JP7161146B2 - Zn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法および電気めっき設備 - Google Patents

Zn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法および電気めっき設備 Download PDF

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Description

本発明は、高品質なZn-Ni系合金めっき鋼板を効率よく製造することができるZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法と、その実施に供される電気めっき設備に関するものである。
自動車用表面処理鋼板としてZn-Ni合金めっき鋼板が使用されており、このZn-Ni合金めっき鋼板は、一般的に電気めっきで製造される。Zn-Ni合金めっきは純Znめっきに比べて耐食性に優れることが知られており、ホットプレス用鋼板として採用されている。Zn-Ni合金めっきでは、めっき皮膜中のNi含有量が耐食性に影響するため、Ni含有量を適正範囲に制御することが必要となる。一方、Zn-Ni合金を含むZn-鉄系合金電析は、より卑な金属であるZnが鉄属金属に比べて優先析出する変則型共析となることが知られている。
電気Zn-Ni合金めっき鋼板は、連続焼鈍ラインで焼鈍された鋼板を、連続焼鈍ラインとは別の電気めっきラインでめっき処理することにより製造される。この場合、コイル状の冷延鋼板(連続焼鈍板)を電気めっきラインに搬送し、防錆油を除去する脱脂工程、表面酸化皮膜を除去して表面を活性にする酸洗工程に続いて、電気めっき工程にて片面当たり5~80g/mのZn-Ni合金めっきを施し、耐食性や塗装性を向上させるための各種化成皮膜を形成する化成処理工程を経て、電気Zn-Ni合金めっき鋼板として出荷される。
一般的な電気めっき方法として、水平セル式めっき槽(水平型フローセル方式)を用いる方法が知られている。このめっき方法は、水平方向に通板する鋼板の表裏面と相対してアノード電極を配置し、鋼板とアノード電極間のギャップにめっき液を供給し、カソードである鋼板の表裏面とアノード電極との間で通電して電気めっきする方式である。この方式は、鋼板表裏面を同時にめっきできる利点がある。
水平セル式めっき槽では、通常5~15セル程度のめっきセルを直列状に配置し、鋼板を通板させながら連続的にめっき処理をする。1セル当たりのめっき付着量は1~5g/mと薄く、これを積層させるめっき法であり、ライン速度や板幅に応じて電流を制御すればよいので、鋼板の幅方向や長手方向の付着量分布は0.5~1g/m以内と均一にでき、かつ美麗な外観を得られることも大きな特徴である。水平セル式めっき槽は積層型のめっき方式であるため、例えば、最終めっき付着量が20g/m程度の電機用亜鉛めっき鋼板の場合は、めっきセクションが生産上の能率ネック工程になることはないが、より高い耐食性が求められる最終めっき付着量が60g/m超の自動車用Zn-Ni合金めっき鋼板の場合、通板速度を低下させないと所望のめっき付着量を成膜できないため、めっきセクションが生産上の能率ネック工程となる。
従来、Zn-Ni合金めっき鋼板を製造する際のめっき皮膜中のNi含有量の適正化や高速電気めっきを目的として、以下のような技術が開示されている。
特許文献1には、耐チッピング性に優れたZn-Ni合金めっき鋼板の製造方法として、複数のめっきセルを用いる際に、鋼板入側第1セルのめっき浴中のNi濃度および電流密度を、第2セル以降のNi濃度および電流密度よりも大きくし、めっき皮膜中のNi含有量を適正に制御する技術が開示されている。
この特許文献1の方法では、一般的なラジアルセルにおいて3~20A/dmという非常に低い電流密度で最終めっき付着量30g/m程度のZn-Ni合金めっき鋼板が製造されているが、最終めっき付着量を60g/m超とするには通板速度を半分程度に低下させる必要があり、生産性が著しく低下する問題がある。また、通板速度を低下させることで、複数のめっきセル間での無通電時間が長くなり、その間でめっきの溶解によって表面外観が劣化する問題もある。また、通板速度を変えない場合、最終めっき付着量を60g/m超とするには電流密度を2倍以上にする必要があるが、電流密度を適正範囲よりも高くするとめっき皮膜中のNi含有量が増加し、耐食性が劣化してしまう問題がある。
一方、特許文献2には、高電流密度で電気めっき鋼板を製造する方法として、電極板(アノード電極)に複数の貫通孔を形成し、この貫通孔を通じてノズル手段から鋼板面にめっき液を噴射するようにした技術が開示されており、この技術によれば、鋼板と電極板間へのイオン供給が効率的になされるため、高電流密度での電気めっきが可能となるとしている。この特許文献2には、貫通孔を通じて鋼板面にめっき液を噴射するためのノズル手段として、(i)電極板の背面側(鋼板に対する放電面側とは反対側)に、複数の噴射口(ノズル口)を備えたノズルヘッダを設置し、このノズルヘッダの各噴射口から電極板の各貫通孔に向けてめっき液を噴射し、めっき液が貫通孔を通過して鋼板面に当たるようにしたもの(同文献の図1及び図2の実施形態)、(ii)電極板の背面側に、複数の管状ノズル(ノズル管)を備えたノズルヘッダを設置するとともに、各管状ノズルを電極板の貫通孔に挿通させてノズル先端を電極板の放電面から突出させ、管状ノズルから鋼板面にめっき液を噴射するようにしたもの(同文献の図3及び図4の実施形態)、が開示されており、特に、(ii)のノズル手段は、鋼板近傍のイオン(めっき金属イオン)の濃度境界層とめっき液の速度境界層を打破り、各境界層の発達を抑制する効果が優れるとしている。
特開2002-129376号公報 特開2005-272999号公報
しかし、本発明者らが検討したところによると、特許文献2の方法には、以下のような問題があることが判った。すなわち、上記(i)のノズル手段を用いた場合には、ノズルヘッダの噴射口から噴射された後、電極板の貫通孔を通過しためっき液噴流が、鋼板の移動によって発生するめっき液の随伴流に負けてしまうため、鋼板表面に新鮮なめっき液が十分に供給されず、鋼板界面近傍でのイオン欠乏が起こり、高電流密度での適正なZn-Ni合金めっきができなくなることが判った。一方、上記(ii)のノズル手段を用いた場合には、電極板の放電面から突き出たノズル部分の影響で電極板と鋼板間に非通電領域が生じ、その領域の見かけ電流密度が低下することでめっき付着量が少なくなるという問題があり、その結果、めっき付着ムラやNi比率ムラが生じ、めっき外観にもばらつきが生じることが判った。また、このような問題は、電極板と鋼板間の距離が近いほど顕著になることも判った。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、適正で均一なめっき付着量とめっき組成を有するZn-Ni系合金めっき鋼板を効率的に製造することができる製造方法およびその実施に供される電気めっき設備を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、電極板に複数の貫通孔を形成し、この貫通孔を通じてノズル手段から鋼板面にめっき液を噴射するようにしためっき方法において、管状ノズルを電極板の貫通孔に挿通させるとともに、管状ノズルの先端を貫通孔内に位置させ、この管状ノズルから鋼板面にめっき液を噴射することにより、上記課題を解決できることが判った。また、管状ノズルを絶縁材料で構成することにより、ノズルに亜鉛が電析したりスパークが生じることを防止でき、その結果、めっき後鋼板表面性状を美麗に維持しつつ、めっき設備の長期安定運用も可能となることが判った。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備えた電気めっき設備を用い、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施し、Zn-Ni系合金めっき鋼板を製造する方法において、
管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、そのノズル先端が貫通孔(3)内に位置し、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液を噴射することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであることを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から電極板(1)の鋼板側放電面までの距離をH1(mm)としたとき、管状ノズル(2)の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
0≦H1/d<2.0 …(1)
[4]上記[1]~[3]のいずれかの製造方法において、貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から通板中の鋼板までの距離をH2(mm)としたとき、管状ノズル(2)のノズル先端からのめっき液噴射速度V(m/s)と、管状ノズル(2)の内径d(mm)と、距離H2(mm)が下記(2)式を満足することを特徴とする記載のZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
1.5≦V×d/H2≦6.0 …(2)
[5]上記[1]~[4]のいずれかの製造方法において、Zn-Ni系合金めっき成膜時の電流密度を30~250A/dmとすることを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[6]上記[1]~[5]のいずれかの製造方法において、製造されるZn-Ni合金系めっき鋼板のめっき皮膜中のNi含有量が10~15質量%であることを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[7]めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備えた電気めっき設備を用いて、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施し、Zn-Ni系合金めっき鋼板を製造する方法において、
管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであり、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液を噴射することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[8]上記[7]の製造方法において、貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から電極板(1)の鋼板側放電面までの距離をH1(mm)としたとき、管状ノズル(2)の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
0≦H1/d<2.0 …(1)
[9]上記[7]または[8]の製造方法において、貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から通板中の鋼板までの距離をH2(mm)としたとき、管状ノズル(2)のノズル先端からのめっき液噴射速度V(m/s)と、管状ノズル(2)の内径d(mm)と、距離H2(mm)が下記(2)式を満足することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
1.5≦V×d/H2≦6.0 …(2)
[10]上記[7]~[9]のいずれかの製造方法において、Zn-Ni系合金めっき成膜時の電流密度を30~250A/dmとすることを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[11]上記[7]~[10]のいずれかの製造方法において、製造されるZn-Ni合金系めっき鋼板のめっき皮膜中のNi含有量が10~15質量%であることを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
[12]めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備え、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施す電気めっき設備において、
管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、そのノズル先端が貫通孔(3)内に位置し、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液が噴射されるようにしたことを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
[13]上記[12]の電気めっき設備において、管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであることを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
[14]上記[12]または[13]の電気めっき設備において、貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から電極板(1)の鋼板側放電面までの距離をH1(mm)としたとき、管状ノズル(2)の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
0≦H1/d<2.0 …(1)
[15]めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備え、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施す電気めっき設備において、
管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであり、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液が噴射されるようにしたことを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
[16]上記[15]の電気めっき設備において、貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から電極板(1)の鋼板側放電面までの距離をH1(mm)としたとき、管状ノズル(2)の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
0≦H1/d<2.0 …(1)
本発明によれば、適正で均一なめっき付着量とめっき組成を有するZn-Ni系合金めっき鋼板を効率的に製造することができる。
本発明法で使用する水平セル式の電気めっき設備において、1つのめっきセルの一実施形態を模式的に示す縦断面図 図1の実施形態において、電極板に形成された貫通孔の1つとこれに挿通された管状ノズルを示す部分拡大縦断面図 従来の一般的な水平セル式の電気めっき設備における1つのめっきセルを模式的に示す縦断面図 実施例(比較例)で用いた特許文献2に記載のめっきセルを模式的に示す縦断面図
図3は、従来の一般的な水平セル式(水平型フローセル方式)の電気めっき設備における1つのめっきセルを模式的に示している。この水平セル式のめっき設備では、水平方向に通板する鋼板Sの両面に対向して1対の電極板30(アノード電極)が配置され、各電極板30と鋼板Sの間のギャップに、鋼板通板方向の下流側に配置されためっき液供給ノズル31からめっき液が供給される。その他図面において、32はノズルヘッダ、33はダムロールである。この方式では、カソードである鋼板Sの両面と1対の電極板20(アノード電極)との間で通電することで、鋼板Sの両面に同時に電気めっきが施される。
このような従来の一般的なめっき設備に対して、本発明法において用いるめっき設備では、通板する鋼板Sに対向して配置される電極板1(アノード電極)に複数の貫通孔3を形成し、この各貫通孔3を通じて管状ノズル2から鋼板面にめっき液を噴射し、電極板1と鋼板Sの間のギャップにめっき液を供給する。そして、その際に、管状ノズル2が貫通孔3内に挿通されるとともに、そのノズル先端が貫通孔3内に位置する(すなわち、電極板1の鋼板側放電面から突出しない)ようにし、この管状ノズル2から鋼板面にめっき液を噴射するものである。
図1および図2は、本発明法で使用する水平セル式の電気めっき設備において、1つのめっきセルの一実施形態を模式的に示したものであり、図1はめっきセル全体の縦断面図(なお、電極板、バックプレートおよびノズルヘッダの断面のハッチングは省略してある)、図2は、電極板1に形成された貫通孔3の1つとこれに挿通された管状ノズル2を示す部分拡大縦断面図である。
この電気めっき設備のめっきセルでは、水平方向に通板する鋼板Sの両面に対向して1対の不溶性の電極板1(アノード電極)が配置され、各電極板1には、その全面にわたって複数の貫通孔3が形成されている。
鋼板Sの通板方向における電極板1の上流側と下流側には、それぞれダムロール5が設けられ、さらに、それらの上流側と下流側には、それぞれコンダクターロール6とそのバックアップロール7が設けられている。
各電極板1の背面側(鋼板側放電面10とは反対側)には、電極板1を保持するとともに電極板1に均一に給電を行うためのバックプレート9が配置され、各電極板1は接続部8(接続部材)を介してバックプレート9に保持されている。接続部8は導電材料からなり、電極板1およびバックプレート9に対して部分的に接する大きさに構成されている。バックプレート9はTi材などの導電材料からなり、接続部8を介して電極板1と電気的に接続されている。そして、このバックプレート9の背面にはノズルヘッダ4が配置されている。
電極板1は、接続部8の位置においてネジ止め式でバックプレート9に固定されている。このように電極板1が接続部8を介してバックプレート9に固定されるのは、電極板1をバックプレート9に直に固定(ネジ止め)した場合、電極板1とバックプレート9が広い面積で接触することになるため、接触具合が不均一になって部分的に隙間が生じ、この隙間でスパークが発生して電極が損傷するおそれがあるからである。
ここで、バックプレート9は、電流分布均一化のために1セル内において一体的に構成される部材であるのに対し、鋼板Sに相対する電極板1は交換しやすいように幅・長手方向で複数に分割されている。
ノズルヘッダ4には、電極板1に形成された複数の貫通孔3に対応して複数の管状ノズル2(ノズル管)が設けられ、これらの管状ノズル2は、バックプレート9に形成された挿通孔(図示せず)を通じて電極板1の各貫通孔3に挿通され、そのノズル先端は、電極板1の鋼板側放電面10から突出することなく(ノズル先端面と鋼板側放電面10が面一の場合を含む。)、貫通孔3内に位置している。
電極板1の貫通孔3と管状ノズル2は、それらの軸線が鋼板Sに対して垂直になるように設けられている。
なお、本実施形態ではノズルヘッダ4がライン方向で複数に分割(3分割)されているが、これは、バックプレート9の背面側に給電部材があるため、これを避けながらバックプレート全体にノズルヘッダ4を配置させるためである。
管状ノズル2の材質は特に限定されないが、ノズルに亜鉛が電析したり、スパークが生じたりするのを防止するために絶縁材料で構成するか、若しくは金属などの非絶縁材料を絶縁材料で被覆したもので構成することが好ましい。ノズルに亜鉛が電折したり、スパークが生じると、鋼板表面にスパーク疵が発生したり、鋼板の局所加熱によって穴が開いたりして鋼板品質に大きな影響を及ぼすおそれがある。本発明者らによる試験の結果では、管状ノズル2を非絶縁材料である金属(例えばTi材)で構成した場合には、めっきの外観ムラが生じた。
使用可能な絶縁材料としては、例えば、耐熱性(例えば耐熱温度100℃以上)を有する塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの樹脂材料、繊維強化プラスチック(GFRP)などが挙げられるが、これらに限定されない。また、めっき槽中ではある程度の水圧も加わるため、上記のなかでも特に繊維強化プラスチック(GFRP)が好ましい。
繊維強化プラスチック(GFRP)としては、例えば、繊維材としてガラス繊維、カーボン繊維、ケプラー繊維、ポリエチレン繊維などの1種以上を、樹脂材としてポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの1種以上を、それぞれ用いたものを使用できる。
また、管状ノズル2は、金属などの非絶縁材料を上述したような絶縁材料(例えば樹脂)で被覆したもので構成してもよい。
また、管状ノズル2の先端開口部の形状は特に制限はないが、通常、製作の容易さや貫通孔3を設ける電極板を含めた設備コストの面からは、管状ノズル2は円管ノズル(先端開口部が円形のノズル)とするのが好ましい。
水平セル式の電気めっき設備では、図1に示すようなめっきセルが複数基(通常、5~15セル程度)直列状に配置され、これらのめっきセルに鋼板Sを連続して通板させることにより、鋼板Sのめっき処理がなされる。各めっきセルでは、電極板1をアノード、鋼板Sをカソードとして、鋼板表面と電極板1との間で通電して鋼板Sを電気めっきする。このような各めっきセルでの電気めっきにおいて、ポンプ(図示せず)に取り込まれためっき液は、ノズルヘッダ4を経て各管状ノズル2に流れ、各管状ノズル2から鋼板Sの表面に噴射されることで、1対の電極板1と鋼板S間のギャップにめっき液が供給される。
この際、管状ノズル2のノズル先端20が貫通孔3内に位置しているため、めっき液噴流は鋼板Sの移動によって発生するめっき液の随伴流に負けることなく鋼板面に到達することができ、このため鋼板表面に新鮮なめっき液が十分に供給され、鋼板界面近傍でのイオン欠乏が起こりにくくなり、高電流密度におけるZn-Ni合金めっき皮膜のNi含有量の安定化が実現できる。一方、管状ノズル2のノズル先端20が電極板1の鋼板側放電面10から突出していないため、電極板1の鋼板側放電面10から突出したノズル部分によって非通電領域が生じてめっき付着量が減少し、めっき付着ムラ・Ni比率ムラやめっき外観のばらつきが生じるようなことを防止することができる。また、管状ノズル2のノズル先端20が電極板1の鋼板側放電面10から突出していると、電極板1と鋼板S間の距離(ギャップ)や通板する鋼板Sの形状によっては、ノズル先端20が鋼板Sに接触するおそれがあるが、このようなノズル先端20の鋼板Sへの接触リスクもなくすことができる。
ここで、電極板1と鋼板S間での通電性の面からは電極板1と鋼板S間の距離(ギャップ)は小さい方が好ましいが、電極板1の鋼板側放電面10からノズル先端が突出することにより生じる問題(非通電領域が生じることによるめっき付着ムラ・Ni比率ムラなどの発生)は、電極板1と鋼板S間の距離(ギャップ)は小さいほど顕著になる。したがって、このような問題を生じない本発明では、電極板1と鋼板S間の距離(ギャップ)を十分に小さくすることが可能となり、電極板1と鋼板S間での通電性を高めるのに有利となる。
このような観点からは、電極板1と鋼板S間の距離(ギャップ)を5~15mm程度とすることが好ましく、5~10mm程度とすることがより好ましい。
また、めっき液噴流をより確実に鋼板面に供給するため、貫通孔3の孔軸方向において、管状ノズル2のノズル先端20から電極板1の鋼板側放電面10までの距離をH1(mm)としたとき(図2参照)、管状ノズル2の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することが好ましい。なお、下記(1)式はめっき液噴流の直進性を問題とするものであるので、管状ノズル2の先端開口部の形状が円形以外(例えば楕円形)の場合には、その短径側の内径をもって内径dとする。また、後述する(2)式の条件に関する内径dについても同様である。
0≦H1/d<2.0 …(1)
ここで、管状ノズル2のノズル先端20が貫通孔3内に位置していても、H1/d≧2.0では、めっき液噴流が鋼板Sの移動によって発生するめっき液の随伴流に影響されやすくなるため、上述したような本発明の効果が低下するおそれがある。
また、貫通孔3の孔軸方向において、管状ノズル2のノズル先端20から通板中の鋼板Sまでの距離をH2(mm)としたとき(図2参照)、管状ノズル2のノズル先端20からのめっき液噴射速度V(m/s)と、管状ノズル2の内径d(mm)と、距離H2(mm)が下記(2)式を満足することが好ましい。
1.5≦V×d/H2≦6.0 …(2)
ここで、V×d/H2<1.5では、鋼板表面に新鮮なめっき液が供給されにくくなるため、鋼板界面近傍へのイオン供給が不足する傾向がある。一方、V×d/H2>6.0では、極間(上下電極板の間)からのめっき液排出性が低下し、めっき液が部分的に滞留することにより、やはり鋼板界面近傍へのイオン供給が不足する傾向がある。その結果、100A/dm以上の高電流密度でめっきすると、部分的にめっき皮膜中のNi含有量が高くなってNi比率のばらつきが生じやすくなる。
本発明で用いるめっき設備において、電極板1の厚さや極間距離、管状ノズル2の設置密度(貫通孔3の形成密度)、管状ノズル2の内径d、管状ノズル2のノズル先端20から電極板1の鋼板側放電面10までの距離H1、管状ノズル2のノズル先端20から通板中の鋼板Sまでの距離H2、管状ノズル2のノズル先端20からのめっき液噴射速度Vなどは、特別な制限はないが、一般には、電極板1の厚さは5~20mm程度、極間距離(鋼板と電極板放電面との距離)は5~20mm程度、管状ノズル2の設置密度(貫通孔3の形成密度)は100~800個/m程度、管状ノズル2の内径dは4~15mm程度、管状ノズル2のノズル先端20から電極板1の鋼板側放電面10までの距離H1は0~19mm程度、管状ノズル2のノズル先端20から通板中の鋼板Sまでの距離H2は5~39mm程度、管状ノズル2のノズル先端20からのめっき液噴射速度Vは4~20m/s程度の範囲となる。
本発明で製造されるZn-Ni系合金めっき鋼板のめっき皮膜中のNi含有量は、耐食性の観点から10~15質量%であることが好ましい。すなわち、Zn-Ni系合金めっきの耐食性試験(塩水噴霧による赤錆発生時間を評価)により、めっき皮膜中のNi含有量が12質量%で耐食性が極大となり、10~15質量%が好適範囲となることが判った。
常用の電気めっき設備によるZn-Ni系合金電気めっきでは、Ni含有量が10~15質量%のZn-Ni系合金めっき皮膜を安定的に得るには、電流密度を5~20A/dm程度とする必要があるのに対し、本発明では、上述したような作用効果が得られるため、電流密度30~250A/dmでの電気めっきが可能になる。なお、本発明では250A/dmを超える高電流密度でのめっき処理を排除するものではないが、水平セル式や縦型セル式の電気めっき設備の場合、250A/dmを超える高電流密度では、めっき液の電気抵抗、鋼板や電気回路でのジュール発熱による電力損失が大きく、通板速度の増加による生産性向上に対する電力消費が過大になるため、経済的な生産ができにくくなる。
本発明は、水平セル式だけでなく、縦型セル方式のめっき設備によるZn-Ni系合金めっき鋼板の製造にも適用できる。
本発明は、特に高めっき付着量のめっき鋼板を製造する場合に有用な製造方法である。すなわち、めっき付着量を多くする場合、通常の電流密度(100A/dm以下)では低通板速度になるため、高電流密度にして生産性を上げる必要がある。しかし、通常の電極では高電流密度にするとめっき皮膜中のNi含有量が15質量%を超えてしまうため、目的とするZn-Ni系合金めっき鋼板が製造できない。これに対して、本発明のように多孔電極(複数の貫通孔を有する電極)を用いると、高電流密度にしてもめっき皮膜中のNi含有量が高くならないので、高電流密度による高めっき付着量のZn-Ni系合金めっき鋼板が製造可能となる。
本発明では、めっき浴組成は特に限定しないが、好ましくはめっき浴を硫酸浴とし、その成分は亜鉛成分を24~40g/L、ニッケル成分を45~70g/L、ナトリウム成分を15~25g/Lとし、pHは1.5~1.7とすることが望ましい。
また、本発明法では、母材鋼板表面に金属被覆層が存在していても、電解処理によるZn-Ni合金めっきが可能であるため、Zn-Ni合金めっき(電解処理)を施す鋼板は、表面に金属被覆層を有する鋼板であってもよい。この場合には、その金属被覆層が下地層となり、その上にZn-Ni合金めっき層が形成される。金属被覆層の組成に特に制限はなく、任意の金属(合金の場合を含む)で構成できるが、例えば、鋼板とZn-Ni合金めっき層の密着性を向上させるために、鋼板との密着性が良いNi層やZn層などで構成することができる。金属被覆層の形成方法は特に制限はなく、例えば、電気めっき、無電解めっき、蒸着めっきなどの任意の方法で形成することができる。また、金属被覆層は2層以上設けてもよい。
本発明法で製造された電気Zn-Ni合金めっき鋼板には、必要に応じて無機皮膜または/および有機皮膜を形成してもよい。
図1および図2に示すめっきセルを備えた電気めっき設備を用い、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施し、Zn-Ni系合金めっき鋼板を製造した(発明例)。
また、比較のために、図3に示すような従来の一般的なめっきセルを備えた水平セル式の電気めっき設備、図4(i)に示すような特許文献2の図1および図2の実施形態のめっきセルを備えた水平セル式の電気めっき設備、図4(ii)に示すような特許文献2の図3および図4の実施形態のめっきセルを備えた水平セル式の電気めっき設備をそれぞれ用い、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施し、Zn-Ni系合金めっき鋼板を製造した(比較例)。
ここで、図4(i)に示すめっきセル(なお、鋼板Sの下側の電極板およびノズル手段は図示を省略してある)は、電極板40の背面側(鋼板Sに対する放電面側とは反対側)に、複数の噴射口41(ノズル口)を備えたノズルヘッダ42を設置し、このノズルヘッダ42の各噴射口41から電極板40の各貫通孔43に向けてめっき液を噴射し、めっき液が貫通孔43を通過して鋼板面に当たるようにしたものである。また、図4(ii)に示すめっきセル(なお、鋼板Sの下側の電極板およびノズル手段は図示を省略してある)は、電極板50の背面側に、複数の管状ノズル51(ノズル管)を備えたノズルヘッダ52を設置するとともに、各管状ノズル51を電極板50の貫通孔53に挿通させてノズル先端55を電極板50の放電面54から突出させ、管状ノズル51から鋼板面にめっき液を噴射するようにしたものである。
それぞれの電気めっき設備は15セルからなり、1セル内の電極長(通板方向での電極板の長さ)は2mとした。電極板(アノード電極)は、本体がチタン製で、放電面に酸化イリジウム皮膜が施されたものであり、鋼板Sを概ね覆う幅を有している。
図1および図2のめっきセルと、図4(ii)のめっきセルにおいて、電極板の貫通孔に挿通させた管状ノズルは絶縁材料であるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)で構成した。
めっき浴は硫酸浴とし、その成分は亜鉛成分が24~40g/L、ニッケル成分が45~70g/Lとし、pHは1.5~1.7となるように調整し、浴温は50℃とした。
電気めっき設備では、厚さ0.7mm×幅1200mmの鋼板を0.3~2.8m/sの通板速度で走行させ、めっき効率70%でめっき付着量が片面当たり65g/mとなるように、電流密度を設定した。
めっき付着量とめっき皮膜中のNi含有量については、次のようにして求めた。製造されためっき鋼板の幅方向5点(幅方向中心位置、同中心位置から両側400mmの各位置、両エッジから50mm内側の各位置)から試験片を採取し、且つこのような試験片の採取を鋼板長手方向において任意の間隔で10回行った。採取された各試験片を塩酸を用いて溶解し、Zn付着量、Ni付着量をICP発光分析装置により測定し、めっき付着量を求めるとともに、めっき皮膜中のNi比率をNi/(Ni+Zn)により求めた。それらの測定値の平均を求め、この平均値をめっき付着量とNi含有量とした。Ni含有量は平均値および各測定値がすべて10.0~15.0質量%の場合を合格(“○”)、平均値は合格範囲であるが一部不合格部位がある場合(部分カットで出荷可能なレベル)を△とし、それ以外を不合格(“×”)とした。
めっき鋼板の外観については、めっき付着量を測定したのと同じ箇所の光沢度(G値)を光沢度計で測定し、測定値のバラツキが3%未満の場合を◎、3%以上10%未満の場合を○、10%以上の場合を×と評価し、◎と○を合格、×を不合格(外観ムラあり)とした。
Figure 0007161146000001
1 電極板
2 管状ノズル
3 貫通孔
4 ノズルヘッダ
5 ダムロール
6 コンダクターロール
7 バックアップロール
8 接続部
9 バックプレート
10 鋼板側放電面
20 ノズル先端
S 鋼板

Claims (9)

  1. めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備えた電気めっき設備を用い、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施し、Zn-Ni系合金めっき鋼板を製造する方法において、
    管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであり、
    管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、そのノズル先端が貫通孔(3)内に位置し、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液を噴射することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
  2. 貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から電極板(1)の鋼板側放電面までの距離をH1(mm)としたとき、管状ノズル(2)の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することを特徴とする請求項1に記載のZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
    0≦H1/d<2.0 …(1)
  3. 貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から通板中の鋼板までの距離をH2(mm)としたとき、管状ノズル(2)のノズル先端からのめっき液噴射速度V(m/s)と、管状ノズル(2)の内径d(mm)と、距離H2(mm)が下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
    1.5≦V×d/H2≦6.0 …(2)
  4. Zn-Ni系合金めっき成膜時の電流密度を30~250A/dmとすることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
  5. 製造されるZn-Ni合金系めっき鋼板のめっき皮膜中のNi含有量が10~15質量%であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
  6. めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備えた電気めっき設備を用いて、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施し、Zn-Ni系合金めっき鋼板を製造する方法において、
    管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであり、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液を噴射することを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板の製造方法。
  7. めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備え、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施す電気めっき設備において、
    管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであり、
    管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、そのノズル先端が貫通孔(3)内に位置し、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液が噴射されるようにしたことを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
  8. 貫通孔(3)の孔軸方向において、管状ノズル(2)のノズル先端から電極板(1)の鋼板側放電面までの距離をH1(mm)としたとき、管状ノズル(2)の内径d(mm)と距離H1(mm)が下記(1)式を満足することを特徴とする請求項7に記載のZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
    0≦H1/d<2.0 …(1)
  9. めっきセル内に、複数の貫通孔(3)を有し、通板する鋼板に対向して配置される不溶性の電極板(1)と、この電極板(1)の各貫通孔(3)を通じて鋼板面にめっき液を噴射する複数の管状ノズル(2)を備え、鋼板にZn-Ni系合金電気めっきを施す電気めっき設備において、
    管状ノズル(2)が貫通孔(3)内に挿通されるとともに、管状ノズル(2)が絶縁材料からなるノズル、または絶縁材料で被覆されたノズルであり、この管状ノズル(2)から鋼板面にめっき液が噴射されるようにしたことを特徴とするZn-Ni系合金めっき鋼板製造用の電気めっき設備。
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