特許法第30条第2項適用 (1)公開1 ▲1▼ウェブサイトの掲載日:平成29年6月6日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス:http://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2017/a-01-2017-06-06.pdf ▲3▼公開者 : 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社 株式会社マネーフォワード ▲4▼公開された発明の内容:損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社が、上記アドレスのウェブサイトで公開されている損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社のウェブサイトにて、小林伸行、吉川清隆、吉江正博、齋藤佐知子、北原康弘、永井勝、上利喜嗣、板倉広林、及び大野洋亘が発明したシミュレーションに関連する技術を公開した。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
1.情報処理装置の各構成とアプリケーション
1.情報処理装置
本願発明の一実施例に係る情報処理装置10は、図1のように、バス11、演算装置12、記憶装置13、入力装置14、表示装置15及び通信IF16を有することができる。また、情報処理装置10は、ネットワーク19と、情報端末18と、直接または間接的に接続される。
図1における情報処理装置10は、データベース17とも接続されている形態を示すが、当該データベース17は、情報処理装置10内に含まれていてもよい。
バス11は、演算装置12、記憶装置13、入力装置14、表示装置15及び通信IF16の間の情報を伝達する機能を有する。
演算装置12の例としては、例えばプロセッサが挙げられる。これは、CPUであってもよいし、MPUであってもよい。また、グラフィックスプロセッシングユニット、デジタルシグナルプロセッサなどを有してもよい。要するに、演算装置12は、プログラムの命令を実行できる装置であればよい。
記憶装置13は、情報を記録する装置である。これは、外部メモリと内部メモリのいずれでもよく、主記憶装置と補助記憶装置のいずれでもよい。また、磁気ディスク(ハードディスク)、光ディスク、磁気テープ、半導体メモリなどでもよい。図1には、データベース17を外部に設ける構成を図示しているが、このように、ネットワークを介した記憶装置又は、ネットワークを介したクラウド上の記憶装置を有してもよい。
なお、演算装置に近い位置で情報を記憶する、レジスタ、L1キャッシュ、L2キャッシュなどは、図1の模式図においては、演算装置12内に含まれる場合もあるが、計算機アーキテクチャのデザインにおいて、情報を記録する装置としては、記憶装置13がこれらを含んでもよい。要するに、演算装置12、記憶装置13及びバス11が協調して、情報処理を実行できるよう構成されていればよい。
記憶装置13は、本発明に関連するサービスを実行するプログラムを備えることができる。また、本発明に関連するサービスを実行する際に必要なデータを、適宜記録することもできる。
また、上記は、演算装置12が、記憶装置13に備えられたプログラムに基づいて実行される場合を記載したが、上記のバス11、演算装置12と記憶装置13が組み合わされた形式の一つとして、本件システムに係る情報処理を、ハードウェア回路自体を変更することができるプログラマブルロジックデバイス又は実行する情報処理が決まっている専用回路で実現されてもよい。
入力装置14は、情報を入力するものであるが、他の機能を有してもよい。入力装置14としては、キーボード、マウス、タッチパネル、又はペン型の指示装置などの指示装置が挙げられる。
表示装置15は、例えば、ディスプレイがあるが、他の機能を有してもよい。また、表示装置15は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどでもよい。要するに、情報を表示できる装置であればよい。また、タッチパネルのように入力装置14を一部に備えてもよい。
ネットワーク19は、通信IF16と共に、情報を伝達する。すなわち、情報処理装置である10の情報を、ネットワークを介して他の情報端末18に伝達できるようにする機能を有する。通信IF16は、どのような接続形式でもよく、USB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、PCI、SCSIなどでもよい。ネットワーク19は、有線と無線のいずれでもよく、光ファイバ、同軸ケーブル、イーサネットケーブルなどを用いてもよい。
本願発明の一実施例に係る情報処理装置を構成するハードウェアは、汎用電子計算機であってもよいし、専用電子計算機であってもよい。また、当該ハードウェアは、ワークステーション、デスクトップパソコン、ラップトップパソコン、ノートパソコン、PDA、携帯電話、スマートフォンなどでもよい。
図1では、一台の情報処理装置10として説明したが、情報処理装置10は、複数の情報処理装置で構成されてもよい。当該複数の情報処理装置は、内部的に接続されていてもよいし、外部的に接続されていてもよい。また、情報処理装置10が複数の情報処理装置で構成される場合、その所有者は、異なってもよい。また、情報処理装置10を本願発明に係るシステムとして運営する者は、情報処理装置10の所有者と異なっていてもよい。
また、端末装置と情報処理装置10は、直接的又は間接的に接続されていればよい。端末装置とサーバ装置の間に、ファイアーウォール、キャッシュシステム、計算負荷を分散させるロードバランサーなどを介在させてもよい。
また、上記のサーバ装置は、物理的な存在であってもよいし、仮想的なものであってもよい。例えば、クラウドコンピューティングを用いて、情報処理装置10を仮想的に実現してもよい。
2.情報処理装置の機能
次に、図1に示した各構成要素により実現される情報処理装置10の機能について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10の機能の具体例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、記憶部、取得部及び計算部を備える。情報処理装置10は、さらに、情報生成部、を備えてもよい。また、情報処理装置10は、さらに表示部を備えてもよい。
情報処理装置10が、複数の情報処理装置から構成される場合、各情報処理装置が、記憶部、取得部及び計算部の一部を備えるものであってもよいし、全部を備えるものであってもよい。例えば、一の情報処理装置が記憶部、取得部及び計算部のうちの一つの部を担当し、他の情報処理装置がその他の部を担当するよう構成してもよいし、一の情報処理装置が記憶部、取得部及び計算部のうちの二以上の部を担当し、他の情報処理装置が残りの部を担当するよう構成してもよい。また、一の情報処理装置が、記憶部、取得部、計算部を担当しつつ、他の情報処理装置が、記憶部、取得部及び計算部を担当するよう構成してもよい。ここで一の情報処理装置と他の情報処理装置として説明したが、三以上の情報処理装置が分担する構成としてもよい。
2.1.記憶部
記憶部は、情報を記録する機能を有する。記憶部は、本願発明に必要な情報を予め記録する機能と、取得部、計算部、情報生成部の各処理において、適宜、情報を記憶する機能とを有する。
以下では、記憶部が有する各情報を説明する。以下の情報は、適宜変更、アップデートなどがされてもよい。それらの情報は、管理者が適宜情報を設定してもよいし、統計情報が利用されてもよいし、機械学習を用いて得られた情報であってもよい。統計情報又は機械学習で得られた情報の場合、利用者個人の属性(例えば、年齢、性別、地域、職業、など)に適した情報を用いることができるように、利用者個人の前記属性と関連付けられた情報とされてもよい。
記憶部は、利用者の年齢、職業、などに依存して年収を予測するための情報を有してもよい。例えば、図3は、年齢、職業に依存した、年収のテーブル一例を提示する。記憶部が図3のような情報を有する場合、年齢、職業に応じて、年収を特定できるようになっている。当該テーブルは、年齢又は職業の情報がなくても年収を予測できる情報を有してもよい。例えば、職業とは無関係に、年齢のみの平均年収の情報を有していてもよいし、年齢とは無関係に、職業のみの平均年収の情報を有していてもよいし、また、職業及び年齢に無関係の国民の平均年収の情報を有していてもよい。かかる情報は、年齢及び/又は職業の情報が不明の場合にも、年収を予測する際に利用可能である。このような情報を有し、利用者の年齢及び/又は職業が選択された場合、ライフプランシミュレーションを実施する際の収入をより正確にする、又は、家計簿情報の不足を補うことが可能となる。
また、図3は、合わせて、年齢、職業に依存した、増減率の一例を提示する。各増減率は、各年齢から次の年齢に至る際の増減率を示す。このような情報を有した場合、現在の年齢に対して、例えば、翌年の年収を、増減率により、計算できる。同様に、翌年の年収に基づき、翌々年の年収を計算できる。これを繰り返すことにより、将来の年収を計算することができる。記憶部が図3のような情報を有し、年齢及び年齢における年収が設定された場合、将来の年収を計算できる。
なお、利用者が転職した場合、利用者は、異なる時期に異なる職業に従事していたことから、各時期の各職業として、上記の年収又は増減率を適用するよう構成してもよい。
また、職業の入力として、複数の職業に従事している場合、各職業とその従事期間を入力するよう構成してもよい。例えば、将来転職を予定している場合など、複数の職業に従事することが考えられる場合、現在の職業とその期間(または終期)、及び将来の職業とその期間(始期)を入力できるよう、構成してもよい。かかる複数の職業の情報を入力される構成とした場合、現在の職業の期間(又はその終期まで)に対しては、現在の職業に基づく年収又は増減率を適用し、将来の職業の期間(又はその始期以降)に対しては、将来の職業に基づく年収を適用できる構成とする。
記憶部は、職業に依存して、年金を予測するための情報を有してもよい。例えば、図4は、各職業に対する年金の月額の一例を示す。より詳細に、年収などを考慮した年金としてもよい。例えば、利用者が実際に年金のために支払った状況に基づく金額であってもよい。記憶部が図4のような情報を有し、職業が設定された場合、年金を特定できる。
記憶部は、職業に依存して、退職一時金の情報を有してもよい。図5は、各職業に対する退職一時金の額の一例を示す。より詳細に、年収などを考慮した年金としてもよい。例えば、利用者が実際に年金のために支払った状況に基づく金額であってもよい。記憶部が図5のような情報を有し、職業が設定された場合、退職一時金を特定できる。
記憶部は、学校種別に応じた、年間費用の情報を有してもよい。図6は、学校とその種別として、公立・私立・国立のような一般的に金額に差があるとされるものに分類して、年間費用を記録したテーブルの一例を示す。記憶部が図6のような情報を有し、学校種別が設定された場合、年間費用を特定できる。
記憶部は、職業に応じた、夢を実現させるための費用の情報を有してもよい。図7は、夢の職業に応じた、費用を記録したテーブルの一例を示す。記憶部が、図7のような情報を有し、夢の職業が設定された場合、夢の職業を実現するための費用を特定することができ、より精緻なシミュレーションを可能とする。
記憶部は、ライフスタイルに関する費用の情報を有してもよい。図8は、生活のスタイルに応じて、係数を記録したテーブルの一例を示す。利用者により、シミュレーションを実行する際、将来の生活スタイルの程度又はレベルが設定された場合、より利用者の予測に応じたシミュレーションを可能とする。当該係数は、家計簿情報又は家計簿補助情報の生活費を用いる場合には、当該生活費に乗じられ、家計簿情報及び家計簿補助情報の生活費を用いないときは、あらかじめ定められた生活費に乗じられる。
記憶部は、車に関する費用の情報を有してもよい。図9は、車に関する選択肢の一例と、これに対応する費用を記録したテーブルの一例を示す。利用者が、シミュレーションを実行する際、将来の車に関する情報、すなわち、車を購入しない予定であるか、それとも車を購入する場合における車のタイプが、設定されることにより、これらに対応する費用を用いて、より精緻なシミュレーションを可能とする。
記憶部は、旅行先に関する費用の情報を有してもよい。図10は、旅行先に関する選択肢の一例と、これに対応する費用を記録したテーブルの一例を示す。利用者から、シミュレーションを実行する際、旅行先に関する情報、すなわち帰省であるか、国内温泉であるか、国内リゾートであるか、海外(アジア)であるか、海外(欧米)であるか、海外(すごいところ)であるかの情報を設定することにより、これらに対応する費用を用いて、より精緻なシミュレーションを可能とする。
記憶部は、年齢に応じた、余命、生活費に係る情報を有してもよい。図11は、年齢に応じた、余命、生活費を記録したテーブルの一例を示す。生活費に関しては、図11のように、人数によって異なるものとして記録されてもよい。生活費は、生活する人数に応じて、増減が生じうるため、当該人数の情報が加えられた場合、より正確な生活費を予測可能となる。生活費は、家計簿情報がない場合に、利用しうる数値として、記録されている。他方、増減率は、生活費の欄のような絶対数値の額ではなく、比率で記載されているものである。増減率は、家計簿情報がある場合に、将来の生活費を計算するためのものである。例えば、現在は一人で子供がいないが、将来結婚して人数が増えることを想定している場合における将来の生活費を考える。この場合、結婚する前までの将来の生活費は、家計簿情報に基づく現在の生活費を増減率で除算し、1人の欄における計算する年齢に係る増減率で乗じることで計算できる。他方、結婚した後の将来の生活費は、家計簿情報に基づく現在の生活費を増減率で除算し、2人における計算する年齢に係る増減率で乗じることで計算する。なお、図11では、二人の列までを記載しているが、家族の増加数に応じて、3人以上の列を設けることも可能である。また、より正確な情報を取得するために、人数に加えて、子供と大人を区別して生活費又は増減率を設けてもよい。
記憶部は、アドバイザーの選定に補助するための情報として、アドバイザーに関する情報を有していてもよい。当該情報は、取得部を介して取得されて、記憶部に記憶されてもよい。
図12は、アドバイザーに関する情報の一例である。アドバイザーに関する情報のテーブルは、各アドバイザーと関連付けて、各アドバイザーが強みを持つ分野の情報を有する。強みを持つ分野は、複数であってもよい。例えば、図12においては、助言者1は、自動車、相続、及び教育の分野に強みがあることを示し、助言者2は、投資、介護、及び年金の分野に強みがあることを示している。
また、アドバイザーに関する情報のテーブルは、各アドバイザーと関連付けて、ポイントを有してもよい。ポイントとは、利用者からの評価に基づく情報である。例えば、利用者が過去にアドバイザーに相談し、本願システムが利用者から肯定的なフィードバックの情報を取得した場合、ポイントが増加し、本願システムが利用者から否定的なフィードバックの情報を取得した場合、ポイントが減少するとしてもよい。当該ポイントは、各利用者のフィードバックに細かく反応するものであってもよい。例えば、一人の利用者から肯定的な情報を取得した場合、現在のポイントから1増加し、一人の利用者から否定的な情報を取得した場合、現在のポイントから1減少するよう構成してもよい。また、ある程度の人数からのフィードバックに対して反映するようポイントの増減を段階的に設定してもよい。この場合、例えば、図13のように、段階的にポイントを指定するために、一定の数値幅に特定のポイント数値が関連付けられたテーブルと、各アドバイザーと関連付けられた実際のフィードバック数を保持するための変数と、を備え、前記変数が、前記テーブルにおける一定の数値幅内の場合、前記数値幅に関連付けられた特定のポイント数とされてもよい。
利用者数は、アドバイザーを利用した人数の累積数である。ここで累積数とは、同一IDを有する利用者が複数回利用した場合、複数回分として計算される数である。また、利用者数は、アドバイザーを利用した合計数であってもよい。ここで合計数とは、同一IDを有する利用者が複数回利用した場合、一人分として計算される数である。また、利用者数は、アドバイザーを利用し、かつ上記のポイントの情報をフィードバックした利用者の合計数又は累積数であってもよい。また、図12のテーブルは、さらに、各アドバイザーに関連付けて、各アドバイザーがアドバイスを提供可能な地域の情報を有してもよい。
図14は、利用者の利便性を向上させるため、利用者の入力箇所に関する情報の一例である。当該情報は、情報生成部が、利用者に表示するよう、利用することができる。例えば、情報生成部は、当該情報を、関連する箇所と関連付けて表示するために、情報端末装置に送信できるようにしてもよい。
入力箇所に関する情報としては、用語の説明、統計情報、関連する情報などが挙げられる。
なお、図14においては、分かりやすくするために、各項目に関して、用語の説明、統計情報、関連する情報、という分類を説明したが、かかる分類が記憶装置内に記録されている必要がないことはいうまでもない。
2.2.取得部
取得部は、本願発明に係る情報を取得する機能を有する。取得部は、本願発明に係る情報の一例として、家計簿情報、家計簿補助情報、又は設定情報の一部又は全部を、取得することができる。
取得部は、家計簿情報、家計簿補助情報、又は設定情報の一部又は全部を、家計簿データベースから取得してもよいし、利用者の入力に基づいて取得してもよい。また、家計簿データベース又は利用者の入力は、記憶部から取得してもよいし、他の情報処理装置から取得してもよい。また、他の情報処理装置は、クラウド、又はサーバ等であってもよいし、携帯端末装置でもよい。
家計簿データベースとは、利用者が日々の生活に関する収入及び支出の一部又は全部を情報として入力されたデータベースを示すが、情報の集まりであればその形式は限定されない。家計簿データベースは、利用者が、日々の生活に関し、全ての毎日の収入及び支出を入力できない又は入力しない場合もあるため、入力及び支出の一部が欠けていてもよい。また、家計簿データベースは、利用者によっては、支出のみを入力し、収入を入力しないという利用方法もありうるが、そのような場合であってもよい。家計簿情報内に収入が含まれない場合において、ライフプランシミュレーションを実行する場合、収入は、下記で述べるような、家計簿補助情報として、月収、年収などの形式で入力される、又は、統計的情報を用いればよいためである。家計簿は、ある時期から開始されるものであるから、家計簿データベースは、それよりも前の情報を有しなくてもよい。
家計簿データベースのデータモデルは、階層型データモデル、ネットワーク型データモデル、リレーショナルデータベース、オブジェクトデータモデルなど、種々の方法が採用されてよい。要は、データが備えられ、そこからデータを取得できるものであればよい。
家計簿データベースには、上記のデータベースのほか、補助情報又は管理情報として、利用者に関する情報を有してもよい。
家計簿データベースを用いた場合、利用者は、ライフプランシミュレーションを行う時点で、改めて日々の支出を細かく入れたりする必要がないため利用者の利便性を向上させるとともに、利用者の実際の支出が含まれることでライフプランシミュレーションの基礎となる情報の正確性が増す利点がある。
2.2.1.家計簿情報
取得部は、ライフプランシミュレーションに利用できる項目に係る情報を含む家計簿情報を、取得することができる。
家計簿情報とは、特定の利用者が、特定の項目に関し、特定の時期における金額を示す情報である。特定の項目に関する金額は、収入であってもよいし、支出であってもよい。特定の項目は、例えば、収入として、年収、年金、及び/又は退職一時金などであってもよい。また、特定の項目は、例えば、支出として、生活費、住宅費、教育費、夢に関する費用、将来の職業に関する項目、車に関する費用、趣味・旅行費用、及び/又は介護施設入居費などであってもよい。
項目は、ライフプランシミュレーションに使用し得る項目であれば、上記の項目名称に限らず、種々の様々な名称の項目であってもよい。例えば、上記の項目の上位概念の項目であってもよいし、下位概念の項目であってもよい。
前記金額は、前記特定の時期として、特定の日における金額であってもよいし、一定の期間における金額であってもよい。一定の期間における金額の意味は、家計簿が、特定の期間の金額の合計という形式で纏められたものであってもよいためである。例えば、実際に支払われた金額が、2017年10月3日に500円、2017年10月5日に2000円、2017年10月21日に800円という、各日の3つの金額であるとしても、これらを纏めて、2017年10月に3300円という合計の形式であってもよい。
ライフプランシミュレーションとは、将来の収入又は支出を計算し、将来の収支を計算することである。なお、本願書類において、ライフプランシミュレーションとして、一定期間のシミュレーションを行う場合も含まれるため、必ずしも利用者の寿命までのシミュ―レションをすることを意味するものではなく、将来の収入又は支出を計算し、将来の収支を計算するものであればよい。
取得部は、取得部が取得した情報を記録してもよい。取得部は、例えば、図15のようなデータベースの形式で、記憶部に、情報を記録してもよい。図15は、利用者Aに関する項目と時期のデータベースである。図15では、項目が、「収入」と「支出」に分かれ、「収入」は、「年収」、「年金」及び「退職一時金」の項目を有している。他方、「支出」は、「生活費」、「住宅費」、「車に関する費用」、「趣味・旅行費用」、「介護施設入居費」、「その他」・・・などと分類されている。
各項目は、複数の階層を有してもよい。図15では、「生活費」は、「食費」、「水道光熱費」、「通信費」、「保険費」、「その他」と分類されており、また「車に関する費用」は、図16では、「車購入代」、「ガソリン代」、「車税」、「駐車代」などと分類されている。
横軸の時期は、図15及び図16では、2016年の11月、12月、2017年1月、2017年2月、と各月の欄となっており、対応する情報が記録されるよう構成されている。
利用者A以外の他の利用者B、C、に関しても、同様の記憶をしてもよい。
また、取得部は、情報を加工する機能を有してもよい。情報を加工する機能とは、例えば、情報を抽出する機能、計算する機能などが挙げられる。例えば、取得部は、家計簿の複数の項目を含む情報を含むデータ構造で受信した場合、その中の一部の情報を抽出したり、他の情報と結合したり、合算、又は引き算などの計算をする機能があってもよい。
取得部における情報を加工する機能は、家計簿データベースから取得した情報の形式が、本願発明に係るシミュレーションに使用される項目と一致しない場合に、本願発明に係るシミュレーションに使用される項目と一致させることで、家計簿データベースから取得した情報を、シミュレーションに使用できる効果がある。これによって、より多くかつ利用者の実際の収支に基づいたシミュレーションが可能となる。
例えば、取得部は、加工する機能として、例えば、車購入代、車の駐車代、車の税金代、車の洗車代、などの複数の項目が存在した場合、前記複数の項目を車に関連する費用項目としてまとめ、前記複数の項目内の各項目に対応する数値を合算して、前記車に関連する費用項目の金額として設定してもよい。
また、取得部は、旅行交通費、宿泊代、お土産代、食事代、旅行用道具の費用、趣味に関する道具の費用、趣味のためのセミナーの費用、趣味のための書籍代などの項目が存在した場合、前記複数の項目を旅行・趣味に関連する費用項目としてまとめ、前記複数の項目内の各項目に対応する数値を合算して、前記旅行・趣味に関連する費用項目の金額として設定してもよい。
また、セミナー参加費、セミナー参加のための交通費、関連する書籍代などの項目が存在した場合、前記複数の項目を自己開発関連費用項目としてまとめ、前記複数の項目内の各項目に対応する数値を合算して、前記自己開発関連費用項目の金額として設定してもよい。
また、不動産投資、株式投資、債権投資、国債投資、などの項目が存在した場合、前記複数の項目を金融投資項目としてまとめ、前記複数の項目内の各項目に対応する数値を合算して、前記金融投資項目の金額として設定してもよい。他方で、これらの投資を、別の種類の投資として、そのまま別の項目のまま取得してもよい。これらが別項目の場合、各項目の傾向などを分析する場合に有用である。
取得部は、上記の項目を加工する機能として、複数の項目を特定の項目に変換するような変換テーブルに基づいて、各項目を纏め、項目に対応する数値を合算する機能を有してもよいし、機械学習によって、与えられた複数の項目から関連する項目を纏める機能と、前記複数の項目に対応する数値を合算する機能を有してもよい。
同様に、取得部は、上記の項目を加工する機能として、上位項目と前記上位項目に対応する数値と、前記上位項目の下位概念内の一の項目と前記一の項目に対応する数値に対して、前記一の項目と前記一の項目に対応する数値を抽出し、前記上位項目から前記一の項目を削除するとともに、前記上位項目に対応する数値から前記一の項目に対応する数値を減算することで、前記上位項目から前記一の項目を抽出すると同時に削除する構成を有してもよい。
上記では、纏める例を中心に説明したが、上記項目に関して必ずしも纏める必要はなく、ライフプランシミュ―レションで利用できる項目であれば、その項目のまま利用してもよい。
取得部は、上述の加工する前の情報を、図16のようなデータベースで、記憶部に記憶してもよい。
2.2.2.家計簿補助情報、
取得部は、ライフプランシミュレーションに有用な情報を、家計簿補助情報として、取得してもよい。
家計簿補助情報とは、ライフプランシミュレーションを実施するにあたり、家計簿情報に欠けている情報、家計簿情報を補足する情報、などがある。例えば、取得部は、家計簿補助情報として、利用者に係る情報、配偶者に係る情報、金融資産、子供に係る情報、住居に係る情報、及び/又は日常生活に係る情報、などを取得してもよい。
取得部は、家計簿補助情報として取得した情報を、記録部に記録してもよい。取得部は、例えば、図17又は図18のようなデータベースの形式で、記憶部に情報を記録してもよい。なお、図17及び図18において、○△□と数字からなる文字列は、各項目に対応する値を意味する。
図17及び図18は、利用者が複数である場合として、利用者1、利用者2、利用者3などが、記憶部の記憶テーブルに記載されている。これらは、データベースとして記録されてもよく、そのデータベースのモデルは、上述同様に、階層型データモデル、ネットワーク型データモデル、リレーショナルデータベース、オブジェクトデータモデルなど、種々の方法が採用されてよい。要は、データが備えられ、データを取得できるものであればよい。
また、本願システムがウェブ上の暫定的なサービスで提供される場合などは、複数の利用者のデータベースではなく、利用者単独のデータとして記録されてもよい。
利用者に係る情報として、年齢、性別、年収、その他の収入額、退職一時金の額、定年後の収入、金融資産、負債、及び/又は公的年金の額などを取得してもよい。
配偶者に係る情報としては、配偶者の有無と、配偶者が存在する場合に、利用者に係る情報と同様に、年齢、性別、年収、その他の収入額、退職一時金の額、定年後の収入、金融資産、負債、及び/又は公的年金の額などを取得してもよい。
金融資産は、現在の貯蓄額である。金融資産は、その下位概念として、現金、銀行預金及び/又は投資性のある金融資産などで分類された情報などを取得してもよい。投資性のある金融資産は、さらに、投資の種類に応じた分類がされてもよい。例えば、株式、債券、不動産、保険、及び/又は外貨などに分類されてもよい。
子供に係る情報としては、年齢、教育機関の予定と種類、結婚資金援助額、結婚予定年齢などの情報を取得してもよい。
教育機関の予定と種類としては、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院、等の教育機関の進学の有無と、国公立又は私立の分類の情報を取得してもよい。大学に関しては、文系又は理系などの情報を取得してもよい。また、下宿費用の援助の有無の情報を取得してもよい。
住居に係る情報としては、賃貸における住宅費、持ち家におけるローン費用、将来の家の購入有無、購入予定金額、ローンの期間とローンの支払いの金額などの情報を取得してもよい。
生活費に係る情報としては、食費、水道光熱費、通信費、保険料、日常用品その他、趣味・旅行費用、車に関する費用などの情報を取得してもよい。また、日常生活に関する情報として、将来の生活レベルを指定する情報を取得してもよい。
また、取得部は、将来の職業情報を取得してもよい。この場合、取得部は、図7の複数の職業の選択肢が提示されたことに対応して職業に関する情報を取得するよう構成することができる。例えば、取得部は、研究者、エンジニア、などの職業が表示された項目に対応した情報を取得することで、職業になるための費用を特定することができる。
また、取得部は、職業に関する情報を取得するために、機械学習システムを用いてもよい。機械学習システムは、職業に関連する情報を入力として、当該職業になる夢を実現するための費用を出力できるよう構成されているものとする。当該入力と出力の関係の機械学習システムは、一般的な機械学習システムを用いてよい。この場合、夢に関する情報として、予め与えられた選択肢以外の選択を可能とし、利用者の利便性を向上させる。
取得部は、将来の職業に関する情報として、職業になるために必要な具体的な支出額を取得してもよい。この場合、取得部は、具体的な支出額を、数値として取得してもよいし、数値が表示された複数の選択肢が選択されることで数値を取得してもよい。
また、取得部は、将来の年金制度が変動しうることから、仮想年金制度に関する情報を取得してもよい。例えば、仮想年金制度に関する情報として、年金開始年齢を、70歳から支給開始になる場合、75歳から支給開始になる場合、65歳から支給開始になる場合、60歳から支給開始になる場合など、年金開始年齢を取得できるように構成してもよい。上記年齢は5歳刻みで例を挙げたが、年齢を1歳刻みで設定するよう構成されてもよい。
年金開始年齢は、利用者が設定してもよいし、管理者が設定しておいてもよい。ここで管理者が設定する場合は、管理者が年齢を特定してもよいし、統計情報が自動的に設定されるようにしてもよいし、機械学習などにより利用者の一般的な情報として設定されるよう構成されてもよい。また、管理者が設定しておく場合において、利用者に表示しなくてもよいし、利用者に表示するのみとしてもよいし、利用者に表示するうえで利用者が変更できるように構成してもよい。
また、取得部は、年金開始年齢として、複数の年齢を取得するよう構成してもよい。当該複数の年齢は、各年齢に応じた年金開始年齢として使用され、複数の年金開始年齢に対応したシミュレーションができるように構成されてもよい。
2.2.3.設定情報
取得部は、設定情報として、基準時、利用期間、過去特定期間、入力優先フラグなどの情報を取得してもよい。取得された情報は、記憶部が、例えば、図19のように、利用者ごとに、これらの情報を有してもよい。
基準時とは、シミュレーションの開始時期を特定するための情報である。例えば、2017年2月1日以降のライフプランシミュレーションを計算する場合、2017年2月1日を基準時として設定することができる。
基準時は、利用者の情報処理装置から明示的に取得してもよいし、利用者から明示的に取得せずに、利用者の他のアクションに連動して情報を取得してもよい。例えば、利用者が、2017年2月1日、と具体的な期日を指定してもよいし、2017年2月と月を指定してもよいし、2017年と年を指定してもよい。また、利用者のアクションと連動した情報としては、例えば、利用者が、シミュレーションを実施した時、アドバイザーからアドバイスを受けた時などであってもよい。また、管理者が指定した時に基づいて指定されてもよい。
シミュレーションを実施した時としては、シミュレーションを実施した日、シミュレーションを実施した次の日として、設定されてもよい。シミュレーションを複数回実施した時は、過去にシミュレーションを実施した時から順に、第1の基準時、第2の基準時、第3の基準時、と順次設定されてもよい。
また、管理者が指定した時として、シミュレーションを実施した時と連動して、当該シミュレーションを実施した時を含む月の月初め、月終わり、前月の月終わり、翌月の月初め、などの期日として設定されてもよい。
また、基準時は、各利用者について、複数設定されていてもよい。これはシミュレーションを複数実施する場合、各シミュレーションの情報を特定する情報として、基準時も複数設定される必要があるためである。本願では、複数の基準時を示すとき、第1基準時、第2基準時、と序数をつけて表すこともある。
利用期間とは、家計簿の基準時以前の情報としてどの程度の期間の情報を使用するかを示す情報である。利用期間としては、例えば、1週間、一ヶ月、二ヶ月、六ヶ月、1年、3年等の期間が挙げられる。また、当該期間としては、0という期間もありえるものとする。この0という期間の場合、直近の情報に基づいて、計算するものと考える。
利用期間は、利用者が、設定などで設定された情報であってもよいし、管理者が指定した情報であってもよい。また、家計簿情報として取得された情報の期間であってもよい。
また、利用期間は、家計簿情報の収支に変動がない期間を算術式で導いた式に基づいて導出された期間でもよいし、機械学習などを用いて家計簿情報の収支に変動がないものとして設定された期間などでもよい。
過去特定期間とは、ライフプランシミュレーションを実施するために必要な家計簿の情報を特定するためのものである。上記の基準日及び利用期間を取得した場合は、これから計算されてもよい。この場合、過去特定期間の始期は、基準時から利用期間分の過去であり、過去特定期間の終期は、基準時である。なお、上述のとおり、利用期間を0とした場合、過去特定期間が基準時の直近の情報を意味するものとする。
将来特定期間とは、ライフプランシミュレ―ションによって予測する最初の時期から、最後の時期の期間である。将来特定期間の始期は、基準時であり、終期は、利用者の年齢に基づいて計算された寿命である。将来特定期間は、余命であってもよい。
入力優先フラグは、家計簿情報と家計簿補助情報に不一致がある場合に、家計簿補助情報を利用することを示すフラグである。入力情報優先は、家計簿補助情報の入力箇所毎に設定されるよう構成されてもよい。家計簿情報は、過去の実際の情報として利用者に関する正確な情報であるが、将来の生活設計が明確に変更されたなど、過去の情報を利用しない方がよいケースもある。入力情報優先は、かかる場合の処理を補助する機能を有する。取得部は、かかるフラグを、利用者による設定、及び/又は管理者による設定で、取得するよう構成されてもよい。
2.3.計算部
計算部は、取得部で得られた情報及び/又は記録部に記録された情報を使用して、計算する機能を有する。
2.3.1.シミュレーションの計算
計算部は、基準時以降のライフプランシミュレ―ションを行う。具体的には、計算部は、基準時以降又は将来特定期間の収入及び/又は支出を計算し、基準時以降又は将来特定期間の収支を計算する。基準時以降又は将来特定期間は、一般的には将来であるが、以下で述べる比較のためのシミュレーションなどでは、シミュレーションする時期よりも前の時期のシミュレーションをすることもある。
計算部は、ライフプランシミュレーションを行うにあたり、家計簿情報、家計簿補助情報、及び/又は設定情報を用いることができる。また、計算部は、ライフプランシミュレーションを行うにあたり、統計情報、管理者が定めた情報を用いることもできる。
計算部は、基準時以降又は将来特定期間の収入及び支出を計算する場合に、過去の情報を使用して、収支を計算することができる。過去の情報として、過去特定期間の情報を用いることができる。
以降では、月毎に、収入、支出、及び収支を計算する例で説明するが、任意の期間を単位として計算してよく、例えば、二ヶ月毎に計算をしてもよいし、三ヶ月毎に計算してもよいし、四ヶ月毎に計算してもよいし、半年ごとに計算してもよいし、半月毎に計算をしてもよい。
計算部は、将来の収入及び支出として、基準時から、平均寿命まで計算する。すなわち、基準時から、利用者の現在の年齢を使用して計算される平均寿命に至るまで、計算を行う。平均寿命は、例えば、図11のような年齢と平均寿命のテーブルを用いて、利用者の現在の年齢に対応した平均寿命を特定することができる。また、平均寿命に代えて、余命を用いてもよい。この場合、利用者の現在の年齢に対応した余命を特定してもよい。また、配偶者に関しても、別途、同様に、平均寿命又は寿命を計算し、対応する将来の収入及び支出を計算する。
計算部は、家計簿情報及び/又は家計簿補助情報を用いることができる。計算部は、入力優先フラグがONにされている場合は、家計簿補助情報がある項目について、家計簿情報に優先して、家計簿補助情報を利用するよう構成されてもよい。また、計算部は、入力優先フラグが各項目に関して設定されるよう構成されている場合であり、入力優先フラグがある項目に関してONにされている場合であり、当該項目に関して家計簿補助情報がある場合、家計簿情報に優先して、家計簿補助情報の当該項目に係る数値を利用するよう構成されてもよい。なお、計算部は、記憶部が入力優先フラグを有しない構成において、家計簿補助情報が存在する場合、入力優先フラグの確認をせずに、家計簿補助情報を利用するよう構成されてもよい。なお、家計簿補助情報を利用する場合、当該数値の妥当性を確認した上で、利用するよう構成してもよい。
家計簿情報は、ある項目に関し、特定の時期の情報が欠落していても、その他の時期があれば、前記項目の情報を利用してもよい。例えば、利用者が特定の時期の住宅費の情報がない場合でも、入力忘れの場合などがあることから、そのような情報はないものとして計算されてもよい。入力忘れの有無は、例えば、当該項目に対応する閾値が設定され、当該閾値よりも小さい値の場合は、入力忘れと判定し、その項目に関する平均値を計算する場合に無視する構成としてもよい。
計算部は、家計簿情報が存在しない場合又は家計簿情報のある項目がない場合、当該情報に代えて、家計簿補助情報を用いてもよい。また、計算部は、家計簿情報及び家計簿補助情報の両方がない場合、統計情報を用いてもよい。統計情報は、国民の平均値を用いてもよいし、利用者に関する情報を用いた具体的な情報を用いてもよい。統計情報に関する項目としては、収入、生活費、などの情報が挙げられるが、ここに挙げられる情報に限られるものではなく、統計情報が存在すれば、利用してもよい。
計算部は、将来の収入を計算する場合、過去の年収、年金などの収入に基づき計算する。将来の収入は、過去の年収の平均値を用いてもよいし、過去の年収の平均値に一定の増減率を乗じた値を利用してもよい。計算部が家計簿補助情報を用いる場合、その値を用いてもよいし、その値に、一定の増減率を乗じた値を利用してもよい。当該増減率は、収入主体の年齢、又は、職種に依存して定められた増減率を利用してもよい。例えば、図3のような年齢、職業と関連付けられた増減率を使用してもよい。現在の年齢、職業、年収を取得した場合、年齢と職業に基づいて、増減率を特定し、年収を当該増減率で除算して、当該職業の基本的な年収を計算し、これに、将来の各年齢に対応する増減率を乗じることで、将来における寿命までの各年齢の年収を計算可能である。将来の各月の収入は、これを12で除した値とすることで計算できる。計算部が統計情報を用いる場合は、そのままの情報を用いてもよいし、上記同様に、一定の増減率を乗じた値を利用してもよい。
また、将来の年金は、図4のようなテーブルに基づき、各職業に応じた年金の収入を、年金開始年齢から、収入として加算して、計算することができる。当該情報は、上述のとおり、統計情報の一般情報を利用してもよいし、公的年金のために従前に支払った金額を踏まえて、厚生年金なども考慮した、利用者がより具体的に取得が予測される金額を用いてもよい。
同様に、退職一時金も、図5のようなテーブルに基づき、各職業に応じて、各職業の定年の時期に、退職一時金の情報を収入として加算して、計算することができる。
計算部は、将来の支出を計算する場合、過去の支出に基づいて計算する。将来の支出は、過去の情報である、生活費、住宅費、子供に関する費用、車に関する費用、趣味・旅行費用、介護施設入居費、夢に関連する費用、その他など各項目の性質に応じて、計算する。計算部が統計情報を用いる場合は、そのままの情報を用いてもよいし、上記同様に、一定の増減率を乗じた値を利用してもよい。
例えば、将来の生活費は、過去の生活費の平均値としてもよいし、当該平均値に一定の増減率を乗じた値としてもよい。当該増減率は、利用者が、生活費のレベルとして設定した項目に対応する増減率を用いてもよい。例えば、図8は、生活費のレベルの一例であり、利用者が選択したレベルに応じた増減率を、乗じるよう構成してもよい。
また、将来の住宅費は、賃貸又はローンであれば、過去の住宅費の平均値としてもよいし、物価の上昇などを考慮した増減率を乗じた値でもよい。住宅ローンの場合は、住宅ローンの支払期限の時期まで、当該住宅ローンを支出として加算して、計算する。また、将来家の購入を予定している場合、その購入費用をその時期に支出として加算して、計算する。
将来の子供に関する費用は、子供の年齢を取得した場合、当該情報を用いて、将来の子供の年齢が予測できる。そのため、図6のような学校と種別に基づいて、年齢に応じた費用を、支出として加算して、計算する。また、子供が複数いる場合も、同様に、各子供の年齢に応じた費用を、それぞれ、支出として加算して、計算する。また、学校の種別として、公立・私立などの情報を利用者から取得した場合、これらに対応する費用を、支出として、加算して、計算する。
なお、年齢がない場合、統計情報としての子供の一般的な養育費用を支出として加算してもよいし、養育費用を支出として加算しないようにしてもよい。
将来、子供をもつ予定の場合、当該予定時期を0歳として、子供の教育費を支出として加算して、計算する。
将来の車に関する費用は、例えば、ガソリン代、駐車代、税金、などを支出とする。将来車を買い替える予定の場合、当該費用を買い替え予定時期の支出として加算して、計算する。この場合、利用者から図9のような自動車の種類を特定する情報を取得した場合、当該テーブルにおける対応する金額を、支出として、加算して、計算してもよい。
趣味・旅行費用は、例えば、過去の支出と同じ費用を将来の支出としてもよいし、過去の支出に一定の比率を乗じた値を将来の支出としてもよい。一定の比率は、将来の生活レベルに基づいて、計算されてもよい。また、旅行費用は、一般的に大きな出費を伴うところ、利用者の選択肢に基づいて、図10のような行き先が特定された場合、例えば、一年に一度、又は半年に一度という頻度で、支出として加算して計算してもよい。
将来の職業に関連する費用は、例えば、取得した職業の選択肢の情報に基づいて、対応する費用を支出とする。具体的には、取得した職業の選択肢に対応する図7の費用を、支出とする。このとき、図7において、取得した職業の選択肢に対応する費用が、月毎で設けられた費用であれば、月毎の支出として計算し、年毎に設けられた費用であれば、年毎の支出として計算する。また、取得部が、取得した職業に係る追加の費用を取得した場合は、当該費用も、支出として計算する。この場合も、取得した職業に係る追加の費用が、月毎費用の表示と関連付けられて月毎の費用として入力された場合には、月毎の支出として計算し、年毎費用の表示と関連付けられて、年毎の費用として入力された場合には、年毎の支出として計算する。
計算部は、将来の支出を、図20のように、寿命まで、又は余命分、各月毎に算出し、記憶部に記憶してもよい。その上で、合計値を計算して記憶してもよい。また、計算部は、これに代えて、一定の変数を用いて、図21のように、累積値としての合計値を計算して記憶してもよい。計算部は、将来の支出として、負債があり、住宅ローンなど家計簿情報に基づいて予測された支出がない場合は、当該合計値にさらに、負債を追加する。
上記では、主に平均値に基づいて計算する態様を説明したが、過去のより具体的な数値
の傾向を踏まえて、算術手段に基づいた将来の支出を利用した計算をしてもよい。
例えば、計算部は、最小二乗法、ニュートン法、ラグランジェ補間などの算術手段を用いて、将来の収入又は支出のような将来の数値を計算してもよい。利用期間の平均値と比べて、このような算術手段を用いた場合、より過去の利用期間の傾向を将来に反映させることが可能であり、より精緻なシミュレーションが可能となる。この場合、計算部は、過去の情報に基づいて、将来のシミュ―レションの値を、図20のような項目毎の記憶テーブルに、特定の時期と合わせて記憶するよう構成することができる。
計算部は、基準時以降又は将来特定期間に関し、上記のように、予測された収入と支出の各項目の一部又は全部について、年金、退職一時金の一部又は全部を予測収入として合算し、生活費、住宅費、子供に関する費用、車に関する費用、趣味・旅行費用、介護施設入居費、夢に関連する費用、その他の費用などを予測支出として合算し、予測収入から予測支出を減算して予測収支を計算する。この予測収支は、金融資産があれば、金融資産分を加算し、負債があれば負債分を減算した処理を施した後のものでもよい。
基準時と利用期間、又は過去特定期間が異なれば、計算部が計算したシミュレーション結果は異なる。そして、後述のとおり、複数のシミュレーション結果を利用することもあるため、計算部は、複数のシミュレーションを実施できるよう構成されてもよい。例えば、計算部は、基準時と利用期間が異なるもの、又は過去特定期間が異なるものに対して、各シミュレーションを計算し、記憶部は、各基準時と利用期間、又は過去特定期間、に基づいた図20のような記憶テーブルを複数有してもよい。
なお、年金開始年齢が複数設定されている場合、複数の年金開始年齢に合わせて、収入として、年金を加算するよう構成し、当該複数の年金開始年齢に基づく収入に対して、支出を減算し、複数の支出を算出するよう構成してもよい。
2.4.情報生成部
情報生成部は、表示されるための情報又は表示されるために使用される情報を生成する機能を有する。より具体的には、情報生成部は、シミュレーションの結果の一部又は全部を用いて、貯蓄、アドバイザーに係る数値などを生成する。情報生成部が生成した情報は、情報生成部を備えた情報処理装置で表示されてもよいし、情報生成部とは異なる情報処理装置に伝達されて表示されてもよい。
2.4.1.貯蓄
貯蓄は、貯蓄に関する情報である。貯蓄は、貯蓄額と貯蓄率があり、貯蓄額は具体的な数値、貯蓄率は、貯蓄の程度を示す指標である。貯蓄額としては、例えば、今年貯蓄額、今年必要貯蓄額があり、貯蓄の程度を示す指標として、例えば、今年貯蓄率、今年必要貯蓄率などがある。
今年貯蓄率は、基準時以降の1年間に期待される貯蓄の程度を示す指標である。今年貯蓄率の計算の一例は、分母を基準時以降の一年間の収入の合計とし、分子を基準時以降の一年間の収支の合計とした、割合で計算されるものである。
例えば、図22において、翌日からシミュレーションを行う基準時として2016年10月31日を基準時として設定し、2016年11月1日から一年間の収入の合計は、420万円であり、一年間の収支の合計は、37万円である。そのため、今年貯蓄率は、37/420×100であるから、8.8%と計算される。なお、この一例では、収入の値は、国税庁による平成27年の平均年収を用い、支出の値は、公益財団法人の生命保険文化センターによる値を用いた。
なお、今年貯蓄額は、基準時以降の一年間の収支の合計である。上記の例であれば、37万円となる。なお、収支が負数となる場合もあり、この場合、今年貯蓄額を負数として表示するよう情報を生成してもよいし、貯蓄されていないことを示す情報と関連付けて整数として表示するよう情報を生成してもよい。
情報生成部は、基準時から1年間の収入の合計と、対応する期間の収支の合計を計算し、基準時から1年間の収入の合計を、対応する期間の収支の合計で除して、割合とすることで、今年貯蓄率を計算できる。
今年貯蓄率、今年貯蓄額の他の例は、上記の一年に代えて、現在の月から、年末までの月数で計算する例が考えられる。今年貯蓄率、今年貯蓄額の他の例は、上記の一年に代えて、現在の月から、次の3月までの月数で計算する例も考えられる。
なお、上記では、利用者に配偶者がいないことを前提として計算したが、利用者に配偶者がいる場合、利用者と同様に計算された配偶者の収支及び収入を使用して、分母を基準時以降の一年間の利用者と配偶者の収入の合算値を使用し、分子を基準時以降の一年間の利用者と配偶者の収支の合計値を利用する。貯蓄率は家庭ごとに計算されるため、より精緻なライフプランシミュレーションができる。
今年必要貯蓄率は、生涯の収支の一部を要素とし、貯蓄する必要がある貯蓄額の程度を示す指標である。今年必要貯蓄率の計算の一例としては、分母を基準時以降の一年間の収入の合計とし、分子を基準時以降の一年間の収支の合計に必要貯蓄年額を加算した値とした、割合で計算されるものである。必要貯蓄年額とは、必要貯蓄月額を12倍したものである。必要貯蓄月額とは、生涯の収支を、平均寿命月数で除算したものである。生涯の収支は、利用者(及び配偶者)の各年の収支を、平均寿命まで加算した値である。平均寿命月数は、平均寿命から現在の年齢を減算した年数に月数を乗じたものである。例えば、現在40歳の人の平均寿命が82歳であるとすると、82-40=42の計算式から、残り42年であるため、42×12=504と計算される。
なお、今年必要貯蓄額は、基準時以降の一年間の収支の合計に、必要貯蓄年額を加算したものである。なお、収支が負数となる場合もあり、この場合、貯蓄額を負数として表示するよう情報を生成してもよいし、貯蓄されていないことを示す情報と関連付けて整数として表示するよう情報を生成してもよい。
情報生成部は、基準時から1年間の収入の合計と、対応する期間の収支の合計を計算し、基準時から1年間の収入の合計及び必要貯蓄月額×12の合計を、対応する期間の収支の合計で除して、割合とすることで、今年必要貯蓄率を計算できる。今年必要貯蓄率は、今年貯蓄率と同様に、利用者に配偶者がいる場合、配偶者の収入及び収支を加算して、計算される。
今年必要貯蓄率、今年必要貯蓄額の他の例は、上記の一年(及び1年を示す月数の12)に代えて、現在の月から、年末までの月数で計算する例が考えられる。今年必要貯蓄率、今年必要貯蓄額の他の例は、上記の一年(及び1年を示す月数の12)に代えて、現在の月から、次の3月までの月数で計算する例も考えられる。
情報生成部は、貯蓄率、貯蓄額、今年貯蓄率、今年貯蓄額、今年必要貯蓄率、今年必要貯蓄額の一部又は全部を、表示装置に表示してもよいし、表示装置で表示できるように表示装置に送信してもよい。
2.4.2.変化情報
変化情報は、基準時以降の家計簿に基づく情報と、基準時に基づくシミュレーション結果に基づく情報を対比したものである。ここで、変化情報は、基準時以降の家計簿に基づく情報と基準時に基づくシミュレーション結果に基づく情報との両方の情報であってもよいし、基準時以降の家計簿に基づく情報と基準時に基づくシミュレーション結果に基づく情報とを使用して加工した情報であってもよい。
例えば、変化情報は、基準時から利用期間分の過去の支出の合計値と、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の合計値との、両方を示す情報であってもよいし、基準時から利用期間分の過去の支出の合計値を、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の合計値で除した値、又はその割合を示す情報であってもよいし、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の合計値を、基準時から利用期間分の過去の支出の合計値で除した値、又はその割合を示す情報であってもよい。
また、変化情報は、基準時から利用期間分の過去の特定の項目に係る支出の合計値と、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の対応する項目に係る合計値との、両方を示す情報であってもよいし、基準時から利用期間分の過去の特定の項目に係る支出の合計値を、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の対応する項目に係る合計値で除した値、又はその割合を示す情報であってもよいし、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の特定の項目に係る合計値を、基準時から利用期間分の過去の対応する項目に係る支出の合計値で除した値、又はその割合を示す情報であってもよい。
当該項目は、利用者が設定した項目でもよいし、管理者が設定した項目でもよいし、計算によって導出された項目であってもよい。導出された項目は、基準時から利用期間分の過去の特定の項目に係る支出の合計値を、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の対応する項目に係る合計値で除した値が、シミュレーションに係る項目において、多い順に設定されてもよい。これにより、特に支出の増加が大きい項目を特定することができ、シミュレーション結果と異なる結果を生じさせた原因を特定することができる。利用者は、当該情報が表示された場合に、シミュレーションよりも支出の増加が大きくなった原因となる項目を容易に特定することが可能となる。
またシミュレーションとの比較において、増加した値の項目の値又はその割合を示してもよい。例えば、図23は、増加した値の項目とその値を示したテーブルである。ここでは、食費が4万円増加し、株式投資が5万円増加し、ガソリン代が10万円増加し、有料道路代が15万円増加し、宿泊代が30万円増加した例を示している。
情報生成部は、増加した値の項目の値又はその割合を示す数値を生成してもよい。情報生成部は、基準時から利用期間分の過去の特定の項目に係る支出の合計値から、基準時と利用期間に基づくシミュレーションの結果の対応する項目に係る合計値を減算し、当該項目に関する増加分を計算してよい。
当該増加分を、全ての項目に関して円グラフにすることで、例えば、図24のように、増加分全体を1周とした場合の、各項目の支出の増加分が円内で占める状態を分かりやすいように表示できる。また、全ての項目に代えて、一定値以下の値は、その他などのラベルで纏めて表示するようにしてもよい。さらに、当該円グラフでは、項目の支出の具体的な値に加えて、又は代えて、支出のパーセンテージを表示してもよい。
情報生成部は、変化情報、増加した値の項目、増加した値の項目に係る数値、増加した値の項目に係る数値の割合、円グラフ、の一部又は全部を、表示装置に表示してもよいし、表示装置で表示できるように表示装置に送信してもよい。
2.4.3.アドバイザー情報
情報生成部は、利用者がアドバイザーを選定する時における、アドバイザーの選定を補助する情報を生成する機能を有してもよい。
アドバイザーは、家計簿情報の過去の情報に基づいて、アドバイザーの選定を補助する情報を生成することができる。過去の情報として、例えば、家計簿における基準時から利用期間分の過去の情報を用いることができる。当該基準時及び利用期間は、シミュレーションにおいて将来の収入又は支出を計算するために用いたものと同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。基準時及び利用期間が複数ある場合、これらのいずれを使用するかは、利用者によって定められたものでもよいし、管理者によって定められたものでもよい。
なお、以下で、各項目に関連する費用と、各項目に係る閾値を比較するときは、当該関連する費用と閾値の単位を合わせた後に計算することはいうまでもない。例えば、各項目に関連する費用が、2年6ヶ月の合計の値として計算された場合、閾値の単位が一ヶ月で設定された場合には、2年6ヶ月である30(月)で除して、一ヶ月当たりの単位で、比較される。
情報生成部は、自動車に係る情報に基づき、自動車関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、自動車関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が自動車に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が自動車に興味を有するかどうかを、自動車に係る情報と、自動車に係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、自動車に係る情報として、車購入代、車の駐車代、車の税金代、車の洗車代、ガソリン代、車の有料道路代、等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、自動車に係る情報の代金の一部又は全部の合計値を、自動車に係る所定の閾値と比較することで、利用者が自動車に興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、自動車に係る情報の代金の一部又は全部の合計値と、自動車に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
情報生成部は、旅行関連費用に基づき、旅行関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、旅行関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が旅行に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が旅行に興味を有するかどうかを、旅行関連費用に係る情報と、旅行に係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、旅行関連費用としては、交通費、旅行中の食事代、宿泊費、旅行の訪問地代、等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、旅行関連費用の一部又は全部の合計値を、旅行関連に係る所定の閾値と比較することで、利用者が旅行に興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、旅行関連費用の一部又は全部の合計値と、旅行関連に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
情報生成部は、金融資産関連費用に基づき、金融資産又は相続に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、金融資産又は相続に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が金融資産又は相続に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が金融資産又は相続に興味を有するかどうかを、金融資産関連費用に係る情報と、金融資産に係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、金融資産関連費用としては、金融資産、持ち家、投資関連費用等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、金融資産関連費用の一部又は全部の合計値を、所定の閾値と比較することで、利用者が金融資産に興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、金融資産関連費用の一部又は全部の合計値と、金融資産関連に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
情報生成部は、住宅ローン関連費用に基づき、住宅ローンに強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、住宅ローンに強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が住宅ローンの削減に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が住宅ローンの削減に興味を有するかどうかを、住宅ローンの費用と、住宅ローンに係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、住宅ローン関連費用として、月々の支払、ボーナス時の支払い、等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、住宅ローン関連費用の一部又は全部の合計値を、住宅ローンに係る所定の閾値と比較することで、利用者が住宅ローンに興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、住宅ローン関連費用の一部又は全部の合計値と、住宅ローン関連に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
情報生成部は、介護関連費用に基づき、介護関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、介護関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が介護に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が介護に興味を有するかどうかを、介護関連費用に係る情報と、介護に係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、介護関連費用としては、介護施設への費用、介護に係る交通費、介護に関連する治療費用、等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、介護関連費用の一部又は全部の合計値を、介護関連に係る所定の閾値と比較することで、利用者が介護に興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、介護関連費用の一部又は全部の合計値と、介護関連に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
情報生成部は、子供関連費用に基づき、子供関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、子供関連に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が子供関連費用に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が子供関連費用に興味を有するかどうかを、子供関連費用に係る情報と、子供に係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、子供関連費用としては、子供の教育費、子供の習い事の費用、子供の生活費、等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、子供関連費用の一部又は全部の合計値を、子供関連に係る所定の閾値と比較することで、利用者が子供関連費用に興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、子供関連費用の一部又は全部の合計値と、子供関連に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
情報生成部は、年金に基づき、年金に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を生成してもよい。情報生成部は、年金に強みを有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が年金に興味を有するかどうかを判定する機能に基づいて、生成してもよい。情報生成部は、利用者が年金に興味を有するかどうかを、年金関連費用に係る情報と、年金に係る所定の閾値とを比較することで、判定してもよい。情報生成部は、年金関連費用としては、現在の収支、ライフプランシミュレーションを実施後の生涯の収支、将来の年金額、等の一部又は全部を用いてよい。情報生成部は、年金関連費用の一部又は全部の合計値を、年金に係る所定の閾値と比較することで、利用者が年金に興味を有するかどうかを判定してもよい。また、情報生成部は、年金関連費用の一部又は全部の合計値と、年金に係る所定の閾値との差分を、計算するよう構成されてもよい。
また、情報生成部は、各アドバイザーと前記各アドバイザーが強みとして示す分野とを関連付けたテーブルに基づいて、当該利用者が興味を有した分野のアドバイザーを選定してもよい。利用者が興味を有した分野のアドバイザーとして、複数のアドバイザーを選定してもよい。利用者のライフプランを考慮したアドバイザーを選定する情報が生成されることで、利用者は、自らのライフプランにより沿ったアドバイザーを選定することが容易となる。
また、情報生成部は、利用者が興味を有する分野において、興味のある順序を生成してもよい。前記興味が強いと思われる分野の順序は、各分野の閾値との差分に基づいて、決定することができる。例えば、差分が最も大きいものを、利用者が最も興味を有する分野と判定してよい。また、ある分野における閾値との差分が、他の分野における閾値との差分よりも大きいと判断された場合、前記ある分野を、前記他の分野よりも、利用者が興味を有する分野として、判断してもよい。
情報生成部は、利用者が興味を有する順序で、分野を列挙したリストを生成し、当該分野を列挙したリストにおいて、当該分野と関連付けて、当該分野を強みとして示すアドバイザーを関連付けてもよい。例えば、図25のようなリストを作成してもよい。
情報生成部は、表示装置が、利用者が興味を有する順序で分野を列挙できるように、前記リストを、表示装置に表示してもよいし、表示装置に送信してもよい。利用者が興味を有する順序で分野を列挙されることで、利用者はより適切なアドバイザーへのアクセスが容易になる。特に、表示画面の面積が小さい携帯端末装置において表示される場合、より利用者の利便性が向上する。
2.5.表示部
表示部は、計算部で計算された情報、又は、情報生成部で生成された情報を、表示する機能を有する。表示部は、情報生成部と同一の情報処理装置であってもよいし、異なる情報処理装置であってもよい。
3.サービスの提供時に行われる動作
次に、本願システムの一例を説明する。
3.1.例1
図26は、本願発明の一実施例に係るシステムにより行われる動作の具体例を示すフロー図である。
ステップ(以下「ST」という。)101では、情報処理装置10において、家計簿データベースから取得した家計簿情報を取得する。また、ST101では、情報の取得にあたり、情報を加工してもよい。ST101では、家計簿補助情報、設定情報を取得してもよい。これらの情報の取得の順序には、特に制限がなく、どのような順序で取得してもよい。
例えば、情報処理装置10は、利用者Aに関し、2015年1月1日から、2017年9月31日までの家計簿情報を取得する、などの例が挙げられる。当該家計簿には、毎月の収入の情報のほか、食費、水道光熱費、保険、住宅費、などの項目に関して、各月の支出の情報の一部又は全部が含まれているとする。
図27乃至図31は、家計簿補助情報の取得の一例である。家計簿補助情報は、家計簿情報の欠けた情報又は補足情報として、有用となる。図27乃至図31の入力画面の一例において、例えば、図14の情報の一部を、各項目と関連付けて提示した場合、利用者が有用な情報を得たり、楽しみながら、入力をすることが可能である。上述したとおり、家計簿補助情報を取得した場合であっても、家計簿情報を取得した場合は、家計簿情報に基づいて、ライフプランシミュレーションを実施してもよい。
ST102では、計算部が、ライフプランシミュレーションを計算する。まず、計算部は、利用者のライフプランシミュレーションの計算に係る終期である寿命又は余命を計算する。これは、現在の利用者の年齢に対応する寿命又は余命を計算する。その後、当該寿命又は余命に至るまで、ライフプランシミュレーションに係る収入及び支出を計算する。
例えば、利用者Aは、統計情報と現在の年齢に基づいて、余命30年であると計算される。このとき、例えば、図11のようなテーブルを用いてもよい。そして、2015年1月1日から、2017年9月31日までの家計簿情報に基づいて、当該30年分の収入と支出の計算をし、収入から支出を減算して、収支を計算する。当該収支によって、利用者が、現在の生活の収入と支出に基づいて生活を継続した場合に、収支がどのようになるかを理解することができる。
当該30年分の収入と支出の計算における収入と支出は、2015年1月1日から2017年9月31日までの家計簿情報における収入の平均値及び支出の平均値としてもよいし、当該平均値に、年齢に応じた一定の増減率を乗じた値としてもよい。例えば、2015年1月1日から2017年9月31日までの家計簿情報における収入の月当たりの平均値が30万円であり、利用者Aのこの時点の年齢が33歳であるとする。また利用者Aは職業Bであるとする。職業Bにおける33歳時点の増減率が、図3のようなテーブルにおいて、1.5であるとすると、利用者Aの基本月給が、30/1.5=20により、20万円であると計算される。そこで、図3のテーブルに保持された33歳以降の各年齢の増減率と20を乗じることで、利用者Aの各年齢の月給を計算することができる。このような計算によって、余命30年間分のうち、定年に至るまでの各月の予測収入を計算することができる。定年以降は、図4のような職業に対応する年金月額で、各月の予測収入として計算する。ここで、予め定年の年齢は管理者によって定められてもよいし、利用者が設定してもよい。定年の時点で、図5のテーブルにあるような、退職一時金を取得するよう構成してもよい。
支出に関しても、同様に計算する。例えば、生活費が現在13万円であり、図11のようなテーブルにおいて、生活費の33歳時点の増減率が1.3であるとすると、利用者Aの生活費の基本が13/1.3=10として計算される。そのため、33歳以降の各年齢の増減率と10を乗じた額が、各年齢の生活費として計算される。このとき、一緒に生活をする者の数に応じて、対応する人数における増減率を適用してもよい。すなわち、現時点で、2名で暮らしている場合、2名における増減率で除算して生活費の基本を計算する。このように人数に対応する生活費の増減率を適用することにより、例えば、将来子供を持つ予定の場合、その予定時期に、人数を増やし、子供が生まれてから子供が独立するまでの間は増えた人数で維持し、子供が独立する年齢において、一緒に住む人数を減らすというよう処理が可能である。このような操作をした場合、生活費の算出が、住む人数に適合した人数とすることができる。また、上記の支出に対して、利用者の希望に応じて、図8のような生活スタイルの係数を乗じることで、利用者が今後どのような生活を考えているかに合わせたライフプランシミュレーションをすることが可能となる。
また、子供を持つ場合/持つ予定の場合、子供の年齢に応じて、図6のような教育機関の各費用も支出として計算する。
また、夢の職業が設定されている場合、職業に対応する費用も、支出として計算する。このとき、図7のようなテーブルに基づいて、計算する。ここで、費用は、職業毎に、毎月の費用、年毎又は全体の費用が定められてもよい。全体の費用とは、例えば子供が独立するまでの全ての費用を一括で定められていることである。また、費用は、より具体的に、職業毎に加えて、年齢毎に、毎月の費用又は年毎の費用が定められてもよい。この場合、年齢毎に、特定の職業に就くための、レッスン費用や道具代などが必要されるため、現在既に子供がある程度の年齢である場合、今後の年齢に応じた必要な額をより具体的に計算できる利点がある。
自動車の購入予定がある場合、図9のような自動車に関連する費用も、当該購入予定時期に支出として、追加する。
また、上記とは別に、既に自動車を利用している情報が家計簿情報にあれば、今後も自動車の利用が考えられることから、上述の生活費の計算のように、平均値を算出して、将来の支出として、計算することができる。
また、旅行の予定がある場合、図10のようなテーブルに基づき、旅行予定時期に、対応する費用を、支出として、追加する。この場合、毎年、又は半年ごと、のように、繰り返し費用を支出として追加するようにしてもよい。
以上では、将来の収入又は支出の計算を、家計簿情報の平均値として利用することを説明した。しかし、家計簿情報の収入又は支出に基づいて、特定の算術式を用いて、将来の収入又は支出を計算してもよい。これは、過去の家計簿情報の収入又は支出が一定ではなく、増減がある場合、より増減に合わせた形で将来の収入又は支出を計算できる利点がある。当該算術式には、上述の通り、最小二乗法、ニュートン法、ラグランジェ補間などを用いてもよい。
また、平均値を用いるか、その他の算術式を用いるのかは、項目に応じて、異なる手法で計算してもよい。例えば、収入(及び一部の支出)は、平均値又は平均値に増減率を乗じた値とし、一部又は全部の支出は算術式に基づいて計算してもよい。
また、計算部は、貯蓄率の期間の分のライフプランシミュレーションの収支を計算する。今年貯蓄率又は今年必要貯蓄率を計算する場合には、1年間分の収入及び支出も計算し、収支を計算する。
ライフプランシミュレーションに係る上記の複数の項目の計算順序は、どのような順序で計算されてもよい。
また、ライフプランシミュレーションに係る収支の計算方法として、計算部は、各月の収入及び支出を計算し、各月の収支を計算して、これらの収支の合計を計算してもよいし、各月の収入及び支出を計算した後で、収入及び支出の合計を計算した上で、収入合計から支出合計を減算して、収支を計算してもよい。
また、合計値を計算するための合計変数を用意し、各月の収入及び支出を計算して、各月の収入及び支出を計算する度に、既に合計変数内の値と加算して、前記合計変数に代入するという累積計算をしてもよい。
また、ST102において、計算部は、上記の支出に対して、金融資産を有していれば、金融資産を加算し、負債を有していれば、負債を計算し(負債分の額を減算し)、支出を計算する。
ST103では、情報生成部が、貯蓄及び/又はアドバイザーを選定するための情報を計算する。
貯蓄として、今年貯蓄率、又は今年貯蓄額を計算する場合は、上記のライフシミュレーションのうち、1年分の収入と支出を計算し、これに基づき、算出する。今年必要貯蓄率を計算する場合は、上記の支出を寿命又は余命で除算し、必要貯蓄年額を計算し、上記の今年貯蓄率の分子に利用する。
アドバイザーを選定するための情報は、上述のとおり、利用者の家計簿情報に基づいて、アドバイザーが強みを有する分野に係る項目の支出を計算し、当該支出と閾値とを比較することで、利用者が当該分野に興味を有するかどうかを判定することができる。また、当該支出と閾値との差分の大きな方から、利用者がより興味を有すると判定し、当該差分の大きな方から順位を定めて、アドバイザーを選定する情報を生成してもよい。
また、相続に関しては、支出に代えて、収支を用いて、上述の計算をすることができる。
また、アドバイザーを選定するための情報は、利用者の家計簿情報に加えて又は代えて、ライフプランシミュレーションによって計算された将来の収入及び/又は支出を用いて、計算してもよい。すなわち、特定の項目に関し、ライフプランシミュレーションによって計算された将来の収入及び/又は支出における、年又は月等の特定の単位における金額と、同じ単位における閾値とを比較し、当該金額が高ければ、利用者が当該項目に関し興味があると判定してもよい。また、当該金額と対応する閾値との差分が大きいものについて、利用者の興味が強いと判定し、当該差分が大きいもの順に、アドバイザーを選定するための情報として利用してもよい。
なお、金額と閾値との差分が大きい場合とは、支出から閾値の金額を減算することで、所定の閾値よりも支出が大きいため、この支出をどのように小さくすることが可能であるかという点で、アドバイザーの助言が必要になることを意味する場合もあるし、収支が閾値よりも大きいことで、大きな財産をどのように管理することが好ましいかという点について、アドバイザーの助言が必要になる場合もある。
この場合も、上述と同様に、アドバイザーが強みを有する分野に係る項目の支出を計算し、当該支出と閾値とを比較することで、利用者が当該分野に興味を有するかどうかを判定することができる。また、当該支出と閾値との差分の大きな方から、利用者がより興味を有すると判定し、当該差分の大きな方から順位を定めて、アドバイザーを選定する情報を生成してもよい。
ST104では、情報生成部が有する今年貯蓄率又は今年必要貯蓄率などの貯蓄を、利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信する。前記利用者が使用する情報処理装置の表示部では、貯蓄を表示する。例えば、図32のように、今年貯蓄率、今年貯蓄額、今年必要貯蓄率、今年必要貯蓄額、又は追加で必要な貯蓄額を表示してもよい。
ここでは、今年貯蓄額として年間-30万円という数値と、今年必要貯蓄率として-3%というパーセンテージの両方を提示しているが、いずれか一方であってもよいし、また、割合などで表示してもよい。要するに、今年貯蓄される量が表示さればよい。今年貯蓄される量が表示されることで、現在のライフスタイルの評価が可能である。また、利用者は、今年貯蓄される量が表示されることで、今年貯蓄できる金額を実感することができる。
また、ここでは、今年必要貯蓄額として年間250万円という数値と、今年必要貯蓄率として25%というパーセンテージの両方を提示しているが、いずれか一方の表示であってもよいし、また、割合などで表示してもよい。要するに、今年必要な貯蓄分が表示されればよい。今年必要な貯蓄量が表示されることで、現在のライフスタイルの評価が可能である。また、利用者は、今年必要な貯蓄量が表示されることで、貯蓄に関した実感を得ることができる。
なお、図32では、今年貯蓄率、今年貯蓄額、今年必要貯蓄率、及び今年必要貯蓄額の全てが提示されているが、一部が表示される態様でもよい。上述の通り、今年貯蓄率又は今年貯蓄額が提示されれば、利用者は、今年貯蓄される量を実感できる。また、今年必要貯蓄率又は今年必要貯蓄額が表示されれば、利用者は、今年必要な貯蓄量を実感できる。
また、図32においては、さらに、追加で必要な貯蓄額として8万円という数値も提示している。これは、生涯の収支を、月額で除算した値である。ここで月額は、定年年齢から現在の年齢を減じた値に12を乗じたものである。生涯の収支は、ライフプランシミュレーションで計算した収支である。すなわち、寿命までの収入から、寿命までの支出を減算した収支である。また、寿命までの収入に金融資産などの現在の保有資産を加算したものから、負債と寿命までの支出を減算したものでもよい。この生涯の収支が、負数の場合には、上記の12に代えて、-12を乗じてもよい。これにより、将来の収支が負数の場合に、月当たりの必要な金額を正数で算出できる。すなわち、上記の計算は、現在から定年までの間の(年金と比較して)多い収入を得られる期間の月数で、除算することで、一月当たりに貯蓄すべき金額を算出したものである。当該月数で提示されることにより、利用者は、より具体的な貯蓄のイメージを得ることができる。なお、月数で表示される態様の代わりに、上記月額当たりの貯蓄と同様の計算をする(月額で得た上記の結果に、それぞれ以下の月数を乗じる)ことで、二ヶ月当たりの貯蓄額、三カ月当たりの貯蓄額、四ヶ月当たりの貯蓄額など、計算して、提示する態様であってもよい。また、3年後必要貯蓄年額として、現在の年齢に代えて、現在の年齢に3歳を加算したものを上記の計算で使用して、算出してもよい。この場合、現在は貯蓄せずに、3年後から、貯蓄を加算した場合の計算が可能である。この場合、利用者は、現在貯蓄せずに3年後から貯蓄を開始した場合にどの程度必要な貯蓄分量が増加するかを理解することができる。同様に、5年後必要貯蓄額として、現在の年齢に代えて、現在の年齢に5歳を加算したものを上記の計算で使用して、算出してもよい。この場合、現在は貯蓄せずに、5年後から、貯蓄を加算した場合の計算が可能である。この場合、利用者は、現在貯蓄せずに5年後から貯蓄を開始した場合にどの程度必要な貯蓄分量が増加するかを理解することができる。
ST104では、情報生成部年代別の貯蓄率及び/又は平均貯蓄率に基づく評価を、利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信するよう構成してもよい。前記利用者が使用する情報処理装置の表示部では、貯蓄率及び/又は平均貯蓄率を表示するよう構成してもよい。
年代別の貯蓄率の一例は、図32である。年代別の貯蓄率は、上述の今年貯蓄率に代えて、各年代の貯蓄率を計算するよう構成される。すなわち、30代は、30歳から39歳、40代は、40歳から49歳、50代は50歳から59歳、60代は60歳から69歳、70代は、70歳から79歳の各10年間を対象として、貯蓄率を計算する。具体的には、現在から各年代の終期までの間の収入を分母として、現在から各年代の終期までの収支を分子とする。年代別の貯蓄率を示す構成とされた場合、利用者は、将来の年代毎に関しても評価ができるようになる。
また、平均貯蓄率に基づく評価を示す情報を生成してもよい。例えば、貯蓄率と平均貯蓄率との関係に基づいて、評価を示す情報を生成してもよい。例えば、ランク1を、貯蓄率が、0の場合とし、ランク2を、貯蓄率が、0以上で平均貯蓄率の0.7倍未満の場合であるとし、ランク3を、貯蓄率が、平均貯蓄率の0.7倍以上で平均貯蓄率の1.3未満の場合であるとし、ランク4を、貯蓄率が、平均貯蓄率の1.3以上で平均貯蓄率の1.5倍未満であるとし、ランク5を、貯蓄率が、平均貯蓄率の1.5倍以上であるとする、などのように設定してもよい。平均貯蓄率は、統計情報を用いてもよいし、管理者が設定して値を用いてもよい。各ランクに合わせた評価を提示する場合、高いランクである場合には肯定的評価であることを示す情報を生成し、低いランクである場合には否定的評価であることを示す情報を生成してもよい。例えば、評価を星印で表す場合、高いランクの場合は、低いランクと比べて、星の数を多くすることで、肯定的評価を示すよう構成してもよい。平均貯蓄率に基づく評価を提示できる構成の場合、利用者は、平均の貯蓄率と対比して、自らのライフスタイルを評価できるようになる。
ST105では、情報生成部が有するアドバイザーを選定するための情報を、利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信する。前記利用者が使用する情報処理装置の表示部では、アドバイザーを選定するための情報を表示する。なお、ST105の表示は、ST104の表示と同時に行ってもよいし、ST104の表示よりも前に表示してもよい。アドバイザーを選定するための情報が提示された場合、利用者は、自分のライフスタイルにより適切なアドバイザーの選択が容易になる。
ST106において、利用者が利用する情報処理装置から、選択されたアドバイザーの情報を取得した場合、前記アドバイザーに対して、利用者によって前記アドバイザーが選択されたことを、送信する。このとき、利用者に関する情報及び/又は具体的なアドバイスの打合せに関する情報も送信されてもよい。例えば、利用者に関する情報として、利用者が興味を有する分野、家計簿情報の一部又は全部、及び/又は利用者のコメントなどが送信されてもよい。打ち合わせに関する情報として、打ち合わせの日時、場所、などの情報が送信されてもよい。アドバイザーに関連する情報がやりとりされる場合、利用者は、よりアドバイザーからアドバイスを受けることが容易になる。
3.2.例2
図33は、例1におけるライフプランシミュレーションを実施した後、当該ライフプランシミュレーションの実施時期と重複する時期における家計簿情報から得られた実測値と、ライフプランシミュレーションの予測値とを、比較する例である。
ST201では、ST102で行ったシミュレーションの期間の一部に相当する期間に関する家計簿情報を取得する。例えば、ST102では、2017年10月1日から30年間分のライフプランシミュレーションを実行したところ、この期間の一部である、2017年10月1日から2018年3月31日までの家計簿情報を取得する。
ST202において、計算部は、シミュレーションの期間の一部における家計簿情報の収入と支出から、収支を計算する。例えば、2017年10月1日から2018年3月31日の重複特定期間までにおける各時期の収入と支出を計算し、前記収入から前記支出を減算して、前記各時期における支出を計算した後で、これらの支出の合計を収支として計算してもよいし、重複特定期間における収入の合計と支出の合計を計算し、前記収入の合計から前記支出の合計を減算し、収支を計算してもよい。
ST203において、計算部は、過去特定期間の家計簿情報に基づき、重複特定期間におけるシミュレーションを行う。すなわち、重複特定期間における収入と支出を計算し、収支を計算する。収支は、上記同様、重複特定期間における各時期の収入と支出を計算し、前記収入から前記支出を減算して、前記各時期における支出を計算した後で、これらの支出の合計を計算してもよいし、重複特定期間における収入の合計と支出の合計を計算し、前記収入の合計から前記支出の合計を減算し、収支を計算してもよい。
例えば、上記の例においては、重複特定期間は、2017年10月1日から2018年3月31日であるため、2017年9月31日以前の情報、例えば、2015年1月1日乃至2017年9月31日までの家計簿情報を用いて、2017年10月1日から2018年3月31日分のシミュレーションの収入と支出を計算して、収支を計算する。
このとき、既に2017年10月1日から2018年3月31日分のライフプランシミュレーションの収入と支出が計算されていれば、これらの値を利用してもよい。
ST204において、情報生成部は、重複特定期間における現実の家計簿情報に基づく収支と、将来特定期間におけるST202で計算されたシミュレーションの収支を用いて、変化情報を生成する。例えば、現実の家計簿情報に基づく収支である実測収支と、シミュレーションの予測収支の両方の数字を、そのまま示してもよいし、これらの数字に基づき計算された結果を示してもよい。
ST205では、情報生成部が有する変化情報を、利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信する。前記利用者が使用する情報処理装置の表示部では、上記判定の結果を表示する。
ST204において、情報生成部が、現実の家計簿情報に基づく収支を、シミュレーションの収支で除算して、割合とした値を生成した場合、ST205において、当該値を利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信し、前記利用者が使用する情報処理装置の表示部が、前記値を表示してもよい。この場合、シミュレーションの予測と対比し、実際の家計簿情報がどの程度であったのかを利用者に提示することができ、利用者が生活を見直す機会を提供できる。
また、ST204において、情報生成部が、現実の家計簿情報に基づく特定の項目に関する収支を、シミュレーションに基づく特定の項目に関する収支で除算して、割合とした値を生成した場合、ST205において、当該値を利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信し、前記利用者が使用する情報処理装置の表示部が、前記値を表示してもよい。この場合、シミュレーションの予測と対比し、実際の家計簿において、特定の項目がどの程度であったのかを利用者に提示することができ、利用者が、特定の項目ごとに生活を見直す機会を提供できる。
例えば、重複特定期間における家計簿情報に基づく実測収支が10万円である一方、重複特定期間におけるシミュレーションによる予測収支が20万円である場合、予測よりも10万円低くなっている。このとき、予測よりも10万円低いという事実を提示してもよいし、実測収支の10万円と予測収支の20万円の二つの情報を提示してもよいし、実測収支の10万円を予測収支の20万円で除した1/2という分数で表示してもよいし、これをさらに割合で示した50%を示してもよい。
3.3.例3
次の例は、年金開始年齢を複数設定する例である。年金開始年齢を複数設定した場合、年金開始年齢の違いによるライフプランへの影響を理解することが容易になる。
ST301及びST302は、ST101及びST102と同様に行われ、家計簿情報に基づいて、ライフプランシミュレーションが実施される。
ST303において、ライフプランシミュレーションの計算結果を、利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信する。前記利用者が使用する情報処理装置の表示部では、上記結果を表示する。
ライフプランシミュレーションの結果は、各年齢における収入、支出、収支(貯蓄)の一部又は全部を含んでよい。例えば、図35のように、各年齢に対応して、収入、支出、収支を提示するようにしてもよい。これらは、棒グラフによって、各年齢に対応して表示される態様であってもよい。
次に、ST304において、さらに、他の年金開始年齢を取得する。
次に、ST305において、ST102と同様に、ライフプランシミュレーションを実施する。なお、この場合、年金開始年齢までの計算は、前に計算したライフプランシミュレーションの結果を利用してもよい。
ST306において、他の年金開始年齢の場合における、ライフプランシミュレーションの結果を利用者が利用する情報処理装置で表示するために、利用者が利用する情報処理装置に送信する。前記利用者が使用する情報処理装置の表示部では、上記結果を表示する。
なお、ST306におけるライフプランシミュレーションの結果として、ST305で計算されたライフプランシミュレーションの結果と共に、ST303で計算されたライフプランシミュレーションの結果の両方が用いられるとのように、複数の年金開始年齢に合わせた、複数のライフプランシミュレーションの結果が表示されるよう構成されてもよい。複数の年金開始年齢に合わせたライフプランシミュレーションが提示された場合、利用者は、年金開始年齢が自分のライフプランに与える影響をより検討しやすくなる。
本願明細書の実施例において述べた例は、種々の例に適用できることはいうまでもない。
また、本明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものである。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。