JP7167802B2 - 仕切り部材及び組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、仕切り部材及び組電池に関する。
近年、車両等の電源としての使用が急増している二次電池について、車両等の限られた
空間に搭載する際の自由度を向上させる目的や、一度の充電に対して走行可能な航続距離
を伸ばす等の目的から、二次電池の高エネルギー密度化の検討が進められている。一方、
二次電池の安全性はエネルギー密度とは相反する傾向にあり、高エネルギー密度を有する
二次電池となるほど安全性は低下する傾向にある。例えば、航続距離が数百kmに及ぶよ
うな電気自動車に搭載される二次電池では、過充電や内部短絡等により二次電池が損傷し
た場合の電池表面温度が数百℃を超え、1000℃近くに及ぶ場合もある。
車両等の電源に使用される二次電池は一般に複数の単電池から成る組電池として用いら
れるため、組電池を構成する単電池の一つが損傷して上記のような温度域に到達した場合
、その発熱により隣接する単電池が損傷を受け、連鎖的に組電池全体に損傷が拡がるおそ
れがある。このような単電池間の損傷の連鎖を防ぐため、単電池と単電池の間に仕切り部
材を設け、損傷した単電池を冷却する技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1では、シート状部材の端部を融着させた封止部を有する袋の中に水
等の冷却剤を入れた仕切り部材を単電池と単電池の間に設置するモジュールが開示されて
いる。このモジュールによれば、隣接する単電池からの発熱を効率よく近隣の単電池に移
動させるほか、隣接する単電池が損傷し、電池表面が高温に至った場合には、開封部から
袋中の水が放出され、損傷した電池を冷却することができる。また、特許文献2では、シ
ート状の袋の中に水等の冷却剤を含浸させた多孔質体を入れ、100℃以上の温度で冷却
性液体を放出する放出口を形成する仕切り部材が開示されている。
特許第5352681号公報 特開2013-131428号公報
本発明者等がこれらの従来の技術を詳細に検討した結果、以下のような課題があること
が分かった。即ち、特許文献1では、シート状部材の封止部に低融点のポリエチレン樹脂
層を使用しているため、シート状の袋の中の冷却液体が100℃以下の温度で放出してし
まい、十分な冷却機能を有することができないことがわかった。また、特許文献2では、
100℃以上の温度ではシート状部材内部のポリプロピレン樹脂層が融解した際に内包物
へ該樹脂が含浸してしまうため、冷却液体の放出温度が上手く制御できないことがわかっ
た。以上の問題点を鑑み、本発明の課題は、長期使用時の冷却機能の維持、および、シー
ト状部材内部の冷却液体の放出温度の安定性に優れた仕切り部材及び組電池を提供するこ
とにある。
本発明者等が前記課題を解決するために鋭意検討した結果、液体と、断熱材と、該液体
及び該断熱材を収容する外装体とを含む仕切り部材において、シート状部材のシーラント
樹脂層の剥離強度とシーラント樹脂層の結晶融解特性を適切に設定することにより上記課
題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は以下の通りであ
る。
[1]厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において組電池を構成する単電池間、又は前記組電池を構成する単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、
液体と、
断熱材と、
該液体及び該断熱材を収容する外装体とを含み、
該外装体は、少なくとも前記断熱材と接するシーラント樹脂層を含み、
その外縁を含む領域において該シーラント樹脂層を重ね合わせて接合している封止部を有し、
該封止部の下記式1から導出される剥離強度(S)に対し、測定した剥離強度(S)が小さくなる温度(T)において、
示差走査熱量測定(DSC測定)により求められる、前記温度(T 以下における前記シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)と、前記シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)とが下記式2を満たす仕切り部材。
式1:S=(1/2)×DP
式2:0.30≦ΔH/ΔH≦0.80
D:仕切り部材の拘束厚み(cm)
P:仕切り部材の内圧(kg/cm
[2] 前記ΔHが45~70J/gである[1]に記載の仕切り部材。
[3] 前記ΔHが18~42J/gである、[1]又は[2]に記載の仕切り部材。
[4] 前記Tと示差走査熱量測定(DSC)により求められるシーラント樹脂層の結
晶融解領域のピーク温度(T)との差ΔT(=T-T)が3.0℃~25.0℃以
下である、[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の仕切り部材。
[5] 前記外装体が金属箔で形成される基材層を含む、[1]乃至[4]のいずれか一
つに記載の仕切り部材。
[6] 前記基材層に含まれる金属箔の融点が前記Tよりも50℃以上高いものである
、[5]に記載の仕切り部材。
[7] 前記シーラント樹脂としてポリプロピレン樹脂を含む、[1]乃至[6]のいず
れか一つに記載の仕切り部材。
[8] 前記断熱材が多孔質体を含む材料で形成されている、[1]乃至[7]のいずれ
か一つに記載の仕切り部材。
[9] [1]乃至[8]のいずれか一つに記載の仕切り部材と、複数の単電池とを含む
、組電池。
本発明によれば、長期使用時の冷却機能の維持、及びシート状部材内部の冷却液体の放
出温度の安定性に優れた仕切り部材、及びこの仕切り部材及び組電池が提供される。
図1Aは、シーラント樹脂層のDSC曲線におけるΔHを説明する図である。 図1Bは、シーラント樹脂層のDSC曲線におけるΔHを説明する図である。 図2Aは、本発明の仕切り部材の構成例を示す正面図である。 図2Bは、図1Aに示した仕切り部材をA-A線で切断した場合の端面を示す図である。 図3Aは外装体における層構造の構成例を説明する図である。 図3Bは外装体における層構造の構成例を説明する図である。 図4Aは、組電池を構成する単電池の一例を示す平面図である。 図4Bは、組電池を構成する単電池の一例を示す正面図である。 図4Cは、組電池を構成する単電池の一例を示す側面図である。 図5は、複数の単電池を用いて形成された組電池を、単電池の端子を通る高さ方向の面で切断した場合の端面を示す図である。
以下に本発明を詳細に説明する。以下に記載する説明は、本発明の実施形態の一例(代
表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
<仕切り部材>
厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において組電池を構成する単電池間、又は前記組電池を構成する単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、液体と、断熱材と、該液体及び該断熱材を収容する外装体とを含み、該外装体は、少なくとも前記断熱材と接するシーラント樹脂層を含み、その外縁を含む領域において該シーラント樹脂層を重ね合わせて接合している封止部を有し、該封止部の下記式1から導出される剥離強度(S)に対し、測定した剥離強度(S)が小さくなる温度(T)において、示差走査熱量測定(DSC測定)により求められる、前記温度(T 以下における前記シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)と、前記シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)とが下記式2を満たすものである。
式1:S=(1/2)×DP
式2:0.30≦ΔH/ΔH≦0.80
D:仕切り部材の拘束厚み(cm)
P:仕切り部材の内圧(kg/cm
上記「単電池以外の部材」とは、例えば、底面及び四方の側面を有し、組電池を構成す
る単電池及び仕切り部材を収容する筐体である。また、封止部は、外縁を含む領域(周縁
部)においてシーラント樹脂層を重ね合わせて、熱融着や接着等により接合される部分で
ある。「封止幅(W)」とは、面方向において周縁部と直交する封止部の長さである。な
お、本発明において、外装体における「外縁」とは仕切り部材を厚み方向から見たときの
外縁を意味するものとし、封止部に接しない部分とは区別して用いることとする。
上記式1は2枚の外装体を用いて4辺を封止した袋状の仕切り部材における破裂強さを
表す関係式である。式1から間隔がD(cm)の2枚の金属板の間に袋状の仕切り部材を
置き、内圧P(kg/cm)がかかる場合に封止部が破断する際の破裂強さ、つまり、
仕切り部材が袋状の形態を保つことが可能な最小限の剥離強度S(N/cm)を求める
ことができる。ここでいう内圧Pとは、仕切り部材内部の液体の蒸気圧と同一である。よ
って、間隔Dで拘束された環境下では、温度により飽和蒸気圧が変化するため、その温度
における最小限の剥離強度Sも変化する。
上記式1の導出方法について説明する。通常、袋状容器に内圧が加わると容器は半径r
を持つ円型に近くなる。内圧Pをフィルム幅Lの短冊状フィルムで支えようとすると次の
式3の関係式が成り立つ。式3中のTは幅あたりのフィルム強さを意味する。
式3:P×2r×L=T×2L
式3を変形すると、Pr=Tとなる。通常、袋状容器が破断する時はフィルム幅ではな
く封止部である。したがって、式3のTは封止部が破断する際の強さ、すなわち、最小限
の剥離強度Sとなるため、Pr=Sである。また、2枚の板の間隔Dが固定された状
態で袋状の容器が円型に膨らんだ場合、D=2rである。Pr=SとD=2rの2式か
ら、剥離強度Sと内圧P、そして、間隔Dの関係は式1のようになる。
上述した通り内圧Pは仕切り部材内部の液体の蒸気圧と同一であり、液体の種類と温度
により変動する因子である。また、剥離強度Sは言い換えると内圧Pと間隔Dが既知で
ある場合の理論的な剥離強度であり、一義的に決まる因子である。一方で、仕切り部材の
封止部を構成するシーラント樹脂層の種類、厚み、さらには、環境温度によって実測され
る剥離強度Sは変動する。そのため、仕切り部材が袋状の形態を保持できなくなった時
点、つまり、封止部が破断する場合は、前記式1から導出される理論的な剥離強度S
温度Tで測定した剥離強度Sよりも小さくなった時である。
上記式2は封止部が破断する際のシーラント樹脂層において結晶成分がどの程度残存し
ているかの割合を示している。仕切り部材の封止部が破断する場合、一般的には仕切り部
材の封止部を構成するシーラント樹脂層が凝集破壊することにより進行する。シーラント
樹脂層をはじめとした熱可塑性樹脂は結晶領域と非晶領域が混在しており、破断強度を決
めるのは結晶領域内の分子の凝集力である。破断様式が凝集破壊となる場合は結晶領域を
形成する分子鎖の高次構造が塑性変形して、その構造を維持できなくなる状態である。一
方で、組電池を構成する単電池の一つが損傷した際の発熱による隣接の単電池への損傷を
防ぐため、単電池と単電池の間の仕切り部材内部の液体が効率良く放出され、仕切り部材
が断熱材としての機能を果たす必要がある。そこで鋭意検討した結果、仕切り部材内部の
液体が効率良く放出されるためには、封止部を構成するシーラント樹脂層の結晶性が揃っ
ていることが重要であることが分かった。シーラント樹脂層の結晶性が揃っていないと封
止部が破断する温度域で結晶領域の溶融と再結晶化が同時に起こってしまう、または、封
止部が破断する前に断熱材表層へ樹脂が含浸することで断熱材内部に含まれる液体の放出
経路を妨げてしまうため、液体の放出速度が上手く制御できない。つまり、凝集破壊が起
こる温度までの結晶領域が多ければ多いほど結晶性が揃っており、仕切り部材内部の液体
の放出時間を制御することができる。封止部が破断するまでに結晶が揃っている、つまり
、結晶が多く残存している割合は、シーラント樹脂層の結晶融解熱量ΔHに対する凝集
破壊が起こる温度までの結晶融解熱量ΔHの関係として前記式2のように表すことがで
きる。
図1Aと図1Bは、それぞれシーラント樹脂層のDSC測定により得られる曲線(DS
C曲線)におけるΔHとΔHを説明する図である。一般的なDSC測定において、サ
ンプルを低温側から高温側へ昇温させる際に図1A及び図1Bのように樹脂層の結晶融解
に伴う吸熱ピークが観測される。この吸熱ピークを含む融解領域と図1Bの点線部のベー
スラインとの間の斜線部の領域が結晶融解熱量ΔHである。また、ΔHは図1Aのよ
うに結晶融解熱量ΔHにおいてT以下の斜線部の領域である。
式2を満足することにより、仕切り部材内部の液体が効率良く放出されるが、その観点
で、「ΔH/ΔH」の下限は、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.
35以上であり、更に好ましくは0.40以上である。「ΔH/ΔH」の値の上限は
特に制限されないが結晶の融解原理の性質上、0.80以下である。
前記ΔHの値は、封止部が破断する前に断熱材表層へ樹脂が含浸することで断熱材内
部に含まれる液体の放出経路を妨げることを防ぐ観点から、好ましくは18J/g以上で
あり、より好ましくは20J/g以上であり、一方、封止時の温度が高温になり過ぎてし
まい封止幅の制御が難しくなってしまうことから、好ましくは42以下であり、より好ま
しくは40以下である。また、ΔHの値は、シーラント樹脂層が十分に結晶化している
と好ましいため、好ましくは45J/g以上であり、より好ましくは50J/g以上であり
、一方、一般的な結晶化条件にける熱可塑性樹脂の結晶化度の観点から上限は特に制限さ
れないが通常は70J/g以下である。
前記Tの値とシーラント樹脂層の結晶融解領域のピーク温度(T)との差ΔT(=
-T)の値は、仕切り部材のシーラント樹脂封止部の剥離強度が低下してしまうこ
とを防ぐために、好ましくは3.0℃以上であり、より好ましくは5.0℃以上であり、
一方、封止部が破断する前に断熱材表層へ樹脂が含浸することで断熱材内部に含まれる液
体の放出経路を妨げることを防ぐ観点から、好ましくは25.0以下、より好ましくは2
3.0℃以下である。
図2Aは、本発明の仕切り部材の構成例を示す正面図である。図2Bは、図2Aに示し
た仕切り部材をA-A線で切断した場合の端面を示す図である。仕切り部材1の外形形状
は、一例として、厚みを有する平板状、或いはシート状に形成される。
図2A及び図2Bに示す例では、仕切り部材1は、高さ、幅、厚みを有する平板状に形
成され、厚み方向Tと面方向Pとを有する。面方向Pは厚み方向Tに直交する方向である
。厚み方向Tと直交する限りにおいて、面方向Pは仕切り部材1の高さ方向P2、幅方向
P1、及び斜め方向を含む。
仕切り部材1は、その厚み方向Tにおいて、組電池を構成する単電池間、又は組電池を
構成する単電池と単電池以外の部材とを仕切るために使用される。
〔断熱材〕
本発明の仕切り部材は断熱材130を含む。この断熱材130は外装体110の内部に
収容されるものである。また、断熱材130は外装体110に収容する液体を保持するこ
とができることが好ましい。図2Aに示す例では、断熱材130は、平板状又はシート状
に形成される。断熱材130は、平板状又はシート状の外装体110に収容され、外装体
110の外縁を含む周縁部110aにおいて密封されている。外縁を含む周縁部110a
は、「外縁を含む領域」である。外装体110の内部と断熱材130の間の隙間110b
には液体又は液体が気化した気体等の流体が存在してもよい。隙間110bに流体が存在
しない場合は、外装体110を形成するシート状部材の内面同士が接触した状態となって
いてもよい。
断熱材130は、例えば、多孔質体を含む材料で形成される。多孔質体は、繊維質及び
粒子の少なくとも一方を含むことが好ましい。繊維質を含む多孔質体は、例えば、紙、コ
ットンシート、ポリイミド繊維、アラミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE
)繊維、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維及び生体溶解性無機繊維からなる群
から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。また、粒子を含む多孔質体は、例え
ば、シリカ粒子、アルミナ粒子、ケイ酸カルシウム、粘土鉱物、バーミキュライト、マイ
カ、セメント、パーライト、フュームドシリカ及びエアロゲルからなる群から選ばれる少
なくとも1つであることが好ましい。ケイ酸カルシウムの種類の中では、ゾノトライト、
トバモライト、ワラストナイト、ジャイロライトが好ましく、特に好ましいのはジャイロ
ライトである。粘土鉱物は主としてケイ酸マグネシウム、モンモリナイト、カオリナイト
である。
〔液体〕
仕切り部材1は、外装体の内部に液体を収容する。この液体は、外装体の内部に収容さ
れる断熱材130によって保持されてもよい。液体は、熱伝導性を有し、単電池からの発
熱を、効率よく近隣の単電池に移動させることができるものであればよい。仕切り部材1
は、熱伝導性を有する液体を収容することで、複数の単電池を含む組電池の使用時におい
て、単電池からの発熱を近隣の単電池に移動させ、組電池内の熱を適切に分散させること
ができる。また、液体としては常温における沸点が80℃以上250℃以下の液体が好ま
しく、常圧における沸点が100℃以上150℃以下の液体が更に好ましい。
液体は、水の他、例えば、水、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、炭
化水素類、フッ素系化合物及びシリコーン系オイルからなる群から選ばれる少なくとも1
つを含むことが好ましい。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることも
できる。
液体に用いることのできるアルコール類としては、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等の3~8個の炭素原子を
含むアルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコー
ル等の二価以上のアルコール等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物
として用いることもできる。
液体に用いることのできるエステル類としては、アルキル脂肪族カルボン酸エステル、
アルキル炭酸ジエステル、アルキルシュウ酸ジエステル及びエチレングリコールの脂肪酸
エステルなどが挙げられる。アルキル脂肪族カルボン酸エステルとしては、ギ酸メチル、
ギ酸n-ブチル、ギ酸イソブチルなどの低級アルキルギ酸エステル;酢酸n-プロピル、
酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチルなどの低級アルキル酢酸エステル及
びプロピオン酸エチル、プロピオン酸n-プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピ
オン酸n-ブチル、プロピオン酸イソブチルなどの低級アルキルプロピオン酸エステルな
どの低級アルキル脂肪族カルボン酸エステルなどが挙げられる。アルキル炭酸ジエステル
としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジブチル、炭酸メチルエチルなどの低級ア
ルキル炭酸ジエステルなどが挙げられる。アルキルシュウ酸ジエステルとしては、シュウ
酸ジメチル、シュウ酸ジエチルなどの低級アルキルシュウ酸ジエステルなどが挙げられる
。エチレングリコール酢酸エステルとしては、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが挙げられ
る。エチレングリコールの脂肪酸エステルとしては、エチレングリコール酢酸エステル等
が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるエーテル類としては、n-ブチルエーテル、n-プロピルエ
ーテル、イソアミルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物
として用いることもできる。
液体に用いることのできるケトン類としては、エチルメチルケトン、ジエチルケトン等
が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできる炭化水素類としては、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として
用いることもできる。
液体に用いることのできるフッ素系化合物としては、冷媒の1,1,2,2,3,3,
4-ヘプタフルオロシクロペンタン(HFC-c447ef)、1,1,1,2,2,3
,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロオクタン(HFC-76-13sf)
等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるシリコーン系オイルとしては、メチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、環状メチルシロキサン、及びシリコーンポリエーテルコポリ
マー等の変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合
物として用いることもできる。
また、液体は、不凍剤、防腐剤、pH調整剤を含んでいてもよい。これらは1種のみで
も、2種以上の混合物として用いることもできる。液体は、不凍性を付与する物質(不凍
剤)、防腐剤、pH調整剤などの添加物を含んでもよい。水に含めるものはこれに限られ
ず、必要に応じて追加することができる。
〔外装体〕
外装体110を形成するシート状部材としては、例えば、シーラント樹脂層を具備した
樹脂シート、樹脂フィルム、バリアフィルムなどを適用できる。外装体110は、例えば
、二枚、又は二つ折りにしたシート状およびフィルム状部材のシーラント樹脂層を重ね合
わせ、周縁部110aの三辺を接合し、液体を注入後、接合されていない部位を接合して
密閉することで、液体を収容することができる。
本発明の仕切り部材において、外装体110はその内部に液体を収容する。例えば、二
枚、又は二つ折りのシーラント樹脂層を具備した樹脂シート、樹脂フィルム、またはバリ
アフィルムで断熱材110を挟み込み、二枚のシーラント樹脂層が接する外装体110の
周縁部110aを熱融着や接着することで接合して封止部を形成し、液体を封入する。液
体は、例えば、後述する断熱材130を形成する多孔質体が有する空洞にて保持されてい
てもよい。断熱材130は、液体を断熱材130に注入したり、断熱材130を液体に浸
漬したりすることで、液体を含浸させて保持することができる。
また、外装体110は、可撓性を有し、単電池の膨張又は収縮等の外圧に応じて変形可
能であることが好ましいが、可撓性を有しない場合もあり得る。
外装体110としては、例えば、樹脂や金属製の基材を使用することができる。基材と
樹脂をそれぞれ接着層で積層したラミネートしたものが、可撓性、耐熱性及び強度の観点
から好ましい。基材と樹脂のラミネート体としては、保護樹脂層、金属層、シーラント樹
脂層を含む3層以上のラミネート体が好ましく、外装体の引張強度の向上、及び金属層の
ピンホール耐性の観点で、保護樹脂層、金属層、補強層、シーラント樹脂層を含む3層以
上のラミネート体がさらに好ましい。
金属層として、金属箔で形成される基材層を含むことが好ましく、特に金属箔の融点が
前記T℃よりも50℃以上高いものであることが好ましい。金属箔で形成される基材層
を含むことがよい、または、金属箔の融点がT℃よりも50℃以上高いことにより、シ
ーラント樹脂層が融解する温度においてシワや反りの発生等を軽減できる。金属箔として
は、例えば、アルミニウム箔、銅箔、錫箔、ニッケル箔、ステンレス箔、鉛箔、錫鉛合金
箔、青銅箔、イリジウム箔、燐青銅箔等が挙げられる。特に、加工性および材料の入手性
の面からアルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔が好ましく、密度が低くハンドリングが容易
な観点からアルミニウム箔がさらに好ましい。
金属層の厚みは特段の制限は無いが、透湿度の確保、および、ピンホール発生の抑制の
観点から、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがさらに好ましく、
12μ以上であることがより好ましい、また、フレキシブル性担保の観点から、50μm
以下であることが好ましく、35μm以下であることがより好ましく、20μm以下であ
ることがさらに好ましい。
補強層としては、特段の制限なく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重
合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフ
ィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロ
ン等のポリアミド系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、
ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサル
ホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニル
ブチラール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、生分解性樹脂等
が挙げられる。なかでも、外装体としての耐熱性や機械的強度を付与できる観点から、ナ
イロン6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が
好ましく、金属層の耐ピンホール性を向上させる観点から、ナイロン6等のポリアミド系
樹脂がさらに好ましい。補強層は1層のみでも、2層以上を積層してもよい。また、2層
以上の場合は異なる樹脂層から選んでもよいし、同じ樹脂層から選んでもよい。
保護樹脂層の厚みは特段の制限は無いが、機械的強度を付与できる観点から、5μm以
上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μ以上であるこ
とがさらに好ましい。フレキシブル性を担保するためには、100μm以下であることが
好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好
ましい。
保護樹脂層としては、特段の制限なく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等の単
独重合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオ
レフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(
PEN)等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナ
イロン等のポリアミド系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH
)、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテル
サルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビ
ニルブチラール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、生分解性樹
脂等が挙げられる。なかでも、外装体としての耐熱性や機械的強度を付与できる観点から
、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂が好ましい。保護樹脂層は1層のみでも、2層以上を積層してもよい。また、2層以上
の場合は異なる樹脂層から選んでもよいし、同じ樹脂層から選んでもよい。
保護樹脂層の厚みは特段の制限は無いが、機械的強度を付与できる観点から、5μm以
上であることが好ましく、10μm以上であることがさらに好ましく、15μ以上である
ことがより好ましい。フレキシブル性を担保するためには、100μm以下であることが
好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好
ましい。
シーラント樹脂層として、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の少なくとも一方を用いるこ
とができるが、特に熱可塑性樹脂が好ましい。シーラント樹脂としては例えば、エチレン
、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂;環状ポリ
オレフィン等の非晶質ポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂ポリビニルブチラール系樹
脂、アクリル樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。なかでも異常発熱時に外装体内部の液
体を外部に放出する機能を得るための低温での溶融特性の観点から、高圧法低密度ポリエ
チレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPDE)、ポリプロピレン樹脂等
のポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1つが好ましい。さらに、組電池の仕切
り部材として通常使用される温度範囲内での長期保存性の観点、及び汎用性の観点から、
ポリプロピレン樹脂がより好ましく、無延伸ポリプロピレン樹脂が特に好ましい。
シーラント樹脂層の厚みは特段の制限は無いが、シール性を確保する観点から、10μ
m以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μ以上とす
ることがさらに好ましい。また、フレキシブル性を担保するためには、120μm以下で
あることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、80μm以下であるこ
とがさらに好ましい。
外装体110の厚みは特に限定されないが、上記の各層の厚みを勘案し、機械的強度の
観点から、30μm以上であることが好ましく、45μm以上であることがより好ましく
、65μ以上とすることがさらに好ましい。また、フレキシブル性を担保するためには、
280μm以下であることが好ましく、210μm以下であることがより好ましく、15
0μm以下であることがさらに好ましい。
図3A及び図3Bは、外装体における層構造の構成例を説明する図である。図3Aは、
図2Aに示した仕切り部材をB-B線で切断した場合の端面を示す。シート状部材110
A及びシート状部材110Bは、シーラント樹脂層121、基材層122、保護樹脂層1
23が積層されて形成される。シーラント樹脂層121は、シート状部材110Aとシー
ト状部材110Bとを熱融着等により接合するための層であり、LDPE、LLDPE、
ポリプロピレン等、上述の樹脂が用いられる。基材層122は、樹脂層よりも透湿度が小
さく、上述の金属層として例示したアルミニウム箔等の金属が用いられる。保護樹脂層1
23は、仕切り部材を保護し、耐熱性及び強度を向上させるための層であり、上述の保護
樹脂層として例示したナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル系樹脂が用いられる。また、図3Bは、図3Aに対してシーラント樹脂層
121と基材層122との間に補強層124が設けられたものである。この補強層124
としては例えば、無延伸ナイロンフィルム等が用いられる。
シート状部材110Aのシーラント樹脂層121とシート状部材110Bのシーラント
樹脂層121とが相互に接するように重ねられ、周縁部110aにおいて接合される。周
縁部110aが接合された封止部において、シート状部材110Aの基材層122とシー
ト状部材110Bの基材層122とは、樹脂層121を挟んで対面している。図3Aの例
では、外装体110は断熱材130を収容する。このとき、外装体110の内部において
、断熱材130との間に形成される隙間110bに液体が存在していても、断熱材130
に液体が実質的に全量保持されており、隙間110bには液体が存在しない状態であって
もよい。
<組電池>
前述の本発明の仕切り部材を用いて組電池とすることができる。即ち、本発明の組電池
は、本発明の仕切り部材と、複数の単電池とを含むものである。
本発明の組電池は、例えば、電気自動車(EV、Electric Vehicle)
、ハイブリッド電気自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle
)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV、Plug-in Hybrid E
lectric Vehicle)、電動重機、電動バイク、電動アシスト自転車、船舶
、航空機、電車、無停電電源装置(UPS、Uninterruptible Powe
r Supply)、家庭用蓄電システム、風力/太陽光/潮力/地熱等の再生可能エネ
ルギーを利用した電力系統安定化用蓄電池システム等に搭載される電池パックに適用され
る。但し、組電池は、上述のEV等以外の機器に電力を供給する電力源としても使用し得
る。
図4Aは組電池を構成する単電池の一例を示す平面図であり、図4Bは単電池の一例を
示す正面図であり、図4Cは、単電池の一例を示す側面図である。
単電池200は、縦(厚み)、横(幅)、高さを有する直方体状を有し、その上面に端
子210、端子220が設けられている。単電池200は、例えば、リチウムイオンを吸
蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン二次電池である。リ
チウムイオン二次電池以外に、リチウムイオン全固体電池、ニッケル水素電池、ニッケル
カドミウム電池、鉛蓄電池等の二次電池を適用し得る。
図5は、複数の単電池を用いて形成された組電池を、単電池の端子を通る高さ方向P2
の面で切断した場合の端面を示す図である。組電池100は、底面及び四方の側面を有す
る筐体300に、複数の単電池200を収容している。各単電池200間には上述した仕
切り部材1が配置され、隣接する単電池200間は、仕切り部材1の厚み方向Tにおいて
仕切られている。隣り合う単電池200の正極端子(例えば端子210)と負極端子(例
えば端子220)とがバスバー(図示なし)によって電気的に直列に接続されることによ
り、組電池100は、所定の電力を出力する。図5に示されるように、組電池100は、
筐体300の底面と各単電池200との間に、仕切り部材1と同様の構成を有する仕切り
部材1Aを配置するものであってもよい。
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に
よって限定されるものではない。
(実施例1)
外装体として、縦100mm、横160mmの長方形に裁断されたアルミラミネートフ
ィルム(保護樹脂層として厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(外側)、金属層として厚み12μmのアルミ層、補強層として厚み15μの無延伸ナイ
ロンフィルム、シーラント樹脂層として厚み60μmのハイレトルトタイプの無延伸ポリ
プロピレンフィルム(CPP、東洋紡社製P1146)(内側)、各層の層間に厚み5μ
mのポリウレタン系接着剤層を含む総厚112μm)を2枚重ね合わせ、三辺を封止幅1
cmで加熱融着(温度165℃、3秒)した。外装体の未融着部位より、断熱材として、
縦6cm、横12cmの長方形に裁断した多孔質シート(バーミキュライトシート;厚さ
0.9mm)を収納し、さらに液体として水を5g注入した後、未融着部位を封止幅10
mmで加熱融着させることにより封止し、余分な外周を裁断することで縦90mm、横1
50mm、厚み1.1mmの仕切り部材(1)を作製した。この仕切り部材1における外
装体の周縁部で接合された周縁部の封止幅は5mmである。なお、外装体の縦は高さ方向
P2の長さであり、横は幅方向P1の長さである。
[熱抵抗の測定]
ヒーターの上に、マイカシート(縦150mm、横100mm、厚み0.5mm)、真鍮
板1(縦150mm、横100mm、厚み5mm)、仕切り部材、真鍮板2(縦150m
m、横100mm、厚み5mm)、断熱板(ガラス繊維製、縦150mm、横100mm
、厚み10mm)の順番で積層し、上側から油圧プレス機を用いて、荷重を1tになるよ
うに調整した。
ヒーターを室温から200℃まで5℃/分の速度で昇温し、真鍮板1、2の温度変化を測
定した。測定データを用いて下記式4から、仕切り部材の熱抵抗R2[mK/W]を求
めた。融着部が開口し、水蒸気が放出される際の真鍮板1の温度を開口温度として記録し
、開口前後の仕切り部材の熱抵抗の値をそれぞれ求めた。開口前後における熱抵抗値が安
定化した領域での熱抵抗比(式5)が1.5以上となる場合に、各領域間に要する時間、
つまり、熱抵抗が切り替わるために要する時間をスイッチング時間と定義する。
式4: R2=(t1-t2)/((th-t1)/R1-C/S×Δt1)
式5: [熱抵抗比]=[開口後の熱抵抗]/[開口前の熱抵抗]
R1:マイカシートの熱抵抗0.0032[mK/W]
th:ヒーター温度[K]
t1:真鍮版1温度[K]
Δt1:真鍮版1温度変化[K/s]
t2:真鍮版2温度[K]
C:真鍮版1、2の熱容量[J/K]
S:真鍮版1、2の面積[m
得られたスイッチング時間が短ければ短いほど冷却液体の放出温度が制御できる、つま
り、スッチング特性が良好であると言えるため、下記のようにスイッチング時間に応じて
判定を行った。
○:スイッチング時間が3秒未満
△:スイッチング時間が3秒以上4秒未満
×:スイッチング時間が4秒以上
[シーラント樹脂層の剥離強度の測定]
JIS Z 0238、ヒートシール強さ試験を参照し、シーラント樹脂層の剥離強度
を評価した。まず、100mm×10mmに切り出したアルミラミネートフィルムのシー
ラント樹脂層同士を重ね合わせ、一端を封止幅10mmで加熱融着(温度165℃、3秒
)させてT字型のサンプルを作成した。次に、島津製作所製の恒温槽付き引張試験機、A
G1000を用いてチャック間距離が50mmとなるようにT字型サンプルのそれぞれ未
封止の一端をチャックで固定した。サンプル自体の温度を測定することを可能とするため
、T字型サンプルのチャック間の一部にカプトンテープで熱電対を貼付けた。次に、恒温
槽の扉を閉めて、サンプルのチャック間の温度が所望の温度に到達した時点で、試験速度
100mm/分の条件によりヒートシール部が破断するまで引張荷重を加え、その間の最
大荷重(N/10mm)を求めて剥離強度とした。
この方法で得られる剥離強度が式1から導出される剥離強度(S)よりも小さくなる
温度をTと定義した。前記式1に基づくTを判定するための剥離強度の温度測定の間
隔は2℃間隔とする。
[シーラント樹脂層の結晶融解熱量の測定]
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計、型番「Diamond DSC」を用い、J
IS K 7121に記載の方法に準じて、アルミラミネートフィルムのシーラント樹脂
層から樹脂を5mg削り取り、アルミニウム製のパンに詰めて測定用試料を作成した。作
成した試料を加熱速度10℃/分で-20℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間
保持した後、冷却速度10℃/分で-20℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で2
00℃まで昇温した時に測定されたDSC曲線から結晶融解熱量ΔH(J/g)を算出し
た。
[シーラント樹脂層のΔH/ΔHの算出方法]
得られたDSC曲線を富士ゼロックス社製のV-Paper紙(V116、297×4
20mm)に印刷し、これを松本洋紙店社製の1mm厚のチップボール(片面白、297
×420mm)に貼り付け、ベースラインと融解温度領域に沿って切り出した。切り出し
たチップボールを島津製作所製精密分析天秤AUW220D(最小表示:0.1mg)に
より測定し、シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)部分の重量を得た。この際、シ
ーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)部分の重量が0.5gに満たない場合は、印刷
倍率を上げて印刷をやり直すこととした。次に、図1Aに基づき、上記のベースラインと
融解温度領域から切り出したチップボールをT間で切り離した。切り離した後、T
下に該当するチップボールの重量を同様にして測定し、シーラント樹脂のT以下におけ
る結晶融解熱量(ΔH)を得た。これらの重量の比からシーラント樹脂層のΔH/Δ
を求めた。
表1に示されるように、実施例1の仕切り部材1は、Tが165.2℃、Tが15
8℃であり、式2におけるΔH/ΔHの値が0.59となり、式2の条件を満たす。
(実施例2)
周縁部の封止幅を2mmとした以外は、実施例1と同様の操作により、仕切り部材(2
)を作製した。表1に示されるように、実施例2の仕切り部材2は、Tが165.2℃
、Tが158℃であり、式2におけるΔH/ΔHの値が0.59となり、式2の条
件を満たす。
(実施例3)
シーラント樹脂層として厚み60μmのセミレトルトタイプの無延伸ポリプロピレンフ
ィルム(CPP、東洋紡社製P1153)(内側)としたこと以外は、実施例1と同様の
操作により、仕切り部材(3)を作製した。表1に示されるように、実施例3の仕切り部
材3は、Tが166.4℃、Tが146℃であり、式2におけるΔH/ΔHの値
が0.42となり、式2の条件を満たす。
(比較例1)
シーラント樹脂層として厚み60μmの汎用グレードの無延伸ポリプロピレンフィルム
(CPP、東洋紡社製P1128)(内側)とした以外は、実施例1と同様の操作により
、仕切り部材(4)を作製した。表1に示されるように、実施例4の仕切り部材4は、T
が163.7℃、Tが132℃であり、式2におけるΔH/ΔHの値が0.25
となり、式2の条件を満たしていない。
(比較例2)
シーラント樹脂層として厚み40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE
、三井化学東セロ製T.U.X-HC)(内側)、総厚92μm、三辺を封止幅1cmで
加熱融着(温度120℃、3秒)した、DSC測定条件を10℃/分で-20℃から15
0℃まで昇温し、150℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で-20℃まで降温
し、再度、加熱速度10℃/分で150℃まで昇温したこと以外は、実施例1と同様の操
作により、仕切り部材(5)を作製した。表1に示されるように、実施例5の仕切り部材
5は、Tが123.2℃、Tが98℃であり、式2におけるΔH/ΔHの値が0
.11となり、式2の条件を満たしていない。
Figure 0007167802000001
表1より、上記各実施例に係る仕切り部材は、ΔH/ΔHが前記式2の関係を満た
す。前記式2の関係を満たすことにより、封止部の破断条件を上手く制御できるため、熱
抵抗が切り替わるために要する時間が短くなる、つまり、スイッチング特性が良好である
ことが分かった。一方で上記各比較例に係る仕切り部材のようにΔH/ΔHが下限値
よりも下回る場合、より低温で封止部のシーラント樹脂が溶融してしまうため、封止部が
破断する温度域で結晶領域の溶融と再結晶化が同時に起こってしまう、または、封止部が
破断する前に断熱材表層へ樹脂が含浸することで断熱材内部に含まれる液体の放出経路を
妨げてしまい、スイッチング特性が悪くなってしまうことが分かった。
1 仕切り部材
100 組電池
110 外装体
110A、110B シート状部材
110a 周縁部、封止部
110b 隙間
121 シーラント樹脂層
122 基材層、金属層
123 保護樹脂層
124 補強層
130 断熱材
200 単電池
300 筐体

Claims (9)

  1. 厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において組電池を構成する単電池間、又は前記組電池を構成する単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、
    液体と、
    断熱材と、
    該液体及び該断熱材を収容する外装体とを含み、
    該外装体は、少なくとも前記断熱材と接するシーラント樹脂層を含み、
    その外縁を含む領域において該シーラント樹脂層を重ね合わせて接合している封止部を有し、
    該封止部の下記式1から導出される剥離強度(S)に対し、測定した剥離強度(S)が小さくなる温度(T)において、
    示差走査熱量測定(DSC測定)により求められる、前記温度(T 以下における前記シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)と、前記シーラント樹脂層の結晶融解熱量(ΔH)とが下記式2を満たす仕切り部材。
    式1:S=(1/2)DP
    式2:0.30≦ΔH/ΔH≦0.80
    D:仕切り部材の拘束厚み(cm)
    P:仕切り部材の内圧(kg/cm
  2. 前記ΔHが45~70J/gである、請求項1に記載の仕切り部材。
  3. 前記ΔHが18~42J/gである、請求項1又は2に記載の仕切り部材。
  4. 前記Tと示差走査熱量測定(DSC)により求められるシーラント樹脂層の結晶融解
    領域のピーク温度(T)との差ΔT(=T-T)が3.0℃~25.0℃以下であ
    る、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の仕切り部材。
  5. 前記外装体が金属箔で形成される基材層を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載
    の仕切り部材。
  6. 前記基材層に含まれる金属箔の融点が前記Tよりも50℃以上高いものである、請求
    項5に記載の仕切り部材。
  7. 前記シーラント樹脂としてポリプロピレン樹脂を含む、請求項1乃至6のいずれか一項
    に記載の仕切り部材。
  8. 前記断熱材が多孔質体を含む材料で形成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に
    記載の仕切り部材。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の仕切り部材と、複数の単電池とを含む、組電池
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