JP7166685B2 - 対向フリーピストンエンジン発電機 - Google Patents

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Description

本発明は内燃式エンジンを使用した対向フリーピストンエンジン発電機に関する。
従来、対向フリーピストンエンジン発電機として、多くのタイプのものが発明されてきた。対向フリーピストンエンジンは、原理的に熱効率が高くなるため現在も注目を集めているが、エンジンの回転出力で発電する方式では、回転変換機構が複雑となる。
例えば、多気筒式としたものでは気筒間の同期をとるための機構がさらに複雑となって、小型で可搬型のものは実現していない。また、エンジンの往復直線運動や揺動運動をそのまま直接利用して発電する直動式のものも考案されているが、エンジン起動装置や吸排気弁機構などが一般のエンジンと同様に必要となっている。
したがって、対向フリーピストンエンジンの特長である、高熱効率性や、燃焼室の高密閉性といった利点を生かしつつ、軽量小型で可搬型のシンプルな発電機の開発が望まれている。
ところで、高い熱効率を有する円環体状の対向ピストンエンジンに係る従来技術として、特許文献1、2および3がある。
特許文献1は、4つの燃焼室を有し、燃焼室の密閉性がよいという特長を有するコンパクトなエンジンであるが、燃焼室群の同期を取り、揺動運動を回転出力に変換する部分がエンジンの中心部分に配置されるために、構造が複雑になっている。
特許文献2は、8つの燃焼室を有しているが、吸排気弁機構および燃焼室の同期を取る機構が複雑であり、また燃焼室の密閉性がよいとはいえない構造となっている。
特許文献3は、燃焼室群の同期を取り、揺動運動を回転出力に変換する部分がエンジンの中心部分に配置されるために、最小単位のエンジン部には燃焼室を2つまでしか配置できない。そのため、爆発の反力を打ち消し、より低振動のエンジンとするためには、2つ以上のエンジン部を並列に、複雑な機構を使用して連結することになる。最小単位のエンジン部では爆発の反力を対となる燃焼室側では吸収できないからである。
特許文献4として、円筒状の対向フリーピストンエンジンが考案されているが、対向ピストンを同期させる大型で複雑な機構がシリンダの両端に配置されている。単一のシリンダでは振動が大きいため、並列多気筒式エンジンが前提となり、小型軽量の可搬型発電機用エンジンには適していない。
特許文献5として、ピストン部にモータが組み込まれたフリーピストンエンジン発電機が考案されている。2つの燃焼室の間をフリーピストンが燃焼サイクルで往復する。フリーピストンのシャフト部にはリニアモータが組み込まれ、フリーピストンの往復直線運動で直接発電する直動式発電機である。最小単位のエンジン部では爆発の反力を打ち消せないため、2列単位を同期運転する必要がある発電機である。運転時の発電能力には十分なリニアモータであっても、エンジンを起動するには、推力不足であるため、起動時の排気行程および吸入行程の圧縮力が小さくて済むように(デコンプ機能)、吸気弁および排気弁の動作を起動時だけタイミングを変更するなどの機構が必要となっている。
英国特許出願公開第28511号 米国特許第6880494号 特許第5635061号公報 米国特許第9488099号 米国特許第9032918号
以上のように、これまで発明されている対向ピストンエンジン、対向フリーピストンエンジン、フリーピストンエンジン発電機を利用しても、高熱効率、低振動であり、そして軽量コンパクトでシンプルな機構を有するエンジン発電機を実現することは困難である。
これまで、複数の燃焼室をもち、それらが互いに燃焼サイクルの反力や振動を打ち消すような対向フリーピストン発電機であって、クランクシャフトレスでかつ吸排気弁機構のない直動式発電機は発明されていない。直動式電動発電部のモータでエンジン起動するには、ピストンに付与できる推力が極めて不足し、エンジン起動のために必要な混合気の吸入動作および圧縮動作を完了できないからである。以後、電動発電部のモータを単にモータと略する。クランクシャフトレスであれば、起動専用スタータを装備することは困難であり、吸排気弁機構のないユニフロー掃気方式の発電機であれば燃焼室のデコンプ機能を追加することはエンジン部の機構を複雑にする。
そこで本発明の目的は、起動専用スタータを装備することなく、あるいは新たなデコンプ機構を追加することなく、直動式の(発電兼用の)モータの発生推力あるいはトルクのみで、起動を可能にし、連続運転移行後も任意に停止し、瞬時に再起動を可能にする発電機を提供することにある。そして本発明の目的は、揺動運動あるいは往復直線運動で直接発電する直動式の対向フリーピストンエンジン発電機とすることで、従来の対向フリーピストンの特長を備えつつ、高熱効率、低振動であり、そして軽量コンパクトでシンプルな機構を有するエンジン発電機を提供することにある。ここでは揺動運動および往復直線運動を含めて往復運動と呼称する。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返すことを特徴とする。
本発明によれば、対向フリーピストンエンジン発電機は、燃焼室が爆発の反力を互いに打ち消し合うようにバランスをとって燃焼サイクルを繰り返すため、原理的に低振動であり、また、吸排気弁機構やバランサ機構が不要なため、極めて軽量となる。
また本発明によれば、回転変換機構を有さないため発電効率が高く、構造がシンプルで小型化することも可能となる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、前記燃焼シリンダおよび前記双頭ピストンは円環体状に形成されて同一円周上に配置され、前記燃焼室は前記同一円周上の全円周を4等分した位置に各々配置されていることを特徴とする。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、前記同一円周上に配置された双頭ピストンのうち、一つ置きの双頭ピストン同士の支持体が円の中心の点対称位置となるように連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、双頭ピストン同士の支持体をリンク機構で連結するか、あるいは一体化した支持体とすることによって、双頭ピストンの位置制御を単純化することが可能となる。具体的には、双頭ピストン同士の支持体を連結していない場合は1つの双頭ピストンに対して1つのモータが必要であるが、双頭ピストン同士の支持体を連結した場合には、連結した双頭ピストンのモータを共通化することが可能となるため、モータの数を最小限にすることが可能となる。
また本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、前記燃焼シリンダおよび前記双頭ピストンは円筒状に形成されて同一矩形のそれぞれの辺上に配置され、前記燃焼室は前記矩形上の各々の頂点の位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、双頭ピストンを円環体状に形成して同一円周上に配置することや、燃焼シリンダおよび双頭ピストンを同一矩形のそれぞれの辺上に配置して燃焼室を前記矩形上の各々の頂点の位置に配置する等、双頭ピストンと燃焼室の配置構成に工夫を行うことで隣接する燃焼室の燃焼サイクルを相補的に作用させることが可能となり、一方が爆発後膨張行程を開始すると、他方は圧縮行程に入るため、双頭ピストンにかかる爆発力は発電による制動力と圧縮側燃焼室自身で発生する圧縮反力による制動力を受けて瞬時に吸収される。それゆえモータの力行側でなく、主に回生側を制御するだけで、毎回の燃焼サイクルを容易に制御することが可能となる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、前記ピストンヘッドの背面内側には、前記燃焼サイクルに使用する圧縮空気(以後、圧空と略する)を生成するための圧空ポンプ部を有することを特徴とする。
本発明によれば、圧空ポンプ部を双頭ピストンの背部に配置し、排気口と吸入口を燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に配置して強制的に圧空でユニフロー掃気する機構としているため、シンプルでコンパクトな構成にすることが可能で、さらに排気効率と吸入効率をよくすることが可能となる。
また本発明によれば、圧空ポンプ部は空気の流出入があるため、燃焼シリンダおよび双頭ピストンの熱が発電部に伝導するのを抑制する効果がある。さらに圧縮行程で圧空ポンプ部に侵入する未燃焼ガスは、次の吸入行程で燃焼室に還元されていくため、別途にブローバイガス還元装置を装備することは不要となる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法は、支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法であって、運転停止中に起動準備指示を受けると起動準備動作を行った後に起動動作に移行するものであり、前記起動準備動作は、前記双頭ピストンを逆方向に移動させることにより全燃焼室群の残留ガスを排気する排気工程と、前記双頭ピストンを順方向に移動させることにより全燃焼室群に混合気を吸入する吸入行程と、全燃焼室に混合気を蓄積した状態で前記全双頭ピストンをそれぞれの往復運動の中心位置である移動中心定位置に停止し待機する停止工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、双頭ピストンを逆方向(反時計回り)、順方向(時計回り)、逆方向(反時計回り)・・・と回転することによって、最小限のモータの力で燃焼室から不要な空気を排気し、燃焼室に混合気を充填することが可能で、燃焼室に混合気を充填した状態で双頭ピストンを移動中心定位置に待機させることができる。
また本発明によれば、起動準備動作時に、全双頭ピストンを同一方向へ同時に回転すれば、双頭ピストンと燃焼シリンダに囲まれた燃焼室の残留ガスの体積が変化しないままとなるため、モータは圧縮反発力や負圧吸引力といった反発力に影響されることなく、双頭ピストンを回転させることができる。双頭ピストンを順方向(反時計回り)に回転し、排気口側に移動することによって、その一部を排気することができ、次に逆方向(時計回り)に回転し、吸入口側に移動することによって、混合気の一部を吸入することができる。更に、これらの回転動作を複数回繰り返すことによって、複雑な機構なしに最小限の力で起動準備動作を行うことが可能となる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の起動方法は、請求項6記載の対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法を完了後、起動指示を受けると、前記燃焼シリンダに囲まれ、一つ置きに交互に配置されて燃焼サイクルが相補関係にある第1の燃焼室群と第2の燃焼室群のうち、いずれか一方の燃焼室群が点火され、その爆発力により前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されることによって定常運転に移行することを特徴とする。
本発明の起動方法によれば、起動後の点火は、モータで双頭ピストンを移動中心定位置から移動し、混合気を更に圧縮した状態で行われるが、起動直後の爆発では、他方の圧縮される側の燃焼室群の双頭ピストンをエンドポイント(上死点・最圧縮位置)に移動させられるだけの爆発力が得られればよく、定常運転時の爆発力は必要とされないため、このとき、モータには混合気を高圧縮する大きな起動推力(トルク)は必要とされないため、起動専用スタータが不要となり、双頭ピストンに連結される発電機構の大きさを小さくする(支持体の長さを短くする等)ことができ、エンジン全体がコンパクトで軽量になる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の起動方法は、請求項6記載の対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法を完了後、起動指示を受けると、前記燃焼シリンダに囲まれ、一つ置きに交互に配置されて燃焼サイクルが相補関係にある第1の燃焼室群と第2の燃焼室群のうち、いったん一方の燃焼室群の混合気を圧縮するように、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンを互いに接近させ、次に他方の燃焼室群の混合気を圧縮するように前記双頭ピストンを互いに離間させ、さらにこれを繰り返すことによって発生する前記燃焼室群の混合気の共振による圧縮変動を利用して、前記燃焼室の圧力振幅を徐々に増大させた後、前記第1または第2の燃焼室群が点火され、その爆発力により前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されることによって定常運転に移行することを特徴とする。図15に、上記燃焼室の圧力振幅を徐々に増大させた状態を示す。
本発明によれば、混合気がより圧縮され高温となるため、燃焼開始条件が向上し、より確実に起動することが可能となる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法は、支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法であって、運転中に運転停止指示を受けると、再起動準備動作の後に停止するものであり、前記再起動準備動作は、混合気の量を少なくして運転された後、その弱められた爆発力により第1または第2の燃焼室群の双頭ピストンが前記燃焼シリンダ内で互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されないよう制御し、その後、全双頭ピストンの位置制御を行うことによって、それぞれの移動中心定位置に停止するとともに前記第1および第2の全燃焼室群に混合気を蓄積した状態で再起動するために待機することを特徴とする。
本発明によれば、対向フリーピストンエンジン発電機の発電停止が行われると、再起動準備動作を行って、次の発電のために燃焼室に混合気を充填した状態で停止するため、発電指示があればすぐに発電を開始することが可能となる。
また本発明によれば、再起動準備動作時は、混合気の燃料の量を少なくして爆発力を抑えることで双頭ピストンの運動エネルギを小さくするため、モータを利用して最小限の推力あるいはトルクで移動中心定位置に双頭ピストンを停止させることができる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法は、支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法であって、運転中に運転停止指示を受けると、再起動準備動作の後に停止するものであり、前記再起動準備動作は、前記運転時よりも早いタイミングで点火された後、その弱められた爆発力により第1または第2の燃焼室群の双頭ピストンが前記燃焼シリンダ内で互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されないよう制御し、その後、全双頭ピストンの位置制御を行うことによって、それぞれの移動中心定位置に停止するとともに、前記第1および第2の全燃焼室群に混合気を蓄積した状態で再起動するために待機することを特徴とする。
本発明によれば、対向フリーピストンエンジン発電機の発電停止が行われると、再起動準備動作を行って、次の発電のために燃焼室に混合気を充填した状態で停止するため、発電指示があればすぐに発電を開始することが可能となる。
また本発明によれば、再起動準備動作時は、運転時よりも早いタイミングで点火されて爆発力を抑えることで混合気の量を減少させることなく瞬時に双頭ピストンの運動エネルギを小さくするため、モータを利用して最小限の推力あるいはトルクで移動中心定位置に双頭ピストンを停止させることができる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法は、支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法であって、運転中に、前記燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンのそれぞれに、予め設定した圧縮比ごとに異なる双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの圧縮比に応じた位置制御パターンを与え、前記対向する双頭ピストンの最接近位置あるいは最接近距離を、予め設定した値に変更するように、前期双頭ピストンの位置制御を行うことで圧縮比可変燃焼制御することを特徴とする。上記最接近位置あるいは最接近距離の代わりに、最離間位置あるいは最離間距離を、予め設定した値としてもよい。上記圧縮比可変制御を例示したものが図16である。
本発明の圧縮比可変燃焼制御によって、引火点の異なる多様な燃料であっても、高熱効率で燃焼することが可能となる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法は、支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法であって、運転中に、前記燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンのそれぞれに、予め設定した燃焼頻度ごとに異なる双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの燃焼頻度に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの位相同期制御を行うことで、燃焼頻度可変制御することを特徴とする。上記燃焼頻度可変制御を例示したものが図18である。
本発明によれば、燃焼頻度可変制御によって、負荷変動があっても高熱効率と高発電効率を維持することが可能となる。
本発明は、吸排気弁を有しない対向フリーピストンエンジン発電機であり、吸排気弁が燃焼室内に突出してピストンとの干渉を回避する動作範囲の容量分が不要であるため、燃焼室が高圧縮比を実現可能で圧縮漏れが少ない構造であり、爆発前後の混合気が、シリンダボア内壁に接触する面積が小さく、燃焼室中央に吸排気弁がないため、シリンダボア内壁に燃料が付着しにくく、また、シリンダボア表面温度に比べ、その温度が高いピストン表面には、表面積が大きくても燃料が付着しにくく、残留する未燃焼の燃料が少ないので、高燃焼効率である。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、広範囲の負荷変動に対し、高熱効率であり、高発電効率である。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、ユニフロー掃気と燃料噴射装置を組み合わせることによって、未燃焼ガスの吹抜けをより少なくすることができ高燃焼効率であり、圧空と燃料を高速吸入後、その両側から対向ピストンで圧縮し高速の渦流を発生させることによって、混合気が均一となり、高速燃焼を可能にする。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、回転運動変換装置、吸排気弁駆動装置および起動専用装置に相当する機械損失がなく、オイル潤滑装置の駆動損失とポンピング損失が小さい。ピストンは、双頭ピストン両端のピストンリングのみでシリンダ内に支持され、往復反転近傍での首振り運動がなく、ピストンリングの張力が小さくて済むので、摺動抵抗が小さく、その支持体に連結されたモータ可動子質量が小さいため、軽量であり、爆発後の急加速および急減速が可能である。
本発明のエンジン発電機のピストンは爆発力で加速され、回生制動を含むモータの位置制御と相補側燃焼室の圧縮反発力で減速し往復反転位置に到達するが、回転機構による慣性力を受けないため、前記モータの位置制御によって、その反転位置と反転タイミングを任意に可変し、このことによって、圧縮比可変制御と燃焼頻度制御を実現する。
従来の回転変換機構を有するエンジンは、ピストンが最高圧縮位置(上死点)を移動中に爆発開始すると、フライホイールを含む回転変換機構の慣性力によってピストンが移動し、燃焼室の断熱膨張が進むため、圧力が低下した状態の混合気の爆発となり、熱効率は低くなっている。熱効率を高めようとして爆発タイミングを早めようとすると、ノッキングが発生したり、上死点前の爆発力で回転変換機構に大きな衝撃が発生したりするという悪影響が出るため、爆発のタイミング設定に大きな制限があった。
本発明のエンジンは、燃焼室中央に吸排気弁がなく、燃焼カスが堆積して高温部が偏在する構造ではないため、高圧縮比であってもノッキングは発生しにくく、また、早期爆発の衝撃でエンジンが損傷するような構造でないので、爆発タイミングの設定に制約されず、ピストンが移動していない最高圧力の状態で爆発できるため、高圧縮比の高熱効率を可能にする。
圧縮比可変制御は、アルコール、LPG、液体水素、ガソリンあるいは軽油などの燃料に対し、それぞれに好適な燃焼条件となる圧縮比を設定することができるため、燃料の多様性を可能にする。
燃焼頻度制御は、従来の吸排気ポート式エンジンより反転タイミングを遅らせ、排気吸入行程時間が伸びるため、混合気の均一化を促進する時間を確保することができ、ポートのストローク方向の開口長さを短くすることができるので、ピストンストロークの有効圧縮工程距離が長くなり、高熱効率を可能にする。また、燃焼期間を伸長することによって、軽負荷であっても高熱効率を維持する。
圧縮比可変制御と燃焼頻度制御は独立して制御されるものであり、個別に制御されることもあれば、同時に混合して制御されることもある。
本発明の電動発電部は、ピストンとモータ可動子が一体であるため、発電機駆動変換装置の機械損失がないため、低機械損失であり、ピストンが高速状態で発電するため、高発電出力であり、そして、一般の整流回路素子より、モータ駆動回路素子による発電は低損失であるため、高効率発電である。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、高熱効率であるため、低冷却損失であり、シリンダ内壁が燃焼ガスと接触する表面積が小さいため、シリンダ側への伝導熱量が小さく、また、シリンダ部の外周が外気と広い面積で接触し冷却効率がよいため、強制冷却の損失が小さい。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、クリーンな排気ガスである。均一状態の混合気が理想空燃比で未燃焼ガスが少なく高燃焼効率で燃焼するため、HC、COの発生が少ない。また、混合気に潤滑油が含まれず、燃焼室にも潤滑油が侵入しないため、排気ガスには、従来の2ストロークエンジンにあるような潤滑油の未燃焼分および不完全燃焼分が含まれない。そして、本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、爆発で高温高圧となった燃焼ガスが軽量の対向ピストンを急加速後、断熱膨張で瞬時に温度と圧力が降下するという特徴を有する燃焼サイクルであるため、高温高圧下で生成されるNOxの発生する量が少ない。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、従来の吸排気弁機構がなく、ピストンがシリンダ内壁のポートを介して直接に排気動作と吸入動作し、また、回転運動変換機構であるコンロッド、クランクシャフト、バランサ、およびフライホイールなどの重量部品がなく、EGR装置、ブローバイガス還元装置が不要で、冷却装置および潤滑油循環装置は簡易で補機類が少なく、そしてピストンの支持体と一体化した可動子質量の小さいモータで直接発電するため、軽量である。さらに、モータは起動装置、発電機および燃焼制御を兼用し、燃焼室間の空間に効果的に分散配置されるため、軽量、コンパクトでシンプルな構成である。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、移動中心位置の定位置停止状態では、各燃焼室の圧力バランスがとれ、運転中は可動部であるピストン群の動的バランスがとれ、また、対となる燃焼室の混合気は時間差がなく同時爆発するため、瞬時的にも偶力が発生せず爆発バランスがとれるので、低振動である。排気時のピストンは低速度となり、排気ポートからの排気圧が徐々に開放されるので、排気音が抑制され、また、従来ピストンの首振り運動に起因するようなシリンダ壁への打音がないので、低騒音である。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、燃焼サイクルの制御パラメータを電気的に管理し制御できるため、調整箇所が少なく、調整が容易である。また、制御パラメータを停止中だけでなく、運転中においてもリアルタイムに手動あるいは自動で可変可能であるため、メンテナンス性および操作性がよい。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、可動部分が少なく、消耗部品が少なく、耐久性があり、操作が簡単でメンテナンスが容易である。ピストンはモータおよび圧空ポンプ部と一体化し、ベアリングはなく、双頭ピストン部のピストンリングでシリンダボア内壁を摺動するので、可動部品が少ない。また、吸入ポートおよび排気ポートと相対し接触するピストンリングの通過速度が遅く、負荷によって燃焼頻度を低くしたり、燃焼を停止したりすることが可能なため、従来の一定頻度で運転し続けるエンジン発電機よりピストンの摺動回数が少なくて済むため、ピストンリングの消耗が少ない。圧空ポンプ部のシールは密閉度の要求は低いため、摺動抵抗は抑えられ、消耗が少ない。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、モータを同相および逆相制御で起動準備後、共振圧縮起動し自動で運転に移行し、運転後は、負荷状態によって、燃焼頻度制御あるいは自動で瞬時停止と瞬時再起動をするため、操作が簡単であり、広範囲の負荷変動に対して、高熱効率を維持することが可能である。このことは、定格負荷以外で運転している場合に熱効率が悪化する従来のエンジン発電機に比べ、本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は実用上の熱効率でさらに有利であることを意味している。
また、運転中に制御異常があっても、燃焼室の圧縮反発力によって、対向ピストン同士の衝突による損傷を自己防御し、安全に停止することができる。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機は、上記のように部品点数が少なく、高価な精密可動部品が少ないため廉価である。具体的には、ギア部品、カム部品、弁機構および回転軸部品がなく、補機類が少なく、それらに付随する配管類が少ない。シリンダ数は多くても、同一部品の組合せで構成されシンプルである。そして、部品加工、組立および調整が容易なため、製造組立工数が少ない。
ここで、本発明において、「円環体状」とは、円環体の一部を上面視で扇形に切り取った形状である。また、本発明において「円筒状」とは、円筒の一部を切り取った形状である。また、本発明において「順方向」とは、双頭ピストンを上面視で時計方向に回転する方向である。一実施形態においては、起動準備動作時に対向フリーピストンエンジン発電機の電源を投入し、双頭ピストンを最初に移動させる方向は逆方向であり、反時計回りの方向である。また、本発明において「第1の燃焼室群」とは、一つ置きに交互に配置されて燃焼サイクルが相補関係にある一方の燃焼室群であり、「第2の燃焼室群」とは、他方の燃焼室群である。一実施形態において、「第1の燃焼室群」は、図中の上端に位置する燃焼室C1と図中の下端に位置する燃焼室C3を指し、「第2の燃焼室群」とは、図中の左端に位置する燃焼室C4と図中の右端に位置する燃焼室C2を指す。また、本発明において「燃焼室群」とは対向フリーピストンエンジン発電機に設けられた複数あるいは全燃焼室を指す。また、本発明において「残留ガス」とは燃料を含まない外気のみのガス、未点火のまま残留した混合気と点火後に排気されず残留した未燃焼ガスおよび燃焼済ガス等の燃焼室に存在する気体の総称である。
本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100(燃料供給部120とエンジン制御部130等を除く)のエンジン部110を例示した外観斜視図である。 図1に示した対向フリーピストンエンジン発電機100のエンジン部110の陰影を除き輪郭線のみとした斜視図である。 図2の点火プラグIm、混合気生成部Jm、圧空タンクTm、排気管Xm、エアフィルタ40、冷却フィン13を取外した状態の斜視図である。 図3の燃焼シリンダLm、モータコイル31、圧空ポンプ室隔壁54を取外した状態の図であり、双頭ピストンDm(支持体Rm、ピストンヘッドHm)およびモータマグネット32、燃焼室Cmの空間を例示する斜視図である。 図4に陰影を付けた斜視図である。 本発明を適用した第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機のエンジン部210の基本構成部のみを簡略化した外観斜視図である。 本発明を適用した第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機(燃料供給部120とエンジン制御部130等を除く)のエンジン部210を一部透視状態で例示した外観斜視図である。 本発明を適用した第3の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機のエンジン部310の基本構成部のみを簡略化した外観斜視図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の圧縮状態および膨張状態を説明した上面図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100のユニフロー掃気を説明した上面図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の吸入状態および排気状態を説明した断面図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の起動準備動作を示した説明図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の起動動作を示した説明図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の停止動作を示した説明図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の起動動作を例示したピストン位置-時間説明図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の圧縮比可変制御を例示したピストン位置-時間説明図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の圧縮比可変制御を説明した上面図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の燃焼頻度可変制御を例示したピストン位置-時間説明図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の制御を説明した状態遷移図である。 本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の制御ブロック図である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100を例示する外観斜視図である。図2は、図1に示した対向フリーピストンエンジン発電機100の陰影をなくし輪郭線のみとした状態の図である。図3は、図2に示した対向フリーピストンエンジン発電機100において、エアフィルタ40、圧空タンクTm、排気管Xm、点火プラグIm、混合気生成部Jm、および冷却フィン13を取り外した状態の斜視図である。図4は、図3に示した対向フリーピストンエンジン発電機100の燃焼シリンダLm、モータコイル31、および圧空ポンプ室隔壁54を取り外した状態の図であり、双頭ピストンDm(支持体Rm、ピストンヘッドPm)、およびモータマグネット32を例示する斜視図である。図5は、図4に示した対向フリーピストンエンジン発電機100の双頭ピストンDmに陰影を付けた状態の斜視図である。
ここで、本発明において、「支持体」とは、ピストンヘッドを支持するための構造体である。支持体としては、例えば、円弧状に湾曲して形成され、断面が正円状あるいは円筒状に形成されたシャフトが挙げられる。
本実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100は、回転変換機構を使用することなく、高効率の電力を取り出すことができる発電機であり、エンジン部110と、電動発電部(モータ)Mmと、図20に示すエンジン制御部130、発電機電力制御部140、バッテリ90、および燃料供給部120(図20)から構成される。
ここで、本発明において「電動発電部」とは、電動機と発電機の両方の機能を有し、その両方の機能を発揮するものである。電動発電部としては、例えば、モータ(発電変換部)等が挙げられる。
そして、本発明の本発明の対向フリーピストンエンジン発電機100の制御としては、図20に示す発電機電力制御部140とエンジン制御部130の構成により、図9から図19に示す制御が行われる。
(エンジン部110)
エンジン部110は、ガソリンや天然ガス等の燃料を双頭ピストンDmの往復(揺動)運動に変化させるエンジンであって、燃焼室Cmを形成し、排気口11と吸入口12および点火プラグ取付口71を配置する燃焼シリンダLmと、燃焼シリンダLm内を往復運動する双頭ピストンDmと、エアフィルタ40と、圧空ポンプ部Pmと、圧空タンクTmと、排気管Xmと、点火プラグIm、混合気生成部Jmと、冷却フィン13を有し、位置エンコーダEmと双頭ピストンDmを駆動するための電動発電部(モータ)Mmおよび燃料供給部120が接続される。
本実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100は、4つの双頭ピストンD1、D2、D3、D4と4つの燃焼シリンダL1、L2、L3、L4が交互に配置され、全体で円環体状に同一円周上に形成されている。双頭ピストンDmは、円弧状に形成された支持体Rmと、支持体Rmの両端に設けられた一対のピストンヘッドHmから形成され、燃焼室Cmで発生する燃焼圧力によって、燃焼シリンダLm内の同一円周上を燃焼サイクルで往復運動するエンジン部110の一部品である。
ピストンヘッドHmは、円周方向に湾曲した略円柱状に形成され、ピストンヘッドHmの外側面には、トップリング22、セカンドリング23およびオイルリング24が設けられており、ピストンヘッドHmの支持体Rm側の内側は圧空ポンプ部Pmを形成するための空間が設けられている。ピストンヘッドHmはそれぞれ近接する別の燃焼シリンダLmの内壁に嵌合した状態で配置される。具体的には、支持体R1の一端に設けられたピストンヘッドH11は燃焼シリンダL1に嵌合され、支持体R1の他端に設けられたピストンヘッドH12は隣接する別の燃焼シリンダL2に嵌合された状態で、ピストンヘッドH11とH12はそれぞれ別の燃焼シリンダL1とL2内を燃焼サイクルに合わせて往復運動する。
ピストンヘッドHmは、上部にU字状の溝を有し、双頭ピストンDm同士が最接近するとこの溝部分が円筒状の混合気溜まりを形成し、その円筒軸上に配置された点火プラグImによって、圧縮された混合気81が点火される。
燃焼シリンダLm両端部の下部(鉛直下方)にピストンの摺動潤滑用の油溜まり(図示せず)を8個所に有する。
(圧空ポンプ部Pm)
4ストロークエンジンでは、吸入行程と排気行程内が独立したストローク(行程)で行われ、負圧で混合気の吸入行程が行われるのに対し、本発明の2ストロークエンジンでは、吸入行程が排気行程内と同じストロークで行われるため、圧空57で吸入行程が行われる。圧空ポンプ部Pmは上記圧空57を生成する部材である。圧空ポンプ部Pmは、エアフィルタ40上面の通気口41から吸引し、エアフィルタ40内部で濾過した外気(エアー)42で電動発電部Mmのモータコイル31とモータマグネット32を冷却し、その後、吸気用逆止弁(一方向弁)51のある圧空ポンプ吸気口55を介して外気42を取り込む。
圧空ポンプ部Pmは、燃焼シリンダLmの内側と、対向する2つのピストンヘッドHmの背面内側と、圧空ポンプ室隔壁54と、で囲まれた領域から形成され、双頭ピストンDmの往復動作に連動して外気42を圧縮して圧空57を生成し、給気用逆止弁(一方向弁)52のある圧空ポンプ排気口56を介して圧空タンクTmに送る。
(圧空タンクTm)
圧空タンクTmは、燃焼シリンダLmに送る圧空57を一時的に蓄積するタンクである。4つの圧空タンクT1,T2,T3,T4は独立していてもよいし、各燃焼シリンダLmへの圧空57の圧力差を減らし、また圧空供給時の圧力変動を円滑化するために、これらを連結して1つのタンクとしてもよい。
(燃焼シリンダLm)
燃焼シリンダLmは、その中央箇所が燃焼室Cmとなる部材であり、内部に空洞をもつ円環体状で円周方向に湾曲して形成され、対向フリーピストンエンジン発電機100の同一円周上に4つの燃焼シリンダLmが均等配置されている。燃焼シリンダLmは一体成形されたものでもよいし、上下別々に分割形成されたものでもよい。
1つの燃焼シリンダLmの内壁には、対向する2つのピストンヘッドHmが嵌合されおり、これらに挟まれた空間によって燃焼室Cmが形成されている。
燃焼シリンダLmの上部中央位置には、燃焼室内Cmの混合気81に点火するための点火プラグImが設けられており、また燃焼シリンダLmの一端の外周には燃焼室Cm内の残留ガスあるいは燃焼ガス84を排気管Xmに排気するための排気口11が設けられ、燃焼シリンダLmの他端の内周には、混合気生成部Jmからの圧空57あるいは混合気81を吸入するための吸入口12が設けられている。
排気口11および吸入口12は、燃焼シリンダLmの両端部のそれぞれ反対の位置に配置されているので、燃焼室の掃気が効率よく、一方向(ユニフロー)で行われる。
(排気管Xm)
排気管Xmは、燃焼室Cmの燃焼ガス84を燃焼シリンダLmの排気口11から排気管入口61を通して、効率よく、かつ消音して排気管出口62から外部に排気するため部材である。燃焼ガス84を排気口11から排気するタイミングは燃焼シリンダLm内を往復運動する双頭ピストンDmのピストンヘッドHmが排気口11を通過するタイミングで決まる。
(混合気生成部Jm)
混合気生成部Jmは圧空タンクTmからの圧空57と燃料供給部120からの燃料82を混合し、混合気制御装置Gmによって適正な燃料濃度の混合気81を生成し、燃焼シリンダLmに送る部材である。排気行程は吸入行程に先行して開始され、燃焼ガス84が排気され燃焼室Cmの圧力が低下すると、吸入行程が開始され、混合気生成部Jmは圧空57のみを燃焼シリンダLmに送り、燃焼室Cmの掃気を行い、その後生成した混合気81を燃焼シリンダLmに注入し、燃焼室Cmを混合気81で充填し、排気行程と吸入行程が終了する。
吸入行程の開始タイミングは、燃焼シリンダLm内を往復運動する双頭ピストンDmのピストンヘッドHmが吸入口12を通過するタイミングで決まり、混合気81の吸入(注入)タイミングは混合気生成部Jmの制御タイミングで決まる。
(モータMm)
モータMmは、双頭ピストンDmに各々設けられ、図20に示すエンジン位相同期制御装置QmとモータドライバVmによって、燃焼シリンダLm内の双頭ピストンDmを駆動し、それぞれ独立して位相同期制御するとともに、燃焼サイクルによる双頭ピストンDmの往復運動を利用して直接発電する発電機Gmを兼用する電動発電部Mmであり、支持体Rm、位置エンコーダEm、モータマグネット32と、モータコイル31から構成される。位置エンコーダEmは、支持体Rmに各々設けられ、モータMmの磁極位置検出器と双頭ピストンDmの位置を検出する位置検出器を兼用し、図20に示すエンジン制御部130に接続される。
本実施例において、モータコイル31は、環状に導線を巻いたコイルであり、モータマグネット32の外周にモータマグネット32を囲むようにコイルが巻かれた状態で形成されており、複数のモータコイル31の中心を、支持体Rmの軸方向に各磁極を対向するように配置した複数のモータマグネット32が貫通するように配置されており、モータコイル31群は固定子として、支持体Rmに一体化して配置されるモータマグネット32群は可動子として機能する。
(エンジン制御部130)
エンジン制御部130は、対向フリーピストンエンジン発電機100の制御部であり、点火制御装置Smと混合気制御装置Gmおよびエンジン位相同期制御装置Qmで構成される。
点火制御装置Smは、点火タイミングを制御し、混合気制御装置Gmは、合気生成部Jmの適正な燃料濃度の混合気の生成とその発生タイミングを制御する。
また、エンジン位相同期制御装置Qmは、双頭ピストンDmを制御し、起動準備、起動、運転(圧縮比可変制御、燃焼頻度可変制御)、停止、再起動準備およびシャットダウンの制御を行う。運転中においては、前記燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンWkを与えモータMmを制御し、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行う。上記「予め設定した」とは、運転前であってもよいし、運転中の次の燃焼サイクルが始まる前までであってもよい。
(発電機電力制御部140)
発電機電力制御部140は、モータMmの力行および回生の制御を行うとともに、起動電源用と負荷供給電力平滑用(ピーク電力対策用)として接続されたバッテリ90の充放電制御と負荷Zへの供給電力制御を行う。
図9は第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の上面からの断面図である。
双頭ピストンD4のピストンヘッドH42と双頭ピストンD1のピストンヘッドH11が最接近し、双頭ピストンD2のピストンヘッドH22と双頭ピストンD3のピストンヘッドH21が最接近し、燃焼室C1および燃焼室C2が高圧状態で点火直前の状態であることを表している。また、双頭ピストンD1のピストンヘッドH12と双頭ピストンD2のピストンヘッドH21が最離間し、双頭ピストンD3のピストンヘッドH32と双頭ピストンD4のピストンヘッドH41が最離間し、燃焼室C2および燃焼室C4が排気および吸入状態であることを表している。燃焼シリンダL2の排気口11から排気63が排気管X2の排気間入口61と排気管出口62を経由して排気されている。燃焼シリンダL3の排気口11から排気63が排気管X3の排気間入口61と排気管出口62を経由して排気されている。ピストンヘッドH41の背後に配置された圧空ポンプ部P41が外気62を通気口41から吸引して圧空タンクT4に供給し、ピストンヘッドH12の背後に配置された圧空ポンプ部P22が外気62を通気口41から吸引して圧空タンクT1に供給し、また、ピストンヘッドH21の背後に配置された圧空ポンプ部P21が外気62を通気口41から吸引して圧空タンクT2に供給し、ピストンヘッドH32の背後に配置された圧空ポンプ部P32が外気62を通気口41から吸引して圧空タンクT3に供給していることを表している。そして圧空タンクT2から燃焼シリンダL2の吸入口12へ混合気81を注入し、圧空タンクT4から燃焼シリンダL4の吸入口12へ混合気81を注入していることを表している。
ここでは、図の見通しのよさを優先し、圧空タンクTmと燃焼シリンダLmの吸入口12の間に配置される混合気生成部Jmを省略している。
(ユニフロー掃気の説明)
図10は、第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100のユニフロー掃気を説明する説明図である。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機100は、排気工程と吸入行程を同時に行う2ストロークエンジンであり、燃焼シリンダLmの排気口11と吸入口12が燃焼シリンダLmの長手方向の反対側位置に配置されているため、排気方向と吸入方向が同一方向となり、掃気流83が渦巻き状となるため、掃気効率がよく、混合気83がさらに均一化しやすいユニフロー掃気方法である。
排気タイミングは吸入タイミングより早いため、高圧の燃焼ガス84が排気され、燃焼室Cmが低圧となると、吸入口12から先ず圧空57が注入され、燃焼シリンダLm内を掃気後、混合気81が注入される。このように混合気81の注入タイミングを圧空57の注入タイミングより遅らせることによって、混合気81が排気口11から「吹き抜け」することを防止あるいは制限することができるため、排気63中の炭化水素を少なくすることができる。
ここでは、図9と同様に、図の見通しのよさを優先し、圧空タンクTmと燃焼シリンダLmの吸入口12の間に配置される混合気生成部Jmを省略している。
図11は、第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100の排気状態および吸入状態を説明する説明図である。
燃焼室シリンダL1で対向する双頭ピストンD4、D1のピストンヘッドH42、H11が最接近位置に移動して燃焼室C1が高圧となると、点火プラグI1で混合気81に点火して爆発させる。燃焼室ガスB1が膨張してピストンヘッドH42、H11を離間させ、ピストンヘッドH42が排気口11を開口させると中圧の燃焼ガス84が排気口11から排気63として排気される。燃焼シリンダL1内の圧力が低下すると、ピストンヘッドH11が吸気口12を開口し、先ずは圧空タンクT1から導入管43と逆止弁53を経由して圧空57が吸入口12へ注入される、圧空57は燃焼シリンダ内を渦巻き状の掃気流83となり、燃焼シリンダL1内に残留している燃焼ガス84を押し出し、排気口11から排気する。圧空57の注入から少し遅れたタイミングで、混合気生成部J1で燃料82を供給(噴射)し、混合気81を吸入口12へ注入する。圧縮行程が開始され、ピストンヘッドH11が吸入口11を閉口し、ピストンヘッドH41が排気口11を閉口する。このとき、混合気57が吸入口12から注入されて排気口11に到達するまでに時間遅れがあるため、圧空57で燃焼シリンダL1内が十分に掃気されるとともに、排気口11が閉口するまでに排気される混合気57の「吹き抜け」を防止することができる。このため単一ピストンであって、排気口と吸入口が燃焼シリンダの同一端側にある2ストロークエンジンの欠点は、本発明の対向フリーピストンエンジン発電機100では問題とならない。
図12は起動準備動作の説明図である。図11に示したエンジン部をさらに模式化している。
図12の12aは初期停止・起動準備開始動作を示している。全双頭ピストンDmは停止し(位置不定)、各燃焼室Cmに残留ガスがある状態である。この状態から全双頭ピストンDmをCCW(反時計)方向に回転開始する。
図12の12bはCCW端原点サーチ停止動作を示している。全双頭ピストンDmを各燃焼シリンダLmのCCW端で停止する。CCW端の原点サーチを電気的にしてもよいし、機械的に当て止めでしてもよい。このとき、全燃焼室Lmの残留ガスの一部が排気口11から排気される(図中▲印)。また、外気42が圧空ポンプ部P42、P12、P22、P32によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T2、T3、T4に送られる。
図12の12cは吸気準備動作を示している。全双頭ピストンDmを各燃焼シリンダLmのCW(時計)方向に回転する。各燃焼室Cmに大気圧の残留ガスがある。また、外気42が圧空ポンプ部P11、P21、P31、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T2、T3、T4に送られる。
図12の12dはCCW端原点サーチ停止動作を示している。全双頭ピストンDmを各燃焼シリンダLmのCW端で停止する。このとき、圧空タンクT1、T2、T3、T4から圧空81がそれぞれ燃焼シリンダL1、L3に送られる。また、外気42が圧空ポンプ部P11、P21、P31、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T2、T3、T4に送られる。
図12の12eは部分排気動作を示している。全双頭ピストンDmをCCW(反時計)方向に回転し、各CCW端で停止する。このとき、全燃焼室Lmの残留ガスの一部が排気口11から排気され(図中▲印)、外気42が圧空ポンプ部P42、P12、P22、P32によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T2、T3、T4に送られる。
図12の12fは部分吸気・吸入動作を示している。全双頭ピストンDmをCW(時計)方向に回転し、各CW端で停止する。このとき、圧空タンクT1、T2、T3、T4からの圧空57と燃料82が混合された混合気81がそれぞれ燃焼シリンダL1、L2、L3、L4に送られ、外気42が圧空ポンプ部P11、P21、P31、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T2、T3、T4に送られる。
上記図12の12eと12fの動作は繰り返される。燃焼室Cmの燃料82の濃度が低いときは、上記図12の12eの動作と図12の12fの動作を適宜繰り返す。
図12の12gは定位置停止・起動準備完了動作を示している。全双頭ピストンDmをCCW(反時計)方向に回転し、各移動中心定位置Nmで停止し、起動準備を完了する。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42、P12、P22、P32によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T2、T3、T4に送られる。全燃焼室Cmは十分な燃料82の濃度の混合気81が低圧で充填された状態である。また全圧空タンクTmには十分な圧力の圧空57が充填された状態である。
圧空ポンプ部P42、P12、P22、P32内の圧力は、圧空ポンプ部P11、P22、P32、P42内の圧力の圧力より高くなっているが、圧空ポンプ部Pmの吸気用逆止弁51は静的状態での密閉度を高くしていないため、一定時間が経過すると、全圧空ポンプ部Pm内の圧力は大気圧となる。
図13は起動動作および運転動作の説明図である。
図13の13hは起動開始動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4をCCW方向に回転後に停止する。このときの各双頭ピストンDmの回転量は駆動するそれぞれのモータMmの推力で決まる。燃焼室C1、C3の混合気81は減圧状態となり、燃焼室C2、C4の混合気は加圧状態となって、各モータMmがそれぞれの双頭ピストンDmに与えた運動エネルギは、空気バネのように各燃焼室Cmの混合気81の圧力変動分として蓄積される。このとき、外気42が圧空ポンプ部P21、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
図13の13iは共振圧縮動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4をCW方向に回転後に停止する。上記図13の13hとは逆に燃焼室C1、C3の混合気は加圧状態となり、燃焼室C2、C4の混合気は減圧状態となって、各モータMmがそれぞれの双頭ピストンDmに与えた運動エネルギは、さらに各燃焼室Cmの混合気81の圧力変動分として蓄積される。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
図13の13jは、共振圧縮動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4をCCW方向に回転後に停止する。上記図13の13iとは逆に燃焼室C1、C3の混合気は減圧状態となり、燃焼室C2、C4の混合気は加圧状態となって、各モータMmがそれぞれの双頭ピストンDmに与えた運動エネルギは、さらに各燃焼室Cmの混合気81の圧力変動分として蓄積される。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42,P11、P22、P31によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
上記図13の13iと図13の13jの動作は繰り返される。上記図13の13iの動作と図13の13jの動作を交互に繰り返すことによって、各燃焼室Cmの混合気81の圧力変動値を徐々に増大することができる(共振圧縮)。モータMmの1回の圧縮動作では混合気81を高圧縮にできないが、このように複数回圧縮動作を繰り返すことによって、混合気81を均一濃度で、容易に着火可能な高圧縮の高温状態にすることができる。このように混合気81を空気バネのように圧縮反発力を利用して共振圧縮する方法は従来から使用され、本発明の起動方法では特に有用な起動方法である。また、同時に圧空タンクTmの圧力を十分に高くすることができる。
図13の13kは、点火動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4をCW方向に回転し、燃焼室C2、C4の混合気81が排気も吸入もされない位置であって、燃焼室C1、C3の混合気81は着火可能に圧縮された状態で点火される。燃焼室C1、C3の圧縮比は定常運転時よりも低いため、燃焼ガス84の爆発力は定常運転時より弱い。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
図13の13lは膨張・圧縮動作を示している。燃焼室C1、C3の燃焼ガス84の爆発力によって、双頭ピストンD1、D3をCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4がCCW方向に回転する。燃焼室C1、C3は膨張行程となり、燃焼室C2、C4は圧縮行程となる。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42,P11、P22、P31によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
図13の13mは排気・吸入動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCW端で停止し、双頭ピストンD2、D4をCCW端で停止する。このとき、燃焼室C1、C3の燃焼ガス84が排気され、同時に燃焼室C1、C3に混合気81が吸入される(ユニフロー掃気)。そして燃焼室C2、C4の混合気81が上記図13の13kの混合気81よりさらに高圧縮となった状態で点火される。燃焼室C2、C4の圧縮比は定常運転時よりも低いため、燃焼ガス84の爆発力は定常運転時より弱い。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42,P11、P22、P31によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
図13の13nは膨張・圧縮動作を示している。燃焼室C2、C4の燃焼ガス84の爆発力によって、双頭ピストンD1、D3をCCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4をCW方向に回転する。燃焼室C1、C3は圧縮行程となり、燃焼室C2、C4は膨張行程となる。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
図13の13oは定常運転動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCCW端で停止し、双頭ピストンD2、D4をCW端で停止する。このとき、燃焼室C2、C4の燃焼ガス84が排気され、同時に燃焼室C2、C4に混合気81が吸入される(ユニフロー掃気)。そして燃焼室C1、C3の混合気81が高圧縮となった状態で点火される。燃焼室C1、C3の燃焼ガス84の爆発力は定常運転時と同じであり、モータM4、M2はCW方向で発電し、M1、M3はCCW方向で発電する。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
図13の13pは定常運転動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCW端で停止し、双頭ピストンD2、D4をCCW端で停止する。このとき、燃焼室C1、C3の燃焼ガス84が排気され、同時に燃焼室C1、C3に混合気が吸入される(ユニフロー掃気)。そして燃焼室C2、C4の混合気81が高圧縮となった状態で点火される。燃焼室C2、C4の燃焼ガス84の爆発力は定常運転時と同じであり、モータM4、M2はCCW方向で発電し、M1、M3はCW方向で発電する。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42,P11、P22、P31によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
以後、定常運転では図13の13oの動作と図13の13pの動作を交互に繰り返す。
図14は運転状態から運転停止するまでの停止動作の説明図である。
図14の14qは、停止準備動作を示している。双頭ピストンD1、D3をCCW端で停止し、双頭ピストンD2、D4をCW端で停止する。このとき、燃焼室C2、C4の燃焼ガス84が排気され、同時に燃焼室C2、C4に定常運転時より少ない燃料82と圧空57の混合気81が吸入される。そして、燃焼室C1、C3の混合気81が高圧縮となった状態で点火する。燃焼室C1、C3の混合気の爆発力は定常運転時と同じであり、モータM4、M2はCW方向で発電し、モータM1、M3はCCW方向で発電する。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
図14の14rは停止準備動作を示している。燃焼室C1、C3の燃焼ガス84の爆発力によって、双頭ピストンD1、D3をCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4がCCW方向に回転する。その後、双頭ピストンD1、D3をCW端で停止し、双頭ピストンD2、D4をCCW端で停止する。このとき、燃焼室C1、C3燃焼ガス84が排気され、同時に燃焼室C1、C3に定常運転時より少ない燃料82と圧空57の混合気81が吸入される。そして、燃焼室C2、C4の混合気81を高圧縮となった状態で点火する。燃焼室C2、C4の混合気81の爆発力は定常運転時より弱い。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42,P11、P22、P31によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
図14の14sは停止準備動作を示している。燃焼室C2、C4の燃焼ガス84の爆発力によって、双頭ピストンD1、D3をCCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4がCW方向に回転する。その後、双頭ピストンD1、D3をCCW端で停止し、双頭ピストンD2、D4をCW端で停止する。このとき、燃焼室C2、C4の燃焼ガス84が排気され、同時に燃焼室C2、C4に定常運転時より少ない燃料82と圧空57の混合気81が吸入される。しかし、燃焼室C1、C3の混合気81を高圧縮となった状態でも点火しない。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
図14の14tは共振減衰動作(制振)を示している。燃焼室C1、C3の混合気81の圧縮反発力によって、双頭ピストンD1、D3をCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4がCCW方向に回転する。その後、双頭ピストンD1、D3をCW端手前で停止し、双頭ピストンD2、D4をCCW端手前で停止する。このとき、燃焼室C1、C3の混合気81は排気されず、また新たな燃料82と圧空57の混合気81は吸入されない。燃焼室C2、C4の混合気81を高圧縮することはなく、点火もしないので、爆発しない。このとき、外気42が圧空ポンプ部P42,P11、P22、P31によって加圧され、それぞれ圧空タンクT1、T3に送られる。
図14の14uは共振減衰動作(制振)を示している。燃焼室C2、C4の混合気81の圧縮反発力によって、双頭ピストンD1、D3をCCW方向に回転し、双頭ピストンD2、D4がCW方向に回転する。その後、双頭ピストンD1、D3をCCW端手前で停止し、双頭ピストンD2、D4をCW端手前で停止する。このとき、燃焼室C2、C4の混合気81は排気されず、また新たな燃料84と圧空57の混合気81は吸入されない。燃焼室C1、C3の混合気を高圧縮にすることはなく、点火もしないので、爆発しない。このとき、外気42が圧空ポンプ部P12,P21、P32、P41によって加圧され、それぞれ圧空タンクT2、T4に送られる。
上記図14の14tと図14の14uの動作は繰り返される。各双頭ピストンDmがそれぞれの移動中心定位置Nmで停止しない場合は、上記図14の14tの動作と14uの動作を交互に複数回繰り返す(制振)。
図14の14vは定位置停止・再起動準備完了動作を示している。各双頭ピストンDmをそれぞれの移動中心定位置Nmで停止し、定位置停止動作を完了し、再起動準備動作を完了する。全燃焼室Cmは十分な燃料82の濃度の混合気81が低圧で充填された状態である。また全圧空タンクTmには十分な圧力の圧空57が充填された状態である。
(本発明発電機の起動および運転動作)
図15は本発明装置の起動および運転動作の説明図である。図15において、縦軸は、各ピストンヘッドの位置Yを表し、横軸は時間tを表している。
縦軸は、各燃焼室C1、C2、C3、C4の中心位置を原点Oとして、上から順に燃焼室C1で対向するピストンヘッドH42とピストンヘッドH11の各位置Y42とY11、燃焼室C2で対向するピストンヘッドH12とピストンヘッドH21の各位置Y12とY21,燃焼室C3で対向するピストンヘッドH22とピストンヘッドH31の各位置Y22とY31、燃焼室C2で対向するピストンヘッドH32とピストンヘッドH41の各位置Y32とY41を表している。
また、排気行程と吸気行程、圧縮行程、燃焼(爆発)行程および膨張行程を行う1燃焼サイクル単位の複数の双頭ピストンの位置制御パターンWk(W1,W2,W3,・・・)を表している。
双頭ピストンD1、D2、D3、D4はそれぞれモータM1、M2、M3、M4で駆動され、ピストンヘッドH11とピストンヘッドH12、ピストンヘッドH21とピストンヘッドH22、ピストンヘッドH31とピストンヘッドH32、ピストンヘッドH41とピストンヘッドH42はそれぞれ支持体Rmで連結され一体として移動するため、縦軸のY11とY12、Y21とY22、Y31とY32、Y41とY42をそれぞれの原点Oに対して軸方向を反転して表わしている。図15において、燃焼室Cmで対向するピストンヘッドHmの原点O同士を一致させず離しているのは、燃焼室Cmで対向するピストンヘッドHm同士が最接近した場合に一定の距離があることを示し、燃焼室Cmが最圧縮時に一定の容量を確保していることを示すためである。本発明のエンジン部110において、各ピストンヘッドHmが対向するピストンヘッドHmの可動域に進入することを許す構造であれば、各ピストンヘッドHmの位置を自身の原点Oを超えて表わすことになる。
ここで排気位置と吸入位置を点線で表し、各燃焼室Cmの点火位置を図中●印で表している。
各ピストンヘッドHmの位置を、時間軸t方向に対して、定位置停止状態から順に、起動待機、起動(共振圧縮)、低頻度燃焼運転、高頻度燃焼運転、低頻度燃焼運転の各状態について表わし、各状態の遷移がわかりやすいようにしている。
上記起動状態の動作では、5回の圧縮膨張行程おいて、各ピストンヘッドHmを排気位置と吸入位置に到達させず、無吸気、無排気の状態で混合気81の圧縮時の圧力ピーク値を増大した(共振圧縮)後、点火し、運転に移行している。低頻度燃焼運転、高頻度燃焼運転では、ピストンヘッドHm(H11、H12等)の運動特性において、膨張行程の立ち上がりの傾斜と圧縮行程の立ち下がりの傾斜は変化しないが、排気行程および吸入行程の緩やかな傾斜部分の期間は、低頻度燃焼運転では長く、高頻度燃焼運転では短くなっている。
図16は図15の運転部分で圧縮比可変制御した場合を示している。燃焼室C1の圧縮比を可変する場合、ピストンヘッドH42、H11に対応するそれぞれの双頭ピストンD4、D1に圧縮比に応じた各位置制御パターンを与え、位相同期制御することによって、燃焼室C1内で対向するピストンヘッドH42、H11の最接近位置と最離間位置を可変し、点火タイミングを可変する。
圧縮比を高くするには、ピストンヘッドH42、H11の原点Oから最接近位置までの距離を小さくし、最離間位置までの距離を大きくし、点火タイミングを遅くする。上記高圧縮比運転では、双頭ピストンD1、D2の往復距離(振動幅)が増大する。次に圧縮比を低くするには、ピストンヘッドH42、H11の原点Oから最接近位置までの距離を大きくし。最離間位置までの距離を小さくし、点火タイミングを早くする。上記低圧縮比運転では、双頭ピストンD1、D2の往復距離(振動幅)が縮小する。
圧縮比可変制御では、図20に示すエンジン位相同期制御装置Qmで各モータMmを駆動し、各双頭ピストンDmを位相同期制御することによって圧縮比を可変し、点火制御装置Smによって点火タイミングを可変する。このとき、混合機制御装置Fmは、燃焼状態が最適になるように、混合気生成部Jmを適宜制御する。
エンジン部の熱効率を向上するには、高圧縮比で運転することが好ましいが、使用する燃料82によっては、点火する前に自己着火し、各燃焼室の爆発タイミングを同期することが困難になる場合や、クリーンな排気63を保つために圧縮比の上限が制限される場合がある。それゆえ実際には、使用する燃料82によってあらかじめ圧縮比を設定するが、運転開始直後や環境温度が低い場合には、爆発前の燃焼室の混合気温度を高くし、エンジン部の起動をよくするために、より圧縮比を高くして運転を開始することができる。
上記のように圧縮比可変制御では、特別の機構を必要とすることなく、多様な燃料82に対応し、また起動性が向上する。従来の圧縮比を可変できない回転式エンジン発電機では、ピストンの上死点が固定されるという機構のために、ピストンがシリンダヘッドに衝突することはないという利点がある。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機100は、対向する双頭ピストンDm同士の接近を制限する機構を有しないが、燃焼室Cm中央部に弁機構などが存在しないため、ピストンヘッドHm同士が接近すると、燃焼室Cmが圧縮漏れを発生することなく、その圧力が急激に上昇し、ピストンヘッドHm同士が圧縮反力によって衝突を自己回避するため、安全性が高いという特長を有する。
図17は燃焼室C2において、圧縮比可変制御した場合を示している。17aは燃焼室C2内で対向するピストンヘッドH12,H21が最離間位置(低圧縮比運転)での排気および吸入の状態を表している。17bはピストンヘッドH12,H21が最接近位置(低圧縮比運転)での爆発を表している。17cはピストンヘッドH12,H21が最接近位置(高圧縮比運転)での爆発を表している。ピストンヘッド間の距離が小さく、燃焼室C2の点火時の混合気体積が小さく、高圧縮比での爆発状態を表している。
図18は図15の燃焼頻度可変制御の運転部分の時間軸を拡大した場合を示し、左から高頻度燃焼運転(高出力運転)、中頻度燃焼運転(中出力運転)、と低頻度燃焼運転(低出力運転)における燃焼室C1内でのピストンヘッドH42、H11に与えられた各位置制御パターンで位相同期制御された運動特性を表している。
ピストンヘッドH42、H11の圧縮行程と膨張行程において、運動特性の傾斜部の位置制御パターンに変化はなく、上底および下底に移行する部分が、高頻度燃焼運転(高出力運転)では短く、中頻度燃焼運転(中出力運転)では長く、低頻度燃焼運転(低出力運転)では更に長くなっている。点火位置の間隔もそれぞれ順に長くなり、単位時間当たりの燃焼回数が変化して、燃焼頻度はそれぞれ順に「高く」、「低く」、「さらに低く」なっている。
ここで、1回の燃焼当たりの爆発力は変化しないため、上記ように燃焼頻度に応じて異なる双頭ピストンの位置制御パターンを双頭ピストンに与え、全双頭ピストンの位相同期制御をすることによって、高頻度燃焼運転では高出力運転であり、中頻度燃焼運転では中出力運転であり、低頻度燃焼運転では低出力運転になる。圧縮行程、燃焼行程、膨張行程は高速でおこなわれるため、高熱効率が維持され、負荷の変動に柔軟に対応することができる制御であることを示している。
燃焼頻度を可変する場合、燃焼室C1の対向するピストンヘッドH42、H11の最接近位置と最離間位置をそのままとし、点火タイミングを可変する。燃焼頻度を高頻度から低頻度にするには、点火後の膨張行程でピストンヘッドH42、H11の原点Oから最離間位置近傍までは速度パターンをそのままとし、その後、それぞれの双頭ピストンD4、D1、(D2、D3)を急制動し、ピストンヘッドH42、H11が最離間位置に到達するタイミングを遅くする。そして、燃焼室C1の排気行程および吸入行程を経て、ピストンヘッドH42、H11が最離間位置に到達すると相補関係にある隣接する燃焼室C4,C2を点火する(図15)。このとき、燃焼室C4,C2で対向するピストンヘッドH32、H41とピストンヘッドH12、H21同士は最接近位置にある(図15)。
上記燃焼室C4,C2に点火後に、その爆発力で燃焼室C1内のピストンヘッドH42、H11が圧縮行程に入る。ピストンヘッドH42、H11が最接近位置近傍までは位置パターンをそのままとし、その後、それぞれの双頭ピストンD4、D1、(D2、D3)を急制動し、ピストンヘッドH42、H11が最接近位置に到達するタイミングを遅くする。そして、ピストンヘッドH42、H11が最接近位置に到達すると燃焼室C1,(C3)を点火する。このように、双頭ピストンD4、D1、(D2、D3)の往復距離(振動幅)は一定であるが、燃焼間隔が大きくなり、低頻度燃焼運転となる。
そして、膨張行程と圧縮行程の終端部以外で速度パターンが変化しないため、燃焼条件が変化せず熱効率が維持され、また発電効率が維持されたまま、エンジン出力を低くし、発電出力を低くすることができる。
燃焼頻度可変制御では、図20に示すエンジン位相同期制御装置Qmで、運転中に、燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンDmのそれぞれに、予め設定した燃焼頻度ごとに異なる双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの燃焼頻度に応じた位置制御パターン(高頻度燃焼運転パターン、中頻度燃焼パターン、低頻度燃焼運転パターン)を与えて各モータMmを駆動し、各双頭ピストンDmを位相同期制御することによって燃焼頻度を可変し、点火制御装置Smによって点火タイミングを可変する。このとき、混合機制御装置Fmは、燃焼状態が最適になるように、混合気生成部Jmを適宜制御する。
低頻度燃焼運転時の膨張行程と圧縮行程において、各双頭ピストンDmが急制動を受けるまで、その移動速度と継続時間は高頻度燃焼運転時と同等であり、その移動速度が低く発電に寄与しない排気行程と吸入行程の期間を長くするため、高効率の発電が維持される。吸入行程に圧空57を使用し、混合気81濃度を維持するため、燃焼条件は変化しない。
上記のように燃焼頻度可変制御では、特別の機構を必要とすることなく、高熱効率と高発電効率およびクリーンな排気ガスを維持したまま、負荷変動に対して、瞬時に発電出力を任意に可変できるという特長を有する。
従来の回転式エンジン発電機では、ピストン駆動系の慣性質量が大きいため、本発明のエンジン発電機のように、点火直前にピストンを急制動することは不可能であり、軽負荷時にはエンジン回転数を低くし、発電出力を減少している。そのため、定格負荷時に最大熱効率となるように燃焼条件を設定したエンジンは、軽負荷時には熱効率が下がり、軽負荷運転が繰り返されるような運転状態では、定格負荷時の熱効率を維持できなかった。
図19は本発明の対向フリーピストンエンジン発電機100の制御モードの状態遷移図である。
図19の19bは初期停止状態である。双頭ピストンDmは不定位置で停止している。燃焼室Cmの残留ガスはほぼ大気圧である。
図19の19cは起動準備状態である。上記図19の19bの状態で起動準備指令を受けると起動準備する。全双頭ピストンDmを同一方向に回転することによって、全燃焼室Cmの残留ガスを新しい混合気81に入れ替える。
図19の19dは起動待機状態である。各双頭ピストンDmの位置をそれぞれの移動中心位置Nmで停止し、起動待機状態となる。このとき、全燃焼室Cmに混合気81がほぼ大気圧で充填されている。
図19の19eは起動状態である。上記図19の19dの状態で手動あるいは自動で運転指令を受けると、全双頭ピストンDmを位相同期制御し、共振圧縮で混合気81の圧力ピーク値を増大後、点火して起動する。その後、起動直後の弱い爆発力から、定常運転並の強い爆発力へと移行する。
図19の19fは軽負荷の運転状態である。運転後に軽負荷であれば、低頻度燃焼制御で運転する。このとき、燃焼間隔は大となり、発生電力は小さい。定格負荷となれば、以下の図19の19gに移行する。
図19の19gは定格負荷の運転状態である。運転後に定格負荷であれば、高頻度燃焼制御に移行して運転する。このとき、燃焼間隔は小となり、発生電力は大きい。軽負荷となれば、上記図19の19fに移行する。
図19の19hは再起動準備状態である。運転時に停止指令を受けるか、あるいは運転時に無負荷となると自動停止指令を自身で発生し、再起動準備する。運転状態の強い爆発力から弱い爆発力に移行し、全燃焼室に混合気が充填されたままとなるように双頭ピストンDmを位相同期制御および点火制御する。その後自動停止し、上記図19の19dに戻る。
図19の19iはシャットダウン状態である。上記図19の19dの状態でシャットダウン指令を受けると、全燃焼室Cmの残留ガスを排気後、自動停止し、以下の図19の19jに移行する。
図19の19jは完全停止状態である。各双頭ピストンDmはそれぞれの移動中心位置Nmで定位置停止するが、電源遮断すると、双頭ピストンは拘束されず開放されるので、不定位置となり、上記図19の19bの状態に戻る。
図19の19kは異常停止状態である。上記図19の19bから図19の19jで通電状態にあるとき、異常を検出すると異常内容を表示するとともに、双頭ピストンを異常停止し、発電出力を停止する。
図20は、本発明の対向フリーピストンエンジン発電機100のエンジン部110のエンジン制御部130、発電機電力制御部140および燃料供給部120を含む制御ブロック図である。
エンジン部110の各双頭ピストンDmにそれぞれモータ(発電機兼用)Mm(Gm)が配置され、各モータMmにそれぞれモータドライバ(直流交流変換器)Vmが接続され、各モータドライバVmには、それぞれエンジン位相同期制御装置Qmが接続されている。エンジン部110の各点火プラグImには、それぞれ点火制御装置Smが接続され、エンジン部110の各混合気生成部には、それぞれ混合気制御装置Fmが接続されている。
モータドライバVmがエンジン位相同期制御装置Qmの指令を受け、モータMmを介して双頭ピストンDmを駆動し、エンジン部110を位相同期制御する場合は、バッテリ90の電力を図20中の矢印20cから20fへと供給する。エンジン部110の運転時にモータ(発電機兼用)Mm(Gm)が発電する場合は、図20中の矢印20eの発電電力の一部を、直流変換器142を経由して(図20中の矢印20b)、バッテリ90を充電し、他の発電電力を、直流交流変換器143を経由して(図20中の矢印20a)、負荷150に給電する(図20中の矢印20g)。このとき、負荷150に対するモータMmからの発電電力が不足する場合には、バッテリ90から直流変換器142を経由して(図20中の矢印20d)、負荷150に重畳して給電するとともに、エンジン制御部130がエンジン部110を高頻度燃焼運転に移行し、モータMmの発電電力を増大する。また負荷150に対するモータMmからの発電電力が充足する場合には、エンジン制御部130がエンジン部110を低頻度燃焼運転に移行し、モータMmの発電電力を減少する。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明を適用した第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機を例示する模式図である。第1の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100では、4つの双頭ピストンDmを、4つのモータMmを使用して独立に位置制御を行っているが、第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機では、その円環体状のエンジン部210において、相対する双頭ピストンD1とD3をリンクK1で連結し、双頭ピストンD2とD4同士をリンクK2で連結することで、双頭ピストンDmのエンジン位相同期制御装置Qmを4つから2つに減少させ、制御を簡単にしたものである。また、円環体状のエンジン部210の内側に2つのモータM1とM2を上下に配置し、モータM1が双頭ピストンD1とD3をリンクK1で連結し、モータM2がリンクK2で双頭ピストンD2とD4を連結している。その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため重複する説明を省略する。
図7は、本発明を適用した第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機を例示する外観斜視図である。円環体状のエンジン部110の内側にアウタロータモータである2つのモータM1とM2が配置され、モータM1が双頭ピストンD1とD3をリンクK1で連結し、モータM2がリンクK2で双頭ピストンD2とD4を連結している。モータMmがアウタロータモータであり、可動子と固定子間の磁気利用率が高いため、軽く薄い形状であってもトルク特性と発電特性がよく、エンジン部110の構成として、外側に配置された燃焼シリンダLmは、内側に配置されたモータMmと隔離されているため、モータMmは燃焼熱伝導の影響を受けにくく、また、エンジン部110のピストンヘッドHmの背後の空間余裕が大きくなり、圧空ポンプ部Pmの設計自由度が増すという利点がある。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明を適用した第3の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機を例示する模式図である。
第1および第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100は、双頭ピストンDmと燃焼シリンダLmが交互に配置され全体で円環体状に形成され、双頭ピストンDmと燃焼シリンダLmは同一円周上に配置されていたが、第3の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機300は、燃焼シリンダLbmおよび双頭ピストンDbmが同一矩形上に配置されたものであり、それぞれの頂点に燃焼室Cmが三角柱状に形成されている。
1つの燃焼シリンダLbm内に1つの双頭ピストンDbmが嵌合し往復運動する構成である。その他の構成は第1の実施形態と同様であるため重複する説明を省略する。上記燃焼室の形状の制約のため、第1および第2の実施形態の対向フリーピストンエンジン発電機100が可能な圧縮比まで高くできないが、構成部品の加工が容易であるという利点がある。
本発明の対向フリーピストンエンジン発電機はその特性上、混合気生成部Jmに燃料インジェクタを使用した方が相性がよい。それは、低頻度燃焼運転時には混合気を注入するタイミングを遅らせて制御できるため、燃料が排気に混入することを防止できるためである。
このように、本発明の対向フリーピストンエンジン発電機の燃焼室を円環体状にも矩形状にも形成することが可能で、用途によって適切な形状を適宜選択することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
上記実施形態では用途を限定せずに説明を行ったが、停電時の緊急電源、屋外作業および屋外イベント用電源、車載用および航空機搭載用レンジエクステンダ電源等に使用可能である。
100 対向フリーピストンエンジン発電機、
110,210,310 エンジン部、
K1,K2 リンク、
Lm,L1,L2,L3,L4 燃焼シリンダ、
Lbm,Lb1,Lb2,Lb3,Lb4 燃焼シリンダ、
Cm,C1,C2,C3,C4 燃焼室、
CW 時計回り(順方向)、
CCW 反時計回り(逆方向)、
Nm,N1,N2,N3,N4 移動中心定位置、
11 排気口、
12 吸入口、
13 冷却フィン、
Dm,D1,D2,D3,D4 双頭ピストン、
Dcm,Dc1,Dc2,Dc3,Dc4 双頭ピストン、
Rm,R1,R2,R3,R4 支持体、
Hm,H11,H12,H21,H22,H31,H32,H41,H42
ピストンヘッド、
21 支持体取付ボルト穴、
22 トップリング、
23 セカンドリング、
24 オイルリング、
Mm,M1,M2,M3,M4 モータ(電動発電部)、
Gm,G1,G2,G3,G4 発電機(電動発電部)、
31 モータコイル、
32 モータマグネット、
Em,E1,E2,E3,E4 位置エンコーダ、
40 エアフィルタ、
41 通気口、
42 外気(エアー)、
43 導入管、
Pm,P11,P12,P21,P22,P31,P32,P41,P4
圧空ポンプ部、
Tm,T1,T2,T3,T4 圧空タンク、
51 吸気用逆止弁、
52 給気用逆止弁、
53 圧空用逆止弁、
54 圧空ポンプ室隔壁、
55 圧空ポンプ吸気口、
56 圧空ポンプ排気口、
57 圧空、
Xm,X1,X2,X3,X4 排気管、
61 排気管入口、
62 排気管出口、
63 排気、
Im,I1,I2,I3,I4 点火プラグ、
71 点火プラグ取付口、
Jm,J1,J2,J3,J4 混合気生成部、
81 混合気、
82 燃料、
83 掃気流、
84 燃焼ガス、
90,Bat バッテリ、
120 燃料供給部、
130 エンジン制御部、
Sm,S1,S2,S3,S4 点火制御装置、
Fm,F1,F2,F3,F4 混合気制御装置、
Qm,Q1,Q2,Q3,Q4 エンジン位相同期制御装置、
W1,・・・,Wk,・・・,Wn 位置制御パターン(n個、k番目)
140 発電機電力制御部、
Vm,V1,V2,V3,V4 モータドライバ(直流交流変換器)、
142 直流変換器、
143 インバータ、
150,Z 負荷
上記部品等の符号について、複数の同一部品を、Xmのように部品の呼称Xにmを付けて総称で表すこととし、個別の部品の呼称をX1,X2,X3,X4のように部品の呼称Xに番号を付けて表すこととする。本実施例では、双頭ピストンDmとして、4つの双頭ピストンD1、D2,D3、D4がある。

Claims (12)

  1. 支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返すことを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機。
  2. 前記燃焼シリンダおよび前記双頭ピストンは円環体状に形成されて同一円周上に配置され、前記燃焼室は前記同一円周上の全円周を4等分した位置に各々配置されていることを特徴とする請求項1記載の対向フリーピストンエンジン発電機。
  3. 前記同一円周上に配置された双頭ピストンのうち、一つ置きの双頭ピストン同士の支持体が円の中心の点対称位置となるように連結されていることを特徴とする請求項2記載の対向フリーピストンエンジン発電機。
  4. 前記燃焼シリンダおよび前記双頭ピストンは円筒状に形成されて同一矩形のそれぞれの辺上に配置され、前記燃焼室は前記矩形上の各々の頂点の位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の対向フリーピストンエンジン発電機。
  5. 前記ピストンヘッドの背面内側には、前記燃焼サイクルに使用する圧空を生成するための圧空ポンプ部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の対向フリーピストンエンジン発電機。
  6. 支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法であって、運転停止中に起動準備指示を受けると起動準備動作を行った後に起動動作に移行するものであり、前記起動準備動作は、前記双頭ピストンを逆方向に移動させることにより全燃焼室群の残留ガスを排気する排気工程と、前記双頭ピストンを順方向に移動させることにより全燃焼室群に混合気を吸入する吸入行程と、全燃焼室に混合気を蓄積した状態で前記全双頭ピストンをそれぞれの移動中心定位置に停止し待機する停止工程を有することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法。
  7. 請求項6記載の対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法を完了後、起動指示を受けると、前記燃焼シリンダに囲まれ、一つ置きに交互に配置されて燃焼サイクルが相補関係にある第1の燃焼室群と第2の燃焼室群のうち、いずれか一方の燃焼室群が点火され、その爆発力により前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されることによって定常運転に移行することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の起動方法。
  8. 請求項6記載の対向フリーピストンエンジン発電機の起動準備動作方法を完了後、起動指示を受けると、前記燃焼シリンダに囲まれ、一つ置きに交互に配置されて燃焼サイクルが相補関係にある第1の燃焼室群と第2の燃焼室群のうち、いったん一方の燃焼室群の混合気を圧縮するように、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンを互いに接近させ、次に他方の燃焼室群の混合気を圧縮するように前記双頭ピストンを互いに離間させ、さらにこれを繰り返すことによって発生する前記燃焼室群の混合気の共振による圧縮変動を利用して、前記燃焼室の圧力振幅を徐々に増大させた後、前記第1または第2の燃焼室群が点火され、その爆発力により前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されることによって定常運転に移行することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の起動方法。
  9. 支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法であって、運転中に運転停止指示を受けると、再起動準備動作の後に停止するものであり、前記再起動準備動作は、混合気の量を少なくして運転された後、その弱められた爆発力により第1または第2の燃焼室群の双頭ピストンが、前記燃焼シリンダ内で互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されないよう制御し、その後、全双頭ピストンの位置制御を行うことによって、それぞれの移動中心定位置に停止するとともに前記第1および第2の全燃焼室群に混合気を蓄積した状態で再起動するために待機することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法。
  10. 支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法であって、運転中に運転停止指示を受けると、再起動準備動作の後に停止するものであり、前記再起動準備動作は、前記運転時よりも早いタイミングで点火された後、その弱められた爆発力により第1または第2の燃焼室群の双頭ピストンが、前記燃焼シリンダ内で互いに離間するとともに、点火された前記燃焼室群の排気行程および吸入行程が行われ、他方の点火されてない燃焼室群が圧縮後点火されないよう制御し、その後、全双頭ピストンの位置制御を行うことによって、それぞれの移動中心定位置に停止するとともに、前記第1および第2の全燃焼室群に混合気を蓄積した状態で再起動するために待機することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の停止方法。
  11. 支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法であって、運転中に、前記燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンのそれぞれに、予め設定した圧縮比ごとに異なる双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの圧縮比に応じた位置制御パターンを与え、前記燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンの最接近位置あるいは最接近距離を、予め設定した値に変更するように、圧縮比可変燃焼制御することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法。
  12. 支持体の両端に一対のピストンヘッドを有する複数の双頭ピストンと、前記双頭ピストンの間に設けられ燃焼シリンダで囲まれた燃焼室と、前記支持体に設けられた電動発電部を備え、前記双頭ピストンと前記燃焼室が交互に配置された対向フリーピストンエンジン発電機において、前記一対のピストンヘッドはそれぞれが相対する別の前記燃焼シリンダ内に摺動可能に嵌め込まれ、前記燃焼シリンダ両端部のそれぞれ反対の位置に排気口と吸入口が配置され、前記燃焼シリンダ内で対向する前記双頭ピストンのそれぞれに、1燃焼サイクル単位の双頭ピストンの位置・時間特性を目標値として指示する予め設定した双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの制御に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの往復運動の位相同期制御を行うエンジン位相同期制御装置を有し、前記燃焼シリンダ内で前記双頭ピストンが互いの往復運動の位相を同期して接近と離間を繰り返すように前記電動発電部を制御することによって、燃焼サイクルおよび発電サイクルを繰り返す対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法であって、運転中に、前記燃焼シリンダ内で対向する双頭ピストンのそれぞれに、予め設定した燃焼頻度ごとに異なる双頭ピストンの位置制御パターンの中からそのときの運転の燃焼サイクルの燃焼頻度に応じた位置制御パターンを与え、全双頭ピストンの位相同期制御を行うことで、燃焼頻度可変制御することを特徴とする対向フリーピストンエンジン発電機の運転方法。
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