JP7175129B2 - 測定方法、及び測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定方法、及び測定装置に関する。
従来、生物学的な試料の一例である血液中のグルコースの濃度の値(グルコース値)とヘマトクリット値(Hct値)とを測定し、Hct値でグルコース値を補正する技術がある。グルコース値及びHct値の測定方法として、例えば、メディエータが設けられた作用極と対極とを用いてHct値を測定するとともに、試薬が設けられた作用極と対極とを用いてグルコース値を測定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
或いは、試薬がそれぞれ設けられた作用極及び対極に対し、交流電圧の印加でHct値を測定するとともに、直流電圧の印加でグルコース値を測定する方法がある(例えば、特許文献2参照)。さらには、グルコース値の測定及びHct値の測定に共通の作用極を使用し、両測定を直流電圧の印加により行う方法がある(例えば、特許文献3参照)。或いは、試料に接触可能な第1の電極対に対して入力された第1信号に対する第1電気的応答を測定し、前記試料に接触可能な第2の電極対に対して入力された第2信号であって、第1のレベルから第2のレベルへ値が変化し、その後、一定の時間、前記第2のレベルを保つ第2信号に対する第2電気的応答を、前記第2信号の前記変化に対する応答信号のピーク値として測定し、前記応答信号のピーク値に基づいて、第1電気的応答から得られる前記試料の測定対象成分の量を示す値を補正する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
特許第4611208号公報 特表2016-510124号公報 特開2005-147990号公報 特開2014-232102号公報
本発明は、新たな手法を用いて精度の高い試料中の測定対象成分の測定を可能にする測定方法、及び測定装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、複数の電極が流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定方法である。この測定方法は、前記複数の電極に含まれる、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、前記試薬が設けられていない第2電極及び第3電極と、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極と異なる第4電極とのうち、前記第1電極を作用極として用いるとともに前記第4電極を対極として用いて第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、前記第2電極及び前記第3電極を作用極及び対極として用いて前記第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の他の側面は、複数の電極が流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定方法である。この測定方法は、前記複数の電極に含まれる、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、前記試薬が設けられていない第2電極及び第3電極とのうち、前記第1電極を作用極として用いるとともに前記第2電極及び前記第3電極の一方を対極として用いて第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、前記第2電極及び前記第3電極を作用極及び対極として用いて前記第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の他の側面は、上記した測定方法と同様の特徴を有する測定装置である。
本発明によれば、精度の高い試料中の測定対象成分の測定が可能となる。
図1(A)は実施形態に係る分析用具(4電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したバイオセンサの側面図である。 図2(A)は実施形態に係る分析用具(3電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示したバイオセンサの側面図である。 図3(A)及び図3(B)は実施形態に係る測定装置の構成例を示す。 図4は実施形態に係るバイオセンサ及び測定装置を用いた測定方法の例を示すフローチャートである。 図5(A)は、グルコース値一定の場合における第2電気的応答値とHct値との対応関係(Hct検量線の直線性)を示す。図5(B)は、グルコース値一定の場合における第2電気的応答値の時間的変化(タイムコース)を示し、図5(C)はグルコース値一定の場合における第1電気的応答値の時間的変化を示す。 図6(A)はHct値一定の場合における第2電気的応答値の時間的変化を示し、図6(B)はHct値一定の場合における第1電気的応答値の時間的変化を示す。
以下、実施形態に係る測定方法及び測定装置について説明する。実施形態では、複数の電極が流路内に配置された分析用具を用いて生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定方法について説明する。測定方法は、第1の測定方法と第2の測定方法とを含む。
第1の測定方法は、複数の電極に含まれる、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、試薬が設けられていない第2電極及び第3電極と、第1電極、第2電極及び第3電極と異なる第4電極とのうち、第1電極を作用極として用いるとともに第4電極を対極として用いて第1の値を有する直流の第1信号を流路内の試料に印加する工程と、第1信号に対する試料の第1電気的応答値を測定する工程と、複数の電極のうち、第2電極及び第3電極を作用極及び対極として用いて第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を流路内の試料に所定時間連続して印加する工程と、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、第2信号に対する試料の第2電気的応答値を上記所定時間以内に測定する工程と、第2電気的応答値に基づいて、第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
第2の測定方法は、複数の電極に含まれる、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、試薬が設けられていない第2電極及び第3電極とのうち、第1電極を作用極として用いるとともに第2電極及び第3電極の一方を対極とを用いて第1の値を有する直流の第1信号を流路内の試料に印加する工程と、第1信号に対する試料の第1電気的応答値を測定する工程と、第2電極及び第3電極を作用極及び対極として用いて第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を流路内の試料に所定時間連続して印加する工程と、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、第2信号に対する試料の第2電気的応答値を上記所定時間以内に測定する工程と、第2電気的応答値に基づいて、第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含むことを特徴とする。第1及び第2の測定方法において、補正された値は、試料中の測定対象成分の測定値として扱われる。
第1及び第2の測定方法に適用される分析用具は、例えばバイオセンサである。試料は、例えば生物学的な試料であり、生物学的な試料は、血液、間質液、尿などの液体試料である。試料中の測定対象成分は、グルコース値(血糖値)、ラクテート値(乳酸値)などである。試薬は、酵素およびメディエータを含むようにしても良い。
第1及び第2の測定方法において、試料は血液であるのが好ましい。また、測定対象成分はグルコースであるのが好ましい。試料の第2電気的応答値はヘマトクリットを示す値であるのが好ましい。また、試料の第1電気的応答値はヘマトクリットを示す値により補正される前のグルコースを示す値であるのが好ましい。
第1及び第2の測定方法において、第1電気的応答値の測定と第2電気的応答値の測定とは異なるタイミングで行う。測定の順序は、どちらが先でもよい。第1及び第2の測定方法において、第1の値を有する直流の第1信号、及び第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号は、例えば、時間によって方向が変化しない電圧、つまり直流(DC)電圧である。第1信号は第1電圧と呼ばれてもよく、第2信号は第2電圧と呼ばれてもよい。第1の値及び第2の値は、電極材料や酵素、メディエータの種類によって異なる。但し、絶対条件として、第1の値<第2の値(第1の値より第2の値が大きい)となる。
電極に対する印加電圧は、水の電気分解が起こる電圧に鑑み、DC1.0V程度が下限となる。また、1.0V以上であれば試料中の測定対象成分の影響を受けない応答電流値となる。一方、印加電圧の上昇に伴い試料中に気泡が発生し、電気的応答値が気泡の影響を受けた値となるため、印加電圧の上限は気泡の発生しない7.0V程度となる。なお、例えば、電極材料にルテニウムを用いる(ルテニウム電極を用いる)場合、下限が1.5Vで、上限が5.0Vの印加電圧であることが好ましい。電極材料にルテニウムを用いる場合では、第1信号としてのDC電圧値(第1の値)は、例えば0.5V程度であり、第2信号としてのDC電圧値(第2の値)は、例えば2.5V程度である。但し、上述したように、第2の値の上限は気泡の発生しない7V程度となる。本発明において、第2信号に適用するDC電圧の第2の値は、1V以上7V以下の値であり、さらに好ましくは1.8又は2V以上5V以下であり、例えば2.5Vである。第2信号の連続印加を行う所定時間は、好ましくは2~5秒であり、さらに好ましくは2.5~4秒であり、例えば3秒である。第1の信号としてのDC電圧の第1の値は、第2の値より小さい値となり、好ましくは50mV~1.0Vであり、さらに好ましくは100mV~750mVであり、例えば500mVである。なお、これはルテニウム電極の場合であり、ルテニウムと異なる材料の電極を用いた場合は、適切な印加電圧は異なる範囲となる。また、酵素や基質、すなわち塩の種類によっても適切な印加電圧は異なる範囲となりうる。
第1及び第2の測定方法では、試料に対する所定値以上の第2信号の印加を所定時間以上行い、印加がその開始から所定時間継続した時点における第2電気的応答値の測定を行う。これは以下のような測定原理に基づく。分析用具の流路内の試料(第2電気的応答値
の測定用の電極)に対し、第2の値の第2信号(例えばDC電圧)を印加する。この場合、印加開始から1秒程度の期間における第2電気的応答値は、試料中の測定対象成分の濃度(例えばグルコース値)に依存した減衰曲線を示す。これに対し、印加開始から2秒程度経過すると、第2電気的応答値は、測定対象成分の濃度に拠らず、試料中のHct値に応じた一定の値を示す。このような現象は、以下により生じる。
すなわち、第2信号の印加により、測定対象成分→試薬→電極への電荷移動が進むとともに、試料中の水分(H2O)の電気分解によってH2O→電極への電荷移動が発生する。但し、電荷がH2Oから電極へ移動する力は電荷が測定対象成分から試薬を介して電極へ
移動する力より強い。なお、試薬が酵素及びメディエータを含む場合には、測定対象成分→試薬(酵素→メディエータ)→電極へ電荷移動が進む。
このため、第2信号の印加開始から或る程度の期間(1秒程度)では、測定対象成分からの電荷移動に依る第2電気的応答値が見られるが、所定時間(2秒程度)の経過以後では、H2Oから電極への電荷移動が試薬から電極への電荷移動に勝り、試薬が電荷を抱え
たまま飽和して、試薬から電極への電荷移動が発生しなくなる。すなわち、第2信号の印加開始から2秒程度(所定時間)が経過した後では、第2信号の印加に対する第2電気的応答値は、実質的にH2Oの電気分解により生じた電荷量を示す値となる。換言すれば、
第2電気的応答値は、第2信号の印加を所定時間連続して行うことで得られる、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す値である。なお、試薬が酵素及びメディエータを含む試薬の場合には、試薬から電極への電荷移動が発生しなくなることは、酵素からメディエータへの電荷移動が発生しなくなること、メディエータから電極への電荷移動が発生しなくなること、および、これらの双方のいずれかを意味する。
ここで、ヘマトクリットは血液中の有形成分(血球)の体積であるので、Hct値が高いことは電気分解されるH2O(血漿)の量が少ないことを意味する。したがって、Hc
t値が高い程、印加が所定時間継続した時点の第2電気的応答値は低くなる。換言すれば、印加が所定時間継続した時点の第2電気的応答値はHct値と負の関数で比例する。これより、第2電気的応答値とHct値との検量線(相関関係を示すテーブル等)を作成しておけば、印加が所定時間継続した時点の第2電気的応答値からHct値を算出することができる。このような第2電気的応答値やHct値は、測定対象成分の補正に使用できる。
上記からは、以下が理解される。すなわち、第2信号の印加がその開始から所定時間継続した時点における第2電気的応答値を測定することで、所定時間経過前の第2電気的応答値よりも正確なHct値を示す第2電気的応答値を得ることができる。すなわち、精度の高いHct測定を行うことができる結果、測定対象成分の補正の精度を高めることができ、精度の向上した測定対象成分の測定を行うことが可能となる。また、印加が所定時間継続した時点では、第2信号の印加による電気化学反応が所定時間経過前より安定するので、この第2電気的応答値からは、所定時間経過前の第2電気的応答値から求まるHct値よりも精度の高いHct値を得ることができる。
また、第1及び第2の測定方法に適用される分析用具は、複数の電極を含む。第1の測定方法では、複数の電極は、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、それぞれ試薬が設けられていない第2電極及び第3電極と、第1電極、第2電極、及び第3電極と異なる第4電極とを含む。試薬は、例えば、固形の試薬が電極上に固定されることで電極上に設けられる。
第1の測定方法における第1電気的応答値の測定では、第1電極を作用極として用いるとともに第4電極を対極として用いる。第2電気的応答値の測定では、第2電極及び第3
電極を作用極及び対極として用いる。このように、第2電気的応答の測定に用いる作用極及び対極として、試薬が設けられていない電極が使用される。第4電極には、試薬が設けられていても設けられていなくてもよい。但し、試薬が設けられている場合には、第1電気的応答値の精度が向上する。
第2の測定方法では、複数の電極は、少なくとも、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、それぞれ試薬が設けられてない第2電極と第3電極とを含む。第2の測定方法における第1電気的応答値の測定では、第1電極が作用極として用いられるとともに、第2電極と第3電極とのいずれか一方が対極として使用される。これに対し、第2電気的応答値の測定では、第2電極と第3電極とが作用極及び対極として使用される。このように、第2の測定方法でも、第2電気的応答の測定に用いる作用極及び対極として、試薬が設けられていない電極が使用される。
第1及び第2の測定方法では、第2電気的応答値の測定において、試薬が設けられていない電極を作用極及び対極として使用する。これにより、以下の利点を得ることができる。すなわち、分析用具の製造工程において、例えば、液体の試薬を電極上に滴下或いはペースト状の試薬を印刷し、乾燥させることで、電極上に試薬が固定される。このとき、試薬の固化状況が分析用具の個体間でばらつき、第2電気的応答値が個体間でばらつく可能性がある。第1の測定方法及び第2の測定方法では、作用極及び対極に試薬が設けられていない電極を用いる。これによって、第2電気的応答値の個体間のばらつきを抑えることができる。
なお、第2の測定方法において、第2電極と第3電極との一方は、第2電気的応答値の測定における作用極として使用され、他方は第1電気的応答値の測定と第2電気的応答値の測定との双方において共通な対極として使用するのが好ましい。但し、第2電気的応答値の測定において作用極として使用される第2電極と第3電極との一方が、第1電気的応答値の測定において対極として使用されてもよい。
また、第1及び第2の測定方法において、第1電気的応答値の測定、及び第2電気的応答値の測定において作用極及び対極として使用される電極は2以上あってもよい。また、複数の電極は、参照極として使用される電極や、第1電気的応答値及び第2電気的応答値の測定以外の測定項目の測定に使用される電極を含み得る。
ここで、「電極に試薬が設けられている」とは電極上に試薬が接触して設置されている状態、固定されている状態、または、載置されている状態などである。また、作用極および対極には試薬が設けられないが、作用極と対極の間に試薬が設けられている場合も「第1電気的応答値の測定に用いる二つの電極」に当てはまる。「作用極と対極の間に試薬が設けられている」とは、作用極と対極の間の基板上に試薬が接触して設置されている状態である。「作用極と対極の間に試薬が設けられている」場合は、作用極と対極の間の流路を形成するスペーサ上やカバー上に試薬が接触して設置されている状態も含む。例えば、試薬の設置位置が基板上にないが、流路を平面視した場合に試薬が作用極と対極の間にある状態である。言い換えると、「作用極と対極の間に試薬が設けられている」とは、流路内に導入された試料の影響によって、設置されている試薬が作用極近傍の測定環境に拡散(移動)できるように設けられていることを意味する。
さらに、「第2電気的応答値の測定に用いる二つの電極」に関しては、二つの電極の双方に試薬が設けられていない。また、第2電気的応答値の測定に用いる二つの電極(例えば、作用極と対極)に関して、作用極及び対極には試薬が設けられないが、作用極と対極の間に試薬が設けられている場合の作用極及び対極は「第2電気的応答値の測定に用いる二つの電極」に当てはまらない。すなわち、第2電気的応答値の測定においては作用極及
び対極だけではなく、第2電気的応答値の測定環境のすべてにおいて試薬が設けられていないことが必要となる。
〔実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る液体の収容容器について説明する。以下に説明する実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
以下の実施形態では、測定方法及び測定装置の一例として、分析用具であるバイオセンサを用い、試料中の測定対象成分としての血液中のグルコース値の測定を行い、血液中のHct値(第2電気的応答値)でグルコース値を補正する測定方法及び測定装置について説明する。
<バイオセンサの構成>
図1(A)、図1(B)、図2(A)及び図2(B)は、実施形態に係るバイオセンサの構成例を示す。図1(A)は実施形態に係る分析用具(4電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したバイオセンサの側面図である。図2(A)は実施形態に係る分析用具(3電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示したバイオセンサの側面図である。
バイオセンサ10Aは、第1の測定方法に適用される。図1(A)及び図1(B)において、バイオセンサ10A(以下「センサ10A」)は、一端10aと他端10bとを有する長手方向(X方向)と、幅方向(Y方向)とを有する。センサ10Aは、絶縁性基板1(以下「基板1」)と、スペーサ2と、カバー3とを高さ方向(Z方向)に積層して接着することにより形成される。
基板1には、例えば合成樹脂(プラスチック)が用いられている。合成樹脂として、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラスエポキシのような各種の樹脂を適用できる。なお、基板1には、合成樹脂以外の絶縁性材料を適用可能である。絶縁性材料は、合成樹脂の他、紙、ガラス、セラミック、生分解性材料などを含む。スペーサ2及びカバー3には、基板1と同じ材料を適用できる。
基板1の上面には、複数の電極の一例として、電極4と、電極5と、電極6と、電極7とが設けられている。電極4、電極5、電極6、及び電極7のそれぞれは、センサ10Aの幅方向に延びる部分と、長手方向に延びる部分とを有するカギ型を有し、長手方向に延びる部分はリード部4a、リード部5a、リード部6a及びリード部7aをなす。一端10a側にあるリード部4a、リード部5a、リード部6a及びリード部7aはスペーサ2及びカバー3で覆われておらず、血糖値計20(図3)のコネクタとの電気的接続に使用される。
電極4、電極5、電極6及び電極7のそれぞれは、例えば、金(Au),白金(Pt),銀(Ag),パラジウム,ルテニウムのような金属材料、或いはカーボンのような炭素材料を用いて形成される。例えば、電極4、電極5、電極6及び電極7のそれぞれは、金属材料を物理蒸着(PVD,例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜することによって、所望の厚さを有する金属層として形成することができる。或いは、電極4、電極5、電極6及び電極7のそれぞれは、炭素材料を含むインクをスクリーン印刷で基板1上に印刷することで形成することもできる。
スペーサ2は他端10b側に向けて開口する矩形の切り欠き部(他端10bから一端10a側へ凹んだ凹部)を有する。基板1、スペーサ2及びカバー3の積層により、センサ10Aの他端10b側には、スペーサ2の切り欠き部の厚みの面と、切り欠き部によって夫々露出する(スペーサ2との接着によって被覆されない)、電極が設けられた基板1の上面及びカバー3の下面とによって形成された開口9aを有する空間が形成されている。この空間は試料の流路9として使用される。カバー3には空気孔11が形成されている。流路9は、開口9aに点着された試料が毛管現象により流路9内に引き込まれる(導入される)とともに、空気孔11に向かって移動する(流路9内を流れる)ように形成されている。電極4、電極5、電極6及び電極7の一部は流路9内で露出している。電極6及び電極7の上には試薬8が設けられている(固定されている)。これに対し、電極4及び電極5には試薬が設けられていない。
試薬8は、酵素や基質を含む。言い換えると、塩を含むといえる。試薬8はさらにメディエータを含む場合もある。酵素は試料の種別や測定対象成分に応じて適宜選択される。測定対象成分が血液や間質液中のグルコースである場合、グルコースオキシダーゼ(GOD)やグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)が適用される。メディエータは、例えば、フェリシアン化物、ルテニウム錯体、p-ベンゾキノン、p-ベンゾキノン誘導体、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン、フェロセン誘導体等である。これらの中で、フェリシアン化物またはルテニウム錯体が好ましく、フェリシアン化カリウムまたはルテニウム化合物[Ru(NH]Clがより好ましい。
電極6及び電極7はグルコース測定に用いる電極対として使用される。一例として、電極6は作用極として使用され、電極7は対極として使用される。但し、逆でもよい。電極6及び電極7は、第1の測定方法における第1電極及び第4電極の一例である。但し、電極6及び電極7の上に試薬が設けられている場合、電極6を対極として使用し、電極7を作用極として使用してもよい。また、グルコース値の測定において対極として使用される電極(電極6及び電極7の一方)には、試薬が設けられていなくてもよい。
電極4及び電極5は、Hct値の測定に用いる電極対として使用される。一例として、電極4は作用極として使用され、電極5は対極として使用される。但し、逆でもよい。このように、図1(A)及び図1(B)に示す例では、グルコース値の測定とHct値の測定とで異なる電極対が使用され、Hct値の測定には試薬のない電極対が使用される。電極4及び電極5(Hct値測定の対極)上には、塩成分及びメディエータも設けられていない。
図2(A)及び図2(B)に示すバイオセンサ10B(以下「センサ10B」)は、第2の測定方法に適用される。センサ10Bは、センサ10Aにおける電極4、電極5、電極6及び電極7の代わりの電極12、電極13及び電極14を備える3電極構成を有する。電極14上には試薬8が固定されており、電極12及び電極13上に試薬は設けられておらず、塩成分及びメディエータも設けられていない。
グルコース値の測定において、電極14が作用極として使用されるとともに、電極13が対極として使用される。これに対し、Hct値の測定において、電極12が作用極として使用されるとともに電極13が対極として使用される。電極14は第2の測定方法における第1電極に相当し、電極12及び電極13は第2の測定方法における第2電極及び第3電極に相当する。但し、電極12がグルコース値の測定時に対極として使用されてもよい。
<測定装置(血糖値計)の構成>
図3(A)は、測定装置の一例である血糖値計20の構成例を示すブロック図である。
図3(A)において、血糖値計20には、例えばセンサ10Aを接続することができる。血糖値計20は、接続されたセンサ10Aを用いてグルコース値の測定及びHct値を用いたグルコース値の補正を行う。
血糖値計20は、第1測定部21、第2測定部22、スイッチ(SW)31、制御部23、記憶部24及び出力部25を備える。スイッチ31は、複数のコネクタ(図3(A)ではコネクタ32a、コネクタ32b、コネクタ32c及びコネクタ32d)と電気的に接続される。コネクタ32aはセンサ10Aのリード部4a(電極4)と接続され、コネクタ32bはセンサ10Aのリード部5a(電極5)と接続される。コネクタ32cはセンサ10Aのリード部6a(電極6)と接続され、コネクタ32dはセンサ10Aのリード部7a(電極7)と接続される。
スイッチ31は、コネクタ32a、コネクタ32b、コネクタ32c、コネクタ32dと電極4、電極5、電極6及び電極7との電気的接続及びその切断状態を切り替えるスイッチである。制御部23は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ(例えばCentral Processing Unit(CPU))である。記憶部24は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、ROM(Read Only Memory)やハードディスクなどの
補助記憶装置を含むメモリを含む。記憶部24は、制御部23によって実行されるプログラムや、プログラムの実行に際して使用されるデータなどを記憶する。出力部25は、プリンタやディスプレイなどの出力装置、信号コネクタや通信インタフェース等の通信機器を含む。
制御部23は、グルコース値の測定時に、スイッチ31を制御して、グルコース値の測定用の作用極(電極6)及び対極(電極7)を血糖値計20と電気的に接続された状態にし、電極4及び電極5を切断状態にする。第1測定部21は、回路やプロセッサ及びメモリで構成され、以下のような動作を行う。すなわち、第1測定部21は、制御部23からの指示に従って、電極6と電極7との間に第1信号としてのDC電圧を印加を開始し、その印加が所定時間連続した後にこのDC電圧に対する応答電流値としてグルコース値に対応する応答電流値(第1信号に対する第1電気的応答値)を測定する。このとき、第1測定部21は、例えば第1信号を連続印加する所定時間の終点(エンドポイント)における応答電流値を第1電気的応答値として測定する。ただし、第1電気的応答値を得る時点(タイミング)は、第1の信号の印加の終点以外の第1の信号の印加中の所定の時点にしてもよい。
制御部23は、Hct値の測定時に、スイッチ31を制御して、Hct値の測定用の作用極(電極4)及び対極(電極5)を血糖値計20と電気的に接続された状態とし、電極6及び電極7を切断状態にする。第2測定部22は、回路やプロセッサ及びメモリで構成され、以下のような動作を行う。すなわち、第2測定部22は、制御部23からの指示に従って、電極4と電極5との間に第2信号に相当するDC電圧を印加する。第2測定部22は、DC電圧の印加をその開始から所定時間連続して行い、試料中の水分の電気分解により生じた電荷量を示す状態となった応答電流値を、第2電気的応答値として測定する。ただし、第2電気的応答値を得る時点(タイミング)は、第2の信号の印加の終点以外の第2の信号の印加中の所定の時点にしてもよい。
記憶部24は、第1測定部21にて測定される第1電気的応答値に対応するグルコース値を求める検量線データを記憶している。制御部23は、検量線テーブルを用いて第1電気的応答値をグルコース値に換算することで、グルコース値を算出する。グルコース値は、記憶部24に記憶したり、出力部25から出力(表示等)されたりする。なお、グルコース値用の検量電データは、検量線テーブルであってもよい。
また、記憶部24は、第2測定部22にて測定される第2電気的応答の値からHct値を求める検量線データを記憶している。制御部23は、検量線データを用いて第2電気的応答値をHct値に換算することで、Hct値を算出する。Hct値は、記憶部24に記憶したり、出力部25から出力(表示等)されたりする。なお、Hct値用の検量線データは、検量線テーブルであってもよい。
また、制御部23は、第2測定部22から得られる第2電気的応答値、或いは第2電気的応答値から換算したHct値を用いてグルコース値を補正する処理(グルコース値のヘマトクリット補正)を行う。例えば、記憶部24は、第2電気応答値と補正量との対応関係を示す検量線データや検量線テーブルを記憶している。制御部23は検量線データや検量線テーブルを用いて第2電気的応答値に対応する補正量を求め、グルコース値を補正する処理を行い、補正されたグルコース値を算出する。補正されたグルコース値は、記憶部24に記憶したり、出力部25から出力(表示等)されたりする。なお、グルコース値の補正に第2電気的応答値を用いる場合、第2電気的応答値からHct値へ換算する構成は必ずしも必要ではない。また、制御部23は、温度補正用の検量線データや検量線テーブルを用いて、第2電気的応答値の温度補正を行うことができる。
図3(B)は、3電極構成のセンサ10Bに対応する構成を有する血糖値計20Aを示す。この場合、コネクタ32dは省略され、コネクタ32aはリード部12a(電極12)と接続され、コネクタ32bはリード部13a(電極13)と接続され、コネクタ32cはリード部14a(電極14)と接続される。スイッチ31は、グルコース値の測定時に、例えば制御部23からの制御によって、第1測定部21と電極14及び電極13とが電気的に接続された状態とする。
これに対し、スイッチ31は、Hct値の測定時に、例えば制御部23からの制御によって、第2測定部22と電極12及び電極13とが電気的に接続された状態とする。このように、スイッチ31は、電極12~14と第1測定部21と第2測定部22との接続状態を切り替える。
第1測定部21は作用極としての電極14と対極としての電極13との間に第1信号としてのDC電圧を印加し、第1電気的応答値を測定する。第2測定部22は作用極としての電極12と対極としての電極13との間に第2信号としてのDC電圧を印加し、印加がその開始から所定時間継続した時点における第2電気的応答値の測定を行う。上記を除き、血糖値計20Aは、血糖値計20と同様の構成を有する。
<動作例>
図4は、血糖値計20の動作例を示すフローチャートである。図4に示すS01では、試料の点着が行われる。すなわち、バイオセンサ(例えばセンサ10A)が血糖値計20に接続され、被験者から採取された血液(試料)にセンサ10Aの他端10bの開口9aを接触(点着)させると、毛管力により血液が流路9に引き込まれ、流路9内を満たす。
制御部23は、点着前に電極に印加し、印加した電圧を観測し、点着によって血液と電極とが接触することによる電圧の変化を検出して、血液が流路9に導入されたことを検出する。すると、制御部23は、Hctの測定を開始する(S02)。
S02では、制御部23は、第2測定部22を制御して、第2信号を血液に印加する。すなわち、制御部23は、第2測定部22へ指示を出し、第2信号に相当するDC電圧(例えば、2.5V)をHct測定用の電極対(電極4及び電極5)に印加させる。
第2測定部22は、第2信号に相当するDC電圧の印加がその開始から所定時間(2秒
程度)継続するのを待ち、所定時間継続した時点、すなわち、応答値が(試薬による電荷量を含まなくなり、)血液中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す状態となった時点での、血液の第2電気的応答を測定する(S03)。例えば、第2測定部22は、DC電圧に対する応答信号を測定し、A/D変換して制御部23へ送る。
制御部23は、第2信号に対する血液の第2電気的応答を取得すると、グルコース測定を開始する。すなわち、制御部23は、血液に対する第1信号の印加を行う(S04)。すなわち、制御部23は、第1信号として、第2信号より低いDC電圧をグルコース測定用の電極対(電極6及び電極7)に印加することを第1測定部21に指示する。第1測定部21は、指示に従ったDC電圧の印加を行う。
第1測定部21は、第1信号に対する血液の第1電気的応答を測定する(S05)。例えば、第1測定部21は、第1信号として印加されたDC電圧の応答電流を測定する。第1測定部21は、応答電流をA/D変換して制御部23へ送信する。
制御部23は、補正部として動作し、グルコース値の補正処理を行う(S06)。すなわち、制御部23は、S05で取得した第1電気的応答(応答電流)の値と、検量線データ又は検量線テーブルを用いて、血液に含まれる補正対象成分の値(グルコース値)を算出する。また、制御部23は、S03で取得した第2電気的応答値(又は第2電気的応答値に対応するHct値)を用いて、補正したグルコース値を算出する。
制御部23は、補正したグルコース値を出力する(S07)。すなわち、制御部23は、S06で補正したグルコース値を、記憶部24に記憶し、出力部25(ディスプレイ)に表示する。制御部23は、出力部25を用い、有線又は無線ネットワークを介して他の装置へグルコース値を送信することもできる。なお、センサ10B及び血糖値計20Aを適用する場合でも、図4と同様の処理が行われる。このため、処理の詳細な説明は省略する。なお、図4に示す動作例ではHct値の測定をグルコース値の測定の前に行っているが、逆でも良い。
実施例1として、Hct測定に使用される作用極及び対極に試薬が設けられていないバイオセンサを用いたグルコース値の測定及びHct値の測定について説明する。バイオセンサとして、センサ10Aの構成を有し、電極4~7がルテニウム製であるバイオセンサを作製した。電極6及び電極7の上には試薬8を設けた。試薬8の処方及び製法は以下の通りである。ポリビニルアルコール(PVA146,000)0.8重量%、ルテニウム化合物[Ru(NH]Cl、1.6重量%、FAD-GDH2.7U、1-メトキシPMS0.3重量%、ACES緩衝液(pH6.5)を含む酵素液を調製した。この酵素液0.5μLを分注して、25℃で乾燥させることで試薬8を得た。
検体として、2名の人の全血を混合したものを用いた。試料(標本(specimen))として、グルコース値が336mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0、20%、42%、70%である標本を用意した。また、Hct値が42%であり、グルコース値がそれぞれ0、67mg/dl、600mg/dl、800mg/dlである標本を用意した。各標本の個数nはn=5とした。
評価方法は、以下の手順で行った。
1.標本のHct値を42%に調整する。
2.Hct値がそれぞれ42%に調整された試料にグルコース添加液を加える処理を行い、グルコース値がそれぞれ0mg/dl、67mg/dl、336mg/dl、600mg/dl、800mg/dlの標本群(標本群1という)を作成した。
3.また、グルコース値が336mg/dlに調整された標本のHct調整を行い、それぞれHct値が0%、20%、42%、70%の標本群(標本群2という)を作成した。4.Hct値及びグルコース値の測定は以下の条件で行った。
(1)第2電気的応答値(Hct値)の測定
検体が流路に導入されたセンサ10AのHct値の測定用電極(電極4及び電極5)を血糖値計20に接続してから5秒後(5秒開回路)にHct値の測定用のDC電圧(2.5V:第2の値を有する第2信号に相当)の印加を開始した。DC電圧の印加を2.5秒間継続し、印加開始から2.5秒後(測定開始から3秒)の応答電流(第2電気的応答値)を測定した。
(2)第1電気的応答値(グルコース値)の測定
DC2.5Vの印加開始から2.5秒後に印加を停止し、7秒間、開回路の状態(非通電状態)とした。この間にDC電圧の印加対象の電極対の切り替え(すなわち、電極4及び電極5から電極6及び電極7への切替)を行った。7秒経過時にグルコース値測定用のDC電圧(200mV:第1の値を有する第1信号に相当)を5秒間連続で印加した。測定開始から14秒の時点で応答電流(第1電気的応答値)を測定した。
グルコース値が一定(336mg/dl)で、Hct値が0%、20%、42%、70%である各標本の第2電気的応答値の測定結果を表1に示す。第2電気的応答値の測定値は、上記(2)の測定方法で示した測定開始から3秒経過した時点(印加が2.5秒継続した時点)の測定値(3秒値)である。
Figure 0007175129000001
図5(A)は、表1の測定結果に基づき作成したHct直線性を示すグラフであり、図
5(B)は、標本群2(グルコース値一定)を用いて測定した第2電気的応答値の時間的変化を示し、図5(C)は標本群2(グルコース値一定)を用いて測定した第1電気的応答値の時間的変化を示す。
図5(A)のグラフは、グルコース値一定の場合における第2電気的応答値とHct値との対応関係(Hct検量線の直線性)を示す。図5(A)に示すように、第2電気的応答値とHct値との対応関係は線形を示し、検量線として好適に使用可能であることが分かった。
図5(B)及び図5(C)からは、Hct値が大きい程、応答値が小さくなるものの、略同様の波形が観測された。図5(B)に示すように、Hct値の違いに関わらず(0~70%の範囲において)、測定開始から2秒程度経過した後の第2電気的応答値は略一定となっており、作用極及び対極の双方に試薬が設けられていなくても安定した第2電気的応答値を得ることができることがわかった。
また、図5(C)に示すように、第1電気的応答値はHct値に応じた時間的変化を示すものの、13秒を超えた当たりでは一定の値となっている。これより、Hct値の測定に続けてグルコース値の測定を行っても、所定時間経過後には一定の値となる第1電気的応答値を測定できることが分かる。
図6(A)は、Hct値が一定(42%)の標本群1を用いて測定した第2電気的応答値の時間的変化を示し、図6(B)は、Hct値が一定(42%)の標本群1を用いて測定した第1電気的応答値の時間的変化を示す。
図6(A)に示すように、グルコース値の違いに関わらず(0~800mg/dlの範囲において)、時間的変化がほぼ同様の第2電気的応答値の時間的変化が観測された。図6(B)に示すように、グルコース値が低い程、第1電気的応答値は低くなるが、13秒を超えた当たりから略一定となる第1電気的応答値が観測された。このように、Hct値の測定に続いてグルコース値を測定しても、好適なグルコース測定が行われることが分かった。実施形態で説明した構成は適宜組み合わせることができる。
1・・・絶縁性基板
2・・・スペーサ
3・・・カバー
4~7,12~14・・・電極
10A,10B・・・バイオセンサ
20,20A・・・測定装置
21・・・第1測定部
22・・・第2測定部
23・・・制御部
24・・・記憶部
25・・・出力部
31・・・スイッチ
32a,32b,32c,32d・・・コネクタ

Claims (2)

  1. 複数の電極が流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料中に含まれる測定対象成分を測定する測定方法であって、
    前記複数の電極に含まれる、酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、前記試薬が設けられていない第2電極及び第3電極とのうち、前記第1電極を作用極として用いるとともに前記第2電極及び前記第3電極の一方を対極として用いて第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、
    前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、
    前記第2電極及び前記第3電極を作用極及び対極として用いて前記第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、
    前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、
    前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、
    を含むことを特徴とする測定方法。
  2. 流路と、前記流路内に配置された複数の電極とを含み、前記複数の電極が酵素を含む試薬が設けられた第1電極と、それぞれ前記試薬が設けられていない第2電極及び第3電極とを含む分析用具を用いて、生物学的な試料中に含まれる測定対象成分を測定する測定装置において、
    前記第1電極を作用極として用いるとともに、前記第2電極及び前記第3電極の一方を対極として用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加し、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する第1測定部と、
    前記第2電極及び前記第3電極を作用極及び対極として用いて、前記第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加し、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する第2測定部と、
    前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する補正部と、
    を含むことを特徴とする測定装置。
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