JP7163281B2 - 2-(4-クロロフェニル)-n-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドによる血液系悪性腫瘍の治療 - Google Patents

2-(4-クロロフェニル)-n-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドによる血液系悪性腫瘍の治療 Download PDF

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Description

1.関連出願
本出願は、2016年6月6日出願の米国仮出願第62/346,344号の利益を主張し、この開示は、参照によりその全体が組み込まれる。
2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体により、血液系悪性腫瘍を治療、予防、管理及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。血液系悪性腫瘍を治療、予防、管理及び/または改善する方法において使用するための化合物がさらに提供され、該化合物は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体である。
がんは、主に、所与の正常組織に由来する異常細胞の数の増加、これらの異常細胞による隣接組織への侵入、または局所リンパ節への悪性細胞のリンパ節もしくは血液由来の蔓延及び転移を特徴とする。臨床データ及び分子生物学的研究は、がんが、わずかな前新生物変化から開始される多段階のプロセスであり、ある特定の条件下で新生組織形成へと進行し得ることを示している。新生物病変は、特に、腫瘍性細胞が宿主の免疫監視を回避する条件下で、クローン的に発生し、侵入、成長、転移及び異質化の増大する能力を発達させ得る。現行のがん療法は、患者の腫瘍性細胞を根絶するための外科手術、化学療法、ホルモン療法及び/または放射線治療を含み得る。がん療法における近年の進歩は、Rajkumar et al.in Nature Reviews Clinical Oncology 11,628-630(2014)において論じられている。
現行のがん療法アプローチはすべて、患者にとって顕著な欠点を伴う。例えば、外科手術は、患者の健康によっては禁忌であり得るか、または患者にとって許容し難いものであり得る。さらに、外科手術では、腫瘍性組織を完全に除去することができない可能性もある。放射線療法は、腫瘍性組織が放射線に対して正常組織よりも高い感受性を示す場合にのみ効果的である。放射線療法は、深刻な副作用を誘発することもしばしばある。ホルモン療法が単剤として施されることはほとんどない。ホルモン療法は、効果的であり得るが、それは、他の治療によってがん細胞の大部分を除去した後に、がんの再発を予防するまたは遅延させるために使用されることが多い。
化学療法に関しては、がんの治療に利用可能な様々な化学療法剤が存在する。がん化学療法剤の大部分は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸前駆体の生合成を阻害して、DNA複製及び付随する細胞分裂を防止することにより直接的または間接的のいずれかでDNA合成を阻害することによって作用する。Gilman et al.,Goodman and Gilman′s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,Twelfth Ed.(McGraw Hill,New York)。
様々な化学療法剤が利用可能であるにもかかわらず、化学療法には多くの欠点がある。Stockdale,Medicine,vol.3,Rubenstein and Federman,eds.,ch.12,sect.10,1998。ほぼすべての化学療法剤が毒性であり、化学療法は、重度の吐き気、骨髄抑制及び免疫抑制を含む、重大かつしばしば危険な副作用を引き起こす。さらに、化学療法剤の組合せを投与しても、多くの腫瘍細胞は、化学療法剤に対して耐性であるか、または耐性を起こす。実際には、治療プロトコルに使用される特定の化学療法剤に対して耐性を示す細胞は、それらの薬剤が特定の治療に使用される薬物の機序と異なる機序により作用する場合であっても、他の薬物に耐性を示すことを証明することが多い。この現象は、多面的薬物耐性または多剤耐性と称される。薬物耐性のため、多くのがんは、標準的な化学療法治療プロトコルに不応性であることが判明しているか、または不応性となる。
血液系腫瘍、例えば白血病、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、ならびに骨髄異形成症候群(MDS)の治療のための、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体を含む、抗がん剤の投与のための安全かつ有効な投与量及び投与レジメンの必要性がある。
一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体(「化合物1」)を対象に投与することによって、血液系腫瘍、例えば白血病を治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを対象に投与することによるAMLの治療方法が、本明細書に提供される。
一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体(「化合物1」)を対象に投与することによって、骨髄異形成症候群(MDS)を治療、予防、管理及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、MDSは、再発性、耐性または不応性MDSである。一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを対象に投与することによるMDSの治療方法が、本明細書に提供される。
一実施形態では、有効量の化合物1を対象にサイクルで投与することによって、血液系腫瘍を治療、予防、管理及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを投与することを含む。一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを投与することを含む。一実施形態では、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを投与することを含む。
一実施形態では、対象は、化合物1の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及び/またはビタミンDの補充が投与される。一実施形態では、対象は、治療サイクルの1日目の化合物1の投与の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充が投与される。
一実施形態では、化合物1は、少なくとも2日の投与期間及び少なくとも1日の休止期間を含む治療サイクルで投与される。
一実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルに少なくとも5日の投与期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルに5日の投与期間を含む。
ある特定の実施形態では、AMLを含む白血病、より具体的には再発性または不応性AMLの治療、予防、改善及び/または管理における使用に好適な化合物1を含む薬学的組成物、単一単位剤形、及びキットが、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、MDSの治療、予防、改善及び/または管理における使用に好適な化合物1を含む薬学的組成物、単一単位剤形、及びキットが、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、そのような組成物は、化合物1を、任意に1つ以上の他の治療薬と組み合わせて含む。ある特定の実施形態では、AMLを含む白血病、より具体的には再発性または不応性AMLの治療に使用するための化合物1を含む薬学的組成物が、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、MDSの治療に使用するための化合物1を含む薬学的組成物が、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、そのような組成物は、化合物1を、任意に1つ以上の他の治療薬と組み合わせて含む。
本明細書に記載の主題のこれら及び他の態様は、以下の発明を実施するための形態を参照することにより明らかになるであろう。
化合物1の形態A、B、C、D、及びEのX線粉末ディフラクトグラムスタックプロットを示す。
化合物1の形態AのX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)プロットを示す。
化合物1の形態AのSEM画像を示す。
化合物1の形態Aの熱重量分析(TGA)プロットを示す。
化合物1の形態Aの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムプロットを示す。
化合物1の形態Aの動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを提供する。
化合物1の形態AのH NMRスペクトルを提供する。
圧縮前(a)及び圧縮後(b)の化合物1の形態AのX線粉末ディフラクトグラムプロットの比較を示す。
化合物1の形態BのXRPDプロットを示す。
化合物1の形態BのSEM画像を示す。
化合物1の形態BのTGAサーモグラムプロットを示す。
化合物1の形態BのDSCサーモグラムプロットを示す。
化合物1の形態BのDVS等温線プロットを提供する。
化合物1の形態BのH NMRスペクトルを提供する。
圧縮前(a)及び圧縮後(b)の化合物1の形態BのX線粉末ディフラクトグラムプロットの比較を示す。
化合物1の形態CのXRPDプロットを示す。
化合物1の形態CのSEM画像を示す。
化合物1の形態CのTGAサーモグラムプロットを示す。
化合物1の形態CのDSCサーモグラムを示す。
化合物1の形態CのDVS等温線プロットを提供する。
化合物1の形態CのH NMRスペクトルを提供する。
圧縮前(a)及び圧縮後(b)の化合物1の形態CのX線粉末ディフラクトグラムプロットの比較を示す。
化合物1の形態DのXRPDプロットを示す。
化合物1の形態DのTGAサーモグラムプロットを示す。
化合物1の形態EのXRPDプロットを示す。
化合物1の形態EのTGAサーモグラムプロットを示す。
非晶質化合物1の変調DSCサーモグラムプロットを示す。
非晶質化合物1のXRPDプロットを示す。
非晶質化合物1のH NMRスペクトルを示す。
図30A及び30Bは、HNT-34細胞が、化合物1によるインキュベーションの8~16時間以内にアポトーシスに傾倒することを示す。
AML骨髄試料中の正常なリンパ細胞に対する腫瘍からの活性領域の比較分析を提供する。図面において、****p<0.0001である。図面における記号は、推定当て嵌め関数から計算された、骨髄AML試料の腫瘍(円)及びリンパ腫(正方形)集団の個々の活性領域値を表す。
化合物1で治療された4つの異なるドナーからの顆粒球-単球及び赤血球前駆細胞の阻害を示す。
図33A、33B、及び33Cは、化合物1への異なる長さの曝露後の、ドナーHD46、HD47、HD48及びHD50からの骨髄及び赤血球前駆細胞のコロニー数を提供する。図33A~33Cにおいて、二元配置ANOVA、続いてターキーの多重比較検定を使用するDMSO対照と比較して、*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
30nM濃度での化合物1への曝露時の細胞生存性研究の結果を提供する。
骨髄異形成症候群を有する患者からの骨髄細胞に対する、化合物1への24時間曝露の効果を示す。生存細胞数は、用量依存的に(A)低減した。
骨髄異形成症候群を有する患者からの骨髄細胞に対する、化合物1への24時間曝露の効果が、カスパーゼ3活性(B)により測定されるアポトーシスの誘導によって媒介されたことを示す。
コロニー形成アッセイにおけるMDS前駆細胞(C)中の化合物1のより強い効果を示す。
コロニー形成アッセイにおけるストローマ共培養物中のHR-MDS及びAML前駆細胞の維持に対する、化合物1の効果を示す。MDS(n=3)、sAML(n=4)及び正常なドナー(NBM、n=5)からのCD34+骨髄細胞を、SL/M2ストローマとともに1週間共培養し、次いで2週間にわたってメチルセルロース中に播種した。
コロニー再播種アッセイにおけるストローマ共培養物中のHR-MDS及びAML前駆細胞の維持に対する、化合物1の効果を示す。同数の図36Aからのコロニーを、さらに2週間にわたってメチルセルロース中に再播種した。指示された濃度での化合物1を、共培養の開始時に、ビヒクル対照としてのDMSOとともに添加した。コロニーを採点して、細胞生存(図36A)及び自己再生(図36B)に対する化合物1の効果を判定した。***、p<0.001、1nMの化合物1で治療されたAML対正常な骨髄対照(一元配置ANOVA)。**、p<0.01、10nMの化合物1で治療されたAML対正常な骨髄対照(一元配置ANOVA)。エラーバーは、平均値±標準偏差を表す。
6.1定義
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開された出願及び他の刊行物は、参照によりそれら全体が組み込まれる。本明細書において用語に複数の定義が存在する場合、別途指示されない限り、本項における定義が優先する。
化合物1という用語は、以下の構造を有する「2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド」
Figure 0007163281000001
及びその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体を指す。ある特定の実施形態では、化合物1は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド及びその互変異性体を指す。ある特定の実施形態では、化合物1は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形体を指す。ある特定の実施形態では、化合物1は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形形態Cを指す。一実施形態では、立体異性体は、エナンチオマーである。
「対象」または「患者」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギまたはマウスを含む哺乳類を含むが、これらに限定されない動物を指す。「対象」及び「患者」という用語は、例えば、ヒト対象などの哺乳類対象に関して、本明細書において区別なく用いられる。
本明細書で使用される場合、「血液がん」は、骨髄腫、リンパ腫、及び白血病を含む。「血液がん」及び「血液系悪性腫瘍」という用語は、本明細書において区別なく用いられる。一実施形態では、骨髄腫は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、白血病は、例えば、急性骨髄性(myelogenousもしくはmyeloid)白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、成人T細胞白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞性白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性障害、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病、肥満細胞症またはB細胞急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、リンパ腫は、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞免疫芽球性リンパ腫、小非切断細胞リンパ腫、ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病/リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、AIDS関連リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、T細胞/組織球リッチ大細胞型B細胞リンパ腫、変形性リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、脾性辺縁帯リンパ腫、リヒターの変換、節性辺縁帯リンパ腫またはALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態では、血液がんまたは血液系悪性腫瘍は、例えば、DLBCL、濾胞性リンパ腫または辺縁帯リンパ腫を含む緩慢性リンパ腫である。
「白血病」という用語は、血液形成組織の悪性腫瘍を指す。白血病としては、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して再発性、不応性、または耐性であり得る。
一実施形態では、対象は、例えば、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を含む白血病を有する。一実施形態では、対象は、慢性リンパ球性白血病を有する。一実施形態では、対象は、慢性骨髄球性白血病。一実施形態では、対象は、急性リンパ芽球性白血病を有する。一実施形態では、対象は、急性骨髄性白血病を有する。一実施形態では、対象は、急性骨髄芽球性白血病。一実施形態では、白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して再発性、不応性、または耐性であり得る。一実施形態では、白血病は、再発性であり得る。一実施形態では、白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して不応性であり得る。一実施形態では、白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して耐性であり得る。一実施形態では、対象は、再発性または不応性AMLを有する18歳以上である。一実施形態では、対象は、不応性AMLを有する18歳以上である。
一実施形態では、対象は、例えば、以下のAMLの亜型を含む急性骨髄性(myelogenousまたはmyeloid)白血病(AML)を有する。「急性骨髄性(myelogenousまたはmyeloid)白血病」という用語は、骨髄中の主に未分化または最小限に分化した骨髄球系細胞の増殖及び蓄積を特徴とする血液学的状態を指し、FAB(フランス、アメリカ、イギリス)またはWHO分類システムのいずれかによって分類された亜型を含む。本明細書に記載されるように、AMLは、FAB分類に基づく以下の亜型を含む。M0(最小限に分化したAML)、M1(最小成熟を伴うAML)、M2(成熟を伴うAML)、M3(急性前骨髄球性白血病)、M4(急性骨髄単球性白血病)、M4(好酸球増加を伴うeos急性骨髄単球性白血病)、M5(急性単球性白血病)、M6(急性赤血球性白血病)、及びM7(急性巨核芽球性白血病)。本明細書に記載されるように、AMLは、WHO分類に基づく以下の亜型を含む。再発性遺伝子異常を伴うAML(染色体8と21との間の転位を伴うAML、染色体16における転位または侵襲を伴うAML、染色体9と11との間の転位を伴うAML、染色体15と17との間の転位を伴うAPL(M3)、染色体6と9との間の転位を伴うAML、染色体3における転位または侵襲を伴うAML);染色体1と22との間転位を伴うAML(巨核芽球性);脊髄形成異常関連変化を伴うAML、以前の化学療法または放射線に関連するAML(アルキル化剤関連AML、トポイソメラーゼII阻害剤関連AML);他の方法で分類されないAML(上記カテゴリーに含まれないAML、すなわち、最小限に分化したAML(M0)、最小成熟を伴うAML(M1)、成熟を伴うAML(M2)、急性骨髄単球性白血病(M4)、急性単球性白血病(M5)、急性赤血球性白血病(M6)、急性巨核芽球性白血病(M7)、急性好塩基性白血病、線維症を伴う急性汎骨髄症);骨髄性肉腫(顆粒球性肉腫、緑色腫、または髄外性骨髄芽球腫としても知られる);ならびに未分化及び混合型急性白血病(混合表現型急性白血病としても知られる)。(https://www.cancer.org/cancer/acute-myeloid-leukemia/detection-diagnosis-staging/how-classified.html(最終アクセス日2017年5月25日)を参照されたい)。
一実施形態では、対象は、例えば、以下のMDSの亜型を含む、骨髄異形成症候群(MDS)を有する。「骨髄異形成症候群」という用語は、血液の細胞成分(赤血球、白血球(リンパ球以外)、及び血小板(もしくはそれらの前駆細胞、巨核球))のうちの1つ以上の生成における異常を特徴とする血液学的状態を指し、以下の障害、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)、過剰な芽球を伴うRA(RAEB)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、未分類骨髄異形成症候群(MDS-U)、単離されたdel(5q)の染色体異常に関連する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性腫瘍、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)が含まれる。本明細書で使用される場合、MDSはまた、非常に低リスク、低リスク、中リスク、高リスク、または非常に高リスクのMDSを含む。いくつかの実施形態では、MDSは、原発性またはデノボMDSである。他の実施形態では、MDSは、二次性である。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、疾患もしくは障害、または疾患もしくは障害に関連する1つ以上の症状の根絶または緩和を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、疾患または障害の蔓延または悪化(かかる疾患または障害を有する患者への1つ以上の予防薬または治療薬の投与に起因する)を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施形態では、これらの用語は、特定の疾患の症状の発現後の、他の追加の活性薬剤を伴うまたは伴わない本明細書に提供される化合物の投与を指す。一実施形態では、疾患は、白血病であり、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して再発性、不応性、または耐性であり得る。一実施形態では、疾患は、AMLであり、上述のAMLの亜型を含む。一実施形態では、疾患は、MDSであり、上述のMDSの亜型を含む。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、疾患もしくは障害、またはそれらの1つ以上の症状の発現、再発、または蔓延の予防を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、特に本明細書に提供される疾患または障害の危険性がある患者への症状の発現前の他の追加の活性化合物を伴うまたは伴わない本明細書に提供される化合物での治療またはその投与を指す。これらの用語は、特定の疾患の症状の抑制または軽減を包含する。特にある疾患の家族歴を有する患者は、ある特定の実施形態では、予防レジメンの候補である。加えて、症状再発の病歴を有する患者もまた、予防の有力候補である。この関連で、「予防」という用語は、「予防的治療」という用語とともに区別なく使用することができる。一実施形態では、疾患は、白血病であり、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定されない一実施形態では、白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して再発性、不応性、または耐性であり得る。一実施形態では、疾患は、AMLであり、本明細書で論じられるAMLの亜型を含む。一実施形態では、疾患は、MDSであり、本明細書で論じられるMDSの亜型を含む。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「管理する」、「管理すること」、及び「管理」という用語は、疾患もしくは障害、またはそれらの1つ以上の症状の進行、蔓延、または悪化の予防または遅延を指す。多くの場合、患者が予防薬及び/または治療薬から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒をもたらさない。この関連で、「管理すること」という用語は、疾患の再発を予防もしくは最小限に抑えるための特定の疾患に罹患していた患者を治療すること、また緩解状態のままである期間を延長することを包含する。一実施形態では、疾患は、白血病であり、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、白血病は、少なくとも1種の抗がん療法に対して再発性、不応性、または耐性であり得る。一実施形態では、疾患は、AMLであり、本明細書で論じられるAMLの亜型を含む。一実施形態では、疾患は、MDSであり、本明細書で論じられるMDSの亜型を含む。
「有害作用」という用語は、当該分野におけるその従来かつ一般的な意味に従って使用され、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される化合物または組成物での治療から生じる、本明細書に記載される疾患の治療、予防、管理、または改善に関連する特定の病態を指し得る。1つのそのような有害作用は、好中球減少症の発現である。好中球減少症は、骨髄への損傷から生じ得、好中球産生及び/または成熟の抑制、排除、または妨害を(直接的または間接的に)引き起こす任意の病態を指す。
「不応性または抵抗性」という用語は、集中的な治療の後でさえも、対象または哺乳類が、自身の身体に残存がん細胞を有する状況を指す。
「薬物耐性」という用語は、疾患が、ある特定の薬物(複数可)の治療に応答しない場合の病態を指す。薬物耐性は、固有であり得るか(疾患が、特定の薬物(複数可)に決して応答しないことを意味する)、または獲得され得る(疾患が以前に応答していた特定の薬物(複数可)に応答しなくなることを意味する)。ある特定の実施形態では、薬物耐性は、固有である。ある特定の実施形態では、薬物耐性は、獲得される。
「再発した」という用語は、療法後にがんの寛解があった対象または哺乳類において、がん細胞の復帰がある状況を指す。
「循環療法」は、本明細書に記載される投与期間及び本明細書に記載される休止期間を含むレジメンまたは療法を指す。
本明細書で使用される場合、「投与期間」という用語は、対象に、本明細書に記載される化合物または組成物が継続的または活発に投与される期間を指す。
本明細書で使用される場合、「休止期間」という用語は、多くの場合、投与期間に続く、対象に、本明細書に記載される化合物または組成物が投与されない期間(例えば、治療の中断)を指す。ある特定の実施形態では、「休止期間」は、単一の薬剤が対象に投与されないか、または特定の化合物を使用する治療が中断される期間を指す。そのような実施形態では、第2の治療薬(例えば、以前の投与期間に投与された化合物または組成物とは異なる薬剤)が、対象に投与され得る。
「QD」という用語は、1日1回用量の投与を指す。
「決定すること」、「測定すること」、「評価すること」、「査定すること」、及び「アッセイすること」という用語は、本明細書で使用される場合、一般に任意の形態の測定を指し、要素が存在するか否かを決定することを含む。これらの用語は、定量的決定及び/または定性的決定の両方を含む。査定することは、相対的または絶対的であり得る。「の存在を査定すること」は、存在する何かの量を決定すること、ならびにそれが存在するか不在であるかを決定することを含み得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、化合物の「治療上有効な量」とは、疾患もしくは障害の治療もしくは管理に治療的利点を提供するか、または疾患もしくは障害に関連する1つ以上の症状を遅延させるもしくは最小限に抑えるのに十分な量である。化合物の治療上有効な量とは、単独での、または疾患もしくは障害の治療もしくは管理に治療的利点を提供する他の療法と組み合わせた治療薬の量を意味する。「治療上有効な量」という用語は、全体的な療法を改善するか、疾患もしくは障害の症状もしくは病因を軽減もしくは回避するか、または別の治療薬の治療効力を増強する量を包含し得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、化合物の「予防的に有効な量」とは、疾患もしくは障害を予防するか、またはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防的に有効な量とは、単独での、または疾患の予防に予防的利点を提供する他の薬剤と組み合わせた治療薬の量である。「予防的に有効な量」という用語は、全体的な予防法を改善するか、または別の予防薬の予防効力を増強する量を包含し得る。
本明細書で使用される場合、ECOGステータスは、以下に示される米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスを指す(Oken M,et al Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group.Am J Clin Oncol 1982;5(6):649-655)。
Figure 0007163281000002
本明細書で使用される場合、全生存(OS)は、臨床試験におけるランダム化から任意の原因による死亡までの時間を意味する。無増悪生存率(PFS)は、臨床試験におけるランダム化から進行または死亡までの時間を意味する。無事象生存(EFS)は、研究登録から、疾患の進行を含む任意の治療の失敗、任意の理由における治療の中止、または死亡までの時間を意味する。全奏功率(ORR)は、完全及び部分的な応答を達成する患者の割合の合計を意味する。奏功期間(DoR)は、応答の達成から再発または疾患の進行までの時間である。
本明細書で使用される場合、「化合物1で治療された患者集団」は、化合物1での任意の治療を受けた患者集団を指す。
本明細書で使用される場合、「化合物1で治療されていない患者集団」は、化合物1でのいかなる治療も受けていない患者集団を指す。そのような患者集団は、がんのいかなる治療も受けていない患者、プラセボで治療された患者、及び化合物1での治療以外の任意のがん療法で治療された患者を含む。
白血病患者において、特にAML患者において、治療に対する応答は、AMLにおける国際ワーキンググループの応答基準に基づいて査定され得る(Cheson et al.Revised recommendations of the International Working Group for diagnosis,standardization of response criteria,treatment outcomes,and reporting standards for therapeutic trials in acute myeloid leukemia.J Clin Oncol 2003;21(24):4642-9)。
Figure 0007163281000003
キー:AML=急性骨髄性白血病、CR=完全寛解、EMD=髄外疾患、IWG=国際ワーキンググループ、NA=該当なし。
本明細書で使用される場合、かつ別途示されない限り、「薬学的に許容される塩」という用語は、酸性基の塩が挙げられるが、これに限定されない。ある特定の酸性条件下で、化合物は、種々の無機酸及び有機酸を用いて多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の薬学的に許容される塩を調製するために使用され得る酸は、薬理学的に許容されるアニオンなどの塩を形成するものであり、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、塩酸塩、臭化物、ヨウ化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トリエチオジド、及びパモ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、かつ別途示されない限り、「水和物」という用語は、本明細書に提供される化合物またはその塩を意味し、非共有結合性分子間力によって結合された定比量または不定比量の水をさらに含む。水和物は、結晶性または非結晶性であり得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途示されない限り、「溶媒和物」という用語は、本明細書に提供される化合物に対する1つ以上の溶媒分子の会合から形成された溶媒和物を意味する。「溶媒和物」という用語は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物等)を含む。溶媒和物は、結晶性または非結晶性であり得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「立体異性体」という用語は、本明細書に提供されるすべての鏡像異性的に/立体異性的に純粋かつ鏡像異性的に/立体異性的に富化された化合物を包含する。
本明細書で使用される場合、かつ別途示されない限り、「立体異性的に純粋」または「鏡像異性的に純粋」という用語は、化合物が、1つの立体異性体を含むか、またはその対向立体異性体もしくは鏡像異性体を実質的に含まないことを意味する。例えば、化合物が、80%、90%、または95%以上の1つの立体異性体及び20%、10%、または5%以下の対向立体異性体を含有する場合、その化合物は、立体異性的にまたは鏡像異性的に純粋である。ある特定の場合において、本明細書に提供される化合物は、その化合物が、キラル中心に関して約80% ee(鏡像異性体過剰率)以上、特定のキラル中心に関して90% ee以上、より好ましくは特定のキラル中心に関して95% eeである場合、任意に活性または立体異性的に/鏡像異性的に純粋(すなわち、実質的にR形態または実質的にS形態)であるとみなされる。
本明細書で使用される場合、かつ別途示されない限り、「立体異性的に富化された」または「鏡像異性的に富化された」という用語は、ラセミ混合物ならびに本明細書に提供される化合物の立体異性体の他の混合物を包含する(例えば、R/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35、70/30)。
本明細書で使用される場合、任意の保護基、アミノ酸、及び他の化合物についての省略形は、別途示されない限り、それらの常例に従い、認識された省略形または生化学命名法に関するIUPAC-IUB委員会である(Biochem.1972,11:942-944)。
6.2化合物
本明細書に提供される方法での使用に適した化合物は、以下の構造を有する化合物1:2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
Figure 0007163281000004
あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体である。ある特定の実施形態では、化合物1は、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを指す。
化合物1は、本明細書に提供される実施例に記載される方法に従い、または米国特許第9,499,514号(この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるように調製され得る。化合物はまた、本明細書における教示に基づいて当業者に明らかな他の方法に従って合成され得る。
ある特定の実施形態では、化合物1は、固体である。ある特定の実施形態では、化合物1は、水和される。ある特定の実施形態では、化合物1は、溶媒和される。ある特定の実施形態では、化合物1は、無水である。
ある特定の実施形態では、化合物1は、非晶質である。ある特定の実施形態では、化合物1は、結晶性である。ある特定の実施形態では、化合物1は、2017年1月6日に出願された米国仮出願第15/400,630号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される結晶形態である。例示的な固体形態は、86~101頁に記載されている。
固体形態の化合物1は、2017年1月6日に出願された米国出願第15/400,630号に記載される方法に従って調製され得る。86~101頁を参照されたい。固体形態はまた、当業者に明らかな他の方法に従って調製することもできる。
一実施形態では、化合物1は、多形形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、または非晶質形態の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの多形体は、本明細書において簡潔に記載されている。
形態Aの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
ある特定の実施形態では、方法に使用するための化合物は、形態Aの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。
一実施形態では、形態Aは、非晶質形態の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。別の実施形態では、形態Aの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、結晶性である。
ある特定の実施形態では、形態Aは、ある特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒、室温でのアセトンならびにイソプロパノール及び水の溶媒混合物のうちの1つ以上を含む溶媒系からの結晶化によって得られる。ある特定の実施形態では、形態Aは、高温、例えば、約50℃でのエタノール/水(1:1)、アセトン、またはアセトニトリル中のスラリーから中間体固体形態として得られる。
ある特定の実施形態では、形態Aは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態では、形態Aは、実質的に図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、形態Aは、図2に示されるように、およそ11.5、15.6、16.6、17.2、18.1、19.0、19.6、21.1、23.2、または24.8度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Aは、およそ15.6、16.6、17.2、または24.8度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Aは、表Aに記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Aは、表Aに記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
表A
Figure 0007163281000005
一実施形態では、形態Aは、図3に示されるSEM写真を有する。
一実施形態では、結晶性形態Aは、図4に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する。ある特定の実施形態では、TGA重量損失は、形態Aでは観察されない。
一実施形態では、結晶性形態Aは、図5に示されるものに実質的に対応するDSCサーモグラムを有する。ある特定の実施形態では、形態Aは、229℃の開始温度及び118J/gの融解熱での溶融事象を含むDSCプロットによって特徴付けられる。
ある特定の実施形態では、形態Aは、動的蒸気収着分析によって特徴付けられる。代表的な動的蒸気収着(DVS)等温線プロットが図6に示される。ある特定の実施形態では、相対湿度(「RH」)が約0%から約90% RHに増加すると、形態Aは、1.5%未満、1.2%未満、または約1.2%w/wの水取り込みを呈する。ある特定の実施形態では、形態Aは、225℃に設定されたオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含む。
ある特定の実施形態では、形態Aの著しい分解も残留溶媒もH NMRでは観察されない(図7)。
ある特定の実施形態では、形態Aは、圧縮時のその安定性プロファイルによって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、形態Aは、安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、より広い回折ピークで実質的に不変のままである(図8)。
さらに別の実施形態では、形態Aは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Aは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Aの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
ある特定の実施形態、形態Aは、実質的に純粋である。本明細書におけるある特定の実施形態では、形態Aは、例えば、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態B、C、D、E及び/または非晶質固体形態を含む、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む他の固体形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、形態Aは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む固体形態の混合物であり、例えば、以下のうちの1つ以上を含む混合物が挙げられる。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態B、C、D、E、及び非晶質固体形態。
形態Bの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
ある特定の実施形態では、方法で使用するための化合物は、無水形態Bの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。
ある特定の実施形態では、形態Bは、ある特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒、メタノール/水、DMSO/イソプロパノール、DMSO/トルエン、及びDMSO/水のうちの1つ以上を含む溶媒系からの抗溶媒再結晶化によって得られる。ある特定の実施形態では、形態Bは、THF/水(1:1)からの冷却再結晶化によって得られる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、形態Bは、実質的に図9に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、形態Bは、図9に示されるように、およそ15.4、16.3、16.7、17.7、20.4、25.6、または27.5度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Bは、およそ16.7、25.6、15.4、または16.3度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Bは、表Bに記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Bは、表Bに記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
表B.化合物1の形態BのX線回折ピーク
Figure 0007163281000006
一実施形態では、形態Bは、図10に示されるSEM写真を有する。一実施形態では、形態Bは、図11に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する。ある特定の実施形態では、形態Bは、170℃より下でTGA重量損失を示さない。ある特定の実施形態では、形態Bは、170~230℃で0.4%のTGA重量損失を示す。
一実施形態では、結晶性形態Bは、図12に示されるものに実質的に対応するDSCサーモグラムを有する。ある特定の実施形態では、形態Bは、219~224℃での溶融/再結晶化事象及び231℃のピーク温度での主要溶融事象を含むDSCプロットによって特徴付けられる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、動的蒸気収着分析によって特徴付けられる。代表的な動的蒸気収着(DVS)等温線プロットが図13に示される。ある特定の実施形態では、相対湿度(「RH」)が約0%から約90%RHに増加すると、形態Bは、約1.4%w/wの水取り込みを呈する。ある特定の実施形態では、形態Bは、225℃に設定されたオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含む。
ある特定の実施形態では、形態Bは、H NMRによって著しい分解も残留溶媒も示さない(図14)。
ある特定の実施形態では、形態Bは、圧縮時のその安定性プロファイルによって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、形態Bは、安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、より広い回折ピークで実質的に不変のままである(図15)。
さらに別の実施形態では、形態Bは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Bは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Bの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
ある特定の実施形態、形態Bは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、形態Bは、例えば、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、C、D、E及び/または非晶質固体形態を含む、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む他の固体形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、形態Bは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む固体形態の混合物であり、例えば、以下のうちの1つ以上を含む混合物が挙げられる。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、C、D、E、及び非晶質固体形態。
形態Cの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
ある特定の実施形態では、方法で使用するための化合物は、無水形態Cの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。ある特定の実施形態では、形態Cは、結晶形態の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの中で最も熱力学的に安定な無水物である。
ある特定の実施形態では、形態Cは、ある特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒、アセトニトリル/水、アセトン、またはエタノール/水のうちの1つ以上を含む溶媒系中で、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを長期間にわたってスラリー化することによって得られる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、形態Cは、実質的に図16に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、形態Cは、図16に示されるように、およそ7.4、11.5、15.8、16.7、16.9、17.7、18.4、19.2、19.5、21.1、23.4、24.7、または29.9度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Cは、およそ16.7、16.9、17.7、または24.7度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Cは、表Cに記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Cは、表Cに記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
表C.化合物1の形態CのX線回折ピーク
Figure 0007163281000007
一実施形態では、形態Cは、図17に示されるSEM写真を有する。一実施形態では、形態Cは、図18に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する。ある特定の実施形態では、形態Cは、TGA重量損失を示さない。
一実施形態では、結晶性形態Cは、図19に示されるものに実質的に対応するDSCサーモグラムを有する。ある特定の実施形態では、形態Cは、232℃の開始温度及び126J/gの融解熱での溶融事象を含むDSCプロットによって特徴付けられる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、動的蒸気収着分析によって特徴付けられる。代表的な動的蒸気収着(DVS)等温線プロットが図20に示される。ある特定の実施形態では、相対湿度(「RH」)が約0%~約90%RHに増加すると、形態Cは、約0.6%w/wの水取り込みを呈する。ある特定の実施形態では、形態Cは、225℃に設定されたオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含む。
ある特定の実施形態では、形態Cは、H NMRによって著しい分解も残留溶媒も示さない(図21)。
ある特定の実施形態では、形態Cは、圧縮時のその安定性プロファイルによって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、形態Cは、安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、より広い回折ピークで実質的に不変のままである(図22)。
さらに別の実施形態では、形態Cは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Cは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Cの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
ある特定の実施形態では、形態Cは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、形態Cは、例えば、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、B、D、E及び/または非晶質固体形態を含む、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む他の固体形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、形態Cは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む固体形態の混合物であり、例えば、以下のうちの1つ以上を含む混合物が挙げられる。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、B、D、E、及び非晶質固体形態。
形態Dの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
ある特定の実施形態では、方法に使用するための化合物は、形態Dの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。ある特定の実施形態では、形態Dの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、DMSO溶媒和物である。
ある特定の実施形態では、形態Dは、DMSO/メチルイソブチルケトン中で形態Bを加熱し、その溶液を冷却することによって得られる。
ある特定の実施形態では、形態Dは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、形態Dは、実質的に図23に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、形態Dは、図23に示されるように、およそ14.1、14.3、18.8、19.1、23.6、または24.0度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Dは、およそ14.1、14.3、18.8、または19.1度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Dは、表Dに記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Dは、表Dに記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
表D.化合物1の形態DのX線回折ピーク
Figure 0007163281000008
一実施形態では、図24に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する形態Dが、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Dは、最大140℃で約14.1%のTGA重量損失を示す。
ある特定の実施形態では、形態Dは、ガスクロマトグラフィーによって測定される、約14.3重量%のDMSOを含む。
さらに別の実施形態では、形態Dは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Dは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Dの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
ある特定の実施形態では、形態Dは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、形態Dは、例えば、本明細書に提供される2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、B、C、E及び/または非晶質固体形態を含む、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む他の固体形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、形態Dは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む固体形態の混合物であり、例えば、以下のうちの1つ以上を含む混合物が挙げられる。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、B、C、E、及び非晶質固体形態。
形態Eの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
ある特定の実施形態では、方法に使用するための化合物は、形態Eの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。ある特定の実施形態では、形態Eの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、DMSO溶媒和物である。
ある特定の実施形態では、形態Eは、室温でのDMSO/MIBKまたはDMSO/IPAまたはDMSO/アニソール中の形態Cから得られる。
ある特定の実施形態では、形態Eは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、形態Eは、実質的に図25に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、形態Eは、図25に示されるように、およそ10.5、12.5、16.1、17.0、18.5、21.2、21.7、22.6、22.9、23.4、23.8、24.1、25.1、または26.7度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Eは、およそ16.1、17.0、21.2、または22.9度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Eは、表Eに記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、形態Eは、表Eに記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
表E.化合物1の形態EのX線回折ピーク
Figure 0007163281000009
一実施形態では、図26に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する形態Eが、本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Eは、最大120℃で約19.4%のTGA重量損失を示す。ある特定の実施形態では、形態Eは、120~220℃で24.9%の追加の重量損失を示す。
一実施形態では、形態Eは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Eは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な形態Eの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
ある特定の実施形態では、形態Eは、実質的に純粋である。本明細書におけるある特定の実施形態では、形態Eは、例えば、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、B、C、D、及び/または非晶質固体形態を含む、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む他の固体形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、形態Eは、2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む固体形態の混合物であり、例えば、以下のうちの1つ以上を含む混合物が挙げられる。2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを含む形態A、B、C、D、及び非晶質固体形態。
非晶質形態の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
ある特定の実施形態では、方法に使用するための化合物は、非晶質2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドである。
ある特定の実施形態では、THF及び水中の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを加熱すること、及びその溶液を冷却することによって、非晶質形態を作製するための方法が、本明細書に提供される。
一実施形態では、図27に示される変調DSCサーモグラムを有する非晶質固体形態が本明細書に提供される。
一実施形態では、非晶質2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、実質的に図28に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、非晶質2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、実質的に図29に示されるようなH NMRスペクトルを有する。
さらに別の実施形態では、非晶質2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な非晶質2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドは、任意の結晶性固体形態、例えば、形態A、形態B、形態C、形態D、または形態Eを実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な非晶質2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
同位体置換体の2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド
本明細書に提供される2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドの同位体的に富化された類似体(「同位体置換体」)もまた、本明細書に提供される。薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)、及び毒性プロファイルを改善するための医薬品の同位体富化(例えば、重水素化)は、いくつかのクラスの薬物によって以前に実証されている。例えば、Lijinsky et.al.,Food Cosmet.Toxicol.,20:393(1982)、Lijinsky et.al.,J.Nat.Cancer Inst.,69:1127(1982)、Mangold et.al.,Mutation Res.308:33(1994)、Gordon et.al.,Drug Metab.Dispos.,15:589(1987)、Zello et.al.,Metabolism,43:487(1994)、Gately et.al.,J.Nucl.Med.,27:388(1986)、Wade D,Chem.Biol.Interact.117:191(1999)を参照されたい。
いずれの特定の理論によっても限定されることなく、薬物の同位体富化は、例えば、(1)望ましくない代謝産物を減少または取り除くために、(2)親薬物の半減期を増加させるために、(3)所望の効果を達成するために必要とされる投薬回数を減少させるために、(4)所望の効果を達成するために必要な用量を減少させるために、(5)いずれかが形成される場合、活性代謝産物の形成を増加させるために、かつ/または(6)特定の組織における有害な代謝産物の生成を減少させるために、かつ/または併用療法が意図的であるか否かにかかわらず、併用療法用のより有効な薬物及び/もしくはより安全な薬物を作製するために使用され得る。
原子のその同位体のうちの1つへの置換により、しばしば、化学反応の反応速度に変化がもたらされる。この現象は、速度論的同位体効果(「KIE」)として知られている。例えば、C-H結合が化学反応の律速ステップ(すなわち、最高の遷移状態エネルギーを持つステップ)中に破壊される場合、重水素のその水素への置換は、反応速度の減少を引き起こし、このプロセスは遅くなるであろう。この現象は、重水素速度論的同位体効果(「DKIE」)として知られている。(例えば、Foster et al.,Adv.Drug Res.,vol.14,pp.1-36(1985)、Kushner et al.,Can.J.Physiol.Pharmacol.,vol.77,pp.79-88(1999))を参照されたい。
DKIEの規模は、C-H結合が破壊される所定の反応の速度と、重水素が水素と置換される同じ反応の速度との比率として表すことができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)~非常に大きい数、例えば、50以上の範囲に及び得、この反応は、重水素が水素に置換される場合、50倍以上遅い場合があることを意味する。特定の理論によって制限されるものではないが、高いDKIE値は、不確定な原理の結果であるトンネリングとして知られている現象に一部よる場合がある。トンネリングは、少量の水素原子に起因しており、またトンネリングが生じるのは、プロトンを包含する遷移状態が、必要とされる活性化エネルギーの非存在下で時々形成することができるためである。重水素が水素よりも大きな質量を有しているため、この現象を受けている確率は統計的に非常に低い。
三重水素(「T」)は、研究、核融合炉、中性子発生装置、及び放射性医薬品に使用される水素の放射性同位体である。三重水素は、核内に2個の中性子を有し、かつ3に近い原子量を有する水素原子である。それは、非常に低い濃度で環境において天然に生じ、最も一般には、TOとして見出される。三重水素は緩徐に壊変し(半減期=12.3年)、ヒトの皮膚の外層を貫通できない低エネルギーベータ粒子を放出する。内部被曝は、この同位体と関係した主要なハザードであるが、未だ、多量に摂取しなければならないことで顕著な健康リスクがもたらされる。重水素と比較して、より少ない量の三重水素が有害なレベルに到達する前に消費されなければならない。三重水素(「T」)の水素との置換は、重水素よりもそれでもより強い結合を結果的に生じ、数の上ではより大きな同位体効果を付与する。
同様に、炭素に対する13Cまたは14C、硫黄に対する33S、34S、または36S、窒素に対する15N、及び酸素に対する17Oまたは18Oを含むが、これらに限定されない他の元素に対する同位体置換により、同様の速度論的同位体効果がもたらされるであろう。
6.3使用方法
一実施形態では、化合物1を対象に投与することによって、血液がんまたは血液系悪性腫瘍を治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、血液がんまたは血液系悪性腫瘍は、骨髄腫、リンパ腫、または白血病である。ある特定の実施形態では、血液がんまたは血液系悪性腫瘍は、骨髄腫である。ある特定の実施形態では、血液がんまたは血液系腫瘍は、リンパ腫である。ある特定の実施形態では、血液がんまたは血液系悪性腫瘍は、白血病である。
一実施形態では、血液がんは、多発性骨髄腫(MM)である。一実施形態では、血液がんは、再発性/不応性(R/R)多発性骨髄腫である。一実施形態では、R/R多発性骨髄腫を有する患者は、腎機能不全を有する。
一実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、血液がんは、急性リンパ球性白血病(ALL)である。一実施形態では、血液がんは、成人T細胞白血病である。一実施形態では、血液がんは、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。一実施形態では、血液がんは、有毛細胞性白血病である。一実施形態では、血液がんは、骨髄異形成である。一実施形態では、血液がんは、骨髄増殖性障害である。一実施形態では、血液がんは、慢性骨髄性白血病(CML)である。一実施形態では、血液がんは、骨髄異形成症候群(MDS)である。一実施形態では、血液がんは、ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病である。一実施形態では、血液がんは、肥満細胞症である。一実施形態では、血液がんは、B細胞急性リンパ芽球性白血病である。一実施形態では、血液がんは、CLLである。
一実施形態では、血液がんは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞免疫芽球性リンパ腫、小非切断細胞リンパ腫、ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)白血病/リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、AIDS関連リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、T細胞/組織球リッチ大細胞型B細胞リンパ腫、変形性リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、脾性辺縁帯リンパ腫、リヒターの変換、節性辺縁帯リンパ腫、またはALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態では、血液がんは、HLである。一実施形態では、血液がんは、NHLである。一実施形態では、血液がんは、例えば、DLBCL、濾胞性リンパ腫、または辺縁帯リンパ腫を含む緩慢性リンパ腫である。
ある特定の実施形態では、血液がんは、少なくとも1種の抗がん療法に対して耐性である薬物である。ある特定の実施形態では、血液がんは、少なくとも1種の抗がん療法に対して再発性または不応性である。ある特定の実施形態では、血液がんは、転移性である。
一実施形態では、治療上有効な量の化合物1を対象に投与することによって、白血病を治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、AMLは、再発性または不応性AMLである。一実施形態では、AMLは、新たに診断されたAMLである。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M0/1を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M2を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M3を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M4を有する。別の実施形態では、AMLは、FAB分類M5を有する。一実施形態では、AMLは、少なくとも1つの再発性遺伝子異常を伴うAML(例えば、染色体8と21との間の転位を伴うAML、染色体16における転位または侵襲を伴うAML、染色体9と11との間の転位を伴うAML、染色体15と17との間の転位を伴うAPL(M3)、染色体6と9との間の転位を伴うAML、染色体3における転位または侵襲を伴うAML);染色体1と22との間転位を伴うAML(巨核芽球性);脊髄形成異常関連変化を伴うAML、以前の化学療法または放射線に関連するAML(例えば、アルキル化剤関連AML、もしくはトポイソメラーゼII阻害剤関連AML);他の方法で分類されないAML(例えば、上記カテゴリーに含まれないAML、すなわち、最小限に分化したAML(M0)、最小成熟を伴うAML(M1)、成熟を伴うAML(M2)、急性骨髄単球性白血病(M4)、急性単球性白血病(M5)、急性赤血球性白血病(M6)、急性巨核芽球性白血病(M7)、急性好塩基性白血病、もしくは線維症を伴う急性汎骨髄症);骨髄性肉腫(顆粒球性肉腫、緑色腫、または髄外性骨髄芽球腫としても知られる);または未分化及び混合型急性白血病(混合表現型急性白血病としても知られる)である。
一実施形態では、治療上有効な量の化合物1を対象に投与することによって、骨髄異形成症候群(MDS)を治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、MDSを治療する方法が本明細書に提供される。一実施形態では、MDSは、再発性、耐性または不応性MDSである。一実施形態では、MDSは、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)、過剰な芽球を伴うRA(RAEB)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、未分類骨髄異形成症候群(MDS-U)、単離されたdel(5q)の染色体異常に関連する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性腫瘍、または慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。いくつかの実施形態では、MDSは、非常に低リスク、低リスク、中リスク、高リスク、または非常に高リスクのMDSである。一実施形態では、MDSは、非常に低リスクである。別の実施形態では、MDSは、低リスクである。別の実施形態では、MDSは、中リスクである。別の実施形態では、MDSは、高リスクである。別の実施形態では、MDSは、非常に高リスクのMDSである。いくつかの実施形態では、MDSは、原発性またはデノボMDSである。他の実施形態では、MDSは、二次性MDSである。
一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象に投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象に投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象に投与することによって、AMLを治療する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象に投与することによって、再発性または不応性AMLを治療する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~10日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~10日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~21日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~21日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象にサイクルで投与することによって、再発性不応性またはAMLを治療する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。さらに別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。さらに別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で化合物1を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で化合物1を投与することを含む。さらに別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で化合物1を投与することを含む。さらに別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、再発性または不応性AMLを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で化合物1を投与することを含む。
一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象に投与することによって、MDSを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象に投与することによって、MDSを治療する方法が、本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、化合物1を約0.1mg~約20mgの用量で対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。さらに別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.1mg~約20mgの用量で化合物1を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で化合物1を投与することを含む。さらに別の実施形態では、化合物1を対象にサイクルで投与することによって、MDSを治療、予防、管理、及び/または改善する方法が本明細書に提供され、ここで該サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で化合物1を投与することを含む。
さらに、治療上有効な量の化合物1を、それを必要とする患者に投与することを含む、AML及び/またはMDSに関連する1つ以上の臨床エンドポイントを達成するための方法が、本明細書に提供される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における全生存(OS)、完全寛解率(CRR)、奏功率(ORR)、進行までの時間、無再発生存(RFS)、無進行生存(PFS)、無事象生存、寛解期間、及び/または寛解/応答までの時間を増加させる。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における全生存(OS)、完全寛解率(CRR)、奏功率(ORR)、進行までの時間、無再発生存(RFS)、無進行生存(PFS)、無事象生存、寛解期間、応答期間、寛解/応答までの時間、及び/または輸血非依存性を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における全生存(OS)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における完全寛解率(CRR)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における奏功率(ORR)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における進行までの時間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における無再発生存(RFS)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における無進行生存(PFS)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における無事象生存を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における寛解期間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における応答期間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における寛解/応答までの時間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたAMLを有する患者集団における輸血非依存性を増加させる。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における全生存(OS)、完全寛解率(CRR)、奏功率(ORR)、進行までの時間、無再発生存(RFS)、無進行生存(PFS)、無事象生存、寛解期間、及び/または寛解/応答までの時間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における全生存(OS)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における完全寛解率(CRR)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における奏功率(ORR)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における進行までの時間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における無再発生存(RFS)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における無進行生存(PFS)を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における無事象生存を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における寛解期間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における応答期間を増加させる。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1で治療されていない患者集団と比較した場合、有効量の化合物1で治療されたMDSを有する患者集団における寛解/応答までの時間を増加させる。
ある特定の実施形態では、ORRは、完全寛解(CR)(すなわち、形態学的無白血病状態、形態学的CR、細胞遺伝学的CR、分子CR、及び不完全な血液回収を伴う形態学的CR)、ならびに部分寛解のすべての応答を含む。
6.4サイクリング療法/投与量
本明細書に提供される方法において、治療上有効な量の化合物1は、治療されるがんとは無関係に、それを必要とする患者に臨床的に投与され得る。サイクリング療法により、療法剤のうちの1つ以上に対する耐性の発達を減少させること、療法剤のうちの1つの副作用を回避し、もしくは減少させること、及び/または治療の有効性を改善することができる。
一実施形態では、治療上有効量の化合物1は、5日までの投与期間、続いて休止期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療サイクルは、5日の投与期間、続いて休止期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、10日までの投与期間、続いて休止期間を含む。一実施形態では、休止期間は、約10日~約40日までである。一実施形態では、治療サイクルは、10日までの投与期間、続いて約10日~約40日までの休止期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、10日までの投与期間、続いて約23日~約37日までの休止期間を含む。一実施形態では、休止期間は、約23日~約37日までである。一実施形態では、休止期間は、23日である。一実施形態では、治療サイクルは、10日までの投与期間、続いて約23日の休止期間を含む。一実施形態では、休止期間は、37日である。一実施形態では、治療サイクルは、10日までの投与期間、続いて約37日の休止期間を含む。
一実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目における治療上有効な量の化合物1の投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルの1日目~10日目における化合物1の投与を含む。一実施形態では、治療サイクルは、42日サイクルの1日目~5日目における化合物1の投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、42日サイクルの1日目~10日目における化合物1の投与を含む。
一実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルの1日目~21日目における治療上有効な量の化合物1の投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、7日サイクルの1日目~5日目における治療上有効な量の化合物1の投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、7日サイクルの1日目~7日目における治療上有効な量の化合物1の投与を含む。一実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目における治療上有効な量の化合物1の投与を含む。
本明細書に記載される任意の治療サイクルは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のサイクルにわたって繰り返され得る。ある特定の例において、本明細書に記載される治療サイクルは、1~約24サイクル、約2~約16サイクル、または約2~約4サイクルを含む。ある特定の例において、本明細書に記載される治療サイクルは、1~約4サイクルを含む。ある特定の実施形態では、サイクル1~4は、すべて28日サイクルである。ある特定の実施形態では、サイクル1は、42日サイクルであり、サイクル2~4は、28日サイクルである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、28日の1~13サイクル(例えば約1年)にわたって投与される。ある特定の例において、サイクリング療法は、サイクルの数に限定されず、この療法は疾患が進行するまで継続される。サイクルは、ある特定の例において、本明細書に記載される投与期間及び/または休止期間の持続期間を変化させることを含む。
一実施形態では、治療サイクルは、1日1回投与される、約0.05mg/日~約20mg/日、約0.1mg/日~約15mg/日、約0.1mg/日~約10mg/日、約0.3mg/日~約10mg/日、約0.3mg/日~約8.5mg/日、または約0.3mg/日~約8.1mg/日の投与量で化合物1を投与することを含む。
一実施形態では、治療サイクルは、1日1回投与される、約0.3mg/日、0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、3.6mg/日、5.4mg/日、7.2mg、8.1mg、9.0mg/日、10.0mg/日、10.8mg/日、または12.2mg/日の投与量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、治療サイクルは、1日1回投与される、約0.3mg/日、0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、3.6mg/日、5.4mg/日、7.2mg、8.1mg、9.0mg/日、10.0mg/日、10.8mg/日、12.2mg/日、または20mg/日の投与量で化合物1を投与することを含む。一実施形態では、治療サイクルは、1日1回投与される、約0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、または3.6mg/日の投与量で化合物1を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルの1日目~3日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの投与量で化合物1を投与することを含む。他の実施形態では、治療サイクルは、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの投与量で化合物1を投与することを含む。
化合物1は、治療サイクルにおけるすべての投与期間にわたって同じ量で投与され得る。あるいは、一実施形態では、化合物は、投与期間において異なる用量で投与される。
6.5例示的な製剤
固体形態(例えば、化合物1の形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、及び/または非晶質)を含む化合物1を含む例示的な製剤は、2017年1月6日に出願された米国特許出願第15/400,791号に記載されており、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示的な凍結乾燥製剤は、以下に記載されている。
ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤は、化合物1、緩衝剤、及び増量剤を含む。一実施形態では、凍結乾燥製剤は、その凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.1~2%の化合物1、約2~15%の緩衝剤、及び約70~95%の増量剤を含む。
一態様では、凍結乾燥製剤は、その凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.1~約2%の量の化合物1を含む。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約1%、または約0.35%~約0.9%である。ある特定の実施形態では、化合物1の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.1%、0.2%、0.3%、0.35%、0.36%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、または1.0%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の化合物1の量は、その凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.3~約0.4%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の化合物1の量は、その凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.36%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の化合物1の量は、その凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.9~約1%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の化合物1の量は、その凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約0.93%である。
別の態様では、凍結乾燥製剤は、20ccバイアル中に、約0.1mg~約5mgの量の化合物1を含む。さらに別の態様では、凍結乾燥製剤は、20ccバイアル中に、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~約3mg、約0.5mg~約2mg、または約0.5mg~約1.5mgの量の化合物1を含む。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約0.5、0.6、0.7、0.75、0.76、0.8、0.9、1.0、または1.2mgの量で存在する。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約0.76mgの量で存在する。一態様では、化合物1は、20ccバイアル中に、約1mgの量で存在する。
一態様では、凍結乾燥製剤は、クエン酸緩衝剤を含有する。一態様では、製剤中のクエン酸緩衝剤の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約5%~約25%である。一態様では、製剤中のクエン酸緩衝剤の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約10、11、12、12.5、12.7、12.78、12.8、13、14、15、16、17、17.3、17.42、17.5、17.7、18、19、または20%である。一態様では、製剤中のクエン酸緩衝剤の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約12.78%である。一態様では、製剤中のクエン酸緩衝剤の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約17.42%である。
一実施形態では、クエン酸緩衝剤は、無水クエン酸及び無水クエン酸ナトリウムを含む。ある特定の実施形態では、無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約2%~約10%、約3%~約9%、約5%~約8%、または約6%~約8%である。ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約2%、4%、6%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、7%、7.3%、7.4%、7.5%、8%、8.5%、または9%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約6%、6.2%、6.4%、6.41%、6.6%、6.8%、または7%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約7%、7.3%、7.4%、7.43%、7.5%、または8%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約6.41%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約7.43%である。
さらに別の態様では、凍結乾燥製剤は、20ccバイアル中に、約5mg~約20mgの量の無水クエン酸を含む。一実施形態では、無水クエン酸の量は、20ccバイアル中、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgである。一実施形態では、無水クエン酸の量は、20ccバイアル中、約17.7mgである。一実施形態では、無水クエン酸の量は、20ccバイアル中、約6.1mgである。
ある特定の実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約2%~約15%、約4%~約15%、または約5%~約10%である。ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約2%、3%、4%、5%、6%、6.2%、6.37%、6.4%、6.6%、6.8%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、12%、または約15%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約6%、6.2%、6.37%、6.4%、6.6%、6.8%、または7%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約8%、8.5%、9%、9.5%、9.99%、10%、または10.5%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約6.37%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約9.99%である。
さらに別の態様では、凍結乾燥製剤は、20ccバイアル中に、約5mg~約20mgの量の無水クエン酸ナトリウムを含む。一実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgである。一実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中、約17.6mgである。一実施形態では、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中、約8.2mgである。
ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、約2%、4%、6%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、7%、7.3%、7.4%、7.5%、8%、8.5%、または9%であり、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、2%、3%、4%、5%、6%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、12%、または約15%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、約6%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、または7%であり、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約6%、6.2%、6.4%、6.6%、6.8%、または7%である。一実施形態では、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸の量は、約7%、7.3%、7.4%、7.5%、または8%であり、凍結乾燥製剤中の無水クエン酸ナトリウムの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約8%、8.5%、9%、9.5%、10%、または10.5%である。一実施形態では、無水クエン酸の量は、約6.1mgであり、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中、約8.2mgである。一実施形態では、無水クエン酸の量は、約17.7mgであり、無水クエン酸ナトリウムの量は、20ccバイアル中、約17.6mgである。
一態様では、凍結乾燥製剤中の増量剤は、Captisol(登録商標)、マンニトール、またはKleptose(登録商標)、例えば、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、及びメチル化β-シクロデキストリンを含む。ある特定の実施形態では、凍結乾燥製剤中の増量剤は、Kleptose(登録商標)ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(Kleptose(登録商標)HPB)を含む。ある特定の実施形態では、凍結乾燥組成物中の増量剤の量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約70%~約95%、約75%~約90%、または約80%から約90%である。ある特定の実施形態では、凍結乾燥組成物中のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約70%~約95%、約75%~約90%、または約80%から約90%である。ある特定の実施形態では、凍結乾燥組成物中のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約75%、80%、81%、81.61%、82%、83%、84%、85%、86%、86.86%、87%、88%、89%、または90%である。一実施形態では、凍結乾燥組成物中のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約86.86%である。一実施形態では、凍結乾燥組成物中のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンの量は、凍結乾燥製剤の総重量に基づいて、約81.61%である。
別の態様では、凍結乾燥製剤は、20ccバイアル中に、約67mgの量のKleptose(登録商標)HPBを含む。さらに別の態様では、凍結乾燥製剤は、20ccバイアル中に、約240mgの量のKleptose(登録商標)HPBを含む。
ある特定の実施形態では、再構成時の凍結乾燥製剤は、約4~5のpHを有する。一実施形態では、再構成時の凍結乾燥製剤は、約4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5を有する。
ある特定の実施形態では、凍結乾燥組成物を含む容器は、本明細書に提供される。一態様では、容器は、ガラスバイアルである。一態様では、容器は、20ccのガラスバイアルである。
本明細書に提供される凍結乾燥組成物は、任意の薬学的に許容される希釈剤を使用して患者に非経口投与するために構成され得る。そのような希釈剤としては、注射用滅菌水(SWFI)、水中のデキストロース5%(D5W)、または共溶媒系が挙げられるが、これらに限定されない。任意の量の希釈剤を使用して、凍結乾燥製剤を構成することができ、それにより注射用の好適な溶液が調製される。したがって、希釈剤の量は、凍結乾燥製剤を溶解するのに十分でなければならない。一実施形態では、1~5mLまたは1~3mLの希釈剤を使用して、凍結乾燥製剤を構成し、約0.1~5mg/mL、約0.1~1mg/mL、約0.5~1mg/mLの最終濃度の化合物1をもたらす。ある特定の実施形態では、再構成された溶液中の化合物1の最終濃度は、約0.5mg/mLである。ある特定の実施形態では、再構成された希釈剤の量は、2mL~20mLの間で変化して、0.05~0.5mg/mLの最終濃度をもたらす。ある特定の実施形態では、必要とされる用量に応じて、複数のバイアルを再構成に使用することができる。
凍結乾燥製剤の構成された溶液は、約24時間、約12時間、または約8時間までに貯蔵及び使用することができる。いくつかの実施形態では、溶液は、調製の8時間以内に使用される。いくつかの実施形態では、溶液は、調製の5時間以内に使用される。いくつかの実施形態では、溶液は、調製の1時間以内に使用される。
一態様では、凍結乾燥製剤は、以下を含む20ccバイアル中に提供される。1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、ならびに本明細書に記載される緩衝剤及び増量剤を含む薬学的に許容される担体または賦形剤。緩衝剤及び増量剤は、本明細書に記載される量で存在し得る。
一態様では、凍結乾燥製剤は、以下を含む20ccバイアル中に提供される。1mgの2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミドを提供する量の化合物1、17.7mgの無水クエン酸、17.6mgの無水クエン酸ナトリウム、及び240mgの本明細書に記載されるKleptose(登録商標)HPB。一実施形態では、20ccバイアル中の凍結乾燥製剤は、2mLの注射用滅菌水で再構成される。
一態様では、本明細書に提供される凍結乾燥製剤を含む水性組成物が本明細書に提供される。一実施形態では、水性溶液は、0.5mg/mLの化合物1を含む。
6.6併用療法
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、治療上有効な量の化合物1を、治療上有効な量の他の治療薬と組み合わせて投与することを含む。
一実施形態では、本明細書に提供されるサイクリング療法において、治療上有効な量の化合物1を、治療上有効な量の1つ以上の第2の活性薬剤と組み合わせて、及び任意に放射線療法、輸血、生物学的療法もしくは免疫療法、または手術と組み合わせて患者に投与することを含む、白血病を治療、予防、または管理する方法が本明細書に提供される。第2の活性薬剤の例は、本明細書に開示されている。
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」という用語は、1つより多くの療法剤(例えば、1つ以上の予防薬及び/または治療薬)の使用を含む。しかしながら、「組み合わせて」という用語の使用は、療法剤(例えば、予防薬及び/または治療薬)が疾患または障害を有する患者に投与される順序を制限しない。第1の療法剤(例えば、予防薬または治療薬、例えば、本明細書に提供される化合物の凍結乾燥製剤)は、対象に、第2の療法剤(例えば、予防薬または治療薬)の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、投与と同時に、または投与後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に投与され得る。三重療法剤もまた、本明細書に企図される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充のうちの1つ以上を、化合物1とともに投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を、化合物1とともに投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1での治療前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、各サイクルにおける第1用量の化合物1の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1での治療の少なくとも3日前までに、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、各サイクルにおける第1用量の化合物1の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、各サイクルにおける第1用量の化合物1の投与の少なくとも3日前までに、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、各サイクルにおける第1用量の化合物1の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含み、各サイクルにおける最終用量の化合物1の投与後も継続する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、各サイクルにおける第1用量の化合物1の投与の少なくとも3日前までに、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を投与することを含み、各サイクルにおける最終用量の化合物1の投与の少なくとも3日後まで(例えば、化合物1が1日目~5日目に投与される場合、少なくとも8日目まで)継続する。
ある特定の実施形態では、カルシウムの補充は、分割した用量で与えられた1日あたり少なくとも1200mgのカルシウム元素を送達するために投与される。ある特定の実施形態では、カルシウムの補充は、経口で(PO)1日3回投与された500mgの用量で炭酸カルシウムとして投与される。
ある特定の実施形態では、カルシトリオールの補充は、0.25μgのカルシトリオールを送達するために1日1回(PO)投与される。
ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約500IU~約50,000IUのビタミンDを送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約1000IUのビタミンDを送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約500IUのビタミンDを送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約50,000IUのビタミンDを送達するために毎週投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約20,000IUのビタミンDを送達するために毎週投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約1000IUのビタミンD2またはD3を送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約50,000IUのビタミンD2またはD3を送達するために毎週投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約20,000IUのビタミンD2またはD3を送達するために毎週投与される。
ある特定の実施形態では、治療上有効な量の化合物1及び1つ以上の第2の活性薬剤の患者への投与は、同じまたは異なる投与経路により同時にまたは連続して起こり得る。特定の活性薬剤に用いられる特定の投与経路の好適性は、活性薬剤自体(例えば、それが血流に入る前に分解することなく経口投与され得るかどうか)及び治療されるがんに依存する。
化合物1の投与経路は、第2の療法剤の投与経路とは無関係である。したがって、これらの実施形態に従って、化合物1は、静脈内投与され、第2の療法剤は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経頬、鼻腔内、リポソーム、吸入により、膣内、眼内、カテーテルもしくはステントによる局所送達により、皮下、脂肪内、関節内、髄腔内、または持続放出剤形により投与され得る。一実施形態では、化合物1及び第2の療法剤は、同じ投与様式、IVにより投与される。別の実施形態では、化合物1は、ある投与様式、例えば、IVにより投与され、第2の薬剤(抗がん剤)は、別の投与様式、例えば、経口により投与される。
一実施形態では、第2の活性薬剤は、静脈内または皮下に、約1~約1000mg、約5~約500mg、約10~約350mg、または約50~約200mgの量で1日1回または2回投与される。第2の活性薬剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療または管理される疾患の種類、疾患の重症度及び病期、ならびに患者に同時に投与される化合物1と任意の追加の活性薬剤の量に依存する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される併用療法の構成要素は、周期的に患者に投与される。別の実施形態では、第2の活性薬剤は、本明細書に提供される併用療法とともに、周期的投与で同時投与される。サイクリング療法には、一定期間の活性薬剤の投与と、それに続く一定期間の休止を含み、この連続的投与を繰り返す。サイクリング療法は、所定の持続期間にわたって、各活性薬剤(例えば、本明細書に記載される化合物1及び/または第2の活性薬剤)について独立して行うことができる。ある特定の実施形態では、各活性薬剤の周期的投与は、対象に投与される活性薬剤のうちの1つ以上に依存する。一実施形態では、本明細書に記載される化合物1または第2の活性薬剤の投与は、各薬剤の投与の日数(複数可)または持続期間を固定する。別の実施形態では、本明細書に記載される化合物1または第2の活性薬剤の投与は、第2の活性薬剤の投与の日数(複数可)または持続期間を固定する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物1及び第2の活性薬剤は、休止期間なしに継続的に(例えば、毎日、毎週、毎月)投与される。サイクリング療法により、療法剤のうちの1つ以上に対する耐性の発達を減少させること、療法剤のうちの1つの副作用を回避し、もしくは減少させること、及び/または治療または治療薬の有効性を改善することができる。
一実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、本明細書に記載される化学療法の構成要素として、1日1回、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または28連続日にわたって投与される。そのような併用療法は、1日目以降(例えば、サイクル1の1日目)化合物1の投与の前に、同時に、または後に、本明細書に記載される第2の活性薬剤を投与することを含む。一実施形態では、併用療法は、28日の1~13サイクル(例えば、約12ヶ月)にわたって投与される。そのような組み合わせの、本明細書に記載される化合物1及び第2の活性薬剤は、本明細書に記載される濃度または量で存在し得る。ある特定の実施形態では、第2の活性薬剤は、サイクリング療法の間1日1回、週1回、または月1回投与され得る。別の実施形態では、第2の活性薬剤は、本明細書に記載される併用療法と組み合わせて週1回投与される。
一実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、本明細書に記載される併用療法の構成要素として、1日1回、7日サイクルの7連続日にわたって投与される。そのような併用療法は、1日目以降(例えば、サイクル1の1日目)化合物1の投与の前に、同時に、または後に、治療上有効な量の本明細書に記載される第2の活性薬剤を投与することを含む。別の実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、1日1回、7日サイクルの5連続日にわたって投与され、2日の休止(例えば、化合物の投与なし/治療の中断)が続く。そのような併用療法は、1日目以降(例えば、サイクル1の1日目)化合物1の投与の前に、同時に、または後に、治療上有効な量の本明細書に記載される第2の活性薬剤を投与することを含む。一実施形態では、併用療法は、28日の1~13サイクル(例えば、約3ヶ月)にわたって投与される。そのような組み合わせの、本明細書に記載される化合物1及び第2の活性薬剤は、本明細書に記載される濃度または量で存在し得る。一実施形態では、併用療法は、7日サイクルの5日間にわたって連続して治療上有効な量の化合物1を投与すること、及び各サイクルの少なくとも1日に投与される第2の活性薬剤と組み合わせて、各サイクルの少なくとも1日(例えば、サイクル1の1日目)に治療上有効な量の第2の活性薬剤を投与することを含む。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、本明細書に記載される併用療法の構成要素として、1日1回、28日サイクルの1日目~5日目、1日目~10日目、1日目~21日目、または1日目~28日目に投与される。そのような併用療法は、1日目以降、治療上有効な量の化合物1の投与の前に、同時に、または後に、治療上有効な量の本明細書に記載される第2の活性薬剤を投与することを含む。別の実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、1日1回、28日サイクルの1日目~3日目に投与される。そのような併用療法は、1日目以降、化合物1の投与の前に、同時に、または後に、治療上有効な量の本明細書に記載される第2の活性薬剤を投与することを含む。別の実施形態では、治療上有効な量の化合物1は、1日1回、28日サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に投与される。そのような併用療法は、1日目以降、化合物1の投与の前に、同時に、または後に、治療上有効な量の本明細書に記載される第2の活性薬剤を投与することを含む。
ある特定の実施形態では、第2の活性薬剤は、サイクリング療法の間1日1回、週1回、または月1回投与され得る。別の実施形態では、第2の活性薬剤は、本明細書に記載される併用療法と組み合わせて週1回投与される。
本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、独立して、1日1回(QD)投与され得るか、または本明細書に記載される併用療法の一部として1日2回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)などの複数の日用量に分割され得る。加えて、投与は、継続的(すなわち、連続日にわたって毎日、または毎日)、間欠的、例えば、サイクル(すなわち、数日間、数週間、または数ヶ月の休薬期間を含む)であり得る。本明細書で使用される場合、「毎日」という用語は、治療薬が、例えば、ある期間にわたって、1日1回または1回より多く投与されることを意味するよう意図されている。「継続的」という用語は、治療薬が、少なくとも10日間~52週間の中断なしの期間にわたって毎日投与されることを意味するよう意図されている。本明細書で使用される「間欠的」または「間欠的に」という用語は、規則的間隔または不規則な間隔のいずれかで、停止及び開始することを意味するよう意図されている。例えば、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物の間欠的投与は、週に1~6日間にわたって投与され得るか、サイクルで投与されるか(例えば、2~8週間連続の毎日投与、その後、最大1週間の投与なしの休止期間)、または隔日投与される。本明細書で使用される「サイクリング」という用語は、治療薬が、毎日または継続的に投与されるが、休止期間を伴うことを意味するよう意図されている。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、1日1回、1日間~6ヶ月間、1週間~3ヶ月間、1週間~4週間、1週間~3週間、または1週間~2週間にわたって投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、1日1回、1週間、2週間、3週間、または4週間にわたって投与される。一実施形態では、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、1日1回、1週間にわたって投与される。別の実施形態では、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、1日1回、2週間にわたって投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、1日1回、3週間にわたって投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に記載される併用療法で使用するための化合物は、1日1回、4週間にわたって投与される。
1つ以上の第2の活性成分または薬剤は、本明細書に提供される方法及び組成物において化合物1と一緒に使用され得る。第2の活性薬剤は、大分子(例えば、タンパク質)または小分子(例えば、合成無機、有機金属、もしくは有機分子)であり得る。
大分子活性薬剤の例としては、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクローナル及びポリクローナル抗体、特に、がん抗原への治療抗体が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な大分子活性薬剤は、天然に存在する、または合成、または組換えタンパク質などの生体分子である。本明細書に提供される方法及び組成物に特に有用なタンパク質は、インビトロまたはインビボでの造血前駆細胞及び免疫学的に活性な造血細胞の生存及び/または増殖を刺激するタンパク質を含む。他の有用なタンパク質は、インビトロまたはインビボで細胞における委任赤血球系前駆体の分裂及び分化を刺激する。特定のタンパク質としては、IL-2(組換えIL-II(「rIL2」)及びカナリア痘IL-2を含む)、IL-10、IL-12、及びIL-18;インターフェロン(インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-Ia、及びインターフェロンγ-Ib);GM-CF及びGM-CSF;ならびにEPOが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、GM-CSF、G-CSF、SCF、またはEPOは、約1~約750mg/m/日、約25~約500mg/m/日、約50~約250mg/m/日、または約50~約200mg/m/日の範囲に及ぶ量で、4週間または6週間サイクルにおいて約5日間皮下投与される。ある特定の実施形態では、GM-CSFは、約60~約500mcg/mの量で2時間にわたって静脈内投与され得るか、または約5~約12mcg/m/日の量で皮下投与され得る。ある特定の実施形態では、G-CSFは、最初に約1mcg/kg/日の量で皮下投与され得、総顆粒球数の上昇に応じて調整され得る。維持用量のG-CSFは、約300mcg(より小さい患者において)または480mcgの量で皮下投与され得る。ある特定の実施形態では、EPOは、1週間あたり10,000単位の量で3回皮下投与され得る。
方法及び組成物に使用することができる特定のタンパク質には、Neupogen(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)という商品名で米国で販売されているフィルグラスチム、Leukine(登録商標)(Immunex,Seattle,WA)という商品名で米国で販売されているサルグラモスチム、及びEpogen(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)という商品名で米国で販売されている組換えEPOが挙げられるが、これらに限定されない。
GM-CSFの組換え及び変異形態は、米国特許第5,391,485号、同第5,393,870号、及び同第5,229,496号に記載されているように調製することができ、これらの文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。G-CSFの組換え及び変異形態は、米国特許第4,810,643号、同第4,999,291号、同第5,528,823号、及び同第5,580,755号に記載されているように調製することができ、これらの文献の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
また、化合物1と組み合わせて使用するための、天然タンパク質、天然に存在するタンパク質、及び組換えタンパク質も提供される。天然に存在するタンパク質の変異体及び誘導体(例えば、修飾された形態)が、元となるタンパク質の薬理学的活性の少なくともいくらかをインビボで呈する該タンパク質の変異体及び誘導体をさらに包含する。変異体の例としては、タンパク質の天然に存在する形態で対応する残基とは異なる1つ以上のアミノ酸残基を有するタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。また、「変異体」という用語によって包含されるのは、それらの天然に存在する形態(例えば、非グリコシル化形態)で通常存在する炭水化物部分を欠失しているタンパク質である。誘導体の例としては、ペグ化誘導体、及びIgG1またはIgG3を、対象となるタンパク質または該タンパク質の活性部分に融合することによって形成されるタンパク質などの融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Penichet,M.L.and Morrison,S.L.,J.Immunol.Methods 248:91-101(2001)を参照されたい。
化合物1と組み合わせて使用され得る抗体としては、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられる。抗体の例としては、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))、エロツズマブ(Empliciti(商標))、ダラツムマブ(Darzalex(商標))、イサツキシマブ(SAR650984としても知られる)、及びG250が挙げられるが、これらに限定されない。化合物1の凍結乾燥製剤はまた、抗TNF-α抗体及び/または抗EGFR抗体、例えば、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ)またはパニツムマブなどと組み合わせられ得るか、またはそれらと組み合わせて使用され得る。
大分子活性薬剤は、抗がんワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL-2、G-CSF、及びGM-CSFなどのサイトカインを分泌するか、またはその分泌を引き起こすワクチンは、提供される方法及び薬学的組成物に使用され得る。例えば、Emens,L.A.,et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):77-84(2001)を参照されたい。
小分子である第2の活性薬剤を使用して、本明細書に提供される化合物1の投与に関連する有害作用を緩和することもできる。しかしながら、いくつかの大分子と同様に、多くは、(例えば、その投与前、その投与後、またはその投与と同時に)本明細書に提供される化合物1とともに投与される場合、相乗効果を提供することができると考えられる。小分子の第2の活性薬剤の例としては、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、第2の薬剤は、HSP阻害剤、プロテアソーム阻害剤、FLT3阻害剤、またはTORキナーゼ阻害剤である。
本明細書に記載される方法または組成物で使用される抗がん剤の例としては、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾールヒドロクロリド、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、ビサントレンヒドロクロリド、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、ブレキナルナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、カルムスチン、カルビシンヒドロクロリド、カルゼレシン、セデフィンゴール、セレコキシブ(COX-2阻害剤)、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリスナトールメシラート、シクロホスファミド、Ara-C、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシンヒドロクロリド、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメシラート、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキソルビシンヒドロクロリド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトラート、ドロモスタノロンプロピオナート、デュアゾマイシン、エダトレキサート、エフロルニチンヒドロクロリド、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシンヒドロクロリド、エルブロゾール、エソルビシンヒドロクロリド、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、ファドロゾールヒドロクロリド、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルオロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、ゲムシタビンヒドロクロリド、ヒドロキシ尿素、イダルビシンヒドロクロリド、イホスファミド、イルモフォシン、イプロプラチン、イリノテカン、イリノテカンヒドロクロリド、イキサゾミブ(Nanlaro(登録商標))、酢酸ランレオチド、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、リアロゾールヒドロクロリド、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロソキサントロンヒドロクロリド、マソプロコール、マイタンシン、メクロレタミンヒドロクロリド、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン、ミトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロンヒドロクロリド、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オマセタキシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、パノビノスタット、ペグアスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシンスルファート、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロンヒドロクロリド、プリカマイシン、プロメスタン、ポマリドマイド(Pomalyst(登録商標))、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジンヒドロクロリド、ピューロマイシン、ピューロマイシンヒドロクロリド、ピラゾフリン、リボプリン、サフィンゴール、サフィンゴールヒドロクロリド、セムスチン、シムトラゼン、ソラフェニブ、スパルフォサートナトリウム、スパルソマイシン、スピロゲルマニウムヒドロクロリド、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガランナトリウム、タキソテレ、テガフール、テロキサントロンヒドロクロリド、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、サリドマイド(Thalomid(登録商標))、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トレミフェンシトラート、酢酸トレストロン、リン酸トリシリビン、トリメトレキサート、トリメトレキサートグルクロナート、トリプトレリン、ツブロゾールヒドロクロリド、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、ビンブラスチンスルファート、ビンクリスチンスルファート、ビンデシン、ビンデシンスルファート、ビネピジンスルファート、ビングリシナートスルファート、ビンロイロシンスルファート、ビノレルビンタートラート、ビンロシジンスルファート、ビンゾリジンスルファート、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、及びゾルビシンヒドロクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。
方法または組成物に含まれる他の抗がん薬としては、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3、5-エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL-TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミフォスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド、血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリックス、抗背側化形成タンパク質-1、抗アンドロゲン、前立腺癌、抗エストロゲン、抗ネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシナート、アポトーシス遺伝子調節因子、アポトーシス調節物質、アプリン酸、ara-CDP-DL-PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β-アレチン、βクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、ビサジリニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフラート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カペシタビン、カルボキサミド-アミノ-トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリックス、クロルン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、cis-ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロプラタン、サイペマイシン、Ara-Cオクフォスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド、デキシラゾキサン、デキシベラパミル、ジアジコン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジヒドロタキソール、9-ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフール、エピルビシン、エピステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、エトポシドホスフェート、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、フルオロダウノルニシンヒドロクロリド、フォルフェニメックス、フォルメスタン、フォストリエシン、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゲラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモフォシン、イロマスタット、イマチニブ(例えば、Gleevec(登録商標))、イミキモド、免疫賦活性ペプチド、インスリン様成長因子-1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン、ヨードドキソルビシン、イポメアノール、4-イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリアセテート、レナリドミド、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、レンチナンスルフェート、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミゾール、リアロゾール、線形ポリアミン類似体、脂溶性二糖ペプチド、脂溶性白金化合物、リソクリナミド7、ロバプラチン、ロムブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、マイタインシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリリシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン類似体、ミトナフィド、ミトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、アービタックス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリル脂質A+ミオバクテリア細胞壁sk、モピダモール、マスタード抗がん剤、マイカペロキシドB、マイコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N-アセチルジナリン、N-置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチップ、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節物質、窒素酸化物抗酸化剤、ニトルリン、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、O-ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘導剤、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、ペルデシン、ペント酸ポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニルアセテート、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニル、ピロカルピンヒドロクロリド、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノゲン活性因子阻害剤、白金複合体、白金化合物、白金-トリアミン複合体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス-アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、タンパク質A系免疫調節物質、タンパク質キナーゼC阻害剤、タンパク質キナーゼC阻害剤、ミクロアルガル、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン共役体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras-GAP阻害剤、レテリプチンデメチル化、レニウムRe 186エチドロネート、リゾキシン、リボザイム、RIIレチナミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi1模倣体、セムスチン、老化由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプテイトナトリウム、ナトリウムフェニルアセテート、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォシン酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、スチピアミド、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン、超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スウェインソニン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン、チオコラリン、トロンボポイエチン、トロンボポイエチン模倣体、サイマルファシン、サイモポイエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、チタノセンジクロリド、トプセンチン、トレミフェン、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルフォスチン、UBC阻害剤、ウベニメックス、泌尿生殖洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベラレゾール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、ビダザ、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、化合物1は、チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。一実施形態では、1つのチェックポイント阻害剤が、本明細書に提供される方法に関して化合物1と組み合わせて使用される。別の実施形態では、2つのチェックポイント阻害剤が、本明細書に提供される方法に関して化合物1と組み合わせて使用される。さらに別の実施形態では、3つ以上のチェックポイント阻害剤が、本明細書に提供される方法に関して化合物1と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」または「チェックポイント阻害剤」という用語は、1つ以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に減らす、阻害、拮抗、または調節する分子を指す。特定の理論によって制限されることなく、チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化または機能を調節する。CTLA-4とそのリガンドCD80及びCD86、ならびにPD-1とそのリガンドPD-L1及びPD-L2などの多くのチェックポイントタンパク質が、既知である(Pardoll,Nature Reviews Cancer,2012,12,252-264)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激または阻害性相互作用を担うと思われる。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容性、ならびに生理学的免疫応答の期間及び程度を調節して維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体から誘導される。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。一実施形態では、CTLA-4阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。抗CTLA-4抗体の例としては、米国特許第5,811,097号、同第5,811,097号、同第5,855,887号、同第6,051,227号、同第6,207,157号、同第6,682,736号、同第6,984,720号、及び同第7,605,238号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されず、これらはすべて、それらの全体が本明細書に組み込まれる。一実施形態では、抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ(チシリムマブまたはCP-675,206としても知られる)である。別の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(MDX-010またはMDX-101としても知られる)である。イピリムマブは、CTLA-4に結合する完全ヒトモノクローナルIgG抗体である。イピリムマブは、Yervoy(商標)という商品名で販売されている。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1/PD-L1阻害剤である。PD-1/PD-L1阻害剤の例としては、米国特許第7,488,802号、同第7,943,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,217,149号、ならびにPCT特許出願公開第WO2003042402号、同第WO2008156712号、同第WO2010089411号、同第WO2010036959号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2011082400号、及び同第WO2011161699号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されず、これらはすべて、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。一実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ(ONO-4538、BMS-936558、もしくはMDX1106としても知られる)またはペンブロリズマブ(MK-3475、SCH900475、もしくはランブロリズマブとしても知られる)である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブは、ヒトIgG4抗PD-1モノクローナル抗体であり、Opdivo(商標)という商品名で販売されている。別の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブは、ヒト化モノクローナルIgG4抗体であり、Keytruda(商標)という商品名で販売されている。さらに別の実施形態では、抗PD-1抗体は、ヒト化タンパク質CT-011である。単独で投与されたCT-011は、再発時に急性骨髄性白血病(AML)の治療への反応を示すことができない。さらに別の実施形態では、抗PD-1抗体は、融合タンパク質AMP-224である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。一実施形態では、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1抗体である。一実施形態では、抗PD-L1抗体は、MEDI4736(デュルバルマブ)である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、BMS-936559(MDX-1105-01としても知られる)である。さらに別の実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、及びTecentriq(登録商標)としても知られる)である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L2阻害剤である。一実施形態では、PD-L2阻害剤は、抗PD-L2抗体である。一実施形態では、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7Aである。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)阻害剤である。一実施形態では、LAG-3阻害剤は、可溶性Ig融合タンパク質IMP321である(Brignone et al.,J.Immunol.,2007,179,4202-4211)。別の実施形態では、LAG-3阻害剤は、BMS-986016である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7阻害剤である。一実施形態では、B7阻害剤は、B7-H3阻害剤またはB7-H4阻害剤である。一実施形態では、B7-H3阻害剤は、抗B7-H3抗体MGA271である(Loo et al.,Clin.Cancer Res.,2012,3834)。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3)阻害剤である(Fourcade et al.,J.Exp.Med.,2010,207,2175-86、Sakuishi et al.,J.Exp.Med.,2010,207,2187-94)。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、OX40(CD134)アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗OX40抗体である。一実施形態では、抗OX40抗体は、抗OX-40である。別の実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI6469である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、GITRアゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗GITR抗体である。一実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD137アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD137抗体である。一実施形態では、抗CD137抗体は、ウレルマブである。別の実施形態では、抗CD137抗体は、PF-05082566である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD40アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD40抗体である。一実施形態では、抗CD40抗体は、CF-870,893である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、組換えヒトインターロイキン-15(rhIL-15)である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。一実施形態では、IDO阻害剤は、INCB024360である。別の実施形態では、IDO阻害剤は、インドキシモドである。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される併用療法は、本明細書に記載のチェックポイント阻害剤(同じまたは異なるクラスのチェックポイント阻害剤を含む)のうちの2つ以上を含む。さらに、本明細書に記載される併用療法は、本明細書に記載される疾患を治療するために適切であり、当該分野で理解される、本明細書に記載される第2の活性薬剤と組み合わせて使用することができる。
ある特定の実施形態では、化合物1は、それらの表面(例えば、修飾された免疫細胞)上の1つ以上のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する1つ以上の免疫細胞と組み合わせて使用することができる。通常、CARは、第1のタンパク質、例えば、抗原結合タンパク質)由来の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。ある特定の実施形態では、一旦細胞外ドメインが、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)などの標的タンパク質に結合すると、シグナルは、例えば、標的タンパク質を発現する細胞を標的とし、死滅させるために、免疫細胞を活性化する細胞内シグナル伝達ドメインを介して生成される。
細胞外ドメイン:CARの細胞外ドメインは、対象となる抗原に結合する。ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、受容体、または該抗原に結合する受容体の一部分を含む。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、抗体もしくはその抗原結合部分を含むか、または抗体もしくはその抗原結合部分である。特定の実施形態では、細胞外ドメインは、一本鎖Fv(scFv)ドメインを含むか、または一本鎖Fv(scFv)ドメインである。一本鎖Fvドメインは、例えば、可撓性リンカーによってVに連結されたVを含み得、該V及びVは、該抗原に結合する抗体由来である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチドの細胞外ドメインによって認識される抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、Her2、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、α-フェトタンパク質(AFP)、がん胎児性抗原(CEA)、がん抗原-125(CA-125)、CA19-9、カルレチニン、MUC-1、B細胞成熟抗原(BCMA)、上皮膜タンパク質(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、メラノーマ-24関連抗原(MAGE)、CD19、CD22、CD27、CD30、CD34、CD45、CD70、CD99、CD117、EGFRvIII(上皮成長因子変異体III)、メソテリン、PAP(前立腺酸性ホスファターゼ)、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ代替リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、STEAPI(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、総嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、タンパク質メラン-A(Tリンパ球によって認識されるメラノーマ抗原;MART-I)、myo-D1、筋特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、チログロブリン、甲状腺転写因子-1、二量体形態のピルビン酸キナーゼアイソエンザイムM2型(腫瘍M2-PK)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質であるが、これらに限定されない。ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、またはRal-Bである。
ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、がん/精巣(CT)抗原、例えば、BAGE、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-ES0-1、NY-SAR-35、OY-TES-1、SPANXBI、SPA17、SSX、SYCPI、またはTPTEである。
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc-GMI、GM2(腫瘍胎児抗原-免疫原性-1、OFA-I-1)、GD2(OFA-I-2)、GM3、GD3等である。
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、アルファ-アクチニン-4、Bage-1、BCR-ABL、Bcr-Abl融合タンパク質、ベータ-カテニン、CA 125、CA 15-3(CA 27.29\BCAA)、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、Casp-8、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa-1、dek-can融合タンパク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6-AML1融合タンパク質、HLA-A2、HLA-All、hsp70-2、KIAA0205、Mart2、Mum-1、2、及び3、neo-PAP、ミオシンクラスI、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースホスファートイソメラーゼ、Gage 3,4,5,6,7、GnTV、Herv-K-mel、Lage-1、NA-88、NY-Eso-1/Lage-2、SP17、SSX-2、TRP2-Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、MAGE-1、MAGE-3、RAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15(58)、RAGE、SCP-1、Hom/Mel-40、PRAME、p53、HRas、HER-2/neu、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、13-カテニン、Mum-1、p16、TAGE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、C0-029、FGF-5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB\70K、NY-C0-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TAG72、TLP、またはTPSである。
様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、S.Anguille et al,Leukemia(2012),26,2186-2196に記載されるような、AML関連腫瘍抗原である。
他の腫瘍関連抗原及び腫瘍特異的抗原は、当業者に既知である。
キメラ抗原受容体を構築する際に有用なTSA及びTAAに結合する受容体、抗体、及びscFvは、それらをコードするヌクレオチド配列として当該分野で既知である。
ある種の特定の実施形態では、キメラ抗原受容体の細胞外ドメインによって認識される抗原は、TSAまたはTAAであるが、それにもかかわらず腫瘍細胞に関連するものであるか、または腫瘍によって引き起こされる損傷であると一般にみなされない抗原である。ある特定の実施形態では、例えば、抗原は、例えば、成長因子、サイトカイン、またはインターロイキン、例えば成長因子、サイトカイン、または血管新生もしくは血管形成に関連するインターロイキンである。かかる成長因子、サイトカイン、またはインターロイキンは、例えば、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、またはインターロイキン-8(IL-8)を含み得る。腫瘍は、腫瘍に局所的な低酸素環境も作製し得る。したがって、他の特定の実施形態では、抗原は、低酸素症関連因子、例えば、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、HIF-3α、またはHIF-3βである。腫瘍はまた、正常組織に局所的な損傷をもたらす可能性があり、損傷関連分子パターン分子(DAMP、別名アラルミン)としても知られる分子の放出を引き起こす。したがって、ある種の他の特定の実施形態では、抗原は、DAMP、例えば、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度群ボックス1(HMGB1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか、またはデオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、もしくはヘパリン硫酸であり得る。
膜貫通ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、リンカー、スペーサ、またはヒンジポリペプチド配列、例えば、CD28由来の配列もしくはCTLA4由来の配列によってポリペプチドの膜貫通ドメインに結合される。膜貫通ドメインは、任意の膜貫通タンパク質の膜貫通ドメインから得られ得るか、またはそれに由来し得、かかる膜貫通ドメインのすべてまたはその一部分を含み得る。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、例えば、CD8、CD16、サイトカイン受容体、及びインターロイキン受容体、または成長因子受容体等から得られ得るか、またはそれに由来し得る。
細胞内シグナル伝達ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞内ドメインは、T細胞の表面上で発現されるタンパク質の細胞内ドメインまたはモチーフであるか、またはそれらを含み、該T細胞の活性化及び/または増殖をもたらす。かかるドメインまたはモチーフは、CARの細胞外部分への抗原の結合に応答してTリンパ球の活性化に必要な一次抗原結合シグナルを伝送することができる。典型的には、このドメインまたはモチーフは、ITAM(免疫受容体チロシン系活性化モチーフ)を含むか、またはITAMである。CARに好適なITAM含有ポリペプチドには、例えば、ゼータCD3鎖(CD3ζ)またはそのITAM含有部分が含まれる。特定の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインである。他の特定の実施形態では、細胞内ドメインは、リンパ球受容体鎖、TCR/CD3複合体タンパク質、Fe受容体サブユニット、またはIL-2受容体サブユニット由来である。ある特定の実施形態では、CARは、さらに、例えば、ポリペプチドの細胞内ドメインの一部として1つ以上の共刺激ドメインまたはモチーフを含む。1つ以上の共刺激ドメインまたはモチーフは、共刺激CD27ポリペプチド配列、共刺激CD28ポリペプチド配列、共刺激OX40(CD134)ポリペプチド配列、共刺激4-1BB(CD137)ポリペプチド配列、または共刺激誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド配列、または他の共刺激ドメインもしくはモチーフ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上であり得るか、またはそれらを含み得る。
CARは、T細胞生存モチーフも含み得る。T細胞生存モチーフは、抗原による刺激後のTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る。ある特定の実施形態では、T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL-7受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン(IL-7R)、IL-12受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-21受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シグナル伝達ドメインであるか、またはそれらに由来する。
CARを発現する修飾免疫細胞は、例えば、Tリンパ球(T細胞、例えば、CD4+T細胞またはCD8+T細胞)、細胞傷害性リンパ球(CTL)、または天然キラー(NK)細胞であり得る。本明細書に提供される組成物及び方法で使用されるTリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHCの制限されたTリンパ球であり得る。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されているか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他の実施形態では、T細胞は、末梢血、臍帯血、またはリンパ液から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパ液から単離されたTリンパ球から拡大されるものである。CARを発現する修飾免疫細胞を生成するために使用される免疫細胞は、当該分野で認められた常法、例えば、血液収集後、アフェレーシス及び任意に抗体媒介性の細胞単離または選別を使用して単離され得る。
修飾免疫細胞は、好ましくは修飾免疫細胞が投与される個体に自己移植される。ある特定の他の実施形態では、修飾免疫細胞は、修飾免疫細胞が投与される個体に同種である。同種Tリンパ球またはNK細胞は、修飾されたTリンパ球を調製するために使用される場合、個体における移植片対宿主疾患(GVHD)の可能性を低めるであろうTリンパ球またはNK細胞を選択することが好ましい。例えば、ある特定の実施形態では、ウイルス特異的Tリンパ球は、修飾Tリンパ球の調製のために選択され、かかるリンパ球は、任意のレシピエント抗原に結合する著しく低減された天然能力を有することが予想され、それ故に、それらによって活性化されるであろう。ある特定の実施形態では、同種Tリンパ球のレシピエント媒介性拒絶は、1つ以上の免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、シクロホスファミド等の宿主への共投与により減少され得る。
Tリンパ球、例えば、未修飾Tリンパ球、またはCD3及びCD28を発現するTリンパ球、またはCD3ζシグナル伝達ドメイン及びCD28共刺激ドメインを含むポリペプチドを含むTリンパ球は、CD3及びCD28への抗体、例えば、ビーズに結合した抗体を使用して拡張され得、例えば、米国特許第5,948,893号、同第6,534,055号、同第6,352,694号、同第6,692,964号、同第6,887,466号、及び同第6,905,681号を参照されたい。
修飾免疫細胞、例えば、修飾Tリンパ球は、所望される場合、修飾免疫細胞の実質的にすべての死滅を可能にする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を任意に含むことができる。例えば、修飾Tリンパ球は、ある特定の実施形態では、ガンシクロビルと接触した時に、修飾Tリンパ球の死をもたらす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)を含むことができる。別の実施形態では、修飾Tリンパ球は、誘導性カスパーゼ、例えば、誘導性カスパーゼ9(icaspase9)、例えば、カスパーゼ9と特定の低分子医薬を使用した二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む。Straathof et al.,Blood 1 05(11):4247-4254(2005)を参照されたい。
方法または組成物に特に有用な特定の第2の活性薬剤としては、リツキシマブ、オブリマーセン(Genasense (登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(デカドロン (登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナム、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、Arisa (登録商標)、タキソール、タキソテレ、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、キセロダ、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノノルビシン、Ara-C、ドキセタキソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、バイアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil (登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、エストラムスチンリン酸ナトリウム(Emcyt (登録商標))、スリンダク、及びエトポシドが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載される方法または組成物のいくつかの実施形態では、第2の活性薬剤は、エナシデニブ、アザシチジン、CC-486、デシタビン、シタラビン(ara-C)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、イダルビシン、クラドリビン、ミドスタウリン、フルダラビン、トポテカン、三酸化ヒ素、またはミトキサントロンのうちの1つ以上である。
本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、化合物1と組み合わせた第2の活性薬剤の使用は、当業者によって適切であるとみなされるように、本明細書に提供される化合物1の投与中または投与直後に修飾または遅延され得る。ある特定の実施形態では、化合物1を単独でまたは他の療法剤と組み合わせて投与される対象は、適切な場合、制吐薬、骨髄成長因子、及び血小板の注入を含む支持療法を受け得る。いくつかの実施形態では、化合物1を投与される対象は、当業者の判断に従って、第2の活性薬剤として成長因子を投与され得る。いくつかの実施形態では、エリスロポエチンまたはダルベポエチン(Aranesp)と組み合わせた化合物1の投与が提供される。
ある特定の実施形態では、化合物1は、三酸化ヒ素、フルダラビン、カルボプラチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、イダルビシン、塩酸ミトキサントロン、チオグアニン、ビンクリチン、及び/またはトポテカンと組み合わせて、不応性または再発性急性骨髄性白血病を含む急性骨髄性白血病を有する患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、三酸化ヒ素、フルダラビン、カルボプラチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、イダルビシン、塩酸ミトキサントロン、チオグアニン、ビンクリチン、トポテカン、及び/またはエナシデニブと組み合わせて、不応性または再発性急性骨髄性白血病を含む急性骨髄性白血病を有する患者に投与される。
ある特定の実施形態では、化合物1は、アザシチジン、シタラビン、ダウノルビシン、デシタビン、イダルビシン、またはレナリドミドと組み合わせて、MDSを有する患者に投与される。ある特定の実施形態では、化合物1は、アザシチジン、CC-486、シタラビン、ダウノルビシン、デシタビン、イダルビシン、またはレナリドミドと組み合わせて、MDSを有する患者に投与される。
本明細書に提供される化合物と前述の化合物のうちの1つ以上及び任意に1つ以上のさらなる薬理学的に活性な物質とのすべての好適な組み合わせが、本明細書に企図されることが認識されよう。
6.7患者集団
本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、対象は、動物、例えば哺乳動物、または非ヒト霊長類である。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、男性または女性対象であり得る。
本明細書に提供される方法に対して特に有用な対象は、ヒト白血病患者、例えば、再発性または不応性急性骨髄性白血病を含む急性骨髄性白血病であると診断されている患者を含む。
いくつかの実施形態では、対象は、18歳以上である。いくつかの実施形態では、対象は、18、25、35、40、45、50、55、60、65、または70歳超である。他の実施形態では、対象は、65歳未満である。
いくつかの実施形態では、対象は、白血病に対する対象の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータススコアに基づいて治療される。いくつかの実施形態では、対象は、0~2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、0のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。他の実施形態では、対象は、2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。
いくつかの実施形態では、対象は、非ホジキンリンパ腫(NHL)に対する対象の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータススコアに基づいて治療される。いくつかの実施形態では、対象は、0~1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、0のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。
いくつかの実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群(MDS)に対する対象の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータススコアに基づいて治療される。いくつかの実施形態では、対象は、0~2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、0のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。他の実施形態では、対象は、2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。
いくつかの実施形態では、対象は、マントル細胞リンパ腫(MCL)に対する対象の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータススコアに基づいて治療される。いくつかの実施形態では、対象は、0~2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、0のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、1のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。他の実施形態では、対象は、2のECOGパフォーマンスステータススコアを有する。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、前処置なしにドナーリンパ球輸注(DLI)から少なくとも4週間(化合物1の初回投与から)が経過した対象の治療を包含する。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、以下のスクリーニング臨床検査値を有する対象の治療を包含する。
正常範囲内(WNL)の補正された血清Caまたは遊離(イオン化)血清Ca
補正されたCa(mg/dL)=総Ca(mg/dL)-0.8(アルブミン[g/dL]-4)
最初の輸注前の総白血球数(WBC)<25×109/Lこのレベルを達成するために、先の白血球除去及び/またはヒドロキシウレアでの前治療もしくは同時治療が許される。
正常範囲内または補充物で訂正可能なカリウム及びマグネシウム
アスパルテートアミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)またはアラニンアミノトランスフェラーゼ/血清グルタメートピルビン酸トランスアミナーゼ(ALT/SGPT)≦2.5×正常範囲の上限(ULN)。
尿酸≦7.5mg/dL(446μmol/L)尿酸低下剤での前治療及び/または同時治療(例えば、アロプリノール、ラスブリカーゼ)が許される。
血清ビリルビン≦1.5×ULN
コッククロフト・ゴールト式を使用する≧60mL/分の推定された血清クレアチニンクリアランス
INR<1.5×ULN及びPTT<1.5×ULN
他の実施形態では、本方法は、白血病について以前に治療された対象、または現在治療されている対象を治療することを包含する。例えば、対象は、白血病についての標準的な治療レジメンで以前に治療されていてよく、または現在治療されている。対象は、当業者により処方された任意の白血病治療レジメンで治療されていてもよい。ある特定の実施形態では、対象は、少なくとも1つの導入/再導入または強化AMLレジメンで以前に治療された。いくつかの実施形態では、対象は、強化レジメンの一部として、自己骨髄移植または幹細胞移植を受けている。
ある特定の実施形態では、対象は、活性中枢神経系(CNS)白血病または既知のCNS白血病を示唆する臨床症状を有しない。
ある特定の実施形態では、対象は、白血病のすぐに致命的な重度の合併症、例えば播種性/制御不能の感染、制御不能の出血、及び/または制御不能の播種性血管内凝固を有しない。
ある特定の実施形態では、対象は、心機能不全または臨床的に有意な心疾患を有しない。
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に提供される方法に従って化合物1の治療の3ヶ月前または3ヶ月未満前に、先の自家造血幹細胞移植を受けていない。
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に提供される方法に従って化合物1での治療を開始する6ヶ月未満前に、標準または強度軽減前処置のいずれかを伴う先の自家造血幹細胞移植(HSCT)を受けていない。
いくつかの実施形態では、対象は、HSCT後の全身性免疫抑制療法を受けていないか、または臨床的に有意な移植片対宿主疾患(GVHD)を有していない。
いくつかの実施形態では、対象は、5半減期または化合物1の治療を開始する4週間前のいずれか短い方で、先の全身性がん配向性治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、ヒドロキシウレア治療を受けた。
いくつかの実施形態では、対象は、化合物1の治療を開始する2週間未満前に大手術を受けていない。
いくつかの実施形態では、対象は、既知のHIV感染を有していない。いくつかの実施形態では、対象は、既知の慢性、活性B型またはC型肝炎(HBV/HCV)感染を有していない。
いくつかの実施形態では、対象は、抗凝固剤(例えば、ワルファリン、低分子重量ヘパリン、第Xa因子阻害剤)の慢性治療的投与を伴う治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、活発な進行中の全身性治療を必要とする同時第2のがんの病歴を有していない。
ある特定の実施形態では、対象は、正常なカルシウムホメオスタシスを妨害するか、またはカルシウムの補充を妨げる障害または病態を有していない。
がんを有する対象は、異種の臨床症状及び様々な臨床転帰を有するため、患者に与えられる治療は、予後に応じて変更し得る。臨床医であれば、過度の実験の具体的な二次薬剤、ある種の手術、及びがんを有する個体対象を治療するために効果的に使用され得るある種の非薬物系標準的治療なしに容易に決定することができるであろう。
6.8活性の評価
標準的な生理学的、薬理学的、及び生化学的手順は、化合物を試験して、所望の抗増殖活性を有するものを特定するのに利用可能である。
そのようなアッセイとしては、生化学的アッセイ、例えば、結合アッセイ、放射能組込みアッセイ、ならびに様々な細胞系アッセイが挙げられる。
本明細書に提供される実施形態は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解され得る。これらの実施例は、本明細書に提供される薬学的組成物及び投薬形態の例示であることを意味する。
以下の実施例は、例示として提示されており、限定するものではない。以下の略語を説明及び実施例で使用する。
ABC=活性化B細胞、
ALL=急性リンパ芽球性白血病、
AML=急性骨髄性白血病、
ATCC=アメリカ培養組織系統保存機関、
AUC=曲線下面積=活性領域、
AV=アネキシンV、
BCL=B細胞リンパ腫、
BFU-E=赤血球のバースト形成単位、
BME=β-メルカプトエタノール
CFU-E=赤血球のコロニー形成単位、
CFU-GEMM=顆粒球/赤血球/単球/巨核球のコロニー形成単位、
CFU-GM=顆粒球/単球のコロニー形成単位、
CLL=慢性リンパ性白血病、
c-Maf=v-maf鳥類筋腱膜線維肉腫腫瘍遺伝子相同体、
DLBCL=びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、
DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地、
DMSO=ジメチルスルホキシド、
DSMZ=Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen、
FAB=フランス・アメリカ・イギリス、
FBS=胎仔血清、
FGFR3=線維芽細胞成長因子受容体3、
GCB=胚中心B
g/L=グラム/リットル、
GM CSF=顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、
hr=時間(複数可)、
HEPES=2-[4-(2ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸、
HP=ハプトグロビン、
HPC=造血前駆細胞
IMDM=イスコフ改変ダルベッコ培地、
TBA=Tert-ブチルアルコール、
MCL=マントル細胞リンパ腫、
N=実験の数、
NA=該当なし、
NF=「良好な曲線」の当嵌なし、
nM=ナノモル、
NR=ランク付けなし、
PBMC=末梢血単核細胞、
MafB=V-maf筋腱膜線維肉腫腫瘍遺伝子相同体B、
MEM=最小必須培地、
MMSET=多発性骨髄腫SETドメイン、
RPMI=ロズウェルパーク祈念研究所組織培養培地、
SD=標準偏差、
μM=マイクロモル、及び
y=年齢。
実施例1:凍結乾燥製剤
表A及びBに記載される組成物を有する化合物1の凍結乾燥製剤は、米国出願第15/400,791号に記載される手順を使用して調製した。
表A
Figure 0007163281000010
表B
Figure 0007163281000011
実施例2:インビトロでのAML細胞株における化合物1の抗増殖及びアポトーシス促進効果の評価、ならびにCellTiter Glo(登録商標)(CTG)発光細胞生存性アッセイを介した非腫瘍原性正常細胞の3日間の比較
細胞培養材料:ヒトAML、マントル細胞リンパ腫(MCL)、バーキットリンパ腫、及び骨髄腫細胞株は、表1、表2及び表3に示されるベンダーから購入した。
ト正常ドナーPBMC及び慢性リンパ性白血病(CLL)患者の芽球は、AllCells,LLC(Alameda,CA)から入手した。造血性及び原発性細胞試料を、表1に示される培地中、5% COとともに37℃で培養した。
表2及び表3すべての細胞株を、ログ相に保持し、細胞密度及び生存性を、Vi-cell XR細胞生存性分析装置(Beckman Coulter,Brea,CA)を使用してトリパンブルー排除によって監視した。ヒトPBMCを、Corning(登録商標)BioCoat(商標)T細胞活性化抗ヒトCD3 96ウェルプレート(Corning Inc.,Corning,NY)上で培養した。
表1:試験した急性骨髄性白血病細胞株
Figure 0007163281000012
表2:試験したリンパ腫細胞株
Figure 0007163281000013
Figure 0007163281000014
表3:試験した多発性骨髄腫細胞株
Figure 0007163281000015
試験品の調製:化合物を、最大体積50μLを想定して0.1%の最終DMSO体積まで、ブラック384ウェルプレート(Corning Inc.)に播種した。1:3の希釈で10μMから開始する10点用量応答を、EDC ATS-100プラットフォームを使用して、音響分注により重複してプリントした。
細胞増殖アッセイ:血液学的細胞株の増殖/生存性に対する化合物1の効果(表1、表2、及び表3)
HLE-2またはPBMCを、製造者の指示に従い、CTG(Promega)を使用して72時間のインキュベーション後に査定した。血液学的細胞株を、Multidrop(商標)Combi試薬分注器(Thermo Scientific,Waltham,MA)によって、50μL総体積中0.1~0.3×10細胞/mLの濃度で化合物プレートに分注した。THLE-2細胞を、50μL体積中1000細胞/ウェルで播種し、72時間インキュベートした。72時間目に、25μL/ウェルのCTGを、Multidrop(商標)Combi試薬分注器により分注し、生存細胞による三リン酸アデノシン(ATP)の放出を、Envisionプラットフォームを使用して30分後に相対発光単位として測定した。
凍結PBMCの場合、細胞を、10% FBSを有するRPMI中、37℃で2分間解凍し、細胞数及び生存性を、前述の通りViCell上で測定した。末梢血単核細胞を洗浄し、1×10細胞/mLまで希釈し、Multidrop(商標)Combi試薬分注器によって、25μL/ウェルの体積で化合物プレートに分注し、2時間インキュベートした。2時間後、25μLの抗体CD3抗体結合ビーズ(1細胞:2抗ヒトCD3抗体でコーティングされたM-450ビーズ)を、ウェル毎に分注し、さらに72時間インキュベートした。72時間後、製造者の指示に従いヒトIL-2 384ウェル組織培養キット(Meso Scale Diagnostics)を使用して、インターロイキン(IL)-2放出を分析するために、15μLの上澄みを収集し、残りの細胞上澄みをCTGで処理した。
細胞アポトーシスアッセイ:化合物1がアポトーシスを誘導する能力を、選択されたAML細胞株及び健康なPBMCにおいて、示された時点及び化合物濃度で査定した。フローサイトメトリーによるAnnexin V/7-AAD読取りの場合、AML細胞株を、平底96ウェルプレート(BD Falcon)に、200μL完全培地中0.1~0.3×10細胞/mLの播種密度で播種した。化合物1をプレート上に分注し、細胞を示された時間にわたってインキュベートした。凍結したPBMCの場合、細胞を前述の通り解凍し、200μL中1×10細胞/mLの播種密度で、Corning(登録商標)BioCoat(商標)T細胞活性化抗ヒトCD3 96ウェルプレート(Corning Inc.,Corning,NY)上に播種した。化合物1をプレート上に分注し、細胞を示された時間にわたってインキュベートした。インキュベーション期間の最後に、100μLの細胞を96ウェルU底プレート(BD Falcon)に移し、1200rpmで5分間遠心分離し、培地を除去した。次いで、2.5μLのAnnexin V-AF647(Biolegend)及び5μLの7-AAD(Biolegend)を、100μLの1X Annexin結合緩衝剤(BD Biosciences)に添加した。100マイクロリットルのAnnexin V/7-AAD緩衝剤をウェル毎に添加し、細胞を15分間インキュベートした後、Attuneフローサイトメーター(Life Technologies,Carlsbad,CA)を使用して分析した。カスパーゼ3/7活性の場合、残りの100μLを、CellEvent(商標)カスパーゼ-3/7 Green ReadyProbes(登録商標)試薬(1:1000希釈、Molecular Probes)で15分間インキュベートした後、Attuneフローサイトメーターを使用して分析した。細胞の健康を査定するためのオルトゴナル法としてミトコンドリア電位を測定する場合、JC-1ミトコンドリア膜電位アッセイキット(Cayman Chemical Company,Ann Arbor,Michigan)を製造者の指示に従って用い、TECAN Safire IIマルチモードプレートリーダーを使用して読み取った。
化合物1ウォッシュアウトアッセイ:ウォッシュアウト実験の場合、AML細胞株を、U底96ウェルプレートに60,000細胞/ウェルの密度で播種した。すべての細胞を、ゼロ時間(t=0)に化合物1で処理し、次いで各時点で、細胞を化合物作用濃度を1000倍超えるグルタルイミド(例えば、100nMの化合物処理のウォッシュアウトの場合、100μMのグルタルイミド)を含有するウォッシュアウト培地中に再懸濁した。インキュベーション期間の最後に、プレートを200gで3分間遠心分離し、上澄みを除去し、Annexin V(2.5μL/ウェル)及び7-AAD(5μL/ウェル)を含有する100μL/ウェル1X Annexin V結合緩衝剤中に細胞を再懸濁した。フローサイトメトリーを、BD FACSarray器具を使用して行い、FlowJoソフトウェアを使用して結果を定量化した。同時に、CTGを96(ブラック)ウェルプレートに添加し、細胞増殖アッセイにおいて上記のように処理した。
結果.化合物1は、急性骨髄性白血病細胞株のパネルにわたって抗増殖活性を明示する。化合物1のインビトロ抗増殖活性を、11個のAML細胞株のパネルにおいて試験した。この研究に対して選択された細胞株は、AML患者において見られる広範囲の表現型を表す(表1)。化合物1は、72時間後に培地中に存在するATPレベルの定量的査定によって決定して、査定された11個のAML細胞株のうち10個において細胞増殖を阻害した。化合物1の抗増殖IC50値は、試験された11個のAML細胞株のうち10個において3~75nMの範囲であった(表4)。1つのAML細胞株(OCI-AML3)は、化合物1の成長阻害効果に対して比較的感受性が低かった(IC50=3μM)。化合物1の抗増殖効果はまた、多発性骨髄腫及びリンパ腫細胞株のパネル、ならびにCLL患者試料において試験した(表2、表3、及び表4)。
表4:液体培養物中の急性骨髄性白血病細胞株のパネルにおける化合物1による細胞増殖の阻害
Figure 0007163281000016
増殖は、CellTiter-Glo(登録商標)アッセイを使用して査定した。化合物1でインキュベートした培養物についての結果を、各細胞株の対照培養物についての結果に対して正規化した。化合物1による細胞増殖の阻害に対するIC50を、ActivityBaseソフトウェアを使用して、各細胞株について決定した。
ソース:Quentmeier,2005;American Type Culture Collectionウェブサイト(atccorg/Products/Cells_and_Microorganisms/By_Disease_Model/Cancer/Source_Tissue/Leukemia.aspx)、Leibniz-Institut DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHウェブサイト(dsmz.de/catalogues/catalogue-human-and-animal-cell-lines.html)。
表5:多発性骨髄腫及びリンパ腫細胞株のパネルにおける化合物1の抗増殖効果(続き)
Figure 0007163281000017
化合物1の治療濃度域を計算するために、化合物を、不死化(但し、非腫瘍原性)ヒト肝細胞由来細胞株THLE-2(Pfeifer,et al,Proc Natl Acad Sci USA 1993 90(11):5123-5127)に対して、及び一次ヒトPBMCに対してカウンタースクリーニングした。化合物1は、AML細胞株と比較して、THLE-2(IC50 約10μM)における抗増殖活性の低減を明示したが、一次ヒトPBMCに対していくらかの活性を有していた(IC50=0.12μM)。THLE-2細胞と比較した10個の感受性AML細胞株に対する化合物1治療濃度域は、4.1(KG-1a)~57(HNT-34)(方法1)または5.7(KG-1a)~79.5(HNT-34)(方法2)の範囲であった。PBMCと比較した化合物1治療濃度域は、2.6(KG-1a)~36(HNT-34)または1.5(KG-1a)~21(HNT-34)の範囲であった(表6)。
表6:THLE-2細胞及び末梢血単核細胞と比較した、液体培養物中の急性骨髄性白血病細胞株のパネルにおける化合物1の治療濃度域
Figure 0007163281000018
11個の異なるAML細胞株の培養物を、0.5nM~10μMの濃度の化合物1で72時間インキュベートした。増殖は、CellTiter-Glo(登録商標)アッセイを使用して査定した。化合物1でインキュベートした培養物についての結果を、各細胞株の対照培養物についての結果に対して正規化した。細胞増殖の阻害はまた、THLE-2細胞中0.1nM~100μMの化合物1濃度で、及びPBMC中0.5nM~10μMの化合物1濃度で決定した。化合物1治療濃度域は、細胞増殖に対する濃度のプロットについてGraphPad Prismソフトウェアを使用し、不死化(但し、非腫瘍原性)ヒトTHLE-2肝細胞由来細胞株またはPBMCのAUCを、AML細胞株のAUCで除算することによって決定される、曲線下面積を使用して計算した(AUC、活性領域[Barretina et al,Nature(2012)483603-607]測定値(任意単位)。
化合物1は、急性骨髄性白血病細胞株においてアポトーシスを誘導する。AML細胞株におけるアポトーシスに対する化合物1の効果を調査した。HNT-34細胞を、0.001μMの濃度の化合物1でインキュベートした。0.01μM及び0.1μMでのアポトーシスを、経時的に査定した。結果は、HNT-34細胞の場合、100nMの化合物1が、インキュベーションの8~16時間以内に最大アポトーシスを誘導したことを示した。次に、選択されたAML細胞株のパネルにおける化合物1によるアポトーシスの誘導を調べた。アポトーシスの顕著な誘導は、調べた5個の細胞株のうち4個において24~48時間後に観察された。予想通り、化合物1は、化合物1非感受性AML株、OCI-AML3においてアポトーシスを誘導しなかった。
化合物1がAML細胞株をアポトーシスに傾倒させる時点を決定するために、ウォッシュアウト実験を異なる時点で行い、72時間後に細胞生存性を査定した(図30Aにおける概略を参照されたい)。化合物1(100nM)は、治療の8~16時間以内に細胞をアポトーシスに不可逆的に傾倒させた(図30B)。100nMの化合物1を1~4時間ウォッシュアウトすることにより、ポテンシーを約10倍低減した(EC50曲線における右シフト)。8~16時間でのウォッシュアウトは、ポテンシーを約4倍低減し、24時間までに化合物は、ウォッシュアウトなしの試料と同様のポテンシーを有していた(図30B)。
化合物1は、急性骨髄性白血病細胞株と比較して、正常ドナーからの末梢血単核細胞に対する抗増殖効果の差異を明示する。健康なPBMCにおける化合物1の効果もまた査定した。化合物1を、時間0において1人のドナーからのPBMCに添加し、72時間目に査定した。これを、予め活性化し、抗CD3抗体でコーティングしたプレート上で72時間増殖させた後、化合物1を添加し、細胞をさらに72時間インキュベートしたPBMCと比較した。HNT-34細胞を、感受性の陽性対照細胞株として使用した。予め活性化した末梢血単核細胞は、CTG及び生存細胞数により決定される、化合物1の抗増殖効果(IC50>10μM)に耐性があった。しかしながら、化合物1は、2つの方法CTG及びフローサイトメトリー細胞計数を使用して測定して、予め活性化しなかったPBMC中の細胞増殖を低減した(CTG IC50=0.1μM、細胞数IC50=0.5μM)。予め活性化していないPBMC中の抗増殖活性を、HNT-34細胞におけるものと比較した場合(CTG IC50=0.002μM、細胞数IC50=0.004μM)、50~125の治療濃度域を計算することができた。アポトーシスの誘導について、0.1μMの化合物1において、予め活性化していないPBMCよりも約3倍のカスパーゼ3/7活性の上昇の差異、及び約7倍の膜脱分極の増加の差異が、72時間後にHNT-34細胞において見られた。カスパーゼ3/7及び膜脱分極の化合物1誘導性上昇の同様のまたはより大きい差異が、予め活性化したPBMCとHNT-34細胞との間で見られた。
結論.化合物1は、試験した11個の急性骨髄性白血病(AML)細胞株のうち10個において強力な抗増殖活性を明示する。抗増殖効果は、アポトーシスの急速な誘導に起因すると思われる。最も感受性のAML細胞株、HNT-34において、フローサイトメトリーAnnexin V/7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)アッセイにより測定して、100nMの化合物1でのインキュベーションの8~16時間以内に最大アポトーシスが誘導された。抗増殖効果についてのIC50値は、10個の感受性AML細胞株において3~75nMの範囲であり、非感受性株(OCI-AML3)の場合、IC50は3μMであった。化合物1のR-及びS-鏡像異性体の抗増殖効果もまた、11個のAML細胞株のパネルにおいて評価した。両方の鏡像異性体は、72時間における化合物1のものと同様の細胞増殖の阻害を示した(データ図示せず)。
急性骨髄性白血病細胞株は、異なる起源からの非腫瘍原性細胞よりも化合物1による殺傷の作用を受け易い。化合物1は、非腫瘍原性ヒト肝細胞由来細胞株THLE-2において低減した抗増殖効果を示した(IC50=約10μM)。さらに、化合物1の抗増殖効果は、健康な一次ヒト末梢血単核細胞(PBMC)において低減した。予め活性化した末梢血単核細胞は、CellTiter-Glo(登録商標) (CTG)及び生存細胞数により決定して、細胞増殖に対する化合物1の効果に耐性があったが(IC50>10μM)、化合物1は、2つの方法、CTG及びフローサイトメトリー細胞計数を使用して測定して、予め活性化しなかったPBMCにおける細胞増殖を低減した(CTG IC50=0.1μM、細胞数IC50=0.5μM)。さらに、化合物1は、健康なドナーPBMCよりも腫瘍細胞において、アポトーシスの誘導に対する示差的効果を有していた。HNT-34細胞株及びPBMCにおいて、フローサイトメトリーカスパーゼ3/7アッセイ及びミトコンドリア膜電位アッセイを使用して、アポトーシスを評価した。100nMにおいて、化合物1は、PBMCよりもHNT-34細胞において、約3倍優れたカスパーゼ3/7活性化及び約7倍優れた膜脱分極を誘導した。
実施例3:IncuCyte(商標)動的カスパーゼ3/7アポトーシス活性を使用する、インビトロでの化合物1でインキュベートした急性骨髄性白血病細胞株におけるアポトーシス及び生存性の評価
方法.急性骨髄性白血病細胞株パネル:ヒトAML細胞株、AML-193、F36-P、GDM-1、HL-60、HNT-34、Kasumi-1、Kasumi-3、KG-1、KG-1a、ML-2、MOLM-13、MUTZ-8、MV-4-11、NOMO-1、OCI-AML2、OCI-AML3、SIG-M5、TF-1、THP-1、及びUT-7は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC,Manassas,VA)及びDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und ZellkulturenDSMZ)(Germany)細胞バンクから入手した。AMLパネルは、各FAB分類(M0~M7)からの細胞株(複数可)を含む(表7)。
表7:急性骨髄性白血病細胞株の特徴
Figure 0007163281000019
Figure 0007163281000020
Figure 0007163281000021
細胞培養条件:20%胎仔血清(FBS)(Hycloneカタログ番号SH30910.03、ロット番号AZF188864、Corning参照番号35-010-CV、ロット番号35010124)を含有する、10ng/mLのヒト組換え顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Sigma-Aldrichカタログ番号SRP3050)で補充された、または補充されていない成長培地中で細胞株を維持した(表8)。培地は、ATCC(カタログ番号30-2001、30-2002、30-2003、30-2005)及びGibco(参照番号12561-056)から購入した。ヒト組換え顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)は、Escherichia coliにおいて発現した。各細胞株の細胞倍加時間は、ATCC及びDSMZによって提供された。細胞を、湿潤したインキュベーター内で5%二酸化炭素(CO)で維持した。すべての細胞株を、IncuCyte Zoom(Essen Biosciences)を使用する生細胞撮像の前に、2~4週間にわたってGM-CSFを含むか、または含まないイーグル最小必須培地(EMEM)+20% FBSに順応させた。EMEMの使用は、大部分の培地においてリボフラビンによって引き起こされる背景蛍光を排除するために必須であった。
表8:成長条件
Figure 0007163281000022
赤色標識された急性骨髄性白血病細胞株の誘導:AML-193、HL-60、KG-1、ML-2、MOLM-13、MV-4-11、NOMO-1、OCI-AML2、OCI-AML3、SIG-M5、TF-1、及びTHP-1を含む12個の細胞株は、赤色レンチウイルスで安定して形質導入された。細胞を、6ウェルプレートの成長培地中に播種し、8μg/mLのポリブレン(EMD Milliporeカタログ番号TR-1003-G)でインキュベートした後、0.5~2.5の感染多重度(MOI)で24時間、CellPlayer(商標)NucLight(商標)赤色レンチウイルス粒子(Essen Biosciencesカタログ番号4478)に感染させた。MOIは、細胞に対するウイルス粒子の比を指す。ウイルス含有培地を、新鮮な成長培地と置き換え、さらに24~48時間インキュベートした後、Zeocin(500~2000μg/mL)、ブレオマイシンの誘導体(Life Technologies-Invitrogenカタログ番号R250-01)で選択した。細胞を、新鮮なZeocinで3~4日毎に3~8週間にわたって選択した。細胞を、核制限された赤色蛍光について、蛍光顕微鏡を使用して周期的に見た。一旦、集団が安定して赤色に蛍光すると、Zeocin選択を終了した。すべての赤色標識された細胞株を、GM-CSF補充を伴うか、または伴わない20% FBSを含有するEMEMに順応させ、最適な生細胞撮像を可能にした。
化合物1での細胞培養物のインキュベーション:化合物1は、凍結された20μLのジメチルスルホキシド(DMSO)中30mMのストック濃度でCelgene化学グループによる研究のために提供された。Costar96ウェル細胞培養プレート(Corningカタログ番号3595)を、100μLの10μg/mLフィブロネクチン(Sigma-Aldrichカタログ番号F1141)で4時間、37℃でコーティングして直ちに使用するか、または後の使用のために一晩冷蔵した。細胞(3000~6000細胞)を、フィブロネクチンでコーティングした96ウェルプレートの成長培地中に播種し、最小数時間から一晩にわたってインキュベートした。細胞を、DMSOを含む化合物1(0~10μM)及び培地対照を用いて、12点濃度応答で三重にインキュベートした。0.6% DMSO(培地中で希釈された)中200μMの濃度から始まる化合物1の3倍連続希釈を行った。最も感受性のある細胞株の場合、0.6% DMSO(培地中で希釈された)中20μMの濃度から始まる化合物1の3倍連続希釈を行った。各希釈について、5μLまたは10μLの量を、100μLまたは200μLの細胞にそれぞれ添加し(最終0.3% DMSO)、生細胞撮像のためにインキュベートした。
IncuCyte Zoom上の生細胞撮像:化合物1での細胞のインキュベーションに続いて、希釈したカスパーゼ3/7試薬(Essen Biosciencesカタログ番号4440)を各ウェルに添加した。カスパーゼ3/7試薬は、活性化したカスパーゼ3/7認識モチーフ(DEVD)を、DNA層間色素であるNucView TM488にカップリングする。活性化したカスパーゼ3/7による基質の切断は、DNA色素の放出及び核DNAの緑色蛍光染色をもたらす。これは、カスパーゼ3/7媒介性アポトーシスを受ける細胞の経時的な撮像を可能にする。カスパーゼ3/7の活性化は、IncuCyte(商標)ZOOM基本分析装置を使用して定量化した。赤色標識された細胞株もまた、細胞倍加時間及び細胞生存性に対する化合物1の効果の両方を決定するために、IncuCyte(商標)ZOOM基本分析装置を使用して、経時的に撮像した。実験は、各細胞株において少なくとも2回行った。
用量応答データ分析:12、24、48、72、及び96時間の時点において化合物1(0~10μM)の濃度範囲でインキュベートした各細胞株について、細胞成長(総赤色積分強度(RCU×μm/ウェル)または赤色オブジェクト数(1/ウェル)、及び細胞死(緑色オブジェクト数(1/ウェル))の曲線下面積(木)AUC)を、各濃度及び複製について、R「pracma」パッケージ(Borchers HW.Practical Numerical Math Functions.R Package version 1.8.6.https://cran.r project.org/web/packages/pracma/pracma.pdf.p340-341.November 27,2015.2016年2月1日にアクセス)における「trapz」関数によって計算した。次に、4パラメータ対数ロジスティクスモデルを使用して、R「drc」パッケージ(Ritz C.Streibig JC.Bioassay Analysis using R.J.Statist.Software 2005;12(5):1-22)からの「drm」関数によって、各時点における相対EC50を決定した。≧80%の二乗されたRによって適合度を測定し(決定係数またはモデル適合によって説明される変化量)EC50パラメータを、≦40%のパラメータに対する標準誤差の比、及び報告されたEC50より上及び下の少なくとも1つの濃度点の存在を有することによって査定した。
RFP標識された細胞についての緑色オブジェクト(1/ウェル)対時間及び総赤色積分強度(RCU×μm/ウェル)または赤色オブジェクト数(1/ウェル)対時間を、Essen Biosciences,IncからのIncyCyte ZOOMデバイスソフトウェアにおけるグラフ化能力を使用してプロットした。
結果
化合物1でインキュベートされた急性骨髄性白血病細胞株のパネルにおけるアポトーシス応答の定量化。カスパーゼ3/7活性化によって測定される、アポトーシスのリアルタイム撮像を、化合物1の濃度範囲でインキュベートされたAML細胞株において行った。表9は、24、48、72、及び96時間の時点でのAML細胞株における化合物1媒介性カスパーゼ3/7活性化の平均EC50値を示す。
化合物1によるアポトーシス誘導に対する異なる感受性が、20個のAML細胞株にわたって観察された。THP-1を除くすべての細胞株は、48時間において少なくとも1つの良好な曲線適合を有していたため、この時間を使用して、細胞株の相対感受性を定義した。
●8個の細胞株(HNT-34、Kasumi-3、HL-60、ML-2、MV4-11、KG-1、MUTZ-8、GDM-1)は、0.05μMより下のEC5048時間(0.004~0.049μMの範囲)を有し、これらの株は、0.027μMの平均EC5048時間を有する、高度に感受性として分類された。HNT-34は、0.004μMのEC5048時間を有する最も感受性のある細胞株であった。
●7個の細胞株(OCI-AML-2、AML-193、SIG-M5、Kasumi-1、TF-1、Nomo-1、KG-1a)は、0.05μM~0.2μMのEC5048時間(0.081~0.145μMの範囲)を有し、これらの株は、0.114μMの平均EC5048時間を有する、中度に感受性として分類された。
●4個の細胞株(UT-7、F36-P、MOLM-13、OCI-AML3)は、0.2μM~1μMのEC5048時間(0.231~0.896μMの範囲)を有し、0.458μMの平均EC5048時間を有していた。1つの細胞株(THP-1)は、10μMより大きいEC5048時間を有していた。これらの細胞株は、最も低い感受性として分類された。
化合物1によるカスパーゼ3/7活性化(アポトーシス誘導)の異なる時点の動態を、AML細胞パネルにわたって観察した。
●アポトーシス応答は、8個の最も感受性の高い細胞株において早くて12時間で観察された(EC5012時間は、0.053~0.227μMの範囲である)。EC5012時間は、「良好な曲線適合」の欠失に起因してHNT-34、HL-60、及びMUTZ-8細胞株において観察されなかったが、カスパーゼ3/7活性化が観察された。
●24時間までに、20個の細胞株のうち14は、良好な曲線適合を有していた(EC5024時間は、0.007~0.916μMの範囲である)。2個の細胞株(HNT-34及びKasumi-3)は、0.05μより下のEC5024時間を有し、7個の細胞株(HL-60、ML-2、MV-4-11、KG-1、MUTZ-8、SIG-M5、及びNOMO-1)は、0.05μM~0.2μMのEC5024時間を有し、5個の細胞株(KG-1a、AML-193、GDM-1、OCI-AML2、及びMOLM-13)は、0.2μMより大きいEC5024時間を有していた。
●化合物1の増加したポテンシーは、一般に、後の時点でAML細胞パネルにわたって観察された。EC5072時間及びEC5096時間は、それぞれ0.003~0.971μM及び0.001~0.418μMの範囲であった。72時間までに、20個の細胞株のうち11個(HNT-34を含む)は、≦0.05μMのEC5072時間を有し、20個の細胞株のうち4個は、0.05~0.20μMのEC5072時間を有し、20個の細胞株のうち4個は、0.2~1μMのEC5072時間を有していた。同様の結果は、96時間の時点で観察された。
表9:急性骨髄性白血病細胞株における化合物1誘導性アポトーシスの平均EC50
Figure 0007163281000023
Figure 0007163281000024
20個のヒトAML細胞株を、化合物1用量範囲(0~10μM)でインキュベートし、緑色オブジェクト(アポトーシスを受けている細胞)を、上記のように経時的に撮像した。平均EC50値は、上記のように、12、24、48、72、及び96時間の時点での計算されたAUC(曲線下面積)から決定された。EC50値に基づく細胞株のランク付けを、24時間及び48時間の時点で示す。
化合物1でインキュベートされた赤色標識された急性骨髄性白血病細胞株のパネルにおける細胞生存性の定量化:12個の赤色標識細胞株のサブパネルを、IncuCyte Zoom生細胞撮像を使用して、細胞生存性に対する経時的な化合物1の効果について評価した。表10は、24、48、72、及び96時間の時点でのAML細胞株における化合物1媒介性細胞生存性の低減に対する平均EC50値を示す。
化合物1による細胞生存性の低減に対する異なる感受性が、AML細胞株にわたって観察された。THP-1を除くすべての細胞株は、96時間において少なくとも1つの良好な曲線適合を有していたため、この時間を使用して、細胞株の相対感受性を定義した。
○7個の細胞株(AML-193、ML-2、HL-60、KG-1、NOMO-1、MV-4-11、OCI-AML2)は、0.05μMより下のEC5096時間(0.002~0.040μMの範囲)を有し、これらの株は、0.015μMの平均EC5096時間を有する、高度に感受性として分類された。AML-193は、0.002μMのEC5096時間を有する最も感受性のある細胞株であった。
○4個の細胞株(TF-1、THP-1、SIG-M5、OCI-AML3)は、0.05μM~0.20μMのEC5096時間(0.058~0.186μMの範囲)を有し、これらの株は、0.121μMの平均EC5096時間を有する、中度に感受性として分類された。
○1個の細胞株(MOLM-13)のみが、0.2μMより大きいEC5096時間を有していた(0.248μMのEC5096時間)。この細胞株は、最も低い感受性として分類された。
表10:赤色標識された急性骨髄性白血病細胞株における細胞生存性に対する化合物1の効果の平均EC50
Figure 0007163281000025
上記のように確立された12個の赤色標識されたヒトAML細胞株を、化合物1用量範囲(0~10μM)でインキュベートし、赤色蛍光またはオブジェクト数を、上記のように経時的に撮像した。細胞生存性のEC50は、24、48、72、及び96時間の時点で上記のように決定した。細胞株のランク付けを、48、72、及び96時間の時点で示す。
結論.IncuCyte(商標)動的カスパーゼ3/7アポトーシスアッセイを使用して、20個の急性骨髄性白血病(AML)細胞株のパネルにおけるアポトーシスに対する化合物1の効果を評価するために、研究を行った。さらに、13個の赤色標識されたAML細胞株を確立して、IncCyte(商標)システムを使用して、細胞生存性に対する化合物1の効果を評価し、総生存細胞を定量化した。研究からの結論は、以下を含む。
●化合物1によるアポトーシス誘導に対する異なる感受性が、20個のAML細胞株にわたって観察された。
○8個の細胞株(HNT-34、Kasumi-3、HL-60、ML-2、MV4-11、KG-1、MUTZ-8、GDM-1)は、48時間において0.027μMの平均EC50(0.004~0.049μMの範囲)を有し、高度に感受性として定義された。
○7個の細胞株(OCI-AML-2、AML-193、SIG-M5、Kasumi-1、TF-1、Nomo-1、KG-1a)は、48時間において0.114μMの平均EC50(0.081~0.145μMの範囲)を有し、中度に感受性として定義された。
○5個の細胞株(UT-7、F36-P、MOLM-13、OCI-AML3、THP-1)は、UT-7、F36-P、MOLM-13、及びOCI-AML3については0.231~0.896μMの範囲のEC50値(THP-1については10μMより大きいEC50)を有し、最も感受性が低いと定義された。
●化合物1によるアポトーシス誘導に対する異なる動態が、AML細胞パネルにわたって観察された。
○アポトーシス応答は、8個の最も感受性の高い細胞株において早くて12時間で観察された(曲線適合を有する5個の株について、EC5012時間は、0.053~0.227μMの範囲である)。
○72時間までに、20個の細胞株のうち19個は、化合物1に応答し、EC5072時間及びEC5096時間は、それぞれ0.003~0.971μM及び0.001~0.418μMの範囲であった。
○THP-1細胞株のみが、すべての時点で10μMより大きいEC50を有していた。
●細胞生存性により測定される化合物1に対する異なる感受性もまた、12個の赤色標識されたAML細胞株にわたって観察された。
○7個の細胞株(AML-193、ML-2、HL-60、KG-1、NOMO-1、MV-4-11、OCI-AML2)は、0.05μMより下のEC5096時間(0.002~0.040μMの範囲)を有し、これらの株は、0.015μMの平均EC5096時間を有する、高度に感受性として分類された。
○4個の細胞株(TF-1、THP-1、SIG-M5、OCI-AML3)は、0.05μM~0.20μMのEC5096時間(0.058~0.186μMの範囲)を有し、これらの株は、0.121μMの平均EC5096時間を有する、中度に感受性として分類された。
○1個の細胞株(MOLM-13)のみが、0.2μMより大きいEC5096時間を有していた(0.248μMのEC5096時間)。この細胞株は、最も低い感受性として分類された。
実施例4:急性骨髄性白血病を有するドナーからの骨髄試料における抗腫瘍活性
患者試料:研究は、AMLであると診断された18歳以上の成人患者からの骨髄(BM)試料を含んでいた。試料は、2つの異なるバッチで分析され、第1のバッチは、10人の患者(CG1を含む識別コードが割り当てられたドナー)を含み、第2のバッチは、残りの20人のドナー(CG3を含む識別コードが割り当てられた)を含む。第1のバッチのドナーについての臨床データを表11に提示する。対応する臨床データは、書込み時に20個の患者試料の第2のバッチについて入手可能でなかった。
表11:ドナー臨床データ(CG1ドナー)
Figure 0007163281000026
実験研究デザイン:フローサイトメトリーベースのプラットフォーム(ExviTech)を使用して、急性骨髄性白血病を有する30人のドナーから得た骨髄試料の悪性細胞及び正常なリンパ細胞における化合物1のエクスビボ薬理学を評価し、特徴づける(Bennett,et al Clin Lymphoma Myeloma Leuk 2014 Aug;14(4):305-318)。
1日目に、ドナー試料を受領した。少量を検証用に分離し、大半を培養培地で希釈し(Roswell Park Memorial Institute(RPMI)1640)、化合物1濃度の範囲で以前に調製された96ウェルプレートに播種した。各ウェルに播種される生白血病細胞の数は、各試料の白血病細胞のパーセンテージに依存して、8000~32,000で固定した。プレートを24、48、または96時間インキュベートした。抗体抗D34、抗CD117、抗HLA-DR、抗CD45、抗CD14、抗CD64、抗CD13、抗CD11b)またはAnnexin Vを添加して、前方散乱(FSC)または側方散乱(SSC)及び異なる表面マーカーの発現のまたは発現の欠失に基づくゲート戦略を使用して白血病細胞を特定した。モノクローナル抗体の選択を行い、各試料における白血病細胞の特定を最適化した。この分析の目的は、表現型の特徴付けだけでなく、これらの細胞の特定でもあった。したがって、Euroflow(van Dongen et al,Leukemia 2012 Sep;26(9):1908-1975)がAML(CD34、CD45、CD117)及びヒト白血球抗原DR(HLA-DR)の「骨格マーカー」として指定されたマーカーが、組合せに含まれた。それらは、AML患者のほぼ90%における白血病細胞の特定を可能にした。追加のパネル、CD34/CD14/CD64/CD45及びCD34/CD11b/C13/CD45も使用して、骨髄性白血病集団の特定を完了した。これは、各特定の試料における病理学的細胞集団の明白な特定のための、2つの最良な抗体の選択を可能にした。
生白血病細胞を、Annexin Vフルオレセインイソチオシアネート(FITC)染色の非存在下で、高、中、または低(例えば、FSC中/高/SSC)として分類されたそれらの光散乱特性によって特定した。前方散乱/側方散乱の選択を行い、デブリを除外した。試料の受領時の細胞生存性の平均パーセンテージは、50%超であった(生存性が50%超であった場合のみに、試料を処理した)。いくつかのAMLドナー試料において、十分な正常、非腫瘍性リンパ球細胞を数えることができ、この細胞集団において化合物1の効果を測定した。非腫瘍性リンパ球を、CD45の著明発現、FSC/SSC、及び骨髄マーカー(CD117、CD11b、及びCD13)の非存在によって特定した。
使用される方法の詳細な説明は、以前に公開されている(Bennett,et al Clin Lymphoma Myeloma Leuk 2014 Aug;14(4):305-318)。簡潔には、BM試料を、元の病院において滅菌条件下で抽出し、抽出の24時間以内に受領した。初期分析は、病理学的細胞の数及びそれらの生存性を評価した。異なる量の試料(1μL、3μL、5μL、及び7μL)を、96ウェルプレートに重複で移した。赤血球を溶解するために、180μLの塩化アンモニウム溶解液(2g KHCO、16.58g NHCl、0.074g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2HO、及び1Lに調整されたHO)を、各ウェルに添加した。4℃で10分間のインキュベーションに続いて、各プレートを5分間1200rpmで遠心分離し、上澄みを除去した。溶解ステップを2回行った。分析するために、20μLのAnnexin V-FITC(Immunostep,Salamanca,Spain)、結合緩衝剤(BB、2.4gの4-[2-ヒドロキシエチル]-1-ピペラジンエタンスルホンさん[HEPES]、8.19gのNaCl、0.37gのCaCl、及び1Lに調整されたHO)、及び以下のモノクローナル抗体(MoAb)を各ウェルに添加した。CD117(クローン104D2)-PE(Becton Dickinson,San Jose,CA)、CD34(クローン581)-PerCP(BioLegend,San Diego,CA)、HLA-DR(クローンL243)-PB(BioLegend)、及びCD45(HI30)-PO(Life Technologies,Carlsbad,CA)(van Dongen et al,Leukemia 2012b Sep;26(9):1899-1907)。暗所における室温で15分間のインキュベーション後に、BB溶液を使用して洗浄ステップを行った。ExviTechプラットフォームにおける分析のために、ペレットを30μLのBB中に再懸濁した。次いで、細胞数及び生存性を計算し、ウェル毎に使用する試料の最適な量を決定した。
アッセイ調製:試料全体を、20%(vol/vol)ウシ胎児血清(Thermo Scientific,Waltham,MA)、2% HEPES、1%抗生物質(Zell Shield,Labclinics,Barcelona,Spain)、及び2μMのL-グルタミン(Lonza,Hopkinton,MA)で補充されたRPMI 1640培地で、ウェルあたり60μLの最終量に希釈した。混合物を、Multidrop Combiスマート(Thermo Scientific,Waltham,MA)を使用して、化合物1を含有する96ウェルプレートに分注した。化合物1を含有するプレートを、Echo 550液体ハンドラー(LabCyte,Sunnyvale,CA)を使用して事前に調製した。化合物1の場合、ドナーにわたって活性の範囲を網羅するように調整された12の濃度(0.0016~40μM)を使用した。化合物1を、30人のドナー試料において分析した。プレートを、5% COを含有する湿潤した空気中、37℃で24、48、及び96時間インキュベートした。
白血球集団を単離する:インキュベーションの最後に分析のための試料を調製するために、赤血球細胞集団を、上記のように同じ手順に従って溶解した。次に、20μLの、試料の白血病細胞集団を特定するための2つの最良のMoAb(以前に決定された)及びAnnexin V-FITCの組合せを各ウェルに添加し、プレートを暗所において室温で15分間インキュベートした。BBを使用して、洗浄ステップを行い、ExviTechプラットフォームにおける分析のために、ペレットを20μLのBBに再懸濁した。
ExviTechプラットフォーム:この新規のフローサイトメトリーベースのシステムは、CyAn高度デジタル処理サイトメーター(Beckman Coulter,Brea,CA)及びエンドポイントサンプラー(EPS)プレートハンドラー(Saryna Technologies,San Diego,CA)を組み込む。EPSは、アッセイプレートの各ウェルの内容物を吸引し、その内容物をサイトメーターのフローセルに送達した。各96ウェルアッセイプレートを、CyAnサイトメーターから単一フローサイトメトリー標準(.fcs)ファイルとして収集した。EPSを、サイトメーターとして同じコンピューターから実行し、各プレートの第2のファイルを記録する。このタイミングファイルを、専用のソフトウェアプログラム、FCS分析装置(Saryna Technologies)によるデータ分析のための.fcsファイルと統合した。このプログラムは、取得したデータをサイトメーターから特定のグループに分離し、各グループにウェル番号を割り当てるようにデザインした。次いで、各96ウェルプレートを単一ファイルとして分析し、必要に応じて各ウェルプレートを個々に調べることができた。
フローサイトメトリーデータ分析:Summitソフトウェア(Beckman Coulter)を、初期分析に使用した。FSC/SSCに基づくゲート戦略及び異なるMoAbマーカーの発現または発現の欠失に基づくゲート戦略を使用して病理学的細胞の特定を行った。減少は、化合物を有するウェル内に対するビヒクル単独を有する対照ウェル内の生細胞の数の差異として測定した。したがって、一旦病理学的細胞のサブセットが特定されると、Annexin V及び適切なFSC/SSCを使用して、死細胞を除外し、対照ウェルと比較して薬物ウェルにおける生細胞の数のみを測定した(Koopman et al,Blood 1994 Sep 1;84(5):1415-1420)。さらに、FSC及びSSCの変化は、壊死細胞を特定し、廃棄するのを助けたため、ヨウ化プロピジウムの使用は不要と思われた。一旦上記のパラメータが得られると、FCS分析装置を使用して、試料に対する各個々の濃度の効果を定量化した。
データ分析:個々のデータ点を得て、それらを使用してEC50及びEmaxを計算した。4パラメータロジスティクモデル(S状用量応答モデル、IDBS XLFit)を使用して、適合されたパラメータを決定した。
y=(A+((B-A)/(1+((x/C)^D))))
A=YMin
B=YMax
C=EC50
D=勾配係数
Y=陽性対照に対する細胞数のパーセンテージ
すべての阻害曲線を、Activity Base XE(IDBS)を使用して処理し、評価した。プラトーを実験的に決定できなかった場合、Activity Base XEによって戻された外挿EC50値をNC(計算されていない)に変更した。原データが過剰なノイズで予想のS状形状に一致しなかった場合、Activity Base XEによって戻された適合パラメータをNCに変更した。
活性領域は、曲線下面積(AUC、XLFit formula:xf4_AreaXStartXEnd(<fit cell>、<min conc>、<max_conc>)から計算される)を、総理論的領域によって除算されたパーセンテージとして計算される(濃度範囲及び最大理論的阻害によって囲まれた矩形:最大阻害*(最大濃度-最小濃度))。結果として、活性領域は、不活性化合物については高く(すべての点が100付近である)、活性化合物については低い。
maxは、適合パラメータYMinを100%から差し引くことによって計算し、これにより最大有効性(白血病細胞の完全減少)は100%である(例えば、YMin=ゼロ)。
AUCデータの階層的クラスタリング及びヒートマップを、R統計的プログラムを用いて生成した(http://www.R-project.org)。カラム側デンドログラムは、平均結合方法、及び各時点の標準化AUCデータに基づいて計算された試料間のユークリッド距離を使用して生成した。ヒートマップは、原寸のAUCデータで示され、赤色/緑色スキームで着色した。すなわち、赤色はより高いAUCを意味し、緑色はより低いAUCを意味する。
対応のある両側スチューデントt検定を使用して、リンパ球と比較した腫瘍のAUC間の差異の統計的有意性を決定した。
結果
24、48、及び96時間における化合物1の効果を、30個の新鮮な(骨髄抽出から24時間未満の培養時間)AML骨髄試料において評価した(表12)。これらのアッセイの場合、骨髄試料は、単離した白血球としてではなく骨髄微小環境(間質、赤血球、免疫細胞、血清タンパク質等)を維持するために、エクスビボで分離なしに培養した。白血球は、化合物1誘導性抗増殖効果が既に起こっていた場合、インキュベーション後のみに単離した。この時点で、白血病細胞及び正常細胞集団を、AMLの「骨格」抗体マーカーを使用して、フローサイトメトリーによって特定し(van Dongen,et al.Leukemia 2012 Sep;26(9):1908-1975)、これらの集団の生存性のパーセンテージは、これらの細胞の光散乱特性及びAnnexin V染色を使用して確立した。興味深いことに、30個の患者試料のうち26個は、化合物1に対して感受性であり、該化合物は、4人のドナーのみにおいて低減した有効性を示した。ここで白血病細胞の大きなパーセンテージが、24時間後も48時間後も生存性のままであった。感受性患者試料の群における化合物1の平均EC50は、3つの時点すべてにわたって21nM(2~160nMの範囲)であった(表12)。化合物1のエクスビボ有効性は、時間依存性及び濃度依存性であった(表12)。非感受性として分類された4個の患者試料のうち3個が、感受性試料よりも高いEC50値を示し、4個すべてが、一貫して、24時間及び48時間で68%より多く白血病芽球を減少させることができないことにより測定して、より弱い有効性を示した。感受性患者試料において、白血病細胞の殺滅は急速かつ非常に効率的であった。化合物1は、24時間までに平均82%超、48時間までに92%超、及び96時間までに98%超の白血病細胞を減少させることができた。顕著に、すべての時点において、正常リンパ球に対する化合物1の抗増殖効果は、腫瘍細胞において観察された効果と比較して著しく減少し(2~5倍)、化合物1の腫瘍特異的活性を示唆する(図31)。十分な正常リンパ球がカウントされ得た患者試料において、Emaxは、24~96時間で平均46%~76%であった。
表12
Figure 0007163281000027
Figure 0007163281000028
Figure 0007163281000029
Figure 0007163281000030
Figure 0007163281000031
Figure 0007163281000032
Figure 0007163281000033
Figure 0007163281000034
急性骨髄性白血病骨髄試料中の正常なリンパ細胞に対する腫瘍からの活性領域の比較分析を図31に提供する。この図において、活性領域値は、ポテンシー(EC50)及び有効性(Emax)を統合する。活性領域が小さいほど、ポテンシーが大きく、治療が有効である。対応のある両側スチューデントt検定を使用して、リンパ球と比較した腫瘍のAUC間の差異の統計的有意性を決定した。エラーバーは、標準偏差を表す。
結論.化合物1を、30人のAML患者から入手した試料のパネルにおいて試験した。患者の診断中に得られた骨髄(BM)吸引物を、構成成分の分離なしに播種し、公開された手順に従って24、48、及び96時間目に感受性について試験した(Bennett,et al Clin Lymphoma Myeloma Leuk 2014 Aug;14(4):305-318)。標準治療薬の場合、この試験は、臨床感受性と非常に良好に相関することが示された。化合物1のエクスビボ有効性は、時間及び濃度依存性であり、試験した30個の患者試料のうち26個が、3つの時点すべてにわたって21nM(範囲は2~160nMであった)の最大応答(EC50)の50%を誘導するために必要な平均濃度を有することを示す。非感受性として分類された4個の患者試料のうち3個が、感受性試料よりも高いEC50値を示し、4個すべてが、一貫して、24時間及び48時間で68%より多く白血病芽球を減少させることができないことにより測定して、より不良な有効性を示した。感受性患者試料において、白血病細胞の殺滅は、急速かつ非常に効率的であった。そこで24時間までに、平均82%超の白血病細胞が枯渇し、48時間までに、92%超が枯渇し、96時間までに98%超が減少した。十分な正常リンパ球がカウントされ得た患者試料において、化合物1は、著しく活性が低く、正常細胞に対する中度の有効性を有するにすぎず(Emax[最大可能硬化]は24~96時間で平均46%~76%であった)、白血病細胞と正常細胞との間で2~5倍の示差的ポテンシーを示した。
実施例5:造血前駆細胞に対する化合物1の効果のインビトロ評価
実験デザイン:ヒト骨髄(BM)CD34+細胞を使用して、化合物1により誘導されたBM毒性に対する潜在力を評価した。造血前駆細胞の機能性に対する化合物1の効果を試験するために、コロニー形成アッセイを、MethoCult培地上にBM CD34+細胞を播種することによって行った。細胞を、化合物1とともにMethoCultに直接播種するか、または化合物1とともに液体培地に2、4、または8時間にわたって培養し、化合物を含まないMethoCultに播種して、異なる曝露時間の効果を評価した。HSC上で化合物1により誘導された早期アポトーシスを、フローサイトメトリーによって分析した。
結果.化合物1またはDMSOに曝露された培地における、一般的な顆粒球/赤血球/単球/巨核球のコロニー形成単位(CFU)(CFU-GEMM)、顆粒球/単球のCFU(CFU-GM)、赤血球のバースト形成単位(BFU-E)、及び赤血球のCFU(CFU-E)を、STEMvision上で採点した。4人の正常BMドナーの各々について、各条件からの絶対数を表13~16に示す。
表13:ドナーHD10からのコロニー形成アッセイにおける顆粒球、単球、及び/または赤血球前駆細胞に対する化合物1の効果
Figure 0007163281000035
表14:ドナーHD14からのコロニー形成アッセイにおける顆粒球、単球、及び/または赤血球前駆細胞に対する化合物1の効果
Figure 0007163281000036
表15:ドナーHD18からのコロニー形成アッセイにおける顆粒球、単球、及び/または赤血球前駆細胞に対する化合物1の効果
Figure 0007163281000037
表16:ドナーHD19からのコロニー形成アッセイにおける顆粒球、単球、及び/または赤血球前駆細胞に対する化合物1の効果
Figure 0007163281000038
予想通り、CFU-GEMM及びCFU-Eコロニー数は非常に低く、CFU-GM及びBFU-Eのパーセンテージのみを、IC50の計算に使用した(図32)。CFU-GMの阻害についてのIC50値は、ドナー間で大きさが同等であった。BFU-Eの阻害についてのIC50値は、他の3人のドナーよりも大幅に低い値であったドナーD19からのBFU-EについてのIC50を除いて、ドナー間で大きさが同等であった。
正常なドナーからの骨髄CD34+細胞を、MethoCult培地において化合物1でインキュベートした。CFU-GM及びBFU-Eのコロニー数を、STEMVision自動コロニー数計数器及びソフトウェアを使用して計数し、DMSO対照のコロニー数に対して正規化した。DMSO対照対化合物1の濃度のパーセンテージとしてプロットされた結果を使用して、IC50値を決定した。データは、n=3技術的複製の平均の平均±標準誤差として示す。ドナーは、HD10、HD14、HD18、及びHD19であった。
化合物1の曝露の2、4、及び8時間後の早期アポトーシスを、フローサイトメトリーによって測定した。Annexin V陰性細胞のパーセンテージによって測定される、これらの早期時点における化合物1誘導性アポトーシスの徴候は、600nMまでの化合物1の濃度において明らかではなかった。同様の傾向は、HSC(CD34+/CD38-)及びHPC(CD34+/CD38+)において観察された(表17~20)。HSC及びHPC集団に対するより長期の曝露の潜在的効果は、この研究において評価されなかった。
表17:ドナーHD8からの生存性CD34陽性/CD38陰性細胞のパーセンテージ
Figure 0007163281000039
表18:ドナーHD8からの生存性CD34陽性/CD38陽性細胞のパーセンテージ
Figure 0007163281000040
表19:ドナーHD9からの生存性CD34陽性/CD38陰性細胞のパーセンテージ
Figure 0007163281000041
表20:ドナーHD9からの生存性CD34陽性/CD38陽性細胞のパーセンテージ
Figure 0007163281000042
早期アポトーシスが、2、4、または8時間の時点で検出されなかったとしても、同じ細胞のコロニー形成アッセイは、化合物1に対する曝露の8時間後に、BFU-E及びCFU-GMの不全を示した。80nMより高い濃度で、コロニーの数は、50%超低減した。それにもかかわらず、効果は、化合物1がMethoCult培地において、14日間のインキュベーション期間を通して、化合物ウォッシュアウトなしに維持された(連続条件)場合に観察されたものより低かった。
造血前駆細胞に対する化合物1の効果を、ドナーHD46、HD47、HD48、及びHD50からの試料を使用してさらに調査した。BFU-Eコロニーの数は、8時間の曝露で111nM以上の化合物1の濃度で50%超低減し(p<0.01及び0.001)、個々のIC50値は、30~150nMの範囲であった。1000nMの化合物1への8時間曝露で形成されたCFU GMコロニーの数の低減は、4人のドナーについて31%~46%の範囲であり(p<0.01)、333nMの化合物1において22%~46%の範囲であった(p<0.05)(図33A~C)。示される結果は、4人のドナーの平均値であり、エラーバーは、(SEM)の標準誤差を表す。
図33A及び33Bは、それぞれ、イスコフ培地における4時間または8時間にわたる化合物1による骨髄CD34+細胞のプレインキュベーション、続いてMethoCult培地における14日間の化合物1なしのインキュベーション後のコロニー数を提供する。図33Cは、14日間にわたる、化合物1の連続存在下でのMethoCult培地における骨髄CD34+細胞のインキュベーション後のコロニー数を提供する。骨髄及び赤血球コロニーの数は、14日間のインキュベーション期間全体で、化合物1に曝露された試料中、111nM以上の濃度で良好に減少した。
結論.AMLにおける導入療法の目標は、完全寛解(CR)を達成することである。CRは、末梢血中1×10細胞/Lより多い好中球、5%未満の骨髄芽球、及び髄外疾患の証拠なしとして定義される。化学療法は、すべての造血細胞(良性及び悪性の両方)の骨髄を「空にする」ため、及び生存造血幹細胞(HSC)に正常細胞を有する髄を再配置させ、それにより寛解をもたらすために与えられる。
造血前駆細胞における化合物1毒性の評価は、4人の健康なドナーからのCD34+細胞における標準化コロニー形成アッセイを使用して行った。顆粒球-単球及び赤血球前駆細胞の阻害は、それぞれ82nM~135nM及び32nM~131nMのIC50値で観察された。
4人の異なるドナーからの細胞を使用して、化合物1に対する異なる曝露時間の応答も分析した。化合物1の毒性は、この化合物に対する曝露時間の長さが低減したときに減衰した。8時間において、効果は強度において低減したが、4時間において、効果は存在しなかった。毒性は、連続単一用量曝露後に最大であった。Annexin Vフローサイトメトリーによって測定されるアポトーシスの徴候は、CD34+/CD38-造血幹細胞(HSC)またはCD34+/CD38+造血前駆細胞(HPC)のいずれかにおいて、試験された化合物1の濃度(600nMまで)において2、4、または8時間で明らかでなかった。
これらのデータは、用量及び曝露時間が低減されると、造血前駆細胞に対する化合物1の毒性が、効果的に管理され得ることを示唆する。
実施例6:好中球成熟に対する化合物1の効果-エクスビボでの健康な骨髄前駆細胞
CFU-GM前駆細胞の増殖に対する化合物1の効果は、薬物誘導性好中球減少症におけるこれらの前駆細胞の役割に起因して、特別な関連性がある。好中球は、別個のステージを通して発生するCFU-GM前駆細胞、骨髄芽球(ステージI)、前骨髄球(ステージII)及び骨髄球(ステージIII)を通して発生する前駆細胞に由来し、これらは最終的に縞状核または分葉核を有する好中球に向けて成熟する。好中球成熟に対する化合物1の効果は、前駆細胞の2次元培養、続いてフローサイトメトリーを使用することによって決定した。健康なボランティアから入手した骨髄CD34+細胞を、組織培養培地に移し、幹細胞因子(SCF)、Fms関連チロシンキナーゼ3リガンド(Flt-3リガンド)、及び顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を添加することによって、エクスビボで骨髄性分化を誘導した。このシステムにおける化合物1の効果を評価するために、30nMまでの化合物1の濃度及び0日目に開始して8、24、及び72時間の曝露時間を選択した。化合物1に対する曝露後に、細胞を洗浄し、次いで14日目まで化合物1の非存在下、培養培地中でインキュベートした。細胞分化及びアポトーシスを、培養の3、7、10、及び14日目に、フローサイトメトリーに基づく方法で測定し、アポトーシス細胞及び死細胞を、Annexin V陽性及び7-アミノアクチノマイシンD陽性として特定した。結果は、細胞が24時間及び72時間にわたって化合物に曝露されたとき、試験した最高の化合物1濃度(30nM)においてのみ生存性が減少したことを示した(図34)。
図34において、健康なドナーからの骨髄CD34+細胞を、30nMの化合物1またはDMSOでインキュベートした。化合物1を、8、24、または72時間後にウォッシュアウトし、培地を置き換え、培養物を化合物1またはDMSOの非存在下で14日目までインキュベートした。細胞を、それらのCD34、CD33、及びCD11bの発現に従い、最も未成熟から最も成熟まで、HPC、ステージI、ステージII、ステージIII、及びステージIVとして分類した。次いで、各ステージからのアポトーシス細胞を、Annexin Vについて陽性として特定し、AV+HPC、AV+ステージI、AV+ステージII、AV+ステージII、及びAV+ステージIVとして標識した。各化合物1曝露期間(8時間、24時間、及び72時間)について、N=1である。評価した2人の健康なドナーのうちの1人から得た骨髄前駆細胞について、代表的な結果を示す。24時間及び72時間の曝露群において、3nM以下の化合物1の濃度で、または8時間の曝露時間での0.03~30nMの任意の化合物1の濃度で、生存性の低減はなかった。化合物1の除去後に、培養物中の細胞生存性は増加し、24時間にわたって化合物1に曝露された培養物中で10日目に対照値に到達した。細胞生存性は、72時間にわたって化合物1に曝露された培養物中で、9.6%から30%(ドナー1)及び13%から44%(ドナー2)まで増加した。24時間または72時間の曝露後の30nMの化合物1におけるアポトーシスは、骨髄性分化のすべてのステージに影響を及ぼしたが、生存細胞は、増殖し、正常な好中球に完全に成熟することができた(図34)。
造血研究の要約:要約すると、これらのデータは、健康なドナーの骨髄のエクスビボ培養物に化合物1を添加することは、細胞成長の遅延または停止を誘導することにより顆粒球-単球及び赤血球コロニーの形成の減少/遅延をもたらしたことを示す。前駆細胞による阻害性成長は、化合物1が8時間までの治療後にウォッシュアウトされたときに大幅に低減し、化合物1治療のための用量スケジュール戦略が、造血幹細胞及び前駆細胞の生存を可能にするはずであり、インビボでの血液毒性の潜在性を低減することを示唆する。前駆細胞分化に対する化合物1の効果を、好中球の発達中に前駆細胞集団を分析することによってさらに調査した。化合物1でのより長い治療(72時間まで)は、細胞の一部にアポトーシスを誘導することによって好中球分化のすべてのステージに影響を及ぼしたが、生存細胞は、増殖し、正常な好中球に完全に成熟することができた。これらの発見は、投薬戦略が、AML細胞株及びAML患者の芽球において強力なアポトーシスを誘導し、腫瘍細胞を排除するが、正常な造血幹/前駆細胞の一部を利用し、好中球減少症の逆転を可能にすることができる化合物である、化合物1について考案され得る可能性を示唆する。
実施例7:MDS試料のインビトロ生存性に対する化合物1の効果
方法.高リスクMDS試料に対する化合物1の効果は、幹細胞/前駆細胞に対するその効果をより良く定義するために、インビトロ液体培養において、ならびにコロニーアッセイによって測定した。高リスクMDS患者からの骨髄単核細胞(BMMC)を、hLDL(40μg/mL)、SCF(50ng/mL)、FLT3L(50ng/mL)、IL-3(10ng/mL)、IL-6(25ng/mL)、及びTPO(100ng/mL)(すべてPeprotechから)で補充されたCellGro培地(GellGenix)中、インビトロで培養した。培養中に、細胞を異なる濃度の化合物1(37、111、333、及び1000nM)またはDMSO対照に曝露した。24時間後、細胞を2回洗浄して化合物を除去し、1週間まで培養物中に維持し、1日目、3日目、及び7日目に生存細胞計数を行う。化合物ウォッシュアウトの直後に、条件あたり105個の細胞をコロニー形成アッセイのために収集し、別の105個の細胞を細胞内フローサイトメトリーのために染色した。
コロニー形成アッセイの場合、細胞をMethoCult培地(Stem Cell Technologies)に播種し、37℃で14日間インキュベートし、StemVision(Stem Cell Technologies)を使用して自動計数によって採点した。
アポトーシス細胞の細胞内フローサイトメトリー測定の場合、細胞を、1.6%パラホルムアルデヒド中に固定し、氷冷メタノール中で透過処理し、FITC複合化抗活性カスパーゼ3抗体(Becton Dickinson)を使用して染色した。FACSCanto IIフローサイトメーター(Becton Dickinson)を、フローサイトメトリーデータ取得に使用した。フローサイトメトリー標準(FCS)ファイルを、Infinicytソフトウェア(Cytognos)を使用して分析した。
結果.図35Aに示されるように、生存細胞の数は、24時間の曝露後に、化合物1の濃度まで用量依存的に著しく低減し、この効果は、少なくとも1週間の間維持された。カスパーゼ3活性化によって確認されるように、MDS細胞に対するこの効果は、アポトーシスの誘導によって媒介された(図35B)。化合物1の効果は、コロニー形成アッセイにより測定して、MDS前駆細胞においてより急性であった(図35C)。
結論.化合物1は、MDS試料中の細胞数の減少を誘導した。この効果は、カスパーゼ3の活性化によって媒介された。化合物1はまた、MDS前駆細胞を効果的に減少させた。このデータは、MDS試料に対する化合物1の抗増殖効果及びアポトーシス効果を示す。
実施例8:MDS患者試料の細胞生存及び自己再生に対する化合物1の効果
方法.ヒトインターロイキン-3(IL-3)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、及び幹細胞因子(SCF)を発現するマウス間質細胞SL/M2を、培養密度、続いてγ線照射に対して培養した。次いで、3人の高リスクMDS患者(HR-MDS)、3人のMDSから生じる二次AML患者(sAML)、及び5人の同年齢の健康なドナーから単離されたヒトCD34+骨髄細胞を、不活性化SL/M2細胞で1週間培養した。次に、ヒト前駆細胞をFACSによって定量化し、細胞を、コロニー形成アッセイ(細胞生存アッセイ)のためにメチルセルロース中に播種した。2週間後、20~25個のコロニーを各条件から選び、再懸濁し、2回目のコロニー形成アッセイ(細胞自己再生アッセイ)のために新鮮なメチルセルロース中に再播種した。
結果.コロニー形成アッセイ(図36A)において、化合物1は、HR-MDS、sAML、及び正常な骨髄前駆細胞において著しい細胞毒性を誘導した。10nM及び100nMでの化合物1は、正常な骨髄前駆細胞と比較して、HR-MDS及びAML前駆細胞の細胞生存をより特異的に阻害する傾向があった。コロニー再播種アッセイ(図36B)において、1nM及び10nMでの化合物1は、正常な骨髄前駆細胞よりも、sAML及びHR-MDS前駆細胞の自己再生を著しく低減した。
結論.化合物1は、sAML及びHR-MDS細胞の成長を阻害した。治療濃度域は、正常な骨髄前駆細胞に対する低減した効果とともに示された。
実施例9:急性骨髄性白血病異種移植マウスモデルにおける化合物1の抗腫瘍活性
この研究において、HL-60 IV AML異種移植モデルにおける化合物1の抗腫瘍活性を研究した。このモデルにおいて、HL-60ヒトAML細胞を、ホストBM及び内臓(例えば、脾臓、肝臓)に移植し、動物は、進行性末梢白血球増多症を発症する。雌の重症複合免疫不全(SCID)マウスに、HL-60細胞を尾静脈注射によって接種した。異種移植HL-60細胞に対する化合物1の効果を理解するために、動物に、ビヒクルもしくは化合物1(0.5、1、2.5、及び5mg/kg)を1日1回(QD)5日間、移植後3週間~4週間の間に腹腔内(IP)投与するか(AP6516、生存研究)、または動物に、ビヒクルもしくは化合物1を、1日2回(BID)、連続で5日間もしくは10日間にわたって(5mg/kg BID×5もしくは2.5mg/kg BID×10)、移植後6週間~8週間の間にIP投与した(研究AP6982、BM中の%ヒトCD33+[hCD33+]細胞)。
生存研究
HL-60を担持する動物の末梢血からの腫瘍負荷を、腫瘍細胞接種後7週間目に蛍光標識細胞分取(FACS)によって査定した。ビヒクル対照群と比較して、化合物1治療群のうちのいずれにおいても腫瘍負荷に対する効果は観察されなかった。ビヒクル対照及び化合物1治療群からのマウスは、ビヒクル対照群の場合は54日目、及び化合物1治療群の場合は51日目~57日目の間に疾患負荷に屈した。全生存効果は、化合物1治療群に対して観察されなかった。2.5mg/kg化合物1治療群からの1匹のマウス(1/8)が、162日目の研究終了まで生存した。陽性対照フルダラビンは、著しく延命した(生存中央値76日に対してビヒクル対照群は67.5日、p<0.05)。
骨髄におけるHL-60腫瘍細胞
3週間目の5連続日治療に続くHL-60生存研究において、化合物1治療による活性が観察されなかったため、治療時間に近いエンドポイントを見るように実験をデザインした。この研究では、投与される薬物の総量を一定に維持しながら、異なる化合物1投薬スケジュール(5mg/kg、BID×5連続日に対する2.5mg/kg、BID×10連続日)を研究した。ビヒクル対照動物は、5% N-メチル-2-ピロリドン(NMP)/45% PEG 400/50%生理食塩水で治療した。治療は、接種後6週間目に開始した。ビヒクル及び化合物1治療群は、治療開始後7日目(5連続日の5mg/kgを1日2回[BID]化合物1の後)または11日目(10連続日の2.5mg/kg BID化合物1の後)のいずれかに終了した。研究の主要エンドポイントは、FACS分析によるBM中のhCD33+/CD45+細胞のパーセンテージであった。追加のエンドポイントには、細胞生存性、体重、及びBM組織学が含まれた。
HL-60細胞は、ヒト特異的抗体を有するCD33+/CD45として、FACS分析により大腿骨髄試料から特定した。BID×5群及びBID×10群からのビヒクル治療した動物のBMにおけるヒトCD33+/CD45+細胞のパーセンテージは、それぞれ47.5±6%及び55.2±6%であった。5mg/kgの化合物1 BID×5での治療は、ビヒクル対照群と比較して、BM中のヒトCD33+/CD45+腫瘍細胞のパーセンテージの著しい54.0%低減(p=0.0013)をもたらした(ビヒクル対照群及び化合物1治療群について、それぞれ47.5%対21.9%ヒトCD33+/CD45+細胞)。2.5mg/kgの化合物1 BID×10での治療は、ビヒクル対照群と比較して、BM中のヒトCD33+/CD45+腫瘍細胞のパーセンテージの著しい71.5%低減(p<0.0001)をもたらした(ビヒクル対照群及び化合物1治療群について、それぞれ55.2%対15.7%ヒトCD33+/CD45+細胞)。FACS分析により決定される、骨髄細胞生存性に対する著しい効果は、化合物1治療群において観察されなかったが、この測定が、マウス骨髄細胞とヒト骨髄細胞とを区別しないことに留意すべきである。疾患進行と一致する体重喪失は、ビヒクル群及び化合物1治療群の両方において観察された。化合物1治療により示される差異はなかった。
ビヒクル及び化合物1で治療された動物の代替大腿骨をホルマリンに固定し、パラフィンに埋め込み、ヘマトキシリン及びエオシン染色のために処理した。単一の組織切片/動物を組織学的分析に使用し、生存骨髄中の腫瘍のパーセントを、腫瘍細胞により占められる面積に基づいて推定した。化合物1(5mg/kg)BID×5治療による骨髄中の生存腫瘍のパーセンテージにおいて、著しい35%低減(ビヒクル対照に対してp<0.006)があった。2.5mg/kg化合物1 BID×10での治療は、骨髄中の生存腫瘍のパーセンテージの減少に向かう傾向を明示したが(ビヒクル対照に対して23.5%)、この減少は統計的に有意でなかった。これらのデータは、化合物1治療後のFACSデータにおいて観察された低減と一致するが、変化の程度は、組織学的分析においてより小さい。これは、FACSによる骨髄細胞集団全体の分析と比較して、組織学的査定における小さい試料面積(1切片/マウス)に起因し得る。
実施例10:再発性または不応性急性骨髄性白血病を有する対象における化合物1(新規のCereblon E3リガーゼ調節薬)の第1相非盲検用量検出研究
適応症:再発性または不応性急性骨髄性白血病(AML)の治療
目的
主目的:
化合物1の安全性及び耐容性を決定すること。
化合物1の非耐量(NTD)、最大耐量(MTD)、及び/または推奨される第2相用量(RP2D)を定義すること。
二次目的:
化合物1の予備的な有効性に関する情報を提供すること。
化合物1の薬物動態(PK)を特徴付けること。
研究デザイン
これは、ヒトにおいて初の、再発性または不応性AMLを有する対象における化合物1の非盲検第1相用量漸増及び拡張臨床試験である。研究の用量漸増部(パートA)は、静脈内投与された漸増用量の化合物1の安全性及び耐容性を評価し、化合物1のMTDを決定する。拡張部(パートB)は、RP2Dを決定するために、各々およそ20人までの評価可能な対象の選択された拡張コホートにおける、MTD以下で投与された化合物1の安全性及び有効性をさらに評価する。1つ以上の投薬レジメン及び/または疾患サブセットは、コホート拡張のために選択され得る。パートA及びBは、3つの期間、スクリーニング、治療、及びフォローアップからなる。白血病応答は、調査者によって決定される。疾患の査定は、AMLにおける国際ワーキンググループの応答基準に基づく(Cheson et al.Revised recommendations of the International Working Group for diagnosis,standardization of response criteria,treatment outcomes,and reporting standards for therapeutic trials in acute myeloid leukemia.J Clin Oncol 2003;21(24):4642-9)。
スクリーニング期間
スクリーニング期間は、化合物1の初回投与の28日前に開始する。任意の他の研究手順を開始する前に、対象及び実施スタッフは、インフォームドコンセント文書に署名し、日付を記入しなければならない。すべてのスクリーニング試験及び手順は、化合物1の初回投与前28日以内に完了しなければならない。
治療期間
治療期間において、化合物1は、疾患進行、再発、許容されない毒性、または対象/医師による撤退決定が存在しない場合、各28日サイクルの1~5日目に4サイクルまで静脈内投与される。パートAの間、対象が臨床利益(安定した疾患またはPR)を明示し、許容されない毒性がなく研究薬物に耐容する場合、サイクル4に加えて2つの追加のサイクルが許容され得る。修正された投薬スケジュール(例えば、投薬を5日から10日まで増加させる)が、必要に応じて、毒性、PKプロファイル、及びPD所見に基づいて、追加のコホートにおいて評価されてもよい。
すべての対象は、各サイクルの1日目の少なくとも3日前にカルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充を開始し、各サイクルにおける化合物1の最終投与から3日以降(例えば、化合物1が1日目~5日目に投与される場合、8日目以降)まで継続する必要がある。
サイクル1において、28日目(±3日)に骨髄評価を行う。28日目の骨髄評価に基づいて、造血低形成骨髄を有し、持続性白血病の証拠がなく、グレード3以上の好中球減少症を有する対象は、サイクル1における安全性モニタリングのために、さらに2週間フォローする(合計42日の期間、図1を参照)。追加の骨髄査定は、血液学的回復の時点または42日目(±3日)に行う。したがって、パートAにおいて、サイクル1中の用量制限毒性(DLT)の評価のための期間は、最大42日(28日または42日)となる。
サイクル2~4は、28日の長さである。
フォローアップ期間
フォローアップ期間において、すべての対象は、安全性について、化合物1の最終投与後28日間(±3日)にわたってフォローされる。
記録された疾患の進行(または再発)のない対象は、1年目はその後8週間(±1週間)毎、及び2年目は12週間(±2週間)毎、または疾患の進行(もしくは再発)、新規抗がん療法の開始、研究からの撤退の同意、死亡、または治験の終了のうち最初に到来するものまでに行われた全血球数及び末梢血塗抹の有効性評価を有する。骨髄評価は、1年目の最後に、フォローアップ期間中に臨床的に示されるように完了する。
すべての対象は、最長2年、または死亡、フォローアップの喪失、もしくは治験の終了のうち最初に起こるものまで、有効性長期フォローアップのスケジュールに従って生存フォローアップのためにフォローされる。生存フォローアップは、記録のレビュー(公的記録)及び/または対象、家族、または対象の治療医師との電話コンタクトによって行われ得る。
パートA-用量漸増
漸増相(パートA)の間、修正された加速滴定デザイン(Simon et al.,J Natl Cancer Inst 1997;89(15):1138-47)を使用して、初期毒性を確立する。各々1人以上の対象のコホートに、2人以上の対象がDLT期間内にグレード2以上の化合物1関連有害事象を経験するまで(異なるコホートであってもよい)、または1人以上の対象がDLT期間内にDLTを経験するまで、コホートあたり100%増分で増加する用量で化合物1を投与する。その時点で、現行のコホート及びすべての後続のコホートは、3~6人の対象を登録して拡張される。50%を超えない用量増分での用量漸増スケジュールは、NTD及びMTDを確立するために同時に開始される。初期用量は、0.3mgである。試料用量漸増スキームを図2に示す。化合物1製剤中のN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)残留溶媒は、2.4mgの化合物1の日用量を超える用量漸増コホートで進めるために、ICH Q3C不純物:残留溶媒において設定された1日許容曝露量(PDE)を超えてはならない。
用量漸増決定は、調査者(及び/または指定された代表者)、スポンサーの研究担当医師、安全性担当医師、及び研究管理者を含む安全性検討委員会(SRC)の自由裁量で行われる。特別出席者には、研究薬物動態学者、研究統計学者、及び追加の研究臨床科学者を挙げることができる。必要に応じて、SRCは、他の内部及び外部専門家に助言を求めることができる。
SRCは、より高い用量コホート、用量コホート内の追加の対象、中間用量コホート、より少量の用量増分、代替投薬スケジュール(例えば、化合物1投与の5日から10日まで増加させる)を評価することを決定してもよく、及び/または入手可能な臨床及び検査安全性データ、PKプロファイル、及びPD所見のレビューに基づいて、MTDを宣言してもよい。代替投薬スケジュールが評価される事象において、開始用量及びスケジュールは、用量漸増のための基準を以前に満たしていた用量コホートの用量強度を超えない。
第1の用量が、用量漸増中に任意のコホートに投与された後、各コホートにおける対象は、次のより高い用量コホートが始まる前に、少なくとも28日間及び最大42日間(サイクル1、DLT期間)にわたって観察される。所与の用量漸増コホートにおいて、1日あたり複数の対象は登録されない。DLTについて評価可能な対象は、以下であるとして定義される。
DLTを経験することなく、サイクル1の間に、予定されたサイクル1全用量(例えば、5日投与スケジュールの場合、4つの完全化合物1用量、投与を飛ばした場合は7日目以前に4つ以上の用量が完了される)の化合物1の少なくとも80%を受けた、または
化合物1の少なくとも1つの用量(もしくはその留分)を受けた後にDLTを経験した。
代替投与スケジュール(例えば、投薬を5日間から10日間まで増加させる)がパートAにおいて評価される事象において、DLT評価可能な対象を決定するために同じ基準が適用される。DLTについて評価可能でない対象を置き換える。
用量コホートにおける評価可能な対象のうちの33%超がサイクル1の間にDLTを経験する場合、用量は非耐容性であると見なされる。MTDは、評価可能な対象のうちの33%以下がサイクル1の間にDLTを経験する、NTDより下の最終用量として定義される。6人の評価可能な対象のうちの2人以上が、第1の用量コホートにおいてDLTを経験する場合、より低い用量コホートが、SRCの自由裁量において調査される(すなわち、0.1mgの化合物1)。中間用量の化合物1(NTDとNTD前の最終用量レベルとの間の用量)を評価して、MTDを正確に決定することができる。
対象内用量漸増は、DLT査定期間の間は許容されないが、サイクル2以降では、疾患進行の証拠のない、割り当てられた用量の化合物1に耐容する対象は(調査者の自由裁量において)、この研究における対象の少なくとも1つのコホートによって適切に耐容されることが示される最高用量レベルまで漸増させることができる(すなわち、評価可能な対象のうちの33%以下が、その用量レベルでDLTを経験した)。
パートB-コホート拡張
用量漸増(パートA)の完了後に、追加の対象を拡張相(パートB)に登録することができ、各コホートはおよそ20人までの評価可能な対象を含む。拡張は、パートAからの安全性、PK、及びPDデータに基づいて、用量漸増相において確立されたMTD及びスケジュールで、及び/または代替耐量及びスケジュールで起こり得る。SRCは、コホート拡張のために対象となる用量及びスケジュールを選択する。1つ以上の投薬レジメンが、コホート拡張のために選択され得る。SRCは、安全性データのレビューを、研究を通して定期的に継続し、必要に応じて、研究の継続性及び用量修正を勧める。
研究対象集団
他の確立された療法に好適でない世界保健機関の基準(Lowenberg,Acute myeloid leukemia:the challenge of capturing disease variety.Hematology ASH Education Program 2008;2008(1):1-11)によって定義される、再発性または不応性AMLを有する18歳以上の男性及び女性が、研究に登録される。
研究の長さ
登録は、完了までにおよそ18~24ヶ月かかることが予想される(用量漸増に12~15ヶ月、及び拡張に6~9ヶ月)。活発な治療及び治療後フォローアップの完了には、さらに6~24ヶ月を要すると予想される。研究全体は、およそ3~4年まで継続することが予想される。
治験の終了は、最後の対象が治療後フォローアップを完了するための最終訪問日、またはプロトコルにおいて事前に特定される、一次、二次、及び/または探索的分析に必要とされる最後の対象からの最後のデータ点の受領日のうち後に到来する日として定義される。
研究治療
治験使用のために適切に標識されたIV注入用の化合物1は、関連する国の保健局の規制に従って供給される。研究薬は、上記の治療期間の部分で概説されるように投与される。
臨床的に有意な疾患進行(もしくは再発)、許容されない毒性、または対象/医師による撤退決定の証拠がある場合、研究治療を中止することができる。対象は、調査者の自由裁量で疾患進行を超えて研究薬を受け続けることができる。
重要な有効性査定の概要
一次有効性変数は、白血病奏功率である。
すべての治療された対象が、有効性分析に含まれる。白血病応答は、調査者によって決定される。査定は、AMLにおける国際ワーキンググループの応答基準に基づく(Cheson,J Clin Oncol.2003;21(24):4642-9)。
抗白血病活性の証拠の記述的分析は、調査者による臨床的、検査、分子、及び細胞遺伝学的査定に基づいて提供され、骨髄芽球のパーセンテージの査定、骨髄遺伝学、分子遺伝子研究を含み、分子応答、骨髄フローサイトメトリー、血小板数、及び絶対好中球数を評価する。
応答基準は、最良の総合応答率カテゴリーである、完全寛解率(CRR)及び奏効率(ORR)によって要約される。ORRは、完全寛解(CR)(すなわち、形態学的無白血病状態、形態学的CR、細胞遺伝学的CR、分子CR、及び不完全な血液回収を伴う形態学的CR)、ならびに部分寛解のすべての応答を含む。
注目する有効性変数は、ORR及びCRRである。全生存(OS)、無再発生存(RFS)、無進行生存(PFS)、無事象生存、寛解期間、応答期間、及び寛解/応答までの時間を含む臨床活性の他の測定値が要約される。
重要な安全性査定の概要
この研究の安全性変数は、有害事象、安全性臨床検査変数、12-誘導心電図、東海岸がん臨床試験グループパフォーマンスステータス、左室駆出率査定、身体検査、バイタルサイン、研究治療への曝露、併用医薬の査定、及び妊娠の可能性のある女性の妊娠検査を含む。
重要な薬物動態査定の概要
化合物1について決定された血漿PKパラメータは、観察された最大血漿濃度(Cmax)、投与後0時間~24時間の血漿濃度-時間曲線下面積(AUC24)、終末相排出半減期(t1/2)、総血漿クリアランス(CL)、ピーク(最大)血漿濃度までの時間(tmax)、安定した状態での分布容積(Vss)である。選択されたPKパラメータ(例えば、Cmax、AUC24、t1/2)は、必要に応じて、化合物1のR鏡像異性体及びS鏡像異性体について推定される。
統計方法
統計分析は、必要に応じて、または該当する場合、用量レベル(パートA)及びコホート(パートB)別に行う。すべての分析は、本質的に記述的である。
安全性データのすべての要約は、任意の化合物1を受ける対象を使用して行われる(治療対象集団)。
主対象となる有効性変数は、ORR及びCRRである。OS、RFS、PFS、無事象生存、寛解期間、応答期間、及び寛解/応答までの時間を含む他の予備的な有効性変数が要約される。有効性分析は、治療集団及び有効性評価可能集団(ベースライン白血病査定評価、少なくとも1サイクルの研究治療またはサイクル1における予定用量の少なくとも80%、及び研究白血病査定評価に関するものを受けた)に対して繰り返し、治療集団を使用した結果を一次と見なした。
すべてのバイオマーカー関連データの提示は、別途特定されない限り、少なくとも1つのバイオマーカー査定を受けた治療対象に基づく。記述的統計は、投薬レジメン及び/または疾患サブセット別、ならびに全体の連続バイオマーカーエンドポイントのベースライン及びベースラインからの変化について提示される。
PK、PD、安全性、及び活性関係の調査を査定する。
International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use/優良臨床試験実施基準、及び該当する規制要件に準拠して、研究を行う。
包含基準
対象は、この研究の用量漸増(パートA)または用量拡張(パートB)に登録されるために、下記の基準を満たさなければならない。
1.ICDに署名する時点で18歳以上の男性及び女性。
2.対象は、任意の研究関連査定/手順が行われる前にICDを理解し、自発的に署名しなければならない。
3.対象は、研究訪問スケジュール及び他のプロトコル要件に従う意志があり、それが可能である。
4.他の確立された療法に好適でない、世界保健機関の基準(Lowenberg Hematology ASH Education Program 2008;(1):1-11)によって定義される再発性または不応性AML。
5.0~2の東海岸がん臨床試験グループのパフォーマンスステータス(ECOG PS)
6.前処置なしにドナーリンパ球輸注(DLI)から少なくとも4週間(初回投与から)が経過している。
7.対象は、以下のスクリーニング検査値を有していなければならない。
正常範囲内(WNL)の補正された血清Caまたは遊離(イオン化)血清Ca
補正されたCa(mg/dL)=総Ca(mg/dL)-0.8(アルブミン[g/dL]-4)
最初の輸注前の総白血球数(WBC)<25×109/Lこのレベルを達成するために、ヒドロキシウレアでの前治療もしくは同時治療が許される。
正常範囲内または補充物で訂正可能なカリウム及びマグネシウム
アスパルテートアミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)またはアラニンアミノトランスフェラーゼ/血清グルタメートピルビン酸トランスアミナーゼ(ALT/SGPT)≦2.5×正常範囲の上限(ULN)。
尿酸≦7.5mg/dL(446μmol/L)尿酸低下剤での前治療及び/または同時治療(例えば、アロプリノール、ラスブリカーゼ)が許される。
血清ビリルビン≦1.5×ULN
コッククロフト・ゴールト式を使用する≧60mL/分の推定された血清クレアチニンクリアランス
INR<1.5×ULN及びPTT<1.5×ULN
8.化合物1についての妊娠防止計画(PPP):
a).妊娠の可能性のある女性(FCBP)は、PPPに概説されている頻度に基づいて妊娠検査を受けなければならず、妊娠結果が陰性でなければならない。
b).異性間性交の完全な節制を実践しない限り、性的に活発なFCBPは、PPPにおいて特定される適切な避妊法を使用することに同意しなければならない。
FCBPは、中断なしに、化合物1の開始前28日間にわたって、化合物1治療の期間全体にわたって、投与中断の間、及び化合物1の最終投与後少なくとも28日間にわたって、2つの信頼できる避妊形態を同時に使用すること(または完全な節制を実践すること)に同意しなければならない。
完全な節制は、これが対象の好ましく通常のライフスタイルである場合にのみ許容される。
断続的な節制(カレンダー排卵法、排卵徴候体温法、排卵後法)及び撤退は許容されない。
c).異性間性交の完全な節制を実践しない限り、性的に活発な男性(精管切除を受けていた男性を含む)は、FCBPと性交渉を行うときに、PPPにおいて特定されるバリア避妊法を使用しなければならない。
完全な節制は、これが対象の好ましく通常のライフスタイルである場合にのみ許容される。
d).女性は、PPPにおいて特定される期間の間、授乳または母乳提供を行わないことに同意しなければならない。
e).男性は、PPPにおいて特定される期間の間、精液または精子を提供しないことに同意しなければならない。
f).すべての対象は、
化合物1が潜在的な催奇の危険性を有し得ることを理解しなければならない。
PPPにおいて特定される期間の間、献血しないことに同意しなければならない。
妊娠の予防及び胎児被曝の危険性について助言を受けなければならない。
除外基準
以下のうちのいずれかの存在により、対象が登録から除外される。
1.急性前骨髄球性白血病(APL)を有する対象
2.活性中枢神経系(CNS)白血病または既知のCNS白血病を示唆する臨床症状を有する対象。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与の臨床的疑いがある場合にのみ必要とされる。
3.白血病のすぐに致命的な重度の合併症、例えば播種性/制御不能の感染、制御不能の出血、及び/または制御不能の播種性血管内凝固を有する対象。
4.以下を含む正常なカルシウムホメオスタシスを妨害するか、またはカルシウムの補充を妨げる障害または病態。
カルシウムの吸収を妨害する任意の既知の病態。
副甲状腺機能低下または副甲状腺機能亢進の臨床証拠。
化合物1の開始前の最後の4週間以内のビスホスホネートまたはデノスマブ。
活発なまたは最近の腎臓結石(化合物1の開始前1年以内)。
12ng/mL未満の血清25-ヒドロキシビタミンDレベル(30nmol/L)。
5.以下のうちのいずれかを含む、心機能不全または臨床的に有意な心疾患。
複数ゲート取得(MUGA)走査または心エコー図(ECHO)により決定される、45%未満の左室駆出率(LVEF)。
完全な左脚ブロックまたは二束ブロック。
先天性QT延長症候群。
持続的または臨床的に有意な心室性不整脈。
スクリーニング心電図(ECG)上で470msec以上のQTcF(1日目の前に72時間以上行われた三重記録の平均)。
化合物1の開始前3ヶ月以内の不安定な狭心症または心不全。
6.先に自家造血幹細胞移植を受け、調査者の判断において、最後の移植の作用(例えば、移植関連副作用)から完全に回復していない患者。
7.化合物1の開始前6ヶ月以内に標準または強度軽減前処置のいずれかを伴う先の自家造血幹細胞移植(HSCT)
8.スクリーニングの時点でHSCT後の全身性免疫抑制療法を受けているか、または臨床的に有意な移植片対宿主疾患(GVHD)を有している対象。進行中の皮膚または眼性GVHDに対する局所ステロイドの使用が許されている。
9.5半減期以下または化合物1の開始前4週間のいずれか短い方での、先の全身性がん配向性治療または治験モダリティ。末梢白血病芽球を制御するために、ヒドロキシウレアが許容される。
10.化合物1の開始前2週間以内の白血球除去。
11.化合物1の開始前2週間以内の大手術。対象は、最近の手術のいかなる臨床的に有意な作用からも回復していなければならない。
12.妊娠または授乳中の女性。
13.既知のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症。
14.既知の慢性、活性B型またはC型肝炎(HBV/HCV)感染症。
15.抗凝固剤(例えば、ワルファリン、低分子重量ヘパリン、第Xa因子阻害剤)の慢性治療的投与を伴う進行中の治療。
16.活発な進行中の全身性治療を必要とする同時第2のがんの病歴。
17.対象は、カルシウム、カルシトリオール、及び/もしくはビタミンDの補充、またはそれらの成分のうちのいずれかに対して既知のアレルギー/過敏症を有する。
18.対象は、該対象が研究に参加するのを妨げる任意の有意な健康状態、検査異常、または精神病を有する。
19.対象は、対象が研究に参加することになっていた場合に、対象を許容されない危険性に曝す検査異常の存在を含む任意の病態を有する。
20.対象は、研究からのデータを解釈する能力を混乱させる任意の病態を有する。
上記の例は、当業者に、請求される実施形態を作製及び使用する方法の完全な開示及び説明を付与するために提供されるものであり、本明細書に開示されるものの範囲を限定することを意図しない。当業者に明らかな修正は、以下の特許請求の範囲内であるよう意図されている。本明細書に引用されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、そのような各刊行物、特許、または特許出願が、明確かつ個別に参照により本明細書に組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
血液がんを治療、予防、管理、または改善するための方法であって、それを必要とする対象に、以下の構造を有する2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、
(化1)
Figure 0007163281000043
あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体(化合物1)を投与することを含み、化合物1が、約0.1mg~約20mgの用量で前記対象に投与される、前記方法。
(態様2)
前記血液がんが、急性骨髄性白血病である、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記急性骨髄性白血病が、不応性または再発性急性骨髄性白血病である、態様2に記載の方法。
(態様4)
化合物1が、28日治療サイクルの1日目~5日目に投与される、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様5)
前記治療サイクルが、23日の休止期間を含む、態様4に記載の方法。
(態様6)
化合物1が、42日治療サイクルの1日目~5日目に投与される、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様7)
化合物1が、28日治療サイクルの1日目~3日目に投与される、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様8)
化合物1が、28日治療サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に投与される、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様9)
前記治療サイクルが、少なくとも1回繰り返される、態様4~7のいずれか1項に記載の方法。
(態様10)
前記治療サイクルが、2~4回繰り返される、態様4~8のいずれか1項に記載の方法。
(態様11)
化合物1が、約0.1mg~約10mgの用量で投与される、態様1~10のいずれか1項に記載の方法。
(態様12)
化合物1が、約0.3mg~約8.1mgの用量で投与される、態様1~11のいずれか1項に記載の方法。
(態様13)
化合物1が、約0.3mg、0.6mg、1.2mg、2.4mg、3.6mg、5.4mg、または8.1mgの用量で投与される、態様1~12のいずれか1項に記載の方法。
(態様14)
化合物1が、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で投与される、態様1~12のいずれか1項に記載の方法。
(態様15)
前記対象に、カルシウム、カルシトリオール、及び/またはビタミンDの補充のうちの1つ以上が投与される、態様1~14のいずれか1項に記載の方法。
(態様16)
前記対象に、化合物1の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充のうちの1つ以上が投与される、態様15に記載の方法。
(態様17)
前記対象に、前記サイクルの1日目の化合物1の投与の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充が投与される、態様15に記載の方法。
(態様18)
前記対象が、正常なカルシウムホメオスタシスを妨害するか、またはカルシウムの補充を妨げる障害を有しない、態様1~17のいずれか1項に記載の方法。
(態様19)
(2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)の多形体を投与することを含む、態様1~18のいずれか1項に記載の方法。
(態様20)
(2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)の非晶質形態を投与することを含む、態様1~18のいずれか1項に記載の方法。
(態様21)
化合物1の凍結乾燥製剤を投与することを含み、前記凍結乾燥製剤が、化合物1、緩衝剤、及び増量剤を含む、態様1~18のいずれか1項に記載の方法。
(態様22)
治療上有効な量の第2の活性薬剤を投与すること、またはサポートケア療法を施すことをさらに含む、態様1~21のいずれか1項に記載の方法。
(態様23)
前記対象が、18歳以上の患者である、態様1~22のいずれか1項に記載の方法。
(態様24)
前記血液がんが、骨髄異形成症候群である、態様1に記載の方法。
(態様25)
前記骨髄異形成症候群が、不応性または再発性骨髄異形成症候群である、態様24に記載の方法。
(態様26)
化合物1が、28日治療サイクルの1日目~5日目に投与される、態様24または25に記載の方法。
(態様27)
化合物1が、42日治療サイクルの1日目~5日目に投与される、態様24または25に記載の方法。
(態様28)
化合物1が、28日治療サイクルの1日目~3日目に投与される、態様24または25に記載の方法。
(態様29)
化合物1が、28日治療サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に投与される、態様24または25に記載の方法。
(態様30)
前記治療サイクルが、少なくとも1回繰り返される、態様26~29のいずれか1項に記載の方法。
(態様31)
前記治療サイクルが、2~4回繰り返される、態様26~29のいずれか1項に記載の方法。
(態様32)
化合物1が、約0.1mg~約10mgの用量で投与される、態様24~30のいずれか1項に記載の方法。
(態様33)
化合物1が、約0.3mg~約8.1mgの用量で投与される、態様24~30のいずれか1項に記載の方法。
(態様34)
化合物1が、約0.3mg、0.6mg、1.2mg、2.4mg、3.6mg、5.4mg、または8.1mgの用量で投与される、態様24~30のいずれか1項に記載の方法。
(態様35)
化合物1が、約0.6mg、1.2mg、1.8mg、2.4mg、または3.6mgの用量で投与される、態様24~30のいずれか1項に記載の方法。
(態様36)
前記対象に、カルシウム、カルシトリオール、及び/またはビタミンDの補充のうちの1つ以上が投与される、態様24~35のいずれか1項に記載の方法。
(態様37)
前記対象に、化合物1の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充のうちの1つ以上が投与される、態様36に記載の方法。
(態様38)
前記対象に、前記サイクルの1日目の化合物1の投与の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充のうちの1つ以上が投与される、態様36に記載の方法。
(態様39)
前記対象が、正常なカルシウムホメオスタシスを妨害するか、またはカルシウムの補充を妨げる障害を有しない、態様24~38のいずれか1項に記載の方法。
(態様40)
(2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)の多形体を投与することを含む、態様24~39のいずれか1項に記載の方法。
(態様41)
(2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)の非晶質形態を投与することを含む、態様24~39のいずれか1項に記載の方法。
(態様42)
化合物1の凍結乾燥製剤を投与することを含み、前記凍結乾燥製剤が、化合物1、緩衝剤、及び増量剤を含む、態様24~39のいずれか1項に記載の方法。
(態様43)
治療上有効な量の第2の活性薬剤を投与すること、またはサポートケア療法を施すことをさらに含む、態様24~42のいずれか1項に記載の方法。
(態様44)
前記対象が、18歳以上の患者である、態様24~43のいずれか1項に記載の方法。
(態様45)
血液がんの治療方法の使用のための化合物であって、それを必要とする対象に前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、以下の構造を有する2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド、
(化2)
Figure 0007163281000044
あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体、または多形体である、前記化合物。

Claims (21)

  1. 急性骨髄性白血病を治療、予防、または改善するための医薬組成物であって、下記構造を有する2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド(化合物1)
    Figure 0007163281000045
    あるいはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、同位体分子種、薬学的に許容される塩、互変異性体、溶媒和物、水和物、共結晶、または多形体を含み、該化合物1が、約0.1mg/日~約20mg/日の用量でそれを必要とする対象に投与されるように投与され、かつカルシウム、カルシトリオール、及び/またはビタミンDの補充のうちの1つ以上と組み合わせて投与される、前記医薬組成物。
  2. 前記急性骨髄性白血病が、不応性または再発性急性骨髄性白血病である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 28日治療サイクルの1日目~5日目に投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記治療サイクルが、23日の休止期間を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 42日治療サイクルの1日目~5日目に投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  6. 28日治療サイクルの1日目~3日目に投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  7. 28日治療サイクルの1日目~5日目及び15日目~19日目に投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  8. 前記治療サイクルが、少なくとも1回繰り返される、請求項3~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 前記治療サイクルが、2~4回繰り返される、請求項3~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. 化合物1が、約0.1mg/日~約10mg/日の用量で投与されるように投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. 化合物1が、約0.3mg/日~約8.1mg/日の用量で投与されるように投与される、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  12. 化合物1が、約0.3mg/日、0.6mg/日、1.2mg/日、2.4mg/日、3.6mg/日、5.4mg/日、または8.1mg/日の用量で投与されるように投与される、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. 化合物1が、約0.6mg/日、1.2mg/日、1.8mg/日、2.4mg/日、または3.6mg/日の用量で投与されるように投与される、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  14. 前記対象に、前記医薬組成物の投与前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充のうちの1つ以上が投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  15. 前記対象に、前記サイクルの1日目の前記医薬組成物の投与の少なくとも3日前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンDの補充が投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  16. 前記対象が、正常なカルシウムホメオスタシスを妨害するか、またはカルシウムの補充を妨げる障害を有しない、請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  17. (2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)の多形体を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  18. (2-(4-クロロフェニル)-N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)の非晶質形態を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  19. 化合物1の凍結乾燥製剤を含み、前記凍結乾燥製剤が、化合物1、緩衝剤、及び増量剤を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  20. 治療上有効な量の第2の活性薬剤をさらに含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  21. 前記対象が、18歳以上の患者である、請求項1~20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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