持するための目標物ホルダ(20)および光軸(9)を規定する対物レンズ(8)を備えた顕微鏡(30)と、
    レーザ(5)および前記レーザ(5)により生ずる、前記目標物(3)から試料を切り離すまたは切除するためのレーザビーム(6)と、
    前記目標物(3)から切り離されたまたは切除された試料を回収するための、請求項1から8までのいずれか1項記載の回収装置(50)と、
    を備えているレーザ顕微鏡システム(1)。
  10. 前記目標物ホルダ(20)は、顕微鏡台(2)上に配置されており、前記顕微鏡台(2)は、接地されているまたは非導電性である、
    請求項9記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  11. 前記目標物ホルダ(20)は、接地されているまたは非導電性である、
    請求項9または10記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  12. 前記回収装置(50)は、同心的に配置された1対の電極(57,58)を有しており、外側の電極(57)は、接地されている、
    請求項9から11までのいずれか1項記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  13. 内側の電極(58)は、特に100ボルト~10kVの高電圧である、
    請求項12記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  14. 内側の電極(58)は、前記光軸(9)上または前記光軸(9)の近傍に配置されている、
    請求項12または13記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  15. 前記レーザ顕微鏡システム(1)は、照明光路(43)を生じ、前記照明光路(43)を前記顕微鏡(30)の目標物面に向ける照明装置(40)を有している、
    請求項9から14までのいずれか1項記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  16. 前記外側の環状電極(57)は、前記外側の電極(57)の位置における前記照明光路(43)の直径に実質的に等しいかまたは前記照明光路(43)の直径よりも大きな直径を有している、請求項2記載の回収装置(50)を備えた、
    請求項15記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  17. 内側の電極(58)は、先鋭電極として形成されている、
    請求項16記載のレーザ顕微鏡システム(1)。
  18. 請求項1から8までのいずれか1項記載の回収装置(50)または請求項9から17までのいずれか1項記載のレーザ顕微鏡システム(1)を使用して、目標物(3)から切り離されたまたは切除された試料を回収する方法であって、
    目標物(3)から試料を切り離すかまたは切除し、
    切り離したまたは切除した前記試料を前記回収装置(50)の前記回収容器(56)内へ移送し、
    前記回収装置(50)の前記電極対(57,58)を、前記回収装置(50)の前記電圧供給手段(53)により前記電極対(57,58)に電圧を印加した後で前記回収容器(56)の領域に電界が所定の電界発散を伴って形成され、これにより、切り離したまたは切除した前記試料に、前記試料を前記回収容器(56)の内部へ誘導する誘電力が作用するように、前記回収容器(56)に配置する、
    方法。
  19. 収容器(56)および/または前記電極対(57,58)と前記目標物(3)を支持するための目標物ホルダ(20)との間の領域に挿入された誘電性媒体を選択することにより、発散させられる前記電界の強さおよび/またはプロファイルおよび/または発散に影響を及ぼす、
    請求項18記載の方法。
  20. 前記目標物(3)または少なくとも切り離そうとするまたは切除しようとする前記試料に、誘電体または半導体または導体をコーティングしてから、前記試料の切り離しまたは切除を行う、
    請求項18または19記載の方法。
JP2020515121A 2017-09-14 2018-09-14 切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置および方法およびこのような装置を備えた顕微鏡 Active JP7197572B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102017121326.0 2017-09-14
DE102017121326.0A DE102017121326B4 (de) 2017-09-14 2017-09-14 Sammeleinrichtung und Verfahren zum Sammeln dissektierter oder ablatierter Proben und Mikroskop mit einer solchen Einrichtung
PCT/EP2018/074896 WO2019053195A1 (de) 2017-09-14 2018-09-14 Sammeleinrichtung und verfahren zum sammeln dissektierter oder ablatierter proben und mikroskop mit einer solchen einrichtung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020533598A JP2020533598A (ja) 2020-11-19
JP7197572B2 true JP7197572B2 (ja) 2022-12-27

Family

ID=63586737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020515121A Active JP7197572B2 (ja) 2017-09-14 2018-09-14 切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置および方法およびこのような装置を備えた顕微鏡

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11415487B2 (ja)
EP (1) EP3676006B1 (ja)
JP (1) JP7197572B2 (ja)
DE (1) DE102017121326B4 (ja)
WO (1) WO2019053195A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10322348A1 (de) 2003-05-17 2004-12-30 Böhm, Malte, Dr.med. Vorrichtung zum berührungsfreien Transfer von durch membrangestützte Lasermikrodissektion gewonnenen Dissektaten
JP2008544240A (ja) 2005-06-16 2008-12-04 ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー レーザ顕微解剖方法及びレーザ顕微解剖用の装置
JP2009207392A (ja) 2008-03-03 2009-09-17 Olympus Corp 増幅核酸の解析方法及び解析装置
US20110083961A1 (en) 2006-01-18 2011-04-14 Perkinelmer Cellular Technologies Germany Gmbh Microfluidic system and corresponding operating method

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4956065A (en) 1988-11-03 1990-09-11 Kaler Karen V I S Method and apparatus for three dimensional dynamic dielectric levitation
JP3418213B2 (ja) * 1993-01-26 2003-06-16 オリンパス光学工業株式会社 顕微鏡ステージ及びその製造方法
DE19804800C2 (de) 1998-02-08 2002-03-14 Malte Boehm Vorrichtung zur automatisierten Bergung planar ausgebrachter Objekte vom Objekttisch und zu deren Transfer in nachgeordnete Reaktonsträger
US6537433B1 (en) 2000-03-10 2003-03-25 Applera Corporation Methods and apparatus for the location and concentration of polar analytes using an alternating electric field
DE10018253C2 (de) 2000-04-13 2003-08-21 Leica Microsystems Laser-Mikro-Dissektionsgerät
DE10135091A1 (de) * 2001-07-15 2003-01-30 Universitaetsklinikum Charite Verfahren, Einrichtung und Objektträger zur Mikrodissektion
US8021532B2 (en) 2008-02-26 2011-09-20 President And Fellows Of Harvard College Dielectrophoretic tweezers apparatus and methods
WO2014063725A1 (en) * 2012-10-23 2014-05-01 Opet A.S. A method and an apparatus for the detection of a tagging material in fluids
DE102013212811A1 (de) 2013-07-01 2015-01-08 Leica Microsystems Cms Gmbh Lasermikrodissektionssystem und Untersuchungsverfahren für nukleinsäurehaltige Proben

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10322348A1 (de) 2003-05-17 2004-12-30 Böhm, Malte, Dr.med. Vorrichtung zum berührungsfreien Transfer von durch membrangestützte Lasermikrodissektion gewonnenen Dissektaten
JP2008544240A (ja) 2005-06-16 2008-12-04 ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー レーザ顕微解剖方法及びレーザ顕微解剖用の装置
US20110083961A1 (en) 2006-01-18 2011-04-14 Perkinelmer Cellular Technologies Germany Gmbh Microfluidic system and corresponding operating method
JP2009207392A (ja) 2008-03-03 2009-09-17 Olympus Corp 増幅核酸の解析方法及び解析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020533598A (ja) 2020-11-19
DE102017121326B4 (de) 2021-01-14
EP3676006B1 (de) 2022-11-02
US11415487B2 (en) 2022-08-16
WO2019053195A1 (de) 2019-03-21
EP3676006A1 (de) 2020-07-08
US20200284696A1 (en) 2020-09-10
DE102017121326A1 (de) 2019-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2245553C (en) Process and apparatus for contactless micro injection, sorting and harvesting using laser radiation of biological objects disposed in a planar manner
US9109197B2 (en) Device for concentrating and separating cells
JP7309698B2 (ja) 複数の微小試料を光学的に検査する方法および装置
US8715955B2 (en) Laser microdissection apparatus and method
US7907259B2 (en) Laser microdissection method, control system for a laser microdissection device and carrier device
WO2011149009A1 (ja) 細胞分取装置、細胞分取システムおよび細胞分取方法
US6653065B2 (en) Method and apparatus for laser microdissection
CN103189732A (zh) 用于自动将至少一个显微标本与标本载体分离并且转移到收集系统的装置和方法
JP2012523548A (ja) 空間分解された化学元素の定量的な局所分析及び分布分析並びに照射された表面領域のその場観察を実施するための方法及び装置
JP2016525700A (ja) レーザ顕微切離システム及び核酸含有試料の検査方法
US20040077073A1 (en) Methods and apparatus for interactive micromanipulation of biological materials
JP7197572B2 (ja) 切り離されたまたは切除された試料を回収する回収装置および方法およびこのような装置を備えた顕微鏡
Mizuno et al. Liquid microvortex generated around a laser focal point in an intense high-frequency electric field
US7456938B2 (en) Laser microdissection on inverted polymer films
JPH06327494A (ja) 細胞選別方法および細胞補集方法
DE102006045620B4 (de) Vorrichtung und Verfahren für Aufnahme, Transport und Ablage mikroskopischer Proben
US7651856B2 (en) Mounting device for mounting a retainer means for a biological object and corresponding method for laser micro-dissection
Stuhrmann et al. Versatile optical manipulation system for inspection, laser processing, and isolation of individual living cells
CN113916624B (zh) 一种组织切割收集装置及收集方法
KR102086716B1 (ko) 살아있는 생체 시료의 분석을 위한 고해상도 대기압 질량분석 이미징 시스템 및 이의 용도
DE10322348B4 (de) Vorrichtung zum berührungsfreien Transfer von durch membrangestützte Lasermikrodissektion gewonnenen Dissektaten
EP2784472A1 (en) Cell sorting device and cell sorting method
CN115997113A (zh) 使用聚焦离子束对样品进行微加工的方法和设备
US11079583B2 (en) Laser microscope system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7197572

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150