JP7175444B1 - 防風スクリーンシステム、及び防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
通常、板材を窓枠に固定したり、厚手のテープ材を窓ガラスに張り付けたりする等の補強作業を講じている。
一方、ハリケーンが発生する米国では、強風対策として、下記特許文献1では、住宅の間口や、開閉する窓枠に対して防風シートを敷設して暴風対策を行うことが開示されている。
この特許文献1に示される防風シートは、確かに建物の間口に対して上下方向から敷設することで暴風、風雨対策として一定の効果を奏する。
また、引用文献3、4には、米国アーマースクリーン社が提供する商品名「アーマースクリーン」が開示されている。
また、アーマースクリーン社が提供するカタログには、バックル&ストラップシステムと称して、台風時のひっかけ式台風養生スクリーンを手掛けている。
同様に、アイビームトラックシステム、ロールアップシステム、ヘムコードシステム、ジェネラルウェザーコントロールシステムを提供している。
このカタログには、台風に対する耐力試験値として、165ポンド/平方フィート(psf)と公表されている。ここで、psfは、1平方フィートの面積に適用される1重量ポンドの力の単位である。
自然風(特に台風の風)は動的に不安定現象であるため、上述した風荷重は暴風時の値が非常に高く、従来のスクリーンを用いた防風装置では風速50メートル/秒(m/s)相当が実情である。
柔軟性に富むスクリーンは風の動きで大きく揺れて風を逃がす利点はあるものの、同時に振動も発生するため、従来のスクリーンを用いた防風シート装置では設置部品が緩んで防風性能が低くなるという問題が起きている。
暴風により制御範囲を超えた風圧が生じたとき、破壊力が衰えず、本来の目的である風圧から窓ガラス等の構造物を守れないという問題が起きている。
従来のスクリーンを用いた防風装置では工具や脚立を用いて設置しなければならず、設置に時間と手間がかかる。
従来のスクリーンを用いた防風装置では設置部品の素材がプラスチック製であり、耐候性に乏しい。環境問題を解決するためにも脱プラスチック問題は世界規模で見ても早急に取り組むべき課題である。
従来のスクリーンを用いた防風装置は風圧強度をあげるためには、支柱や構造部材を設置する場合が多く、構造部材の材料強度として高強度のものが要求される。そのため防風装置の建設コストが材料費、施工費ともに高価になるという課題があった。
また、特許文献3,4に示すスクリーンにおいても、設置する環境、例えば建物の間口の大きさ、構造、材質、形状に適応した取り付けユニットを組み合わせて施工しないと、台風に対して十分な耐力を示すことができず、暴風対策として不十分となる場合も想定されていた。
〔第1実施形態〕
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
下記の実施の形態は、図1~図13に示す防風スクリーンシステムに関し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。また、以下の説明において、防風スクリーンの表と、裏との定義は、便宜的なものであって、表と裏の定義はどちらでもよい。
なお、詳細は省略するがスクリーンの端側には後述する2本のベルトを縫い込んでバックルを通してベルトを締め付ける構造としてもよい。
なお、図1と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。また、防風スクリーンSCは、設置する位置、例えば窓枠、家の間口など様々な大きさに合わせて切り出し加工することで住宅、店舗、オフィス、倉庫に至る建物の外壁側に設置することが可能である。
さらに、本実施形態では、詳細は後述するが防風スクリーンを設定する建物の間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて複数のパーツが用意されているため、スクリーンの施工に際して、施工者は、最適なパーツの組合せを選択できるように構成されている。
以下、防風スクリーンSCを、間口の上部にパーツの一例としてレールを施設したカーテン方式の防風スクリーンシステムを例として実施形態を説明する。
ただし、施工上、メンテナンス上の理由から、バックル8は図2に示すように防風スクリーンSCの下部側に設けることが好ましい。
なお、例えば円錐型のボックス12は、地面最下部側に複数の固定足が埋め込まれて所定位置で固定される。
図3は、図2に示した上部支持具のパーツを示す図である。
図3に示すように、上部支持具は、シャックル2と、丸鋼2d、上プレート(上表プレート4,上裏プレート3)、レール1を含んで構成されている。
図4、図5は、図2に示した防風スクリーンSCの上部施工状態を示す斜視図である。
なお、レール1の上部側は、図5に示すように上面壁にアンカーボルト1eで強固に固着されている。
図6は、図2に示した下部支持具のパーツを示す図である。
一方、引張り具を構成するフック10の一方端は、ボックス12の丸鋼(アンカーボルト)5に係合し、他方側はベルト9を折り返して通すスリット10aが設けられている。バックル8とフック10とベルト9により、上部支持具に、下部支持具から離れる向きの離間力を防風スクリーンSCに対して付与することができる。
図8は、図2に示した防風スクリーンの下部支持具の施工状態を示す斜視図である。
本実施形態によれば、防風スクリーンSCの上下方向に対して一定間隔にテンション(張力)を掛けることにより、等間隔に支柱を設置するのと同様の効果を発揮し、防風スクリーンSC自体の耐久性能と強度特性を得ることができる。
また、スーパー台風規模での暴風対策では、風圧強度の他、瞬間的な力に対しての高い耐久性能及び風圧の効果的な分散を同時に行うことが可能となった。
図9、本実施形態を示す防風スクリーンシステムの取り付けユニットにおけるスクリーン連結パーツの構成を説明する図で、図10は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムの取り付けユニットのスクリーン連結状態を示す図である。
なお、図9に示すオーバーラッププレート係止部91の孔92は、図10に示すオーバーラッププレート93の係合孔94と係合する。これにより、2枚の防風スクリーンSCを強固に重ね合わせることができる。
本実施形態によれば、2枚の防風スクリーンSC1と、防風スクリーンSC2とが重なり合う接合面において、それぞれの防風スクリーンSC1と、防風スクリーンSC2とが密着性よく接合するように施工することができる。
図13は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムに適用するスクリーンの強度試験データを示す特性図である。なお、縦軸は試験力(N)を示し、横軸はストローク(mm)を示す。
ここで、下記換算式から風速を風圧に変換してみると、
風圧(Kg重)=0.05×(風速(m/s))2
上記式から、1m2に風速10m/sの風を受けた時に、受ける風圧は5Kgとなる。
本実施形態によれば、簡単に設置可能で優れた防風効果と高い耐久性能を維持できる防風システムを提供できる。
具体的には、上記各実施形態では開示されていない、例えばクリップやカラビナ等の固定式もパーツ類に含められるものである。
したがって、本実施形態に示したスクリーンを設置する際に、多種多様な施工例に適応した上部支持具と、下部支持具との組合せが用意されているものとする。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
上記本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
2 シャックル
3 上裏プレート
4 上表プレート
5 係止ボルト(アンカーボルト)
6 下裏プレート
7 下表プレート
8 バックル
9 ベルト
10 フック
12 ボックス
SC 防風スクリーン
Claims (9)
- 防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムであって、
前記取り付けユニットは、
前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、
前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具と、
前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、他方の支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具と、
を備え、
前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、かつ、前記引張り具は、バックルと、ベルトを備え、
前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステム。 - 複数の前記上部支持具および前記下部支持具を備えることを特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
- 複数の前記スクリーンを備えることを特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
- 前記複数のスクリーンは、防風位置に沿って直列に配置されることを特徴とし、各スクリーンは隣接するスクリーン同士が重なるオーバーラップ領域が存在した状態で設置したことを特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
- 前記引張り具は、前記スクリーンと一体となるよう固着する構成を特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
- 防風位置に対面するように設置される 防風用のスクリーンと、当該スクリーンを防風すべき間口に取り付けるための取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムであって、
前記取り付けユニットは、複数のパーツを備え、
前記間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて前記複数のパーツから選択されるパーツを組み合わせて前記スクリーンの上下方向に所定量の離間力をかける構造を有し、
前記構造は、前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、
前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具と、
前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、他方の支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具と、を備え、
前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、かつ、前記引張り具は、バックルと、ベルトを備え、
前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステム。 - 防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、
前記取り付けユニットにおいて、
前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、
前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具とを敷設し、
前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、引張り具を設けて、前記引張り具に固定されるバックルにベルトを通し、該ベルトにより他方の支持具から離れる向きの離間力を付与するように係止させるように施工し、
前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法。 - 防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、
前記取り付けユニットにおいて、
前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具とを複数ユニット分前記スクリーンの横方向に所定間隔で敷設し、
各上部支持具または各下部支持具のいずれか一方の支持具に、各引張り具を設けて、各引張り具に固定されるバックルにベルトを通し、該ベルトにより他方の支持具から離れる向きの離間力を付与するように係止させるように施工し、前記スクリーンは、前記各引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法。 - 防風用のスクリーンと、当該スクリーンを防風すべき間口に取り付けるための取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、
前記取り付けユニットは、複数のパーツを備え、
前記間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて前記複数のパーツから選択されるパーツを組み合わせて前記スクリーンの上下方向に所定量の離間力がかかるようにバックルと、ベルトを備える引張り具を用いて、前記スクリーンを設置し、かつ前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法。
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