無線通信システムでは、データ送信はスケジューリングに基づき、DLデータ送信のスケジューリング情報は下り制御情報(DCI)で搬送される。図1は、従来のHARQエンティティ、HARQプロセスおよびDCIの関係を示す図である。図1に示すように、DCIは、現在のデータ送信に使用されるHARQプロセス番号を示す4ビットのHARQプロセス番号(HPN:HARQ Process Number)フィールドを含む。HARQエンティティは、複数(最大16個)のHARQプロセスを並行して管理する。すなわち、HARQプロセス番号は、HPN0からHPN15まで存在する。HARQプロセス番号は、HARQプロセスID(HARQ process identifier)とも呼ばれる。
上りリンク(UL:Uplink)データをPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)で送信する単位、および、DLデータをPDSCHで送信する単位は、トランスポートブロック(TB:Transport Block)と呼ばれる。トランスポートブロック(TB)は、MAC(Media Access Control)層で取り扱われる単位である。HARQ(再送信)の制御は、トランスポートブロック(TB)ごとに行われる。
ユーザ端末は、PDSCHを使用して受信したDLトランスポートブロックの復号に成功したか否かを示すHARQのACK/NACK(肯定応答:Positive Acknowledgement/否定応答:Negative Acknowledgement)を示す情報を、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)またはPUSCHなどを使用して無線基地局へ送信する。
物理層で複数のULデータまたは複数のDLデータが空間多重(spatial multiplexing)されない場合、単一のHARQプロセスは、1つのトランスポートブロック(TB)に対応する。物理層で複数のULデータまたは複数のDLデータが空間多重される場合、単一のHARQプロセスは、1または複数のトランスポートブロック(TB)に対応する。
将来の無線通信システム(たとえば、Rel.16以降)では、複数の送信ポイントから、それぞれノンコヒーレントなDL送信(たとえば、PDSCH送信)が行われることが検討されている。複数の送信ポイントから、ノンコヒーレントなDL信号またはDLチャネルを協調して送信することは、NCJT(Non-coherent Joint Transmission)とも呼ばれる。本明細書において、送信ポイント(TP:Transmission Point)は、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、パネル(panel)またはセルと読み替えられてもよい。送信ポイント(TP)またはパネルは、たとえば、ビーム、Spatial filter、RSリソース、quasi co-location(QCL)またはTransmission configuration information(TCI)、もしくは、これらをグルーピングした概念で置き換えることができる。
図2は、複数の送信ポイントからPDSCHが送信される場合の一例を示す図である。図2Aは、複数のパネルからPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)が、ユーザ端末に送信される場合を示している。図2Bは、複数の送受信ポイント(TRP0およびTRP1)からPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)が、ユーザ端末に送信される場合を示している。
図2Bに示す例では、TRP0およびTRP1は、PDSCHを別々にスケジュールするために、ユーザ端末にPDCCHを送信する。この場合、ユーザ端末は、2つのPDCCHおよび2つのPDSCHを受信する必要がある。すなわち、ユーザ端末は、TRP0およびTRP1から送信されるPDCCHをモニタする能力を有さなければならない。ユーザ端末は、当該PDCCHによってスケジュールされている場合、2つのTRPから送信されるPDSCHを復号する能力を有さなければならない。
仮定1:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるノンコヒーレントなPDSCHのスケジューリングは、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(DCI)を利用して制御される。すなわち、ユーザ端末は、複数の送信ポイントからそれぞれ送信される単一のPDCCH、または、単一のDCIをモニタして、複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるPDSCHを復号することができる。
仮定2:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるノンコヒーレントなPDSCHのスケジューリングは、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(DCI)を利用して制御される。すなわち、ユーザ端末は、複数の送信ポイントからそれぞれ送信される複数のPDCCH、または、複数のDCIをモニタして、複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるPDSCHを復号することができる。
仮定2の場合、各送信ポイント(たとえば、パネルまたはTRP)から送信されるPDSCHのスケジューリング用に、DCIを別々に設定することも考えられる。たとえば、送信ポイント#Aから送信されるPDSCHをスケジューリングする第1のDCI#Aと、送信ポイント#Bから送信されるPDSCHをスケジューリングする第2のDCI#Bとを、ユーザ端末に送信する構成としてもよい。
上記仮定1と仮定2のどちらを適用するかは、複数の送信ポイント間のバックホールレイテンシの仮定に依存する。上記仮定1と仮定2のいずれか一方、または両方は、仕様に規定され、上位レイヤシグナリングによってユーザ端末に構成されてもよい。
このように、複数の送信ポイントからPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)が送信される場合、ユーザ端末に対して、HARQエンティティおよびHARQプロセスをどのように構成および設計するかが問題となる。
そこで、本発明者らは、複数の送信ポイントからPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)が送信される場合において、ユーザ端末に対して、HARQエンティティおよびHARQプロセスを適切に構成および設計する方法を見出した。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明における送信ポイント(TP)との用語は、パネルおよび送受信ポイント(TRP)の少なくとも一方に読み替えてもよい。
以下の説明におけるPDCCHとの用語は、NR-PDCCHと読み替えてもよい。同様に、PDSCHとの用語は、NR-PDSCHと読み替えてもよい。
(第1の態様)
第1の態様では、複数の送信ポイントからPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)が送信されるシナリオにおいて、セルごとのHARQエンティティを維持するようユーザ端末に対して構成する。
(オプション1)
オプション1では、HARQエンティティごとに、並行して管理するHARQプロセスの数は従来と変わらない。すなわち、HARQエンティティごとに、最大16個のHARQプロセスが並行して管理される。
図3は、第1の態様のオプション1に係るHARQエンティティおよびHARQプロセスの構成の一例を示す図である。
図3Aに示す例は、仮定1:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるPDSCHのスケジューリングを、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(たとえば、DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図3Aに示す例では、セルごとに1つの独立したHARQエンティティが存在する。HARQエンティティは、複数(最大16個)のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。複数(最大16個)のHARQプロセスは、1つのDCIでサポートされる。すなわち、1つのDCIは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。HARQプロセス番号は、HPN0からHPN15まで存在する。
複数の送信ポイントはそれぞれ、データ送信に用いる下りリンクリソース割り当て、および、HARQプロセス番号を含むHARQの制御に用いる情報に基づいて、下りリンク制御チャネル(たとえば、PDCCH)を生成して、ユーザ端末へ送信する。
図3Aに示す例では、送信ポイントTP0は、最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図3AにおいてHPN0)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。送信ポイントTP1も同様に、最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図3AにおいてHPN1)をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図3Bに示す例は、仮定2:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるノンコヒーレントなPDSCHのスケジューリングを、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図3Bに示す例では、セルごとに1つの独立したHARQエンティティが存在する。HARQエンティティは、複数(最大16個)のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。複数(最大16個)のHARQプロセスは、複数のDCIでサポートされる。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、PDSCHスケジューリングに2つのPDCCHまたは2つのDCIが利用される。この場合、1つのDCIは、最大8個のHARQプロセスをサポートしてもよい。したがって、DCIが含むHARQプロセス番号(HPN)フィールドは、3ビットに縮小される。DCIフィールドにおいて縮小された1ビット分は、他の目的のために再利用することができる。
1つのDCIが、最大8個のHARQプロセスをサポートする場合、HARQプロセス番号は、HPN0からHPN7まで存在する。
図3Bに示す例では、送信ポイントTP0は、最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図3Bにおいて、HPN0からHPN7のいずれか)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIは、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図3Bにおいて、HPN0からHPN7のいずれか)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図3Bに示す例では、1つのDCIが、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含んでいるが、HARQプロセス番号(HPN)フィールドのビット数はこれに限られない。
図3Bに示す例では、各DCIが同じ数のHARQプロセスをサポートしているが、各DCIは異なる数のHARQプロセスをサポートする構成であってもよい。各DCIが異なる数のHARQプロセスをサポートする場合、各DCIに含まれるHARQプロセス番号(HPN)フィールドのビット数は異なっていてもよい。
図3において、送信ポイントを意味する「TP」との用語は、パネル、送受信ポイント、PDCCHの制御リソースセット(CORESET:Control Resource Set)またはサーチスペース、ならびに、PDSCHのDMRS(Demodulation Reference Signal)ポートグループ、コードワードまたはトランスポートブロック(TB)と読み替えられてもよい。
オプション1において、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定1」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、図3Aに示すように、1つのDCIが、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図3Aにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
オプション1において、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定2」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、図3Bに示すように、各DCIが、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図3Bにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
オプション1において、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定1」が構成されている状態から、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定2」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作から、各DCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作へと切り替えることができる。
オプション1において、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定2」が構成されている状態から、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定1」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、各DCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作から、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作へと切り替えることができる。
(オプション2)
オプション2では、HARQエンティティごとにサポートされるHARQプロセスの数は、PDCCH、PDSCH、パネルまたは送受信ポイントの数とともに線形に増加する。すなわち、PDCCH、PDSCH、パネルまたは送受信ポイントの数などに基づいて、HARQエンティティごとに並行して管理されるHARQプロセスの最大数は変化する。
HARQエンティティごとに並行して管理可能なHARQプロセスの最大数に関するユーザ端末の能力(capability)は、ユーザ端末からネットワークにシグナリングされ、定義されてもよい。あるいは、送信ポイントごと(パネルごと、送受信ポイントごと)、セルごと、または、キャリアごとに管理可能なHARQプロセスの最大数に関するユーザ端末の能力が、ユーザ端末からネットワークにシグナリングされてもよい。
図4は、第1の態様のオプション2に係るHARQエンティティおよびHARQプロセスの構成の一例を示す図である。
図4Aに示す例は、仮定1:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるPDSCHのスケジューリングを、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(たとえば、DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図4Aに示す例では、セルごとに1つの独立したHARQエンティティが存在する。HARQエンティティは、複数のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。1つのHARQエンティティが管理する複数のHARQプロセスは、1つのDCIでサポートされる。より大きなHARQプロセス番号をサポートするために、DCIが含むHARQプロセス番号(HPN)フィールドは、4ビットからさらに増加されてもよい。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、DCIが含むHARQプロセス番号(HPN)フィールドを5ビットに増加すると、1つのDCIで最大32個のHARQプロセスをサポートすることができる。1つのDCIが、最大32個のHARQプロセスをサポートする場合、HARQプロセス番号は、HPN0からHPN31まで存在する。
複数の送信ポイントはそれぞれ、データ送信に用いる下りリンクリソース割り当て、および、HARQプロセス番号を含むHARQの制御に用いる情報に基づいて、下りリンク制御チャネル(たとえば、PDCCH)を生成して、ユーザ端末へ送信する。
図4Aに示す例では、送信ポイントTP0は、最大32個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図4AにおいてHPN0)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIは、5ビットのHARQプロセス番号フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、最大32個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図4AにおいてHPN1)をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図4Aに示す例では、1つのDCIが、5ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含んでいるが、HARQプロセス番号(HPN)フィールドのビット数はこれに限られない。
図4Bに示す例は、仮定2:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるノンコヒーレントなPDSCHのスケジューリングを、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図4Bに示す例では、セルごとに1つの独立したHARQエンティティが存在する。HARQエンティティは、複数のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。複数のHARQプロセスは、複数のDCIでサポートされる。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHを送信する場合、PDSCHスケジューリングに2つのDCIが利用される。この場合、各DCIは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含み、最大16個のHARQプロセスをサポートしてもよい。1つのDCIが、最大16個のHARQプロセスをサポートする場合、HARQプロセス番号は、HPN0からHPN15まで存在する。
図4Bに示す例では、DCIが含むHARQプロセス番号(HPN)フィールドは、4ビットのまま変更されずに維持される。すなわち、DCIが含むHARQプロセス番号(HPN)フィールドは、図3Aに示す例と同様である。しかし、1つのHARQエンティティが並行して管理するHARQプロセス数は最大32個に増加する。
図4Bに示す例では、送信ポイントTP0は、最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図4Bにおいて、HPN0からHPN15のいずれか)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIは、4ビットのHARQプロセス番号フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(図4Bにおいて、HPN0からHPN15のいずれか)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図4Bに示す例では、1つのDCIが、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含んでいるが、HARQプロセス番号(HPN)フィールドのビット数はこれに限られない。
図4Bに示す例では、各DCIが同じ数のHARQプロセスをサポートしているが、各DCIは異なる数のHARQプロセスをサポートする構成であってもよい。各DCIが異なる数のHARQプロセスをサポートする場合、各DCIに含まれるHARQプロセス番号(HPN)フィールドのビット数は異なっていてもよい。
図4において、送信ポイントを意味する「TP」との用語は、パネル、送受信ポイント、PDCCHの制御リソースセット(CORESET)またはサーチスペース、ならびに、PDSCHのDMRSポートグループ、コードワードまたはトランスポートブロック(TB)と読み替えられてもよい。
オプション2において、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定1」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、図4Aに示すように、1つのDCIが、5ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図4Aにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが5ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
オプション2において、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定2」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、図4Bに示すように、各DCIが、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図4Bにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
オプション2において、ユーザ端末に「仮定1」が構成されている状態から、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定2」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作から、1つのDCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作へと切り替えることができる。
オプション2において、ユーザ端末に「仮定2」が構成されている状態から、上位レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に「仮定1」が構成されてもよい。この場合、ユーザ端末は、1つのDCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作から、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定した動作へと切り替えることができる。
(第2の態様)
第2の態様では、複数の送信ポイントからPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)が送信されるシナリオにおいて、複数の送信ポイントに対応してセルごとのHARQエンティティをユーザ端末に対して別個に構成する。
制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、セルごとのHARQエンティティ数を構成する。RRCは、HARQエンティティと送信ポイントとの間の関連性を構成する。
送信ポイントごと(パネルごと、送受信ポイントごと)に設定可能なHARQエンティティの最大数に関するユーザ端末の能力(capability)は、ユーザ端末からネットワークにシグナリングされ、定義されてもよい。あるいは、セルごと、または、キャリアごとに設定可能なHARQエンティティの最大数に関するユーザ端末の能力が、ユーザ端末からネットワークにシグナリングされてもよい。
ここで、送信ポイントとの用語は、パネル、送受信ポイント、PDCCHの制御リソースセット(CORESET)またはサーチスペース、ならびに、PDSCHのDMRSポートグループ、コードワードまたはトランスポートブロック(TB)と読み替えられてもよい。
(オプション1)
オプション1では、各HARQエンティティが並行して管理するHARQプロセスの数は固定される。たとえば、HARQエンティティごとに、並行して管理されるHARQプロセスの数は従来と変わらず、最大16個であってもよい。あるいは、セルごとのHARQプロセスの総数は従来と変わらず、最大16個であってもよい。後者の場合、HARQエンティティごとに並行して管理されるHARQプロセスの数は、従来よりも削減される。
図5は、第2の態様のオプション1に係るHARQエンティティおよびHARQプロセスの構成の一例を示す図である。
図5に示す例は、仮定2:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるノンコヒーレントなPDSCHのスケジューリングを、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図5Aに示す例では、セルごとに複数の独立したHARQエンティティ(HARQエンティティ0およびHARQエンティティ1)が、RRCによって構成されている。各HARQエンティティは、複数(最大16個)のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。HARQエンティティごとの、複数(最大16個)のHARQプロセスは、1つのDCIでサポートされる。すなわち、1つのDCIは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。HARQプロセス番号は、HPN0からHPN15まで存在する。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、RRCは、図5Aに示すようにセルごとに2個の独立したHARQエンティティを設定する。
図5Aに示す例では、DCIが含むHARQプロセス番号(HPN)フィールドは、4ビットのまま変更されずに維持される。しかし、セルあたりのHARQプロセスの総数は最大32個に増加する。
図5Aに示す例では、送信ポイントTP0は、HARQエンティティ0が管理する最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIフォーマットは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、HARQエンティティ1が管理する最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図5Bに示す例では、セルごとに複数の独立したHARQエンティティ(HARQエンティティ0およびHARQエンティティ1)が、RRCによって構成されている。セルあたりのHARQプロセスの総数は、従来と変わらず最大16個に設定されている。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、RRCは、図5Bに示すようにセルごとに2個の独立したHARQエンティティを設定する。この場合、各HARQエンティティは、最大8個のHARQプロセスを管理してもよい。各HARQエンティティが、最大8個のHARQプロセスを管理する場合、HARQプロセス番号はHPN0からHPN7まで存在する。
各HARQエンティティが管理する、最大8個のHARQプロセスは、1つのDCIでサポートされる。すなわち、1つのDCIは、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。
図5Bに示す例では、送信ポイントTP0は、HARQエンティティ0が管理する最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIフォーマットは、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、HARQエンティティ1が管理する最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図5Bに示す例では、各HARQエンティティが同じ数のHARQプロセスをサポートしているが、各HARQエンティティは異なる数のHARQプロセスをサポートする構成であってもよい。各HARQエンティティが異なる数のHARQプロセスをサポートする場合、対応する各DCIに含まれるHARQプロセス番号(HPN)フィールドのビット数は異なっていてもよい。
図5において、送信ポイントを意味する「TP」との用語は、パネル、送受信ポイント、PDCCHの制御リソースセット(CORESET)またはサーチスペース、ならびに、PDSCHのDMRSポートグループ、コードワードまたはトランスポートブロック(TB)と読み替えられてもよい。
オプション1において、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって、ユーザ端末に「仮定2」が構成され、さらに、セルごとのHARQエンティティ数およびHARQエンティティと送信ポイントとの関連性などの情報が通知されてもよい。たとえば、図5Aに示す構成が通知された場合、ユーザ端末は、セルごとに2つの独立するHARQエンティティが存在するものと想定して動作するとともに、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図5Aにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
オプション1において、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって、ユーザ端末に「仮定2」が構成され、さらに、セルごとのHARQエンティティ数およびHARQエンティティと送信ポイントとの関連性などの情報が通知されてもよい。たとえば、図5Bに示す構成が通知された場合、ユーザ端末は、セルごとに2つの独立するHARQエンティティが存在するものと想定して動作するとともに、1つのDCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図5Bにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
(オプション2)
オプション2では、各HARQエンティティが並行して管理するHARQプロセスの数は、可変であり、RRCによって構成される。各HARQエンティティは、同じ数のHARQプロセスを管理してもよいし、異なる数のHARQプロセスを管理してもよい。
図6は、第2の態様のオプション2に係るHARQエンティティおよびHARQプロセスの構成の一例を示す図である。
図6に示す例は、仮定2:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるノンコヒーレントなPDSCHのスケジューリングを、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図6Aに示す例では、セルごとに複数の独立したHARQエンティティ(HARQエンティティ0およびHARQエンティティ1)が、RRCによって構成されている。各HARQエンティティは、RRCによって、同じ数(図6Aにおいて16個)のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。HARQエンティティごとの、複数(最大16個)のHARQプロセスは、1つのDCIでサポートされる。すなわち、1つのDCIは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。HARQプロセス番号は、HPN0からHPN15まで存在する。なお、図6Aは、図5Aと同じ図である。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、RRCは、図6Aに示すようにセルごとに2個の独立したHARQエンティティを設定する。RRCは、各HARQエンティティが管理するHARQプロセスの数を設定する。
図6Aに示す例では、送信ポイントTP0は、HARQエンティティ0が管理する最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIフォーマットは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、HARQエンティティ1が管理する最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図6Bに示す例では、セルごとに複数の独立したHARQエンティティ(HARQエンティティ0およびHARQエンティティ1)が、RRCによって構成されている。各HARQエンティティは、RRCによって、異なる数のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。図6Bにおいて、HARQエンティティ0は、16個のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。これに対応するDCIは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。HARQエンティティ1は、8個のHARQプロセスを並行して管理するよう設定される。これに対応するDCIは、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、RRCは、図6Bに示すようにセルごとに2個の独立したHARQエンティティを設定する。RRCは、各HARQエンティティが管理するHARQプロセスの数を設定する。
図6Bに示す例では、送信ポイントTP0は、HARQエンティティ0が管理する最大16個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIフォーマットは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。送信ポイントTP1は、HARQエンティティ1が管理する最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIフォーマットは、3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。
図6において、送信ポイントを意味する「TP」との用語は、パネル、送受信ポイント、PDCCHの制御リソースセット(CORESET)またはサーチスペース、ならびに、PDSCHのDMRSポートグループ、コードワードまたはトランスポートブロック(TB)と読み替えられてもよい。
オプション2において、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって、ユーザ端末に「仮定2」が構成され、さらに、セルごとのHARQエンティティ数およびHARQエンティティと送信ポイントとの関連性などの情報が通知されてもよい。たとえば、図6Aに示す構成が通知された場合、ユーザ端末は、セルごとに2つの独立するHARQエンティティが存在するものと想定して動作するとともに、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図6Aにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
オプション2において、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって、ユーザ端末に「仮定2」が構成され、さらに、セルごとのHARQエンティティ数およびHARQエンティティと送信ポイントとの関連性などの情報が通知されてもよい。たとえば、図6Bに示す構成が通知された場合、ユーザ端末は、セルごとに2つの独立するHARQエンティティが存在するものと想定して動作するとともに、HARQエンティティ0に対応するDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含み、HARQエンティティ1に対応するDCIが3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図6Bにおいて、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、複数の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、複数の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが4ビットまたは3ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
(オプション3)
オプション3では、各HARQエンティティに関連するHARQプロセス番号が、RRCによって構成される。
図7は、第2の態様のオプション3に係るHARQエンティティおよびHARQプロセスの構成の一例を示す図である。
図7に示す例は、仮定1:複数の送信ポイントからそれぞれ送信されるPDSCHのスケジューリングを、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(たとえば、DCI)を用いて制御する場合を想定している。
図7に示す例では、セルごとに複数の独立したHARQエンティティ(HARQエンティティ0およびHARQエンティティ1)が、RRCによって構成されている。セルあたりのHARQプロセスの総数は、従来と変わらず最大16個に設定されている。
たとえば、最大2つの送信ポイント(たとえば、最大2パネル、または、最大2つの送受信ポイント)からPDSCHが送信される場合、RRCは、図7に示すようにセルごとに2個の独立したHARQエンティティを設定する。この場合、各HARQエンティティは、最大8個のHARQプロセスを管理してもよい。
複数のHARQエンティティが管理する、最大16個のHARQプロセスは、1つのDCIでサポートされる。すなわち、1つのDCIは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。RRCによって、HARQエンティティ0が管理する最大8個のHARQプロセスのHARQプロセス番号は、HPN0からHPN7と構成されている。RRCによって、HARQエンティティ1が管理する最大8個のHARQプロセスのHARQプロセス番号は、HPN8からHPN15と構成されている。
図7に示す例では、送信ポイントTP0は、HARQエンティティ0が管理する最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(HPN0からHPN7のいずれか)をDCIフォーマットのフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。ここで用いるDCIフォーマットは、4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含む。送信ポイントTP1も同様に、HARQエンティティ1が管理する最大8個のHARQプロセスの中からHARQプロセスを設定し、このHARQプロセスに対応するHARQプロセス番号の値(HPN8からHPN15のいずれか)をDCIフィールドにマッピングして、ユーザ端末へ送信する。
図7に示す例では、各HARQエンティティが同じ数のHARQプロセスをサポートしているが、各HARQエンティティは異なる数のHARQプロセスをサポートする構成であってもよい。
図7において、送信ポイントを意味する「TP」との用語は、パネル、送受信ポイント、PDCCHの制御リソースセット(CORESET)またはサーチスペース、ならびに、PDSCHのDMRSポートグループ、コードワードまたはトランスポートブロック(TB)と読み替えられてもよい。
オプション3において、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング)によって、ユーザ端末に「仮定1」が構成され、さらに、セルごとのHARQエンティティ数およびHARQエンティティと送信ポイントとの関連性などの情報が通知されてもよい。たとえば、図7に示す構成が通知された場合、ユーザ端末は、セルごとに2つの独立するHARQエンティティが存在するものと想定して動作するとともに、1つのDCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して動作する。
ユーザ端末は、複数の送信ポイント(図7において、TP0およびTP1)からそれぞれ送信される、単一の下り制御チャネル(たとえば、PDCCH)、または、単一の下り制御情報(たとえば、DCI)をモニタする。ユーザ端末は、複数の送信ポイントから送信されるDCIを有するPDCCHを検出すると、そのDCIによって示される、対応するPDSCHを復号する。ユーザ端末は、DCIが4ビットのHARQプロセス番号(HPN)フィールドを含むものと想定して、DCIフォーマットによって指示されたHARQプロセスを特定し、下りリンクのトランスポートブロック(TB)に対するHARQプロセスを行う。
各HARQエンティティが管理するHARQプロセスの数が固定されている構成(オプション1)と、各HARQエンティティが管理するHARQプロセスの数が可変である構成(オプション2)とは、上位レイヤシグナリングによって、切り替えられてもよい。各HARQエンティティに関連するHARQプロセス番号がRRCによって構成される構成(オプション3)は、上位レイヤシグナリングによって、オプション1またはオプション2に切り替えられてもよいし、組み合わせて運用されてもよい。
以上のように、複数の送信ポイントからPDSCH(たとえば、NCJTを利用したPDSCH)がユーザ端末に送信されるシナリオで、ユーザ端末に「仮定1」または「仮定2」が構成される場合に、第1の態様または第2の態様で説明したようにHARQエンティティおよびHARQプロセスを構成および設計することにより、ユーザ端末のHARQプロセスを適切に構成して実行することが可能となる。
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記実施の形態に係る無線通信方法が適用される。
図8は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(たとえば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)またはデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE-A(LTE-Advanced)、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New Rat)などと呼ばれてもよい。
図8に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12aから12cと、を備えている。マクロセルC1および各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
ユーザ端末20は、無線基地局11および無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CAまたはDCにより同時に使用することが想定される。ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(たとえば、2個以上のCC)を用いてCAまたはDCを適用することができる。ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスドバンドCCとアンライセンスドバンドCCを利用することができる。複数のセルのいずれかに短縮TTIを適用するTDDキャリアが含まれる構成とすることができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(たとえば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(たとえば、3.5GHz、5GHz、30から70GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(または、2つの無線基地局12の間)は、有線接続(たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)または無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11および各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。上位局装置30には、たとえば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11および12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-A等の各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC-FDMA(シングルキャリア-周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末ごとに1つまたは連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。上りおよび下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下りデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel、下り共有チャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、L1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
L1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認情報(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCI等の伝送に用いられる。
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上りデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel、上り共有チャネル等ともいう)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。送達確認情報(ACK/NACK)や無線品質情報(CQI)などの少なくとも1つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCHまたはPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
<無線基地局>
図9は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。無線基地局10は、下りデータの送信装置であり、上りデータの受信装置であってもよい。
無線基地局10からユーザ端末20に送信される下りデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、下りデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(たとえば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナごとにプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路または送受信装置から構成することができる。送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部および受信部から構成されてもよい。
上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103は、アンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤおよびPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理、無線基地局10の状態管理、および、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(たとえば、位相シフタ、位相シフト回路)またはアナログビームフォーミング装置(たとえば、位相シフト器)から構成することができる。送受信アンテナ101は、たとえばアレーアンテナにより構成することができる。送受信部103は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
送受信部103は、送信ビームを用いて信号を送信してもよいし、受信ビームを用いて信号を受信してもよい。送受信部103は、制御部301によって決定された所定のビームを用いて信号を送信および受信してもよい。
送受信部103は、下り信号(たとえば、下り制御信号(下り制御チャネル)、下りデータ信号(下りデータチャネル、下り共有チャネル)、下り参照信号(DM-RS、CSI-RS等)、ディスカバリ信号、同期信号、ブロードキャスト信号など)を送信する。送受信部103は、上り信号(たとえば、上り制御信号(上り制御チャネル)、上りデータ信号(上りデータチャネル、上り共有チャネル)、上り参照信号など)を受信する。
送受信部103は、複数の送信ポイントから送信される下り共有チャネルのスケジューリングに利用する1または複数の下り制御情報を送信する。当該下り制御情報に含まれるHARQプロセス番号(HPN)フィールドには、セルごとに1または複数の独立したHARQエンティティが管理するHARQプロセス番号がマッピングされている。
本発明の送信部および受信部は、送受信部103と伝送路インターフェース106の両方、またはいずれか一方により構成される。
図10は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図10では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図10に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路または制御装置から構成することができる。
制御部301は、たとえば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
制御部301は、下り信号および上り信号のスケジューリング(たとえば、リソース割り当て)を制御する。具体的には、制御部301は、下りデータチャネルのスケジューリング情報を含むDCI(DLアサインメント、DLグラント)、上りデータチャネルのスケジューリング情報を含むDCI(ULグラント)を生成および送信するように、送信信号生成部302、マッピング部303および送受信部103を制御する。
制御部301は、マルチスロットアグリゲーションおよびプリエンプションにおける、制御情報およびデータの送信または受信を制御してもよい。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御チャネル、下りデータチャネル、DM-RS等の下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路または信号生成装置から構成することができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路またはマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(たとえば、デマッピング、復調、復号など)を行う。たとえば、受信信号は、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御チャネル、上りデータチャネル、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路または信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。たとえば、受信処理部304は、プリアンブル、制御情報、ULデータの少なくとも1つを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号および受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路または測定装置から構成することができる。
測定部305は、たとえば、受信した信号の受信電力(たとえば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(たとえば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態等について測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
<ユーザ端末>
図11は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。ユーザ端末20は、下りデータの受信装置であり、上りデータの送信装置であってもよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路または送受信装置から構成することができる。送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部および受信部から構成されてもよい。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。下りデータのうち、システム情報や上位レイヤ制御情報もアプリケーション部205に転送される。
上りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(たとえば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(たとえば、位相シフタ、位相シフト回路)またはアナログビームフォーミング装置(たとえば、位相シフト器)から構成することができる。送受信アンテナ201は、たとえばアレーアンテナにより構成することができる。送受信部203は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
送受信部203は、送信ビームを用いて信号を送信してもよいし、受信ビームを用いて信号を受信してもよい。送受信部203は、制御部401によって決定された所定のビームを用いて信号を送信および受信してもよい。
送受信部203は、下り信号(たとえば、下り制御信号(下り制御チャネル)、下りデータ信号(下りデータチャネル、下り共有チャネル)、下り参照信号(DM-RS、CSI-RS等)、ディスカバリ信号、同期信号、報知信号など)を受信する。送受信部203は、上り信号(たとえば、上り制御信号(上り制御チャネル)、上りデータ信号(上りデータチャネル、上り共有チャネル)、上り参照信号など)を送信する。
送受信部203は、複数の送信ポイントから送信される下り共有チャネルのスケジューリングに利用する1または複数の下り制御情報を受信する。当該下り制御情報に含まれるHARQプロセス番号(HPN)フィールドには、セルごとに1または複数の独立したHARQエンティティが管理するHARQプロセス番号がマッピングされている。送受信部203は、当該HARQプロセス番号に対応するHARQ-ACK情報を送信する。
図12は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。図12においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図12に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路または制御装置から構成することができる。
制御部401は、たとえば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
制御部401は、下り制御情報に含まれるHARQプロセス番号(HPN)フィールドが示す、HARQプロセス番号を検出し、このHARQプロセス番号に対応するHARQ-ACK情報を送信するよう制御してもよい。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御チャネル、上りデータチャネル、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路または信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータチャネルを生成する。たとえば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御チャネルにULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータチャネルの生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路またはマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(たとえば、デマッピング、復調、復号など)を行う。たとえば、受信信号は、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御チャネル、下りデータチャネル、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路または信号処理装置から構成することができる。受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
受信信号処理部404は、制御部401の指示に基づいて、下りデータチャネルの送信および受信をスケジューリングする下り制御チャネルをブラインド復号し、当該DCIに基づいて下りデータチャネルの受信処理を行う。受信信号処理部404は、DM-RSまたはCRSに基づいてチャネル利得を推定し、推定されたチャネル利得に基づいて、下りデータチャネルを復調する。
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、たとえば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、データの復号結果を制御部401に出力してもよい。受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路または測定装置から構成することができる。
測定部405は、たとえば、受信した信号の受信電力(たとえば、RSRP)、DL受信品質(たとえば、RSRQ)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェアおよびソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(たとえば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
たとえば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、一実施形態に係る基地局およびユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10およびユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局10およびユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
たとえば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、またはその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
基地局10およびユーザ端末20における各機能は、たとえば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002およびストレージ1003におけるデータの読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、たとえば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。たとえば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003および通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。たとえば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、たとえば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、たとえば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線ネットワークおよび無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、たとえばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、たとえば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)および時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。たとえば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部103は、送信部103aと受信部103bとで、物理的にまたは論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(たとえば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。入力装置1005および出力装置1006は、一体となった構成(たとえば、タッチパネル)であってもよい。
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
基地局10およびユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。たとえば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(変形例)
本開示において説明した用語および本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。たとえば、チャネルおよびシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
無線フレームは、時間領域において1つまたは複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つまたは複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(たとえば、1ms)であってもよい。
ここで、ニューメロロジーとは、ある信号またはチャネルの送信および受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。たとえば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロットおよびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロットおよびシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
たとえば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームおよびTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(たとえば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、たとえば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。たとえば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(たとえば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
ロングTTI(たとえば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(たとえば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。
RBは、時間領域において、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレームまたは1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。たとえば、1REは、1サブキャリアおよび1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロットおよびシンボルなどの構造は例示に過ぎない。たとえば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボルおよびRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、ならびにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。たとえば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)および情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネルおよび情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。たとえば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤおよび下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(たとえば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新または追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。たとえば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(たとえば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、たとえば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。MACシグナリングは、たとえば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
所定の情報の通知(たとえば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(たとえば、当該所定の情報の通知を行わないことによってまたは別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)または偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(たとえば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。たとえば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)および無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(QCL:Quasi-Co-Location)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)」、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」、「帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つまたは複数(たとえば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(たとえば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局および基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアントまたはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局および移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。基地局および移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(たとえば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(たとえば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。基地局および移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。たとえば、基地局および移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。たとえば、基地局およびユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(たとえば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(たとえば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。たとえば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(たとえば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)またはこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。たとえば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(たとえば、LTEまたはLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1および第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ることまたは何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。たとえば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(たとえば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
「判断(決定)」は、受信(receiving)(たとえば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(たとえば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(たとえば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。たとえば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、ならびにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も同様に解釈されてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」およびこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、たとえば、英語でのa, anおよびtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。