JP7183602B2 - 鋳片の研削方法 - Google Patents
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Description
このような鋳片の疵を除去する際には、例えば特許文献1、2に開示された研削装置が用いられる。
これらの研削装置においては、鋳片の表面に対して圧着及び離脱される砥石を備えており、鋳片表面の疵の位置に砥石を移動(あるいは鋳片を移動)し、砥石を圧着させて研削するように構成されている。
そこで、特許文献3においては、研掃材混入高圧水を使用して鋳片の表面を研削するシステムにおいて、鋳片表面の疵を座標化して演算処理を行うことで、研削範囲及び研削手順を決定する方法が提案されている。
一方、多くの疵を一括して研削するために研削範囲を大きくすると、疵が存在しない箇所も研削することになり、やはり、鋳片の研削作業に係る作業時間が長くなってしまうおそれがあった。
そして、集合分割問題として数理解析を行う前に、検出された疵のうち、所定の閾値の範囲内の複数の疵を一つの疵として統合する第2ステップを備えているので、第3ステップにおいて列挙される研削パターンの個数を削減することができ、第4ステップにおける解析時間を短縮することができる。
この場合、第3ステップにおいて、列挙される研削パターンの数をさらに低減することができ、第4ステップにおける解析時間をさらに短縮することができる。
本発明の実施形態である鋳片の研削方法は、鋳片の表面に発生した疵を、研削装置によって研削して除去するものである。
この研削装置においては、鋳片表面の疵の上に砥石を移動し、砥石を鋳片表面に圧着させて研削を行い、その後、砥石を鋳片表面から離脱し、砥石を次の疵の上へと移動させることで、鋳片表面の疵の研削を行うように構成されている。
一方、疵を一括して研削する場合には、疵以外の部分も研削することになるため、研削する面積が大きくなって、逆に研削作業時間が長くなるおそれもある。
上述した第1ステップS01においては、作業者が目視することにより、鋳片の表面に発生した疵を検出し、この疵の位置を鋳片の表面に対して座標化する。これにより、図2(a)に示すように、鋳片の表面における疵の位置がプロットされる。
なお、この第1ステップS01においては、画像処理によって、有害な疵を自動的に判別して、疵の位置を座標化してもよい。
次に、第2ステップS02として、図2(b)に示すように、検出された疵のうち所定の閾値の範囲内の複数の疵を一つの疵として統合する。
疵を統合する際には、図3に示すように、鋳片表面において、疵1と疵2とを含む矩形領域を想定した場合に、この矩形領域の面積が所定の閾値以下となった場合に、疵1と疵2とを統合し、一つの疵として認識する。
すなわち、統合前には、疵1の座標情報(X1min,Y1min),(X1max,Y1max)と、疵2の座標情報(X2min,Y2min),(X2max,Y2max)と、を有していたものを、統合後には、座標情報(X1min,Y1min),(X2max,Y2max)を有する一つの疵として、取り扱うことになる。
このため、疵の統合を判断する「閾値」については、第4ステップS04における解析時間を考慮して決定することが好ましい。なお、疵の統合を判断する「閾値」の下限は、砥石の2パスの研削幅とすることが好ましい。一方、疵の統合を判断する「閾値」の上限は、当該矩形領域の研削時間が、2つの疵に分けた場合の移動時間及び砥石の圧着離脱時間よりも短くなる面積となる。本実施形態では、疵の統合を判断する「閾値」を0.044m2以上0.25m2以下の範囲内に設定している。
次に、第2ステップS02で統合された疵を含む複数の疵について、それぞれ1回研削するように、研削装置による研削指定範囲を設定し、複数の疵を研削指定範囲毎に分割して研削する研削パターンを列挙する。
具体的には、図4に示すように、疵m(m=1,2,3,・・・,M)を研削指定範囲の中に入れるか否かのパターンを全列挙した行列を定義する。ここで、図4においては、各疵を研削する場合を「1」、研削しない場合を「0」として、研削指定範囲をそれぞれ設定している。
なお、疵個数をM個とした場合には、2M-1個の研削パターンが列挙されることになる。
研削指定範囲iの外接Xmin=min(研削範囲iに含まれる各疵の外接Xmin)
研削指定範囲iの外接Xmax=max(研削範囲iに含まれる各疵の外接Xmax)
研削指定範囲iの外接Ymin=min(研削範囲iに含まれる各疵の外接Ymin)
研削指定範囲iの外接Ymax=max(研削範囲iに含まれる各疵の外接Ymax)
具体的には、図6に示すように疵1~疵4が存在する場合において、疵1、疵3、疵4を研削するように研削指定範囲を決定すると、疵2も研削されてしまう。このため、疵1、疵3、疵4を研削し、かつ、疵2を研削しないとする研削指定範囲は実施不可能であるため、この研削指定範囲については排除される。
次に、第3ステップS03で列挙された研削パターンについて、研削作業時間に関する評価関数を作成し、集合分割問題として研削装置による研削時間が最短化される評価関数の解を求め、最適な研削パターンを選択する。
本実施形態では、研削作業時間に関する評価関数として、以下の(1)式を用いている。また、制約条件として、以下の(2)~(4)式を規定している。
研削時間は、X個に分割された各研削指定範囲iにおける研削時間Tiと、砥石の圧着に係る時間ν1と、砥石の離脱に係る時間ν2とを、各研削指定範囲iにおける研削時間とし、これを合計した値である。
移動時間は、X個に分割された研削指定範囲iの間を砥石が移動するために必要な時間である。本実施形態では、解析時間を削減するために、移動時間を一定として計算を行っている。
(3)式は、研削指定範囲の最大指定可能数の制約である。
(4)式は、バイナリ制約である。
これにより、図2(c)に示すように、研削パターンが決定される。すなわち、図2(c)においては、研削指定範囲を3つ指定して、研削を行うことになる。
例えば、本実施形態では、砥石の移動時間を固定したものとして説明したが、これに限定されることはなく、砥石の移動時間を、座標に応じて計算するものとしてもよい。
S02 第2ステップ
S03 第3ステップ
S04 第4ステップ
Claims (2)
- 鋳片の表面に発生した疵を、前記鋳片の表面に対して圧着及び離脱される砥石を備えた研削装置によって研削して除去する鋳片の研削方法であって、
作業者の目視または画像処理によって、前記鋳片の表面に発生した複数の疵を検出し、検出された複数の疵の位置を鋳片の表面に対して2次元座標化する第1ステップと、
検出された疵のうち、所定の閾値の範囲内の複数の疵を一つの疵として統合する第2ステップと、
前記第2ステップを経て認識された複数の疵をそれぞれ1回研削するように、前記研削装置による研削指定範囲を設定して、複数の疵を前記研削指定範囲毎に分割して研削する研削パターンを列挙する第3ステップと、
解析ソフトを用いて、研削作業時間に関する評価関数を作成し、集合分割問題として前記研削作業時間が最短化される評価関数の解を求め、最適な前記研削パターンを選択する第4ステップと、
を備え、
前記第4ステップにおいて得られた最適な前記研削パターンに基づいて、前記研削装置によって鋳片の表面に発生した疵を研削することを特徴とする鋳片の研削方法。 - 前記第3ステップにおいて、実施不可能な研削パターンを排除することを特徴とする請求項1に記載の鋳片の研削方法。
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JP2018137064A JP7183602B2 (ja) | 2018-07-20 | 2018-07-20 | 鋳片の研削方法 |
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