JP7161182B2 - 心不全の検出方法および装置、検出端末装置、心不全検出支援システム、その生産方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

心不全の検出方法および装置、検出端末装置、心不全検出支援システム、その生産方法、並びにコンピュータプログラム Download PDF

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本発明は、心不全の検出のために用いられる検出端末装置、心不全検出支援システム、情報解析装置、並びにコンピュータプログラムに関する。
近年において、高齢化にともなう慢性心不全罹患率は上昇の一途をたどっている。例えば2016年の時点において、日本では年間約100万人が慢性心不全に罹患し、そのうちの10万人が入院治療を要している。治療を終えて退院した場合であっても約40%の患者が1年以内に重症な症状が再燃して再入院している。この再入院にかかる日本全体の医療費は480億円といわれている。
再入院を回避するためには、慢性心不全患者は退院しても入院中のように適切に管理されるべきである。しかし、実際には、退院すると管理は患者自身に委ねられることとなり、病院など医療機関にとっては患者が適切な状態にいるか否かを知ることが容易ではない。
従来において、病院外での心不全早期検出のための技術が種々提案されている。
つまり、Abbott社が販売する CardioMEMS によると、患者の肺動脈圧にデバイスが植め込まれ、心不全の悪化を鋭敏に反映する肺動脈圧を測定することによって心不全を早期に検出する。このデバイスの使用によって約40%の心不全再入院率を減少させうることが報告されている。
また、東レ株式会社が開発した着衣型センサーによると、衣服の繊維に心電図を測定できる機構が施されており、脈拍の変化をとらえることで心不全の検出に寄与することが期待されている。
また、心音・呼吸・体動を検知するシート型センサーを臥床時にベッド上に敷いて使用することにより、就寝時の患者の心音・呼吸・体動を検知することが提案されている。
また、不整脈に対する治療や心臓再同期療法目的で留置されたペースメーカーから得られる信号に基づいて、心不全を検出することが提案されている。
また、鼻呼吸をした際に生じる空気流を解析して心不全を検出するための装置が提案されている。例えば特許文献1には、呼吸周期または呼吸周波数の不安定性を示す指標の値を算出する算出手段と算出された結果を表示または出力する手段とを有する診断装置を用い、心不全の予後の予測または心不全の重症度の定量的な評価を行うことが提案されている。
特開2014-210034号公報
しかし、上に述べた従来の方法による場合には、非侵襲性、デバイスの携帯性や取り扱いの容易性などにおいて課題がある。
すなわち、例えば CardioMEMS を使用するにはデバイスを肺動脈に埋め込まなければならず、侵襲的であって患者への負担が大きいので簡便ではない。
また、シート型センサーは心不全の兆候をとらえるデバイスとして期待されているが、携帯することができず、就寝中しか心不全の検出ができないという問題がある。
鼻呼吸の空気流を解析する方法では、デバイスが大型となるため屋外での使用が容易ではなく、現実的には屋内のみでの使用に向いたものと考えられる。
特許文献1の診断装置では、呼吸気流センサーを被験者の鼻腔付近の皮膚面に貼り付けて吸気流の有無と強度を検知しなければならないので、センサーの装着が被験者の負担となるため長時間にわたる連続的な検知が困難である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、非侵襲であってデバイスの携帯や取り扱いが容易であり、早期に心不全の悪化を検出することが可能な検出端末装置、心不全検出支援システム、情報解析装置、並びにコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る検出端末装置は、被験者が心不全であるか否かを検出するために用いられる検出端末装置であって、前記被験者についての末梢部位の皮膚インピーダンスを測定する皮膚インピーダンス測定部と、前記被験者についての生体情報を検出する生体情報検出部と、検出または測定された前記皮膚インピーダンスおよび前記生体情報を、前記被験者が心不全であるか否かを判断する情報解析装置に送信する送信部と、リストバンド体によって前記被験者の手首に着脱可能に取り付け可能な本体と、を有し、前記皮膚インピーダンス測定部は、複数の電極が前記被験者の手首の表面に接触するよう前記本体の裏面側に設けられ、前記生体情報検出部は、複数の電極が前記被験者が腕を曲げて体表面に接触させることが可能なよう前記本体の表面側に設けられてなる。
本発明に係る心不全検出支援システムは、被験者についての日常の活動性、末梢部位の温度、および心音を検出して検出情報を取得する検出端末装置と、前記検出情報を解析し、前記日常の活動性および前記末梢部位の温度の両方が低下したときに前記被験者が心不全であることを示すアラーム信号を生成し、かつ前記心音にIII 音が含まれているときに前記アラーム信号とは別個の心音異常信号を生成する、情報解析装置と、前記情報解析装置において前記アラーム信号が生成されまたは前記心音異常信号が生成されたときに、その旨を表示しまたは音を発するなどにより出力する出力部と、を有する。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、被験者に装着された検出端末装置から送信される前記被験者についての日常の活動性、末梢部位の温度、および心音を含む検出情報を受信する処理を実行させ、前記検出情報を解析し、前記日常の活動性および前記末梢部位の温度の両方が低下したときに前記被験者が心不全であることを示すアラーム信号を生成する処理を実行させ、前記検出情報を解析し、前記心音にIII 音が含まれているときに前記アラーム信号とは別個の心音異常信号を生成する処理を実行させ、生成された前記アラーム信号または生成された前記心音異常信号を、その旨を表示しまたは音を発するなどにより出力可能な情報端末に送信する処理を実行させる。
本発明によると、非侵襲であってデバイスの携帯や取り扱いが容易であり、早期に心不全の悪化を検出することが可能な検出端末装置、心不全検出支援システム、情報解析装置、並びにコンピュータプログラムを提供することができる。
本発明を実施するための心不全検出支援システムの構成の例を示す図である。 本発明の実施形態の検出端末装置の構造の例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態の検出端末装置の機能的な構成の例を示す図である。 本発明の実施形態の情報解析装置の機能的な構成の例を示す図である。 被験者が心不全であることを検出する判断基準の例を示す図である。 情報端末の表示面に表示される画面の例を示す図である。 情報端末の表示面に表示される画面の例を示す図である。 情報端末の表示面に表示される画面の例を示す図である。 心不全検出支援システムの処理動作の概略を示すフローチャートである。 心不全検出の処理動作の例を示すフローチャートである。 検出端末装置のモード設定のための処理の例を示すフローチャートである。 被験者の皮膚温度の測定例を示す図である。 活動性と心機能との関係の例を示す図である。 心音情報の例を示す図である。 被験者の検出または解析結果に応じた入院の必要性を示す図である。
以下、本発明における実施形態について説明する。
本実施形態では、被験者5について、心不全または急性心不全の状態が生じているかどうかを検出する。つまり、被験者5について、日常の活動性および末梢部位の温度を測定し、日常の活動性および末梢部位の温度に基づいて被験者5が心不全であることを検出する。その場合に、日常の活動性および末梢部位の温度の両方が低下したときに、被験者5が心不全であることを検出する。
本実施形態において、被験者5としては、心不全または慢性心不全を罹患した患者が病院での治療を終えて退院した場合を想定する。しかし、これ以外に、心不全を患ったことのある患者、または低心機能のため心不全を患う可能性のある患者などを被験者5としてもよい。以下詳しく説明する。
図1には、本発明の実施形態による心不全検出支援システム1の構成の例が示されている。図1の心不全検出支援システム1または各部の構成は、請求項8、10、11~15、16~19の構成の例である。
図1に示す心不全検出支援システム1は、被験者5が日常生活を送る中で、常に被験者5の状態を適切に管理し、病院外での心不全の早期検出を行うことを支援するものである。心不全検出支援システム1によって、多くの被験者5について、心不全の悪化を早期に検出することが可能となり、心機能のさらなる低下や重症な状態での再入院を回避することが可能となる。これによって、多くの被験者5の生命予後の改善が期待される。
図1において、被験者5は、末梢部位の例である手首5Tに、被験者5が心不全であるか否かを検出するために必要な情報を取得するためのデバイスである検出端末装置11を装着する。
検出端末装置11は、被験者5についての日常の活動性および末梢部位の温度などを測定し、また心音情報TSを検出し、測定しまたは検出した種々の情報を、検出情報JK1としてネットワーク(通信回線)12などを介しデータセンター6に設置された情報解析装置13に送信する。
情報解析装置13は、受信した検出情報JK1を解析し、解析情報JK2を生成する。解析情報JK2は、ネットワーク12などを介して、診療施設7に設置された情報端末14に送信される。情報端末14は、解析情報JK2に基づいて、被験者5の心機能の状態、特に被験者5が心不全に陥っているか否かを示す情報、例えば後述するアラーム信号WAまたは心音異常信号WBを、表示面14Hに表示する。
担当医師8は、情報端末14の表示面14Hを見て、被験者5の診察や入院が必要かどうか、また被験者5にアドバイスを伝える必要があるか否かなどを判断する。その際に、必要に応じて被験者5の心音情報TSの波形を表示面14Hで観察し、または心音情報TSに基づく心音をイヤホーンなどで聴取する。
診察または入院が必要と判断すると、担当医師8または担当職員は、電話機15で予め登録された被験者5の近くの電話機16に電話をかけることなどにより、その旨を被験者5に緊急に連絡する。また、必要に応じて救急車を被験者5の下へ向かわせるよう緊急に手配する。
被験者5は、診療施設7からの緊急連絡により、必要に応じて、診療施設7または最寄りの病院などに出向いて、担当医師8などの診察を受ける。
図1に示す実施形態では、検出端末装置11は、検出情報JK1を測定または検出するが、検出情報JK1を情報解析装置13に送信するのみであり、被験者5が心不全であるか否かなどの判断のための解析は行わない。検出情報JK1の解析は、検出情報JK1を受信した情報解析装置13が行う。しかし、後でも述べるように、検出端末装置11において検出情報JK1の解析を行って被験者5が心不全であるか否か、またはその可能性の程度などを示す情報を生成してもよい。
なお、図には1つの検出端末装置11のみが示されているが、多数の被験者5および多数の検出端末装置11が存在しており、それらが情報解析装置13および情報端末14とネットワーク12を介して通信可能である。また、多数の担当医師8に対して多数の情報端末14が存在してもよい。情報解析装置13も複数存在してもよい。
図2には、本発明の実施形態の検出端末装置11の構造の例が、図3には検出端末装置11の構成の例が、それぞれ示されている。
図2および図3において、検出端末装置11は、例えばウエアラブル端末であり、リストバンド体21aによって被験者5の手首5Tに着脱可能に取り付け可能な本体21を有する。本体21およびリストバンド体21aは、合成樹脂、金属、または繊維などを材料とし、被験者5が違和感なく常時装着可能なように構成されている。
本体21には、皮膚温度センサ22、環境センサ23、マイクロフォン24、インピーダンス測定電極25、生体情報検出電極26、加速度センサ27、圧電センサ28、および制御処理部29などが設けられる。
皮膚温度センサ22は、手首5Tの表面に接触するよう本体21の裏面側に設けられ、手首5Tの皮膚表面の温度を測定する。皮膚温度センサ22は、皮膚温度信号S1を出力する。
環境センサ23は、本体21の表面側に設けられ、検出端末装置11の周辺の温度を被験者5に対する環境温度として測定する。環境センサ23は、また、検出端末装置11の周辺の湿度を被験者5に対する環境湿度として測定する。環境センサ23は、環境温度信号S2および環境湿度信号S3を出力する。
マイクロフォン24は、被験者5の音声を始めとして、被験者5の周辺の音声を拾い、音声信号S4を出力する。また、マイクロフォン24または本体21が被験者5の胸部または首筋などに押し当てられたきに、マイクロフォン24は被験者5の呼吸音を拾い、これらの音声信号S4を出力する。
インピーダンス測定電極25として、ここでは2つの電極25a,25bが、手首5Tの表面に接触するよう本体21の裏面側に設けられる。これら電極25a,25bは、被験者5の皮膚インピーダンスZHを測定するために用いられる。この場合に、電極25a,25bの間には、直流、交流、または高周波の検出電圧が印加され、直流抵抗値またはインピーダンスが測定される。
インピーダンス測定電極25からは、皮膚インピーダンスZHに対応した電気信号S5が出力される。皮膚インピーダンスZHは、被験者5が冷や汗などをかいて湿った状態になると低下する。つまり、皮膚インピーダンスZHの変化によって、被験者5のストレスの状態や、それによる発汗状態などを検出することが可能である。
生体情報検出電極26として、複数の電極26a,26b…が、本体21の表面側に設けられる。これら電極26a,26b…は、被験者5が腕を曲げて被験者5の胸部などに接触させることにより、被験者5の体表面における互いに離れた複数点間の電位の変化を検出するために用いられる。生体情報検出電極26からは、被験者5の生体に関する電気信号S6が出力される。
加速度センサ27は、被験者5の活動性を検出するための三次元加速度センサである。加速度センサ27は、被験者5の手首5Tの移動によって生じる三次元方向における加速度を検出し、加速度信号S7を出力する。
圧電センサ28は、被験者5の心音を検出するためのセンサである。圧電センサ28として、例えば、圧電フィルム(ピエゾフィルム)、セラミック、または水晶など、圧電効果を利用した圧電素子が用いられる。圧電素子は、心臓の動きによる圧力の変化に応じて分極し、電気信号を出力する。
圧電センサ28を使用して心音を検出するときには、圧電センサ28が被験者5の胸部における心臓の真上近辺となるよう、検出端末装置11を配置する。例えば、被験者5が、検出端末装置11を手首5Tから取り外し、圧電センサ28が被験者5の胸の側となるように上衣の胸ポケットなどに入れる。または、被験者5が圧電センサ28の側を胸に押し当てる。
なお、電極25として2つの電極25a,25bを設けた例を示したが、3つ以上でもよい。また、上に述べた以外のセンサ、例えば、気圧によって地上高度を測定するための圧力センサ、静止画または動画を撮影するカメラなどを設けてもよい。
図3を参照して、制御処理部29には、制御部30、温湿度測定部31、音声処理部32、皮膚インピーダンス測定部33、生体情報検出部34、活動性検出部35、通信部36、表示操作部37、心音検出部38、および電源39が設けられる。
制御部30は、制御処理部29および検出端末装置11の全体を制御する。制御部30は、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit) およびその周辺デバイス、種々の情報およびデータなどを記憶するメモリ、および時計機能や計時機能を備える。
制御部30または制御処理部29で実行される制御プログラムは、例えば、コンピュータであるCPUに、被験者5についての日常の活動性を検出する処理を実行させ、被験者5についての末梢部位の温度を測定する処理を実行させ、検出された日常の活動性と測定された末梢部位の温度とを被験者5が心不全であるか否かを判断する情報解析装置13に送信する処理を実行させる。このような制御プログラム(コンピュータプログラム)は、ROMなどのメモリに予め格納しておいてもよく、また適当なサーバからダウンロードするようにしてもよい。
温湿度測定部31は、皮膚温度センサ22からの皮膚温度信号S1、および環境センサ23からの環境温度信号S2と環境湿度信号S3に基づいて、皮膚温度TT、環境温度TK、および環境湿度WKを取得する。
皮膚温度TT、環境温度TK、および環境湿度WKを取得するタイミング(取得タイミング)として、例えば、10分ごと、30分ごと、1時間ごと、3時間ごと、8時間ごとなど、単位時間ごとに取得してもよく、また、所定の時刻ごとに取得してもよい。
また、後で述べるように、検出情報JK1の送信のタイミング(送信タイミング)に合わせて(つまり送信する直前に)取得するようにしてもよい。この場合は、取得タイミングと送信タイミングとが一致する。
また、皮膚温度TT、環境温度TK、および環境湿度WKを、例えば10分ごと、30分ごと、1時間ごとなどの短い周期で取得しておき、送信タイミングでそれらの平均値または最高値などを送信するようにしてもよい。この場合は、情報の一部の取得タイミングと送信タイミングとが一致する。また、情報の取得タイミングを送信タイミングとは別個に設定してもよい。
音声処理部32は、マイクロフォン24からの音声信号S4に基づいて、被験者5の発する音声および言葉を検出し、その意味内容などに応じた音声情報DSを取得する。また、マイクロフォン24が被験者5の胸部または首筋などに押し当てられたときに得られる音声信号S4に基づいて、被験者5の呼吸音の周波数解析などを行い、解析結果である音声情報DSを取得する。
音声情報DSを取得するタイミングとして、例えば、被験者5が音声を発したとき、または、被験者5が検出端末装置11を胸部などに接触させたタイミング、またその状態において被験者5が表示操作部37などから操作指令を入力したタイミングなどとすればよい。
心音検出部38は、圧電センサ28からの心音信号S8に基づいて、被験者5の心音を検出し、必要に応じて解析し、心音情報TSを取得する。心音情報TSとして、心音(心音波形)それ自体を増幅した信号、または適当なフィルター処理を施した信号、心音から抽出されたI音、II音、III 音などの信号、その他の信号を含むことができる。
心音情報TSを取得するタイミングとして、例えば、被験者5が検出端末装置11を移動させて胸部に当てたタイミング、またその状態において被験者5が表示操作部37などから操作指令を入力したタイミングなどとすればよい。
皮膚インピーダンス測定部33は、インピーダンス測定電極25からの電気信号S5に基づいて、皮膚インピーダンスZHを取得する。皮膚インピーダンスZHの取得タイミングについては、皮膚温度TTなどの取得タイミングの場合と同様にしてよい。
生体情報検出部34は、生体情報検出電極26からの電気信号S6に基づいて、被験者5の生体情報SJを取得する。生体情報SJは、例えば、心電波形、心拍数、心拍変動、心拍間隔、呼吸周波数などである。
生体情報SJを取得するタイミングとして、例えば、被験者5が生体情報検出電極26を胸部などに接触させたタイミング、またその状態において被験者5が表示操作部37などから操作指令を入力したタイミングなどとすればよい。
なお、被験者5に検出端末装置11などを胸部などに接触させる動作を行わせるために、情報解析装置13または情報端末14などからのその旨の指令を検出端末装置11に表示するように構成しておけばよい。
活動性検出部35は、加速度センサ27からの加速度信号S7に基づいて、被験者5の活動性を検出する。すなわち、活動性検出部35には、歩数計351および歩行速度計352が設けられる。
歩数計351は、加速度信号S7を解析して被験者5の歩数HNを取得する。歩数HNは、例えば、1時間当たり、3時間当たり、8時間当たり、1日当たりなど、単位時間当たりの歩数HNとして取得可能である。
歩行速度計352は、加速度信号S7を解析して被験者5の歩行速度HV、平均歩行速度HVA、および最高歩行速度HVMを取得する。
歩行速度HVは、例えば加速度信号S7を解析することによって所定周期ごとに取得される。平均歩行速度HVAは、歩行速度HVについての単位時間当たりのまたは所定時間内における平均値として取得可能である。最高歩行速度HVMは、歩行速度HVについての単位時間当たりのまたは所定時間内における最高値として取得可能である。
この場合の単位時間または所定時間として、例えば、1時間、3時間、8時間、1日などとすることが可能である。また、後で述べるように送信タイミングに合わせてそれぞれの情報を生成して取得するようにしてもよい。また、活動性検出部35において被験者5の歩行周期などを検出するようにしてもよい。
制御処理部29において取得した、皮膚温度TTおよび皮膚インピーダンスZHは末梢情報JK11の例であり、歩数HNおよび歩行速度HVは活動性情報JK12の例であり、環境温度TKおよび環境湿度WKは環境情報JK13の例である。本実施形態において、検出情報JK1は、これら末梢情報JK11、活動性情報JK12、環境情報JK13、および、音声情報DS、心音情報TS、生体情報SJを含む。
これらの情報は、それぞれを取得した測定部や検出部などにおいて一時的に記憶されるほか、所定の期間分の情報が制御部30のメモリに記憶される。
通信部36は、インターネットまたはローカルエリアネットワークなどの種々のネットワーク12との間で、無線による通信が可能である。制御処理部29で取得された種々の情報は、検出情報JK1として、通信部36によりネットワーク12などを介し、情報解析装置13または他の所定の通信装置やサーバなどに送信される。
通信部36による検出情報JK1の送信は、本発明における活動性、末梢部位の温度、皮膚インピーダンスなどについての「測定」の例である。つまり、本実施形態においては、検出端末装置11から情報解析装置13に対して検出情報JK1を送信することにより、情報解析装置13が検出情報JK1に含まれる種々の情報を測定することとなる。つまり、検出情報JK1の送信タイミングは、情報解析装置13による測定タイミングとなり、したがって、「送信タイミング」を「測定タイミング」と記すことがある。
また、上にも述べたように、各種情報の取得タイミングと検出情報JK1の送信タイミングとについて、情報の性質に応じて同一または別個に設定することが可能であり、または全く別個に設定することも可能である。例えば、末梢情報JK11については送信タイミングで取得し、活動性情報JK12については検出端末装置11において予め取得していた情報を送信タイミングで送信することとしてもよい。
また、通信部36は、情報解析装置13または他の所定の通信装置やサーバから、制御信号、制御指令、またはデータなどを受信することが可能である。
表示操作部37は、検出端末装置11で取得された情報やデータを必要に応じて表示し、また制御処理部29を操作するための指令信号などを操作入力するためのものである。表示操作部37は、例えば、LCD(液晶パネル)、EL(エレクトロルミネッセント)パネル、タッチパネル、操作スイッチなどを用いて構成される。
電源39は、制御処理部29を動作させるために必要な電力を供給する。電源39として、バッテリー、または、バッテリーと、ソーラーパネル、充電端子、または電磁誘導などによる電力受信機などとの組み合わせが用いられる。
さて、制御処理部29における各種情報の取得タイミングおよび検出情報JK1の送信タイミングは、制御部30によって制御される。
制御部30において、送信タイミング(測定タイミング)に関して、被験者5の状態などに応じて頻度を変更するため、通常モードと警戒モード(注意モード)の2つのモードが切り替えて設定される。なお、モードの設定または切り替えのための信号であるモード信号GMは、情報解析装置13から送信される。
図4には、本発明の実施形態の情報解析装置13の機能的な構成の例が示されている。また、図5には、警戒モードへの切り替えと心不全であることを検出する際のしきい値情報ATの例が示されている。
図4において、情報解析装置13は、通信部41、情報解析部42、検出情報記憶部43、解析情報記憶部44、およびしきい値記憶部45を有する。これら以外に、被験者5を含む多数の患者に関する情報、多数の医療施設および医師に関する情報、検出端末装置11の貸出し状況に関する情報、医療保険に関する情報、課金およびその決済状況に関する情報など、種々の情報を記憶する記憶部、それらの情報を処理する情報処理部、表示部、および操作部などを有する。
情報解析装置13は、サーバまたはパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成することができる。情報解析装置13の各機能は、コンピュータプログラムを実行するCPUによって、またはそれとハードウエア素子やデバイスとの協働によって実現することができる。
また、情報解析装置13の機能の一部にAI(Artificial Intelligence: 人工知能) を用いてもよい。例えば、検出情報JK1を入力情報とし、学習させることによって解析情報JK2を出力させる。検出情報JK1として、被験者5について測定または検出した種々のデータを含ませることにより、検出の精度が向上する。
通信部41は、インターネットまたはローカルエリアネットワークなどの種々のネットワーク12との間で、無線による通信が可能である。例えば、検出端末装置11との間で通信を行って、検出情報JK1の受信、モード信号GMの送信などを行う。また、情報端末14との間で通信を行って、解析情報JK2の送信などを行う。
情報解析部42は、検出情報JK1に基づいて情報処理を行う。情報解析部42には、モード設定部421、心不全検出部422、および心音異常検出部423が設けられる。
モード設定部421は、それぞれの検出端末装置11の検出情報JK1に基づいて、それぞれのモードを設定するためのモード信号GMを生成する。詳しくは後で説明する。
心不全検出部422は、それぞれの検出端末装置11の検出情報JK1に基づいて、それぞれの被験者5が心不全であるか否かを検出し、心不全が検出された被験者5に対してアラーム信号WAを生成する。アラーム信号WAは、アラーム状態(警報状態)を示す信号である。
心音異常検出部423は、それぞれの検出端末装置11の心音情報TSに基づいて、心音異常があるか否かを検出する。心音異常検出部423は、例えば心音情報TSにIII 音が含まれている場合に心音異常があると判断し、心音異常信号WBを生成する。また、III 音が含まれている場合であっても、被験者5が所定の年齢以上の場合にのみ心音異常信号WBを生成してもよい。なお、検出端末装置11から送信される心音情報TSに解析された情報が含まれない場合には、心音異常検出部423において解析を行い、心音情報TSに含まれるIII 音などを抽出する。
検出情報記憶部43は、それぞれの被験者5の検出端末装置11から受信した検出情報JK1を記憶する。解析情報記憶部44は、それぞれの被験者5の検出情報JK1に対応した解析情報JK2を記憶する。解析情報JK2には、モード信号GM、アラーム信号WA、および心音異常信号WBが含まれる。なお、検出情報JK1と解析情報JK2とは、同一の被験者5について関連づけて記憶しておけばよい。しきい値記憶部45は、しきい値情報ATを記憶する。
さて、次に、モード設定部421におけるモード信号GMの生成について説明する。
上に述べたように、検出端末装置11からの検出情報JK1の送信タイミングに関して、通常モードと警戒モードの2つのモードがあるが、モード設定部421は、それらのモードを切り替えのためのモード信号GMを生成する。
通常モードは、検出情報JK1の送信を比較的に少ない回数で実施し、被験者5の日常的な活動の様子を観察するモードである。通常モードでは、例えば、1日において、6時、18時、24時の3回にわたって送信を実施する。この例の時刻および回数は、標準的な病院で患者を巡回する実務上の時間帯に基づいたものである。これら以外の時刻で実施してもよく、また、実施回数を4回または5回以上としてもよい。
警戒モードでは、検出情報JK1の送信を、通常モードの場合よりも頻繁に行う。例えば、1日において、0時から6時までは1時間ごとに、6時から24時までは3時間ごとに、それぞれ送信する。これは、標準的なICU(集中治療室)において、患者の変化を早期に捉えるために1時間ごとに観察するという実務に基づいたものである。しかしこれら以外の時刻で実施してもよく、また、実施回数を変更してもよい。
通常、被験者5が検出端末装置11を装着した当初においては、通常モードが設定される。情報解析装置13において、通常モードでの検出情報JK1を解析した結果から、活動性が低下してきたものと判断された場合に、警戒モードに切り替えられる。
次に、モード設定部421における通常モードから警戒モードへの切り替えの判断、心不全検出部422における被験者5が心不全であることを検出する際の判断方法について説明する。
図5において、しきい値情報ATは、情報解析部42での判断に用いられる判断基準であり、警戒モードへの切り替えのしきい値(閾値)AT1、およびアラーム信号を生成する際のしきい値AT2を含む。
警戒モードへの切り替えのしきい値AT1として、活動性情報JK12である歩数HNおよび最高歩行速度HVMに対し、「1割以上低下」が設定されている。また、アラーム信号のしきい値AT2として、活動性情報JK12である歩数HNおよび最高歩行速度HVMに対し「2割以上低下」が設定され、末梢情報JK11の皮膚温度TTに対し「35.0℃以下」が設定され、皮膚インピーダンスZHに対し「10%以上低下」が設定されている。
ここで、比較の基準となる歩数HN、最高歩行速度HVM、および皮膚インピーダンスZHは、例えば、被験者5が退院する前に数日間にわたって検出端末装置11を装着することとし、そのときに取得した歩数HN、最高歩行速度HVM、および皮膚インピーダンスZH、またはそれらの平均値などを基準値として用いることができる。これらの情報も、検出情報JK1として記憶される。
モード設定部421は、ある特定の被験者5について、歩数HNおよび最高歩行速度HVMが1割以上低下した場合に、警戒モードを設定する。つまり、歩数HNが基準値に対して1割以上低下し、かつ最高歩行速度HVMが基準値に対して1割以上低下したときに、モード設定部421はモード信号GMを生成する。モード信号GMに基づいて、検出端末装置11において、通常モードから警戒モードに切り替えられる。
心不全検出部422は、次の(A)(B)(C)の全ての条件を満たした場合に、被験者5が心不全であると判断し、心不全を検出したことを警告するためのアラーム信号WAを生成する。
(A)歩数HNおよび最高歩行速度HVMの両方が2割以上低下したこと
(B)皮膚温度TTが35.0℃以下に低下したこと
(C)皮膚インピーダンスZHが10%以上低下したこと
条件(A)は、歩数HNが基準値に対して2割以上低下し、かつ、最高歩行速度HVMが基準値に対して2割以上低下した場合に満たされることとなる。
条件(B)は、末梢部位の皮膚温度TTが35.0℃以下に低下した場合に満たされることとなる。本実施形態では、末梢部位として手首5Tの皮膚温度TTを測定している。
条件(C)は、末梢部位の皮膚インピーダンスZHが基準値に対して10%以上低下した場合に満たされることとなる。本実施形態では、末梢部位として、皮膚温度TTの場合と同じ手首5Tを測定している。皮膚温度TTと皮膚インピーダンスZHとを同じ部位で測定した場合には、これらの関連性が明確であり、信頼性、再現性が良好である。
なお、これらのしきい値AT2は実際の症例に基づいて決定したものである。皮膚温度TTについては、医師が診察で触った場合には微妙な温度を識別することができる。
情報解析装置13は、被験者5の解析情報JK2および検出情報JK1を、当該被験者5に対応する担当医師8の情報端末14に送信する。アラーム信号WAまたは心音異常信号WBがある場合には、それらを当該被験者5の検出端末装置11に送信してもよい。
情報端末14には、その表示面14Hに、当該被験者5についての検出情報JK1および解析情報JK2が表示される。このとき、解析情報JK2にアラーム信号WAまたは心音異常信号WBが含まれる場合は、情報端末14において、それらの信号に基づいて注意を喚起するための画像または画面が強制的にかつ強調して表示される。このとき、アラーム信号WAまたは心音異常信号WBに基づいてアラーム音を鳴らすようにしてもよい。また、情報端末14の表示面14Hに代えてまたはこれとともに、専用の表示装置でアラーム表示を行ってもよい。
図6~図8には、情報端末14の表示面14Hに表示される画面の例が示されている。図6は通常モードの場合の画面HG1、図7は警戒モードの場合の画面HG2、図8はアラーム信号WAが出力された緊急連絡モードの場合の画面HG3をそれぞれ示す。なお、画面HG1~3において、図示は一例であり、表示する項目、内容、表示方法、表示形式、配置、色などを種々変更することが可能である。
図6において、通常モードの画面HG1には、その上部に対象となっている当該被験者5の「ID」、「氏名」、「年齢」、「病名」などが表示され、中央部に、解析情報JK2として、現在の状況が「GOOD」と表示されている。その下部に、検出情報JK1のうち、活動性情報JK12として「活動度状況」が、末梢情報JK11として「末梢状況」が、それぞれ表示されている。
なお、図6において、各項目にカーソルを合わせた場合に、必要に応じてプルダウンメニューが表示され、その中の項目を指定することにより、例えば「既往歴」、「現病歴」、過去の「心エコー」「採血データ」などが表示される。
図7において、警戒モードの画面HG2には、その上部に対象となっている当該被験者5の「ID」、「氏名」、「年齢」、「病名」などが表示され、これとともに、連絡のための「住所」、「電話番号」、「緊急連絡先電話番号」などが表示され、「既往歴」、「現病歴」、「心エコー」「採血データ」、「心音情報」などが表示される。「心音情報」として、心音波形およびこれから分離または抽出された波形を示してよい。また、中央部に、解析情報JK2として、現在の状況が「CAUTION」と黄色で表示されている。その下部に、検出情報JK1のうち、活動性情報JK12として「活動度状況」が、末梢情報JK11として「末梢状況」が、それぞれ表示されている。
図8において、緊急連絡モードの画面HG3には、警戒モードの画面HG2と同様な項目の情報が表示されるとともに、その中央部に、解析情報JK2として、現在の状況が「EMERGENT」と赤色で表示されている。
担当医師8は、検出情報JK1および解析情報JK2を見て、被験者5の診察や入院が必要かどうか、緊急を要するか否か、被験者5へのアドバイスなど、必要な事項を判断する。その際に、担当医師8は、必要に応じて被験者5の心音情報TSの波形を観察し、または心音情報TSに基づく心音をイヤホーンなどで聴取するとともに、アラーム信号WAおよび心音異常信号WBの有無を含めて、検出情報JK1および解析情報JK2の全体を見て総合的に判断することとなる。
アラーム信号WAが有る場合には、担当医師8は当該被験者5の状態の悪化を容易に知ることができる。すなわち、例えば当該被験者5とは関連のない情報が表示面14Hに表示されていた場合であっても、また担当医師8が他の業務を行っていた場合であっても、アラーム信号WAに基づいて画像などが表示面14Hに強制的に表示されまたはアラーム音が鳴るので、担当医師8は当該被験者5の状態の悪化を容易に知ることができる。したがって、担当医師8は、直ぐに当該被験者5の検出情報JK1および他の情報を見て迅速な判断を行うことができる。心音異常信号WBが有った場合も同様である。
そして、担当医師8は、必要に応じて、電話機15などを用いて電話機16に電話をかけ、また他の医療施設や救急隊などに情報端末14などを用いて連絡し、必要な手配を行う。また、緊急連絡モードまたは警戒モードにおいて表示される「電話番号」、「緊急連絡先電話番号」などをクリックすることによって、自動的に電話が掛かって連絡を行うことができる。
なお、警戒モードである場合に、担当医師8は、より詳しい情報を得るために、当該被験者5の呼吸音などの音声情報DS、心音情報TS、心電波形または心拍数などの生体情報SJを取得するようにしてもよい。その場合には、担当医師8から被験者5に対し、腕を曲げてマイクロフォン24または電極26a,26b…を胸部などに接触させるよう、また検出端末装置11を胸ポケットに入れて圧電センサ28により心音を検出するよう指示すればよい。このような追加の情報を得ることにより、心不全検出支援システム1によって心不全を検出する能力および精度が一層高くなる。
なお、情報端末14は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートホンなどの情報処理装置または情報表示装置によって構成することができる。情報端末14が情報解析装置13から情報を受信する際に、診療施設7に設置されたサーバなどを介して受信するようにしてもよい。また、情報端末14を、診療施設7における診療システムの端末装置としても動作するように接続し、被験者5についてのカルテ情報、受診歴、予約情報などを表示するようにしてもよい。
次に、心不全検出支援システム1における処理動作について、フローチャートを参照して説明する。
図9には、心不全検出支援システム1の処理動作の概略が示されている。
図9において、被験者5が検出端末装置11を装着する(#11)。検出端末装置11は、設定されたタイミングで、被験者5についての活動性、皮膚温度、皮膚インピーダンスなどを測定し、活動性情報JK12および末梢情報JK11などを取得する(#12)。設定された送信タイミングになると(#13でイエス)、検出端末装置11から情報解析装置13に検出情報JK1が送信され、情報解析装置13はこれを解析する(#14)。
情報解析装置13は、解析により被験者5の心不全を検出すると(#15でイエス)、解析情報JK2としてアラーム信号WAを生成する(#16)。なお、情報解析装置13は、検出情報JK1の解析によって、通常モードから警戒モードへの切り替えが必要なことを検出した場合は、解析情報JK2としてモード信号GMを生成する。
解析情報JK2は、検出情報JK1とともに情報端末14に送信され、表示面14Hに表示される(#17)。担当医師8は、表示された解析情報JK2および検出情報JK1を見て、被験者5の心不全の悪化の状態、診察や入院の必要性、緊急性などを判断する(#18)。担当医師8が心不全と判断した場合には(#19でイエス)、当該被験者5および関連先に連絡する(#20)。
図10には、情報解析装置13における心不全検出の処理動作の例が示されている。
図10において、検出情報JK1を解析することにより、活動性が所定割合低下し(#31でイエス)、末梢部位の温度である手首の皮膚温度TTが低下し(#32でイエス)、末梢部位の皮膚インピーダンスが低下した場合に(#33でイエス)、心不全を検出する(#34)。
なお、ここでの判断において用いるしきい値AT2の例は、上に述べたように、活動性の低下の判断については2割、皮膚温度TTの低下の判断については35.0℃以下、皮膚インピーダンスの低下の判断については10%である。
図11には、検出端末装置11におけるモード設定のための処理の例が示されている。
図11において、検出情報JK1を解析することにより、活動性が低下した場合に(#41でイエス)、警戒モードに切り替える(#42)。ステップ#41でノーの場合は、通常モードを維持する(#43)。
なお、ここでの活動性の低下の判断において用いるしきい値AT1の例は、上に述べたように1割である。
上に述べた実施形態の心不全検出支援システム1によると、検出端末装置11によって被験者5の状態についての情報を必要なタイミングで取得することができ、心不全であることまたは心不全の悪化を、早期に検出することができる。しかも、検出端末装置11は、被験者5の手首5Tに容易に装着でき、非侵襲であってデバイスの携帯や取り扱いが容易である。
上に述べた実施形態の検出端末装置11によると、皮膚温度TTと皮膚インピーダンスZHとを被験者5の同じ部位で測定するので、信頼性または再現性が良好であり、心不全か否かについてより正確な判断が行われる。
さらに、情報端末14の表示面14Hに、被験者5についての検出情報JK1、アラーム信号WA、および心音異常信号WBを含む解析情報JK2が表示されるので、担当医師8は、診察や入院が必要かどうか、緊急を要するか否かなどを、総合的に迅速に的確に判断することができる。また、必要に応じてカルテ情報などを表示して参照することにより、より迅速に的確に判断することができる。
また、担当医師8は、必要に応じて被験者5の心音情報TSの波形を観察し、または心音情報TSに基づいて心音を直接に聴取することができるので、一層迅速に的確に判断することができる。
上に述べた心不全検出支援システム1によると、多数の被験者について心不全の悪化の早期検出を支援することができ、これによって重症な状態での再入院を回避することが可能となり、医療費の低減、患者の生命予後の改善、担当医師や診療施設の負担の軽減などを図ることができる。
上に述べた実施形態によると、情報解析装置13は、多数の検出情報JK1を一箇所で受信し、複数の情報端末14の中から選択した情報端末14に対し、所定の検出情報JK1および解析情報JK2を送信することができる。したがって、各情報端末14において検出情報JK1の解析を行う場合と比べて、解析を一箇所に集中することができ、効率がよく、情報の一元管理が容易であり、各情報端末14における処理内容が簡単化されて処理負担が軽減される。また、判断のためのしきい値ATが一括管理されるので、心不全の判断およびモードの切り替えにおける判断が統一される。
上に述べた実施形態において、情報解析装置13の心不全検出部422は、(A)(B)(C)の条件を判断したが、これらの条件を変更することが可能である。
すなわち、心不全検出部422における判断に際し、条件(C)については、心不全であるか否かの判断には用いることなく、条件(A)(B)を満たした場合には心不全であると判断するようにしてもよい。
また、条件(A)(B)を満たした場合には心不全の前兆であると判断し、その後に条件(C)を満たした場合に真正の心不全であると判断するようにし、それぞれの判断を示すアラーム信号を生成してもよい。
また、これらの条件の他に、心音情報TSまたは心音異常信号WBに基づく判断も行われる。例えば、心音異常信号WBがあった場合、または担当医師が心音情報TSから心音を聴取してIII 音の存在が分かった場合には、年齢などの条件をも加味した上で心不全であると判断しまたは心不全と類似の判断をしてもよい。
また、これらの条件におけるしきい値ATとして、適当な他の数値を用いてもよい。また、しきい値ATの数値に対し、他の検出情報JK1に基づいて修正を加えるようにしてもよい。例えば、環境温度TKおよび環境湿度WKで示される環境状態が心不全にとって不良である場合に、警戒モードへの切り替えまたはアラーム信号WAが早まるようにしきい値ATを修正してもよい。
また、しきい値ATを、被験者5の状態に応じて個別に設定するようにしてもよい。例えば、個々の被験者5の検出情報JK1に応じてしきい値ATを設定してもよい。また、検出情報JK1の内容に応じて複数のグループに区分けしておき、各グループに対してしきい値ATを設定してもよい。
上の実施形態において、活動性情報JK12として、さらに、被験者5について単位時間当たりの階段の昇降回数を測定し、これをモードの切り替えのおよび心不全であるか否かの判断に用いてもよい。
上に述べた実施形態において、検出端末装置11における検出情報JK1の送信タイミングについて、所定のタイミングとなったときに検出端末装置11の内部でトリガを発生させて検出情報JK1を送信してもよく、また、所定のタイミングとなったときに情報解析装置13から検出端末装置11に指令を送信し、検出端末装置11がその指令の返信として検出情報JK1を送信してもよい。
上に述べた実施形態においては、モードの切り替えの判断、心不全であるか否かの判断を、情報解析装置13において行ったが、情報端末14において行ってもよい。また、この判断を、検出端末装置11の内部で行うようにし、その結果を情報解析装置13または情報端末14に送信するようにしてもよい。
上に述べた実施形態において、心不全検出支援システム1を、ネットワークを介して接続された検出端末装置11、情報解析装置13、および情報端末14によって構成した。しかし、この構成に限ることなく、例えば次のように構成してもよい。次の(1)(2)に示す構成は、請求項9の構成の例である。
(1) 情報解析装置13の機能を、情報端末14の中に一体化して組み込む。これにより、情報端末14は、検出端末装置11からの検出情報JK1をネットワーク12を介して直接に受信する。検出端末装置11は、検出情報JK1を解析して解析情報JK2を生成し、それらを必要に応じて所定のタイミングで情報端末14に送信し、表示面14Hに表示する。
(2) 情報解析装置13の機能を、検出端末装置11の中に一体化して組み込む。これにより、検出端末装置11は、心不全の判断を自ら行い、アラーム信号WAを含む解析情報JK2および検出情報JK1をネットワーク12を介して情報解析装置13または情報端末14に送信する。この場合には、被験者5が自ら心不全のアラーム信号を発することとなり、被験者5の状態の情報を取得するタイミング、それを解析するタイミングなどを、被験者5ごとに実情に応じて設定できる。
また、心不全検出支援システム1は、上に述べたようにサーバ・クライアントシステムとして構成できるが、サーバを分散させたクラウドサーバシステムとして構成してもよい。
また、そのようなサーバ・クライアントシステムまたはクラウドサーバシステムは、次のようにして構築することができる。
すなわち、被験者5が使用する検出端末装置11のメモリに、上に述べたような制御プログラム(コンピュータプログラム)を配付して実行可能とする。配付の方法として、図1に示すようにサーバまたはクラウドサーバからプログラムPGをダウンロードDLさせ、またはCD-ROM、DVD-ROM、他のメモリやコンピュータなどから転送する。そして、上に述べた情報解析装置13または情報端末14などをデータセンター6または診療施設7などに設置する。このようにして、心不全検出支援システム1が生産(構築)される。
次に、モードの切り替えまたは心不全であるか否かの判断に際してのしきい値AT1,2の意義などについて説明する。
図12には被験者の皮膚温度の測定例が示されている。
図12は、室温25℃の状態において、急性心不全患者の各部位の皮膚温度を、赤外線タイプの体温計を用いて非接触で測定した値を示す。図中、「Low」「cold」「very cold」との表示は、測定器の表示内容を示し、これは35.0℃以下であることを意味する。実際には、「cold」の部位と「very cold」の部分とでは、ヒト、特に医師が触った感覚としては明らかな違いがある。
図12において、患者の首部、胸部、上腕部などは、いずれも36℃程度の体温を維持しているが、手首、手の指、足の指などの末梢部位においては、35℃程度に低下している。
通常、ヒトは循環不全の際に末梢への血流を犠牲にして中枢を守ろうとする。その場合に、交感神経系が亢進し、手足などの末梢部位の動脈は収縮して血流は減少する。同時に全身の汗腺は交感神経の亢進の影響を受けて発汗する方向へ傾く。その結果として、循環不全の際に、ヒトの手足は冷たくなり、汗をかく。これは、いわゆる「冷や汗」である。末梢の冷感と冷汗については医療者には広く認知された項目であり、その所見の有用性や特異度の高さが知られている(Clinical Assessment Identifies Hemodynamic Profiles That Predict Outcomes in Patients Admitted With Heart Failure. Journal of the American College of Cardiology)。
しかし、実際に循環不全の際にどれくらい皮膚の温度が下がるのかを客観的に示した文献はない。そのため、心不全を検出するためには温度をどのように設定すればよいのかは未知であった。
そこで、本発明者は、実際に急性心不全の患者の皮膚の温度を測定し、図12に示すデータを得た。このデータにより、
(1)急性心不全の際に冷感が出現するのはどの部位で具体的に何度なのか
(2)冷感とは何度以下のことを言うのか
(3)どこが心不全の冷感の検出に適しているのか
などの点を確認することができた。
このデータに基づき、手首を含めた末梢部位の皮膚温度について、しきい値AT2を、「35.0℃以下に低下した場合」とするのがよいと結論付けた。
また、実際のヒトにおいて種々のストレスをかけることで、皮膚のインピーダンスがどれくらい変化するかの文献が知られている(Prospective Investigation into the Influence of Various Stressors on Skin Impedance. Journal of Clinical Monitoring and Computing (2008) 22:67-74 )。
この文献によると、ヒトに呼吸負荷を与えたときに最も交感神経系の反応が強くなり、脈拍が早くなり、手のひらに汗をかき、インピーダンスが最も低下したという結果が示されている。本発明者は、この文献を基に、心不全の症状が出た際のストレス条件に最も近いものは呼吸負荷がかかったときであると考察し、そのデータの同じ条件時のインピーダンス変化を採用し、皮膚インピーダンスZHのしきい値AT2として、10%以上低下とした。
ところで、皮膚の温度とインピーダンスの変化だけでは、心不全の誤検出の頻度が高くなることが予想される。心不全の検出の精度を高めるため、さらに活動性の変化を測定した。
すなわち、心臓の機能が低下すると6分間歩行の距離が短くなり、歩行速度も低下することが一般的に知られている(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo1969/29/Supplement4/29 _62/ _pdf )。
図13には、活動性と心機能との関係の例が示されている。
つまり、図13には、NYHA(New York Heart Association)分類による心不全の程度が示されている。NYHAの数字が大きくなるほど心不全症状が強い患者であることを示す。一般的にはNYHAIII で入院が必要になり始め (早期発見・早期治療) 、NYHAIVでは緊急入院が必要となる。
心不全症状が強くなると運動に耐えられる強度( 運動耐用能) も低下するため、活動性は落ちてくる。心臓領域では運動耐用能を知る簡易な指標として、病棟内を6分間ひたすら歩いてもらうという試験が一般的である。
本発明者は、NYHA分類の程度が変わった場合に、どれくらい運動耐用能が落ちるのかを考察した。歩行距離の低下率について、NYHAI からNYHAIIへは平均で1割低下し、NYHAIIからNYHAIII へは平均で2割低下する。よって、NYHAI からNYHAIII へは平均で3割の歩行距離短縮になる。
他方、初速の低下率をみると、NYHAI からNYHAIIへは平均1割の速度低下があり、NYHAIIからNYHAIII へは平均1割の低下が認められる。よって、NYHAI からNYHAIII へは平均で2割の初速低下が認められることとなる。
NYHAI の健常者の場合、休息により1 日の歩行距離が短くなったとしても歩行速度は低下しない。NYHAII またはIII のように、日中の歩行距離が短くなり、歩行速度も低下した場合は、警戒すべき状態にあるといえる。
そこで、この警戒状態の患者の末梢部位の温度である皮膚温度TTが低下し、皮膚インピーダンスZHも低下すれば、末梢循環不全をきたしていると判断できる。本実施形態では、このような考察および原理に基づいて、心不全の早期検出を行う。
なお、上に述べた実施形態においては、被験者5の皮膚温度TTおよび皮膚インピーダンスZHを、手首5Tに検出端末装置11を装着して測定した。手首5Tでは、心不全症状時の末梢冷感・湿潤の変化が起こりやすいので、検出の感度が高くなり信頼性も高い。また、手首5Tに装着した場合には検出端末装置11への抵抗感が少なく、指や手背に比べて外気温の影響が小さいという利点がある。
しかしこれに限ることなく、末梢部位として、例えば、足首、手背、指、上腕、前腕、下腿、顔、または耳であってもよい。次に、これ各末梢部位の場合の得失を述べる。
足首の場合には、手首と同様、心不全症状時の末梢冷感・湿潤の変化が起こりやすく、デバイス装着への抵抗感が少なく、指・足背・手首に比べれば外気温の影響が小さい、という利点がある。また、手首の場合と比べて日常生活の干渉となり難い。しかし、手に比べて患者が自分では外し難い、元々足への血流が悪い人の場合には末梢冷感の変化を捉え難い。
手背の場合には、心不全発症時の末梢冷感・湿潤変化が起こりやすいという利点がある。しかし、日常生活に干渉しやすい、デバイス装着への抵抗感が大きい、外気温の影響を受けやすい、患者が自分で外してしまう可能性が高いなどの欠点がある。
手指の場合には、心不全発症時の末梢冷感が現れやすいという利点がある。しかし、外気の影響を強く受ける、日常生活への干渉が大きい、デバイス装着への抵抗感が日本人は大きい、患者が自分で外してしまう可能性があるなどの欠点がある。
前腕または上腕の場合には、外気温の影響を受け難いという利点がある。しかし、心不全発症時の冷感が現れ難い、患者が自分で外してしまう可能性あるなどの欠点がある。
下腿の場合には、外気温の影響を受け難い、日常生活への干渉が少ない、デバイス装着への抵抗感が少ない、患者が自分でデバイスを外す可能性は上肢より低いという利点がある。しかし、動脈硬化が強い症例では温度の変化が小さくなり得る、心不全発症時の冷感が現れ難いなどの欠点がある。
顔の場合には、心不全発症時の湿潤の変化が大きい (発汗しやすい) という利点がある。しかし、外気温の影響を受けやすい、呼吸への干渉はないがデバイス装着への抵抗感が大きい、患者が自分で剥がす可能性が高いなどの欠点がある。
耳の場合には、日常生活への干渉は少ない、患者が自分でデバイスを外す可能性は低いという利点がある。しかし、外気温の影響が強い、心不全発症時の湿潤の変化が起き難い、デバイス装着への抵抗感があるなどの欠点がある。
次に、心音情報TSについて説明を追加する。
図14には心音情報TSの例が示され、図15には被験者5の検出または解析結果に応じて想定される入院の必要性が示されている。
図14(A)は、心音情報TSのうち、圧電センサ28で得られた心音信号S8の波形(心音波形)を示す。心音信号S8には、I音、II音、III 音などが含まれている。なお、I音は心室収縮時の音、II音は心室拡張時の始まりに起こる音、III 音は血流による衝撃によって心室壁が振動することによって生じる音である。
図14(B)は、心音情報TSのうち、情報解析部42などのシミュレータによって心音信号S8からI音、II音、III 音などを抽出した波形を示す。
心音異常検出部423においては、心音情報TSにIII 音が含まれる場合に心音異常信号WBを生成して出力する。
図15において、横軸に入院までの余裕日が、縦軸に心不全が疑われる度合いが、それぞれ示されている。例えば、余裕日が-20である場合には、入院まで20日程度の余裕があることを示し、余裕日が0である場合には即入院であることを示す。
上に示した条件(A)を満たすと、余裕日が19日程度となり、条件(B)を満たすと、余裕日が2日程度となるものと想定される。また、心音異常についての次の条件(D)、つまり、
(D)心音にIII 音が存在したこと
が満たされると、余裕日が10日程度となると想定される。
なお、条件(D)は、心音異常信号WBが出力された場合、および、医師が心音情報TSから心音を直接に聴取してIII 音の存在を認めた場合などに満たされるが、いずれであっても、医師が心音を直接に聴取したときのIII 音の状態に応じては、余裕日がさらに少なくなり、例えば直ちに緊急入院ということも考えられる。
また、図15において、Adamson PB es al. による"Curr Heat Fail Reports, 2009 " による条件(X1)(X2)(X3)が併記されている。
条件(B)は、条件(X3)よりも余裕日が少なく、入院の緊急性が高い。条件(D)は、余裕日が条件(A)と条件(B)との中間であり、心不全との判断に到るまでの状況見守りに有効である。このように、条件(A)(B)(D)を用いることにより、被験者5の心不全に関する判断を充実させることができる。
また、条件(A)(B)(D)とともに、条件(X1)(X2)(X3)をも用いた場合には、心不全に関する判断をより一層充実させることができるものと考えられる。
上に述べた実施形態において、検出端末装置11、情報解析装置13、情報端末14、または心不全検出支援システム1の全体または各部の構成、構造、処理の内容、順序、タイミング、制御内容または方法、検出情報JK1および解析情報JK2の内容などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
1 心不全検出支援システム
5 被験者
5T 手首(末梢部位)
11 検出端末装置
21 本体
21a リストバンド体
22 皮膚温度センサ(温度センサ)
23 環境センサ
25 インピーダンス測定電極
27 加速度センサ
28 圧電センサ
29 制御処理部
30 制御部
31 温湿度測定部(温度測定部)
33 皮膚インピーダンス測定部
34 生体情報検出部
35 活動性検出部
36 通信部
38 心音検出部
13 情報解析装置
41 通信部
42 情報解析部 45 しきい値記憶部
421 モード設定部
422 心不全検出部
14 情報端末
14H 表示面
JK1 検出情報
JK2 解析情報
AT1,2 しきい値
HN 歩数
HVM 最高歩行速度
TT 皮膚温度
ZH 皮膚インピーダンス
TS 心音情報(心音)
GM モード信号
WA アラーム信号

Claims (13)

  1. 被験者が心不全であるか否かを検出するために用いられる検出端末装置であって、
    前記被験者についての末梢部位の皮膚インピーダンスを測定する皮膚インピーダンス測定部と、
    前記被験者についての生体情報を検出する生体情報検出部と、
    検出または測定された前記皮膚インピーダンスおよび前記生体情報を、 前記被験者が心不全であるか否かを判断する情報解析装置に送信する送信部と、
    リストバンド体によって前記被験者の手首に着脱可能に取り付け可能な本体と、を有し、
    前記皮膚インピーダンス測定部は、複数の電極が前記被験者の手首の表面に接触するよう前記本体の裏面側に設けられ、
    前記生体情報検出部は、複数の電極が前記被験者が腕を曲げて体表面に接触させることが可能なよう前記本体の表面側に設けられてなる、
    ことを特徴とする心不全検出のために用いられる検出端末装置。
  2. 前記被験者についての心音を検出する心音検出部を有し、
    前記送信部は、さらに、前記心音検出部により検出された心音を前記情報解析装置に送信する、
    請求項1 記載の検出端末装置。
  3. 前記被験者についての末梢部位の温度を測定する温度測定部を有し、
    前記リストバンド体が前記被験者の手首に装着されることにより、前記被験者についての末梢部位である前記手首の温度を測定
    前記送信部は、さらに、前記温度測定部により測定された前記手首の温度を前記情報解析装置に送信する、
    請求項1または2記載の検出端末装置。
  4. 前記被験者についての日常の活動性を検出する活動性検出部を有し、
    前記活動性検出部は、前記日常の活動性として、前記被験者の単位時間当たりの歩数および所定時間内における最高歩行速度を検出
    前記送信部は、さらに、前記活動性検出部により検出された前記日常の活動性を前記情報解析装置に送信する、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の検出端末装置。
  5. 被験者が心不全であるか否かを検出する心不全検出支援システムであって、
    前記被験者についての日常の活動性、末梢部位の温度、および心音を検出して検出情報を取得する検出端末装置と、
    前記検出情報を解析し、前記日常の活動性および前記末梢部位の温度の両方が低下したときに前記被験者が心不全であることを示すアラーム信号を生成し、かつ前記心音にIII 音が含まれているときに前記アラーム信号とは別個の心音異常信号を生成する、情報解析装置と、
    前記情報解析装置において前記アラーム信号が生成されまたは前記心音異常信号が生成されたときに、その旨を表示しまたは音を発するなどにより出力する出力部と、
    を有することを特徴とする心不全検出支援システム。
  6. 前記日常の活動性が所定割合低下し、かつ前記末梢部位の温度が35℃以下に低下したときに、前記アラーム信号を生成する、
    請求項5記載の心不全検出支援システム。
  7. 前記検出端末装置は、前記被験者についての末梢部位の皮膚インピーダンスを測定して検出情報として取得し、
    前記情報解析装置は、前記日常の活動性および前記末梢部位の温度の両方の低下に加え、さらに前記被験者の末梢部位の皮膚インピーダンスが低下したときに、前記アラーム信号を生成する、
    請求項5または6記載の心不全検出支援システム。
  8. 前記皮膚インピーダンスは、前記末梢部位の温度と同じ部位で測定されたものである、
    請求項7記載の心不全検出支援システム。
  9. 前記被験者の末梢部位の皮膚インピーダンスが10パーセント以上低下したときに、前記アラーム信号を生成する、
    請求項7または8記載の心不全検出支援システム。
  10. 前記情報解析装置は、前記検出端末装置が送信タイミングにおいて送信した前記検出情報を通信回線を介して受信し、受信した前記検出情報を解析する、
    請求項5ないし9のいずれかに記載の心不全検出支援システム。
  11. 前記情報解析装置は、前記検出情報を解析することにより、前記検出情報の送信を比較的に少ない回数で実施する通常モードから前記検出情報の送信を前記通常モードの場合よりも頻繁に行う警戒モードへの切り替えが必要か否かを判断してモード信号を生成し、
    前記検出端末装置は、前記モード信号に基づいて、前記検出情報の送信タイミングを前記警戒モードに切り替える、
    請求項10記載の心不全検出支援システム。
  12. 被験者が心不全であるか否かを検出する心不全検出支援システムに用いられれる情報解析装置であって、
    前記被験者に装着された検出端末装置から送信される前記被験者についての日常の活動性、末梢部位の温度、および心音を含む検出情報を受信する通信部と、
    前記検出情報を解析し、前記日常の活動性および前記末梢部位の温度の両方が低下したときに前記被験者が心不全であることを示すアラーム信号を生成する心不全検出部と、
    前記検出情報を解析し、前記心音にIII 音が含まれているときに前記アラーム信号とは別個の心音異常信号を生成する心音異常検出部と、を有し、
    前記通信部は、生成された前記アラーム信号または生成された前記心音異常信号を、その旨を表示しまたは音を発するなどにより出力可能な情報端末に送信する、
    ことを特徴とする情報解析装置。
  13. 被験者が心不全であるか否かを検出するためのコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記被験者に装着された検出端末装置から送信される前記被験者についての日常の活動性、末梢部位の温度、および心音を含む検出情報を受信する処理を実行させ、
    前記検出情報を解析し、前記日常の活動性および前記末梢部位の温度の両方が低下したときに前記被験者が心不全であることを示すアラーム信号を生成する処理を実行させ、
    前記検出情報を解析し、前記心音にIII 音が含まれているときに前記アラーム信号とは別個の心音異常信号を生成する処理を実行させ、
    生成された前記アラーム信号または生成された前記心音異常信号を、その旨を表示しまたは音を発するなどにより出力可能な情報端末に送信する処理を実行させる、
    ことを特徴とするコンピュータプログラム。
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