JP7191093B2 - 少なくとも1つの血圧値を非侵襲的に決定する方法、血圧を非侵襲的に決定する測定装置及びシステム - Google Patents

少なくとも1つの血圧値を非侵襲的に決定する方法、血圧を非侵襲的に決定する測定装置及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つの血圧値を非侵襲的に決定する方法に関する。本発明はさらに、少なくとも1つの血圧値を決定する測定デバイス及びシステムに関する。
血圧を測定するには、侵襲的又は非侵襲的な測定方法を使用することができる。非侵襲的血圧測定方法では、動脈圧が1つの四肢の上の、通常は腕の上の血圧モニタによって測定される。この目的のために、空気充填圧力カフが個人の、好ましくは患者の、例えば上腕に付けられる。次に、その組織に作用するクランプ圧が圧力カフに与えられ、それにより、個人の動脈の圧力変化を検出することができる。圧力カフに与えられるクランプ圧は通常、高クランプ圧から低クランプ圧へ、又は低クランプ圧から高クランプ圧へと変化する。この種の測定では、一連の圧力振動を示す、組織圧信号から生じる振動圧信号を検出することができる。圧力曲線に応じて、増加又は減少するクランプ圧に基づいて、振動圧信号の増加率又は減少率をそれぞれ調べることができる。
圧力カフは空気で充填され、患者の手足の1つに巻き付けられ、増加又は減少する圧力が与えられて、その組織における血圧又は血圧の脈変動が検出され、個人の振動圧信号の振幅が分析されて、収縮期及び/又は拡張期の血圧値が決定される。圧力カフはまた、血圧カフと呼ばれることもある。
非侵襲的な血圧値の検出には、必要な血圧値を精密に分類するために、様々な測定環境のもとで振動圧信号をその振幅値の確実な検出が可能になるようにして検出する、適切に機能する測定装置が必要になる。圧力カフと動脈との間の組織強度及び組成、動脈径、動脈硬化度、及び血圧が患者ごとに異なるので、測定可能な振幅値もまた異なる。加えて、圧力カフは測定中、心臓の高さに保たれなければならない。これは、検出される振動圧信号が、測定環境及び患者の血圧によって異なって見えることを意味する。非侵襲的血圧測定が使用可能であるためには、検出される振動圧信号はまた、信号強度が十分でなければならない。従来の圧力カフを用いると、実際に液圧で経皮的に検出可能な組織圧脈拍曲線の90~96%が失われる圧力振動しか測定されない。これらの圧力振動すなわち振動圧信号には、もはやいかなる脈拍輪郭もない。例えば、脈拍曲線輪郭が、組織圧信号を伝達するために使用される空気によって減衰され、したがってセンサによってもはや検出できないので、大動脈弁閉塞(重複隆起)を認識することがもはやできない。
一方で、血圧値の非侵襲的測定は、複雑ではない、速い、安全な、かつ費用対効果が大きい実施態様によって特徴付けられ、特に直接の侵襲的血圧測定と比べて患者に対するリスクがないので、日常的な医療手順に属する。
侵襲的血圧測定では、動脈が穿孔されカテーテルが挿入される。カテーテルは圧力センサに連結され、それにより、測定された動脈血圧曲線が直接記録され、モニタ上に表示される。侵襲的血圧測定は、非侵襲的血圧測定と比較して正確であり、危篤状態の患者及び/又は高リスクインターベンションの継続的監視に特に適している。しかし、直接測定は特に、出血、血栓閉栓症、偽動脈瘤、感染症、及び神経損傷のリスクを呈し、費用及び時間がかかり、したがって、主として手術中及び集中治療時に血圧を監視及び制御するために用いられる。
一般に、非侵襲的方法が精度、測定頻度、再現性、及び実行可能性の要件を満たすならば、リスクがあり時間及び費用がかかる侵襲的血圧測定方法よりも、非侵襲的でリスクがない血圧測定方法が選ばれる。加えて、侵襲的血圧測定方法を用いて血圧値を確実に検出するには、カテーテル先端に絶えず形成する最小の血栓を取り除き、影響を受けない血圧曲線を自由連通チューブ原理によって検出するために、侵襲的血圧測定用のカテーテルを絶えず洗浄する必要がある。臨床実施では、利用できる医療時間が足りないために、さらには医療専門知識が足りないために、記録された圧力曲線の特性に払われる注意があまりに少ないことがしばしばあり、そのため、侵襲的血圧測定方法でさえも、全く同じ元の血圧曲線に対して互いに全く異なる血圧値が決定されることになる。適切に用いられると、侵襲的血圧測定方法では一般に、非侵襲的血圧測定方法よりも正確な測定結果を得ることができる。しかし、非侵襲的血圧測定方法が、迅速な又は移動式の血圧監視には好ましい。
空気充填カフを使用する非侵襲的血圧測定方法では、四肢の組織厚さ及び組成、患者の動脈硬化度、並びに組織に対する血圧測定デバイスの結合特性に加えて、血圧の脈拍の相対的強度もまた重要である。すなわち、硬化動脈及び厚い組織厚と相まって血圧が非常に低い状況では、非侵襲的血圧測定方法を用いて正確な結果を得るのが困難である。概して、非常に低い血圧値が高くなりすぎ、非常に高い血圧レベルが低くなりすぎ、そのため、医師の判断を誤らせることになり、また患者を危険にさらすおそれがある。
知られている非侵襲的血圧測定方法におけるかなりの信頼性の欠如、又は精度及び比較可能性の不足の故に、侵襲的血圧測定方法に勝る非侵襲的血圧測定方法の、特に費用、時間消費、及びリスクがないことに関する優位点を保持するには、非侵襲的血圧測定方法に対して血圧値の決定の改善を実現することが必要である。理想的には、非侵襲的血圧測定方法が非常に正確で、迅速に再現可能であり、さらには継続的でさえあるはずなので、最小限の妥協で侵襲的血圧測定方法に取って代わることができる。
米国特許第8,926,521B2号により、例えば、従来の圧力カフを使用して振動圧測定を実行すること、並びに振動圧測定から収縮期血圧を推定するために上方及び下方包絡線を計算することが知られている。ここでは、正の振動包絡線曲線の最大値が平均血圧になる。したがって、空気充填カフを使用する従来のオシロメトリック血圧測定法では、最初に平均血圧を決定し、次に、この平均血圧から更なる値を導出する必要がある。
米国特許第5,606,977A号は、患者に血圧測定を実施するために空気カフを使用する自動化血圧監視を開示している。平均血圧及び収縮期血圧が決定される。
本発明の目的は、少なくとも1つの血圧値を非侵襲的に決定するための改善された方法を提供することである。この目的は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に見出すことができる。
本発明は、圧力カフによって組織圧信号を検出することを提案し、この組織圧信号は一連の組織圧脈拍曲線を含む。本発明によれば、組織圧信号から少なくとも2つの組織圧脈拍曲線を識別し、これらの組織圧脈拍曲線を特性パラメータに基づいて分類することが実現される。
組織圧信号の検出は、ある期間にわたって、又はクランプ圧について行われる。この目的のために、圧力カフ内の圧力センサから供給された組織圧値が、関連する測定時間及び/又はクランプ圧と共に記録又は記憶される。対の値がこうして記憶されると、組織圧信号の更なる処理が行われる。
組織圧と測定時間又はクランプ圧との記憶された対の値は、更なる処理の前に、例えば傾向の外側の対の値を無視することによって事前処理することができる。生データに適用される様々なフィルタ関数を用いて、本発明によって非侵襲的に血圧値を決定するために使用されるデータベースを作成することができる。
ある期間にわたる圧力値、又はクランプ圧の検出に加えて、識別情報はまた、組織圧信号のグラフィック表示を個々の組織圧脈拍曲線と共に含む。1つ又は複数の組織圧脈拍曲線を組織圧信号から識別するために、循環パターンが組織圧信号の中、又は対の値の中で検出される。例えば、下方及び上方包絡線が、隣接する組織圧収縮期最大値又は組織圧拡張期最小値をそれぞれ連結することによって、組織圧信号の中で決定される。例えば、組織圧脈拍曲線が、組織圧拡張期最小値から次の組織圧拡張期最小値まで検出される。組織圧信号中の連続する組織圧拡張期最小値は、それぞれの拡張終期点(時間及び圧力)を表す。以下では、組織圧信号の一部分(1つの拡張終期から次の拡張終期まで延びる、又はその関連する値の対がこれらの点の間にある)が、組織圧脈拍曲線とみなされる。1つの拡張終期点から次の拡張終期点までの部分を組織圧脈拍曲線とみなす場合、収縮期はその間にあり、すなわち、組織圧脈拍曲線は、第1の拡張終期点から収縮期まで増加し、ここで組織圧信号値は、それぞれ局所最大値に達し、その後、次の拡張終期点まで降下する。組織圧脈拍曲線の増大する、及び大動脈弁閉鎖まで(切歯すなわち重複隆起を特徴とする)減少する部分は収縮期部分と呼ばれ、重複隆起の後にさらに減少する部分は拡張期部分と呼ばれる。
後で詳細に説明するように、検出された組織圧信号にはフィルタが適用され、この組織圧信号は、圧力領域において単調に、若しくは徐々に増大又は減少し、又は特定の時間一定に保持されて、クランプ圧が決定される。このクランプ圧は、更なる処理で組織圧信号から高周波成分をフィルタ除去するために、組織圧信号から減算され、それにより、検出された組織圧信号の交流成分だけが、本発明により血圧値を決定するために使用される。これにより、ゼロ圧力点のまわりで変動する信号が得られる。この方法で処理された信号により、正規化又は非正規化された更なる処理が可能になる。特に、この信号から、比較可能なパラメータを異なる組織圧脈拍曲線について決定することができ、これらの曲線は、血圧値の確実な決定を可能にする。
特定された個々の組織圧脈拍曲線に基づいて、特定された組織圧脈拍曲線ごとに少なくとも1つの振幅パラメータが決定される。振幅パラメータは、組織圧脈拍曲線の組織圧拡張期最小値と組織圧収縮期最大値との間の関係を表す。振幅パラメータは、組織圧脈拍曲線の組織圧拡張期最小値と組織圧収縮期最大値との間の一部分だけを含む。
さらに、特定された組織圧脈拍曲線ごとに面積パラメータが決定され、このパラメータは、組織圧脈拍曲線で囲まれた面積を示す。この面積は、組織圧脈拍曲線で囲まれた面積の部分面積、又は組織圧脈拍曲線で囲まれた面積の総面積であり得る。
決定された振幅パラメータ及び面積パラメータに基づいて、脈動力パラメータが決定される。脈動力パラメータは、組織圧脈拍曲線の特徴的な値を表す。
脈動力パラメータを得るために、振幅パラメータと面積パラメータが互いに関連付けされ、又は設定される。振幅パラメータと面積パラメータの組み合わせから得られる脈動力パラメータに基づいて、それぞれの特定された組織圧脈拍曲線の決定又は導出された脈動力パラメータと、圧力カフにおける関連するクランプ圧との、又は測定時間との関係を示すパラメータ関数が決定される。
パラメータ関数の形状に基づいて、本発明により血圧値を直接又は間接的に決定するために使用されるパラメータ関数の特性値を決定することができる。
本発明による方法を用いると、収縮期、平均、及び/又は拡張期の血圧値のうちの少なくとも1つを決定することができる。
組織圧信号を検出するために、圧力カフには、低クランプ圧から高クランプ圧まで、又は高クランプ圧から低クランプ圧までの所定の圧力範囲にわたって、あるクランプ圧が供給される。
さらに、低から高のクランプ圧までの、又は高から低のクランプ圧までの所定の圧力範囲の事前設定範囲又は部分だけに対して、組織圧信号を決定することが可能である。
好ましくは、低クランプ圧は拡張期血圧値よりも低く、高クランプ圧は収縮期血圧値よりも高い。拡張期及び収縮期の血圧値は個別の患者で異なるので、初期圧として用いられる低クランプ圧、及び終期圧として用いられる高クランプ圧は経験に基づいて設定される。好ましい実施形態では、圧力範囲は、第1の測定方法を用いて速く通される。これにより、予備の収縮期及び/又は拡張期血圧値が迅速に得られる。関連する拡張期又は収縮期血圧値は、決定された予備の血圧値に基づいて決定することができ、それにより、カバーされるべき圧力範囲、並びに関連するクランプ圧の開始値及び終値を速く決定することができる。後続の第2の測定では、次に、患者に対して画定された圧力範囲を、検出される組織圧信号に基づいた正確な測定を行うためにゆっくり通すことができる。高クランプ圧から低クランプ圧までの圧力範囲を通すときには、終値と開始値が逆にされる。
好ましい実施形態では、それぞれの脈動力パラメータを得るために、決定された組織圧脈拍曲線の振幅パラメータに、関連する面積パラメータが乗算される。
別の有利な実施形態では、脈動力パラメータは、面積パラメータ若しくは振幅パラメータ又は両方に好ましい指数を割り当てることによって、組織圧脈拍曲線ごとに決定することができる。ここでは、振幅パラメータを3の係数で増大させることが特に有利である。しかし、-5...5の範囲の指数もまた選択することができる。
本発明の別の特定の実施形態では、組織圧脈拍曲線で囲まれた部分面積だけが面積パラメータとして使用されることが提案される。組織圧脈拍曲線の形状変化が、収縮期圧力が通されたときに、それぞれの組織圧脈拍曲線の振幅及び絶対面積が減少し、脈拍曲線の上方1/2から1/10の部分の形状が丸から先鋭端に変化すること、並びに組織圧収縮期最大値が後期収縮期から前期収縮期へ移動し得ることを示す。これらの変化は、組織圧脈拍曲線の上方収縮期部分に影響を及ぼす。したがって、収縮期部分面積が画定され、この面積は、収縮期圧力が通過することに特に影響を受ける。
好ましい実施形態では、収縮期上方部分面積が、所定の百分率振幅値と、好ましくは水平に延びる線とに基づいて決定され、この線は、(補正されたクランプ圧傾きによってまっすぐにされた)組織圧脈拍曲線と交差し、決定されるべき部分面積の下方境界を形成する。この場合、収縮期を特徴付ける部分面積は、その線と組織圧脈拍波形との間にある。
別の好ましい実施形態では、各脈動力パラメータが次に、測定時間又はクランプ圧を割り当てられ、これらの脈動力パラメータは、それぞれの組織圧脈拍曲線に割り当てられる。この割り当ては、以下ではパラメータ関数と呼ばれる。これは、パラメータ関数が脈動力パラメータを測定時間又はクランプ圧に対してマッピングすることを意味する。
処理可能な曲線プロファイルを得るために、決定されたパラメータ関数を平滑法に供すること、又は決定された脈動力パラメータに曲線適合を適用することもまた有利である。例えば、コーシー・ローレンツ曲線を使用することができる。
別の有利な実施形態では、決定されたパラメータ関数を使用して第1の収縮期血圧値を決定することが可能である。この目的のために、パラメータ関数の最大値が決定される。加えて、第1のパラメータ関数値が決定され、この値は、圧力曲線の場合では低から高のクランプ圧へとパラメータ関数の最大値に追従し、この最大値に対して所定の百分率だけ低減されているパラメータ関数値を有する。最大パラメータ関数値又は第1のパラメータ関数値に対し、対応する第1の測定時間、又は対応する第1のクランプ圧が決定される。
圧力曲線が高クランプ圧から低クランプ圧まで通されると、最大値の直前のパラメータ関数値が第1のパラメータ関数値として決定され、この関数値もまた、最大値に対して所定の比率だけ低減されている。ここでも、関連する第1の測定時間又は第1のクランプ圧が決定される。
対応する第1の血圧値が、このようにして記録された第1の測定時間又は第1のクランプ圧を用いて、組織圧信号から決定される。ここでは、第1の測定時間において第1の収縮期血圧値を決定するために、又は組織圧信号から第1のクランプ圧を決定するために、好ましくは組織圧信号の上方包絡線が使用される。
本発明による方法では、生成されたパラメータ関数を使用して第1の平均血圧値を決定できるようになる。再び、パラメータ関数の最大値が決定される。低から高のクランプ圧の圧力曲線の場合では、最大値の直前の、最大値に対して所定の比率だけ低減された第2のパラメータ関数値を有する第2のパラメータ関数値が決定される。さらに、関連する第2の測定時間、又は関連する第2のクランプ圧が決定される。この圧力が高から低のクランプ圧になる場合、最大値に続く、最大値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する第2のパラメータ関数値が決定され、関連する第2の測定時間及び/又は関連する第2のクランプ圧が決定される。
対応する第2の圧力値は、第2の測定時間又は第2のクランプ圧に基づいて、組織圧信号から決定され、又は読み取られる。ここでクランプ圧は、好ましくは、対応する第1の平均血圧値を決定するための組織圧信号に用いられる。
本発明による方法では、生成されたパラメータ関数値を使用して第1の拡張期血圧値を決定できるようになる。パラメータ関数の最大値が決定される。低から高のクランプ圧の圧力曲線の場合では、最大値の直前の、最大値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する第3のパラメータ関数値が決定され、関連する第3の測定時間及び/又は関連する第3のクランプ圧が決定される。
この圧力曲線が高から低のクランプ圧に延びる場合、最大値に続く、最大値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する第3のパラメータ関数値がパラメータ関数から決定され、関連する第3の測定時間又は関連する第3のクランプ圧が決定される。
決定された第3の測定時間、又は決定された第3のクランプ圧に基づいて、対応する圧力値が、組織圧信号又はこれに依存する信号から決定される。このようにして決定された圧力値は、第1の拡張期血圧値に対応する。好ましくは、第1の拡張期血圧値は、組織圧信号の下方包絡線から決定される。
パラメータ関数を使用して決定された第1の収縮期血圧値及び第1の平均血圧値に基づき、推定式を用いて第2の拡張期血圧値を決定することが可能である。この目的のために、第1の平均血圧値、及び第1の平均血圧値と第1の収縮期血圧値の差に、侵襲的血圧測定値から導出された各係数が乗算され、これらの差が形成され、侵襲的血圧測定値から導出された補正定数が減算される。
第1の収縮期血圧値及び第1の拡張期血圧値から、侵襲的血圧測定値から得られた別の推定式を用いて、第2の平均血圧値を決定することもまた可能である。この目的のために、第1の拡張期血圧値、及び第1の収縮期血圧値と第1の拡張期血圧値の差に、侵襲的血圧測定値から導出された各係数が乗算される。侵襲的血圧測定値から導出された第2の補正定数が、第2の平均血圧値を得るために用いられる。
したがって、好ましい実施形態では、第3の平均血圧値を得るために、パラメータ関数によって決定された第1の平均血圧値と、推定式によって決定された第2の平均血圧値とを、好ましくはこれらを重み付け及び平均化して組み合わせることが可能である。このようにして、直接測定された第1の平均血圧値と、第1の拡張期血圧値又は第1の収縮血圧値から導出された第2の平均血圧値との両方が決定され、これらは次に、より強靭な第3の平均血圧値が得られるように互いに関連付けられる。
同様に、パラメータ関数から決定された第1の拡張期血圧値と、推定式を用いて第1の平均血圧値又は第1の収縮期血圧値から決定された第2の拡張期血圧値とを重み付けして、平均化された第3の拡張期血圧値を得ることができる。
本発明の別の態様によれば、組織圧信号から、この組織圧信号中の特定された組織圧脈拍曲線を使用して、一連の組織圧脈拍曲線のうちの組織圧脈拍曲線に対してそれぞれの幅パラメータを決定することによって、第2の収縮期血圧値を得ることが可能である。幅パラメータは、収縮期通過中の組織圧脈拍曲線の収縮期形状変化を、特に組織圧脈拍曲線の収縮期の最大値すなわちピークに関して特徴付ける。収縮期血圧値は、収縮期形状の変化に基づいて決定することができる。この目的のために、幅パラメータは、以前の組織圧脈拍曲線の拡張終期点及び現在の組織圧脈拍曲線の最大値に基づいて決定される。或いは、現在の組織圧脈拍曲線の最大増加率及び現在の組織圧脈拍曲線の最大値に基づいて、幅パラメータを決定することが可能である。幅パラメータは、複数の、好ましくは連続する組織圧脈拍曲線について決定され、関連する測定時間又はクランプ圧が決定される。さらに、どの測定時間又はどのクランプ圧において幅パラメータが最大変化を示すかが決定される。幅パラメータがいくつかの組織圧脈拍曲線に対して最大変化を呈示する時間は、第2の収縮期血圧値が組織圧信号から、又はこれに依存する信号、好ましくはクランプ圧から決定される時間になる。これは、この幅パラメータが最も変化する測定時間又はクランプ圧において、第2の収縮期血圧値を組織圧信号から、好ましくは組織圧信号のクランプ圧から導出できることを意味する。
組織圧信号から第2の収縮期血圧値を決定するための好ましい変形形態では、上方部分面積は、クランプ圧が増加するときに現在の組織圧脈拍曲線の組織圧収縮期最大値の前(の時間)に位置する上方部分面積と、現在の組織圧脈拍曲線の組織圧収縮期最大値の後(の時間)に位置する上方部分面積とに分割される。この目的のために、各部分面積は三角形に形成される。これら2つの三角形を形成するために、組織圧脈拍曲線は下方の、好ましくは水平の、組織圧脈拍曲線と交差する直線によって範囲が定められ、組織圧脈拍曲線は、クランプ圧傾きをフィルタリング除去することによってまっすぐにされる。さらに、共通直線が、現在の組織圧脈拍曲線の組織圧収縮期最大値を通る垂直線として置かれ、それぞれの接続直線が、水平下方直線と組織圧脈拍曲線の交点と、現在の組織圧脈拍曲線の組織圧収縮期最大値との間に置かれる。このようにして、部分面積を決定するための2つの三角形が得られる。
この方法は、パラメータ関数に関して上述した方法とは別個に実行することができる。しかし、この方法はまた、一連の連続する組織圧脈拍曲線における組織圧脈拍曲線の収縮期内の組織圧収縮期最大値の時間シフトに基づいて第2の収縮期血圧値を決定することによって、上述の方法と組み合わせることもできる。2つの別々に決定された第1及び第2の収縮期血圧値から、重み付けされた平均の第3の収縮期血圧値を導出することができる。
組織圧脈拍曲線の収縮期内の組織圧収縮期最大値の時間シフトに基づいて第2の収縮期血圧値を決定するために、幅パラメータの移動平均値が所定の数の組織圧脈拍曲線について決定される。次に、幅パラメータの移動平均値と、各組織圧脈拍曲線の個々の幅パラメータとの差が決定される。これらの差に基づいて、標準偏差関数が個々の組織圧脈拍曲線について生成され、この標準偏差関数内で標準偏差関数の現出ベル形の半値幅の中心が決定され、これにより第2の収縮期血圧値を半値幅の中心で読み取ることができる。
2つの部分面積の面積比が用いられる場合、所定の数の組織圧脈拍曲線について2つの部分面積の面積比の移動平均値が決定される。次に、2つの部分面積の面積比の移動平均値と、各組織圧脈拍曲線の2つの部分面積の個々の面積比との差が決定される。これらの差に基づいて、標準偏差関数が個々の組織圧脈拍曲線について生成され、この標準偏差関数内で標準偏差関数の現出ベル形の半値幅の中心が決定され、これにより第2の収縮期血圧値を半値幅の中心で読み取ることができる。
本発明の別の態様では、組織圧信号から第4の平均血圧値を非侵襲的に決定する方法が提供される。複数の個別の組織圧脈拍曲線が組織圧信号において特定される。組織圧脈拍曲線は制限関数と共に、それぞれ表面を囲む。連続する組織圧脈拍曲線では、それぞれの面積が次の組織圧脈拍曲線まで計算される。計算される面積は2つの部分面積に、具体的には収縮期面積を含む部分面積と拡張期部分面積に、分割され、収縮期面積を含む部分面積は組織圧脈拍曲線の下にあり、拡張期部分面積は組織圧脈拍曲線の組織圧拡張期最小値の上にある。連続する組織圧脈拍曲線の収縮期部分面積と拡張期部分面積の面積比の変化に基づいて、第4の平均血圧値は、対応する組織圧信号から、好ましくはクランプ圧から決定することができる。
好ましくは、第4の平均血圧値を決定する方法を、面積比に基づいて、第3の平均血圧値と結び付けることが可能である。したがって第3の平均血圧値は、第4の平均血圧値で重み付け及び平均化することができ、それによって第5の重み付け平均血圧値を決定することができる。
組織圧脈拍曲線を特定するための上述の方法では、交流成分を組織圧信号から取得して、その組織圧信号を水平に伸びる信号曲線に変換するために、クランプ圧成分を組織圧信号から差し引く、又はフィルタリングすることが有利である。これにより、組織圧脈拍曲線のより良い比較可能性、及び個々のパラメータのより適切な分析が可能になる。
組織圧脈拍曲線を特定するステップでは、少なくとも2つの連続する組織圧脈拍曲線が特定される。血圧値に関する信頼性を向上させるために、特定及び分析される組織圧脈拍曲線の数を増加させることができる。
好ましくは、圧力範囲は、測定中に所定の圧力変化速度で通される。圧力範囲は、好ましくは測定中に決定することができる。しかし、圧力変化速度もまた経時的に調整することができ、それにより、例えば測定は、最初に速い圧力変化速度で、その後遅い圧力変化速度で行われる。
目的はまた、血圧値を非侵襲的に決定するための測定デバイスによって解決され、この場合、組織圧信号が、個人において圧力カフによって記録され、測定デバイスは、収縮期、平均及び/又は拡張期の血圧値を決定するための上述の方法を実行するように適合されている少なくとも1つの制御ユニットを備える。
好ましくは、圧力カフが組織圧信号を得るために使用され、圧力センサが圧力カフ内に配置され、組織に液圧的に結合される。
さらに、目的は、個人において組織圧信号を検出するように構成された少なくとも1つの圧力センサ付きの圧力カフを備える非侵襲的血圧決定システムによって解決され、このシステムは上述の、検出された組織圧信号から少なくとも1つの血圧値を決定するための測定デバイスを有する。好ましくは、システムは、検出された組織圧信号、及び特定された組織圧脈拍曲線を表示するための表示ユニットを含む。
別の構成では、測定デバイスは制御ユニットを含むことができ、この制御ユニットは、圧力が、測定中に決定された圧力範囲にわたって圧力カフにおいて動的に増大及び/又は低減されるような手法で圧力伝達装置を制御するように構成されている。
シェルラッピングカフが圧力カフとして使用される場合に、特に有利な測定結果を得ることができ、このカフは、測定中に四肢を密閉して囲み組織に液圧的に結合される、内側の耐キンク性シェルを有する。シェルラッピングカフでは、液圧的に結合された経皮的な組織圧脈拍曲線が、圧力カフの中/上にある圧力センサによって検出される。従来の圧力カフでは、圧力センサが空気充填カフの中に配置されていない。圧力は空気導管を経由して、圧力が測定される測定デバイスまで伝達される。空気による伝達の故に、組織圧信号の情報の多くが減衰され、したがって、もはや評価のために用いることができない。これは、高品質の測定には、可能な最高の分解能で組織圧信号を記録することが推奨されることを意味する。
皮膚の上の圧力カフの中に圧力センサを、皮膚と圧力センサとの間に、例えば空気クッションである減衰要素なしで(液圧的に結合)、配置することが有利である。皮膚とセンサとの間には保護膜又は、適合性の理由で特殊な物質が、これらは組織圧脈拍曲線の伝達を最小限にしか減衰させないので、可能である。代替的又は追加的に、センサが堅固及び/又は固い要素によって皮膚に押し付けられるならば、信号受信に有利である。組織圧脈拍曲線又は組織圧信号が、伝達のための減衰媒体を使用せずに、可能な限り直接的に液圧で検出されても有利である。
本発明による方法、又は異なる方法の組み合わせを用いると、非侵襲的な血圧値はまた、強い低張性及び高張性循環状況に対して、間欠的不整脈に対して、また信号伝達を強く減衰させる高い組織部分(例えば体脂肪)がある身体部分でも、また、含まれるか囲まれた、硬直性が非常に高い動脈に対して決定することもできる。
以下では、本発明について図を用いて詳細に説明する。
組織圧信号、これより導出される信号、及びアクチュエータ圧力を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態による組織圧脈拍曲線及びパラメータを示す図である。 図2A~2Cによる振幅パラメータ及び面積パラメータから導出された経時的なパラメータ曲線と、これより導出された血圧値とを示すグラフである。 図2A~2Cによる振幅パラメータ及び面積パラメータから導出された、クランプ圧を超えるパラメータ曲線と、これより導出された血圧値とを示すグラフである。 第1の実施形態による方法を実行するための流れ図である。 推定式によって決定された血圧値と侵襲的に決定された血圧値との間の相関を示すグラフである。 非侵襲的に決定された血圧値と侵襲的に決定された血圧値との間の相関を示すグラフである。 第2の実施形態による、収縮期通過中の組織圧脈拍曲線の収縮期形状変化を決定するための組織圧脈拍曲線を示すグラフである。 第2の実施形態による、三角形面積比の変化に基づいて収縮期血圧値を決定するためのグラフ表示である。 第2の実施形態による方法を実行するための流れ図である。 第3の実施形態による、収縮期通過中の組織圧脈拍曲線の収縮期形状変化を決定するための組織圧脈拍曲線を示すグラフである。 第3の実施形態のパラメータを決定するための組織圧脈拍曲線の拡大部分を示す図である。 第3の実施形態による、幅パラメータの変化に基づいて収縮期血圧値を決定するためのグラフ表示である。 第3の実施形態による方法を実施するための流れ図である。 第4の実施形態による、部分面積が異なる組織圧脈拍曲線を示す図である。 第4の実施形態による、部分面積比の変化に基づいて平均血圧値を決定するためのグラフ表示である。 第4の実施形態による方法を実行するための流れ図である。 第1の実施形態に基づいた本発明の代替実施形態による組織圧脈拍曲線及びパラメータを示すグラフである。 図8Aによる振幅パラメータ及び面積パラメータから導出された経時的なパラメータ曲線と、これより導出された血圧値とを示すグラフである。 非侵襲的に決定された血圧値と、同時に侵襲的に決定された血圧値との間の回帰分析を示すグラフである。 シェル圧力カフの断面図である。 非侵襲的血圧決定のシステムの構成を示す図である。 別々に決定された血圧値の組み合わせの概要を示す図である。
以下で、図1、図2A~図2C、及び図3A~図3Cは、血圧値を非侵襲的に決定する第1の実施形態を説明するために用いられる。
図1は、組織圧信号TPを時間tに対して示す。圧力カフに加えられるアクチュエータ圧力Pactが図1に示されており、測定デバイスによって与えられるアクチュエータ圧力Pactを表す。この圧力は、0mmHgの低い値から210mmHgまで増加する(S110)。
組織圧範囲は通常、低いクランプ圧TPcl=0~20mmHgから高いクランプ圧TPclにまで及び、この高いクランプ圧TPclは、経験的な値、又はオンライン計算収縮期血圧値SAP1ni、SAP2ni若しくはSAP2ni及び/又はSAPniを確実に超える。
非侵襲的に測定された組織圧信号TPは、一連の高解像度組織圧脈拍曲線PKiを含む。クランプ圧TPclは、組織圧信号TPの曲線内にあり、組織圧信号TPをローパスフィルタリングすることによって決定される。
その圧力範囲は、低から高のクランプ圧TPclに、又はその逆に及び得る(S110)。結果として得られる組織圧信号TPは、圧力センサによって測定され(S120)、図1に示されており、振幅が変化する組織圧脈拍曲線PKiを示す。組織圧信号TPに加えて、組織圧信号TPに近似して増加するクランプ圧TPclが示されている。図1はまた、組織圧信号TPから決定された二重交流成分TPacも示す。フィルタリング(S130)によって得られるこの交流成分TPacを用いると、組織圧脈拍曲線PKiはより適切に分析することができ、組織圧脈拍曲線PKiから決定されるパラメータのより良好な比較可能性が実現可能になる。交流成分TPacは、好ましくは、組織圧信号TPからクランプ圧TPclを減算することによって生成される。
図1に示されるように、クランプ圧TPclが増加するとき、使用可能な組織圧信号TPが約30mmHgから得られ、この信号は、収縮期血圧値をはるかに超えて測定することができる。この範囲内で、組織圧脈拍曲線PKiが特定される(S140)。さらに、図1は、組織圧収縮期最大値TPsysから得られた組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curveを示す。組織圧拡張期最小値TPdiaから得られた組織圧信号TPの下方包絡線TPdia-curveもまた示されている。
図2Aは、特定された組織圧脈拍曲線PKiを詳細に示す。組織圧脈拍曲線PKiは、拡張終期点から、好ましくは組織圧脈拍曲線PKiの局所最小値(組織圧最小値TPdia)から始まり、組織圧収縮期最大値TPsysの最大値まで急峻に立ち上がる。拡張終期点から始まり組織圧収縮期最大値TPsysに達する立ち上がりエッジと、組織圧収縮期最大値TPsysから次の拡張終期点までの組織圧信号TPの立ち下がりエッジとは、組織圧脈拍曲線PKiを含む。これは、組織圧脈拍曲線PKiが開始時間t.startから終止時間t.stopまで伸びていることを意味する。ここにわたる圧力範囲は、組織圧拡張期最小値TPdiaと組織圧収縮期最大値TPsysとの間にある。組織圧脈拍曲線PKiの下の面積は面積パラメータTPAと呼ばれ、組織圧脈拍曲線の下で、開始時間t.startの拡張終期点から終止時間t.stopまで伸びる直線によって範囲が定められる。好ましくは、この直線は水平である。組織圧信号TP又はその交流成分TPacの場合、組織圧脈拍曲線PKiの下の面積を定めるための直線はまた、斜めに伸びることもできる。
図2Bは、図2Aと類似している組織圧脈拍曲線PKiを示す。百分率振幅値x%(TPP)が示されており、この値は、組織圧拡張期最小値TPdiaから組織圧収縮期最大値TPsysの百分率値までの範囲にある。TPPは、組織圧拡張期最小値TPdiaから組織圧収縮期最大値TPsysまでの全振幅を示す。この百分率振幅値x%(TPP)の上の部分面積TPA.topは、本発明の第1の実施形態において面積パラメータTPAとして使用することができる。百分率振幅値x%(TPP)及び面積パラメータTPAは、特定された組織圧脈拍曲線PKiと対応する値の対とに基づいて決定される(S150)。
図2Cは、組織圧脈拍曲線PKiの下の部分面積TPA.topの計算の代替法を示す。図2A又は図2Bによる振幅パラメータTPP及び面積パラメータTPAを決定する方法の代替法として、この場合には、組織圧脈拍曲線PKi中の組織圧信号TPの最大増加率dTP/dtmax又は最大増加率の時間t(dTP/dtmax)が決定される。この時点は、部分面積TPA.topの下方境界線を決定するために用いられる。これは、最大増加率dTP/dtmaxの点にある直線及び組織圧脈拍曲線PKiによって取り囲まれた範囲が、面積パラメータTPAとして、又は部分面積TPA.topとして用いられて、第1の収縮期血圧値SAP1ni、第1の平均血圧値MAP1Ani、及び第1の拡張期血圧値DAP1Aniが計算されることを意味する。
図2A、図2B又は図2Cによる方法に基づいて決定された血圧値を比較すると、図2B又は図2Cによる部分面積TPA.topを用いることにより一般に、より正確な血圧値が得られることが示されており、図2Bによる振幅パラメータTPP及び部分面積TPA.topを決定する方法を用いることで一般に、最も信頼性の高い血圧値が得られることになる。
組織圧信号TPの経時的な圧力値をmmHgの単位で得るために、組織圧信号TPは圧力センサによって記録され、測定デバイスにおいて高い解像度で記憶及び処理される。組織圧信号値が、設定解像度に応じてそれぞれの測定時間t又はクランプ圧TPclにおいて検出され、これらの値が一緒に測定デバイスのメモリに値の対として記憶される。
第1の実施形態による方法についてさらに説明するために、図3Aを参照する。図3Aは、パラメータ関数TPW-curveを示し、これは、組織圧脈拍曲線PKiごとに、振幅パラメータTPPと面積パラメータTPAとの、又は百分率振幅値x%(TPP)より上の部分面積TPA.topとの積から決定される(S170)。
TPPの50~90%の範囲、好ましくはTPPの75%が、第1の実施形態の百分率振幅値x%(TPP)として特に有利であることが判明した。
特定された組織圧脈拍曲線PKiごとに決定された振幅パラメータTPP、及び面積パラメータTPA又は部分面積TPA.topに基づいて、振幅パラメータTPP又はその比率x%(TPP)を面積パラメータTPA又は部分面積TPA.topと連結することによって、脈動力パラメータTPWPを計算することができる(S160)。
この目的のために、振幅パラメータTPP又はその割合x%(TPP)、及び面積パラメータTPA又は部分面積TPA.topは、特定された組織圧脈拍曲線PKiごとに係数として用いられ、これらはそれぞれ1つのべき指数で重み付けされて脈動力パラメータTPWPを形成する。脈動力パラメータTPWPは、好ましくは次式に基づき、振幅パラメータTPPと面積パラメータTPAの積として最も簡単な形で与えられる。
TPWP=TPAexp1×TPPexp2
ただしexp1≠0、exp2≠0である。
或いは、脈動力パラメータTPWPはまた、次式によって計算することもできる。
TPWP=TPA.topexpl×TPPexp2×(dTP/dtmax)exp3
ただし、exp1≠0、exp2≠0、exp3≠0である。
図3A及び図3Bに示されたパラメータ関数TPW-curveは、脈動力パラメータTPWPについて決定された値から導出される(S170)。この目的のために、決定された各脈動力パラメータTPWPは、対応する測定時間t、又は特定された組織圧脈拍曲線PKiに属する組織圧信号TPから導出された対応する値、に割り当てられる。これは、脈動力パラメータTPWPの各値には、関連する組織圧脈拍曲線PKiの時間又は組織圧信号値が割り当てられ、好ましくは、組織圧収縮期最大値の時間t(TPsys)が時間として割り当てられ、或いは、クランプ圧TPcl、組織圧収縮期最大値TPsys、又は組織圧拡張期最小値TPdiaが割り当てられることを意味する。図3A及び図3Bに示された滑らかなパラメータ関数TPW-curveは、パラメータ関数のローパスフィルタリングによって、例えば、クランプ圧TPclにわたって多段及び連続平均することによって、又は、例えば6~10秒にわたって多段及び連続平均することによって、生成される。
このようにして生成されたパラメータ関数又はその値の対は分析することができ、本発明によって血圧値を決定するために使用される、パラメータ関数の特定の関数値を決定することができる。
パラメータ関数TPW-curveは、最大パラメータ関数値TPW-curve.maxを有し、これが特定される(S180)。経験に基づいて、第1のパラメータ関数値axに属する第1の測定時間t(ax)が決定され、このaxは、最大パラメータ関数値TPW-curve.maxの所定の部分を含む(S190)。第1の測定時間t(ax)に基づいて、第1の収縮期血圧値SAP1niが組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curveをベースに決定され(S191)、組織圧信号TPについて第1の測定時間t(ax)に属する圧力値が決定され、又は読み取られる。図3Aで、第1の測定時間t(ax)は56sであり、53.5sにある最大点の後ろの、増加する圧力曲線の上にある。第1の測定時間t(ax)は56sであり、増加する圧力曲線に対して、53.5sである最大点の後ろにある。56sの第1の測定時間t(ax)に基づいて、対応する組織圧信号TPが決定されて、第1の収縮期血圧値SAP1niが決定され、その値は、この場合にはTPsys-curve=130mmHgのところにある。
別法として、図3Aに示されるように、圧力値TPcl@TPW-curve.maxが、最大パラメータ関数値t(TPW-curve.max)が生じたときに、組織圧信号TPの割り当てられたクランプ圧TPclから、時間t(TPW-curve.max)における図3Aの縦座標で得られる。経験に基づいて、特定の係数TPcl%がTPcl@TPW-curve.maxに適用されて、代替の第1の収縮期血圧値SAP1niが決定される。
もう1つの別法では、図3Aに示されるように、圧力値TPsys-curve@TPW-curve.maxが、最大パラメータ関数値t(TPW-curve.max)が生じる時間において組織圧信号TPの上方包絡線(TPsys-curveが図1に定義されている)に対応する、図3Aの縦座標で得られる。経験に基づいて、特定の係数TPsys-curve%がTPsys-curve@TPW-curve.maxに適用されて、別の代替の第1の収縮期血圧値SAP1ni**が決定される。
パラメータ関数はまた、第1の平均血圧値MAP1Aniを決定するために用いることもでき、増加する圧力曲線によって、パラメータ関数TPW-curveの第2のパラメータ関数値bxと、関連する第2の測定時間t(bx)とが決定される(S192)。関連する第2の測定時間t(bx)は、図3Aで43sである。対応する第1の平均血圧値MAP1Aniは、クランプ圧TPclに基づいて決定され(193)、この場合には約96mmHgである。
第1の収縮期血圧値SAP1ni及び第1の平均血圧値MAP1Aniに類似して、拡張期血圧値DAP1Aniは、パラメータ関数TPW-curveに基づいて、所定の比率だけ低減された第3のパラメータ関数値cxと、この場合には36sである、関連する第3の測定時間t(cx)とを決定することによって決定することができる(S194)。第3の測定時間t(cx)に基づいて、組織圧信号TPの、特に下方組織圧包絡線TPdia-curveの、対応する約80mmHgの圧力値が決定され、又は読み取られる(S195)。
図3Bでは、組織圧信号TPがクランプ圧TPclの上に示され、これより決定された二重交流成分TPacが図3Bの下方の領域に示されている。図3Aによる方法に類似して、特定された組織圧脈拍曲線PKi、振幅パラメータTPP、及びこれより決定された面積パラメータTPAに基づいて、脈動力パラメータTPWPが組織圧脈拍曲線PKiごとに最初に決定され、脈動力パラメータTPWPからパラメータ曲線TPW-curveが、クランプ圧TPclに対して図3Bに示されるように決定される。
図3Aとは異なり、面積パラメータTPAと振幅パラメータTPPの組み合わせによる脈動力パラメータTPWPを表すパラメータ関数TPW-curveは、図3Bでは時間tに対して表されているのではなく、クランプ圧TPclの関数として表されている。クランプ圧TPclは、例えば、覚醒している患者又は個人のモーションアーチファクト、筋振戦、又は緊張によって引き起こされる下方包絡線すなわちベースライン(TPdia-curve)のドリフト又は擾乱の影響を受けにくい。
図3Aによるパラメータ関数に類似して、図3Bのパラメータ関数TPW-curveは、血圧値と、特に、対応するクランプ圧TPcl(TPW-curve.max)とを決定するために特定される最大値を有する(S180)。この最大値に応じて、第1、第2及び/又は第3のパラメータ関数値ax、bx、cxが決定され(S190、S192、S194)、これらは、クランプ圧TPclの圧力曲線に応じて、パラメータ曲線の最大値の前又は後にある。関連するクランプ圧TPcl(ax)、TPcl(bx)及びTPcl(cx)は、最大パラメータ関数値TPW-curve.maxの所定の割合をそれぞれが有する、これらのパラメータ関数値ax、bx、cxごとに決定され、その所定の割合は、経験的又は実験的に決定される。対応する血圧値(S191、S193、S195)は、3つのパラメータ関数値に対するこれらのクランプ圧値を用いて、組織圧信号TP又はこれに依存する信号(TPdia-curve、TPsys-curve、TPcl)について決定される。
したがって、第1の収縮期血圧値SAP1niは、第1のクランプ圧TPcl(ax)を、対応する血圧値を組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curveを使用して決定するように用いて、決定することができる。図3Bに示された例では、118mmHgのTPcl(ax)クランプ圧で、132mmHgの収縮期血圧値が、上方包絡線TPsys曲線に基づいて第1の収縮期血圧値SAP1niとして決定される。
図3Aによる方法に類似して、第1の平均血圧値MAP1Aniは、組織圧信号TPのクランプ圧TPclで92mmHgの第2のクランプ圧TPcl(bx)に対して決定することができ、この例では92mmHgである。
拡張期血圧値DAP1Aniは、第3のパラメータ関数値cxを用いて決定され、その関連する第3のクランプ圧TPcl(cx)は76mmHgである。対応する拡張期血圧値DAP1Aniは、組織圧信号TPの下方包絡線TPdia-curveを使用して決定され、その結果、約73mmHgの拡張期血圧値DAP1Aniが得られる。
第1から第3のパラメータ関数値ax、bx及びcxの値を得るために、較正データセットが、様々な心臓血管状態の十分な数の個人についての同数の、同時の侵襲的及び非侵襲的血圧測定値から作成される。
第1の実施形態による方法の概要が図3Cに示されている。
図4A及び図4Bは推定拡張期血圧値DAPest及び推定平均血圧値MAPestを示し、これらは、侵襲的に決定された血圧値に基づいて推定式を使用して決定された。図4Aで、推定値は、推定拡張期血圧値DAPestの回帰直線まわりの点の組として示され、これらの推定値は、侵襲的に決定された平均血圧値MAPi、及び侵襲的に決定された収縮期血圧値SAPiによる推定式を用いて、侵襲的に決定された拡張期血圧値DAPiの関数として決定された。
すなわち、図4Aは、侵襲的に決定された収縮期血圧値SAPi及び平均血圧値MAPiに基づく推定拡張期血圧値DAPestと、80人の患者についての480個の測定値のデータセットに基づく、対応する侵襲的に測定された拡張期血圧値DAPiとの間の相関を示す。推定拡張期血圧値DAPestを決定するために、侵襲的血圧値の回帰分析によって決定された次式が適用された。
DAPest=0.87×MAPi-0.26×(SAPi-MAPi)-0.68mmHg
係数(0.87及び0.26)及び補正定数(0,68mmHg)は、侵襲的血圧測定値の可能な限り大きいデータセットを統計的に評価することで多くの患者の収縮期血圧値SAPi及び平均血圧値MAPiを決定することによって、実験的に決定された。
すなわち、拡張期血圧値DAPsetは、収縮期血圧値及び平均血圧値から確実に導出又は推定できることが判明した。すなわち、図4Aによる表示は、拡張期血圧値の推定値DAPestが、拡張期血圧値DAPiの侵襲的に決定された比較値からわずかしか外れていないことを示しており、差DAPset-DAPiの標準偏差SDは2.2mmHgであり、相関係数rは0.97である。
図4Bは、図4Aと類似して、侵襲的に決定された拡張期血圧値DAPi及び収縮期血圧値SAPiに基づく、平均血圧値MAPestの推定値の決定を示す。ここでは次式が使用される。
MAPest=1.052×DAPi+0.347×(SAPi-DAPi)-1.8mmHg
図4Bで分かるように、この推定は、補正係数rが0.99であるので、図4Aに示されたものよりもさらに正確である。平均血圧値に対する各推定値MAPestの点は、図4Aよりもさらに回帰直線に近接している。差MAPest-MAPiの標準偏差SDは1.45mmHgである。
図5A、図5B及び図5Cは、同時の侵襲的動脈測定と非侵襲的組織圧測定を比較したものを、収縮期、平均及び拡張期の血圧値の構造回帰図として示す。
図5Aは、パラメータ関数に基づき図3Cの第1の方法を使用して決定された血圧値SAP1niを、同時に侵襲的に決定された血圧値SAPiに対して示す。非侵襲的に決定された収縮期の値の様々な測定点が侵襲的に決定された値とわずかしか異ならないことを明確に見ることができる。
図5Bもまた、パラメータ関数に基づき図3Cの第1の方法を使用して決定された第1の平均血圧値MPAlAniを、対応する同時に決定された侵襲的な平均血圧値MAPiに対して示す。ここでもまた、平均の非侵襲的に決定された値の様々な測定点が侵襲的に決定された値からわずかしか外れていないことが明らかである。
図5Cは、推定拡張期血圧値DAP1Bniの値を、対応する同時に侵襲的に決定された拡張期血圧値DAPiに対して示す。推定拡張期血圧値DAP1Bniは、図3Cによって決定された第1の収縮期血圧値SAP1niと、第1の平均血圧値MAP1Anとからパラメータ関数に基づいて決定される。
以下の推定式が用いられる。
DAP1Bni=kl×MAP1Ani-k2×(SAP1ni-MAP1Ani)-k3mmHg
ここで、k1=(0.6...1,1)、k2=(0.15...0.4)、及びk3=(-5...5)である。
図5Cは、推定拡張期血圧値DAP1Bniの様々な測定点が、侵襲的に決定された拡張期の値からわずかしか外れていないことを明確に示す。
推定拡張期血圧値DAP1Bniを決定することと同様に、推定された第2の平均血圧値MAP1Bniを決定することができる。この目的のために、以下の推定式が用いられる。
MAP1Bni=k4×DAP1Ani+k5×(SAP1ni-DAP1Ani)-k6mmHg
ここで、k4=(0.8...1.3)、k5=(0.25...0.5)、k6=(-5...5)である。
Figure 0007191093000001
ここで、ni=非侵襲的、i=侵襲的、n=5ni/i測定/高リスク手術の患者、切片=y軸切片、r=補正係数、ax=TPWmaxの後の%TPWmax(クランプ圧が増加)、bx=TPWmaxの前の%TPWmax(クランプ圧が増加)、平均=非侵襲的と侵襲的の差の平均値、SD=非侵襲的と侵襲的の差の標準偏差である。
図6A、図6B、及び図6Cは、第2の収縮期血圧値SAP2niを決定する好ましい方法を示し、この方法は本質的に、収縮期通過中の組織圧脈拍曲線PKiの収縮期の形状変化を正確に認識することに基づいている。クランプ圧TPclが増加することにより、収縮期通過は、カフによって閉塞される動脈の閉鎖を示し、クランプ圧TPclが減少することにより、収縮期通過は、カフによって閉塞される動脈の開放を示す。
図6Aの上部は、侵襲的に測定された動脈血圧信号AP、及び非侵襲的に測定された組織圧信号TPを示す。図6Aの下部では、非侵襲的に測定された組織圧脈拍曲線PKiがフィルタリングされており、すなわち、増加するクランプ圧TPclがすでに除去されており、それにより、組織圧信号TPの交流成分TPacだけが示されている。経時的に、組織圧収縮期最大値TPsysのピークが右(後の収縮期)から左へ(初の収縮期)と移動していることを明確に見ることができる。64Sにおける組織圧脈拍曲線PKiの組織圧収縮期最大値TPsysは、ほとんど中心にあるか右側に傾斜している。図6Aの右側部では、組織圧脈拍曲線PKiの組織圧収縮期最大値TPsysは左側に強く傾斜している。
図6Aにおいて組織圧脈拍曲線PKiの形状変化を観察すると、収縮期圧力(カフによって閉塞される動脈の閉鎖)の全体にわたって、振幅及び絶対面積が減少し、特に、脈拍曲線の上方脈拍圧力部分の形状が丸から先鋭端に変化し、いくつかの場合では、目立つピークが常にある二重ピーク/先鋭端に変化することが示されている。調査したほとんどの事例において、組織圧収縮期最大値TPsysは、収縮期圧力が通過するときに、中央から後ないし前の収縮期の然るべき増大へと移動することもまた見ることができる。検査された患者での2番目に最もよくある事例では、組織圧収縮期最大値TPsysは中央から、動脈閉鎖中の後の収縮期からずっと後の収縮期まで移動して、そこに超拡張期クランプ圧範囲でとどまることが示された。まれな事例では、組織圧収縮期最大値TPsysは、動脈閉鎖中に中央から後期収縮期へ移動し、前と後の収縮期との間で前後にジャンプし、その後、組織圧脈拍曲線のほぼ中央の超収縮期クランプ圧範囲にとどまる。
これらのすべての事例において、図6A~6Cの第2の実施形態で説明する方法を用いて、第2の収縮期血圧値SAP2niを確実に決定することが可能である。
この目的のために、面積比TPA1.top/TPA2.topが得られ、これは、部分面積TPA1.topとTPA2.topから得られる(S250)。最初に、部分面積TPA.topが組織圧脈拍曲線PKiの下に得られる。この組織圧脈拍曲線PKiは、最大振幅測定値TPPの約50%のところで好ましくは水平の直線によって横切られる。次に、垂直線が、現在の組織圧脈拍曲線PKiの組織圧収縮期最大値TPsysのところに置かれる。さらに、接続直線が左側及び右側に置かれ、これらの線は、組織圧収縮期最大値TPsysから、現在の組織圧脈拍曲線PKiが下方の直線と交差する点まで伸びる。このようにして、三角形部分面積TPA1.top及びTPA2.topを有する2つの三角形が形成される。2つの部分面積TPA1.top及びTPA2.topは計算することができ、それにより、面積比TPA1.top/TPA2.topを得ることができる。面積比TPA1.top/TPA2.topの変化を用いて、第2の収縮期血圧値SAP2niが決定される。
一連の複数の組織圧脈拍曲線PKiについて得られた面積比TPA1.top/TPA2.topに基づいて、面積比TPA1.top/TPA2.top.meanの移動平均値が決定され(S260)、これは図6Bに示されている。好ましくは、この面積比TPA1.top/TPA2.top.meanの移動平均値は、5つの組織圧脈拍曲線PKiについて決定される。続いて、組織圧脈拍曲線PKiごとに、面積比TPA1.top/TPA2.top.meanの移動平均値と、面積比TPA1.top/TPA2.topの個々の値との差TPAl.top/TPA2.top.diffが決定される(S270)。差TPAl.top/TPA2.top.diffは、収縮期通過中の方がその直前直後よりも強く分散するので、この分散を用いて収縮期血圧値を正確に決定することができる。分散の変化を検出するために、図6Bに示されるように、差TPAl.top/TPA2.top.diffの移動標準偏差TPA1.top/TPA2.top.sdが通常は、3つから7つの、好ましくは5つの差TPA1.top/TPA2.top.diffについて決定される(S280)。移動標準偏差TPA1.top/TPA2.top.sdは、時間に対して、又は関連する組織圧脈拍曲線PKiのクランプ圧TPclに対して、好ましくは時間tに対してプロットされる。或いは、クランプ圧TPcl、又は組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curve若しくは下方包絡線TPdia-curveを使用することができる。図6Bに示されるように、移動標準偏差TPAl.top/TPA2.top.sdは、収縮期通過中にベル形の増加が起こることを示す。さらに、移動標準偏差TPAl.top/TPA2.top.sdは、ベル形の上昇の前後には本質的に平坦であることを特徴とする。したがって、第2の実施形態の方法を用いて第2の収縮期血圧値SAP2niを確実に決定するために、ベル形上昇の開始及び終止を決定することが可能である。好ましくは、半値幅の始点及び終点が決定され、始点と終点との間の中間の点で第2の収縮期血圧値SAP2niの時間又はクランプ圧を決定することができ、又は移動標準偏差TPA1.top/TPA2.top.sdの最大値において、それに基づいて、第2の収縮期血圧値SAP2niが次に、組織圧信号TPの上方組織圧包絡線TPsys-curveに基づいて決定される(S290)。
図6D~図6Gは、本発明の第3の実施形態に基づいて、別の、又は代替の第2の収縮期血圧値SAP2niを決定する方法を示す。第1の実施形態の方法に類似して、組織圧信号TPが、増加又は減少するクランプ圧TPclにおいて記録され(S310)、個々の組織圧脈拍曲線PKiが記録される。この組織圧信号TPから交流成分TPacが、フィルタリングによってフィルタリング取り出しされ、すなわち抽出され(S330)、更なる処理のために使用される。交流成分TPacに基づいて、個々の組織圧脈拍曲線PKiが特定される(S340)。この態様では、第3の実施形態による方法は、実施形態1による方法に対応する。
第3の実施形態による方法では、第2の収縮期血圧値SAP2niが決定され、組織圧収縮期最大値TPsysの時間シフトが決定される。
図6Dは、動脈で測定された経時的な圧力信号APと比較した、非侵襲的に測定された組織圧信号TPを示す。非侵襲的に測定された組織圧信号TPの信号ストロークは、動脈で測定された圧力信号APのものよりも小さいことが明確に分かる。図6Dの上部で、組織圧信号TPの波形は、組織圧脈拍曲線PKi中の組織圧収縮期最大値TPsysが、収縮期血圧を通過するときに時間的に後期の収縮期から時間的に早期の収縮期へ移動することを示す。
図6Dの下部は、非侵襲的組織圧信号TPの拡大図を示し、交流成分TPacだけが考慮されている。いくつかの組織圧脈拍曲線1~7が示されている。ここでも、組織圧信号TP中の組織圧収縮期最大値TPsysが後期収縮期から早期収縮期へと移動していることを明確に見ることができる。この発見に基づいて、第2の収縮期血圧値SAP2niを決定することができ、ここで、収縮期又は組織圧収縮期最大値TPsysが後期収縮期から早期収縮期へと変化する時間が検出される。
組織圧収縮期最大値TPsysの変化が収縮期血圧値を横切ることを検出するために、図6Dにより、いくつかの組織圧脈拍曲線PKiの幅パラメータTPsysPeak.tが決定される(S350)。図6Dに示されるように、幅パラメータTPsysPeak.tは、一連の組織圧脈拍曲線PKiの間で変化する。例えば、組織圧脈拍曲線3では、その幅パラメータTPsysPeak.tは、組織圧収縮期最大値TPsysがすでに後期収縮期から早期収縮期へ変化している組織圧脈拍曲線5のものよりもはるかに大きい。
幅パラメータTPsysPeak.tを正確に決定するために、図6Eによると、組織圧脈拍曲線の収縮期立ち上がり斜面における最大増加率の時間t(dPT/dtmax)が、1つの組織圧脈拍曲線PKiを特定した後に、それぞれが組織圧脈拍曲線の最小値である組織圧拡張期最小値TPdiaを用いて決定される。組織圧脈拍曲線PKiの最大増加率の時間t(dPT/dtmax)は、幅パラメータTPsysPeak.tを計算するための開始パラメータを特徴付ける。幅パラメータTPsysPeak.tの終点は、組織圧収縮期最大値TPsysによって定義される。
いくつかの組織圧脈拍曲線PKiの列について決定された幅パラメータTPsysPeak.tに基づいて、図6Fに示されている移動平均値TPsysPeak.meanが決定される(S360)。好ましくは、移動平均値TPsysPeak.meanは、5つの組織圧脈拍曲線PKiについて決定される。続いて、組織圧脈拍曲線PKiごとに、移動平均値TPsysPeak.meanと各脈拍曲線の個々の値TPsysPeak.tとの差TPsysPeak.diffが決定される(S370)。差TPsysPeak.diffは、収縮期通過時の方がその直前直後よりも強く分散するので、この分散を用いて収縮期血圧値を正確に決定することができる。
分散の変化を判定するために、図6Fに示されるように、差TPsysPeak.diffの移動標準偏差TPsysPeak.sdが通常は、3つから7つの、好ましくは5つの差TPsysPeak.diffについて決定される(S380)。移動標準偏差TPsysPeak.sdは、経時的に、又は関連する組織圧脈拍曲線PKiのクランプ圧TPclに対して、好ましくは時間として組織圧収縮期最大値の時間t(TPsys)を用いてマッピングされる。或いは、クランプ圧TPcl、又は組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curve若しくは下方包絡線TPdia-curveを使用することができる。
図6Fに示されるように、移動標準偏差TPsysPeak.sdは、収縮期通過中にベル形の増加が起こることを示す。さらに、移動標準偏差TPsysPeak.sdは、ベル形の上昇の前後には本質的に平坦であることが特徴的である。したがって、第3の実施形態で説明した方法を用いて第2の収縮期血圧値SAP2niを確実に決定するために、ベル形上昇の開始及び終止を決定することができる。好ましくは、半値幅の始点及び終点が決定され、始点と終点との間の中間の点で第2の収縮期血圧値SAP2niの時間を決定することができ、又は移動標準偏差TPsysPeak.sdの最大値において、それによって、第2の収縮期血圧値SAP2niを次に、組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curveに基づいて決定することができる(S390)。
組織圧信号TPの上方包絡線TPsys-curveの代替形態として、組織圧信号TPのクランプ圧TPcl又は下方包絡線TPdia-curveを使用して第2の収縮期血圧値SAP2niを、始点と終点との間の中間における、又は移動標準偏差TPsysPeak.sdの値のベル形増加の最大値における、時間又はクランプ圧に基づいて決定することができる。図6Gに、第3の実施形態による方法のシーケンスが流れ図として再び示されている。
本発明の第4の実施形態による、第4の平均血圧値MAP2niを決定する方法が図7A~7Dに基づいて決定され、この方法は、複数の組織圧脈拍曲線PKiの面積比の変化に基づいており、特に、組織圧脈拍曲線の収縮期面積Areg.sysと組織圧脈拍曲線の拡張期面積Areg.diaの相対面積比が決定される。
図7Aに示されるように、組織圧脈拍曲線PKiは、収縮期部分面積Areg.sys及び拡張期部分面積Areg.diaを有する。収縮期部分面積Areg.sysとは一般に、2つの拡張期終点の間の組織圧脈拍曲線PKiの下にある面積のことである。拡張期部分面積Areg.diaとは、組織圧脈拍曲線PKi及びPKi+1の上の、これらの組織圧収縮期最大値TPsysの間の面積のことである。
本発明による方法では、面積Areg.sys及び面積Areg.diaは、上方直線go及び下方直線guをそれぞれ決定することによって決定され、上方直線goは所定の百分率振幅値のところに置かれ、好ましくは水平に延びる。好ましくは、振幅パラメータTPPの75%の百分率振幅値が、各組織圧脈拍曲線の収縮期面積Areg.sys及び拡張期面積Areg.diaの範囲を上方に定めるために使用される。この目的のために、すべての組織圧脈拍曲線PKiの収縮期面積Areg.sys及び拡張期面積Areg.dia(それぞれについて面積比Areg.sys/Areg.diaが決定される)の範囲を定めるための上方直線goが、同じ百分率振幅値のところに与えられることが必要である。
下方直線guは、後続の組織圧脈拍曲線PKi+1の拡張期終点に置かれる。
好ましくは、上方直線goは、それぞれの組織圧脈拍曲線PKiの組織圧拡張期最小値TPdiaと組織圧収縮期最大値TPsysとの間にあり、好ましくは、組織圧拡張期最小値TPdia+75%TPPの高さにある。
下方直線guが、考慮されているすべての組織圧脈拍曲線PKiのそれぞれの後続の組織圧脈拍曲線PKi+1の同じ組織圧拡張期最小値TPdiaのところにあることもまた必要である。
上方直線go及び下方直線guは、総面積Aregを画定する。後続のステップで、収縮期部分面積Areg.sys.及び拡張期部分面積Areg.dia.から成る面積Aregは、組織圧脈拍曲線PKiの立ち下がり斜面に近似している回帰直線Reg.dialによって分割される。
さらに、考慮されている組織圧脈拍曲線PKiに基づいた第1の回帰直線Reg.sys1が決定され、これは組織圧脈拍曲線PKiの増加部分を制限する。好ましくは、第1の回帰直線Reg.sys1は、振幅パラメータTPPの20~80%の範囲の値から得られる。さらに、後続の組織圧脈拍曲線PKi+1の増加部分をシミュレーションする第2の回帰直線Reg.sys2が決定され、これもまた振幅パラメータTPPの20~80%の範囲の値から得られる。第1の回帰直線Reg.sys1及び第2の回帰直線Reg.sys2の上方直線go及び下方直線guと、組織圧脈拍曲線PKiとPKi+1の領域Aregを収縮期部分面積Areg.sysと拡張期部分面積Areg.diaに分割する立ち下がり直線Reg.dial1とを使用することによって、収縮期部分面積Areg.sysと拡張期部分面積Areg.diaの面積を計算すること、並びにこれらの部分面積を比較することが可能である。したがって、面積比Areg.sys/Areg.diaを組織圧脈拍曲線PKiごとに決定することができる。面積比Areg.sys/Areg.diaは、クランプ圧TPclが平均血圧MAPと交差する点で最も変化する。
図7A、図7B、及び図7Cは、拡張期部分面積Areg.diaが、圧力カフの膨張中に、総面積Aregに対して図7Aから図7Cに向かって増大することを示す。これは、面積比Areg.sys/Areg.diaが、圧力カフの膨張中に、拡張期部分面積Areg.diaの面積が増加するにつれて減少することを意味する。クランプ圧TPclが図7Aの平均血圧を通過する前に、>1である面積比Areg.sys/Areg.diaが生じることが判明した。クランプ圧が平均血圧を通過する付近で(図7B)、収縮期部分面積Areg.sysと拡張期部分面積Areg.diaの面積比Areg.sys/Areg.diaがほぼ1になる。クランプ圧が平均血圧MAPを通過した後で(図7C)、面積比Areg.sys/Areg.diaが<1になる。
圧力範囲が高から低のクランプ圧TPclになる場合、すなわち圧力カフが収縮する場合、それに応じて面積比Areg.sys/Areg.diaが増加する。
図7Dに示されるように、面積比Areg.sys/Areg.diaを用いて、面積比Areg.sys/Areg.diaがいつ1に近くなるか、又はその最大変化をいつ示すかを決定することができる。この時間tiにおいて、第4の平均血圧値MAP2niを、組織圧信号TP又はこれに依存する信号(TPsys-curve、TPdia-curve、TPcl)を用いて決定することができる。好ましくは、第4の平均血圧値MAP2niは、組織圧信号TPのクランプ圧TPclから決定され、又は読み取られる。図7Eで、第4の実施形態による方法のシーケンスが、流れ図として再び示されている。
図8A~図8Eは、収縮期、平均、及び/又は拡張期の血圧値SAPni、MAPni、DAPniが、別の脈動力パラメータTPWPに基づいて非侵襲的に決定される第5の実施形態を示す。第1の実施形態に類似して、脈動力パラメータTPWPは、振幅パラメータ及び面積パラメータに基づいて得られる。
図8Aに示されるように、組織圧脈拍曲線PKiが、以下で正振幅パラメータTPP+と呼ばれる振幅パラメータを決定するために使用される。図2A及び振幅パラメータTPPが使用された第1の実施形態と比較して、この実施形態では、拡張期血圧と収縮期血圧との間の振幅TPPの正部分TPP+だけが使用される。これはすなわち、クランプ圧TPcl=0と組織圧収縮期最大値TPsysとの間の一部分である。正振幅パラメータTPP+は、TPclによってまっすぐにされ、傾斜に対して補正された組織圧信号TPacにおいて、組織圧脈拍曲線PKi中のTPPの正部分である。TPPは、組織圧拡張期最小値TPdiaから組織圧収縮期最大値TPsysまでの全振幅である(図2Bに示す)。
加えて、面積パラメータが、第1の実施形態に類似して組織圧曲線PKiから決定される。しかし、第5の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、正面積パラメータTPA+.topが組織圧曲線PKiから決定される。
正面積パラメータTPA+.topは、組織圧脈拍曲線PKiの面積を示し、この面積は、上部がTPsysによって範囲が定められ、下部が好ましくは、TPac≧0の範囲にある水平直線、例えばTPP+のx%にある水平直線によって範囲が定められている。値x%(TPP+)は、0~90%の範囲にすることができる。
第5の実施形態による代替の脈動力パラメータは、面積パラメータTPA+.top及び振幅パラメータTPP+に基づいて、すなわち次式により得られる。
TPWP=TPA+.topexp1×TPP+exp2
ここで、exp1≠0、exp2≠0であり、これらは実験的に決定される。
脈動力パラメータTPWPは、複数の組織圧脈拍曲線PKiについて決定され、その結果、図8Bに示されたパラメータ関数TPW-curveが得られる。面積パラメータTPA+.top及び振幅パラメータTPP+は、組織圧脈拍曲線PKi並びに対応する時間ごとに決定され、それによって、パラメータ関数TPW-curveのベル形の形状が得られる。
次に、以前に決定されたパラメータ関数値ax、bx、及びcxに基づいて、対応する第6の収縮期、平均、及び/又は拡張期の血圧値SAP4ni、MAP4Ani、及びDAP4Aniが、第1の実施形態のSAP1ni、MAP1Ani、及びDAP1Aniの代替として得られる。
或いは、SAP4ni及びSAP4ni**が、SAP1ni及びSPAlni**に類似して、特定の係数TPc1+%をTPcl@TPW-curve.maxに適用することによって、又は特定の係数TPsys-curve+%をTPsys-curve@TPW-curve.maxに適用することによって決定される。
パラメータ関数値axは、TPW-curveの最大値に近い。時間t(ax)において、第6の収縮期血圧値SAP4niがTPsys-curveから決定され、このSAP4niは、t(ax)とTPsys-curveの交点における圧力値に対応する。
パラメータ関数TPW-curveはまた、第4の平均血圧値MAP4Aniを決定するために用いることもでき、増加する圧力曲線において、パラメータ関数TPW-curveの第2のパラメータ関数値bx、及び関連する第2の測定時間t(bx)が決定される。関連する第2の測定時間t(bx)は、図8Bでは42.5sである。対応する第6の血圧値MAP4Aniは、クランプ圧TPclに基づいて決定され、この場合では約96mmHgである。
第6の収縮期血圧値SAP4ni及び第6の平均血圧値MAP4Aniに類似して、第6の拡張期血圧値DAP4Aniもまた、パラメータ関数TPW curveに基づいて、所定の比率だけ低減された第3のパラメータ関数値cx、及び関連する第3の測定時間t(cx)を決定することによって決定することができ、ここでは32sになる。第3の測定時間t(cx)に基づいて、対応する約75mmHgの圧力値が下方組織圧包絡線TPdia-curveから決定され、又は読み取られる。
第1の実施形態、及びこの実施形態で決定された第2の拡張期血圧値DAP1Bniに類似して、第5の実施形態では、第7の拡張期血圧値DAP4Bniが、第6の平均血圧値MAP4Ani及び第6の収縮期血圧値SAP4niに基づいて次式の通りに計算され、この第7の拡張期血圧値は以後、推定又は導出された第7の拡張期血圧値とも呼ばれる。
DAP4Bni=k1×MAP4Ani-k2×(SAP4ni-MAP4Ani)-k3mmHg
ここで、kl=(0.6...1.1)、k2=(0,15...0.4)、及びk3=(-5...5)である。
さらに、第1の実施形態、及びこの実施形態で決定された第2の平均血圧値MAP1Bniに類似して、第5の実施形態では、第7の平均血圧値MAP4Bniが、第6の拡張期血圧値DAP4Ani及び第6の収縮期血圧値SAP4niに基づいて次式の通りに計算される。
MAP1Bni=k4×DAP4Ani+k5×(SAP4ni-DAP4Ani)-k6mmHg
ここで、k4=(0.8...1.3)、k5=(0.25...0.5)、k6=(-5...5)である。
図8Bは、次式に基づいたパラメータ関数TPW-curveの一例を示す。
TPWP=TPA+.top0.5×TPP+1.0
面積パラメータTPA+.topは、TPP+の50%にある水平線によって制限されており、対応する第6の血圧値SAP4ni、MAP4Ani、及びDAP4Aniは次式の通りである。
ax=TPWmaxの99.8%からTPWmaxまで
bx=TPWmaxの前のTPWmaxの36.5%
cx=TPWmaxの前のTPWmaxの9.5%
図8C、図8D、図8Eは、第5の実施形態によって決定された、111人の患者の539個の測定値についての第6の血圧値SAP4ni、MAP4Ani、及び導出された第7の拡張期血圧値DAP4Bniと、その対応する同時に決定された侵襲的な参照値SAPi、MAPi、及びDAPiとの回帰分析の結果を示す。
図8CのSAP4ni、図8DのMAP4Ani、及び導出された第7の拡張期血圧値DAP4Bniが、第1の実施形態によるSAP1ni、MAP1Ani、及びDAP1Bniと同じ高い血圧値精度を達成できることが分かる。
具体的には、図8Cは、図8Bのパラメータ関数に基づいて決定された第6の収縮期血圧値SAP4niを、同時に侵襲的に決定された収縮期血圧値SAPiに対して、第5の実施形態による方法に基づいて示している回帰分析を示す。図8Dは、図8Bのパラメータ関数に基づいて決定された第6の平均血圧値MAP4niを、同時に侵襲的に決定された収縮期血圧値SAPiに対して、第5の実施形態による方法に基づいて示している回帰分析を示す。
図8Eには、第6の平均血圧値MAP4Ani及び第6の収縮期血圧値SAP4niから導出又は推定された第7の拡張期血圧値DAP4Bniが、同時に侵襲的に決定された拡張期血圧値DAPiに対して用いられる回帰分析が示されており、SAP4ni及びMAP4Aniは、図8Bによるパラメータ関数に基づいて決定された。
図9A及び図9Bは、組織圧脈拍曲線PKiを記録する上述の方法に特に適しているシェル圧力カフを示す。図9Aに、シェルラッピングカフとも呼ばれるシェル圧力カフが無圧力状態で示されており、図9Bにシェル圧力カフが、圧力を受けた状態で示されている。
シェル圧力カフ10は、シェル圧力カフ10の内側に配置されている耐キンク性又は耐座屈性のシェル30を有する。シェル30は、圧力生成手段の下に、又は圧力生成手段と身体部分Eとの間に配置される。圧力生成手段は、流体密封シェル14によって形成されている。空気圧が圧力生成手段に供給されると、耐キンク性シェル30が身体部分Eに押し付けられる。織物層もまた、身体部分Eと耐キンク性シェル30との間に配置することができる。組織圧信号TPを記録するための圧力センサ(図示せず)が織物層23の下のシェル30の内周に配置され、それにより、織物層はセンサを身体部分Eから分離する。これにより、圧力センサが身体部分に直接載り、そこに液圧的に結合し、その間に他の減衰材料が何もないことが確実になる。
圧力センサ(図示せず)は、流体ラインによって電気圧力受信機に連結され、この受信機は、流体ライン(図示せず)中の流体を介して伝達された圧力変化を受信し、これを電気信号(組織圧信号TP)に変換することができる。
図10は、シェル圧力カフ10に接続される本発明の測定デバイス90を示す。測定デバイス90は、制御ユニット92、メモリ95、表示装置93、及び圧力伝達装置94を備える。さらに、表示及び操作デバイス91が設けられ、これは、測定デバイスを制御するように構成され、設定調節器、オンオフボタン及び表示要素を備える。
表示装置93は、測定デバイス90によって検出された組織圧信号TPを示す。加えて、特定された組織圧脈拍曲線PKiの拡大視像を表示装置93に示すことができる。制御ユニット92は、組織圧信号TPを経時的に、又はクランプ圧TPclに対して記録し、対応する値の対をメモリ95に記憶する。
記録されるべき血圧値に基づいて、本発明による説明された方法の1つが、検出された組織圧信号TP及び対応する時間又はクランプ圧TPclに基づいて、対応する組織圧脈拍曲線PKi、及びそれに基づく対応するパラメータを決定することによって、実行される。
制御ユニット92はまた、アクチュエータ圧力Pactを圧力カフに加える、好ましくはシェル血圧カフ10に加える圧力伝達装置94を制御する。上述のように、組織圧信号TPは、圧力センサ(図示せず)を用いて圧力カフ10によって検出され、この圧力信号は、流体を介して電気圧力受信機(図示せず)へ伝達され、電気圧力信号が、組織圧信号TPを表示及び評価するために測定デバイス90に供給される。
図11は、安定した、又は強靭な血圧値を得るために、様々な方法で決定された血圧値がどのようにして互いに結び付けられるかを示す。上述のように、第1の収縮期血圧値SAP1ni、第1の平均血圧値MAP1Ani、及び第1の拡張期血圧値DAP1Aniは、第1の実施形態によるパラメータ関数を用いて決定することができる。
これらの決定された値は、上述の実験的に決定された推定式を用いて関連付けることができ、これにより、第2の平均血圧値MAP1Bniと第2の拡張期血圧値DAP1Bniの両方を決定することができる。これは、第2の平均血圧値MAP1Bniが、推定式を用いて、パラメータ関数による第1の収縮期血圧値SAP1ni、及びパラメータ関数による第1の拡張期血圧値DAP1Aniから決定されることを意味する。第2の拡張期血圧値DAP1Bniは、推定式を用いて、第1の収縮期血圧値SAP1ni、及び第1の平均血圧値MAP1Aniから決定される。
推定式によって決定された第2の平均血圧値MAP1Bni、及びパラメータ関数に基づいた第1の平均血圧値MAP1Aniから、重み付け及び平均化によって第3の平均血圧値MAP1Aniを決定することができる。
類似して、第3の拡張期血圧値DAP1niが、推定式により決定された第2の拡張期血圧値DAP1Bniと、パラメータ関数により決定された第1の拡張期血圧値DAP1Aniとの重み付け及び平均化によって得られる。
重み付けによって、かつ特定の品質基準に従って、第3の平均血圧値MAP1ni及び/又は第3の拡張期血圧値DAP1niは、第2の平均血圧値MAP1Bni及び/又は第2の拡張期血圧値DAP1Bniを精度に関して考慮に入れて、改善することができる。重み付けは、好ましくは、第1の平均血圧値MAP1Aniと第2の平均血圧値MAP1Bniとの差の百分率の大きさに比例して、第1の平均血圧値MAP1Aniの部分がより大きく重み付けされるようにして行うことができる。それに応じて、DAP1Ani及びDAP1Bniの部分の重み付けを行うことができる。
パラメータ関数によって得られた第1の収縮期血圧値SAP1niは、第2又は第3の実施形態による収縮期シフトによって決定された第2の収縮期血圧値SAP2ni又はSAP2niに関連付けられる。ここでは、強靭な第3の収縮期血圧値SAPniを得るために重み付け及び平均化が行われる。
同様に、上述の第3の重み付けされ平均化された平均血圧値MAP1nが、重み付け及び平均化によって、第3の実施形態による部分面積計算を用いて計算された第4の平均血圧値MAP2niに関連付けされる。これにより、第5の平均血圧値MAPniが得られる。
重み付けによって、かつ特定の品質基準に従って、第3の収縮期血圧値SAPni及び/又は第5の平均血圧値MAPniは、第2の収縮期血圧値SAP2ni又はSAP2ni*及び/又は第4の平均血圧値MAP2niを精度に関して考慮に入れて、改善することができる。重み付けは、好ましくは、第1の収縮期血圧値SAP1niと第2の収縮期血圧値SAP2ni又はSAP2niとの差の百分率の大きさに比例して、第1の収縮期血圧値SAP1niの部分がより大きく重み付けされるようにして行うことができる。それに応じて、MAP1ni及びMAP2niの部分の重み付けを行うことができる。
圧力カフ(特に血圧カフと呼ばれることもある)のサイズ及び物理的特性の差を補償するために、好ましくは特定の補正又は較正を行うことができる。特に、例えばシェルのサイズ、強度又は厚さに関して異なるシェルラッピングカフ設計の液圧調整の場合では、固有の係数を用いて補正を行うことができる。
一例として、SAP1niとMAP1Aniの組み合わせを用いて、このことを以下の従属関係によって示す。
SAP1ni.corr=coeffl×SAP1ni+const1
MAP1Ani.corr=coeff2×MAP1Ani+const2
補正係数coeffl、coeff2、及び定数constl、const2は、参照値と比較する、具体的には侵襲的参照値、好ましくはcoeff1、2:0.7...1.5、及びconst1、2:-20...20と比較する較正によって得ることができる。
図5A及び図5Bは、上述の方法により決定された値SAP1ni.corr、MAP1Ani.corr(図ではSAP1ni及びMAP1Aniとして参照)と、臨床測定データの選択された広範なセットからの同時に侵襲的に測定された値SAPi及びMAPiとの比較を示している回帰図を示し、同時侵襲的測定値と非侵襲的測定値の個数はそれぞれ同じである。データは、76人の患者についての380個の測定値に基づいている。図中の式は、回帰直線の式を表す。rは、それぞれの回帰の補正係数を示し、SDは、標準偏差の差SAP1ni-SAPi又はMAP1Ani-MAPiを示す。
以下では、血圧カフにおけるクランプ圧増加及び/又はクランプ圧減少の制御について説明する。
1つの実施形態では、血圧カフにかかるクランプ圧TPclは急速に増大させることができる。すでに上述したように、クランプ圧TPclは、急速な膨張の後に増加又は減少し得る。
したがって、信号(組織圧信号TP)の取得は、増加及び/又は減少するクランプ圧TPclを用いて行うことができる。
好ましくは、クランプ圧TPclは、急速に増加するクランプ圧であり、SAP2ni+5...SAP2ni+40mmHgまでの血圧、好ましくはSAP2ni+20mmHgまでの血圧値が迅速に取得される。本発明による方法を用いると、第3の平均血圧値MAP1ni及び第4の平均血圧値MAP2niから方向付けオンライン決定の第5の平均血圧値MAPniを得ること、並びに、第1の収縮期血圧値SAP1ni及び第2の収縮期血圧値SAP2ni又はSAP2niから方向付けオンライン決定の第3の収縮期血圧値SAPniを得ることが可能である。以下の速度の増加が用いられる。
a)最初の1~2sの間に0~30mmHgまで増加させ、その後、
b)第4の平均血圧値MAP2niの時間まで、どの特定の追従時間が必要とされるかを決定するために、5~10mmHg/脈拍、好ましくは8mmHg/脈拍で、その後、
c)上方クランプ圧限界、好ましくはSAP2ni+20mmHgの時間まで、3~8mmHg、好ましくは6mmHg/脈拍で増加させる。
次に、第3の収縮期血圧値SAPni(好ましくはSAP1niとSAP2niの平均で重み付け)、第5の平均血圧値MAPni(好ましくはMAP1niとMAP2niの平均で重み付け)及び第3の拡張期血圧値DAP1niの即座の概算が実行され、その後クランプ圧が減少する。
以下の速度がクランプ圧低減に用いられる。
d)上方クランプ圧限度から、好ましくはSAPni+20mmHgから90%DAP1niまで、一定の減少速度が設定され、それにより、10本から50本までの間の組織圧脈拍曲線PKi、好ましくは25本の組織圧脈拍曲線PKiが、収縮期SAPniと拡張期血圧値DAP1niの90%の間の範囲(=SAPniとDAP1niとの間の脈動血圧範囲を含む)において検出される。
e)好ましくは、SAPni、MAPni及びDAP1niの同時微調整によって90%DAP1niに達した後に、クランプ圧の突然の低減が続く。
説明した方法では、非侵襲的な測定によって様々な血圧値を得ることが可能になり、これらの値だけで、又は他の非侵襲的に決定された血圧値と共に、患者の血圧値に関しての信頼できる記載につながる。

Claims (11)

  1. 個人に付けられた圧力カフを使用して、組織圧信号から少なくとも1つの血圧値を非侵襲的に決定する方法であって、前記組織圧信号が一連の組織圧脈拍曲線を有し、前記方法は、
    前記組織圧信号中で少なくとも2つの個別の組織圧脈拍曲線を特定するステップと、
    特定された組織圧脈拍曲線ごとに、少なくとも1つの振幅パラメータ及び1つの面積パラメータを決定するステップであって、前記振幅パラメータが前記特定された組織圧脈拍曲線の振幅を示し、前記面積パラメータが、前記組織圧脈拍曲線によって囲まれた少なくとも1つの部分面積を示すステップと、
    特定された組織圧脈拍曲線ごとに、少なくとも前記振幅パラメータ及び前記面積パラメータに基づいて、前記組織圧脈拍曲線の形状を示す脈動力パラメータを決定するステップと、
    前記組織圧脈拍曲線の決定された前記脈動力パラメータと前記圧力カフにおける対応するクランプ圧との、又は測定時間との間の関数関係を示すパラメータ関数を生成するステップと、
    前記パラメータ関数に基づいて少なくとも1つの血圧値を決定するステップとを有する、方法。
  2. 前記面積パラメータと前記振幅パラメータとが、前記振幅パラメータと前記面積パラメータとの乗算によって関連付けられる、請求項1に記載の方法。
  3. 組織圧脈拍曲線ごとに前記脈動力パラメータが、増強された面積パラメータ又は/及び3倍増強された振幅パラメータを関連付けることによって得られる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 組織圧脈拍曲線ごとに決定された前記面積パラメータが、前記組織圧脈拍曲線と、所定の百分率振幅値において前記組織圧脈拍曲線に水平に交差する直線とによって囲まれている部分面積を示す、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 組織圧脈拍曲線ごとに決定された前記振幅パラメータが、組織圧拡張期最小値と組織圧収縮期最大値との差、又はクランプ圧がTPcl=0である圧力値と組織圧収縮期最大値との差を示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記パラメータ関数が、対応する組織圧脈拍曲線の各脈動力パラメータに、測定時間、又はクランプ圧を割り当てることによって生成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第1の収縮期血圧値が、前記パラメータ関数に基づいて、
    前記パラメータ関数の最大パラメータ関数値が決定されること、
    低から高に向かうクランプ圧の圧力曲線の場合には、前記最大パラメータ関数値に続く、かつ前記最大パラメータ関数値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する、第1のパラメータ関数値と、対応する第1の測定時間若しくは対応する第1のクランプ圧とが決定されること、
    高から低に向かうクランプ圧の圧力曲線の場合には、前記最大パラメータ関数値の直前の、かつ前記最大パラメータ関数値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する、第1のパラメータ関数値と、対応する第1の測定時間若しくは対応する第1のクランプ圧とが決定されること、及び、
    前記第1の測定時間若しくは前記第1のクランプ圧に対応する第1の収縮期血圧値が、前記組織圧信号若しくはこれに依存する信号、前記組織圧信号の上方包絡線から決定されることによって、
    決定される、並びに/又は、
    代替の第1の収縮期血圧値が、前記パラメータ関数に基づいて、
    前記パラメータ関数の最大パラメータ関数値が決定されること、
    前記最大パラメータ関数値のある時間におけるクランプ圧に対応する圧力値、若しくは前記最大パラメータ関数値のある時間における組織圧信号の上方包絡線に対応する圧力値が決定されること、及び、
    代替の第1の収縮期血圧値を決定するために、ある係数が、前記クランプ圧に対応する前記圧力値に適用される、若しくはある係数が、前記上方包絡線に対応する前記圧力値に適用されることによって、
    決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第1の平均血圧値が、生成された前記パラメータ関数を用いて、
    前記パラメータ関数の最大パラメータ関数値が決定されること、
    低から高に向かうクランプ圧の圧力曲線の場合には、前記最大パラメータ関数値の直前の、かつ前記最大パラメータ関数値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する、第2のパラメータ関数値と、対応する第2の測定時間又は対応する第2のクランプ圧とが決定されること、
    高から低に向かうクランプ圧の圧力曲線の場合には、前記最大パラメータ関数値に続く、かつ前記最大パラメータ関数値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する、第2のパラメータ関数値と、対応する第2の測定時間又は対応する第2のクランプ圧とが決定されること、及び、
    前記第2の測定時間又は前記第2のクランプ圧に対応する第1の平均血圧値が、前記組織圧信号又はこれに依存する信号、前記クランプ圧から決定されることによって、決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 第1の拡張期血圧値が、生成された前記パラメータ関数を用いて、
    前記パラメータ関数の最大パラメータ関数値が決定されること、
    低から高に向かうクランプ圧の圧力曲線の場合には、前記最大パラメータ関数値の直前の、かつ前記最大パラメータ関数値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する、第3のパラメータ関数値と、対応する第3の測定時間若しくは対応する第3のクランプ圧とが決定されること、
    高から低に向かうクランプ圧の圧力曲線の場合には、前記最大パラメータ関数値に続く、かつ前記最大パラメータ関数値に対して所定の比率だけ低減されたパラメータ関数値を有する、第3のパラメータ関数値と、対応する第3の測定時間若しくは対応する第3のクランプ圧とが決定されること、及び、
    前記第3の測定時間若しくは前記第3のクランプ圧に対応する第1の拡張期血圧値が、前記組織圧信号若しくはこれに依存する信号、前記組織圧信号の下方包絡線から決定されることによって、
    決定される、並びに/又は
    第2の拡張期血圧値が、前記第1の収縮期血圧値及び前記第1の平均血圧値から、推定式
    DAP1Bni=kl×MAP1Ani-k2×(SAP1ni-MAPI Am)-k3mmHg
    によって決定され、ここで、kl=(0.6...1.1)、k2=(0.15...0.4)、及びk3=(-5...5)である、請求項7を引用する請求項8に記載の方法。
  10. 圧力カフを用いて個人において検出された組織圧信号から血圧値を非侵襲的に決定する測定デバイスであって、前記測定デバイスは、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行する少なくとも1つの制御ユニットを備える、測定デバイス。
  11. 個人の組織圧信号を検出するための少なくとも1つの圧力センサを有する圧力カフと、
    前記検出された組織圧信号、又はこれより導出された信号から少なくとも1つの血圧値を決定するための、請求項10に記載の測定デバイスと
    を備える、非侵襲的に血圧値を決定するためのシステム。
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