JP7183189B2 - インピーダンス‐emg針、およびその作動方法 - Google Patents

インピーダンス‐emg針、およびその作動方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、参照によりその全文が本明細書に組み入れられる、2017年5月16日付け出願の米国特許仮出願番号第62/506784号の優先権を主張するものである。
連邦政府資金による研究
本発明は、NIHにより授与された助成R01 NS091159の下での政府支援によってなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
衰弱、能力障害、および死亡が、神経筋障害(NMD:neuromuscular disorders)の重大な臨床的帰結となる可能性がある。そのような疾患の治療における進出はあったものの、多くはまだ、効果的な治療法が行われないままである。針筋電計測(needle electromyography(針EMG))は、NMDを評定するための標準的なオフィスベースの試験であり、最も重要な臨床ツールである。米国では、神経根の圧迫、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)、筋傷害(myopathy)を含む、さまざまな症状を有する患者の評定のために、毎年100万件を超えるEMG検査が行われている。
1つの実施態様においては、組織中に挿入されるように構成されたインピーダンス‐EMG針であって、シャフトと、前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された、少なくとも1つのEMG電極と、前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された、複数のインピーダンス電極とを備える、インピーダンス‐EMG針が提供される。いくつかの実施態様においては、能動的な電気特性には、筋線維膜の脱分極(depolarization)が含まれる。
別の実施態様においては、組織の神経筋疾患を評定するシステムであって、組織中に挿入されるように構成されたインピーダンス‐EMG針であって、シャフト、前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極、および前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極を含む、インピーダンス‐EMG針と、前記インピーダンス‐EMG針から少なくとも1つの信号を受信して分析するように構成された、少なくとも1つのコンピュータ装置とを備える、システムが提供される。
別の実施態様においては、組織の神経筋疾患を評定する方法であって、組織中にインピーダンス‐EMG針を挿入すること、ただし、インピーダンス‐EMG針は、シャフトと、前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極と、前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極とを含む、および前記能動的な電気特性と前記受動的な電気特性とから、組織の状態を判定することを含む方法が提供される。
別の実施態様においては、組織に挿入されるように構成されたインピーダンス針であって、シャフトと、前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極とを備える、インピーダンス針が提供される。
別の実施態様においては、組織を評定するように構成されたシステムであって、組織に挿入されるように構成されたインピーダンス針であって、シャフト、および前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極を備える、インピーダンス針と、インピーダンス‐EMG針から少なくとも1つの信号を受信して分析するように構成された、少なくとも1つのコンピュータ装置とを備える、システムが提供される。
別の実施態様においては、組織のインピーダンス画像を生成する方法であって、組織にインピーダンス針を挿入すること、ただしインピーダンス針は、シャフト、および前記シャフト上に配置されて、複数のインピーダンス電極を包囲する組織の体積の受動的な電気特性を測定するように構成された、複数のインピーダンス電極を含む;ならびに前記複数のインピーダンス電極によって測定された組織の受動的な電気特性からインピーダンス画像を再構成することを含む、方法が提供される。
別の実施態様においては、組織を評定する方法であって、組織中に少なくとも1つのインピーダンス針を挿入すること、ただし、前記少なくとも1つのインピーダンス針のそれぞれは、シャフト、および前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極を有する;ならびに前記少なくとも1つのインピーダンス針によって測定された受動的な電気特性から、組織の状態を判定することを含む、方法が提供される。
図面の詳細な説明
図1は、組織中に挿入された状態のインピーダンス‐EMG針の実施態様を示す図である。 図2Aは、インピーダンス‐EMG針が単極EMG設計を含む、実施態様を示す図である。 図2Bは、インピーダンス‐EMG針が同心EMG設計を含む、実施態様を示す図である。 図3は、インピーダンス‐EMG針の別の実施態様の横断面図である。 図4は、インピーダンス‐EMG針から信号を受信して処理するための、外部コンピュータ装置の実施態様を示す図である。 図5は、インピーダンス‐EMG針の動作のための例示的プロセスのフローチャートである。 図6は、インピーダンス電極がインピーダンス‐EMG針の面上の点電極である、実施態様を示す図である。 図7は、インピーダンス電極がインピーダンス‐EMG針上のオープンリングである、実施態様を示す図である。 図8は、インピーダンス‐EMG針が4つを超えるインピーダンス電極を含む、実施態様を示す図である、 図9は、インピーダンス‐EMG針が電気化学バイオセンサを含む、実施態様を示す図である。
図10Aは、複数のインピーダンス針が組織中に挿入されている、従来型システムを示す図である。 図10Bは、図10Aに示されるシステムにおいてインピーダンス測定値を採取する概略図である。 図11Aは、複数のインピーダンス針が組織中に挿入される、システムを示す図である。 図11Bは、図11Aに示されるシステムにおいてインピーダンス測定値を採取する概略図である。 図12Aは、複数のインピーダンス針が組織中に挿入される、システムを示す図である。 図12Bは、図12Aに示されるシステムにおいてインピーダンス測定値を採取する概略図である。 図13Aは、複数のインピーダンス針が組織中に挿入されている、システムを示す図である。 図13Bは、図13Aに示されるシステムにおいてインピーダンス測定値を採取する概略図である。 図14は、4つの面内で針シャフトの円周方向に沿って分布した64のインピーダンス電極を有する、インピーダンス針の実施態様を示す図である。 図15は、針EIIにより生成された画像と、人体解剖学的拘束を組み入れた有限要素モデル(FEM)シミュレーションによって生成された画像との比較の例を示す図である。 図16は、インピーダンス針を使用する電気インピーダンス画像を生成するための、例示的プロセスのフローチャートである。
詳細な説明
針EMGでは、解剖学的ランドマークを使用して、患者の皮膚と皮下脂肪を通して、対象とする筋肉に針が挿入される。筋肉内に設置されると、針は、個々の筋細胞膜(myocyte membrane)を意図的に刺激して傷つけるように、組織を通して穏やかに操作される。針が通過するたびに、結果として生じる膜の脱分極から放電が測定される。医師は、単一の筋線維からの反復的放電(例えば、細動電位(fibrillation potentials)および筋緊張電位(myotonic potentials))、または筋線維の群からの反復放電(例えば、束形成電位(fasciculation potentials)および筋電位(myokymic potentials))を含む、異常な自然電位を特定しようとする。手順のこの部分が完了すると、患者は筋肉を収縮するように求められ、随意運動単位電位(voluntary motor unit potentials)の電気的特徴に加えて、その補充パターン(recruitment pattern)が評価される。
この手順の間、医師は患者を監視して、画面に表示されるEMG信号を同時に精査しながら、筋肉が正しく作動されていることを確認する。試験が完了すると、医師は筋肉の状態について主観的な判断を下し、「自発活動」(筋肉が休止している試験の部分)と、「随意運動単位解析」(患者が意図的に筋肉を収縮させる検査の部分)の両方に対して、0から3の尺度で異常を格付けする。
EMG検査は、さまざまな理由で、NMD評定の標準的なアプローチであり続けてきたようである。これらには、(1)さまざまな筋肉をサンプリングする能力、(2)疾患の存在に対する高い感度、(3)問題の急性/慢性を識別する能力が含まれる。このような利点により、EMGは、神経および筋肉の障害を評価するために使用される標準的な試験となっている。
しかしながら、EMGにはテクノロジーを制限してきた側面がある。第1に、EMGは筋線維膜の電気的活動のみを評定できる。これは貴重ではあるが、組織の非電気的側面については何も表わさない。ほとんどの神経筋疾患は、複雑な方法で組織に影響を与え、組織構造(histology)に大きな変化を引き起こす。例えば、筋傷害には、多数の炎症細胞、浮腫(edma)、脂肪および結合組織の沈着が含まれることがある。神経性疾患は、筋線維萎縮(myofiber astrophy)、線維タイプの群化(fiber type grouping)、および細胞内浮腫(intracellular edma)に関連している。針EMGはこれらの根本的な変化に対して本質的に「盲目的」であり、データは、線維の膜の能動的な電気特性に対する、これらの変化の二次的な影響に基づくものである。
第二には、針EMGは、筋線維の脱分極のポイントまでしか測定しないため、筋肉自体の収縮装置(contractile apparatus)についての情報を提供できない。筋節破壊(sarcomeric disruption)、細胞外結合組織沈着(extracellular connective tissue deposition)、その他の異常はすべて筋力に影響を与える可能性があるが、EMG信号は影響を受けないままである。最後に、一般的に行われているように、EMGは主観的なものであり、医師は0~3の大まかな順序尺度(正常、軽度、中程度、および重度)で異常を格付けする。研究によって専門家の筋電図検査技師の間でも繰返し精度に問題があることが示されており、測定者間での合致率は60%しかなく、疾患の特定率(specificity)は70%でしかない。定量的EMG法は存在するが、非常に時間がかかるという性質のために、実際には使用できない。
最近、診断プロセスにおいてEMGを支援するために、NMDの評価に他の技術も採用されている。力に基づく標準的な測定基準では、筋肉のパフォーマンスの低下を検出できるが、通常、面倒な機器の使用と患者の協力が必要である、痛みが伴う場合には後者を得ることが難しい。
筋肉浮腫、脂肪浸潤(fatty infiltration)、および腫瘤病変(mass lesion)は、磁気共鳴画像法(MRI)およびコンピューター断層撮影で異常な信号強度を引き起こす可能性がある。しかし、そのような技術の使用は費用がかかる可能性があり、おそらくもっと重要なこととして、それらが最も必要とされる場所、ベッドサイドにおいて、面とむかって患者を評価する間に医師を助けるために使用できない場合がある。超音波は、ベッドサイドで使用することのできる別の利用可能なイメージング技術である。ただし、信号品質の再現性には限界があり、解釈は、概して医師の専門知識に依存する。現在まで、限界があるにもかかわらず、他の技術は、主要なNMD診断ツールとして、EMGを置き換えることができなかった。
電気インピーダンスは、最近使用されてきた筋肉評価の4番目の代替技術である。インピーダンスの主な価値はNMD状態を評定することであり、診断情報を提供することもできるが、筋障害(myopathic)を神経性疾患と区別することができることである。インピーダンス測定では、2つの電極間に弱い高周波電流が流されて、その結果生ずる電圧が、2番目の電極セットで測定される。インピーダンスの基礎的な基本原理は、生体組織の微視的構造についての詳細なデータを提供できることである。生物学および医学の分野における確立されたインピーダンスの使用としては、肺組織およびその他の臓器状態の特徴づけ、付着動物細胞培養(adherent animal cell cultures)における細胞濃度のモニタリング、および「ラボオンチップ(lab-on-a-chip)」での細胞スポーティング(cell sporting)が挙げられる。
一般に、インピーダンスは、材料の固有の電気特性により、材料に付加される電流が、周波数の関数として変化するという概念に依拠している。細胞膜はコンデンサとして機能する可能性があり、したがって、周波数依存性が高い可能性がある。特に、骨格筋に電流を流し、電流信号の周波数をkHz~MHzの範囲で変化させると、高周波数(MHz)と低周波数(kHz)の電流が、抵抗性細胞外イオン媒体を通過して流れる。しかしながら、線維膜の容量性の挙動により、高周波電流のみが細胞内媒体を通過して伝播できる。生体組織における周波数依存性は、通常は、さまざまな細胞の大きさと形態を説明する、抵抗器とコンデンサの直列および並列の組み合わせを含む、モデルを使用することによって記述できる。皮膚の上に設置された表面電極を使用した以前の研究では、皮膚に添付された電極を使用して、組織状態と、疾患によるその変化とに対する筋肉インピーダンスの感度が示されている。 このアプローチは、さまざまな障害における、疾患状態に対する感度を示した。
上記の他の技術とは異なり、電気インピーダンスは、EMGと組み合わせるのに本質的に役立つ技術である。第1に、インピーダンスは筋肉の受動的な電気特性を測定し、したがって、EMGによって提供される能動的な電気情報を補完する。第2に、インピーダンスは、休止中の筋肉の測定中、ならびに筋肉収縮中に、定量的データを提供することができる。最後に、他のいくつかの技術とは異なり、インピーダンスはEMG針自体にシームレスに統合される可能性があり、EMG試験の複雑さや持続時間に影響を与えることなく、インピーダンスとEMGの同時記録を可能にする。
さらに、インピーダンス測定とEMG測定を組み合わせることで、廃用性筋萎縮(disuse muscle atrophy)や老齢による萎縮(サルコペニア)など、以前はEMGに容易にアクセスできなかった状態の評定が可能になることがある。EMGでのこれらの状態の変化は、比較的軽微であり、したがってEMGは、一般的には、それらの評価に有用な技術とは見なされない。EMGとインピーダンスを組み合わせることにより、これらの状態を診断し定量化することを可能にするデータを取得できる可能性がある。
さらに、筋疲労や過度の使用を含む、運動誘発性の変化の評定は、EMGとインピーダンス測定の組み合わせで可能になる場合がある。繰り返えすと、これらの状況におけるEMG異常は軽微である場合があるが、インピーダンスの変化はかなり大きい場合がある。これらの技術を組み合わせることで、運動関連の作用効果を定量化するための貴重な追加情報を提供できる可能性がある。
本発明者らは、NMDを有する患者をより正確に診断し、重症度を評定するためのアプローチの必要性を認識し理解した。本明細書では、人に使用するためのインピーダンス‐EMG針を使用して、同時的なインピーダンスおよびEMGデータの筋肉内記録を、同時記録(co-register)および同時位置特定(co-localize)するアプローチの実施態様について説明する。この新規の針により、医師は、同じ測定部位における筋肉の能動的(EMG)および受動的(インピーダンス)電気特性の随伴性変化を検出することにより、筋肉の完全な電気的な特徴づけを達成することが可能になる。
図1は、皮膚150を通り組織160中へと、患者の中に挿入されているときの、インピーダンス‐EMG針の実施態様を示す。針には、EMGデータおよびインピーダンスデータの両方を記録するために、複数の電極を含み得る、シャフト100を含めてもよい。針には、シャフト100の遠位端に位置してもよい、能動EMG電極110を含めてもよい。また、皮膚150上に位置してもよい、基準EMG電極120があってもよい。組織160中を移動する際に、能動EMG電極110および基準EMG電極120は、筋線維の脱分極などの、組織の能動的な電気特性を測定してもよい。針の先端は、組織を容易に貫通して筋肉にアクセスできるように、鋭利にしたり、斜角をつけたり、またはその他任意の形状にしてもよい。
針にはまた、電流インピーダンス電極130および電圧インピーダンス電極140を含めてもよい。図示されるように、電流インピーダンス電極130および電圧インピーダンス電極140は、針のシャフト100のまわりのリングとして構成してもよい。このデバイスは、電圧インピーダンス電極140を通して対応する電圧を測定しながら、電流インピーダンス電極130を通して電流を駆動してもよい。そうすることで、電流インピーダンス電極130および電圧インピーダンス電極140は、抵抗やリアクタンスなどの、組織の受動的な電気特性を測定することができる。いくつかの実施態様では、電流インピーダンス電極130および電圧インピーダンス電極140は、筋線維の方向に対して異なる角度で、受動的な電気特性を測定してもよい。
いくつかの実施態様では、インピーダンス‐EMG針(例えば、図1に関連して説明したインピーダンス‐EMG針)は、筋肉が休止している間、および筋肉が収縮している間に、EIMおよびEMGを測定するように構成してもよい。臨床医は、インピーダンス‐EMG針を患者の筋肉に挿入し、患者に筋肉を休止させるように依頼してもよい。筋肉が休止している間に、インピーダンス‐EMG針は、能動的な電気特性(EMG電極を使用)、および受動的な電気特性(インピーダンス電極を使用)を測定するように構成してもよい。手順のこの部分が完了すると、患者は筋肉を収縮させるように指示されてもよい。筋肉が収縮している間に、インピーダンス‐EMG針は、能動的な電気特性(EMG電極を使用)に加えて、受動的な電気特性(インピーダンス電極を使用)を測定するように構成してもよい。
EMGとEIMの両方の測定値は、筋肉が休止しているときと比較して、筋肉が収縮しているときに、異なって変化する場合がある。さまざまな神経および筋肉の疾患、ならびに傷害および不使用によって、筋肉が休止しているときおよび筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性および受動的な電気特性の変化のしかたが異なることがある。筋肉の両方の状態における能動的および受動的な電気特性の両方を測定することにより、インピーダンス‐EMG針は筋肉をより正確に評定し、筋肉の問題を診断できるようになる。
針のシャフト100は、組織の所望の場所からEMG測定値およびインピーダンス測定値が取得されるような、長さにしてもよい。例えば、医師が患者の大腿部からEMG測定値とインピーダンス測定値を取得したい場合には、針のシャフト100は、医師が患者の指からEMG測定値とインピーダンス測定値を取得したい場合よりも、長くしてもよい。
考察のように、NMDの患者の診断のためのインピーダンスの臨床応用は、これまでのところ、対象の筋肉の上に設置された表面電極を使用することであった。表面ベースのインピーダンスアプローチとは異なり、これまでに説明した針は、EMGと同じ測定部位の筋肉のインピーダンスを同時に直接記録できるようにしてもよい。インピーダンスとEMGの技術の統合には多くの利点がある。
第1に、インピーダンス‐EMG技術は、深部筋肉の筋肉インピーダンスデータを提供することができる。皮膚に接触して設置された濡れた電極または乾いた電極を使用して、筋肉の健康状態を評価する既存の表面インピーダンスアプローチは、容易に適用できるために、使用に便利である。しかしながら、表面インピーダンスデータは、皮膚の水分と皮下脂肪厚さの影響を受ける。その結果、深部の筋肉床で発生する変化を検出する感度は制限される。インピーダンス‐EMG技術は、この制限を克服し、表層筋だけでなく深層筋においても正確な評定を可能にする。インピーダンス‐EMG技術は、肥満している個人の評定にも貴重になることがある。
第2に、インピーダンス‐EMG技術により、インピーダンス空間特定率を高めることができる。表面インピーダンス法は、皮膚、皮下脂肪、筋肉組織の「バルク」電気特性の全体的な変化を検出することにおいて、制限がある。しかしながら、多くの神経筋肉状態では、疾患は、筋肉に不均一に影響を及ぼし、例えば、炎症性筋障害がある。インピーダンス‐EMG技術を用いると、EMGが1cm未満の空間特定率で測定される、電極接触点での筋肉のインピーダンスを評価できる可能性がある。
第3に、インピーダンス‐EMG技術は、in vivoで筋生検のような(muscle biopsy-like)データを提供することができる。インピーダンス‐EMG技術は、EMG試験の複雑さや期間を増やすことなく、医師に簡単な方法で、定量的な筋生検タイプのデータ(例えば、筋線維の大きさや結合組織の量)を提供する能力を有することができる。
いくつかの実施態様では、インピーダンス‐EMG針には、単極EMG設計を含めてもよい。その他の実施態様では、インピーダンス‐EMG針には、同心EMG設計を含めてもよい。図2Aは、インピーダンス‐EMG針が単極EMG設計を含む実施態様を示し、図2Bは、インピーダンス‐EMG針が同心EMG設計を含む実施態様を示す。
インピーダンス‐EMG針が単極EMG設計を含む実施態様では、針には、シャフト200aの外層に絶縁体270aを備えた、シャフト200aを含めてもよい。図1に示されるように、針には、シャフトの遠位端に能動EMG電極210aを含めてもよく、基準EMG電極は、患者の皮膚に位置してもよい。針にはまた、電流インピーダンス電極230aおよび電圧インピーダンス電極240aを含めてもよい。
インピーダンス‐EMG針が同心EMG設計を含む実施態様では、針には、シャフト200bの外層に基準EMG電極220bを備えた、シャフト200bを含めてもよい。シャフト200bには、基準EMG電極220bの内側に絶縁層270bを含め、絶縁層270bの内側に能動EMG電極210bを含めてもよい。針にはまた、電流インピーダンス電極230bおよび電圧インピーダンス電極240bを含めてもよい。いくつかの実施態様では、基準EMG電極210bは、インピーダンス‐EMG針の先端まで延びていなくてもよい。そのような実施態様では、基準EMG電極210bは、電流インピーダンス電極230bおよび電圧インピーダンス電極240bの直前の、シャフト200bの部分まで延びるだけでもよい。例えば、基準EMG電極210bは、シャフト200bの遠位端から遠い電流インピーダンス電極230bの前のシャフト200bの部分まで延びているだけでもよい。そのような実施態様では、基準EMG電極210bがそこに延びる点で始まる追加の絶縁体270cを含めてもよく、電流インピーダンス電極230bおよび電圧インピーダンス電極240bは、この追加の絶縁体270c上に配置してもよい。
他の実施態様では、基準EMG電極220bは、シャフト200bの遠位端まで延びていてもよい。そのような実施態様では、電流インピーダンス電極230bおよび電圧インピーダンス電極220bがその上に配置されている、基準EMG電極220b上に絶縁体(例えば、絶縁リング)があってもよい。
図3は、インピーダンス‐EMG針の別の実施態様の横断面図を示す。この実施態様では、インピーダンス‐EMG針には、シャフト300、能動EMG電極310、電流インピーダンス電極330、および電圧インピーダンス電極340を含めてもよい。針にはまた、電流インピーダンス電極330および電圧インピーダンス電極340を外部コンピュータ装置、例えばコンピュータに接続する、ワイヤ380を含めてもよい。外部コンピュータ装置は、電流インピーダンス電極330および電圧インピーダンス電極340からの信号を生成、受信、および分析してもよい。外部コンピュータ装置はまた、EMG測定値に関連する信号を受信して分析してもよい。このことは、能動EMG電極310を外部コンピュータ装置に接続することができる、追加のワイヤ380で達成してもよい。さらに、例えば、患者の皮膚上に設置された基準EMG電極があってもよく、基準EMG電極はまた、外部コンピュータ装置に、(例えば、別のワイヤ380で)接続されてもよい。
電流インピーダンス電極330および電圧インピーダンス電極340の間隔および大きさは、針のインピーダンス測定部分および針のEMG測定部分の両方から受信される信号の品質を最適化するように設計してもよい。インピーダンス電極は、インピーダンス測定値がEMG測定値に影響を与えず、EMG測定値がインピーダンス測定値に影響を与えないように、設計してもよい。インピーダンス電極はまた、EMG測定値とインピーダンス測定値の両方が同じ組織場所から取得されるように、設計してもよい。
インピーダンス‐EMG針の設計は、有限要素法(FEM)シミュレーションを使用して最適化してもよい。最初に、EMG電極に対する予備実験データに基づいて、初期設計仕様を調整してもよい。次いで、インピーダンス電極を追加することで、EMG能動電極の安定性を確認してもよい。異なるインピーダンス電極の電気的および機械的な特徴は、筋肉組織に挿入された追加のインピーダンス電極を含む、単極および同心のEMG針の標準設計に基づく数値演算ソフトウェア(Comsol(登録商標)ソフトウェアなど)を使用して、3次元FEMモデルでシミュレーションしてもよい。シミュレーションは、基準誘電率組織特性(reference permittivity tissue properties)を使用して、インピーダンス‐EMGデータを測定することのできる、1Hz~10MHzの帯域幅内で実行してもよい。筋肉の異方性の測定は、八角形のパターンに従って針のシャフトに沿って軸方向に分布している、16のインピーダンス電極を用いて、インピーダンス‐EMG針をシミュレーションして検討することもできる。
インピーダンス‐EMG針の設計をさらに最適化するために、生理食塩水タンクおよび寒天ファントム内で、安定した再現可能なインピーダンス測定を行ってもよい。ファントム伝導率は、50kHzで筋肉特性に一致するように選択して、FEMモデルで実行されるシミュレーションで使用される1kHz~10MHzの範囲で、測定してもよい。寒天ファントムは、塩化ナトリウムを含む蒸留水中の寒天の溶液で構成してもよい。筋線維膜(myofibers’ membranes)の異方性を測定するインピーダンス‐EMG針の能力は、ファントム内に異なる厚さの内側絶縁(誘電)フィルム層を含めるアプローチを使用して試験してもよい。針はファントムに異なる深さまで挿入してもよい。寒天‐針電極インターフェイスインピーダンスは、ファントムの時間安定性を確保するために、6時間以内に評価してもよい。
インピーダンス‐EMGの記録特性は、針電極を、接地されていない生理食塩水浴に浸漬し、接地されたマイクロマニピュレーターで保持した状態で、オシロスコープを使用して、試験してもよい。次いで、関数発生器からの基準波形を、浴に浸漬された基準電極に印加してもよい。信号は、オシロスコープを使用して、EMG電極を使用するジェネレータから直接記録してもよい。ライン干渉(50/60Hz)に対するロバスト性は、接地および非接地の被験者が針を保持した状態で、近傍の電気機器の電源を入れたり切ったりして、同様に測定してもよい。
インピーダンス‐EMG針の静電容量は、空気中で測定してもよい。次いで、針を室温の0.9%食塩水中に浸漬する。さまざまな周波数にわたる電極の抵抗と線形性を求めるために、異なる振幅電圧を印加してもよい。電極の安定化を確保した後に、抵抗と静電容量を複数回、記録してもよい。ブロードバンドのベースラインノイズピークと電力を、接地された生理食塩水浴に浸漬した針で測定してもよい。全高調波歪みを、すべての高調波成分のパワーを、生成された基本周波数のパワーに加算して求めてもよい。コモンモード変換は、接地されていない浴内に保持された針電極を用いて、接地されたマイクロマニピュレーターが、浴に浸漬された基準電極に二相波形を加えることによって、試験してもよい。
各電流インピーダンス電極330と隣接する電圧インピーダンス電極340の間の距離は、aの値を有して、これは0.5mmとしてもよい。2つの電圧インピーダンス電極340間のギャップは、bの値を有して、これはaの値の2倍であり、1.0mmとしてもよい。加えて、電流インピーダンス電極330および電圧インピーダンス電極340の各々は、すべて同じ幅wを有して、これは1.0mmとしてもよい。針の直径は1mm未満としてもよい。インピーダンス‐EMG針のシャフト300は、25mmから40mmの範囲の長さを有してもよく、ゲージ16Gから29Gの範囲としてもよい。インピーダンス電極接触は、10Hzで1kΩ未満であり、検知された体積分解能は1cm未満としてもよい。
いくつかの実施態様では、有効電極面積を増加させ、接触インピーダンスを低減するために、電極を(例えば、スパッタリングによって)コーティングしてもよい。スパッタリングプロセスは、電子ビーム法または物理気相法によって実行してもよい。
図4は、インピーダンス‐EMG針から信号を受信して分析するための、外部コンピュータ装置の実施態様を示す。一実施態様では、コンピュータ装置400には、少なくとも1つのプロセッサ402および少なくとも1つのネットワークアダプタ404を含めてもよい。コンピュータ装置には、アライメント支援機構モジュール408、電流アライメントモジュール410、補正アライメントモジュール412、センサ位置モジュール414、および調整ツール効果モジュール416を含む、コンピュータ可読記憶媒体406も含めてもよい。コンピュータ装置400は、神経筋疾患の評定および診断を行うために、インピーダンス‐EMG針から信号を受信して分析するように設計してもよい。
コンピュータ装置400は、針のEMG測定部分および針のインピーダンス測定部分の両方から信号を受信および分析できるように、設計してもよい。コンピュータ装置400は、両方の信号を同時に分析して、測定される組織の能動的な電気特性と受動的な電気特性の両方を反映する結果を得ることができる。コンピュータ装置400は、患者のNMDを評定する際に、医師がインピーダンス‐EMG針を操作中に分析を行うために、結果を画面に表示してもよい。
図5は、インピーダンス‐EMG針の動作のための例示的なプロセス500のフローチャートである。ステップ510において、インピーダンス‐EMG針は、医師によって患者に挿入されてもよい。ステップ520において、インピーダンス‐EMG針は、EMG信号とインピーダンス信号の両方を測定してもよい。ステップ530において、EMG信号およびインピーダンス信号は、コンピュータ装置、例えば、図4のコンピュータ装置400に送信してもよい。ステップ540において、コンピュータ装置は、EMG信号およびインピーダンス信号を受信および処理してもよい。ステップ550において、コンピュータ装置は、EMG信号およびインピーダンス信号を処理した結果を、画面上に表示してもよい。ステップ560において、医師は、画面に表示された結果を分析して、患者のNMDを評定し、診断してもよい。
図6は、電流インピーダンス電極630および電圧インピーダンス電極640が、針のまわりのリングではなく、インピーダンス‐EMG針の面上の点電極として設計されている、実施態様を示す。そのような実施態様では、電流インピーダンス電極630および電圧インピーダンス電極640は、針の内側または針の外側のいずれかに位置してもよいワイヤを介して、外部コンピュータ装置に接続してもよい。針の外側に接続する場合には、針シャフトに金属導体の線路をプリントして、絶縁材で覆うことによって接続を行ってもよい。インピーダンス‐EMG針には、さらに、シャフト600の遠位端に能動EMG電極610を含めてもよく、基準EMG電極は、患者の皮膚上に位置してもよい。
図7は、電流インピーダンス電極730および電圧インピーダンス電極740が、インピーダンス‐EMG針のまわりのオープンリングとして設計されている、実施態様を示す。そのような実施態様では、電流インピーダンス電極730および電圧インピーダンス電極740は、インピーダンス‐EMG針を完全には取り囲まないリングとしてもよい。このようにして、電流インピーダンス電極730および電圧インピーダンス電極は、針の内側または針の外側のいずれかに位置してもよいワイヤを介して、外部コンピュータ装置に接続してもよい。針の外側に接続する場合は、針シャフトの上に金属導体の線路をプリントし、絶縁材で覆うことによって、接続を行ってもよい。インピーダンス‐EMG針には、さらに、シャフト700の遠位端に能動EMG電極710を含めてもよく、基準EMG電極は、患者の皮膚上に位置してもよい。
図8は、インピーダンス‐EMG針が4つを超えるインピーダンス電極を含む、実施態様を示す。そのような実施態様では、図8に示すように、合計8つのインピーダンス電極があってもよい。合計4つの電流インピーダンス電極830と、合計4つの電圧インピーダンス電極840とがあってもよい。これにより、インピーダンス‐EMG針が、異なる方向および電極構成におけるインピーダンスを記録できるようになる。そうすることで、インピーダンス‐EMG針は、測定中の組織の異方性を反映する測定値を取得できる場合もある。この実施態様は、合計8個のインピーダンス電極を備えたインピーダンス‐EMG針を示しているが、より多く(例えば16個)またはより少ない(例えば4個の)インピーダンス電極があってもよい。インピーダンス‐EMG針は、さらに、シャフト800の遠位端に能動EMG電極810を含めてもよく、基準EMG電極は、患者の皮膚上に位置してもよい。
図9は、インピーダンス‐EMG針が電気化学バイオセンサ990を含む、実施態様を示す。電気化学バイオセンサ990は、生物学的成分を物理化学的検出剤と結合させる、分析物の検出を可能にする。例えば、電気化学的バイオセンサー990は、筋肉内の細胞受容体、酵素、または核酸を検出してもよい。図9のインピーダンス‐EMG針は、ただ1つの電気化学バイオセンサー990を含むが、インピーダンス‐EMG針には、複数の電気化学バイオセンサー990を含めてもよいことを理解すべきである。そのような実施態様では、インピーダンス‐EMG針には、電流インピーダンス電極930および電圧インピーダンス電極940をさらに含めることができる。そのような実施態様では、インピーダンス‐EMG針には、電流インピーダンス電極930および電圧インピーダンス電極940をさらに含めることができる。インピーダンス‐EMG針には、シャフト900の遠位端に能動EMG電極910を含めることもでき、基準EMG電極は患者の皮膚上に位置してもよい。
筋組織のインピーダンスの測定と共に、生体組織および体液の基礎となる誘電率を測定することは、電磁界が生体システムと相互作用するし方を理解するために必須である。生体組織の誘電率は、組織の導電率σ(または抵抗率ρ)および比誘電率ε(または反応性τ)によって決まる。さまざまな測定技術により、これらの特性は周波数に依存することが示されている。生体組織の重要な特性は、特定の方向に流れようとする、電流の選好である。この現象は、組織の導電率と比誘電率の異方性(つまり、方向依存性)によって決まる。骨格筋組織では、これらの特性の異方性は、筋線維の向きによって決まる。例えば、ラット筋肉のin vivo研究では、縦方向(筋線維に沿った電流の流れ)と横方向(筋線維に垂直な電流の流れ)の伝導率の値が10倍異なることが報告されている。
より最近では、生体組織の導電率と相対誘電率の信頼できる基準データベースを確立するために大きな努力が払われてきた。これらの研究で報告された結果の中では、筋肉組織における異方性を測定するための改善された測定技術と、その特有のアプリケーションを開発する必要がある。実際、組織の誘電率の異方性をin situで測定するために現在利用可能なインピーダンスアプローチは限られている。現在のアプローチには多くの欠点がある。第一に、利用可能なアプローチは、純粋に導電異方性材料のみを考慮して開発されている。実際には、生細胞は印加された電界と相互作用し、組織の比誘電率に随伴する位相遅延を引き起こす。第二に、組織の異方性特性の調査に関して、既存のアプローチでは、未知の組織の誘電率によって定義される縦方向および横方向において、電極を完全に整列させる必要がある。組織の種類と、先験的知識の欠如によって、電極を完全に整列させることは困難であるか、または不可能でさえあり得る。第三に、組織の導電率を計算するための既存のアプローチは、未知の組織の誘電率によって定義される縦方向と横方向で測定される2つの見かけの導電率値をスケーリングすることに基づいている。電極を整列させることにおけるノイズ、アーチファクト、および実験誤差により、組織の推定される縦方向および/または横方向の伝導率の精度が損われる可能性がある。
上記では、EMG電極とインピーダンス電極の両方が単一の針に配置されているインピーダンス‐EMG針の実施態様について説明した。しかしながら、いくつかの実施態様では、針はインピーダンス電極のみを有してもよい。例えば、いくつかの実施態様では、インピーダンス針は、針上に配置された2つまたは4つのインピーダンス電極を有してもよい。
筋肉組織の異方性の方向が不明であると想定される場合(最も一般的な場合)、誘電率を計算するために、3方向以上においてインピーダンス針で筋肉のインピーダンスを測定することが必要となる場合がある。そうしないと、インピーダンスプローブの位置決めにおける誤差により、計算された複素誘電率の正当性が損なわれる可能性がある。しかし、針EMGで使用される針の場合のように、インピーダンス電極が単極EMG設計を含む針上に配置される場合、これには、外部から内部組織にアクセスするために少なくとも12回の針挿入を必要とする場合がある。これは、例えば皮膚や皮下脂肪組織を介して骨格筋組織にアクセスするための前臨床研究では受け入れ可能であるかもしれないが、これらの方法の臨床移行には、患者の不快感を最少化するために挿入回数を低減する必要がある。
比誘電率ε∈R>0(無次元)のy軸に沿った均質で(半)無限の異方性導体における点電流電極によって作成される、電位V∈C(V)は、
Figure 0007183189000001
ここで、I(A)は合計電流であり;kα =kは、縦(L)y方向(φ)および横(T){x,z}方向(φ)のインピーダンス性(impedivity)からの幾何平均インピーダンス性;K∈{2π,4π}は、それぞれ半無限および無限ドメインの定数因子であり;rα=(x,αy,z)は見かけの位置である。
従来、異方性組織の複素誘電率の測定は、インピーダンスプローブの見かけの位置rαのz成分をゼロと見なすことに基づいている。つまり、既存の方法では、インピーダンスプローブをxy平面に設置することが必要となる。次に、異方性情報を取得するために、2つ以上の異なる方向における見かけのインピーダンス性が測定される。
例えば、図10Aは、複数のインピーダンス針が組織1010に挿入される、従来のシステム1000を示す。複数のインピーダンス針は、複数の内部インピーダンス針1020および複数の外部インピーダンス針1030を含む。複数の内部インピーダンス針1020には、少なくとも1つの電圧インピーダンス電極を含めてもよく、複数の外部インピーダンス針1030には、少なくとも1つの電流インピーダンス電極を含めてもよい。システム1010において、複数の内部インピーダンス針1020および複数の外部インピーダンス針1030は、組織1010と同じ深さまで挿入され、電流インピーダンス電極および電圧インピーダンス電極はxy平面にある。図10Bは、筋線維の横方向(φ)および縦方向(φ)方向に対して、xy平面におけるインピーダンス測定のd番目の角度θの概略図を示す。
しかしながら、いくつかの実施態様では、z座標を変更することにより、組織の様々な深さにインピーダンスプローブを挿入することが有利な場合がある。例えば、いくつかの実施態様では、インピーダンス針は、針に沿って間隔を空けられた2つの電極―電流インピーダンス電極および電圧インピーダンス電極―を有してもよい。図11Aは、複数のインピーダンス針1120が組織1110に挿入されるシステム1100を示す。いくつかの実施態様では、複数のインピーダンス針には、少なくとも1つの電圧インピーダンス電極1120a、および少なくとも1つの電流インピーダンス電極1120bを含めてもよい。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの電圧インピーダンス電極1120aおよび少なくとも1つの電流インピーダンス電極1120bが組織1110の異なる深さにある(例えば、それらが異なるZ座標を有する)ように、複数のインピーダンス針1120を組織1110に挿入してもよい。図11Bは、筋線維の横方向(φ)および縦方向(φ)に対して、xy平面におけるインピーダンス測定のd番目の角度θの概略図を示す。
システム1100のいくつかの実施態様においては、インピーダンスは、筋線維の横(φ)および縦(φ)方向に等しい2つの角度θにおいて測定してもよい。他の実施態様では、インピーダンスは、角度θの任意の対で測定してもよい。別の実施態様では、インピーダンスは、3つ以上の角度θで測定してもよい。
いくつかの実施態様では、インピーダンス針が複数の電圧インピーダンス電極および/または複数の電流インピーダンス電極を有することが有利な場合がある。例えば、インピーダンス針上の2つの電極間の距離がdであり、インピーダンス針上に複数の電極がある場合には、インピーダンス針上の外部電極間の距離はNdに等しく、ここで、Nは電極間距離の数と考えることができる。図12Aは、第1のインピーダンス針1220および第2のインピーダンス針1230が組織1210中に挿入される、システム1200を示す。いくつかの実施態様では、第1のインピーダンス針1220には、2つの電圧インピーダンス電極1220aおよび1つの電流インピーダンス電極1220bを含めてもよい。いくつかの実施態様では、第2のインピーダンス針1230には、1つの電圧インピーダンス電極1230aおよび2つの電流インピーダンス電極1230bを含めてもよい。図12Bは、z方向に測定されたn番目の電極間距離の概略図を示す。図12Bでは、測定角度θは、組織1210の横{x、z}方向および縦y方向に対して定義される。
システム1100では、電極の数、したがって電極間距離の数は一定であり(N=1)、インピーダンス測定角度θを変化させた。しかしながら、システム1200では、インピーダンス測定角度θは一定であり、同じインピーダンス針内の電極間距離の数Nは変化する。システム1200のいくつかの実施態様では、インピーダンスは、N=2の電極間距離で測定してもよい。他の実施態様では、インピーダンスは、N≧2の電極間距離で測定してもよい。
第1インピーダンス針1220は2つの電圧インピーダンス電極と1つの電流インピーダンス電極を有するように示されているが、他の構成が可能であるので、第1インピーダンス針1220は異なる数の電圧インピーダンス電極と電流インピーダンス電極を有してもよいことを理解されたい。同様に、第2インピーダンス針1230は1つの電圧インピーダンス電極と2つの電流インピーダンス電極を有するように示されているが、他の構成が可能であるので、第2インピーダンス針1230は異なる数の電圧インピーダンス電極と電流インピーダンス電極を有してもよいことを理解されたい。
いくつかの実施態様では、インピーダンス針が複数の電圧インピーダンス電極および/または複数の電流インピーダンス電極を有し、システム1200におけるように、異なる電極間距離Nにおいてインピーダンスを測定するとともに、システム1100におけるように、異なる測定角度θにおいてインピーダンスを測定することが有利である場合がある。従来の方法に共通する特徴は、組織の異方性方向がわかっているものと想定されることである。言い換えると、測定角度θがπ/2および0の場合、測定される見かけのインピーダンス性は、組織の抵抗率と反応性の特性によって定義される縦方向および横方向に対応するインピーダンス性である。その後、組織の誘電率における異方性に対して針電極を位置決めする実験誤差により、不正確な推定値が得られる場合がある。この制限は、複数の電極間距離Nと複数の測定角度θで組織の見かけのインピティビティを測定することによって克服できる。
例えば、図13Aは、複数のインピーダンス針が組織1310に挿入されるシステム1300を示す。いくつかの実施態様では、複数のインピーダンス針には、少なくとも2つの第1のインピーダンス針1320と、少なくとも2つの第2のインピーダンス針1330とを含めてもよい。図12Aの第1のインピーダンス針1220および第2のインピーダンス針1230と同様に、少なくとも2つの第1のインピーダンス針1320には、2つの電圧インピーダンス電極と1つの電流インピーダンス電極を含めてもよく、少なくとも2つの第2インピーダンス針1330には、1つの電圧インピーダンス電極と2つの電流インピーダンス電極を含めてもよい。図13Bは、測定されたn番目の電極間距離およびd番目の角度の概略図を示す。図13Bでは、測定角度θは、組織1310の未知の横方向および縦方向に対して定義されている。システム1300におけるいくつかの実施態様において、インピーダンスは、N≧2の電極間距離およびD≧3の測定角度で測定してもよい。
いくつかの実施態様では、インピーダンス針は、4つのインピーダンス電極を有するプローブ、または「4電極プローブ」としてもよい。例えば、インピーダンス針は、本明細書で説明されるようなインピーダンス‐EMG針と同様のインピーダンス電極の構成を有してもよい。いくつかの実施態様では、複数のインピーダンス針を、約45mmの深さで組織1310中に挿入してもよく、インピーダンスデータを、複数の周波数にわたって採取してもよい。いくつかの実施態様では、インピーダンス針の4つの電極間の距離を、針の先端から針の基部まで電極を並べて、1.5mm、2mm、および1.5mmとしてもよい。
いくつかの実施態様では、4電極プローブにおける電極の様々な構成を利用して、異方性誘電率をin situで測定してもよい。次の表に、いくつかの構成例を示す。さまざまな構成において、異なる電極は、HC(高(ソース)電流)、HP(高(正)電位)、LP(低(負)電位)、LC(低(シンク)電流)、またはNC(未接続)のいずれかである。
Figure 0007183189000002

筋肉組織の異方性誘電率を測定することは、疾患進行を追跡し、NMDの患者の治療効果を評価するのに役立つことがある。NMDでは、疾患の病態生理(pathophysiology)が後に筋肉組織の構造と内容を変化させ、そのことが筋肉の誘電率を変化させる可能性がある。例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)は、筋線維の損失と、脂肪および線維組織による筋線維の漸進的な置換によって特徴付けられる。筋肉の誘電率を正確に測定する能力を向上させると、より新しい診断ツールと治療法の開発戦略への洞察が得られる可能性がある。さらに、記載の実施態様は、筋肉の誘電率を測定するために必要な針挿入の回数を減らすのに役立つ可能性がある。
いくつかの実施態様では、インピーダンス針は、電気インピーダンスイメージング(EII:electrical impedance imaging)に使用するように構成してもよい。そのような実施態様では、インピーダンス針は、例えば、針の長さに垂直な4つの異なる平面上に電極が存在するような構成で配置された、複数の電極を有してもよい。例えば、図14は、4つの平面において針シャフトに沿って円周方向に分布した64個の電極を有する、インピーダンス針の実施態様を示す。いくつかの実施態様では、インピーダンス針は、EMG測定用に構成された追加の電極を有してもよい。そのような実施態様では、インピーダンス針は、組織の画像を生成するために、EMGをさらに測定してもよい。
過去20年間にわたるイメージング技術の発展により、筋肉障害の診断と評価が強化された。最も一般的に使用される2つのイメージングモードである磁気共鳴イメージング(MRI)と超音波(US)は、臨床神経筋介護と研究の両方でますます注目されている。MRIは、疾患の進行を示すバイオマーカーとして、また代謝の変化を評定するツールとして、疾患の診断を支援する能力のために、多用性を示してきた。同様に、超音波と、エラストグラフィ(elastography)や定量的超音波を含む、そのバリエーションは、その使いやすさと原発性筋疾患の進行と療法への反応を追跡する能力を考えると、関心がもたれる。ただし、MRIと超音波の使用に付随する技術的および実際的な制限がある。例えば、MRIは完了するのに比較的時間がかかり、費用がかかり、患者が専門の施設に行く必要があり、患者が一度に数分間静止している必要がある。対照的に、超音波は、ベッドサイドで便利に実行可能であるが、プローブ角度のわずかな変更によって、画像が歪む可能性があり、適切に実行するにはかなりの検査技師経験を必要とする。
筋肉を評価するのに適したモードの1つはEIIである。EIIでは、弱い非イオン化電流(通常10~100kHzの間)を2つの駆動電極間に流し、結果として生じる電圧を、2対以上のセンシング電極で測定してもよい。次に、この手順を複数回繰り返して、円周全体を一周するまで駆動電極と検知電極を連続的に変更する。例えば、図14は、インピーダンス針上のインピーダンス電極の異なる対が電流を駆動し、電圧を検知するように構成された、複数のモードを示す。複数の電極の両端で得られたこのデータから、数学的アルゴリズムを使用して画像を再構成することができる。
MRIや超音波と同様に、EIIの利用への標準的なアプローチは、非侵襲的な表面記録から内部構造のインピーダンス画像を作成することからなる、すなわち、「アウトサイド・イン(outside-in)」アプローチである。明らかに価値があるが、このアプローチは、身体領域上に8、16、32、または最大64の電極を設置する必要があるため、実際に適用するのは面倒なことがある。いくつかの実施態様では、「インサイド・アウト」アプローチを採用してもよく、この場合には、電流駆動電極および電圧検知電極は、筋肉に挿入されるインピーダンス針内部に埋め込んでもよい。作成されたインピーダンス画像は、インピーダンス針の周囲のボリュームを表わし、脂肪沈着、結合組織、または炎症領域の侵入を検出する可能性がある。したがって、針EMGのように、「針EII」を患者のベッドサイドで使用して筋肉を検診することができ、それから、筋肉のインピーダンス画像をリアルタイムで再構成し、通常、直接生検によってのみ観察可能な、マイクロメートルスケールでの変化を明らかにすることができる。
図15は、針EIIを介して生成された画像と、人間の解剖学的制約を組み込んだ有限要素モデル(FEM)シミュレーションを介して生成された画像との比較の例を示している。上腕三頭筋長頭(long head of triceps brachii muscle)の中心に19G針を挿入した、ヒトの右腕のFEMを生成した。FEMモデルは、健常者の右腕のMR画像から作成した。筋肉の2つの単純化された状態を評価した:1つは脂肪浸潤の領域(A.FI)、もう1つは急性炎症/浮腫の領域(B.AI)である。FIの場合、健康な筋肉組織の部位と比較して、伝導性の低い領域で脂肪沈着をシミュレーションした。AIの場合、浮腫は筋肉内のより伝導性の高い領域の侵入でシミュレーションしたが、周囲の組織は、健康な筋肉組織としてシミュレーションした。
両方のFEMで、筋肉の固有の電気特性とその異方性は、オンラインリファレンスデータベースから取得した。図15に示すインピーダンス画像を生成するために、インピーダンス針は、図14に示すように、4つの異なる平面において針のシャフトに沿って円周方向に分布する16個のインピーダンス電極を有し、合計64個の電極を備えてもよい。インピーダンス画像を生成するために、回転スキームを実装してもよい。インピーダンス画像を生成するために、インピーダンス針の2つの駆動電極間に電流を流し、生じた電圧をインピーダンス針の第2のセンシング電極対を使用して測定してもよい。この手順を繰り返して、円周全体を一周するまで、隣接する電極対の間に電流を流してもよい。次に、数学的アルゴリズムを使用して画像再構成を実施し、筋肉の内部インピーダンス分布を画像化してもよい。加えて、インピーダンス針には、筋肉のEMGを測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極を含めてもよく、EMG測定値からも同様に画像を再構成してもよい。
例えば、図16は、インピーダンス針を使用して電気インピーダンス画像を生成するための、例示的なプロセス1600のフローチャートである。いくつかの実施態様では、プロセス1600には、インピーダンス針が組織に挿入される、ステップ1610を含めてもよい。次いで、プロセス1600には、インピーダンス針内の一対の隣接インピーダンス電極間に電流が流される、ステップ1620を含めてもよい。次いで、プロセス1600では、随伴する電圧がインピーダンス針上の他のインピーダンス電極によって検知される、ステップ1630を含めてもよい。次いで、プロセス1600には、インピーダンス測定の円周全体を一周したかどうかが判定される、ステップ1640を含めてもよい。そうでない場合、プロセス1600はステップ1650に進み、ここで、プロセス1600はステップ1620に戻るが、異なる対の隣接するインピーダンス電極が電流を駆動する。インピーダンス測定の円周を一周した場合、プロセス1600はステップ1660に進み、ここで、組織の電気インピーダンス画像が生成される。
いくつかの実施態様では、画像再構成方法は、線形システムSκ=Zを構築するための2段階アルゴリズムを含んでもよく、ここで、κは再構成される筋肉インピーダンスを表わし、Sは垂直インピーダンス測定から得られるインピーダンス感度行列、Zは図14に示す回転スキームで得られたインピーダンスデータである。第1のステップでは、ドメインを離散化して、Sを計算してもよい。第2のステップでは、Zを取得してもよい。次いで、画像再構成を、線形最小二乗モデルフィッティング問題として定式化してもよく、この場合に、FEMモデルはイメージング領域を表わし、測定されたインピーダンスを予測する。具体的には、次の方程式を最小化して2次元画像再構成を定式化できる。
Figure 0007183189000003


ここで、
Figure 0007183189000004
は再構成された異方性筋肉のインピーダンス、
Figure 0007183189000005
は上記の方程式から得られたインピーダンス感度行列、λは正則化パラメータ、
Figure 0007183189000006
は正則化行列、
Figure 0007183189000007
は、
Figure 0007183189000008
に関する事前知識、||・||はL2ノルムである。このアプローチは、位置(x、y)における
Figure 0007183189000009
が推定される、静的な2次元イメージングとして定義してもよい。
図15は、再構成されたインピーダンス画像と、FEMシミュレーションとの比較を示している。脂肪浸潤(A.FI)と急性炎症/浮腫(B.AI)の両方のシミュレーション設定において、針EIIを使用して筋肉の異常を区別して、脂肪浸潤筋肉において伝導率が低下した部位と、急性炎症/浮腫による影響を受けた筋肉において伝導率が増加した部位とを示すことができる。
本明細書に記載のインピーダンス針を使用して、筋肉の閉じ込められた領域を画像化する、EIIの可能性が実証された。50kHzでの結果は、炎症や脂肪沈着の領域の存在などを含む、微視的な筋肉変化を検出して画像化することが可能であることを示している。インピーダンスイメージングには50kHzを使用してもよいが、使用する範囲に近い周波数では組織のインピーダンス性特性が十分に変化しない可能性があるため、他の周波数(100kHzなど)を使用してもよい。さらに、インピーダンス針を使用する際に、皮膚や皮下脂肪などの他の組織によるインピーダンスデータの外乱が最小限に抑えられるため、表層および深部の両方の筋肉を画像化することができる。これらの外乱は、患者の皮膚上のインピーダンス電極でEIIを使用しようとする際に、より重大になる可能性がある。針EIIは、ベッドサイドで筋肉の構造と組成を画像化することにより、そうでなければ生検によってのみ取得可能である、筋肉の状態に対する新しい洞察を提供することができる。針EIIは、他の技法を使用して生成された他のインピーダンス画像よりも高い解像度でインピーダンス画像を生成することもできる。
いくつかの実施態様では、インピーダンス針(例えば、図14に関連して記載したインピーダンス針)は、筋肉の異方性誘電率を測定するように構成してもよい。例えば、一方法には、異方性筋肉のインピーダンス性を推定して実際のインピーダンス性分布を取得する第1のステップを含めてもよい。いくつかの実施態様では、インピーダンス性を推定することは、垂直インピーダンス測定値から、異方性筋肉の縦(L)インピーダンス性
Figure 0007183189000010


を推定すること、および横(T)インピーダンス性
Figure 0007183189000011


を推定することを含み、ここで
Figure 0007183189000012
および
Figure 0007183189000013
は、それぞれ、推定幾何平均インピーダンス性および筋肉の推定異方性比であり、次のように定義され:
Figure 0007183189000014


ここで、Zはn番目の電極構成を使用して測定されたインピーダンス、K=4πはスケーリング係数、dは電極深さ距離、Dは同平面内の電極の数、rは針半径、A:=(θ+θn+1)/2、およびB:=(θ-θn+1)/2である。
いくつかの実施態様では、この方法は、図14に関連して説明した回転方式を使用して、インピーダンス針でインピーダンスデータを測定する第2のステップを含む。次いで、画像再構成を、線形最小二乗モデルフィッティング問題として定式化してもよい。
考察したように、針EIIは、筋肉の領域の状態を評価するのを助けるベッドサイド診断ツールとして使用してもよい。EII針は、超音波を使用してガイドし、画像化している間に、視野を広げるように、筋肉内を動きまわらせてもよい。EIIは、筋ジストロフィーを含む筋肉状態の治療における、新規療法の効果を評価するためのバイオマーカーとして使用することもできる。EIIはまた、EMGニードルデバイス中に統合して、EMGが記録されるのと同時に、筋肉の微細構造と疾患の変化を画像化してもよい。
いくつかの実施態様では、インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針は、上記のように、組織の温度を測定するように構成してもよい。例えば、インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針には、温度を測定するための追加の電極を含めるか、または温度を、インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針上の2つの電極から測定してもよい。
さらに、インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針に関連して説明したインピーダンス電極は、必要であれば、EMG測定も実行するように構成してもよい。
インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針の実施態様は、組織内の非筋肉構造を評定するようにさらに構成してもよい。例えば、インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針は、脂肪、または血栓および/または他の塊などの異物を評定するように構成してもよい。インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針は、インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針が腱、血管、または他の意図しない組織に不注意で刺さっていないかどうかを判定するように構成してもよい。インピーダンス‐EMG針および/またはインピーダンス針は、正確な針の位置特定を支援するように構成してもよい。
本明細書に記載の原理に従って動作する技法は、任意の適切な方法で実現してもよい。上記の考察には、EMGとインピーダンスの両方を使用し、組織の電気特性を測定し、神経筋疾患を評価するさまざまなプロセスに加えて、針EIIのプロセスの、ステップおよび行為を示す、一連のフローチャートが含まれている。上記のフローチャートの処理ブロックおよび決定ブロックは、これらのさまざまなプロセスを実行するアルゴリズムに含まれることのある、ステップおよび行為を表わしている。これらのプロセスから導出されたアルゴリズムは、1つまたは2つ以上の単一目的プロセッサまたは多目的プロセッサと統合され、その動作を指示するソフトウェアとして実装するか、デジタル信号処理(DSP)回路または特定用途向けIC(ASIC)などの機能的に等価な回路として実装するか、またはその他の適切な方法で実装してもよい。本明細書に含まれるフローチャートは、特定の回路の、または特定のプログラミング言語の、またはプログラミング言語のタイプの、シンタックスまたはオペレーションを示すものではないことを理解すべきである。むしろ、フローチャートは、本明細書に記載のタイプの技術を実行する特定の装置の処理を実施するために、当業者が回路を製作するか、またはコンピュータソフトウェアアルゴリズムを実装するのに使用できる、機能的情報を示している。また、本明細書で特に明記しない限り、各フローチャートに記載されている特定の一連のステップおよび/または行為は、実装可能なアルゴリズムの単なる例示であり、本明細書に記載の原理の実装形態および実施態様において変更できることも理解すべきである。
したがって、いくつかの実施態様では、本明細書で説明する技術は、アプリケーションソフトウェア、システムソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、埋め込みコード、またはその他任意の適切なタイプのコンピュータコードとしてを含む、ソフトウェアとして実装される、コンピューター実行可能命令で具現化してもよい。そのようなコンピューター実行可能命令は、多くの適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツールまたはスクリプトツールのいずれかを使用して記述してもよく、実行可能マシン言語コード、またはフレームワークまたは仮想マシンで実行される、中間コードとしてコンパイルしてもよい。
本明細書に記載の技法がコンピュータ実行可能命令として具現化される場合、これらのコンピュータ実行可能命令は、それぞれがこれらの技法に従って動作するアルゴリズムの実行を完了するための1つまたは2つ以上の動作を提供する、いくつかの機能的ファシリティ(functional facilities)としてを含み、任意適切な方法で実装してもよい。インスタンス化されている、「機能的ファシリティ」は、1つまたは2つ以上のコンピューターと統合されて実行されると、1つまたは2つ以上のコンピューターに特定の操作上の役割を実行させる、コンピュータシステムの構造的構成要素である。機能的ファシリティは、ソフトウェア要素の一部、または全体である場合がある。例えば、機能的ファシリティは、プロセスの機能として、または個別のプロセスとして、またはその他の適切な処理単位として実装してもよい。本明細書で説明される技法が複数の機能的ファシリティとして実装される場合、各機能的ファシリティは独自の方法で実装されてもよく、すべて同じ方法で実装する必要はない。さらに、これらの機能的ファシリティは、適宜に、並列および/または直列で実行してもよく、実行しているコンピューター上の共有メモリを使用するか、メッセージパッシングプロトコルを使用するか、またはその他の任意の適切な方法で、互いの間で情報を伝達してもよい。
一般的に、機能的ファシリティには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実装したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。通常、機能的ファシリティの機能は、それらが動作するシステムにおいて、必要に応じて組み合わせるか、または分散させてもよい。いくつかの実装形態では、本明細書の技法を実行する1つまたは2つ以上の機能的ファシリティが、一緒になって完全なソフトウェアパッケージを形成してもよい。これらの機能的ファシリティは、代替実施態様では、ソフトウェアプログラムアプリケーションを実装するために、他の無関係な機能的ファシリティおよび/またはプロセスと相互作用するように適合させてもよい。その他の実装形態では、機能的ファシリティは、ワシントン州レドモンドのMicrosoft(登録商標)Corporationから入手可能な、Windows(登録商標)オペレーティングシステムを含む、オペレーティングシステムを形成するような方法で、他の機能的ファシリティと相互作用するように適合させてもよい。言い換えれば、いくつかの実装形態では、機能的ファシリティは、オペレーティングシステムの一部または外部として代替的に実装されてもよい。
本明細書では、1つまたは2つ以上のタスクを実行するためのいくつかの例示的な機能的ファシリティについて説明した。ただし、記述した機能的ファシリティおよびタスクの分割は、本明細書に記載した例示的な技法を実装できる、機能的ファシリティのタイプの単なる例示にすぎないこと、実施態様が、機能的ファシリティの特定の数、分割、またはタイプに実装されることに限定されないことを理解すべきである。実装形態によっては、すべての機能を、単一の機能的ファシリティに実装してもよい。また、いくつかの実装では、本明細書に記載する機能的ファシリティの一部は、他のものと一緒に、または他のものとは別個に(つまり、単一のユニット、または個別のユニットとして)実装できること、またはこれらの機能的ファシリティの一部は実装されなくてもよいことも理解すべきである。
本明細書に記載の技法を実装するコンピューター実行可能命令は(1つまたは2つ以上の機能的ファシリティとして、またはその他任意の方法で実装される場合)、いくつかの実施態様では、メディアに機能を提供する1つまたは2つ以上のコンピューター読み取り可能媒体にコード化されてもよい。コンピュータ可読媒体としては、ハードディスクドライブなどの磁気媒体、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体、永続的または非永続的なソリッドステートメモリ(たとえば、フラッシュメモリ、磁気RAMなど)、またはその他の適切な記憶メディアが挙げられる。そのようなコンピュータ可読媒体は、上記の図4のコンピュータ可読記憶媒体406として(すなわち、コンピュータ装置400の一部としてなど)、またはスタンドアロンの別個の記憶媒体としてを含み、任意の適切な方法で実装することができる。本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」(「コンピュータ可読記憶媒体」とも呼ばれる)は、有形の記憶媒体を指す。有形の記憶媒体は、非一時的であり、少なくとも1つの物理的、構造的構成要素を有する。本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」では、少なくとも1つの物理的、構造的構成要素は、埋め込み情報を含む媒体を作成するプロセス、その上に情報を記録するプロセス、または情報を含む媒体を符号化するその他のプロセスの間に、何らかの方法で変更され得る少なくとも1つの物理的特性を有する。例えば、コンピュータ可読媒体の物理的構造の一部の磁化状態を、記録プロセス中に変更してもよい。
さらに、上記のいくつかの技法は、これらの技法による使用のために、特定の方法で情報(たとえば、データおよび/または命令)を記憶する行為を含む。これらの技法の一部の実装形態(技法がコンピューター実行可能命令として実装される実装形態など)では、情報をコンピューター読み取り可能な記憶媒体にコード化してもよい。本明細書において特定の構造がこの情報を保存するための有利なフォーマットとして説明される場合、これらの構造を使用して、記憶媒体にコード化されたときに、情報の物理的編成を与えることができる。これらの有利な構造は、情報と相互作用する1つまたは2つ以上のプロセッサの動作に影響を与えることにより、例えば、プロセッサによって実行されるコンピュータ動作の効率を上げることによって、記憶媒体に機能を提供してもよい。
技法をコンピュータ実行可能命令として具現化できる、全部ではないが、いくつかの実装形態では、これらの命令は、図4の例示的なコンピュータシステムを含む任意の適切なコンピュータシステムで動作する1つまたは2つ以上の適切なコンピュータ装置で実行するか、または1つまたは2つ以上のコンピュータ装置(または1つまたは2つ以上のコンピュータ装置の1つまたは2つ以上のプロセッサ)を、コンピュータ実行可能命令を実行するようにプログラムしてもよい。コンピュータ装置またはプロセッサは、データストア(例えば、オンチップキャッシュまたは命令レジスタ、バスを介してアクセス可能なコンピュータ可読記憶媒体、1つまたは2つ以上のネットワークを介してアクセス可能であって、デバイス/プロセッサなどによってアクセス可能なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)などの、コンピュータ装置またはプロセッサにアクセス可能な方法で命令が記憶されているときに、命令を実行するようにプログラムしてもよい。これらのコンピュータ実行可能命令を含む機能的ファシリティは、単一の多目的プログラマブルデジタルコンピュータ装置、処理能力を共有し、本明細書に記載の技法を共同で実施する2つ以上の多目的コンピュータ装置の協調システム、本明細書に記載の技法の実行を専門とする、単一のコンピュータ装置または(同じ場所に配置された、または地理的に分散された)コンピュータ装置の協調システム、本明細書に記載の技術を実行するための1つまたは2つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他の適切なシステムと統合されて、その動作を指示してもよい。
図4は、本明細書に記載の技法を実装するシステムで使用され得るコンピュータ装置400の形態の、コンピュータ装置の1つの例示的な実装形態を示すが、他のものも可能である。図4は、本明細書で説明する原理に従って、インピーダンス‐EMG針またはインピーダンス針からデータを受信して分析するための手段として動作するコンピュータ装置に必要なコンポーネントの描写を意図するものはなく、または包括的な描写を意図するものでもないことを理解すべきである。
コンピュータ装置400には、少なくとも1つのプロセッサ402、ネットワークアダプタ404、およびコンピュータ可読記憶媒体406を含めてもよい。コンピュータ装置400は、例えば、デスクトップまたはラップトップパーソナルコンピュータ、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ(PDA)、スマート携帯電話、サーバー、無線アクセスポイントまたは他のネットワーク要素、またはその他の適切なコンピュータ装置としてもよい。ネットワークアダプタ404は、コンピュータ装置400が任意の適切なコンピューティングネットワークを介してその他任意の適切なコンピュータ装置と有線および/または無線で通信できるようにする任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアとしてもよい。コンピューティングネットワークには、無線アクセスポイント、スイッチ、ルーター、ゲートウェイ、および/または他のネットワーク機器、およびインターネットを含む、2つ以上のコンピューター間でデータを交換するための適切な有線および/または無線通信媒体を含めてもよい。コンピュータ可読媒体406は、プロセッサ402によって処理されるデータおよび/または実行される命令を記憶するように適合させてもよい。プロセッサ402は、データの処理および命令の実行を可能にする。データおよび命令は、コンピュータ可読記憶媒体406に記憶して、例えば、コンピュータ装置400の構成要素間の通信を可能にしてもよい。
コンピュータ可読記憶媒体406に記憶されたデータおよび命令には、本明細書に記載の原理に従って動作する技法を実装する、コンピュータ実行可能命令を含めてもよい。図4の例では、コンピュータ可読記憶媒体406は、上述のように様々な機構を実装するとともに、様々な情報を記憶するコンピュータ実行可能命令を記憶する。コンピュータ可読記憶媒体406は、インピーダンス‐EMG針またはインピーダンス針から信号を受信して処理し、結果を画面上に表示するためのコンピュータ実行可能命令を記憶してもよい。
図4には示されていないが、コンピュータ装置は、入力デバイスおよび出力デバイスを含む1つまたは2つ以上のコンポーネントおよび周辺機器をさらに有してもよい。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザーインターフェイスを提示するために使用することができる。ユーザーインターフェイスを提供するために使用できる出力デバイスの例としては、出力を視覚的に表示するためのプリンタまたはディスプレイ画面、および出力を聴覚提示するためのスピーカーまたはその他の音声生成デバイスが挙げられる。ユーザーインターフェイスに使用することのできる入力デバイスの例としては、キーボード、マウス、タッチパッド、デジタル化タブレットなどのポインティングデバイスが挙げられる。別の例として、コンピュータ装置は、音声認識または他の可聴フォーマットで入力情報を受信することもある。
技法が回路および/またはコンピュータ実行可能命令に実装される実施態様について説明した。いくつかの実施態様は、少なくともその1つの例が提示された、方法の形態としてもよいことを理解すべきである。方法の一部として実行される行為は、任意適切な方法で順序づけてもよい。したがって、例示の実施態様では連続的な行為として示されているが、いくつかの行為を同時に実行することを含み、行為が図示とは異なる順序で実行されるように、実施態様を構築してもよい。
上述の実施態様の様々な観点は、単独で、組み合わせて、または前述の実施態様で具体的に説明されていない様々な配設で使用してもよく、したがって、その応用において、前述の説明に記載されるか、または図面に示されている、構成要素の詳細および配設に限定されない。例えば、一実施態様に記載された観点は、他の実施態様に記載された観点と任意の方法で組み合わせてもよい。
また、本発明は方法として具現化されてもよく、その例が提供されている。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順序づけてもよい。したがって、例示の実施態様では連続的な行為として示されているが、いくつかの行為を同時に実行することを含み、行為が図示とは異なる順序で実行されるように、実施態様を構築してもよい。
クレーム要素を変更するために、クレームにおける「第1」、「第2」、「第3」などの順序用語の使用は、それ自体によって、1つのクレーム要素の別の要素に対する優先、先行、もしくは順序を意味するか、または方法の行為が実行される時間的な順序を意味するものではなく、特定の名前を持つ1つのクレーム要素を、(ただし、順序用語を使用するため)同じ名前を持つ別の要素と区別するためのラベルとしてのみ使用される。
また、本明細書で使用される語法および用語は、説明を目的とするものであり、限定と見なされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、およびそれらの変形形態の使用は、その後に列挙される項目、およびその均等物、ならびに追加の項目を包含することを意味する。
「例示的」という言葉は、本明細書では、例、事例、または説明としての役割を果たすことを意味するために使用される。したがって、例示として本明細書に記載される実施態様、実装形態、プロセス、特徴などは、説明用の例であると理解すべきであり、特に明記しない限りは、好ましいまたは有利な例であると理解するべきではない
このように少なくとも1つの実施態様のいくつかの観点を説明してきたが、当業者であれば、様々な変更、修正、および改善を容易に思い付くことを理解すべきである。そのような変更形態、修正形態、および改善形態は、本開示の一部であることを意図するものであり、本明細書に記載される原理の趣旨および範囲内に含めることを意図している。したがって、前述の説明および図面は単なる例にすぎない。
インピーダンス‐EMG針は、さまざまな構成で具現化してもよい。例示的構成としては、以下に説明する構成(1)から(18)、および(117)の任意の組み合わせ(複数を含む)を挙げることができる。
(1)組織中に挿入されるように構成されたインピーダンス‐EMG針であって、シャフトと、前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された、少なくとも1つのEMG電極と、前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された、複数のインピーダンス電極とを備える、インピーダンス‐EMG針。
(2)複数のインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフトのまわりのリング電極として構成されている、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(3)複数のインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフト上の点電極として構成されている、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(4)複数のインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフト上のオープンリングとして構成されている、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(5)インピーダンス‐EMG針のシャフト上に配置された、電気化学バイオセンサをさらに含む、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(6)インピーダンス‐EMG針は、単極EMG設計を含み、この場合に:少なくとも1つのEMG電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトの遠位端に配置された能動EMG電極を含み;複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置されている、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(7)能動EMG電極は、組織の表面に配置された基準EMG電極に電気的に接続されている、構成(6)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(8)複数のインピーダンス電極は、少なくとも4つのインピーダンス電極を含む、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(9)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置された4つのリング電極を含み、この場合に:外側の2つのリング電極は電流インピーダンス電極であり、内側の2つのリング電極は電圧インピーダンス電極である、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(10)2つの電圧インピーダンス電極の間の距離が略0.5mmである、構成(9)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(11)2つの電流インピーダンス電極の内の1つと、隣接する電圧インピーダンス電極との間の距離が略1mmである、構成(9)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(12)4つのリング電極が略1mmの幅を有する、構成(9)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(13)シャフトの長さが略、25mmから40mmの間である、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(14)インピーダンス‐EMG電極は同心EMG設計を含み、少なくとも1つのEMG電極は:シャフトの外層として配置された基準EMG電極と;シャフトの内側に配置された能動EMG電極とを含む、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(15)能動EMG電極と基準EMG電極との間に絶縁層をさらに含む、構成(14)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(16)針の先端が、鋭利な形状または斜角のついた形状である、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(17)インピーダンス‐EMG針が組織中に挿入されて、in vivo測定を実行するように構成されている、請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
(18)シャフトの外層上に配置された絶縁体をさらに含む、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
組織の神経筋疾患を評定するためのシステムは、異なる構成で具現化してもよい。例示的構成としは、後述のように、構成(19)から(38)、および(118)の任意の組合せ(複数を含む)を挙げることができる。
(19)組織の神経筋疾患を評定するシステムであって、組織中に挿入されるように構成されたインピーダンス‐EMG針であって、シャフト、前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極、および前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極を含む、インピーダンス‐EMG針と、前記インピーダンス‐EMG針から少なくとも1つの信号を受信して分析するように構成された、少なくとも1つのコンピュータ装置とを備える、システム。
(20)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトのまわりのリング電極として構成されている、構成(19)に記載のシステム。
(21)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフト上の点電極として構成されている、構成(19)に記載のシステム。
(22)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフト上のオープンリングとして構成されている、構成(19)に記載のシステム。
(23)インピーダンス‐EMG針のシャフト上に配置された電気化学バイオセンサをさらに含む、構成(19)に記載のシステム。
(24)インピーダンス‐EMG針は単極EMG設計を含み、この場合に:少なくとも1つのEMG電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトの遠位端に配置された能動EMG電極を含み、複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置されている、構成(19)に記載のシステム。
(25)能動EMG電極は、組織の表面上に配置された基準EMG電極に電気的に接続されている、構成(24)に記載のシステム。
(26)複数のインピーダンス電極は、少なくとも4つのインピーダンス電極を含む、構成(19)に記載のシステム。
(27)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置された4つのリング電極を含み、この場合に:外側の2つのリング電極は、電流インピーダンス電極であり;内側の2つのリング電極は、電圧インピーダンス電極である、構成(19)に記載のシステム。
(28)2つの電圧インピーダンス電極間の距離は、略0.5mmである、構成(27)に記載のシステム。
(29)2つの電圧インピーダンス電極の1つと、隣接する電圧インピーダンス電極との間の距離は、略1mmである、構成(27)に記載のシステム。
(30)4つのリング電極の幅は、略1mmである、構成(27)に記載のシステム。
(31)シャフトの長さは、略、25mmから40mmの間である、構成(27)に記載のシステム。
(32)インピーダンス‐EMG針は同心EMG設計を含み、この場合に、少なくとも1つのEMG電極は:シャフトの外層として配置された基準EMG電極と;シャフトの内側に配置された能動EMG電極とを含む、構成(19)に記載のシステム。
(33)能動EMG電極と基準EMG電極との間に絶縁層をさらに含む、構成(32)に記載のシステム。
(34)針の先端が、鋭利な形状または斜角のついた形状である、構成(19)に記載のシステム。
(35)インピーダンス‐EMG針が組織中に挿入されて、in vivo測定を実行するように構成されている、構成(19)に記載のシステム。
(36)シャフトの外層上に配置された絶縁体をさらに含む、構成(19)に記載のシステム。
(37)少なくとも1つのコンピュータ装置は、少なくとも1つのEMG電極から、組織の能動的な電気特性に関する第1の情報を含む、少なくとも1つの第1の信号を受信して分析し、複数のインピーダンス電極から、組織の受動的な電気特性に関する第2の情報を含む、少なくとも1つの第2の信号を受信して分析するように、構成されている、構成(19)に記載のシステム。
(38)少なくとも1つのディスプレイをさらに含み、この場合に:少なくとも1つのコンピュータ装置は、少なくとも1つのディスプレイ上に、第1の情報および第2の情報を表示するように構成されている、構成(37)に記載のシステム。
組織の神経筋疾患を評定する方法は、様々なプロセスを含んでもよい。例示的方法は、下記のような、プロセス(39)から(56)および(119)の任意の組合せ(複数を含む)を含んでもよい。
(39)組織の神経筋疾患を評定する方法であって、組織中にインピーダンス‐EMG針を挿入すること、ただし、
インピーダンス‐EMG針は、シャフトと、前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極と、前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極とを含む、および前記能動的な電気特性と前記受動的な電気特性とから、組織の状態を判定することを含む、方法。
(40)複数のインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフトのまわりのリング電極として構成されている、構成(39)に記載の方法。
(41)複数のインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフト上の点電極として構成されている、構成(39)に記載の方法。
(42)複数のインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフト上のオープンリングとして構成されている、構成(39)に記載の方法。
(43)インピーダンス‐EMG針のシャフト上に配置された、電気化学バイオセンサをさらに含む、構成(39)に記載の方法。
(44)インピーダンス‐EMG針は、単極EMG設計を含み、この場合に:少なくとも1つのEMG電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトの遠位端に配置された能動EMG電極を含み;複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置されている、構成(39)に記載の方法。
(45)能動EMG電極は、組織の表面に配置された基準EMG電極に電気的に接続されている、構成(44)に記載の方法。
(46)複数のインピーダンス電極は、少なくとも4つのインピーダンス電極を含む、構成(39)に記載の方法。
(47)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置された4つのリング電極を含み、この場合に:外側の2つのリング電極は電流インピーダンス電極であり、内側の2つのリング電極は電圧インピーダンス電極である、構成(39)に記載の方法。
(48) 2つの電圧インピーダンス電極の間の距離が略0.5mmである、構成(47)に記載の方法。
(49)2つの電流インピーダンス電極の内の1つと、隣接する電圧インピーダンス電極との間の距離が略1mmである、構成(47)に記載の方法。
(50)4つのリング電極が略1mmの幅を有する、構成(47)に記載の方法。
(50)シャフトの長さが略、25mmから40mmの間である、構成(39)に記載の方法。
(51)インピーダンス‐EMG電極は同心EMG設計を含み、この場合に、少なくとも1つのEMG電極は:シャフトの外層として配置された基準EMG電極と;シャフトの内側に配置された能動EMG電極とを含む、構成(39)に記載の方法。
(52)能動EMG電極と基準EMG電極との間に絶縁層をさらに含む、構成(52)に記載の方法。
(53)針の先端が、鋭利な形状または斜角のついた形状である、構成(39)に記載の方法。
(54)インピーダンス‐EMG針が組織中に挿入されて、in vivo測定を実行するように構成されている、構成(39)に記載の方法。
(55)シャフトの外層上に配置された絶縁体をさらに含む、構成(39)に記載の方法。
インピーダンス針は、異なる構成に具現化してもよい。例示的な構成としては、構成(57)から(76)の任意の組合せ(複数を含む)を挙げることができる。
(57)組織に挿入されるように構成されたインピーダンス針であって、シャフトと、シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極とを備える、インピーダンス針。
(58)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフトのまわりのリング電極として構成されている、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(59)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフト上の点電極として構成されている、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(60)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフト上のオープンリングとして構成されている、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(61)インピーダンス針のシャフト上に配置された電気化学バイオセンサをさらに含む、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(62)複数のインピーダンス電極は、少なくとも4つのインピーダンス電極を含む、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(63)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフトに沿って配置された4つのリング電極を含み、この場合に:外側の2つのリング電極は、電流インピーダンス電極であり;内側の2つのリング電極は、電圧インピーダンス電極である、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(64)2つの電圧インピーダンス電極間の距離は、略0.5mmである、構成(63)に記載のインピーダンス針。
(65)2つの電圧インピーダンス電極の1つと、隣接する電圧インピーダンス電極との間の距離は、略1mmである、構成(63)に記載のインピーダンス針。
(66)4つのリング電極の幅は、略1mmである、構成(63)に記載のインピーダンス針。
(67)シャフトの長さは、略、25mmから40mmの間である、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(68)針の先端が、鋭利な形状または斜角のついた形状である、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(69)インピーダンス針が組織中に挿入されて、in vivo測定を実行するように構成されている、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(70)シャフトの外層上に配置された絶縁体をさらに含む、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(71)インピーダンス針は、組織の異方性を測定するように構成されている、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(72)複数のインピーダンス電極は、4組のインピーダンス電極を含み;インピーダンス電極の各組は、インピーダンス針のシャフトのまわりのリング内に配置された、複数の点電極を含み;インピーダンス電極の各組は、インピーダンス針の長さに直角の、それ自体の面上に配置されている、構成(57)に記載のインピーダンス針。
(73)インピーダンス電極の各組は、複数のインピーダンス電極が合計で64の点電極を含むように、16の点電極を含む、構成(72)に記載のインピーダンス針。
(74)インピーダンス電極の各組において、電流は、1対のインピーダンス電極を横断して流れるように構成されており;別の対のインピーダンス電極が電圧を測定するように構成されている、構成(72)に記載のインピーダンス針。
(75)異なる対のインピーダンス電極が、それらを横断して電流を流すように構成されており、異なる対のインピーダンス電極は、円周が一周されるまで、電圧を測定するように構成されている、構成(74)に記載のインピーダンス針。
(76)インピーダンス針は、組織のインピーダンス画像をそれから再構成できる、データを生成するように構成されている、構成(75)に記載のインピーダンス針。
組織を評定するシステムは、異なる構成に具現化してもよい。例示的な構成としては、後述のように、構成(77)から(100)の任意の組合せ(複数を含む)を挙げることができる。
(77)組織を評定するように構成されたシステムであって、組織に挿入されるように構成されたインピーダンス針であって、シャフト、および前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極を備える、インピーダンス針と、インピーダンス‐EMG針から少なくとも1つの信号を受信して分析するように構成された、少なくとも1つのコンピュータ装置とを備える、システム。
(78)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフトのまわりのリング電極として構成されている、構成(77)に記載のシステム。
(79)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフト上の点電極として構成されている、構成(77)に記載のシステム。
(80)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフト上のオープンリングとして構成されている、構成(77)に記載のシステム。
(81)インピーダンス針のシャフト上に配置された電気化学バイオセンサをさらに含む、構成(77)に記載のシステム。
(82)複数のインピーダンス電極は、少なくとも4つのインピーダンス電極を含む、構成(77)に記載のシステム。
(83)複数のインピーダンス電極は、インピーダンス針のシャフトに沿って配置された4つのリング電極を含み、この場合に:外側の2つのリング電極は、電流インピーダンス電極であり;内側の2つのリング電極は、電圧インピーダンス電極である、構成(77)に記載のシステム。
(84)2つの電圧インピーダンス電極間の距離は、略0.5mmである、構成(83)に記載のシステム。
(85)2つの電圧インピーダンス電極の1つと、隣接する電圧インピーダンス電極との間の距離は、略1mmである、構成(83)に記載のシステム。
(86)4つのリング電極の幅は、略1mmである、構成(83)に記載のシステム。
(87)シャフトの長さは、略、25mmから40mmの間である、構成(77)に記載のシステム。
(88)針の先端が、鋭利な形状または斜角のついた形状である、構成(77)に記載のシステム。
(89)インピーダンス針が組織中に挿入されて、in vivo測定を実行するように構成されている、構成(77)に記載のシステム。
(90)シャフトの外層上に配置された絶縁体をさらに含む、構成(77)に記載のシステム。
(91)インピーダンス針は、組織の異方性を測定するように構成されている、構成(77)に記載のシステム。
(92)複数のインピーダンス電極は、4組のインピーダンス電極を含み;インピーダンス電極の各組は、インピーダンス針のシャフトのまわりのリング内に配置された、複数の点電極を含み;インピーダンス電極の各組は、インピーダンス針の長さに直角の、それ自体の面上に配置されている、構成(77)に記載のシステム。
(93)インピーダンス電極の各組は、複数のインピーダンス電極が合計で64の点電極を含むように、16の点電極を含む、構成(92)に記載のシステム。
(94)インピーダンス電極の各組において、電流は、1対のインピーダンス電極を横断して流れるように構成されており;別の対のインピーダンス電極が電圧を測定するように構成されている、構成(92)に記載のシステム。
(95)異なる対のインピーダンス電極が、それらを横断して電流を流すように構成されており、異なる対のインピーダンス電極は、円周が一周されるまで、電圧を測定するように構成されている、構成(94)に記載のシステム。
(96)インピーダンス針は、組織のインピーダンス画像をそれから再構成できるデータを生成するように構成されている、構成(95)に記載のシステム。
(97)少なくとも1つのコンピュータ装置は、複数のインピーダンス電極から、組織の受動的な電気特性に関する情報を含む、少なくとも1つの信号を受信して分析するように、構成されている、構成(77)に記載のシステム。
(98)少なくとも1つのディスプレイをさらに含み、この場合に:少なくとも1つのコンピュータ装置は、前記少なくとも1つのディスプレイ上に、第1の情報および第2の情報を表示するように構成されている、構成(97)に記載のシステム。
(99)少なくとも1つのコンピュータ装置は、組織のインピーダンス画像を再構成するように構成されている、構成(96)に記載のシステム。
(100)少なくとも1つのディスプレイをさらに含み、前記少なくとも1つのコンピュータ装置は、少なくとも1つのディスプレイ上にインピーダンス画像を表示するように構成されている、構成(99)に記載のシステム。
組織のインピーダンス画像を生成する方法には、様々な工程を含めてもよい。例示的な方法としては、下記のような工程(101)から(106)の任意の組合せ(複数を含む)を挙げることができる。
(101)組織のインピーダンス画像を生成する方法であって、組織にインピーダンス針を挿入すること、ただしインピーダンス針は、シャフト、および前記シャフト上に配置されて、複数のインピーダンス電極を包囲する組織の体積の受動的な電気特性を測定するように構成された、複数のインピーダンス電極を含む;ならびに複数のインピーダンス電極によって測定された組織の受動的な電気特性からインピーダンス画像を再構成することを含む、方法。
(102)複数のインピーダンス電極は、4組のインピーダンス電極を含み;インピーダンス電極の各組は、インピーダンス針のシャフトのまわりのリング内に配置された、複数の点電極を含み;インピーダンス電極の各組は、インピーダンス針の長さに垂直な、それ自体の面に配置されている、構成(101)に記載の方法。
(103)インピーダンス電極の各組が、複数のインピーダンス電極が合計で64の点電極を含むように、16の点電極を含む、構成(102)に記載の方法。
(104)インピーダンス電極の各組において、インピーダンス電極の対を横断して電流を流すこと、およびインピーダンス電極の別の対で、電圧を測定することをさらに含む、構成(102)に記載の方法。
(105)インピーダンス電極の各組において、異なる対のインピーダンス電極を横断して電流を流して、円周を一周するまで、異なる対のインピーダンス電極で電圧を測定することをさらに含む、構成(104)に記載の方法。
(106)再構成されたインピーダンス画像から組織の状態を判定することをさらに含む、構成(105)に記載の方法。
組織を評定する方法には、様々な工程を含めてもよい。例示的な方法としては、下記のような工程(107)から(116)までの任意の組合せ(複数を含む)を挙げることができる。
(107)組織を評定する方法であって、組織中に少なくとも1つのインピーダンス針を挿入すること、ただし、前記少なくとも1つのインピーダンス針のそれぞれは、シャフト、および前記シャフト上に配置されて、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された複数のインピーダンス電極を有する;ならびに前記少なくとも1つのインピーダンス針によって測定された受動的な電気特性から、組織の状態を判定することを含む、方法。
(108)少なくとも1つのインピーダンス針が相互に対して角度をつけて組織中に挿入され、前記角度は、組織の線維の横断方向および長手方向について測定される、構成(107)に記載の方法。
(109)受動的な電気特性は、角度に対して測定される、構成(108)に記載の方法。
(110)異なる角度に対して、受動的な電気特性を測定するために、少なくとも1つのインピーダンス針を複数回装入することをさらに含み、この場合に、組織の状態は、異なる角度で測定された受動的な電気特性から判定される、構成(109)に記載の方法。
(111)各インピーダンス針が、少なくとも2つのインピーダンス電極を含み;各インピーダンス電極間の長さは電極間距離であり;受動的な電気特性は、受動的な電気特性を測定しているインピーダンス電極間の電極間距離の数を変化させることによって測定される、構成(107)に記載の方法。
(112)組織の状態は、受動的な電気特性を測定しているインピーダンス電極間の電極間距離の数を変化させることによって測定される、受動的な電気特性から判定される、構成(111)に記載の方法。
(113)少なくとも1つのインピーダンス針が相互に対して角度をつけて組織中に挿入され、前記角度は、組織の線維の横断方向および長手方向について測定される、構成(112)に記載の方法。
(114)受動的な電気特性が、角度に対してさらに測定される、構成(113)に記載の方法。
(115)異なる角度に対する、受動的な電気特性を測定するために、少なくとも1つのインピーダンス針を複数回、挿入することをさらに含む、構成(114)に記載の方法。
(116)組織の状態が、異なる角度で測定された受動的な電気特性によって、かつ、受動的な電気特性を測定しているインピーダンス電極間の電極間距離の数を変えることによって、判定される、構成(115)に記載の方法。
(117)組織が筋肉であり、この場合に:少なくとも1つのEMG電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性を測定するように構成されており;複数のインピーダンス電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の受動的な電気特性を測定するように構成されている、構成(1)に記載のインピーダンス‐EMG針。
(118)組織は筋肉であり、この場合に:少なくとも1つのEMG電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性を測定するように構成されており;複数のインピーダンス電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の受動的な電気特性を測定するように構成されている、構成(19)に記載のシステム。
(119)組織は筋肉であり、この場合に:少なくとも1つのEMG電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性を測定するように構成され;複数のインピーダンス電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の受動的な電気特性を測定するように構成されている、構成(39)に記載の方法。

Claims (20)

  1. 組織の神経筋疾患を評定するために組織中に挿入されるように構成されたインピーダンス‐EMG針であって、
    シャフトと、
    前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された、少なくとも1つのEMG電極と、
    少なくとも4つのインピーダンス電極であって、前記シャフト上に配置されて、少なくとも4つのインピーダンス電極のうちの2つの第1のセット間を流れる10kHz~10MHzを含む周波数の電流に応答して、結果として生じる電圧を少なくとも2つのインピーダンス電極の第2のセットによって測定して、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された、前記少なくとも4つのインピーダンス電極と、
    を備える、前記インピーダンス‐EMG針。
  2. 少なくとも4つのインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフトのまわりのリング電極として構成されている、請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
  3. 少なくとも4つのインピーダンス電極が、インピーダンス‐EMG針のシャフト上の点電極として構成されている、請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
  4. 電流が、10kHz~100kHzを含む周波数を有する、請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
  5. 少なくとも4つのインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置された4つのリング電極を含み、この場合に:
    外側の2つのリング電極は電流インピーダンス電極であり、
    内側の2つのリング電極は電圧インピーダンス電極である、請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
  6. 組織の神経筋疾患を評定するためのシステムであって、
    組織中に挿入されるように構成されたインピーダンス‐EMG針であって、
    シャフト、
    前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極、および
    少なくとも4つのインピーダンス電極であって、前記シャフト上に配置されて、少なくとも4つのインピーダンス電極のうちの2つの第1のセット間を流れる10kHz~10MHzを含む周波数の電流に応答して、結果として生じる電圧を少なくとも2つのインピーダンス電極の第2のセットによって測定して、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された、前記少なくとも4つのインピーダンス電極
    を含む、前記インピーダンス‐EMG針と、
    前記インピーダンス‐EMG針から少なくとも1つの信号を受信して分析するように構成された、少なくとも1つのコンピュータ装置と
    を備える、前記システム。
  7. 電流が、10kHz~100kHzを含む周波数を有する、請求項6に記載のシステム。
  8. インピーダンス‐EMG針は単極EMG設計を含み、この場合に:
    少なくとも1つのEMG電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトの遠位端に配置された能動EMG電極を含み、
    少なくとも4つのインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置されている、請求項6に記載のシステム。
  9. インピーダンス‐EMG針は同心EMG設計を含み、この場合に、少なくとも1つのEMG電極は:
    シャフトの外層として配置された基準EMG電極と;
    シャフトの内側に配置された能動EMG電極と
    を含む、請求項6に記載のシステム。
  10. 少なくとも1つのコンピュータ装置は、
    少なくとも1つのEMG電極から、組織の能動的な電気特性に関する第1の情報を含む、少なくとも1つの第1の信号を受信して分析し、
    少なくとも4つのインピーダンス電極から、組織の受動的な電気特性に関する第2の情報を含む、少なくとも1つの第2の信号を受信して分析するように、構成されている、請求項6に記載のシステム。
  11. 少なくとも1つのディスプレイをさらに含み、この場合に:
    少なくとも1つのコンピュータ装置は、少なくとも1つのディスプレイ上に、第1の情報および第2の情報を表示するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
  12. 組織の神経筋疾患を評定するインピーダンス‐EMG針の作動方法であって、
    ンピーダンス‐EMG針は、
    シャフトと、
    前記シャフト上に配置されて、組織の能動的な電気特性を測定するように構成された少なくとも1つのEMG電極と、
    少なくとも4つのインピーダンス電極であって、前記シャフト上に配置されて、少なくとも4つのインピーダンス電極のうちの2つの第1のセット間を流れる10kHz~10MHzを含む周波数の電流に応答して、結果として生じる電圧を少なくとも2つのインピーダンス電極の第2のセットによって測定して、組織の受動的な電気特性を測定するように構成された、前記少なくとも4つのインピーダンス電極とを含、および
    前記インピーダンス‐EMG針は、前記能動的な電気特性と前記受動的な電気特性を測定する、
    前記方法。
  13. 電流が、10kHz~100kHzを含む周波数を有する、請求項12に記載の方法。
  14. インピーダンス‐EMG針は、単極EMG設計を含み、この場合に:
    少なくとも1つのEMG電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトの遠位端に配置された能動EMG電極を含み;
    少なくとも4つのインピーダンス電極は、インピーダンス‐EMG針のシャフトに沿って配置されている、請求項12に記載の方法。
  15. 組織が筋肉であり、この場合に:
    少なくとも1つのEMG電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性を測定するように構成されており;
    少なくとも4つのインピーダンス電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の受動的な電気特性を測定するように構成されている、請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
  16. 組織は筋肉であり、この場合に:
    少なくとも1つのEMG電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性を測定するように構成されており;
    少なくとも4つのインピーダンス電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の受動的な電気特性を測定するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
  17. 組織は筋肉であり、この場合に:
    少なくとも1つのEMG電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の能動的な電気特性を測定するように構成され;
    少なくとも4つのインピーダンス電極は、筋肉が休止しているとき、および筋肉が収縮しているときに、筋肉の受動的な電気特性を測定するように構成されている、請求項12に記載の方法。
  18. インピーダンス‐EMG針が、さらに組織の温度を測定するように構成されている請求項1に記載のインピーダンス‐EMG針。
  19. インピーダンス‐EMG針が、さらに組織の温度を測定するように構成されている請求項6に記載のシステム。
  20. インピーダンス‐EMG針が、さらに組織の温度を測定するように構成されている請求項12に記載の方法。
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