JP7174939B2 - ドレナージチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、胆汁等の消化液を排出すると共に、その消化液を他の器官に戻す(還元する)ドレナージチューブに関する。
従来から、胆汁を排出する技術がいくつか提案されている(例えば特許文献1~5参照)。
特許文献1には、第1チューブと第2チューブとを備えるドレナージチューブであり、第1チューブには第1体液排出口が形成され、第2チューブには第2体液排出口が形成され、第1チューブは胆管に挿入し、第2チューブは膵管に挿入し、胆汁は第1体液排出口から体外に、膵液は第2体液排出口から十二指腸に排出することが開示されている。
特許文献2には、経皮胆管留置チューブ、胆汁バッグ、吸引用一方弁、ポンプ機能部、吐出用一方弁および経皮十二指腸留置チューブを備える胆汁還流カテーテルであり、胆管留置チューブおよび十二指腸留置チューブをそれぞれ留置し、ポンプ機能部を間欠的に押圧して両側の一方弁の作用により、胆管からの胆汁を十二指腸に送出することが開示されている。
特許文献3には、可撓性主管に可撓性副管を挿入し、可撓性主管の先端開口部付近に内外に連通する通孔を設けた胆汁流通用可撓管であり、胆汁を可撓性主管からポンプ装置で吸引し、可撓性副管から十二指腸に送り出すことが開示されている。
特許文献4には、複数個のカテーテルを重ならないように平面状に配置し、該排出管は端末部より少なくとも1/3を長円状または長方形状の内管路を有するチューブで被覆一体化し、該排出管の先端部が夫々のカテーテルが分離している医療用排出管であり、これにより体液等を排出することが開示されている。
特許文献5には、複数本の薄肉リブ付きのドレーンチューブを、端末部にて1本のカバーチューブ内に、楕円形状に変形、または押しつぶした形状にて収束し、更に、カバーチューブ後端にコネクターチューブを接続した医療用排出管であり、ドレナージの排出のための体壁の傷口を、ただの1箇所にすると共に必要最小限の大きさにすることが可能であることが開示されている。
特開2002-200163号公報 特開平7-96029号公報 実開昭52-124085号公報 特開昭59-64066号公報 特開平10-179727号公報
従来から、ドレナージチューブを用いて胆管から体外に排出させた胆汁を、経口(経鼻)摂取により、患者の体内に還元させることが行われている。しかしながら、胆汁の経口摂取は患者への苦痛を伴うものとなっている。本発明は、所定の器官およびその周辺から排出した消化液を、経口摂取によらず十二指腸等の他の器官に還元する(戻す)ことで、患者への苦痛を回避することができるドレナージチューブである。
特許文献1には、胆汁は第1体液排出口から体外に排出することと、十二指腸に排出することが開示されている。胆汁を体外に排出する具体的な構成は不明であるが、胆汁および膵液は体内で十二指腸に排出されるため、胆汁および膵液が確実に抜き取られ、十二指腸に排出されたか否かは確定できない可能性がある。また、ドレナージチューブの先端部分が二股に分かれているので操作性が複雑になるという問題点がある。
特許文献2に開示されている胆汁還流カテーテルにおいても、ポンプ機能部を介して自動的に胆汁を送出するため、特許文献1と同様な問題点があり、その構造も複雑である。
特許文献3に開示されている胆汁流通用可撓管では、可撓性主管内に可撓性副管を挿入するため、胆汁が可塑性主管の内壁と可撓性副管の外壁との間に詰まる可能性があるという問題点がある。
特許文献4および5にそれぞれ開示されている医療用排出管では、先端が複数のチューブに分割され、効率の良い胆汁等の排出が可能であるが、胆汁を十二指腸に注入することは言及されていない。
本発明は上述した事情に鑑み、構成が簡単で、操作性が容易で、確実に消化液を目的の器官に還元することが可能なドレナージチューブを提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上述した問題点に関して鋭意研究を続けた結果、以下のような画期的なドレナージチューブを見出した。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、口または鼻から挿入され、消化液を患者の体外に排出すると共に消化液を患者の体内に還元するドレナージチューブであって、排出チューブと、還元チューブと、を備え、排出チューブと還元チューブは、それぞれの軸方向が略一致するように接合された接合部を有し、排出チューブの排出チューブ先端と還元チューブの還元チューブ先端とは、所定の距離を有して、排出チューブの排出チューブ先端部よりも排出チューブ後端部側に還元チューブの還元チューブ先端部が配置され、患者の体内において、排出チューブの排出チューブ先端部は、第1の器官に留置され、還元チューブの還元チューブ先端部は、第1の器官と異なる第2の器官に留置され、排出チューブは、第1の器官およびその周囲に存在する消化液を体外に排出する機能を有し、還元チューブは、排出された消化液を第2の器官に還元する機能を有する、ことを特徴とするドレナージチューブにある。
ここで、「それぞれの軸方向が略一致する」とは、軸方向が完全に一致するだけでなく、同様の効果が得られるのであれば、それぞれの軸方向が多少ズレていてもよいことを含む概念であり、例えば排出チューブと還元チューブとが、互いにらせん状に絡み合っている状態をも含むものである。
かかる第1の態様では、排出チューブと還元チューブを独立に配置し、排出チューブは消化液の排出のみを行い、還元チューブは消化液の還元のみを行うそれぞれの機能を有しているので、操作上の混乱や混同の防止を図り、ベテラン医師によらずに消化液の排出還元を実現することができる。
また、かかる第1の態様では、複数のチューブを別のチューブで束ねる必要性もなく、接合部により一体的に体内を移動できるため、簡単な構成で操作性が良好なものを提供することができる。そして、各先端が所定の距離を有しており、各先端部が異なる器官に正確に配置できるので、排出および還元を適切に行うことができる。
さらに、かかる第1の態様では、消化液を一旦体外に排出するため、消化液が確実に排出されたことを確認することができるので、手術の状況を容易に把握することができる。
本発明の第2の態様は、還元チューブ先端部に還元チューブ先端に向かうに連れて排出チューブ側に傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする、第1の態様に記載のドレナージチューブにある。
かかる第2の態様では、還元チューブ先端から還元チューブ後端部側に向かって立ち上がるように傾斜部25が形成されているので、ドレナージチューブの体内移動中の挿入抵抗をより低減させることができ、かつ還元チューブの断面積を大きくすることができる。その結果、消化液の排出効率を向上させることができる。
本発明の第3の態様は、排出チューブ先端部に屈曲した屈曲部が形成されていることを特徴とする、第1または第2の態様に記載のドレナージチューブにある。
かかる第3の態様では、屈曲部により、排出チューブ先端部が第1の器官の管壁に接触し、排出チューブ先端部を確実に目的部位に留置させることができる。
本発明の第4の態様は、屈曲部に少なくとも1つの孔が形成されていることを特徴とする、第3の態様に記載のドレナージチューブにある。
かかる第4の態様では、屈曲部に少なくとも1つの孔が形成されているので、第1の器官およびその周囲に存在する消化液を排出チューブ内に容易に送り込むことができる。
本発明の第5の態様は、接合部は、複数の接合部から成ることを特徴とする、第1~第4の態様の何れか1つに記載のドレナージチューブにある。
かかる第5の態様では、複数の接合部で排出チューブと還元チューブとが部分的に接合されているので、排出チューブと還元チューブとの間に、これらのチューブが接合していない部分が複数存在することになる。それら部分については、排出チューブと還元チューブとが別個に屈曲または移動できるので、ドレナージチューブをより容易に移動させることができる。また、ドレナージチューブの製造効率を向上させると共に、製造コストを低減させることができる。
本発明の第6の態様は、還元チューブ内に、スタイレットが挿入されていることを特徴とする、第1~第5の態様の何れか1つに記載のドレナージチューブにある。
かかる第6の態様では、還元チューブ内に、スタイレットが挿入されているので、排出チューブのガイドワイヤによる誘導に合わせて、還元チューブの押し易さ(プッシャビリティ)を向上させることができる。
本発明の第7の態様は、所定の距離は、患者の体内状況に合わせて選択可能であることを特徴とする、第1~第6の態様の何れか1つに記載のドレナージチューブにある。
かかる第7の態様では、患者の体位、狭窄部位の位置、狭窄部位の長さ等に合わせて、排出チューブ先端と還元チューブ先端との適切な距離を選択することができるので、特に第2の器官の目的部位に還元チューブ先端の位置を容易に合わせることができる。
本発明の第8の態様は、所定の距離は、10cm~60cmの範囲にあることを特徴とする、第1~第7の態様の何れか1つに記載のドレナージチューブにある。
かかる第8の態様では、距離を保つことで第1の器官から排出された胆汁を第1の器官以外の第2の器官に還元させることができる。なお、所定の距離が10cmより短いと消化液が第1の器官内に再度還元する恐れがあり、60cmより長いと口腔内に還元もしくは体内に還元しなくなる可能性がある。
本発明の第9の態様は、第1の器官が胆道であり、第2の器官が十二指腸、胃または食道であることを特徴とする、第1~第8の態様の何れか1つに記載のドレナージチューブにある。
かかる第9の態様では、胆汁の体外排出と体内還元を容易に行うことができる。
実施形態1に係るドレナージチューブの一例を示す概略側面図である。 図1の排出チューブを示し、(a)は側面図、(b)は(a)のA-A概略断面図である。 図1の還元チューブを示し、(a)は側面図、(b)は(a)のA-A概略断面図である。 図1のドレナージチューブの先端部を示す概略側面図である。 図1のドレナージチューブの後端部を示す概略側面図である。 図1のドレナージチューブの先端位置の相違を説明する説明図である。 実施形態1に係るドレナージチューブを目的部位に留置する一例を示す模式図ある。 実施形態2に係る排出チューブの先端部の概略側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドレナージチューブの実施形態を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るドレナージチューブの一例を示す概略側面図である。図2は、図1の排出チューブを示し、(a)は概略側面図、(b)は(a)のA-A概略断面図である。図3は、図1の還元チューブを示し、(a)は概略側面図、(b)は(a)のA-A概略断面図である。図4は、図1のドレナージチューブの先端部を示す概略側面図である。図5は、図1のドレナージチューブの後端部を示す概略側面図である。図6は、図1のドレナージチューブの先端位置の相違を説明する説明図である。図1~図6を用いて、本実施形態に係るドレナージチューブの一例を詳述する。
図1に示すように、本発明のドレナージチューブ1は、排出チューブ10と、その右側面に軸方向が略一致するように接合された還元チューブ20とを備えている。
排出チューブ10は、図2に示すように、環状形状をなす排出チューブ管壁部11と、排出チューブ管壁部11に取り囲まれ空洞の排出チューブ開口部12と、一端に医者などが操作する造影ポート、GW(ガイドワイヤ)ルーメンなどを取り付ける排出チューブコネクタ30とを備えている。
そして、排出チューブ開口部12は、図示しないガイドワイヤが貫通し、ガイドワイヤの体内誘導により排出チューブ10を目的部位に到達させることができるようになっている。
還元チューブ20は、図3に示すように、環状形状をなす還元チューブ管壁部21と、還元チューブ管壁部21に取り囲まれ空洞の還元チューブ開口部22と、排出チューブ10と同様に、一端に還元チューブコネクタ40とを備えている。
以下、ガイドワイヤに誘導される側を排出チューブ先端部13、排出チューブコネクタ30側を排出チューブ後端部14とし、還元チューブ20も同様に、還元チューブ先端部23、還元チューブ後端部24として説明する。なお、「先端部」、「後端部」は、領域を示しており、領域の大きさは特に限定されない。
図4に示すように、本実施形態において、排出チューブ10の排出チューブ先端部13は、屈曲した屈曲部15が形成される、所謂ピッグテール型である。この排出チューブ先端部13には、排出チューブ管壁部11を貫通する複数の孔16が形成されており、消化液を排出チューブ10内に取り入れ易くなっている。
体内に挿入された排出チューブ10の排出チューブ先端部13は、後述する第1の器官100内に留置され、第1の器官100およびその周囲に存在する消化液を排出することができる。ここで、排出チューブ後端部14の排出チューブコネクタ30は、図5に示すように、消化液を吸引して体外に排出するための排出部31を取り付けることができるようになっている。なお、排出チューブコネクタ30は、排出部31を接続することができるものであれば、特に限定されない。
排出部31としては、消化液を体外に排出することができるものであれば特に限定されず、例えば排出された消化液を溜めることができるようになっている容器形状のものや、それにモーターやポンプ、手動型の吸引器具等を備えたもの等が挙げられる。
次に、体内に挿入された還元チューブ20の還元チューブ先端部23は、第1の器官100と異なる器官である、後述する第2の器官200内に留置され、第1の器官100から体外に排出された消化液を第2の器官200に還元(導入)させることができるようになっている。ここで、還元チューブ後端部24の還元チューブコネクタ40には、図5に示すように、消化液を還元するための注入部41を取り付けることができるようになっている。なお、還元チューブコネクタ40は、注入部41を接続することができるものであれば、特に限定されない。
注入部41としては、消化液を第2の器官200に還元させることができるものであれば特に限定されず、例えば注射器などであり、排出された消化液を再び体内に注入することが可能な器具等が挙げられる。
排出チューブ10は消化液の体外排出を目的とし、還元チューブ20は消化液の体内還元を目的とする独立した機能を有するが、排出チューブ10と還元チューブ20は、一体化して同時に体内に挿入可能とするため、図1に示すように、排出チューブ管壁部11と還元チューブ管壁部21とが接合する接合部50が設けられている。
接合部50は、それぞれの後端部14、24側(特に体外に出た部分)を除いて、全体的に設けられていても、部分的に複数設けられていてもよい。本実施形態では、複数の接合部50が設けられた一例を示している。すなわち、所定の間隔を空けて設けられた、複数の接合部50により、排出チューブ10と還元チューブ20とが接合されている。
そして、この接合部50により、排出チューブ10および還元チューブ20のそれぞれの軸方向が略一致するように配置されることになる。なお、各接合部50は、各管壁部11、21を溶着する、接着剤で接合する等で形成することができる。
このように構成された本実施形態のドレナージチューブ1は、接合部50により排出チューブ10と還元チューブ20とが接合しているため、体内挿入において一体的に移動させることができる。したがって、2つのチューブをそれぞれ別個に挿入する必要は無く、挿入操作性の向上を図っている。また、複数の接合部で排出チューブ10と還元チューブ20とが部分的に接合されているので、排出チューブ10と還元チューブ20との間に、これらのチューブが接合していない部分が複数存在することになる。それら部分については、排出チューブ10と還元チューブ20とが別個に屈曲または移動できるので、ドレナージチューブをより容易に移動させることができる。
ここで、還元チューブ先端部23には、図3に示すように、還元チューブ先端部23には、還元チューブ先端23aに向かうに連れて排出チューブ側に傾斜する傾斜部25が形成されている。言い換えると、排出チューブ管壁部11から立ち上がるように傾斜部25が形成されている。このような形状にすることにより、ドレナージチューブ1の体内移動における抵抗をより低減させることができる。なお、傾斜部25は、還元チューブ先端23aに向かうに連れて径が細くなるように、還元チューブ管壁部21をカットする等で形成することができる。
このドレナージチューブ1は排出チューブ10にガイドワイヤを通して挿入されるが、図4に示すように、還元チューブ20の還元チューブ開口部22内に金属製のスタイレット(Stylet)60を挿通させることが好ましい。この際、還元チューブ開口部22内におけるスタイレット60の配置は特に限定されないが、スタイレット60が傾斜部25から外部に突出しないように配置すると、ドレナージチューブ1の体内移動における抵抗を低減させることができるので、より好ましい。
このようにドレナージチューブ1を構成することにより、体内挿入時のドレナージチューブの押し易さ(プッシャビリティ)を向上させることができる。スタイレット60は、還元チューブ20に挿入され、プッシャビリティを向上させるものであれば、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
図5に示すように、ドレナージチューブ1は、経鼻胆道ドレナージを一例としているため、各チューブの後端部14、24側は、鼻300から体外に出た部分は接合部50が設けられておらず、二股に分かれている。これにより、排出チューブコネクタ30には排出部31が接続しやすく、還元チューブコネクタ40に接続される注入部41による消化液の注入作業が行い易くなる。なお、本実施形態では、ドレナージチューブ1を鼻から挿入する例を示したが、口から行う経口胆道ドレナージにも、本実施形態に係るドレナージチューブ1を用いることができるのは言うまでもない。
さらに、ドレナージチューブ1は、排出チューブ先端部13と還元チューブ先端部23とを別々の器官に留置するため、それぞれの先端部13、23の位置関係が異なっている。具体的には、図6に示すように、排出チューブ先端部13の排出チューブ先端13aと、還元チューブ先端部23の還元チューブ先端23aとは、所定の距離Dを有するように構成されている。したがって、還元チューブ先端部23は、排出チューブ後端部14側寄りに配置されることになる。
ここで、距離Dは、留置する器官、患者の体内状態等により適時変更することが可能であり、その長さは特に限定されないが、例えば、距離Dが10cm~60cmの範囲内にあることが好ましい。距離Dが10cmより短いと消化液が第1の器官内に再度還元される恐れがあり、60cmより長いと口腔内に還元もしくは体内に還元できない可能性がある。また、距離Dが15cm~30cmの範囲内にあることがより好ましい。距離Dが15cm以上であれば消化液が第1の器官内に再度還元される恐れがほとんどなく、30cm以下であれば誤嚥を防止することができる。さらに、距離Dが15cm~25cmの範囲内にあることが特に好ましい。距離Dが25cm以下であれば、消化液を第2の器官内により確実に還元させることができる。なお、図6では、説明を分かり易くするため、排出チューブ先端部13が直線形状であるものを例示している。
排出チューブ10および還元チューブ20は、可撓性の樹脂材料(例えばポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド等)から成形されるが、大きさ、形状は特に限定されない。
次に、第1の器官100が総胆管(胆管)であり、第2の器官200が十二指腸である場合を例にして、本実施形態のドレナージチューブ1の使用方法について説明する。
図7は、本実施形態のドレナージチューブ1を利用した各先端部13、23の目的部位留置の一例を示している。手術の一例は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)下の経鼻胆道ドレナージである。
ドレナージチューブ1は、十二指腸鏡の画像を見ながら、ガイドワイヤの誘導により一体化された排出チューブ10および還元チューブ20を鼻300から体内に挿入し、排出チューブ先端部13および還元チューブ先端部23を体内の目的部位に搬送させる。
具体的には、排出チューブ10を第2の器官200である十二指腸から第1の器官100である総胆管(胆道)に乳頭部101を介して挿入し、胆管がん102の発生している場所まで送り込む。そして、十二指腸鏡画像を見ながら、排出チューブ先端部13の挿入位置を確認し、目的部位に排出チューブ先端部13を静置させる。一方、同時(一体的)に挿入された還元チューブ20は、所定の距離Dが設定された状態で、かつ、接合部50により排出チューブ10と一体化されている。したがって、還元チューブ20を十二指腸200に確実に送り込むことができ、かつ還元チューブ先端部23を十二指腸200内に静置させることができる。
また、体内に挿入された各先端部13、23が内視鏡内および体内中を移動する際、還元チューブ先端部23に傾斜部25が形成されているので、挿入抵抗が低減する。その結果、ドレナージチューブ1をスムーズに移動させることができる。
次に、排出部31を操作して排出チューブ先端部13から、胆管がん102の周囲に存在する胆汁を、排出チューブ開口部12を通して排出部31内に排出する(図7矢印A方向参照)。なお、胆汁は、排出部31のポンプ等を操作しなくても自然に排出されることが多い。そして、排出された胆汁の量から、適切に排出が行われたことを確認することができる。その後、排出された胆汁を注入部41より還元チューブ開口部22内に注入する。すると、排出チューブ先端部13から胆汁が排出されるので、最終的に胆汁は十二指腸200内に還元されることになる(図7矢印B方向参照)。
以上説明したように、本実施形態のドレナージチューブ1は、排出チューブ10と還元チューブ20とが独立の機能を持ちながら、一体化されて内視鏡内および体内を移動する。そして、排出チューブ10の排出チューブ先端部13および還元チューブ20の還元チューブ先端部23をそれぞれの目的器官内に留置でき、消化液の体外排出と体内還元を容易に実現することができる。
本発明のドレナージチューブ1は、口または鼻から挿入し、消化液を患者の体外に排出すると共に消化液を患者の体内に還元するドレナージチューブ1であって、排出チューブ10と、還元チューブ20と、を備え、排出チューブ10と還元チューブ20は、それぞれの軸方向が略一致するように部分的に接合された接合部50を有し、排出チューブ10の排出チューブ先端13aと還元チューブ20の還元チューブ先端23aとは、所定の距離Dを有して、排出チューブ10の排出チューブ先端部13よりも排出チューブ後端部14側に還元チューブ20の還元チューブ先端部23が配置され、患者の体内において、排出チューブ10の排出チューブ先端部13は、第1の器官100に留置され、還元チューブ20の還元チューブ先端部23は、第1の器官100と異なる第2の器官200に留置され、排出チューブ10は、第1の器官100およびその周囲に存在する消化液を体外に排出する機能を有し、還元チューブ20は、排出された消化液を第2の器官200に還元する機能を有する。
これにより、排出チューブ10と還元チューブ20を独立に配置し、排出チューブ10は消化液の排出のみを行い、還元チューブ20は消化液の還元のみを行う。その結果、ドレナージチューブ1は、操作上の混乱や混同の防止を図り、ベテラン医師によらずに消化液の排出還元を実現できる。また、複数のチューブを別のチューブで束ねる必要性もなく、接合部50により一体的に体内を移動できるため、簡単な構成で操作性が良好となる。そして、各先端13a、23aが所定の距離Dを有しているため、各先端部13、23が異なる器官100、200に正確に配置できるため、消化液の排出および還元を適切に行うことができる。さらに、消化液を一旦体外に排出するため、消化液が確実に排出されたことを確認することができるので、手術の状況を容易に把握することができる。
(実施形態2)
上述した実施形態では、排出チューブ先端部に屈曲部を形成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、排出チューブ10Aの排出チューブ先端部13Aに係止部であるフラップ部15Aを形成してしてもよい。このような先端部の形状は、所謂フラップ型である。
このようにフラップ部15Aを形成することにより、目的器官またはその周辺にフラップ部15Aを係止させることによって、実施形態1の排出チューブと同様に、目的器官内に排出チューブ先端部13Aを静置させることができる。その結果、本実施形態に係るドレナージチューブも、実施形態1に係るドレナージチューブと同様の効果が得られる。
なお、係止部としては、フラップ部15Aのような形状だけでなく、目的器官またはその周辺に係止させることができるものであれば、その形状や大きさは特に限定されない。
また、排出チューブ先端部の形状は特に限定されないが、上述した形状の他に、例えば、ストレート型、αループ型、逆α型等が挙げられる。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、複数の接合部で排出チューブと還元チューブとが部分的に接合されていたが、本当はこれに限定されない。例えば、還元チューブのが、排出チューブに全体的(後端側の体外に出る部分を除く)に接合されていてもよい。このようにドレナージチューブを構成することにより、ドレナージチューブの剛性を向上させることができる。
また、接合部は、還元チューブの先端側の一部と排出チューブとが少なくとも1つ接合されていればよい。このようにドレナージチューブを構成することにより、実施形態1に係るドレナージチューブと比較して、排出チューブと還元チューブとの接合強度は低下するかもしれないが、実施形態1に係るドレナージチューブと同様の効果が得られる。
さらに、実施形態1では、還元チューブの還元チューブ開口部内にスタイレットを配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、還元チューブ開口部内にスタイレットを配置しないようにドレナージチューブを構成してもよい。この場合には、体内挿入時のドレナージチューブの押し易さ(プッシャビリティ)は低下するかもしれないが、実施形態1のドレナージチューブと同様の効果が得られる。また、還元チューブ内にスタイレットを配置しないで、ドレナージチューブを構成してもよい。加えて、実施形態1では、還元チューブの先端部に、還元チューブ先端から還元チューブ後端部側に向かって立ち上がるように傾斜部を形成したが、還元チューブの先端部の形状は特に限定されず、傾斜部を形成しなくてもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明のドレナージチューブは、操作が容易で消化液の体外排出と体内還元が確実に行われることを望む分野に最適である。
1 ドレナージチューブ
10、10A 排出チューブ
11 排出チューブ管壁部
12 排出チューブ開口部
13、13A 排出チューブ先端部
13a 排出チューブ先端
14 排出チューブ後端部
15 屈曲部
15A フラップ部
16 孔
20 還元チューブ
21 還元チューブ管壁部
22 還元チューブ開口部
23 還元チューブ先端部
23a 還元チューブ先端
24 還元チューブ後端部
25 傾斜部
30 排出チューブコネクタ
31 排出部
40 還元チューブコネクタ
41 注入部
50 接合部
60 スタイレット
100 第1の器官(総胆管:胆道)
200 第2の器官(十二指腸)
D 所定の距離

Claims (9)

  1. 口または鼻から挿入され、消化液を患者の体外に排出すると共に前記消化液を前記患者の体内に還元するドレナージチューブであって、
    排出チューブと、還元チューブと、を備え、
    前記排出チューブと前記還元チューブは、それぞれの軸方向が略一致するように接合された接合部を有し、
    前記排出チューブの排出チューブ先端と前記還元チューブの還元チューブ先端とは、所定の距離を有して、前記排出チューブの排出チューブ先端部よりも排出チューブ後端部側に前記還元チューブの還元チューブ先端部が配置され、
    前記患者の前記体内において、前記排出チューブの前記排出チューブ先端部は、第1の器官に留置され、前記還元チューブの前記還元チューブ先端部は、前記第1の器官と異なる第2の器官に留置され、
    前記排出チューブは、前記第1の器官およびその周囲に存在する前記消化液を体外に排出する機能を有し、
    前記還元チューブは、前記排出された前記消化液を前記第2の器官に還元する機能を有し、
    前記第2の器官には、前記消化液と異なる液体が流れ、
    前記排出チューブの後端部に設けられた排出チューブコネクタと、前記還元チューブの後端部に設けられた還元チューブコネクタとは、直接または間接的に接続されていない、
    ことを特徴とするドレナージチューブ。
  2. 前記還元チューブ先端部に前記還元チューブ先端に向かうに連れて前記排出チューブ側に傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のドレナージチューブ。
  3. 前記排出チューブ先端部に屈曲した屈曲部が形成されていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のドレナージチューブ。
  4. 前記屈曲部に少なくとも1つの孔が形成されていることを特徴とする、
    請求項3に記載のドレナージチューブ。
  5. 前記接合部は、複数の接合部から成ることを特徴とする、
    請求項1~4の何れか1項に記載のドレナージチューブ。
  6. 前記還元チューブ内に、スタイレットが挿入されていることを特徴とする、
    請求項1~5の何れか1項に記載のドレナージチューブ。
  7. 前記所定の距離は、前記患者の体内状況に合わせて選択可能であることを特徴とする、
    請求項1~6の何れか1項に記載のドレナージチューブ。
  8. 前記所定の距離は、10cm~60cmの範囲にあることを特徴とする、
    請求項1~7の何れか1項に記載のドレナージチューブ。
  9. 前記第1の器官が胆道であり、前記第2の器官が十二指腸、胃または食道であることを特徴とする、
    請求項1~8の何れか1項に記載のドレナージチューブ。
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