JP2019035749A - 測定方法、及び測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな手法を用いて精度の高い試料中の測定対象成分の測定を可能にする。
【解決手段】測定方法は、第1の値を有する直流の第1信号の試料に対する印加に応じた第1電気的応答値を測定する工程と、第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を流路内の試料に所定時間連続して印加する工程と、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、第2信号に対する試料の第2電気的応答値を所定時間以内に測定する工程と、この第2電気的応答値に基づいて第1電気的応答値から得られる値を補正する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】測定方法は、第1の値を有する直流の第1信号の試料に対する印加に応じた第1電気的応答値を測定する工程と、第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を流路内の試料に所定時間連続して印加する工程と、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、第2信号に対する試料の第2電気的応答値を所定時間以内に測定する工程と、この第2電気的応答値に基づいて第1電気的応答値から得られる値を補正する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、測定方法、及び測定装置に関する。
従来、生物学的な試料の一例である血液中のグルコースの濃度の値(グルコース値)とヘマトクリット値(Hct値)とを測定し、Hct値でグルコース値を補正する技術がある。グルコース値及びHct値の測定方法として、例えば、メディエータが設けられた作用極と対極とを用いてHct値を測定するとともに、試薬が設けられた作用極と対極とを用いてグルコース値を測定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
或いは、試薬がそれぞれ設けられた作用極及び対極に対し、交流電圧の印加でHct値を測定するとともに、直流電圧の印加でグルコース値を測定する方法がある(例えば、特許文献2参照)。さらには、グルコース値の測定及びHct値の測定に共通の作用極を使用し、両測定を直流電圧の印加により行う方法がある(例えば、特許文献3参照)。或いは、試料に接触可能な第1の電極対に対して入力された第1信号に対する第1電気的応答を測定し、前記試料に接触可能な第2の電極対に対して入力された第2信号であって、第1のレベルから第2のレベルへ値が変化し、その後、一定の時間、前記第2のレベルを保つ第2信号に対する第2電気的応答を、前記第2信号の前記変化に対する応答信号のピーク値として測定し、前記応答信号のピーク値に基づいて、第1電気的応答から得られる前記試料の測定対象成分の量を示す値を補正する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
本発明は、新たな手法を用いて精度の高い試料中の測定対象成分の測定を可能にする測定方法、測定装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、酵素を含む試薬が設けられた少なくとも1つの作用極と、少なくとも1つの対極とが流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定方法であって、
前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、
前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、
前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、
前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、
前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、
前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、
前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、
前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、
前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の他の側面は、酵素を含む試薬が設けられた少なくとも1つの作用極と、少なくとも1つの対極とが流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定装置において、
前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の試料に印加し、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する第1測定部と、
前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加し、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する第2測定部と、
前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する補正部と、を含むことを特徴とする測定装置である。
前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の試料に印加し、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する第1測定部と、
前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加し、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する第2測定部と、
前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する補正部と、を含むことを特徴とする測定装置である。
本発明によれば、精度の高い試料中の測定対象成分の測定が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、酵素を含む試薬が設けられた少なくとも1つの作用極と、少なくとも1つの対極とが流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定方法である。この測定方法は、前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、を含む、ことを特徴とする。補正された値は、試料中の測定対象成分の測定値として扱われる。
分析用具は、例えばバイオセンサである。試料は、例えば、生物学的な試料であり、生物学的な試料は、血液、間質液、尿などの液体試料である。試料中の測定対象成分は、グルコース値(血糖値)、ラクテート値(乳酸値)などである。試薬は、酵素およびメディエータを含むようにしても良い。
分析用具は、少なくとも1つの作用極を含む。作用極の数は1つでも複数でもよい。複数の作用極を含む場合、複数の作用極のうち、第1電気的応答値及び第2電気的応答値の測定に用いられる作用極に上記試薬が設けられる。例えば、固形の試薬が作用極上に固定される。
本発明では、前記少なくとも1つの対極のうち、塩成分が設けられていない対極を前記第2信号の印加に用いるのが好ましい。また、本発明では、前記少なくとも1つの対極のうち、メディエータが設けられていない対極を前記第2信号の印加に用いるのが好ましい。
本発明では、前記第1信号の印加に用いる作用極を前記第2信号の印加に用いる作用極として用いる。すなわち、第1信号を用いる測定と第2信号を用いる測定とに共通の作用極を用いる。これにより、第1信号と第2信号を同じ測定環境下で測定できるので、測定精度を向上できる。また、作用極の共通化で、分析用具の部品点数を減らし、分析用具を小型化できる。また、分析用具のコストを抑えることができる。
本発明では、前記分析用具が前記少なくとも1つの対極として、酵素およびメディエータを含む試薬が設けられた第1対極と、酵素およびメディエータを含む試薬が設けられていない第2対極とを含む場合に、前記第1対極を前記第1信号の印加に用いるとともに、前記第2対極を前記第2信号の印加に用いるのが好ましい。すなわち、第1信号を用いる測定と第2信号を用いる測定とに異なる対極を使用してもよい。これにより、第1信号と第2信号の印加が同じ測定環境下となるので、第1信号を用いる測定の測定精度を向上できる。
本発明では、前記第1信号の印加に用いる対極を前記第2信号の印加に用いてもよい。すなわち、第1信号を用いる測定と第2信号を用いる測定とに共通の対極を用いる。これにより、第1信号と第2信号を同じ測定環境下で測定できるので、測定精度を向上できる。また、対極の共通化で、分析用具の部品点数を減らし、分析用具を小型化できる。また、分析用具のコストを抑えることができる。
本発明では、前記少なくとも1つの対極のうち、酵素およびメディエータを含む試薬が設けられていない対極を前記第1信号の印加及び前記第2信号の印加に用いるのが好ましい。試薬が設けられていると、試薬と試料との反応で対極の周辺環境に変化が生じ、測定
結果に影響が生じる可能性があるからである。
結果に影響が生じる可能性があるからである。
本発明において、前記試料は血液であるのが好ましい。また、前記測定対象成分はグルコースであるのが好ましい。前記試料の第2電気的応答値はヘマトクリットを示す値であるのが好ましい。また、前記試料の第1電気的応答値は前記ヘマトクリットを示す値により補正される前のグルコースを示す値であるのが好ましい。
本発明では、第1電気的応答値の測定と第2電気的応答値の測定とは異なるタイミングで行う。測定の順序は、どちらが先でもよい。本発明において、第1の値を有する直流の第1信号、及び前記第1の値と異なる第2の値を有する直流の第2信号は、例えば、時間によって方向が変化しない電圧、つまり直流(DC)電圧である。第1信号は第1電圧と呼ばれてもよく、第2信号は第2電圧と呼ばれてもよい。第1の値及び第2の値は、電極材料や酵素、メディエータの種類によって異なる。但し、絶対条件として、第1の値<第2の値(第1の値より第2の値が大きい)となる。
電極に対する印加電圧は、水の電気分解が起こる電圧に鑑み、DC1.0V程度が下限となる。また、1.0V以上であれば試料中の測定対象成分の影響を受けない応答電流値となる。一方、印加電圧の上昇に伴い試料中に気泡が発生し、電気的応答値が気泡の影響を受けた値となるため、印加電圧の上限は気泡の発生しない7.0V程度となる。なお、例えば、電極材料にルテニウムを用いる(ルテニウム電極を用いる)場合、下限が1.5Vで、上限が5.0Vの印加電圧であることが好ましい。電極材料にルテニウムを用い、対極に試薬が設けられていない場合では、第1信号としてのDC電圧値(第1の値の一例)は、例えば0.5V程度であり、第2信号としてのDC電圧値(第2の値の一例)は、例えば2.5V程度である。但し、上述したように、第2の値の上限は気泡の発生しない7V程度となる。本発明において、第2信号に適用するDC電圧の第2の値は、1V以上7V以下であり、さらに好ましくは1.8V又は2V以上5V以下であり、例えば2.5Vである。第2信号の連続印加を行う所定時間は、好ましくは2〜5秒であり、さらに好ましくは2.5〜4秒であり、例えば3秒である。第1信号としてのDC電圧の第1の値は、第2の値より小さい値となり、好ましくは50mV〜1Vであり、さらに好ましくは100mV〜500mVであり、例えば200mVである。なお、これはルテニウム電極の場合であり、ルテニウムと異なる材料の電極を用いた場合は、適切な印加電圧は異なる範囲となる。また、酵素や基質、すなわち塩の種類によっても適切な印加電圧は異なる範囲となりうる。
本発明では、前記試料に対する所定値以上の前記第2信号の印加を所定時間以上行い、印加がその開始から所定時間継続した時点における前記第2電気的応答値の測定を行う。これは以下のような測定原理に基づく。分析用具の流路内の試料(第2電気的応答値の測定用の電極)に対し、第2の値の第2信号(例えばDC電圧)を印加する。この場合、印加開始から1秒程度の期間における第2電気的応答値は、試料中の測定対象成分の濃度(例えばグルコース値)に依存した減衰曲線を示す。これに対し、印加開始から2秒程度経過すると、第2電気的応答値は、測定対象成分の濃度に拠らず、試料中のHct値に応じた一定の値を示す。このような現象は、以下により生じる。
すなわち、第2信号の印加により、測定対象成分→試薬→電極への電荷移動が進むとともに、試料中の水分(H2O)の電気分解によってH2O→電極への電荷移動が発生する。但し、電荷がH2Oから電極へ移動する力は電荷が測定対象成分から試薬を介して電極へ移動する力より強い。なお、試薬が酵素及びメディエータを含む場合には、測定対象成分→試薬(酵素→メディエータ)→電極の順で電荷移動が進む。
このため、第2信号の印加開始から或る程度の期間(1秒程度)では、測定対象成分か
らの電荷移動に依る第2電気的応答値が見られるが、所定時間(2秒程度)の経過以後では、H2Oから電極への電荷移動が試薬から電極への電荷移動に勝り、試薬が電荷を抱えたまま飽和して、試薬から電極への電荷移動が発生しなくなる。すなわち、第2信号の印加開始から2秒程度(所定時間)が経過した後では、第2信号の印加に対する第2電気的応答値は、実質的にH2Oの電気分解により生じた電荷量を示す値となる。換言すれば、第2電気的応答値は、第2信号の印加を所定時間連続して行うことで得られる、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す値である。なお、試薬が酵素及びメディエータを含む場合において、試薬から電極への電荷移動が発生しなくなることは、酵素からメディエータへの電荷移動が発生しなくなること、メディエータから電極への電荷移動が発生しなくなること、および、これらの双方のいずれかを意味する。
らの電荷移動に依る第2電気的応答値が見られるが、所定時間(2秒程度)の経過以後では、H2Oから電極への電荷移動が試薬から電極への電荷移動に勝り、試薬が電荷を抱えたまま飽和して、試薬から電極への電荷移動が発生しなくなる。すなわち、第2信号の印加開始から2秒程度(所定時間)が経過した後では、第2信号の印加に対する第2電気的応答値は、実質的にH2Oの電気分解により生じた電荷量を示す値となる。換言すれば、第2電気的応答値は、第2信号の印加を所定時間連続して行うことで得られる、試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す値である。なお、試薬が酵素及びメディエータを含む場合において、試薬から電極への電荷移動が発生しなくなることは、酵素からメディエータへの電荷移動が発生しなくなること、メディエータから電極への電荷移動が発生しなくなること、および、これらの双方のいずれかを意味する。
ここで、ヘマトクリットは血液中の有形成分(血球)の体積であるので、Hct値が高いことは電気分解されるH2O(血漿)の量が少ないことを意味する。したがって、Hct値が高い程、印加が所定時間継続した時点の第2電気的応答値は低くなる。換言すれば、印加が所定時間継続した時点の第2電気的応答値はHct値と負の関数で比例する。これより、第2電気的応答値とHct値との検量線(相関関係を示すテーブル等)を作成しておけば、印加が所定時間継続した時点の第2電気的応答値からHct値を算出することができる。このような第2電気的応答値やHct値は、測定対象成分の補正に使用できる。
上記からは、以下が理解される。すなわち、第2信号の印加がその開始から所定時間継続した時点における第2電気的応答値を測定することで、所定時間経過前の第2電気的応答値よりも正確なHct値を示す第2電気的応答値を得ることができる。すなわち、精度の高いHct値の測定を行うことができる結果、測定対象成分の補正の精度を高めることができ、精度の向上した測定対象成分の測定を行うことが可能となる。また、印加が所定時間継続した時点では、第2信号の印加による電気化学反応が所定時間経過前より安定するので、この第2電気的応答電流値からは、所定時間経過前の第2電気的応答電流値から求まるHct値よりも精度の高いHct値を得ることができる。
ここで、「電極に試薬が設けられている」とは電極上に試薬が接触して設置されている状態、固定されている状態、または、載置されている状態などである。また、作用極および対極には試薬が設けられないが、作用極と対極の間に試薬が設けられている場合も「第1電気的応答値の測定に用いる二つの電極」に当てはまる。「作用極と対極の間に試薬が設けられている」とは、作用極と対極の間の基板上に試薬が接触して設置されている状態である。「作用極と対極の間に試薬が設けられている」場合は、作用極と対極の間の流路を形成するスペーサ上やカバー上に試薬が接触して設置されている状態も含む。例えば、試薬の設置位置が基板上にないが、流路を平面視した場合に試薬が作用極と対極の間にある状態である。言い換えると、「作用極と対極の間に試薬が設けられている」とは、流路内に導入された試料の影響によって、設置されている試薬が作用極近傍の測定環境に拡散(移動)できるように設けられていることを意味する。
さらに、「第2電気的応答値の測定に用いる二つの電極」に関しては、二つの電極の双方に試薬が設けられていない。また、第2電気的応答値の測定に用いる二つの電極(例えば、作用極と対極)に関して、作用極及び対極には試薬が設けられないが、作用極と対極の間に試薬が設けられている場合の作用極及び対極は「第2電気的応答値の測定に用いる二つの電極」に当てはまらない。すなわち、第2電気的応答値の測定においては作用極及び対極だけではなく、第2電気的応答値の測定環境のすべてにおいて試薬が設けられていないことが必要となる。
〔実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る液体の収容容器について説明する。以下に説明する実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る液体の収容容器について説明する。以下に説明する実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
以下の実施形態では、測定方法及び測定装置の一例として、分析用具であるバイオセンサを用い、試料中の測定対象成分としての血液中のグルコース値の測定を行い、血液中のHct値(第2電気的応答値)でグルコース値を補正する測定方法及び測定装置について説明する。
<バイオセンサの構成>
図1(A)、図1(B)、図2(A)及び図2(B)は、実施形態に係るバイオセンサの構成例を示す。図1(A)は実施形態に係る分析用具(2電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したバイオセンサの側面図である。図2(A)は実施形態に係る分析用具(3電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示したバイオセンサの側面図である。
図1(A)、図1(B)、図2(A)及び図2(B)は、実施形態に係るバイオセンサの構成例を示す。図1(A)は実施形態に係る分析用具(2電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したバイオセンサの側面図である。図2(A)は実施形態に係る分析用具(3電極を有するバイオセンサ)の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示したバイオセンサの側面図である。
図1(A)及び図1(B)において、バイオセンサ10A(以下「センサ10A」)は、一端10aと他端10bとを有する長手方向(X方向)と、幅方向(Y方向)とを有する。センサ10Aは、絶縁性基板1(以下「基板1」)と、スペーサ2と、カバー3とを高さ方向(Z方向)に積層して接着することにより形成される。
基板1には、例えば合成樹脂(プラスチック)が用いられている。合成樹脂として、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラスエポキシのような各種の樹脂を適用できる。なお、基板1には、合成樹脂以外の絶縁性材料を適用可能である。絶縁性材料は、合成樹脂の他、紙、ガラス、セラミック、生分解性材料などを含む。スペーサ2及びカバー3には、基板1と同じ材料を適用できる。
基板1の上面には、複数の電極の一例として、第1電極4と、第2電極5とが設けられている。第1電極4、第2電極5のそれぞれは、センサ10Aの幅方向に延びる部分と、長手方向に延びる部分とを有するカギ型を有し、長手方向に延びる部分はリード部4a、リード部5aである。一端10a側にあるリード部4a及びリード部5aは、スペーサ2及びカバー3で覆われておらず、血糖値計20(図3)のコネクタとの電気的接続に使用される。
第1電極4及び第2電極5のそれぞれは、例えば、金(Au),白金(Pt),銀(Ag),パラジウム,ルテニウム、ニッケルのような金属材料およびその合金、或いはカーボンのような炭素材料を用いて形成される。例えば、第1電極4及び第2電極5は、金属材料を物理蒸着(PVD,例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜することによって、所望の厚さを有する金属層として形成することができる。或いは、第1電極4及び第2電極5は、炭素材料を含むインクをスクリーン印刷で基板1上に印刷することで形成することもできる。
スペーサ2は他端10b側に向けて開口する矩形の切り欠き部(他端10bから一端10a側へ凹んだ凹部)を有する。基板1、スペーサ2及びカバー3の積層により、センサ10Aの他端10b側には、スペーサ2の切り欠き部の厚みの面と、切り欠き部によって夫々露出する(スペーサ2との接着によって被覆されない)、電極が設けられた基板1の上面及びカバー3の下面とによって形成された開口9aを有する空間が形成されている。この空間は試料の流路9として使用される。カバー3には空気孔11が形成されている。
流路9は、開口9aに点着された試料が毛管現象により流路9内に引き込まれる(導入される)とともに、空気孔11に向かって移動する(流路9内を流れる)ように形成されている。第1電極4及び第2電極5の一部は流路9内で露出している。第2電極5上には試薬8が設けられている(固定されている)。一方、第1電極4上には、試薬8が設けられていない。第1電極4には、試薬8を設けても設けなくてもよいが、好ましくは試薬8を設けない。
流路9は、開口9aに点着された試料が毛管現象により流路9内に引き込まれる(導入される)とともに、空気孔11に向かって移動する(流路9内を流れる)ように形成されている。第1電極4及び第2電極5の一部は流路9内で露出している。第2電極5上には試薬8が設けられている(固定されている)。一方、第1電極4上には、試薬8が設けられていない。第1電極4には、試薬8を設けても設けなくてもよいが、好ましくは試薬8を設けない。
試薬8は、酵素や基質を含む。言い換えると、塩を含むといえる。試薬8はさらにメディエータを含む場合もある。酵素は試料の種別や測定対象成分に応じて適宜選択される。測定対象成分が血液や間質液中のグルコースである場合、グルコースオキシダーゼ(GOD)やグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)が適用される。メディエータは、例えば、フェリシアン化物、ルテニウム錯体、p−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン、フェロセン誘導体等である。これらの中で、フェリシアン化物またはルテニウム錯体が好ましく、フェリシアン化カリウムまたはルテニウム化合物[Ru(NH3)6]Cl3がより好ましい。
第1電極4及び第2電極5はグルコース値の測定及びHct値の測定に用いる電極対として使用される。第1電極4はグルコース値の測定及びHct値の測定の双方における対極として使用される。試薬8が設けられた第2電極5は、グルコース値の測定及びHct値の測定の双方における作用極として使用される。このように、センサ10Aでは、グルコース値の測定とHct値の測定との間で対極及び作用極が共通化されている。
図2(A)及び図2(B)に示すバイオセンサ10B(以下「センサ10B」)は、第1電極4及び第2電極5の代わりに第1電極12、第2電極13及び第3電極14を含む3電極構成を有する。第2電極13上には、試薬8が固定されている。一方、第1電極12及び第3電極14上に試薬8は設けられていない。すなわち、第1電極12及び第3電極14上に試薬8を設けても設けなくてもよい。好ましくは、第1電極12上には、塩成分、メディエータ、及び試薬8のいずれも設けられない。
第1電極12は、Hct値の測定における対極として使用される。試薬8が設けられた第2電極13は、グルコース値の測定及びHct値の測定の双方における作用極として使用される。このように、グルコース値の測定とHct値の測定間で作用極が共通化されている。また、第3電極14には図示しない試薬(試薬8について説明した成分と同じ成分を有する)が設けられおり、グルコース値の測定用の対極として使用される。上記を除き、センサ10Bはセンサ10Aと同様の構成を有する。
センサ10Bの第3電極14は、グルコース値の測定用の電極として使用されるが、試薬が設けられない構成を採用し得る。また、バイオセンサ(例えばセンサ10B)は、第1電極12、第2電極13及び第3電極14以外の電極(図示せず)を有する4電極構成であってもよい。
4電極構成の場合、4電極のうちの2電極や3電極を用いて、上記したセンサ10Aやセンサ10Bと同様の使用方法で、グルコース値の測定及びHct値の測定を行うことができる。また、4電極構成の場合、グルコース値の測定とHct値の測定との間で異なる電極対を使用してもよい。この場合でも、グルコース値の測定で作用極として使用される電極と、Hct値の測定で作用極として使用される電極とのそれぞれには、試薬8と同等の試薬が固定される。一方、グルコース値の測定で対極として使用される電極と、Hct値の測定で対極として使用される電極とのそれぞれには、試薬を設けても設けなくてもよい。好ましくは、グルコース値の測定で対極として使用される電極には試薬が設けられ、Hct値の測定で対極として使用される電極には試薬が設けられない。
また、バイオセンサは、上記したグルコース値の測定及びHct値の測定に係る対極及び作用極以外に、参照極として使用される電極や、グルコース値の測定及びHct値の測定以外の測定項目の測定用の電極を備えていてもよい。
<測定装置(血糖値計)の構成>
図3は、測定装置の一例である血糖値計20の構成例を示すブロック図である。図3において、血糖値計20には、例えばセンサ10B(図2(A)及び(B))を接続することができる。血糖値計20は、接続されたセンサ10Bを用いてグルコース値及びHct値を用いたグルコース値の補正を行う。
図3は、測定装置の一例である血糖値計20の構成例を示すブロック図である。図3において、血糖値計20には、例えばセンサ10B(図2(A)及び(B))を接続することができる。血糖値計20は、接続されたセンサ10Bを用いてグルコース値及びHct値を用いたグルコース値の補正を行う。
血糖値計20は、第1測定部21、第2測定部22、スイッチ(SW)31、制御部23、記憶部24及び出力部25を備える。スイッチ31は、コネクタ32a、コネクタ32b、コネクタ32cと電気的に接続されている。コネクタ32aはセンサ10Bのリード部12a(第1電極12)と接続され、コネクタ32bはセンサ10Bのリード部13a(第2電極13)と接続され、コネクタ32cはセンサ10Bのリード部14a(第3電極14)と接続されている。
スイッチ31は、コネクタ32a、コネクタ32b、及びコネクタ32cと電極との電気的接続及びその切断状態を切り替えるスイッチである。制御部23は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ(例えばCentral Processing Unit(CPU)
)である。記憶部24は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、ROM(Read Only Memory)やハードディスクなどの補助記憶装置を含むメモリを含む。記憶部24は、制御部23によって実行されるプログラムや、プログラムの実行に際して使用されるデータなどを記憶する。出力部25は、プリンタやディスプレイなどの出力装置、信号コネクタや通信インタフェース等の通信機器を含む。
)である。記憶部24は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、ROM(Read Only Memory)やハードディスクなどの補助記憶装置を含むメモリを含む。記憶部24は、制御部23によって実行されるプログラムや、プログラムの実行に際して使用されるデータなどを記憶する。出力部25は、プリンタやディスプレイなどの出力装置、信号コネクタや通信インタフェース等の通信機器を含む。
制御部23は、グルコース値の測定時に、スイッチ31を制御して、グルコース値の測定用の作用極(第2電極13)及び対極(第3電極14)を血糖値計20と電気的に接続された状態にし、第1電極12を切断状態にする。第1測定部21は、回路やプロセッサ及びメモリで構成され、以下のような動作を行う。すなわち、第1測定部21は、制御部23からの指示に従って、第2電極13と第3電極14との間に第1信号としてのDC電圧の印加を開始し、その印加が所定時間連続した後にこのDC電圧に対する応答電流値としてグルコース値に対応する応答電流値(第1信号に対する第1電気的応答値)を測定する。このとき、第1測定部21は、例えば第1信号を連続印加する所定時間の終点(エンドポイント)における応答電流値を第1電気的応答値として測定する。ただし、第1電気的応答値を得る時点(タイミング)は、第1の信号の印加の終点以外の第1の信号の印加中の所定の時点にしてもよい。
制御部23は、Hct値の測定時に、スイッチ31を制御して、Hct値の測定用の作用極(第2電極13)及び対極(第1電極12)を血糖値計20と電気的に接続された状態とし、第3電極14を切断状態にする。第2測定部22は、回路やプロセッサ及びメモリで構成され、以下のような動作を行う。すなわち、第2測定部22は、制御部23からの指示に従って、第2電極13と第1電極12との間に第2信号に相当するDC電圧を印加する。第2測定部22は、DC電圧の印加をその開始から所定時間連続して行い、試料中の水分の電気分解により生じた電荷量を示す状態となった応答電流値を、第2電気的応答値として測定する。ただし、第2電気的応答値を得る時点(タイミング)は、第2の信号の印加の終点以外の第2の信号の印加中の所定の時点にしてもよい。
なお、血糖値計20がセンサ10A(図1)に対応する構成を有する場合、コネクタ3
2cは省略され、コネクタ32aはリード部4a(第1電極4)と接続され、コネクタ32bはリード部5a(第2電極5)と接続される。スイッチ31は、グルコース値の測定時に、例えば制御部23からの制御によって、第1測定部21と第1電極4及び第2電極5とが電気的に接続された状態とする。
2cは省略され、コネクタ32aはリード部4a(第1電極4)と接続され、コネクタ32bはリード部5a(第2電極5)と接続される。スイッチ31は、グルコース値の測定時に、例えば制御部23からの制御によって、第1測定部21と第1電極4及び第2電極5とが電気的に接続された状態とする。
これに対し、スイッチ31は、Hct値の測定時に、例えば制御部23からの制御によって、第2測定部22と第1電極4及び第2電極5とが電気的に接続された状態とする。これによって、第1電極4及び第2電極5と第1測定部21と第2測定部22との接続状態を切り替えられる。第1測定部21は第1電極4と第2電極5との間に第1信号としてのDC電圧を印加し、第1電気的応答値を測定する。第2測定部22は第1電極4と第2電極5との間に第2信号としてのDC電圧を印加し、印加が開始されてから所定時間経過後に第2電気的応答値の測定を行う。
記憶部24は、第1測定部21にて測定される第1電気的応答値に対応するグルコース値を求める検量線データを記憶している。制御部23は、検量線データを用いて第1電気的応答値をグルコース値に換算することで、グルコース値を算出する。グルコース値は、記憶部24に記憶したり、出力部25から出力(表示等)されたりする。なお、グルコース値用の検量線データは、検量線テーブルであってもよい。
また、記憶部24は、第2測定部22にて測定される第2電気的応答の値からHct値を求める検量線データを記憶している。制御部23は、検量線データを用いて第2電気的応答値をHct値に換算することで、Hct値を算出する。Hct値は、記憶部24に記憶したり、出力部25から出力(表示等)されたりする。なお、Hct値用の検量線データは、検量線テーブルであってもよい。
また、制御部23は、第2測定部22から得られる第2電気的応答値、或いは第2電気的応答値から得たHct値を用いてグルコース値を補正する処理(グルコース値のヘマトクリット補正)を行う。すなわち、制御部23は、補正部として動作する。例えば、記憶部24は、第2電気応答値と補正量との対応関係を示す検量線データや検量線テーブルを記憶している。制御部23は、検量線データや検量線テーブルを用いて第2電気的応答値に対応する補正量を求め、グルコース値を補正する処理を行い、補正されたグルコース値を算出する。補正されたグルコース値は、記憶部24に記憶したり、出力部25から出力(表示等)されたりする。なお、グルコース値の補正に第2電気的応答値を用いる場合、第2電気的応答値からHct値への換算は必ずしも必要ではない。また、制御部23は、温度補正用の検量線データや検量線テーブルを用いて、第2電気的応答値の温度補正を行うことができる。
<動作例>
図4は、血糖値計20の動作例を示すフローチャートである。図4に示すS01では、試料の点着が行われる。すなわち、バイオセンサ(例えばセンサ10B)が血糖値計20に接続され、被験者から採取された血液(試料)にセンサ10Bの他端10bの開口9aを接触(点着)させると、毛管力により血液が流路9に引き込まれ、流路9内を満たす。
図4は、血糖値計20の動作例を示すフローチャートである。図4に示すS01では、試料の点着が行われる。すなわち、バイオセンサ(例えばセンサ10B)が血糖値計20に接続され、被験者から採取された血液(試料)にセンサ10Bの他端10bの開口9aを接触(点着)させると、毛管力により血液が流路9に引き込まれ、流路9内を満たす。
制御部23は、点着前に電極に印加し、印加した電圧を観測し、点着によって血液と電極とが接触することによる電圧の変化を検出して、血液が流路9に導入されたことを検出する。すると、制御部23は、Hct値の測定を開始する(S02)。
S02では、制御部23は、第2測定部22を制御して、第2信号を血液に印加する。すなわち、制御部23は、第2測定部22へ指示を出し、第2信号に相当するDC電圧(例えば、2.5V)をHct値の測定用の電極対(第1電極12、第2電極13)に印加
させる。
させる。
第2測定部22は、第2信号に相当するDC電圧の印加がその開始から所定時間(2秒程度)継続するのを待ち、所定時間継続した時点、すなわち、応答値が(試薬による電荷量を含まなくなり、)血液中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す状態となった時点での、血液の第2電気的応答を測定する(S03)。例えば、第2測定部22は、DC電圧に対する応答信号を測定し、A/D変換して制御部23へ送る。
制御部23は、第2信号に対する血液の第2電気的応答を取得すると、グルコース値の測定を開始する。すなわち、制御部23は、血液に対する第1信号の印加を行う(S04)。すなわち、制御部23は、第1信号である第2信号より低いDC電圧をグルコース値の測定用の電極対(第3電極14、第2電極13)に印加することを第1測定部21に指示する。第1測定部21は、指示に従ったDC電圧の印加を行う。
第1測定部21は、第1信号に対する血液の第1電気的応答を測定する(S05)。例えば、第1測定部21は、第1信号の応答電流を測定する。第2測定部22は、応答電流をA/D変換して制御部23へ送信する。
制御部23は、グルコース値の補正処理を行う(S06)。すなわち、制御部23は、S05で取得した第1電気的応答と、検量線データ又は検量線テーブルとを用いて、血液に含まれる補正対象成分の値(グルコース値)を算出する。また、制御部23は、S03で取得した第2電気的応答(又は第2電気的応答に対応するHct値)を用いて、補正したグルコース値を算出する。
制御部23は、補正したグルコース値を出力する(S07)。すなわち、制御部23は、S06で補正したグルコース値を、記憶部24に記憶し、出力部25(ディスプレイ)に表示する。制御部23は、出力部25を用い、有線又は無線ネットワークを介して他の装置へグルコース値を送信することもできる。
実施例1として、試薬が設けられた作用極と試薬が設けられていない対極とを用いた検体中のHct値の測定及びグルコース値の測定を行った。実施例1では、バイオセンサとして、センサ10Aの構成を有し、第1電極4及び第2電極5がルテニウム製であるバイオセンサを作製した。第2電極5の上には試薬8を設けた。試薬8の処方及び製法は以下の通りである。ポリビニルアルコール(PVA146,000)0.8重量%、ルテニウム化合物[Ru(NH3)6]Cl3、1.6重量%、FAD−GDH2.7U、1-メトキシPMS0
.3重量%、ACES緩衝液(pH6.5)を含む酵素液を調製した。この酵素液0.5μLを分注して、25℃で乾燥させることで試薬8を得た。
.3重量%、ACES緩衝液(pH6.5)を含む酵素液を調製した。この酵素液0.5μLを分注して、25℃で乾燥させることで試薬8を得た。
検体(試料)として、2名の人の全血を混合したものを用いた。試料(標本(specimen))として、グルコース値がそれぞれ50mg/dl、400mg/dl、800mg/dlに調整されるともに、Hct値が0%、20%、42%、65%に調整された標本を用意した。
Hct値及びグルコース値の測定は以下の条件で行った。
(1)第2電気的応答値(Hct値)の測定
検体が流路に導入されたバイオセンサのHct値の測定用電極(第1電極4及び第2電極5)を測定装置に接続してから0.5秒後(0.5秒開回路)にHct値の測定用のDC電圧(2.5V:第2の値を有する第2信号に相当)の印加を開始した。DC電圧の印加を2秒間継続し、印加開始から2秒後(測定開始から2.5秒経過時)の応答電流(第
2電気的応答値)を測定した。
(1)第2電気的応答値(Hct値)の測定
検体が流路に導入されたバイオセンサのHct値の測定用電極(第1電極4及び第2電極5)を測定装置に接続してから0.5秒後(0.5秒開回路)にHct値の測定用のDC電圧(2.5V:第2の値を有する第2信号に相当)の印加を開始した。DC電圧の印加を2秒間継続し、印加開始から2秒後(測定開始から2.5秒経過時)の応答電流(第
2電気的応答値)を測定した。
(2)第1電気的応答値(グルコース値)の測定
DC2.5Vの印加開始から2秒後に印加を停止し、1秒間、開回路の状態(非通電状態)とした。その後グルコース値測定用のDC電圧(1V:第1の値を有する第1信号に相当)を印加した。そして測定開始から7秒の時点での応答電流(第1電気的応答値)を測定した。このように、同一の検体に対して、Hct値の測定とグルコース値の測定とを連続して行った。
DC2.5Vの印加開始から2秒後に印加を停止し、1秒間、開回路の状態(非通電状態)とした。その後グルコース値測定用のDC電圧(1V:第1の値を有する第1信号に相当)を印加した。そして測定開始から7秒の時点での応答電流(第1電気的応答値)を測定した。このように、同一の検体に対して、Hct値の測定とグルコース値の測定とを連続して行った。
図5(A)〜(F)は、実施例1におけるHct値及びグルコース値の測定結果を示す。図5(A)は、グルコース値が50mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、20%、42%、65%である標本について上記(1)の測定条件で実施したHct値の測定結果を示す。図5(B)は、図5(A)に係るHct値の測定に続いて上記(2)の測定条件で実施したグルコース値の測定結果を示す。図5(C)は、グルコース値が400mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、20%、42%、65%である標本について上記(1)の測定条件で実施したHct値の測定結果を示す。図5(D)は、図5(C)に係るHct値測定に続いて上記(2)の測定条件で実施したグルコース値の測定結果を示す。図5(E)は、グルコース値が800mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、20%、42%、65%である標本について上記(1)の測定条件で実施したHct値の測定結果を示す。図5(F)は、図5(E)に係るHct値の測定に続いて上記(2)の測定条件で実施したグルコース値の測定結果を示す。
図5(A)、図5(C)、および図5(E)は、第2信号(DC2.5V)を印加した場合における第2電気的応答値である応答電流の時間的変化を示す。図5(B)、図5(D)、および図5(F)は、第1信号(DC1V)を印加した場合における第1電気的応答値である応答電流の時間的変化を示す。
図5(A)、図5(C)、および図5(E)を参照すると、各時間的変化の波形(タイムコース)において、測定開始から1秒程度では、グルコース値及びHct値に関わらず、電流値が急激に減少している。これは、グルコースから試薬(酵素及びメディエータ)を介して電極へ至る電荷移動が要因と考えられる。この時点の応答電流はグルコース値に依存している。これに対し、2秒程度の経過後(印加が2秒程度継続した時点)では、電流の傾きが緩やか、或いは略一定となっている。これは、上述したように、応答電流が試料中のH2O(血漿)から電極への電荷移動となっている(応答電流がHct値に依存している)からと考えられる。
図6(A)〜(C)は実施例1に係るHct値の直線性を示す。図6(A)は、グルコース値が50mg/dlの場合におけるHct値の直線性(応答電流とHct値との関係)を示す。図6(B)は、グルコース値が400mg/dlの場合におけるHct値の直線性(応答電流とHct値との関係)を示す。図6(C)は、グルコース値が800mg/dlの場合におけるHct値の直線性(応答電流とHct値との関係)を示す。
図6(A)、図6(B)、図6(C)のいずれにおいても、Hct値として、上記(1)の測定条件における測定開始から2.5秒後(印加開始から2秒後)に測定した応答電流の値(第2電気的応答値)を用いた。図6(A)、図6(B)、図6(C)に示される結果より、グルコース値に関わらず、応答電流値とHct値とが相関することが確認できる。実施例1より、DC2.5Vの印加開始から2秒後の応答電流を測定すれば、Hct値に依存する電流を測定できることが分かる。
実施例2として、バイオセンサに3電極構成のバイオセンサを用いた場合のHct値及びグルコース値の測定を行った。実施例2では、電極材料にルテニウムを用いたセンサ10B(3電極構成:図2(A)及び(B)参照)を作成し、第2電極13上に試薬8を設けた。Hct値の測定では、第1電極12を対極として用い、第2電極13を作用極として用いた。これに対し、グルコース値の測定では、第2電極13を作用極として用い、第3電極14を対極として用いた。第3電極14上には、試薬8と同様の試薬(図示せず)を設けた。試薬8の処方及び製法は実施例1と同じである。
実施例2に係る標本として、実施例1と同様のHct値及びグルコース値の組み合わせを有する標本を用意した。
実施例2でも、Hct値の測定に続いて、同じ標本に対するグルコース値の測定を連続して行った。Hct値及びグルコース値の測定条件(測定方法)は以下であった。
(1)第2電気的応答値(Hct値)の測定
実施例1と同じ。
(2)第1電気的応答値(グルコース値)の測定
DC2.5V(第2信号)の印加開始から2秒後に印加を停止し、15秒間、開回路の状態(非通電状態)とした。その間に、電極の接続状態を、第1電極12及び第2電極13との接続から、第2電極13及び第3電極14との接続に切り替えた。測定開始から17.5秒後に、グルコース値の測定用のDC電圧(200mV:第1の値を有する第1信号に相当)の印加を開始した。そして、測定開始から7秒の時点での応答電流(第1電気的応答値)を測定した。
(1)第2電気的応答値(Hct値)の測定
実施例1と同じ。
(2)第1電気的応答値(グルコース値)の測定
DC2.5V(第2信号)の印加開始から2秒後に印加を停止し、15秒間、開回路の状態(非通電状態)とした。その間に、電極の接続状態を、第1電極12及び第2電極13との接続から、第2電極13及び第3電極14との接続に切り替えた。測定開始から17.5秒後に、グルコース値の測定用のDC電圧(200mV:第1の値を有する第1信号に相当)の印加を開始した。そして、測定開始から7秒の時点での応答電流(第1電気的応答値)を測定した。
図7(A)〜(F)は、実施例2に係るHct値及びグルコース値の測定結果を示す。図7(A)は、グルコース値が50mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、20%、42%、65%である標本について実施したHct値の測定結果を示す。図7(B)は、図7(A)に係るHct値測定に続いて実施したグルコース値の測定結果を示す。図7(C)は、グルコース値が400mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、20%、42%、65%である標本について実施したHct値の測定結果を示す。図7(D)は、図7(C)に係るHct値測定に続いて実施したグルコース値の測定結果を示す。図7(E)は、グルコース値が800mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、20%、42%、65%である標本について実施したHct値の測定結果を示す。図7(F)は、図7(E)に係るHct値測定に続いて実施したグルコース値の測定結果を示す。
図7(A)、図7(C)、および図7(E)の各タイムコースを参照すると、測定開始から1秒程度では、実施例1と同様に、グルコース値及びHct値に関わらず、電流値の急激な減少がみられた。これに対し、2秒程度の経過後(印加が2秒程度継続した時点)では、電流の傾きが緩やか、或いは略一定となった。
図8は実施例2に係るHct値の直線性を示す。図8(A)は、グルコース値が50mg/dlの場合におけるHct値の直線性を示す。図8(B)は、グルコース値が400mg/dlの場合におけるHct値の直線性を示す。図8(C)は、グルコース値が800mg/dlの場合におけるHct値の直線性を示す。
実施例2でも、Hct値として、測定開始から2.5秒後(印加開始から2秒後)に測定した応答電流値(第2電気的応答値)を測定した。図8(A)、図8(B)、図8(C)に示される結果より、グルコース値に関わらず、応答電流値とHct値とが相関することが確認できる。実施例2より、DC2.5Vの印加がその開始から2秒間継続した時点の応答電流を測定すれば、Hct値に依存する電流を測定できることが分かる。
実施例3として、電極材料にルテニウムの代わりのパラジウムを用いたバイオセンサを作製し、実施例2と同様の条件でHct値の測定を行った。但し、試料のグルコース値は、50mg/dl及び800mg/dlの2種類とした。また、第2信号の印加電圧として、DC2.5V、DC3.5V、DC5.0V、DC7.5Vを採用した。
以下の表1は、グルコース値が50mg/dlで、Hct値が0%、10%、42%、65%の標本と、グルコース値が800mg/dlでHct値が42%の標本とについて、各印加電圧を印加した場合のHct値の測定結果を示す。
図9は実施例3に係るHct値の直線性及び印加電圧のタイムコースを示す。図9(A)は、第2信号としての各印加電圧に対応するHct値の直線性のグラフを示す。図9(B)〜(E)は、各印加電圧の印加時における応答電流値(第2電気的応答値)と時間との関係(タイムコース)を示す。
図9(A)に示すHct直線性のグラフより、第2信号(印加電圧)がDC2.5Vの場合は、グルコース値に依存する第2電気的応答値が得られた。第2信号(印加電圧)が3.5Vの場合と5.0Vの場合ではHct値に依存する第2電気的応答値が得られた。なお、印加電圧がDC7.5Vでは好適なHct値の直線性が得られなかった。これは、Hct値の測定用の対極が破損(剥離)し、タイムコースが乱れたため起こったものである。
実施例4として、電極材料にルテニウムの代わりのカーボンを用いたバイオセンサを作成し、実施例2と同様の条件でHct値の測定を行った。試料のグルコース値、及び第2信号の印加電圧値は、実施例3と同様とした。
以下の表2は、グルコース値が50mg/dlで、Hct値が0%、10%、42%、65%の標本と、グルコース値が800mg/dlでHct値が42%の標本とについて、印加電圧としてDC2.5V、DC3.5V、DC5.0V、DC7.5Vのそれぞれを印加した場合のHct値の測定結果を示す。
図10は実施例4に係るHct値の直線性及び各印加電圧のタイムコースを示す。図10(A)は、第2信号としての各印加電圧に対応するHct値の直線性のグラフを示す。図10(B)〜(E)は、各印加電圧の印加時における応答電流値(第2電気的応答値)と時間との関係(タイムコース)を示す。
図10(A)に示すように、印加電圧がDC2.5V及び3.5Vの場合は、第2電気的応答値(応答電流値)がグルコース値に依存する。これに対し、印加電圧がDC5.0Vでは、Hct値に依存する第2電気的応答値が観測された。印加電圧DC7.5VでもHct値に依存する第2電気的応答値が観測された。なお、印加電圧DC7.5Vの場合において、Hct値が0%及び10%の場合には、流路の殆どを占める程度に発生する気泡が観測された。
実施例1及び実施例2に示したように、電極材料にルテニウムを用いると、DC2.5Vの印加電圧でHct値に依存する応答電流値(第2電気的応答値)が観測された。これに対し、実施例3、実施例4に示したように、電極材料がパラジウムやカーボンの場合には、DC2.5Vの印加電圧を印加しても、Hct値に依存する応答電流値は観測されなかった。
理由の考察は以下の通りである。金属表面上での水分子との乖離がAu<Ag<Cu<Pd<<Rh<Ru<Niとの報告がある(表面化学第30巻第3号130−1392009電極表面における水の構造と電極電位の関係)。これより、水分子の乖離が起こりやすい金属では低い電位で水の電気分解が起こり、グルコース値に依存しない反応が見られると考えられる。なお、作用極上にメディエータ、NaClが設けられている場合でも反応は確認でき、一定量の塩の供給があればHct値の測定は可能と考えられる。
実施例5として、Hct値を測定するための第2信号(DC電圧)の下限を調べるための実験を行った。電極材料にルテニウムを用いたバイオセンサとして、作用極に試薬が設けられており、対極に試薬が設けられていない2電極構成のバイオセンサ(センサ10Aに相当)を用意した。
図11(A)〜(D)及び図12(A)〜(F)は、グルコース値が50mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、10%、42%、65%である標本に対し、第2信号としてDC0.5V、DC1.0V、DC1.5V、DC2.0V、DC2.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。具体的には、図11(A)及び図11(B)は、グルコース値が50mg/dlの標本に対してDC0.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図11(C)及び図11(D)は、グルコース値が50mg/dlの試料に対してDC1.0Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図12(A)及び図12(B)は、グルコ
ース値が50mg/dlの標本に対してDC1.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図12(C)及び図12(D)は、グルコース値が50mg/dlの試料に対してDC2.0Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図12(E)及び図12(F)は、グルコース値が50mg/dlの標本に対してDC2.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。
ース値が50mg/dlの標本に対してDC1.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図12(C)及び図12(D)は、グルコース値が50mg/dlの試料に対してDC2.0Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図12(E)及び図12(F)は、グルコース値が50mg/dlの標本に対してDC2.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。
図13(A)〜(D)及び図14(A)〜(F)は、グルコース値が800mg/dlであり、Hct値がそれぞれ0%、10%、42%、65%である標本に対し、第2信号としてDC0.5V、DC1.0V、DC1.5V、DC2.0V、DC2.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。具体的には、図13(A)及び図13(B)は、グルコース値が800mg/dlの標本に対してDC0.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図13(C)及び図13(D)は、グルコース値が800mg/dlの標本に対してDC1.0Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図14(A)及び図14(B)は、グルコース値が800mg/dlの標本に対してDC1.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図14(C)及び図14(D)は、グルコース値が800mg/dlの標本に対してDC2.0Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。図14(D)及び図14(F)は、グルコース値が800mg/dlの標本に対してDC2.5Vを印加した場合におけるタイムコース及びHct値の直線性を示す。
グルコース値が50mg/dlの場合と800mg/dlの場合との双方において、以下のような測定を行った。すなわち、測定開始から0.5秒後にDC電圧の印加を開始し、測定開始から0.9秒(印加開始から0.4秒)の時点と2.5秒(印加開始から2秒)の時点で応答電流を測定した。図11(B)及び(D)、図12(B)、(D)及び(F)、図13(B)及び(D)、図14(B)、(D)及び(F)に示すHct値の直線性は、上記測定によって得られた応答電流に基づく。
図11(A)〜(D)及び図12(A)〜(F)に示す結果より、印加電圧がDC0.5Vの場合には、対極に試薬が設けられておらず、電圧が不十分であるため、グルコース値とHctとの双方について測定できない。印加電圧がDC1.0Vの場合、及び印加電圧がDC1.5Vの場合では、応答電流がHct値ではなく、グルコース値に依存することが観測された。また、印加電圧がDC2.0Vの場合では、印加開始から一定時間はグルコース濃度に依存するが、所定時間(例えば2秒)経過後は応答電流がHct値に僅かに依存することが観測された。そして、印加電圧がDC2.5Vでは、印加開始から一定時間はグルコース濃度に依存するが、所定時間(例えば2秒)経過後は応答電流がHct値に依存することが観測された。図示していないが、さらに、印加電圧がDC2.5V以上では、DC2.5Vと同じように、印加開始から一定時間はグルコース濃度に依存するが、所定時間経過後は応答電流がHct値に依存することがわかった。しかし、印加電圧の上昇に伴い試料中に気泡が発生するため、印加電圧の上限は気泡の発生しない7V程度となる。なお、これはルテニウム電極の場合であり、異なる電極を用いた場合は、適切な印加電圧は異なる範囲となる。また、塩の種類によっても適切な印加電圧は異なる範囲となりうる。
また、図13(A)〜(D)及び図14(A)〜(F)に示す結果(グルコース値が800mg/dl)の場合でも、グルコース値が50mg/dlの場合と同様の傾向が見られた。実施形態で説明した構成は適宜組み合わせることができる。
1・・・絶縁性基板
2・・・スペーサ
3・・・カバー
4,5,12,13,14・・・電極
10A,10B・・・バイオセンサ
20・・・測定装置
2・・・スペーサ
3・・・カバー
4,5,12,13,14・・・電極
10A,10B・・・バイオセンサ
20・・・測定装置
Claims (13)
- 酵素を含む試薬が設けられた少なくとも1つの作用極と、少なくとも1つの対極とが流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料に含まれる測定対象成分を測定する測定方法であって、
前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の前記試料に印加する工程と、
前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する工程と、
前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加する工程と、
前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する工程と、
前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する工程と、
を含むことを特徴とする測定方法。 - 前記少なくとも1つの対極のうち、塩成分が設けられていない対極を前記第2信号の印加に用いる
請求項1に記載の測定方法。 - 前記少なくとも1つの対極のうち、メディエータが設けられていない対極を前記第2信号の印加に用いる
請求項1に記載の測定方法。 - 前記第1信号の印加に用いる作用極を前記第2信号の印加に用いる
請求項1から3のいずれか1項に記載の測定方法。 - 前記分析用具が前記少なくとも1つの対極として、酵素およびメディエータを含む試薬が設けられた第1対極と、酵素およびメディエータを含む試薬が設けられていない第2対極とを含む場合に、前記第1対極を前記第1信号の印加に用いるとともに、前記第2対極を前記第2信号の印加に用いる、
請求項1又は4に記載の測定方法。 - 前記第1信号の印加に用いる対極を前記第2信号の印加に用いる
請求項1から3のいずれか1項に記載の測定方法。 - 前記少なくとも1つの対極のうち、酵素及びメディエータを含む試薬が設けられていない対極を前記第1信号の印加及び前記第2信号の印加に用いる
請求項4から6のいずれか1項に記載の測定方法。 - 前記試料は血液である
請求項1から7のいずれか1項に記載の測定方法。 - 前記測定対象成分はグルコースである
請求項1から8のいずれか1項に記載の測定方法。 - 前記試料の第2電気的応答値はヘマトクリットを示す値である
請求項1から9のいずれか1項に記載の測定方法。 - 前記試料の第1電気的応答値は前記ヘマトクリットを示す値により補正される前のグル
コースを示す値である
請求項10に記載の測定方法。 - 前記第2信号は直流電圧であり、
前記第2の値は1V以上7V以下の電圧値である
請求項1から11のいずれか1項に記載の測定方法。 - 酵素を含む試薬が設けられた少なくとも1つの作用極と、少なくとも1つの対極とが流路内に配置された分析用具を用いて、生物学的な試料中に含まれる測定対象成分を測定する測定装置において、
前記作用極および前記対極を用いて、第1の値を有する直流の第1信号を前記流路内の試料に印加し、前記第1信号に対する前記試料の第1電気的応答値を測定する第1測定部と、
前記作用極および前記対極を用いて、前記第1の値より高い第2の値を有する直流の第2信号を前記流路内の前記試料に所定時間連続して印加し、前記試料中の水分の電気分解によって生じた電荷量を示す、前記第2信号に対する前記試料の第2電気的応答値を前記所定時間以内に測定する第2測定部と、
前記第2電気的応答値に基づいて、前記第1電気的応答値から得られる値を補正する補正部と、
を含むことを特徴とする測定装置。
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-
2018
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