JP7190163B2 - 遊技機用基板ケースの取付け構造及び遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機において各種の電子基板を収容するために用いられる遊技機用基板ケースの取付け構造及び遊技機に関する。
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機は、遊技の進行に係る遊技動作を制御するために、CPUやROM等の半導体素子を含んで構成された電子回路が設けられた制御基板を備えている。この制御基板や、制御基板に取り付けられたROM等が偽造品へ交換されてしまうと、例えば、遊技機に特定の操作を行うことで一般の遊技者(当該特定の操作を知らない遊技者)よりも有利な条件で遊技が進行するように遊技機を改造することが可能になる等、悪意のある遊技者(当該特定の操作を知っている遊技者)に不正遊技を許すこととなる。このため、一般的には、制御基板を基板ケースの内部に収容して、その制御基板に不正アクセスしにくくする対策を行っている。また、基板ケースに収容されている制御基板等が偽造品に交換されたり、基板ケースがこじ開けられたりしたような場合であっても、その痕跡を基板ケースの外部から視認できるようにするために、基板ケースは、通常、透明な材料によって形成される。
基板ケースは、遊技機筐体に取り付けられたケースホルダに取り付けられるが、基板ケースにおけるケースホルダに接する面(背面)については目視しにくいとの問題がある。そのため、基板ケースの後面を破壊する等して制御基板を取り替えるといった不正行為が行われた場合には、不正行為が行われたことを認識しにくいとの問題があった。そこで、遊技機の中には、基板ケースがケースホルダに回動自在に取り付けられ、基板ケースを回動させることにより、基板ケースの背面が露呈されて目視可能となるものがある。この遊技機によれば、基板ケースの正面だけでなく背面を容易に目視することができ、不正行為が行われたとしても容易に認識することができる。このような遊技機は、例えば、特許文献1に開示されている。また、特許文献1以外にも、基板ケースを回動させることにより、基板ケースの背面が露呈されて目視可能となる遊技機は種々提案されている(例えば、特願2017-084313)。
特開2014-057674号公報
しかし、上述のように、基板ケースがケースホルダに回動自在に取り付けられた遊技機において、基板ケースをケースホルダに回動自在に取り付けてしまうと、その後に基板ケースを取り外すことが困難であるとの問題があった。ここで、基板ケースをケースホルダに回動自在に取り付ける場合は、基板ケースの回動軸をケースホルダの軸受に固定する構造が一般的である。例えば、この軸受けの一部に、回動軸が通過可能な間隙を設けておくことで、基板ケースをケースホルダから容易に取りはずすことができる。しかし、この構成では、基板ケースがケースホルダからはずれやすいとの問題があった。特に、回動させるたびに基板ケースがはずれることとなる可能性が高いといえる。
本発明は、上述の事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、基板ケースをケースホルダから容易にはずすことができる状態と、基板ケースをケースホルダから容易にはずすことができない状態とが容易に変更可能である遊技機用基板ケースの取付け構造及び遊技機を提供することである。
本発明の一態様に係る遊技機用基板ケースの取付け構造は、
遊技機筺体に取り付けられるケースホルダと、
前記ケースホルダに設置された第1軸受部と、
前記第1軸受部に支持されることにより、前記ケースホルダに取り付けられて前記ケースホルダに保持される保持位置から回動した展開位置になるまで回動可能な基板ケースと、を備え、
前記基板ケースは、
制御基板を収容し、前記第1軸受部の変形に伴い、前記ケースホルダから取りはずし容易に設置された基板収容部と、
前記保持位置及び前記展開位置間における回動の際に前記基板収容部が前記ケースホルダからはずれないように、前記基板収容部を前記ケースホルダから取りはずし困難とするための規制部と、を備え、
前記第1軸受部は、前記基板収容部が有する第1回動軸の外周を覆って、前記第1回動軸を支持し、
前記第1軸受部には、間隙が形成され、
前記第1軸受部が前記第1回動軸を支持している状態において、前記間隙により前記第1回動軸の一部が露呈し、
前記第1軸受部は可撓性を有する可撓部を備え、
前記可撓部が撓むことにより前記第1軸受部が変形し、前記間隙の大きさが変化し、
前記規制部は、前記第1回動軸が前記第1軸受部からはずれないように規制し、
前記第1軸受部は、前記第1軸受部に支持されている状態の前記第1回動軸と略平行に配置された第2回動軸を備え、
前記規制部は、前記第2回動軸の外周を覆って支持する第2軸受部を備える、ことを特徴とする。
このように、上記遊技機用基板ケースの取付け構造によると、ケースホルダから取りはずし容易に設置された基板収容部を有し、さらに、この基板収容部をケースホルダから取りはずし困難とする規制部を備えている。これにより、規制部を備えていない状態では、基板収容部を容易にケースホルダからはずすことができ、かつ、規制部を備えることで基板収容部をケースホルダからはずすことが困難となる。このため、規制部を取り付ける前は基板収容部を取りはずしやすいため点検等を行いやすく、点検等が終了した後は規制部を取り付けることにより基板収容部をはずれにくくすることができる。また、規制部を取り付けた後はケースホルダから基板収容部がはずれてしまうといった不具合を防止でき、かつ、例えば試験等、なんらかの理由により基板収容部をはずしたい場合は規制部を取りはずすことで容易に基板収容部をケースホルダからはずすことができる。
また、上述の遊技機用基板ケースの取付け構造において、
前記基板及び前記ケースホルダの少なくとも一方の一部を保護する保護カバーを備え、
前記保護カバーは前記規制部と一体である、こととしてもよい。
このような構成であることから、保護カバーと規制部とが一体であるため、部品点数を増やすことなく、保護カバーを備えることができる。
また、上述の遊技機用基板ケースの取付け構造において、
前記第1軸受部は、前記基板収容部が有する第1回動軸の外周を覆って、前記第1回動軸を支持し、
前記第1軸受部には、間隙が形成され、
前記第1軸受部が前記第1回動軸を支持している状態において、前記間隙により前記第1回動軸の一部が露呈している、こととしてもよい。
このような構成であることから、基板収容部が有する第1回動軸を支持する第1軸受部に間隙が形成されていることから、この間隙から第1回動軸を容易にはずことができる。したがって、なんらかの理由により基板収容部をはずしたい場合は容易に基板収容部をはずすことができる。
また、上述の遊技機用基板ケースの取付け構造において、
前記第1軸受部は可撓性を有する可撓部を備え、
前記可撓部が撓むことにより前記第1軸受部が変形し、前記間隙の大きさが変化する、こととしてもよい。
このような構成であることから、第1軸受部は可撓性を有する可撓部を備えていることから、この可撓部が撓むことにより、第1軸受部に形成された間隙を広げることができ、第1回動軸を容易に第1軸受部からはずすことができる。したがって、なんらかの理由により基板収容部をはずしたい場合は容易に基板収容部をはずすことができる。
また、上述の遊技機用基板ケースの取付け構造において、
前記規制部は、前記第1回動軸が前記第1軸受部からはずれないように規制する、こととしてもよい。
このような構成であることから、規制部は前記第1回動軸が前記第1軸受部からはずれないように規制するため、基板収容部がケースホルダからはずれることを防止できる。特に、基板収容部を回動させる際に基板収容部がはずれるといった不具合を防止することができる。
また、上述の遊技機用基板ケースの取付け構造において、
前記第1軸受部は、前記第1軸受部に支持されている状態の前記第1回動軸と略平行に配置された第2回動軸を備え、
前記規制部は、前記第2回動軸の外周を覆って支持する第2軸受部を備える、こととしてもよい。
このような構成であることから、規制部は、第1回動軸と略平行に配置された第2回動軸を支持する第2軸受部を備えることから、基板収容部が回動した際に規制部は基板収容部と一体となって回動することとなり、基板収容部の回動を阻害することなく規制部を設置することができる。
また、本発明の一態様に係る遊技機は、上述の遊技機用基板ケースの取付け構造を用いて、基板ケースを遊技機筺体に取り付けた、ことを特徴とする。
これにより、基板ケースをケースホルダから容易にはずすことができる状態と、基板ケースをケースホルダから容易にはずすことができない状態とが容易に変更可能である遊技機を実現できる。
本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。 本発明の実施形態に係るメイン制御基板ユニットの外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの取付け構造を説明するためのメイン制御基板ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板ケース本体の外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るケースホルダに基板ケース本体を取り付ける様子を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るケースホルダに基板ケース本体を取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るケースホルダに基板ケース本体を取り付けた状態におけるベース部回動軸周辺の拡大図である。 図8の状態からケースホルダに対して基板ケース本体を回動させた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板ケース本体に保護カバーを取り付ける様子を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る基板ケース本体に保護カバーを取り付けた状態を示す斜視図である。 図12の状態からケースホルダに対して遊技機用基板ケースを回動させた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るカシメピンの外観構成を示す斜視図であり、図14(a)及び図14(b)は互いに異なる角度で見た斜視図である。 図6におけるカシメピン挿入部周辺の拡大図であり、図15(a)は斜視図であり、図15(b)は前面側から見た図である。 本発明の実施形態に係るカシメピン挿入部にカシメピンを挿入する様子を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るカシメピン挿入部の内側の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るカシメピン挿入部にカシメピンを挿入した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る一部を切断したカシメピン挿入部にカシメピンを挿入する様子を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る一部を切断したカシメピン挿入部にカシメピンを挿入した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るカシメカバーをケースホルダに取り付ける様子を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る移動係合部の動作を示す斜視図であり、図22(a)は移動係合部が下方にある場合を示す図であり、図22(b)は移動係合部が上方にある場合を示す図である。 本発明の実施形態に係るカシメカバーの構成を示す図であり、図23(a)は斜視図であり、図23(b)は正面図であり、図23(c)は底面図である。 本発明の実施形態に係る移動係合部に規制ロックピンを装着する様子を説明するための図であり、図24(a)は装着前の状態を示す図であり、図24(b)は装着後の状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る移動係合部の外観構成を示す図であり、図25(a)は斜視図であり、図25(b)は正面図であり、図25(c)は底面図である。 本発明の実施形態に係る規制ロックピンの外観構成を示す図であり、図26(a)は斜視図であり、図26(b)は正面図であり、図26(c)は底面図である。 本発明の実施形態に係るロックピン部の外観構成を示す図であり、図27(a)は斜視図であり、図27(b)は正面図であり、図27(c)は底面図である。 本発明の実施形態に係るストッパ部の外観構成を示す図であり、図28(a)は斜視図であり、図28(b)は正面図であり、図28(c)は底面図である。 本発明の実施形態に係る移動係合部に規制ロックピンを装入する際のストッパ部の動作を示す底面図であり、図29(a)は装入前の図であり、図29(b)は装入途中の図であり、図29(c)は装入後の図である。 本発明の実施形態に係る移動係合部に規制ロックピンが装入された状態を説明するための模式図である。
本発明の遊技機用基板ケースの取付け構造、遊技機用部材及び遊技機の実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明において、本発明の遊技機用基板ケースを回胴式遊技機において採用する場合を例に挙げて説明するが、本発明の遊技機用基板ケースは、パチンコ遊技機等の他の遊技機においても採用することができる。
また、図面においてx軸、y軸及びz軸を示している場合がある。図面において、x軸は遊技機における左右方向を示し、y軸は遊技機における前後方向を示し、z軸は遊技機における上下方向を示している。具体的には、x軸方向正側を遊技機の正面に向かって「右」側、x軸方向負側を遊技機の正面に向かって「左」側、y軸方向正側を遊技機の「後」側、y軸方向負側を遊技機の「前」側、z軸方向正側を遊技機の「上」側、z軸方向負側を遊技機の「下」側とする。
(遊技機の全体構成の説明)
本発明の実施形態に係る遊技機について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。なお、本実施形態に係る遊技機は回胴式の遊技機である。
図1に示すように、遊技機10は、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13、14、15と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ-カー17等を備えたものとなっており、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール13、14、15の回転を開始するためのスタートレバー20と、リール13、14、15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン21、22、23と、演出を切り替えるためのチャンスボタン24と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25等を有するものとなっている。
この遊技機10は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13、14、15が一斉に回転を開始し、ストップボタン21、22、23がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン21、22、23に対応するリール13、14、15の回転が停止し、すべてのリール13、14、15が停止したときにリール窓10b1の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)は、その役に応じた枚数のメダルが払い出される。なお、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、ホッパーユニット36(図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。つまり、上限値を超えてメダルを投入することができない。一方、メダルのクレジット枚数が上限値に達していない場合は、メダル投入口11にメダルが投入されるか、又は、入賞によってメダルが払い出された場合にメダルのクレジット枚数が増加するようになっている。
図2に示すように、遊技機10は、前方が開放された箱状である筺体本体(遊技機筐体)10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉10bとで構成された遊技機筺体の内部に各種の機器が収容されたものとなっている。本実施形態において、遊技機筺体の内部には、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33、コネクタユニット34、リールユニット35及びホッパーユニット36等が納められている。
メイン制御基板ユニット30は、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行う電子基板(メイン制御基板)を備えている。サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行う電子基板(サブ制御基板)を備えている。液晶ユニット32は、液晶ディスプレイ16(図1を参照)に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板(映像基板)を備えている。電源ユニット33は、遊技機10における各機器に電力を供給する電子基板(電源基板)を備えている。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する電子基板(仲介基板)を備えている。リールユニット35は、リール13、14、15の回転をそれぞれ独立して制御する電子基板(リール制御基板)を備えている。ホッパーユニット36は、メダル投入口11(図1を参照)に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板ユニット30からの信号に基づいてメダル払出口12(図1を参照)へメダルを送出する制御を行う電子基板(ホッパー制御基板)を備えている。
これらのユニットに備えられた各種電子基板は、不正アクセスの対象となる。例えば、メイン制御基板ユニット30に備えられたメイン制御基板には、遊技機10における基本的な遊技動作を制御するためのプログラムが記録された記憶装置(ROM)が搭載されている。この記憶装置を、例えば偽造された偽造記憶装置に交換することによって遊技動作が変更されるとの不正行為が行われることがある。例えば、遊技中に特定の操作を行うと必ず大当たりになるように遊技機10が動作するように、遊技機10を不正に制御することが行われている。このため、遊技機10等の遊技機においては、メイン制御基板を、基板ケースの内部に収容して封止している。これにより、記憶装置を偽造記憶装置に交換することを抑制することができる。また、遊技機10において、これらの電子基板を透明な基板ケースの内部に収容して、封止する構造としている。
後述する本実施形態に係る遊技機用基板ケースの取付け構造は、特に、メイン制御基板を収容する基板ケース(メイン制御基板ユニット30を構成する基板ケース)の取付け構造であるが、この遊技機用基板ケースの取付け構造はメイン制御基板以外の基板ケースに用いることもできる。つまり、メイン制御基板ユニット30以外のユニット31~37を構成する基板ケースにおいても採用することができる。また、基板ケースは、筐体の背板や、筺体本体10aの側板、前扉10b等に対して基板ケースを回動可能な状態で取り付けることによって、基板ケースの正面及び背面が外部に露呈可能な構造とされる。これにより、基板ケースの正面側からだけでなく背面側からも、基板ケースへの不正アクセスの有無を容易に確認することができる。
(遊技機用基板ケースの取付け構造の概略説明)
本発明の遊技機用基板ケースの取付け構造の概略について、図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態に係るメイン制御基板ユニットの外観構成を示す斜視図である。また、図4は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの取付け構造を説明するためのメイン制御基板ユニットの分解斜視図である。
なお、以下においては、メイン制御基板ユニット30(図2を参照)の電子基板(メイン制御基板)について説明するが、メイン制御基板以外の電子基板を封止する基板ケースの取付け構造についても同様にしてもよい。例えば、サブ制御基板ユニット31の電子基板(サブ制御基板)や液晶ユニット32の電子基板(映像基板)等を収納する基板ケースの取付け構造にも、同様の取付け構造を採用することが可能である。
図3に示すように、メイン制御基板ユニット30は、ケースホルダ200、遊技機用基板ケース(基板ケース)100及びカシメカバー300を備えている。また、図4に示すように、メイン制御基板ユニット30はカシメピン400も備えており、カシメピン400はカシメカバー300により覆われている。また、図4に示すように、遊技機用基板ケース100は、基板ケース本体(基板収容部)110及び保護カバー130を有し、これらが組み合わされて遊技機用基板ケース100が構成されている。
遊技機用基板ケース100を遊技機10の筺体本体10aに取り付ける場合は、まず筐体本体10aの内側の背板にケースホルダ200を取り付け、さらにケースホルダ200に基板ケース本体110を取り付けてから基板ケース本体110に保護カバー130を取り付けることにより、これらは一体となって遊技機用基板ケース100を構成する。したがって、基板ケース本体110に保護カバー130を取り付けることにより、ケースホルダ200に遊技機用基板ケース100を取り付けたこととなる。また、ケースホルダ200に遊技機用基板ケース100を取り付けた後に、遊技機用基板ケース100にカシメピン400を取り付ける。具体的には、基板ケース本体110のベース部111が有するカシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入する(図16参照)。詳細は後述するが、カシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入することにより、ケースホルダ200から遊技機用基板ケース100を取りはずすことが困難となる。
カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入した後に、カシメピン400を覆うように、カシメカバー300をケースホルダ200に取り付ける。詳細は後述するが、カシメカバー300をケースホルダ200に取り付けることにより、カシメカバー300のカシメピン支持部301(図23参照)がカシメピン400の内部に挿入される。そして、カシメカバー300は、カシメピン400がカシメピン挿入部119から抜けることを抑制する。また、カシメカバー300をケースホルダ200に取り付けることにより、カシメカバー300が備える規制ロックピン310は、ケースホルダ200が備える移動係合部210に係合されることとなり、ケースホルダ200からカシメカバー300をはずすことが困難となる(図24参照)。なお、カシメピン400はカシメピン挿入部119に挿入されると抜くことが困難となる。
(基板ケース本体の説明)
本発明の実施形態に係る基板ケース本体110について、図面を用いて具体的に説明する。図5は、本発明の実施形態に係る基板ケース本体の外観構成を示す斜視図である。また、図6は、本発明の実施形態に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。
図5に示すように、基板ケース本体110は、ベース部111及びカバー部112が組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。また、図6に示すように、ベース部110及びカバー部112が接合されて構成された基板ケース本体110の内部には電子基板(制御基板)113が収容されている。つまり、電子基板113は、ベース部111及びカバー部112により覆われている。この電子基板113には、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行うためのデータが格納されているROMが搭載されている。
基板ケース本体110は、内部に収容される電子基板113等に不正な改造等が施されたことを外部から目視できるように、透明な樹脂によって形成されることが好ましい。例えば、基板ケース本体110を構成するベース部111及びカバー部112は、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)やPC(ポリカーボネート)といった熱可塑性樹脂により構成されることとすればよい。また、基板ケース本体110を不正に開封しようとした際には基板ケース本体110に開封の痕跡が残ることとなるが、基板ケース本体110を透明な樹脂によって形成することによりこのような痕跡も目視により容易に確認できる。
また、カバー部112には、電子基板113に形成されたコネクタ116a~116cを外部に露出するためのコネクタ孔115a~115cが形成されている。コネクタ孔115a~115cからコネクタ116a~116cが露出することにより、電子基板113は外部と電気信号を送受信することができる。また、図示はされていないが、カバー部112には、ベース部111及びカバー部112を一体化する際に、ベース部111に形成されているガイド溝114に嵌まり込むピンが形成されている。なお、ガイド溝114は、途中で垂直に曲がる形状(L字状)である。ガイド溝114にこのピンが嵌まり込み、ピンがガイド溝114に沿って案内されることにより、ベース部111とカバー部112とが固定される状態となる。これにより、基板ケース本体110においてベース部111からカバー部112を電子基板300に対して垂直方向にそのまま分離させようとしても、ベース部111及びカバー部112は分離困難である。
基板ケース本体110においてベース部111からカバー部112を分離させる場合は、まずベース部111に対してカバー部112をベース部111に沿った方向(電子基板300に対して平行な方向)にスライドさせてから、ベース部111に対してカバー部112を、電子基板300に対して垂直方向に分離させるようにすればよい。
また、ベース部111の一方の端面には、ケースホルダ200により回動自在に支持されるベース部回動軸(第1回動軸)117が設けられている。なお、ベース部回動軸117がケースホルダ200により支持される構造については後述する。また、ベース部111の他方の端面には、カシメピン400が挿入されるカシメピン挿入部119が設けられている。カシメピン挿入部119はカシメピン400が挿入される貫通孔である挿入孔102(図15参照)を有し、略円筒状である。カシメピン挿入部119はケースホルダ200の軸載置部201(図7参照)に回動自在に載置される。また、このカシメピン挿入部119にはケースホルダ200にネジ止めされるネジ止め部140がカシメピン挿入部119に対して回動自在に連結されている。具体的には、ネジ止め部140はリング141と一体となっており、このリング141がカシメピン挿入部119の外周に、取り外し困難であり、かつ、カシメピン挿入部119を回転軸として回転可能となるように嵌まり込むこととなる。これにより、リング141と一体であるネジ止め部140は、カシメピン挿入部119に対して回動自在に連結されることとなる。
また、カバー部112の端部において、ベース部111及びカバー部112を組み合わせた状態においてカシメピン挿入部119に対応する位置に切欠き118が形成されている。上述したように、カシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入した際にカシメピン400はベース部111を貫通し、切欠き118に到達する。このように、カシメピン400がベース部111を貫通し、カバー部112の切欠き118に引っ掛かることにより、ベース部111に対してカバー部112をベース部111に沿った方向にスライドさせることが困難となる。そのため、カシメピン400がカシメピン挿入部119に挿入された状態では、ベース部111からカバー部112を分離することは困難である。
図6に示すように、基板ケース本体110において、ベース部111、カバー部112及び電子基板113は、互いに各ネジ120a~120fにより固定されている。具体的には、まずネジ120c~120fにより電子基板113の4つの角をカバー部112に固定する。次に、電子基板113が固定されたカバー部112にベース部111をネジ120a、120bにより固定する。これにより、基板ケース本体110が構成される。
以上、基板ケース本体110の構成について説明したが、基板ケース本体110には保護カバー130を組み付けることが可能である。詳細は後述するが、保護カバー130は基板ケース本体110から外部に露呈しているコネクタ116a~116cを覆って、保護するだけでなく、ケースホルダ200に取り付けられた遊技機用基板ケース100がケースホルダ200からはずれないようにするものである。保護カバー130は、基板ケース本体110をケースホルダ200に取り付けた後に基板ケース本体110に取り付けるものである。
(基板ケース本体の取付け構造についての説明)
基板ケース本体110を筺体本体10aに取り付ける際は、上述したように、筐体本体10aの内側の背板に配置されたケースホルダ200に基板ケース本体110を取り付ける。なお、筺体本体10aの背板はxy平面に平行に配置されており、ケースホルダ200もxy平面に平行に配置されている。このように筺体本体10aに配置されたケースホルダ200に、基板ケース本体110を取り付ける。
本発明の実施形態に係る基板ケース本体110の取付け構造について、図面を用いて具体的に説明する。図7は、本発明の実施形態に係るケースホルダに基板ケース本体を取り付ける様子を説明するための図である。また、図8は、本発明の実施形態に係るケースホルダに基板ケース本体を取り付けた状態を示す斜視図である。また、図9は、本発明の実施形態に係るケースホルダに基板ケース本体を取り付けた状態におけるベース部回動軸周辺の拡大図である。また、図10は、図8の状態からケースホルダに対して基板ケース本体を回動させた状態を示す斜視図である。なお、基板ケース本体110において、図8に示す位置は保持位置であり、図10に示す位置は展開位置である。
ケースホルダ200に基板ケース本体110を取り付ける際は、図7に示すように、ケースホルダ200の前面側から基板ケース本体110を取り付ける。ケースホルダ200は、可変軸受部(第1軸受部)220と、軸載置部201とを備えている。可変軸受部220はベース部回動軸117の外周を覆うように支持し、軸載置部201は円弧状の切欠きであり軸載置部201上にはカシメピン挿入部119が回動自在に載置される。ケースホルダ200に基板ケース本体110を取り付けることにより、図8に示すように、可変軸受部220がベース部回動軸117の外周を覆うように支持し、円弧状である軸載置部201に略円筒状のカシメピン挿入部119が嵌まり込むように構成される。これにより、軸載置部201の内周部がカシメピン挿入部119の外周部と接触しながら、軸載置部201の内側においてカシメピン挿入部119が回転することが可能である。
上述したように、基板ケース本体110には、カシメピン挿入部119に対して回動自在なネジ止め部140が設けられており、ベース部回動軸117が可変軸受部220により支持され、ベース部回動軸117が軸載置部201に支持された後に、ネジ止め部140とケースホルダ200とをネジ140aにより連結することにより、基板ケース本体110はケースホルダ200から容易にはずれることがない。
次に、可変軸受部220の構成について説明する。図9に示すように、ベース部回動軸117が可変軸受部220に支持されているが、可変軸受部220はベース部回動軸117を下側から支えている軸下部支持部221と、ベース部回動軸117の上側に位置する軸上部支持部(可撓部)222とを備えている。軸上部支持部222及び軸下部支持部221は上下方向から、ベース部回動軸117を挟むように配置されている。また、軸下部支持部221及び軸上部支持部222のいずれもベース部回動軸117の前方側の一部を覆う形状であることから、ベース部回動軸117が可変軸受部220に支持されている状態で回動させても簡単に可変軸受部220からはずれることはない。
また、軸下部支持部221は左方向へと伸びる保護カバー用回動軸(第2回動軸)223を有している。保護カバー用回動軸223の詳細については後述する。また、軸下部支持部221は容易に撓むことがないのに対して、軸上部支持部222は可撓性を有し、力を加えることにより上下方向に撓むことが可能である。なお、軸上部支持部222の変形は弾性変形であり、軸上部支持部222に力を加えることをやめると、元の位置に戻る。軸上部支持部222としては、例えばPC(ポリカーボネート)により構成されることとすればよい。つまり、軸上部支持部222は普段は略水平方向に伸びる形状であるが、上下方向へは容易に撓むこととなる。また、軸下部支持部221及び軸上部支持部222間には間隙dが形成されており、間隙dによりベース部回動軸117の一部は露呈している。また、軸上部支持部222が撓むことにより、間隙dの大きさは可変である。
このように、ベース部回動軸117は、上下に配置された軸下部支持部221及び軸上部支持部222により外周を覆われた状態で支持されているが、軸上部支持部222が撓むことから、間隙dを広げることが容易であり、可変軸受部220からベース部回動軸117を容易にはずすことが可能である。また、カシメピン挿入部119も固定されておらずたんに載置部201上に載置されている状態であるので、カシメピン挿入部119も軸載置部201から容易にはずすことが可能である。つまり、ネジ140aによりネジ止め部140とケースホルダ200とを連結する前であれば、ケースホルダ200から基板ケース本体110を容易に取りはずすことができる。また、ネジ140aによりネジ止め部140とケースホルダ200とを連結した後であっても、ネジ140aは容易にはずすことができることから、なんらかの理由により基板ケース本体110を取りはずす必要がある場合は、容易に基板ケース本体110を取りはずすことができる。
また、ネジ140aによりネジ止め部140とケースホルダ200とが連結されていない状態であっても、ベース部回動軸117が可変軸受部220により回動自在に支持されており、カシメピン挿入部119が軸載置部201により回動自在に支持されていることから、図10に示すようにケースホルダ200に対して基板ケース本体110を前方に回動することは可能であり、それによって基板ケース本体110が簡単にはずれることはない。ここで、基板ケース本体110には下方に向かって重力がかかっているのと、基板ケース本体110を回動させる際には多少は前方にも力がかかることとなる。これに対して、撓むことのない軸下部支持部221がベース部回動軸117の下部及び下側の前部を支持しており、かつ、軸載置部201がカシメピン挿入部119の下部及び下側の前部を支持している。したがって、基板ケース本体110をたんに回動させようとするだけであれば、ネジ140aによりネジ止め部140とケースホルダ200とが連結されていない状態であっても、ケースホルダ200から基板ケース本体110が簡単にはずれることはない。
不正行為を防止する観点からは、基板ケース本体110が容易に取りはずしできないことが求められるが、ケースホルダ200に基板ケース本体110を取付けた状態であれば、ネジ140aをはずすことにより容易に基板ケース本体110を取りはずすことができる。具体的には、ネジ140aをはずしたうえ軸上部支持部222を上方に撓ますようにして間隙dを広げて可変軸受部220からベース部回動軸117をはずすことができる。また、カシメピン挿入部119は軸載置部201に載置されているだけなので容易に外すことができる。なお、基板ケース本体110をケースホルダ200に取り付ける際は、可変軸受部220に対してベース部回動軸117を右方向から差し込むようにしてもよいし、軸上部支持部222を上方に撓ませて前方から可変軸受部220にベース部回動軸117を嵌め込んでもよい。
このように、基板ケース本体110をケースホルダ200から容易に外すことができるため、点検や検査等のなんらかの理由により基板ケース本体110を取りはずす必要がある場合でも、部材を破損させずに容易にはずすことができる。なお、ネジ140aを付けた状態であっても、上述したようにネジ止め部140はカシメピン挿入部119に回動自在に取り付けられていることから、図10に示すように基板ケース本体110を前方に回動させることが可能である。
なお、軸下部支持部221はケースホルダ200と一体であることとすればよいが、軸上部支持部222はケースホルダ200と別体とすることが好ましい。つまり、ケースホルダ200は、例えば、金型を用いて射出成形により作製されるが、この射出成形の際に軸下部支持部221についてもケースホルダ200と一体に作製されることとすればよい。これに対して、軸上部支持部222は、ケースホルダ200と一体で射出成形されずに、ケースホルダ200とは別に作製することとし、ケースホルダ200に後付けすることが好ましい。これにより、軸上部支持部222については、射出成形により一体で作製された部材とは異なり、撓みやすい材料とすることや、厚みを薄くする等の調整を容易に行うことができる。そのため、所望とする性質を有する軸上部支持部222を容易に作製することができる。また、軸上部支持部222をケースホルダ200に後付けする構成とすることで、軸上部支持部222を撓ませる際に無理な力がかかって破損した場合等であっても、容易に新たな軸上部支持部222をケースホルダ200に設置することが可能である。
(保護カバーの取付け構造についての説明)
保護カバー130を基板ケース本体110に取り付ける際は、上述したように、ケースホルダ200に取り付けられた基板ケース本体110に保護カバー130を取り付ける。
本発明の実施形態に係る保護カバー130の取付け構造について、図面を用いて具体的に説明する。図11は、本発明の実施形態に係る基板ケース本体に保護カバーを取り付ける様子を説明するための図である。また、図12は、本発明の実施形態に係る基板ケース本体に保護カバーを取り付けた状態を示す斜視図である。図13は、図12の状態からケースホルダに対して遊技機用基板ケースを回動させた状態を示す斜視図である。
保護カバー130を基板ケース本体110に取り付ける際は、図11に示すように、基板ケース本体110の前面側から保護カバー130を取り付ける。保護カバー130は、保護カバー軸受部(規制部、第2軸受部)131と、コネクタ保護部132とを備えている。図12に示すように、保護カバー軸受部131は略円形の貫通孔を備え、可変軸受部220に設けられた保護カバー用回動軸223と係合される。具体的には、保護カバー軸受部131は保護カバー用回動軸223の外周を覆うように支持する。したがって、保護カバー130を基板ケース本体110に取り付ける際は、保護カバー130を基板ケース本体110に対して左側(x軸方向負側)にずらした状態で基板ケース本体110の前面側から保護カバー130を近づけて、保護カバー用回動軸223の左側から保護カバー軸受部131の貫通孔を保護カバー用回動軸223に通すようにして取り付ける。なお、保護カバー用回動軸223は、ベース部回動軸117と略平行に設けられている。コネクタ保護部132は、コネクタ116a、116bを覆い、これらを外部から保護するものである。また、コネクタ保護部132は、コネクタ116a、116bに接続される端子が不正行為により付け替えられたり、端子に不正な接続がなされたりすることを抑制することもできる。
上述のように、保護カバー用回動軸223が保護カバー軸受部131を貫通するように、保護カバー130が基板ケース本体110に取り付けられる。この際、コネクタ保護部132は、コネクタ116a、116bを覆うように配置される。保護カバー130を基板ケース本体110に取り付けた後にネジ133により基板ケース本体110と保護カバー130とを連結すればよい。このように、保護カバー用回動軸223が保護カバー軸受部131を貫通した状態で、基板ケース本体110と保護カバー130とが一体となり遊技機用基板ケース100を構成することから、遊技機用基板ケース100はケースホルダ200から容易にはずすことができない。具体的には、遊技機用基板ケース100を上下方向及び前後方向に移動させることは保護カバー軸受部131により制限されている。また、保護カバー軸受部131と基板ケース本体110の端面とにより軸下部支持部221が左右から挟まれる状態となることから、基板ケース本体110と保護カバー130とが分離しない限り、遊技機用基板ケース100を左右方向に移動することも制限されている。
したがって、保護カバー130を取り付けていない基板ケース本体110であれば、ネジ140aをケースホルダ200からはずしさえすれば、容易にケースホルダ200からはずすことができたが、保護カバー130を基板ケース本体110に取り付けることにより、ケースホルダ200からはずすことが困難となる。また、保護カバー130を取り付けることにより、コネクタ116a、116bが保護される。
ここで、保護カバー軸受部131の内径は保護カバー用回動軸223の外径よりも十分大きいことから、図13に示すように、基板ケース本体110と保護カバー130とが一体化した遊技機用基板ケース100についても、ケースホルダ200に対して前方に回動することができる。つまり、遊技機用基板ケース100をケースホルダ200からはずすことが困難ではあるが、ケースホルダ200に対して前方に回動することができる。遊技機用基板ケース100をケースホルダ200に対して前方に回動させることにより、回動前にはケースホルダ200側であって、外部に露呈されていない遊技機用基板ケース100の背面が露呈することとなる。これにより、遊技機用基板ケース100の背面を破損させることにより不正行為が行われていたとしても、容易に認識することができる。
上述したように、保護カバー130は、保護カバー軸受部131と、コネクタ保護部132とを備えている。ここで、保護カバー軸受部131は、遊技機用基板ケース100がケースホルダ200からはずれることを困難にするためのものである。また、コネクタ保護部132はコネクタ116a、116bを保護するものである。つまり、保護カバー130は、これら複数の機能を有している。このように複数の機能を1つの部材で兼用することができるため、部品点数を減少させることができる。したがって、省スペース化及び低コスト化が可能となる。
(カシメピンの取付け構造についての説明)
カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入して取り付ける際は、上述したように、ケースホルダ200に取り付けられた遊技機用基板ケース100のカシメピン挿入部119に取り付ける。
本発明の実施形態に係るカシメピン400の取付け構造について、図面を用いて具体的に説明する。図14は、本発明の実施形態に係るカシメピンの外観構成を示す斜視図であり、図14(a)及び図14(b)は互いに異なる角度で見た斜視図である。また、図15は、図6におけるカシメピン挿入部周辺の拡大図であり、図15(a)は斜視図であり、図15(b)は前面側から見た図である。また、図16は、本発明の実施形態に係るカシメピン挿入部にカシメピンを挿入する様子を説明するための図である。また、図17は、本発明の実施形態に係るカシメピン挿入部の内側の構成を示す斜視図である。また、図18は、本発明の実施形態に係るカシメピン挿入部にカシメピンを挿入した状態を示す斜視図である。また、図19は、本発明の実施形態に係る一部を切断したカシメピン挿入部にカシメピンを挿入する様子を説明するための図である。また、図20は、本発明の実施形態に係る一部を切断したカシメピン挿入部にカシメピンを挿入した状態を示す斜視図である。
まず、カシメピン400の構成について説明する。カシメピン400は、上述したようにカシメピン挿入部119の挿入孔102に挿入されるものである。なお、挿入孔102については後述する。ここで、図14(a)及び図14(b)は、互いに異なる角度でカシメピン400を見た斜視図である。図14に示すように、カシメピン400は、挿入孔102に挿入される部分である略円筒状であるカシメピン本体部401と、リブ402と、カシメピン爪部403と、指示遮断板404と、矢印部405と、を備えている。なお、カシメピン本体部401の内部には、空洞部分406が形成されており、上述したように、この空洞部分406にカシメカバー300のカシメピン支持部301(図23参照)が挿入される。
リブ402は、カシメピン本体部401の外周部に設置され、カシメピン挿入部119に挿入される方向である軸方向に沿って伸びる形状を有している。なお、カシメピン400は右側から左側方向へと挿入される。カシメピン爪部403はカシメピン本体部401の外周部から外側に突出するように、カシメピン本体部401の外周部に設置されている。そして、カシメピン本体部401には、カシメピン爪部403を囲うようにスリット407が形成されている。ここで、カシメピン本体部401の内部には空洞部分406が形成されていることから、スリット407で囲まれたカシメピン爪部403はカシメピン本体部401の内側方向に撓むことが可能である。具体的には、カシメピン爪部403は力を加えられると、弾性変形により、カシメピン本体部401の内側に撓む。なお、この力が解除されると、カシメピン爪部403は元の位置に戻る。リブ402及びカシメピン爪部403はカシメピン本体部401がカシメピン挿入孔102に挿入された場合に共に挿入孔102に挿入される。なお、カシメピン本体部401が挿入孔102に挿入される際は、カシメピン爪部403は挿入孔102の内壁に接触してカシメピン本体部401の内側へと撓んだ状態となる。指示遮断板404はカシメピン本体部401が挿入孔102に挿入された場合に、カシメピン挿入部119の外周部の一部である指示部101(図16参照)を覆うように配置される。なお、指示遮断板404の幅の長さは、距離w1である。また、矢印部405は、カシメピン400を挿入する際の正しい挿入位置を使用者に知らせるためのものである。
次に、カシメピン挿入部119の構成について説明する。図15(a)及び図15(b)に示すように、カシメピン挿入部119には、カシメピン400が挿入される挿入孔102が形成されている。また、カシメピン挿入部119の外周には、指示部101が形成されている。具体的には、指示部101には「B」という文字と、「C」という文字が形成されている。指示部101は、カシメピン挿入部119に対してカシメピン400を挿入する位置を使用者に知らせるものである。詳細は後述するが、カシメピン400は、矢印部405が指示部101の「B」または「C」に合わせられた状態でカシメピン400に挿入される。
カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入する際は、図16に示すように、ケースホルダ200に遊技機用基板ケース100が取り付けられた状態で、カシメピン400が右側からカシメピン挿入部119の挿入孔102に挿入される。なお、カシメピン400がカシメピン挿入部119に完全に挿入されると、図18に示すようにカシメピン400によってネジ止め部140及びネジ140aを覆われることとなる。したがって、カシメピン400がカシメピン挿入部119に挿入されると、ネジ140aをはずすことが困難となり、遊技機用基板ケース100をケースホルダ200からはずすことが困難となる。
また、カシメピン400は、挿入孔102に挿入されると、カシメピン爪部403がカシメピン挿入部119のカシメピン係止部104(図17参照)に引っ掛かることとなり、カシメピン挿入部119からカシメピン400を抜くことが困難となる。ただし、本実施形態に係るカシメピン挿入部119は、カシメピン係止部104を2つ備えており、1つ目のカシメピン係止部104を切除することによりカシメピン挿入部119からカシメピン400を抜くことができる。ただし、カシメピン係止部104は2つであることからカシメピン400を2回抜くと、カシメピン挿入部119は使用できなくなる。
また、これらの「B」及び「C」の文字の上下に厚みが薄い部分である薄肉部103が形成されている。薄肉部103は、この部分をニッパーやナイフ等の工具により切断することが容易とされる箇所である。後述するが、薄肉部103を切断することにより、カシメピン挿入部119に挿入したカシメピン400を抜くことが可能となる。また、「B」及び「C」の文字の上下にそれぞれ形成された薄肉部103間の距離w2は、指示遮断板404の幅の長さである距離w1よりも小さい。詳細は後述するが、このように、距離w2が距離w1よりも小さいことから、薄肉部103を指示遮断板404により覆うことができ、薄肉部103を切断できないようにすることが可能となる。
カシメピン本体部401をカシメピン挿入部119の挿入孔102に挿入する際は、リブ402がカシメピン挿入部119に形成された溝部105に嵌まる方向となるようにしてカシメピン400を挿入する。溝部105は挿入孔102の内周部に、カシメピン400が挿入される方向に沿って形成されている。したがって、リブ402が溝部105に嵌まる方向でない場合は、カシメピン本体部401をカシメピン挿入部119に挿入することができない。つまり、カシメピン400の挿入方向を回転軸とするカシメピン400の回転方向における位置決めがなされることとなる。なお、カシメピン400の矢印部405がカシメピン挿入部119の指示部101の「B」の文字を指すように挿入することにより、リブ402が溝部105に嵌まるように各部材が配置されている。そして、このようにカシメピン400が挿入孔102に挿入された場合にカシメピン爪部403がカシメピン係止部104に引っ掛かることとなる。
図15及び図17に示すように、挿入孔102の内壁には孔104aが形成されており、この孔104aの端部がカシメピン係止部104である。なお、カシメピン係止部104は、孔104aにおける指示部101側の端部に形成されている。カシメピン係止部104は2つであり、指示部101の「B」及び「C」からカシメピン400が挿入される方向に沿って進んだ位置にそれぞれ形成されている。上述したように、リブ402及び溝部105により、カシメピン400の位置決めがなされて、カシメピン爪部403がカシメピン係止部104に案内される。なお、矢印部405が指示部101の「B」の文字を指すように、カシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入すると、溝部105にリブ402が嵌まるように構成されている。このとき、カシメピン爪部403は、挿入孔102の内壁において指示部101の「B」が記載された裏側の位置を通過することとなる。カシメピン本体部401が挿入孔102に挿入する際は、上述したように、カシメピン爪部403が挿入孔102の内壁により押されて、カシメピン本体部401の内側へと撓んだ状態で挿入される。そして、カシメピン係止部104に到達すると、カシメピン爪部403は元の状態に戻ってカシメピン係止部104に引っ掛かることとなる。したがって、カシメピン400をカシメピン挿入部119から抜くことが困難となる。
上述したように、カシメピン400がカシメピン挿入部119に挿入されると、図18に示すように、ネジ止め部140にネジ止めされたネジ140aがカシメピン400により覆われてしまうことから、ネジ140aをはずすことが困難となり、遊技機用基板ケース100をケースホルダ200からはずすことが困難となる。さらに、カシメピン400がカシメピン挿入部119に挿入されると、カシメピン本体部401の先端はベース部111を貫通し、さらにカバー部112の切欠き118に到達し、切欠き118に嵌まることとなる。これにより、ベース部111に対してカバー部112を分離させるためにスライドをさせることが困難となるため、ベース部111及びカバー部112を分離させることが困難となる。なお、カシメピン400を取り付けた状態であっても、ケースホルダ200に対して遊技機用基板ケース100を回動させることは可能である。
また、カシメピン400がカシメピン挿入部119に挿入され、抜くことが困難となる状態まで挿入された場合は、指示遮断板404が指示部101の「C」の文字を覆うように配置され、指示部101の「C」の文字を視認しにくくする。さらに、上述したように、薄肉部103間の距離w2が指示遮断板404の幅の長さである距離w1よりも小さいことから、指示部101の「C」の文字だけでなく、その上下に形成された薄肉部103も指示遮断板404により覆われることとなる。これにより、薄肉部103を切断しようとしても、薄肉部103が指示遮断板404に覆われていることから切断することが困難である。
また、特に、図16に示されているように、カシメピン挿入部119において、指示部101の「B」、「C」の文字のそれぞれの右側(x軸方向正側)に当たるカシメピン挿入部119の縁部分は厚みの薄い部分が形成されており、段差ができた構造となっている。この厚みの薄い部分にニッパー等の工具を差し入れることにより薄肉部103を切断することとなる。ここで、図18に示すように、カシメピン400がカシメピン挿入部119に挿入されて、指示遮断板404が指示部101の「C」の文字を覆うように配置された場合は、指示部101の「B」の文字の右側におけるカシメピン挿入部119の縁部分の厚みの薄い部分が露呈しており、この部分にニッパー等の工具を差し入れることにより、指示部101の「B」の文字の上下に形成された薄肉部103を切断することができる。これに対して、指示部101の「C」の文字の右側におけるカシメピン挿入部119の縁部分はカシメピン400により覆われており、上記厚みの薄い部分が露呈されていない。そのため、指示部101の「C」の文字の上下に形成された薄肉部103を切断することは困難である。
上述したように、カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入した場合は、カシメピン爪部403がカシメピン係止部104に引っ掛かってカシメピン400を抜くことが困難とされることから、不正行為を抑制することができる。しかし、点検や検査等により正当にカシメピン400をカシメピン挿入部119から抜いて遊技機用基板ケース100をケースホルダ200からはずすことが必要となる場合がある。このような場合には、図18に示す状態において、指示部101の「B」の近傍に設けられた薄肉部103をニッパーやナイフ等の工具により切断する。具体的には、「B」の上下に当たる2箇所の薄肉部103を切断することで、指示部101の「B」の部分が切除される。これにより、切除された部分とカシメピン係止部104を形成する孔104aとが一体となり、指示部101の「B」に形成されていたカシメピン係止部104も除去されることとなる(図19参照)。カシメピン係止部104が除去されることから、カシメピン爪部403が引っ掛かる部材がなくなるため、カシメピン400をカシメピン挿入部119から抜くことが可能となる。
なお、誤って指示部101の「B」の部分でなく、指示部101の「C」の部分が切除されると、カシメピン400を抜くことができないだけでなく、カシメピン400を抜くために指示部101の「B」の部分をさらに切除する必要があり、カシメピン係止部104を両方除去することとなり、結局、カシメピン挿入部119を再度使用することができなくなるとの不具合が生じる。しかし、上述したように、指示遮断板404により、指示部101の「C」の文字が覆われていることから、指示部101の「C」の文字を視認しにくく、使用者が誤って指示部101の「C」の部分を切除するとの不具合を防止することができる。また、指示部101の「C」の文字だけでなくその上下に形成された薄肉部103についても指示遮断板404に覆われていることから、薄肉部103を切断することが困難である。したがって、仮にカシメピン400が透明であり、指示部101の「C」の文字が視認できたとしても、薄肉部103を切断することが困難であり、誤って「C」の部分を切除するとの不具合を防止することができる。このように、カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入した場合において、指示部101の「B」からカシメピン400が挿入される方向に沿って進んだ位置に形成されているカシメピン係止部104の除去は容易であるが、指示遮断板404によって薄肉部103が覆われることから、指示部101の「C」の部分の切除が困難であり、指示部101の「C」からカシメピン400が挿入される方向に沿って進んだ位置に形成されているカシメピン係止部104の除去が困難である。
図19に示すように、指示部101の「B」の部分を切除したカシメピン挿入部119において、指示部101の「B」の部分が切除されることにより、カシメピン係止部104を形成していた孔104aがなくなり、カシメピン係止部104が除去されて新たに再挿入用溝部106が形成されることとなる。カシメピン400を再度カシメピン挿入部119に挿入する場合は、リブ402が再挿入用溝部106に嵌まるように挿入すればよい。これにより、カシメピン爪部403が残っているカシメピン係止部104に引っ掛かることとなる。
上述のように、薄肉部103を切断して指示部101の「B」の部分を切除することにより、カシメピン400をカシメピン挿入部119から抜いた後、再び、カシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入する場合は、図19に示すように、カシメピン400の矢印部405がカシメピン挿入部119の指示部101の「C」の文字を指すように挿入すればよい。矢印部405が「C」の文字を指すように、カシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入すると、再挿入用溝部106にリブ402が嵌まるように各部材が配置されている。このように、カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入することにより、カシメピン爪部403が残っているカシメピン係止部104に引っ掛かることなり、カシメピン400を抜くことが困難となる。つまり、リブ402及び再挿入用溝部106に、カシメピン400の位置決めがなされて、カシメピン爪部403がカシメピン係止部104に案内される。
具体的には、矢印部405が指示部101の「C」の文字を指すように、カシメピン挿入部119にカシメピン400を挿入すると、再挿入用溝部106にリブ402が嵌まり、カシメピン400を挿入でき、カシメピン爪部403は、挿入孔102の内壁において指示部101の「C」が記載された裏側の位置を通過することとなる。カシメピン本体部401が挿入孔102に挿入される際は、上述したように、カシメピン爪部403が挿入孔102の内壁により押されて、カシメピン本体部401の内側へと撓んだ状態で挿入される。そして、カシメピン係止部104に到達すると、カシメピン爪部403は元の状態に戻ってカシメピン係止部104に引っ掛かることとなる。これにより、カシメピン400をカシメピン挿入部119から抜くことが困難となる。
以上、説明したように、ケースホルダ200に取り付けられた状態の遊技機用基板ケース100にカシメピン400を取り付けることにより、カシメピン400によってネジ140aが覆われ、ケースホルダ200を取りはずすことが困難となる。また、カシメピン400は、カシメピン挿入部119に挿入すると、抜くことは困難である。さらに、点検や検査等の正当な理由で、遊技機用基板ケース100をはずす必要が生じる場合があるが、その場合はカシメピン挿入部119の一部を破損させることにより、カシメピン400を容易に抜くことができる。この場合であっても部材を交換せずに、再度カシメピン400をカシメピン挿入部119に挿入して、ケースホルダ200の取りはずしを困難とすることができる。なお、再度カシメピン400を使用するには、決まった手順を追わなければならないが、カシメピン400の構造はこの手順を防止することができる構造である。
(カシメカバーの取付け構造についての説明)
上述したように、カシメカバー300は、カシメピン挿入部119に装入されたカシメピン400を覆うように、ケースホルダ200の右側からケースホルダ200に取り付ける。
本発明の実施形態に係るカシメカバー300の取付け構造について、図面を用いて具体的に説明する。図21は、本発明の実施形態に係るカシメカバーをケースホルダに取り付ける様子を説明するための図である。また、図22は、本発明の実施形態に係る移動係合部の動作を示す斜視図であり、図22(a)は移動係合部が下方にある場合を示す図であり、図22(b)は移動係合部が上方にある場合を示す図である。
図21に示すように、筺体本体10aに取り付けられた状態のケースホルダ200の右側からカシメピン400を覆うようにカシメカバー300を取り付ける。詳細は後述するが、カシメカバー300を取り付けることにより、カシメカバー300の内部に設けられた規制ロックピン310(図23参照)が移動係合部210に押し込まれて装入されて、連結される。ここで、図22に示すように、移動係合部210は移動可能である。具体的には、ケースホルダ200に設けられたガイドレール202に移動係合部210のレール嵌合部213(図25参照)が嵌まり込んで、ガイドレール202にガイドされてスライド移動が可能である。具体的には、ケースホルダ200が筺体本体10aに取り付けられた状態において、移動係合部210は上下に移動可能である。図22(a)は移動係合部210が下方にある場合(移動係合部210がカシメピン400寄りである場合)を示す図であり、図22(b)は移動係合部210が上方にある場合(移動係合部210がカシメピン400から離れている場合)を示す図である。ケースホルダ200の組み付け時は、図22(a)に示すように、移動係合部210は下方に位置している。なお、移動係合部210が移動可能とされるのは、装入される規制ロックピン310に応じて位置を変更するためである。これにより、カシメカバー300に2つ備えられた規制ロックピン310を選択して使用することができる。
また、図21に示すように、カシメカバー300には薄肉部302が形成されている。薄肉部302は、周りに比べて厚みが薄い部分であり、ニッパーやナイフ等の工具により切断することが容易とされる箇所である。詳細は後述するが、薄肉部302を切断することにより、規制ロックピン310をカシメカバー300から切り離すことができる。なお、カシメカバー300をケースホルダ200に取り付けることにより、規制ロックピン310が移動係合部210に装入されて、これらを容易に分離できなくなる。これにより、カシメカバー300を取りはずすことも困難となる。したがって、カシメカバー300を取り付けることにより、カシメピン400を外部から露呈しないように覆うことになり、遊技機用基板ケース100を取りはずすといった不正行為を抑制することができる。
次に、カシメカバー300が移動係合部210に取り付けられる状態について、図面を用いて説明する。図23は、本発明の実施形態に係るカシメカバーの構成を示す図であり、図23(a)は斜視図であり、図23(b)は正面図であり、図23(c)は底面図である。なお、図23(a)はカシメカバー300の構成を示す斜視図であり、ケースホルダ200に取り付けられる際にケースホルダ200に向かう面を正面としている。図23(b)は図23(a)における正面図であり、図23(c)は図23(a)における底面図である。図23に示すように、カシメカバー300は、2つの規制ロックピン310と、カシメピン支持部301と、を備えている。また、規制ロックピン310に対応する位置にそれぞれ薄肉部302が形成されている。
カシメカバー300がケースホルダ200に取り付けられた際に、カシメピン400のカシメピン本体部401の内部に形成された空洞部分406に、カシメピン支持部301が挿入される。これにより、カシメピン400がカシメピン支持部301により支持される。さらに、空洞部分406にカシメピン支持部301が存在することとなるため、カシメピン爪部403がカシメピン本体部401の内側に撓むことが制限されることとなる。したがって、例えば、カシメピン爪部403をカシメピン本体部401の内側に撓ませることによりカシメピン爪部403がカシメピン係止部104に引っ掛からないようにして、カシメピン400を抜こうとする不正行為を防止することができる。また、カシメカバー300を取り付けたことにより、カシメピン400がカシメカバー300により覆われることから、カシメピン400を抜くことが困難となる。このため、不正行為等により、カシメピン400を抜こうとしても、カシメカバー300が取り付けられた状態では、カシメピン支持部301によりカシメピン400を抜くことは困難である。
また、規制ロックピン310は、移動係合部210に押し込まれて抜くことが困難となるものである。規制ロックピン310を移動係合部210から抜くことが困難となるため、カシメカバー300をケースホルダ200からはずすことが困難となり、不正行為を抑制することができる。なお、移動係合部210は移動可能であり、いずれかの規制ロックピン310が押し込まれて装入されればよいが、ケースホルダ200の取付け時には規制ロックピン310はカシメピン400寄りに配置されているので(図22(a)参照)、カシメカバー300を初めて取り付ける場合は、カシメピン400寄りの規制ロックピン310が移動係合部210に押し込まれて装入されることとなる。
また、上述したように、各規制ロックピン310に対応するように薄肉部302がそれぞれ形成されている。カシメカバー300をケースホルダ200に取り付けると、はずすことが困難となるが、点検や検査等により遊技機用基板ケース100を正当にはずす必要が生じた場合は、カシメカバー300をはずすこととが必要となる。この場合には、移動係合部210に装入されている規制ロックピン310に対応する薄肉部302を、ニッパーやナイフ等の工具により切断する。初めてカシメカバー300をはずす場合は、カシメピン400寄りの規制ロックピン310が移動係合部210に装入されていることから、カシメピン400寄りに形成された薄肉部302を切断すればよい。これにより、カシメカバー300から規制ロックピン310が切り離されるため、カシメカバー300を取りはずすことができる。移動係合部210に装入されている規制ロックピン310については破壊することで取りはずせばよい。
再度、カシメカバー300を取り付ける場合は、移動係合部210を移動させて、残っている規制ロックピン310に対応するように、カシメピン400から離れた位置としておき(図22(b)参照)、規制ロックピン310が移動係合部210に装入するようにカシメカバー300を取り付ければよい。このように、カシメカバー300によれば、取りはずし困難な状態でカシメピン400を覆うように、ケースホルダ200に取り付けることができるため、不正行為を抑制することができる。さらに、正当にカシメカバー300をはずす場合には、はずした後に再度取り付けが可能であるため、新たなカシメカバー300を用いる必要がなく、コストを抑えることができる。
次に、移動係合部210に規制ロックピン310を装入した状態について説明する。図24は、本発明の実施形態に係る移動係合部に規制ロックピンを装着する様子を説明するための図であり、図24(a)は装入前の状態を示す図であり、図24(b)は装入後の状態を示す図である。ここで、図24は、見やすさを考慮して、移動係合部210及び規制ロックピン310のみを抜き出して示した図である。カシメカバー300をケースホルダ200に取り付ける際は、図24(a)に示すように、移動係合部210に規制ロックピン310が押し込まれて装入される。具体的には、規制ロックピン310のロックピン部320が移動係合部210の装入口211に押し込まれることとなる。ここで、移動係合部210に形成された切込み部215aの端面が、ロックピン部320と係合するロックピン係止部215となる。したがって、ロックピン係止部215は、装入口211の内壁に連続して形成されていて、装入口211の内壁と略垂直となる。ロックピン部320が移動係合部210の装入口211に押し込まれることにより、図24(b)に示すように、ロックピン部320が装入口211を貫通し、装入口211においてロックピン部320が装入される側とは反対側に形成された切込み部215aの端面であるロックピン係止部215にロックピン部320が係合することで、移動係合部210と規制ロックピン310とが分離困難に連結される。
次に、移動係合部210の構成について、図面を用いて説明する。図25は、本発明の実施形態に係る移動係合部の外観構成を示す図であり、図25(a)は斜視図であり、図25(b)は正面図であり、図25(c)は底面図である。なお、図25(a)は移動係合部210の構成を示す斜視図であり、規制ロックピン310が挿入される際に規制ロックピン310に向かう面を正面としている。図25(b)は図25(a)における正面図であり、図25(c)は図25(a)における底面図である。図25に示すように、移動係合部210は、ロックピン部320が押し込まれる装入口211と、上述したようにガイドレール202に嵌まり込んで移動係合部210が移動可能とするためのレール嵌合部213と、ガイド部212と、くさび部214と、を備えている。
上述したように、装入口211にはロックピン部320と係合し、規制ロックピン310を移動係合部210から抜くことが困難とするためのロックピン係止部215が形成されている。ガイド部212は後述する規制ロックピン310の制止片331の動作をガイドするためのものである。くさび部214は後述する規制ロックピン310のアーム321の装入時にはアーム321をガイドし、ガイドした後はアーム321の変形を制限するためのものであり、規制ロックピン310が装入される方向から徐々に広がる形状を有している。また、くさび部214は、規制ロックピン310の装入方向に向かうにしたがって、徐々に内側に向かうように階段状に形成されている。
次に、規制ロックピン310の構成について、図面を用いて説明する。図26は、本発明の実施形態に係る規制ロックピンの外観構成を示す図であり、図26(a)は斜視図であり、図26(b)は正面図であり、図26(c)は底面図である。なお、図26(a)は規制ロックピン310の構成を示す斜視図であり、移動係合部210に押し込まれる際に移動係合部210に向かう面を正面としている。図26(b)は図26(a)における正面図であり、図26(c)は図26(a)における底面図である。図26に示すように、規制ロックピン310は、ロックピン部320と、ストッパ部330と、を備えている。
また、図27は、本発明の実施形態に係るロックピン部の外観構成を示す図であり、図27(a)は斜視図であり、図27(b)は正面図であり、図27(c)は底面図である。なお、図27(a)はロックピン部320の構成を示す斜視図であり、移動係合部210に規制ロックピン310が押し込まれる際に移動係合部210に向かう面を正面としている。図27(b)は図27(a)における正面図であり、図27(c)は図27(a)における底面図である。図27に示すように、ロックピン部320は、装入口211に押し込まれて装入されるアーム321と、アーム321の先端に形成されたロックピン爪部322と、を備えている。アーム321は4つで構成されており、縦方向及び横方向に2つずつ並んで構成されている。アーム321は可撓性を有し、弾性変形が可能である。アーム321が装入口211の一端から押し込まれることにより、装入口211の内壁によりロックピン爪部322がガイドされて、アーム321が横方向において内側に集まるように撓んで変形しながら装入口211内に装入される。また、横方向において内側に集まったアーム321は、くさび部214の階段状部分によりガイドされて、縦方向において内側に集まるように撓んで変形する。
このように、ロックピン爪部322は、装入口211内に装入されて装入口211内を通過中は装入口211の内壁により横方向において内側に集まるようにガイドされる。さらに、アーム321は、装入口211内を通過中においてくさび部214により縦方向において内側に集まるようにガイドされることから、ロックピン爪部322は縦方向においても内側に集まることとなる。しかし、ロックピン爪部322が、切込み部215aに達した場合は、ロックピン爪部322が装入口211の内壁から解放されて、再び横方向において外側に開くこととなる。また、ロックピン爪部322が横方向において外側に開くことにより、アーム321がくさび部214から解放されて、再び縦方向において外側に開くこととなる。これにより、ロックピン爪部322がロックピン係止部215に係合して引っ掛かることとなり、規制ロックピン310は移動係合部210から抜くことが困難となる。ただし、普段は、図26に示すように、縦方向に並んだアーム321間には制止片331が存在しており、アーム321が撓んで縦方向に互いに接近する変形は困難である。
また、図28は、本発明の実施形態に係るストッパ部の外観構成を示す図であり、図28(a)は斜視図であり、図28(b)は正面図であり、図28(c)は底面図である。なお、図28(a)は、ストッパ部330の構成を示す斜視図であり、移動係合部210に規制ロックピン310が押し込まれる際に移動係合部210に向かう面を正面としている。図28(b)は図28(a)における正面図であり、図28(c)は図28(a)における底面図である。図28に示すように、ストッパ部330は、ガイド部212と係合しガイドされる2つの被ガイド部332と、被ガイド部332と一体であり、それぞれ被ガイド部332と一体で動作する2つの制止片331と、を備えている。ここで、ストッパ部330は可撓性を有し、弾性変形が可能である。これにより、被ガイド部332は、互いに離れる方向への動作が可能である。また、同様に制止片331も、互いに離れる方向への動作が可能である。
次に、移動係合部210に規制ロックピン310を押し込んで装入する際の、ストッパ部330の動作について、図面を用いて説明する。図29は、本発明の実施形態に係る移動係合部に規制ロックピンを装入する際のストッパ部の動作を示す底面図であり、図29(a)は装入前の図であり、図29(b)は装入途中の図であり、図29(c)は装入後の図である。ここで、図29は、見やすさを考慮して、移動係合部210及びストッパ部330のみを抜き出して示した図である。
図29(a)に示すように、移動係合部210に規制ロックピン310を装入する前は、ストッパ部330の形状は変化しておらず、制止片331はアーム321に近接しており、縦方向に並んだアーム321間に存在している。装入時においてストッパ部330の被ガイド部332がガイド部212に当接する。被ガイド部332のガイド部212に当接する面は、ガイド部212に対して斜めに形成されており、規制ロックピン310を押し込んでいくにしたがって、被ガイド部332はガイド部212にガイドされて徐々に互いに離れるように動作し、互いの間隔が広がっていく。この際に、被ガイド部332と一体である制止片331も互いに離れるように動作し、互いの間隔が広がっていく。これにより、装入前において縦方向に並んだアーム321間に存在していた制止片331は(図25参照)、アーム321間から移動し、アーム321から離間することとなる。そのため、アーム321は制止片331による制限から解放され、縦方向に対して自由に変形することが可能となる。このため、上述したように装入口211の内壁によりロックピン爪部322がガイドされることにより、アーム321は横方向において内側に集まるように変形し、アーム321が横方向において内側に集まることにより、アーム321がくさび部214により縦方向において内側に集まることが可能となり、装入口211の内部に装入される。
さらに、規制ロックピン310が押し込まれて、ロックピン爪部322が、切込み部215aに達した場合は、ロックピン爪部322は装入口211の内壁から解放されて、再び横方向において外側に開くこととなる。また、ロックピン爪部322が横方向において外側に開くことにより、アーム321がくさび部214から解放されて、再び縦方向において外側に開くこととなる。この状態において、図29(c)に示すように、被ガイド部332はガイド部212からはずれることとなり、再び元の位置に戻る。制止片331も被ガイド部332と一体であることから、再び元の位置に戻ってアーム321間に存在することとなり、アーム321の縦方向への変形が制限されることとなる。また、アーム321がくさび部214から解放されて再び縦方向において外側に開いた際に、横方向に並んだアーム321間にくさび部214が存在することとなり、アーム321の横方向への変形も制限されることとなる。したがって、移動係合部210に規制ロックピン310を押し込んで装入し、ロックピン爪部322がロックピン係止部215に引っ掛かった状態において、アーム321の変形が困難となり、ロックピン爪部322がロックピン係止部215に引っ掛かった状態を解除することが困難となる。さらに、上述したように、横方向に並んだアーム321間にはくさび部214が存在することとなり、アーム321は横方向への変形も困難となるため、ロックピン爪部322がロックピン係止部215に引っ掛かった状態を解除することが困難となる。
図30は、本発明の実施形態に係る移動係合部に規制ロックピンが装入された状態を説明するための模式図である。図30に示すように、移動係合部210に規制ロックピン310が挿入されると、ロックピン爪部322がロックピン係止部215に引掛り、かつ、ロックピン爪部322の変形が装入口211の内壁、くさび部214及び制止片331によりアーム321の変形が困難となり、移動係合部210から規制ロックピン310を抜くことが、より困難となる。
以上、説明したように、カシメピン400が取り付けられた状態のケースホルダ200にカシメカバー300を取り付けることにより、カシメカバー300によってカシメピン400が覆われて、カシメピン400を抜くことが困難となる。また、カシメカバー300は、ケースホルダ200に取り付けると、はずすことは困難である。さらに、点検や検査等の正当な理由で、遊技機用基板ケース100をはずす必要が生じる場合があるが、その場合はカシメカバー300の一部を破損させることにより、カシメカバー300を容易にはずすことができる。この場合であっても部材を交換せずに、移動係合部210を移動させるだけで、再度カシメカバー300をケースホルダ200に取り付けて、カシメピン400を取りはずし困難とすることができる。
以上、説明したように、メイン制御基板ユニット30において、ケースホルダ200をはずしたり、ケースホルダ200を分解して電子基板113を取り出したりすることは困難である。したがって、不正行為により、ケースホルダ200をはずしたり、ケースホルダ200を開放して電子基板113を取り出したりしようとする場合は、これらの部材を破損することとなるため、不正行為が行われたことを視覚により容易に認識できる。これにより、不正行為が抑制される。また、メイン制御基板ユニット30において、カシメカバー300を取り付けた状態であっても、ケースホルダ200に対して遊技機用基板ケース100を回動させて遊技機用基板ケース100の背面側(回動前はケースホルダ200に接している側)を露呈させることも可能であることから、遊技機用基板ケース100の背面を破損して不正行為を行っても、容易に認識される。
また、このようなメイン制御基板ユニット30を有する遊技機10によれば、不正行為が行われた場合にそれを容易に発見することができ、不正行為の実施を抑制することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
10 遊技機 10a 筺体本体
100 遊技機用基板ケース 110 基板ケース本体
113 電子基板 117 ベース部回動軸
130 保護カバー 131 保護カバー軸受部
132 コネクタ保護部 200 ケースホルダ
220 可変軸受部 222 軸上部支持部
223 保護カバー用回動軸 d 間隙

Claims (1)

  1. 遊技機筺体に取り付けられるケースホルダと、
    前記ケースホルダに設置された第1軸受部と、
    前記第1軸受部に支持されることにより、前記ケースホルダに取り付けられて前記ケースホルダに保持される保持位置から回動した展開位置になるまで回動可能な基板ケースと、を備え、
    前記基板ケースは、
    制御基板を収容し、前記第1軸受部の変形に伴い、前記ケースホルダから取りはずし容易に設置された基板収容部と、
    前記保持位置及び前記展開位置間における回動の際に前記基板収容部が前記ケースホルダからはずれないように、前記基板収容部を前記ケースホルダから取りはずし困難とするための規制部と、を備え、
    前記第1軸受部は、前記基板収容部が有する第1回動軸の外周を覆って、前記第1回動軸を支持し、
    前記第1軸受部には、間隙が形成され、
    前記第1軸受部が前記第1回動軸を支持している状態において、前記間隙により前記第1回動軸の一部が露呈し、
    前記第1軸受部は可撓性を有する可撓部を備え、
    前記可撓部が撓むことにより前記第1軸受部が変形し、前記間隙の大きさが変化し、
    前記規制部は、前記第1回動軸が前記第1軸受部からはずれないように規制し、
    前記第1軸受部は、前記第1軸受部に支持されている状態の前記第1回動軸と略平行に配置された第2回動軸を備え、
    前記規制部は、前記第2回動軸の外周を覆って支持する第2軸受部を備える、ことを特徴とする遊技機用基板ケースの取付け構造。
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