JP7168127B2 - 故障予兆検知装置、故障予兆検知方法、故障予兆検知プログラム、学習装置、学習済みの学習モデルの生成方法、学習済みの学習モデル生成プログラム - Google Patents

故障予兆検知装置、故障予兆検知方法、故障予兆検知プログラム、学習装置、学習済みの学習モデルの生成方法、学習済みの学習モデル生成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、故障予兆検知装置、故障予兆検知方法、故障予兆検知プログラム、学習装置、学習済みの学習モデルの生成方法、及び学習済みの学習モデル生成プログラムに関する。
機器のセンサーデータを用いて、機器の故障予兆を検知する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。通常、故障予兆時のデータ量は少ないため、正常時のデータのみを用いて学習させた正常運転時の学習モデルを生成し、学習モデルによる予測値と取得データが示す実測値との乖離が閾値以上である場合は故障予兆と検知する。
特願2015-58673号公報
しかしながら、従来の技術では、実際には機器が劣化していなくとも、外的要因に起因する機器周辺の環境変化により、実測値が予測値と乖離してしまった場合に故障予兆と誤検知してしまう可能性がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より適切に故障の予兆を検知する故障予兆検知装置を得ることを目的とする。
本発明に係る故障予兆検知装置は、故障予兆検知対象の機器の故障予兆検知対象時における推定用データ及び比較用データを取得する取得部と、学習モデルを用いて推定用データから、比較用データの正常運転時における推定値を算出する推定部と、推定値と比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、機器の故障予兆を検知する検知部と、取得部が取得した推定用データ及び比較用データのうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯の推定用データ及び比較用データを選定し、推定部及び検知部に出力する前処理部と、を備え、推定部は、前処理部が選定した推定用データを用いて推定値を算出し、検知部は、推定値と前処理部が選定した比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、機器の故障予兆を検知することを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知装置は、推定値と比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、機器の故障予兆を検知する検知部を備えたので、機器周辺の環境変化を故障の予兆であると誤検知する可能性を低減し、より適切に故障の予兆を検知することができる。
実施の形態1に係る故障予兆検知システム1000の構成を示す構成図である。 実施の形態1に係る空調システム2000の構成を示す構成図である。 実施の形態1に係る故障予兆検知装置100及び発報装置300の構成を示す構成図である。 実施の形態1に係る故障予兆検知装置100のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る故障予兆検知装置100の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る短期的乖離検知部51が短期的環境変化を検知する処理を説明するための概念図である。 実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が故障予兆又は長期的環境変化を検知する処理の具体例について説明するための概念図である。 実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が長期的環境変化を検知する処理の具体例について説明するための概念図である。 実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が故障予兆を検知する処理の具体例について説明するための概念図である。 実施の形態1に係る学習装置200の構成を示す構成図である。 実施の形態1に係る学習用前処理部230の処理の具体例について説明するための概念図である。 評価値が高い場合の学習モデルの具体例を示す概念図である。 評価値が低い場合の学習モデルの具体例を示す概念図である。 実施の形態1に係る学習装置200のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る学習装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る故障予兆検知装置100及び学習装置200の変形例の構成を示す概念図である。 実施の形態2に係るFAシステム3000の構成を示す構成図である。 実施の形態2に係る故障予兆検知装置600の構成を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る故障予兆検知システム1000の構成を示す構成図である。故障予兆検知システム1000は故障予兆検知装置100と学習装置200とを備える。故障予兆検知装置100は学習装置200から学習済みの学習モデルを取得し、学習装置200は故障予兆検知装置100から学習用データを取得する。故障予兆検知装置100の詳細については、以下の推定フェーズで説明し、学習装置200の詳細については、以下の学習フェーズで説明する。推定フェーズは、故障予兆検知装置100が機器の故障予兆を学習済みの学習モデルを用いて検知するフェーズであり、学習フェーズは、学習装置200が推定フェーズで故障予兆検知装置100が用いる学習モデルの学習を行うフェーズである。
<推定フェーズ>
図2は実施の形態1における空調システム2000の構成を示す構成図である。空調システム2000は、故障予兆検知装置100、空調コントローラー300、報知装置400、複数の室外機OU(OU1,OU2,・・・OUn)及び複数の室内機IU(IU11,IU12,・・・IU1p,IU21,IU22,・・・IU2q,IUn1,IUn2,・・・IUnr)を備える。ここで、n、p、q、及びrは任意の正の整数である。以下では、特定の室外機を指す場合には、OUの後に追加の符号を付し、任意の室外機または全室外機を指す場合にはOUのみで表記することとする。室内機についても同様に、特定の室内機を指す場合には、IUの後に追加の符号を付し、任意の室内機または全室内機を指す場合にはIUのみで表記することとする。符号の付し方については、後述する空調機AC、室外センサーOUS、室内センサーIUS、受付部IURについても同様である。また、室外機OUと室内機IUとを合わせて空調機ACと呼ぶこととする。実施の形態1において、機器は空調機ACである。
故障予兆検知装置100は、機器の故障予兆を検知する装置であり、詳細については後述する。
報知装置400は、故障予兆検知装置100からの信号に基づき、故障予兆検知装置100のユーザーに発報を行うものである。詳細については、故障予兆検知装置100とともに後述する。
空調コントローラー300は、全室外機OU及び全室内機IUを集中コントロールするコントローラーであり、全室外機OU及び全室内機IUの情報を集約している。また、空調コントローラー300は、故障予兆検知装置100が送信した情報を受信する通信インターフェースと、受信した情報に基づいて室外機OU及び室内機IUを制御するためのプロセッサ及びメモリを備えている。
各室外機OUには複数の室内機IUが接続されており、例えば室外機OU1には室内機IU1(IU11,IU12,・・・IU1p)が接続される。空調コントローラー300と室内機IU及び室外機OUは電磁的方法により接続され、接続される方法は有線か無線かを問わない。また、空調コントローラー300は室内機IU及び室外機OUが設置された建築物と同じ建築物に設置される構成でも、遠隔地に備えられ、ネットワーク経由で接続される構成であってもよい。
各室外機OUは、接続された室内機IUとともに室内の空調を行う空調機AC(AC1,AC2,・・・ACn)を構成する。また、各室外機OUは、当該室外機OUが設置された室外の環境及び室外機OUの状態を検知し、室外環境情報及び室外機情報を取得する室外センサーOUS(OUS1,OUS2,・・・OUSn)を備える。各室外センサーOUSは、取得した室外環境情報及び室外機情報を空調コントローラー300に出力する。ここで、室外環境情報とは、室外の環境を示すものであり、例えば、各時刻における室外温度や室外湿度等である。また、室外機情報とは室外機の状態を示すものであり、例えば、圧縮機周波数等である。
各室内機IUは、当該室内機IUが設置された室内の環境及び室内機の状態を検知し、室内環境情報及び室内機情報を取得する室内センサーIUS(IUS11,IUS12,・・・IUS1p,IUS21,IUS22,・・・IUS2q,IUSn1,IUSn2,・・・IUSnr)を備える。また、各室内機IUは、ユーザーから設定情報を受け付ける受付部IUR(IUR11,IUR12,・・・IUR1p,IUR21,IUR22,・・・IUR2q,IURn1,IURn2,・・・IURnr)を備える。各室内機IUは、取得した室内環境情報、室内機情報、受け付けた設定情報、及び空調機ACの運転状態を示す運転情報を、室外機OUを介して空調コントローラー300に出力する。ここで、室内環境情報とは、室内の環境を示すものであり、例えば、各時刻における室内温度及び室内湿度等である。設定情報は、受付部を介してユーザーにより設定される情報であり、例えば、室内機IUが設置された部屋の環境値を目標値に到達させる目標時刻、目標温度、及び目標湿度等である。ここで、部屋の環境値とは、室内環境情報が示す値であり、目標値とは、設定情報が示す部屋の環境値の目標となる値である。
運転情報は、空調機ACの運転状態を示すものであり、例えば、空調機ACの運転能力、空調機ACが起動状態か停止状態かを示す情報、並びに、空調機ACが冷房モード、暖房モード及び除湿モードを含む運転モードのいずれのモードにあるかを示す情報等である。また、室内機IUだけでなく、室外機OUも運転情報を出力する構成としてもよい。ここで、運転能力とは、空調機ACの空調能力の強さを示すものであり、例えば、室外機OUの冷媒蒸発温度、凝縮温度、及び稼働する室内機IUの台数等である。
また、上記において、室外機OU及び室内機IUが、それぞれ室外センサーOUS及び室内センサーIUSを備える構成としたが、各種センサーは室外機OU及び室内機IUと独立して設ける構成としても良い。
図3は、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100及び報知装置400の構成を示す構成図である。先に報知装置400について説明し、その後に故障予兆検知装置100について説明する。
報知装置400は、故障予兆検知装置100からの信号に基づき、故障予兆検知装置100のユーザーへ報知を行うものであり、特に故障予兆の報知を行う。実施の形態1においては、ディスプレイ410とスピーカー420とを備える。
ディスプレイ410は、視覚を通してユーザーに報知を行うものであり、スピーカー420は、聴覚を通してユーザーに報知を行うものである。
次に、故障予兆検知装置100について説明する。故障予兆検知装置100は、接続された機器の故障予兆を検知する装置であり、より具体的には、学習モデルによる推定値と実測値とを複数時刻で比較することにより、機器の故障予兆と機器周囲の環境変化とを区別して、故障予兆及び環境変化を検知するものである。
実施の形態1において、故障予兆検知装置100は、取得部10、記憶部20、前処理部30、推定部40、検知部50、制御部60、及び再学習部70を備える。
取得部10は、故障予兆検知対象の機器の故障予兆検知対象時における推定用データD1及び比較用データD2を取得するものである。
実施の形態1において、取得部10は、推定用データD1及び比較用データD2を空調コントローラー300から取得する。また、推定用データD1及び比較用データD2は、上記の室外環境情報、室外機情報、室内環境情報、室内機情報、設定情報、及び運転情報であり、これらをまとめて空調データと呼ぶこととする。また、実施の形態1において、比較用データは、空調機ACの圧縮機周波数を示すものとし、推定用データは、圧縮機周波数以外の値、例えば、時間(スケジュール)、消費電力、室外温度、室内温度、設定温度、運転状態、冷媒温度、各種サーミスタ、ファン回転数、各種圧力センサーが示す値等の少なくともいずれか一つを示すものとする。ここでは、圧縮機周波数を比較用データとしたので、空調機全体において、いずれかの部位における故障予兆を精度良く検知することができるが、特定の部位ごとに故障予兆を検知したい場合には、入出力データを上記とは異なる情報を示すデータに適宜変更すればよい。
記憶部20は、各種情報を記憶するものである。実施の形態1において、記憶部20は、学習装置200によって学習を行った学習済みの学習モデルD3、取得部10が取得した推定用データD1及び比較用データD2、並びに、後述する検知部50の検知結果を比較用データ及び推定用データに付与した学習用データD7及び評価用データD8を記憶する。
記憶部20は、学習済みの学習モデルD3、推定用データD1及び比較用データD2をバッチで前処理部30に出力する。すなわち、記憶部20は、所定時間毎に、当該所定時間に記憶した空調データと、学習済みの学習モデルD3とを、前処理部30に出力する。
また、実施の形態1においては、記憶部20が各種データを記憶する構成を示したが、当該構成に限定されるものではない。記憶部20に替えて、通信ネットワークNW上に配置された単数または複数のネットワークストレージ装置(図示せず)が各種データを記憶し、当該ネットワークストレージ装置に前処理部30、推定部40及び再学習部70がアクセスするように構成してもよい。これにより、取得部10が取得した空調データ、及び検知部50にて空調データに検知内容を付与した学習用データD7及び評価用データD8を記憶したデータベースを故障予兆検知装置100の外部に構築することができる。
前処理部30は、入力された推定用データD1及び比較用データD2に対してデータの前処理を行い、前処理後の推定用データD4を推定部40に出力し、前処理後の推定用データD4及び前処理後の比較用データD5を検知部50に出力するものである。より具体的には、前処理部30は、記憶部20から入力された時系列のバッチデータである空調データに対して、移動平均や使用データの選定などの処理を行い、前処理後の推定用データD4を推定部40に出力するとともに、前処理後の推定用データD4及び前処理後の比較用データD5を検知部50に出力する。データの選定とは例えば、分散の小さい部分のみを用いる場合、その分散値の閾値を設けて閾値以下のデータを選定する。分散値の閾値は手動で設定しても良いし、後述する学習装置にて正常運転モデルを作成する際の評価値が最大時の分散値の閾値を用いる方法などがある。
実施の形態1において、前処理部30は、取得部10が取得した推定用データD1及び比較用データD2のうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯の推定用データD4及び比較用データD5を選定し、推定部40及び検知部50に出力する。
推定部40は、学習モデルD3を用いて推定用データD4から、比較用データD5の正常運転時における推定値を算出するものである。実施の形態1において、推定部40は、前処理部30が選定した推定用データD4を用いて推定値を算出する。また、推定部40は、推定した推定値を示す推定データD6を検知部50に出力する。
また、実施の形態1において、推定部40は、学習モデルD3を用いて推定用データD4から空調機ACの圧縮機周波数の推定値を算出する。
実施の形態1において、推定部40は、学習モデルD3として正常運転モデルを用いる。ここで、正常運転モデルとは、機器の正常運転時のデータを用いて機械学習した際に得られる学習モデルであり、故障予兆検知のための機器の正常な運転時の挙動を表したモデルである。すなわち、学習モデルD3は、空調データのうち比較用データD5以外の情報を示す推定用データD4を入力として、比較用データD5が示す情報に対応する正常運転時における値を出力するものである。また、機械学習の方法としては、回帰分析等既存の学習方法を用いればよく、実施の形態1においても、学習方法としては回帰分析を用いる。
実施の形態1において、推定部40が算出する推定値は予測区間を有する。推定部40は、学習モデルの出力として予測区間を有する推定値を直接算出してもよいし、学習モデルの出力として実数値を算出した後に所定の幅を持たせることにより、予測区間を有する推定値を算出するようにしてもよい。
検知部50は、推定部40が算出した推定値と比較用データD5が示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、機器の故障予兆を検知するものである。実施の形態1において、検知部50は、推定部40が算出した推定値と前処理部30が選定した比較用データD5が示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、機器の故障予兆を検知する。
また、実施の形態1において、検知部50は、推定部が算出した圧縮機周波数の推定値と、比較用データが示す圧縮機周波数の実測値とに基づき、空調機の断熱不良を検知する。
また、実施の形態1において、検知部50は、推定値と実測値との乖離度を算出し、乖離度が時間の経過に伴い増加する場合に、機器の故障予兆を検知する。また、検知部50は、当該乖離度が複数時刻において所定の閾値を超えた場合に、機器の故障予兆又は機器周囲の環境変化を検知する。より具体的には、検知部50は、乖離度が所定の閾値を超えた箇所を抽出し、抽出した箇所のそれぞれに対して、後述する短期的乖離検知部51及び長期的乖離検知部52の処理を行うことにより、機器の故障予兆又は機器周囲の環境変化を検知する。これらの処理の詳細については、短期的乖離検知部51及び長期的乖離検知部52の説明の際に説明を行う。
実施の形態1において、検知部50は、乖離度として、予測区間と前処理済みの空調データとの最短距離を用いる。ここで、上記の距離は、空調データの基底によって張られる空間で測られる。また、予測区間内に空調データが含まれる場合には距離はゼロとする。この場合には、検知部50が、故障予兆又は環境変化を検知するための所定の閾値はゼロに設定すればよい。
実施の形態1において、検知部50は、短期的乖離検知部51と、長期的乖離検知部52とを備える。
短期的乖離検知部51は、乖離度が所定の閾値を超えた時間が所定の時間未満である場合に、機器周囲の短期的環境変化を検知するものである。すなわち、短期的乖離検知部51は、推定部40が推定した推定値と、前処理部30から入力された比較用データD5が示す実測値とを比較し、一時的に乖離が確認された後、最終的に乖離が無くなった場合を検知する。そして、短期的乖離検知部51は、故障予兆検知対象の時間帯に短期的乖離が存在するか否かを示す検知内容D9を制御部60に出力する。
例えば、実施の形態1では前処理済みの空調データが予測区間の外に一時的に存在し、一定時間後に予測区間内に存在した場合に、短期的乖離検知部51は短期的乖離を検知する。短期的乖離検知部51で検知した場合、空調の故障予兆でも長期的な環境の変化でもないため、短期間のみ乖離していたデータは短期的環境変化のラベルを付与し、学習用データD7として記憶部に記憶する。
また、短期的環境変化とは、短期間のみ元の環境から変化し、ある程度の時間が経過すると元の環境に戻るような環境変化であり、例えば、窓の開閉等である。
上記の所定時間については、故障予兆の機器に応じて設定すればよく、例えば、空調機の場合では数分~数時間程度に設定すればよい。
長期的乖離検知部52は、乖離度が所定の閾値を超えた時間が所定の時間以上である場合に、機器の故障予兆又は機器周囲の長期的環境変化を検知するものである。また、長期的乖離検知部52は、故障予兆検知対象の時間帯に長期的乖離が存在するか否か、また、存在する場合は、その乖離が故障予兆に起因するものなのか、長期的環境変化に起因するものなのかを示す検知内容D9を制御部60に出力する。
長期的環境変化とは、長期間において元の環境から変化するような環境変化であり、例えば、部屋のレイアウト変更等である。所定時間については、短期的乖離検知部51と同様に決定すればよく、同じ値を用いてもよい。
例えば、実施の形態1では前処理済み空調データが予測区間の外に所定時間以上存在する場合に、長期的乖離検知部52は長期的乖離を検知する。
また、実施の形態1において、長期的乖離検知部52は、乖離度が時間の経過に伴い増加する場合に、機器の故障予兆を検知する。また、長期的乖離検知部52は、乖離度が所定の閾値以上であるが、時間の経過に伴い増加しない場合に、長期的環境変化を検知する。これは、故障予兆の場合には、機器の不具合は時間の経過とともに大きくなるため乖離度は大きくなり、長期的環境変化の場合には、レイアウト変更等は、一度変化した後はほとんど時間変化せず、乖離度はほぼ一定になるという考えに基づくものである。
より具体的には、長期的乖離検知部52は、比較用データが示す実測値と学習モデルによる推定値の距離を示す時系列データから、例えば、時間的に隣同士並んだデータの差分の積算値を算出する。環境の変化であれば、比較用データが示す実測値と学習モデルによる推定値は分散が小さく、時系列順の前ステップとの差分は小さいことが想定される。一方で、劣化による故障予兆であれば、実測値と推定値との距離は分散が徐々に大きくなり、時系列順の前ステップとの差分は大きいことが想定される。したがって、この差分の積算値が所定の閾値を超えたか否かを判定することにより、長期的な乖離が故障予兆に起因するものか、長期的環境変化によるものかを判別することができる。
また、長期的環境変化を検知した場合、長期的乖離検知部52は、検知したタイミング以降のデータに長期的環境変化後のデータであることを示すラベルを付与し、学習用データD7として記憶部20に記憶させる。一方、故障の予兆を検知した場合、検知したタイミング以降のデータに故障予兆のデータであることを示すラベルを付与し、そのラベル付きデータは今後学習には用いず、後述する学習装置200で学習モデルの学習を行う際の評価用データD8として記憶部20に記憶させる。
制御部60は、検知部50の検知内容D9に応じて各種制御を行うものである。実施の形態1において、制御部60は、長期的乖離検知部52が故障予兆を検知した場合に、故障予兆の報知をさせる制御信号D10を報知装置に送信する。また、制御部60は、長期的乖離検知部52が長期的環境変化を検知した場合に、後述する再学習部70に学習モデルの再学習を行わせる制御信号D11を送信する。
再学習部70は、長期的乖離検知部が長期的環境変化を検知した場合に、長期的乖離検知部が長期的環境変化を検知した時刻より後の時間帯の推定用データ及び比較用データを学習用データD7として用いて、学習モデルの再学習を行うものである。より具体的には、再学習部70は、記憶部20に記憶された長期的環境変化後のラベルが付与されたデータを用いて再学習を行う。
次に、実施の形態1における故障予兆検知装置100のハードウェア構成について説明する。故障予兆検知装置100の各機能は、コンピュータにより実現される。図4は、故障予兆検知装置100を実現するコンピュータのハードウェア構成の例を示す構成図である。
図4に示したハードウェアには、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置10000と、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等の記憶装置10001が備えられる。
図3に示す、取得部10、記憶部20、前処理部30、推定部40、検知部50、制御部60、及び再学習部70は、記憶装置10001に記憶されたプログラムが処理装置10000で実行されることにより実現され、記憶部20は記憶装置10001により実現される。ここで、上記の構成は、単数の処理装置10000及び記憶装置10001により実現する構成に限らず、複数の処理装置10000及び記憶装置10001により実現する構成であってもよい。
また、故障予兆検知装置100の各機能を実現する方法は、上記したハードウェアとプログラムの組み合わせに限らず、処理装置にプログラムをインプリメントしたLSI(Large Scale Integrated Circuit)のような、ハードウェア単体で実現するようにしてもよいし、一部の機能を専用のハードウェアで実現し、一部を処理装置とプログラムの組み合わせで実現するようにしてもよい。
以上のように、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は構成される。
次に、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100の動作について説明する。図5は、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100の動作を示すフローチャートである。故障予兆検知装置100の動作が故障予兆検知方法に対応し、故障予兆検知装置100の動作をコンピュータに実行させるプログラムが故障予兆検知プログラムに対応する。
また、取得部10の動作が取得工程に対応し、記憶部20の動作が記憶工程に対応し、前処理部30の動作が前処理工程に対応し、推定部40の動作が推定工程に対応し、検知部50の動作が検知工程に対応し、制御部60の動作が制御工程に対応し、再学習部70の動作が再学習工程に対応する。
まず、ステップS1において、取得部10は、故障予兆検知対象の機器の故障予兆検知対象時における推定用データ及び比較用データを記憶部20から取得する。
次に、ステップS2で、前処理部30は、推定用データ及び比較用データに対して前処理を実施する。より具体的には、前処理部30は、推定用データ及び比較用データのうち、センサー値の分散が小さいデータを選定し、推定部40及び検知部50に出力する。
次に、ステップS3で、推定部40は、学習モデルを用いて推定用データから、比較用データの正常運転時における推定値を算出する。
次に、ステップS4で、検知部50は、正常運転モデルにより推定された推定値と、比較用データが示す実測値との乖離度を算出する。
次に、ステップS5で、検知部50は、乖離度が所定の閾値を超えている箇所を乖離部分データとして抽出する。ここで、乖離部分データは推定値と推定用データがセットになったものである。故障予兆検知装置100は、抽出した各乖離部分データに対して、ステップS6からステップS14までの処理を抽出乖離部分数繰り返し実施する。
ステップS6において、短期的乖離検知部51は、推定値と実測値との間に短期的な乖離が無いかを判定する。
短期的乖離検知部51が、短期的環境変化を検知する処理の具体例について、図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態1に係る短期的乖離検知部51が短期的環境変化を検知する処理を説明するための概念図である。
図6において、実線が回帰曲線C1、幅を持った帯状の曲線が予測区間I1、白丸が取得した空調データA1を示す。ここで、推定用データが示す値が空調データA1の横軸の値に対応し、比較用データが示す値が空調データA1の縦軸の値に対応する。また、回帰曲線C1は、推定用データを学習モデル入力したときの出力として得られるものである。ここで、回帰曲線C1と予測区間I1とを合わせて推定値と呼ぶこととする。
短期的乖離検知部51は、図6に示すある時間帯T1において、乖離度が所定の閾値を超えている、すなわち、空調データA1に予測区間I1の範囲に入っておらず推定値と実測値とが乖離しているデータが存在することを検知する。そして、短期的乖離検知部51は、推定値と実測値とが乖離している時間帯T1と所定の時間T2とを比較し、T1がT2より短い場合に短期的環境変化を検知する。
ステップS6でNOと判定された場合、すなわち、短期的な乖離が有ると判定された場合は、ステップS7へと進み、短期的乖離検知部51は、ステップS5で短期的な乖離が有ると判定されたことをもって、短期的環境変化を検知する。
ステップS6でYESと判定された場合、すなわち、短期的な乖離が無いと判定された場合は、ステップS8へと進む。
ステップS8において、長期的乖離検知部52は、推定値と実測値との間に長期的な乖離があるかを判定する。
長期的乖離検知部52が、故障予兆又は長期的環境変化を検知する処理の具体例について、図7を用いて説明する。
図7は、実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が故障予兆又は長期的環境変化を検知する処理の具体例について説明するための概念図である。
図6と同様に、図7において、実線は回帰曲線C2、幅を持った帯状の曲線が予測区間I2、白丸が取得した空調データA2を示す。
長期的乖離検知部52は、図7に示すある時間帯T3において、乖離度が所定の閾値を超えている、すなわち、空調データA2に予測区間I2の範囲に入っておらず推定値と実測値とが乖離しているデータが存在することを検知する。そして、長期的乖離検知部52は、推定値と実測値とが乖離している時間帯T3と所定の時間T2とを比較し、T3がT2より長い場合に故障予兆又は長期的環境変化を検知する。
ステップS8においてNOと判定された場合、この場合には、正常運転時の値と実測値との間に乖離がないので、故障予兆検知装置100は、故障予兆及び環境変化なしと判断し、動作を終了する。
ステップS8においてYESと判定された場合、ステップS9に進み、長期的乖離検知部52は、前後のデータにおける乖離度の差分の積算値を、乖離部分データの最初から最後まで算出する。
次に、ステップS10において、長期的乖離検知部52は、差分の積算値が閾値以上か否かを判定する。
ステップS10でNOと判定された場合、ステップS11に進み、長期的乖離検知部52は、差分の積算値が閾値以上でないことをもって、長期的環境変化を検知する。また、ステップS10でYESと判定された場合、ステップS12に進み、長期的乖離検知部52は、差分の積算値が閾値以上であることをもって、故障予兆を検知する。
上記のステップS9からステップS12において、長期的乖離検知部52は、ステップS8で検知した長期的な乖離が、機器の故障予兆によるものか、それとも長期的な環境変化によるものかを判定する。以下で、ステップS9からステップS12の処理の具体例について説明する。
図8を用いて、実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が長期的環境変化を検知する処理について説明する。図8は、実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が長期的環境変化を検知する処理の具体例について説明するための概念図である。
図8の左に示されるのが、乖離度の時間変化であり、図8の右に示されるのが乖離度の積算値である。長期的乖離検知部52は、ある時刻の乖離度とその前の時刻の乖離度との差を積算し、積算値が所定の閾値以上か否かを確認する。図8に示されるように、乖離度がほぼ一定であり、積算値が所定の閾値未満である場合、長期的乖離検知部52は長期的環境変化を検知する。
次に、図9を用いて、実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が故障予兆を検知する処理について説明する。図9は、実施の形態1に係る長期的乖離検知部52が故障予兆を検知する処理の具体例について説明するための概念図である。
図8と同様に、図9の左に示されるのが、乖離度の時間変化であり、図9の右に示されるのが乖離度の積算値である。長期的乖離検知部52は、ある時刻の乖離度とその前の時刻の乖離度とを積算し、積算値が所定の閾値以上か否かを確認する。図9に示されるように、乖離度が時間の経過に伴い増加し、積算値が所定の閾値以上である場合、長期的乖離検知部52は故障予兆を検知する。
図5のフローチャートに戻り、動作の続きについて説明を行う。
ステップS7、ステップS11及びステップS12の後はステップS13に進む。短期的乖離検知部51又は長期的乖離検知部52は、乖離を検知した場合、乖離部分のデータに検知結果のラベルを付与し、ラベル付きのデータを記憶部に記憶させる。また、短期的乖離検知部51または長期的乖離検知部52は、検知内容を制御部に出力する。
最後にステップS14において、制御部60は、受信した検知内容に基づいて各種制御を行う。例えば、検知内容が長期的環境変化である場合、制御部60は、再学習部に再学習を行わせ、検知内容が故障予兆である場合、報知装置400に故障予兆を知らせる報知を行わせる。また、検知内容が短期的環境変化である場合、制御部60は、報知装置400に短期的環境変化を知らせる報知を行わせてもよいし、あるいは、ステップS14の処理を省略しても良い。
故障予兆検知装置100は、ステップS6からステップS14までの処理を抽出乖離部分数繰り返す。
以上のような動作により、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、推定値と実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、機器の故障予兆を検知するので、機器周辺の環境変化を故障の予兆であると誤検知する可能性を低減し、より適切に故障の予兆を検知することができる。
また、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、推定値と実測値との乖離度を算出し、乖離度が時間の経過に伴い増加する場合に、機器の故障予兆を検知するようにしたので、レイアウト変更のような長期的な環境変化を故障予兆と誤検知することをより適切に防止し、故障予兆をより適切に検知することができる。
また、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、乖離度が複数時刻において所定の閾値を超えた場合に、機器の故障予兆又は機器周囲の環境変化を検知するようにしたので、一瞬だけ閾値を超えた場合に故障予兆と誤検知することをより適切に防止することができる。
また、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、乖離度が閾値を超えた時間が所定の時間未満である場合に、機器周囲の短期的環境変化を検知し、乖離度が閾値を超えた時間が所定の時間以上である場合に、機器の故障予兆又は長期的環境変化を検知するようにしたので、環境変化の中でも短期的環境変化と長期的環境変化を区別し、より適切に故障予兆の誤検知を防止することができる。
また、環境変化に起因する乖離があったとしても、室内のレイアウト変更等の長期的な環境変化があった場合は学習モデルの再学習が必要になるが、窓を開けただけの様な、短期的な環境変化しかない場合には、学習モデルの再学習が必要ない場合も存在する。そうした長期的環境変化と短期的環境変化も区別して検知することで、再学習の必要性の有無を判別することができる。
また、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯の推定用データ及び比較用データを選定し、検知部に出力するようにしたので、分散値が大きく不安定な時間帯のデータを検知に用いて故障予兆を誤検知することをより適切に防止することができる。
また、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、故障予兆検知装置100のユーザーへ報知を行う報知装置400に接続され、故障予兆を検知した場合に、報知装置400から報知を行うようにしたので、検知した故障予兆をユーザーに認識させることができる。
また、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100は、長期的環境変化を検知した場合に、長期的乖離検知部が長期的環境変化を検知した時刻より後の時間帯の推定用データ及び比較用データを再学習用データとして用いて、学習モデルの再学習を行うようにしたので、レイアウト変更等を行い長期的な環境変化が生じ、学習モデルによる推定が上手く行えていないような状況を改善することができる。また、ユーザーが一々再学習用のデータを設定し、再学習を実行させる手間を省くことができる。
また、実施の形態1においては、故障予兆検知装置の故障予兆検知対象は空調機であり、空調機の圧縮機周波数を、学習モデルを用いて推定するようにしたので、故障検知の中でも空調機の断熱不良を適切に検知することができる。
また、上記において、故障予兆検知装置100は、図5に示すように、検知内容の報知や再学習をループ処理の中に含めているが、ループ処理が終了した後に、全ループ処理の結果を統合してから検知内容の報知や再学習を実行するようにしてもよい。
以上で推定フェーズの説明を終了し、次に、学習フェーズの説明を行う。
<学習フェーズ>
推定フェーズで用いられる学習モデルの学習を行う学習フェーズについて説明する。
図10は、実施の形態1に係る学習装置200の構成を示す構成図である。
学習装置200は、機器の正常運転時のデータを用いて学習モデルの学習を行い、学習モデルを生成するものである。
実施の形態1において、学習装置200は、学習用取得部210、学習用記憶部220、学習用前処理部230、学習部240、評価部250、及び学習制御部260を備える。
学習用取得部210は、学習モデルの学習に用いる学習用データD21を取得するものである。ここで、学習用データは故障予兆検知装置100における比較用データ及び推定用データと同じ種類の情報を示し、また、機器の正常運転時における値を示すものとする。すなわち、実施の形態1において、学習用取得部210は、機器の正常運転時における学習用データを取得するものである。
実施の形態1において、学習用取得部210は、後述する学習用記憶部220に記憶された学習用データD21を取得するが、故障予兆検知装置100の記憶部20に学習用データD22が記憶されている場合には、学習を行う前に、予め記憶部20から学習用データD22を取得し、取得した学習用データD22を記憶部20に記憶させる。そして、学習用データD22を含めて学習用データD21を取得する。
学習用前処理部230は、学習用データD21の前処理を行うものであり、実施の形態1においては、学習用取得部210が取得した学習用データD21のうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯のデータを学習モデルの学習に用いるデータとして選定するものである。ここで、実施の形態1においては、学習モデルの出力を圧縮機周波数としたので、圧縮機周波数の分散値が所定の選定閾値未満の時間帯のデータを学習に用いるデータとして選定する。そして、学習用前処理部230は、選定後の学習用データD23を学習部240に出力する。
ここで、学習用データの選定を行わず、分散値が大きな値を示すデータを学習に用いると、学習モデルの学習を上手く行うことができず、精度の低い推定を行う学習モデルを生成してしまうという問題が生じる。
図11を用いて、学習用前処理部230の処理の具体例について説明する。室内温度と目標温度との差が大きく、空調機ACが安定的に運転している期間においては、センサー値の分散が小さなデータが得られるが、一度室内温度が目標温度に達し、空調機のON/OFFが細かく切り替わる過渡期の場合にはセンサー値の分散が大きなデータが得られる。このような場合において、分散値が大きなデータを学習用データとして用いると、学習モデルの学習を上手く行うことができない場合がある。上記の課題を解決するために、学習用前処理部230は、センサー値の分散値を用いて学習用データの選定を行うのである。
学習用記憶部220は、学習に関する各種情報を記憶するものであり、例えば、学習用データD21、評価用データD24、及び学習モデルD25を記憶する。ここで、学習モデルが故障予兆検知装置100で再学習されている場合は、学習用取得部210を介して故障予兆検知装置100の記憶部20に記憶されている学習モデルを取得し、記憶するようにしてもよい。また、故障予兆検知装置100の記憶部20に評価用データ、すなわち故障予兆ラベル付きデータが記憶されている場合、同様に、学習用取得部210を介して故障予兆検知装置100の記憶部20に記憶されている評価用データを取得し、記憶するようにしてもよい。
学習部240は、学習用前処理部230により選定された学習用データD23を用いて学習モデルD25の学習を行うものである。実施の形態1では、推定フェーズで説明したように、回帰分析により学習モデルの学習を行う。学習部240は、学習を行った後の学習モデルD26を評価部250に出力する。
評価部250は、学習モデルD26の評価を行い、学習モデルD26の評価値を算出するものである。
実施の形態1において、評価部250は、評価用データD24として、正常運転データのバリデーションデータ及び故障予兆ラベル付きデータを学習用記憶部220から取得する。また、評価部250が実施する評価方法としては、決定係数や回帰誤差等、周知の技術を用いればよい。実施の形態1において、評価部250は、故障予兆検知装置100の推定部40と同様に、評価用データD24を用いて推定値を取得し、推定値が予測区間内外に存在する割合を評価値として算出する。また、評価部250は、算出した評価値を示す情報を評価情報D27として学習制御部260に出力する。
正常運転データのバリデーションデータを評価用データD24として用いる場合には、評価用データが予測区間内に存在する割合を評価値として用いることにより、評価用データD24が推定値の予測区間内に多く存在するほど評価値が高くなり、正しく学習できていると評価でき、故障予兆ラベル付きデータを評価用データD24として用いる場合には、評価用データD24が予測区間外に存在する割合を評価値として用いることにより、評価用データD24が予測区間外に多く存在するほど評価値が高くなり、正しく学習できていると評価できる。
評価値が高い場合の学習モデルD26と評価値が低い場合の学習モデルD26の具体例について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12は、評価値が高い場合の学習モデルD26を示す概念図であり、図13は、評価値が低い場合の学習モデルD26を示す概念図である。
図12及び図13において、評価用データは全て正常運転時の空調データであるとする。
図12では、予測区間I3の中に評価用データA3が全て含まれており、評価値が高く、正しく学習できていると判断される状態を示している。一方で、図13では、予測区間I4の中に含まれない評価用データA4が多数存在しており、評価値が低く、正しく学習が出来ていないと判断される状態を示している。
図10に戻り、構成についての説明を続ける。
学習制御部260は、学習に関する各種制御を行うものであり、実施の形態1において、学習制御部260は、複数の選定閾値を取得し、学習用前処理部230の選定、学習部240の学習、及び評価部250の評価からなる一連の処理である探索処理を選定閾値毎に繰り返し行う反復処理を実行させる。すなわち、学習制御部260は、反復処理を実行させるための制御指令D28を学習用前処理部230、学習部240及び評価部250に出力する。
また、学習制御部260は、所定の終了条件に基づき、反復処理を終了し、反復処理を終了した時点で、評価値が最も高かった探索処理における選定閾値を最終的な選定閾値として特定する。実施の形態1において、所定の終了条件は、所定回数の探索処理を終了することとする。
また、学習制御部260は、報知装置400に接続されており、ディスプレイ410に学習結果の表示を行わせるための制御指令D29を出力する。
次に、実施の形態1における学習装置200のハードウェア構成について説明する。学習装置200の各機能は、コンピュータにより実現される。図14は、学習装置200を実現するコンピュータのハードウェア構成の例を示す構成図である。
図14に示したハードウェアには、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置20000と、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等の記憶装置20001が備えられる。
図10に示す、学習用取得部210、学習用前処理部230、学習部240、及び評価部250は、記憶装置20001に記憶されたプログラムが処理装置20000で実行されることにより実現され、学習用記憶部220は記憶装置20001により実現される。ここで、上記の構成は、単数の処理装置20000及び記憶装置20001により実現する構成に限らず、複数の処理装置20000及び記憶装置20001により実現する構成であってもよい。
また、学習装置200の各機能を実現する方法は、上記したハードウェアとプログラムの組み合わせに限らず、処理装置にプログラムをインプリメントしたLSI(Large Scale Integrated Circuit)のような、ハードウェア単体で実現するようにしてもよいし、一部の機能を専用のハードウェアで実現し、一部を処理装置とプログラムの組み合わせで実現するようにしてもよい。
以上のように、実施の形態1に係る学習装置200は構成される。
次に、実施の形態1に係る学習装置200の動作について説明する。図15は、実施の形態1に係る学習装置200の動作を示すフローチャートである。学習装置200の動作が、学習済みの学習モデルの生成方法に対応し、学習装置200の動作をコンピュータに実行させるプログラムが学習済みの学習モデル生成プログラムに対応する。
また、学習用取得部210の動作が学習用取得工程に対応し、学習用記憶部220の動作が学習用記憶工程に対応し、学習用前処理部230の動作が学習用前処理工程に対応し、学習部240の動作が学習工程に対応し、評価部250の動作が評価工程に対応し、学習制御部260の動作が学習制御工程に対応する。
まず、ステップS21において、学習用取得部210は、学習用記憶部220から学習用データを取得する。
次に、ステップS22において、学習用前処理部230は、所定の選定閾値に基づいて学習に用いるデータの選定を行う。
次に、ステップS23において、学習部240は、ステップS22で選定された学習用データを用いて学習モデルの学習を行う。
次に、ステップS24において、評価部250は、ステップS23で学習を行った学習モデルの評価を行う。
次に、ステップS25において、学習制御部260は、評価結果とその時のデータ選定に用いたパラメータ、すなわち選定閾値を学習用記憶部220に記憶させる。その後、学習制御部260は、選定閾値を元の選定閾値と異なる値に再設定する。実施の形態1において、再設定の方法は、選定閾値の設定範囲を探索回数で等分割した値を順に設定する。そして、学習制御部260は、再設定した選定閾値でステップS22からステップS23までの探索処理を繰り返し実行させる。
学習制御部260が所定回数探索処理を実行させ反復処理が終了した後、ステップS26において、評価部250は、各探索処理に対応する選定閾値の中で、最も評価値が良かった選定閾値を最終的な選定閾値として特定する。
次に、ステップS27からステップS29において、学習制御部260は、ステップS26で、特定された選定閾値を用いて再度学習用データの選定、学習モデルの学習、学習モデルの評価を行わせる。
次に、ステップS30において、学習制御部260は、ステップS29で算出した学習モデルの評価結果をディスプレイ410に表示させる。
最後にステップS31で、学習部450は、学習用記憶部220に学習済みの学習モデルを記憶させるとともに、故障予兆検知装置100の記憶部20に学習済みの学習モデルを記憶させる。
以上のようにして、実施の形態1に係る学習装置200は、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯のデータを学習モデルの学習に用いるデータとして選定するようにしたので、回帰分析等の学習を適切に行うことができ、高精度に推定を行う学習モデルを生成することができる。
また、実施の形態1に係る学習装置200は、さらに、学習モデルの評価値を算出する評価部と、選定閾値を元の選定閾値と異なる値に再設定し、学習用データ前処理部の選定、学習部の学習、及び評価部の評価からなる一連の処理である探索処理を繰り返し行う反復処理を実行させる学習制御部と、を備え、学習制御部は、所定の終了条件に基づき、反復処理を終了し、反復処理を終了した時点で、評価値が最も高かった探索処理における選定閾値を特定するようにしたので、選定閾値を複数回探索し、最適な選定閾値を特定することにより、より適切に学習モデルの学習を行うことができ、より高精度に推定を行う学習モデルを生成することができる。
以下で実施の形態1に係る故障予兆検知装置100及び学習装置200の変形例について説明する。
故障予兆検知装置100と学習装置200は、別々に記憶部20(学習用記憶部220)、前処理部30(学習用前処理部230)、再学習部70(学習部240)を備える構成としたが、図16に示すように、故障予兆検知装置100と学習装置200が共通の記憶部510、前処理部520、及び学習部530を備え、互いにアクセスする構成としてもよい。この場合、学習用取得部210は、前処理部520から前処理済みの学習用データを取得し、学習部530に出力する。また、故障予兆検知装置100と学習装置200のどちらが、上記の記憶部510、前処理部520、及び学習部530を備える構成であっても良い。
制御部60は、再学習部70に、長期的乖離検知部が長期的環境変化を検知した時刻より後の時間帯の推定用データ及び比較用データを再学習用データとして用いて、自動で再学習を行わせるようにしたが、自動で再学習は行わず、報知装置400に再学習を促す報知を行わせるだけにしてもよい。あるいは、再学習は自動で行い、再学習を行うことを報知装置400から報知させるようにしてもよい。これにより、ユーザーが気付かないうちに学習モデルが更新されることを防ぐことができる。
制御部60は、故障予兆を知らせる報知を報知装置400に行わせるだけでなく、推定値と実測値との比較結果をディスプレイ410に表示させるようにしてもよい。これにより、検知結果をユーザーが目視で確認することができる。
また、検知部50が、乖離度の大きさや時間変化等から故障予兆のレベルを検知できる場合には、制御部60は、そのレベルを報知装置400から報知させるようにしてもよい。これにより、ユーザーは、放置された故障予兆が緊急で対応すべきものか、次の点検まで対応しなくてもよいものか判断することができる。
また、検知部50が学習モデルの出力内容から故障個所を検知できる場合、制御部60は、その故障個所を報知装置400から報知させるようにしてもよい。これにより、ユーザーはどの箇所を修理すればよいか適切に把握することができる。
長期的乖離検知部52において、時系列の乖離度を用いて、前後のデータの差分を積算し、積算した値が閾値を超えた場合に、故障予兆を検知するようにしたが、故障予兆と長期的環境変化を区別する方法は、この方法に限らない。データの傾向として、故障予兆の場合は推定値の予測区間に対して徐々に乖離度が大きくなっていくのに対して、長期的環境変化の場合は予測区間に対する乖離度はある程度分散があるもののおおよそ一定である。したがって、例えば、時系列順に並べた実測値と推定値との乖離度に対して移動平均を取り、データの傾向が単調増加になっているか否かを判定することにより、故障予兆か長期的環境変化かを判定しても良い。
学習制御部260は、所定の探索回数が終了したときに、反復処理を終了するようにしたが、一回の探索処理毎に評価値と所定の評価閾値を比較し、評価値が評価閾値以上であった場合に反復処理を終了するようにしてもよい。このようにすることで、反復処理をより早く終了し、計算時間を短縮することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態1では、故障予兆検知システム1000を空調システム2000に適用した場合の実施の形態について説明したが、実施の形態2では、故障予兆検知システムをFA(Factory Automation)システムに適用した場合、すなわち故障予兆検知対象の機器がFA機器である場合の実施の形態について説明する。実施の形態1と共通する構成及び動作については、適宜説明を省略する。また、実施の形態2では、FAシステムの具体例として、故障予兆検知装置が、インバータ等の電力変換装置に接続され、当該電力変換装置の故障予兆を検知するシステムについて説明する。
図16は、実施の形態2に係るFAシステム3000の構成を示す構成図である。
FAシステム3000は、故障予兆検知装置600、報知装置700、電力変換装置800、モーター810、及び電源820を備える。
故障予兆検知装置600の構成は、実施の形態1に係る故障予兆検知装置100の構成と同様であり、学習モデルの入出力データが示す情報のみが異なる。相違点の詳細については、後述する。
報知装置700の構成も、実施の形態1に係る報知装置400の構成と同様であり、説明は省略する。
電力変換装置800は、電源820から入力される電力を所定の電流、電圧、周波数に変換し、負荷であるモーター810に供給する。電力変換装置800は、半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という)を内蔵したパワー半導体モジュール(以下、半導体モジュールという)と、半導体モジュールが内蔵するスイッチング素子の制御を行う電力変換制御部とを有し、スイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、入力された電力を任意の電流、電圧、周波数に変換しモーター810に供給している。
また、電力変換装置800には、各種センサーが備えられ、センサーによって取得されたセンサーデータは、故障予兆検知装置600に出力される。
電力変換装置800の運転時はスイッチング素子に損失が発生するため、スイッチング素子の温度は上昇し、電力変換装置800が停止するとスイッチング素子の温度は低下する。このスイッチング素子の温度の上昇と下降の繰り返しは、パワーサイクルと呼ばれており、スイッチング素子が配置される半導体チップの劣化(以下、パワーサイクル劣化という)を引き起こし、半導体チップの寿命を短くする。
電力変換装置800は、半導体チップ内の温度変化、すなわちジャンクション温度が分かれば、パワーサイクル劣化を推定することができるが、実際の電力変換装置800において、半導体チップ内のジャンクション温度を直接推定することは困難である。そこで、例えば、従来技術では、電力変換装置800のスイッチング周波数や出力電流から温度変動値を算出し、パワーサイクル劣化の度合を推定することが行われている。
上記を踏まえて、実施の形態2に係る故障予兆検知装置600は、電力変換装置800の出力電流、出力電圧、出力周波数等の出力値の推定値と実測値とを複数時刻で比較し、この複数時刻における比較結果に基づいて、電力変換装置800の故障予兆を行う。
故障予兆検知装置600の構成及び動作の詳細について説明する。
図17は、実施の形態2に係る故障予兆検知装置600及び報知装置700の構成を示す構成図である。故障予兆検知装置600は、取得部610、記憶部620、前処理部630、推定部640、短期的乖離検知部651と長期的乖離検知部652とを有する検知部650、制御部660、及び再学習部670を備え、報知装置700は、ディスプレイ710及びスピーカー720を備える。
各部の基本的な構成及び動作は実施の形態1と同様であり、相違する点のみについて説明する。
取得部610は、電力変換装置800から電力変換装置800の入力値や出力値等を示す各種センサーデータと電力変換制御部の制御指令値を示す制御情報とを取得する。各種センサーデータとしては、出力電流値、出力電圧値、入力電圧値、入力電流値、室内温度、半導体モジュールの表面温度等を取得すればよく、制御情報としては、電圧指令値、電流指令値、出力周波数指令値、スイッチング周波数指令値等を取得すればよく、これらを総称してFAデータと呼ぶ。実施の形態2においては、FAデータのうち各種センサーデータに含まれる電力変換装置800の出力値を比較用データとし、他のFAデータを推定用データとする。例えば、比較用データは電力変換装置800の出力電流値を示し、推定用データはその他のセンサー値や指令値、例えば、出力電圧値、入力電圧値、入力電流値、電圧指令値、電流指令値、出力周波数指令値、スイッチング周波数指令値、室内温度、半導体モジュールの表面温度等の少なくともいずれか一つを示すこととする。
そして、推定部640は推定用データを用いて電力変換装置800の出力値、例えば上述の例では電力変換装置800の出力電流値を推定し、検知部650は推定部640が出力する電力変換装置800の出力値、上述の例では電力変換装置800の出力電流値の推定値と、比較用データが示す実測値を複数時刻で比較し、その比較結果に基づいて故障予兆を検知する。
上記のように、実施の形態1と実施の形態2とでは、推定用データ及び比較用データが示す情報のみが異なるため、故障予兆検知の具体的な説明は省略する。
以上のようにして、実施の形態2に係る故障予兆検知装置600は、電力変換装置800の出力値の推定値と実測値とを複数時刻で比較することで、環境変化と故障予兆とを区別し、電力変換装置800の故障予兆を検知することができるため、故障予兆の検知精度を向上させることができる。
実施の形態1では、故障予兆検知システムを空調システムに適用した場合の実施の形態について説明し、実施の形態2では、FAシステムに適用した場合の実施の形態について説明したが、故障予兆検知システムの適用範囲はこれに限らず、環境変化と故障予兆を区別して、故障予兆を検知することが望まれる他のシステムに対しても適用することができる。
本開示に係る故障予兆検知装置は、例えば、空調システムやFAシステムなど、何かしらの故障予兆が運転データに対して表れるドメイン全般に対して用いられるのに適している。例えば、機器の外部からでは故障予兆の判定が難しい内部の部品等について、センサー値をモニタし、故障予兆を検知し、機器のメンテナンス作業員などに発報する形をとる。その中で、機器の運転する環境が変化した場合などを故障予兆と区別して検知することで誤検知を低減し、作業員の負荷を低減できるうえ、人の主観に頼らない定量的な指標で再学習タイミングも検知することができる。
1000 故障予兆検知システム、100 故障予兆検知装置、200 学習装置、300 空調コントローラー、400 報知装置、410 ディスプレイ、420 スピーカー、10 取得部、20 記憶部、30 前処理部、40 推定部、50 検知部、51 短期的乖離検知部、52 長期的乖離検知部、60 制御部、70 再学習部、210 学習用取得部、220 学習用記憶部、230 学習用前処理部、240 学習部、250 評価部、260 学習制御部、510 記憶部、520 前処理部、530 学習部、600 故障予兆検知装置、610 取得部、620 記憶部、630 前処理部、640 推定部、650 検知部、651 短期的乖離検知部、652 長期的乖離検知部、660 制御部、670 再学習部、700 報知装置、710 ディスプレイ、720 スピーカー、800 電力変換装置、810 モーター、820 電源。

Claims (14)

  1. 故障予兆検知対象の機器の故障予兆検知対象時における推定用データ及び比較用データを取得する取得部と、
    学習モデルを用いて前記推定用データから、前記比較用データの正常運転時における推定値を算出する推定部と、
    前記推定値と前記比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、前記機器の故障予兆を検知する検知部と、
    前記取得部が取得した推定用データ及び比較用データのうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯の前記推定用データ及び前記比較用データを選定し、前記推定部及び前記検知部に出力する前処理部と、を備え、
    前記推定部は、前記前処理部が選定した前記推定用データを用いて前記推定値を算出し、
    前記検知部は、前記推定値と前記前処理部が選定した前記比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、前記機器の故障予兆を検知する
    ことを特徴とする故障予兆検知装置。
  2. 前記検知部は、前記推定値と前記実測値との乖離度を算出し、前記乖離度が時間の経過に伴い増加する場合に、前記機器の故障予兆を検知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障予兆検知装置。
  3. 前記検知部は、前記乖離度が前記複数時刻において所定の閾値を超えた場合に、前記機器の故障予兆又は前記機器周囲の環境変化を検知する
    ことを特徴とする請求項2に記載の故障予兆検知装置。
  4. 前記検知部は、
    前記乖離度が前記閾値を超えた時間が所定の時間未満である場合に、前記機器周囲の短期的環境変化を検知する短期的乖離検知部と、
    前記乖離度が前記閾値を超えた時間が所定の時間以上である場合に、前記機器の故障予兆又は前記機器周囲の長期的環境変化を検知する長期的乖離検知部と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の故障予兆検知装置。
  5. 前記故障予兆検知装置は、前記故障予兆検知装置のユーザーへ故障予兆の報知を行う報知装置に接続され、
    前記故障予兆検知装置は、さらに、
    前記長期的乖離検知部が故障予兆を検知した場合に、前記故障予兆の報知をさせる制御信号を前記報知装置に送信する制御部を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の故障予兆検知装置。
  6. 前記故障予兆検知装置は、さらに、
    前記長期的乖離検知部が前記長期的環境変化を検知した場合に、前記長期的乖離検知部が前記長期的環境変化を検知した時刻より後の時間帯の前記推定用データ及び前記比較用データを学習用データとして用いて、前記学習モデルの再学習を行う再学習部を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の故障予兆検知装置。
  7. 前記機器は空調機であり、
    前記検知部は、前記空調機に備えられたセンサーが取得した前記推定用データと前記比較用データとに基づき、前記空調機の故障予兆を検知する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の故障予兆検知装置。
  8. 前記推定部は、前記学習モデルを用いて前記推定用データから前記空調機の圧縮機周波数の推定値を算出し、
    前記検知部は、前記推定部が算出した圧縮機周波数の推定値と、前記比較用データが示す圧縮機周波数の実測値とに基づき、前記空調機の故障予兆を検知する
    ことを特徴とする請求項に記載の故障予兆検知装置。
  9. 前記機器はFA機器であり、
    前記検知部は、前記FA機器に備えられたセンサーが取得した前記推定用データと前記比較用データとに基づき、前記FA機器の故障予兆を検知する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の故障予兆検知装置。
  10. 機器の正常運転時における学習用データを取得する学習用取得部と、
    前記学習用データのうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯のデータを学習モデルの学習に用いるデータとして選定する学習用前処理部と、
    前記学習用前処理部により選定された前記学習用データを用いて前記学習モデルの学習を行う学習部と、
    前記学習モデルの評価値を算出する評価部と、
    複数の前記選定閾値を取得し、前記学習用前処理部の選定、前記学習部の学習、及び前記評価部の評価からなる一連の処理である探索処理を前記選定閾値毎に繰り返し行う反復処理を実行させる学習制御部と、を備え、
    前記学習制御部は、所定の終了条件に基づき、前記反復処理を終了し、前記反復処理を終了した時点で、前記評価値が最も高かった前記探索処理における前記選定閾値を最終的な前記選定閾値として特定する
    ことを特徴とする学習装置。
  11. 故障予兆検知対象の機器の故障予兆検知対象時における推定用データ及び比較用データを取得する取得工程と、
    学習済みの学習モデルを用いて前記推定用データから、前記比較用データの正常運転時における推定値を推定する推定工程と、
    前記推定値と前記比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、前記機器の故障予兆を検知する検知工程と、
    前記取得工程で取得した推定用データ及び比較用データのうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯の前記推定用データ及び前記比較用データを選定する前処理工程と、を含み、
    前記推定工程では、前記前処理工程で選定した前記推定用データを用いて前記推定値を算出し、
    前記検知工程では、前記推定値と前記前処理工程で選定した前記比較用データが示す実測値との複数時刻における比較結果に基づいて、前記機器の故障予兆を検知する
    ことを特徴とする故障予兆検知方法。
  12. 請求項11に記載の全工程をコンピュータに実行させる故障予兆検知プログラム。
  13. 機器の正常運転時における学習用データを取得する学習用取得工程と、
    前記学習用データのうち、分散値が所定の選定閾値未満の時間帯のデータを学習モデルの学習に用いるデータとして選定する学習用前処理工程と、
    前記学習用前処理工程で選定された前記学習用データを用いて前記学習モデルの学習を行う学習工程と、
    前記学習モデルの評価値を算出する評価工程と、
    複数の前記選定閾値を取得し、前記学習用前処理工程の選定、前記学習工程の学習、及び前記評価工程の評価からなる一連の処理である探索処理を前記選定閾値毎に繰り返し行う反復処理を実行させる学習制御工程と、を含み、
    前記学習制御工程では、所定の終了条件に基づき、前記反復処理を終了し、前記反復処理を終了した時点で、前記評価値が最も高かった前記探索処理における前記選定閾値を最終的な前記選定閾値として特定する
    ことを特徴とする学習済みの学習モデルの生成方法。
  14. 請求項13に記載の全工程をコンピュータに実行させる学習済みの学習モデル生成プログラム。
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