JP7157420B2 - 画像撮像装置、画像撮像方法、画像撮像プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、被撮像体内の構造や活動状態を非侵襲的に画像化する画像撮像装置、画像撮像方法、画像撮像プログラム、及び記憶媒体に関する。
従来、医療現場では、患者の体を傷つけることなく、病変を特定し、該当部位を精査し、診断の確定や治療方針を決定する際の一助として、磁気共鳴画像装置(MRI)、コンピュータ断層撮像装置(CT)、超音波断層撮像装置、ポジトロン断層撮像装置(PET)、及び単一光子放射断層撮像装置(SPECT)等の画像撮像装置が活用されている。
例えば、磁気共鳴画像装置は、被撮像体内の構造や活動状態を非侵襲的に画像化することができる装置である。この磁気共鳴画像装置による通常の撮像を行い、疾患の疑わしい領域の存在が認められたものの診断が困難な場合、医師は、読影後に患者に再度精密検査を受けさせるか、あるいは、精密検査無しで診断を確定する必要があった。
詳述すると、検査を行う際、医師や検査技師は、撮像方法に関して予め規定された標準の設定を用いて、磁気共鳴画像装置による画像を取得する。そして、医師は得られた画像を読影し、どのような疾患が認められるか診断する。しかしながら、このような標準的な撮像方法で得られた画像の品質や情報が不十分で、病変部の特定や精査が困難なことがある。
ここで、この磁気共鳴画像装置を含む画像撮像装置は、撮像法や撮像パラメータ等の非常に多くの設定要素がある。この設定要素を調整して再撮像することで、画像撮像装置は、病変部や精査したい内容を撮像画像に明瞭に表すことができる。このように明瞭な撮像画像を得れば、医師は、診断精度を高めることができる。
しかし、一回の検査機会(すなわち、被撮像体が画像撮像装置内に固定されている間)に、医師が読影により画像内の異常を特定し、追加検査の必要性を判断し、撮像項目の選定や撮像パラメータ(条件)の調整をして再撮像を行うことは、現在の医療現場における標準的な検査体制や人員配置では困難である。このため、画像撮像装置の性能としては、より高精度な検査あるいは異なる種類の検査が可能であるにもかかわらず、医師は、得られた不十分な検査結果を元に確定診断を出さざるを得ない状況がある。
一方、得られる情報を増加する方法として、収集時に用いた撮像パラメータ値と異なるパラメータ値に対応する拡散強調画像を計算で求めることができる磁気共鳴イメージング装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この特許文献1の磁気共鳴イメージング装置は、収集した拡散強調画像から、収集時に用いた撮像パラメータ値と異なるパラメータ値に対応する拡散強調画像を擬似的に計算で求める手法の提案であり、読影のために得られる情報が増加するとはいえ、検査を受けている者の身体の状態や疾患の可能性に即応して医師が必要とする情報が増加するようなものではなかった。また、拡散強調画像とは、磁気共鳴画像装置で実行可能な数多くの撮像法のひとつに過ぎず、当該手法の汎用性、すなわち、他の撮像法での有効性については未検証であった。
特開2016-123865号公報
この発明は、上述の問題に鑑みて、被撮像体の状況に応じて診断に適した撮像設定をすみやかに導き出せるような画像撮像装置、画像撮像方法、画像撮像プログラム、及び記憶媒体を提供し、短時間で精度のよい診断を可能ならしめることを目的とする。
この発明は、被撮像体の内部の様子を把握し得る断層画像又は透過画像を非侵襲的に撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像設定を指定する撮像設定指定手段と、前記撮像設定指定手段により指定された撮像設定に従って前記撮像手段による撮像を実行する撮像制御手段と、前記撮像手段による撮像結果を出力する撮像結果出力手段と、前記撮像設定指定手段により指定された第1撮像設定を用いて前記撮像手段による撮像を実行した第1撮像結果から特徴を抽出する特徴抽出部と、前記特徴抽出部による特徴に基づいて前記被撮像体に対する第2の撮像に適した第2撮像設定を選定する第2撮像設定選定部と、前記第2撮像設定を出力する第2撮像設定出力部とを備え、前記特徴抽出部は、前記第1撮像結果として被撮像体の診断に適した撮像結果を用い、かつ、当該第1撮像結果から前記特徴として前記被撮像体において異常を抽出する構成であり、前記第2撮像設定選定部は、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られる撮像設定として撮像領域の設定以外の少なくとも1つの設定を前記第1撮像設定と異ならせた前記第2撮像設定として出力する構成であり、前記第2撮像設定選定部は、前記第1撮像設定により撮像した領域と同一の領域を第2撮像領域として選定する同一領域選定処理と、前記第1撮像設定により撮像した領域と異なる領域を第2撮像領域として選定する異領域選定処理とを、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果を得るために使い分けて実行する第2撮像領域選定部を備えた画像撮像装置、画像撮像方法、これに用いる画像撮像プログラム、及びこの画像撮像プログラムを記録した記憶媒体であることを特徴とする。
この発明により、撮像を受ける被撮像体の状況に応じ、適切に診断を行うことができる撮像設定をすみやかに導き出せるような画像撮像装置、画像撮像方法、画像撮像プログラム、および記憶媒体を提供し、短時間で精度のよい診断を可能にできる。
磁気共鳴画像装置のブロック図。 撮像設定データの構成図。 入力表示部から表示装置に表示する画面の画面構成図。 磁気共鳴画像装置の動作を示すフローチャート。 生体画像の例を示す説明図。
図1は、磁気共鳴画像装置1(画像撮像装置)の構成を示すブロック図である。
磁気共鳴画像装置1は、画像装置2(撮像手段)とコンピュータ15により構成されている。
画像装置2は、生体(被検体)に高周波の磁場を与え、生体内の水素原子に共鳴現象を起こさせる際に発生する電波を受信コイルで取得し、信号データを取得する。詳述すると、画像装置2は、均一な静磁場を被検体の体軸と直交する方向に発生させる垂直磁場方式または体軸方向に発生させる水平磁場方式の静磁場発生磁石と、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル及び傾斜磁場電源と、被検体にRF(ラジオ波)パルスを照射して被検体の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴現象を誘起する送信RFコイル及びRF送信部と、前記核磁気共鳴現象により放出される核磁気共鳴信号(エコー信号)を受信する受信RFコイル及び信号検出部と、エコー信号に対して各種処理を行う信号処理部と、傾斜磁場電源とRF送信部と信号検出部に制御信号を送信する計測制御部を有している。この画像装置2は、画像装置制御部12によって全体の動作が制御され、画像装置制御部12にて指定される撮像設定に従った撮像を行う。
コンピュータ15は、画像生成器3、特徴抽出部5、生体画像データベース6、評価部7(第2撮像設定選定部)、撮像パラメータ調整部8、撮像項目調整部9、画像シミュレーション部11、画像装置制御部12、及び入力表示部13(撮像設定指定手段、第2撮像設定出力部)を有している。このうち、評価部7、撮像パラメータ調整部8、撮像項目調整部9、及び画像シミュレーション部11は、再撮像設定選定部10として機能する。なお、この実施例ではコンピュータ15を1つの装置として一体に形成しているが、例えば高速演算の必要な画像生成器3を独立した他のコンピュータとし、残りの機能を有するコンピュータと互いに通信するように構成するなど、多数のコンピュータ群によって構成してもよい。また、安全性を確保するために、多数のコンピュータ群から得られた結果を、コンピュータ15に対して手動で反映させる構成でも良い。
これらのうち、画像生成器3、特徴抽出部5、再撮像設定選定部10(評価部7、撮像パラメータ調整部8、撮像項目調整部9、画像シミュレーション部11)、画像装置制御部12、及び入力表示部13は、コンピュータ15の制御部が断層画像撮像プログラム(画像撮像プログラム)によって動作する機能部を示しており、生体画像データベース6は、コンピュータ15の記憶部に記憶されているデータベースを示している。断層画像撮像プログラムは、多数のプログラム(モジュールを含む)の集合であり、特徴抽出プログラムおよび再撮像設定選定プログラムが含まれている。また、この断層画像撮像プログラム(特徴抽出プログラムおよび再撮像設定選定プログラムを含む)は、CD-ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体16からコンピュータ15にインストールされる。
特に、特徴抽出部5は、コンピュータの記憶部にインストールされた特徴抽出プログラムに従ってコンピュータの演算装置(CPUまたはCPUとGPUを組み合わせたもの)が動作することによって機能するものであり、再撮像設定選定部10は、コンピュータの記憶部にインストールされた再撮像設定選定プログラムに従ってコンピュータの演算装置(CPUまたはCPUとGPUを組み合わせたもの)が動作することによって機能するものである。なお、磁気共鳴画像装置1およびコンピュータ15に既存のものを用いて、この既存のコンピュータ15に特徴抽出プログラムや再撮像設定選定プログラムをインストールしても良い。また、再撮像設定選定部10を外に出して外部のコンピュータ(デスクトップ端末、タブレット等の可搬型端末機器を含む)に特徴抽出プログラムや再撮像設定選定プログラムをインストールし、この外部のコンピュータをコンピュータ15と通信可能に接続して使用する構成としてもよい。
画像生成器3は、画像装置2で取得された信号データから画像解析(読影)に適した生体画像4を生成して出力する。
この画像装置2および画像生成器3は、医療機関に多く設置されている基本的な性能を有する磁気共鳴画像装置と同等の性能を有するものであればよく、画像診断で標準的に使用される検査項目の撮像と画像生成が実施できればよい。なお、画像装置2は、シンセティックMRI等が実施可能な、より高性能な装置としてもよい。
特徴抽出部5は、画像生成器3から取得した生体画像4を精査し、病気が疑われる領域(病変部)を特徴部として抽出する。この特徴部の抽出は、生体画像データベース6に記憶されている過去の生体画像と比較することなどにより行う。
具体的には、特徴抽出部5は、得られた生体画像4の信号値や信号比、画像上で計測可能な生体の特徴を表す定量値などから、臓器や血管など検査の対象となる部位の位置、境界(形状)、活動状態などを検出する。過去の知見から作成されている標準人体データ(アトラス)に基づき、境界内の臓器や血管等の種類を判別し、その構造や機能状態を評価する。また、時系列データに基づく信号値の変化や部位間の同調性(活動性が同期していること)、ないし周波数特性などの解析をもとに活動状態を定量化する。そして、正常状態における標準的生体画像(もしくは多数の正常生体画像)と撮像した生体画像とを比較して特異な領域(異常部位)もしくは機能の異常を抽出し、特異な領域の生体画像を、疾患のある他の被検者(患者)の生体情報(生体画像、被検者の基本情報、および生体情報を含む多次元画像データ)と比較することで異常所見の同定を行う。なお、このように撮像画像から特徴部分を抽出するアルゴリズムは種々提供されているため、特徴抽出部5は、これらの公知のアルゴリズムを用いる構成としてもよい。また、異常所見の同定の際には、生体画像以外の各種検査情報を参照して、同定に活用してもよい。
生体画像データベース6は、検査の対象となりうる全ての疾患について、病変部周辺と正常対照の画像データが多数例記憶されている。また、生体画像データベース6は、過去の医師による読影で診断確定の根拠とされた病変部の画像プロパティ(座標、体積、画素値など)、画像取得に用いられた撮像プロトコル(撮像項目、撮像パラメータなど)、被検者(被撮像体)の基本情報(年齢、性別、病歴など)、ならびに、その他の生体情報(生理学的検査、血液検査、遺伝子検査、尿・便検査、心電図検査、内視鏡検査、内分泌学的検査、免疫・血清学的検査、腫瘍マーカー検査、先端医療による検査などの結果)が記憶されている。また、生体画像データベース6は、初回ルーティン撮像で得られた画像データ、および再撮像で得られた画像データを逐次蓄積していく。ここで、ルーティン撮像とは、特定の個人や疾患にチューニングされていない定型の撮像方法のことをいう。
評価部7は、特徴抽出部5により抽出された特徴部(疾患の疑いのある領域)のデータを受け取り、判別された臓器や血管ごとに、生体画像データベース6内の標準画像データベースを参照し、取得された生体画像との間で信号値の分布や活動パターンなどを比較する。取得画像内に標準画像と比べて統計的有意に異なる場所など(異常箇所)を検索し、これが発見された場合には標準データベースを参照することで異常の特定(疾患候補の絞り込み)を行う。この比較と異常の特定は、人工知能(機械学習技術)を用いて自律的に実施するようにしても良い。人工知能を用いる場合、生体画像データベース6に蓄積された多数の情報を用いて高い精度で異常を特定でき、かつ、撮像した生体画像と確定診断等の情報を蓄積していくことでさらに精度を高めていくことができる。なお、異常の特定に際して、例えば、電子カルテシステムに登録されている被検者の情報や他の検査機器で得られた被検者の情報を取得し、これらと連携して疾患推定を向上させても良い。
評価部7は、選定された候補疾患から、疾患をより明確に特定できるようにするための再撮像の必要性を評価する。評価部7は、高精度な再撮像を行うことで、病気の特定に有用と判断された場合、再撮像に向けて撮像パラメータ調整部8による撮像パラメータ(撮像条件)の調整および撮像項目調整部9による撮像項目の調整を進める。
評価部7で選定された候補疾患について、撮像項目調整部9はその診断に最適な撮像項目を選定し、撮像パラメータ調整部8は各撮像項目で最適な撮像パラメータを選定する。ここで、撮像項目は、コイル選択、撮像法選択、造影剤の投与、及び定量撮像法における各選択によって定まる各検査に用いる項目のことを指す。また、最適な撮像パラメータとは、画像上に認められた構造的または機能的異常を呈する領域内外でのコントラストおよび信号対雑音比(SNR)が高い状態で撮像される撮像パラメータをいう。撮像パラメータや撮像項目の調整によって得られる画像は、画像シミュレーション部11でシミュレートされ、その結果は特徴抽出部5へフィードバックされる。特徴抽出部5は、生体画像データベース6を参照しながら病変部位を再抽出し、これに基づいて評価部7が候補疾患の確からしさ(確率)を再評価する。この一連の過程は、各候補疾患の確率値が一定値に収束することを目途として繰り返され、最終的に確定した撮像設定(撮像項目および撮像パラメータ)は画像装置制御部12へ送信される。なお、磁気共鳴画像装置1の撮像パラメータとしてとしてシンセティックMRI法を用いた場合、初回ルーティン撮像の際に、T1定量マッピング法およびT2定量マッピング法の同時撮像などを実施し、この初回ルーティン撮像後のアウトプットとして、特徴抽出部5により生体画像データベース6に存在する該当疾患の過去画像データと被検者の基本情報(年齢、性別、病歴など)を参照し、疾患の確からしさ(確率)の変動など画像シミュレーション部11によりシミュレートしながら、読影に最適な高品質画像を撮像できるよう撮像設定の選定をする。この読影に最適な高品質画像を撮像できる撮像設定により、異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られるようになる。また、シンセティックMRIを用いた場合、疾患名推定のリストの上位疾患に最適なコントラスト表示法を出力する構成とすることができる。
なお、評価部7を中心にして再撮像設定選定部10(評価部7、撮像パラメータ調整部8、撮像項目調整部9、画像シミュレーション部11)が特徴抽出部5も利用しつつ実行する撮像設定の調整は、人工知能(機械学習)によって実行する構成としてもよい。この場合、撮像結果を生体画像データベース6に随時登録していき、人工知能の学習データ数を増加して、利用回数に応じて精度を高めていくことができる。
画像装置制御部12は、評価部7から受信した撮像設定に従って撮像を実行する。また、画像装置制御部12は、入力表示部13により撮像設定が入力されて撮像開始の指示を受けた場合、入力された撮像設定に従った撮像を実行する。
入力表示部13は、ディスプレイとタッチパネル、あるいはマウスとキーボードとディスプレイ等により構成された入力表示装置(入力装置および表示装置)を用いて、撮像設定の入力の受付や、候補となる撮像設定の表示を行う。なお、入力表示部13は、評価部7で設定された再撮像の撮像設定を表示し、その撮像設定のままで撮像を実施する、あるいはその撮像設定に対して装置の操作者が手動による調整を行った後に撮像を実施するといった指示入力を受け付ける構成としてもよい。なお、入力表示部13は、遠隔地のコンピュータやタブレット等の端末に初回ルーティン撮像の結果や再撮像の撮像設定等を表示(転送)できる構成としてもよい。この場合、検査を行う診療放射線技師などの操作者だけでなく、担当医師が別室等で閲覧できる遠隔モニタとして利用することや、緊急性を要する疾患が疑われる場合に検査結果を一刻も早く閲覧し必要な医学的措置を行う手段として利用することができる。
再撮像の実施後は、再撮像画像を元に、特徴抽出部5による特徴の再抽出と評価部7による再評価が行われる。撮像は、診断の確定に必要な品質の画像が得られ、入力表示部13で操作者による終了の指示がなされるまで繰り返し行うことができる。なお、再撮像の実施後は、医師が診断を行う上で必要となる情報、すなわち、初回ルーティン撮像時よりも精度が向上した画像情報や定量結果、初回ルーティン撮像時より精度が向上した疾患名の推定リスト(確定に近いものを含む)、鑑別が必要な疾患の候補リスト、その疾患から予想される合併疾患の有無などの情報を入力表示部13に出力できる。また、磁気共鳴画像装置1の撮像法としてシンセティックMRIを用いた場合、再撮像の実施後は、疾患名推定のリストの上位疾患に最適なコントラスト表示法を提示することもできる。
図2は、撮像設定を定めるための撮像設定データ20の一例を示す表である。
撮像設定データ20は、初回撮像(ルーティン撮像)に用いられるルーティン設定と、第2回目以降の高精度なルーティン撮像に用いられる高精度ルーティン設定と、第2回目以降の特定の疾患に専用化された個別詳細撮像に用いられる個別詳細撮像設定の3種類に分類して多数の撮像設定データが記憶されている。
各撮像設定データは、大きな区分として、コイル選択、撮像法選択、造影剤の投与、定量撮像法、及びパラメータ選択(振り幅)に関するデータが記憶されている。ここで、コイル選択、撮像法選択、造影剤の投与、及び定量撮像法は、撮像項目の選定に関わる項目であり、パラメータ選択(振り幅)は、撮像パラメータの選定に関わる項目である。
コイル選択は、頭部コイル、局所コイル、および全身コイルのうちどのコイルを使用するかが記憶されている。
撮像法選択は、形態画像(T1強調画像、T2強調画像、T2*強調画像、プロトン密度画像他)、血管造影(造影剤を使用しないもの)、動的撮像(シネ心臓、タギングなど)、消化管撮像(非造影MRCPA他)、拡散画像(拡散強調画像、拡散テンソル画像他)、脳機能画像(BOLD、安静時BOLD)、循環画像、MRスペクトロスコピー法(1H,31Pなど)、及びシンセティックMRI、MRフィンガープリンティング法または類似のコントラスト事後合成法のどの撮像法を使用するかが記憶されている。この撮像法は、撮像項目調整部9により調整される撮像項目に該当する。
造影剤の投与は、造影剤を投与するか否か、投与するのであればどの造影剤を投与するかを表すデータが記憶されており、一般、血管造影(静脈を含む)、筋造影(心筋など)、動的造影(脳循環、腫瘍血流、他)、肝造影、消化管造影(MRCP)、腎膀胱造影(腎機能画像)、および関節造影の項目のデータが記憶されている。
定量撮像法は、緩和時間定量(T1,T2)、流速定量、微小循環定量、磁化率定量、温度定量、粘弾性定量、交換速度、及び電気抵抗の各項目のデータが記憶されている。
パラメータ選択(振り幅)は、TR(繰り返し時間),TE(エコー時間)、積算回数、空間分解能(FOV,マトリックス数)、フリップアングル、シーケンス(スピンエコー、グラディエントエコー、RARE、EPI他)、2D/3D区分、及び撮像時間(脳機能画像など時系列データ取得の場合)の各パラメータのデータ(振り幅のデータ)が記憶されている。このパラメータ選択(振り幅)のデータは、撮像パラメータ調整部8により調整される撮像パラメータに該当する。
なお、図2に図示している例では、「脳腫瘍」が高い確率で疑われた場合、脳内への微小転移を明確にするために、より高い空間分解能とSNRを得る高解像T2強調画像法で、かつ脳腫瘍に最適化されたパラメータの提案、全身への転移の有無を明確にするための全身撮像の提案、腫瘍の悪性度を評価するためのMRスペクトロスコピー法による代謝解析撮像の提案、各種造影剤などの投与による脳および全身の動的撮像の提案が評価部7により行われるように、撮像設定データ20にデータ登録されている。このように、評価部7は、撮像領域を撮像設定データ20に基づいてルーティン撮像と同一の領域(例えば脳)に設定する同一領域設定処理または異なる領域(例えば全身)に設定する異領域設定処理を実行する第2撮像領域選定部7a(図1参照)としての機能を有する。このとき、評価部7のうち、評価の結果得られる特徴部の撮像領域を選定する部分を基本撮像領域選定部7bとし、撮像設定データ20に基づいて追加される撮像領域を選定する部分を応用撮像領域選定部7cとする。
また、「脳動脈瘤」が高い確率で疑われた場合、動脈瘤の形状や他の小さな動脈瘤が存在しないか診断するために、より高い空間分解能とSNRを得る高解像の血管造影法(造影剤を使用しないもの)および造影剤を用いた血管造影法の提案、動脈壁の状態から破裂などの危険性を予測するために血管壁撮像の提案、心臓など腫瘍血管に動脈瘤や硬化性病変がないか診断するために胸部での血管造影法の提案が評価部7により行われるように、撮像設定データ20にデータ登録されている。
また、「脳梗塞」または「脳出血」が高い確率で疑われた場合、それぞれの疾患に最適化された条件での拡散強調画像法および拡散定量撮像の提案、脳出血の計測に最適化された磁化率強調画像法の提案(脳出血に情報を付与)、定量値から出血が除外されて脳梗塞と確定診断された場合は装置内部で血栓溶解療法の実施の提案(発症推定時刻の入力が必要)が評価部7により行われるように、撮像設定データ20にデータ登録されている。
また、ルーティン撮像によって脳容積の減少などが発見され、「認知症・精神疾患」などが疑われた場合であれば、より高い空間分解能とSNRを得る高解像T1強調画像法およびT2強調画像法の提案、刺激応答脳機能画像法の提案、安静時脳機能画像法の提案、梗塞性病変の疑いより脳循環画像法および拡散強調画像法・拡散定量画像法の提案、梗塞性病変の疑いより脳血管造影(造影剤なし、または造影剤あり)の提案が行われるように、撮像設定データ20にデータ登録されている。
図3は、入力表示部13によりコンピュータ15の表示装置に表示する再撮像設定画面30の画面構成図である。
再撮像設定画面30には、ルーティン撮像により得られた撮像画像を表示する撮像画像表示部31と、発見された異常部位を説明する異常部位情報表示部33と、再撮像の撮像設定を提示する再撮像設定表示部34と、再撮像を実行する再撮像実行ボタン38と、検査を終了する検査終了ボタン39が設けられている。
撮像画像表示部31は、Sagittal断面(矢状断面)、Axial断面(体軸断面)、およびCoronal断面(冠状断面)の表示しており、各断面に関心領域32を表示している。なお、再撮像設定画面30には、操作者の手動操作により、撮像画像表示部31に表示されている断面以外の位置での断面画像が閲覧できるボタンやスクロールバーを配置してもよい。この関心領域32は、特徴抽出部5により抽出された特徴部(異常部位)である。なお、再撮像設定画面30には、特徴部(異常部位)が複数発見された場合に、それらを任意に閲覧できるボタンやプルダウンメニューを配置してもよい。
異常部位情報表示部33は、異常部位の中心位置のXYZ座標、異常部位の大きさ、異常部位の疾患可能性を表示している。異常部位の疾患可能性については、疾患名と、その疾患である確率が表示されている。例えば、腫瘍(74%)、炎症(18%)、多発性硬化症(7%)、その他(1%)といったように、その異常部位について考えられる疾患が確率とともに表示される。
再撮像設定表示部34は、異常部位の確定診断をするために役立つ再撮像の撮像設定を1以上表示し、各撮像設定について、実施有無選択ボタン36、およびパラメータ手動調整ボタン37が設けられている。これにより、複数の再撮像を実行するか否か選択でき、かつ、パラメータをそれぞれ手動調整できるように構成されている。パラメータ手動調整ボタン37が選択された場合は、図示省略するパラメータ設定画面を表示し、その撮像設定に使用するパラメータを一覧表示して、各パラメータについて1つずつ個別調整を受け付ける。なお、パラメータ設定画面では、撮像法等を変更できない形で表示しても良く、また、撮像も含めて新規の撮像設定を入力する新規入力ボタンを表示しても良い。
この再撮像設定画面30により、ルーティン撮像で得られた異常部位の確認と、再撮像の撮像設定の候補の確認と、再撮像において行う検査の内容指定と、再撮像のパラメータの手動設定を行うことができる。
図4は、磁気共鳴画像装置1が実行する動作のフローチャートを示し、図5は、第1回目の撮像と第2回目の撮像で得られる各生体画像4(4a,4b)の例を断層画像により示す説明図である。
磁気共鳴画像装置1は、まず、入力表示部13により撮像設定として1つのルーティン設定(例えば、図2に示す頭部ルーティン、または腹部ルーティン等)の指定を受け付け、画像装置制御部12の制御により、指定された撮像設定での画像装置2による第1回目の撮像を実行する(ステップS1)。この第1回目の撮像は、例えば人間ドックなどのスクリーニング検査とすることができる。
磁気共鳴画像装置1は、画像装置2で得た信号データに基づいて、画像生成器3により生体画像4を生成する(ステップS2)。このとき使用する信号データおよび生成される生体画像4は、被検体(被撮像体)の診断に適した信号データおよび生体画像4とすることができる。この被撮像体の診断に適した信号データおよび生体画像4とは、具体的には、不良ではない適切な撮像により得られる信号データおよび生体画像4とすることができる。このルーティン設定にて撮像することで、図5(A)に示す生体画像4aが得られる。この生体画像4aは、初期のパラメータとして、撮像パラメータの一部について、「TR/TE」を「300/10 ms」とし、「Number of Average」を「1」とした例である。
磁気共鳴画像装置1は、特徴抽出部5により、生体画像を読み出し、これを分析することで、撮像された画像内の臓器や血管等の種類や位置を特定し(ステップS3)、その結果に応じて生体画像データベース6に記憶されている過去の生体画像を参照する(ステップS4)。
磁気共鳴画像装置1は、特徴抽出部5により、画像生成器3により得た今回の生体画像4と、生体画像データベース6から参照した過去の生体画像を比較し、疾患の疑いがある領域を特徴部として抽出する(ステップS5)。この特徴部の抽出は、異常の抽出とすることができる。具体的には、撮像(ステップS1)に不良はないが、疾患のない被験者には表れない異常、すなわち疾患の疑いのある異常のある領域を特徴部として抽出する。
磁気共鳴画像装置1は、抽出した特徴部について、評価部7により、再撮像の必要性があるか否かを評価する(ステップS6)。このとき、評価部7は、異常が見つからない場合、再撮像するまでもなく病気が特定できている場合、再撮像により特定精度向上が望めない場合、事前に定めた総検査時間を超える場合等は、再撮像が不要と判定し(ステップS6:不要)、検査を終了する。終了に際しては、入力表示部13により表示装置に「ルーティン撮像が終了しました。自動判別では、異常が疑われるデータは見つかりませんでした。検査を終了してよろしいですか。」といった表示を行い、操作者に確認を求める。なお、総検査時間は、医療機関の経営方針、被検者が子どもである場合、被検者が多動である場合、被検者に緊急対応を要する疾患が疑われる場合など、被検者個人の理由によって適宜定められた最大許容検査時間とすることができる。また、得られた磁気共鳴画像データや、撮像中の被検者の生理学的情報や体動データを分析することで、総検査時間を自動的に設定する総操作時間設定部あるいは総検査時間になると検査を中断する検査中断部が備わってもよい。
磁気共鳴画像装置1は、評価部7により、再撮像が必要と判断した場合、すなわち再撮像することによって疾患特定に役立つ有益な情報が得られると判断した場合(ステップS6:必要)、撮像パラメータ調整部8による撮像パラメータの調整(ステップS7)、および、撮像項目調整部9による撮像項目の調整(ステップS8)を実行する。
この再撮像が必要(再撮像が有益)との判断について、評価部7は、特徴抽出部5により抽出した特徴部の様子から、具体的な疾患候補の有無に基づき、次のように判断する。

(1)「異常が見つかるが、疾患の種類が推定できない場合」
評価部7は、検査に時間をかけてより良好な画像を取得する必要があると判断する。このため、高精度ルーティン設定(図2の撮像設定データ20参照)による精密検査を行うべきであると判断する。高精度ルーティン設定による精密検査は、積算回数増によるSNRの増加、空間分解能の増が見込める。
(2)「異常が見つかり、疾患の種類が推定できる場合」
評価部7は、想定される疾患についての個別詳細撮像設定(図2の撮像設定データ20参照)による検査を行うべきであると判断する。図2に示す例であれば、「脳腫瘍」、「脳動脈瘤」、「脳梗塞・脳出血」、「認知症・精神疾患」といった疾患について、それぞれ個別詳細撮像設定が定められている。複数の種類の疾患が推定された場合は、評価部7によって定められた各疾患候補の確からしさの大きなものから順番に、決められた撮像時間の範囲内で、再撮像を実施する。
撮像パラメータ調整部8による撮像パラメータの調整を行う磁気共鳴画像装置1は、評価部7により選択された撮像設定のうちの撮像パラメータの調整を行う(ステップS7)。詳述すると、撮像パラメータ調整部8は、撮像設定データ20に記憶されているパラメータ選択(振り幅)の範囲内で、どの値にすることで好適な結果が得られるかを、画像シミュレーション部11と特徴抽出部5により生体画像データベース6を参照しつつパラメータを調整する。
例えば、「高精度ルーティン設定」の「頭部高精度ルーティン」が評価部7により選択されている場合、「パラメータ選択(振り幅)」において、「TR,TE」は「C9」で指定された範囲内の値、「積算回数」は「C10」で指定された範囲内、…(以下省略)…とすることができる。
また、「個別詳細撮像設定」の「脳腫瘍詳細」が評価部7に選択されている場合、「TR,TE」は「E9」で指定された範囲内の値、「積算回数」は「E10」で指定された範囲内、…(以下省略)…とすることができる。
このパラメータ調整においては、ルーティン撮像による撮像画像の中に空洞や脂肪組織が存在する場合に、これらによる関心領域付近のノイズが小さくなるパラメータを選定することが望ましい。これにより、個人の特徴に由来するノイズ(アーチファクト)の影響を、再撮像時において減少させることができる。また、パラメータ選択(振り幅)のうち、特に、積算回数、及び空間分解能(FOV,マトリックス数)については、撮像時間や撮像位置・範囲を個別調整することが好ましい。また、例えば、厚さ方向の空間分解能を2倍(ルーティン撮像で5mmであったものを再撮像で2.5mmとする等)とし、かつ、縦方向又は横方向の空間分解能を2倍にして同じ画質(SNR)を保ち、ルーティン撮像の4倍の時間がかかる再撮像を特徴部付近の領域のみ実施するといったパラメータ設定をしても良い。同様の詳細な再撮像としては、例えば、厚さ方向の空間分解能のみ2倍として特徴部付近のみ2倍の撮像時間をかける、周波数エンコード方向および位相エンコード方向の解像度をそれぞれ2倍にして特徴部付近のみ4倍の撮像時間をかける、低信号領域のSNRを向上するべく特徴部付近のみ積算回数を2倍にして4倍の撮像時間をかけるといった調整が行われる。これらの空間分解能(解像度)やSNRは、想定疾患等において撮像設定データ20にプリセットしておいても良い。また、複数の疾患可能性が挙げられた場合に、候補となる疾患を減らせるように撮像パラメータ(解像度やSNRなど)を調整し、検査項目を定める構成としても良い。
撮像項目調整部9による撮像項目の調整を行う磁気共鳴画像装置1は、評価部7により選択された撮像設定のうちの撮像項目(コイル選択や撮像法選択や造影剤の投与等により定まる項目)の調整を行う(ステップS8)。詳述すると、撮像項目調整部9は、撮像設定データ20における撮像法選択に記憶されている撮像法のうち、全てを用いるのが良いのか、一部を用いるのが良いのか等を、画像シミュレーション部11と特徴抽出部5により生体画像データベース6を参照しつつパラメータを調整する。同様に、撮像項目調整部9は、撮像設定データ20におけるコイル選択、造影剤の投与、および定量撮像法に記憶されている項目のうち、全てを用いるのが良いか、一部を用いるのが良いか等を調整し、そうして定まる検査に用いる各項目について調整する。
例えば、「高精度ルーティン設定」の「頭部高精度ルーティン」が評価部7により選択されている場合、撮像法の一例として、「形態画像」は「(2Dマルチスライス)T1強調画像、T2強調画像、FLAIR法(水抑制)」とし、「血管造影(非造影)」は「(3D)頭部血管造影(非造影)」として、これらすべてを行うものとすることができる。
また、「個別詳細撮像設定」の「脳腫瘍詳細」が評価部7に選択されている場合、撮像法について、「形態画像」は「高解像度T2強調画像」とし、「MRスペクトロスコピー法」は「代謝解析撮像」として、これらすべてを行うものとすることができる。
磁気共鳴画像装置1は、評価部7により、制限時間取得部7eとして機能し、制限時間があると判断すれば(ステップS9:Yes)、所要時間取得部7dとして機能し再撮像の所要時間を算出した上で、制限時間内に再撮像(第2回目の撮像)が完了するか否か確認する(ステップS10)。ここで、制限時間は、事前に定めた総検査時間、あるいは、緊急の医学的対応を要する疾患(たとえば脳梗塞または脳出血など)である場合に推定発症時刻などの情報をもとに定めた検査許容時間など、適宜定めることができる。この推定発症時刻について、評価部7は、緊急の医学的対応を要する疾患の可能性があると判断した時点で、入力表示部13により推定発症時刻の入力を求める。また、撮像に要する時間は、選定された撮像設定から算出すると良い。具体的には、どの撮像法を用いて、パラメータをどのように設定するかと(例えば解像度を上げると撮像時間が長くなる)、どれだけの領域を撮像するかによって撮像時間が変化する。このため、これらの撮像設定が決まった段階で、評価部7が演算を行って所要撮像時間を求める。
磁気共鳴画像装置1は、評価部7により、制限時間内に検査が終わらない(または撮像が終わらない)と判断した場合(ステップS10:No)、撮像設定として他の候補があるか否か判断する(ステップS11)。
他の候補がある場合(ステップS11:Yes)、磁気共鳴画像装置1は、ステップS6に処理を戻し、評価部7による再撮像の必要性評価を繰り返す。このとき、制限時間内に収まる撮像設定を検索する。
他の候補が無い場合(ステップS11:No)、磁気共鳴画像装置1は、入力表示部13(制限時間超過出力部)に撮像を実行すると時間超過する旨を出力し(ステップS12)、処理を終了する。
ステップS9で制限時間が無かった場合(ステップS9:No)、およびステップS10で制限時間内に撮像が完了すると判断した場合(ステップS10:Yes)、磁気共鳴画像装置1は、評価部7から画像装置制御部12へ撮像設定を出力(送信)する(ステップS13)。このとき、磁気共鳴画像装置1は、入力表示部13により撮像設定を表示し、撮像開始ボタンを押下されるまで待機する、あるいは、待機せずに続けて再撮像を実施するなど、適宜の構成としておくことができる。
ここで、入力表示部13により撮像設定を表示する場合は、再撮像設定画面30(図3参照)を表示すると良い。この場合、異常部位情報表示部33には、「ルーティン撮像が終了しました。機械判別では、○○○(疾患名)が疑われるデータが見つかりました。その他の疾患の可能性は下記です。」といったメッセージと共に、疑わしい疾患リストと確率を表示してもよい。また、再撮像設定表示部34には、「想定疾患に対応した高精度検査に移行しますか?次の検査の実施を推奨します。」といったメッセージと共に、疾患の疑いに対して、必要な検査のリストを表示してもよい。この場合、技師がスキャン(再撮像実行)を選択すると、「患者の状態を再確認して、スキャンを開始してください。」とメッセージを表示しても良い。また、緊急を要する疾患の場合は、「自動判別では、○○○(緊急疾患名)が疑われるデータが見つかりました。至急、緊急医療体制を要請してください。」といったメッセージを表示しても良い。また、この緊急を要する場合は、緊急医療のセクションに自動的に連絡を行うように設定されていれば、設定された連絡先へ自動的に連絡を行う構成としてもよい。
一方、待機せずに続けて再撮像を行う場合は、「ルーティン撮像が終了しました。機械判別では、○○○(疾患名)が疑われるデータが見つかりましたので、高精度スキャンに入ります。」といったメッセージとともに疑わしい疾患リストと確率を表示し、自動アナウンスにより、「2回目のスキャンを開始します。予定時間は○○分間ですので、リラックスして動かないようにお願いします」と被検者に案内して、自動の再撮像を実施すると良い。なお、年齢を入力しておく構成の場合、被検者が子供や老人などであれば、検査に対する不安を軽減させるアナウンスや音楽等を放送するなどの工夫をしてもよい。緊急を要する疾患の場合は、「機械判別では、○○○(緊急疾患名)が疑われるデータが見つかりました。至急、緊急医療体制の準備を要請してください。」といったメッセージの表示や、緊急連絡先への自動連絡を行うと良い。
磁気共鳴画像装置1は、画像装置制御部12の制御により、選定された撮像設定での画像装置2による再撮像を実施し(ステップS14)、ステップS2に処理を戻して繰り返す。この再撮像により取得できる生体画像4は、図5(B)および図5(C)の生体画像4bに示すように、病変部51が明瞭にわかる断層画像となっている。図5(B)の生体画像4bは、図5(A)に示した生体画像4aの撮像時の設定に対して、撮像パラメータのうち「Number of Average」を「4」に変更して再撮像した画像である。図5(C)の生体画像4bは、図5(A)に示した生体画像4aの撮像時の設定に対して、撮像パラメータのうち「TR/TE」を「3000/50 ms」に変更して再撮像した画像である。図示するように、第1回目の撮像による生体画像4aでは病変部が不明瞭であったが、同一部位について撮像パラメータを変更して第2回目の撮像(再撮像)をして得た生体画像4bでは病変部51が明瞭に視認できるように撮像されている。
このように、画像装置2による第1回目の撮像(ステップS1)によって病変と疑われる可能性が高い情報(診断情報あるいは診断を示唆する情報)を得たときに(ステップS3~S7)、撮像パラメータの調整(ステップS7)および/または撮像項目の調整(ステップS8)を実行することで、再撮像(ステップS14)の際に、解像度の向上、SNRの向上、撮像コントラストの変更、病変の診断に有効とされる撮像モードの実施(例えば、血液循環、水分子拡散、血管造影、造影剤を投与した撮像など)を行うことができる。
以上の構成および動作により、生体(被検者)の状況に応じて診断に適した撮像設定をすみやかに導き出すことができる。従って、被検者が画像装置2内にいる間に画像装置2の撮像設定(撮像パラメータや撮像項目)を調整し、再設定された撮像設定に応じて疾患の疑いのある領域の再撮像を実施し、当該領域のより精度の高い生体画像を得ることができる。このため、被検者にとっては、1回の検査機会の中で詳細な診断結果を得ることができ、別途の日に詳細な撮像を行う再検査を受ける負担や手間を回避し得るメリットがある。また、診断の確定に要する時間を短縮させることができ、必要な治療を開始する時期や回復する時期を早めるメリットがある。
具体的には、従来であれば、人間ドックなどのスクリーニング検査(初回撮像)で明らかにされた微小病変(例えば微小腫瘍など)に対する診断を確定させる目的で、ターゲットに絞った高精細画像や新たな角度からの撮像が追加される場合がある。この時、スクリーニング検査では通常使用されない造影剤付加による撮像も併せて検討される(実際、下垂体や内耳に生じる異常所見に対し、このような追加検査が検討されることがある)。この場合、スクリーニング、読影、再検査、診断確定までに日単位または週単位のタイムラグが生じる。これに対して、上述した実施形態によると、タイムラグを解消してその日のうちに診断確定まで進めることも可能となり、必要な医療措置が開始されるまでの時間を短縮することができる。
また、第1回目のルーティン撮像の結果に応じて、高精度ルーティン撮像や疾患に応じた個別詳細撮像を行うための撮像設定が自動的に出力されるため、従来のように大量の情報を含む断層画像を医師が直接目視確認することで病変部を検索し、病変疑いのある領域からどのような疾患の可能性が想定されるか判断するといった時間をかけることなく、再撮像の好適な撮像設定を短時間で得ることができる。
また、目視確認では相当時間をかけないと見つけられないか、ルーティン撮像では発見できないような疾患等についても、最適な再撮像を実施して発見することが可能となる。このため、検査精度を向上させることができる。
また、全画像情報に基づく特徹抽出と診断精度の向上を図ることができる。すなわち、磁気共鳴画像装置1から得られる複数の撮像面(スライス)から構成される画像、ないしは複数の撮像手法で得られたそのような画像に含まれる情報は極めて膨大であるが、医師がこれを全て参照し、記憶しながら読影することは、その処理能力ないし時間的な制約により実質的に不可能である。このため、通常は、膨大な画像情報のごく一部を意図的に選択することで、診断を確定せざるを得ない。これは同時に、膨大な画像情報中に潜む微小病変部位の存在を見落とす可能性をも示唆するものである。上述した実施形態によると、得られる画像情報全てを特徴抽出部5により検索して病変部位が特定され、生体画像データベース6の過去症例データとの照合を通して評価部7により疾患が推定され、必要に応じた再撮像が適切に実施される。これにより、画像検査に基づく診断精度が大幅に向上し、被検者が大きなメリットを享受することができる。
また、評価部7により選定した撮像設定で再撮像をするのが良いのか、それとも多少調整してから再撮像をするのが良いのか、医師が判断し、入力表示部13により指定して再撮像を行えるため、医師にとっての利便性を高めることができる。すなわち、医師が読影して再撮像の撮像設定を手動入力できる場合であっても、多数の設定項目および設定条件が存在する画像撮像装置において全ての設定を適切に行うのには時間がかかる。仮に、疾患箇所や疾患内容に応じて設定をプリセットとして登録しておいても、そのプリセットを探すのに時間がかかる上に、その被検者に対して適切なように調整するのにも時間がかかる。これに対して、最適な撮像設定を選定して提示し、それをそのまま使用するか微調整して使用できることにより、医師は短時間で所望の再撮像を実施できる。
また、脳の構造検査と機能検査の双方が実施可能である磁気共鳴画像装置1について、通常は検査時間の制約などから構造検査しか実施されないところを、機能検査も実施することが可能となる。すなわち、上述した実施形態により、脳構造情報(各脳領域の体積や拡散係数など)を元に異常部位を自動検出し、生体画像データベース6の脳画像を参照して、原因疾患の推定が可能となる。その結果から、通常検査では実施されない脳機能検査や脳MRスペクトロスコピー検査、高解像度撮像など、確定診断に必要な再撮像の撮像設定が短時間に設定され、再撮像を実施することができる。この再撮像を通して診断精度の向上が期待される。
また、検査技師や読影者の配置体制や経験や技量に依存することなく、被検者の状態に応じて適切に高精度の再検査を実施することができ、客観的かつ効率的なプロセスで高い信頼性で診断を確定することができる。
このようにして、標準検査では確定できなかった病変の診断が最短時間で実現されるため、被検者に必要な治療が開始されるまでの「無治療期間」が大幅に短縮され、苦痛軽減、延命、早期治療をもたらすことが可能となる。しかも、医療関連のインフラストラクチャーの整備状況に強く依存するとなく実現可能であるため、質の高い医療サービスの全国的な提供に貢献することができる。
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、ステップS6において、評価部7は、再撮像が必要と判断した場合に、診断精度を向上させる手法の提案、鑑別が必要な疾患リスト(可能性のある疾患リスト)の提示とその除外(可能性が否定される疾患リスト)に必要な手法の提案、転移や合併症の有無を判別する手法の提案(疾患を想定した検査手法、疾患を想定した表示手法の最適化、高精度のルーティン検査、画像検査以外の検査提案)、およびこれらの複数の提案をする構成としてもよい。この場合、提案における「疾患を想定した検査手法」とは、撮像装置選択(低磁場MRI(1.5T以下),高磁場MRI(3T以上),CT,超音波,PET,SPECT等の選択)、コイル選択、撮像法選択、振り幅選択などによる「疾患最適の装置・コイル、撮像法、パラメータ」の提案、機能検査・造影検査などが含まれる。
また、ステップS6で評価部7が脳出血と判断した場合、入力表示部13で入力された推定発症時刻を用いて、評価部7により選定する撮像設定を発症からの時間経過を加味して変化させる構成としてもよい。この場合、刻一刻と病状が進行する脳出血において、その時点の状態に応じて最適な撮像を短時間で実行することができる。
また、被検者が画像装置2内にいる間に再撮像を実施する場合と、制限時間経過等の理由によって被検者が画像装置2から一旦出てから別の日等に再撮像を実施する場合で、再撮像の撮像領域の位置や範囲を異ならせる構成としてもよい。具体的には、被検者が画像装置2内にいる間に再撮像を実施する場合、再撮像する撮像領域を、ルーティン撮像における撮像領域の一部で、かつ、特徴部分が含まれる比較的狭い範囲に設定すると良い。また、被検者が画像装置2から出た後に再撮像を実施する場合、再撮像する撮像領域を、ルーティン撮像における撮像領域の一部で、かつ、特徴部分が含まれる比較的広い範囲(上述の画像装置2内にいる間の再撮像での撮像範囲よりも広い範囲)に設定するとよい。この場合、画像装置2から一度出たことによって被検者の位置が再撮像時に変わっていても、特徴部分を撮像範囲内に確実に収め、解像度を高めることができ、かつ、画像装置2内にいる間に撮像する場合には撮像時間と撮像領域を最小限に削減することができる。
また、生体画像データベース6をコンピュータ15内に設けたが、別途のサーバ内に生体画像データベース6を記憶する構成としてもよい。この場合、サーバの生体画像データベース6に生体画像等の情報を大量に蓄積しておき、磁気共鳴画像装置1を使用する多数の拠点においてコンピュータ15からサーバにアクセスして生体画像データベース6を利用することができる。
また、被撮像体として生体(人体)を想定した例で説明したが、死体、実験動物、獣医学対象動物、植物、材料、物質、あるいはファントムに対する診断、分析、異常検出などに利用してもよい。
また、画像装置2は、磁気共鳴画像装置(MRI)としたが、これに限らず、コンピュータ断層撮像装置(CT)、MRT、超音波断層撮像装置、ポジトロン断層撮像装置(PET)、及び単一光子放射断層撮像装置(SPECT)など、断層画像、断層画像を積層したデータ、3次元立体画像、数値情報、またはこれらの複数等の適宜の形式にて被撮像体の内部の様子(特に、可視光では人間が視認できず、物質を透過する波や粒子によって把握できる内部の様子)を被撮像体の外部から把握し得る断層画像又は透過画像を非侵襲的に撮像する適宜の装置とすることができる。ここで、「非侵襲的に撮像する」とは、被撮像体に対して外科的に傷つけることを必要とせずに撮像することを指し、MRI、CT、MRT、超音波断層撮像装置、PET、およびSPECTによる撮像が全て含まれる。これらの装置による画像としては、X線、中性子、または放射光等の適宜の透過画像または断層画像とするこができる。この場合も上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、再撮像設定画面30(図3)の撮像画像表示部31は、Sagittal断面、Axial断面、およびCoronal断面を表示する構成としたが、これに限らず、oblique断面(斜断面)を表示する、3次元情報をボリュームレンダリングして可視化して表示する、あるいは、撮像により得られた情報を数値情報として表示するなど、適宜の方法により表示する構成としてもよい。
この発明は、磁気共鳴画像装置、コンピュータ断層撮像装置、超音波断層撮像装置、ポジトロン断層撮像装置、及び単一光子放射断層撮像装置等の画像撮像装置に利用することができ、特に、磁気共鳴画像装置に好適に利用することができる。
1…磁気共鳴画像装置
2…画像装置
5…特徴抽出部
7…評価部
8…撮像パラメータ調整部
9…撮像項目調整部
10…再撮像設定選定部
12…画像装置制御部
13…入力表示部
15…コンピュータ

Claims (9)

  1. 被撮像体の内部の様子を把握し得る断層画像又は透過画像を非侵襲的に撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の撮像設定を指定する撮像設定指定手段と、
    前記撮像設定指定手段により指定された撮像設定に従って前記撮像手段による撮像を実行する撮像制御手段と、
    前記撮像手段による撮像結果を出力する撮像結果出力手段と、
    前記撮像設定指定手段により指定された第1撮像設定を用いて前記撮像手段による撮像を実行した第1撮像結果から特徴を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴抽出部による特徴に基づいて前記被撮像体に対する第2の撮像に適した第2撮像設定を選定する第2撮像設定選定部と、
    前記第2撮像設定を出力する第2撮像設定出力部とを備え、
    前記特徴抽出部は、前記第1撮像結果として被撮像体の診断に適した撮像結果を用い、かつ、当該第1撮像結果から前記特徴として前記被撮像体において異常を抽出する構成であり、
    前記第2撮像設定選定部は、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られる撮像設定として撮像領域の設定以外の少なくとも1つの設定を前記第1撮像設定と異ならせた前記第2撮像設定として出力する構成であり、
    前記第2撮像設定選定部は、前記第1撮像設定により撮像した領域と同一の領域を第2撮像領域として選定する同一領域選定処理と、前記第1撮像設定により撮像した領域と異なる領域を第2撮像領域として選定する異領域選定処理とを、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果を得るために使い分けて実行する第2撮像領域選定部を備えた
    画像撮像装置。
  2. 前記第2撮像設定選定部は、
    前記撮像手段による撮像法を選定する撮像法選定部と、
    前記撮像法により撮像する際のパラメータを選定するパラメータ選定部とを備え、
    前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られる前記前記第2撮像設定として前記撮像法選定部と前記パラメータ選定部の一方または両方の設定を前記第1撮像設定と異ならせる構成である
    請求項1記載の画像撮像装置。
  3. 前記パラメータ選定部は、コントラスト、信号対雑音比(SNR)、またはこの両方が前記第1撮像設定での撮像よりも高く撮像されるパラメータを採用する構成である
    請求項2記載の画像撮像装置。
  4. 前記撮像法選定部は、形態画像を得る撮像法、造影剤を使用しない血管造影画像を得る撮像法、動的撮像を得る撮像法、消化管撮像を得る撮像法、拡散画像を得る撮像法、脳機能画像を得る撮像法、循環画像を得る撮像法、MRスペクトロスコピー法、シンセティックMRI、MRフィンガープリンティング法、及びコントラスト事後合成法のうちの少なくとも2つの撮像法が選択可能に構成され、当該選択可能な撮像法の中から適した撮像法を選択する構成である
    請求項2または3記載の画像撮像装置。
  5. 前記第2撮像領域選定部は、
    前記第1撮像結果における特徴部分を基本撮像領域として選定する基本撮像領域選定部と、
    再撮像の必要性を評価する評価部による評価結果に基づいて前記特徴部分以外で撮像した方が良い領域を応用撮像領域として選定する応用撮像領域選定部とを備えた
    請求項記載の画像撮像装置。
  6. 撮像に要する時間の制限である制限時間を取得する制限時間取得部と、
    前記第2撮像設定選定部により選定された撮像設定での再撮像に必要な所要時間を取得する所要時間取得部と、
    前記所要時間が前記制限時間を超える場合に制限時間を超過する旨の出力を行う制限時間超過出力部とを備えた
    請求項1からのいずれか1つに記載の画像撮像装置。
  7. 被撮像体の内部の様子を把握し得る断層画像又は透過画像を非侵襲的に撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の撮像設定を指定する撮像設定指定手段と、
    前記撮像設定指定手段により指定された撮像設定に従って前記撮像手段による撮像を実行する撮像制御手段と、
    前記撮像手段による撮像結果を出力する撮像結果出力手段とを備えた画像撮像装置により撮像する画像撮像方法であって、
    前記撮像設定指定手段により指定された第1撮像設定を用いて前記撮像手段による撮像を実行した第1撮像結果から特徴抽出部により特徴を抽出し、
    該抽出した特徴に基づいて前記被撮像体に対して第2の撮像に適した第2撮像設定を第2撮像設定選定部により選定し、
    選定した前記第2撮像設定を出力し、かつ、
    前記特徴抽出部は、前記第1撮像結果として被撮像体の診断に適した撮像結果を用い、かつ、当該第1撮像結果から前記特徴として前記被撮像体において異常を抽出し、
    前記第2撮像設定選定部は、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られる撮像設定として撮像領域の設定以外の少なくとも1つの設定を前記第1撮像設定と異ならせた前記第2撮像設定として出力し、
    前記第2撮像設定選定部は、前記第1撮像設定により撮像した領域と同一の領域を第2撮像領域として選定する同一領域選定処理と、前記第1撮像設定により撮像した領域と異なる領域を第2撮像領域として選定する異領域選定処理とを、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果を得るために使い分けて実行する
    画像撮像方法。
  8. コンピュータを、
    被撮像体の内部の様子を把握し得る断層画像又は透過画像を非侵襲的に撮像する撮像手段の撮像設定を指定する撮像設定指定手段と、
    前記撮像設定指定手段により指定された撮像設定に従って前記撮像手段による撮像を実行する撮像制御手段と、
    前記撮像手段による撮像結果を出力する撮像結果出力手段として機能させる画像撮像プログラムであって、
    前記撮像設定指定手段により指定された第1撮像設定を用いて前記撮像手段による撮像を実行した第1撮像結果から特徴を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴抽出部による特徴に基づいて前記被撮像体に対する第2撮像設定を選定する第2撮像設定選定部と、
    前記第2撮像設定を出力する第2撮像設定出力部として機能させ、
    前記特徴抽出部は、前記第1撮像結果として被撮像体の診断に適した撮像結果を用い、かつ、当該第1撮像結果から前記特徴として前記被撮像体において異常を抽出する構成であり、
    前記第2撮像設定選定部は、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られる撮像設定として撮像領域の設定以外の少なくとも1つの設定を前記第1撮像設定と異ならせた前記第2撮像設定として出力する構成であり、
    前記第2撮像設定選定部は、前記第1撮像設定により撮像した領域と同一の領域を第2撮像領域として選定する同一領域選定処理と、前記第1撮像設定により撮像した領域と異なる領域を第2撮像領域として選定する異領域選定処理とを、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果を得るために使い分けて実行する構成である
    画像撮像プログラム。
  9. コンピュータを、
    被撮像体の内部の様子を把握し得る断層画像又は透過画像を非侵襲的に撮像する撮像手段の撮像設定を指定する撮像設定指定手段と、
    前記撮像設定指定手段により指定された撮像設定に従って前記撮像手段による撮像を実行する撮像制御手段と、
    前記撮像手段による撮像結果を出力する撮像結果出力手段として機能させ、かつ、
    前記撮像設定指定手段により指定された第1撮像設定を用いて前記撮像手段による撮像を実行した第1撮像結果から被撮像体の特徴を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴抽出部による特徴に基づいて前記被撮像体に対する第2の撮像に適した第2撮像設定を選定する第2撮像設定選定部と、
    前記第2撮像設定を出力する第2撮像設定出力部として機能させ、
    前記特徴抽出部は、前記第1撮像結果として被撮像体の診断に適した撮像結果を用い、かつ、当該第1撮像結果から前記特徴として前記被撮像体において異常を抽出する構成であり、
    前記第2撮像設定選定部は、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果が得られる撮像設定として撮像領域の設定以外の少なくとも1つの設定を前記第1撮像設定と異ならせた前記第2撮像設定として出力する構成であり、
    前記第2撮像設定選定部は、前記第1撮像設定により撮像した領域と同一の領域を第2撮像領域として選定する同一領域選定処理と、前記第1撮像設定により撮像した領域と異なる領域を第2撮像領域として選定する異領域選定処理とを、前記異常に関連する候補疾患の診断に適した撮像結果を得るために使い分けて実行する構成である
    画像撮像プログラムを記憶した
    コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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