以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態のコンテンツ制御装置の機能的構成例を示している。図1のコンテンツ制御装置10は、特定部11、抽出部12、及び出力部13を含む。
特定部11は、エリア語句情報と期間語句情報と目的語句情報のうち、いずれか2つ以上の語句情報を用いて、候補語句を特定する。エリア語句情報は、所定エリアに関する複数の語句の間の関係を示す。期間語句情報は、所定期間に関する複数の語句の間の関係を示す。目的語句情報は、所定目的に関する複数の語句の間の関係を示す。
抽出部12は、複数のコンテンツの中から、候補語句に対応する表示対象コンテンツを抽出する。出力部13は、表示対象コンテンツを出力する。
図1のコンテンツ制御装置10によれば、エリア、期間、及び目的に応じた様々な情報の中からユーザに適した情報を抽出することができる。
図2は、図1のコンテンツ制御装置10を含むコンテンツ制御システムの機能的構成例を示している。図2のコンテンツ制御システムは、携帯端末装置21、サーバ22、及び第1データサーバ23~第6データサーバ28を含む。
携帯端末装置21は、例えば、スマートフォン、タブレット、又はノート型パーソナルコンピュータである。サーバ22は、図1のコンテンツ制御装置10に対応する。携帯端末装置21とサーバ22は、第1通信ネットワーク29を介して通信することができる。サーバ22と第1データサーバ23~第6データサーバ28の各々は、第2通信ネットワーク30を介して通信することができる。第1通信ネットワーク29は、例えば、WAN(Wide Area Network)である。第2通信ネットワーク30は、例えば、WAN又はLAN(Local Area Network)である。
携帯端末装置21は、処理部31、第1記憶部32、端末表示部33、及び第1通信部34を含む。サーバ22は、表示制御部35、コンテンツ制御部36、データ制御部37、生成部38、第2記憶部39、及び第2通信部40を含む。コンテンツ制御部36は、図1の特定部11及び抽出部12に対応する。コンテンツ制御部36は、決定部の一例でもある。第2通信部40は、図1の出力部13に対応する。
第1データサーバ23は、ユーザデータベース41を記憶する。第2データサーバ24は、コミュニティデータベース42を記憶する。第3データサーバ25は、エリア知識データベース43を記憶する。第4データサーバ26は、エリア話題データベース44を記憶する。第5データサーバ27は、イベントデータベース45を記憶する。第6データサーバ28は、スポットデータベース46を記憶する。
図3は、第1データサーバ23~第6データサーバ28のデータベース間の関係の例を示している。ユーザデータ51は、ユーザデータベース41に含まれるデータを表す。ユーザデータ51は、ユーザ毎に生成される。
コミュニティデータ52は、コミュニティデータベース42に含まれるデータを表す。コミュニティデータ52は、コミュニティ毎に生成される。コミュニティは、同じ目的を有するユーザのグループである。コミュニティの目的は、例えば、スポーツ、観光、又はナイトライフである。
エリア知識データ53は、エリア知識データベース43に含まれるデータを表す。エリア知識データ53は、エリア毎に生成される。エリアは、例えば、全国、都道府県、市区町村、又は街区である。エリア話題データ54は、エリア話題データベース44に含まれるデータを表す。エリア話題データ54も、エリア毎に生成される。
イベントデータ55は、イベントデータベース45に含まれるデータを表す。イベントデータ55は、イベント毎に生成される。イベントは、例えば、スポーツ、祭り、又は展示会である。スポットデータ56は、スポットデータベース46に含まれるデータを表す。スポットデータ56は、スポット毎に生成される。スポットは、例えば、観光地、飲食店、又は宿泊施設である。
ユーザデータ51は、ユーザ属性、操作履歴、所属コミュニティ、及び意味ネットワーク情報を含む。ユーザ属性は、例えば、性別、年齢、又は職業である。操作履歴は、例えば、ウェブブラウザのお気に入り、ユーザが過去に参加したイベント、ユーザが参加したいイベント、ユーザが過去に訪問したスポット、又はユーザが訪問したいスポットを示す情報でもある。所属コミュニティは、ユーザが所属するコミュニティのコミュニティデータ52へのリンクを表す。意味ネットワーク情報は、ユーザデータベース41に格納されている意味ネットワークへのリンクを表す。
意味ネットワークは、複数の概念の間の意味関係を表現する情報である。意味ネットワークは、ネットワーク構造の情報である。意味ネットワークは、複数の概念それぞれを示すノードと、ノード同士を結ぶエッジとを含む。エッジは、2つのノードそれぞれが示す概念の間の意味関係を示す。意味ネットワークは、有向グラフ又は無向グラフを用いて表現することができる。
図4は、意味ネットワークの例を示している。図4の楕円は、ノードを表す。2つの楕円を結ぶ矢印は、エッジを表す。例えば、第1ノード61は、「哺乳類」を表す。第2ノード62は、「動物」を表す。第3ノード63は、「水」を表す。第1エッジ64は、「哺乳類は動物である」という意味関係を表す。第2エッジ65は、「動物は水を飲む」という意味関係を表す。
ユーザデータ51の意味ネットワーク情報が示す意味ネットワークは、目的語句情報の一例である。意味ネットワークの各ノードは、ユーザに関する語句を表す。
コミュニティデータ52は、コミュニティ属性、関連イベント、関連スポット、SNS(Social Networking Service)記事、及び意味ネットワーク情報を含む。コミュニティ属性は、コミュニティの目的を表す。関連イベントは、コミュニティの目的に関連するイベントのイベントデータ55へのリンクを表す。関連スポットは、コミュニティの目的に関連するスポットのスポットデータ56へのリンクを表す。SNS記事は、コミュニティに関連するSNSに投稿された内容を表す。意味ネットワーク情報は、コミュニティデータベース42に格納されている意味ネットワークへのリンクを表す。
コミュニティデータ52の意味ネットワーク情報が示す意味ネットワークは、目的語句情報の一例である。意味ネットワークの各ノードは、コミュニティの目的に関する語句を表す。
エリア知識データ53は、基本情報、関連スポット、及び意味ネットワーク情報を含む。基本情報は、例えば、エリアの人口又は面積を表す。関連スポットは、エリア内に存在するスポットのスポットデータ56へのリンクを表す。意味ネットワーク情報は、エリア知識データベース43に格納されている意味ネットワークへのリンクを表す。
エリア知識データ53の意味ネットワーク情報が示す意味ネットワークは、エリア語句情報の一例である。意味ネットワークの各ノードは、エリアに関する語句を表す。意味ネットワークは、例えば、基本情報、文化、歴史、地理、人物、特産、飲食、及び景観の8個のカテゴリそれぞれに対応する部分ネットワークを含む。各部分ネットワークに含まれる語句は、8個のカテゴリのいずれかに分類される。2つの部分ネットワークは、共通の語句を介して接続されていることもある。
エリア話題データ54は、SNS記事、関連イベント、及び意味ネットワーク情報を含む。SNS記事は、エリアに関連するSNSに投稿された内容を表す。関連イベントは、エリアに関連するイベントのイベントデータ55へのリンクを表す。意味ネットワーク情報は、エリア話題データベース44に格納されて
いる意味ネットワークへのリンクを表す。
エリア話題データ54の意味ネットワーク情報が示す意味ネットワークは、期間語句情報の一例である。意味ネットワークの各ノードは、エリアに関する語句を表す。エリアに関する語句は、例えば、特定の期間に蓄積されたSNS記事から抽出される。
意味ネットワークは、例えば、ニュース(秒~日)、話題(日~週)、トレンド(週~季)、定番(季~年)の4個のカテゴリそれぞれに対応する部分ネットワークを含む。ニュースは、例えば、秒~日の期間を表す。話題は、例えば、秒~日の期間を表す。トレンドは、例えば、週~季の期間を表す。定番は、例えば、季~年の期間を表す。各部分ネットワークに含まれる語句は、4個のカテゴリのいずれかに分類される。2つの部分ネットワークは、共通の語句を介して接続されていることもある。
イベントデータ55は、基本情報、関連スポット、SNS記事、カテゴリ、及び意味ネットワーク情報を含む。基本情報は、例えば、イベントの名称、会期、又は対象を表す。関連スポットは、イベントに関連するスポットのスポットデータ56へのリンクを表す。SNS記事は、イベントに関連するSNSに投稿された内容を表す。カテゴリは、イベントを区別する分類を表す。意味ネットワーク情報は、イベントデータベース45に格納されている意味ネットワークへのリンクを表す。
スポットデータ56は、基本情報、SNS記事、カテゴリ、及び意味ネットワーク情報を含む。基本情報は、例えば、スポットの名称を表す。SNS記事は、スポットに関連するSNSに投稿された内容を表す。カテゴリは、スポットを区別する分類を表す。意味ネットワーク情報は、スポットデータベース46に格納されている意味ネットワークへのリンクを表す。
なお、ユーザデータ51、コミュニティデータ52、エリア知識データ53、エリア話題データ54、イベントデータ55、及びスポットデータ56それぞれの意味ネットワークの代わりに、リレーショナルデータベースを用いることもできる。
携帯端末装置21の第1記憶部32は、地図を示す地図情報及びコンテンツを記憶する。コンテンツは、グラフィックアイコンにより可視化された情報でもある。コンテンツは、地図上の地点に関連付けられる。地図上の地点は、POI(Point of Interest)と呼ばれることもある。イベントデータ55の基本情報及びスポットデータ56の基本情報は、コンテンツの一例である。
端末表示部33は、地図情報が示す地図と、地図上の地点に関連付けられたコンテンツとを、画面上に表示する。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、表示された地図のズーム倍率を変更したり、地図上の一部のエリアを選択したりすることで、地図に対する操作を行う。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、表示された複数のコンテンツの中からいずれかのコンテンツを選択する選択操作を行う。
処理部31は、地図に対するユーザの操作を示す地図操作情報と、コンテンツに対するユーザの選択操作を示すコンテンツ操作情報と、ユーザにより指示された期間を示す期間情報とを取得する。第1通信部34は、処理部31が取得した地図操作情報、コンテンツ操作情報、及び期間情報をサーバ22へ送信する。
サーバ22の生成部38は、事前に、第1データサーバ23~第6データサーバ28の各データベースを生成する。各データベースを生成する際、生成部38は、例えば、以下の手順で、各意味ネットワークを生成する。
(P1)生成部38は、例えば、インターネット百科事典及びSNS記事を、解析対象情報として取得する。インターネット百科事典には、例えば、Wikipedia(登録商標)が含まれる。SNS記事には、例えば、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、及び口コミ記事が含まれる。
(P2)生成部38は、SNS記事を有限個の蓄積期間のカテゴリ毎に分類する。蓄積期間は、SNS記事が蓄積された期間を表す。蓄積期間のカテゴリとしては、ニュース、話題、トレンド、及び定番を用いることができる。
(P3)生成部38は、固有表現抽出(Named Entity Recognition,NER)により、解析対象情報から語句を抽出する。生成部38は、例えば、機械学習によって生成された学習済みモデルを用いて、固有表現抽出を行うことができる。
(P4)生成部38は、例えば、LDA(Latent Dirichlet Allocation)、TF-IDF(Term Frequency-Inverse Document Frequency)、又はPosition Rankを用いて、手順(P3)で抽出された語句の中から、特徴語句を抽出する。生成部38は、例えば、機械学習によって生成された学習済みモデルを用いて、特徴語句を抽出することができる。
(P5)生成部38は、例えば、非特許文献1に記載された単語の分散表現を用いて、2つの特徴語句の間の関係及び強度を計算する。2つの特徴語句の間の強度としては、例えば、分散表現によるコサイン類似度を用いることができる。
(P6)生成部38は、特徴語句の間の関係及び強度に基づいて意味ネットワークを生成する。生成部38は、ユーザデータベース41、コミュニティデータベース42、エリア知識データベース43、エリア話題データベース44、イベントデータベース45、及びスポットデータベース46それぞれのデータに対して、意味ネットワークを生成する。
生成部38は、エリア知識データベース43のデータに対して、基本情報、文化、歴史、地理、人物、特産、飲食、及び景観のカテゴリ毎の解析対象情報から抽出された特徴語句を用いて、カテゴリ毎に部分ネットワークを生成する。生成部38は、エリア話題データベース44のデータに対して、蓄積期間のカテゴリ毎のSNS記事から抽出された特徴語句を用いて、カテゴリ毎に部分ネットワークを生成する。
第2通信部40は、地図操作情報、コンテンツ操作情報、及び期間情報を携帯端末装置21から受信する。表示制御部35は、地図操作情報、コンテンツ操作情報、及び期間情報をコンテンツ制御部36へ出力する。表示制御部35は、表示対象コンテンツをコンテンツ制御部36に要求する。コンテンツ制御部36は、表示制御部35からの要求に応じて、複数の表示対象コンテンツを含む統合コンテンツを生成する。コンテンツ制御部36は、統合コンテンツを第2記憶部39に格納する。
コンテンツ制御部36は、地図操作情報に基づいて地図上の表示対象エリアを決定する。表示対象エリアは、所定エリアの一例である。コンテンツ制御部36は、地図操作情報がズーム倍率の変更を示す場合、変更後のズーム倍率で画面上に表示されるエリアを、表示対象エリアに決定する。コンテンツ制御部36は、地図操作情報がエリアの選択を示す場合、選択されたエリアを表示対象エリアに決定する。
コンテンツ制御部36は、表示対象エリアのエリア知識データ53及びエリア話題データ54を取得するように、データ制御部37に指示する。データ制御部37は、第2通信部40を介して、エリア知識データベース43から表示対象エリアのエリア知識データ53を取得し、第2記憶部39に格納する。データ制御部37は、第2通信部40を介して、エリア話題データベース44から表示対象エリアのエリア話題データ54を取得し、第2記憶部39に格納する。
コンテンツ制御部36は、ユーザのユーザデータ51を取得するように、データ制御部37に指示する。データ制御部37は、第2通信部40を介して、ユーザデータベース41からユーザのユーザデータ51を取得し、第2記憶部39に格納する。
コンテンツ制御部36は、ユーザが所属するコミュニティ、コンテンツ操作情報、ユーザのユーザ属性、又は表示対象エリアの特徴に基づいて、ユーザの目的を決定する。ユーザの目的は、所定目的の一例である。
取得されたユーザデータ51に所属コミュニティが含まれている場合、コンテンツ制御部36は、所属コミュニティが示すコミュニティデータ52を取得するように、データ制御部37に指示する。データ制御部37は、第2通信部40を介して、コミュニティデータベース42から、所属コミュニティが示すコミュニティデータ52を取得し、第2記憶部39に格納する。
コンテンツ制御部36は、期間情報に基づいてSNS記事の蓄積期間を決定する。コンテンツ制御部36は、期間情報以外の情報に基づいてSNS記事の蓄積期間を決定してもよい。蓄積期間は、所定期間の一例である。
コンテンツ制御部36は、表示対象エリアのエリア知識データ53から意味ネットワークを抽出する。コンテンツ制御部36は、表示対象エリアのエリア話題データ54の意味ネットワークから、蓄積期間に対応する部分ネットワークを抽出する。コンテンツ制御部36は、所属コミュニティが示すコミュニティデータ52から意味ネットワークを抽出する。コンテンツ制御部36は、抽出された意味ネットワーク及び部分ネットワークそれぞれに含まれる語句の共通部分を求める。コンテンツ制御部36は、共通部分に含まれる語句を候補語句として特定する。候補語句は、キーワードと呼ばれることもある。
図5は、語句の共通部分の例を示している。第1語句集合66は、コミュニティデータ52の意味ネットワークに含まれる語句の集合である。第2語句集合67は、エリア知識データ53の意味ネットワークに含まれる語句の集合である。第3語句集合68は、エリア話題データ54の部分ネットワークに含まれる語句の集合である。第1語句集合66、第2語句集合67、及び第3語句集合68の積集合である共通部分69に含まれる語句が、候補語句として特定される。
取得されたユーザデータ51に所属コミュニティが含まれていない場合、コンテンツ制御部36は、例えば、コンテンツ操作情報、ユーザのユーザ属性、又は表示対象エリアの特徴に基づいて、ユーザの目的を決定する。コンテンツ制御部36は、決定された目的に対応するコミュニティ属性を有するコミュニティデータ52を取得するように、データ制御部37に指示する。コンテンツ制御部36は、取得されたコミュニティデータ52から意味ネットワークを抽出する。
取得されたユーザデータ51に所属コミュニティが含まれていない場合、コンテンツ制御部36は、コミュニティデータ52の意味ネットワークの代わりに、ユーザデータ51の意味ネットワークを用いて、候補語句を特定することもできる。
なお、コンテンツ制御部36は、必ずしも第1語句集合66、第2語句集合67、及び第3語句集合68のすべてを用いる必要はなく、いずれか2つの語句集合のみを用いて、候補語句を特定してもよい。複数の語句集合の共通部分を用いて候補語句を特定することで、候補語句を効率良く絞り込むことができる。
コンテンツ制御部36は、イベントデータベース45内の複数のイベントデータ55及びスポットデータベース46内の複数のスポットデータ56の中から、候補語句に対応する表示対象コンテンツを抽出する。
コンテンツ制御部36は、候補語句を含む意味ネットワークを有するイベントデータ55を取得するように、データ制御部37に指示する。データ制御部37は、第2通信部40を介して、イベントデータベース45から、候補語句を含む意味ネットワークを有するイベントデータ55を取得し、第2記憶部39に格納する。
複数の候補語句が存在する場合、データ制御部37は、すべての語句を含む意味ネットワークを有するイベントデータ55、又はいずれかの語句を含む意味ネットワークを有するイベントデータ55を取得する。
コンテンツ制御部36は、取得されたイベントデータ55に含まれる関連スポットが示すスポットデータ56と、候補語句を含む意味ネットワークを有するスポットデータ56とを取
得するように、データ制御部37に指示する。データ制御部37は、第2通信部40を介して、スポットデータベース46から、関連スポットが示すスポットデータ56と、候補語句を含む意味ネットワークを有するスポットデータ56とを取得し、第2記憶部39に格納する。
複数の候補語句が存在する場合、データ制御部37は、すべての語句を含む意味ネットワークを有するスポットデータ56、又はいずれかの語句を含む意味ネットワークを有するスポットデータ56を取得する。
コンテンツ制御部36は、取得されたイベントデータ55及びスポットデータ56の意味ネットワークと、表示対象エリアのエリア知識データ53の意味ネットワークとの間の類似度を計算する。コンテンツ制御部36は、取得されたイベントデータ55及びスポットデータ56の意味ネットワークと、エリア話題データ54の部分ネットワークとの間の類似度を計算する。コンテンツ制御部36は、取得されたイベントデータ55及びスポットデータ56の意味ネットワークと、コミュニティデータ52の意味ネットワークとの間の類似度を計算する。
2つの意味ネットワークの間の類似度としては、それぞれの意味ネットワークに含まれる語句の類似度の統計値を用いることができる。統計値としては、例えば、総和、平均値、中央値、最大値、又は最小値を用いることができる。2つの語句の類似度としては、例えば、分散表現によるコサイン類似度を用いることができる。
コンテンツ制御部36は、類似度の統計値を、イベントデータ55又はスポットデータ56に対するスコアとして用いる。コンテンツ制御部36は、所定値よりも大きなスコアを有するイベントデータ55の基本情報と、所定値よりも大きなスコアを有するスポットデータ56の基本情報とを、表示対象コンテンツとして抽出する。コンテンツ制御部36は、抽出された表示対象コンテンツを統合して統合コンテンツを生成する。コンテンツ制御部36は、生成された統合コンコンテンツを第2記憶部39に格納する。
第2通信部40は、第2記憶部39に格納された統合コンテンツを、携帯端末装置21へ送信する。
携帯端末装置21の第1通信部34は、統合コンテンツをサーバ22から受信する。第1記憶部32は、受信した統合コンテンツを記憶する。端末表示部33は、受信した統合コンテンツに含まれる複数の表示対象コンテンツを、インフォグラフィックス表現で画面上に表示する。
図2のコンテンツ制御システムによれば、表示対象エリア、蓄積期間、及びユーザの目的に基づいて表示対象コンテンツが絞り込まれるため、様々なコンテンツの中からユーザに適したコンテンツを抽出して表示することができる。
図6は、表示対象コンテンツとして用いられる情報の座標空間の例を示している。図6の座標空間において、第1座標71は目的を表す。第2座標72は時間を表す。第3座標73は空間を表す。時間は、蓄積期間に対応する。空間は、表示対象エリアに対応する。
図2のコンテンツ制御システムによれば、座標空間内の点74が示す所定目的、所定期間、及び所定エリアに対応する最適な情報を、表示対象コンテンツとして抽出することができる。
図7は、ユーザに対して提示される表示対象コンテンツの例を示している。ユーザAは、ワイン好き、かつ、のんびり派である。ユーザAの所属コミュニティは、「なし」である。ユーザBは、グルメ好き、かつ、ガールズバー好きである。ユーザBの所属コミュニティは、「ナイトライフ」である。ユーザCの嗜好は、城、映画、及びテニスである。ユーザCの所属コミュニティは、「攻城団」及び「テニス」である。
ユーザA~ユーザCに共通するエリア知識は、「長崎県松浦市」、「不老山総合公園」、「いろは島」、「旬あじ(3月)」、「旬さば(10月)」、及び「刈萱城跡」である。ユーザA~ユーザCに共通するエリア話題は、「松浦鉄道1日乗車券」、「巨大ひまわり」、「青龍の郷オープン」、「球団Sの選手が・・・」、及び「平戸城に泊まれる!」である。
ユーザAに対して提示されるイベントは、「五島ワイン試飲会」である。ユーザAに対して提示される飲食スポットは、「イタリアンM」である。ユーザAに対して提示される宿泊スポットは、「福島温泉H」である。
ユーザBに対して提示されるイベントは、「秘境巡り(地獄温泉めぐり)」である。ユーザBに対して提示される立寄スポットは、「青龍の郷(旬さば)」である。ユーザBに対して提示される飲食スポットは、「バーJ」である。
ユーザCに対して提示されるイベントは、「名護屋城と周辺の城」である。ユーザCに対して提示される飲食スポットは、「I城」である。ユーザCに対して提示される宿泊スポットは、「平戸城」である。
図8は、図2の携帯端末装置21が行うコンテンツ表示処理の例を示すフローチャートである。まず、処理部31は、画面上に表示された地図に対するユーザの操作を示す地図操作情報と、地図上のコンテンツに対するユーザの選択操作を示すコンテンツ操作情報と、ユーザにより指示された期間を示す期間情報とを取得する(81)。
次に、第1通信部34は、地図操作情報、コンテンツ操作情報、及び期間情報をサーバ22へ送信する(82)。第1通信部34は、統合コンテンツをサーバ22から受信する(83)。端末表示部33は、受信した統合コンテンツに含まれる複数の表示対象コンテンツを、画面上に表示する(84)。
図9は、図2のサーバ22が行うコンテンツ制御処理の例を示すフローチャートである。まず、第2通信部40は、地図操作情報、コンテンツ操作情報、及び期間情報を携帯端末装置21から受信する(91)。表示制御部35は、地図操作情報、コンテンツ操作情報、及び期間情報をコンテンツ制御部36へ出力する。
次に、コンテンツ制御部36は、地図操作情報に基づいて地図上の表示対象エリアを決定する(92)。コンテンツ制御部36は、期間情報に基づいて蓄積期間を決定する(93)。コンテンツ制御部36は、ユーザが所属するコミュニティ、コンテンツ操作情報、ユーザのユーザ属性、又は表示対象エリアの特徴に基づいて、ユーザの目的を決定する(94)。
次に、コンテンツ制御部36は、表示対象エリアのエリア知識データ53から意味ネットワークを抽出する。コンテンツ制御部36は、表示対象エリアのエリア話題データ54の意味ネットワークから、蓄積期間に対応する部分ネットワークを抽出する。コンテンツ制御部36は、所属コミュニティが示すコミュニティデータ52又はユーザのユーザデータ51から意味ネットワークを抽出する。コンテンツ制御部36は、抽出された意味ネットワーク及び部分ネットワークそれぞれに含まれる語句の共通部分を求める。コンテンツ制御部36は、共通部分に含まれる語句を候補語句として特定する(95)。
次に、コンテンツ制御部36は、イベントデータベース45内の複数のイベントデータ55の中から、候補語句に対応するイベントデータ55を抽出する(96)。コンテンツ制御部36は、スポットデータベース46内の複数のスポットデータ56の中から、候補語句に対応するスポットデータ56を抽出する(97)。
次に、コンテンツ制御部36は、抽出されたイベントデータ55又はスポットデータ56に対するスコアを計算する。コンテンツ制御部36は、所定値よりも大きなスコアを有するイベントデータ55の基本情報と、所定値よりも大きなスコアを有するスポットデータ56の基本情報とを、表示対象コンテンツとして抽出する。コンテンツ制御部36は、スコアの大きいイベントデータ55及びスポットデータ56から順に、表示対象コンテンツを選択してもよい。
コンテンツ制御部36は、抽出された表示対象コンテンツを統合して統合コンテンツを生成する(98)。第2通信部40は、生成された統合コンテンツを、携帯端末装置21へ送信する(99)。
次に、表示制御部35は、コンテンツ制御処理を終了するか否かを判定する(100)。コンテンツ制御処理を終了しない場合(100,NO)、サーバ22は、91以降の処理を繰り返す。コンテンツ制御処理を終了する場合(100,YES)、サーバ22は、処理を終了する。例えば、表示制御部35は、携帯端末装置21から終了操作情報を受信した場合、コンテンツ制御処理を終了すると判定する。終了操作情報は、コンテンツ表示処理の終了を示す。
図1のコンテンツ制御装置10の構成は一例に過ぎない。コンテンツ制御装置10の用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
図2のコンテンツ制御システムの構成は一例に過ぎない。コンテンツ制御システムの用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。例えば、図2のコンテンツ制御システムにおいて、サーバ22以外の装置が各データベースを生成する場合は、生成部38を省略することができる。
図8及び図9のフローチャートは一例に過ぎない。コンテンツ制御システムの構成又は条件に応じて一部の処理を省略又は変更してもよい。例えば、表示対象コンテンツとしてイベントの情報のみが出力される場合は、図9の97の処理を省略することができる。
図3に示した各データベースのデータは一例に過ぎない。各データベースのデータは、コンテンツ制御システムの構成又は条件に応じて変化する。図4に示した意味ネットワークは一例に過ぎない。意味ネットワークは、解析対象情報に応じて変化する。図5に示した語句の共通部分は一例に過ぎない。コンテンツ制御部36は、いずれか2つの語句集合の共通部分を用いて、候補語句を特定してもよい。
図6に示した座標空間は一例に過ぎない。表示対象コンテンツとして用いられる情報を別の座標空間により表現してもよい。図7に示した表示対象コンテンツは一例に過ぎない。表示対象コンテンツは、ユーザ、地図操作情報、コンテンツ操作情報、期間情報、及びコンテンツ制御システムの構成又は条件に応じて変化する。
図10は、図1のコンテンツ制御装置10、図2の携帯端末装置21、及びサーバ22として用いられる情報処理装置のハードウェア構成例を示している。図10の情報処理装置は、コンピュータと呼ばれることもある。図10の情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、入力装置103、出力装置104、補助記憶装置105、媒体駆動装置106、及びネットワーク接続装置107を含む。情報処理装置の各構成要素は、ハードウェアである。情報処理装置の各構成要素は、バス108により互いに接続されている。
メモリ102は、例えば、半導体メモリである。半導体メモリとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はフラッシュメモリが用いられる。メモリ102は、処理に用いられるプログラム及びデータを格納する。メモリ102は、図2の第1記憶部32又は第2記憶部39として用いることができる。
CPU101は、プロセッサと呼ばれることもある。CPU101は、例えば、メモリ102を利用してプログラムを実行することにより、図1の特定部11及び抽出部12として動作する。CPU101は、メモリ102を利用してプログラムを実行することにより、図2の処理部31としても動作する。CPU101は、メモリ102を利用してプログラムを実行することにより、図2の表示制御部35、コンテンツ制御部36、データ制御部37、及び生成部38としても動作する。
入力装置103は、例えば、キーボード又はポインティングデバイスである。入力装置103は、オペレータ又はユーザからの指示又は情報の入力に用いられる。出力装置104は、例えば、表示装置、プリンタ、又
はスピーカである。出力装置104は、オペレータ又はユーザへの問い合わせ又は指示、及び処理結果の出力に用いられる。出力装置104は、図2の端末表示部33として用いることができる。出力装置104が端末表示部33として用いられる場合、処理結果は、受信した統合コンテンツに含まれる複数の表示対象コンテンツであってもよい。
補助記憶装置105は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、又はテープ装置である。補助記憶装置105は、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリであってもよい。情報処理装置は、補助記憶装置105に格納されているプログラム及びデータを、メモリ102にロードして使用することができる。補助記憶装置105は、図2の第1記憶部32又は第2記憶部39として用いることができる。
媒体駆動装置106は、可搬型記録媒体109を駆動する。媒体駆動装置106は、可搬型記録媒体109の記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体109は、例えば、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、又は光磁気ディスクである。可搬型記録媒体109は、例えば、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、又はUSB(Universal Serial Bus)メモリであってもよい。オペレータ又はユーザは、可搬型記録媒体109に格納されているプログラム及びデータを、メモリ102にロードして使用することができる。
処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、メモリ102、補助記憶装置105、又は可搬型記録媒体109のような、非一時的な記録媒体である。
ネットワーク接続装置107は、第1通信ネットワーク29又は第2通信ネットワーク30に接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インタフェース回路である。情報処理装置は、外部の装置からネットワーク接続装置107を介して受信したプログラム及びデータを、メモリ102にロードして使用することができる。ネットワーク接続装置107は、図2の第1通信部34又は第2通信部40として用いることができる。
なお、情報処理装置が図10のすべての構成要素を含む必要はない。用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略することも可能である。例えば、情報処理装置が図2のサーバ22であり、かつ、オペレータ又はユーザとのインタフェースが不要な場合は、入力装置103及び出力装置104を省略してもよい。可搬型記録媒体109を使用しない場合は、媒体駆動装置106を省略してもよい。
実施形態の各処理、又は各機能の各々は、単一の装置又は単一のシステムにより集中処理されることで実現されてもよいし、複数の装置又は複数のシステムによって分散処理されることで実現されてもよい。また、実施形態の各構成要素は、専用のハードウェアにより構成されてもよい。実施形態の各構成要素は、ソフトウェアにより実現可能な構成要素について、プログラムを実行することによって実現されてもよい。
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。