JP7182071B2 - ベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法 - Google Patents

ベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、作動液が密封された密封空間を有するベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法に関する。
携帯端末やタブレット端末といったモバイル端末等で使用される中央演算処理装置(CPU)や発光ダイオード(LED)、パワー半導体等の発熱を伴うデバイスは、ヒートパイプ等の放熱用部材によって冷却されている(例えば、特許文献1~4参照)。近年では、モバイル端末等の薄型化のために、放熱用部材の薄型化も求められており、ヒートパイプよりも薄型化を図ることができるベーパーチャンバの開発が進められている。ベーパーチャンバ内には、作動液が封入されており、この作動液がデバイスの熱を吸収して外部に放出することで、デバイスの冷却を行っている。
より具体的には、ベーパーチャンバ内の作動液は、デバイスに近接した部分(蒸発部)でデバイスから熱を受けて蒸発して蒸気になり、その後蒸気が、蒸気流路部において蒸発部から離れた位置に移動して冷却され、凝縮して液状になる。ベーパーチャンバ内には、毛細管構造(ウィック)としての液流路部が設けられており、凝縮して液状になった作動液は、蒸気流路部から液流路部に入り込み、液流路部を流れて蒸発部に向かって輸送される。そして、作動液は、再び蒸発部で熱を受けて蒸発する。このようにして、作動液が、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながらベーパーチャンバ内を還流することによりデバイスの熱を移動させ、放熱効率を高めている。
ところで、液流路部は、格子状に形成された溝によって構成されている。格子状の溝は、蒸発部から離れた位置で凝縮した作動液を蒸発部に輸送するために、ベーパーチャンバの外輪郭をなす外縁に沿うように形成される。
特開2015-88882号公報 特開2016-17702号公報 特開2016-50682号公報 特開2016-205693号公報
しかしながら、ベーパーチャンバの外縁に沿うように格子状の溝を形成した場合、ハンドリング時や電子機器への実装時に、外縁に直交する方向に延びる折り線でベーパーチャンバが折れ曲がるように変形する可能性が考えられる。この場合、液流路部の溝がつぶれ、液状の作動液の流路断面積が低減され得る。このため、蒸発部への作動液の輸送量が低減し、熱輸送効率が低下するという問題が生じる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、液状の作動液の輸送機能を向上させ、熱輸送効率を向上させることができるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、
作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第1金属シートと、
前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に設けられ、
前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝を有している、ベーパーチャンバ、
を提供する。
なお、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝を更に有している、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差している、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記交差部を通り前記第1方向に延びる直線を基準線としたとき、当該交差部を構成する前記第1溝は、前記基準線の一側から他側に向かって進みながら前記第1方向の一側に進み、当該交差部を構成する前記第2溝は、前記基準線の前記他側から前記一側に向かって進みながら前記第1方向の前記一側に進んでいる、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記第1溝と前記第2溝は、前記基準線に対して線対称に形成されている、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
前記第1方向に配列された複数の前記液流路凸部の列が凸部列をなし、
前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間に配置された前記交差部は、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部と重なっている、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記交差部の深さは、前記第1溝の深さおよび前記第2溝の深さよりも深い、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記第1溝に突出する複数の第1溝凸部を更に備える、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記第2溝に突出する複数の第2溝凸部を更に備える、
ようにしてもよい。
また、本発明は、第2の解決手段として、
作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第1金属シートと、
前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に設けられ、
前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部がなす凸部列を有し、
前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバ、
を提供する。
また、上述した第2の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
互いに隣り合う前記液流路凸部の間に、液状の前記作動液が通る溝が設けられている、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段または第2の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記第2金属シートは、前記第1金属シート上に設けられている、
ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段または第2の解決手段によるベーパーチャンバにおいて、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在された第3金属シートを更に備え、
前記蒸気流路部は、前記第2金属シートの前記第3金属シートの側の面および前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面のうちの少なくとも一方に設けられた第2蒸気流路部を有し、
前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第3金属シートの側の面に設けられ、
前記第3金属シートに、前記第2蒸気流路部と前記液流路部とを連通する連通部が設けられている、
ようにしてもよい。
また、本発明は、第3の解決手段として、
作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
第1金属シートと、
前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在され、第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第3金属シートと、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
前記第3金属シートは、前記第1金属シートの側に設けられた第1面と、前記第2金属シートの側に設けられた第2面と、を含み、
前記蒸気流路部は、前記第3金属シートの前記第2面に設けられ、
前記液流路部は、前記第3金属シートの前記第1面に設けられて、前記蒸気流路部と連通し、
前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝を有している、ベーパーチャンバ、
を提供する。
また、本発明は、第4の解決手段として、
作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
第1金属シートと、
前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在され、第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第3金属シートと、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
前記第3金属シートは、前記第1金属シートの側に設けられた第1面と、前記第2金属シートの側に設けられた第2面と、を含み、
前記蒸気流路部は、前記第3金属シートの前記第2面に設けられ、
前記液流路部は、前記第3金属シートの前記第1面に設けられて、前記蒸気流路部と連通し、
前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部がなす凸部列を有し、
前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバ、
を提供する。
また、本発明は、第5の解決手段として、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容されたデバイスと、
前記デバイスに熱的に接触した、上述のベーパーチャンバと、を備えた、電子機器、
を提供する。
また、本発明は、第6の解決手段として、
作動液が封入された、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバのためのベーパーチャンバ用金属シートであって、
第1面と、
前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、
第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域と、を備え、
前記第1面に、前記液流路部が設けられ、
前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有している、ベーパーチャンバ用金属シート。
を提供する。
また、本発明は、第7の解決手段として、
作動液が封入された、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバのためのベーパーチャンバ用金属シートであって、
第1面と、
前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、
第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域と、を備え、
前記第1面に、前記液流路部が設けられ、
前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部をなす凸部列を有し、
前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバ用金属シート、
を提供する。
また、本発明は、第8の解決手段として、
第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバの製造方法であって、
ハーフエッチングにより、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記液流路部を形成するとともに、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成するハーフエッチング工程と、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとを接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝を有している、ベーパーチャンバの製造方法、
を提供する。
また、本発明は、第9の解決手段として、
第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバの製造方法であって、
ハーフエッチングにより、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記液流路部を形成するとともに、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成するハーフエッチング工程と、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとを接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部をなす凸部列を有し、
前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバの製造方法、
を提供する。
また、上述した第8の解決手段または第9の解決手段によるベーパーチャンバの製造方法において、
ハーフエッチングにより、前記第2金属シートの前記第1金属シートの側の面および第3金属シートの前記第2金属シートの側の面のうちの少なくとも一方に前記蒸気流路部を形成する工程と、
前記蒸気流路部と前記液流路部とを連通する連通部が設けられた第3金属シートを形成する工程と、を更に備え、
前記接合工程において、前記第1金属シートと前記第2金属シートとは、前記第3金属シートを介して接合される、
ようにしてもよい。
また、本発明は、第10の解決手段として、
第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有し、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に第3金属シートが介在されるベーパーチャンバの製造方法であって、
前記第3金属シートの前記第1金属シートの側の面に前記液流路部を形成し、前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記蒸気流路部を形成し、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成する工程と、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとを前記第3金属シートを介して接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝を有している、ベーパーチャンバの製造方法、
を提供する。
また、本発明は、第11の解決手段として、
第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有し、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に第3金属シートが介在されるベーパーチャンバの製造方法であって、
前記第3金属シートの前記第1金属シートの側の面に前記液流路部を形成し、前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記蒸気流路部を形成し、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成する工程と、
前記第1金属シートと前記第2金属シートとを前記第3金属シートを介して接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部をなす凸部列を有し、
前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバの製造方法、
を提供する。
本発明によれば、液状の作動液の輸送機能を向上させ、熱輸送効率を向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子機器を説明する模式斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態によるベーパーチャンバを示す上面図である。 図3は、図2のベーパーチャンバを示すA-A線断面図である。 図4は、図2の下側金属シートの上面図である。 図5は、図2の上側金属シートの下面図である。 図6は、図4の液流路部を示す拡大上面図である。 図7は、図6の液流路部を更に拡大して示す拡大上面図である。 図8は、図7のB-B線断面に、上側金属シートの上側流路壁部を追加して示す断面図である。 図9は、図7のC-C線断面に、上側金属シートの上側流路壁部を追加して示す断面図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態のベーパーチャンバの製造方法において、下側金属シートの準備工程を説明するための図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態のベーパーチャンバの製造方法において、下側金属シートの第1ハーフエッチング工程を説明するための図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態のベーパーチャンバの製造方法において、下側金属シートの第2ハーフエッチング工程を説明するための図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態のベーパーチャンバの製造方法において、仮止め工程を説明するための図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態のベーパーチャンバの製造方法において、恒久接合工程を説明するための図である。 図15は、本発明の第1の実施の形態のベーパーチャンバの製造方法において、作動液の封入工程を説明するための図である。 図16は、図3の変形例を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態におけるベーパーチャンバにおいて、第1溝凸部を示す拡大断面図であって、図8に対応する図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態におけるベーパーチャンバにおいて、第2溝凸部を示す拡大断面図であって、図9に対応する図である。 図19は、本発明の第3の実施の形態のベーパーチャンバにおいて液流路部を示す拡大上面図である。 図20は、本発明の第4の実施の形態におけるベーパーチャンバを示す断面図である。 図21は、図20の上側金属シートの下面図である。 図22は、図20の中間金属シートの上面図である。 図23は、図20のベーパーチャンバの変形例を示す断面図である。 図24は、図20に示すベーパーチャンバの変形例において、第1溝凸部を示す拡大断面図である。 図25は、図20に示すベーパーチャンバの変形例において、第2溝凸部を示す拡大断面図である。 図26は、本発明の第5の実施の形態におけるベーパーチャンバを示す断面図である。 図27は、図26の中間金属シートの上面図である。 図28は、本発明の第6の実施の形態におけるベーパーチャンバを示す断面図である。 図29は、図28の中間金属シートの下面図である。 図30は、図28の中間金属シートの上面図である。 図31は、図28のベーパーチャンバの変形例を示す断面図である。 図32は、図28に示すベーパーチャンバの変形例において、第1溝凸部を示す拡大断面図である。 図33は、図28に示すベーパーチャンバの変形例において、第2溝凸部を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。さらに、図面においては、明瞭にするために、同様の機能を期待し得る複数の部分の形状を、規則的に記載しているが、厳密な意味に縛られることなく、当該機能を期待することができる範囲内で、当該部分の形状は互いに異なっていてもよい。また、図面においては、部材同士の接合面などを示す境界線を、便宜上、単なる直線で示しているが、厳密な直線であることに縛られることはなく、所望の接合性能を期待することができる範囲内で、当該境界線の形状は任意である。
(第1の実施の形態)
図1~図16を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法について説明する。本実施の形態におけるベーパーチャンバ1は、電子機器Eに収容された発熱体としてのデバイスDを冷却するために、電子機器Eに搭載される装置である。デバイスDの例としては、携帯端末やタブレット端末といったモバイル端末等で使用される中央演算処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)、パワー半導体等の発熱を伴う電子デバイス(被冷却装置)が挙げられる。
ここではまず、本実施の形態によるベーパーチャンバ1が搭載される電子機器Eについて、タブレット端末を例にとって説明する。図1に示すように、電子機器E(タブレット端末)は、ハウジングHと、ハウジングH内に収容されたデバイスDと、ベーパーチャンバ1と、を備えている。図1に示す電子機器Eでは、ハウジングHの前面にタッチパネルディスプレイTDが設けられている。ベーパーチャンバ1は、ハウジングH内に収容されて、デバイスDに熱的に接触するように配置される。このことにより、電子機器Eの使用時にデバイスDで発生する熱をベーパーチャンバ1が受けることができる。ベーパーチャンバ1が受けた熱は、後述する作動液2を介してベーパーチャンバ1の外部に放出される。このようにして、デバイスDは効果的に冷却される。電子機器Eがタブレット端末である場合には、デバイスDは、中央演算処理装置等に相当する。
次に、本実施の形態によるベーパーチャンバ1について説明する。ベーパーチャンバ1は、作動液2が封入された密封空間3を有しており、密封空間3内の作動液2が相変化を繰り返すことにより、上述した電子機器EのデバイスDを効果的に冷却するようになっている。
ベーパーチャンバ1は、概略的に薄い平板状に形成されている。ベーパーチャンバ1の平面形状は任意であるが、図2に示すような矩形状であってもよい。この場合、ベーパーチャンバ1は、平面外輪郭をなす4つの直線状の外縁1x、1yを有する。このうち2つの外縁1xが、後述する第1方向Xに延び、残りの2つの外縁1yが、後述する第2方向Yに延びる。ベーパーチャンバ1の平面形状は、例えば、1辺が1cmで他の辺が3cmの長方形であってもよく、1辺が15cmの正方形であってもよく、ベーパーチャンバ1の平面寸法は任意である。また、ベーパーチャンバ1の平面形状は、矩形状に限られることはなく、L字形状、T字形状など、任意の形状とすることができる。また、後述する直線領域10R、20R以外の部分では、円や楕円を部分的になす形状で形成されていてもよい。
図2および図3に示すように、ベーパーチャンバ1は、下側金属シート10(第1金属シート、ベーパーチャンバ用金属シート)と、下側金属シート10に積層された上側金属シート20(第2金属シート、ベーパーチャンバ用金属シート)と、を備えている。本実施の形態では、上側金属シート20は、下側金属シート10上に設けられている。下側金属シート10は、上面10a(第1面)と、上面10aとは反対側に設けられた下面10b(第2面)とを有している。上側金属シート20は、下側金属シート10の上面10a(上側金属シート20の側の面)に重ね合わされた下面20a(下側金属シート10の側の面)と、下面20aとは反対側に設けられた上面20bと、を有している。下側金属シート10の下面10b(とりわけ、後述する蒸発部11の下面)に、冷却対象物であるデバイスDが取り付けられる。
下側金属シート10と上側金属シート20との間には、作動液2が封入された密封空間3が形成されている。本実施の形態では、密封空間3は、主として作動液2の蒸気が通る蒸気流路部80(後述する下側蒸気流路凹部12および上側蒸気流路凹部21)と、主として液状の作動液2が通る液流路部30と、を有している。作動液2の例としては、純水、エタノール、メタノール、アセトン等が挙げられる。
下側金属シート10は、第1方向Xに延びる一対の外縁10xによって画定された直線状に延びる下側直線領域10Rを有している。本実施の形態では、図4に示すように、下側金属シート10は、平面視で全体的に矩形状に形成されており、下側金属シート10の平面外輪郭をなす4つの外縁10x、10yを有している。このうち2つの外縁10xが、第1方向Xに延び、残りの2つの外縁10yが、第2方向Yに延びている。すなわち、本実施の形態による下側金属シート10は、全体的に下側直線領域10Rによって構成されている。
同様に、上側金属シート20は、第1方向Xに延びる一対の外縁20xによって画定された直線状に延びる上側直線領域20Rを有している。本実施の形態では、図5に示すように、上側金属シート20は、平面視で全体的に矩形状に形成されており、上側金属シート20の平面外輪郭をなす4つの外縁20x、20yを有している。このうち2つの外縁20xが、第1方向Xに延び、残りの2つの外縁20yが、第2方向Yに延びている。すなわち、本実施の形態による上側金属シート20は、全体的に上側直線領域20Rによって構成されている。
下側金属シート10の外縁10xと上側金属シート20の外縁20xとは、上述したベーパーチャンバ1の外縁1xをなしている。下側金属シート10の外縁10yと上側金属シート20の外縁20yとは、上述したベーパーチャンバ1の外縁1yをなしている。
下側金属シート10および上側金属シート20は、平面視でいずれも矩形状に形成されている例が示されているが、直線領域10R、20Rを有していれば、これに限られることはない。例えば、下側金属シート10の一部分が下側直線領域10Rによって構成され、他の部分が、任意の平面形状を有する領域で構成されていてもよい。また、下側金属シート10が、互いに異なる平面形状を有する複数の下側直線領域10Rによって構成されていてもよい。例えば、下側金属シート10が、全体としてL字形状やT字形状であってもよい。互いに直交する方向に延びる2つの直線領域でL字形状またはT字形状を形成する場合には、これら2つの直線領域が交わる部分において、ベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止できる。上側金属シート20についても同様である。ここで平面視とは、ベーパーチャンバ1がデバイスDから熱を受ける面(下側金属シート10の下面10b)、および受けた熱を放出する面(上側金属シート20の上面20b)に直交する方向から見た状態であって、例えば、ベーパーチャンバ1を上方から見た状態(図2参照)、または下方から見た状態に相当している。
なお、ベーパーチャンバ1がモバイル端末内に設置される場合、モバイル端末の姿勢によっては、下側金属シート10と上側金属シート20との上下関係が崩れる場合もある。しかしながら、本実施の形態では、便宜上、デバイスDから熱を受ける金属シートを下側金属シート10と称し、受けた熱を放出する金属シートを上側金属シート20と称して、下側金属シート10が下側に配置され、上側金属シート20が上側に配置された状態で説明する。
図4に示すように、下側金属シート10は、作動液2が蒸発して蒸気を生成する蒸発部11と、上面10aに設けられ、平面視で矩形状に形成された下側蒸気流路凹部12(第1蒸気流路凹部、第1蒸気流路部)と、を有している。このうち下側蒸気流路凹部12は、上述した密封空間3の一部を構成しており、主として、蒸発部11で生成された蒸気が通るように構成されている。
蒸発部11は、この下側蒸気流路凹部12内に配置されており、下側蒸気流路凹部12内の蒸気は、蒸発部11から離れる方向に拡散して、蒸気の多くは、比較的温度の低い周縁部に向かって輸送される。なお、蒸発部11は、下側金属シート10の下面10bに取り付けられるデバイスDから熱を受けて、密封空間3内の作動液2が蒸発する部分である。このため、蒸発部11という用語は、デバイスDに重なっている部分に限られる概念ではなく、デバイスDに重なっていなくても作動液2が蒸発可能な部分をも含む概念として用いている。ここで蒸発部11は、下側金属シート10の任意の場所に設けることができるが、図2および図4においては、下側金属シート10の中央部に設けられている例が示されている。この場合、ベーパーチャンバ1が設置されたモバイル端末の姿勢によらずに、ベーパーチャンバ1の動作の安定化を図ることができる。
本実施の形態では、図3および図4に示すように、下側金属シート10の下側蒸気流路凹部12内に、下側蒸気流路凹部12の底面12a(後述)から上方(底面12aに垂直な方向)に突出する複数の下側流路壁部13(第1流路壁部、第1流路突出部)が設けられている。本実施の形態では、下側流路壁部13が、ベーパーチャンバ1の第1方向X(長手方向、図4にける左右方向)に沿って細長状に延びている例が示されている。この下側流路壁部13は、後述する上側流路壁部22の下面22aに当接する上面13a(第1当接面、突出端面)を含んでいる。この上面13aは、後述する2つのエッチング工程によってエッチングされない面であり、下側金属シート10の上面10aと同一平面上に形成されている。また、各下側流路壁部13は等間隔に離間して、互いに平行に配置されている。
図3および図4に示すように、下側蒸気流路凹部12は、下側流路壁部13によって区画された複数の下側蒸気通路81(第1蒸気通路)を含んでいる。下側蒸気通路81は、第1方向Xに沿って細長状に延びており、互いに平行に配置されている。各下側蒸気通路81の両端部は、第2方向Yに沿って細長状に延びる下側連絡蒸気通路82に連通しており、各下側蒸気通路81が、下側連絡蒸気通路82を介して連通している。このようにして、各下側流路壁部13の周囲(下側蒸気通路81および下側連絡蒸気通路82)を作動液2の蒸気が流れて、下側蒸気流路凹部12の周縁部に向かって蒸気が輸送されるように構成されており、蒸気の流れが妨げられることを抑制している。なお、図3においては、下側蒸気流路凹部12の下側蒸気通路81の横断面(第2方向Yにおける断面)形状が、矩形状になっている。しかしながら、このことに限られることはなく、下側蒸気通路81の横断面形状は、例えば、湾曲状、半円状、V字状であってもよく、作動液2の蒸気を拡散することができれば任意である。下側連絡蒸気通路82も同様である。下側蒸気通路81の幅(第2方向Yの寸法)は、後述する下側流路壁部13同士の間隔dに相当する。下側連絡蒸気通路82の幅(第1方向Xの寸法)も同様である。
下側流路壁部13は、上側金属シート20の対応する上側流路壁部22(後述)に平面視で重なるように配置されており、ベーパーチャンバ1の機械的強度の向上を図っている。下側蒸気通路81は、対応する上側蒸気通路83(後述)に平面視で重なるように形成されている。同様に、下側連絡蒸気通路82は、対応する上側連絡蒸気通路84(後述)に平面視で重なるように形成されている。
下側流路壁部13の幅w0は、例えば、0.1mm~30mm、好ましくは0.1mm~2.0mmであり、互いに隣り合う下側流路壁部13同士の間隔dは、0.1mm~30mm、好ましくは0.1mm~2.0mmである。ここで、幅w0は、下側流路壁部13の第1方向Xに直交する第2方向Yにおける下側流路壁部13の寸法であって、下側金属シート10の上面10aにおける寸法を意味しており、例えば、図4における上下方向の寸法に相当する。間隔dは、下側金属シート10の上面10aにおける寸法を意味している。また、下側流路壁部13の高さ(言い換えると、下側蒸気流路凹部12の最大深さ)h0(図3参照)は、10μm~300μmであることが好適である。なお、下側流路壁部13の延びる方向は、下側蒸気流路凹部12の底面12aから突出していれば、上方(または垂直)に限られることはなく、任意である。
図3および図4に示すように、下側金属シート10の周縁部には、下側周縁壁14が設けられている。下側周縁壁14は、密封空間3、とりわけ下側蒸気流路凹部12を囲むように形成されており、密封空間3を画定している。また、平面視で下側周縁壁14の四隅に、下側金属シート10と上側金属シート20との位置決めをするための下側アライメント孔15がそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、上側金属シート20は、後述する液流路部30が設けられていない点を除けば、下側金属シート10と略同一の構造を有している。以下に、上側金属シート20の構成についてより詳細に説明する。
図3および図5に示すように、上側金属シート20は、下面20aに設けられた上側蒸気流路凹部21(第2蒸気流路凹部、第2蒸気流路部)を有している。この上側蒸気流路凹部21は、密封空間3の一部を構成しており、主として、蒸発部11で生成された蒸気を拡散して冷却するように構成されている。より具体的には、上側蒸気流路凹部21内の蒸気は、蒸発部11から離れる方向に拡散して、蒸気の多くは、比較的温度の低い周縁部に向かって輸送される。また、図3に示すように、上側金属シート20の上面20bには、モバイル端末等のハウジングH(図1参照)の一部を構成するハウジング部材Haが配置される。このことにより、上側蒸気流路凹部21内の蒸気は、上側金属シート20およびハウジング部材Haを介して外部によって冷却される。
本実施の形態では、図2、図3および図5に示すように、上側金属シート20の上側蒸気流路凹部21内に、上側蒸気流路凹部21の底面21aから下方(底面21aに垂直な方向)に突出する複数の上側流路壁部22(第2流路壁部、第2流路突出部)が設けられている。本実施の形態では、上側流路壁部22がベーパーチャンバ1の第1方向X(図5における左右方向)に沿って細長状に延びている例が示されている。この上側流路壁部22は、下側金属シート10の上面10a(より具体的には、上述した下側流路壁部13の上面13a)に当接するとともに液流路部30を覆う平坦状の下面22a(第2当接面、突出端面)を含んでいる。また、各上側流路壁部22は、等間隔に離間して、互いに平行に配置されている。
図3および図5に示すように、上側蒸気流路凹部21は、上側流路壁部22によって区画された複数の上側蒸気通路83(第2蒸気通路)を含んでいる。上側蒸気通路83は、第1方向Xに沿って細長状に延びており、互いに平行に配置されている。各上側蒸気通路83の両端部は、第2方向Yに沿って細長状に延びる上側連絡蒸気通路84に連通しており、各上側蒸気通路83が、上側連絡蒸気通路84を介して連通している。このようにして、各上側流路壁部22の周囲(上側蒸気通路83および上側連絡蒸気通路84)を作動液2の蒸気が流れて、上側蒸気流路凹部21の周縁部に向かって蒸気が輸送されるように構成されており、蒸気の流れが妨げられることを抑制している。なお、図3においては、上側蒸気流路凹部21の上側蒸気通路83の横断面(第2方向Yにおける断面)形状が、矩形状になっている。しかしながら、このことに限られることはなく、上側蒸気通路83の横断面形状は、例えば、湾曲状、半円状、V字状であってもよく、作動液2の蒸気を拡散することができれば任意である。上側連絡蒸気通路84の横断面形状も同様である。上側蒸気通路83の幅(第2方向Yの寸法)および上側連絡蒸気通路84の幅は、図3等に示すように、下側蒸気通路81の幅および下側連絡蒸気通路82の幅と同様であってもよくいが、異なっていてもよい。
上側流路壁部22は、下側金属シート10の対応する下側流路壁部13に平面視で重なるように配置されており、ベーパーチャンバ1の機械的強度の向上を図っている。また、上側蒸気通路83は、対応する下側蒸気通路81に平面視で重なるように形成されている。同様に、上側連絡蒸気通路84は、対応する下側連絡蒸気通路82に平面視で重なるように形成されている。
なお、上側流路壁部22の幅、高さは、上述した下側流路壁部13の幅w0、高さh0と同一であることが好適である。ここで、上側蒸気流路凹部21の底面21aは、図3等に示すような下側金属シート10と上側金属シート20との上下配置関係では、天井面と言うこともできるが、上側蒸気流路凹部21の奥側の面に相当するため、本明細書では、底面21aと記す。
図3および図5に示すように、上側金属シート20の周縁部には、上側周縁壁23が設けられている。上側周縁壁23は、密封空間3、とりわけ上側蒸気流路凹部21を囲むように形成されており、密封空間3を画定している。また、平面視で上側周縁壁23の四隅に、下側金属シート10と上側金属シート20との位置決めをするための上側アライメント孔24がそれぞれ設けられている。すなわち、各上側アライメント孔24は、後述する仮止め時に、上述した各下側アライメント孔15に重なるように配置され、下側金属シート10と上側金属シート20との位置決めが可能に構成されている。
このような下側金属シート10と上側金属シート20とは、好適には拡散接合で、互いに恒久的に接合されている。より具体的には、図3に示すように、下側金属シート10の下側周縁壁14の上面14aと、上側金属シート20の上側周縁壁23の下面23aとが当接し、下側周縁壁14と上側周縁壁23とが互いに接合されている。このことにより、下側金属シート10と上側金属シート20との間に、作動液2を密封した密封空間3が形成されている。また、下側金属シート10の下側流路壁部13の上面13aと、上側金属シート20の上側流路壁部22の下面22aとが当接し、各下側流路壁部13と対応する上側流路壁部22とが互いに接合されている。このことにより、ベーパーチャンバ1の機械的強度を向上させている。とりわけ、本実施の形態による下側流路壁部13および上側流路壁部22は等間隔に配置されているため、ベーパーチャンバ1の各位置における機械的強度を均等化させることができる。なお、下側金属シート10と上側金属シート20とは、拡散接合ではなく、恒久的に接合できれば、ろう付け等の他の方式で接合されていてもよい。なお、「恒久的に接合」という用語は、厳密な意味に縛られることはなく、ベーパーチャンバ1の動作時に、密封空間3の密封性を維持可能な程度に、下側金属シート10の上面10aと上側金属シート20の下面20aとの接合を維持できる程度に接合されていることを意味する用語として用いている。
また、図2に示すように、ベーパーチャンバ1は、第1方向Xにおける一対の端部のうちの一方の端部に、密封空間3に作動液2を注入する注入部4を更に備えている。この注入部4は、下側金属シート10の端面から突出する下側注入突出部16と、上側金属シート20の端面から突出する上側注入突出部25と、を有している。このうち下側注入突出部16の上面に下側注入流路凹部17が形成され、上側注入突出部25の下面に上側注入流路凹部26が形成されている。下側注入流路凹部17は、下側蒸気流路凹部12に連通しており、上側注入流路凹部26は、上側蒸気流路凹部21に連通している。下側注入流路凹部17および上側注入流路凹部26は、下側金属シート10と上側金属シート20とが接合された際、作動液2の注入流路を形成する。当該注入流路を通過して作動液2は密封空間3に注入される。なお、本実施の形態では、注入部4は、ベーパーチャンバ1の第1方向Xにおける一対の端部のうちの一方の端部に設けられている例が示されているが、これに限られることはなく、任意の位置に設けることができる。また、2つ以上の注入部4が設けられるようにしてもよい。
次に、下側金属シート10の液流路部30について、図3、図4、図6~図8を用いてより詳細に説明する。
図3および図4に示すように、下側金属シート10の上面10a(より具体的には、各下側流路壁部13の上面13a)に、液状の作動液2が通る液流路部30が設けられている。液流路部30は、上述した密封空間3の一部を構成しており、上述した下側蒸気流路凹部12および上側蒸気流路凹部21に連通している。なお、液流路部30は、全ての下側流路壁部13に設けられていることには限られない。例えば、液流路部30が設けられていない下側流路壁部13が存在してもよい。
図6に示すように、下側直線領域10Rにおいて、液流路部30は、複数の第1溝31と、複数の第2溝51と、を有している。第1溝31および第2溝51は、液状の作動液2がそれぞれ通るようになっている。各第1溝31は、第1方向Xに対して傾斜した方向(第1溝方向d1)に延びており、互いに平行に形成されている。各第2溝51は、第1方向Xに対して傾斜する方向であって第1溝方向d1とは異なる方向(第2溝方向d2)に延びている。一の第1溝31と一の第2溝51は、交差部Pにおいて交差している。すなわち、液流路部30は、第1溝31と第2溝51とが交差する複数の交差部Pを有している。各交差部Pにおいて、一の第1溝31と、対応する第2溝51とが連通している。交差部Pは、第1溝31と第2溝51とが交わる領域(重なる領域)としている。
一の交差部Pを通り第1方向Xに延びる直線を基準線Lとする。当該交差部Pを構成する第1溝31は、基準線Lの一側(図6における左側)から他側(図6における右側)に向かって進みながら、第1方向Xの一側(図6における下側)に進んでいる。また、当該交差部Pを構成する第2溝51は、基準線Lの他側(図6における右側)から一側(図6における左側)に向かって進みながら、第1方向Xの一側(図6における下側)に進んでいる。そして、第1溝方向d1は第1方向Xに対して角度θ1をなしており、第2溝方向d2が第1方向Xに対して角度θ2をなしている。角度θ1およびθ2は、例えば、10°~45°である。10°以上にすることにより、液流路凸部41aの第1方向Xにおける両端部が鋭角化することを抑制でき、当該端部の形状を安定化させることができる。また、45°以下にすることにより、液状の作動液2の輸送距離が長くなることを抑制でき、輸送機能の低下を防止できる。
液流路部30は、互いに隣り合う一対の第1溝31と互いに隣り合う一対の第2溝51とによって囲まれた複数の液流路凸部41a、42aを有している。第1方向Xに沿って配列された液流路凸部41a、42aの列が、凸部列41、42をなしている。各凸部列41、42において、液流路凸部41a、42aは、一定のピッチで、第1方向Xに配列されている。第2方向Yにおける異なる位置に、凸部列41と凸部列42が形成されている。すなわち、第2方向Yにおいて、凸部列41と凸部列42が交互に配置されている。凸部列41における液流路凸部41aのピッチと、凸部列42における液流路凸部42aのピッチは等しくなっている。また、凸部列41の液流路凸部41aと、凸部列42の液流路凸部42aは、第1方向Xにおいて異なる位置に配置されている。本実施の形態では、第2方向Yで見たときに、凸部列41をなす互いに隣り合う液流路凸部41aの間に配置された交差部Pが、当該凸部列41に隣り合う他の凸部列42をなす液流路凸部42aと重なっている。また、第2方向Yで見たときに、凸部列42をなす互いに隣り合う液流路凸部42aの間に配置された交差部Pが、当該凸部列42に隣り合う他の凸部列41をなす液流路凸部41aと重なっている。
図6に示す例では、第1溝31と第2溝51は、上述した基準線Lに対して線対称に形成されている。すなわち、上述した角度θ1と角度θ2とは、等しくなっており、第1溝31と第2溝51はX字状に形成されている。この場合、液流路凸部41a、42aも、基準線Lに対して線対称に形成される。液流路凸部41a、42aは千鳥状に配置されており、各液流路凸部41a、42aの平面形状は、ひし形になっている。しかしながら、このことに限られることはなく、各液流路凸部41a、42aは、多角形状であってもよい。また、各液流路凸部41a、42aは、中抜き形状であってもよく、この場合、液流路凸部41a、42a内に、凹部が形成される。
図7に示すように、第1溝31の幅w1と第2溝51の幅w2は、等しくてもよい。例えば、第1溝31の幅w1および第2溝51の幅w2は、30μm~200μmである。第1溝31の間隔w3(第1溝方向d1に直交する方向における液流路凸部41a、42aの寸法)と、第2溝51の間隔w4(第2溝方向d2に直交する方向における液流路凸部41a、42aの寸法)は、等しくてもよい。例えば、第1溝31の間隔w3および第2溝51の間隔w4は、30μm~200μmとしてもよい。なお、図7においては、第1溝31の幅w1および第2溝51の幅w2が、第1溝31の間隔w3および第2溝51の間隔w4よりも小さい例が示されているが、これに限られることはなく、w1およびw2と、w3およびw4との大小関係は任意である。
第1溝31の深さh1(図8参照)は、上述した下側蒸気流路凹部12の深さh0よりも小さいことが好適である。この場合、第1溝31の毛細管作用を高めることができる。図9に示すように、第1溝31の深さh1と第2溝51の深さh2は、等しくてもよい。例えば、第1溝31および第2溝51の深さh1、h2は、h0の半分程度が好ましく、5μm~180μmとしてもよい。
第1溝31の横断面(第1溝方向d1に直交する方向における断面)形状は、特に限られることはなく、例えば矩形状、湾曲状、半円状、V字状にすることができる。第2溝51の横断面(第2溝方向d2に直交する方向における断面)形状も同様である。図8および図9においては、第1溝31および第2溝51の横断面が、それぞれ湾曲状に形成されている例が示されている。この場合、第1溝31および第2溝51の幅w1、w2は、下側流路壁部13の上面13aにおける溝の幅とする。第1溝31および第2溝51の間隔w3、w4も同様に、上面13aにおける凸部の幅とする。第1溝31および第2溝51の深さh1、h2は、その溝において最も深い位置における深さとする。なお、図9において示す第2溝51の断面は、図面を簡略化するために、第2溝方向d2に直交する方向における横断面となっている。
ところで、図6においては、各液流路凸部41a、42aは、大局的に見れば、平面視で、ひし形状に形成されている。液流路凸部41a、42aは、各液流路部30の全体にわたって、同様の形状で形成されていてもよい。しかしながら、図7に示すように、各液流路凸部41a、42aの各角部には、丸みを帯びた湾曲部45が設けられていてもよい。これにより、各液流路凸部41a、42aの各角部が滑らかに湾曲状に形成され、液状の作動液2の流路抵抗の低減が図られている。
本実施の形態においては、図9に示すように、交差部Pの深さh3が、第1溝31の深さh1よりも深くなっているとともに、第2溝51の深さh2よりも深くなっている。このような交差部Pの深さh3は、例えば20μm~300μmとしてもよい。交差部Pの深さh3は、交差部Pにおいて最も深い位置における深さとする。
交差部Pは、第1溝31と第2溝51とが交わる領域であり、第1溝31および第2溝51が連通している。このため、図12に示す第2ハーフエッチング工程において、エッチング液は、第1溝31および第2溝51よりも、交差部Pに多く入り込むようになる。この結果、交差部Pでのエッチング液による浸食が進み、交差部Pの深さが深くなる。このことにより、交差部Pの深さh3が、第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深くなり得る。
上述したように、交差部Pの深さh3が、第1溝31の深さh1よりも深くなっているとともに第2溝51の深さh2よりも深くなっている。このことにより、交差部Pは、バッファ領域として液状の作動液2を貯留可能になっている。通常、液流路部30の各第1溝31および各第2溝51には、液状の作動液2が充填されている。このため、交差部Pの深さh3が第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深くなっていることにより、交差部Pに多くの作動液2を貯留することが可能になっている。上述のように、各第1溝31および各第2溝51には作動液2が充填されることから、ベーパーチャンバ1の姿勢に関わることなく、交差部Pには作動液2を貯留することができる。
なお、ベーパーチャンバ1の各液流路部30には多数の交差部Pが形成されているが、そのうちの少なくとも1つの交差部Pの深さh3が第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深くなっていれば、当該交差部Pにおける作動液2の貯留性能を向上させることができる。この貯留性能は、第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深いh3を有する交差部Pの箇所数が増えるにつれて向上するため、全ての交差部Pの深さh3が同様の深さを有していることが好ましい。しかしながら、製造誤差などによって、一部の交差部Pの深さh3が、第1溝31の深さh1または第2溝51の深さh2よりも深くなくても、作動液2の貯留性能を向上させることができることは明らかである。
ここで、完成形のベーパーチャンバ1から第1溝31の幅、深さおよび第2溝51の幅、深さを確認する方法について説明する。一般に、ベーパーチャンバ1の外部からは、第1溝31および第2溝51は見えないようになっている。このため、完成形のベーパーチャンバ1を所望の位置で切断して得られた断面形状から、第1溝31および第2溝51の幅、深さを確認する方法が挙げられる。
具体的には、まず、ベーパーチャンバ1を10mm角片にワイヤーソーで切断して試料とした。続いて、蒸気流路凹部12、21および液流路部30(第1溝31および第2溝51)に樹脂が入り込むように、試料を真空脱泡しながら樹脂包埋する。次に、バフ研磨などで角片を平面方向で研磨し、溝31、51のピッチ延びる方向を特定する。続いて、その角片を、第1溝31の横断面(第1溝方向d1に直交する方向における断面)または第2溝51の横断面(第2溝方向d2に直交する方向における断面)が得られるようにダイヤモンドナイフでトリミング加工する。この際、ミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製のウルトラミクロトーム)のダイヤモンナイフを使用して、測定目的位置から40μm離れた部分までトリミング加工する。例えば、第1溝31のピッチが200μmであるとすると、測定目的としている第1溝31の隣の第1溝31から160μm削ることにより、測定目的としている第1溝31から40μm離れた部分を特定することができる。次に、トリミング加工を行った切断面を削ることにより、観察用の切断面を作製する。この際、断面試料作製装置(JOEL社製のクロスセクションポリッシャー)を使用して、飛び出し幅を40μm、電圧を5kV、時間を6時間に設定し、イオンビーム加工にて切断面を削る。その後、得られた試料の切断面を観察する。この際、走査型電子顕微鏡(カールツァイス社製の走査型電子顕微鏡)を使用して、電圧を5kV、作動距離を3mm、観察倍率を500倍に設定し、切断面を観察する。このようにして、第1溝31および第2溝51の幅、深さを測定することができる。なお、撮影時の観察倍率基準は、Polaroid545とする
ところで、上述した液流路部30は、下側金属シート10の下側流路壁部13の上面13aに形成されている。一方、本実施の形態では、上側金属シート20の上側流路壁部22の下面22aは、平坦状に形成されている。このことにより、液流路部30の各第1溝31は、平坦状の下面22aで覆われている。この場合、図7~図9に示すように、第1溝31の第1溝方向d1に延びる一対の側壁35、36と上側流路壁部22の下面22aとにより、直角状あるいは鋭角状の2つの角部37を形成することができ、これら2つの角部37における毛細管作用を高めることができる。すなわち、第1溝31の横断面が湾曲状に形成されている場合であっても、角部37において毛細管作用を高めることができる。
同様に、液流路部30の各第2溝51は、平坦状の下面22aで覆われている。この場合、図7および図9に示すように、第2溝51の第2溝方向d2に延びる一対の側壁55、56と上側流路壁部22の下面22aとにより、直角状あるいは鋭角状の2つの角部57を形成することができ、これら2つの角部57における毛細管作用を高めることができる。すなわち、第2溝51の横断面が湾曲状に形成されている場合であっても、角部57において毛細管作用を高めることができる。
なお、下側金属シート10および上側金属シート20に用いる材料は、熱伝導率が良好な材料であれば特に限られることはないが、例えば、下側金属シート10および上側金属シート20は、銅(無酸素銅)または銅合金により形成されていることが好適である。このことにより、下側金属シート10および上側金属シート20の熱伝導率を高めることができる。このため、ベーパーチャンバ1の放熱効率を高めることができる。あるいは、所望の放熱効率を得ることができれば、これらの金属シート10および20には、アルミニウム等の他の金属材料や、ステンレスなどの他の金属合金材料を用いることもできる。また、ベーパーチャンバ1の厚さは、0.1mm~1.0mmである。図3では、下側金属シート10の厚さT1および上側金属シート20の厚さT2が等しい場合を示しているが、これに限られることはなく、下側金属シート10の厚さT1と上側金属シート20の厚さT2は、等しくなくてもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、まず、ベーパーチャンバ1の製造方法について、図10~図15を用いて説明するが、上側金属シート20のハーフエッチング工程の説明は簡略化する。なお、図10~図15では、図3の断面図と同様の断面を示している。
まず、図10に示すように、準備工程として、平板状の金属材料シートMを準備する。
続いて、図11に示すように、金属材料シートMがハーフエッチングされて、密封空間3の一部を構成する下側蒸気流路凹部12が形成される。この場合、まず、金属材料シートMの上面Maに図示しない第1レジスト膜が、フォトリソグラフィー技術によって、複数の下側流路壁部13および下側周縁壁14に対応するパターン状に形成される。続いて、第1ハーフエッチング工程として、金属材料シートMの上面Maがハーフエッチングされる。このことにより、金属材料シートMの上面Maのうち第1レジスト膜のレジスト開口(図示せず)に対応する部分がハーフエッチングされて、図11に示すような下側蒸気流路凹部12、下側流路壁部13および下側周縁壁14が形成される。この際、図2および図4に示す下側注入流路凹部17も同時に形成され、また、図4に示すような外形輪郭形状を有するように金属材料シートMが上面Maおよび下面からエッチングされて外縁10x、10yが形成され、所定の外形輪郭形状が得られる。第1ハーフエッチング工程の後、第1レジスト膜が除去される。なお、ハーフエッチングとは、材料を貫通しないような凹部を形成するためのエッチングを意味している。このため、ハーフエッチングにより形成される凹部の深さは、下側金属シート10の厚さの半分であることには限られない。エッチング液には、例えば、塩化第二鉄水溶液等の塩化鉄系エッチング液、または塩化銅水溶液等の塩化銅系エッチング液を用いることができる。
下側蒸気流路凹部12が形成された後、図12に示すように、下側流路壁部13の上面13aに液流路部30が形成される。
この場合、まず、下側流路壁部13の上面13aに、図示しない第2レジスト膜が、フォトリソグラフィー技術によって、液流路部30の液流路凸部41a、42aに対応するパターン状に形成される。続いて、第2ハーフエッチング工程として、下側流路壁部13の上面13aがハーフエッチングされる。このことにより、当該上面13aのうち第2レジスト膜のレジスト開口(図示せず)に対応する部分がハーフエッチングされて、下側流路壁部13の上面13aに液流路部30が形成される。すなわち、当該上面13aに、各液流路凸部41a、42aが形成される。これらの液流路凸部41a、42aによって、第1溝31および第2溝51が画定される。第2ハーフエッチング工程の後、第2レジスト膜が除去される。
このようにして、液流路部30が形成された下側金属シート10が得られる。なお、第1ハーフエッチング工程とは別の工程である第2ハーフエッチング工程として、液流路部30を形成することにより、下側蒸気流路凹部12の深さh0とは異なる深さで第1溝31および第2溝51を容易に形成することが可能になる。しかしながら、下側蒸気流路凹部12と、第1溝31および第2溝51は、同一のハーフエッチング工程で形成するようにしてもよい。この場合には、ハーフエッチング工程の回数を削減することができ、ベーパーチャンバ1の製造コストを低減可能になる。
一方、下側金属シート10と同様にして、上側金属シート20が下面20aからハーフエッチングされて、上側蒸気流路凹部21、上側流路壁部22および上側周縁壁23が形成される。このようにして、上述した上側金属シート20が得られる。
次に、図13に示すように、仮止め工程として、下側蒸気流路凹部12を有する下側金属シート10と、上側蒸気流路凹部21を有する上側金属シート20とが仮止めされる。この場合、まず、下側金属シート10の下側アライメント孔15(図2および図4参照)と上側金属シート20の上側アライメント孔24(図2および図5参照)とを利用して、下側金属シート10と上側金属シート20とが位置決めされる。続いて、下側金属シート10と上側金属シート20とが固定される。固定の方法としては、特に限られることはないが、例えば、下側金属シート10と上側金属シート20とに対して抵抗溶接を行うことによって下側金属シート10と上側金属シート20とを固定してもよい。この場合、図13に示すように、電極棒40を用いてスポット的に抵抗溶接を行うことが好適である。抵抗溶接の代わりにレーザ溶接を行ってもよい。あるいは、超音波を照射して下側金属シート10と上側金属シート20とを超音波接合して固定してもよい。さらには、接着剤を用いてもよいが、有機成分を有しないか、若しくは有機成分が少ない接着剤を用いることが好適である。このようにして、下側金属シート10と上側金属シート20とが、位置決めされた状態で固定される。
仮止めの後、図14に示すように、恒久接合工程として、下側金属シート10と上側金属シート20とが、拡散接合によって恒久的に接合される。拡散接合とは、接合する下側金属シート10と上側金属シート20とを密着させ、真空や不活性ガス中などの制御された雰囲気中で、各金属シート10、20を密着させる方向に加圧するとともに加熱して、接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。拡散接合は、下側金属シート10および上側金属シート20の材料を融点に近い温度まで加熱するが、融点よりは低いため、各金属シート10、20が溶融して変形することを回避できる。より具体的には、下側金属シート10の下側周縁壁14の上面14aと上側金属シート20の上側周縁壁23の下面23aとが、接合面となって拡散接合される。このことにより、下側周縁壁14と上側周縁壁23とによって、下側金属シート10と上側金属シート20との間に密封空間3が形成される。また、下側注入流路凹部17(図2および図4参照)と上側注入流路凹部26(図2および図5参照)とによって、密封空間3に連通する作動液2の注入流路が形成される。さらに、下側金属シート10の下側流路壁部13の上面13aと、上側金属シート20の上側流路壁部22の下面22aとが、接合面となって拡散接合され、ベーパーチャンバ1の機械的強度が向上する。下側流路壁部13の上面13aに形成された液流路部30は、液状の作動液2の流路として残存する。
恒久的な接合の後、図15に示すように、封入工程として、注入部4(図2参照)から密封空間3に作動液2が注入される。この際、まず、密封空間3が真空引きされて減圧され(例えば、5Pa以下、好ましくは1Pa以下)、その後に、作動液2が密封空間3に注入される。注入時、作動液2は、下側注入流路凹部17と上側注入流路凹部26とにより形成された注入流路を通過する。例えば、作動液2の封入量は、ベーパーチャンバ1内部の液流路部30の構成にもよるが、密封空間3の全体積に対して10%~40%としてもよい。
作動液2の注入の後、上述した注入流路が封止される。例えば、注入部4にレーザを照射し、注入部4を部分的に溶融させて注入流路を封止するようにしてもよい。このことにより、密封空間3と外部との連通が遮断され、作動液2が密封空間3に封入される。このようにして、密封空間3内の作動液2が外部に漏洩することが防止される。なお、封止のためには、注入部4をかしめてもよく(押圧して塑性変形させてもよく)、またはろう付けしてもよい。
以上のようにして、本実施の形態によるベーパーチャンバ1が得られる。
次に、ベーパーチャンバ1の作動方法、すなわち、デバイスDの冷却方法について説明する。
上述のようにして得られたベーパーチャンバ1は、モバイル端末等のハウジングH内に設置されるとともに、下側金属シート10の下面10bに、被冷却対象物であるCPU等のデバイスDが取り付けられる。密封空間3内に注入された作動液2の量は少ないため、密封空間3内の液状の作動液2は、その表面張力によって、密封空間3の壁面、すなわち、下側蒸気流路凹部12の壁面、上側蒸気流路凹部21の壁面および液流路部30の壁面に付着する。
この状態でデバイスDが発熱すると、下側蒸気流路凹部12のうち蒸発部11に存在する作動液2が、デバイスDから熱を受ける。受けた熱は潜熱として吸収されて作動液2が蒸発(気化)し、作動液2の蒸気が生成される。生成された蒸気の多くは、密封空間3を構成する下側蒸気流路凹部12内および上側蒸気流路凹部21内で拡散する(図4の実線矢印参照)。上側蒸気流路凹部21内および下側蒸気流路凹部12内の蒸気は、蒸発部11から離れ、蒸気の多くは、比較的温度の低いベーパーチャンバ1の周縁部に向かって輸送される。拡散した蒸気は、下側金属シート10および上側金属シート20に放熱して冷却される。下側金属シート10および上側金属シート20が蒸気から受けた熱は、ハウジング部材Ha(図3参照)を介して外部に伝達される。
蒸気は、下側金属シート10および上側金属シート20に放熱することにより、蒸発部11において吸収した潜熱を失って凝縮する。凝縮して液状になった作動液2は、下側蒸気流路凹部12の壁面または上側蒸気流路凹部21の壁面に付着する。ここで、蒸発部11では作動液2が蒸発し続けているため、液流路部30のうち蒸発部11以外の部分における作動液2は、蒸発部11に向かって輸送される(図4の破線矢印参照)。このことにより、下側蒸気流路凹部12の壁面および上側蒸気流路凹部21の壁面に付着した液状の作動液2は、液流路部30に向かって移動し、液流路部30の第1溝31および第2溝51に入り込む。このようにして、各第1溝31および各第2溝51に、液状の作動液2が充填される。このため、充填された作動液2は、各第1溝31および各第2溝51の毛細管作用により、蒸発部11に向かう推進力を得て、蒸発部11に向かってスムースに輸送される。
液流路部30においては、第1溝31と第2溝51とが交差している。このことにより、互いに隣り合う第1溝31同士で、第2溝51を介して液状の作動液2が往来し、第1溝31でドライアウトが発生することが抑制されている。また、互いに隣り合う第2溝51同士で、第1溝31を介して液状の作動液2が往来し、第2溝51でドライアウトが発生することが抑制されている。このため、各第1溝31および各第2溝51の作動液2に毛細管作用が付与されて、作動液2は、蒸発部11に向かってスムースに輸送される。
蒸発部11に達した作動液2は、デバイスDから再び熱を受けて蒸発する。このようにして、作動液2が、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながらベーパーチャンバ1内を還流してデバイスDの熱を移動させて放出する。この結果、デバイスDが冷却される。
ところで、蒸発部11に向かう作動液2の一部は、交差部Pに引き込まれて貯留される。
ここで、第1溝31または第2溝51でドライアウトが発生すると、交差部Pに貯留されている作動液2が、このドライアウトの発生部に向かって移動する。より具体的には、第1溝31でドライアウトが発生した場合、そのドライアウトの発生部に最も近い交差部Pから、作動液2が第1溝31の毛細管作用によってドライアウトの発生部に移動する。このことにより、ドライアウトの発生部に、作動液2が充填されてドライアウトが解消される。
また、第1溝31または第2溝51において、液状の作動液2中にその蒸気による気泡が発生した場合、その気泡は、下流側(蒸発部11の側)の交差部Pに引き込まれて保持される。交差部Pの深さh3が第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深くなっているため、交差部Pに引き込まれた気泡は、交差部Pから第1溝31または第2溝51に移動することが抑制される。このため、交差部Pによって、第1溝31または第2溝51に発生した気泡を捕捉することができ、作動液2の蒸発部11への流れが気泡によって妨げられることを抑制できる。
このように本実施の形態によれば、下側金属シート10が、第1方向Xに延びる一対の外縁10xによって画定された直線状に延びる下側直線領域10Rを有している。この下側直線領域10Rにおける液流路部30が、第1方向Xに傾斜した第1溝方向d1に延びる複数の第1溝31と、第1方向Xに傾斜した第2溝方向d2に延びる複数の第2溝51と、を有している。このことにより、下側金属シート10の外縁10xと第1溝31とが直交しなくなるとともに、外縁10xと第2溝51とが直交しなくなる。このため、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、第1溝方向d1と第2溝方向d2は互いに異なる方向となっている。このことにより、ベーパーチャンバ1が、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止しつつ、第1溝方向d1に延びる折り線で折れ曲がるように変形することを防止できるとともに、第2溝方向d2に延びる折り線で折れ曲がるように変形することを防止できる。このため、液流路部30の第1溝31および第2溝51がつぶれることを防止でき、液状の作動液2の流路断面積を確保することができる。この結果、液状の作動液2の輸送機能を向上させ、熱輸送効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1溝31と第2溝51とが、交差部Pにおいて交差している。このことにより、互いに隣り合う第1溝31同士で、第2溝51を介して液状の作動液2を往来させることができるとともに、互いに隣り合う第2溝51同士で、第1溝31を介して液状の作動液2を往来させることができる。このため、第1溝31および第2溝51で、ドライアウトが発生することを抑制できる。このため、各第1溝31および各第2溝51の作動液2に毛細管作用を付与することができ、作動液2を、蒸発部11に向かってスムースに輸送することができる。
また、本実施の形態によれば、一の交差部Pを構成する第1溝31が、第1方向Xに延びる基準線Lの一側から他側に向かって進みながら第1方向Xの一側に進み、当該一の交差部Pを構成する第2溝51が、基準線Lの他側から一側に向かって進みながら第1方向Xの一側に進んでいる。このことにより、基準線Lに対する第1溝31の傾斜の向きに対して、第2溝51の傾斜の向きを反対にすることができる。このため、第1溝31および第2溝51内の液状の作動液2が、基準線Lが延びる第1方向Xに対して偏る方向に、例えば、基準線Lに対して一側に偏って輸送されることを抑制できる。このため、作動液2を蒸発部11に向かってスムースに輸送することができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第1溝31と第2溝51が、基準線Lに対して線対称に形成されている。このことにより、第1溝31および第2溝51内の液状の作動液2が、第1方向Xに対して偏る方向に輸送されることをより一層抑制でき、作動液2を蒸発部11に向かってより一層スムースに輸送することができる。
また、本実施の形態によれば、第2方向Yで見たときに、一の凸部列41、42をなす互いに隣り合う液流路凸部41a、42aの間に配置された交差部Pが、当該凸部列41、42に隣り合う他の凸部列41、42をなす液流路凸部41a、42aと重なっている。このことにより、第2方向Yにおいて交差部Pが連続状に形成されることを防止できる。このため、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを効果的に防止することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、上側金属シート20の上側流路壁部22が、ベーパーチャンバ1の第1方向Xに沿って細長状に延びている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、上側流路壁部22の形状は任意である。例えば、上側流路壁部22は、円柱状のボスとして形成されていてもよい。この場合においても、上側流路壁部22は、下側流路壁部13に平面視で重なるように配置して、上側流路壁部22の下面22aを、下側流路壁部13の上面13aに当接させることが好適である。
また、上述した本実施の形態においては、上側金属シート20が、上側蒸気流路凹部21を有している例について説明したが、このことに限られることはなく、上側金属シート20は、全体的に平板状に形成されて、上側蒸気流路凹部21を有していなくてもよい。この場合には、上側金属シート20の下面20aが、第2当接面として下側流路壁部13の上面13aに当接するようになり、ベーパーチャンバ1の機械的強度を向上させることができる。また、上側金属シート20の下面20aのエッチング加工を不要にできる。
また、上述した本実施の形態においては、下側金属シート10が、下側蒸気流路凹部12と、液流路部30と、を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、上側金属シート20が上側蒸気流路凹部21を有していれば、下側金属シート10は、下側蒸気流路凹部12を有することなく、液流路部30が、下側金属シート10の上面10aに設けられていてもよい。この場合、図16に示すように、上面10aのうち液流路部30が形成される領域は、上側流路壁部22に対向する領域に加えて、上側蒸気流路凹部21に対向する領域のうち上側流路壁部22を除く領域にも形成されていてもよい。この場合、液流路部30の第1溝31および第2溝51が形成された領域を増やすことができ、液状の作動液2の輸送機能を向上させることができる。しかしながら、液流路部30を形成する領域は、図16に示す形態に限られることはなく、液状の作動液2の輸送機能を確保することができれば任意である。また、図16に示す形態では、上側金属シート20の上側流路壁部22の下面22a(当接面)は、蒸気流路を確保するために、上側金属シート20の下面20aのうちの一部の領域に形成されており、下側金属シート10の上面10aのうち液流路部30が形成された領域の一部に、上側流路壁部22の下面22aが当接するようになる。
さらに、上述した本実施の形態においては、ベーパーチャンバ1を、主としてエッチングによって製造する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、3Dプリンタで製造してもよい。例えば、ベーパーチャンバ1をまとめて一度に3Dプリンタで製造してもよく、あるいは、各金属シート10、20を別々に3Dプリンタで製造して、その後に接合してもよい。
(第2の実施の形態)
次に、図17および図18を用いて、本発明の第2実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法について説明する。
図17および図18に示す第2の実施の形態においては、第1溝内に、第1溝凸部が突出しているとともに、第2溝内に、第2溝凸部が突出している点が主に異なり、他の構成は、図1~図16に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図17および図18において、図1~図16に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図17に示すように、本実施の形態においては、上側金属シート20は、下面20aに設けられた複数の第1溝凸部27を有している。各第1溝凸部27は、下面20aから下側金属シート10の第1溝31にそれぞれ突出している。第1溝凸部27の下端は、第1溝31の底部から離間しており、作動液2の流路は確保されている。また、各第1溝凸部27は、第1溝方向d1に延びるように形成されている。
第1溝凸部27の横断面は、湾曲状に形成されている。また、第1溝凸部27の側縁は、図17に示すように、第1溝31の側壁35、36に接する、または近接している。これにより、第1溝31の側壁35、36と上側流路壁部22の下面22aとにより形成される角部37が、楔状(または鋭角状)に形成されている。このようにして、第1溝31と第1溝凸部27とによって画定される流路断面(第1溝方向d1に直交する方向における横断面)が、図17に示すように三日月状に形成されている。
また、図18に示すように、本実施の形態においては、上側金属シート20は、下面20aに設けられた複数の第2溝凸部28を有している。各第2溝凸部28は、下面20aから下側金属シート10の第2溝51にそれぞれ突出している。第2溝凸部28の下端は、第2溝51の底部から離間しており、作動液2の流路は確保されている。また、各第2溝凸部28は、第2溝方向d2に延びるように形成されている。交差部Pにおいて、上述した第1溝凸部27と第2溝凸部28とが交差している。
第2溝凸部28の横断面は、第1溝凸部27と同様に湾曲状に形成されている。また、第2溝凸部28の側縁は、図18に示すように、第2溝51の側壁55、56に接する、または当該側壁55、56に近接している。これにより、第2溝51の側壁55、56と上側流路壁部22の下面22aとにより形成される角部57が、楔状(または鋭角状)に形成されている。このようにして、第2溝51と第2溝凸部28とによって画定される流路断面(第2溝方向d2に直交する方向における横断面)が、図18に示すように三日月状に形成されている。
第1溝凸部27および第2溝凸部28は、例えば、上側金属シート20をハーフエッチングして上側流路壁部22等を形成した後に、上側金属シート20を単体でプレス加工することによって形成することができる。あるいは、図14に示す恒久接合工程において、下側金属シート10と上側金属シート20とに与える加圧力を高めることによって第1溝凸部27および第2溝凸部28を形成することができる。すなわち、加圧力を高めることにより、上側金属シート20の上側流路壁部22の一部を、第1溝31内および第2溝51内に入り込ませることができ、これにより、湾曲状の横断面を有する第1溝凸部27および第2溝凸部28を形成することができる。
このように本実施の形態によれば、上側金属シート20の下面20aから下側金属シート10の第1溝31に、第1溝凸部27が突出している。このことにより、第1溝31の側壁35、36と上側流路壁部22の下面22aとにより形成される角部37を、第1溝31の側壁35、36と第1溝凸部27とによって画定される微小な空間にすることができる。このため、角部37における毛細管作用を高めることができる。この結果、各第1溝31における液状の作動液2の輸送機能を向上させ、熱輸送効率を向上させることができる。とりわけ、各交差部Pの深さh3を第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深くする場合であっても、第1溝31における作動液2に、第1溝凸部27による毛細管作用により、蒸発部11に向かう高い推進力を与えることができる。このため、作動液2の輸送機能を効果的に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1溝凸部27の横断面が湾曲状に形成されている。このことにより、角部37を三日月形状の端部のような形状にすることができる。このため、角部37における毛細管作用をより一層高めることができる。
また、本実施の形態によれば、上側金属シート20の下面20aから下側金属シート10の第2溝51に、第2溝凸部28が突出している。このことにより、第2溝51の側壁55、56と上側流路壁部22の下面22aとにより形成される角部57を、第2溝51の側壁55、56と第2溝凸部28とによって画定される微小な空間にすることができる。このため、角部57における毛細管作用を高めることができる。この結果、各第2溝51における液状の作動液2の輸送機能を向上させ、熱輸送効率を向上させることができる。とりわけ、各交差部Pの深さh3を第1溝31および第2溝51の深さh1、h2よりも深くする場合であっても、第2溝51における作動液2に、第2溝凸部28による毛細管作用により、蒸発部11に向かう高い推進力を与えることができる。このため、作動液2の輸送機能を効果的に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2溝凸部28の横断面が湾曲状に形成されている。このことにより、角部57を三日月形状の端部のような形状にすることができる。このため、角部57における毛細管作用をより一層高めることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1溝31の横断面および第2溝51の横断面が湾曲状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1溝31の横断面および第2溝51の横断面は、図示しないが、矩形状に形成されていてもよい。この場合においても、角部37、57における毛細管作用を高めることができ、第1溝31および第2溝51における液状の作動液2の輸送機能を向上させることができる。横断面を矩形状にするためには、第1溝31および第2溝51は、プレス加工や切削加工で形成されることが好ましい。
(第3の実施の形態)
次に、図19を用いて、本発明の第3実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法について説明する。
図19に示す第3の実施の形態においては、液流路凸部の平面形状が、楕円形または円形である点が主に異なり、他の構成は、図1~図16に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図19において、図1~図16に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図19に示すように、本実施の形態においては、第2方向Yで見たときに、下側直線領域10Rにおいて、一の凸部列41、42をなす互いに隣り合う液流路凸部41a、42aの間の領域に、当該凸部列41、42に隣り合う他の凸部列41、42をなす液流路凸部41a、42aが配置されている。すなわち、一の凸部列41をなす互いに隣り合う液流路凸部41aの間の領域(交差部P)に、当該凸部列41に隣り合う他の凸部列42をなす液流路凸部42aが配置されている。第1方向Xにおいて互いに隣り合う液流路凸部41aの間の交差部Pに、当該交差部Pに隣接する液流路凸部42aが重なっている。また、一の凸部列42をなす互いに隣り合う液流路凸部42aの間の領域(交差部P)に、当該凸部列42に隣り合う他の凸部列41をなす液流路凸部41aが配置されている。第1方向Xにおいて互いにとなる合い液流路凸部42aの間の交差部Pに、当該交差部Pに隣接する液流路凸部41aが重なっている。
液流路凸部41a、42aの平面形状は、楕円形または円形になっている。図19においては、液流路凸部41a、42aの平面形状が、楕円形である例が示されている。そして、楕円形の液流路凸部41a、42aが、千鳥状に配置されている。
液流路部30を構成する第1溝31および第2溝51は、互いに隣り合う液流路凸部41a、42aの間に形成されている。本実施の形態においては、第1溝31および第2溝51は、隣接する液流路凸部41a、42aの形状に沿うように形成されている。
このように本実施の形態によれば、下側直線領域10Rにおいて、第2方向Yで見たときに、一の凸部列41、42をなす互いに隣り合う液流路凸部41a、42aの間の領域に、当該凸部列41、42に隣り合う他の凸部列41、42をなす液流路凸部41a、42aが配置されている。この場合、第2方向Yに第1溝31および第2溝51が連続状に延びることを抑制できる。このことにより、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止することができる。このため、液流路部30の第1溝31および第2溝51がつぶれることを防止でき、液状の作動液2の流路断面積を確保することができる。この結果、液状の作動液2の輸送機能を向上させ、熱輸送効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、液流路凸部41a、42aの平面形状が楕円形または円形になっている。このことにより、互いに隣り合う液流路凸部41a、42aの間に設けられる液流路部30の第1溝31の側壁35、36および第2溝51の側壁55、56を、液流路凸部41a、42aの形状に沿うように、楕円弧状または円弧状に形成することができる。このため、第1溝31内および第2溝51内における液状の作動液2の流路抵抗を低減することができる。このため、作動液2を、蒸発部11に向かってスムースに輸送することができる。
なお、上述した本実施の形態においても、上側金属シート20が、第2の実施の形態と同様な複数の第1溝凸部27を有していてもよい。また、上側金属シート20が、第2の実施の形態と同様な複数の第2溝凸部28を有していてもよい。
(第4の実施の形態)
次に、図20~図25を用いて、本発明の第4実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法について説明する。
図20~図25に示す第4の実施の形態においては、下側金属シートと上側金属シートとの間に中間金属シートが介在され、蒸気流路部が、上側金属シートの中間金属シートの側の面に設けられ、液流路部が、下側金属シートの中間金属シートの側の面に設けられ、中間金属シートに、蒸気流路部と液流路部とを連通する連通部が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1~図16に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図20~図25において、図1~図16に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図20に示すように、本実施の形態においては、下側金属シート10(第1金属シート)と上側金属シート20(第2金属シート)との間に、中間金属シート70(第3金属シート)が介在されている。すなわち、本実施の形態によるベーパーチャンバ1は、下側金属シート10、中間金属シート70および上側金属シート20がこの順番で積層されている。中間金属シート70は、下側金属シート10上に設けられており、上側金属シート20は、中間金属シート70上に設けられている。なお、図20においては、図面を明瞭にするために、作動液2の図示を省略している。後述する図2、図28および図31においても同様である。
中間金属シート70は、下側金属シート10の側に設けられた下面70a(第1面)と、下面70aとは反対側に設けられ、上側金属シート20の側に設けられた上面70b(第2面)と、を含んでいる。このうち下面70aが、下側金属シート10の上面10aに重ね合わされ、上面70bが、上側金属シート20の下面20aに重ね合わされている。下側金属シート10と中間金属シート70とは、拡散接合によって接合されており、中間金属シート70と上側金属シート20とは、拡散接合によって接合されている。中間金属シート70は、下側金属シート10および上側金属シート20と同様な材料で形成することができる。中間金属シート70の厚さは、例えば、10μm~300μmである。
図22に示すように、本実施の形態においては、中間金属シート70は、第1方向Xに延びる一対の外縁70xによって画定された直線状に延びる中間直線領域70Rを有している。本実施の形態では、中間金属シート70は、平面視で全体的に矩形状に形成されており、中間金属シート70の平面外輪郭をなす4つの外縁70x、70yを有している。このうち2つの外縁70xが、第1方向Xに延び、残りの2つの外縁70yが、第2方向Yに延びている。すなわち、本実施の形態による中間金属シート70は、全体的に中間直線領域70Rによって構成されている。図20~図22に示すように、外縁70xは、下側金属シート10の外縁10xおよび上側金属シート20の外縁20xとともに、ベーパーチャンバ1の外縁1x(図2参照)をなしている。また、外縁70yは、下側金属シート10の外縁10yおよび上側金属シート20の外縁20yとともに、ベーパーチャンバ1の外縁1yをなしている。中間金属シート70は、平面視で矩形状に形成されている例が示されているが、直線領域70Rを有していれば、これに限られることはなく、下側金属シート10および上側金属シート20と同様の平面形状を有していてもよい。
図20に示すように、密封空間3は、下側金属シート10と上側金属シート20との間に形成されており、中間金属シート70にも密封空間3の一部が形成されている。本実施の形態では、密封空間3は、主として作動液2の蒸気が通る蒸気流路部80と、主として液状の作動液2が通る液流路部30と、を有している。蒸気流路部80と液流路部30は、作動液2が還流できるように連通している。蒸気流路部80は、下側蒸気流路凹部12(第1蒸気流路部)および上側蒸気流路凹部21(第2蒸気流路部)を有している。
下側蒸気流路凹部12および液流路部30を含む下側金属シート10は、図1~図16に示す第1の実施の形態における下側金属シート10と同様の構成とすることができる。このため、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、上側金属シート20には、液流路部30は設けられていない。また、上側金属シート20は、下面20aに設けられた上側蒸気流路凹部21(第2蒸気流路部)を有している。上側蒸気流路凹部21内に、上側蒸気流路凹部21の底面21aから下方(底面21aに垂直な方向)に突出する複数の上側流路突出部90(第2流路突出部)が設けられている。上側流路突出部90は、ハーフエッチング工程においてエッチングされることなく、上側金属シート20の材料が残る部分である。
図20に示すように、上側流路突出部90は、上側金属シート20の下面20aと同一平面上に位置する下面90aを有している。この下面90aは、中間金属シート70の上面70bに当接している。このことにより、密封空間3の減圧時におけるベーパーチャンバ1の機械的強度の向上を図っている。
図21に示すように、本実施の形態では、上側流路突出部90は、平面視で、千鳥状に配置されている。このことにより、上側流路突出部90の周囲を作動液2の蒸気が流れるように構成されており、蒸気の流れが妨げられることを抑制している。また、上側流路突出部90の下面の平面形状が、円形状になっており、この点においても、作動液2の蒸気の流れが妨げられることを抑制している。なお、上側流路突出部90の平面形状は、作動液2の蒸気の流れが妨げられることを抑制できれば、円形状であることに限られない。
図22に示すように、中間金属シート70に、上側蒸気流路凹部21と液流路部30とを連通する連通孔71(連通部)が設けられている。連通孔71は、中間金属シート70を貫通しており、上述した密封空間3の一部を構成している。また、連通孔71は、平面視で、互いに隣り合う上側流路突出部90の間に配置されており、連通孔71は、平面視で、千鳥状に配置されている。
図20に示すように、連通孔71は、中間金属シート70の上面70bから下面70aにわたって延びている。このことにより、上側蒸気流路凹部21において作動液2の蒸気から凝縮して生成された液状の作動液2は、連通孔71を通って、液流路部30の第1溝31および第2溝51に入り込むように構成されている。一方、蒸発部11において蒸発した作動液2の蒸気は、下側蒸気流路凹部12で拡散されるだけでなく、連通孔71を通って上側蒸気流路凹部21にも拡散できるようになっている。
連通孔71は、中間金属シート70の上面70bからエッチングされることによって形成されてもよい。この場合、連通孔71は、下面70aに向かって膨らむような形状で湾曲していてもよい。あるいは、連通孔71は、中間金属シート70の下面70aからエッチングされてもよく、この場合には、上面70bに向かって膨らむような形状で湾曲していてもよい。さらには、連通孔71は、下面70aからのハーフエッチングと上面70bからのハーフエッチングとで形成されていてもよい。この場合には、連通孔71のうち上面70bの側の部分と下面70aの側の部分とで、形状または大きさを異ならせてもよい。本実施の形態では、図22に示すように、連通孔71の平面形状が円形状になっている例が示されている。連通孔71の直径φを、上面70bから下面70aにわたる範囲における最小直径とした場合、連通孔71の直径φは、例えば、50μm~2000μmとしてもよい。なお、連通孔71の平面形状は、円形状に限られることはない。
図22に示すように、本実施の形態においては、連通孔71は、平面視で、互いに隣り合う一対の下側蒸気通路81のうちの一方の下側蒸気通路81の一部と他方の下側蒸気通路81の一部に重なっている。このことにより、互いに隣り合う一対の下側蒸気通路81が、連通孔71を介して連通している。このため、連通孔71の流路断面積を増大させることができ、作動液2の蒸気を上側蒸気流路凹部21にスムースに拡散させることができる。なお、連通孔71は、3つ以上の下側蒸気通路81の各々の一部に重なって、これらの下側蒸気通路81を連通するようにしてもよい。
また、図22に示すように、中間金属シート70には、各金属シート10、20、70を位置決めするための中間アライメント孔72が設けられている。すなわち、各中間アライメント孔72は、仮止め時に、上述した各下側アライメント孔15および上側アライメント孔24にそれぞれ重なるように配置され、各金属シート10、20、70の位置決めが可能になっている。
なお、本実施の形態においては、注入部4は、図1~図16に示す第1の実施の形態の注入部4と同様に形成してもよい。この場合、中間金属シート70に、注入突出部(図示せず)を設けて、この注入突出部に注入流路を設けてもよい。あるいは、下側金属シート10または上側金属シート20に注入孔を設けて、この注入孔から作動液2を注入するようにしてもよい。
また、本実施の形態によるベーパーチャンバ1は、下側金属シート10の下側蒸気流路凹部12および液流路部30と、上側金属シート20の上側蒸気流路凹部21は、図1~図16に示す第1の実施の形態と同様にして形成することができる。また、中間金属シート70の連通孔71も、エッチングによって形成することができる。その後、下側金属シート10と上側金属シート20とを、中間金属シート70を介して接合する。すなわち、下側金属シート10と中間金属シート70とを拡散接合するとともに、上側金属シート20と中間金属シート70とを拡散接合する。このことにより、密封空間3が形成される。なお、下側金属シート10と中間金属シート70と上側金属シート20とを一度に拡散接合するようにしてもよい。
このように本実施の形態によれば、下側金属シート10と上側金属シート20との間に中間金属シート70が介在され、上側金属シート20の下面20aに上側蒸気流路凹部21が設けられ、下側金属シート10の上面10aに液流路部30が設けられている。そして、中間金属シート70に、上側蒸気流路凹部21と液流路部30とを連通する連通孔71が設けられている。このことにより、3つの金属シート10、20、70でベーパーチャンバ1を構成する場合であっても、密封空間3内で、作動液2を、相変化を繰り返しながらベーパーチャンバ1内を還流させて、デバイスDの熱を移動させて放出することができる。また、上側金属シート20の上側蒸気流路凹部21が広く連通しているため、作動液2の蒸気の拡散をスムースに行うことができ、熱輸送効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、図1~図16に示す第1の実施の形態と同様の液流路部30が、下側直線領域10Rに設けられている。このことにより、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止することができる。
なお、図20に示す例では、下側蒸気流路凹部12の横断面形状および上側蒸気流路凹部21の横断面形状が、矩形状に形成されている例を示している。しかしながら、このことに限られることはなく、蒸気流路凹部12、21の横断面形状は、湾曲状に形成されていてもよい。また、液流路部30の第1溝31および第2溝51についても同様である。
また、上述した本実施の形態においては、下側金属シート10と上側金属シート20との間に、1つの中間金属シート70が介在されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、下側金属シート10と上側金属シート20との間には、2つ以上の中間金属シート70が介在されていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、上側金属シート20が、上側蒸気流路凹部21を有している例について説明したが、このことに限られることはなく、図23に示すように、中間金属シート70の上面70bに、中間蒸気流路凹部75(第2蒸気流路部)が設けられるようにしてもよい。この中間蒸気流路凹部75は、例えば、上側蒸気流路凹部21を上下反転したような形状を有していてもよい。すなわち、中間蒸気流路凹部75内に、上側流路壁部22と同様な中間流路壁部76が設けられていてもよい。中間蒸気流路凹部75は、上述した連通孔71と連通している。また、上側金属シート20は、図23に示すように、全体的に平板状に形成されて、上側蒸気流路凹部21を有していないようにしてもよい。あるいは、図20に示すような上側蒸気流路凹部21(第2蒸気流路部)が上側金属シート20に設けられていてもよい。この場合、第2蒸気流路部が上側金属シート20および中間金属シート70の両方に設けられることになる。
また、上述した本実施の形態においては、図24に示すように、中間金属シート70が、下面70aに設けられた複数の第1溝凸部77を有していてもよい。各第1溝凸部77は、下面70aから下側金属シート10の第1溝31にそれぞれ突出している。第1溝凸部77は、第2の実施の形態における第1溝凸部27と同様に形成することができる。また、図25に示すように、中間金属シート70が、下面70aに設けられた複数の第2溝凸部78を有していてもよい。各第2溝凸部78は、下面70aから下側金属シート10の第2溝51にそれぞれ突出している。第2溝凸部78は、第2の実施の形態における第2溝凸部28と同様に形成することができる。
(第5の実施の形態)
次に、図26および図227用いて、本発明の第5実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法について説明する。
図26および図27に示す第5の実施の形態においては、上側流路突出部および連通孔が、第1方向に沿って細長状に延びている点が主に異なり、他の構成は、図20~図25に示す第4の実施の形態と略同一である。なお、図26および図27において、図20~図225示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図26に示すように、本実施の形態においては、上側金属シート20に設けられた上側流路突出部90(第2流路突出部)は、図1~図16に示す第1の実施の形態における上側流路壁部22と同様に構成されている。このため、以下では、上側流路突出部90を上側流路壁部22と記し、上側流路突出部90を含む上側金属シート20についての詳細な説明は省略する。
図27に示すように、本実施の形態においては、中間金属シート70に設けられた連通孔71は、第1方向Xに沿って細長状に延びるように形成されている。本実施の形態においても、連通孔71は、平面視で、互いに隣り合う上側流路壁部22の間に配置されている。連通孔71の幅w5(第2方向Yの寸法)は、例えば、50μm~1500μmとしてもよい。ここで、連通孔71の幅w5は、上面70bから下面70aにわたる範囲における最小幅とする。
本実施の形態における連通孔71は、平面視で、下側蒸気流路凹部12の一の下側蒸気通路81に重なっている。そして、連通孔71には、平面視で、当該下側蒸気通路81に重なる上側蒸気流路凹部21の上側蒸気通路83も重なっている。すなわち、互いに重なる下側蒸気通路81と上側蒸気通路83の間に、これらに重なるように連通孔71が設けられている。このため、下側蒸気通路81内の作動液2の蒸気は、速やかに連通孔71を介して上側蒸気通路83に達することができ、上側蒸気通路83にスムースに拡散することができる。
このように本実施の形態によれば、下側金属シート10と上側金属シート20との間に中間金属シート70が介在され、上側金属シート20の下面20aに上側蒸気流路凹部21が設けられ、下側金属シート10の上面10aに液流路部30が設けられている。そして、中間金属シート70に、上側蒸気流路凹部21と液流路部30とを連通する連通孔71が設けられている。このことにより、3つの金属シート10、20、70でベーパーチャンバ1を構成する場合であっても、密封空間3内で、作動液2を、相変化を繰り返しながらベーパーチャンバ1内を還流させて、デバイスDの熱を移動させて放出することができる。
また、本実施の形態によれば、図1~図16に示す第1の実施の形態と同様の液流路部30が、下側直線領域10Rに設けられている。このことにより、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止することができる。
(第6の実施の形態)
次に、図28~図31を用いて、本発明の第6実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、ベーパーチャンバ用金属シートおよびベーパーチャンバの製造方法について説明する。
図28~図31に示す第6の実施の形態においては、下側金属シートと上側金属シートとの間に中間金属シートが介在され、蒸気流路部が、中間金属シートの上面に設けられ、液流路部が、中間金属シートの下面に設けられている点が主に異なり、他の構成は、図20~図25に示す第4の実施の形態と略同一である。なお、図28~図31において、図20~図25に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図28に示すように、蒸気流路部80は、中間金属シート70の上面70bに設けられている。すなわち、本実施の形態による蒸気流路部80は、中間金属シート70の上面70bから下面70aに延びるように形成されており、中間金属シート70を貫通している。液流路部30は、中間金属シート70の下面70aに設けられている。このため、本実施の形態による中間金属シート70は、ウィックシートと称する場合もある。蒸気流路部80と液流路部30は、作動液2が還流できるように連通している。
図29および図30に示すように、中間金属シート70は、平面視で矩形枠状に形成された枠体部73と、枠体部73内に設けられた複数のランド部74と、を有している。枠体部73およびランド部74は、中間金属シート70をエッチングする際にエッチングされることなく中間金属シート70の材料が残る部分である。ランド部74は、第1方向Xに沿って細長状に延びており、蒸気流路部80内に複数配置されている。ランド部74は、図示しない支持部を介して、互いに支持されているとともに、枠体部73に支持されている。支持部は、後述する中間蒸気通路85内を流れる作動液2の蒸気の流れが妨げられることを抑制するように形成されている。例えば、支持部は、図28の上下方向において中間金属シート70の上面70bから下面70aにわたる範囲の一部に形成されるようにしてもよい。
蒸気流路部80は、ランド部74によって区画された複数の中間蒸気通路85(第3蒸気通路)を含んでいる。中間蒸気通路85は、第1方向Xに沿って細長状に延びており、互いに平行に配置されている。各中間蒸気通路85の両端部は、第2方向Yに沿って細長状に延びる中間連絡蒸気通路86に連通しており、各中間蒸気通路85が、中間連絡蒸気通路86を介して連通している。このようにして、各ランド部74の周囲(中間蒸気通路85および中間連絡蒸気通路86)を作動液2の蒸気が流れて、蒸気流路部80の周縁部に向かって蒸気が輸送されるように構成されており、蒸気の流れが妨げられることを抑制している。なお、図28においては、中間蒸気通路85の横断面(第2方向Yにおける断面)形状が、矩形状になっている。しかしながら、このことに限られることはなく、中間蒸気通路85の横断面形状は、例えば、湾曲状、半円状、V字状であってもよく、作動液2の蒸気を拡散することができれば任意である。中間連絡蒸気通路86も同様である。中間蒸気通路85および中間連絡蒸気通路86は、図20~図25に示す第4の実施の形態における連通孔71と同様にエッチングで形成することができ、連通孔71と同様な横断面形状を有することができる。
中間金属シート70のランド部74の幅w6(第2方向Yの寸法)は、上面70bから下面70aにわたる範囲における最大寸法とした場合、例えば、50μm~2000μmとしてもよい。中間蒸気通路85の幅w7(第2方向Yの寸法)は、上面70bから下面70aにわたる範囲における最小寸法とした場合、例えば、50μm~2000μmとしてもよい。中間連絡蒸気通路86の幅(第1方向Xの寸法)も同様である。
中間直線領域70Rにおいて、液流路部30は、中間金属シート70の下面70aにおいて、ランド部74に設けられている。すなわち、ランド部74の下面に液流路部30が設けられている。
本実施の形態における下側金属シート10の上面10aには、下側蒸気流路凹部12は設けられておらず、液流路部30も設けられていない。当該上面10aは、平坦状に形成されている。同様に、上側金属シート20の下面20aには、上側蒸気流路凹部21は設けられておらず、液流路部30も設けられていない。当該下面20aは、平坦状に形成されている。本実施の形態による下側金属シート10の厚さおよび上側金属シート20の厚さは、例えば、8μm~100μmである。
また、本実施の形態によるベーパーチャンバ1は、中間金属シート70の蒸気流路部80と液流路部30とを、エッチングによって形成することができる。その後、下側金属シート10と上側金属シート20とを、中間金属シート70を介して接合する。すなわち、下側金属シート10と中間金属シート70とを拡散接合するとともに、上側金属シート20と中間金属シート70とを拡散接合する。このことにより、密封空間3が形成される。なお、下側金属シート10と中間金属シート70と上側金属シート20とを一度に拡散接合するようにしてもよい。
このように本実施の形態によれば、下側金属シート10と上側金属シート20との間に中間金属シート70が介在され、中間金属シート70の上面70bに蒸気流路部80が設けられ、中間金属シート70の下面70aに液流路部30が設けられている。このことにより、3つの金属シート10、20、70でベーパーチャンバ1を構成する場合であっても、密封空間3内で、作動液2を、相変化を繰り返しながらベーパーチャンバ1内を還流させて、デバイスDの熱を移動させて放出することができる。
また、本実施の形態によれば、下側金属シート10と上側金属シート20との間に介在された中間金属シート70の上面70bに、蒸気流路部80が設けられ、下面70aに、液流路部30が設けられている。このことにより、下側金属シート10および上側金属シート20への、蒸気流路や液流路を形成するためのエッチング加工を不要にできる。すなわち、エッチング加工を行う部材の点数を削減することができる。このため、ベーパーチャンバ1の製造工程を簡素化し、ベーパーチャンバ1を簡易に製造することができる。また、蒸気流路部80と液流路部30が中間金属シート70に形成されているため、蒸気流路部80と液流路部30とは、エッチング加工時に精度良く位置決めすることができる。このため、組立工程において、蒸気流路部80と液流路部30とを位置合わせすることを不要にできる。この結果、ベーパーチャンバ1を簡易に製造することができる。また、蒸気流路の高さ(あるいは深さ)を、中間金属シート70の厚みで画定することができ、ベーパーチャンバ1を簡易に製造することができる。
また、本実施の形態によれば、図1~図16に示す第1の実施の形態と同様の液流路部30が、中間直線領域70Rに設けられている。このことにより、第2方向Yに延びる折り線でベーパーチャンバ1が折れ曲がるように変形することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、蒸気流路部80は、中間金属シート70の上面70bから下面70aに延びている。このことにより、蒸気流路部80の流路抵抗を低減することができる。このため、蒸気流路部80において作動液2の蒸気から凝縮して生成された液状の作動液2を、スムースに液流路部30の第1溝31および第2溝51に入り込ませることができる。一方、蒸発部11において蒸発した作動液2の蒸気を、蒸気流路部80にスムースに拡散することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、液流路部30が、中間金属シート70の下面70aに設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図31に示すように、液流路部30は、下面70aだけでなく、上面70bにも設けられていてもよい。この場合、液状の作動液2を蒸発部11または中間金属シート70のうち蒸発部11に近い部分に輸送する流路を増やすことができ、液状の作動液2の輸送効率を向上させることができる。このため、ベーパーチャンバ1の熱輸送効率を向上させることができる。
また、上述した本実施の形態においては、蒸気流路部80が、中間金属シート70の上面70bから下面70aに延びるように形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、蒸気流路部80が、図1~図16に示す下側蒸気流路凹部12のように、あるいは、図20および図21に示す上側蒸気流路凹部21のように、中間金属シート70の上面70bに凹状に形成されていてもよい。この場合、中間金属シート70に、蒸気流路部80を液流路部30に連通する連通孔(図示せず)が設けられていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、下側金属シート10と上側金属シート20との間に、1つの中間金属シート70が介在されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、下側金属シート10と中間金属シート70との間に、図示しない他の金属シートが介在されていてもよく、上側金属シート20と中間金属シート70との間に、図示しない他の金属シートが介在されていてもよい。
また、上述した本実施の形態における液流路部30が、第1の実施の形態と同様の構成を有している例について説明したが、このことに限られることはなく、第3の実施の形態と同様の構成を有するようにしてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、図32に示すように、下側金属シート10が、上面10aに設けられた複数の第1溝凸部18を有していてもよい。各第1溝凸部18は、上面10aから中間金属シート70の第1溝31にそれぞれ突出している。第1溝凸部18は、第2の実施の形態における第1溝凸部27と同様に形成することができる。また、図33に示すように、下側金属シート10が、上面10aに設けられた複数の第2溝凸部19を有していてもよい。各第2溝凸部19は、上面10aから中間金属シート70の第2溝51にそれぞれ突出している。第2溝凸部19は、第2の実施の形態における第2溝凸部28と同様に形成することができる。
本発明は上記各実施の形態および各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。各実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。また、上記各実施の形態および各変形例では、下側金属シート10の構成と、上側金属シート20の構成とを入れ替えてもよい。
1 ベーパーチャンバ
2 作動液
3 密封空間
10 下側金属シート
10R 下側直線領域
10x、10y 外縁
20 上側金属シート
30 液流路部
31 第1溝
41 凸部列
41a 液流路凸部
42 凸部列
42a 液流路凸部
51 第2溝
70 中間金属シート
70a 下面
70b 上面
71 連通孔
80 蒸気流路部
81 下側蒸気通路
90 上側流路突出部
d1 第1溝方向
d2 第2溝方向
D デバイス
E 電子機器
L 基準線
P 交差部
X 第1方向
Y 第2方向

Claims (27)

  1. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に設けられ、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記交差部の深さは、前記第1溝の深さおよび前記第2溝の深さよりも深い、ベーパーチャンバ。
  2. 前記交差部を通り前記第1方向に延びる直線を基準線としたとき、当該交差部を構成する前記第1溝は、前記基準線の一側から他側に向かって進みながら前記第1方向の一側に進み、当該交差部を構成する前記第2溝は、前記基準線の前記他側から前記一側に向かって進みながら前記第1方向の前記一側に進んでいる、請求項に記載のベーパーチャンバ。
  3. 前記第1溝と前記第2溝は、前記基準線に対して線対称に形成されている、請求項に記載のベーパーチャンバ。
  4. 前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
    前記第1方向に配列された複数の前記液流路凸部の列が凸部列をなし、
    前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間に配置された前記交差部は、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部と重なっている、請求項のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  5. 前記第1溝に突出する複数の第1溝凸部を更に備えた、請求項1~のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  6. 前記第2溝に突出する複数の第2溝凸部を更に備えた、請求項のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  7. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に設けられ、
    前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部がなす凸部列を有し、
    前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
    前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバ。
  8. 互いに隣り合う前記液流路凸部の間に、液状の前記作動液が通る溝が設けられている、請求項に記載のベーパーチャンバ。
  9. 前記第2金属シートは、前記第1金属シート上に設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  10. 前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在された第3金属シートを更に備え、
    前記蒸気流路部は、前記第2金属シートの前記第3金属シートの側の面および前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面のうちの少なくとも一方に設けられた第2蒸気流路部を有し、
    前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第3金属シートの側の面に設けられ、
    前記第3金属シートに、前記第2蒸気流路部と前記液流路部とを連通する連通部が設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  11. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に設けられ、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝を有し、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に第3金属シートが介在され、
    前記蒸気流路部は、前記第2金属シートの前記第3金属シートの側の面および前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面のうちの少なくとも一方に設けられた第2蒸気流路部を有し、
    前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第3金属シートの側の面に設けられ、
    前記第3金属シートに、前記第2蒸気流路部と前記液流路部とを連通する連通部が設けられている、ベーパーチャンバ。
  12. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在され、第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第3金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記第3金属シートは、前記第1金属シートの側に設けられた第1面と、前記第2金属シートの側に設けられた第2面と、を含み、
    前記蒸気流路部は、前記第3金属シートの前記第2面に設けられ、
    前記液流路部は、前記第3金属シートの前記第1面に設けられて、前記蒸気流路部と連通し、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記交差部の深さは、前記第1溝の深さおよび前記第2溝の深さよりも深い、ベーパーチャンバ。
  13. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在され、第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第3金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記第3金属シートは、前記第1金属シートの側に設けられた第1面と、前記第2金属シートの側に設けられた第2面と、を含み、
    前記蒸気流路部は、前記第3金属シートの前記第2面に設けられ、
    前記液流路部は、前記第3金属シートの前記第1面に設けられて、前記蒸気流路部と連通し、
    前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部がなす凸部列を有し、
    前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
    前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバ。
  14. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記液流路部は、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に設けられ、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し、
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
    前記液流路凸部の角部に、丸みを帯びた湾曲部が設けられている、ベーパーチャンバ。
  15. 作動液が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1金属シートと、
    前記第1金属シートに積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に介在され、第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域を有する第3金属シートと、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に設けられた密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を有する密封空間と、を備え、
    前記第3金属シートは、前記第1金属シートの側に設けられた第1面と、前記第2金属シートの側に設けられた第2面と、を含み、
    前記蒸気流路部は、前記第3金属シートの前記第2面に設けられ、
    前記液流路部は、前記第3金属シートの前記第1面に設けられて、前記蒸気流路部と連通し、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し、
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
    前記液流路凸部の角部に、丸みを帯びた湾曲部が設けられている、ベーパーチャンバ。
  16. ハウジングと、
    前記ハウジング内に収容されたデバイスと、
    前記デバイスに熱的に接触した、請求項1~15のいずれか一項に記載のベーパーチャンバと、を備えた、電子機器。
  17. 作動液が封入された、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバのためのベーパーチャンバ用金属シートであって、
    第1面と、
    前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域と、を備え、 前記第1面に、前記液流路部が設けられ、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し、
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記交差部の深さは、前記第1溝の深さおよび前記第2溝の深さよりも深い、ベーパーチャンバ用金属シート。
  18. 作動液が封入された、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバのためのベーパーチャンバ用金属シートであって、
    第1面と、
    前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域と、を備え、 前記第1面に、前記液流路部が設けられ、
    前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部をなす凸部列を有し、
    前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
    前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバ用金属シート。
  19. 作動液が封入された、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバのためのベーパーチャンバ用金属シートであって、
    第1面と、
    前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、
    第1方向に延びる一対の外縁によって画定された直線状に延びる直線領域と、を備え、 前記第1面に、前記液流路部が設けられ、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し、
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
    前記液流路凸部の角部に、丸みを帯びた湾曲部が設けられている、ベーパーチャンバ用金属シート。
  20. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバの製造方法であって、
    ハーフエッチングにより、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記液流路部を形成するとともに、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成するハーフエッチング工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記交差部の深さは、前記第1溝の深さおよび前記第2溝の深さよりも深い、ベーパーチャンバの製造方法。
  21. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバの製造方法であって、
    ハーフエッチングにより、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記液流路部を形成するとともに、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成するハーフエッチング工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝を有し、
    前記ベーパーチャンバの製造方法は、
    ハーフエッチングにより、前記第2金属シートの前記第1金属シートの側の面および第3金属シートの前記第2金属シートの側の面のうちの少なくとも一方に前記蒸気流路部を形成する工程と、
    前記蒸気流路部と前記液流路部とを連通する連通部が設けられた第3金属シートを形成する工程と、を更に備え、
    前記接合工程において、前記第1金属シートと前記第2金属シートとは、前記第3金属シートを介して接合される、ベーパーチャンバの製造方法。
  22. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバの製造方法であって、
    ハーフエッチングにより、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記液流路部を形成するとともに、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成するハーフエッチング工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部をなす凸部列を有し、
    前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
    前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバの製造方法。
  23. ハーフエッチングにより、前記第2金属シートの前記第1金属シートの側の面および第3金属シートの前記第2金属シートの側の面のうちの少なくとも一方に前記蒸気流路部を形成する工程と、
    前記蒸気流路部と前記液流路部とを連通する連通部が設けられた第3金属シートを形成する工程と、を更に備え、
    前記接合工程において、前記第1金属シートと前記第2金属シートとは、前記第3金属シートを介して接合される、請求項22に記載のベーパーチャンバの製造方法。
  24. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有し、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に第3金属シートが介在されるベーパーチャンバの製造方法であって、
    前記第3金属シートの前記第1金属シートの側の面に前記液流路部を形成し、前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記蒸気流路部を形成し、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成する工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを前記第3金属シートを介して接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記交差部の深さは、前記第1溝の深さおよび前記第2溝の深さよりも深い、ベーパーチャンバの製造方法。
  25. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有し、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に第3金属シートが介在されるベーパーチャンバの製造方法であって、
    前記第3金属シートの前記第1金属シートの側の面に前記液流路部を形成し、前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記蒸気流路部を形成し、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成する工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを前記第3金属シートを介して接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記液流路部は、前記第1方向に配列された複数の液流路凸部をなす凸部列を有し、
    前記第1方向に直交する第2方向で見たときに、前記直線領域において、一の前記凸部列をなす互いに隣り合う前記液流路凸部の間の領域に、当該凸部列に隣り合う他の前記凸部列をなす前記液流路凸部が配置され、
    前記液流路凸部の平面形状は、楕円形または円形である、ベーパーチャンバの製造方法。
  26. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有するベーパーチャンバの製造方法であって、
    ハーフエッチングにより、前記第1金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記液流路部を形成するとともに、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成するハーフエッチング工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し、
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
    前記液流路凸部の角部に、丸みを帯びた湾曲部が設けられている、ベーパーチャンバの製造方法。
  27. 第1金属シートと第2金属シートとの間に設けられた、作動液が封入される密封空間であって、前記作動液の蒸気が通る蒸気流路部と、液状の前記作動液が通る液流路部と、を含む密封空間を有し、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に第3金属シートが介在されるベーパーチャンバの製造方法であって、
    前記第3金属シートの前記第1金属シートの側の面に前記液流路部を形成し、前記第3金属シートの前記第2金属シートの側の面に前記蒸気流路部を形成し、第1方向に延びる一対の外縁によって画定される直線状に延びる直線領域を形成する工程と、
    前記第1金属シートと前記第2金属シートとを前記第3金属シートを介して接合する接合工程であって、前記第1金属シートと前記第2金属シートとの間に前記密封空間を形成する接合工程と、
    前記密封空間に前記作動液を封入する封入工程と、を備え、
    前記直線領域において、前記液流路部は、前記第1方向に傾斜した方向に延びる複数の第1溝と、前記第1方向に傾斜した方向であって前記第1溝が延びる方向とは異なる方向に延びる複数の第2溝と、を有し、
    一の前記第1溝と一の前記第2溝は、一の交差部において交差し、
    前記液流路部は、互いに隣り合う一対の前記第1溝と互いに隣り合う一対の前記第2溝とによって囲まれた液流路凸部を更に有し、
    前記液流路凸部の角部に、丸みを帯びた湾曲部が設けられている、ベーパーチャンバの製造方法。
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