1つの態様において、当該光捕集アレイは、ドナーに連結されたアクセプターを含む。 そのドナーまたはアクゼプターの少なくとも1つは、オリゴマーユニットである。そのオリゴマーユニットは、リンカー基を介して任意置換の第2リレンに連結された、任意置換の第1リレンを含む。そのオリゴマーユニットの任意置換の第1リレンは、随意でリンカー基を介して、アクセプターまたはドナーに連結される。その任意置換の第2リレンは、任意置換の第1リレン、アクセプターまたはドナーの少なくとも1つにエネルギーを移動できる。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、オリゴマーユニットである。好ましくは、当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換の周辺リレンに連結された、任意置換のリレンコアーを含む。
1つの実施形態において、1つ以上のドナーの少なくとも1つは、当該オリゴマーユニットである。好ましくは、当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンに連結された、任意置換のドナーリレンコアーを含む。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、オリゴマーユニットであり及び当該ドナーは、さらにオリゴマーユニットである。すなわち、この実施形態において、当該アクセプター及びドナーは、互いにオリゴマーユニットである。
1つの態様において、当該光捕集アレイは、1つ以上のドナーに連結されたアクセプターを含む。当該アクセプターは、オリゴマーユニットである。当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換の周辺リレンに連結された、任意置換のリレンコアーを含む。
好ましくは、この態様において、当該1つ以上の任意置換の周辺リレンは、当該任意置換のリレンコアーにエネルギーを移動できる。好ましくは、当該ドナーは、本明細書に記述される任意のドナーである。1つの実施形態において、当該ドナーは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンに連結された、任意置換のドナーリレンコアーを含むオリゴマーユニットである。
1つの態様において、当該光捕集アレイは、1つ以上のドナーに連結されたアクセプターを含む。これらドナーの少なくとも1つは、オリゴマーユニットである。当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンに連結された、任意置換のドナーリレンコアーを含む。換言すれば、当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して任意置換の第2リレンに連結された、任意置換の第1リレンを含む。
1つの実施形態において、当該任意置換の第1リレンは、当該任意置換の第2リレンとは異なる分光学的特徴を有する。例えば、当該任意置換の第1リレンは、UV-可視光(UV-vis)スペクトルによる測定において第1吸収極大を与え、及び当該任意置換の第2リレンは、UV-可視光スペクトルによる測定において第2吸収極大を与えて良く、ここで、その第1及び第2吸収極大は、異なる波長において現れる。一般的に、第1及び第2任意置換リレンは、異なる構造を有する。
1つの実施形態において、当該光捕集アレイは、1つ以上のドナーに連結されたアクセプターを含み、ここで当該ドナーの少なくとも1つは、リンカー基を介して任意置換の第2リレンに連結された、任意置換の第1リレンを含むオリゴマーユニットであり、ここで当該任意置換の第1リレンは、当該アクセプターに吸収エネルギーを与えることができ及び当該任意置換の第2リレンは、当該任意置換の第1リレン、当該アクセプターまたはその両方に吸収エネルギーを移動できる。
ペリレンなどのリレンは、その望ましい光物理的特徴のために、有利に採用される。例えば、ペリレンは、高い量子収率を有し、極めて光安定性が高く及び吸収と発光の広い領域を有する。さらに、置換されたリレンの光物理的特徴は、そのリレンに結合した置換基の性質、タイプ及び種類に影響される。例えば、任意置換のペリレンにおいて、「ベイ位(bay position)」として知られる、1、6、7及び/または12位におけるパラ-tert-ブチルフェノキシ置換基の組み入れは、通常は、そのペリレンの吸収極大を、パラ-tert-ブチルフェノキシ置換基を持たない相応する等価のペリレンと比較して、より低いエネルギーへシフトする。一方で、任意置換ペリレンのベイ位におけるフェニル置換基の組み入れは、そのペリレンの吸収極大を、フェニル置換基を持たない相応する等価のペリレンと比較して、より高いエネルギーへシフトする。
1つの実施形態において、当該ドナーは、当該アクセプターに吸収エネルギーを移動でき及び当該アクセプターは、その移動されたエネルギーを光として発光することができる。他の実施形態において、任意置換の各周辺リレンは、当該アクセプター、当該任意置換のリレンコアーまたはその両方に、エネルギーを移動できる。
1つの実施形態において、当該ドナーは、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)を介して、当該アクセプターに吸収エネルギーを移動する。当該オリゴマーユニットは、任意置換のドナーリレンコアー及び高いエネルギーの吸収極大を有する、すなわち、当該アクセプターの吸収極大より短い波長の1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを含んで良い。1つの実施形態において、当該ドナーの蛍光発光極大は、当該アクセプターの吸収極大と重なり合う。この実施形態において、周辺及びコアーのドナーリレンは、FRETを介して、当該アクセプターに吸収エネルギーを移動して良い。
FRETプロセスの効率は、ドナーとアクセプターのペアー(またはFRETペアー)に対して数学的に近似されて良い。置換されたペリレンのFRETペアーに対するこの近似は、FRET効率が、ドナーとアクセプターペアー間の距離の6乗に反比例することを与える(図2)。図2に示すように、フェルスター半径の60%により分割されたFRETペアーは、95%のエネルギー移動効率に対応する。その距離を70%に増加しただけで、FRET効率は89%に減少する。しかしながら、この距離を超えれば、FRET効率は急激に低下する。それゆえ、当該光捕集アレイ内での、当該ドナーとアクセプターの空間的な位置は、その全体の効率に影響する。
当該アクセプターのフェルスター半径内に配向されたドナーリレンの数を増やすために、当該ドナーの少なくとも1つは、オリゴマーユニット、例えば、リンカー基を介して1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンに連結される、任意置換のドナーリレンコアーを含むオリゴマーユニットである。
本発明者らは、線形ペリレンアレイの基本レベルモデリング(UFF)を実施した(実施例1)。このモデルは、アクセプターのフェルスター半径内に配置された蛍光染料分子の数を増やすことは、その線形アレイの予測効率を増加させることを明らかにした。このモデルはまた、そのFRET効率が、オリゴマーユニットの追加生成により低下することを明らかにした。このモデルは、オリゴマードナーを含む第1世代アレイと比較した、単量体リレンドナーを含む第1世代アレイの効率増加は、例えば、対応する単量体ドナーを含む第2及び第3世代アレイ間の効率増加より大きいことを示唆する(図4)。第3世代単量体アレイは、第1世代オリゴマーアレイと同じドナー数を含む。さらに、この効率低下は、当該アクセプターのフェルスター半径内のドナー(または蛍光染料分子)の局在化密度の増加が、さらなる効率の増加をもたらすであろうことを示唆する。
さらに、好ましくは、FRETドナーの蛍光発光極大の大部分が、FRETアクセプターの吸収極大の少なくとも1つと重複する、すなわち、重複するほど、FRET効率が上がる。さらに、好ましくはFRETの方が、励起状態にあるドナーが、例えば、一重項から三重項への緩和を受けて熱またはリン光を生み出す場合がある別のエネルギー緩和経路より、より早い時間スケールで起きることである。加えて、FRETペアー(ドナー及びアクセプター)により生み出される蛍光を最大化するためには、そのアクセプターが、光捕集アレイの一部として測定されまたは単量体(すなわち、1つ以上のドナーに連結されていない)として測定される吸収光子に比べ、相対的に高い蛍光光子の量子収率を有して良い。吸収極大と発光極大の不十分な重なりは、部分的なFRETをもたらし、通常は、ドナーの蛍光として発光したドナーによるいくらかのエネルギー吸収をもたらし、及びそのような非力なFRETアクセプター及びドナーのペアーを含む光捕集アレイは、大きな再吸収損失を被ることになるであろう。このプロセスは時々、「漏れ」FRETと呼ばれる。さらに、FRET系にたいして光子が「漏れる」ように作用する非-FRETプロセスはまた、最小化されるのが好ましい。ドナー及びまたはアクセプターの吸収/発光の形状を「調整」する能力は、そのFRET効率を向上させることになるドナー発光極大とアクセプター吸収極大の重複を増加させるであろう。有利なことに、上述のように、任意置換リレンの吸収/発光形状は、FRET効率を増加するようにFRETペアーの吸収/発光形状を一致させるために、調整され得る。いくつかの実施形態において、当該エネルギー移動の効率は、少なくとも80%である。1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンからのエネルギー移動の効率は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%または99.98%である。さらに、一任意置換のドナーリレンコアーからのエネルギー移動の効率は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%または99.98%である。好ましくは、当該オリゴマーユニットから当該アクセプターへの総エネルギー移動の効率は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%または99.98%である。この効率は、当該アレイに吸収された光子の総数に対する当該アクセプターにより生み出された光子の総数を測定する「アクセプター量子効率」(AQE)として説明されて良い。AQEは、「漏れている」ドナー発色団及びそのアクセプターにより直接生み出される蛍光の両方を、当該アレイにより吸収される光子数に対して相対的に数える、分子の総量子効率または「量子効率」(QE)とは区別される。これらはまた、光源(通常は太陽)から当該光捕集アレイの溶液または分散液に、溶液または固相媒体中に存在する光子の総数に対して相対的な総アクセプター蛍光の測定値である「外部量子効率」(EQE)とは区別される。吸収極大/発光極大の不十分な重複がある「漏れ」アレイにおいては、たとえQEが高くとも、AQEは低いであろう。調整された系においては、アクセプターへのより完全な吸収エネルギーの移動があり、相対的により高いAQEを導くであろう。多数のドナーのタイプを有し、光源の産出スペクトルに良好に重複している総吸収スペクトルを有する調整された系においては、そのEQEは、高いであろう。
当該FRETアクセプターが蛍光染料分子の場合、FRETを介したその蛍光発光は通常、直接、光を吸収した後にそのアクセプターが普通に発光する波長と同じであり、及びそのFRETドナーにおける吸収極大に比べて、一般により低いエネルギーである。その結果、その放射光は、そのドナーの吸収帯から効果的に「分離され」ている。光捕集アレイに対して、上述のように、ドナーにより吸収された光子とアクセプターにより発光された光子の波長の違いは、通常単量体タイプの系により達成できるものより大きい。有利なことに、吸収と蛍光の分離は、相対的に再吸収損失の減少及び光捕集効率の増加をもたらすであろう。
アクセプター
当該アクセプターは、1つ以上のドナーからエネルギーを受け入れることができる。このエネルギー移動は、例えば、FRET、三重項-三重項消滅を介したアップコンバージョン、及びデクスター電荷移動などの電荷移動を含む、任意の適切なプロセスにより行われて良い。当該アクセプターはまた、発光、電荷移動またはそのエネルギーが利用される任意のその他のメカニズムによる緩和を介して基底状態に戻るであろう移動されたエネルギーを受け取る結果、励起状態を達成できねばならない。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、任意置換のリレン、任意置換のポルフィリン、任意置換のベンゾコロネン及び2つ以上の任意置換のリレンを含むオリゴマーユニットから成る群から選ばれる。
アクセプターのタイプは、当該光捕集アレイにより放射されるエネルギーの形態を決定づけることは理解されよう。例えば、当該アクセプターが、任意置換のポルフィリンの場合、当該光捕集アレイは、例えば、三ヨウ化物などの酸化還元メディエーターを使用した、ポルフィリン内で錯体化した金属の酸化還元サイクル、またはポルフィリン環それ自身の酸化還元サイクルによる電荷の形態で捕集した光エネルギーを放射するであろう。
当該アクセプターが、任意置換のリレンまたは2つ以上の任意置換のリレンを含むオリゴマーユニットである実施形態の場合、当該光捕集アレイは、光子を放射するであろう。これらの光子は、紫外線(UV)、可視光または近赤外(IR)領域の光スペクトル内の波長の光子であろう。
当該任意置換リレンは、任意置換のペリレン、任意置換のテリレン及び任意置換のクオーターリレンから成る群から選ばれて良い。当該リレンモイエティーの光物理学的特徴は、そのサイズ、すなわち構成成分ナフチリンユニットの数により変動する。例えば、相応して官能化されたテリレン及びペリレンに対しては、テリレンは一般的に、ペリレンの吸収極大より低いエネルギーの吸収極大(長い波長)を有する。FRETを促進するためには、選択されたアクセプターのリレンは、1つ以上のドナーの蛍光発光極大と少なくとも部分的に重複する吸収極大を有する必要があることは理解されよう。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、約550nmから約800nmの、好ましくは約550nmから約700nmの、約575nmから約675nmの、または約700nmから約800nmの波長の光子を放射する。
他の実施形態において、当該アクセプターは、UVスペクトル領域の波長の光子を放射する。いくつかの実施形態において、当該アクセプターは、約450nm未満の波長の光子を放射する。このような実施形態は、当該放射光が、可視光領域内ではないため、好都合である。
他の実施形態において、当該アクセプターは、近赤外(NIR)スペクトル領域の波長の光子を放射する。いくつかの実施形態において、当該アクセプターは、約700nmを超えて大きい、好ましくは約700nmから約1200nmの、さらに好ましくは約750nmから約850nmの、または約850nmから約1200nmの波長の光子を放射する。このような実施形態は、当該放射光が、可視光領域内ではないため、好都合である。好ましくは、例えば、Si、Ga、InまたはPなどの太陽電池に使用される材料のエネルギー帯のギャップに一致する波長の光子を放射する。
有利なことに、可視光領域外に光を放射する光捕集アレイの実施形態は、溶液中または材料、例えば、以下に記述する発色材料中に組み込まれると、透明であろう。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、2つ以上の任意置換リレンを含むオリゴマーユニットである。2つ以上の任意置換のリレンの1つだけが、アクセプターリレンであれば良く、その他の任意置換リレンは、そのアクセプターリレンに対するドナーであって良い。好ましくは、当該オリゴマーユニットは、任意置換のアクセプターリレンコアー及び1つ以上の任意置換の周辺リレンを含む。各任意置換の周辺リレンは、任意置換のドナーペリレンであって良い。当該任意置換のアクセプターリレンコアーは、任意置換のアクセプターペリレンであって良い。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、任意置換のペリレンまたは2つ以上の任意置換のペリレンを含むオリゴマーユニットである。上述のように、ペリレンは光安定性があり、高量子収率を有し及び多様な吸収及び発光形状を可能にする。そのうえ、ペリレンは、その他のリレンと比較して大気安定及び熱安定に優れ、このことは、ペリレン含有材料及びデバイスの寿命及び堅牢性と共に、その調合しやすさ及び使いやすさに貢献している。例えば、ペリレンは、大気安定であり及び200℃を超える温度で熱安定である。この任意置換のアクセプターペリレンは、その吸収極大をより低いエネルギーにシフトする1つ以上のベイ位置換基を含んで良い。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、任意置換のテリレンである。任意置換のテリレンは、置換基に応じて、約650nmから約750nmの波長の光を有利に放射する。そのうえ、ペリレンに対して相対的に大きな分子サイズのテリレンは、フェルスター半径内により多数のドナーを連結する高い潜在性を与え、したがって光捕集効率を増加させる。
ドナー
当該光捕集アレイは、1つ以上のドナーに連結されたアクセプターを含む。当該ドナーは、光エネルギーを吸収でき及び少なくとも当該アクセプターにそのエネルギーの一部を与える任意のモイエティーまたは分子である。適切なドナーは、任意置換リレン(任意置換ペリレンなど)、任意置換ナフチリン(任意置換ナフチリンイミドなど)、任意置換テトラピロール(任意置換ポルフィリン、任意置換ポルフィラジン及び任意置換フタリシアニンなど)、任意置換ベンゾピロン(任意置換クマリンなど)、任意置換キサンテン誘導体(任意置換フルオレセン及び任意置換ローダミンなど)、任意置換シアニン誘導体(任意置換シアニン、任意置換インドカルボシアニンなど)、任意置換オキサジアゾール誘導体(任意置換ピリジルオキサジアゾール、任意置換ニトロベンゾオキサジアゾール及び任意置換ベンゾオキサジアゾールなど)、任意置換ピレン及びそれらの誘導体、任意置換オキサジン誘導体(ナイルレッド、ナイルブルー及びクレシルバイオレットなど)、任意置換アクリジン誘導体(任意置換プロフラビン、任意置換アクリジンオレンジ及び任意置換アクリジンイエローなど)、任意置換芳香族炭化水素(任意置換テルフェニル及び任意置換クオーターフェニルなど)、任意置換チオフェン及び任意置換ポリチオフェン(任意置換ベンゾチオフェン及び任意置換ジベンゾチオフェンなど)、またはそれらの組み合わせを含む。好ましくは、当該ドナーは、FRETを介して、当該アクセプターに吸収した光エネルギーを移動する。このFRET移動は、直接的に行われるか、または最初に中間アクセプターとして作用し得る(今度は、上述のアクセプターにドナーとして作用する)より低いエネルギー吸収帯を有する他のドナーとの第1のFRETが行われるかのどちらかで良い。そのような中間アクセプターは次いで、その最終アクセプターに対してFRETドナーとして作用する。任意のドナーは、そのフェルスター半径内の別のドナーより低いエネルギーの吸収帯を保有する限り、中間アクセプターとして作用する。
当該光捕集アレイのドナーの少なくとも1つは、オリゴマーユニットである。例えば、任意置換のリレンコアー及び1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。換言すれば、任意置換の中間アクセプターリレン及び少なくとも1つの任意置換ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。好ましくは、当該任意置換ドナーリレンは、当該任意置換の中間アクセプターリレン、当該アクセプター、またはその両方に、吸収エネルギーを移動できる。上述のように、当該オリゴマーユニットは、当該アクセプターのフェルスター半径内のドナーリレンの密度を増加させ、そのFRET効率を増加させる。当該アクセプターのフェルスター半径内の、当該アレイにおける任意置換の中間アクセプターリレンを含むことにより、1つ以上の任意置換のドナーリレンンにより吸収されるエネルギーは、より大きなFRET効率を伴って当該アクセプターに移動されるであろう。そのうえ、当該任意置換のコアー及び周辺のドナーリレンは、異なる吸収形状を有するので、より広い幅の光のスペクトル帯が集積され及びそのためより大きなエネルギー量が捕集され及び当該アクセプターへ移動されることが可能になる。
上述のように、リレンの光物理的特徴は、ドナーとしてのそれらの利用を可能にする。異なるドナーリレンの選択、すなわち、異なるサイズ及び/または任意置換のリレンからの選択は、多様な吸収形状を有するドナー及び/またはアクセプターの光捕集アレイへの取り込みのための手がかりを提供するであろう。多様な吸収形状のリレンを選択できることは、当該アレイの「調整」を可能にする。例えば、任意置換のドナーリレンコアーは、蛍光発光極大がそのアクセプターの吸収極大と重複するように選択されるであろうし、及び周辺ドナーリレンは、蛍光発光極大がそのコアードナーペリレンの吸収極大と重複するように選択されるであろう。この例において、当該周辺ドナーリレンの吸収極大は、当該コアードナーリレンの吸収極大に比べてより高いエネルギーであろうし、同様に当該アクセプターの吸収極大に比べてより高いエネルギーである。この方法においては、その周辺ドナーリレン、コアードナーリレン及びアクセプターの各々により、光が異なるスペクトル領域に吸収されるので、当該オリゴマーユニットにより捕集されたスペクトル帯の幅は増加するであろう。そのうえ、吸収からの蛍光発光の波長の分離は、再吸収損失を減らすであろう。
当該リレンコアー周囲の置換は、そのリレンの吸収及び発光形状に影響する。置換基は、立体的または電子的効果を通してその吸収及び発光形状に影響を与えるであろう。例えば、理論により限定されることを望まないが、リレンコアーのベイ位での立体的にかさ高い置換基による置換は、そのリレンコアーにねじれを生じさせ、その軌道のエネルギーレベルに変化をもたらし及びそれゆえに光子の吸収及び発光にとって可能な遷移に変化をもたらす。さらに、及びまた理論により限定されることを望まないが、リレンコアーの末端位の置換、例えばイミド末端基は、任意置換のリレンに対応する吸収及び発光形状に影響を与えるであろう。例えば、ペリレンジイミド(すなわち、4つのリレンの全ての末端位が環式イミド基で置換されたペリレン)に対応する吸収及び発光形状は、ペリレンテトラエチルエステル(すなわち、各々のリレン末端位がエチルエステル基で置換されたペリレン)に対応する吸収及び発光形状と異なる。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、そのベイ位を4つの置換基で任意置換されたアクセプターリレンを含み、その任意置換のドナーリレンコアーは、そのベイ位に2つの置換基を含み、及び各任意置換の周辺ドナーリレンは、ベイ位における置換基を含まない。好ましくは、その任意置換のアクセプターリレン、任意置換のドナーリレンコアー及び任意置換の周辺ドナーリレンは、任意置換のペリレンである。好ましくは、当該ベイ位置換基は、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換アリールチオ、任意置換C1-6アルキル、任意置換C2-6アルケニル、任意置換C2-6アルキニル、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換アリール、任意置換C1-6アルコキシ、任意置換C2-6アルケニロキシ、任意置換C2-6アルキニロキシ、任意置換C3-8シクロアルキロキシ、任意置換C1-6アルキルアミノ、任意置換C2-6アルケニルアミノ、任意置換C2-6アルキニルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C1-6アルキルチオール、任意置換C2-6アルケニルチオール、任意置換C2-6アルキニルチオール、任意置換C3-8シクロアルキルチオール、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ及び任意置換アミドヘテロシクリルオキシから成る群から選ばれる。1つの実施形態において、当該ベイ位置換基は、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシ、任意置換C2-6アルケニロキシ、任意置換C2-6アルキニロキシ及び任意置換C3-8シクロアルキルオキシから成る群から選ばれる。他の実施形態において、当該ベイ位置換基は、任意置換C1-6アルキル、任意置換C2-6アルケニル、任意置換C2-6アルキニル、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロアリールオキシ、任意置換アミノヘテロアリールオキシ、任意置換カルボキシルヘテロアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロアリールオキシ及び任意置換アミドヘテロアリールオキシから成る群基から選ばれる。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、4つ全ての末端位での(好ましくは近隣のリレンの末端位、例えばペリレンコアーの第3及び4位にまたがる2つの任意置換環式イミドでの)イミド置換を有する任意置換アクセプターリレンを含み、及び当該オリゴマーユニットは、4つ全ての末端位での(好ましくは近隣のリレンの末端位にまたがる1つの任意置換環式イミドでの)イミド置換をまた含む任意置換ドナーリレンコアー、及び1セットの末端位のイミド置換(好ましくは任意置換環式イミド)及びその他の2つの末端位でのジエステル置換を含む各任意置換周辺ドナーリレンを含む。他の実施形態において、当該アクセプターは、4つ全ての末端位での(好ましくは隣接する末端位にまたがる任意置換環式イミドでの)イミド置換を有する任意置換アクセプターリレンを含み、及び当該オリゴマーユニットは、1対の末端位のイミド置換(好ましくは任意置換環式イミド)及びその他の2つの末端位でのジエステル置換を含む任意置換周辺ドナーリレンコアー、及び1セットの末端位のイミド置換(好ましくは任意置換環式イミド)及びその他の2つの末端位でのジエステル置換を含む各任意置換周辺ドナーリレンを含む。好ましくは、当該任意置換アクセプターリレン、任意置換ドナーリレンコアー及び任意置換周辺ドナーリレンは、任意置換ペリレンである。好ましくは、当該末端位の置換基は、任意置換エステル、任意置換アミド、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換イミド、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換ケトン、ハロ、オキソ、任意置換C1-20アルコキシ、及び任意置換スルホンアミドから成る群から選ばれ、または2つの近隣リレンの末端基(例えば、ペリレンコアーの第3及び4位)は、任意置換環式イミド、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル、任意置換C3-8シクロアルキルまたは環式無水物を共に形成して良い。
1つの実施形態において、当該光捕集アレイは、2つ以上のドナーを含み、ここでそのドナーの少なくとも2つは、オリゴマーユニットである。他の実施形態において、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のドナーは、各々、例えば任意置換リレンコアー及び少なくとも1つの任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。
他の実施形態において、各オリゴマーユニットは、リンカー基を介して2つ以上の任意置換周辺ドナーリレンに連結された、任意置換ドナーリレンコアーを含む。周辺リレンの数が多いほど、そのアクセプター周囲の周辺リレンの密度は高まる。そのため、当該オリゴマーユニット内に、3、4、5、6及びそれ以上の周辺ドナーリレンを与えることは有利である。リレンの相対的に高い光退色の閾値のため、多数の任意置換周辺ドナーリレンは、単一FRETパートナー、例えば、任意置換リレンコアーまたは任意置換リレンアクセプターに、重大な光退色なしに、エネルギーを移動できる。そのため、いくつかの実施形態において、各オリゴマーユニットに含まれる周辺ドナーリレンの最大数は、立体的な制約のみによって制限される。
少なくとも1つのオリゴマーユニットの当該光捕集アレイへの含有は、単量体ドナーのみを含む相応するアレイと比較して、当該アクセプター周辺のドナーの局在密度を増加させる。アクセプター及び任意置換ドナーリレンコアー及び任意置換周辺ドナーリレンを含む1つのオリゴマーユニットを含む光捕集アレイの場合、そのアクセプターに対する任意置換ドナーリレンの比率が2対1である、ことは理解されよう。その他の実施形態において、当該アクセプターに対する任意置換ドナーリレンの比率は、3対1、4対1、5対1、6対1、7対1、8対1、9対1、10対1、11対1、12対1、13対1、14対1、15対1、16対1、17対1、18対1、19対1、20対1、21対1、22対1、23対1、24対1、25対1、26対1、27対1、28対1、29対1、30対1、またはより高い比率であって良い。
本明細書で使用する用語「コアー」及び「周辺」は、当該オリゴマーユニットに対して及び互いに相対的な関係である。すなわち、当該任意置換ドナーリレンコアー及び当該任意置換周辺ドナーリレンは、当該オリゴマーユニット内に含まれており、当該コアーのドナーリレンは、空間的に当該オリゴマーユニットの中央になくても良い。例えば、1つの任意置換ドナーリレンコアー及び1つの任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットの場合、その任意置換ドナーリレンコアーは、そのオリゴマーユニットの中央に位置しないであろう。しかしながら、1つを超えた任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットの場合、それらの全てが、当該任意置換ドナーリレンコアーに連結されている。当該任意置換ドナーリレンコアー及び各任意置換周辺ドナーリレンの吸収及び発光形状は、同一ではないことを理解されよう。したがって、当該オリゴマーユニットは通常、そのオリゴマーユニットから分離され、紫外可視分光法で測定された場合、異なる吸収及び発光形状を持つ2つ以上の任意置換リレンを含む。好ましくは、2つ以上のリレンの少なくとも1つリレンの発光帯は、2つ以上のリレン別のリレンの吸収帯と重複する。いくつかの実施形態において、各オリゴマーユニットには、1つを超えたタイプの任意置換周辺ドナーリレンがあるであろう。その他のドナーペリレンを含む、その他のドナーも、任意置換ドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンに加えて、一オリゴマーユニットに組み込まれて良いことは理解されよう。
当該任意置換ドナーリレンコアーまたは当該任意置換周辺ドナーリレンのどちらかは、当該アクセプターに連結されて良い。その結果、1つの実施形態において、当該任意置換リレンコアーは、当該アクセプターに連結される。他の実施形態において、任意置換周辺ドナーリレンは、当該アクセプターに連結される。当該アレイが、2つ以上のオリゴマーユニットを含む実施形態において、当該任意置換周辺ドナーリレンコアーは、当該オリゴマーユニットの1つに対応したアクセプターに連結されて良く、ここで別のオリゴマーユニットの任意置換周辺ドナーリレンは、そのアクセプターに連結されて良い。
1つの実施形態において、当該任意置換リレンドナーコアーの全ての双極子は、FRETが可能になる当該アクセプターへの角度で、空間的に配向される。好ましくは、当該任意置換周辺ドナーリレンの全ての双極子は、より低いエネルギー吸収のその他のドナーの少なくとも1つに、またはFRETが可能になるアクセプターに、配向される。他の実施形態において、直交する任意置換ドナーリレンコアーは、双極子の同一平面配置を必要としないアクセプターに、通常は非常に短い発色距離、例えば2nm未満の距離で、FRETが起きるのを可能にする、四重極カップリングなどのカップリングを示す。
当該任意置換ドナーリレンは、任意置換のペリレンであって良い。上述のように、ペリレンは、高い量子収率を有し、光安定性に優れ及び吸収と発光の広い領域を有する。1つの実施形態において、当該任意置換ドナーリレンコアーは、任意置換のドナーペリレンコアーである。他の実施形態において、各任意置換周辺ドナーリレンは、任意置換の周辺ドナーペリレンである。
リンカー
リンカー基は、連結された化学種、例えば、当該オリゴマーユニットのアクセプター及びドナーまたは周辺ペリレンドナー及びペリレンコアーの間を拡張する連結モエイエティーである。化学種間の連結は、例えば、共有結合、静電気結合、水素結合、金属-金属、金属-配位子などの任意のタイプの化学結合であって良い。好ましくは、当該化学種は、共有結合により連結される。
例えば、式IBからIH、X、X′、XI及びXIIの化合物及び式IIAからTのオリゴマーユニットにおいて、そのリンカー基は、発色団と他の化学種、例えば、水素原子(H)を連結するであろう。
当該任意置換のドナーリレンコアーは、リンカー基を介して、1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンに連結される。当該リレンコアーは、当該リレンの発色部分、または「発色団」として作用する共役系、光の吸収、発光、FRETまたは当該リレンの物理特性に影響し得るが、実際の光の吸収には関与しない、例えば、エステルアルキル鎖、イミドアルキル鎖及びフェノキシ基などの置換基から識別されるその他のエネルギー移動を受ける共役系を含む。このリンカー基は、2つの発色団を共に連結し、及び、双極子の配向が、FRET効率の重要要因である場合、好ましくはエネルギー移動が可能になるように発色団を配向する。このリンカー基は、当該任意置換ドナーリレンコアーの発色団のπ電子共役系及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンの発色団のπ電子共役系の間に伸張している。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、リンカー基を介して、各ドナーに連結され、そのリンカー基は、当該任意置換のドナーリレンコアーと1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを連結するリンカー基と同じでも異なっていても良い。他の実施形態において、当該オリゴマーユニットは、当該任意置換のドナーリレンコアーを任意置換の周辺ドナーリレンに連結するリンカー基を介して、当該アクセプターに連結される。
当該リンカー基は、任意の位置で任意置換リレンに結合されて良い。好ましくは、当該リンカーは、ベイ位、イミド位または第3または第4位または当該任意置換リレンと同じ位置(例えば、ペリレンの第9及び第10位またはテリレンの第11及び第12位)から伸張する。
当該リンカー基は、その結合されたサブユニットが、近接近で、例えば、それぞれのフェルスター半径内に、保持され配向されることを確実にする。言い換えれば、当該アクセプターを少なくとも1つのドナーに連結している当該リンカー基は、そのアクセプター及びその少なくとも1つのドナーを、そのFRETペアーのフェルスター半径内に配向させる。同様に、当該任意置換ドナーリレンコアー及び当該少なくとも1つの任意置換周辺ドナーリレンの間のリンカー基は、そのドナーリレンを、そのFRETペアーのフェルスター半径内に配置向させる。そのため、当該リンカー基の長さは、共に結合されているFRETペアーのフェルスター半径に一致するように選定されねばならない。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、約0.5ナノメートルから約10ナノメートル、好ましくは、約2ナノメートルから約5ナノメートル、最も好ましくは約0.5ナノメートルから約2ナノメートルの距離で、当該FRETペアーを隔てる。
本明細書で使用される場合、当該FRETペアーを隔てる距離は、当該FRETペアー間の正味の空間距離である。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、1から20原子の、好ましくは、3から15原子の、最も好ましくは5から12原子の鎖長を有する。他の実施形態において、当該リンカー基は、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1原子までの鎖長を有する。
本明細書で使用する用語「鎖長」は、当該FRETペアーが、そのFRETペアー間の最小経路に従って結合された原子間の(及びその原子を含む)配列における原子数である。例えば、ペリレンモイエティーのベイ位から4パラエチルフェノキシモイエティーを介して、ペリレンジイミドモイエティーのイミド位に連結されたペリレンモイエティーは、7原子の鎖長、すなわち、オキシ基のOに対応した1原子、フェニル環に対応した4原子、及びパラエチルモイエティーに対応した2原子の鎖長を有するであろう。当該ペリレンジイミドのイミドモイエティーのN及びカルボニル炭素に対応した2原子は、そのペリレンジイミドモイエティーの発色団に含まれ及びそのためそのリンカー基の一部ではない。他の例において、3メタエチルフェノキシモイエティーを介して連結された同じ2つのペリレンモイエティーは、6原子の鎖長を有するであろう。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、任意置換のC1-20アルキル基であり、オキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、チオ、スルホキシ、スルホニル、スルフィニル、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル(例えば、任意置換トリアゾリル)、C2アルケニル、C2アルキニル及びC3-8シクロアルキルから選ばれる1つ以上の基により割り込まれて良い。1つの実施形態において、当該任意置換のC1-20アルキル基は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のそれらの基により、好ましくは0から3の基により割り込まれて良い。
そのうえ、上述のように、任意置換リレンの置換は、当該リレンモイエティーの物理的特徴に影響する。その結果、当該リンカー基は2官能性であって良く、つまり、それはFRETペアーを共にそれらのフェルスター半径内に連結して良く及び効率的なFRETを促進するために、そのFRETペアーのどちらかまたは両方の物理的特徴を中庸化する。いくつかの実施形態において、当該リンカー基は、結合された任意置換リレンの吸収形状を調整する。当該リンカー基は、当該連結された任意置換リレンのベイ位に共有結合されて良い。好ましくは、当該リンカー基は、オキシモイエティーの酸素原子を介して、当該連結された任意置換リレンのベイ位に連結されたアリールオキシまたはヘテロアリールオキシモイエティーを含む。例えば、当該リンカーは、パラC1-6アルキルアリールオキシモイエティーを含んで良く、そのモイエティーは、例えば、「オキシ」末端でコアードナーリレンのベイ位に共有結合されていて良く、及び「アルキル」末端で、任意置換周辺ドナーリレンのイミド位に共有結合されている。当該ベイ位置換されたコアードナーリレンは一般に、赤にシフトした吸収形状を示し、その吸収極大が、相応するベイ位置換なしの等価のリレンに対して、相対的により低いエネルギーにシフトされたことを示す。有利なことに、このベイ位置換された任意置換ドナーリレンコアーの吸収極大の赤シフトは、その周辺リレンの蛍光発光極大との重複をもたらす。いくつかの実施形態において、当該連結された任意置換のリレンは、任意置換のペリレンである。
当該リンカー基は、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C3-8シクロアルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換エステル、任意置換C1-20アルキルエステル、任意置換C2-20アルケニルエステル、任意置換C2-20アルキニルエステル、任意置換C3-8シクロアルキルエステル、任意置換アリールエステル、任意置換ヘテロシクリルエステル、任意置換アミノ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換アミド、任意置換C1-20アルキルアミド、任意置換C2-20アルケニルアミド、任意置換C2-20アルキニルアミド、任意置換C3-8シクロアルキルアミド、任意置換アリールアミド、任意置換ヘテロシクリルアミド、任意置換ケトン、任意置換C1-20アルキルケトン、任意置換C2-20アルケニルケトン、任意置換C2-20アルキニルケトン、任意置換C3-8シクロアルキルケトン、任意置換アリールケトン、任意置換ヘテロシクリルケトン、任意置換チオ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換アリールチオ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換C1-20アルキルスルフィニル、任意置換C2-20アルケニスルフィニル、任意置換C2-20アルキニスルフィニル、任意置換C3-8シクロアルキルスルフィニル、任意置換アリールスルフィニル、任意置換ヘテロシクリルスルフィニル、任意置換C1-20アルキルスルホニル、任意置換C2-20アルケニルスルホニル、任意置換C2-20アルキニルスルホニル、任意置換C3-8シクロアルキルスルホニル、任意置換アリールスルホニル、任意置換ヘテロシクリルスルホニル、任意置換C1-20アルキルスルホン酸塩、任意置換C2-20アルケニルスルホン酸塩、任意置換C2-20アルキニルスルホン酸塩、任意置換C3-8シクロアルキルスルホン酸塩、任意置換アリールスルホン酸塩、任意置換ヘテロシクリルスルホン酸塩、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ及び任意置換アミドヘテロシクリルオキシから成る群から選ばれて良い。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、任意置換リレンのベイ位に結合されて良い。このリンカー基は、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ及び任意置換アミドヘテロシクリルオキシから成る群から選ばれて良い。
他の実施形態において、当該リンカー基は、任意置換リレンのイミド位に結合されて良い。このリンカー基は、任意置換エステル、任意置換C1-20アルキルエステル、任意置換C2-20アルケニルエステル、任意置換C2-20アルキニルエステル、任意置換C3-8シクロアルキルエステル、任意置換アリールエステル、任意置換ヘテロシクリルエステル、任意置換アミド、任意置換C1-20アルキルアミド、任意置換C2-20アルケニルアミド、任意置換C2-20アルキニルアミド、任意置換アリールアミド、任意置換ヘテロシクリルアミド、任意置換アミノ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換ヘテロシクリル、任意置換C1-20アルキルヘテロシクリル、任意置換C2-20アルケニルヘテロシクリル及び任意置換C2-20アルキニルヘテロシクリルから成る群から選ばれて良い。
当該リンカー基が、任意置換モイエティーの場合、例えば任意置換ヘテロシクリルの場合、当該リンカー基は、そのモイエティー、例えばヘテロシクリルに直接、または、任意置換基が存在する場合には1つ以上の任意置換基を介して、結合されて良い。さらに、当該リンカー基が、ベイ位とイミド位の間に2つ以上の任意置換リレンを連結する場合、当該リンカー基は、上述で定められた1つ以上の好ましいリンカー基を含んで良い。
1つ以上のドナーにアクセプターを連結する当該リンカー基は、上述のリンカー基のいずれかであって良い。1つの実施形態において、1つ以上のドナーにアクセプターを連結する当該リンカー基は、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ、任意置換アミドヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換エステル、任意置換C1-20アルキルエステル、任意置換C2-20アルケニルエステル、任意置換C2-20アルキニルエステル、任意置換C3-8シクロアルキルエステル、任意置換アリールエステル、任意置換ヘテロシクリルエステル、任意置換アミド、任意置換C1-20アルキルアミド、任意置換C2-20アルケニルミド、任意置換C2-20アルキニルアミド、任意置換アリールアミド、任意置換ヘテロシクリルアミド、任意置換アミノ、任意置換C1-20アルキルヘテロシクリル、任意置換C2-20アルケニルヘテロシクリル及び任意置換C2-20アルキニルヘテロシクリルから成る群から選ばれて良い。
当該任意置換ドナーリレンコアー及び当該任意置換周辺ドナーリレンを連結する当該リンカー基は、上述のリンカー基のいずれかであって良い。1つの実施形態において、当該任意置換ドナーリレンコアー及び当該任意置換周辺ドナーリレンを連結する当該リンカー基は、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ、任意置換アミドヘテロシクリルオキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換エステル、任意置換C1-20アルキルエステル、任意置換C2-20アルケニルエステル、任意置換C2-20アルキニルエステル、任意置換C3-8シクロアルキルエステル、任意置換アリールエステル、任意置換ヘテロシクリルエステル、任意置換アミド、任意置換C1-20アルキルアミド、任意置換C2-20アルケニルアミド、任意置換C2-20アルキニルアミド、任意置換アリールアミド、任意置換ヘテロシクリルアミド、任意置換アミノ、任意置換C1-20アルキルヘテロシクリル、任意置換C2-20アルケニルヘテロシクリル及び任意置換C2-20アルキニルヘテロシクリルから成る群から選ばれて良い。好ましくは、これらリンカー基のオキシ、チオまたはアミノモイエティーが、当該任意置換ドナーリレンコアーのベイ位に結合される。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、任意置換のチラミンリンカー基である。当該任意置換のチラミンリンカー基は、以下の構造を有し、
ここで、
R
1及びR
2は、任意置換ドナーリレンコアー、任意置換周辺ドナーリレンまたはR
4から成る群から独立して選ばれ、または
R
1及びR
2は、それらが結合している窒素原子と共に、当該任意置換ドナーリレンコアーまたは当該任意置換周辺ドナーリレンを形成し、
R
3は、任意置換ドナーリレンコアーまたは任意置換周辺ドナーリレンから選ばれ、
R
4は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル及び任意置換ヘテロシクリルから成る群から選ばれ、
ここで、R
1及びR
2の少なくとも1つは、任意置換のドナーリレンコアーまたは任意置換の周辺ドナーリレンであり、またはR
1及びR
2は、それらが結合している窒素原子と共に、当該任意置換周辺ドナーリレンを形成し、及び
R
3が当該任意置換のドナーリレンコアーである場合、R
1及びR
2の少なくとも1つは、当該任意置換周辺ドナーリレンであり、及び
R
3が当該任意置換の周辺ドナーリレンである場合、R
1及びR
2の少なくとも1つは、当該任意置換のドナーリレンコアーであり、またはR
1及びR
2は、それらが結合している窒素原子と共に、当該任意置換ドナーリレンコアーを形成する。好ましくは、R
3は、当該任意置換のドナーリレンコアーである。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、任意置換アリールを含む。好ましくは、当該任意置換アリールは、任意置換の6から10員環の炭素環芳香族の単環式または双環式環系である。より好ましくは、当該任意置換アリールは、任意置換の6または10員環の、フェニルまたはナフチルなどの、炭素環式芳香族環系であり、最も好ましくは、当該任意置換アリールは、任意置換の6員環の、フェニルなどの、炭素環式芳香族環系である。
1つの実施形態において、当該リンカー基は、任意置換のヘテロシクリルを含む。通常は、当該任意置換のヘテロシクリルは、芳香族または非芳香族の、3から10員環の、1,2,3または4原子が、環ヘテロ原子であり、各環ヘテロ原子が、独立してO、S及びNから選ばれる単環式または双環式環系である。1つの実施形態において、当該任意置換のヘテロシクリルは、芳香族または非芳香族の、5または6員環の、1,2,3原子が、環ヘテロ原子であり、各環ヘテロ原子が、独立してO、S及びN、好ましくはNから選ばれる単環式環系である。他の実施形態において、当該任意置換のヘテロシクリルは、芳香族の、5または6員環の、1,2,3原子が、環ヘテロ原子であり、各環ヘテロ原子が、独立してO、S及びN、好ましくはNから選ばれる単環式環系である。さらに他の実施形態において、当該任意置換のヘテロシクリルは、芳香族の、5または6員環の、1,2,3原子が、環ヘテロ原子であり、各環ヘテロ原子が、Nである、例えば任意置換のトリアゾールである単環式環系である。
アレイの実施形態
1つの実施形態において、当該光捕集アレイは、上述の式Iの化合物である。
Aは、上述のアクセプターから選ばれて良い。
いくつかの実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10から成る群から選ばれる整数である。好ましくは、nは、2、4、6、及び8から成る群から選ばれ、最も好ましくは4または8から選ばれる。
Dは、上述のオリゴマーユニットから選ばれて良い。
Lは、上述のリンカー基から選ばれて良い。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IAの化合物であり、
ここで、
Aは、アクセプターであり、
nは、1から10の整数であり、
L
1は、不在またはリンカー基であり、
L
2は、不在またはリンカー基であり、
D
1は、任意置換のドナーリレンコアーであり、
D
2は、任意置換の周辺ドナーリレンであり、及び
mは、1から10の整数である。
Aは、上述のアクセプターから選ばれて良い。
いくつかの実施形態において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10から成る群から選ばれる整数である。好ましくは、nは、2、4、6、及び8から成る群から選ばれ、最も好ましくは4または8から選ばれる。
D1及びD2は、上述の任意置換のドナーリレンから独立して選ばれて良い。
1つの実施形態において、D1及びD2は、独立して任意置換のドナーペリレンである。他の実施形態において、D1及びD2は、両方とも任意置換のドナーペリレンである。
1つの実施形態において、D1は、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシ、任意置換アリールチオール、任意置換ヘテロアリールチオール、任意置換アリールアミノ及び任意置換ヘテロアリールアミノから選ばれる、1つ以上のベイ位置換基を含む任意置換のドナーペリレンである。他の実施形態において、D1は、任意置換のドナーペリレンジイミド、すなわち、ペリレンの第3、4位及び第9、10位における2つのイミド基を含む任意置換のドナーペリレンである。
1つの実施形態において、D2は、任意置換アリール、任意置換C1-6アルキル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C1-6アルケニル及び任意置換C2-6アルキニルから選ばれる、1つ以上のベイ位置換基を含む任意置換のドナーペリレンである。他の実施形態において、D2は、任意置換C1-6アルキルエステル、任意置換C2-6アルケニルエステル、任意置換C1-6アルキニルエステル、任意置換C1-6アルキルアミド、任意置換C2-6アルケニルアキド、任意置換C2-6アルキニルアミド及び任意置換ヘテロシクリルから選ばれる、第3、4、9、及び10位の1つ以上における1つ以上の置換基を含む任意置換のドナーペリレンである。他の実施形態において、D2は、任意置換のドナーペリレンモノイミド、すなわち、ペリレンの第3、4位または第9、10位における単一イミド基を含む任意置換のドナーペリレンである。
L1及びL2は、上述のリンカー基から独立して選ばれて良い。
1つの実施形態において、L1及びL2は、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ、任意置換アミドヘテロシクリルオキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換エステル、任意置換C1-20アルキルエステル、任意置換C2-20アルケニルエステル、任意置換C2-20アルキニルエステル、任意置換C3-8シクロアルキルエステル、任意置換アリールエステル、任意置換ヘテロシクリルエステル、任意置換アミド、任意置換C1-20アルキルアミド、任意置換C2-20アルケニルアミド、任意置換C2-20アルキニルアミド、任意置換アリールアミド、任意置換ヘテロシクリルアミド、任意置換アミノ、任意置換C1-20アルキルヘテロシクリル、任意置換C2-20アルケニルヘテロシクリル及び任意置換C2-20アルキニルヘテロシクリルから成る群から独立して選ばれる。
いくつかの実施形態において、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10から成る群から選ばれる整数である。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IBの化合物であり、
ここで、
L
1、L
2、L
3、L
4、L
5、L
6、L
7及びL
8は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、または
L
1とL
2、L
3とL
4、L
5とL
6、及びL
7とL
8は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成し、及び
D
1、D
2、D
3、D
4、D
5、D
6、D
7及びD
8は、独立して水素またはドナーであり、
ここで、D
1、D
2、D
3、D
4、D
5、D
6、D
7及びD
8の少なくとも1つは、任意置換ドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7及びL8は、上述のリンカー基から独立して選ばれて良い。D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7及びD8の任意の1つが水素である場合、相応するL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7及びL8は、この水素原子をそのペリレン骨格に連結するリンカー基であって良い。
L1とL2、L3とL4、L5とL6、及びL7とL8は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成し、D2、D4、D6及びD8の各々は、独立して水素であって良い。
1つの実施形態において、L1及びL2は、それらが結合しているそのペリレン骨格と共に、任意置換のナフチレンモイエティーを形成し、そのため式IBの化合物のペリレン骨格は、テリレン骨格に拡張される。
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7及びD8は、上述のオリゴマーユニットから独立して選ばれて良い。
1つの実施形態において、当該任意置換のドナーリレンコアーは、任意置換のドナーペリレンである。この任意置換ドナーペリレンコアーは、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ及び任意置換アミドヘテロシクリルオキシから成る群から選ばれる、1つ以上のベイ位置換基を含んで良い。好ましくは、当該任意置換のドナーペリレンコアーは、任意置換アリールオキシ及び任意置換ヘテロアリールオキシから成る群から選ばれる、1つ以上のベイ位置換基を含んで良い。
当該1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンは、任意置換のドナーペリレンであって良い。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式ICの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから各々独立して選ばれ、
L
3、L
4、L
7、L
8、L
9及びL
10は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から選ばれ、または
L
3とL
4及びL
7とL
8は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成して良く、及び
L
9とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成して良く、及び
L
10とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成して良く、及び
D
3、D
4、D
7、D
8、D
9及びD
10は、各々独立して水素またはドナーであり、
ここで、D
3、D
4、D
7、D
8、D
9及びD
10の少なくとも1つは、任意置換のドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。
当該オリゴマーユニットは、上述のようであって良い。
1つの実施形態において、L3とL4、及びL7とL8は、それらが結合しているペリレン骨格と共にアリール環を形成し、そのためそのペリレン骨格は、ベンゾコロネン骨格を形成するように拡張された環になる。
他の実施形態において、L3、L4、L7及びL8は、任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ及び任意置換アミドヘテロシクリルオキシから独立して選ばれる。
1つの実施形態において、D3、D4、D7及びD8は水素であり、及びL3、L4、L7及びL8は不在であるかまたは任意置換C1-20アルコキシ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C1-20アルキル、任意置換C2-20アルケニル、任意置換C2-20アルキニル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換アリール、任意置換アリールオキシ、任意置換アリールチオ、任意置換アリールアミノ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換ヘテロシクリルチオ、任意置換ヘテロシクリルアミノ、任意置換C2-20アルケニルオキシ、任意置換C2-20アルキニルオキシ、任意置換C2-20アルケニルアミノ、任意置換C2-20アルキニルアミノ、任意置換C2-20アルケニルチオ、任意置換C2-20アルキニルチオ、任意置換C1-20アルキルアミノ、任意置換C1-20アルキルチオ、任意置換C3-8シクロアルキル、任意置換C3-8シクロアルキルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルアミノ、任意置換C3-8シクロアルキルチオ、任意置換ニトロアリールオキシ、任意置換アミノアリールオキシ、任意置換カルボキシルアリールオキシ、任意置換C1-6アルコキシアリールオキシ、任意置換アミドアリールオキシ、任意置換ニトロヘテロシクリルオキシ、任意置換アミノヘテロシクリルオキシ、任意置換カルボキシルヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシヘテロシクリルオキシ及び任意置換アミドヘテロシクリルオキシから独立して選ばれる。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IDの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
L
3、L
4、L
7、L
8、L
9及びL
10は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から選ばれ、または
L
3とL
4及びL
7とL
8は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成し、及び
L
9とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
10とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
D
3、D
4、D
7、D
8、D
9及びD
10は、独立して水素またはドナーであり、
ここで、D
3、D
4、D
7、D
8、D
9及びD
10の少なくとも1つは、任意置換のドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。
当該オリゴマーユニットは、上述のようであって良い。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IEの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから各々独立して選ばれ、
L
3、L
4、L
7、L
8、L
9及びL
10は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から選ばれ、または
L
3とL
4及びL
7とL
8は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成しても良く、及び
L
9とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成しても良く、及び
L
10とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成しても良く、及び
D
3、D
4、D
7、D
8、D
9、D
10、D
11及びD
12は、各々独立して水素またはドナーであり、
ここで、D
3、D
4、D
7、D
8、D
9、D
10、D
11及びD
12の少なくとも1つは、任意置換のドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IFの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
L
3、L
4、L
7、L
8、L
9及びL
10は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から選ばれ、または
L
3とL
4及びL
7とL
8は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成し、及び
L
9とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
10とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
D
3、D
4、D
7、D
8、D
9、D
10、D
11及びD
12は、独立して水素またはドナーであり、
ここで、D
3、D
4、D
7、D
8、D
9、D
10、D
11及びD
12の少なくとも1つは、任意置換のドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IGの化合物であり、
ここで、
Aはアクセプターであり、
nは、1から10の、好ましくは1から6の、より好ましくは1または2の整数であり
X
1及びX
2は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
D
40、D
41、D
42、D
43、D
44及びD
45は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
39は、上述のリンカー基であり、
L
40、L
41、L
42、L
43、L
44及びL
45は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から独立して選ばれ、または
L
40とL
41、L
42とL
43及びL
44とL
45は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成し、好ましくはL
44とL
45は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換ヘテロシクリルを形成し、
ここで、D
40、D
41、D
42、D
43、D
44及びD
45の少なくとも1つは、任意置換の周辺ドナーペリレンであり、好ましくはD
40、D
41、D
42、D
43、D
44及びD
45の少なくとも2つは、任意置換の周辺ドナーペリレンである。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式IHの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3、X
4、X
5及びX
6は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、好ましくはX
1、X
2、X
3、X
4、X
5及びX
6は、Oであり、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
D
47、D
48、D
49、D
50、D
51及びD
52は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
d
1、d
2、d
3、d
4及びd
5は、独立して水素またはドナーであり、好ましくは水素またはオリゴマーユニットであり、
L
46は、上述のリンカー基であり、
L
47、L
48、L
49、L
50、L
51、L
52、L
53、L
54、L
55、L
56及びL
57は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から独立して選ばれ、または
L
47とL
48、L
49とL
50、L
51とL
52、L
57とL
53、L
55とL
56は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換C
5-8シクロアルキル、任意置換ヘテロシクリルまたは任意置換アリール基を形成し、好ましくはL
49とL
50は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換ヘテロシクリルを形成し、
ここで、D
47、D
48、D
49、D
50、D
51及びD
52の少なくとも1つは、任意置換の周辺ドナーペリレンであり、好ましくはD
40、D
41、D
42、D
43、D
44及びD
45の少なくとも2つは、任意置換の周辺ドナーペリレンである。
1つの実施形態において、D49及びD50は水素である。この実施形態において、L49及びL50は、上述のリンカーであって良く、好ましくは、オキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、チオ、スルホキシ、スルホニル、スルフィニル、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル(例えば、任意置換トリアゾール)、C2アルケニル、C2アルキニル及びC3-8シクロアルキルから選ばれる1つ以上の基により任意で割り込まれて良い任意置換のC1-20アルキル基である。
1つの実施形態において、d1、d2、d4及びd5は、水素である。この実施形態において、L57、L53、L55及びL56は、上述のリンカーであって良く、好ましくは、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換C3-8シクロアルキルオキシまたは任意置換C1-6アルコキシである。
1つの実施形態において、d3は、本明細書に記述されるオリゴマーユニットである。
したがって、1つの態様において、上述の式(I)の化合物が与えられる。式(I)の化合物は、上述の式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG及びIHの任意の1つの化合物であって良い。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、表1に示される化合物番号I-1、I-2及びI-3の任意の1つから選ばれる。
注記:
*化合物I-1、I-2及びI-3は、位置異性体混合物として単離された-主要な位置異性体を描写する。
1つの態様において、上述の式Xの化合物を与える。
1つの実施形態において、Ry0は、任意置換アクセプターペリレンまたは任意置換ドナーペリレンである。上述のように、リレンの置換基は、そのスペクトル特性を含むリレンの特徴に影響する。したがって、適切な置換基によって、望ましいスペクトル特性を有するリレンが選ばれて良い。
1つの実施形態において、Ry1は、任意置換のペリレンである。
1つの実施形態において、Ry1は、任意置換のアクセプターリレンであり、好ましくは任意置換のアクセプターペリレンである。当該任意置換アクセプターリレンは、アクセプターであり、またはRy1が、任意置換アクセプターリレンである場合、Ry1は、L2及びRy2と共にオリゴマーユニットであるアクセプターである。
1つの実施形態において、Ry1は、任意置換ドナーリレンであり、好ましくは任意置換ドナーペリレンである。
通常は、Ry1は、エネルギーをRy0、Ry2またはその両方に移動できる任意置換リレンである。Ry1が、エネルギーをRy0に移動できる任意置換リレンである場合、好ましくはそれがまた、Ry2からエネルギーを、例えばFRETを介して、受け取ることができる。Ry1が、エネルギーをRy2に移動できる任意置換リレンである場合、好ましくはそれがまた、Ry0からエネルギーを、例えばFRETを介して、受け取ることができる。好ましくは、Ry1は、Ry0へエネルギーを移動でき及びRy2からエネルギーを受け取ることができる任意置換ペリレンである。この置換ペリレンは、1つ以上のベイ位(好ましくは、1、2、3または4ベイ位)にまたは1つ以上の末端位(好ましくは、4つ全ての末端位)において置換基を含む。当該ベイ位置換基は、上述の任意のベイ位置換基であって良い。1つの実施形態において、当該1つ以上のベイ位置換基は、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換C1-6アルコキシ、任意置換C3-8シクロアルコキシ、任意置換C1-6アルケニルオキシ及び任意置換C1-6アルキニルオキシ、好ましくは任意置換アリールオキシから独立して選ばれる。当該末端位の置換基は、上述の任意の末端位置換基であって良い。1つの実施形態において、当該1つ以上の末端位置換基は、任意置換エステル、任意置換イミド、任意置換アルキルエステルから独立して選ばれ、または2つの近隣の末端位、すなわち、ペリレン骨格の第3位と4位及び/または第9位と10位が、任意置換環式イミドを形成する。
1つの実施形態において、Ry2は、任意置換のペリレンである。
1つの実施形態において、Ry2は、任意置換のアクセプターリレン、好ましくは任意置換のアクセプターペリレンである。他の実施形態において、Ry2は、任意置換のドナーリレン、好ましくは任意置換のドナーペリレンである。
1つの実施形態において、L1及びL2は、上述のリンカー基から選ばれる。
1つの実施形態において、qは、1から6の、好ましくは1または2の整数である。
1つの実施形態において、pは、1から10の、好ましくは1から5の、より好ましくは2、3または4の整数である。
1つの実施形態において、式Xの化合物は、式X′の化合物であり、
ここで、
Ry
0、Ry
1、Ry
2、L
1、L
2、q及びpは、上述のように定められる。
1つの実施形態において、式Xの化合物は、式XIの化合物であり、
ここで、
各Rは、任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロシクリルオキシ、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換C
3-8シクロアルコキシ、任意置換C
1-6アルケニルオキシ及び任意置換C
1-6アルキニルオキシ、好ましくは任意置換アリールオキシから独立して選ばれ、及び
各Gは、任意置換C
1-20アルキル、任意置換C
3-8シクロアルキル、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル及び式XI′のモイエティーから独立して選ばれ、
ここで、
E
1、E
2、E
3、E
4、E
5及びE
6は、水素、任意置換エステル、任意置換イミド及び任意置換C
1-20アルキルエステルから独立して選ばれ、または
E
1とE
2、E
3とE
4、またはE
5とE
6は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル、好ましくは任意置換の6員環の環式イミドを形成しても良く、及び
各Lは、独立して本明細書に記述のリンカー基から選ばれ、好ましくは、オキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、チオ、スルホキシ、スルホニル、スルフィニル、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル(例えば、任意置換トリアゾール)、C
2アルケニル、C
2アルキニル及びC
3-8シクロアルキル及びO連結の任意置換アリールオキシのリンカー基から選ばれる、1つ以上の基により任意で割り込まれて良い任意置換C
1-20アルキル基から独立して選ばれ、
ここで、少なくとも1つのGは、式XI′のモイエティーである。
1つの実施形態において、式Xの化合物は、式XIIの化合物であり、
ここで、
各Lは、独立して不在であるかまたは本明細書に記述のリンカー基であり、好ましくは本明細書に記述のリンカー基であり、より好ましくは、オキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、チオ、スルホキシ、スルホニル、スルフィニル、任意置換アリール、任意置換ヘテロシクリル(例えば、任意置換トリアゾール)、C
2アルケニル、C
2アルキニル及びC
3-8シクロアルキル及びO連結の任意置換アリールオキシのリンカー基から選ばれる、1つ以上の基により任意で割り込まれて良い任意置換C
1-20アルキル基から独立して選ばれるリンカー基であり、
Ry
4、Ry
5及びRy
6は、水素または任意置換リレンから独立して選ばれ、
E
1、E
2、E
3及びE
4は、水素、任意置換エステル、任意置換イミド及び任意置換C
1-20アルキルエステルから独立して選ばれ、または
E
1とE
2及びE
3とE
4は、それらが結合しているペリレン骨格と共に、任意置換ヘテロシクリルを形成しても良く、
ここで、Ry
4、Ry
5及びRy
6の少なくとも1つは、任意置換リレンである。
1つの実施形態において、Ry5及びRy6は、互いに任意置換リレンであり、好ましくは同一の任意置換リレンである。1つの実施形態において、Ry5は、水素である。
1つの実施形態において、式Xの化合物は、上述の表1に示される化合物番号I-1、I-2及びI-3の任意の1つ、または以下の表Xに示される化合物X-1からX-4の任意の1つから選ばれる。
注記:
*これらの構造は、位置異性体混合物の好ましい位置異性体を示す。
式X-1からX-4の化合物を含む、式Xの化合物は、式Iの化合物と類似の方法により及び類似の開始物質から作られて良い。
オリゴマーユニット
1つの態様において、当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して2つ以上の任意置換周辺ドナーペリレンに結合された任意置換ペリレンコアーを含む。言い換えると、当該オリゴマーユニットは、リンカー基を介して2つ以上の第2任意置換ドナーペリレンに連結された第1任意置換ペリレンを含む。
このオリゴマーユニットは、当該アクセプター、ドナー、またはその両方として上述の当該光捕集アレイに組み込まれて良い。1つの実施形態において、当該アクセプター及び上述の当該光捕集アレイの1つ以上のドナーは、オリゴマーユニットである。
当該オリゴマーユニットは、すなわち当該任意置換ペリレンコアーまたは当該任意置換の周辺ドナーペリレンの少なくとも1つは、上述の当該アクセプターとまたは他のオリゴマーユニットとカップリングするために官能化されて良い。
1つの実施形態において、当該オリゴマーユニットが、そのアクセプターとして当該光捕集アレイに組み込まれている場合は、当該任意置換ペリレンコアーは、1つ以上のドナーからエネルギーを受け取り及びその受け取ったエネルギーを発光できねばならない。したがって、当該オリゴマーユニットは、ドナー、アクセプターまたはその両方であって良い。
他の実施形態において、当該オリゴマーユニットが、ドナーとして当該光捕集アレイに組み込まれている場合は、当該オリゴマーユニットは、エネルギーを吸収し及び吸収したエネルギーをそのアクセプターに移動できねばならない。この実施形態において、当該任意置換ペリレンコアーまたは1つ以上の当該任意置換周辺ドナーペリレンのいずれかは、例えばFRETを介して、そのアクセプターへエネルギーを直接移動できて良い。1つの実施形態において、当該任意置換ペリレンコアー及び当該任意置換周辺ドナーペリレンの両方は、そのアクセプターへエネルギーを直接移動できる。他の実施形態において、当該任意置換周辺ドナーペリレンは、当該任意置換ペリレンコアーを中継して、そのアクセプターにエネルギーを移動でき、すなわち、当該任意置換周辺ドナーペリレンの蛍光発光極大が、当該任意置換ペリレンコアーの吸収極大と重複し、及びそのアクセプターの吸収極大とは重複しない。
各オリゴマーユニットは、当該光捕集アレイの「構成要素」として使用されることに加えて、光捕集アレイとしても振る舞う。
1つの実施形態において、当該オリゴマーユニットは、ペリレンの3量体または3連構造を形成する2つの任意置換周辺ドナーペリレンに連結された任意置換ペリレンコアーを含む。他の実施形態において、当該オリゴマーユニットは、4量体または4連結構造、5量体または5連結構造、6量体または6連結構造の各々を形成する、3、4または5の周辺ペリレンを含んで良い。さらなる実施形態において、当該オリゴマーユニットは、6、7、8、9、10またはそれ以上の任意置換周辺ペリレンを含んで良い。各任意置換周辺ペリレンは、同じかまたは異なっていて良く、及び好ましくは、そのオリゴマーユニットにおいて、他の任意置換ペリレンへのエネルギー移動を可能にする異なる励起状態エネルギーレベルを持つ任意置換ペリレンを含む。上述のように、2つ以上の当該任意置換周辺ドナーペリレンは、吸収エネルギーを、当該任意置換ペリレンコアーに与えることができて良い。当該任意置換周辺ペリレンは、当該任意置換ペリレンコアーに比べて、より高いかまたは低いエネルギーで、吸収極大を表して良い。1つの実施形態において、当該任意置換周辺ドナーペリレンは、FRETを介して、吸収エネルギーを当該任意置換ペリレンコアーに与える。他の実施形態において、1つ以上の当該周辺ドナーリレンは、FRETを介して、当該任意置換ペリレンコアーからエネルギーを受け取る。
上述の任意のリンカー基は、当該オリゴマーユニットに組み入れるのに適切であろうことは、理解されよう。
一実施形態において、当該オリゴマーユニットは、式IIの化合物であり、
ここで、
D
1Aは、任意置換ペリレンコアーであり、
D
2Aは、任意置換周辺ドナーペリレンであり、
Lは、リンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から選択され、及び
pは、2から10の整数である。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、式IIAの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
D
11、D
12及びD
13は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
11、L
12及びL
13は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から独立して選ばれ、または
L
12とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
14は、水素であるか、またはアクセプターまたはドナーに式IIAの化合物を連結することができる基であり、または
L
14とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成する。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、式IIBの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
D
15、D
16及びD
17は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
15、L
18及びL
17は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から独立して選ばれ、または
L
17とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
16とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
18は、水素であるか、またはアクセプターまたはドナーに式IIBの化合物を連結することができる基である。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、式IICの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
D
19、D
20及びD
22は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
19、L
20及びL
22は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から独立して選ばれ、または
L
20とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
14は、水素であるか、またはアクセプターまたはドナーに式IICの化合物を連結することができる基であり、及び
L
23とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成する。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、式IIDの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
D
24、D
25及びD
26は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
24、L
25及びL
26は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、好ましくは上述のリンカー基から独立して選ばれ、または
L
25とX
3またはX
4は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成し、及び
L
27は、水素であるか、またはアクセプターまたはドナーに式IIAの化合物を連結することができる基であり、及び
L
27とX
1またはX
2は、それらが結合しているヘテロ環骨格と共に、任意置換ヘテロシクリル基を形成する。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、式IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IIK、IIL、IIM、IIN及びIIOの任意の1つの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から、好ましくはOから独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
G
1及びG
2は、O、S、スルフィニル、スルホニル、NR
1及びCR
1R
2から、好ましくはOから独立して選ばれ、
D
28、D
29、D
30及びD
31は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
28、L
29、L
30及びL
31は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、及び
L
32は、水素であるか、またはアクセプターまたはドナーに式IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IIK、IIL、IIM、IIN及びIIOの任意の1つの化合物を連結することができる基である。
1つの実施形態において、式IIの化合物は、式IIP、IIQ、IIR、IIS及びIITの任意の1つの化合物であり、
ここで、
X
1、X
2、X
3及びX
4は、O、S、NR
1及びCR
1R
2から、好ましくはOから独立して選ばれ、
R
1及びR
2は、水素、任意置換C
1-6アルキル、任意置換C
2-6アルケニル、任意置換C
2-6アルキニル、任意置換C
3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、任意置換C
1-6アルコキシ、任意置換アリールオキシ、任意置換C
1-6アルコキシアリール、任意置換C
1-6アルキルハロ、任意置換C
1-6アルコキシハロ、カルボキシル、任意置換エステル、任意置換ケトン、任意置換アミド、任意置換アミノケトン、チオール、任意置換アルキルチオ、任意置換硫酸塩、任意置換スルホン酸塩、任意置換スルフィニル、任意置換スルホニル、置換スルホニル、任意置換アリール、任意置換アリールC
1-6アルキル、及び任意置換ヘテロシクリルから独立して選ばれ、
G
1、G
2、G
3及びG
4は、O、S、スルフィニル、スルホニル、NR
1及びCR
1R
2から、好ましくはOから独立して選ばれ、
D
33、D
34、D
35、D
36及びD
37は、独立して水素または任意置換の周辺ドナーペリレンであり、
L
33、L
34、L
35、L
36及びL
37は、独立して不在であるかまたはリンカー基であり、
L
38は、水素であるか、またはアクセプターまたはドナーに式IIP、IIQ、IIR、IIS及びIITの任意の1つの化合物を連結することができる基である。
上述の式IIAからIITの任意の1つの化合物において、L14、L18、L23、L27、L32及びL38は、アクセプターまたはドナーに化合物を連結することができる基であり、少なくともその基の一部分は、上述のリンカー基の部分を形成して良い。1つの実施形態において、L14、L18、L23、L27、L32及びL38は、アクセプターまたはドナーとのカップリング時にリンカー基の部分を形成しない、ハロ、無水物、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニルなどの脱離基を含み、この実施形態において、L14、L18、L23、L27、L32及びL38以外のものが、当該リンカー基の部分、例えば上述のリンカー基を形成する。他の実施形態において、L14、L18、L23、L27、L32またはL38は、ヒドロキシルまたはチオなどの求核基を含み、上述のリンカー基部分を形成して良い。
他の態様において、上述の2つ以上のオリゴマーユニットを含む光捕集アレイを提供する。
表2に示される以下のII-1からII-20までの化合物は、オリゴマーユニットを代表する例である。
注記:
*位置異性体の混合物として単離された化合物-主要な位置異性体を示す。
定義
本明細書において定義されない限り、以下の用語は、一般的な意味を有すると理解されよう。
用語「リレン」は、それらの「ペリ」位に共に連結された2つ以上のナフチレンから成る、多環芳香族炭化水素分子を指す。本明細書で使用する場合、用語「リレン」は、ペリレン(2ナフチレンユニット)、テリレン(3ナフチレンユニット)、クウォーターリレン(4ナフチレンユニット)、クウィンターリレン(5ナフチレンユニット)などを含む。そのうえ、ペリレンは、リレンモイエティーの最小の例示であり、ナフチレン及び官能化ナフチレンは、本明細書で使用する用語「リレン」の意味の範囲内にはない、ということは理解されよう。
用語「置換リレン」は、1つ以上の水素原子が置換基、例えばC1-6アルキル(例えば、C1-6アルキルペリレン)、アリールオキシ(例えば、アリールペリレン)などで置き換えられた上述のリレンを指す。
リレン置換基の文脈における用語「ベイ位」は、ナフチレンサブユニット間の「ペリ」位連結に対応するオルト位炭素原子を指す。例えば、ペリレンの当該ベイ位は、以下のペリレン構造における1、6、7及び12位で数えられる炭素原子であり、及びテリレンの当該ベイ位は、以下のテリレン構造における1、6、7、8、9、14、15、及び16位で数えられる炭素原子である。リレン置換基の文脈における用語「末端位」は、ナフチレンサブユニット間の「ペリ」位連結に対応するパラ位炭素原子を指す。例えば、ペリレンの末端基は、以下のペリレン構造における3、4、9及び10位で数えられる炭素原子であり、及びテリレンの末端基は、以下のテリレン構造における3、4、11及び12位で数えられる炭素原子である。
置換リレンの文脈における用語「イミド位」は、そのリレンの、例えばペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸ジイミド(ペリレンジミドとも呼ばれる)のイミド位が、互いにイミド窒素原子である、イミド置換基の窒素原子を指す。
用語「ドナーリレン」は、エネルギーを吸収でき及びその吸収したエネルギーをアクセプターに移動できる、上述に定義されるリレンを指す。
用語「アクセプターリレン」は、ドナー、例えばドナーリレンからエネルギーを受け取ることができる、上述に定義されるリレンを指す。
用語「C1-20アルキル」は、1から20の炭素原子を有する任意置換の直鎖状または分岐状炭化水素基を指す。例示には、メチル(Me)、エチエル(Et)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i-Pr)、ブチル(Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル(s-Bu)、tert-ブチル(t-Bu)、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル及びそれらに類するものを含む。文脈が他を必要としない限り、用語「C1-20アルキル」はまた、水素原子が1個少ないアルキル基で、そのためその基は2つの位置に結合される、すなわち2価のアルキル基を含む。メチル、エチエル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、n-ヘキシル及びオクチルを含む「C1-8アルキル」及び「C1-4アルキル」が好ましく、メチル基を伴うものが特に好ましい。
用語「C2-20アルケニル」は、適用可能な場合はEまたはZのいずれかの化学的立体の少なくとも1つの2重結合及び2から20の炭素原子を有する、任意置換の直鎖状または分岐状炭化水素基を指す。例示には、ビニル、1-プロペニル、1-及び2-ブテニル及び2-メチル-2-プロペニルを含む。文脈が他を必要としない限り、用語「C2-20アルケニル」はまた、水素原子が1個少ないアルケニル基で、そのためその基は2つの位置に結合される、すなわち2価であるアルケニル基を含む。エテニル、プロペニル及びブテニルを含む「C2-6アルケニル」、「C2-4アルケニル」及び「C2-3アルケニル」が好ましく、エテニルを伴うものが特に好ましい。
用語「C2-20アルキニル」は、少なくとも1つの3重結合及び2から6の炭素原子を有する、任意置換の直鎖状または分岐状炭化水素基を指す。例示には、エチニル、1-プロピニル、1-及び2-ブチニル、2-メチル-2-プロピニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル及び5-ヘキシニル及びそれらに類するものを含む。文脈が他を明示しない限り、用語「C2-20アルキニル」はまた、水素原子が1個少ないアルキニル基で、そのためその基は2つの位置に結合される、すなわち2価であるアルキニル基を含む。C2-6アルキニルが好ましい。
用語「C3-8シクロアルキル」は、3から8の炭素原子を有する非芳香族環式基を指し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを含む。シクロアルキル基は、シクロヘキシルのように飽和であってもまたはシクロヘキセニルのように非飽和であって良い。C3-6シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが好ましい。
用語「ヒドロキシ」及び「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
用語「オキサ」は、=O基を指す。
用語「オキシ」は、-O-基を指す。
用語「置換オキシ」は、オキシ基を指し、本明細書に記述の任意の置換基、例えば「C1-6アルコキシ」及び「アリールオキシ」から選ばれた1つ以上の置換基で置換される。用語「C1-6アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ及びペントキシなどの、1から6の炭素原子を含む上述に定義されるオキシ基を介して共有結合している上述に定義のアルキル基を指す。メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシを含む「C1-4アルコキシ」及び「C1-3アルコキシ」が好ましく、メトキシを伴うものが特に好ましい。用語「アリールオキシ」は、1-フェノキシ、4-エチルアミノ-1-フェノキシなどの、本明細書で定義されるオキシ基を介して、共有結合している本明細書に定義のアリール基を指す。
用語「カルボン酸塩」または「カルボキシル」は、-COO-または-COOH基を指す。
用語「エステル」は、例えば、C1-6アルキル基(「カルボキシC1-6アルキル」または「アルキルエステル」)、アリールまたはアラルキル基(「アリールエステル」または「アラルキルエステル」)などで置換されたカルボキシル基を指す。CO2C1-6アルキル基は、好ましくは、例えばメチルエステル(CO2Me)、エチルエステル(CO2Et)、プロピルエステル(CO2Pr)及びブチルエステル(CO2Bu)(例えば、n-ブチルエステル、i-ブチルエステル及びt-ブチルエステル)などであり、及びそれらのリバースエステル(例えば、-OCOMe、-OCOEt、OCOPr、OCOBu)を含む。「任意置換アリールエステル」などの基は、モノ及びジエステル置換基を含み、アリールモイエティーまたはエステルモイエティー上のどちらかで任意に置換されて良い。ジエステルの例示として、-O2CPhCO2-、-CO2PhO2C-、-O2CCH2CO2-などを含む。1つの実施形態において、用語「エステル」は、任意置換のC1-6アルキルエステル及び任意置換のアリールエステルから選ばれる基を含む。
用語「シアノ」は、-CN基を指す。
用語「ニトロ」は、-NO2基を指す。
用語「アミノ」は、-NH2基を指す。
用語「置換アミノ」または「第2級アミノ」は、水素が、例えば、C1-6アルキル基(「C1-6アルキルアミノ」)、アリールまたはアラルキル基(「アリールアミノ」、「アラルキルアミノ」)などで置き換えられたアミノを指す。C1-3アルキルアミン基は、好ましくは、例えば、メチルアミノ(NHMe)、エチルアミノ(NHEt)及びプロピリアミノ(NHPr)などである。
用語「2置換アミノ」または「第3級アミノ」は、例えば、2つの水素が、同じでも異なっていても良い(「ジアルキルアミノ」)C1-6アルキル基、アリール及びアルキル基(「アリール(アルキル)アミノ」)などで置き換えられたアミノを指す。ジ(C1-3アルキル)アミノ基は、好ましくは、例えば、ジメチルアミノ(NMe2)、ジエチルアミノ(NEt2)、ジプロピリアミノ(NPr2)及びそれらの変種(例えば、N(Me)(Et)など)などである。
用語「アルデヒド」は、-C(=O)H基を指す。
用語「ケトン」または「カルボニル」は、>C=Oを指す。
用語「置換ケトン」は、例えば、C1-6アルキル基(「アルキルケトン」または「ケトアルキル」)、アリール基(「アリールケトン」)、アラルキル基(「アラルキルケトン」)などで置換された本明細書に定義されるケトン基を指す。
用語「アミド(amido)」または「アミド(amide)」は、-C(O)NH2基を指す。
用語「イミド」は、-C(O)NHC(O)-基を指す。
用語「置換イミド」は、水素が、例えば、―C(O)NC1-6アルキルC(O)-基を指す、C1-6アルキルイミドの置換基で置き換えられた本明細書に定義されるイミド基である。
用語「ホルムアミド」または「アミノアルデヒド」は、-NHC(O)H基を指す。
用語「置換アミド(amido)」または「置換アミド(amide)」は、少なくとも1つの水素が、例えば、C1-6アルキル基(「C1-6アルキルアミド(amido)」または「C1-6アルキルアミド(amide)」、アリール(「アリールアミド」)、アラルキル基(「アラルキルアミド」)などで置き換えられたアミド基を指す。C1-3アルキルアミド基は好ましくは、例えば、メチルアミド(-C(O)NHMe)、エチルアミド(-C(O)NHEt)及びプロピルアミド(-C(O)NHPr)などであり、及びそれらのリバースアミド(例えば、-NHMeC(O)-、NHEtC(O)-及び-NHPrC(O)-)を含む。それはまた、2つの水素が、例えば、C1-6アルキル基(「ジ(C1-6アルキル)アミド(amido)」または「ジ(C1-6アルキル)アミド(amide)」、アラルキル及びアルキル基(「アルキル(アラルキル)アミド」)などで置き換えられたアミド基を指す。ジ(C1-3アルキル)アミド基は好ましくは、例えば、ジメチルアミド(-C(O)NMe2)、ジエチルアミド(-C(O)NEt2)及びジプロピルアミド(-C(O)NPr2)及びそれらの変種(例えば、-C(O)N(ME)Etなど)などであり、及びそれらのリバースアミドを含む。
用語「チオール」は、-SH基を指す。
用語「C1-20アルキルチオ」は、水素が、C1-6アルキル基で置き換えられたチオ基を指す。C1-3アルキルチオ基は好ましくは、例えば、チオールメチル、チオールエチル及びチオールプロピルでなどある。
用語「チオ」は、-S-基を指す。
用語「チオキソ」は、=S基を指す。
用語「チオカルボニル」が、>C=S基を指す。
用語「スルフィニル」は、-S(=O)H基を指す。
用語「置換スルフィニル」または「スルホキシド」は、水素が、例えば、C1-6アルキル基(「C1-6アルキルスルフィニル」または「C1-6アルキルスルホキシド」)、アリール(「アリールスルフィニル」)、アラルキル(「アラルキルスルフィニル」)などで置き換えられたスルフィニル基を指す。C1-3アルキルスルフィニル基は好ましくは、例えば、-SOメチル、-SOエチル、-SOプロピルなどである。
用語「スルホニル」は、-SO2H基を指す。
用語「置換スルホニル」は、水素が、例えば、C1-6アルキル基(「スルホニルC1-6アルキル」)、アリール(「アリールスルホニル」)、アラルキル(「アラルキルスルホニル」)などで置き換えられたスルホニル基を指す。スルホニルC1-3アルキル基は好ましくは、例えば、-SO2Me、-SO2Et、-SO2Prなどである。
用語「スルホニルアミド(sulfonylamido)」または「スルホンアミド(sulfonamide)」は、-SO2NH2基を指す。
用語「置換スルホンアミド(sulfonamido)」または「置換スルホンアミド(sulfonamide)」は、水素が、例えば、C1-6アルキル基(「スルホニルアミドC1-6アルキル」)、アリール(「アリールスルホンアミド」)、アラルキル(「アラルキルスルホンアミド」)などで置き換えられたスルホニルアミド基を指す。スルホニルアミドC1-3アルキル基は好ましくは、例えば、-SO2NHMe、-SO2NHEt及び-SO2NHPrなどであり、及びそれらのリバーススルホンアミド(例えば、-NHSO2Me、-NHSO2Et及び-NHSO2Pr)を含む。
用語「2置換スルホンアミド(sulfonamido)」または「2置換スルホンアミド(sulfonamide)」は、2つの水素が、例えば、同じでも異なっていても良い(「スルホニルアミドジ(C1-6アルキル)」)、アラルキル及びアルキル基(「スルホンアミド(アラルキル)アルキル」)などで置き換えられたスルホニルアミド基を指す。スルホニルアミドジ(C1-3アルキル)基、例えば、-SO2NMe2、-SO2NEt2及び-SO2NPr2など、ならびにそれらの異種(例えば、-SO2N(Me)Etなど)が好ましく、それらのリバーススルホンアミドも含まれる。
用語「硫酸塩」は、OS(O)2OH基を指し、水素が、例えば、C1-6アルキル基(「アルキル硫酸塩」)、アリール(「アリール硫酸塩」)、アラルキル(「アラルキル硫酸塩」)などで置き換えられた基を含む。C1-3硫酸塩、例えば、OS(O)2OMe、OS(O)2OEt及びOS(O)2OPrなどが好ましい。
用語「スルホン酸塩」は、SO3H基を指し、水素が、例えば、C1-6アルキル基(「アルキルスルホン酸塩」)、アリール(「アリールスルホン酸塩」)、アラルキル(「アラルキルスルホン酸塩」)などで置き換えられた基を含む。C1-3スルホン酸塩、例えば、SO3Me、SO3Et及びSO3Prなどが好ましい。
用語「アリール」は、炭素環式(非ヘテロ環式)芳香族環または単環式、双環式または三環式環系を指す。当該芳香族環または環系は一般的に、6から20または6から14の炭素原子で構成される。アリール基の例示には非限定的に、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェナントレニル及びアントラセニルを含む。1つの実施形態において、「アリール」は、フェニルなどの6員環アリール、ナフチルなどの10員環アリール、及びフェナントレニル及びアントラセニルなどの14員環アリールを含む。当該アリール基は、0から6つの任意置換基、好ましくは0から3つの任意置換基で置換されて良い。用語「アルキルアリール」は、ベンジルなどのC1-6アルキルアリールを指す。
用語「アルコキシアリール」は、ベンジルオキシなどのC1-6アルキルオキシアリールを指す。
用語「ヘテロシクリル」は、モイエティーが、3から10の環原子(特に特定されない限り)を有し、1、2、3または4の各ヘテロ原子が、O、S及びNから独立して選ばれる環ヘテロ原子である、ヘテロ環化合物の一環原子から一水素原子を取り除いて得られるモイエティーを指す。
この文脈において、接頭語の3-、4-、5-、6-、7-、8-、9-及び10-員は、炭素原子またはヘテロ原子のどちらにせよ、還原子数、または還原子の範囲を与える。例えば、本明細書で使用される用語「3-10員環ヘテロシクリル」は、3、4、5、6、7、8、9または10環原子を有するヘテロシクリル基に関連する。ヘテロシクリル基の例示には、5-6員環の単環式ヘテロシクリル及び9-10員環の縮合双環式ヘテロシクリルを含む。
単環式ヘテロシクリル基の例示には非限定的に、アジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)、ピロリン(例えば、3-ピロリン、2,5-ジヒドロピロール)、2H-ピロールまたは3H-ピロール(イソピロール、イソアゾ-ル)またはピロリジノン(5員環)、ピペリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン(6員環)、及びアゼピン(7員環)などの1つの窒素原子を含むもの、イミダゾリン、ピラゾリジン(ジアゾリジン)、イミダゾリン、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)(5員環)、ピペラジン(6員環)などの2つの窒素原子を含むもの、オキシラン(3員環)、オキセタン(4員環)、オキソラン(テトラヒドロフラン)、オキソル(ジヒドロフラン)(5員環)、オキサン(テトラヒドロピラン)、ジヒドロピラン、ピラン(6員環)、オキセピン(7員環)などの1つの酸素原子を含むもの、ジオキソラン(5員環)、ジオキサン(6員環)、及びジオキセパン(7員環)などの2つの酸素原子を含むもの、トリオキサン(6員環)などの3つの酸素原子を含むもの、チイラン(3員環)、チエタン(4員環)、チオラン(テトラヒドロチオフェン)(5員環)、チアン(テトラヒドロチオピラン)(6員環)、チエパン(7員環)などの1つの硫黄原子を含むもの、テトラヒドロオキサゾール、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール(5員環)、モルホリン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジン、オキサジン(6員環)などの1つの窒素原子と1つの酸素原子を含むもの、チアゾリン、チアゾリジン(5員環)、チオモルホリン(6員環)などの1つの窒素原子と1つの硫黄原子を含むもの、オキサジアジン(6員環)などの2つの窒素原子と1つの酸素原子を含むもの、オキサチオール(5員環)及びオキサチアン(チオキサン)(6員環)などの1つの酸素原子と1つの硫黄原子を含むもの、及びオキサチアジン(6員環)などの1つの窒素原子、1つの酸素原子及び1つの硫黄原子を含むもの、を含む。
ヘテロシクリルはまた、芳香族ヘテロシクリル及び非芳香族ヘテロシクリルをも含む。そのような基は、置換されていても、置換されていなくても良い。
用語「芳香族ヘテロシクリル」は、用語「ヘテロ芳香族」または用語「ヘテロアリール」または「ヘタリール」と互換可能で使用されて良い。当該芳香族ヘテロシクリル基のヘテロ原子は、N、S及びOから互換可能で選ばれて良い。
「ヘテロアリール」は、芳香族の性質を有するヘテロシクリル基を与えるとして、本明細書で使用され、及び芳香族単環式環系と1つ以上の芳香族環を含む多環式系(例えば、双環式)を含む。用語の芳香族ヘテロシクリルはまた、疑似芳香族ヘテロシクリルを含む。用語「疑似芳香族」は、厳密には芳香族ではなく、しかし電子の非局在化により安定化され及び芳香族環と同様に振る舞う環式系を指す。用語の芳香族ヘテロシクリルはそれゆえに、1つ以上の環が非芳香族である環式系であると同様に全ての縮合環が芳香族であり、ただし、少なくとも1つの環が芳香族である多環式環系を含む。芳香族及び非芳香族環の両方による縮合環を含む多環式系において、その基は、芳香族環によってまたは非芳香族環によって別のモイエティーに結合されて良い。
ヘテロアリール基の例は、5から10の環員を含む単環式及び双環式の基である。当該ヘテロアリール基は、例えば、5員環または6員環の単環式環または縮合した5及び6員環から形成される双環式構造または2つの縮合した6員環式または2つの縮合した5員環式環であり得る。各環は、通常は窒素、硫黄及び酸素から選ばれる約4つまでのヘテロ原子を含んで良い。当該ヘテロアリール環は、4ヘテロ原子まで、より典型的には3ヘテロ原子まで、より一般的には、2つまで、例えば単一ヘテロ原子を含む。1つの実施形態において、当該ヘテロアリール環は、少なくとも1つの環窒素原子を含む。そのヘテロアリール環の窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合には、塩基であり得て、またインドールまたはピロールの窒素原子の場合は、本質的に非塩基である。当該ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は一般に、その環の任意のアミノ置換基を含んで、5つ未満である。
芳香族ヘテロシクリル基は、5員環または6員環の単環式の芳香族環系であって良い。
5員環の単環式ヘテロシクリル基の例示には非限定的に、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,3及び1,2,4オキサジアゾリル及びフラザニル、すなわち1,2,5-オキサジアゾリルを含む)、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3、1,2,4及び1,3,4トリアゾリルを含む)、オキサトリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3及び1,3,4チアジアゾリルを含む)及びそれらに類するものを含む。
6員環の単環式ヘテロシクリル基の例示には非限定的に、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピラニル、オキサジニル、ジオキシニル、チアジニル、チアジアジニル及びそれらに類するものを含む。窒素を含む6員環の芳香族ヘテロシクリルの例示には、ピリジル(1窒素原子)、ピラジニル、ピリミジニル及びピリダジニル(2窒素原子)を含む。
芳香族ヘテロシクリル基はまた、縮合環系(プリン、プテリジニル、ナフチリジニル、1Hチエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[2,3-b]フリル及びそれらに類するものを含む)または連結環系(オリゴチオフェン、ポリピロール及びそれらに類するものなど)などの、双環式または多環式ヘテロ芳香族環系であって良い。縮合環系はまた、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アンセラセニル及びそれらに類するものなどの炭素環式芳香族環に縮合した芳香族の5員環または6員環のヘテロシクリル、例えばフェニル環に縮合した窒素を含む5員環の芳香族ヘテロシクリル、フェニル環に縮合した1つまたは2つの窒素を含む5員環の芳香族ヘテロシクリルなどを含む。
双環式のヘテロアリール基は、例えば、a)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するベンゼン環、b)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するピリジン環、c)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するピリミジン環、d)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するピロール環、e)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するピラゾール環、f)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するイミダゾール環、g)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するオキサゾール環、h)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するイソオキサゾール環、i)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するチアゾール環、j)1または2つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するイソチアゾール環、k)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するチオフェン環、l)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するフラン環、m)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するシクロヘキシル環、及びn)1、2または3つのヘテロ環原子を含む5または6員環に縮合するシクロペンチル環から選ばれる基であって良い。
他の5員環に縮合する5員環を含む双環式ヘテロアリール基の特定例には非限定的に、イミダゾチアゾール(例えば、イミダゾ[2,1-b]チアゾール)及びイミダゾイミダゾール(例えば、イミダゾ[1,2-a]イミダゾール)を含む。
5員環に縮合する6員環を含む双環式ヘテロアリール基の特定例には非限定的に、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ピラゾロピリミジン(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン)、ベンゾジオキソール及びピラゾロピリジン(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン)基を含む。5員環に縮合する6員環のさらなる例示は、ピロロ[2,3-b]ピリジン基などのピロロピリジン基である。
2つの縮合6員環を含む双環式ヘテロアリール基の特定例は非限定的に、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン、イソクロメン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンゾオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノオキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン及びプテリジン基を含む。
一芳香族環及び一非芳香族環を含むヘテロアリール基の例示には、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾフラン、インドリン、イソインドリン及びインダン基を含む。
したがって、炭素環式芳香族環に縮合する芳香族ヘテロシクリルの例示には非限定的に、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、ベンゾトリアジニル、フタラジニル、カルボリニル、ナフタイミダゾリル、アントラセンイミダゾリル、フェナントレンイミダゾリル、及びそれらに類するものを包含して良い。
用語「非芳香族ヘテロシクリル」は、N、S、及びOから成る群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む、任意置換の飽和及び非飽和環を含む。
非芳香族ヘテロシクリルは、3-7員環の単環式環状物であって良い。
5員環の非芳香族ヘテロシクリル環の例示には、2H-ピロリル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピロリジニル、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリニル、2-ピラゾリニル、3-ピラゾリニル、ピラゾリジニル、2-ピラゾリジニル、3-ピラゾリジニル、イミダゾジニル、3-ジオキサラニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、2-イミダゾリニル及びそれらに類するものを含む。
6員環の非芳香族ヘテロシクリルの例示には、ピペリジニル、ピペリジノニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、2Hピラニル、4Hピラニル、チアニル、チアニルオキサイド、チアニルジオキサイド、ピペラジニル、ジオザニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジチアニル、1,3,5-トリオザラニル、1,3,5-トリチアニル、1,4-モルホリニル、チアモルホリニル、1,4-オキサチアニル、トリアジニル、1,4-チアザジニル及びそれらに類するものを含む。
7員環の非芳香族ヘテロシクリルの例示には、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル及びそれらに類するものを含む。
非芳香族ヘテロシクリル環はまた、連結環系(例えばウリジニル及びそれらに類するもの)または縮合環系などの双環式ヘテロシクリル環であって良い。縮合環系には、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル及びそれらに類するものなどの炭素環式芳香族環に縮合した、非芳香族の5員環、6員環または7員環ヘテロシクリルを含む。炭素環式芳香族環に縮合した非芳香族の5員環、6員環または7員環ヘテロシクリルの例示には、イドリニル、ベンゾジアゼピニル、ベンザゼピニル、ジヒドロベンゾフラニル及びそれらに類するものを含む。
1つの実施形態において、用語「ヘテロシクリル」は、1、2、3または4の環原子が独立してO、S及びNから選ばれる、任意置換の芳香族または非芳香族の3から10員環の単環式、双環式または三環式環系を含む。1つの実施形態において、用語「ヘテロシクリル」は、1、2、3または4の環原子が独立してO、S及びNから選ばれる、任意置換の芳香族または非芳香族の5または6員環の単環式、または9または10員環の双環式環系を含み、例えば、任意置換トリアゾリル、任意置換モルホリニル、任意置換ピロリジニル、任意置換イミダゾリル、任意置換インドリル、任意置換ベンズイミダゾリル、任意置換ナフタイミダゾリル、任意置換アントラセンイミダゾリル、任意置換フェナントレンイミダゾリル、任意置換ピリジル、任意置換ピリミジル、任意置換フラニル、任意置換ピペリジニル、任意置換ピラジニル及び任意置換オキサゾリルである。1つの実施形態において、用語「ヘテロシクリル」は、O、S及びNから、好ましくO及びNから、最も好ましくはNから独立して選ばれる1、2または3の環ヘテロ原子を含む、任意置換の芳香族の5または6員環の単環式環を含み、例えば、任意置換トリアゾリル、任意置換ピロリジニル、任意置換イミダゾリル、任意置換ピリジル、任意置換フラニル、任意置換ピラジニル及び任意置換オキサゾリルである。他の実施形態において、用語「ヘテロシクリル」は、O、S及びNから、好ましくO及びNから、最も好ましくはNから独立して選ばれる1、2または3の環ヘテロ原子を含む、任意置換の非芳香族の5または6員環の単環式環を含み、例えば、任意置換モルホリニル及び任意置換ピペリジニルである。
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはイオドを指す。
特に定めない限り、本明細書で使用する用語「任意置換の」または「任意置換基」は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、オキソ、C1-6アルコキシ、アリールオキシ、C1-6アルコキシアリール、ハロ、C1-6アルキルハロ(CF3及びCHF2など)、C1-6アルコキシハロ(OCF3及びOCHF2など)、カルボキシル、エステル、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、2置換アミノ、アシル、ケトン、アミド、アミノアシル、置換アミド、2置換アミド、チオール、アルキルチオ、チオキソ、硫酸塩、スルホン酸塩、スルフィニル、置換スルフィニル、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルアミド、置換スルホンアミド、2置換スルホンアミド、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールであって、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルとそれらを含む基が、さらに任意で置換されていて良い前記基から成る群から選ばれる、1,2,3、4またはそれ以上の基で、好ましくは1,2または3の基で、より好ましくは1または2の基でさらに置換されていても、置換されていなくても良い基を指す。Nを含むヘテロシクリルの場合における任意置換基はまた非限定的に、C1-6アルキル、例えばN-C1-6アルキル、より好ましくはメチル、特にはN-メチルを包含して良い。アリールの場合における任意置換基は好ましくは、非限定的に、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルコキシ、6員環アリールオキシ、C1-6アルキルハロ、カルボキシル、C1-6アルキルエステル、6員環アリールエステル、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、2置換アミノ、アシル、置換ケトン、アミド、アミノアシル、置換アミド、2置換アミド、チオール、C1-6アルキルチオ、6員環アリールC1-6アルキル及び3-10員環ヘテロシクリルであって、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルとそれらを含む基が、さらに任意で置換されていて良い前記基を含む。
1つの実施形態において、本明細書で使用する用語「任意置換の」または「任意置換基」は、C1-20アルキル(好ましくはC1-6アルキル、最も好ましくはC1-4アルキル)、C2-6アルケニル(好ましくはC2-4アルケニル)、C2-6アルキニル(好ましくはC1-4アルキニル)、C1-6アルコキシ(好ましくはC1-4アルコキシ)、ハロ、C3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシ、C1-6アルキルエステル、6員環アリーリエステル、6員環アリール-C1-6アルキル、チオール、オキソ、チオキソ、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、C1-6アルキルスルホンアミド、6員環アリールスルホンアミド、6員環アリールスルホニル、6員環アリールスルフィニル、アミノ、アミド、置換アミノ、2置換アミノ及び置換アミドの基であって、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルとそれらを含む基が、C1-20アルキル(好ましくはC1-6アルキル、最も好ましくはC1-4アルキル)、C2-6アルケニル(好ましくはC2-4アルケニル)、C2-6アルキニル(好ましくはC1-4アルキニル)、C1-6アルコキシ(好ましくはC1-4アルコキシ)、ハロ、C3-8シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシ、C1-6アルキルエステル、6員環アリーリエステル、6員環アリール-C1-6アルキル、チオール、オキソ、チオキソ、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、C1-6アルキルスルホンアミド、6員環アリールスルホンアミド、6員環アリールスルホニル、6員環アリールスルフィニル、アミノ、アミド、置換アミノ、2置換アミノ及び置換アミドから選ばれる、0、1、2または3、好ましくは1または2の基で任意にさらに置換されて良い前記基から選ばれる、0、1、2または3の基(好ましくは0、1または2の基)で置換されて良い基を指す。
窒素を含む芳香族ヘテロシクリルの適切な誘導体は、それらのN酸化物を含むことは、理解されよう。
本発明の化合物はまた、塩として調合されても良く、本発明の化合物の生成に対応した中間体として有用であるか、または当該化合物の非塩形態として、類似の吸収/発光形状を表すであろう。塩の例示には、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム及びアルキルアンモニウムなどの陽イオンの塩、塩酸、オルトリン酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸及び臭化水素酸などの無機酸の酸添加塩、または、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、粘液酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トリハロメタンメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、吉草酸及びオロチン酸などの有機酸の塩などを含む。アミン基の塩はまた、そのアミノ窒素原子が、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキルモイエティーなどの適切な有機基を持ち込む場合には、第4級アンモニウム塩を含む。
当該塩は、フリー塩基形態のその化合物と1つ以上の等価の適切な酸との反応により、またはフリー酸、または無水物形態のその化合物と1つ以上の等価の適切な塩基との反応によるなどの従来の手段で形成されて良い。
塩の関連物には、それらの溶媒付加体または結晶体、特に溶媒和物または多形体を含むことは理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論的な、または非化学量論的な量の溶媒を含み、及び水、メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコールなどのアルコール、非共有結合または、その結晶格子の空孔を占めることにより結晶格子部分を形成する溶媒和物を有するジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)及びそれらに類するものなどの溶媒を伴う結晶化のプロセス中に形成されて良い。水和物は、その溶媒が水の場合に形成され、アルコラートは、その溶媒が、アルコールである。本発明の化合物の溶媒和物は、従来の方法で調合でき、または本明細書に記述のプロセス中に形成できる。一般的に、当該溶媒和物形態は、当該化合物の目的及び本明細書で与えられる方法に対応した非溶媒和物形態と等価であるとみなされる。
さらに、本発明の化合物は、水、エタノール、及びそれらに類するものなどの溶媒を伴う溶媒和物形態と同様に非溶媒和物形態としても存在できる。本発明の化合物の溶媒和物形態もまた、包含されるとみなされる。
本明細書に記述の化合物は、キラル中心を保有して良く、及びそのためにラセミ体またはR-またはS-光学異性体などの異性体として存在して良い。当該化合物はそのため、精製された光学異性体またはジアステレオマーとして、またはそれらの任意の比率の混合物として使用されて良い。当該異性体は、クロマトグラフィーによる方法や、分割剤の使用により、従来の方法で分離されて良い。あるいは、個別の異性体は、キラル中間体を使用した不斉合成により調合されて良い。当該化合物が、炭素―炭素の2重結合を有する場合、異性体は、Z-またはE-形成体及び本発明に含まれる化合物の全ての異性体に現れて良い。
本明細書に記述の化合物は、位置異性体の混合物として存在して良いことは理解されよう。通常は、当該位置異性体は、同じ反応条件下で形成され及び実質的に類似した分光特性を保有する。例えば、反応において、当該化合物がそのため、精製された位置異性体としてまたは複数の位置異性体の任意の比率の混合物として使用されて良い。当該異性体は、例えば、クロマトグラフィーによる方法または選択的結晶化によるなどの、従来の方法で調合されて良い。例えば、2つのベイ位置換基を含む置換ペリレンの位置異性体混合物は通常は、1,6(シス)、12,7(シス)及び1,7(トランス)位置異性体置換パターンの混合物を含み、一般的にこれらの位置異性体の中で顕著な物の1つは、1,7(トタンス)位置異性体である。位置異性体混合物が示唆される場合の構造においては、主要な位置異性体が描写される。
本発明の化合物は、回転異性体の形態で存在して良く、ここで、例えば、他の場合には回転可能な結合の周りの回転は制約されることは理解されよう。全てのそのような回転異性体は、本は発明の範囲内に含まれることを意図している。
本明細書に記述の化合物は、互変異性化を受けて良いこともまた、理解されよう。通常、特定の条件下、例えば溶液中では、2つの互変異生体の間に平衡状態が確立される。
1つの実施形態において、本明細書に記述の当該光捕集アレイ、式Iの化合物(例えば、式IA-IFの化合物)またはオリゴマーユニット(式IIの化合物、例えば、式IIA-IITの化合物)は、塩、立体異性体、回転異性体、互変異性的平衡、位置異性体またはそれらの溶媒和物を含む。
オリゴマーユニット及び光捕集アレイの調合法
1つの態様において、1つのアクセプターと1つ以上のドナーの組み合わせを含む、光捕集アレイの調合法を提供する。1つの実施形態において、少なくとも1つのドナーは、リンカー基を介して、1つ以上の任意置換の周辺ドナーリレンに連結された任意置換のドナーリレンを含むオリゴマーユニットである。1つの実施形態において、少なくとも1つのアクセプターまたは1つ以上のドナーは、リンカー基を介して第2任意置換リレンに連結された、第1任意置換リレンを含むオリゴマーユニットであり、第1任意置換リレンは、アクセプターまたはドナーに連結されており及び第2任意置換リレンは、少なくとも1つの第1任意置換リレン、アクセプターまたはドナーにエネルギーを移動できる。1つの実施形態において、当該アクセプターは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換周辺リレンに連結された、任意置換リレンコアーを含むオリゴマーユニットである。
任意の当業者に公知の適切なカップリング反応が、使用されて良い。当該ドナー及びアクセプターは置換されて、そのため選択したカップリング反応が起きることは理解されよう。
1つの実施形態において、当該ドナーは、求核芳香族置換基を介して、当該アクセプターにカップリングされる。この実施形態において、当該ドナーまたはアクセプターのどちらかが、ハロまたは任意置換アルキルスルホニロキシ、好ましくはクロロ、ブロモまたはトリフラートなどの脱離基で置換される。当該カップリングパートナー、すなわち当該ドナーまたはアクセプターは、その脱離基の移動に対して適切な求核基で置換される。適切な求核基には、例えば、任意置換フェノール、任意置換ピリジロキシなどの任意置換アリールオキシ、任意置換ヘテロシクリルオキシを含む。
上述のように、1つの実施形態において、2つ以上のリレンは、任意置換トリアミン基を介して連結される。1つの実施形態において、任意置換ペリレンは、トリアミンと3,4-無水和物置換のペリレンとを反応させ、そのイミド位で4-フェニルエタノールにより置換された、任意置換のモノイミドペリレンを形成することにより調合される。次いで、2つの等価の4-フェニルエタノール置換のペリレンモノイミドと、そのベイ位でハロゲン化された任意置換ペリレンとを反応させて、オリゴマーユニットを形成し、ここで当該ハロゲンは、当該任意置換ペリレンの相応するベイ位位置でフェノキシリンカー基を形成するために、当該モノイミドペリレンのイミド位に置換される。
1つの実施形態において、当該アクセプター及びドナーは、エステルまたはアミドの形成によりカップリングされる。そのエステルまたはアミドカップリングは、当業者に公知のカップリング試薬で、触媒作用を受けても良い。そのカップリング反応の進行を助けるために、反応中間体が形成されても良く、例えば、当該ドナーまたはアクセプターが、カルボン酸モイエティーで置換されている場合は、活性カルボキシル基が中間体として形成されても良く、例えば、酸塩化物、活性N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、無水物の混合物またはその他の適切な活性カルボキシルが、当業者には公知である。当該活性カルボキシル中間体は、公知の方法を使用して調合されて良い。
1つの実施形態において、当該アクセプターは、同時に2つ以上のドナーにカップリングされる。他の実施形態において、各ドナーは、順番にカップリングされる。非対称光捕集アレイは、ドナーの逐次添加により調合されることは理解されよう。
1つの実施形態において、当該アクセプター及びドナーは、「クリックケミストリー」(ヒュスゲン環化付加とも呼ばれる)により、すなわち、アジド(すなわち-N3)を伴う銅触媒[3+2]作用によるアルキンの環化付加により、カップリングされる。
他の実施形態において、当該アクセプター及びドナーは、当分野で公知の金属媒介のクロスカップリング、例えば、パラジウム触媒によるクロスカップリングにより、カップリングされる。例えば、ドナーとアクセプターは、鈴木カップリングまたはバックワルドカップリング反応により連結される。この実施形態において、その反応の進行を可能にするために、当該カップリングパートナーは、適切な置換基で置換され、例えば、鈴木クロスカップリングの場合は、一方のカップリングパートナーは、ボロン酸またはエステル(または等価物)で置換され及びもう一方のカップリングパートナーは、ハロ置換基で置換されることが理解されよう。
当該アクセプターが、リンカー基を介して、1つ以上の当該ドナーに連結される実施形態の場合、そのリンカー基は、そのアクセプターの1つ以上のドナーへのカップリングに付随して形成されて良いことは理解されよう。そのため、そのリンカー基の部分は、そのアクセプター及びドナーの置換基であって良い。
他の実施形態において、当該方法は、原位置でそのオリゴマーユニットを形成することを含む。例えば、任意置換ドナーリレンコアーは、アクセプターにカップリングされる。次いで、1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンは、その任意置換ドナーリレンコアーでカップリングされる。この実施形態において、当該リンカー基は、当該任意置換リレンコアー(好ましくは、任意置換ペリレンコアー)と1つ以上の任意置換周辺ドナーリレン(好ましくは、任意置換周辺ドナーペリレン)のカップリングに付随して形成されて良い。
他の実施形態において、当該方法は、原位置でそのオリゴマーユニットを形成することを含む。例えば、任意置換ドナー周辺リレンは、アクセプターとカップリングされる。次いで、任意置換ドナーリレンコアー(1つ以上のさらなる任意置換周辺ドナーリレンに任意で連結される)は、その任意置換周辺ドナーリレンとカップリングされる。さらに任意置換周辺ドナーリレンは、その任意置換ドナーリレンコアーと、次いでカップリングされても良い。この実施形態において、当該リンカー基は、その任意置換周辺ドナーリレン(好ましくは、任意置換周辺ドナーペリレン)とその任意置換リレンコアー(好ましくは、任意置換ペリレンコアー)のカップリングに付随して形成されて良い。
一任意置換ペリレンコアーと2つ以上の任意置換ドナーペリレンのカップリングを含む、オリゴマーユニットの調合法も提供される。このカップリングは、上述の任意の反応を、反応ステップとして含んで良い。
当該任意置換ペリレンと2つ以上の任意置換ドナーペリレンの適切なカップリング反応のタイプは、当該光捕集アレイのドナー及びアクセプターのカップリングに関して上述した通りである。好ましくは、当該カップリングは、求核芳香族置換、エステル形成、アミド形成、ヒュスゲン環化付加またはそれらの組み合わせから成る群から選ばれる反応である。
1つの実施形態において、1つ以上の任意置換周辺ペリレンは、その任意置換ペレリンコアーに同時にカップリングされる。他の実施形態において、当該任意置換ペリレンコアーは、各任意置換周辺ドナーペリレンに同時にカップリングされる。さらなる実施形態において、2つ以上の任意置換周辺ペリレンの各々は、別々の反応でカップリングされる。そのうえさらなる実施形態において、当該任意置換ペリレンコアーは、各任意置換周辺ドナーペリレンに、順番にカップリングされる。
当該リンカー基は、当該任意置換ペリレンコアーと2つ以上の任意置換周辺ドナーペリレンとのカップリングに付随して形成されて良い。例えば、一方のカップリングパートナーが、カルボキシル基を含み及びもう一方のカップリングパートナーが、アミノ基を含む場合、それら2つは、アミド含有リンカー基を形成するようにカップリングする。このリンカー基は、そのカップリングパートナーのカップリング中にのみ形成されることは理解されよう。
1つの実施形態において、光捕集アレイまたは上述の式Iの化合物の調合法であって、式Aの化合物:
X′-A
式A
(ここで、Aはアクセプターであり、及びX′は、求核試薬または求電子試薬(例えば、脱離基)である)
を式Bの化合物:
X′′-L′′-D
式B
(ここで、Dは、任意置換ドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットであり、
L′′は、プリリンカー基であり、及び
X′′は、求核試薬または求電子試薬(例えば、脱離基)である)
と反応させることを含み、
ここで、X′が、求電子試薬の場合、X′′は、求核試薬であり、及びX′が、求核試薬の場合、X′′は、求電子試薬であり、及び
ここで、X′とX′′の反応後にAとDを連結するリンカー基が形成される、
調合法が提供される。
1つの実施形態において、その反応の後、-L′′-X′-基または-L′′-X′′-基は、上述のリンカー基である。
1つの実施形態において、光捕集アレイまたは上述の式Iの化合物の調合法であって、式Cの化合物:
X′-L′-A
式C
(ここで、Aはアクセプターであり、及びX′は、求核試薬または求電子試薬(例えば、脱離基)である)
を式Dの化合物:
X′′-D
式D
(ここで、Dは、任意置換ドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットであり、及び
L′′は、プリリンカー基であり、及び
X′′は、求核試薬または求電子試薬(例えば、脱離基)である)
と反応させることを含み、
ここで、X′が、求電子試薬の場合、X′′は、求核試薬であり、及びX′が、求核試薬の場合、X′′は、求電子試薬であり、及び
ここで、X′とX′′の反応後にAとDを連結するリンカー基が形成される、
調合法が提供される。
1つの実施形態において、光捕集アレイまたは上述の式Iの化合物の調合法であって、式Eの化合物:
X′-L′-A
式E
(ここで、Aはアクセプターであり、及びL′は、第1プリリンカー基であり及びX′は、求核試薬または求電子試薬(例えば、脱離基)である)
を式Fの化合物:
X′′-L′′-D
式F
(ここで、Dは、一任意置換ドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットであり、及び
L′′は、第2プリリンカー基であり、及び
X′′は、求核試薬または求電子試薬(例えば、脱離基)である)
と反応させることを含み、
ここで、X′が、求電子試薬の場合、X′′は、求核試薬であり、及びX′が、求核試薬の場合、X′′は、求電子試薬であり、及び
ここで、X′とX′′の反応後にAとDを連結するリンカー基が形成される、
調合法が提供される。
1つの実施形態において、少なくとも1つのX′及びX′′は、脱離基である。当該脱離基がリンカー基の部分を形成しないことは理解されるであろう。当該リンカー基は、上述の任意のリンカー基であって良い。したがって、1つの実施形態において、反応後、-L′-X′-L′′-基は、上述のリンカー基である。他の実施形態において、反応後、-L′-X′′-L′′-基は、上述のリンカー基である。
1つの実施形態において、光捕集アレイまたは上述の式Iの化合物の調合法であって、式Gの化合物:
Y′-L′-A
式G
(ここで、Aは,アクセプターであり、L′は、第1プリリンカー基であり及びY′は、環化付加反応に参加できる不飽和モイエティーであり、好ましくはY′は、任意置換C2アルキニル及びアジドから選ばれる)
を式Hの化合物:
Y′′-L′′-D
式H
(ここで、Dは、任意置換ドナーリレンコアー及び1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンを含むオリゴマーユニットであり、及び
L′′は、第2プリリンカー基であり、及び
Y′′は、前記第1不飽和モイエティーとの環化付加反応に参加できる第2不飽和モイエティーであり、好ましくはY′′は、C2アルキニル及びアジドから選ばれる)
と反応させることを含み、
ここで、Y′とY′′の反応後にAとDを連結するリンカー基が形成される、
調合法が提供される。
1つの実施形態において、Y′は、アジドであり及びY′′は、任意置換C2アルキニルである。他の実施形態において、Y′′は、アジドであり及びY′は、任意置換C2アルキニルである。
式AからHの化合物において、そのアクセプターは、上述の任意のアクセプターであって良い。
式AからHの化合物において、そのオリゴマーユニットは、上述の任意のオリゴマーユニットであって良い。
式AからHの化合物において、そのリンカー基は、上述の任意のリンカー基であって良い。
式Iの化合物は、任意の上述の式Iの化合物、例えば、式IAからIF、I-1、I-2及びI-3のいずれか1つの化合物であって良い。
1つの実施形態において、以下のスキームに従う式IIIaの化合物と式IIIbの化合物との反応による式IIIの化合物の調合法が提供され、
ここで、
X
5、X
6、X
7及びX
8は、OまたはSから成る群から選ばれ、
Arは、任意置換アリールであり、
Zは、求核試薬であり、好ましくは、Zはアミノであり、
L
Zは、不在であるかまたは上述のリンカー基から選ばれるリンカー基であり、及び
D
Zは、任意置換のドナーペリレンである。
例えば、式IIIaのペリレン及び式IIIbの周辺ペリレンの0.1M溶液が、溶媒に、一般的にはジメチルホルムアミドに溶かされ、及び約95℃で少なくとも8時間、通常は一晩過熱される。この反応は、酸で抑えられ及びその生成物は、遠心分離機またはろ過により単離され、その後、例えば、クロマトグラフィー(シリカ、アルミナまたはサイズ排除式)により、またはクロマトグラフィーと適切な溶媒または結晶化剤を伴うソクスレー抽出の組み合わせにより精製される。
他の実施形態において、以下のスキームに従う式IVaの化合物と式IVbの化合物との反応による式IVの化合物の調合法を提供し、
ここで、
X
5、X
6、X
7及びX
8は、OまたはSから成る群から選ばれ、
Y
a及びY
bは、ハロ、任意置換アルキルスルホニルから成る群から独立して選ばれ、好ましくは、Br、Cl及びOTfから成る群から独立して選ばれ、ここでTfは、トリフラート(すなわち、トリフルオルメタンスルホン酸)であり、
X
9及びX
10は、N、S、O、CR
3から成る群から選ばれ、
R
1、R
2及びR
3は、独立して上述の任意置換基であり、
Zは、求核試薬であり、好ましくは、Zはヒドロキシルであり、
L
yは、不在であるはまたはアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルから選ばれる基から選ばれ、好ましくは、L
yはアリールまたはヘテロアリールであり、
L
Zは、不在であるかまたは上述のリンカー基から選ばれるリンカー基であり、及び
D
Zは、任意置換のドナーペリレンである。
例えば、式IVaのペリレン及び式IVbの周辺ペリレンの0.1M溶液が、溶媒に、一般的にはジメチルホルムアミド(DMF)に溶かされ、及び炭酸塩(例えば、K2CO3、Na2CO3、CsCO3、NaHCO3など)または第3級アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど)などの塩基の存在下において、約95℃で少なくとも8時間、通常は一晩過熱さる。この反応は、酸で抑えられ及びその生成物は、再結晶法、液-液抽出などの、当業者には公知の技術により単離される。
1つの実施形態において、式IVbの化合物は、式IVb′の化合物であり、
ここで、D
Zは、上述のように定義される。
材料またはデバイス
本発明は、少なくとも1つのドナーはオリゴマーユニットである、1つ以上のドナーに連結されたアクセプターを含む光捕集アレイを含む発色材料を提供する。1つの実施形態において、少なくとも1つのドナーは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンに連結された、任意置換ドナーリレンコアーである。1つの実施形態において、少なくとも1つのアクセプターまたは1つ以上のそのドナーは、リンカー基を介して、第2任意置換リレンに連結された第1任意置換リレンを含むオリゴマーユニットであり、その第1任意置換リレンは、そのアクセプターまたはドナーに連結されており、及びその第2任意置換リレンは、第1任意置換リレン、そのアクセプターまたはドナーの少なくとも1つにエネルギーを移動できる。1つの実施形態において、当該アクセプターは、リンカー基を介して1つ以上の任意置換周辺リレンに連結された、任意置換リレンコアーを含むオリゴマーユニットである。1つの実施形態において、当該発色材料は、発光材料であり、好ましくは蛍光材料または蓄光材料である。
当該発光材料は、さらに基質を含んで良い。当該基質は、誘電材料を含んで良い。当該誘電材料は、ポリマー、ガラスまたはクオーツを含んで良い。1つの実施形態において、当該ポリマーは、アクリレートまたはポリカーボネートを含む。1つの実施形態において、当該ポリマーは、ポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートである。1つの実施形態において、当該ポリマーは、ポリメチルメタクリレートである。
1つの実施形態において、当該発色材料は、上述の光捕集アレイ及びポリマーを含み、好ましくは、当該光捕集アレイは、そのポリマー母材に分散される。1つの実施形態において、当該光捕集アレイは、そのポリマーに均一に分散される。他の実施形態において、当該光捕集アレイは、そのポリマーに均一に分散されず、例えば、当該光捕集アレイの濃度は、そのポリマーを通して漸減して良く、または相対的により低い光捕集アレイ濃度または検出不可能な光捕集アレイ量である、その他のポリマー領域に対して相対的により高い濃度の局在領域を形成して良い。他の実施形態において、当該発光材料は、ポリマー基質上への光捕集アレイのコーティングを含む。
当該発光材料において、当該ポリマーは、アクリル、ウレタン、エステル、メタクリレート、チオフェン、任意の共役結合ポリマーのコポリマー、光透過性ポリマー、低UV吸収ポリマー、熱伝導性ポリマー、または導電性ポリマーを含んで良い。他の実施形態において、当該ポリマーは、アニリンに基づく、ピロールに基づく、アセチレンに基づくまたはフランに基づくポリマーであって良い。
他の実施形態において、当該ポリマーは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート及びポリメチルメタクリレートを含んで良い。本発明で開示する当該ポリマーの構成単量体は、メタクリレートに基づく、カーボネートに基づく、アクリルアミドに基づく、メタクリルアミドに基づく、またはスチレンに基づく単量体であって良い。
使用して良いビニルポリマーの構成単量体には、アクリル酸エステル、特に例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸tert-オクチル、アクリル酸2-クロロエチル、アクリル酸2-ブロモエチル、アクリル酸4-クロロブチル、アクリル酸シアノエチル、アクリル酸2-アセトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシベンジル、アクリル酸2-クロロシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸5-ヒドロキシペンチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸3-メトキシブチル、アクリル酸2-エトキシブチル、アクリル酸2-エトキシエチル、アクリル酸2-イソプロピル、アクリル酸2-ブトキシエチル、2-(2-メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、ω-メトキシポリエチレングリコールアクリレート(付加モル数:9)、1-ブロモ-2-メトキシエチルアクリレート、及び1,1-ジクロロ-2-エトキシエチルアクリレートを含む。
さらに、以下の単量体を使用できる。メタクリル酸エステル、特に例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸クロロベンジル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸スルホプロピル、N-エチル-N-フェニルアミノエチルメタクリレート、2-(3-フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキシエチルメタクリルレート、メタクリル酸フルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸クレシル、メタクリル酸ナフチル、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、3-メトキシブチルメタクリレート、2-アセトキシエチルメタクリレート、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2-イソプロピルエチルメタクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、ωメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(付加モル数:6)、メタクリル酸アクリル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチル塩化物塩を例示できる。
ビニルエステル、特に例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、酢酸ビニルメトキシ、酢酸ビニルフェニル、安息香酸ビニル及びサリチル酸ビニルを例示できる。
アクリルアミド、例えば、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、n-ブチルアクリルアミド、sec-ブチルアクリルアミド、tert-ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β-シアノエチルアクリルアミド、N-(2-アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミドを例示できる。
メタクリルアミド、例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、イソプロピルメタクリルアミド、n-ブチルメタクリルアミド、sec-ブチルメタクリルアミド、tert-ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメタクリルアミド、クロロベンジルメタクリルアミド、オクチルメタクリルアミド、ステアリルメタクリルアミド、スルホプロピルメタクリルアミド、N-エチル-N-フェニルアミノエチルメタクリルアミド、2-(3-フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリルアミド、ジメチルアミノフェノキシエチルメタクリルアミド、フルフリルメタクリルアミド、テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、クレシルメタクリルアミド、ナフチルメタクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、4-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、トリエチレングリコールモノメタクリルアミド、ジプロピレングリコールモノメタクリルアミド、2-メトキシエチルメタクリルアミド、3-メトキシブチルメタクリルアミド、2-アセトキシエチルメタクリルアミド、2-アセトアセトキシエチルメタクリルアミド、2-エトキシエチルメタクリルアミド、2-イソプロポキシエチルメタクリルアミド、2-ブトキシエチルメタクリルアミド、2-(2-メトキシエトキシ)エチルメタクリルアミド、2-(2-エトキシエトキシ)エチルメタクリルアミド、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルメタクリルアミド、ω-メトキシポリエチレングリコールメタクリルアミド(付加モル数:6)、アクリルメタクリルアミド、ジメチルアミノメタクリルアミド、ジエチルアミノメタクリルアミド、B-シアノエチルメタクリルアミド、及びN-(2-アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドを例示できる。
オレフィン、例えば、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、及び2,3-ジメチルブタジエンを例示できる。
スチレン、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、及びビニル安息香酸メチルエステルを例示できる。
ビニルエーテル、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル及びジメチルアミノエチルビニルエーテルを例示できる。
その他の例として、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、N-ビニルオキサゾリドン、N-ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチレンモロンニトリル、及びビニリデンを例示できる。
2つ以上単量体を、互いに目的(例えば、硬さ、柔軟性、引張強度及び耐光性の改善)に従い、そのためコポリマーを生み出すコモノマーとして使用して良い。
他の実施形態において、当該発色材料は、上述の光捕集アレイ及び1つ以上の追加の染料を含んで良い。1つ以上の追加染料は、発色染料であって良い。当該染料は、上述の任意のタイプまたは、業界で現在使用されている任意のタイプの染料で良く、蛍光であってもなくて良く、及び当該アレイの光捕集及び発光への妨害を避けるために、最終的なアクセプターの蛍光の範囲でいかなる吸収能力をも持たずに、その染料混合物全体の透過スペクトルを望ましい知覚色にシフトするよう作用して良い。例えば、当該1つ以上の追加染料は、任意置換リレン(例えば、任意置換ペリレンまたは任意置換テリレン)、任意置換ポルフィリンまたは任意置換ベンゾコロネンから選ばれて良い。1つの実施形態において、当該1つ以上の追加染料は、遷移金属(例えばルテニウム)錯体または、シアニン、オキサジン、チアジン、アクリジン、ナフタレンジイミド、及びそれらに類するものなどの金属を含まない有機染料などの、太陽電池の増感剤として使用される任意の染料で良い。
光子を可視範囲外に放射するアクセプターを含む上述の当該光捕集アレイの実施形態は、ヒトの目には透明であり、有利であろう。したがって、1つの実施形態において、当該発光材料は、光を可視範囲外に放射するアクセプターを含む光捕集アレイを含む。この発光材料はさらに、一基質を含んで良い。当該基質は、上述の任意の基質で良い。好ましくは、この発色材料は、透明または半透明で、より好ましくは透明である。
当該光捕集アレイは、光を捕集し及び発光するのに適した濃度でその発色材料中に存在して良いことは、理解されるであろう。1つの実施形態において、当該発色材料は、その材料の総重量の約1wt%未満の量で当該光捕集アレイを含み、好ましくは、当該光捕集アレイは、その材料の約0.001wt%から約0.2wt%の量で、好ましくは約0.01wt%から約0.1wt%の量で存在する。
当該光捕集アレイは、本明細書に記述の当該光捕集アレイまたは式(I)の化合物により、例えば、当該光捕集アレイまたは式(I)の化合物の2つ以上分子の集合体の形成により、エネルギー収集(例えば、吸収)、移動または発光を中断させまたは阻むのには不十分な濃度で、当該発色材料中に存在して良いことは、理解されよう。1つの実施形態において、当該光捕集アレイは、発色材料中に分散された場合には、集合体を形成しない。他の実施形態において、当該光捕集アレイは、当該光捕集アレイの分子量の2倍未満の、好ましくは当該光捕集アレイの分子量の約110%未満の、より好ましくは当該光捕集アレイの分子質量を超えない量の集合体を形成する。平均粒子質量は、当業者には公知の技術により決定されて良い。
1つの実施形態において、当該光捕集アレイは、その発色材料中において当該光捕集アレイにより、光を捕集し及び発光するのに十分な濃度で及びエネルギー収集、移動または発光を中断させまたは阻むのには不十分な濃度で、当該発色材料中に存在する。
当該成分をポリマーに加え及び混合する方法は、制約されない。例えば、半透明ポリマーの粉体、フレークまたはペレットと上記成分との徹底的な混合及び押し出し機による溶融混合の方法が使用されて良い。半透明な熱可塑ポリマーにおいて、上記成分を硬化されていない液状の開始材料に添加し及び徹底的に混合しそして分散する方法が使用されて良い。今回、一般的に使用される添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、金型離型剤、帯電防止剤、及び難燃剤が使用されて良い。成形は、通常の方法で行われて良い。つまり、熱可塑ポリマーの場合、被覆パイプは、溶融押出法により生産でき、収縮チューブは、溶融押出しにより得られたパイプの延伸と急冷により生産でき、及び被覆は、インジェクション成形、押出成形及び、必要であれば、真空成型により生産できる。熱硬化ポリマーの場合、型成形が有利である。
本発明はまた、上述の当該発色材料を含むデバイスを提供する。1つの実施形態において、当該発色材料は、発光材料であり、好ましくは蛍光材料または蓄光材料である。
1つの実施形態において、当該デバイスは、導光器、光バイオリアクター、蓄光藻システム、発光/蛍光太陽集光器、光検出器及び太陽光発電デバイスから選ばれる。
上述の発光材料を組み込むことができる導光器の例示は、オーストラリア特許出願第2011218633号及び2011211390号に記述されており、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。これら出願はまた、蓄光藻システムにおける導光器の使用を記述する。この導光器はまた、臨床診断、ハイスループット・スクリーニング、及びその他の生物医学用途、例えば、内視鏡の光源などに対応するツールとして有用な蛍光プローブ及びラベルとして利用されて良い。
当該光捕集アレイは、太陽放射の利用可能なスペクトルの一領域に光を捕集し及びその吸収したエネルギーを光合成に最適な波長に変えることができる。そのような光捕集アレイをデバイスに組み入れることによって、蓄光藻システムのように、例えば、有機物の成長速度を増加させることにより、光合成システムの効率を改善するであろう。
発光太陽集光器(「LSC」)(発光太陽集光器、または蛍光太陽集光器として知られる)は、以下の方法で機能する。高屈折率の透明材料(特定の波長に対して)上への入射太陽光は、内部反射によりその材料の平面上に保持される。これとの連動で、当該LSC材料内にまたは薄膜コーティングとしてしばしば含浸された染料は、その光の部分を吸収し、及びより長い波長の、より低いエネルギーで発光する。この放射光は、そのLSC材料の平面内にまた閉じ込められる。最終的に、その内部反射光は、そのLSC材料の端から外部に向けられる。通常は、LSCは、その内部反射光を、図8に描写されるように、1つ以上の太陽電池に向ける。
既存の太陽光発電技術を改善するために利用される1つの方法は、発光太陽集光器の使用によるものである。これらは第1に、集光面積と使用する太陽光発電材料間の比率を改善することを目的とする。第2には、それらはまた、高いエネルギー波長の吸収に次いで、より低いエネルギー波長で発光するように特定の波長に調整できることである。それらの蛍光波長は、その太陽光発電材料により良好に吸収され、及びそのため光子当たりの効率が改善する。発光太陽集光器はしかしながら、依然として、現在の太陽電池技術に効率的に貢献できる以前に、克服しなければならない多数の障害を持つ。それらの障害には、低い染料量子収率、再吸収損失及び低い染料光安定性を含む。
1つの実施形態において、当該デバイスは、LSCである。有利なことに、上述の光捕集アレイのLSCへの組み込みは、LSCの使用に関連した障害を克服するであろう。当該光捕集アレイの少なくとも好ましい実施形態は、高い量子収率を有し、非常に光安定性が良く、及びそれらの要求される最終用途に応じた吸収及び発光形状の微調整に高度に柔軟に対応できる吸収及び発光の広い範囲を有する。また、上述の3量体及び5量体などのオリゴマーユニットの使用を通して、ドナーリレンのアクセプターに対する比率は、そのアクセプターとドナーモイエティー間の短い距離を維持しながら、大幅に向上する。その結果、少なくともそれらの好ましい実施形態において、このアプローチは、最終アクセプターの量を強力に減らすことにより再吸収損失を大幅に減らし及びドナーとアクセプター間の距離を縮めることによりFRET効率を最大化する。
1つの実施形態において、当該デバイスは、光検出器である。有利なことに、上述の光捕集アレイの光検出器への組み込みは、従来の染料と比較して、そのスペクトル全域からのより多い光量が、当該光捕集アレイにより捕集されるので、その光検出器の感度を高めるであろう。
したがって、1つの態様において上述の光捕集アレイまたは光捕集染料としての上述の化合物の使用が提供される。1つの実施形態において、当該光捕集アレイまたは化合物は、太陽電池における光増感剤として使用される。他の実施形態において、当該光捕集アレイまたは化合物は、導光器、光バイオリアクター、蓄光藻システム、発光/蛍光太陽集光器、光検出器及び太陽光発電デバイスから選ばれるデバイスに使用される。
1つの態様において、上述の光捕集アレイまたは上述の化合物に組み込むための任意置換リレンの選択法を提供する。当該任意置換リレンに対応するUV-visスペクトルと2つ以上の任意置換リレンに対応するUV-visスペクトルの比較及び任意置換リレンの選択方法であって、そのためそのUV-visスペクトルが以下の少なくとも1つを含むような方法である。
・波長の蛍光発光極大が、2つ以上のさらなる任意置換リレンの少なくも1つの吸収極大と、少なくとも部分的に重なっており、及び
・波長の吸収極大が、2つ以上のさらなる任意置換リレンの少なくとも1つの蛍光発光極大と、少なくとも部分的に重なっている。
上述のように、効率的なFRETを達成するために、そのFRETドナーの蛍光発光極大は、そのFRETアクセプターの吸収極大と重複しなければならず、より良い重複は、より効率的なFRETとなる。吸収極大と発光極大の不十分な重複は、例えば、その後に大きな再吸収損失となるであろうドナー蛍光として部分的に発光しているドナーにより吸収されたいくらかのエネルギーのために、「漏れ」FRET及び効率の損失をもたらす。そのため、当該ドナー及び/または当該アクセプターの吸収/発光形状の「調整」能力は、そのFRET効率を向上させる、当該ドナーの発光極大と当該アクセプターの吸収極大の重複を増加させるであろう。
有利なことに、上述のように、任意置換リレンの吸収/発光形状は、FRET効率を向上させるために、FRETペアーの吸収/発光形状と一致させるために「調整」されて良い。
1つの実施形態において、当該方法はさらに、選択された任意置換リレンの、上述の光捕集アレイまたは式Iの化合物(例えば、式IAからIFの任意の1つの化合物)への組み込みを含む。
発本明を、以下の実施例において、例示としてのみ、さらに記述する。当業者には公知であるように、例示される実施形態のいずれに対しても、変更がなされて良いことは理解されよう。
実施例1-光捕集アレイのコンピューターモデリング
基本的なペリレンに基づくドナー及びアクセプターの系の2つの構成成分は、エネルギードナーとしてのジエステルペリレンモノイミド、及びエネルギーアクセプターとしてのテトラフェノキシジイミドである。ジエステルペリレンモノイミドのドナーは、506nm(log(ε)=4.6)での吸収極大及び526nmでの発光極大を有する。テトラフェノキシペリレンジイミドのアクセプターは、578nm(Log(ε)=4.7)での吸収極大及び607nmでの発光極大を有する。
これら2つの置換ペリレンは、重複する蛍光及び吸収形状を有し、潜在的に大変良いFRETペアーであることを示す広い重複領域をもたらす。テトラフェノキシジイミドの吸収とジエステルペリレンモノイミドの発光及びそれらの重複領域を、図3に解説する。
FRETは、量子電磁力学を通して理解されるが、しかし単純な近似は、式1で記述される。
ここで、
・R
0は、フェルスター半径(FRETプロセスによる減衰率が、他の放射及び非放射手段を通したエネルギー損失率に等しいポイント)である。
・k
2は、相互作用しているドナー及びアクセプターの双極子モーメントの平均配向因子である。ランダム分子運動(一般的にこのケースに仮定される)に対しては、2/3に等しい。しかしながら、ドナー及びアクセプターの双極子モーメントが、直交する場合、エネルギー移動を除外し、そのドナー及びアクセプター系の四重極子モーメント間の、その他の通常マイナーな相互作用がエネルギー移動の支配的なモードになり得て、時として非常に高い効率になる。
・Q
0は、アクセプター不在のドナーの量子効率である。
・nは、その媒体の屈折率で、4乗に対応する。
・J(λ)は、重複部の積分であり及びそのドナーの蛍光が、そのアクセプターの吸収に重なる度合いの尺度である。
方程式1は、当該アクセプターの消散係数及び当該ドナーの正規化蛍光の両方及び方程式2で記述される光子波長の関数である。
・ε
a(λ)は、λにおけるアクセプターの消散係数である。
・F
d(λ)は、1のエリアに正規化されたλにおけるドナーの蛍光である。
・λは、単位nmでの波長である。
・波長(nm)が4乗まで上昇すると、その重複積分値は、一般におよそ10
12から10
17と、極めて大きくなり得る。
距離に関連するFRET効率は、方程式3で記述される。
・ここで、Eは、FRET効率である。
・R
0は、フェルスター半径であり、及び
・Rは、空間を介した実際のドナーアクセプター距離である。
方程式1、2及び3で記述される関係は、R0に関するアクセプターとドナー間の距離の関数としてのFRET効率の応答を表す。FRETペアーモデルに対するこの関係を、図2に図示する。
図2は、当該ドナーの蛍光スペクトルと当該アクセプターの吸収の重複領域からのエネルギー移動効率を示す。この効率は、ドナーとアクセプター間距離の6乗に反比例する。このように、フェルスター半径0.8を超えたFRET効率には、急速な減衰がある。
これらの計算から判るように、フェルスター半径の60%まで離されたドナーとアクセプターは、95%のエネルギー移動効率に相当する。距離を70%まで伸ばしたても、そのFRET効率は89%低下するのみである。しかしながら、これを超えた場合は、FRET効率は急激に減衰する。エネルギー移動とドナー及びアクセプター間の物理的距離の間の関係性を使用して、ドナーからアクセプターへのエネルギー移動が非効率になる前に、いくつのオリゴマーユニットを含めることができるかを特定できる。
FRETペアーに対応したフェルスター距離を近似する方程式1、2及び3は、56.3Åのフェルスター半径を近似値とする。この理論的フェルスター距離をUFFにより最適化された単純モデルと比較して、最終的なオリゴマー染料に対応する、合理的なドナー-アクセプター距離が示唆され得る。
単純かつ合理的な連結系を伴う線形アレイを与える基本レベルモデリング(UFF)は、各オリゴマーユニット間で約22.6Åを示唆する。この値は、約0.42の理論的R0値であり、99.6%のFRET効率に相当する。仮に、各独立した3量体及び5量体ユニットの範囲内で、ドナーからアクセプターへの距離に著しい違いが無いと仮定すると、その3量体及び5量体オリゴマー間のFRET及びそのアクセプターを、単量体アレイと同じ方法で扱うことができる。この情報に伴って、FRETを第1世代から第4世代のオリゴマーに対応して進める場合にどのくらい効率的であるかを見るために、ジエステルモノイミドのドナー(単量体の、3量体の及び5量体の)を、規定の間隔で配置できる。ドナー間に22.6Åの空間を与えた場合、図4に解説するように、直鎖状のA-D-D-D形態は、効率が低下するであろう。
図4に示すグラフから、各ペリレンの効率を描写する。各系は、それらドナーがそのアクセプターコアーからさらに離されると、ペリレンの効率に著しい低下を示す。最も著しい低下は、第2世代から第3世代のオリゴマー間に現れる。
これは、2対1の直鎖状単量体(第2世代、DD-A)以降、直鎖状単量体系の拡張を介して得られる著しい改善は、現れないことを解説しているが、しかし仮に、当該追加ドナーをその連結方式に直交して組み込む方法で、3量体または5量体ユニットの当該オリゴマーアレイを作るならば、解決できることをも解説している。
さらに、ドナーのアクセプターへの距離を改善するために、そのオリゴマーアレイ内での3量体または5量体ユニットの使用は、オリゴマー染料の吸収及び蛍光の重複領域の減少による再吸収のための損失を改善する。これの最良の例示は、個別の発色団の直鎖的な添加を介した場合である。このケースの場合、D-A-Dアレイのケースが、それが提示される最終的な系を最も効率的に説明し、及び必要な距離(フェルスター半径が53Å未満)が与えられると、100%というFRETの最良仮定が作られるため、使用されるであろう。
表3で判るように、単量体、3量体または5量体ユニットのいずれの使用も、発色団の局在密度を上げ、FRETプロセスの最大化及び再吸収の最小化の両方に作用する。この実施例に対して選ばれたドナーは、エネルギーがそのアクセプターに近く及びそのため、そのアクセプターの蛍光とわずかに重複する尾状の吸収帯を有する。より高いエネルギーのドナーは、重複をより大きく減らすであろうと期待される。次の項では、3量体及び5量体のオリゴマーアレイを活用した、目標の系のより緻密な記述をする。
実施例2-合成
単量体の調合
二無水物ペリレンからのテトラエステルペリレンの調合
二無水物ペリレン(25mモル)を、ブタノール(44mL、480mモル)及びテトラブチル水酸化アンモニウム(50-60%、31mL、65mモル)に懸濁し及び溶解するまで攪拌した。次いで、これにブロモブタン(40mL、370mモル)及びK2CO3(10g、70mモル)を添加し、及びその反応物を、120℃の油浴中に置いた。3時間後、その反応物をクロロホルム(200mL)に注ぎ、水(3×100mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)、及び再び水(100mL)で洗浄した。その溶媒を取り除き、少量のエチル酢酸の存在下で滴定により誘導された沈殿により、ヘキサン中オイル状残渣を取り込んだ。次いで、その沈殿物を、カラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化により精製した。
表4の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
酸触媒によるエステル開裂を介したノモ無水物ペリレンの調合
テトラエステルペリレン(1.5mモル)をp-トルエンスルホン酸水和物(290mg、1.5mモル)と共に、密閉フラスコ中で良く攪拌しているトルエン(5mL)に加えた。次いで、これを、その沈殿物が完全に形成され及びその反応溶液がほとんど無色になるまで、窒素雰囲気下で120℃に加熱した。次いで、その反応物をトルエンに注ぎ、その沈殿物を取り除くためにろ過し、及びメタノールと水酸化カリウムの2%(容積)水溶液(2M)で抽出した。次いで、そのメタノール含有抽出物を、塩酸水溶液で酸性化し及びその溶液が透明になるまで加熱した。次いで、その沈殿物を、カラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化によりろ過精製し、ジブロモモノ無水物ペリレンを得た。
表5の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
第1級アミン及び無水物ペリレンからのジブロモ-モノイミドペリレンの調合
ジブロモ-モノ無水物ペリレン(150μモル)を、1%酢酸のエタノール(E95、15mL)溶液中で第1級アミン(390μモル)と合わせ及び薄膜クロマトグラフィー(TLC)が反応完結を示すまで、還流した。次いで、この反応物を、塩酸溶液(2M)の添加で沈殿させ、及びその沈殿物をろ過し、水及びメタノールで洗浄し、次いで、カラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化を介した精製を供し、当該イミド付加体を得た。
表6の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
ジブロモ-モノイミドペリレンからのビスフェノキシベイ位置換ペリレンの調合
ジメチルホルムアミド(0.5mL)に、ジブロモモノイミドペリレン(25μモル)、p-tBu-フェノール(16mg、100μモル)及び炭酸カリウム(15mg、110μモル)を合わせた。その反応を窒素雰囲気下に置き及びTLCによる反応完結まで95℃で加熱した。それに続くカラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化による精製で、ビスフェノキシ付加体を得た。
表7の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
無水物ペリレンからのイミド形成
無水物ペリレン(0.15mモル)を、ジメチルホルムアミド(15mL)中で第1級アミン(0.40mモル)と合わせ及び、窒素雰囲気下で110℃に加熱した。一旦TLCが、反応完結を示したら、次いでその生成物を、酸メタノール(10mlメタノール中に2Mの塩酸液を10滴)溶液で沈殿させ、次いで、その沈殿物をろ過で単離し及びクロロホルム中のメタノール勾配によるカラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化に供し、当該イミドペリレンを得た。
表8の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
2量体の調合
ジブロモペリレンからのペリレン2量体の調合
モノチリミドペリレン(155μモル)を、炭酸カリウム(25mg、180μモル)と共にDMF(1mL)中に溶解し、これに、DMF(1.5mL)中のジブロモペリレン(70μモル)の溶液を添加した。その反応物を、70℃の油浴中に置いた。4時間後、この反応物を水の添加により徐々に沈殿させ、その沈殿物を単離し及びエタノール(E95)で洗浄した。次いで、この粗物質を、クロマトグラフィー分離及び/または再結晶化により精製した。
表9の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
3量体の調合
ジブロモ置換ペリレンからの3量体の調合
ジブロモ置換ペリレン(120μモル)を、DMF(4mL)中で「チリミド」ペリレン(400μモル)及び炭酸カリウム(700mg、5.1mモル)と合わせた。次いで、これを攪拌し及び90℃で6時間加熱した。次いで、その反応を、その沈殿物が完全に形成されるまで塩酸(2M)の添加で酸性化した。次いで、その沈殿物を単離し及び遠心分離機(1×H2O、2×MeOH)を介して洗浄しそして次いで、カラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化により精製し、当該3量体の化学種を得た。
表10の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
カルボキシ置換ペリレンからの3量体の調合
ジイミド酪酸ペリレン(50μモル)を、ジクロロメタン(3mL)中で塩化チオニル(2mL)と反応させ及びTLCによる反応完結まで還流した。その溶媒及び塩化チオニル残渣を、真空中で取り除いた。次いで、その残渣をジクロロメタン(1ml)に取り込み及びアルキルアルコール-イミドペリレンの攪拌溶液(210μモル)に、ジクロロメタン(4ml)中のトリエチルアミン(210μモル)と共に滴下で添加し、及びTLCが反応完結を示すまで、室温の窒素雰囲気下で攪拌した。次いで、その反応混合物を、塩酸水溶液(0.5M、50mL)に注ぎ及びクロロホルム(2×100mL)、次いで飽和の重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)、乾燥した硫酸ナトリウムで抽出し、ろ過し及び溶剤を除去した。次いで、その残渣を、カラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化により精製した。
表11の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
NHアルキル化を介した3量体の調合
攪拌したジメチルホルムアミド(2mL)に、モノイミドペリレン(70μモル)、炭酸セシウム(50mg、150μモル)及びジ(ブロモアルキルイミド)ペリレン(33μモル)を添加した。これを窒素雰囲気下に置き及び80℃で90分間加熱した。次いで、その反応物をメタノールで沈殿させ、繰り返し洗浄し及び次いで、カラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化により精製した。
表12の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
エーテル形成を介した3量体の調合
ジ(ブロモアルキルイミド)ペリレン(10μモル)を、窒素雰囲気下のジメチルホルムアミド(5mL)中で、モノチリミドペリレン(60μモル)及び炭酸カリウム(50mg、360μモル)と合わせ、及び130℃で4時間加熱した。次いで、この生成物を、塩酸水溶液(2M、20mL)の添加で沈殿させ、ろ過し、次いでカラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化により精製した。
表13の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
N-アルキル3量体の調合
3量体モノイミド(15μモル)を、水素化ナトリウム(60wt%ミネラルオイル、200μモル)と合わせ及びテトラヒドロフラン(2mL)中で、70℃で攪拌した。これに、ヨウ化カリウム(5mg、30μモル)及び1,3-ジブロモプロパン(20μL、200μモル)を添加した。次いでこれを、TLCが反応完結を示すまで、窒素雰囲気下で攪拌した。次いで、この反応を止め、溶媒を真空中で取り除き及び残渣をカラムクロマトグラフィー及び/または再結晶化に供し、当該アルキル化3量体を得た。
表14の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
酸触媒化加水分解を介した二無水物ペリレン3量体の調合
トルエン(5mL)に、当該テトラエステルコアー3量体(88μモル)及びp-トルエンスルホン酸水和物(320mg、1.9mモル)を添加した。これを、トルエンが透明になり及びそれ以上沈殿物が形成されなくなるまで還流した。次いで、これを遠心分離機で単離し及び遠心分離機(2×10mlアセトン、2×10mlジクロロメタン)で洗浄し、不溶解性の紫色固体として当該二無水物を得た。
表15の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
酢酸アンモニウム縮合を介した3量体ジイミドの調合
3量体二無水物(21μモル)を、密閉瓶中のジメチルホルムアミド(3mL)中で、酢酸アンモニウム(320mg、2.1mモル)と合わせ、次いで、150℃の油浴中に2時間置いた。次いで、この反応混合物を、メタノール(10mL)に添加し及び遠心分離機で単離した。次いで、この固体を、遠心分離洗浄し(2×10ml メタノール、2×10mL ジクロロメタン)、通常は不溶解性の紫色固体である当該ジイミドペリレン3量体を得た。
表16のこの化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
キノリン縮合を介した3量体ジイミドの調合
二無水物3量体(3μモル)を、キノリン(0.5ml)及びアミン(0.6mモル)に添加し、その反応を密閉し及び130℃の油浴中に2.5時間置いた。次いで、その反応物を酸性化メタノールで沈殿させ、及び沈殿物を遠心分離機で単離した。次いで、その沈殿物を遠心分離機(2×10ml 酸性化メタノール、2×10ml メタノール)で洗浄し、溶解性が限られる紫色固体を得た。
表17の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
5量体の調合
塩酸形成を介した5量体の調合
ジ(3,4-ジカルボン酸ベンズイミド)ペリレン(90μモル)を、ジクロロメタン(20mL)中で、塩化チオニル(4mL)と共に還流した。TLCによる反応完結の後、その溶媒及び塩化チオニル残渣を蒸留により取り除いた。次いで、その塩酸をジクロロメタン(10ml)に取り込み及び、ジクロロメタン(100ml)中で、トリエチルアミン(120μL、860μモル)と共にモノアルキルアルコールイミドペリレン(850μモル)の攪拌溶液に滴下で添加した。室温の窒素雰囲気下で攪拌し、その反応をTLCが反応完結を示すまで徐々に行った。次いで、その溶媒を取り除き及び次いで、その残渣をジクロロメタン(100mL)中で固体の超音波処理により精製し、次いでメタノール(20mL)を添加し及び得られた固体物質を単離して、暗色の結晶性固体としての当該5量体を得た。
表18の化合物は、この方法に従い調合され得る。この表に示される収率は、その化合物が、この方法により生産される場合に得られる収率を表している。
光学特性
化合物II-1からII-20までの光学特性は、以下の一般的な技術により評価されて良い。
UV-Vis分光法。UV-Vis分光法は、1mgの染料を使用し、10mLの溶媒、一般的にはクロロホルムにそれを溶解し、次いでその溶液の1mLを10mLまで希釈し、約0.01mgmL-1の最終溶液を作ることにより実施される。石英発光キュベット(1cmパス長)にてそのブランク溶媒のバックグランドスキャンをとった後、そのブランク溶媒を、当該サンプルを含む約3mLの溶液と置き換えると、250から900nmまでの間の吸収が測定された。
蛍光分光法。蛍光分光法は、UV-Vis測定で使用したものと同じ溶液を使って実施される。一般に、エミッタと検出器スリットの幅は、2.5nmで保たれるが、しかしながら、輝度の高いサンプルに対するいくつかのケースにおいては、補正のためにこの幅を狭めた。
超高速過渡回折格子発光分光法。FRETの寿命測定は、特注の超高速過渡回折格子発光分光法で実施した。1mmのパス長に対して約0.1の吸収度を伴う溶液を作り、次いで、レーザー、光カーゲート及び検出器の校正及び調整の後、単量体染料、アレイ染料及び個別の成分の蛍光寿命の変化は、当該FRET効率に直接的に対応している。
表19は、本明細書に記述の化合物に対する、吸収極大(Abs Max)及び蛍光極大(Em Max)を提示している。
実施例3-光捕集アレイの合成
I-1、I-2及びI-3の化合物は、以下の一般的な手順により調合される。
イミドN-アルキル化を介したアレイの調合
DMF(5mL)を入れたフラスコに、ハロアルキルイミド テトラ(p-tBu-フェノキシ)ペリレン(16μモル)及び炭酸セシウム(30mg、92μモル)と共に、NHイミド3量体(33μモル)を入れ合わせた。次いで、これを室温で2日間、次いで70℃で1時間攪拌した。次いで、この反応をメタノールで沈殿させ、メタノール(2×)及び水(1×)そして再びメタノール(1×)で遠心分離洗浄した。その結果得られた物質を、クロマトグラフィー及び/または再結晶化により精製し、当該七量体付加体を得た。
例えば、化合物I-3は、この方法に従って6%収率で生成され得る。
1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(積分、分裂、J(Hz)、割り当て)):9.27(2H、d、8.6Hz、TC Har)、9.16(2H、d、8.4Hz、TC Har)、8.45(4H、d、8.1Hz、App Har)、8.39(4H、d、8.1Hz、App Har)、8.35-8.14(6H、m、Har)、8.12(4H、s、コアー Har)、8.07-7.93(8H、m、Har)、7.72(2H、s、TC Har)、7.43(4H、d、8.5Hz、チリミド-Har)、7.40(4H、d、8.3Hz、チリミド-Har)、6.73(8H、d、8.7Hz、コアー フェノキシ)、4.56-4.02(40H、m、全N-[CH2]-及びO-[CH2]-)、3.06(8H、m、NCH2-[CH2]-Car)、2.19(4H、m、NCH2-[CH2]-CH2N)、1.91-1.66(24H、β-CH2 ブチル鎖)、1.54-1.43(24H、γ-CH2 ブチル鎖)、1.02(12H、t、7.4Hz、App CH2-[CH3])、1.01(12H、t、7.4Hz、App CH2-[CH3])、1.00(6H、t、7.1Hz、TC CH2-[CH3])、0.91(6H、t、7.4Hz、TC CH2-[CH3])。
吸収極大:507nm。発光極大:614nm。
化合物I-3のUV-Visの吸収及び蛍光発光スペクトルを、図9に示す。図9に示される化合物I-3の吸収極大は、507nmに位置する。化合物I-3のオリゴマーユニットは、この吸収帯に寄与する。581nmにおける小さな吸収は、化合物I-3のテトラフェノキシ置換ペリレンモイエティー(アクセプター)に対する吸収極大である。581nmにおける吸収帯は、2つのオリゴマーユニットが寄与して組み合わされた大きなドナー吸収のために、見かけが小さくなっている。図9の蛍光発光極大は、614nmに位置し、当該化合物I-3のアクセプター部分に寄与された蛍光発光を表している。図9は、その吸収の大部分は、614nmにおける蛍光発光のピークから大きく離れていることを示す。
エステル形成を介した光捕集アレイの調合
塩化チオニル(5mL)に、カルボン酸置換ペリレン(6μモル)を添加し及び全て溶解しそしてメタノール添加による反応停止で示され、TLCによる塩酸形成の完結まで、還流した。次いで、塩化チオニルを、真空中で除去し及びその結果得られた物質を、高真空下に置いた。次いで、その酸塩化物付加体を、乾燥したジクロロメタンに溶解し及びアルキルアルコール3量体(21μモル)の攪拌溶液に滴下で添加した。これを、TLCが反応完結を示すまで、攪拌した。クロマトグラフィー分離及び/または再結晶化で、当該光捕集アレイ(4量体)を得た。
例えば、化合物I-1は、この方法に従って55%収率で生産され得、及び化合物I-2は、この方法に従って60%収率で生産され得る。
1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(積分、分裂、J(Hz)、割り当て)):9.32(1H、d、8.4Hz、TC-Har)、9.29(1H、d、8.3Hz、TC-Har)、8.73-8.47(17H、m、TC-Har及びApp-Har)、8.27(1H、s、TC-Har)、8.22(2H、s、コアー-Har)、8.05(1H、d、8.3Hz、TC-Har)、8.00(2H、s、コアー-Har)、7.74(1H、s、TC-Har)、7.40(2H、d、8.5Hz、チル-Har)、7.32(2H、d、8.4Hz、チル-Har)、7.23(4H、d、8.7Hz、p-tBu-フェノキシ-Har)、7.20(4H、d、8.7Hz、p-tBu-フェノキシ-Har)、6.85(4H、d、8.7Hz、p-tBu-フェノキシ-Har)、6.78(4H、d、8.7Hz、p-tBu-フェノキシ-Har)、5.18(2H、m、N-[CH]-)、4.48-3.93(14H)、4.00(2H、m、N-[CH]2-)、3.61(2H、m)、3.03(2H、m)、2.86(2H、m)、2.38-2.16(6H、m)、1.91(4H、m)、1.78-1.39(60H)、1.29(18H、s、[p-tBu]-フェノキシ)、1.26(18H、s、[p-tBu]′-フェノキシ)、0.97(3H、t、7.4Hz、COOCH2CH2CH2-[CH3])、0.90(3H、t、7.4Hz、COOCH2CH2CH2-[CH3]′)、0.83(3H、t、7.2Hz、NCH2CH2CH2-[CH3])、0.82(12H、t、6.8Hz、Sw-[CH3])。
吸収極大:528nm。発光極大:616nm。
1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(積分、分裂、J(Hz)、割り当て)):9.57(1H、d、8.4Hz、TC-Har)、9.56(1H、d、8.4Hz、TC-Har)、9.41(1H、d、7.6Hz、App-Har)、9.39(1H、d、8.2Hz、App-Har)、9.39(1H、d、8.2Hz、App-Har)9.38(1H、d、6.9Hz、App-Har)、8.66-8.50(4H、App-Har)、8.38(1H、s、TC-Har)、8.36(1H、s、TC-Har)、8.30(2H、s、App-Har)、8.13(2H、s、コアー-Har)、8.12(2H、s、コアー-Har)、8.04(1H、d、8.2Hz、App-Har)、8.03(2H、s、8.3Hz、App-Har)、7.76(1H、s、TC-Har)、7.76(1H、s、TC-Har)、7.50-7.36(12H、m、App-p-tBu-フェノキシ-Har及びチル-Har)、7.21(4H、d、8.8Hz、コアー-p-tBu-フェノキシ-Har)、7.19(4H、d、8.7Hz、コアー-p-tBu-フェノキシ-Har)、7.16-7.02(12H、m、App-p-tBu-フェノキシ-Har及びチル-Har)、6.82(4H、d、8.8Hz、コアー-p-tBu-フェノキシ-Har)、6.78(4H、d、8.7Hz、コアー-p-tBu-フェノキシ-Har)、4.49-4.19(22H)、4.13(2H)、3.97(2H)、3.88(2H)、3.54(2H)、3.02(2H)、2.94(2H)、2.28(2H)、2.03(2H)、1.91(4H)、1.80-1.31(14H)、1.36(18H、s、[p-tBu]-フェノキシ)、1.35(18H、s、[p-tBu]-フェノキシ)、1.28(18H、s、[p-tBu]-フェノキシ)、1.26(18H、s、[p-tBu]-フェノキシ)、0.98(6H、t、7.4Hz、COOCH2CH2CH2-[CH3])、0.90(6H、t、7.4Hz、COOCH2CH2CH2-[CH3]′)、0.89(3H、t、7.2Hz、NCH2CH2CH2-[CH3])。
吸収極大:518nm。発光極大:606nm。
実施例4-2量体7の合成
2量体7は、オリゴマーユニットの一例であり、リンカー基を介して、1つ以上の任意置換周辺ドナーリレンに連結する任意置換ドナーリレンを含む。
テトラブチルペリレン-3,4-9,10-テトラカルボン酸(2)
ブタン-1-オール(40ml、0.44モル)及びテトラブチル水酸化アンモニウム(30mL、50-60w/v%、56mモル)水溶液の攪拌混合物に、ペリレン-3,4-9,10-テトラカルボン酸二無水物(10.0g、25.5mモル)を添加した。次いで、これを完全に溶解するまで窒素雰囲気下で攪拌した。この後、1-ブロモブタン(40mL、0.37モル)及び炭酸カリウム(10.0g、72mモル)を攪拌しながら添加し及びその反応を、窒素雰囲気下の120℃の油浴中に2時間置いた。その反応混合物を、ジクロロメタン(500ml)に取り込み及び水(3×100mL)で洗浄した。次いで、その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、シリカプラグに供し及び乾燥のため気化させ、微粉末の黄色結晶性物質(16.16g、24.8mモル、97%)である当該テトラエステルを得た。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):8.26(4H、d、Har、8.2Hz)、8.02(4H、d、Har、8.2Hz)、4.33(8H、t、O-[CH2]-CH2-、6.8Hz)、1.76(8H、m、OCH2-[CH2]-CH2)、1.48(8H、m、CH2CH2-[CH2]-CH3)、0.98(12H、t、CH2-[CH3]、7.3Hz)。
9,10-(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸無水物(3)
テトラブチル-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸(2.0g、3.1mモル)及びp-トルエンスルホン酸(580mg、3.0mモル)を、シクロヘキサン(2mL)及びドデカン(10mL)中で合わせた。次いで、この混合物を、窒素雰囲気下で120℃の油浴中に100分間置いた。次いで、その結果得られた物質を加温ろ過し、加温シクロヘキサン、次いでアセトニトリルで洗浄し、赤色固体(1.46g、2.8mモル、91%収率)である当該9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸無水物を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):8.67(2H、d、Har、8.1Hz)、8.54(2H、d、Har、7.3Hz)、8.52(2H、d、Har、7.3Hz)、8.15(2H、d、Har、8.1Hz)、4.36(4H、t、COO-[CH2]-CH2、6.8Hz)、1.80(4H、m、OCH2-[CH2]-CH2)、1.51(4H、m、CH2-[CH2]-CH3)、1.00(6H、t、CH2-[CH3]、7.4Hz)。
9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸(6-アミノヘキシル)イミド(4)
ヘキサメシレンジアミン(600mg、5.2mモル)を、120℃のジメチルホルムアミド(5mL)中で攪拌し、それを、9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸(150mg、0.3mモル)に添加した。次いで、これを窒素雰囲気下2時間攪拌した。次いで、その反応混合物を、水(40mL)の添加で沈殿させ及び遠心分離サイクル(240mL)を繰り返して洗浄した。上澄み水を移した後で得られた固体を、ジクロロメタン及び無水エタノールに移し及び溶剤を除去して、赤色固体(173mg、0.3mモル、96%)の当該9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸無水物(6-アミノヘキシル)イミドを得た。1H NMR(300MHz、D6-DMSO、ppm(割り当て、J(Hz))):8.61(2H、d、Har(ペリレン)、未分解)、8.59(2H、d、Har(ペリレン)、未分解)、8.37(2H、d、Har(ペリレン)、8.1Hz)、8.02(2H、d、Har(ペリレン)、8.0Hz)、4.27(4H、t、COO-[CH2]-CH2、6.7Hz)、4.01(2H、t、イミドN-[CH2]-CH2、7.3Hz)、1.80-1.30(18H、m、アルキル)、0.96(6H、t、CH2-[CH3]、7.4HZ)。
1,7-ビス(4-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物(位置異性体6の混合物として)
2量体(7)
イソプロパノール(30mL)中の水酸化カリウム(1.3g、23.3mモル)の攪拌混合物に、1,7及び1,6-ビス(p-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸ジ(シクロヘキシルイミド)(2.0g、2.3mモル)を添加し、窒素雰囲気下で還流した。次いで、その反応混合物を、5Mの塩酸(150mL)に注ぎ及び1時間攪拌した。次いで、その沈殿物を単離し、及びディーン-スターク装置でのトルエンによる還流に供した。次いで、その沈殿物をろ過し、微粉末の紫色固体(1.5g)としての、1.7及び1,6位置異性体のビス(4-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物を含む部分開裂物質、モノ無水物モノシクロヘキシルイミド及び未反応のジシクロヘキシルイミドの混合物を得た。
瓶に、当該9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸(6-アミノヘキシル)イミド(50mg、0.08mモル)を、1,6及び1,7-ビス(4-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸モノ無水物モノシクロヘキシルイミド(22mg)及びN-メチルピロリドン(0.75mL)と一緒に添加した。この瓶を窒素で満たし及び密閉し、次いで95℃の油浴中に置き及び磁気攪拌機で一晩攪拌した。次いで、その反応物質を、2.5Mの塩酸(5mL)に添加し及びその沈殿物を、2.5M塩酸(25mL)と水(25mL)で繰り返し遠心分離して洗浄した。次いで、その固体物質を、ジクロロメタン及び無水エタノール内に移し、溶媒を取り除き及びカラムクロマトグラフィーを介した精製に供した。ジクロロメタンに2.5%のメタノールで溶出された微量不純物は、当該2量体7を含んでいた。次いで、この微量溶出分を、最初の溶出分としての直鎖状2量体7と共に、バイオビーズS-X1で、トルエン中に精製した。気化により、暗赤色固体の当該直鎖状2量体7(2.7mg、0.001mモル、6%)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):9.56(2H、d、Har-ペリレン、8.9Hz)、8.58-8.51(4H、Har-ペリレン)、8.45-8.36(4H、Har-ペリレン)、8.31(2H、d、Har-ペリレン、5.6Hz)、8.08(2H、d、Har-ペリレン、8.1Hz)、7.48-7.43(4H、Har-フェノキシ)、7.11-7.05(4H、Har-フェノキシ)、4.98(1H、N-シクロヘキシル[CH])、4.35(4H、t、COO-[CH2]-CH2、7.0Hz)、4.17(4H、m、[CH2]-シクロヘキシル)、2.51(2H、m、シクロヘキシル-[CH2])、1.82-1.75(16H、アルキル+シクロヘキシル)、1.55-1.44(16H、アルキル+シクロヘキシル)、1.37(9H、s、tBu)1.35(9H、s、tBu)、1.00(6H、t、CH2-[CH3]、7.4HZ)。
実施例5-3量体(10)の合成及び光学特性
3量体の合成(10)
9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸(2-[4-ヒドロキシフェネチル]イミド(8)
チラミン(200mg、1.46mモル)及び9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸無水物(200mg、0.38mモル)を、N-メチルピロリドン(2.5mL)中で合わせ、次いで、窒素雰囲気下の140℃の油浴中に置き、30分間攪拌した。次いで、その反応混合物を、2.5M塩酸溶液(50mL)に添加し、単離したその沈殿物を、2.5M塩酸(50mL)と水(50mL)で洗浄し、次いで、ジクロロメタン及び無水エタノールに溶解し、次いで、気化させ乾燥して、赤色粉体状固体の9,10-ビス(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-(2-[4-ヒドロキシフェネチル])イミド(225mg、0.35mモル、92%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):8.59(2H、d、Har、8.1Hz)、8.43(2H、d、Har、6.5Hz)、8.40(2H、d、Har、6.5Hz)、8.09(2H、d、Har、8.1Hz)、7.24(2H、d、Har(チル)、8.8Hz)、6.79(2H、d、Har(チル)、8.8Hz)、4.38(2H、t、N-[CH2]-CH2、5.3Hz)MS-MALDI[C40H35NO7 + H+]計算値 642.25、測定値 642.22。
ジブチル2-(4-((12-(4-(2-(8,9-ビス(ブトキシカルボニル)-1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H,5bH,9H)-イル)エチル)フェノキシ)-2,9-ジシクロヘキシル-1,3,8,10-テトラオキソ-1,2,3,5a,8,9,10,14a-オクタヒドロアントラ[2,1,9-def:6,5,10-d′e′f′]ジイソキノリン-5-イル)オキシ)フェネチル)-1,3-ジオキソ-2,3,3a,11b-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9-def]イソキノリン-8,9-ジカルボン酸(位置異性体10の混合物として)
N-メチルピロリドン(1mL)に、9,10-ジ(ブトキシカルボニル)ペリレン-3,4-ジカルボン酸(2-[4-ヒドロキシフェネチル]イミド(75mg、0.12mモル)及び1,7-ビスブロモペリレン-3,4,9,10-カルボン酸ジ(シクロヘキシルイミド)(22mg、0.03mモル)を、炭酸カリウム(17mg、0.12mモル)と共に添加した。次いで、その混合物に対して、そのN-メチルピロリドンが泡になって消滅するまで、窒素/真空サイクルを介して酸素を遮断した。窒素の最終導入後、その反応を120℃の油浴中に置き及び磁気攪拌機で3時間攪拌した。その粗物質を、1Mの塩酸(10mL)の添加で沈殿させ及び次いで、その沈殿物を1M塩酸(10mL)、水(20mL)、メタノール(25mL)及びメタノール/ジクロロメタン混合溶媒(7対3、200mL)で、その溶出部が透明になるまで洗浄した。次いで、その残った固体をクロロホルムを通して洗浄し、暗赤色固体(43mg、0.02mモル、75%)のベイ位3量体を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):9.54(2H、d、Har(コアーペリレン)、8.7Hz)、8.65(4H、d、Har(周辺ペリレン)、8.0Hz)、8.55(2H、d、Har(コアーペリレン)、8.7Hz)、8.49(4H、d、Har(周辺ペリレン)、8.0Hz)、8.46(4H、d、Har(周辺ペリレン)、7.8Hz)、8.27(2H、s、Har(コアーペリレン))、8.11(4H、d、Har(周辺ペリレン)、7.8Hz)、7.47(4H、d、Har(チル)、8.5Hz)、7.12(4H、d、Har(チル)、8.5Hz)、5.00(2H、m、N-[CH]-)、4.47(4H、t、N-[CH2]-CH2、7.8Hz)、2.52(4H、m、シクロヘキシル CH2-[CH2]-CH2)、1.90-1.35(16H、m、シクロヘキシル)、1.78(8H、m、OCH2-[CH2]-CH2)、1.49(8H、m、-[CH2]-CH3)、1.01(12H、t、CH2-[CH3]、7.4Hz)MS-MALDI[C116H96N4O18 + Na+]計算値 1856.67、測定値 1855.93。
5量体(15)の合成
描かれている単一のコアーユニットは、当該ドナーのアクセプターに対する比率をさらに改善した、当該コアー構造への樹状性質の組み込みを解説している。この例は、エステル連結を利用した単一の樹状コアーを表している。
1,6,7,12-テトラ(4-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4-9,10-テトラカルボン酸二無水物(12)
水酸化カリウム(1.0g、17.8mモル)を、イソプロパノール(20mL)中で攪拌し、そこに1,6,7,12-テトラ(4-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4-9,10-テトラカルボン酸ジ(オクチルイミド)(2.0g、1.6mモル)を添加し及び一晩、還流した。次いで、その反応物質を、5Mの塩酸(60mL)に添加し、次いで遠心分離した。次いで、その結果得られた固体を、5Mの塩酸(280mL)そして水(280mL)で遠心分離洗浄した。次いで、その粗物質を乾燥し及びジクロロメタンと加温ヘキサンから再結晶化させ、微粉末の紫色固体(1.49g、1.5mモル、90%収率)の1,6,7,12-テトラ(4-tert-ブチルフェノキシ)ペリレン-3,4-9,10-テトラカルボン酸二無水物を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):8.21(4H、s、Har)、7.27(8H、d、Har(フェノキシ)、6.7Hz)、6.83(8H、d、Har(フェノキシ)、6.7Hz)、1.30(H36、s、tBu)。
テトラフェノキシペリレン二無水物(400mg、0.4mモル)を、N-4-メチル2-ピロリドン(NMP)(3mL)中で、5-アミノイソフタル酸(400mg、2.2mモル)と合わせ、それを、真空中でそのNMPが泡となり消滅するまで、真空/窒素サイクルで脱気した。次いで、これを窒素雰囲気下で120℃の加温油浴中に置き、及び2時間攪拌した。次いで、この反応を、2.5Mの塩酸の添加で沈殿させ及びろ過した。2.5Mの塩酸溶液、次いで水による洗浄の後、その反応物質を、クロロホルムで抽出し、及び気化で乾燥し、暗紫色固体(396mg、75%)の四酸を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):13.42(4H、s、[H]OOC)、8.51(2H、t、Har(パラ)、3.2Hz)、8.19(4H、d、Har(オルト)、3.2Hz)、7.92(4H、s、Har(ペリレン))、7.28(8H、d、Har(tBu-フェノキシ)、8.2Hz)、6.87(8H、d、Har(tBu-フェノキシ)、8.2Hz)、1.22(36H、s、tBu)。
ペリレンモノ無水物ジエステル(200mg、0.38mモル)を、DMF(2mL)中で、エタノールアミン(230μL、3.82mモル)と合わせた。これを窒素雰囲気下に置き及び20分間攪拌し、次いで、さらに20分間攪拌しながら120℃の油浴中に置いた。次いで、この反応を冷却し、水に添加し、次いでその沈殿物をろ過し、水で洗浄し及び乾燥した。これが、橙赤色固体(208mg、97%)の当該ペリレンエタノールイミドジエステルを与えた。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm(割り当て、J(Hz))):8.59(2H、d、Har(ペリレン)、7.6Hz)、8.41(2H、d、Har(ペリレン)、未分解)、8.40(2H、d、Har(ペリレン)、未分解)、8.09(2H、d、Har(ペリレン)、7.8Hz)、4.49(2H、t、HO-[CH2]-CH2、5.3Hz)、4.36(4H、t、COO-[CH2]-CH2、6.9Hz)、4.03(2H、t、N-[CH2]-CH2、5.3Hz)、1.79(4H、m、OCH2-[CH2]-CH2)、1.50(4H、m、CH2-[CH2]-CH3)、1.00(6H、t、CH2-[CH3]、7.4Hz)。
塩化チオニル(4mL)を、乾燥蒸留クロロホルム(20mL)中のテトラフェノキシ四酸13(120mg、9.2×10-5モル)の攪拌溶液に添加し及び全ての固体物質が溶解するまで、窒素雰囲気下で還流した。次いで、その塩化チオニルとクロロホルムの残渣を、減圧下で除去し及び揮発残渣を、高真空により、その紫色残渣から除去した。その酸塩化物を、クロロホルム(10mL)に取り込み及び乾燥ジクロロメタン(100mL)中で、エタノールイミドペリレンジブチルエステル14(500mg、8.84×10-4モル)及び乾燥蒸留トリエチルアミン(120μL、8.60×10-4モル)の攪拌溶液に、10分間をかけて滴下で添加した。90分後、その反応にヘキサン(100ml)を添加し、その沈殿物をセライトを使用してろ過し、次いで、ジクロロメタン混合溶媒中の20%メタノールで(その溶出部が透明になるまで)洗浄し、次いで、その生成物を、クロロホルムを含むセライトから単離し、その溶媒を除去後、暗紫で栗色の結晶性粉体(192mg、60%収率)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3+D3COD、ppm(割り当て、J(Hz))):8.67(2H、s、Har(アリールイミドからのパラプロトン))、8.26(4H、2、Har(コアーペリレン))、8.24-7.83(40H、Har(追加ペリレン)、Har(アリールイミドからのオルトプロトン))、7.19(8H、d、Har(tBu-フェノキシ)、8.8Hz)、6.80(8H、d、Har(tBu-フェノキシ)、8.8Hz)、4.72(8H、m、O-[CH2]-CH2N)、4.53(8H、m、CH2-[CH2]-N)、4.33(16H、t、COO-[CH2]-CH2、6.7Hz)、1.78(16H、m、OCH2-[CH2]-CH2)、1.49(16H、m、CH2-[CH2]-CH3)、1.20(36H、s、tBu)、0.99(24H、t、CH2-[CH3]、7.4Hz)。
3量体10の光学特性
当該3量体10の光学特性を、UV-Vis及び蛍光分光法を通して検討し及び単量体の相応物質と比較した。この検討を通して、多数の主要な点が現れた。第1に、当該単一の3量体は、これが組み込む単量体ペリレンの直鎖状集合体としてモデリングすることができ、このことは、再吸収損失に関する先の実施例1に記述されるコンピューター予測を支持し、及び第2に、FRETプロセスによるエネルギー移動は、非常に効率的であることは、そのドナー及びアクセプターが、十分にこのFRETペアーのフェルスター半径内にあるという推論を支持している。
図6に示すように、そのベイ位トリマーの主要吸収帯は、その構成ドナー及びアクセプター成分の吸収帯に直接的に相応している。このことは、3量体10の実際のスペクトルと比較した、単純な付加的アプローチにより得られる予測の消光値を通して説明される。
図6に示されるスペクトルから判るように、直鎖状ドナー及びアクセプターの組み合わせの最大値は、当該3量体10に観測された最大値と一致する。このことは、後世代のペリレンベースのアレイに対して、加法的な原理を基に開発される予測モデルの使用を支持している。
当該蛍光スペクトルの比較により、効率的な「光線(optical wire)」にそったFRETに基づくエネルギー移動が強調される。図7は、3量体10の蛍光発光と比較した3量体10の構成ドナー及びアクセプターの蛍光発光を示す。図7で判るように、3量体10の蛍光発光極大は、そのアクセプターのビスフェノキシペリレンの蛍光発光極大とほとんど同じである。
図7に示される3量体10のスペクトルにおいて、約520nmにおける肩状の存在以外に、3量体10のドナー成分の蛍光の明確なサインは無い。これは、モノ臭素化生成物、または以下に見られるような当該コアーペリレンの臭素化で生産された位置異性体などの、微量の不純物のせいかもしない。
求電子芳香族置換に対する臭素の不活性化特性に起因して、ペリレンのベイ位の臭素化は、1及び6位よりも1及び7位に領域選択的であることが見られた。そのため、この反応で形成された生成物の集団は、約10-15%収率のその1,6誘導体を伴った、1,7誘導体である。
実施例6-構成成分及びアレイ
リレンコアー
5量体15に対して上述されたものと同様な合成ルートに従って得られる2つのリレンコアーを、以下に描写する。
これらの両リレンコアーは、官能化され、そのため、少なくとも4つのドナーが追加されて良い。リレンコアー1(左側)は、そのイミド位またはベイ位のどちらにも別々に対処できるので有利であり、したがって特定の吸収波長に、より効率的に調整されるであろう。リレンコアー2(右側)は、その発光蛍光の赤シフトに集中し、そのため、例えば、太陽光発電デバイス及び光電流発生装置などの光捕集アレイが組み込まれたデバイスの要求により良く一致する。
アクセプター
以下のアクセプターは、置換ベンゾコロネンアクセプターの分類になる。
実施例7-光捕集アレイの合成
以下の光捕集アレイの逆合成は、そのような系を利用可能にする潜在的合成ルートを表す。
実施例8-光学的測定
当該アレイにおける追加試験には、FRETにおける変更の模索及び染料アレイ溶媒、例えば、固相状態、様々な溶媒の染料アレイへの応答における総量子効率、及びポリカーボネート、ポリビニルブチラールまたは上述の任意のその他の材料を含む多様なプラスチックにける効率的な凝固状態での寿命変化の検討を含む。それらの試験は、通常は上述の化合物に対して行われるものと同様である。
また、表面パターンのさらなる分析及びそれがプラスチックからの光の取り出しに、どのように影響するかについては、反射及び積分用の球状付属品を有するLambda1050 UV-Vis分光光度計を使用したプラスチックからの伝達、反射率及び発光の比較を通して実施されるであろう。
さらに、総吸収光エネルギーに対して重量付けされた最終アクセプターと比較した当該FRETアレイの再吸収損失は、上述の光学的測定により定量化されるであろう。
本明細書及び以下の請求項を通して、本文脈が要求しない限り、用語「含む(comprise)」、及び「含む(comprises)」そして「含んでいる(comprising)」などの用語は、記載されている整数またはステップまたは整数の群または複数ステップの包含を意味し、いかなるその他の整数またはステップまたは整数の群または複数ステップをも排除しないと理解されよう。
いかなる先行公開物、またはそこから導かれる情報、または公知であるか、または公知でないいかなる内容に関する本明細書における参照も、先行公開物、またはそこから導かれる情報、または公知の内容が、本明細書が関連する試みの分野における共通の一般知識の一部を形成することを、承認または許可またはいかなる形態での示唆するものである、と理解されるべきではない。