JP7166903B2 - 画像処理装置、その制御方法、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像の階調処理に関するものである。
デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの画像処理装置では、ダイナミックレンジの広いシーンを撮影して得られた入力画像に対して、出力機器のダイナミックレンジに合わせた階調変換を行い、出力画像を生成する。ここで、入力画像と出力機器のダイナミックレンジの差を考慮して、一律の圧縮率で階調変換を行うと、主要被写体の分布域である暗部の階調が潰れてしまう。一方で、暗部階調を維持するような階調変換を行うと、明部の階調が潰れてしまい、入力画像の印象と大きく異なる画像になってしまう。そこで、従来から、暗部と明部の階調再現を優先し、中間の輝度域を強く圧縮することで、階撮影シーンの特徴をなるべく再現できるような、階調変換が行われている。
例えば、特許文献1では、入力画像の特徴を解析して、シーンを判別し、シーン判別結果に基づいて、入力画像に対する階調処理条件を設定する画像処理装置が提案されている。
特開2007-293528号公報
ここで、暗部と明部の境界の被写体を、光学的に大きなボケが発生する光学条件で撮影した場合には、暗部と明部の間の輝度値をとるグラデーションの画素領域が発生する。
しかしながら、特許文献1の技術では、入力画像のみを参照してシーンを判別しており、例えば背景領域に光学的に大きなボケが発生することを考慮していない。例えばこのようなボケが発生する輝度域を強く圧縮するような階調変換を行うと、疑似階調が発生し、画質が損なわれるおそれがあった。
本発明に係る画像処理装置は、撮像手段により得られた画像を処理する画像処理装置であって、前記画像が撮像された際の光学条件に基づき、前記画像におけるボケ輝度域を特定する特定手段と、前記画像の信号レベルに基づき、前記画像の低輝度域側の信号レベルを増幅し、高輝度域側の信号レベルを低減する階調変換特性を決定する決定手段とを有し、前記決定手段は、前記階調変換特性の傾きが単調減少から単調増加に切り替わる輝度が、前記ボケ輝度域と異なる輝度域に設定されるよう階調変換特性を決定することを特徴とする。
本発明の特徴とする構成により、階調変換を行う場合に、光学的に大きなボケの発生している輝度域での疑似階調を抑制することができる。
実施例1の画像処理装置に適用可能な構成を示すブロック図 実施例1の画像処理部104の構成を示すブロック図 撮影指示後本撮影の露光量決定までの処理の流れを示すフローチャート 露光量算出のための輝度解析結果の一例を示す模式図 入力画像の一例 実施例1で階調変換特性を生成し、階調変換を行うまでのフローチャート 図4の入力画像に対応した輝度画像 局所的な輝度変化の有無を算出するための参照範囲を示す模式図 局所的な輝度変化が発生している画素領域の輝度ヒストグラム 実施例1の階調変換特性生成処理部での処理の流れを示すフローチャート 階調変換特性の一例 入力画像全体の輝度ヒストグラム 実施例2の画像処理装置に適用可能な構成を示すブロック図 実施例2の画像処理部104の構成を示すブロック図 実施例2で階調変換特性を生成し、階調変換を行うまでのフローチャート 図4の入力画像に対応した距離画像 実施例3で階調変換特性を生成し、階調変換を行うまでのフローチャート
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[実施例1]
<画像処理装置の構成>
本実施例は、被写体領域および撮影条件などの撮影シーンに関する情報を用いて撮影画像の階調処理を行うものである。
図1に本発明を適用できる画像処理装置の構成図を示す。図1において、光学系101は、ズームレンズやフォーカスレンズから構成されるレンズ群、絞り調整装置、および、シャッター装置を備えている。この光学系101は、撮像部102に到達する被写体像の倍率やピント位置、あるいは、光量を調整している。撮像部102は、光学系101を通過した被写体の光束を光電変換し電気信号に変換するCCDやCMOSセンサー等の光電変換素子である。
A/D変換部103は、入力された映像信号をデジタルの画像に変換する。
画像処理部104は、通常の信号処理の他に、本発明における階調処理を行う。画像処理部104はA/D変換部103から出力された画像のみでなく、記録部110から読み出した画像に対しても同様の画像処理を行うことができる。
露光量算出部105は、本発明の階調処理を行う為に最適な入力画像を得る為に、撮影時の露光量を算出する部分である。画像処理部104の処理結果を入力とし、算出した露光量を出力し、露光量制御部106の入力とする。
露光量制御部106は、露光量算出部105によって算出された露光量を実現する為に、光学系101と撮像部102を制御して、絞り、シャッタースピード、センサーのアナログゲインを制御する。
表示部107は、画像処理部104から出力される画像をLCDなどの表示用部材に逐次表示することにより、電子ビューファインダ(EVF)として機能する。
記録部110は、画像を記録する機能を有し、たとえば、半導体メモリが搭載されたメモリカードや光磁気ディスク等の回転記録体を収容したパッケージなどを用いた情報記録媒体を含んでもよい。
また、108はシステム制御部であり、画像処理装置の各処理部と接続し、画像信号および、制御信号を介して、画像処理装置全体の動作を制御するものとする。
図2は実施例1の画像処理部104を構成するブロック図を示している。
画像処理部104は、局所輝度変化検出処理部201、光学条件判定処理部202、第1の輝度域推定処理部203、階調変換特性生成処理部204、階調変換処理部205を含む。各処理部はシステム制御部108によって制御され、本発明の特徴である、光学的にボケが発生する輝度域を考慮した階調変換特性を生成し、入力画像に対して階調変換を行う。各ブロックが担う処理については、これより処理の流れとともに説明していく。
なお、本発明を実現するためには必ずしも図1、2に示す構成をとる必要はなく、適宜構成を追加することも可能である。また、図1、2に示した構成は必ずしもハードウェアと1対1で対応付いている必要はない。例えばプロセッサなどの複数のハードウェアが複数の構成の役割を担ってもよいし、逆に複数のハードウェアが協働して1つの構成として機能してもよい。さらに、制御の一部をプロセッサでなく1以上の回路が担ってもよい。
<露光量の決定>
以下、撮影時の処理について説明する。まず、画面内の輝度情報に基づいて本撮影前の露出を制御し、階調処理を行う上で最適な本撮影時の露光量を算出する露光量算出部105の処理に説明する。図3は、撮影者により撮影の指示がなされたときの本撮影の露光量を決定するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
S301において、露光量算出部105は露光量を算出するため、撮像部102により撮像された画像を連続的に取得し、所定の間隔(例えば2フレームに1回)で画像全体の輝度値を算出した上で露出を変更する。
S302において、露光量算出部105は画像を図4に示すようなブロック領域に分割する。そして各ブロックの平均輝度値に対して中央部が大きくなるような重み付けにより加重加算した輝度値を適正の値、すなわち予め設定された目標輝度値(例えば10bitで130)に近づけるように露光量を決定する。
S303において、露光量算出部105はS302で決定した露光量を露光量制御部106に通知し、露光量制御部106により制御された露光で本撮影が行われる。
図5に、本撮影により得られる画像の一例を示す。これは近接の人物シーンを示す画像であり、近距離にいて合焦している人物はくっきりとしているのに対し、遠距離にいるそれ以外の被写体領域の大部分はぼけていて被写体間の境界が滲んだように見える画像である。以上が、入力画像を取得してから、露光量算出部105で露光量を算出し、本撮影を行うまでの処理の説明である。
<階調変換>
続いて、本撮影された画像に対して、画像処理部104が階調変換特性を生成し、階調変換を行うまでの処理の流れについて、図6のフローチャートを用いて説明する。
S601において、画像処理部104はS303で本撮影された画像を取得する。
S602において、局所輝度変化検出処理部201は、入力画像内で局所的に輝度値が変化している領域を検出する。詳細な検出方法について図7および図8を用いて説明する。
図7において、701は画像500から生成した輝度画像を示しており、702は輝度画像701を水平および垂直それぞれ1/256倍に縮小した画像を示している。
図8は画像702における着目画素Yij対して周辺画素がどのように変化しているかを図示したものである。着目画素Yijに対して周辺8画素との差分絶対値ΔY(i,j,m,n)を式(1)で算出する。差分絶対値ΔY(i,j,m,n)に対して式(2)を満たす値が所定数(例えば4)以上ある場合には、その着目画素は輝度境界領域であると判定する。
ΔY(i,j,m,n)=|Yi,j-Ym,n|
ただし、m=i-1,i,i+1,n=j-1,j,j+1・・・式(1)
ΔY(i,j,m,n)>Yth・・・・・(式2)
上記計算により、入力画像において、局所輝度変化がある領域として判定された部分(斜線)を図7の画像703に示す。
尚、本実施例では、ノイズによる輝度変動を除外して被写体の局所的な明るさが変化している領域を検出するため、縮小画像702に対して、周辺3tapの参照を行うことで輝度境界領域を検出したが、これに限られるものではない。周辺画素をより広い範囲で参照したり、局所領域の検出にも縮小した画像を用いたりしても良く、あるいは上記以外の手法を用いて検出しても良い。
説明を図6に戻す。S603において、システム制御部108から光学条件判定処理部202に対して、撮像時のレンズの絞り値や焦点距離、測距点毎の被写体距離などの情報が入力される。
S604において、光学条件判定処理部202は、光学的に大きなボケが発生する撮影条件で、入力画像が撮影されたかを判定する。具体的には、レンズの絞り値F、焦点距離f、許容錯乱円系δ、ピント面の被写体距離s、として、式(3)、(4)によって、前方被写界深度D,後方被写界深度Dを近似的に求める。
Figure 0007166903000001
Figure 0007166903000002
式(3)、(4)において、レンズの絞り値Fが、所定の閾値よりも小さい場合、または、焦点距離fが所定の閾値よりも大きい場合、または、被写体が、s-Dnよりも手前か、s+Dfよりも後ろに位置する場合の少なくともいずれかを満たす場合に、光学的に大きなボケが発生すると判定する。
また、それぞれの判定で用いる絞り値、焦点距離、被写体距離の閾値については、撮像部の光学系および撮像素子の仕様に基づいて、あらかじめ計算され、システム制御部108に保持された値を用いる。また、許容錯乱円δは、撮像素子の大きさによってあらかじめ決められている。
S605において、第1の輝度域推定処理部203は、光学的に大きなボケが発生する中間の輝度域を推定する。具体的には、S602の検出結果とS604の判定結果を参照し、光学的に大きなボケが発生する条件下で撮影された入力画像に関して、局所的な輝度変化がある領域に含まれる画素を参照して輝度ヒストグラムを生成する。そして当該輝度ヒストグラムを解析して第1の輝度域を推定する。
ここで、第1の輝度域の推定について説明する。図9は、入力画像701において局所的な輝度変化が発生している画素領域703に含まれる画素から算出した輝度ヒストグラムである。このヒストグラムにおいて、例えば、最大の度数の所定の割合(たとえば1/2)以上の度数をとる輝度域901を、第1の輝度域と設定する。尚、図9の場合、最大の度数の所定の割合以上となる輝度域が1つであるが、ヒストグラムの形状によっては、複数の輝度域が設定可能な場合がある。このような場合には、さらに、度数が所定の割合となる複数の輝度域から、輝度域の下限の最小値と、輝度域の上限の最大値を検出し、前記下限の最小値から前記上限の最大値までの輝度域を、第1の輝度域と推定(特定)する。
ここで、光学的なボケが発生する撮影条件で、暗部と明部の境界を含む被写体を撮影した場合には、前記暗部と明部の間の信号値をとるグラデーションの画素領域が発生する。したがって、本実施例では、局所的な輝度変化がある領域に含まれる画素のみを参照して生成したヒストグラムにおいて、度数が大きい領域を、光学的なボケが発生する撮影条件下で、ボケによって発生した中間の輝度階調の分布輝度域を代表しているとみなす。そしてこの輝度域を第1の輝度域と推定している。以上のようにして推定した第1の輝度域の信号レベルは、S606での階調特性の生成処理に用いる。
次にS606において、階調変換特性生成処理部204は階調変換特性を生成する処理を行う。本処理について、図10、図11、図12を用いて説明する。図10は、階調変換特性を生成する処理を示すフローチャートである。
S1000において、階調変換特性生成処理部204は入力画像を参照して輝度のヒストグラムを生成する。入力画像全体の輝度ヒストグラムの一例を図12に示す。
S1001では、階調変換特性生成処理部204はS1000で生成したヒストグラムを参照し、入力画像において、低輝度側の輝度分布を代表する第2の輝度値LLと、第2の輝度値を中心とする所定の輝度範囲を、第2の輝度域123として決定する。低輝度側は、入力画像の輝度のピーク値の1/2以下の領域であり、高輝度側は、入力画像の輝度のピーク値の1/2よりも大きい領域とする。具体的には、S1000で生成したヒストグラムを参照し、入力画像における最小の輝度値をLmin、低輝度側で度数が最大となる輝度値を第2の輝度値LLとしたときに、式(3)により、第2の輝度域の上限の輝度値LL_Eを算出する。
LL_E=2×LL・・・・式(3)
そして、LminからLL_Eまでの輝度域が第2の輝度域となり、図12において122で示される範囲となる。
同様に、S1000で生成したヒストグラムを参照し、入力画像における最大の輝度値をLmax,高輝度側で度数が最大となる輝度値を第3の輝度値HLとしたときに、式(4)により、第3の輝度域の下限の輝度値HL_Sを算出する。
HL_S=2×HL-Lmax・・・・式(4)
そして、HL_SからLmaxまでの輝度域が第3の輝度域となり、図12において123で示される範囲となる。
図10の説明に戻る。S1003、S1004において、階調変換特性生成処理部204は、第2の輝度域の信号に対応した階調変換特性と第3の輝度域に対応した階調変換特性をそれぞれ決定する。以下、これらの処理について説明する。
第2の輝度域と第3の輝度域の階調変換特性の一例を図11(a)に示す。図11(a)において、破線で示される110は、入力信号の最大値が出力信号の最大値となるよう一律の変換ゲインで、スケーリングした場合の階調変換特性となる。第2の輝度域112では、入力信号を一律スケーリングした階調変換特性110よりも、信号レベルが高くなるようなゲインアップ(信号増幅)の階調圧縮特性を設定する。また、第3の輝度域113では、入力信号を一律スケーリングした階調変換特性110よりも、信号レベルが低くなるような、ゲインダウン(信号低減)の階調変換特性を設定する。
上記の階調変換特性と、光学的なボケの関係について説明する。第2の輝度域と第3の輝度域をそれぞれ所望の明るさ、階調再現となるように階調変換特性を設定したことにより、階調変換特性は、114の輝度値で、傾きが単調減少から単調増加に切り替わる。この切り替わりを階調変換特性の変曲点と定義する。ここで、階調変換処理部205への入力輝度信号をx、出力輝度信号をyとしたときに、y=f(x)となる関数f(x)が、階調変換特性であるので、前記の変曲点は、f(x)をxで2階微分したときの出力f”(x)の符号が負から正に切り替わる点である。
ここで、光学的に大きなボケが発生している第1の輝度域111に、この階調変換特性の変曲点が発生すると、ボケによる階調再現に不自然な疑似階調が発生し、画質を著しく損なう。したがって、本発明の画像処理装置では、なるべく光学的なボケによる階調特性を劣化させないよう、階調変換特性における変曲点を設定することを特徴としている。以下、図10の説明に戻り詳細に説明する。
S1005において、階調変換特性生成処理部204は、第1の輝度域の推定結果を参照する。第1の輝度域が存在する場合には、S1006に進み、光学的に大きなボケが発生する撮影条件であることを考慮した階調変換特性の調整がS1007、S1008で行われる。S1005において、第1の輝度域が存在しない場合は、S1009に進む。
S1009において、階調変換特性生成処理部204は、図11(a)に示すように、第2の輝度域112の終了点の階調変換特性と、第3の輝度域113の開始点の階調変換特性を結ぶように階調変換特性を設定する。
一方S1006に進んだ場合は、階調変換特性生成処理部204は、第2の輝度域と第3の輝度域のヒストグラムの面積を比較する。比較の結果、ヒストグラムの面積が大きい方の輝度域の階調再現性を優先するよう、階調変換特性の変曲点となる輝度値を設定することになる。
S1007は、入力画像において、第2の輝度域の階調再現を優先する場合の処理である。階調変換特性生成処理部204は、第2の輝度域112と第3の輝度域113の階調変換特性の変曲点115が第1の輝度域外となり、かつ、第3の輝度域側の領域にくるよう、階調変換特性を設定する。このときの階調変換特性の一例を図11(b)に示す。
S1008は、入力画像において、第3の輝度域の階調再現を優先する場合の処理である。階調変換特性生成処理部204は、第2の輝度域112と第3の輝度域113の階調変換特性の変曲点116が第1の輝度域外となり、かつ、第2の輝度域側の領域にくるよう、階調変換特性を設定する。このときの階調変換特性の一例は、図11(c)となる。
図11(b)、(c)において、いずれも、第2の輝度域112(低輝度域側)では、入力信号を一律スケーリングした階調変換特性110よりも、信号レベルが高くなるようなゲインアップの階調圧縮特性が設定される。一方、第3の輝度域113(高輝度域側)では、入力信号を一律スケーリングした階調変換特性110よりも、信号レベルが低くなるような、ゲインダウンの階調圧縮特性が設定される。さらに、入力輝度域全体での階調変換特性の変曲点は、第1の輝度域外に設定される。なお、ここでいう低輝度域、高輝度域とは2つの階調特性の入力信号軸に対する相対的な位置関係を示すものである。つまり、第2の輝度域112は第3の輝度域113よりも低輝度側にあるから低輝度域と呼んでいるにすぎず、必ずしも第2の輝度域112が入力信号軸の中央値よりも低輝度側にあるとは限らない。これは第3の輝度域113(高輝度域側)についても同様である。したがって、暗部が暗くなりすぎず、明部の階調を維持した上で、光学的に大きなボケが発生する輝度域111での、不自然な疑似階調の発生も防ぐことができる。以上が、階調変換特性生成処理部204の説明を終了する。
図6の説明に戻る。S607において、階調変換処理部206は、S606で設定した階調変換特性に基づき、入力画像の画素毎の輝度レベルを参照し、階調変換を行う。
以上説明したように、本実施例によれば、光学的なボケの発生している輝度域での疑似階調を防ぎつつ、画面内で重要被写体の存在する輝度域の階調特性を良好に再現することができる。特に、HDR画像をSDRデバイスに出力する場合など、入力画像と出力機器のダイナミックレンジの差が大きく、入力画像に対して、階調圧縮を伴う階調変換を行う場合に、階調変換特性を好適に制御することができる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例は実施例1と共通する部分が多いため、共通部分については説明を省略し、本実施例に特徴的な部分を中心に説明する。
実施例2の画像処理装置の構成図を図13に示す。図1とは測距処理部109を有する点で異なり、共通する構成は同じ番号を付している。測距処理部109は、内部に、複数の測距点に対応した測距用の撮像素子を持ち、光学系101から出力される像を受けて、測距点での像の位相差に基づいて合焦状態を判断する。合焦状態に基づき、光学系101でのフォーカス制御をするとともに、測距点毎の合焦状態のデータを、距離情報を示す距離画像として、画像処理部104に送出する。
図14は実施例2における画像処理部104のブロック図であり、第1の輝度域推定処理部206が測距処理部109からの出力を受ける点で図2と異なる。実施例2の画像処理部104では、局所輝度変化検出処理部201、光学条件判定処理部202に加えて、測距処理部109からの距離画像も参照して、光学的にボケが発生する輝度域を推定する。本実施例においても、第1の輝度推定処理部206の処理結果を参照して、光学的に大きなボケが発生する輝度領域で、階調変換特性の傾きが単調減少から単調増加に切り替わる変曲点が発生しないよう、後段の階調変換特性生成処理部204で階調変換特性を生成する。そして生成した階調変換特性に基づいて、階調変換処理部205で入力画像に対して階調変換を行う。
図15のフローチャートを参照して、実施例2の画像処理部104において、階調変換特性を生成し、入力画像に対して階調変換処理を行うまでの処理について説明する。なお、図6と同様の処理を行うステップは図6と同じステップ番号としている。
S601において本撮影された画像を取得した後、S1501において第1の輝度域推定処理部206は測距処理部109から、測距の結果を画素値として示した距離画像を取得する。本実施例の距離画像は合焦状態を8bit階調で示しており、128をとる領域が合焦領域、0~127をとる領域が前景側の非合焦領域、129~255をとる領域が背景側の非合焦領域を示す。例えば、画像500に対応した距離画像は図16のようになる。図16において、画面中央の人物の領域1601が合焦領域であり、1602、1603の領域は、いずれも背景側の非合焦領域である。
S1502において、第1の輝度域推定処理部206は距離画像の値に基づいて、入力画像の各画素の合焦状態を判定し、第1の輝度域を推定するための解析対象の画像領域を決定する。具体的には、後段のS602で局所的な輝度変化領域の検出処理を行う際に、非合焦領域に限定して検出処理を行うことで、光学的なボケによって発生した中間輝度域を、より精度良く推定することができる。S602以降の処理は実施例1と同様である。
以上説明したように、第2の実施例においても、光学的なボケの発生している輝度域で疑似階調を防ぎつつ、画面内で重要被写体の存在する輝度域の階調特性を良好に再現することができる。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。本実施例では、光学的に大きなボケが発生する輝度域が時間変動する場合を想定し、階調変換特性の時間変動を抑える制御を追加した点が、実施例1と異なる。光学的に大きなボケが発生する輝度域(第1の輝度域)が時間変動する状況の一例としては、ユーザーが、レンズの絞り値を変えて、被写界深度を調整しながら撮影する場合が挙げられる。このような場合に、本発明の画像処理装置では、第1の輝度域に連動して階調変換特性が変わる可能性があるが、同じようなシーンを撮影しているのに、ボケの状態に応じて、明るさが変わるのは好ましくない。
したがって、実施例3では、撮影時の光学設定ではなく、撮影時を基準に、その画像処理装置がとりうる複数種類の光学設定の中から、第1の輝度域を推定するための光学設定を選択する。
具体的には、図17に示すように、入力画像と光学設定を参照して階調変換特性を生成し、入力画像に対して階調変換処理を行う処理フローにおいて、光学条件判定処理部で判定対象とする光学設定を選択する処理S1701が追加されている。
S1701において、システム制御部108は、画像処理装置に装着されているレンズの絞り値の設定範囲を参照する。そしてその中で最も小さい値を、光学条件判定処理部で参照する絞り値に設定する。図17のS601以降の処理フローは、図6と同様であるので説明を割愛する。
以上説明したように、第3の実施例においても、光学的なボケの発生している輝度域で疑似階調を防ぎつつ、画面内で重要被写体の存在する輝度域の階調特性を良好に再現することができる。また、ボケの状態に応じて、明るさが時間変動しないよう、階調変換特性を制御することができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (8)

  1. 撮像手段により得られた画像を処理する画像処理装置であって、
    前記画像が撮像された際の光学条件に基づき、前記画像におけるボケ輝度域を特定する特定手段と、
    前記画像の信号レベルに基づき、前記画像の低輝度域側の信号レベルを増幅し、高輝度域側の信号レベルを低減する階調変換特性を決定する決定手段とを有し、
    前記決定手段は、前記階調変換特性の傾きが単調減少から単調増加に切り替わる輝度が、前記ボケ輝度域と異なる輝度域に設定されるよう階調変換特性を決定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記特定手段は、前記画像が撮像された際の光学条件として焦点距離、絞り値、ピント位置の少なくともいずれかに基づいて光学的に大きなボケが発生するかを判定することで、前記画像におけるボケ輝度域を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特定手段は、前記光学的に大きなボケが発生する画像と判定された場合、前記画像において局所的な輝度変化領域に含まれる画素の輝度域をボケ輝度域と特定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記撮像において取り得る光学条件のうち、いずれかの光学条件を選択する選択手段と、
    前記光学条件の変動があっても、前記選択手段により選択された光学条件に基づき前記画像におけるボケ輝度域を特定する第2の特定手段をさらに有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記特定手段は、前記画像の被写体までの距離を示す距離情報に基づき、前記画像の合焦領域と非合焦領域とを判定し、前記判定の結果に基づき、前記画像におけるボケ輝度域を特定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記撮像手段をさらに有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 撮像手段により得られた画像を処理する画像処理装置の制御方法であって、
    前記画像が撮像された際の光学条件に基づき、前記画像におけるボケ輝度域を特定する特定工程と、
    前記画像の信号レベルに基づき、前記画像の低輝度域側の信号レベルを増幅し、高輝度域側の信号レベルを低減する階調変換特性を決定する決定工程とを有し、
    前記決定工程では、前記階調変換特性の傾きが単調減少から単調増加に切り替わる輝度が、前記ボケ輝度域と異なる輝度域に設定されるよう階調変換特性を決定することを特徴とする制御方法。
  8. コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させる、コンピュータにより実行が可能なプログラム。
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