JP7196706B2 - 接合用シート及びこの接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法 - Google Patents

接合用シート及びこの接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体チップ素子、LEDチップ素子等の電子部品を接合するために用いられる、接合用シート及びこの接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法に関する。更に詳しくは電子部品と基板との間に介在させて、電子部品を基板に接合するのに用いられる接合用シート及びこの接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法に関するものである。
近年、電子機器の高機能化を図るために、電子デバイスの小型化と高密度化が要請されており、電子部品を基板に接合する接合用シートについても、半導体装置の動作安定性を確保するために、接合用シートにも高放熱特性と高い接合強度が求められている。
従来、この種の接合用シートとして、銀の多孔質体である多孔質銀で形成され、緻密度が40~72体積%の自立膜であって、多孔質銀の銀結晶の平均結晶粒径が1.7~2.6μmであり、25℃における三点曲げ試験から得られる曲げ弾性率が16~24GPa、最大曲げ強度が100MPa以上、破断曲げひずみが1.3%以上である多孔質銀製シートが開示されている(例えば、特許文献1(請求項1、段落[0017]、段落[0034])参照)。この多孔質銀製シートはペースト状の組成物をシート状に成形した後、乾燥し加熱して銀粒子を焼結した際あるいは焼結後に、200℃から450℃にさらし、1分以上熱アニール処理することで得られる。
また別の接合用シートとして、金属箔の少なくとも一つの表面に、有機保護膜によって被覆された表面を有する粒子径1~100nmの金属微粒子が固定されている金属微粒子層を有する接合部材が開示されている(例えば、特許文献2(請求項1、請求項5、段落[0039])参照)。この金属微粒子は、減圧した不活性ガス雰囲気下で、金属蒸気と有機保護膜材料の蒸気とを混合することにより、表面部分が有機保護膜で被覆された金属微粒子を含有する微粒子組成物を製造した後、表面が有機保護膜で被覆された金属微粒子を含有する微粒子組成物を、金属箔表面に析出させることにより、製造される。この金属微粒子は、その表面にアミン化合物による有機保護膜が形成されている。
更に別の接合用シートとして、金属ナノ粒子を含む第1接合層、Ag、Au又はこれらの合金のいずれかからなる金属箔層、金属ナノ粒子を含む第2接合層がこの順に形成され、前記金属ナノ粒子を含む第1接合層、第2接合層中に含まれる金属分のうち、Ag、Au、Cu、Niの一種以上からなる金属ナノ粒子の合計が10質量%以上である金属接合材料が開示されている(例えば、特許文献3(請求項7、請求項9、段落[0041])参照)。特許文献3には、被接合面上又は金属箔の上に金属ナノ粒子を含む層を形成するに際し、金属ナノ粒子を含有するペーストを準備し、この金属ナノ粒子ペーストを被接合面上に塗布することが行われることが記載され、金属ナノ粒子ペーストとして、有機殻で覆った金属ナノ粒子を準備し、この金属ナノ粒子を所定の溶媒に分散させて、スラリー状、ペースト状、グリース状、又はワックス状等の組成物とすることが記載されている。
特開2016-169411号公報 特開2006-073550号公報 特開2015-093295号公報
特許文献1に記載された多孔質銀製シートは、銀粒子を含むペースト状の組成物をシート状に成形した後、乾燥し加熱することにより、銀粒子を焼結し、これを熱アニール処理して得られる。しかしながら、特許文献1に記載された多孔質銀製シートは、銀結晶の平均結晶粒径が1.7~2.6μmと比較的大きいため、例えば、200℃の低温度の加熱では、銀粒子が焼結しにくく、緻密で接合強度が高い接合層を形成するのが困難となる場合があった。
また特許文献2に記載された接合部材は、金属微粒子がアミン化合物による有機保護膜で被覆される。また特許文献3に記載された金属接合材料では、有機殻で覆った金属ナノ粒子を含有するペーストを準備し、この金属ナノ粒子ペーストを被接合面上に塗布することにより、被接合面上又は金属箔の上に金属ナノ粒子を含む層が形成される。このため、特許文献2又は特許文献3に記載された接合部材又は金属接合材料を用いて、電子部品と基板とを接合する場合、接合時に有機物によるガスが発生し易く、接合層にボイドが発生し易く、高い接合強度を得ることが困難である課題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決し、電子部品を基板に接合したときの接合強度が高い接合用シート及びこの接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法を提供することにある。
本発明の第1の観点の接合用シートは、Cu箔からなるコアシートの両面に平均粒径10nm~500nmのAg微粒子が平均被覆率70%以上の割合で被覆され固着される。
また、本発明の第1の観点の接合用シートは、前記Cu箔の表面粗さRaが1.0μm以下であり、前記Cu箔を構成するCuの平均結晶子径が10μm以下である。
本発明の第の観点は、第1の観点の接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法である。
本発明の第1の観点の接合用シートは、Cu箔からなるコアシートの両面に平均粒径10nm~500nmのAg微粒子が平均被覆率70%以上の割合で被覆され固着されるため、有機成分を含まない。このため、電子部品と基板とを接合する場合、接合時に有機物によるガスの発生がなく、接合層にボイドが発生せずに、高い接合強度が得られる。
また、本発明の第の観点の接合用シートは、Cu箔の表面粗さRaが1.0μm以下であり、Cu箔を構成するCuの平均結晶子径が10μm以下であるため、Ag微粒子がより確実にコアシートの表面に固着する。
本発明の第の観点の方法では、第1の観点の接合用シートを用いて電子部品を基板に接合するため、電子部品と基板とを高い強度で接合することができる。
本発明の実施形態の接合用シートの構成図である。 本発明の実施形態の半導体チップ素子を基板に接合した状態を示す図である。 本発明の実施形態の接触めっき法により、銅箔のコアシートの両面にAg微粒子を被覆する状況を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
〔接合用シート〕
図1に示すように、本実施形態の接合用シート10は、Cu箔からなるコアシート11の両面にAg微粒子12が被覆されて構成される。図2に示すように、この接合用シート10は電子部品である半導体チップ素子16と基板17との間に介在させて、半導体チップ素子16等の電子部品を基板17に接合するのに用いられる。図1に示すコアシート11は、厚さが50μm~200μmであることが好ましく、100μm~150μmであることが更に好ましい。厚さが下限値の50μm未満であると、接合用シートの製造時にコアシートが取扱いにくく、厚さが上限値の200μmを超えると、コアシートの熱抵抗が増大するため、本実施形態の接合用シート10を用いて得られる電子部品の放熱性が低下し、電子部品の寿命の低下を招くおそれがある。コアシート11の厚さは、次の方法により求める。先ず、Cu箔であるコアシート11をエポキシ樹脂で完全に被包した後、Cu箔の箔表面方向に対し垂直に切断し、その切断面をアルゴンイオンビームにより研磨加工する。次いで研磨加工した加工面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察し、無作為に100箇所以上の銅箔の厚さを測定し、その平均値をCu箔(コアシート11)の厚さとする。
コアシート11を構成するCu箔は圧延箔であることが圧延筋にAg微粒子が固着され易く好ましい。Cu箔の表面粗さRaは1.0μm以下であることが好ましい。表面粗さRaが1.0μmを超えるとAg微粒子12がコアシート11の表面に均一に固着しなくなるおそれがある。好ましい表面粗さRaは0.5μm以下である。またCu箔を構成するCuの平均結晶子径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。。Cu箔の表面粗さRaはレーザー顕微鏡を用いて測定し、Cu箔の平均結晶子径はX線回折法により測定される。
コアシート11を構成するCu箔としては、純銅又は銅合金を用いることができる。例えば、無酸素銅、タフピッチ銅やリン脱酸銅などを用いることができる。
接合用シート10の両面に被覆されるAg微粒子12の平均粒径は10nm~500nmである。平均粒径が10nm未満では、Ag微粒子の安定性が低下するので高い接合強度が得られない。500nmを超えると、Ag微粒子の焼結性が低下するので高い接合強度が得られない。好ましいAg微粒子の平均粒径は50nm~300nmである。またAg微粒子12の平均被覆率は70%以上である。平均被覆率が70%未満では、接合時にAg微粒子が焼結したときに高い接合強度が得られない。Ag微粒子12は、図1に示すように、Ag微粒子が均一に単一層であるAg微粒子層13をなすように被覆されることが好ましい。好ましい平均被覆率は80%以上である。Ag微粒子12の平均粒径は、SEM観察によって測定される。具体的には、接合用シート10表面に被覆されたAgの直径を無作為に100箇所以上測定し、その平均値を平均粒径とする。平均被覆率はSEM観察によって算出される。具体的には、無作為に選択した接合用シート10表面のSEM像(10mm×10mm)からAg微粒子の個数と、Ag微粒子の平均粒径から真円換算して求めた面積を乗算したものを被覆率と定義し、無作為に10箇所以上測定した平均値を平均被覆率とする。なお、境界上に存在するAg粒子は、境界内部のAg粒子として計算する。
接合用シートの全厚は、薄くとも50μmである。即ち50μm以上である。好ましい全厚は100μm~150μmである。全厚が下限値の50μm未満では、電子部品を接合する基板に反りがある場合、その反りを吸収できないおそれがある。全厚が200μmを超えると、コアシート11の熱抵抗が増大してしまい、接合用シート10を用いて作製されたモジュールの寿命低下を招くおそれがある。接合用シートの全厚はコアシート11の厚さと同一の方法で測定される。
〔接合用シートの製造方法〕
続いて、本実施形態の接合用シートの製造方法について説明する。この製造方法には、接触めっき法、Agめっき液浸漬法、塗布加熱法がある。
(接触めっき法)
図3に示すように、この接触めっき法は、容器20にAgめっき液21を入れ、この液中にAg箔からなる導電性シート22とCu箔からなるコアシート11を間隔をあけて配置し、この導電性シート22とコアシート11とをリード線23により電気的に接続し、Agめっき液中のAgイオンを還元することにより、図1に示すように、コアシート11の両面にAg微粒子12を被覆させる方法である。接触めっきでは、溶液中で次に述べるAg塩が溶解してAgイオンになったときに発生する電子によってAgイオンを還元して、コアシート11の両面にAgが微粒子となって析出する。Ag微粒子12はコアシート11に単にくっつくだけではなく、Ag微粒子12のコアシート11に接触する部分がコアシート11中に拡散し、Ag微粒子12はコアシート11に固着する。
上記導電性シート22は、コアシート11表面への固着に伴い減少するAgめっき液中のAgイオンを補うためにAg箔であることが好ましい。
Agめっき液21は、Ag塩、錯体化剤及び溶媒を含む。Ag塩としては、酢酸銀、クエン酸銀、オレイン酸銀等の脂肪酸銀の他に、硝酸銀、酸化銀、硫酸銀、炭酸銀等が例示される。錯体化剤は、Agイオンと錯体を形成させるものであり、代表的なものとしては、アミノデカン、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン、グリシン、ヒダントイン、ピロリドン、コハク酸イミド等の脂肪族アミン、クエン酸、酒石酸、ニトリロ三酢酸等のカルボン酸塩、ヒドロキシエチリデン二ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール、チオセミカルバジド等を利用できる。溶媒としては、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ブチルカルビトール(BC)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、テルピネオール等が例示される。Agめっき液21には、Ag微粒子12をより均一にコアシート11に被覆させるために、必要に応じて界面活性剤、光沢剤、結晶調整剤、pH調整剤、沈殿防止剤、安定剤等を添加してもよい。
Agめっき液21中のAgイオン濃度は0.1モル/L~2モル/Lであることが好ましい。0.1モル/L未満では、析出するAg微粒子の平均粒径が10nm未満となり易い。また2モル/Lを超えると、析出するAg微粒子のうち、著しく一次粒径の大きなものが混入する異常析出を生じ易く目的の平均粒径のAg微粒子を得られないおそれがある。好ましいAgイオン濃度は0.5モル/L~1.5モル/Lである。またAgめっき液21中の錯体化剤の濃度は、10g/L~1000g/Lであることが好ましい。
図3に示すように、Agめっき液を容器20に入れ、ホットプレート等により加熱する。Agめっき液21は、好ましくは30℃~70℃の温度に保持し液を撹拌する。この状態でCu箔からなるコアシート11とAg箔からなる導電性シート22を液中に浸漬する。その後、リード線23等で両シート11、22を電気的に接続する。Agめっき液の温度が30℃未満では、Agイオンのコアシート11上での析出量が十分でなく、所望の平均粒径のAg微粒子12を所望の平均被覆率で得ることが困難になり易い。70℃を超えると、析出するAg微粒子のうち、著しく一次粒径の大きなものが混入する異常析出を生じ易く所望の平均粒径のAg微粒子を得られないおそれがある。特に好ましいAgめっき液の温度は40℃~60℃である。またコアシート11と導電性シート22をAgめっき液中に浸漬している時間は1時間~4時間であることが好ましい。浸漬時間が1時間未満では、Agイオンのコアシート11上での析出量が十分でなく、所望の平均粒径のAg微粒子12を所望の平均被覆率で得ることが困難になり易い。4時間を超えると、Ag微粒子12の析出量が多くなり過ぎ、Ag微粒子が粒成長して、二次粒子となり、接合時に焼結しにくくなる。好ましいAgめっき液の浸漬時間は2時間~3時間である。
Agめっき液中にコアシート11と導電性シート22を上記所定の時間浸漬した後、リード線23をシート11、22から外してAgめっき液21からコアシート11を引上げ、エタノール、水、アセトン等の洗浄用溶媒で洗浄し、大気中で20℃~50℃の温度で乾燥する。これによりCu箔からなるコアシート11の両面に平均粒径10nm~500nmのAg微粒子12が平均被覆率70%以上の割合で被覆され固着された接合用シート10が得られる。
(Agめっき液浸漬法)
Agめっき液浸漬法は、図示しないが、接触めっき法で用いたAgめっき液中に接触めっき法で用いたCu箔からなるコアシート11と同じシートをAgめっき液に浸漬する方法である。この方法では、加熱したAgめっき液中にCu箔からなるコアシート11を配置すると、Agめっき液で還元析出したAg微粒子12の一部が分子間力により、このCu箔からなるコアシート11の両面にAg微粒子の形態で固着する。接触めっき法と同様に、Ag微粒子12はコアシート11に単にくっつくだけではなく、Ag微粒子12のコアシート11に接触する部分がコアシート中に拡散し、Ag微粒子12はコアシート11に固着する。
Agめっき液は好ましくは70℃~150℃の温度に保持し液を撹拌する。この状態でCu箔からなるコアシート11を液中に浸漬する。Agめっき液21の温度が70℃未満では、Agイオンのコアシート11上での析出量が十分でなく、所望の平均粒径のAg微粒子12を所望の平均被覆率で得ることが困難になり易い。150℃を超えると、析出するAg微粒子のうち、著しく一次粒径の大きなものが混入する異常析出を生じ易く所望の平均粒径のAg微粒子を得られないおそれがある。好ましいAgめっき液の温度は90℃~120℃である。またコアシートをAgめっき液中に浸漬している時間は1時間~8時間であることが好ましい。浸漬時間が1時間未満では、Agイオンのコアシート11上での析出量が十分でなく、所望の平均粒径のAg微粒子12を所望の平均被覆率で得ることが困難になり易い。8時間を超えると、Ag微粒子の析出量が多くなり過ぎ、Ag微粒子が粒成長して、二次粒子となり、接合時に焼結しにくくなる。好ましいAgめっき液の浸漬時間は4時間~6時間である。
上記所定の時間Agめっき液中にコアシート11を浸漬した後、接触めっき法と同様に、Agめっき液からコアシート11を引上げ、エタノール、アセトン等の洗浄用溶媒で洗浄し、大気中で20℃~50℃で乾燥する。これによりCu箔からなるコアシート11の両面に平均粒径10nm~500nmのAg微粒子12が平均被覆率70%以上の割合で被覆され固着された接合用シートが得られる。
(塗布加熱法)
塗布加熱法は上述したAgめっき液21をコアシート11の表面に塗布した後、乾燥させることによりAg微粒子12を析出させる方法である。
具体的には、コアシート11を例えば、Agめっき液21に浸漬させる、もしくは、刷毛等でAgめっき液21をコアシート11に塗布し、大気雰囲気下、150℃~200℃の範囲内で乾燥させることでAgを還元及び析出させAg微粒子12をコアシート表面に析出させ、エタノール、水、アセトン等の洗浄用溶媒で洗浄し、大気中で20℃~50℃で乾燥することにより、Cu箔からなるコアシート11の両面に平均粒径10nm~500nmのAg微粒子12が平均被覆率70%以上の割合で被覆され固着された接合用シート10が得られる。
また、接触めっき法と同様に、Ag微粒子12はコアシート11に単にくっつくだけではなく、Ag微粒子12のコアシート11に接触する部分がコアシート11中に拡散し、Ag微粒子12はコアシート11に固着する。
〔接合用シートによる電子部品と基板との接合方法〕
上記方法で製造された接合用シートを用いてシリコンチップ素子、LEDチップ素子等の電子部品を各種放熱基板、FR4(Flame Retardant Type 4)基板、コバール等の基板に接合するには、基板上の所定の位置に接合用シートを配置して、その上に電子部品、例えばチップ素子を搭載する。この状態で、加熱炉にて窒素雰囲気中、250℃~350℃の温度で、5分~20分間保持して、接合用シートを加熱する。場合によっては、チップと基板とを1MPa~20MPaの圧力を加えながら接合してもよい。これにより、図2に示すように、接合用シート10(図1)は接合層15となって、チップ素子16と基板17とを接合させて接合体18を作製して、電子部品であるチップ素子16を基板17に接合する。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。以下に示す、実施例1~7及び比較例1~4では、接触めっき法により接合用シートを製造した。また実施例8、9及び比較例5、6では、Agめっき液浸漬法により接合用シートを製造した。更に実施例10、11及び比較例7、8では、塗布加熱法により接合用シートを製造した。以下に示す実施例6及び実施例7は実施例ではなく、参考例である。
<実施例1>
(接触めっき法による接合用シートの製造例)
先ず、Ag塩としての酢酸銀(脂肪酸銀)、アミノデカン(脂肪族アミン)及びブチルカルビトールアセテート(溶媒)を用意し、脂肪酸銀、脂肪族アミン及び溶媒の合計量を100質量%としたとき、酢酸銀(脂肪酸銀)22質量%、アミノデカン(脂肪族アミン)41.3質量%、ブチルカルビトールアセテート(溶媒)36.7質量%の割合で取り分け、これらをスターラーの撹拌子とともにガラス製のビーカーセルの容器に入れた。そして、50℃に加熱したホットプレートに上記容器を載せ、スターラーの撹拌子を300rpmの回転速度で回転させながら、1時間撹拌して混合液を調製した。次いで、この混合液が貯留された容器をホットプレートから降ろして混合液の温度を室温まで下げた。これによりAgめっき液を調製した。このAgめっき液のAgイオン濃度は1.4g/Lであった。
次に、厚さ100μm、幅10mm、長さ10mmの四角形状のCu箔からなるコアシートと、厚さ100μm、幅10mm、長さ10mmの四角形状のAg箔からなる導電性シートを用意した。コアシートの表面粗さRaは0.5μmであり、Cu箔を構成するCuの平均結晶子径は5μmであった。図2に示すように、調製したAgめっき液21を容器20に入れ、ホットプレートにより50℃の温度に加熱し、100rpmの回転速度で撹拌しながら、Cu箔からなるコアシート11とAg箔からなる導電性シート22を液中に浸漬し、リード線23で両シート11、22を電気的に接続した。電気的接続を開始してから3時間後に、リード線23をシート11、22から外してAgめっき液21からコアシート11を引上げ、エタノールで洗浄し、大気中で50℃の温度で乾燥した。これによりCu箔からなるコアシート11の両面にAg微粒子が被覆され固着された接合用シートを作製した。また前述した方法で測定した接合用シートのAg微粒子の平均粒径は100nmであり、Ag微粒子の平均被覆率は70%であった。
この結果を上記接合用シートの製造条件とともに、以下の表1に示す。表1には、以下に述べる実施例2~11及び比較例1~8の製造条件、接合用シートのAg微粒子の平均粒径及びAg微粒子の平均被覆率も示す。
Figure 0007196706000001
<実施例2~7及び比較例1~4>
(接触めっき法による接合用シートの製造例)
実施例1で調製したAgめっき液と同じAgめっき液を用意した。Cu箔からなるコアシートの各特性と接合用シートの製造条件を表1に示す内容に変えた以外は実施例1と同じ接触めっき法により実施例2~7及び比較例1~4の接合用シートを作製した。
<実施例8>
(Agめっき液浸漬法による接合用シートの製造例)
実施例1で調製したAgめっき液と同じAgめっき液を用意した。このAgめっき液を100℃の温度に加熱保持し、撹拌しながら、実施例1と同じCu箔からなるコアシートを液中に浸漬した。5時間浸漬した後、実施例1と同様にコアシートを液から引上げ、エタノールで洗浄し、大気中で50℃の温度で乾燥した。これによりCu箔からなるコアシートの両面にAg微粒子が被覆され固着された実施例8の接合用シートを作製した。
<実施例9及び比較例5、6>
(Agめっき液浸漬法による接合用シートの製造例)
実施例1で調製したAgめっき液と同じAgめっき液を用意した。Agめっき液の温度とコアシートの浸漬時間を表1に示すように変えた以外、実施例8と同様にして、実施例9及び比較例5、6の接合用シートを作製した。
<実施例10>
(塗布加熱法による接合用シートの製造例)
実施例1で調製したAgめっき液と同じAgめっき液を用意した。このAgめっき液を50℃の温度に加熱保持し、撹拌しながら、実施例1と同じCu箔からなるコアシートを液中に浸漬した。1時間浸漬後、コアシートを取り出すことにより、Agめっき液をコアシート両面に塗布した。このコアシートを大気中170℃の温度で1時間保持した。これによりCu箔からなるコアシートの両面にAg微粒子が被覆され固着された実施例10の接合用シートを作製した。
<実施例11及び比較例7、8>
(塗布加熱法による接合用シートの製造例)
実施例1で調製したAgめっき液と同じAgめっき液を用意した。Agめっき液の温度とコアシートの浸漬時間と浸漬後のコアシートの加熱時間を表1に示すように変えた以外、実施例10と同様にして、実施例11及び比較例7、8の接合用シートを作製した。
<比較評価>
実施例1~11及び比較例1~8で得られた19種類の接合用シートを用いて形成した接合層のシェア強度を以下の手順で評価した。先ず、図2に示す接合体20を作製した。具体的には、電子部品の代わりに第1部材として、最表面に金メッキを施した2.5mm角のSiウェーハ(厚さ:200μm)を用意した。また基板の代わりに第2部材として、最表面に銀メッキを施した20mm角のCu板(厚さ:1mm)を用意した。次いで、第1部材と第2部材の間に、上記接合用シートを挟んで積層体を作製した。更に、この積層体を加圧ダイボンダで焼成することにより、即ち積層体を10MPaの荷重を加えた状態で250℃の温度(加熱温度)に15分間(加熱時間)保持することにより、第1部材と第2部材とを接合層15を介して接合した。19種類の接合体のシェア強度を次のように測定した。
<接合体のシェア強度の測定方法>
接合体のシェア強度は、せん断強度評価試験機を用いて測定した。具体的には、シェア強度の測定は、接合体の第1部材(Cu板)を水平に固定し、接合層の表面(上面)から50μm上方の位置でシェアツールにより、第2部材(Siウェーハ)を横から水平方向に押して、第2部材が破断されたときの強度を測定することによって行った。なお、シェアツールの移動速度は0.1mm/秒とした。1条件に付き3回強度試験を行い、それらの算術平均値を接合強度の測定値とした。19種類の接合体のシェア強度を上述した表1に示す。
表1から実施例1~11及び比較例1~8とを比較すると次のことが分かった。比較例1~8ではシェア強度(接合強度)が20MPaを下回り、十分な強度で第2部材であるSiウェーハを接合できなかった。その理由として、次の点が挙げられる。
比較例1では、Ag微粒子の平均粒径が下限値を下回ったため、Ag微粒子の安定性が低下するので、接合性が不安定になったと考えられる。
比較例2、比較例6及び比較例8では、Ag微粒子の平均粒径が上限値を上回ったため、Ag微粒子の焼結性が不十分になり、接合層内部や部材との界面における強度が不十分であったと考えられる。
比較例3、比較例4、比較例5及び比較例7では、Ag微粒子の平均被覆率がが下限値を下回ったため、第2部材であるSiウェーハに対して十分な接合面積を確保できず、接合性が低下したと考えられる。
これに対して、実施例1~11では、本発明の第1の観点の要件を満たすため、シェア強度(接合強度)は20MPa~40MPaの範囲にあり、すべて「良好」であった。
本発明の接合用シートは、電子部品と基板との間に介在させて、電子部品を基板に接合するのに利用できる。
10 接合用シート
11 Cu箔からなるコアシート
12 Ag微粒子
13 Ag微粒子層
15 接合層
16 チップ素子
17 基板
18 接合体

Claims (2)

  1. Cu箔からなるコアシートの両面に平均粒径10nm~500nmのAg微粒子が平均被覆率70%以上の割合で被覆され固着される接合用シートであって、
    前記Cu箔の表面粗さRaが1.0μm以下であり、前記Cu箔を構成するCuの平均結晶子径が10μm以下であることを特徴とする接合用シート
  2. 請求項1記載の接合用シートを用いて電子部品を基板に接合する方法。
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