JP7167937B2 - 溶融ガラス搬送装置、ガラス製造装置およびガラス製造方法 - Google Patents

溶融ガラス搬送装置、ガラス製造装置およびガラス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融ガラス搬送装置、ガラス製造装置およびガラス製造方法に関する。
ガラス製造装置は、溶解装置、清澄装置(減圧脱泡装置や高温清澄装置を含む)、成形装置、これらを繋ぐ溶融ガラス搬送装置等を備える。
溶融ガラス搬送装置は、材質として白金または白金合金が多用される。白金または白金合金は、融点が高いことに加えて、溶融ガラスに対する反応性が他の耐熱金属に比べて低い。また、高温での耐酸化性に優れ、高温でも強度をある程度確保することができる。
しかし、ガラスの組成によって、白金または白金合金からなる白金材料に溶融ガラスが接触すると、多くの気泡が発生する問題がある。該気泡は、溶融ガラスに含まれる水分が、白金材料と接触して解離し、または溶融ガラスを介して流れる電流によって誘起される電気分解に基づいて解離し、生成する酸素に起因して形成される。製造されるガラスに気泡が残留すると、ガラスの品質低下に繋がるおそれがある。
かかる気泡の発生を防止する方法として、特許文献1には、貴金属を含有するガラス製造容器の1つ以上を取り囲み、その容器外の水素の分圧を制御する湿度制御外囲器の使用方法が記載されている。
日本国特表2008-539160号公報
しかし、湿度制御外囲器は、それを構築するための投資費用および運転費用の両方が高いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、白金または白金合金からなる白金材料に溶融ガラスが接触して発生する気泡を抑制しながら、ガラス製造費用を抑えることができる溶融ガラス搬送装置、ガラス製造装置およびガラス製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、白金または白金合金からなる少なくとも1つの導管を含む溶融ガラス用導管構造体と、前記導管の周囲に配される第1のセラミックス構造体と、前記第1のセラミックス構造体の周囲に位置する第2のセラミックス構造体と、前記第1のセラミックス構造体と前記第2のセラミックス構造体との間に位置する通気層とを備え、前記通気層は、ガス透過性構造を有することを特徴とする溶融ガラス搬送装置を提供する。
本発明の溶融ガラス搬送装置によれば、白金または白金合金からなる白金材料に溶融ガラスが接触して発生する気泡を抑制しながら、ガラス製造費用を抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶融ガラス搬送装置を示す図である。 図2は、図1に示す溶融ガラス搬送装置のI-I線部分断面図である。 図3(A)および3(B)は、図1に示す第1のセラミックス構造体、第2のセラミックス構造体および第3のセラミックス構造体の拡大断面図であり、第3のセラミックス構造体の変形例を示す図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係るガラス製造装置を示す図である。 図5は、本発明の第二実施形態に係るガラス製造装置を示す図である。 図6は、本発明の第三実施形態に係るガラス製造装置を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。本明細書において、数値範囲を表す「~」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
[溶融ガラス搬送装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る溶融ガラス搬送装置を示す図である。図2は、図1に示す溶融ガラス搬送装置のI-I線部分断面図である。
溶融ガラス搬送装置1は、溶融ガラス用導管構造体40と、第1のセラミックス構造体10と、第2のセラミックス構造体20と、底部煉瓦22と、通気層と、ガス供給システム50とを備える。
通気層は、ガス透過性構造を有する。例えば、金属網目状の構造体である。これにより、第1のセラミックス構造体10に用いられる不定形耐火物を支持しながら、通気層にガスを行き渡らせることができる。
本実施形態では、通気層が第3のセラミックス構造体30である。
溶融ガラス用導管構造体40を構成する導管(主管41および分岐管42,43)の周囲には、第1のセラミックス構造体10が配され、第1のセラミックス構造体10の周囲には、第2のセラミックス構造体20が位置する。第3のセラミックス構造体30は、第1のセラミックス構造体10と第2のセラミックス構造体20との間に位置する。
溶融ガラス用導管構造体40は、鉛直方向に中心軸がある主管41と、主管41と連通し、水平方向に中心軸がある2本の分岐管42,43とを有する。1本の分岐管42は、主管41の下部側方から分岐し、もう1本の分岐管43は、主管41の上部側方から分岐する。主管41および分岐管42,43は、円筒状であり、内部を溶融ガラスGが流れる。溶融ガラスGは、分岐管42から流入し、主管41を上向きに流れ、分岐管43へと流出する。分岐管は、溶融ガラスが、主管41の上部側方から流入し、主管41を下向きに流れ、主管41の下部側方へと流出するように設けられてもよい。
溶融ガラス用導管構造体40を構成する導管(主管41および分岐管42,43)は、白金または白金合金からなる。白金合金は、例えば、白金-金合金、白金-ロジウム合金、白金-イリジウム合金である。また、導管(主管41および分岐管42,43)は、白金または白金合金にAl、ZrO、Yのような金属酸化物粒子を分散させた強化白金が用いられてもよい。
溶融ガラス用導管構造体は、図1に示す実施形態に限られず、水平方向に中心軸がある導管によって構成されてもよい。この場合、溶融ガラス用導管構造体は、後述する図5の第1供給管251、第2供給管252、第3供給管253や、図6の第1搬送管111、第2搬送管112に用いられてよい。なお、該導管は、水平方向に延伸せず傾斜してもよい。
主管41は、下端に底壁を有する。底壁には、溶融ガラスGの一部を外部に排出する排出口が設けられてもよい。また、主管41は、上端に溶融ガラスGからの放熱を防ぐ蓋部材が設けられてもよい。
主管41における溶融ガラスGの高さ(以下、「溶融ガラスレベルGL」という。)は、分岐管43の上端よりも高い。そのため、分岐管43は、内部が溶融ガラスGで満たされている。これにより、分岐管43において、溶融ガラス表層部からホウ酸成分などが蒸発して溶融ガラスが異質化することを防止し、ひいてはガラスにリーム(筋)などの欠陥が発生することを防止できる。
溶融ガラス用導管構造体40を構成する導管(主管41および分岐管42,43)は、内径が50~500mmであることが好ましく、100~450mmであることがより好ましい。また、径方向における厚さが0.1~3mmであることが好ましい。主管41の高さ(軸方向長さ)は、500~3000mmであることが好ましく、800~2700mmであることがより好ましい。また、分岐管42,43の軸方向長さは、50~1500mmであることが好ましく、150~1300mmであることがより好ましい。
溶融ガラス用導管構造体40は、主管41に対して2本の分岐管42,43がその一端側で連通している。分岐管42,43がその他端側において、さらに別の主管と連通するものであってもよい。
主管41は、その中心軸が厳密な意味で鉛直方向であることは必ずしも要求されず、その中心軸が鉛直方向に対してある程度傾斜するものであってもよい。また、分岐管42,43についても同様に、その中心軸が厳密な意味で水平方向であることは必ずしも要求されず、その中心軸が水平方向に対してある程度傾斜するものであってもよい。
主管41または分岐管42は、周方向に360度連続する凸部および凹部が、軸方向に沿って交互に設けられ、蛇腹状の外形をなしてもよい。
主管41は、内部に溶融ガラスGを撹拌するためのスターラーが設けられてもよい。スターラーは、少なくとも溶融ガラスGと接触する部分が白金または白金合金からなる。
第1のセラミックス構造体10は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が1.0×10-13以上であることが好ましく、1.0×10-11以上であることがより好ましい。第1のセラミックス構造体10の通気率が1.0×10-13以上だと、溶融ガラス用導管構造体40にガスを行き渡らせることができ、さらにはガスが第2のセラミックス構造体20を透過するのを抑制できるため、ガス供給量を削減できる。特に、第1のセラミックス構造体10の通気率が1.0×10-11以上だと、第2のセラミックス構造体20に用いられる断熱煉瓦(例えば、後述するSP15、RB180)の通気率よりも高いため、溶融ガラス用導管構造体40に、第3のセラミックス構造体30からのガスを効率良く行き渡らせることができる。
第1のセラミックス構造体10は、平均開気孔率が20~60%であることが好ましく、25~50%であることがより好ましい。ここで、平均開気孔率は、アルキメデス法や水銀ポロシメークによる測定により求めることができる。該平均開気孔率が20%以上だと、第1のセラミックス構造体10の耐熱衝撃性が低下することを防止できる。また、該平均開気孔率が60%以下だと、溶融ガラスGに対する耐食性が低下することを防止できる。
第1のセラミックス構造体10は、特に高温の溶融ガラス、具体的には、1450℃以上の溶融ガラスに対する耐食性に優れている。
溶融ガラス用導管構造体40を構成する導管(主管41および分岐管42,43)と、第1のセラミックス構造体10との間には、実質的に間隙が存在しないことが好ましい。具体的には、間隙が0.5mm未満であることが好ましい。これにより、溶融ガラスGから加わる膨張圧力による導管の変形を抑制できる。
第1のセラミックス構造体10は、導管の径方向における厚さが15~50mmであることが好ましく、20~40mmであることがより好ましい。該厚さが15~50mmだと、溶融ガラス用導管構造体40を構成する導管と、第2のセラミックス構造体20との間隙にスラリー体を充填し、スラリー体を焼結させて第1のセラミックス構造体10を形成する際に、施工性に優れる。
第1のセラミックス構造体10は、溶融ガラス用導管構造体40を構成する導管と、第2のセラミックス構造体20との間隙にアルミナキャスタブルのような不定形のセラミックス材料が充填されたものであることが好ましい。かかる構成によれば、温度変化が生じた際に、導管と第2のセラミックス構造体20とがわずかに相対移動できるため、導管に亀裂が発生することを防止できる。アルミナキャスタブルは、Alを主成分とするキャスタブル耐火物であり、Al含有量は、好ましくは90重量%以上である。アルミナキャスタブルの代わりに、SiOを90質量%以上含有するセラミックス材料や、ZrOを60質量%以上含有するセラミックス材料を用いてもよい。
第2のセラミックス構造体20は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が1.0×10-11以下であることが好ましく、1.0×10-13以下であることがより好ましい。第2のセラミックス構造体20の通気率が1.0×10-11以下だと、ガスが第2のセラミックス構造体20を透過するのを抑制でき、ガス供給量を削減できる。特に、第2のセラミックス構造体20の通気率が1.0×10-13以下だと、第1のセラミックス構造体10の通気率よりも低いため、ガス供給量を効率良く削減できる。
第2のセラミックス構造体20は、アルミナ、マグネシア、ジルコンおよびシリカからなる群から選択される少なくとも1つを主体とする断熱煉瓦が用いられる。具体例としては、シリカ・アルミナ質断熱煉瓦、ジルコニア質断熱煉瓦、マグネシア質断熱煉瓦等が挙げられる。市販品としては、SP-15(日の丸窯業株式会社製)、RB180(日の丸窯業株式会社製)、LBK3000(イソライト工業株式会社製)等が挙げられる。
底部煉瓦22は、主管41の底壁の下側に設けられ、主管41、主管41の周囲に配される第1のセラミックス構造体10および第2のセラミックス構造体20を支持する。底部煉瓦22は、耐食性に優れる煉瓦としてアルミナ、マグネシア、ジルコンおよびシリカからなる群から選択される少なくとも1つを主体とする断熱煉瓦が用いられる。具体例としては、アルミナ・ジルコン質断熱煉瓦等が挙げられる。市販品としては、シリカ・アルミナ質断熱煉瓦、ZM-C(旭硝子セラミックス株式会社製)、RB180(日の丸窯業株式会社製)等が挙げられる。
溶融ガラス搬送装置1は、底部煉瓦22の代わりに、主管41の軸方向において、上から順に第1のセラミックス構造体、第2のセラミックス構造体が設けられてもよい。また、第1のセラミックス構造体と第2のセラミックス構造体との間に第3のセラミックス構造体が設けられてもよい。
第3のセラミックス構造体30は、ガス透過性構造を有する。ここで、第3のセラミックス構造体を透過するガスは、水蒸気,N,H,O,Ar,He,Ne,CO,COまたはこれらの一部を選択した混合ガスである。
第3のセラミックス構造体30は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が1.0×10-12以上であることが好ましく、1.0×10-11以上であることがより好ましく、1.0×10-10以上であることがさらに好ましい。特に、第3のセラミックス構造体30の通気率が1.0×10-10以上だと、後述するガス流路32A,32Bを有しなくても、ガスを第3のセラミックス構造体30に行き渡らせることができる。これにより、白金または白金合金からなる白金材料に溶融ガラスが接触して発生する気泡(以下、「水素透過泡」という。)を抑制することができる。なぜなら、水素透過泡は、白金材料たる導管の内部と外部との水素分圧差が大きくなるほど発生しやすくなるところ、水素透過泡を抑制するには、ガスを第3のセラミックス構造体30に行き渡らせることで導管の外部の水素分圧を高くすることが効果的だからである。ここで、導管の内部の水素分圧は、溶融ガラスに含まれる水分が多くなる(後述するβ-OHが高く)ほど、高くなる。
第3のセラミックス構造体30は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が第1のセラミックス構造体10の通気率および第2のセラミックス構造体20の通気率よりも2倍以上大きいことが好ましく、3倍以上大きいことがより好ましい。第3のセラミックス構造体30の通気率が第1のセラミックス構造体10の通気率および第2のセラミックス構造体20の通気率よりも2倍以上大きいと、ガスが第3のセラミックス構造体30を透過しやすく、ガスを第3のセラミックス構造体30に効率良く行き渡らせることができる。
第3のセラミックス構造体30は、第1のセラミックス構造体10および第2のセラミックス構造体20に接触している。これにより、溶融ガラスGから加わる膨張圧力による導管の変形を抑制できる。第3のセラミックス構造体30は、後述する図3(B)に示すように、第1のセラミックス構造体10および第2のセラミックス構造体20に、一部が非接触であってもよい。
第3のセラミックス構造体は、導管の径方向における厚さが5~20mmであることが好ましい。該厚さが5~20mmだと、ガスの透過速度を調整しやすく、ガスを第3のセラミックス構造体30に効率良く行き渡らせることができる。
ガス供給システム50は、ガスを生成するガス生成装置51と、ガスの流量を調節する調節弁52と、ガスを第3のセラミックス構造体30に供給する4本の供給管54A~54Dと、第3のセラミックス構造体30を通過したガスを排気する2本の排気管56A,56Bとを有する。複数の供給管54A~54Dを有することにより、ガスを第3のセラミックス構造体30に効率良く行き渡らせることができる。
ガス生成装置51は、例えば水蒸気を生成するには、ボイラーが用いられる。
調節弁52は、供給管54A~54Dに1個ずつ設けられ、供給管54A~54Dのガス供給量を独立に制御することができる。
供給管54A~54Dは、第2のセラミックス構造体20を貫通し、第3のセラミックス構造体30に接続される。供給管54A,54Bは、鉛直方向の位置が主管41の軸方向中央部である。供給管54C,54Dは、鉛直方向の位置が主管41の軸方向下部である。供給管54A,54Cは、水平方向の位置が溶融ガラスGの流れ方向上流側である。供給管54B,54Dは、水平方向の位置が溶融ガラスGの流れ方向下流側である。
供給管54A~54Dが第3のセラミックス構造体30に供給するガスは、水素を含有するガス、具体的には、水蒸気またはHであることが好ましい。水蒸気またはHは、水素透過泡を抑制するにあたり、導管の外部の水素分圧を高くしやすいからである。
供給管54A~54Dが第3のセラミックス構造体30に供給するガス圧力は、1Pa~24kPaであることが好ましく、1Pa~1kPaであることがより好ましく、1~50Paであることがさらに好ましい。該ガス圧力が1Pa以上だと、ガスを第3のセラミックス構造体30に充分に行き渡らせることができる。また、該ガス圧力が24kPa以下だと、主管41の外部圧力が高くなり過ぎず、主管41が変形するのを防止できる。
供給管は、鉛直方向の位置が主管41の軸方向上部であってもよい。また、水平方向の位置が図2の紙面上下方向(溶融ガラスGの流れ方向に直交する方向)上側または下側であってもよい。
図2に示す供給管は、ガス生成装置51から第3のセラミックス構造体30に向かう途中で、供給管54A,54Bに分岐している。ガス生成装置51と第3のセラミックス構造体30とに接続される供給管が、途中で分岐せずに、独立に設けられてもよい。
排気管56A,56Bは、供給管54A~54Dと同様に、第2のセラミックス構造体20を貫通し、第3のセラミックス構造体30に接続される。鉛直方向の位置が主管41の軸方向上部である。排気管56Aは、水平方向の位置が溶融ガラスGの流れ方向上流側である。排気管56Bは、水平方向の位置が溶融ガラスGの流れ方向下流側である。
排気管は、鉛直方向の位置が主管41の軸方向中央部または下部であってもよい。また、水平方向の位置が図2の紙面上下方向(溶融ガラスGの流れ方向に直交する方向)上側または下側であってもよい。
排気管56A,56Bは、主管41における溶融ガラスレベルGLよりも低い位置に設けられる。これは、溶融ガラスGLよりも高い位置に排気管が設けられると、主管41の内部圧力が外部圧力よりも小さくなり、主管41が変形するおそれがあるからである。
供給管54A~54Dおよび排気管56A,56Bは、第2のセラミックス構造体20を貫通する部分および第3のセラミックス構造体30に接続される部分において、耐熱性に優れる絶縁管であることが好ましい。溶融ガラス用導管構造体40は通電加熱されるため、絶縁管を用いないと、供給管および排気管に電流が流れるおそれがある。絶縁管は、セラミックスチューブが用いられる。具体例としては、ポーセレン管等が挙げられる。
溶融ガラス搬送装置1は、第3のセラミックス構造体30に水蒸気等のガスを行き渡らせることができるので、溶融ガラスに含まれる水分が多い(後述するβ-OHが高い)条件でガラスを製造しても、水素透過泡を抑制できる。また、従来技術に示すような湿度制御外囲器を構築する必要がないため、投資費用および運転費用の両方を抑えることができる。
図3(A)および(B)は、図1に示す第1のセラミックス構造体、第2のセラミックス構造体および第3のセラミックス構造体の拡大断面図であり、第3のセラミックス構造体の変形例を示す図である。
図3(A)に示す第3のセラミックス構造体30Aは、内部にガス流路32Aを有する。ガス流路32Aは、導管の軸方向に沿って形成される。また、導管の周方向全体に亘って形成されてもよいが、溶融ガラスから加わる膨張圧力による導管の変形を抑制するため、導管の周方向一部に形成されてもよい。
図3(B)に示す第3のセラミックス構造体30Bは、第2のセラミックス構造体20の一部と非接触であり、非接触の領域にガス流路32Bを有する。ガス流路32Bは、導管の周方向に沿って形成される。第3のセラミックス構造体30Bは、第2のセラミックス構造体20と接触しているため、溶融ガラスから加わる膨張圧力による導管の変形を抑制できる。また、第3のセラミックス構造体は、第1のセラミックス構造体10の一部と非接触であり、非接触の領域にガス流路を有してもよい。
第3のセラミックス構造体30A,30Bは、それぞれガス流路32A,32Bを有することにより、ガスを第3のセラミックス構造体30に効率良く行き渡らせることができる。
第3のセラミックス構造体は、導管の周方向に沿って形成されるガス流路と、導管の軸方向に沿って形成されるガス流路とを、それぞれ複数有してもよい。
[ガラス製造装置およびガラス製造方法]
(第一実施形態)
図4は、本発明の第一実施形態に係るガラス製造装置を示す図である。図4を用いて、本発明の第一実施形態に係るガラス製造装置およびガラス製造方法を説明する。なお、図4は、溶融ガラス搬送装置1,1A、上昇管202および下降管203の周囲に配設され、これらを断熱被覆する断熱用レンガなどの断熱材を省略している。
ガラス製造装置500は、溶解装置100、減圧脱泡装置200、成形装置300および溶融ガラス搬送装置1,1Aを備える。溶融ガラス搬送装置1Aは、溶解装置100と減圧脱泡装置200との間に設けられ、溶解装置100と減圧脱泡装置200とを接続する。また、溶融ガラス搬送装置1は、減圧脱泡装置200と成形装置300との間に設けられ、減圧脱泡装置200と成形装置300とを接続する。
溶解装置100は、ガラス原料が供給される溶解槽104と、ガラス原料を溶融するためのバーナ102とを備える。バーナ102は、天然ガスや重油などの燃料をガスと混合して燃焼することで火炎を形成し、火炎をガラス原料に向かって放射することによって、ガラス原料を上方から加熱する。
ここで、ガスとして主に空気を用いるバーナを空気燃焼バーナ、ガスとして主に酸素を用いるバーナを酸素燃焼バーナという。酸素燃焼バーナは、空気燃焼バーナよりも、排気量が少ないので、熱効率が高く、CO排出量やNO排出量が少ない点で優れている。バーナ102は、複数設けられるのが好ましい。全て酸素燃焼バーナが用いられてもよく、酸素燃焼バーナと空気燃焼バーナとを併用してもよい。
減圧脱泡装置200は、減圧脱泡槽201、上昇管202、下降管203および減圧ハウジング204を備える。
円筒形状をした減圧脱泡槽201は、その長軸が水平方向に配向するように減圧ハウジング204内に収納配置されている。減圧脱泡槽201の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管202が、他端の下面には下降管203が取り付けられている。上昇管202および下降管203は、その一部が減圧ハウジング204内に位置している。
上昇管202は、減圧脱泡槽201と連通しており、溶解槽104からの溶融ガラスGを、溶融ガラス搬送装置1Aを介して減圧脱泡槽201に導入する。下降管203は、減圧脱泡槽201に連通しており、減圧脱泡後の溶融ガラスGを、溶融ガラス搬送装置1を介して成形装置300に導出する。減圧ハウジング204内において、減圧脱泡槽201、上昇管202および下降管203の周囲には、これらを断熱被覆する断熱用レンガなどの断熱材が配設されている。
減圧脱泡槽201、上昇管202および下降管203は、溶融ガラスの導管であるため、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れた材料を用いて作製されている。一例を挙げると、白金製、白金合金製、または白金もしくは白金合金に金属酸化物を分散させてなる強化白金製である。また、セラミックス系の非金属無機材料製、すなわち、緻密質耐火物製であってもよい。また、緻密質耐火物に白金または白金合金を内張したものであってもよい。
成形装置300は、溶融ガラスGを成形し、所定形状の成形ガラスを得る。成形ガラスは、徐冷された後、必要に応じて切断されて製品となる。
成形装置300は、製品としてガラス板を得るには、フロート成形装置やフュージョン成形装置が用いられる。フロート成形装置は、浴槽内の溶融錫の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して、帯板状に成形する装置である。フュージョン成形装置は、断面略V字状の樋の内部に溶融ガラスを連続的に供給し、樋から左右両側に溢れ出た溶融ガラスを、樋の下縁で合流させて帯板状に成形する装置である。
成形装置300は、製品としてガラス容器やガラス管を得るには、成形方法としてブロー法、ベロー法、ダウンドロー法またはプレス法に係る成形装置が用いられる。
溶融ガラス搬送装置1は、前述した図1に示す溶融ガラス搬送装置1に対応し、主管41、分岐管42,43およびスターラー44を備える。主管41は、内部に溶融ガラスGを撹拌するためのスターラー44が設けられる。分岐管42は、下降管203に接続され、溶融ガラスGを主管41へと搬送する。分岐管43は、成形装置300に接続され、溶融ガラスGを成形装置300へと搬送する。
溶融ガラス搬送装置1Aは、主管41A、分岐管42A,43Aおよびスターラー44を備える。溶融ガラス搬送装置1Aは、溶融ガラスGが主管41Aの上部側方から流入し、主管41Aを下向きに流れ、主管41Aの下部側方へと流出するように分岐管42A,43Aが設けられる点で、溶融ガラス搬送装置1とは異なるが、その他の装置構成は共通する。なお、溶融ガラス搬送装置1Aは、第3のセラミックス構造体30およびガス供給システム50を備えなくてもよい。
ガラス製造装置は、溶融ガラス搬送装置1Aが第3のセラミックス構造体30およびガス供給システム50を備え、溶融ガラス搬送装置1が第3のセラミックス構造体30およびガス供給システム50を備えない構成であってもよい。
ガラス製造装置は、減圧脱泡装置200の代わりに、高温清澄タイプの清澄装置(以下、「高温清澄装置」という。)が用いられてもよい。高温清澄装置は、泡抜きを効率良く行うために、清澄槽を流れる溶融ガラスの温度をできるだけ高く設定して溶融ガラスの粘性を下げ、泡の成長速度を大きくして泡径を増大させることで、泡の浮上速度を上げ、泡抜きができるように運転する装置である。
本発明の第一実施形態に係るガラス製造方法は、ガラス製造装置500を用い、ガラス原料を溶解装置100にて溶融することで溶融ガラスGを作製し、溶融ガラスGを減圧脱泡装置200にて脱泡処理し、成形装置300によって所定形状の成形ガラスを得る。成形ガラスは、徐冷された後、必要に応じて切断されて製品(例えばガラス板)となる。
(第二実施形態)
図5は、本発明の第二実施形態に係るガラス製造装置を示す図である。図5を用いて、本発明の第二実施形態に係るガラス製造装置およびガラス製造方法を説明する。ここで、溶解装置100、成形装置300および溶融ガラス搬送装置1Aは、第一実施形態の記載と重複する部分について説明を省略する。なお、図5は、清澄装置250、溶融ガラス搬送装置1A、第1供給管251、第2供給管252および第3供給管253の周囲に配設され、これらを断熱被覆する断熱用レンガなどの断熱材を省略している。
ガラス製造装置600は、溶解装置100、清澄装置250、成形装置300、溶融ガラス搬送装置1A、第1供給管251、第2供給管252および第3供給管253を備える。第1供給管251は、溶解装置100と清澄装置250とを接続する。溶融ガラス搬送装置1Aは、清澄装置250と成形装置300との間に設けられる。第2供給管252は、清澄装置250と溶融ガラス搬送装置1Aとを接続する。第3供給管253は、溶融ガラス搬送装置1Aと成形装置300とを接続する。
溶解装置100では、バーナ102によってガラス原料が加熱され、例えば1500℃~1630℃の溶融ガラスGが得られる。溶解槽104の溶融ガラスGは、第1供給管251を流れて、清澄装置250に供給される。
清澄装置250では、溶融ガラスGの温度が調整されて、溶融ガラスG中に含まれるガス成分が除去される。清澄装置250は、高温清澄装置であることが好ましい。この場合、溶融ガラスGは、例えば1500℃~1700℃まで昇温させられる。清澄された溶融ガラスGは、第2供給管252を流れて、溶融ガラス搬送装置1Aに供給される。
溶融ガラス搬送装置1Aでは、スターラー44によって溶融ガラスGが攪拌され、溶融ガラスGの成分が均質化される。主管41A内の溶融ガラスGの温度は、例えば1250℃~1450℃である。主管41A内の溶融ガラスGの粘度は、例えば500ポアズ~1300ポアズである。均質化された溶融ガラスGは、第3供給管253に流入し、第3供給管253の中を流れる過程で、温度が制御されながら冷却され、成形装置300に供給される。
なお、図5では、溶融ガラス搬送装置1Aの分岐管42A,43Aを省略している。第二実施形態では、分岐管42A,43Aは、それぞれ第2供給管252、第3供給管253に接続される。
(第三実施形態)
図6は、本発明の第三実施形態に係るガラス製造装置を示す図である。図6を用いて、本発明の第三実施形態に係るガラス製造装置およびガラス製造方法を説明する。ここで、溶解装置100、成形装置300および溶融ガラス搬送装置1Aは、第一実施形態の記載と重複する部分について説明を省略する。なお、図6は、溶融ガラス搬送装置1A、第1搬送管111および第2搬送管112の周囲に配設され、これらを断熱被覆する断熱用レンガなどの断熱材を省略している。
ガラス製造装置700は、溶解装置100、成形装置300、溶融ガラス搬送装置1A、第1搬送管111および第2搬送管112を備える。溶融ガラス搬送装置1Aは、溶解装置100と成形装置300との間に設けられる。第1搬送管111は、溶解装置100と溶融ガラス搬送装置1Aとを接続する。第2搬送管112は、溶融ガラス搬送装置1Aと成形装置300とを接続する。
溶解装置100では、バーナ102によってガラス原料が加熱され、溶融ガラスGが得られる。溶融ガラスGは、溶解槽104にて清澄処理が施される。ここで、ソーダライムガラスやアルカリホウケイ酸ガラス等のアルカリ含有ガラスは、第一実施形態の減圧脱泡装置200や第二実施形態の清澄装置250を備えなくても、溶解槽104にて清澄処理が可能である。清澄された溶融ガラスGは、第1搬送管111を流れて、溶融ガラス搬送装置1Aに供給される。
溶融ガラス搬送装置1Aでは、スターラー44によって溶融ガラスGが攪拌され、溶融ガラスGの成分が均質化される。均質化された溶融ガラスGは、第2搬送管112に流入し、第2搬送管112の中を流れる過程で、温度が制御されながら冷却され、成形装置300に供給される。
なお、図6では、溶融ガラス搬送装置1Aの分岐管42A,43Aを省略している。第三実施形態では、分岐管42A,43Aは、それぞれ第1搬送管111、第2搬送管112に接続される。
(ガラス)
製品としてのガラス板は、各種ディスプレイ用ガラス基板に用いられる場合、無アルカリガラス基板であることが好ましい。無アルカリガラスとは、NaO、KO等のアルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスをいう。実質的に含有しないとは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1質量%以下であることを指す。
ガラス板は、酸化物基準の質量%表示で、
SiO:54~66%
Al:10~23%
:0~12%
MgO:0~12%
CaO:0~15%
SrO:0~16%
BaO:0~15%
MgO+CaO+SrO+BaO:8~26%
を含有する無アルカリガラスで構成されることが好ましい。
ガラス板は、β-OHが0.15~0.5mm-1であることが好ましく、0.25~0.5mm-1であることがより好ましく、0.35~0.5mm-1であることがさらに好ましい。β-OHは、ガラス中の水分量の指標として用いられる。ガラス板のβ-OHが0.15~0.5mm-1だと、減圧脱泡槽内の溶融ガラスに含まれる気泡が成長しやすくなり、脱泡処理が促進される。また、該β-OHが0.35mm-1以上だと、バーナ燃焼の酸素燃焼比率を高くすることができ、ガラス製造の運転費用を低減できる。
β-OHは、清澄処理後の溶融ガラスを板状に成形したガラス試験片、またはガラス容器等を切断し、研磨機で板状に加工したガラス試験片の透過率を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて測定し、下記式を用いて求めることができる。
・β-OH = (1/X)log10(T/T
・X :ガラス板厚(mm)
・T:参照波数4000cm-1における透過率(%)
・T:水酸基吸収波数3570cm-1付近における最小透過率(%)
β-OHは、ガラス原料中の水分量、溶解槽中の水蒸気濃度、溶解槽におけるバーナ燃焼方法(酸素燃焼、空気燃焼)などに支配される。特に、β-OHは、バーナ燃焼方法を調整することにより、簡便に調整できる。具体的には、β-OHを高くするには、バーナ燃焼の酸素燃焼比率を高くし、β-OHを低くするには、バーナ燃焼の空気燃焼比率を高くする。
ガラス板は、ディスプレイ用のカバーガラスとして用いられる場合、化学強化用ガラスであることが好ましい。化学強化用ガラスを化学強化処理したものがカバーガラスとして用いられる。化学強化処理は、ガラス表面に含まれるアルカリイオンのうちイオン半径の小さいイオン(例えばNaイオン)をイオン半径の大きいイオン(例えばKイオン)に置換することにより、ガラス表面から所定の深さの圧縮応力層を形成する。
ガラス板は、窓ガラスや車両用ガラスとして用いられる場合、ソーダライムガラスであることが好ましい。
製品としてのガラスは、ビーカーなどのガラス製理化学機器やガラスポットなどの耐熱調理器具として用いられる場合、ホウケイ酸ガラスであることが好ましい。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに説明する。なお、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
[実験例1]
図4に示すガラス製造装置500を用いて、ガラス中の水分量を高くしても、白金材料に溶融ガラスが接触して発生する気泡を抑制できるか評価を行った。
無アルカリガラス組成のガラス原料を溶解槽104にて溶融することで溶融ガラスGを作製し、溶融ガラスGを減圧脱泡装置200にて脱泡処理し、フロート法にて溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形し、ガラスリボンを徐冷して切断し、板厚0.50mmのガラス板(実施例1および比較例1)を得た。
実施例1および比較例1のガラス組成は、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:59.8%、Al23:17.2%、B23:7.8%、MgO:3.1%、CaO:4.1%、SrO:7.7%、BaO:0.1%、Cl:0.2%であった。また、実施例1および比較例1のβ-OHは、0.36mm-1であった。
溶融ガラス搬送装置1における第1のセラミックス構造体10、第2のセラミックス構造体20、第3のセラミックス構造体30は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が、それぞれ5.7×10-13、2.2×10-12、9.9×10-12であった。
実施例1は、溶融ガラス搬送装置1において、ガス供給システム50によって第3のセラミックス構造体30に水蒸気を供給した。水蒸気の供給圧力は5Paであった。一方、比較例1は、溶融ガラス搬送装置1が第3のセラミックス構造体30およびガス供給システム50を備えていない。なお、本実施例では、溶融ガラス搬送装置1Aは、第3のセラミックス構造体30およびガス供給システム50を備えていない。
実施例1および比較例1によって得られたガラス板について、暗室の中でガラス板側面から光を照射し、ガラス板主表面を検査するエッジライト検査により、20μm超サイズの泡欠陥の個数を調べ、泡欠陥の密度を算出した。ここで、泡欠陥の密度は、ガラス板主表面における単位面積(m)当たりの泡欠陥の個数を意味する。その結果、実施例1によって得られたガラス板は、20μm超サイズの泡欠陥の密度が、比較例1によって得られたガラス板の1/40であった。
[実験例2]
図6に示すガラス製造装置700を用いて、ガラス中の水分量を高くしても、白金材料に溶融ガラスが接触して発生する気泡を抑制できるか評価を行った。
アルカリホウケイ酸ガラス組成のガラス原料を溶解槽104にて溶融することで溶融ガラスGを作製し、溶融ガラス搬送装置1Aにて溶融ガラスGをスターラー44で均質化し、プレス法によってガラス容器を得た。
実施例2および比較例2のガラス組成は、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:80.6%、Al23:2.3%、B23:13%、Na2O:4%、Cl:0.1%であった。また、実施例2および比較例2のβ-OHは、0.45mm-1であった。
溶融ガラス搬送装置1Aにおける第1のセラミックス構造体10、第2のセラミックス構造体20、第3のセラミックス構造体30は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が、それぞれ5.7×10-13、2.2×10-12、9.9×10-12であった。
実施例2は、溶融ガラス搬送装置1Aにおいて、ガス供給システム50によって第3のセラミックス構造体30に水蒸気を供給した。水蒸気の供給圧力は10Paであった。一方、比較例2は、溶融ガラス搬送装置1Aが第3のセラミックス構造体30およびガス供給システム50を備えていない。
実施例2および比較例2によって得られたガラス容器について、目視検査により、100μm超サイズの泡欠陥の個数を調べ、泡欠陥の密度を算出した。実施例2によって得られたガラス容器は、100μm超サイズの泡欠陥の密度が、比較例2によって得られたガラス容器の1/10であった。
本発明を詳細に、また特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2017年11月21日出願の日本特許出願2017-223823に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
製造されるガラスの用途は、建築用、車両用、液晶ディスプレイ用、有機ELディスプレイ用、カバーガラス用、理化学機器用、調理器具用、またはその他の各種用途が挙げられる。
1,1A 溶融ガラス搬送装置
10 第1のセラミックス構造体
20 第2のセラミックス構造体
22 底部煉瓦
30,30A,30B 第3のセラミックス構造体
32A,32B ガス流路
40 溶融ガラス用導管構造体
41 主管
42,43 分岐管
44 スターラー
50 ガス供給システム
51 ガス生成装置
52 調節弁
54A~54D 供給管
56A,56B 排気管
100 溶解装置
200 減圧脱泡装置
250 清澄装置
300 成形装置
500,600,700 ガラス製造装置
G 溶融ガラス
GL 溶融ガラスレベル

Claims (16)

  1. 白金または白金合金からなる少なくとも1つの導管を含む溶融ガラス用導管構造体と、
    前記導管の周囲に配される第1のセラミックス構造体と、
    前記第1のセラミックス構造体の周囲に位置する第2のセラミックス構造体と、
    前記第1のセラミックス構造体と前記第2のセラミックス構造体との間に位置する通気層とを備え、
    前記通気層は、ガス透過性構造を有し、
    前記通気層は、第3のセラミックス構造体であり、
    前記第3のセラミックス構造体は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が前記第1のセラミックス構造体の通気率および前記第2のセラミックス構造体の通気率よりも2倍以上大きく、
    前記第3のセラミックス構造体は、内部にガス流路を有することを特徴とする溶融ガラス搬送装置。
  2. 白金または白金合金からなる少なくとも1つの導管を含む溶融ガラス用導管構造体と、
    前記導管の周囲に配される第1のセラミックス構造体と、
    前記第1のセラミックス構造体の周囲に位置する第2のセラミックス構造体と、
    前記第1のセラミックス構造体と前記第2のセラミックス構造体との間に位置する通気層とを備え、
    前記通気層は、ガス透過性構造を有し、
    前記通気層は、第3のセラミックス構造体であり、
    前記第3のセラミックス構造体は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が前記第1のセラミックス構造体の通気率および前記第2のセラミックス構造体の通気率よりも2倍以上大きく、
    前記第3のセラミックス構造体は、前記第1のセラミックス構造体または前記第2のセラミックス構造体の一部と非接触であり、該非接触の領域にガス流路を有することを特徴とする溶融ガラス搬送装置。
  3. 白金または白金合金からなる少なくとも1つの導管を含む溶融ガラス用導管構造体と、
    前記導管の周囲に配される第1のセラミックス構造体と、
    前記第1のセラミックス構造体の周囲に位置する第2のセラミックス構造体と、
    前記第1のセラミックス構造体と前記第2のセラミックス構造体との間に位置する通気層とを備え、
    前記通気層は、ガス透過性構造を有する、溶融ガラス搬送装置であって、
    前記溶融ガラス搬送装置は、ガス供給システムを備え、
    前記ガス供給システムは、ガスを生成するガス生成装置と、前記ガスを前記通気層に供給する供給管とを有することを特徴とする溶融ガラス搬送装置。
  4. 前記通気層は、第3のセラミックス構造体であり、
    前記第3のセラミックス構造体は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が前記第1のセラミックス構造体の通気率および前記第2のセラミックス構造体の通気率よりも2倍以上大きい、請求項に記載の溶融ガラス搬送装置。
  5. 前記第3のセラミックス構造体は、JIS R 2115:2008に記載された方法で測定した通気率が1.0×10-12以上である、請求項1、2または4に記載の溶融ガラス搬送装置。
  6. 前記第3のセラミックス構造体は、前記第1のセラミックス構造体および前記第2のセラミックス構造体に接触している、請求項1、2、4または5に記載の溶融ガラス搬送装置。
  7. 前記第3のセラミックス構造体は、内部にガス流路を有する、請求項に記載の溶融ガラス搬送装置。
  8. 前記第3のセラミックス構造体は、内部にガス流路を有する、請求項に記載の溶融ガラス搬送装置。
  9. 前記第3のセラミックス構造体は、前記第1のセラミックス構造体または前記第2のセラミックス構造体の一部と非接触であり、該非接触の領域にガス流路を有する、請求項に記載の溶融ガラス搬送装置。
  10. 前記ガス流路は、前記導管の周方向または軸方向に沿って形成される、請求項1、2、7、8または9に記載の溶融ガラス搬送装置。
  11. 前記溶融ガラス搬送装置は、ガス供給システムを備え、
    前記ガス供給システムは、ガスを生成するガス生成装置と、前記ガスを前記通気層に供給する供給管とを有する、請求項に記載の溶融ガラス搬送装置。
  12. 前記ガス供給システムは、前記通気層を通過した前記ガスを排気する排気管を有する、請求項3、4、8、9または11に記載の溶融ガラス搬送装置。
  13. 前記溶融ガラス用導管構造体は、鉛直方向に中心軸がある主管と、該主管と連通し、水平方向に中心軸がある分岐管とを少なくとも1本ずつ有し、
    前記供給管または前記排気管は、前記主管における溶融ガラスレベルよりも低い位置に設けられる、請求項12に記載の溶融ガラス搬送装置。
  14. 溶解装置、減圧脱泡装置および成形装置を備えるガラス製造装置であって、
    請求項1~13のいずれか一項に記載の溶融ガラス搬送装置を備え、
    前記溶解装置と前記減圧脱泡装置との間、または前記減圧脱泡装置と前記成形装置との間に前記溶融ガラス搬送装置が設けられるガラス製造装置。
  15. 請求項14に記載のガラス製造装置を用いてガラスを製造するガラス製造方法。
  16. 前記ガラス製造装置を用いて得られたガラス板は、β-OHが0.15~0.5mm-1である、請求項15に記載のガラス製造方法。
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