JP7178735B2 - 採糸装置 - Google Patents
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(2)前記容器は最底部に排出孔を有し、前記排出孔は最小幅が収容するミノムシの糞の最大幅よりも長く、かつ最大幅が収容するミノムシ頭部の最大幅よりも短くなるように構成されている、(1)に記載の装置。
(3)前記容器は内部空間の長軸が水平面に対して60度~90度の勾配を有するように構成されている、(1)又は(2)に記載の装置。
(4)前記容器の内部空間における形状が管状、球状、楕円球状、又はそれらの組み合わせである、(1)~(3)のいずれかに記載の装置。
(5)前記容器の内部空間における短軸断面の形状が円形、楕円形、多角形、又はそれらの組み合わせである、(1)~(4)のいずれかに記載の装置。
(6)前記容器内壁が滑面である、(1)~(5)のいずれかに記載の装置。
(7)前記容器内部を構成する素材が人工素材である、(1)~(6)のいずれかに記載の装置。
(8)前記容器がミノムシを封入可能な封入部を備える、(1)~(7)のいずれかに記載の装置。
(9)ミノムシから絹糸を採糸する方法であって、巣を保持しない生きたミノムシを(1)~(8)のいずれかに記載の装置の容器内に収容する収容工程、容器内でミノムシに絹糸を吐糸させる吐糸工程、及び絹糸を容器から回収する回収工程を含む前記方法。
(10)前記収容工程後及び吐糸工程前に容器内にミノムシを封入する封入工程、及び 前記吐糸工程後及び回収工程前に封入を解除する解除工程をさらに含む、(8)に係る(9)に記載の方法。
(11)前記ミノムシが終齢である、(9)又は(10)に記載の方法。
(12)ミノムシの絹糸塊を製造する方法であって、巣を保持しない生きたミノムシを(1)~(8)のいずれかに記載の装置の容器内に収容する収容工程、容器内でミノムシに絹糸を吐糸させて絹糸塊を作製する吐糸工程、及び容器から絹糸塊を回収する回収工程を含む前記製造方法。
(13)前記収容工程後及び吐糸工程前に容器内にミノムシを封入する封入工程、及び 前記吐糸工程後及び回収工程前に封入を解除する解除工程をさらに含む、(12)に記載の製造方法。
(14)前記ミノムシが終齢である、(12)又は(13)に記載の製造方法。
1-1.概要
本発明の第1の態様は、ミノムシから絹糸を採糸する装置(採糸装置)である。本発明の採糸装置は、ミノムシから簡便かつ容易に不純物の混入しない純粋なミノムシ絹糸を採取することができる。
本明細書で頻用する以下の用語について、以下の通り定義する。
「ミノムシ」とは、前述のようにチョウ目(Lepidoptera)ミノガ科(Psychidae)に属する蛾の幼虫の総称をいう。ミノガ科の蛾は世界中に分布するが、いずれの幼虫(ミノムシ)も全幼虫期を通して、自ら吐糸した絹糸で葉片や枝片等の自然素材を綴り、それらを纏った巣の中で生活している。巣は全身を包むことのできる袋状で、紡錘形、円筒形、円錐形等の形態をなす。ミノムシは、通常、この巣の中に潜伏しており、摂食時や移動時も常に巣と共に行動し、蛹化も原則として巣の中で行われる。
本発明の採糸装置は、容器及び入出孔を備える。また、必要に応じて固定部や封入部を備えていてもよい。
2-1.概要
本発明の第2の態様は採糸方法である。本発明の採糸方法は、第1態様の採糸装置を用いて、ミノムシから純粋なミノムシ絹糸を取得する方法である。本発明の絹糸方法によれば、ミノムシ絹糸を簡便、かつ容易に、そして純粋な絹糸塊の状態で採糸することができる。
本発明の採糸方法は、収容工程、吐糸工程、及び回収工程を必須工程として、また封入工程及び解除工程を選択工程として包含する。以下、各工程について説明する。
「収容工程」とは、ミノムシを第1態様の採糸装置の容器内に収容する工程である。
本工程で使用するミノムシは、巣を保持しない生きた個体である。通常、ミノムシは巣と共に行動するため、巣から取り出して使用すればよい。本発明で使用するミノムシは摂食を行う活動期の個体であっても、休眠期の個体であってもよい。ただし、休眠期の個体は、活動条件下に置く必要がある。
「封入工程」とは、容器内にミノムシを封入する工程である。本工程は、前記収納工程後で、後述する吐糸工程前に行われる。本工程は、選択工程であり、第1態様の採糸装置が封入部を備えている場合に実行できる。本工程は、前記収容工程で容器内に収容したミノムシが容器から脱出しないようにすることを目的とする。
「吐糸工程」とは、容器内でミノムシに絹糸を吐糸させる工程である。本工程は、本発明においてミノムシ絹糸を生産する上で最も重要な工程である。ただし、採糸装置を活動条件下に設置しさえすればよく、他に特段の作業を要しない。容器内にミノムシを収容すれば、ミノムシは自ら容器内で吐糸をし続け、吐糸されたミノムシ絹糸は、自然に絹糸塊を形成する。本工程の時間、すなわちミノムシに吐糸させる時間は、特に限定はしない。容器内に絹糸塊が形成されるまで行えばよい。6時間以上、12時間以上、18時間以上、24時間以上、48時間以上、又は72時間以上行えばよい。上限はミノムシが吐糸を停止するまででよいが、通常は168時間以下、150時間以下、144時間以下、120時間以下、100時間以下、又は96時間以下で足りる。
「解除工程」とは、封入を解除する工程である。本工程は、前記吐糸工程後で、後述する回収工程前に行われる。本工程は、封入工程が実行されたことが前提となる選択工程であり、第1態様の採糸装置が封入部を備えている場合に実行できる。本工程は、前記吐糸工程でミノムシの吐糸により容器内に発生した絹糸塊を容器から回収しやすくすることを目的とする。
「回収工程」とは、容器から回収する工程である。絹糸の回収は、原則として入出孔から行う。ただし、ピンセット等を用いて排出孔や封入部に設けられた孔から回収してもよい。容器内で生産される絹糸は絹糸塊の形状を成し、通常、入出孔の幅よりも小さいことから、入出孔から回収する場合には、入出孔を下方に向けるのみで容易に回収することができる。このとき、必要であれば、ピンセットや掻き出し棒等を用いてもよい。収容工程で容器内に収容したミノムシは、本工程で絹糸と共に回収してもよい。再利用可能である。したがって、必要であれば、引き続き容器内に収納して再度吐糸させることもできる。ただし、本方法に一度使用したミノムシは、絶食状態で吐糸し続けて疲弊していることから、一旦回収して餌葉を与えた後に使用することが好ましい。
3-1.概要
本発明の第3の態様は絹糸塊製造方法である。本発明の製造方法によれば、第1態様の採糸装置を用いて、ミノムシ絹糸で構成される絹糸塊を製造することができる。本発明の製造方法によれば、純粋なミノムシ絹糸で構成される絹糸塊を簡便、かつ容易に、製造することができる。
本発明の製造方法は、収容工程、吐糸工程、及び回収工程を必須工程として、また封入工程及び解除工程を選択工程として包含する。これらの工程の詳細については、第2態様に記載の採糸方法における各工程に準ずる。したがって、各工程の具体的な説明については、省略する。
(目的)
本発明の採糸装置を用いて、夾雑物を含まない、純粋なミノムシ絹糸で構成される絹糸塊を容易かつ簡便に採取できることを検証する。
ミノムシには、11月に野外で採集したオミノガの終齢幼虫を使用した。それぞれの個体の最大胴幅は9.0mm~10.0mm、全長30.0mm~32.0mmの範囲であった。
その結果、図4Bに示すように、ミノムシは12時間後に全てのチューブ内で絹糸塊(矢印)を形成した。図4Cは、収容から120時間後にチューブから取り出した絹糸塊(矢印)とミノムシ(矢頭)を示す。純白で夾雑物を含まない、純粋なミノムシ絹糸からなる絹糸塊を取得することができた。
(目的)
排出孔を備えた本発明の採糸装置を用いて、活動期のミノムシから夾雑物を含まない絹糸塊を採取できることを検証する。
ミノムシには、6月に野外で採集したチャミノガの亜終齢~終齢幼虫を10頭使用した。それぞれの個体の最大胴幅は6.0mm~8.0mm、及び全長24.0mm~30.0mmの範囲であった。
(目的)
採糸装置の容器内部空間における最大短軸断面の幅と収容するミノムシの最大胴幅の比率と絹糸塊の形成との関係について検証する。
ミノムシには、6月に野外で採集した全長30mm、最大胴幅7mmのチャミノガの終齢幼虫を使用した。
最大胴幅7mmのミノムシに対して、容器内部空間の最大短軸断面の幅が9mm~15mmのときにはミノムシは容器内で絹糸塊を形成した(図6A)。しかし、最大短軸断面の幅が最大胴幅の3倍を超える22.0mm以上になると、容器内での自由度が高くるためか、容器内壁にも盛んに吐糸し始めるようになった。それ故、結果的に絹糸塊の形成率が著しく低下した(図示せず)。さらに最大短軸断面の幅が120mmnになると絹糸塊を全く形成しなくなり、容器内壁にミノムシ絹糸を付着させながら無秩序に吐糸するようになった(図6B)。この結果から、ミノムシの最大胴幅よりも容器内部空間の最大短軸断面の幅が過度に大きくなると、絹糸塊が形成されなくなるため、容器内部空間の最大短軸断面の幅は、ミノムシの最大胴幅の1.2倍以上3.1倍未満、好ましくは、1.3倍以上2.5倍以下の範囲が適当であることが明らかとなった。
(目的)
採糸装置の容器及びその内部空間の勾配と絹糸塊の形成との関係について検証する。
ミノムシには、6月に野外で採集したチャミノガの終齢幼虫を使用した。いずれの個体も最大胴幅は約24mm、全長約7mmであった。
その結果、いずれの勾配角度でもミノムシはチューブ内でほぼ球状の絹糸塊を形成した。この結果から、本発明の採糸装置でミノムシの絹糸塊を形成する場合、容器の勾配角は特に影響しないことが明らかとなった。
Claims (3)
- 夾雑物を含まないミノムシの吐糸絹糸塊。
- 前記吐糸絹糸塊が白色である、請求項1に記載のミノムシの吐糸絹糸塊。
- 前記吐糸絹糸塊が略球状である、請求項1又は2に記載のミノムシの吐糸絹糸塊。
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Title |
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Reddy N. et al.,Structure and properties of ultrafine silk fibers produced by Theriodopteryx ephemeraeformis,Journal of Materials Science,2010年07月17日,vol.45,pp.6617-6622 |
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