JP7182847B2 - 成形方法および成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ピーンフォーミング又はピーニング成形により金属板に塑性変形を生じさせて湾曲させる成形方法及び成形装置に関する。
ピーンフォーミングは、金属板にショットと称される鋼球を投射することにより、投射面側に凸状となるように金属板が変形する現象を利用した加工である。例えば特許文献1に記載されるように、ショットの代わりにニードル状の圧子を用いてピーンフォーミングすることも行われている。ニードル圧子を用いると、ショットが周囲に飛散しないようにするための構成や、ショットを回収するための構成を要しなくなるという利点がある。
特許第3869783号公報
ところが、従来のニードル圧子は被成形材である金属板を打撃する部分である打撃面が球状をなしているので、図2(c)に矢印で示すように、金属板に付与されるひずみεは打撃部分Hの周囲に対して等方的である。このように、ニードル圧子を用いるピーンフォーミングによると変形が等方的になるので、例えば航空機の翼のように翼長方向と翼幅方向の湾曲による曲率半径(曲率)の程度が異なる、異方性を有する成形には、従来のニードル圧子を用いるピーンフォーミングでは対応できない。
クランプにより被成形材にストレスを負荷した状態でピーンフォーミングをすれば、異方性が要求される成形を実現できるが、クランプの作業工数がコストアップの要因となる。
以上より、本発明は、格別な作業工数を要することなく、ピーンフォーミングにより異方性を有する変形を実現できる成形方法を提供することを目的とする。
また本発明は、本発明の成形方法を実現するのに好適な成形装置を提供することを目的とする。
本発明は、被成形材を圧子の打撃面で繰り返して打撃することで、被成形材を湾曲させる成形方法であって、打撃面が長軸と短軸を有する圧子を用い、被成形材の曲率半径を小さくしたい特定方向と長軸とが直交する姿勢とされた圧子で、被成形材を打撃する、ことを特徴とする。
本発明において、特定方向と長軸とが直交する姿勢に圧子を保ちながら、圧子を被成形材の平面方向に移動することで、被成形材の所定領域を成形する、ことができる。
本発明において、それぞれの長軸が特定方向と直交する姿勢を保つように、複数の圧子を配列し、かつ、複数の圧子で被成形材を打撃する、ことができる。
この場合、複数の圧子は、平面視して、マトリックス状に配列されている、ことが好ましい。
本発明において、圧子は、打撃面の周縁に連なる各角部に角Rが設けられる、ことが好ましい。
特に、角Rが、短軸SAに沿って設けられる角Rxと、長軸LAに沿って設けられる角Ryと、を備える場合には、角Rxが0.8~8mmであり、角Ryが0.5~2mmである、ことが好ましい。
本発明は、被成形材を圧子の打撃面で繰り返して打撃することで、被成形材を湾曲させる成形装置であって、それぞれの打撃面が長軸と短軸を有する複数の圧子と、圧子を被成形材に対して進退移動が可能に保持する保持体と、を備え、保持体は、それぞれの圧子における長軸の向きが揃うように、複数の圧子を配列して保持する、成形装置を提供する。
本発明の成形装置において、保持体は、平面視して、マトリックス状に配列された複数の圧子を保持する、ことが好ましい。
本発明の成形装置において、圧子は、打撃面の周縁に連なる各角部に角Rが設けられる、ことが好ましい。
特に、角Rが、短軸SAに沿って設けられる角Rxと、長軸LAに沿って設けられる角Ryと、を備える場合には、角Rxが0.8~8mmであり、角Ryが0.5~2mmである、ことが好ましい。
本発明の成形方法によれば、圧子の打撃面が長軸と短軸を有する形状異方性を備えている。したがって、圧子の打撃により生ずるひずみは、長軸に直交する方向の方が短軸に直交する方向に比べて大きくなるので、長軸に直交する方向の変形による曲率半径を小さくできる。つまり、本発明の成形方法によれば、格別な作業工数を要することなく、異方性を有する変形を被成形材に付与できる。
また、本発明の成形装置によれば、複数の圧子における長軸の向きが揃っているので、長軸が曲率を小さくしたい方向と直交するように、成形装置の姿勢を保ちながら平面方向に移動させることにより、異方性を有する変形を被成形材に付与できる。しかも、本発明の成形装置を用いることにより、配列された複数の圧子に対応する領域を一度に成形することができるので、高い効率で成形することができる。
本発明の実施形態に係るピーンフォーミングの概要を説明する図である。 (a)は本実施形態に係るピーニング圧子を示す三面図、(b)は本実施形態のピーニング圧子による塑性ひずみを示す図、(c)は従来のピーニング圧子による塑性ひずみを示す図である。 本実施形態に係るピーニング圧子を用いてピーンフォーミングする手順を示す図である。 本実施形態に係るピーニング圧子を用いるピーニング装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のVIb-VIb線矢視断面図である。 長軸LAに直交する方向の塑性ひずみ(X-strain)と、短軸SAに直交する方向の塑性ひずみ(Z-strain)と、を解析により求めた結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態は、ピーンフォーミングにより金属板からなる被成形材1に異方性を有する変形を施す成形方法に関し、縦と横の寸法が異なる打撃面を有するピーン圧子を用いてピーンフォーミングを行う。
以下、ピーンフォーミングの概要について説明した後に、本実施形態に係るピーン圧子について説明する。
[ピーンフォーミングの概要]
本実施形態に係るピーンフォーミングの概要について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係るピーンフォーミングは、図1に示すように、被成形材1の平坦な加工面2に複数のピーン圧子10を対向して配列するとともに、複数の同じ仕様のピーン圧子10を被成形材1の加工面2に衝突による打撃と離反、つまり進退移動を繰り返すことにより、被成形材1を変形させる。図1において、進退移動を両矢印で示している。図4も同様である。
ピーンフォーミングにおいて、被成形材1に複数のピーン圧子10を衝突させると、衝突方向とは逆方向に被成形材1が盛り上がって加工面2が凸に変形する形態と、衝突方向に被成形材1が落ち込んで加工面2が凹に変形する形態とがある。複数のピーン圧子10が衝突すると微小な塑性変形が累積され、被成形材1の加工面2とその裏面4とで塑性変形量に差が生じる。つまり、加工面2の伸びが裏面4の伸びよりも大きい場合、被成形材1は加工面2が盛り上がり、加工面2の伸びが裏面4の伸びよりも小さい場合、被成形材1は加工面2が落ち込む。つまり、ピーン圧子10による衝突のエネルギの大小によって変形の形態を制御することができ、エネルギが小さいと加工面2が盛り上がるように変形し凸に湾曲し、エネルギが大きいと加工面2が落ち込むように変形し凹に湾曲する。本発明は、加工面2が凸に変形する場合と加工面2が凹に変形する場合の両者に適用できる。
[ピーン圧子10]
ピーン圧子10は、図2(a)に示すように、圧子本体11と、圧子支持体13と、作用部15と、を備えている。ピーン圧子10は、金属材料を機械加工することにより一体的に形成することができる。なお、ピーン圧子10において、圧子本体11が設けられる側を前、作用部15が設けられる側を後と定義する。
圧子本体11は、その前端に被成形材1に衝突する打撃面12を備えている。圧子本体11は、前端の打撃面12から圧子支持体13との接続部分までにわたって横断面の面積が均等な矩形をなしている。圧子本体11は、長軸LAと短軸SAとを有しており、縦と横の寸法が異なる形状的な異方性を有している。圧子本体11がこのように打撃面12を有するのは、圧子本体11が被成形材1に衝突して付与するひずみεに異方性を付与するためである。
つまり、打撃面12を有するピーン圧子10により被成形材1に打撃を加えると、図2(b)に示すように、被成形材1に生ずるひずみεは、短軸SAに直交する方向に比べて長軸LAに直交する方向の方が大きくなる。なお、図2(b)において、ひずみεの大きさは矢印の本数で表している。また、打撃面12は、平坦な加工面2に対して平行に対向し、平行を保ったままで加工面2を打撃する。
圧子本体11は、図2(a)に示すように、打撃面12の周縁に連なる各角部に丸み、つまり角R(コーナーアール)が付けられている。打撃面12に角Rを設けることで、被成形材1の打痕を低減できるとともに、急激なひずみの変動を抑えることができる。角Rは、短軸SAに沿って設けられる角Rxと長軸LAに沿って設けられる角Ryを備えるが、それぞれに好ましい範囲が存在する。好ましい範囲については後述する。
圧子本体11は、長軸LAに沿って形成される打撃面12の幅方向の両端に角Rが設けられているが、短軸SAに沿って形成される打撃面12は円弧面のみからなる。これは、図2(a)が、短軸SAの寸法に対して角Rxが大きい例を示しているからであり、短軸SAの寸法と角Rxによっては、短軸SAの幅方向の両端に角Rxが設けられる、その間が平坦な面を構成することもある。
圧子支持体13は、図2(a)に示すように、円柱状の形態を有しており、その前端で圧子本体11と連なる。
圧子支持体13は、圧子本体11を支持するとともに、ピーン圧子10に必要な質量を付与するために設けられる。ピーン圧子10は、圧子支持体13により質量が付与されたことで、被成形材1を打撃すれば塑性変形を生じさせるのに必要なひずみを付与することができる。
圧子支持体13は、後述するダイ30に設けられるダイキャビティ33の内部に挿入され、ダイ30によってピーン圧子10が進退移動する方向と直行する方向の変位が規制される。
作用部15は、ピーン圧子10が進退移動するのに必要な動力が作用する。
作用される動力源は任意であり、圧縮空気による動力、電磁力による動力及び超音波による動力などを用いることができる。
本実施形態におけるピーン圧子10は、圧子本体11、圧子支持体13及び作用部15の三要素を備えているが、これは本発明における一例であり、長軸LAと短軸SAとを有する打撃面12を備えていれば他の要素は任意である。
[成形手順]
次に、ピーン圧子10を用いて被成形材1を成形する手順について、図3(a)を参照して説明する。ここでは、被成形材1の加工面2をX軸とY軸の二次元座標で特定されるものとし、Y軸方向の変形の程度をX軸方向に比べて大きくすることを前提とする。つまり、Y軸に沿う曲率半径ρyをX軸に沿う曲率半径ρxよりも小さくする。そのために、被成形材1の曲率半径ρyを小さくしたいY軸方向(特定方向)と長軸LAとが直交する姿勢とされたピーン圧子10で、被成形材1を打撃する。また、ここでは加工面2が凸状になるものとして説明するが、前述したようにピーン圧子10による打撃力を調整することにより加工面2を凹状になるように被成形材1を変形することもできる。さらに、ここでは理解を容易にするために、一つのピーン圧子10だけで成形する例を説明するが、後述する成形装置20のように、所定の姿勢で整列する複数のピーン圧子10を用いて被成形材1を成形することが効率的である。
ピーン圧子10は、被成形材1において必要とされる加工領域(所定領域)3を加工面2の平面方向に移動しながら被成形材1に打撃を繰り返して加える。ピーン圧子10による打撃は、被成形材1に対して衝突、離反、衝突、離反…を繰り返すことにより行われる。
ピーン圧子10は、図3(a)に示すように、始点SPから終点FPまで移動することにより、加工領域3を漏れなく成形する。つまり、始点SPからピーン圧子10の打撃が開始する。この位置は当該二次元座標の(1,1)で表されるものとする。ピーン圧子10は、始点SPにおいて、その長軸LAが大きな変形を得たいY軸と直交(Y⊥LA)するように配置される。
ピーン圧子10は、位置(1,1)から成形を開始してから、位置(1,2)、位置(1,3)及び位置(1,4)を通過してから位置(1,5)に至る。位置(1,1)~位置(1,5)にわたる直線状の移動の間、ピーン圧子10はその長軸LAがY軸と直交する姿勢を維持する。したがって、ピーン圧子10が打撃を繰り返しながら位置(1,1)から位置(1,5)まで移動することにより、被成形材1は直線状の移動軌跡L1を基準にして、Y軸方向に沿う曲率半径ρyがX軸方向に沿う曲率半径ρxよりも小さくなるように湾曲できる。
なお、図3(a)にはピーン圧子10が位置(1,1)~位置(1,5)にしか示されていないが、例えば、位置(1,1)と位置(1,3)の間、位置(1,3)と位置(1,4)の間においても被成形材1への打撃を行ってもよいし、行わなくてもよい。
ピーン圧子10は、必要な変形が得られる限り、いくつかの移動形態を選択できる。
例えば、ピーン圧子10は、位置(1,1)から位置(1,5)に達するまでの間、一定の速度で連続的に移動することができる。
また、ピーン圧子10は、位置(1,1)において所定時間だけ打撃を繰り返した後に、位置(1,2)まで一定の速度で移動した後に移動を停止する。次いで位置(1,2)において所定時間だけ打撃を繰り返した後に、位置(1,3)まで一定の速度で移動した後に移動を停止する。ピーン圧子10は、以上の動作を位置(1,5)まで繰り返すというように、間欠的な移動を行いながら打撃を行うこともできる。なお、ピーン圧子10は、上述したように、位置(1,1)と位置(1,2)の間で行うこともできる。
位置(1,5)まで移動したピーン圧子10は、Y軸方向に所定の距離だけ離れた位置(2,5)まで移動し、次いで、位置(2,5)から位置(2,1)まで直線状の移動軌跡L2に沿って移動しながら被成形材1に打撃を繰り返す。このようにピーン圧子10は、移動軌跡L1から移動軌跡L2にかけて蛇行する。位置(1,5)から位置(2,5)までの移動の間に、被成形材1を打撃してもよいし、打撃をしなくてもよい。
次に、ピーン圧子10は、Y軸方向に所定の距離だけ離れた位置(3,1)まで移動し、次いで、位置(3,1)から位置(3,5)まで直線状の移動軌跡L3に沿って移動しながら被成形材1に打撃を繰り返し、以降は同様にして、終点FPである位置(5,5)まで打撃を繰り返しながら移動する。
以上のように、ピーン圧子10は、始点SPから終点FPまで蛇行を繰り返しながら加工領域3の全域にわたって打撃を施す。そうすると、移動軌跡L1、移動軌跡L2、移動軌跡L3、移動軌跡L4及び移動軌跡L5のそれぞれにおいて、被成形材1は移動軌跡L1~移動軌跡L5のそれぞれを基準にしてY軸方向に沿って変形する。したがって、被成形材1の全体としては、移動軌跡L1~移動軌跡L5のそれぞれにおける変形が累積する量だけ湾曲させることができる。
移動軌跡L1~移動軌跡L5の相互の間隔は、得たい湾曲の程度、被成形材1の仕様などにより適宜設定される。
ここでは、ピーン圧子10がX軸に平行な移動軌跡L1~移動軌跡L5を移動しながら蛇行する例を示したが、図3(b)に示すように、ピーン圧子10がY軸に平行な移動軌跡を移動しながら蛇行してもよい。また、他の移動軌跡を採用できるが、加工領域3を一筆書きで網羅するように移動することが、成形効率を高くするうえで好ましい。また、以上では、ピーン圧子10が同じ移動軌跡を一度だけ通過する例を示したが、同じ移動軌跡を複数回通過してもよい。
[成形装置]
次に、複数のピーン圧子10を備える成形装置20の一例について、図4を参照して説明する。
成形装置20は、図4(a),(b)に示すように、複数のピーン圧子10と、複数のピーン圧子10がその内部に保持されるダイ30と、ダイ30に装着され複数のピーン圧子10の軸線周りの回転を規制するガイド40と、を備える。成形装置20において、複数のピーン圧子10は、マトリックス状に配列されている。それぞれのピーン圧子10は、圧子本体11の長軸LAの向き列方向Nに揃うとともに、短軸SAの向きが行方向Mに揃うように、圧子本体11の姿勢を保って配列されている。なお、ダイ30とガイド40が、本発明の成形装置の保持体を構成する。複数のピーン圧子10は、成形装置20を平面視して、千鳥配列されている。
ダイ30は、図4(a),(b)に示すように、直方体状のダイ本体31と、ダイ本体31の表裏を貫通しピーン圧子10を収容する複数のダイキャビティ33と、を備える。ダイキャビティ33は、ピーン圧子10に対応する数だけ形成される。
ダイキャビティ33は円形の開口形状を有する。ダイキャビティ33は、ピーン圧子10の圧子支持体13がダイ本体31に対して小さな負荷で摺動できるように、その開口径が形成されている。
ピーン圧子10は、ダイキャビティ33の内部に収容され、被成形材1を打撃する際に、ダイキャビティ33の内部を進退移動する。複数のダイキャビティ33は、複数のピーン圧子10の配列と同様に、成形装置20を平面視して、千鳥配列されている。次に説明するガイドキャビティ43も同様である。
ガイド40は、図4(a),(b)に示すように、平板状のガイド本体41と、ガイド本体41の表裏を貫通する複数のガイドキャビティ43と、を備える。ガイドキャビティ43は、ダイキャビティ33の数及び位置に対応して形成される。
ガイドキャビティ43は長方形の開口形状を有し、同じ列方向Nに属する複数のガイドキャビティ43はその長軸LAが列方向Nに揃っている。ガイドキャビティ43は、ピーン圧子10の圧子本体11がガイド本体41に対して小さな負荷で摺動できるように、その開口が形成されている。
ピーン圧子10の圧子本体11は、被成形材1を打撃する際に、ガイドキャビティ43から外部に突き出すようにガイドキャビティ43の内部を前進移動する。外部に突き出した圧子本体11は、被成形材1を打撃することによる反作用を受けることで後退移動する。
成形装置20により被成形材1を成形するには、ガイド40の側を被成形材1に対向させる。成形装置20と被成形材1とは、ガイド40から突き出す圧子本体11が被成形材1を打撃できるだけの距離をあけて配置される。なお、ここでは成形装置20が被成形材1よりも下に配置される例を示しているが、この逆に、被成形材1が成形装置20よりも下に配置されていてもよい。
図3を参照して説明した一つのピーン圧子10の移動経路と同様に、成形装置20を始点(SP)に配置したならば、曲率半径を小さくしたい方向(Y軸)と長軸LAが直交するのを保ちながら、成形装置20を終点(FP)まで移動させる。
[角Rx,角Ryの好ましい範囲]
前述したように、短軸SAに沿って設けられる角Rxと長軸LAに沿って設けられる角Ryに好ましい範囲が存在する。以下、図5を参照して、角Rxと角Ryの好ましい範囲について説明する。角Rxと角Ryは、図2(a)に示す通りである。
角Rxを4mm,8mm,12mmとした打撃面12を有するピーン圧子10を用いて、打撃面12の短軸SAの方向、つまり長軸LAに直交する方向の塑性ひずみ(X-strain)と、打撃面12の長軸LAの方向、つまり短軸SAに直交する方向の塑性ひずみ(Z-strain)と、を解析により求めた。なお、解析は、短軸SAを2.8mm、長軸LAを6.0mm、角Ryを1mmとし、被加工材を厚さ10mmのアルミニウム合金として行われた。また、塑性ひずみ(Plastic strain)は、ピーン圧子10の中心からの距離(Distance from center/mm)との関係で求められた。
図5(a)に解析結果を示す。角Rxが4mm,8mm,12mmのいずれであっても、長軸LAに直交する方向の塑性ひずみ(X-strain)と短軸SAに直交する方向の塑性ひずみ(Z-strain)に差異がある。このように、打撃面12が長軸LAと短軸SAを有するピーン圧子10を用いることにより、打撃により生ずるひずみεに異方性が付与される。その中で、角Rxが小さいほどX-strainとZ-strain)の差が大きく、打撃により生ずるひずみεの異方性が顕著となる。一方で、角Rxが小さすぎると、打痕が目立つようになるとともに、ひずみεの変動が急激になる傾向がある。以上の結果及び実験による検証の結果より、角Rxを0.8~8mmの範囲とすることが好ましく、0.8~4mmの範囲とするのがより好ましい。
角Rxと同様にして、長軸LAに直交する方向の塑性ひずみ(X-strain)と、短軸SAに直交する方向の塑性ひずみ(Z-strain)と、を解析により求めた。ただし、角Rxを4mmとした。
図5(b)に解析結果を示す。角Ryが1mm,1.5mm,2mmのいずれであっても、長軸LAに直交する方向の塑性ひずみ(X-strain)と短軸SAに直交する方向の塑性ひずみ(Z-strain)に差異がある。その中で、角Ryが1mmのものが中心から1.5mmの領域にわたって異方性を生じている。一方、角Ryを2mmにすると短軸SAに直交する方向のひずみが大きくなり中心から1mmの領域に異方性領域が狭まっている。以上の結果及び実験による検証の結果より、角Ryを0.5~2mmの範囲とすることが好ましく、0.5~1mmの範囲とするのがより好ましい。
[効 果]
次に、本実施形態における効果を説明する。
本実施形態におけるピーン圧子10は、打撃面12が長軸LAと短軸SAを有する形状異方性を備えている。したがって、被成形材1をピーン圧子10で打撃すると、打撃により生ずるひずみεは長軸LAに直交する方向の方が短軸SAに直交する方向に比べて大きくなるので、格別な作業工数を要することなく、異方性を有する変形を被成形材1に付与できる。
次に、成形装置20は、複数のピーン圧子10が圧子本体11の長軸LAが行方向Mに沿うとともに、短軸SAが列方向Nに沿うように、圧子本体11の姿勢が揃えられている。したがって、長軸LAが変形を大きくしたい方向と直交するように、成形装置20の姿勢を維持しながら移動させることにより、変形量に異方性を付与することができる。しかも、成形装置20を用いることにより、配列されたピーン圧子10の数に対応する領域を一度に成形することができるので、高い成形効率を得ることができる。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
例えば、ピーン圧子10が本実施形態では平坦な加工面2を打撃する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、凹凸を有する加工面を備える被成形材を成形することもできる。
また、被成形材は任意であり、本発明は塑性加工が生じる金属材料に広く適用できる。
1 被成形材
2 加工面
3 加工領域
4 裏面
10 ピーン圧子
11 圧子本体
12 打撃面
13 圧子支持体
15 作用部
20 成形装置
30 ダイ
31 ダイ本体
33 ダイキャビティ
40 ガイド
41 ガイド本体
43 ガイドキャビティ
H 打撃部分
LA 長軸
SA 短軸

Claims (5)

  1. 被成形材を圧子の打撃面で繰り返して打撃することで、前記被成形材を湾曲させる成形方法であって、
    前記打撃面が長軸と短軸を有する、前記打撃面の周縁に連なる各角部に角Rが設けられる前記圧子を用い、
    前記被成形材の曲率半径を小さくしたい特定方向と前記長軸とが直交する姿勢とされた前記圧子で、前記被成形材を打撃し、
    それぞれの前記長軸が前記特定方向と直交する姿勢を保つように、複数の前記圧子を平面視して、マトリックス状に配列し、かつ、前記配列の状態を維持しながら複数の前記圧子を移動させて前記被成形材を打撃する、ことを特徴とする成形方法。
  2. 前記特定方向と前記長軸とが直交する姿勢に前記圧子を保ちながら、前記圧子を前記被成形材の平面方向に移動することで、前記被成形材の所定領域を成形する、請求項1に記載の成形方法。
  3. 前記角Rは、前記短軸SAに沿って設けられる角Rxと、前記長軸LAに沿って設けられる角Ryと、を備え、
    前記角Rxが0.8~8mmであり、前記角Ryが0.5~2mmである、請求項1または請求項2に記載の成形方法。
  4. 被成形材を圧子の打撃面で繰り返して打撃することで、前記被成形材を湾曲させる成形装置であって、
    それぞれの前記打撃面が長軸と短軸を有する、前記打撃面の周縁に連なる各角部に角Rが設けられる複数の前記圧子と、
    前記圧子を前記被成形材に対して進退移動が可能に保持する保持体と、を備え、
    前記保持体は、
    それぞれの前記圧子における前記長軸の向きが揃うように、複数の前記圧子を、平面視して、マトリックス状に配列して保持するとともに、前記配列の状態を維持しながら移動することを特徴とする成形装置。
  5. 前記角Rは、前記短軸SAに沿って設けられる角Rxと、前記長軸LAに沿って設けられる角Ryと、を備え、
    前記角Rxが0.8~8mmであり、前記角Ryが0.5~2mmである、請求項に記載の成形装置。
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