(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域Yが形成されている。この遊技領域Yには、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域Yを開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域Yを透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域Yの左側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
また、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの下方には、遊技領域の右方を狙って発射操作を行う右打ち操作を促すための右打ち表示器26が設けられている。なお、右打ち表示器26は、例えば、LEDによって構成され、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)によって点灯制御される(図2参照)。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
また、例えば、画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示を表示するための表示エリアが設けられている。本実施の形態では、第1特図の可変表示に対応する保留表示を表示するための第1保留表示領域5Aと、第2特図の可変表示に対応する保留表示を表示するための第2保留表示領域5Bとが設けられている。なお、画像表示装置5の画面上には、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
また、画像表示装置5の右方には、右打ち操作を促すための右打ち報知用LED37が設けられている。なお、右打ち報知用LED37は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120によって点灯制御される(図2参照)。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、第1始動入賞口を有する入賞球装置6Aが設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
画像表示装置5の右方には、通過ゲート41が設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、ゲートスイッチ21によって検出される。
通過ゲート41の下方には、大入賞口702Aを形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の大入賞口扉702Bを、前後方向に進退移動させることにより、大入賞口扉702Bの下方に位置する大入賞口702Aに遊技球が入賞可能な第1状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な第2状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特別可変入賞球装置7は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する大当り遊技状態において、大入賞口扉702Bを後方に向けて後退移動させた第2状態から大入賞口扉702Bを前方に向けて前進移動させ、入賞領域となる大入賞口702Aを第1状態とする開放制御を実行する。
特別可変入賞球装置7の下方には、小当り用の特殊入賞口703Aを形成する特殊可変入賞球装置17と、第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bとが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置17が配置され、その右上に隣り合うように可変入賞球装置6Bが配置されている。これら特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の始動入賞口扉701Bや特殊入賞口扉703Bを前後方向に進退移動させることにより、特殊入賞口扉703Bの下方に位置する特殊入賞口703Aや始動入賞口扉701Bの下方に位置する第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な第1状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な第2状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。
特殊可変入賞球装置17は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、特殊入賞口扉703Bを前方に向けて前進移動させた第2状態から特殊入賞口扉703Bを後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口703Aを第1状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置6Bは、普通図柄表示器20に当り図柄が導出表示されたときに、始動入賞口扉701Bを前方に向けて前進移動させた第2状態から始動入賞口扉701Bを後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口を第1状態とする開放制御を実行する。
また、本実施の形態では、可変入賞球装置6Bと比較して特殊可変入賞球装置17の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bは大入賞口扉702Bが右上から左下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6B上の遊技球は、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6Bが第2状態であれば特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6B上を右上から左下に向けて移動して行く。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置17と可変入賞球装置6Bとは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置7に入賞することなく可変入賞球装置6B上に落下した遊技球は、可変入賞球装置6Bの大入賞口扉702Bが後退移動されて第2始動入賞口が第1状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口に入賞し、特殊可変入賞球装置17の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口が第1状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置6Bの大入賞口扉702Bの上を移動して特殊可変入賞球装置17の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置17の大入賞口扉702Bが後退移動されて特殊入賞口703Aが第1状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口703Aに入賞する。さらに、特殊入賞口703Aも第1状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置17の大入賞口扉702Bの上を通過することになる。
また、本実施の形態では、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bには、大入賞口扉702B上を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片が形成されている。本実施の形態では、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bにおいて規制片が設けられていることによって、左上から右下方向または右上から左下方向に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片がない場合よりも遅延させる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置17が左側に配置され、可変入賞球装置6Bが右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bの大入賞口扉702Bが右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、大入賞口扉702Bが後退しておらず第2状態である場合には可変入賞球装置6Bの方から特殊可変入賞球装置17の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置6Bの方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置17の方が下流側に設けられているといえる。
大入賞口702A内には、大入賞口702A内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第1カウントスイッチ23)が設けられている。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7が開放制御されて大入賞口702Aが第1状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7が閉鎖制御されて大入賞口702Aが第2状態となれば、大入賞口702Aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
特殊入賞口703A内には、特殊入賞口703A内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ24)が設けられている。第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置17において第1状態となった特殊入賞口703Aを遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口702Aに遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば第1始動入賞口1や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置17が開放制御されて特殊入賞口703Aが第1状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置17が閉鎖制御されて特殊入賞口703Aが第2状態となれば、特殊入賞口703Aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口内には、第2始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ22Bが設けられている。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、入賞球装置6Cの第2始動入賞口内には、第2始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ22Cが設けられている。第2始動口スイッチ22Cによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、このパチンコ遊技機1では、通過ゲート41、特別可変入賞球装置7(大入賞口702A)、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)、入賞球装置6Cおよび特殊可変入賞球装置17(特殊入賞口703A)が遊技領域の右方に設けられているので、大当り遊技中やKT状態(いわゆる小当りタイム)中である場合には、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
なお、このパチンコ遊技機1では、通過ゲート41を遊技球が通過したことにもとづいて普通図柄の可変表示が実行されることから、通過ゲート41は普通始動領域としての役割を担っているのであるが、大当り図柄が導出表示された場合にも通過ゲート41を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に移行するので、通過ゲート41は作動領域としての役割も担っている。従って、通過ゲート41は、普通始動領域と作動領域との両方の役割を担う兼用ゲートとして構成されている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果LED9が設けられている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体を有する第1演出装置500及び第2演出装置800が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31が設けられている。プッシュボタン31に対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、プッシュボタン31が設けられるが、プッシュボタン31以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
このパチンコ遊技機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、左打ち操作を行い、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
第1特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。なお、第1特図ゲームであっても、極低い割合で小当り図柄が停止表示され、「小当り」となる場合があるように構成してもよい。
第1特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口702Aが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口702Aに進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口702Aを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口702Aが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口702Aに進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口702Aの開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、確変状態(高確率状態)、KT状態、高ベース状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、確変状態やKT状態、高ベース状態に制御されることがある。
確変状態(確率変動状態)では、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
KT状態では、通常状態よりも小当りになりやすいKT制御が実行される。このパチンコ遊技機1では、小当り遊技状態でもある程度の賞球を得ることができるので、大当り遊技状態と比べると得られる賞球が少ないが遊技者にとって有利な状態である。
高ベース状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行され(時短状態)、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。高ベース状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態やKT状態、高ベース状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、確変状態、KT状態、高ベース状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
大当り遊技を終了し、遊技状態が確変状態やKT状態、高ベース状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
第2特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
第2特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第2特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
小当り遊技状態では、特殊可変入賞球装置17により形成される特殊入賞口703Aが所定の開放態様で開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口702A内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果LED9の点等/消灯、第1演出装置500や第2演出装置800の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、駆動/発光制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ(第1カウントスイッチ23および第2カウントスイッチ24))からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82、ソレノイド83をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉702B用のソレノイド82、特殊入賞口703A用のソレノイド83に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口702Aの開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、プッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果LED9および右打ち報知用LED37の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、LED信号(LEDの点灯/消灯態様を指定する信号)を駆動/発光制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、後述する演出体302、第1可動体501、第2可動体800L,800Rを動作させる信号を当該演出体302、第1可動体501、第2可動体800L,800R又は当該演出体302、第1可動体501、第2可動体800L,800Rを駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
駆動/発光制御基板14は、遊技効果LED9や右打ち報知用LED37を駆動する各種回路を搭載しており、当該LED信号に基づき遊技効果LED9や右打ち報知用LED37を駆動し、当該LED信号が指定する態様で遊技効果LED9や右打ち報知用LED37を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、LEDの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、LEDの点灯/消灯の制御(音指定信号やLED信号の供給等)、演出体302、第1可動体501、第2可動体800L,800Rの制御(演出体302、第1可動体501、第2可動体800L,800Rを動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、LED信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、駆動/発光制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
図3は、駆動/発光制御基板14における信号の流れを示すブロック図である。演出制御基板12の演出制御用CPU120から振動用モータ312を駆動させるための制御信号が出力された場合、該制御信号が入力される駆動/発光制御ドライバ900は、論理回路(ゲート回路901および集積回路902)へ駆動信号を出力するよう構成されている。論理回路(ゲート回路901および集積回路902)は、振動用モータ312を駆動させるための回路である。
具体的には、図4に示すように、演出制御用CPU120から振動用モータ312を駆動させるための制御信号が入力される駆動/発光制御ドライバ900からは、第1信号および第2信号がゲート回路901に対して出力される。ゲート回路901は、3つのNAND回路が組み合わされて構成されている。図示するように、第1信号が入力端子AおよびBのいずれにも入力されるように接続された第1NAND回路901Aと、第2信号が入力端子Aに入力されるよう接続されるとともに、第1NAND回路901Aの出力信号が入力端子Bに入力されるよう接続された第2NAND回路902Bと、第2NAND回路902Bの出力信号が入力端子AおよびBのいずれにも入力されるように接続された第3NAND回路901Cとが設けられている。そして、第3NAND回路901Cの出力信号が集積回路902に入力されるように接続されるとともに、該集積回路902の出力信号が信号用モータ312へ入力されるよう接続されている。
図5は、各NAND回路901A~901Cおよび集積回路902の入出力信号の論理を示す説明図である。
図示するように、振動用モータ312を動作させないとき(具体的に、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されないとき)に駆動/発光制御ドライバ900からHレベル(図中「1」)の第1信号が出力され、振動用モータ312を動作させるとき(具体的に、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されたとき)に駆動/発光制御ドライバ900からLレベル(図中「0」)の第1信号が出力される。
また、駆動/発光制御ドライバ900が正常に動作しているときには該駆動/発光制御ドライバ900からHレベルで固定された第2信号が出力される。駆動/発光制御ドライバ900が故障するなど、何かしらのエラーが発生したときには該駆動/発光制御ドライバ900からLレベルの第2信号が出力されることがある。つまり、第2信号は演出制御用CPU120からの制御信号にかかわりない挙動を示す信号である。
振動用モータ312は、入力信号を逆論理に変換する回路と該回路からの信号により駆動する駆動部分とが組み込まれており、該振動用モータ312へ入力される信号がLレベルであるときに動作(振動)し、該振動用モータ312へ入力される信号がHレベルであるときに停止するよう構成されたモータである。
集積回路902は、Hレベルの信号が入力された場合にLレベルの信号を出力し、Lレベルの信号が入力された場合にHレベルの信号を出力する回路である。また、集積回路902は、図4に示すように、入力に関する動作電圧は5Vであるのに対し、出力に関する動作電圧は18Vである。
図5に示すように、駆動/発光制御ドライバ900が正常に動作しているか否か、および演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されるか否かの組み合わせによって4パターンの制御が行われる。
まず、駆動/発光制御ドライバ900が正常に動作しており、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されない第1のパターンについて説明する。
演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されないときは、駆動/発光制御ドライバ900からHレベルの第1信号が出力されることから、第1NAND回路901Aの入力端子AおよびBにはHレベルの第1信号が入力される。これにより、第1NAND回路901Aの出力端子ZからはLレベルの信号が出力される。
第1NAND回路901Aの出力端子Zからの出力信号は第2NAND回路901Bの入力端子Bへ入力されるとともに、第2NAND回路901Bの入力端子Aへは駆動/発光制御ドライバ900から出力されたHレベルの第2信号が入力されることから、第2NAND回路901Bの出力端子ZからはHレベルの信号が出力される。
第2NAND回路901Bの出力端子Zからの出力信号は第3NAND回路901Cの入力端子AおよびBへ入力されることから、第3NAND回路901Cの出力端子ZからはLレベルの信号が出力される。
第3NAND回路901Cの出力端子Zからの出力信号は集積回路902の入力端子へ入力されることから、集積回路902の出力端子からはHレベルの信号が出力される。
集積回路902の出力端子からのHレベルの出力信号は振動用モータ312へ入力されることから、振動用モータ312は動作せずに停止することとなる。
次に、駆動/発光制御ドライバ900が正常に動作しており、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力された第2のパターンについて説明する。
演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されたときは、駆動/発光制御ドライバ900からLレベルの第1信号が出力されることから、第1NAND回路901Aの入力端子AおよびBにはLレベルの第1信号が入力される。これにより、第1NAND回路901Aの出力端子ZからはHレベルの信号が出力される。
第1NAND回路901Aの出力端子Zからの出力信号は第2NAND回路901Bの入力端子Bへ入力されるとともに、第2NAND回路901Bの入力端子Aへは駆動/発光制御ドライバ900から出力されたHレベルの第2信号が入力されることから、第2NAND回路901Bの出力端子ZからはLレベルの信号が出力される。
第2NAND回路901Bの出力端子Zからの出力信号は第3NAND回路901Cの入力端子AおよびBへ入力されることから、第3NAND回路901Cの出力端子ZからはHレベルの信号が出力される。
第3NAND回路901Cの出力端子Zからの出力信号は集積回路902の入力端子へ入力されることから、集積回路902の出力端子からはLレベルの信号が出力される。
集積回路902の出力端子からのLレベルの出力信号は振動用モータ312へ入力されることから、振動用モータ312は動作(振動)することとなる。
また、駆動/発光制御ドライバ900が故障しており、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されない第3のパターンについて説明する。
演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されないときは、駆動/発光制御ドライバ900からHレベルの第1信号が出力されることから、第1NAND回路901Aの入力端子AおよびBにはHレベルの第1信号が入力される。これにより、第1NAND回路901Aの出力端子ZからはLレベルの信号が出力される。
第1NAND回路901Aの出力端子Zからの出力信号は第2NAND回路901Bの入力端子Bへ入力されるとともに、第2NAND回路901Bの入力端子Aへは駆動/発光制御ドライバ900から出力されたLレベルの第2信号が入力されることから、第2NAND回路901Bの出力端子ZからはHレベルの信号が出力される。
第2NAND回路901Bの出力端子Zからの出力信号は第3NAND回路901Cの入力端子AおよびBへ入力されることから、第3NAND回路901Cの出力端子ZからはLレベルの信号が出力される。
第3NAND回路901Cの出力端子Zからの出力信号は集積回路902の入力端子へ入力されることから、集積回路902の出力端子からはHレベルの信号が出力される。
集積回路902の出力端子からのHレベルの出力信号は振動用モータ312へ入力されることから、振動用モータ312は動作せずに停止することとなる。
最後に、駆動/発光制御ドライバ900が故障しており、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力された第4のパターンについて説明する。
演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されたときは、駆動/発光制御ドライバ900からLレベルの第1信号が出力されることから、第1NAND回路901Aの入力端子AおよびBにはLレベルの第1信号が入力される。これにより、第1NAND回路901Aの出力端子ZからはHレベルの信号が出力される。
第1NAND回路901Aの出力端子Zからの出力信号は第2NAND回路901Bの入力端子Bへ入力されるとともに、第2NAND回路901Bの入力端子Aへは駆動/発光制御ドライバ900から出力されたLレベルの第2信号が入力されることから、第2NAND回路901Bの出力端子ZからはHレベルの信号が出力される。
第2NAND回路901Bの出力端子Zからの出力信号は第3NAND回路901Cの入力端子AおよびBへ入力されることから、第3NAND回路901Cの出力端子ZからはLレベルの信号が出力される。
第3NAND回路901Cの出力端子Zからの出力信号は集積回路902の入力端子へ入力されることから、集積回路902の出力端子からはHレベルの信号が出力される。
集積回路902の出力端子からのHレベルの出力信号は振動用モータ312へ入力されることから、振動用モータ312は動作せずに停止することとなる。
このように、駆動/発光制御ドライバ900が正常に動作しており、演出制御用CPU120から駆動/発光制御ドライバ900に対して振動用モータ312を動作させる制御信号が入力されたときのみ、振動用モータ312が動作するようになっており、振動用モータ312の動作異常の発生を抑制することができる。
ここで、各演出部材の動作電圧について説明する。図4に示すように、各部材に電源電圧を供給する電源基板700は、演出制御基板12に設けられた電圧生成回路701に接続され、該電圧生成回路701は電源基板700から供給される電源電圧から振動用モータ312の動作電圧(18V)を生成する。なお、振動用モータ312の動作電圧(18V)は集積回路902を介して振動用モータ312に供給される。
また、駆動/発光制御基板14に設けられた電圧生成回路702は、電圧生成回路701から供給される18Vの電圧から駆動/発光制御ドライバ900の動作電圧(5V)を生成する。
また、駆動/発光制御基板14に設けられた電圧生成回路703は、電圧生成回路701から供給される18Vの電圧から回転用モータ310の動作電圧(12V)を生成する。なお、回転用モータ310の動作電圧(12V)は集積回路903を介して回転用モータ310に供給される。
このように、振動用モータ312の動作電圧から駆動/発光制御ドライバ900および回転用モータ310の動作電圧が生成されるよう構成されている。
また、図3に示すように、演出制御基板12から演出用LED313を発光させるための制御信号が出力された場合、該制御信号が入力される駆動/発光制御ドライバ900は、演出用LED313へ発光制御信号を出力するよう構成されている。
図6に示すように、演出用LED313は、赤色発光素子313A、青色発光素子313B、および緑色発光素子313Cから構成される、いわゆるフルカラーLEDである。図6に示すように、駆動/発光制御ドライバ900に対して、赤色発光素子313Aおよび青色発光素子313Bが接続されている。また、駆動/発光制御ドライバ900からは赤色発光素子313Aを発光させるためのR制御信号と、青色発光素子313Bを発光させるためのB制御信号とが出力され、R制御信号は赤色発光素子313Aへ入力され、B制御信号は青色発光素子313Bへ入力されるよう接続されている。
また、緑色発光素子313Cは駆動/発光制御ドライバ900には接続されず、グランド接続されている。仮に、緑色発光素子313Cの入力端子がいずれにも接続されていない場合、該入力端子に対して静電気による電流の流れ込みが発生し、緑色発光素子313Cや他の発光素子が破損することが考えられる。そこで、図6に示したように、使用しない緑色発光素子313Cの端子がグランド接続されていることにより、電流の流れ込みおよび破損を防止することができる。また、緑色発光素子313Cを駆動/発光制御ドライバ900に接続することとしても電流の流れ込みおよび破損を防止することはできるが、その分の駆動/発光制御ドライバ900の端子を他の演出部材に用いることができなくなってしまう。そこで、緑色発光素子313Cをグランド接続することにより、駆動/発光制御ドライバ900の端子を有効的に用いる(他の演出部材を接続可能である)とともに、電流の流れ込みおよび破損を防止することができる。
演出用LED313は、上述したように、いわゆるフルカラーLEDではあるが、赤色発光素子313Aのみが発光される演出と、青色発光素子313Bのみが発光される演出とで用いられるものである。つまり、赤色および青色のうちいずれかの単色の発光のみ可能なよう構成されている。なお、フルカラーLEDを設けずに、赤色発光のみを実行可能な赤色発光LEDと青色発光LEDとをそれぞれ別々の部材として設けた場合にも、赤色および青色のうちいずれかの単色の発光のみ可能なよう構成することができるが、複数の発光部材を設けることによりコストの増加や、複数の部材を接続することによる設置スペースの増加(例えば、はんだ付けする際の基板上のランドの増加、部材同士のショートを防止するための間隔の増加)に繋がることが想定されるため、フルカラーLEDとしての演出用LED313を用いることにより、コストの増加や演出部材の設置スペースの増加を抑制しつつ、赤色および青色のうちいずれかの単色の発光演出を実行可能としている。
(プッシュボタン31)
次に、プッシュボタン31について、図7~図17に基づいて説明する。図7は、プッシュボタンを示す斜視図である。図8は、プッシュボタンの構造を示す分解斜視図である。図9は、演出体の構造を示す分解斜視図である。図10は、(A)は演出体を示す正面図、(B)は(A)のF-F断面図である。図11は、(A)は操作体が操作非検出位置にある状態、(B)は操作体が操作非検出位置にある状態を示す右側面図である。図12は、(A)は図10(A)のG-G断面図、(B)は操作体が操作検出位置にある状態を示すG-G断面図である。図13は、(A)は図12(A)のH-H断面図、(B)は回転体が分離位置にある状態を示すG-G断面図である。図14は、図12(A)のI-I断面図である。図15は、(A)~(E)は演出体の動作例を説明するための図である。図16は、(A)~(G)は可変表示中における各種演出の動作例を説明するための図である。図17は、(H)~(J)は可変表示中における各種演出の動作例を説明するための図である。
図7及び図8に示すように、プッシュボタン31は、ガラス扉枠50におけるガラス窓50aの下方に固定されるベース体301と、ベース体301に支持される演出体302と、ベース体301及び演出体302の前側を被覆するようにベース体301に装着される前カバー303と、ベース体301及び演出体302の左右側を被覆するようにベース体301に装着される左カバー304L及び右カバー304Rと、を主に有する。前カバー303と左カバー304L及び右カバー304Rは非透過性の合成樹脂材にて構成されている。
ベース体301は、略水平に配置される水平ベース部301Aと、水平ベース部301Aの左右側辺から斜め前上方に向けて延設される左右の支持部301L,301Rと、水平ベース部301Aの上方において後辺が前辺よりも上方に位置するように傾斜して配置される傾斜ベース部301Bと、を主に有している。
図8及び図10~図12に示すように、右側の支持部301Rの左側面には、回転用モータ310が下方位置に固定されているとともに、回転用モータ310の駆動軸310Aに固着された駆動ギヤ320と、駆動ギヤ320に噛合する従動ギヤ321と、従動ギヤ321に噛合する従動ギヤ322と、従動ギヤ322に噛合する従動ギヤ323とがそれぞれ左右方向を向く回転軸を中心として回転可能に設けられている。
一方、左側の支持部301Lの右側面には、連結軸324を介して従動ギヤ321と同軸をなして連結された従動ギヤ331と、従動ギヤ331に噛合する従動ギヤ332と、従動ギヤ322に噛合する従動ギヤ323とがそれぞれ左右方向を向く回転軸を中心として回転可能に設けられている。よって、回転用モータ310により駆動ギヤ320が回転すると従動ギヤ321~323が回転するとともに、連結軸324を介して従動ギヤ331~333が連動して回転する。
尚、説明の便宜上、図8において従動ギヤ323,323は演出体302側に設けられているが(従動ギヤ323は図9参照)、実際には支持部301L,301Rに回転可能に設けられている。
傾斜ベース部301Bの前辺左右位置及び後辺中央位置には、後述する操作体350を斜め上下方向に移動可能に案内するための支持軸340A~340Cが斜め前上方に向けて立設されており、各支持軸340A~340Cの外周には、操作体350を上方に付勢するための圧縮バネ341が環装されている。また、傾斜ベース部301Bには、操作体350の操作を検出するためのプッシュセンサ35B(図2参照)が設けられている。
図12に示すように、演出体302は、ベース体301に対し上方の操作非検出位置(図11(A)参照)と操作非検出位置よりも後下方の操作検出位置(図11(B)参照)との間で斜め上下方向に移動可能に支持される変位部を構成する操作体350と、ベース体301に固定される固定体360と、従動ギヤ323,323の回転により固定体360の周囲を回転可能な回転体380と、から主に構成される。
図9~図14に示すように、操作体350は、操作ベース351と、操作ベース351の上部に組付けられる操作カバー352と、により略球体状に構成される。操作ベース351には、挿通孔353A~353Cが形成されており、これら挿通孔353A~353Cには水平ベース部301Aの支持軸340A~340Cが下方から挿通されている。支持軸340A~340Cにおける操作ベース351と水平ベース部301Aとの間には圧縮バネ341が環装され、また、支持軸340A~340Cの頭部により操作ベース351の操作検出位置より上方への移動が規制されることで、操作体350は圧縮バネ341による付勢力により常時操作検出位置に維持されるようになっている。
また、支持軸340A~340Cは、回転体380の下方に設けられていることで、回転体380と重なったり交差したりしない位置に配置されている(図12参照)。また、操作ベース351には振動用モータ312が取付けられている。
操作カバー352は、透光性を有する合成樹脂材により透明に形成されており、操作体350の内部に配置される固定体360や回転体380を、操作カバー352を通して視認可能とされている。また、操作カバー352は、プッシュボタン31がガラス扉枠50に組付けられた状態において、上面部及び前面部が前カバー303、左カバー304L、右カバー304Rに被覆されず外部に露呈し、遊技者が押圧操作可能な操作部を構成する(図7参照)。
また、操作カバー352の左右側面には、半円状の切欠部352L,352Rが形成されており、ベース体301の支持部301L,301Rとの干渉を回避できるようになっている。
固定体360は、固定ベース361と、固定ベース361の上部に組付けられる固定カバー362と、固定ベース361と固定カバー362との間に配置される基板ベース363と、上面に複数の演出用LED313が上向きに光を照射可能に設けられ、基板ベース363の上面に固定されるLED基板364と、から主に構成される。
固定ベース361は、駆動機構部361Aと、駆動機構部361Aから左右側方に延設される軸部361L,361Rと、を有する。駆動機構部361Aの下面には、開閉用モータ311が取付けられている。駆動機構部361Aの上面には、上方に突出した開閉用モータ311の駆動軸(図示略)に固着された駆動ギヤ365と、駆動ギヤ365の左右に上下方向を向く回転軸を中心に回転可能に配置され駆動ギヤ365に噛合する従動ギヤ366L,366Rと、駆動機構部361A及び軸部361L,361Rの上面を左右方向にスライド移動可能に設けられ、回転体380を左右方向にスライド移動させるためのスライド部材367L,367Rと、が設けられている。
従動ギヤ366L,366R各々の上面における偏心位置には連結軸366Aが突設されており、連結軸366Aはスライド部材367L,367Rに形成された前後方向を向く長孔367Aに挿入されている。また、スライド部材367L,367Rは、固定ベース361と上方の基板ベース363との間において左右方向に移動可能に案内されている。よって、開閉用モータ311により駆動ギヤ365と従動ギヤ366L,366Rが正逆回転することにより、スライド部材367L,367Rは、互いに近接する近接位置(図13(A)参照)と左右に離間する離間位置(図13(B)参照)との間で左右方向に移動する。
固定カバー362は、透光性を有する合成樹脂材により透明に形成されており、半球部362Aと、半球部362Aから左右側方に延設される軸部362L,362Rと、を有する。半球部362Aの表面はダイヤカット状に形成されているとともに、半球部362A及び軸部362L,362Rの裏面には、凹凸状の光拡散部368(図14参照)が形成されている。半球部362Aは、LED基板364の前面側を覆うように設けられるため、演出用LED313からの光を拡散して外部に出射可能とされている。また、演出用LED313から半球部362Aに入射した光の一部は、軸部362L,362R側に導光され、軸部362L,362Rの裏面に形成された光拡散部368により拡散されて外部に出射可能とされている。
基板ベース363は、LED基板364が配置される基板部363Aと、基板部363Aから右側方に延設される配線カバー部363Bと、を有し、固定ベース361と固定カバー362との間に配置され、固定ベース361と固定カバー362とにより形成される空間を上下に区画する。よって、基板ベース363の下面側には、スライド部材367L,367Rなどの駆動機構部の配置スペースが形成される一方で、基板ベース363の上面側には、LED基板364と演出制御基板12とを接続するための配線部材C20を配線可能な配線スペースが形成される(図14参照)。
一端が接続された配線部材C20は、配線カバー部363Bと固定カバー362の軸部362Rとにより形成される配線スペースに沿うように配置され、配線カバー部363Bの右側端部から右側方に引き回される。また、軸部362Rの内面には光拡散部368が形成されていることにより、固定カバー362の外側から内部の配線部材C20を視認することが困難とされている。
回転体380は、中空の球状体を左右に分割した形状をなす回転部381L,381Rと、固定ベース361の軸部361L,361Rと固定カバー362の軸部362L,362Rとにより形成される左右方向を向く略円筒状の軸部(以下、軸部361L,362L、361R,362Rと称する)に回転可能に環装される可動リング382L,382R及び連結リング383L,383Rと、を有する。
回転部381L,381Rは、透過性を有し所定色(例えば、赤色など)に着色された合成樹脂材にて構成され、内面には凹凸状の光拡散部385が形成されている。また、側面には軸部361L,362L、361R,362Rに挿入可能な孔部384が形成されているとともに、孔部384の周囲には、ベース体301の従動ギヤ323,333と連結リング383L,383Rとを連結固定するための連結シャフト386が挿通可能な挿通孔387が2箇所に形成されている。
可動リング382L,382Rは、軸部361L,362L、361R,362Rが挿入可能な円形の開口389が形成されている。開口389内にはスライド部材367L,367Rの端部367Bが配置され、スライド部材367L,367Rに対し可動リング382L,382Rが回転可能、かつ、外側方に離脱不能に係止される。そして可動リング382L,382Rは、開口389内に配置したスライド部材367L,367Rの端部367Bを回転部381L,381Rとで左右側から挟むように回転部381L,381Rにネジを介して止着される。
また、可動リング382L,382Rは、開口389の周縁部に2つの挿通孔388が形成されており、これら挿通孔388を連結シャフト386に挿入することで、連結シャフト386により左右方向に移動可能に案内される。つまり、可動リング382L,382R及びこの可動リング382L,382Rと一体化された回転部381L,381Rは、連結シャフト386により左右方向にスライド移動可能に案内される。
連結リング383L,383Rに連結シャフト386を介して一体化された従動ギヤ323,333には、軸部361L,362L、361R,362Rが挿入可能な円形の開口334が形成されているため、軸部361L,362L、361R,362Rを中心として回転可能となるようにベース体301の左右の支持部301L,301Rに支持されている。
図11~図14に示すように、固定体360は、左右の軸部361L,362L、361R,362Rが支持部301L,301Rに形成された貫通孔335に相対回転不能に固定されることにより、ベース体301に対し固定されるとともに、軸部361L,362L、361R,362Rの端部が貫通孔335を介して側方に露呈される。また、右側の軸部361R,362Rの右端面には開口が形成されていることで、配線部材C20を支持部301Rの外側方に引き回すことができるようになっている。
また、これら左右方向を向く軸部361L,362L、361R,362Rには、回転部381L,381R及び可動リング382L,382Rと、連結リング383L,383R及び従動ギヤ323,333が回転可能に挿入されている。よって、回転用モータ310を回転することにより従動ギヤ323,333が回転することで、軸部361L,362L、361R,362Rに対し平行な2本の連結シャフト386に挿入された可動リング382L,382Rと回転部381L,381Rとが、軸部361L,362L、361R,362Rを中心として回転する。
また、開閉用モータ311により駆動ギヤ365と従動ギヤ366L,366Rが正逆回転することにより、スライド部材367L,367Rが近接位置(図13(A)参照)と離間位置(図13(B)参照)との間で左右方向に移動することで、図13(A)に示すように、左右の回転部381L,381Rが互いに当接または近接して球状体を形成する合体位置(原点位置)と、図13(B)に示すように、左右の回転部381L,381Rが互いに離間して球状体が左右に分離される分離位置との間で左右方向にスライド移動する。
(プッシュボタン31の動作例)
次に、プッシュボタン31の動作例について、図11~図15に基づいて説明する。プッシュボタン31は、ベース体301と、ベース体301に対し変位可能に設けられた操作体350、ベース体301に対し固定された固定体360及び該固定体360に対し回転可能な回転体380とからなる演出体302と、から主に構成され、中空状の操作体350の内部に中空状の回転体380が配置され、回転体380の内部に固定体360が配置されている。
図11及び図12に示すように、プッシュボタン31は、演出体302における操作体350が、上方の操作非検出位置(図11(A)及び図12(A)参照)と下方の操作検出位置(図11(B)及び図12(B)参照)との間で斜め上下方向に移動可能とされている。通常は圧縮バネ341の付勢力により操作非検出位置に維持され、操作カバー352が下方に押圧操作されることで操作検出位置まで移動する。操作検出位置においてプッシュセンサ35Bが操作ベース351に設けられた図示しない被検出部を検出することで、遊技者による押圧操作(動作)が検出される。また、手を離せば、圧縮バネ341の付勢力により操作非検出位置まで付勢される。
図12に示すように、操作体350は、操作非検出位置において支持軸340A~340Cの頭部に操作ベース351が当接することにより上方への移動が規制され、操作検出位置において操作ベース351の所定部351Aがベース体301の傾斜ベース部301Bの所定部301Tに当接することにより下方への移動が規制される。一方、遊技者が操作可能な操作カバー352は、操作非検出位置と操作検出位置のいずれにおいても、支持部301L,301Rなど他の部材に接触しないように設けられている。具体的には、図11に示すように、操作非検出位置と操作検出位置いずれにおいても、支持部301L,301Rと操作カバー352の切欠部352L,352Rとの間には隙間Sが形成されるので接触しない。
よって、遊技者が操作カバー352を強く押し下げたことで衝撃が加わっても操作カバー352が破損しにくいので、遊技者に怪我をさせることを抑制できる。尚、この隙間Sは左カバー304L及び右カバー304Rにより被覆されるので、遊技者の指挟みなどが防止されている。
また、操作体350は、ベース体301の傾斜ベース部301Bに対し操作ベース351が3本の支持軸340A~340Cにより移動可能に案内され、圧縮バネ341の付勢力により上方に付勢されることで操作非検出位置に維持されており、また、操作ベース351の挿通孔353A~353Cが支持軸340A~340Cより大径に形成されている。よって、振動用モータ312により振動可能とされている。詳しくは、操作体350は、操作ベース351が支持軸340A~340Cに沿って斜め上下方向へ動く往復動作や、支持軸340A~340Cと挿通孔353A~353Cとの間に遊びがあることで前後左右に傾いたりする往復動作を含む。
また、振動用モータ312による振動は、支持軸340A~340Cを介してベース体301にも伝達されることで、ベース体301から固定体360や回転体380だけでなく、ガラス扉枠50や遊技機用枠3などにも伝達されるため、パチンコ遊技機1全体が振動可能とされている。また、打球操作ハンドル30を介して遊技者にも振動が伝達可能とされている。
また、演出体302のうち、遊技者の操作に応じてベース体301に対し変位(動作)するのは操作体350のみであり、固定体360や回転体380が操作体350の動作に応じて動作することはないので、回転動作が可能な回転体380やその駆動機構が組付けられた固定体360に遊技者の操作による外力が直接伝達され断線や故障等が発生することが抑制される。また、配線部材C20は、右側の軸部361R,362R内における配線カバー部363Bの上面側にて引き回されているので、回転体380が操作体350の動作に影響を受けることがない。
図13に示すように、回転体380は、回転用モータ310により、ベース体301に支持される左右方向を向く軸部361L,362L、361R,362Rを中心として縦回転可能であるとともに、開閉用モータ311により、近接位置と離間位置との間でスライド部材367L,367Rが左右方向にスライド移動することで、回転部381L,381Rが合体位置(図13(A)参照)と分離位置(図13(B)参照)との間で左右方向にスライド移動する。このように回転体380は、回転用モータ310による縦回転動作と、開閉用モータ311による左右方向へのスライド移動動作と、回転用モータ310及び開閉用モータ311による縦回転動作及びスライド移動動作とを各々実行可能である。
図15(A)に示すように、このように構成された演出体302は、回転体380の回転部381L,381Rが原点位置である合体位置に位置している状態において、操作体350の操作カバー352を通して内部の回転体380は視認可能とされるが、回転体380の内部の固定体360は視認困難とされている。
また、演出体302は、図15(B)に示すように、開閉用モータ311により回転体380の回転部381L,381Rが左右方向(第1方向)へ直線的にスライド移動するスライド動作(第1動作)と、図15(C)(D)に示すように、回転用モータ310により回転体380の回転部381L,381Rが縦方向(第2方向)に回転する回転動作(第2動作)と、図15(E)に示すように、振動用モータ312により操作体350が振動により上下・前後・左右の3次元方向に往復動する往復動作(第3動作)と、が可能とされている。
また、図15(C)(D)に示すように、演出制御用CPU120は、回転体380の回転部381L,381Rが縦回転しているときに、複数の演出用LED313を正面視時計回り(または反時計回り)、つまり、第2方向である縦回転方向とは異なる横回転方向に順次点灯させる発光制御を行うことで、これら演出用LED313の光を外方へ出射する半球状の固定カバー362があたかも回転しているように見せる発光演出を実行可能である。つまり、回転部381L,381Rによる構造物の回転動作と演出用LED313による回転発光制御とを一斉に行うことで、回転動作をより好適に見せることができるので、興趣が向上する。
さらに、回転体380の回転動作及び演出用LED313による回転発光制御に加えて、図15(E)に示すように、振動用モータ312により操作体350を3次元方向に往復動作させることができる。
このように演出制御用CPU120は、演出体302における回転体380の左右方向(第1方向)へのスライド動作(第1動作)と、回転体380の第1方向とは異なる縦方向(第2方向)への回転動作(第2動作)と、操作体350の第1動作及び第2動作とは異なる往復動作(第3動作)とを各々個別に実行可能であるとともに、第1動作、第2動作及び第3動作のうち少なくとも2以上の動作を複合して実行可能である。
(可変表示中における各種演出の動作例)
次に、図16に基づいて、スーパーリーチの可変表示を一例として、スーパーリーチの可変表示の実行中において演出制御用CPU120が実行する各種演出における動作例を説明する。
図16(A)に示すように、例えば、スーパーリーチの可変表示が開始された後、所定時間が経過すると、図16(B)に示すように、可変表示態様がノーマルリーチとなってノーマルリーチ演出が開始される。次いで、ノーマルリーチからスーパーリーチに切替わるタイミングとなる前のタイミングにおいて、図16(C)に示すように、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31の操作を促進する操作促進演出を開始する。
操作促進演出では、プッシュボタン31を模したボタン画像と、操作有効期間を示すタイムゲージ画像と、「押せ!」なる文字画像とからなる操作促進画像Z1が所定期間にわたり表示される。このとき、プッシュボタン31は、操作体350は操作非検出位置に維持されて往復動作(第3動作)せず、また、回転体380は合体位置(原点位置)においてスライド移動(第1動作)や回転動作(第2動作)が行われない非動作状態とされ、演出用LED313は非発光状態とされている。次いで、図16(D)(E)に示すように、味方キャラクタZ2と敵キャラクタZ3とが対決するスーパーリーチ演出が開始される。
そして、図16(F)に示すように、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間が経過したタイミングで、演出画像Z4の縮小表示が開始されるのに応じて、プッシュボタン31における回転体380が第1動作により左右に分離される。次いで、図16(G)に示すように、左右に分離された回転体380が第2動作により縦回転を開始するとともに、演出用LED313による回転発光演出が開始される。
さらに所定期間が経過したタイミングで、図17(A)に示すように、大当りであるか否かを報知するための決め操作演出が開始され、プッシュボタン31の操作を促進する操作促進演出が開始される。ここでは、図16(C)におけるボタン画像よりも大きなボタン画像からなる操作促進画像Z5が所定期間にわたり表示される。尚、操作促進画像Z5は、第1動作により左右に分離された回転体380が第2動作により縦回転しながら演出用LED313による回転発光演出が行われるプッシュボタン31を模した(対応した)ボタン画像とされている。
次いで、図17(I)に示すように、可変表示結果が大当りの場合、プッシュボタン31の操作が検出または操作が検出されずに操作有効期間が経過したタイミングで、味方キャラクタZ2が敵キャラクタZ3を倒してバトルに勝利したことを報知する大当り報知用画像Z6が表示されるとともに、プッシュボタン31では、第1動作により左右に分離された回転体380が第2動作により縦回転しながら演出用LED313による回転発光演出が行われるとともに、操作体350が第3動作により3次元方向に往復動作、つまり、振動することにより、可変表示結果が大当りになったことが報知される。
一方、図17(J)に示すように、可変表示結果がはずれの場合、プッシュボタン31の操作が検出または操作が検出されずに操作有効期間が経過したタイミングで、味方キャラクタZ2が敵キャラクタZ3に寄り倒されてバトルに敗北したことを報知するはずれ報知用画像Z7が表示される。これに伴い、プッシュボタン31では、第2動作、第3動作及び回転発光演出が停止されるとともに、第1動作により回転体380が合体位置に戻されることにより、可変表示結果がはずれになったことが報知される。
このように、スーパーリーチ演出では、遊技者によりプッシュボタン31の操作体350が押圧操作されて操作非検出位置から操作検出位置まで移動(変位)することによって遊技者の操作(動作)がプッシュセンサ35Bにより検出されたことに基づいて、プッシュボタン31において、回転体380の第2動作(縦回転)や、振動用モータ312による操作体350の第3動作(振動)といった複数の動作が複合して行われることにより、興趣を向上させることができる。
(第1発明)
また、本実施の形態には、以下に示す第1発明が含まれている。つまり、遊技機としてのパチンコ遊技機やスロットマシン等において、遊技者が操作可能な操作ユニットを備えた遊技機において、例えば、特開2017-189184号公報等に記載されたもののように、所定の作動口に進入した遊技球により作用部材が遊技球の自重により回動することにより第1状態から第2状態に変化する非電動可変手段を備えているもの等があった。しかし、遊技者の操作に応じて可動体が回転する演出を実行可能であるが、可動体の回転動作だけでは興趣が不十分であるという問題があったため、可動体の動作により興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的として、
第1発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
第1方向への第1動作(例えば、左右方向へのスライド動作)と、該第1方向とは異なる第2方向への第2動作(例えば、縦回転動作)と、前記第1動作及び前記第2動作とは異なる第3動作(例えば、上下・前後・左右の3次元方向への往復動作)とが可能な可動体(例えば、プッシュボタン31の演出体302)と、
遊技者の動作を検知可能な動作検知手段(例えば、プッシュセンサ35B)と、
を備え、
遊技者の動作に応じて、前記可動体による前記第1動作、前記第2動作及び前記第3動作のうち少なくとも2以上の動作を複合して実行可能であるとともに、振動を発生可能である(例えば、遊技者によりプッシュボタン31の操作体350が押圧操作されて操作非検出位置から操作検出位置まで移動(変位)することによって遊技者の操作(動作)がプッシュセンサ35Bにより検出されたことに基づいて、プッシュボタン31において、回転体380の第2動作(縦回転)や、振動用モータ312による操作体350の第3動作(振動)といった複数の動作が複合して行われる部分など。図15、図16参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者動作の際に、可動体の複数の動作が行われるとともに振動が発生することにより、興趣を向上させることができる。
第1発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、プッシュボタン31の演出体302)は発光手段(例えば、演出用LED313)を有し、
前記発光手段からの光が前記第2方向とは異なる方向へ向けて移動する態様の発光演出を実行可能な演出実行手段を備える(例えば、演出制御用CPU120が、回転体380の回転部381L,381Rが縦回転しているときに、複数の演出用LED313を正面視時計回り(または反時計回り)、つまり、第2方向である縦回転方向とは異なる横回転方向に順次点灯させる発光制御を行うことで、これら演出用LED313の光を外方へ出射する半球状の固定カバー362があたかも回転しているように見せる発光演出を実行可能な部分。図15(C)(D)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、演出効果を高めることができる。
第1発明の手段3の遊技機は、手段2に記載の遊技機であって、
前記第2動作は回転動作であり、
前記演出実行手段は、前記第2動作の実行中に前記発光演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU120が、回転体380の回転部381L,381Rが縦回転しているときに、複数の演出用LED313を正面視時計回り(または反時計回り)、つまり、第2方向である縦回転方向とは異なる横回転方向に順次点灯させる発光制御を行うことで、これら演出用LED313の光を外方へ出射する半球状の固定カバー362があたかも回転しているように見せる発光演出を実行可能な部分。図15(C)(D)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2動作を強調でき、演出効果をさらに高めることができる。
第1発明の手段4の遊技機は、手段2または手段3に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、プッシュボタン31の演出体302)は、
ベース部(例えば、ベース体301)に支持される固定部(例えば、固定体360)と、
前記ベース部に対し回転駆動部材(例えば、従動ギヤ323、可動リング382L,382R、連結シャフト386など)を介して前記固定部の周囲を回転可能に支持される回転部(例えば、回転体380)と、
を有し、
前記固定部は、
前記発光手段が設けられる第1固定部(例えば、基板部363Aや半球部362A)と、
前記第1固定部から前記回転駆動部材の内部を挿通して前記ベース部に支持される第2固定部(例えば、配線カバー部363Bや軸部362L,362R)と、
を有し、
前記第2固定部は、前記発光手段からの配線部材(例えば、配線部材C20)を前記固定部外へ引き回し可能である(図11、図14参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、発光手段からの配線部材をスペース効率よく固定部外へ引き回すことができる。
第1発明の手段5の遊技機は、手段4に記載の遊技機であって、
前記固定部(例えば、固定体360)は、発光ベース部材(例えば、固定ベース361)と前記発光手段(例えば、演出用LED313)からの光を透過可能な発光カバー部材(例えば、固定カバー362)とから構成され、
前記発光カバー部材における前記第1固定部及び前記第2固定部に対応する位置に光拡散部(例えば、光拡散部368)が設けられている(図14参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、スペース効率を高めつつ、意匠性の低下を抑えることができる。
第1発明の手段6の遊技機は、手段1~5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、プッシュボタン31の演出体302)は、
ベース部(例えば、ベース体301)に支持され、前記発光手段(例えば、演出用LED313)が設けられる固定部(例えば、固定体360)を有し、
前記固定部は、前記発光手段からの光を透過可能に前記発光手段を被覆する発光カバー部材(例えば、固定カバー362)を有し、
前記発光カバー部材には光拡散部(例えば、光拡散部368)が設けられている(図14参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、発光手段から出射される光を好適に拡散できるため、意匠性を高めることができる。
第1発明の手段7の遊技機は、手段1~6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、プッシュボタン31の演出体302)は、
操作に応じてベース部(例えば、ベース体301)に対し変位可能な変位部(例えば、操作体350)と、
前記ベース部に対し前記変位部を変位可能に支持する支持部(例えば、傾斜ベース部301Bに立設された支持軸340A~340C)と、
前記ベース部に対し前記変位部とは別個に回転可能に支持される回転部(例えば、回転体380)と、
を有し、
前記支持部は、前記回転部と重ならない位置に配置されている(例えば、支持軸340A~340Cは、回転体380の下方に設けられていることで、回転体380と重なったり交差したりしない位置に配置されている部分。図12参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変位部に対する操作による衝撃を好適に吸収できる。
第1発明の手段8の遊技機は、手段1~7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、プッシュボタン31の演出体302)は、
操作に応じてベース部(例えば、ベース体301)に対し変位可能な変位部(例えば、操作体350)と、
前記ベース部に対し前記変位部を変位可能に支持する支持部(例えば、傾斜ベース部301B)と、
前記ベース部に対し前記変位部とは別個に回転可能に支持される回転部(例えば、回転体380)と、
を有し、
前記変位部は、変位したときに前記回転部に接触しないように設けられている(例えば、遊技者が操作可能な操作カバー352は、操作非検出位置と操作検出位置のいずれにおいても、支持部301L,301Rなど他の部材に接触しないように設けられている。具体的には、図11に示すように、操作非検出位置と操作検出位置いずれにおいても、支持部301L,301Rと操作カバー352の切欠部352L,352Rとの間には隙間Sが形成されるので接触しない部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変位部に対する操作による衝撃にて回転部が破損することを防止できる。
(第1発明の変形および応用に関する説明)
前記実施の形態では、遊技者によりプッシュボタン31が操作される前に、回転体380の第1動作(スライド動作)が終了して第2動作(縦回転)が実行されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者によるプッシュボタン31が操作に応じて、回転体380の第1動作(スライド動作)と第2動作(縦回転)と振動用モータ312による操作体350の第3動作(振動)とのうち少なくとも2以上が複合して実行されるようになっていればよい。
例えば、遊技者によりプッシュボタン31が操作されるまでは、図16(C)のような非動作状態となっており、遊技者によるプッシュボタン31が操作に応じて、回転体380の第1動作(スライド動作)と第2動作(縦回転)、及び振動用モータ312による操作体350の第3動作(振動)の全てが複合して実行されるようにしてもよい。また、遊技者によるプッシュボタン31が操作に応じて、第1動作と第2動作が実行されたり、第1動作と第3動作とが実行されたり、第2動作と第3動作とが実行されたりするようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技者によりプッシュボタン31が操作される前に、回転体380の第1動作(スライド動作)が終了して第2動作(縦回転)が実行されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者によりプッシュボタン31が操作される前に第3動作(振動)が実行されるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、プッシュボタン31の演出体302の第1動作、第2動作、第3動作をスーパーリーチの可変表示の実行中に実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチ以外の可変表示の実行中に演出体302の第1動作、第2動作、第3動作を実行可能としてもよいし、図柄の可変表示期間以外(例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態の実行期間中やデモ演出期間など)において演出体302の第1動作、第2動作、第3動作を実行可能としてもよい。
また、前記実施の形態では、第1方向への第1動作を左右方向へのスライド動作とし、第1方向とは異なる第2方向への第2動作を縦回転動作とし、第1動作及び第2動作とは異なる第3動作を上下・前後・左右の3次元方向への往復動作とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1動作、第2動作、第3動作の動作態様や動作方向は種々に変更可能である。
また、前記実施の形態では、遊技者の動作に応じて、第1方向への第1動作と、該第1方向とは異なる第2方向への第2動作と、前記第1動作及び前記第2動作とは異なる第3動作とが可能な可動体の一例として、遊技者が操作可能なプッシュボタン31の演出体302を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者の動作に応じて、第1方向への第1動作と、該第1方向とは異なる第2方向への第2動作と、前記第1動作及び前記第2動作とは異なる第3動作とが可能な可動体であれば、例えば、第1演出装置500や第2演出装置800など遊技盤2側に設けられる可動体や、ガラス扉枠50などパチンコ遊技機1の枠側に設けられる可動体等を適用してもよい。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定の遊技を実行可能な遊技機であって、駆動手段(本例では、振動用モータ312)と、駆動手段の動作を制御する制御信号を出力する制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御信号にもとづいて駆動信号を出力する駆動制御手段(本例では、駆動/発光制御ドライバ900)と、駆動制御手段から駆動信号が入力され、駆動手段へ信号を出力可能な論理回路(本例では、ゲート回路901および集積回路902)と、を備え、論理回路は、駆動手段の駆動を示す第1信号(本例では、第1信号)と、該第1信号とは異なる第2信号(本例では、第2信号)とにもとづいて、第1信号が駆動手段を駆動させることを示す論理(本例では、Lレベル)であるときに駆動手段に信号を出力する回路である(図5参照)こととした。これにより、動作異常により不具合が生じる可能性を低減することを安価に実現することができる。
例えば、特開2011-104147号公報等に記載された遊技機のように、駆動制御手段から駆動手段へ出力される信号が並行入力されるとともに、該信号の状態に対応するフィードバック信号を制御手段に出力するフィードバック信号出力手段を備え、該フィードバック信号にもとづいて制御手段(例えば、演出制御用CPU)が駆動手段の動作異常を監視するよう構成したのでは、フィードバック信号を送信するための配線が複雑化してしまうとともに、配線数が増えることとなるが、上述したように、例えば駆動/発光制御ドライバ900が故障した場合にも振動用モータ312を動作させない回路(ゲート回路901、集積回路902)を設けることにより、フィードバック信号を送信することなく振動用モータ312の動作異常(例えば、振動用モータ312の暴走や発熱)を防止することができる。従って、製造費の増加を抑えつつ、動作異常により不具合が生じる可能性(具体的に、振動用モータ312の動作異常により、演出部材の動作に不具合が生じたり、発熱により部品が破損(例えば、樹脂が溶けることによる変形、配線の断線による信号の送受信の不具合)したり、発熱により遊技者に不快感を与えたり、若しくは過度な発熱により遊技者自身または遊技者の所有物に何らかの損害を与えてしまう可能性)を低減することができる。
また、フィードバック信号をフィードバック信号出力手段から制御手段に送信する構成では、駆動手段の周辺に設けられたフィードバック信号出力手段から制御手段(例えば、演出制御用CPU)まで、比較的長い距離のフィードバック信号の配線を引く必要があるため、ノイズが発生して誤作動が生じるリスクが高くなるが、フィードバック信号を送信することなく振動用モータ312の動作異常(駆動/発光制御ドライバ900が故障したことによる振動用モータ312の暴走や発熱)を防止することにより、誤作動が生じるリスクを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、所定の遊技を実行可能な遊技機であって、複数の駆動手段(本例では、振動用モータ312、回転用モータ310等)と、駆動手段の動作を制御する制御信号を出力する制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御信号にもとづいて駆動信号を出力する駆動制御手段(本例では、駆動/発光制御ドライバ900)と、駆動制御手段から駆動信号が入力され、複数の駆動手段のうち他の駆動手段よりも動作電圧が高い特定の駆動手段(本例では、振動用モータ312)へ信号を出力可能な論理回路(本例では、ゲート回路901および集積回路902)と、を備え、論理回路は、特定の駆動手段の駆動を示す第1信号(本例では、第1信号)と、該第1信号とは異なる第2信号(本例では、第2信号)とにもとづいて、第1信号が特定の駆動手段を駆動させることを示す論理(本例では、Lレベル)であるときに特定の駆動手段に信号を出力する回路である(図5参照)こととした。これにより、動作異常により不具合が生じる可能性を低減することを安価に実現することができる。
また、この実施の形態によれば、論理回路は、複数段にNAND回路が組み合わされた構成を含む回路である(図4参照)こととした。これにより、動作異常により不具合が生じる可能性を低減することを安価に実現することができる。
また、この実施の形態によれば、第2信号は、論理が固定された信号(本例では、Hレベルに固定された信号)であり、駆動制御手段から出力される信号である(図4参照)こととした。これにより、駆動制御手段に不具合が生じた場合にも好適に対応することができる。
また、この実施の形態によれば、駆動手段の動作電圧(本例では、振動用モータ312の動作電圧:18V)は、他の電子部品の動作電圧(本例では、回転用モータ310の動作電圧:12V、駆動/発光制御ドライバ900の動作電圧:5V)よりも高く、駆動手段の動作電圧から駆動制御手段の動作電圧(本例では、5V)を生成する生成手段(本例では、電圧生成回路702)を備えた(図4参照)こととした。これにより、好適に動作させることができる。
例えば、駆動手段が暴走することにより発熱する可能性は、該駆動手段の動作電圧が高いほど高くなるが、図3および図4に示すよう接続することにより、発熱する可能性が高い駆動手段についても、動作異常により不具合が生じる可能性を低減することができる。
また、動作電圧が異なる複数の電子部品が設けられている場合には電圧毎に異なる配線が必要となるが、駆動/発光制御基板14において、振動用モータ312の動作電圧から駆動/発光制御ドライバ900の動作電圧を生成することにより、振動用モータ312の配線と駆動/発光制御ドライバ900の配線とをそれぞれ個別に設ける必要がないため、配線数を低減することができ、製造コストを低減することができる。
なお、本実施の形態では、ゲート回路901と振動用モータ312との間に集積回路902を接続することとしたが、これに限るものではない。例えば、振動用モータ312の動作電圧が5Vであり、振動用モータ312が、入力信号がHレベルである場合に動作(振動)し、Lレベルである場合に停止するモータである場合には、集積回路902は設けずに、ゲート回路901の出力信号をそのまま該モータに入力することとしても、動作異常により不具合が生じる可能性を低減することを安価に実現することができる。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定の遊技を実行可能な遊技機であって、発光色がそれぞれ異なる第1発光素子(本例では、赤色発光素子313A)と、第2発光素子(本例では、青色発光素子313B)と、第3発光素子(本例では、緑色発光素子313C)とから構成される発光手段(本例では、演出用LED313)と、発光手段の発光を制御する発光制御手段(本例では、駆動/発光制御ドライバ900)と、を備え、発光制御手段は、発光手段における複数の発光素子の各々と電気的に接続可能であるとともに、接続された各々の発光素子の個別の発光制御が可能であり(図6参照)、特定の発光手段の発光素子のうち第1発光素子および第2発光素子は発光制御手段に接続される一方、第3発光素子は発光制御手段に接続されず、グランドに接続される(図6参照)こととした。これにより、一部の発光素子を使用しない場合にも静電気による破損を防止することができる。
なお、本例では、赤色発光素子313Aを赤色発光させる演出と、青色発光素子313Bを青色発光させる演出とを実行可能とするために、赤色発光素子313Aおよび青色発光素子313Bを駆動/発光制御ドライバ900に接続させるとともに緑色発光素子313Cをグランド接続することとしたが、これに限るものではない。例えば、赤色発光素子313Aを赤色発光させる演出と、緑色発光素子313Cを緑色発光させる演出とを実行可能とするために、赤色発光素子313Aおよび緑色発光素子313Cを駆動/発光制御ドライバ900に接続させるとともに青色発光素子313Bをグランド接続することとしてもよい。または、青色発光素子313Bを青色発光させる演出と、緑色発光素子313Cを緑色発光させる演出とを実行可能とするために、青色発光素子313Bおよび緑色発光素子313Cを駆動/発光制御ドライバ900に接続させるとともに赤色発光素子313Aをグランド接続することとしてもよい。
なお、本例では、振動用モータ312および演出用LED313がプッシュボタン31に設けられることとしたが、これに限るものではない。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例のパチンコ遊技機1においては、プッシュボタン31に代えて、スティックコントローラ31Aおよびプッシュボタン31Bが設けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置に取り付けられた、遊技者が把持して傾倒操作が可能な操作部材である。プッシュボタン31Bは、遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置(スティックコントローラ31Aの近傍)に取り付けられた、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作部材である。スティックコントローラ31Aにおける遊技者が把持する表面部分は装飾用にメッキ処理が施されている。
図18に示すように、変形例における振動用モータ312はスティックコントローラ31Aの内部に、演出用LED313はプッシュボタン31Bの内部に設けられることとしてもよい。なお、制御信号の送り方や回路の構成については図3~図6に示したものと同様である。上述したように、スティックコントローラ31Aにおける遊技者が把持する表面部分はメッキ処理が施されているため、遊技者の皮膚からスティックコントローラ31Aの把持部分へ静電気による電流が発生することが想定される。スティックコントローラ31Aの近傍には演出用LED313が設けられているため、使用しない緑色発光素子313Cの端子が仮にいずれにも接続されていない場合、該端子に対して静電気による電流の流れ込みが発生し、緑色発光素子313Cや他の発光素子が破損することが考えられる。そこで、図6に示したように、使用しない緑色発光素子313Cの端子がグランド接続されていることにより、電流の流れ込みおよび破損を防止することができる。
遊技者にとって有利な演出(例えば、大当りであることを報知する変動中の演出、若しくは大当りである可能性が高いことを報知する変動中の演出)として、振動用モータ312を動作させるとともに演出用LED313を発光させる特定演出を実行可能としてもよい。例えば、プッシュボタン31Bの内部には、青色の光が入射されると「チャンス」の文字が浮き出る第1シートと、赤色の光が入射されると「激熱」の文字が浮き出る第2シートとが設けられていることとすれば、図19に示すように、演出用LED313を青色発光させる(青色発光素子313Bのみを発光させ、赤色発光素子313Aを発光させない)とともに「チャンス」の文字が表示される第1パターンと、演出用LED313を赤色発光させる(赤色発光素子313Aのみを発光させ、青色発光素子313Bを発光させない)とともに「激熱」の文字が表示される第2パターンとのいずれかのパターンにて、プッシュボタン31Bへの操作を促す操作指示演出と、振動用モータ312を動作させる振動演出とを一体的に行う特定演出を実行可能であることとしてもよい。以下、演出用LED313、第1シート、および第2シートを「特定演出装置」と総称することがある。
また、第1パターンの特定演出よりも第2パターンの特定演出の方が遊技者にとって有利である(例えば、大当りに制御することに対する信頼度が高い)こととしてもよい。
また、操作指示演出の実行に合わせて、画像表示装置5においてもプッシュボタン31Bへの操作を促す操作促進表示を行うこととしてもよい。例えば、特定演出装置を模した操作促進画像を表示する操作促進表示を行うこととしてもよい。
その場合、第1パターンの特定演出中であれば、第1パターンの特定演出を実行している特定演出装置を模した操作促進画像を表示する操作促進表示を行い、第2パターンの特定演出中であれば、第2パターンの特定演出を実行している特定演出装置を模した操作促進画像を表示する操作促進表示を行うこととしてもよい。
または、いずれのパターンの特定演出中であっても共通の態様の操作促進表示を行うこととしてもよい。
この変形例によれば、駆動手段は、遊技者が接触可能な部材(本例では、スティックコントローラ31A)に設けられていることとした。これにより、遊技者が触れる部材における動作異常により不具合が生じる可能性を低減することができる。
具体的に、遊技者が接触可能な部材に設けられた駆動手段が動作異常を起こした場合には、発熱により遊技者自身または遊技者の所有物に何らかの損害を与えてしまう可能性が高まるが、そういった遊技機においても、図3および図4に示したように接続することにより、動作異常により不具合が生じる可能性を低減することを安価に実現することができる。
また、この変形例によれば、駆動手段は、少なくとも遊技者にとって有利な報知(本例では、大当りであることの報知、若しくは大当りである可能性が高いことの報知)がされるときに駆動する(本例では、変形例における特定演出として振動用モータ312を動作させる)こととした。これにより、駆動手段の誤動作による興趣の低下を抑制することができる。
遊技者にとって有利な報知とは、他にも、通常状態よりも大当り確率が高い高確率状態(例えば確変状態)へ移行することの報知や、大当り遊技状態よりも付与される価値が小さい小当り遊技状態に制御されることの報知などであってもよい。
また、この変形例によれば、特定の発光手段を発光させることにより表示態様が変化可能な発光演出装置(本例では、変形例における特定演出装置)を備え、発光演出装置の表示態様として、特定の発光手段の第1発光素子を出力することに伴い表示可能な第1表示態様(本例では、第1パターン)と、特定の発光手段の第2発光素子を出力することに伴い表示可能であって、該第1表示態様とは異なる第2表示態様(本例では、第2パターン)とを含むこととした。これにより、好適な発光演出を実行することができる。
また、この変形例によれば、特定の発光手段が設けられた基板の近傍に導電性を有する導電性部材(本例では、メッキ処理部材)を備えたこととした。これにより、静電気を原因とした破損の可能性が高い部分においても好適に破損を防止することができる。
また、この変形例によれば、導電性部材は、遊技者が接触可能な部材(本例では、スティックコントローラ31Aにおける遊技者が把持する表面部分)に設けられていることとした。これにより、静電気を原因とした破損の可能性が高い部分においても好適に破損を防止することができる。
なお、駆動手段は、振動用モータ312に限らず、例えば可動体を動作させるためのモータであってもよい。
前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
遊技が可能な遊技機とは、少なくとも遊技を行うものであれば良く、パチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、一般ゲーム機であっても良い。