JP7191365B2 - 樹脂成形品の接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形品の接合方法に関する。
レーザ光に対して吸収性のある第1の樹脂材と、レーザ光に対して透過性のある第2の樹脂材とを重ね合わせると共に、レーザ光に対して透過性の材料からなる押え治具によって第1と第2の樹脂材とを互いに密着させるように押圧している状態で、第2の樹脂材に面する押え治具側によりレーザ光を照射して、第1の樹脂材を加熱して、互いに両樹脂材を溶融することで両者を溶着する樹脂材のレーザ溶着方法において、第2の樹脂材に面する押え治具の対向面に、溶着部に対応して凸条部を形成すると共に、凸条部で両樹脂材を押圧した状態で、レーザ光を凸条部を通って溶着部に照射する樹脂材のレーザ溶着方法が知られている(特許文献1)。
レーザ光に対して透過率の高い透過性樹脂材と吸収率の高い吸収性樹脂材とを重ね合わせて、透過性樹脂材側よりレーザを照射し、吸収性樹脂材を加熱して熱伝導により透過性樹脂材を加熱することによって互いの樹脂を溶着するレーザによる樹脂の溶着加工方法において、レーザ照射側の透過性樹脂材に、透過性樹脂材と吸収性樹脂材との界面で最小ビーム径となるようにレーザを集光するレンズ光路を形成したレーザによる樹脂の溶着加工方法も知られている(特許文献2)。
特開2005-305913号公報 特開2001-334578号公報
本発明は、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる樹脂成形品の接合方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の樹脂成形品の接合方法は、
合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品を製造する樹脂成形品の接合方法であって、
前記樹脂成形品が前記内圧を受けた場合の前記接合面の耐圧強度が10Mpa以上となるように、前記接合面を互いに圧接した状態で、複数の光源から出射され前記接合面の一方から単位面積(mm)当たりの前記接合面が受ける前記複数の光源のエネルギービームを時間積分したエネルギー総量が1.0×10-3Wh以上となるエネルギービームを前記接合面に同時に照射して前記接合面を溶融固化させる、
ことを特徴とする。
前記課題を解決するために、請求項2に記載の樹脂成形品の接合方法は、
合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品を製造する樹脂成形品の接合方法であって、
前記樹脂成形品が前記内圧を受けた場合の前記接合面の耐圧強度が10Mpa以上となるように、前記接合面を互いに圧接した状態で、単一の光源から出射され前記接合面の一方から単位面積(mm)当たりの前記接合面が受けるエネルギー総量が0.4×10-3Wh以上となるエネルギービームを前記接合面に移動しながら照射して前記接合面を溶融固化させる、
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記エネルギー総量Qは、
Q[Wh]=P×T×R/100/3600
である、
ことを特徴とする。
ここに、前記エネルギービームの光出力P[W]、前記エネルギービームの照射時間T[sec]、前記接合面の光透過率R[%]とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記エネルギービームが、レーザビームである、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記合成樹脂が、結晶性ガラス繊維強化ポリアミド樹脂である、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の必要接合強度を得て、接合強度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の必要接合強度を得て、低コストで接合強度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、樹脂成形品の安定した接合強度を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、樹脂成形品の接合強度を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、樹脂成形品の耐圧強度を向上させることができる。
二つの部分成形体を接合面で接合した樹脂成形品を一部断面で示す斜視図である。 部分成形体の射出成形を示し、(a)は第1の部分成形体の射出成形時の断面図、(b)は第2の部分成形体の射出成形時の断面図である。 第1の部分成形体および第2の部分成形体を示す断面模式図である。 本実施形態に係る接合方法を概念的に示す斜視図である。 本実施形態に係る接合方法及びこれに用いる装置を説明する説明図である。 実施例1に係る第1の部分成形体及び第2の部分成形体の各部の寸法を示す断面図である。 実施例1におけるレーザ溶着のエネルギー総量と耐圧強度の関係を示す図である。 変形例に係る接合方法を概念的に示す斜視図である。 変形例に係る接合方法及びこれに用いる装置を説明する説明図である。 実施例2におけるレーザ溶着のエネルギー総量と耐圧強度の関係を示す図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)部分成形体の成形
図1は二つの部分成形体を接合面で接合した樹脂成形品を一部断面で示す斜視図、図2は部分成形体の射出成形を示し、(a)は第1の部分成形体の射出成形時の断面図、(b)は第2の部分成形体の射出成形時の断面図、図3は第1の部分成形体と第2の部分成形体を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る樹脂成形品の接合方法により製造される樹脂成形品の構成と接合強度について説明する。
(1.1)樹脂成形品
樹脂成形品1は、接合面の一例としての鍔部11を有する第1の部分成形体10と、接合面の一例としての鍔部21を有する第2の部分成形体20が、それぞれの鍔部11、21で接合された中空体である。
樹脂成形品1は、第1の部分成形体10の上部に貫通孔12aが形成された膨出部12を有し、外部から膨出部12を介して液体が注入された場合は、注入された液体による所定の内圧を保持可能となっている。
第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の成形に用いられる合成樹脂としては、ポリアミド樹脂が挙げられる。具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12のような脂肪族ポリアミドやポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミドのような半芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独あるいは2つ以上の共重合から成り立っていても良い。更には、ガラス繊維やカーボン繊維等で強化したものでも良く、ガラス繊維が20%ないし40%充填された結晶性ガラス繊維強化ナイロン66がより好ましい。
一方、例えばガラス繊維が33%充填された結晶性ガラス繊維強化ナイロン66(以降、PA66-G30と記すことがある)は、融点が265℃と高く、溶融させるためには大きなエネルギーが必要となる。また、熱分解温度が320~350℃であり、温度が上がり過ぎると熱分解によって諸物性の低下を引き起こし、最終的には酸素と反応して発火する虞がある。従って、後述するように、第1の部分成形体10、第2の部分成形体20をその鍔部11、21同士で溶着する場合には、接合面の樹脂温度を融点以上で熱分解温度を超えない所定の範囲に管理する必要がある。
このような樹脂成形品は、その用途は特に限定されないが、使用するガラス繊維強化ナイロン66(PA66-G30)の優れた射出成形性、耐熱性、強靱性、耐クリープ特性などを利用して、温水洗浄装置の熱交換タンクとして利用される。特に、熱交換タンクとして利用される場合には、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20が鍔部11、21で接合された中空体に温水が充満した状態で加圧されることから、接合面の耐圧強度として1.3MPa以上であることが好ましい。
(1.2)部分成形体
第1の部分成形体10、第2の部分成形体20は、図2(a)、(b)に示すように、PA66-G30を用いて射出成形により製造されるが、係る射出成形には既知の射出成形機であればいずれも使用可能であり、特に制限されるものではない。
成形金型30、40は、PLをパーティングライン面とする固定側型31、41と可動側型32、42とからなり、固定側型31、41と可動側型32、42との間に樹脂が充填されるキャビティC1、C2が形成されている。尚、図2(a)、(b)においては、通常の成形金型に備えられている固定側の固定側取付板、ランナーストリッパープレート、樹脂が供給されるロケートリング等、及び可動側の可動側取付板、エジェクタ機構等は省略して不図示としている。
固定側型31、41と可動側型32、42が型締めされて形成されたキャビティC1、C2にはゲートGから溶融樹脂が充填される。PA66-G30の融点は約265℃であるので、成形材料をおよそ280~320℃に加熱して溶融させて、所定の金型温度(100℃以下、70~90℃)に加熱された成形金型30に充填する(射出工程)。その際、成形材料を所定の射出速度で注入してキャビティC1、C2の隅々までに充填できるようにする。
その後、成形材料は徐々に固化していくため、固化に伴って成形材料が体積収縮する。そのため、体積収縮した分の成形材料を補填する必要があり、ゲートGから成形材料を一定の圧力で注入し続ける(保圧工程)。第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の肉厚やスプルーランナー部(不図示)の太さによって、注入する圧力と時間を適宜調整する。
その後、固定側型31、41と可動側型32、42との型開きを行い、エジェクタ機構(不図示)でキャビティC1、C2内の第1の部分成形体10、第2の部分成形体20を押圧して可動側型32、42上の成形体を取り出す。
このようにして成形された第1の部分成形体10の鍔部11には、図3に示すように、第2の部分成形体20と付き合わされたときに、第2の部分成形体20の鍔部21と当接する溶着リブ部13が形成されている。
本実施形態においては、溶着リブ部13の幅をA、内径をD1とした場合、溶着リブ部13の鍔部21と当接する面積S(溶着面積Sと呼ぶ)は、S=π((D1+A)-D1)/4で表される。
第1の部分成形体10と第2の部分成形体20をそれぞれの鍔部11、21で接合(溶着)して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品を得る場合、通常は溶着面積Sが大きい程、接合強度としての耐圧強度は高くなる。
一方、溶着リブ部13に外部からエネルギービームを照射して溶融固化させることにより鍔部11、12を接合する場合には、溶着リブ部13の溶融は、エネルギービームのエネルギー総量に依存し接合強度としての耐圧強度が変化する。
(2)部分成形体の接合
(2.1)接合装置
図4は本実施形態に係る接合方法を概念的に示す斜視図、図5は本実施形態に係る接合方法及びこれに用いる装置を説明する説明図である。
先ず、本実施形態に係る樹脂成形品1の接合方法及びこれに用いる装置について説明する。
本実施形態における樹脂成形品1は、図4に示すように、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20をその鍔部11、21を互いに当接させて圧接した状態で第2の部分成形体20の鍔部21の当接面と反対側である外側面から接合面となる溶着リブ部13に複数のレーザ光源から出射されるエネルギービームの一例としてのレーザLを同時に照射して溶着リブ部13を溶融固化(溶着)させる。
接合装置50は、図5に示すように、同軸線上に配置され、所定のタイミングで上側の受け台が昇降する上下一対の受け台51、52と、昇降する上側の受け台51を下側の受け台52に向かって押圧する押圧部(不図示)と、上側の受け台51の上方でエネルギービームの一例としてのレーザLを出射するレーザ光源53からなる。
上側の受け台51には、互いに突き合わされた第1の部分成形体10と第2の部分成形体20の溶着部に照射されるようにレーザLを反射させながら導く導光孔54が形成されている。
レーザ光源53は、図5(b)に示すように、導光孔54に沿って複数のレーザ発光素子55が千鳥配置されている。本実施形態におけるそれぞれのレーザ発光素子55は、それぞれの出力が2.5w、出射されるレーザLのビーム径(1/e)は2.2mmで、総数で180個配置されているためにレーザ光源53のレーザ出力は450Wである。
第1の部分成形体10は、鍔部11の外側(溶着リブ部13と反対側)を下側の受け台52で支持された状態で下側の受け台52に軸線方向が位置決めされる。
第1の部分成形体10は、光に対して透過性のない合成樹脂の一例としてのPA66-G30で成形されている。
第2の部分成形体20は、上側の受け台51に軸線方向が位置決めされた状態で鍔部21の外側(鍔部11と当接する面の反対側)を上側の受け台51で押圧されて下降し鍔部21の内側面が第1の部分成形体10の鍔部11に形成された溶着リブ部13に当接する。
第2の部分成形体20は、光に対して透過性のある合成樹脂の一例としてのPA66-G30で成形されている。ここで、本実施形態に係る第2の部分成形体20の鍔部21のレーザLに対する光透過率は46%である。
(2.2)レーザ溶着の作用
本実施形態においては、接合装置50の受け台51、52に第1の部分成形体10、第2の部分成形体20を位置決めして鍔部11、21を当接させた状態で、レーザ光源53を発光させて溶着部にレーザLを照射する。
レーザLは、樹脂成形品1が内圧を受けた場合の溶着部における接合面の耐圧強度が10Mpa以上となるように、接合面としての鍔部11、21を互いに圧接した状態で第2の部分成形体20の鍔部21の外側から単位面積(mm)当たりのエネルギー総量が1.0×10-3Wh以上となるように照射して溶着リブ部13を溶融固化(溶着)させる。
具体的には、レーザLの光出力P[W]、レーザLの照射時間T[sec]、接合面の光透過率R[%]としたときに、エネルギー総量Qは、
Q[Wh]=P×T×R/100/3600・・・(1)
となり、レーザ光源53の各レーザ発光素子55を全てレーザ照射密度100%で発光させて、レーザLの照射時間Tとして10sec以上照射すると、エネルギー総量Qは0.8Whとなる。これを、溶着リブ部13が、内径D1=78mmの位置に幅A=3mmで形成されている場合(図6参照)、溶着面積Sは763.4mmであり、単位面積(mm)当たりのエネルギー総量は、1.0×10-3Whとなる。
これにより、複数の部分成形体10、20を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品1の必要接合強度を得て、接合強度を向上させることができる。
「実施例1」
図6は実施例1に係る第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の各部の寸法を示す断面図である。
本実施例においては、第1の部分成形体10を黒色の結晶性ガラス繊維強化ナイロン66(レオナ1300G(商標):旭化成)を用いて成形し、第2の部分成形体20を自然色の結晶性ガラス繊維強化ナイロン66(レオナ1300G(商標):旭化成)を用いて成形した。
それぞれの代表寸法は、図6に示すとおりであり、基本肉厚は3mm、鍔部11、21の肉厚も3mmとなるように成形した。
また、自然色の結晶性ガラス繊維強化ナイロン66(レオナ1300G(商標):旭化成)は、光吸収係数が0.33であり、レーザLを照射する第1の部分成形体10の鍔部11は、肉厚3mmで光透過率Rは46%となる。
このような第1の部分成形体10及び第2の部分成形体20を接合装置50の受け台51、52に位置決めして、レーザ出力P=450Wでレーザ照射時間をT=10~20secの範囲で変化させて溶着した樹脂成形品1の接合部における耐圧強度を測定した。
耐圧強度は、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20を溶着した樹脂成形品1内に水を満たした状態で、貫通孔12aが形成された膨出部12から水を加圧注入し、破壊時の圧力を測定することにより測定した。
図7に実施例1におけるレーザ溶着のエネルギー総量[Wh]と耐圧強度[MPa]の関係を示す。耐圧強度1.3MPa(溶着された接合面の強度としては10MPa)以上の接合強度を安定的に得るためには、エネルギー総量Qは0.8[Wh]以上が必要であるとの結果になった。ここに、エネルギー総量Q=0.8[Wh]は、接合(溶着)部の単位面積(mm)当たり1.0×10-3[Wh]となる。
「変形例」
図8は変形例に係る接合方法を概念的に示す斜視図、図9は変形例に係る接合方法及びこれに用いる装置を説明する説明図である。
変形例に係る接合方法で接合される樹脂成形品1は、図8に示すように、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20をその鍔部11、21を互いに当接させて圧接した状態で第2の部分成形体20の鍔部21の当接面と反対側である外側面から接合面となる溶着リブ部13に単一のレーザ光源56(不図示)から出射されるエネルギービームの一例としてのレーザLを移動しながら照射して溶着リブ部13を溶融固化(溶着)させる。
図9に示すように、接合装置50Aは、同軸線上に配置され、所定のタイミングで上側の受け台が昇降する上下一対の受け台51A、52と、昇降する上側の受け台51Aを下側の受け台52に向かって押圧する押圧部(不図示)と、上側の受け台51Aの上方でエネルギービームの一例としてのレーザLを出射するレーザ光源56とレーザLを走査するガルバノスキャニングミラー57(不図示)からなる。
上側の受け台51Aは、レーザ光源56から出射して接合部に照射されるレーザLが透過するように透明ガラスで形成されている。
樹脂成形品1が内圧を受けた場合の接合部における接合面の耐圧強度が10MPa以上となるように、接合面としての鍔部11、21を互いに圧接した状態で第2の部分成形体20の鍔部21の外側からレーザ光源56から出射されるレーザLを所定の走査速度で接合部に対して複数回周回移動しながら単位面積(mm)当たりのエネルギー総量が0.4×10-3Wh以上となるように照射して、溶着リブ部13を溶融固化(溶着)させる。
具体的には、レーザ光源56を光出力200Wで発光させて、走査速度300mm/secで15周回以上照射すると照射時間Tは12.7secに達し、エネルギー総量Qは0.3Wh以上となる。これを、溶着リブ部13が、内径D1=78mmの位置に幅A=3mmで形成されている場合、溶着面積Sは763.4mmであり、単位面積(mm)当たりのエネルギー総量は、0.4×10-3Whとなる。
これにより、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品1の必要接合強度を得て、低コストで接合強度を向上させることができる。
「実施例2」
第1の部分成形体10及び第2の部分成形体20を接合装置50Aの上側の受け台51A、下側の受け台52に位置決めした後、押圧力0.5MPaで押圧した状態で、レーザ出力P=160W、180W、200W、レーザ照射時間をT=8.5sec、12.7sec、17sec、21.2secと変化させて溶着した樹脂成形品1の接合部における耐圧強度を測定した。
耐圧強度は、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20を溶着した樹脂成形品1内に水を満たした状態で、貫通孔12aが形成された膨出部12から水を加圧注入し、破壊時の圧力を測定することにより測定した。
図10に実施例2におけるレーザ溶着のエネルギー総量[Wh]と耐圧強度[MPa]の関係を示す。耐圧強度1.3MPa(接合された接合面の強度としては10MPa)以上の接合強度を安定的に得るためには、エネルギー総量Qは0.3[Wh]以上が必要であるとの結果になった。エネルギー総量Q=0.3[Wh]は、接合部の単位面積(mm)当たり0.4×10-3[Wh]となる。
1・・・樹脂成形品
10・・・第1の部分成形体
11・・・鍔部
13・・・溶着リブ部
20・・・第2の部分成形体
21・・・鍔部
50、50A・・・接合装置
51、51A・・・受け台(上側)
52・・・受け台(下側)
53、56・・・レーザ光源
57・・・ガルバノスキャニングミラー

Claims (5)

  1. 合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品を製造する樹脂成形品の接合方法であって、
    前記樹脂成形品が前記内圧を受けた場合の前記接合面の耐圧強度が10Mpa以上となるように、前記接合面を互いに圧接した状態で、複数の光源から出射され前記接合面の一方から単位面積(mm)当たりの前記接合面が受ける前記複数の光源のエネルギービームを時間積分したエネルギー総量が1.0×10-3Wh以上となるエネルギービームを前記接合面に同時に照射して前記接合面を溶融固化させる、
    ことを特徴とする樹脂成形品の接合方法。
  2. 合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品を製造する樹脂成形品の接合方法であって、
    前記樹脂成形品が前記内圧を受けた場合の前記接合面の耐圧強度が10Mpa以上となるように、前記接合面を互いに圧接した状態で、単一の光源から出射され前記接合面の一方から単位面積(mm)当たりの前記接合面が受けるエネルギー総量が0.4×10-3Wh以上となるエネルギービームを前記接合面に移動しながら照射して前記接合面を溶融固化させる、
    ことを特徴とする樹脂成形品の接合方法。
  3. 前記エネルギー総量Qは、
    Q[Wh]=P×T×R/100/3600
    である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形品の接合方法。
    ここに、前記エネルギービームの光出力P[W]、前記エネルギービームの照射時間T[sec]、前記接合面の光透過率R[%]とする。
  4. 前記エネルギービームが、レーザビームである、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  5. 前記合成樹脂が、結晶性ガラス繊維強化ポリアミド樹脂である、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
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