JP7160011B2 - 誘導電動機始動システム - Google Patents

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Description

本発明は、誘導電動機始動システムに関する。
さまざまな制約から大型電動機1台で構成する代わりに、回転子軸を直結させた2台の誘導電動機により負荷を駆動する構成が知られている。伝達動力確保のため、各電動機は容量に比例して回転子軸を太くする必要があった。また、各電動機には始動時に定格電流の約6.5倍の電流が流れ、設備の交流電源を低下させてしまう可能性があった。
始動電流を低減させることに関し、特許文献1は、主電動機に小容量の始動用電動機を直結させた構成が開示している。特許文献1は、上記主電動機の始動に際して、まず上記始動用電動機を起動させて同始動用電動機により上記主電動機の回転子の速度を上昇させてから、上記主電動機を電源に接続する電動機の始動方法を開示している。
特開昭64-1490号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、主電動機は無励磁状態で加圧されるため、始動突入電流は発生する。バックインピーダンスの大きな電源系統に於いては、突入電流は電源電圧の低下をもたらすので、始動電流のより小さいシステムが望まれる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされた。本発明の目的は、始動電流を低減できる誘導電動機始動システムを提供することである。
本発明に係る誘導電動機始動システムは、第1誘導電動機と、前記第1誘導電動機の回転子軸と直結する回転子軸を有する第2誘導電動機と、前記第2誘導電動機の回転子軸に接続する2乗低減トルク負荷であるポンプと、交流電源と前記第1誘導電動機とを、第1遮断器を介して接続可能な第1経路と、前記交流電源と前記第2誘導電動機とを、第2遮断器を介して接続可能な第2経路と、前記交流電源と前記第1誘導電動機とを、直列する第5遮断器、ソフトスターター、第3遮断器を介して接続可能な第3経路と、前記交流電源と前記第2誘導電動機とを、直列する前記第5遮断器、前記ソフトスターター、第4遮断器を介して接続可能な第4経路と、制御装置と、を備え、前記第1誘導電動機と前記第2誘導電動機との合計容量は、前記ポンプを所定流量で駆動可能で、前記第1誘導電動機の容量は、前記第2誘導電動機の容量よりも小さく 、かつ、前記ポンプを閉塞運転可能とし、前記制御装置は、前記第5遮断器と前記第3遮断器を投入し、前記第1誘導電動機を前記ソフトスターターで駆動させ、前記ソフトスターターの出力周波数と前記交流電源の周波数との差異が所定値以内となった後、前記第1遮断器を投入し、さらに前記第3遮断器を開放し、前記第3遮断器を開放した後、前記第4遮断器を投入し、前記ソフトスターターで前記第2誘導電動機に励磁電流を給電し、前記第2遮断器を投入し、その後前記第4遮断器を開放すること、を特徴とする。
本発明によれば、第1誘導電動機の誘導電動機の容量を最低限にすることで、始動電流を低減できる。また、各誘導電動機の始動に際し共通のソフトスターターを用いて、更に始動電流を低減できる。また、第1誘導電動機の容量を低減したことにより、不要に回転子軸を太くすることを避けられる。
本発明の実施の形態1に係る誘導電動機始動システムの構成を説明するための構成図である。 本発明の実施の形態1に係る渦巻きポンプのPQ特性の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る制御装置による誘導電動機の始動処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る制御装置による誘導電動機の始動処理を説明するためのフローチャートである。 比較対象である誘導電動機始動システムの構成を説明するための構成図である。 本発明の実施の形態1に係る制御装置が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。 本発明の実施の形態2に係る誘導電動機始動システムの構成を説明するための構成図である。 本発明の実施の形態2に係る制御装置による誘導電動機の始動処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る制御装置による誘導電動機の始動処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導電動機始動システムの構成を説明するための構成図である。
誘導電動機始動システム1は、例えば、火力発電プラントのボイラーシステムの一部であり、補機機械を運転させるためのシステムである。
誘導電動機始動システム1は、第1誘導電動機M1、第2誘導電動機M2、ポンプ2a、ポンプ2b、複数の遮断器(CB1~CB5)、ソフトスターター3を備える。以下ポンプ2aとポンプ2bをまとめてポンプ2と呼称することがある。
第1誘導電動機M1および第2誘導電動機M2は、固定子の作る回転磁界により、電気伝導体の回転子に誘導電流が発生し、滑りに対応した回転トルクを発生させる。第2誘導電動機M2は、カップリング4により、第1誘導電動機M1の回転子軸と直結する回転子軸を有する。
ポンプ2aは、第1誘導電動機M1の回転子軸に接続する2乗低減トルク負荷である。ポンプ2aは、例えば渦巻きポンプである。ポンプ2aはその上流側にバルブ41を備え、とその下流側に開閉状態に応じて出側流量を変更可能なバルブ42を備える。ポンプ2bは、第2誘導電動機M2の回転子軸に接続する2乗低減トルク負荷である。ポンプ2bは、例えば渦巻きポンプである。ポンプ2bはその上流側にバルブ43を備え、その下流側に開閉状態に応じて出側流量を変更可能なバルブ44を備える。例えばポンプ2aはBooster Pump(BP)であり、ポンプ2bはBoiler Feed Pump(BFP)である。
ポンプ2bは、ボイラー給水ポンプである。ポンプ2bは、タービン発電機を回転させるために必要な蒸気を生成するため、ボイラーに水を送り込むためのポンプである。ポンプ2bは、カップリング15、ギヤ5およびカップリング6を介して第2誘導電動機M2に接続する。
ポンプ2aは、ポンプ2bの回転数が高い場合に、効率低下を防ぐために用いられるポンプである。ポンプ2aは、カップリング7を介して第1誘導電動機M1に接続する。ここで、ポンプ2bはポンプ2aより通常運用(定格運転)時の軸動力が大きいものとする。
第1誘導電動機M1は、第1経路11または第3経路13により交流電源8に接続可能である。交流電源8は商用電源である。また交流電源8には図示されない電圧検出器38が設けられ、交流電源8の電圧を検出し、その出力は制御装置20に入力される。
第1経路11は、交流電源8と第1誘導電動機M1とを、第1遮断器CB1を介して接続可能である。具体的には、第1遮断器CB1の一端は、第1誘導電動機M1と第3遮断器CB3との間の電線に接続する。第1遮断器CB1の他端は、交流電源8に接続する。また第1経路11には図示されない電圧検出器31が設けられ、第1経路11の電圧を検出し、その出力は制御装置20に入力される。
第3経路13は、交流電源8と第1誘導電動機M1とを、直列する第5遮断器CB5、ソフトスターター3、第3遮断器CB3を介して接続可能である。具体的には、第3遮断器CB3の一端は第1誘導電動機M1に接続する。第3遮断器CB3の他端はソフトスターター3の一端に接続する。ソフトスターター3の他端は第5遮断器CB5の一端に接続する。第5遮断器CB5の他端は交流電源8に接続する。
第2誘導電動機M2は、第2経路12または第4経路14により交流電源8に接続可能である。
第2経路12は、交流電源8と第2誘導電動機M2とを、第2遮断器CB2を介して接続可能である。具体的には、第2遮断器CB2の一端は、第2誘導電動機M2と第4遮断器CB4との間の電線に接続する。第2遮断器CB2の他端は、交流電源8に接続する。また第2経路12には図示されない電圧検出器32が設けられ、第2経路12の電圧を検出し、その出力は制御装置20に入力される。尚、第1経路11および第2経路12にそれぞれ電圧検出器31、電圧検出器32を設ける代わりにソフトスターター3の出力に電圧検出器33を設けてもよい。
第4経路14は、交流電源8と第2誘導電動機M2とを、直列する第5遮断器CB5、ソフトスターター3、第4遮断器CB4を介して接続可能である。具体的には、第4遮断器CB4の一端は第2誘導電動機M2に接続する。第4遮断器CB4の他端は、第3遮断器CB3とソフトスターター3との間の電線に接続する。
ポンプ2aの必要な最大軸動力をPpm1とし、ポンプ2bの必要な最大軸動力をPpm2とすると、ポンプ2の必要な最大軸動力Ppmは式(1)である。

Ppm=Ppm1+Ppm2 (1)

さらに、第1誘導電動機M1と第2誘導電動機M2の動力をポンプ2に伝達する際のギヤ5等の損失をPs、余裕Paとし、さらに第1誘導電動機の定格出力をPr1、第2誘導電動機の定格出力をPr2とすると式(2)の関係になる。

Pr1+Pr2=Ppm+Ps+Pa (2)
<電動機の容量>
図1および図2を参照して、第1誘導電動機M1と第2誘導電動機M2の定格容量について説明する。図2は、ポンプ2の吐出量と軸出力の関係(以下PQ特性と称する)の一例を示すグラフである。横軸は定格値で規格化したポンプの吐出量(流量)であり、縦軸は定格値で規格化した軸動力である。単純化のため定格値に対する割合で表したPQ特性はポンプ2aもポンプ2bも同じとする。
図2より、閉塞運転(すなわちバルブ42及びバルブ44が閉状態でポンプ2を動作させ吐出流量0の時)における軸動力[W]は定格(バルブ42およびバルブ44の全開)のk倍(A点)である。kは1以下の正の値である。
よって、ギヤ5を噛み合わせた状態で、ポンプ2a及びポンプ2bを閉塞運転で、第1誘導電動機M1にて第2誘導電動機M2を回転させるためには、第1誘導電動機M1に最低限必要な容量P1は、式(3)となる。

P1=k×Ppm+Ps+Pa (3)

よって、第1誘導電動機M1の定格容量Pr1はP1以上であればよい。
そこでPr1=P1とすれば、第2誘導電動機M2の定格容量Pr2は式(4)となる。
Pr2=Ppm+Ps+Pa-Pr1
=(1-k)Ppm (4)

2乗低減トルク負荷であるポンプでは、一般的にkは約0.3である。
ここで、
Ppm=16.5MW、
Pross+Pmar=0.05MW
k=0.3
とすると
Pr1=0.3×16.5MW+0.05MW=5MW
Pr2=(1-0.3)×16.5MW=11.55MW
となる。
すなわち、第1誘導電動機M1は、第1誘導電動機M1のみでポンプ2を閉塞運転可能な容量で構成し、第1誘導電動機M1と第2誘導電動機M2の両者で駆動したときに、ポンプ2がシステム上の定格流量を吐出可能になるように、第2誘導電動機M2の容量を構成する。
図1に戻り説明を続ける。誘導電動機始動システム1は制御装置20を備える。制御装置20は、第1遮断器CB1~第5遮断器CB5、ソフトスターター3に接続する(図示省略)。ここで、ソフトスターター3の容量は以下の(ア)または(イ)のいずれも可能な容量とする。すなわち、(ア)または(イ)のいずれかで決まる容量のうち、大きい方以上となる。
(ア)ギヤ5が噛み合わせのない状態で、ソフトスターター3により、第1誘導電動機M1に定格周波数および定格電圧を印加し、ポンプ2aを閉塞運転可能
(イ)ソフトスターター3により、第2誘導電動機M2に定格周波数および定格電圧にて、励磁電流を供給可能
<電動機の制御フロー>
図3Aおよび図3Bは、誘導電動機を始動させるために制御装置20が実行する処理を説明するためのフローチャートである。始動処理前において、全てのカップリングは結合状態であり、さらにすべての遮断器は開放されている。ギヤ5も噛み合わせの無い状態とする。
まず、制御装置20は第1誘導電動機M1に関する始動時制御を実行する。
ステップS100において、制御装置20は、バルブ42、44は閉とし、バルブ41,43は開とする信号を出力する。これにより、バルブ42、44は閉となり、バルブ41,43は開となり、ポンプ2に水が注水される。
ステップS105において、制御装置20は、第5遮断器CB5と第3遮断器CB3へ順に投入信号を出力する。第5遮断器CB5と前記第3遮断器CB3は投入される。
ステップS110において、制御装置20は、ソフトスターター3へ駆動信号を出力する。これにより、ソフトスターター3は第1誘導電動機M1を駆動させる。
ステップS115において、制御装置20は第1誘導電動機M1の回転速度を徐々に増加させるようにソフトスターター3を制御する。例えば、ソフトスターター3が電圧型変換器の場合は、いわゆるV/F一定制御で、その出力周波数を徐々に上昇させ、第1誘導電動機M1の回転速度を徐々に増加させる。例えば、ソフトスターター3が電流型変換器の場合は、逆変換器側はいわゆる定余裕角定制御で、順変換器側は電流制御で、ソフトスターター3の出力電流を徐々に増加させ、その結果として第1誘導電動機M1の回転速度を徐々に増加させる。第1誘導電動機M1の端子電圧も、回転速度の上昇に従い上昇する。
ステップS120において、制御装置20は、ソフトスターター3の出力周波数と交流電源8の周波数の差異が所定の範囲内か判定する。判定条件が成立しない場合はステップS115に戻る。判定条件が成立した場合はステップS121の処理に進む。
ステップS121において、制御装置20は、いわゆる揃速制御を行ない、交流電源8の電圧と、第1経路11の電圧(すなわち第1誘導電動機M1の入力電圧)の位相の両者が一致するようにソフトスターター3を制御する。
ステップS122において、制御装置20は、交流電源8の電圧と、第1経路11の電圧の位相差がそれぞれ所定の範囲内か判定する。判定条件が成立しない場合はステップS121に戻る。判定条件が成立した場合はステップS130の処理に進む。一般的な誘導電動機であれば、V/F一定制御を行なうと、周波数が定格であれば、その端子電圧はほぼ定格電圧になるので、ここで積極的に電圧をあわせる必要はなく、ステップS115からステップS122にて、周波数差と位相差をそれぞれ、所定範囲内にするように制御すればよい。
尚、ステップS120、121、122における交流電源8の周波数の検出や電圧位相の検出は電圧検出器38の出力を使用しても良い。また、ステップS120、121、122における第1経路11の周波数の検出や電圧位相の検出は電圧検出器31または電圧検出器33の出力を使用しても良いし、さらに、ソフトスターター3が電圧型変換器の場合は、ソフトスターター3の出力電圧指令値等の内部制御値から周波数や位相を演算し、第1経路11の電圧の周波数および位相としてもよい。
ステップS130において、制御装置20は、第1遮断器CB1へ投入信号を出力する。第1遮断器CB1は投入される。交流電源8と第1誘導電動機M1の周波数にわずかでも差があると位相差は時刻とともに変化するので、S130の第1遮断器CB1の投入信号は、第1遮断器CB1の動作遅延時間を考慮して、実際の投入時の位相差が小さくなるようタイミングで送信される。
つぎにステップS131に進む。ステップS131において、制御装置20は、第3遮断器CB3へ開放信号を出力する。第3遮断器CB3は開放される。これにより、制御装置20は、第1誘導電動機M1の始動処理を終了する。第1誘導電動機M1は商用電源で運転する。
続いて制御装置20は、第2誘導電動機M2に関する始動時制御を実施する。
ステップS135において、制御装置20は、ソフトスターター3の出力をゼロあるいはソフトスターターを一旦停止(ゲートブロックでもよい)するとともに、ギヤ5を噛み合わせる指令を出力する。ギヤ5が噛み合わされると、ポンプ2bは第1誘導電動機M1により閉塞運転で駆動されることになる。
ステップS140において、制御装置20は、第4遮断器CB4へ投入信号を出力する。第4遮断器CB4は投入される。
ステップS150において、制御装置20は、ソフトスターター3へ駆動信号を出力する。これにより、ソフトスターター3は、第2誘導電動機M2に給電を開始する。
ステップS151において、制御装置20は、ソフトスターター3の出力周波数を交流電源8の周波数と略同一とした状態で、ソフトスターター3の出力電圧を徐々に増加させる。第2誘導電動機M2はすでに定格回転数近傍で回転しているので、すべりは数%であり、始動電流相当の電流を通電する必要はなく、ソフトスターター3の出力する電流と電圧は、ほぼ比例の関係になる。ここで、ソフトスターター3は第2誘導電動機M2に励磁電流成分を供給し、トルク成分電流の供給を抑制する様に電流を制御しながら、その出力電圧を徐々に増加させる。具体的にはソフトスターター3はベクトル制御等により出力電圧と直交する電流成分を徐々に増加させつつ、出力電圧成分と同相な電流成分の増加は抑制する様に制御する。これにより、ソフトスターター3は励磁電流成分のみを供給すればよいので、ソフトスターター3の容量を小さくすることができる。
ステップS152において、制御装置20は、交流電源8の電圧と、第2経路12の電圧の差が所定の範囲内か判定する。判定条件が成立しない場合はステップS151に戻る。判定条件が成立した場合はステップS153の処理に進む。
ステップS153において、制御装置20は、いわゆる揃速制御を行ない、交流電源8の電圧と、第2経路12の電圧(すなわち第2誘導電動機M2の入力電圧)の位相の両者が一致するようにソフトスターター3を制御する。
ステップS154において、制御装置20は、交流電源8の電圧と、第2経路12の電圧の位相差が所定の範囲内か判定する。判定条件が成立しない場合はステップS153に戻る。判定条件が成立した場合はステップS160の処理に進む。
尚、ステップS152、153、154における交流電源8の周波数の検出や電圧位相の検出は電圧検出器38の出力を使用しても良い。また、ステップS152、153、154における第2経路12の周波数の検出や電圧位相の検出は電圧検出器32または電圧検出器33の出力を使用しても良いし、さらに、ソフトスターター3が電圧型変換器の場合は、ソフトスターター3の出力電圧指令値等の内部制御値から周波数や位相を演算し、第2経路12の電圧の周波数および位相としてもよい。
ステップS160において、制御装置20は、第2遮断器CB2へ投入信号を出力する。第2遮断器CB2は投入される。つぎにステップS161に進む。尚、第2遮断器CB2への投入信号を出力するタイミングはステップS130と同様に、第2遮断器CB2の動作遅延時間を考慮して、実際の投入時の位相差が小さくなるようタイミングで送信される。
ステップS161において、制御装置20は、第4遮断器CB4へ開放信号を出力する。第3遮断器CB3は開放される。これにより、制御装置20は、第2誘導電動機M2の始動処理を終了する。第2誘導電動機M2は商用電源で運転する。
ステップS170において、第1誘導電動機M1および第2誘導電動機M2の始動処理を終えたことを確認した後、制御装置20は、第5遮断器CB5へ開放信号を出力する。第5遮断器CB5は開放される。
第1誘導電動機M1および第2誘導電動機M2の始動処理終了後、バルブ42および44は閉状態から開状態となり、その開度を調整することにより、図示されないボイラーに所定量の給水がされることになる。
<比較対象との比較>
図4は、比較対象の誘導電動機始動システム(以下、比較対象システムと記す。)の構成を説明するための構成図である。
比較対象システムは、第1誘導電動機M1a、第2誘導電動機M2a、ポンプ2(BFP2a,BP2b)、第1遮断器CB1、第2遮断器CB2を備える。第2誘導電動機M2aの回転子軸は、カップリング4により、第1誘導電動機M1aの回転子軸と直結する。BFP2aは、カップリング15、ギヤ5およびカップリング6を介して第2誘導電動機M2aに接続する。BP2bは、カップリング7を介して第1誘導電動機M1aに接続する。
第1誘導電動機M1aと第2誘導電動機M2aの容量はそれぞれ8.275MWである。ポンプ2の負荷容量は16.5MWである。第1誘導電動機M1aと第2誘導電動機M2aの合計容量は第1誘導電動機M1と第2誘導電動機M2の合計容量と同じく16.55MWである。
比較対象システムでは、まず、第1遮断器CB1を投入し、第1誘導電動機M1aを交流電源8で起動させる。次にギヤを噛み合わせ、第2遮断器CB2を投入し、第2誘導電動機M2aを交流電源8で起動し、BFP2aを駆動させる。
比較対象システムにおいては、各電動機には始動時に定格電流のおおよそ6.5倍の電流が流れる。したがって、8.275MWの誘導電動機の定格電流を1PUとした場合、第1誘導電動機M1aの第1遮断器CB1の投入時には約6.5PUの起動電流を必要とし、さらに、第2遮断器CB2の投入時には、第2誘導電動機M2aの起動電流約6.5PUに加え第1誘導電動機の負荷電流を交流電源8から供給する必要がある。
これに比して、本発明の実施の形態1に係る誘導電動機始動システム1は、第1誘導電動機M1の容量を小さくすることで、始動電流を小さくでき、更に、ソフトスターター3を用いることで、第1誘導電動機M1の始動時の電流は、定格電流以下に抑えられる。具体的には、始動時の電流は比較対象システムに比べ、約10%(≒1÷6.5PU×5MW÷8.275MW×100%=9.23%)まで低減することが可能である。また、第2誘導電動機M2の始動時も、ソフトスターター3を使用することにより、突入電流はゼロになり、第2誘導電動機M2の電流が増加するにつれ、第1誘導電動機M1の有効電流は減少するので、第2誘導電動機M2の起動完了時点では第1誘導電動機M1の起動完了時の電流に比較し、ほぼ第2誘導電動機M2の励磁電流分相当が増加する程度である。
また、比較システムに於いて、第1誘導電動機M1aの回転子軸は、8.275MWの出力に耐えられる必要があるのに対し、本発明では第1誘導電動機M1の回転子軸は5MW相当の出力に耐えられればよく、細くすることができる。尚、比較システムの第2誘導電動機M2aの回転子軸と本発明の第2誘導電動機M2の回転子軸はいずれも16MWのポンプ2bを駆動することができる必要があるので、軸の強度は変わらない。
<効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る誘導電動機始動システム1によれば、第1誘導電動機M1の容量を、ポンプ2を閉塞運転可能な容量とすることで、始動電流を低減できる。また、第1誘導電動機M1の容量を低減したことにより、伝達動力確保のために回転子軸を太くすることを避けることができる。また、比較対象システムのように直接商用母線に接続し駆動する構成に比して、各誘導電動機の始動に際し共通のソフトスターター3を用いることで、更に始動電流を低減でき、且つ、位相差の小さいタイミングで遮断器を投入することで、励磁突入電流を低減することができる。
(ハードウェア構成例)
図5は、上述した制御装置20が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。上述した各機能は処理回路により実現される。一態様として、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ91と少なくとも1つのメモリ92とを備える。他の態様として、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア93を備える。
処理回路がプロセッサ91とメモリ92とを備える場合、各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
処理回路が専用のハードウェア93を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、又はこれらを組み合わせたものである。各機能は処理回路で実現される。
実施の形態2.
次に本発明野の実施の形態2について説明する。図6に本発明の実施の形態2における誘導電動機始動システム19の構成を示す。実施の形態2ではポンプ2aの代わりに短時間の空転可能なポンプ21aが使用され、さらにポンプ2bの代わりに短時間の空転可能なポンプ21bが使用され、ソフトスターター3の代わりにソフトスターター39が使用され、制御装置20の代わりに制御装置29が使用される。
ここで、ソフトスターター3の容量は以下の(ウ)または(エ)のいずれも可能な容量とする。すなわち、(ウ)または(エ)のいずれかで決まる容量のうち、大きい方以上となる。
(ウ)ギヤ5が噛み合わせのない状態で、ソフトスターター3により、第1誘導電動機M1に定格周波数および定格電圧を印加し、ポンプ2aを空転運転可能
(エ)ソフトスターター3により、第2誘導電動機M2に定格周波数および定格電圧にて、励磁電流を供給可能
他は図1と同様であるので説明を省略する。
図7Aおよび図7Bは、第1誘導電動機M1および第2誘導電動機M2を始動させるために制御装置29が実行する処理を説明するためのフローチャートである。始動処理前において、全てのカップリングは結合状態であり、さらにすべての遮断器は開放されている。
まず、制御装置29は第1誘導電動機M1に関する始動時制御を実行する。
ステップS200において、制御装置29は、バルブ41、43は閉とし、バルブ42,44は開とする信号を出力する。あるいは図示されないドレインバルブを開とする信号を出力する。これにより、バルブ41、43は閉となり、バルブ42,44またはドレインバルブが開となり、ポンプ21aおよびポンプ21b内の水が排水される。
つぎに、ステップS201において、制御装置29は、バルブ42、44および図示されないドレインバルブを閉とする信号を出力する。これにより、バルブ42,44またはドレインバルブが閉となり、ポンプ21aおよびポンプ21bへの水の逆流が防止される。
ステップS205において、制御装置29は、第5遮断器CB5と第3遮断器CB3へ順に投入信号を出力する。第5遮断器CB5と前記第3遮断器CB3は投入される。
ステップS210において、制御装置29は、ソフトスターター39へ駆動信号を出力する。これにより、ソフトスターター39は第1誘導電動機M1を駆動させる。このときポンプ21aは空転運転である。
以下、ステップS215からS235までは図3Aおよび図3Bの対応するステップと同様であるので説明を省略する。
ステップS235において、制御装置29は、ソフトスターター3の出力をゼロあるいはソフトスターターを一旦停止(ゲートブロックでもよい)するとともに、ギヤ5を噛み合わせる指令を出力する。ギヤ5が噛み合わされると、ポンプ2bは第1誘導電動機M1により空転運転で駆動されることになる。
制御装置29は、ステップS236へ移行し、バルブ41およびバルブ42を徐々に開放する信号を出力する。これにより、バルブ41およびバルブ42は徐々に開放され、ポンプ21aおよびポンプ2bは徐々に注水される。よって、ポンプ21aとポンプ2bは空転運転から閉塞運転に移行する。
次に、制御装置29はステップS240へ移行する。以下、ステップS240からS270までは図3Bの対応するステップと同様であるので説明を省略する。
尚、実施の形態2の制御装置29の有する処理回路についても図5ハードウェア構成例を示す概念図で表すことができる。
<効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る誘導電動機始動システム19によれば、第1誘導電動機M1の容量をポンプ2の閉塞時に運転可能な容量まで小さくすることで、始動電流を低減できる。また、第1誘導電動機M1の容量を低減したことにより、伝達動力確保のために回転子軸を太くすることを避けることができる。さらに、ギヤ5の噛み合わせを空転運転時に行なうことで、ギヤ5の機械的ストレスを低減することができる。また、比較対象システムのように直接商用母線に接続し駆動する構成に比して、各誘導電動機の始動に際し共通のソフトスターター39を用いることで、更に始動電流を低減できる。また、実施の形態2による誘導電動機始動システム19によれば、ポンプ21aおよびポンプ21bの空転運転時間は第1誘導電動機M1の始動を完了するまでの短時間でよく、ポンプに与えるストレスを小さくすることができる。また、ソフトスターター39の容量や第1誘導電動機M1の容量を適切に選定すれば、第1誘導電動機M1の始動する際に、ポンプ21aとポンプ21bのいずれか1つを空転運転とし、他方を閉塞運転としてもよい。
また、バルブ43を開とするタイミングをステップS235以降とすれば、ポンプ21bを空転状態でかみ合わせるためギヤ5の噛み合わせ時の機械的ストレスを低減することができる。あるいは、第1誘導電動機M1を回転させる前にギヤ5をあらかじめかみ合わせた状態で始動させてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1,19 誘導電動機始動システム
2a、2b ポンプ
3、39 ソフトスターター
4、6、7、15 カップリング
5 ギヤ
8 交流電源
11 第1経路
12 第2経路
13 第3経路
14 第4経路
20、29 制御装置
91 プロセッサ
92 メモリ
93 ハードウェア
CB1 第1遮断器
CB2 第2遮断器
CB3 第3遮断器
CB4 第4遮断器
CB5 第5遮断器
M1、M1a 第1誘導電動機
M2、M2a 第2誘導電動機
P 軸動力
Q 流量

Claims (2)

  1. 第1誘導電動機と、
    前記第1誘導電動機の回転子軸と直結する回転子軸を有する第2誘導電動機と、
    前記第2誘導電動機の回転子軸に接続する2乗低減トルク負荷であるポンプと、
    交流電源と前記第1誘導電動機とを、第1遮断器を介して接続可能な第1経路と、
    前記交流電源と前記第2誘導電動機とを、第2遮断器を介して接続可能な第2経路と、
    前記交流電源と前記第1誘導電動機とを、直列する第5遮断器、ソフトスターター、第3遮断器を介して接続可能な第3経路と、
    前記交流電源と前記第2誘導電動機とを、直列する前記第5遮断器、前記ソフトスターター、第4遮断器を介して接続可能な第4経路と、
    制御装置と、を備え、
    前記第1誘導電動機と前記第2誘導電動機との合計容量は、前記ポンプを所定流量で駆動可能で、
    前記第1誘導電動機の容量は、前記第2誘導電動機の容量よりも小さく、かつ、前記ポンプを閉塞運転可能とし、
    前記制御装置は、
    前記第5遮断器と前記第3遮断器を投入し、前記第1誘導電動機を前記ソフトスターターで駆動させ、前記ソフトスターターの出力周波数と前記交流電源の周波数との差異が所定値以内となった後、前記第1遮断器を投入し、さらに前記第3遮断器を開放し、
    前記第3遮断器を開放した後、前記第4遮断器を投入し、前記ソフトスターターで前記第2誘導電動機に励磁電流を給電し、前記第2遮断器を投入し、その後前記第4遮断器を開放すること、
    を特徴とする誘導電動機始動システム。
  2. 前記第1誘導電動機を前記ソフトスターターで駆動させる際は、前記ポンプを空転運転する、請求項1記載の誘導電動機始動システム。
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