JP7157324B2 - ファイバー及びこれを用いた発光素子並びにその製造方法 - Google Patents

ファイバー及びこれを用いた発光素子並びにその製造方法 Download PDF

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本発明は、ファイバー及びこれを用いた発光素子並びにその製造方法に関する。
従来の発光素子は、平面状の成長基板の上に窒化物半導体の積層構造を形成し、チップ状にカットして、セラミック基板等にダイボンドした後、アノード電極やカソード電極をワイヤーボンディングにて電気的に接続し、LEDデバイスに組立てを行っている。また、従来のフリップチップLEDは、LEDチップ片面側にあるアノードやカソードのバンプ電極を、ろう剤を用いてセラミック基板等に電気的に接続している。
このような従来の発光素子では、数インチの円形状の成長基板上に半導体層を成長させることになるため、板状の成長基板の管理が面倒という問題があった。これを解決するため、繊維状の基板を用いて、このファイバー基板上に半導体を成長させることが提案されている(例えば特許文献1~3)。
しかしながら、ファイバーを成長基板として基板上に半導体を成長させるには基板を加熱する必要があるところ、ファイバーの加熱は容易でない。さらに製造された発光素子の放熱性の確保も問題となっていた。そうであるにも拘わらず、上記特許文献には具体的な解決方法が示されておらず、実用性に乏しいものであった。
特開2006-154589号公報 特開2015-2346号公報 特開2015-38853号公報
本発明の目的の一は、板状でなく細長いファイバーを基板として用いた発光素子であって実用性のある発光素子を提供することにある。
本発明の一態様に係る発光素子によれば、サファイア又はスピネルで構成されたファイバーと、前記ファイバーの外周面に形成された半導体発光構造とを備え、前記ファイバーは、サファイア又はスピネルで構成された内部に該ファイバーの延長方向に沿って延長された金属製の芯体を備えることができる。
上記構成により、金属製の芯体をファイバーの内部に設けたことで、芯体を利用して製造時の加熱が容易となる。また得られた発光素子の放熱にも、金属製の芯体を利用することで、安定動作が可能となる。
実施形態1に係る発光素子を示す模式斜視図である。 図2Aは実施形態1に係る発光素子の縦断面図、図2Bは横断面図である。 図2Aの半導体発光構造を示す拡大断面図である。 ファイバーの一例を示す模式斜視図である。 発光素子をフィラメントとして用いた電球を示す側面図である。 図6Aは実施形態1に係る発光素子のファイバーの断面図、図6Bは実施形態2に係る発光素子のファイバーの断面図、図6Cは実施形態3に係る発光素子のファイバーの断面図、図6Dは実施形態4に係る発光素子のファイバーの断面図である。 変形例に係る発光素子を示す模式図である。 図8Aは実施形態5に係る発光素子の縦断面図、図8Bは横断面図である。 図9Aは実施形態6に係る発光素子の縦断面図、図9Bは横断面図である。 図10Aは実施形態7に係る発光素子の縦断面図、図10Bは横断面図である。 図11Aは実施形態8に係る発光素子の縦断面図、図11Bは横断面図である。 図12Aは実施形態9に係る発光素子の縦断面図、図12Bは横断面図である。 図13Aは発光素子の製造工程の一工程を示す縦断面図、図13Bは横断面図である。 発光素子の製造工程の一工程を示す側面図である。 図15Aは発光素子の製造工程の一工程を示す縦断面図、図15Bは横断面図である。 図16Aは発光素子の製造工程の一工程を示す縦断面図、図16Bは横断面図である。
本発明の一実施形態に係る発光素子によれば、前記芯体として、タングステン又はイリジウムを好適に利用できる。
また他の実施形態に係る発光素子によれば、前記半導体発光構造は、窒化物半導体積層構造とすることができる。
さらに他の実施形態に係る発光素子によれば、前記サファイアの<0001>又はスピネルの<111>を、前記ファイバーの延長方向と交差する断面方向と一致させることができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子によれば、前記ファイバーの断面を円形状に形成することができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子によれば、前記ファイバーの延長方向に沿って、前記半導体発光構造を複数離間して形成することができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子によれば、前記離間された半導体発光構造がそれぞれ正負の電極部を有し、各半導体発光構造を各々の電極部を介して直列接続することができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子によれば、前記芯体を、放熱部材に接続することができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子の製造方法によれば、サファイア又はスピネルで構成され、繊維状に延長された金属製の芯体を内部に含むファイバーを準備する工程と、前記芯体を加熱した状態で、前記ファイバーの外周面に半導体発光構造を成長させる工程とを含むことができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子の製造方法によれば、前記サファイアの<0001>又はスピネルの<111>を、前記ファイバーの延長方向と交差する断面方向と一致させることができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子の製造方法によれば、前記ファイバーを準備する工程に、μ-PD法により前記サファイア又はスピネルを成長させる工程を含むことができる。
さらにまた他の実施形態に係る発光素子の製造方法によれば、前記ファイバーを準備する工程に、LHPD法により前記サファイア又はスピネルを成長させる工程を含むことができる。
以下、本発明に係る実施形態及び実施例を、図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態及び実施例は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに限定されるものでない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。さらに、本発明に係る実施形態及び実施例を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。さらに、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」および、それらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。なお、本明細書において「備える」とは、別部材として備えるもの、一体の部材として構成するものの何れをも含む意味で使用する。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る発光素子100を、図1~図3に示す。これらの図において、図1は実施形態1に係る発光素子100の斜視図、図2Aは実施形態1に係る発光素子100の縦断面図、図2Bは横断面図、図3は図2Aの半導体発光構造20を示す拡大断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す発光素子100は、ファイバー10と、その外周面に形成された半導体発光構造20とを備えている。ここでは、図2Aに示すように、半導体発光構造20を複数、ファイバー10の長さ方向に沿って並べると共に、隣接する半導体発光構造20同士の間は絶縁されている。各半導体発光構造20は、図3の拡大断面図に示すように、ファイバー10上に成長された半導体層の積層構造を有している。このように発光素子100は、ファイバー10を成長基板として、その外周面上に半導体の半導体発光構造20を形成したものである。
ここで単結晶のファイバー基板の一例を、図4に示す。このファイバー10は、ファイバー10の内部に、ファイバー10の延長方向に沿って延長された金属製の芯体12を備えている。このファイバー10を基板として、その周囲に半導体発光構造20を成長させることで、図1の発光素子100を得ることができる。これにより、LED等の発光素子をフィラメントのような紐状とすることができる。このように発光素子をフィラメント状としたことで、巻き取りが可能となり、円形状の基板上に半導体発光構造20を成長させる場合と比較して、維持管理が容易となる。またこの構成であれば、従来必要であったセラミック等の実装基板を無くすことができる。
さらに、このような紐状の発光素子100は、直径が極小のフィラメント形状とできるので、例えば液晶ディスプレイのバックライト光源として使用する場合には、導光板の周囲を紐状に取り囲むことでエッジライト方式のバックライトして利用できる。
あるいは、図5に示すように電球LBのフィラメントとして紐状の発光素子100を用いることで、フィラメント状の発光素子の周囲に発光させて電球型の照明として好適に利用できる。
(ファイバー10)
ファイバー10の基材としては、優れた透光性、熱伝導性を備える材質として、サファイアが好適に利用できる。特に単結晶のサファイアが、上面に半導体発光構造20を成長させやすく、好ましい。また、サファイア以外にスピネルを用いてもよい。
ファイバー10の断面寸法は、任意の大きさとすることができるが、ファイバーの入手の容易さ、製造のし易さ等の観点から、50~500μmφとすることが好ましい。またファイバー10の長さは、用途に応じて適宜選択でき、例えば数cm~数km等に設計できる。
ファイバー10の断面の外形は、円形状とすることが好ましい。ただ本発明は、ファイバーの断面の外形の形状を円形に限定するものでなく、図6A~図6Cに示すように種々の形態とすることができる。これらの図において図6Aは実施形態1に係る発光素子100のファイバー10の断面図、図6Bは実施形態2に係る発光素子のファイバー10Bの断面図、図6Cは実施形態3に係る発光素子のファイバー10Cの断面図、図6Dは実施形態4に係る発光素子のファイバー10Dの断面図を、それぞれ示している。まず図6Aは実施形態1に係る発光素子100のファイバー10の断面図であり、円形状としている。またファイバー10は円形状に限らず、楕円形状としてもよい。実施形態2においては、ファイバー基板の断面の外形の形状を楕円形状としている。これにより、楕円形状を真の楕円と見た時の短軸と重なる方向に半導体発光構造20を効率よく成長できる軸(例えばサファイアの<0001>)を合わせることで、効率よく成長できる領域を多く確保することができる。また円形状や楕円形状に限らず、断面の外形の形状を矩形状としてもよい。例えば図6Cに示す実施形態3においては、ファイバー10の断面形状を正方形状としている。また図6Dに示す実施形態4においては、ファイバー10の断面形状を長方形状としている。これにより、配置する際の位置決めを容易に行える利点が得られる。例えば上述した導光板の周囲に紐状の発光素子を配置する例では、断面視矩形状をなす平面を、導光板の周囲と当接させることで、光学的結合を確立し易くできる。
(芯体12)
またファイバー10の内部には、金属製の芯体12が配置される。金属製の芯体12をファイバー10の内部に設けたことで、芯体12を利用して製造時の加熱が容易となる。また得られた発光素子100を発光させた際の放熱にも、金属製の芯体12を利用することができ、熱引きを向上させて発光素子の安定動作が見込まれる。
このような芯体12を構成する金属としては、タングステンやイリジウムが好適に利用できる。特にタングステンは熱伝導性に優れ、好ましい。また芯体12の太さは、10μmφ~5mmφとする。
また芯体12を、放熱部材に接続させることが好ましい。図7に示す変形例に係る発光素子200の例では、フィラメント状の発光素子200の両端の周囲に、外部接続端子30としてアノード端子、カソード端子を設ける一方で、端面の中心に表出された芯体12を、外部の放熱部材40と熱結合させている。これにより、ファイバー10の端面から給電を行いつつ、給電とは別の経路で発熱を外部に伝導させる熱伝導経路を設けて、効率良く放熱を行うことが可能となる。外部の放熱部材40には、放熱フィンや放熱ファン、ペルチェ素子、水冷ユニット等の熱交換器等が利用できる。
なお図7の例では、外部接続端子30をファイバー10の両端に設けた例を示したが、本発明はこの構成に限らず、ファイバーの任意の位置に外部接続端子を設けてもよい。例えばファイバーの中間に外部接続端子を設けてもよい。
(半導体発光構造20)
半導体発光構造20は、ファイバー10Aに形成される。図3の拡大断面図に示すように、半導体発光構造20は発光層23と、発光層23を挟むn型半導体層22およびp型半導体層24とを含む。n型半導体層22およびp型半導体層24には、n側電極27およびp側電極26がそれぞれ電気的に接続される。また必要に応じて、ファイバー基板10Aとn型半導体層22との間には、低温成長バッファ層21が形成される。さらにp型半導体層24とp側電極26との間には、p側コンタクト層25が形成される。
n側電極27、p側電極26は、それぞれn型半導体層22、p型半導体層24と電気的接続されている。これらの電極は外部と半田付けなどを行うためのパッド電極として利用され、例えばAuまたはAuを主成分とする合金とすることができる。
半導体発光構造20は、窒化物半導体積層構造とすることが好ましい。窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、ここで、X及びYは、0≦X、0≦Y、X+Y≦1を満たす。)を用いた半導体発光素子を得ることによって、紫外光や青色光、緑色光等の幅広い波長の光を効率良く得られる。
複数の半導体発光構造20は、図2Aの縦断面図に示すように、絶縁層28で絶縁されている。このような絶縁層28は、SiO2等の透光性を有する安定な酸化物が好適に利用できる。また絶縁層28は、半導体発光構造20の表面を被覆して外部から保護する保護膜と兼用することもできる。あるいは、図2A等に示すように、絶縁層28とは別に保護膜を形成してもよい。
[実施形態5]
以上の例では、ファイバーの長さ方向に複数の半導体発光構造を隣接された例を説明した。ただ本発明はこの構成に限らず、一の半導体発光構造を備える発光素子としてもよい。このような例を実施形態5に係る発光素子500として、図8A~図8Bに示す。この例では、短く切断したファイバー10の周囲に、半導体発光構造20が形成されている。半導体発光構造20を構成する各層は、上述した実施形態1と同様であり、同じ符号を付して詳細説明を省略する。この発光素子500は、例えば図2Aに示した発光素子100を、所定長さで切断して個片化して得ることができる。
また、発光素子500に外部から給電を行うため、p側電極26及びn側電極27にはそれぞれ、バンプ50を形成することが好ましい。パンプは半田等の導電性部材が好適に利用できる。このバンプ50を利用して、フリップチップ型のLEDとして利用することもできる。
[実施形態6]
さらに、実施形態6に係る発光素子を図9Aの縦断面図及び図9Bの横断面図に示す。ここでも半導体発光構造20を構成する各層は、上述した実施形態1等と同様であり、同じ符号を付して詳細説明を省略する。この図に示す発光素子600は、実施形態1と同様、ファイバー10の延長方向に、複数の半導体発光構造20を互いに絶縁層28で絶縁して形成している。ファイバー10の外周上で分離された半導体発光構造20のp側電極26及びn側電極27は、隣接する半導体発光構造20間で直列に接続されるように、蒸着やスパッタや導体印刷によるメタライズを行って接続層29が接続されている。すなわち、リング状に分離された半導体発光構造20のp側電極26及びn側電極27を、正負交互に電気的に直列接続している。これにより、複数の発光部が直列に接続された長尺のLEDを構成できる。また、LEDの端面には、全体の電極端子としてバッド電極52が設けられている。なお図9Bに示すように、この例ではファイバー10の断面形状を縦長の楕円形状としているが、これに限らず、例えば横長の楕円形状としたり、矩形状等とすることもできる。
[実施形態7]
さらにまた、実施形態7に係る発光素子を図10Aの縦断面図及び図10Bの横断面図に示す。ここでも半導体発光構造20を構成する各層は、上述した実施形態1等と同様であり、同じ符号を付して詳細説明を省略する。この図に示す発光素子700は、実施形態5と同様、ファイバー10の外周に一の半導体発光構造20を形成している。またp型電極は、n側電極27と近い側に形成されており、外部電極との接続が容易等の利点が得られる。
[実施形態8]
以上の例では、ファイバー10の中心に芯体12を保持したまま、ファイバー10の周囲に半導体発光構造20を成長させて、また発光素子の形成後もこの芯体12を放熱等に利用する態様を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、半導体発光構造の成長後には芯体を抜き取り、別の部材を挿入するように構成してもよい。このような例を、実施形態8に係る発光素子として、図11Aの縦断面図及び図11Bの横断面図に示す。ここでも半導体発光構造20を構成する各層は、上述した実施形態1等と同様であり、同じ符号を付して詳細説明を省略する。この図に示す発光素子900も、実施形態7等と同様、ファイバー10の外周に一の半導体発光構造20を形成したLEDとして利用できる。この発光素子900は、半導体発光構造20の成長後に芯体を抜き取った上で、この空洞内に別の芯体として、放熱部材40Bを挿入している。放熱部材40Bは、棒状に形成されて、端部に円板状の端面板を連結している。この構造の放熱部材40Bを新たな芯材として挿入することで、発光素子900の端面により広い面積の放熱板を表出できるので、更に放熱性を向上させることができる。ここでは、芯体は抜き取ることが前提であるため、その材質はタングステンやイリジウムなどに限定されない。また芯体の太さは、予めファイバー10から抜き取りを可能とし、更に抜き取った空洞内に放熱部材40Bを挿入することを考慮し、ある程度の大きさに形成することが好ましい。例えば25μm~50mmφとする。
なお図11Aに示す例では、ファイバー10の両側から、ファイバー10の長さの約1/2の棒状の部分を備えた同じ形状の放熱部材40Bを挿入する例を示したが、この構成に限らず、例えば棒状の部分を、ファイバーの長さとほぼ同じ長さに延長させた放熱部材を、ファイバーの一方の端面から挿入するように構成してもよい。
[実施形態9]
以上の実施形態1等の例では、ファイバー10の延長方向に沿って、半導体発光構造20を分割して、複数の半導体発光構造20を延長方向に配列する構成を説明したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、ファイバーの断面視において、周方向に分割して半導体発光構造を配列する構成としてもよい。このような例を実施形態9に係る発光素子1000として、図12Aの縦断面図及び図12Bの横断面図に示す。ここでも半導体発光構造20を構成する各層は、上述した実施形態1等と同様であり、同じ符号を付して詳細説明を省略する。この図に示す発光素子1000は、図12Aに示すように、ファイバー10の延長方向においては半導体発光構造20を分割せず、図12Bに示すようにファイバー10の断面視において周方向に、一定間隔で半導体発光構造20を分割している。離間された半導体発光構造20の間は、適宜絶縁層28等で絶縁する。また、周方向に分離された半導体発光構造20のp側電極26及びn側電極27は、隣接する半導体発光構造20間で直列に接続されている。これにより、長尺のLEDを構成できる。
さらに、半導体発光構造の分離を、ファイバーの延長方向と、断面視における周方向の両方に分割することもできる。この場合は、ファイバーの周囲を展開した状態で、島状の半導体発光構造をマトリクス状に並べた状態に配列できる。
以上のようにファイバー10は、その面上に発光層を含む半導体発光構造を成長させるための繊維状の部材である。このファイバー10は、サファイア又はスピネルで構成されている。またその内部に、繊維状の延長方向に沿って金属製の芯体12を備えている。
またサファイアの<0001>、又はスピネルの<111>が、ファイバー10の延長方向と交差する断面方向と一致するように構成することが好ましい。これにより、ファイバー10の側面に半導体発光構造20を効率良く成長させることができる。図2Aの例では、ファイバー10の上下方向がサファイアのc軸となる。
このようにして、ファイバー10の周囲に半導体発光構造20を配置したことで、紐状の発光素子を実現することが可能となる。従来、紐状の発光素子を得ようとすれば、個別に作成したLEDチップを線状に貼り付ける必要があった。すなわち、平面状の成長基板上に窒化物半導体等の積層構造を形成し、チップ状にカットして、セラミック等の実装基板にダイボンドした後、アノード電極とカソード電極をワイヤーボンディング等にて電気的に接続してLEDチップを得る。このようにして得られたLEDチップを多数、細長いセラミック基板等に線状に並べて配置していた。この方法では製造組立の効率が悪かったが、上述の通り本実施形態に係る発光素子によれば、ファイバー10の側面に直接半導体発光構造20を形成することで、効率良く多数の発光部を形成することが可能となる。また従来の構成では、多数のLEDチップを並べて発光させた際の発熱を効率良く放熱することが困難であった。特に円柱状の周囲に沿って円環状にLEDチップを複数並べると、円柱の中心方向に熱伝導された発熱を排出する経路がなく、熱による劣化が懸念されていた。これに対して本実施形態に係る発光素子によれば、ファイバー10中に金属製の芯体12を備えることで、ファイバー10の中心方向に伝熱された熱を効果的に外部に排出することが可能となり、熱引きが大幅に改善される。加えて、発光素子の製造工程においても、ファイバー基板の加熱に芯体12を利用できる。すなわち上記と逆に芯体12をヒータ等の外部の熱源と接続することで、ファイバー10を内部から加熱すること可能となり、このファイバー10の周囲に半導体発光構造20を成長させる際の加熱を容易に行える利点も得られる。
[ファイバーの製造方法]
ここで、ファイバーの製造方法について説明する。このファイバー10は、半導体発光構造20をその面上に成長させるための繊維状の部材である。
まず、繊維状に延長された金属製の芯体12を準備する。次に、この芯体12の周囲にサファイア又はスピネルを成長させる。
サファイアやスピネル等のファイバー10を形成するには、μ-PD法による成長法を利用することが好ましい。これにより、半導体発光構造を成長しやすいファイバーが得られるとともに、高速でファイバーを形成しやすい。加えて自由な断面形状で育成可能である、ニアネットシェイプで作製可能である、結晶の同時育成が可能である、高速育成で低原料ロス、低加工ロスといった利点も得られる。あるいは、これに代えてLHPD法を用いることもできる。これにより、半導体発光構造を成長しやすいファイバーが得られるとともに、ファイバーを形成するための熱量を少なくできる。すなわち、一般のファイバー育成方法では原材料をすべて溶融させる必要があるところ、LHPD法では必要な分だけ溶融させることができるので、加える熱量が少なくて済むという利点が得られる。また、るつぼを不要とでき、効率も優れる。
[発光素子の製造方法]
次に、発光素子の製造方法を図13A~図16Bに基づいて説明する。まず、ファイバー10を準備する。この工程は、上述したファイバーの製造方法等を用いて、サファイアやスピネルで構成された、金属製の芯体12を内部に含むファイバー10を作製する。これによって、図13Aの縦断面図、図13Bの横断面図に示すファイバー10が得られる。
次に、芯体12を加熱した状態で、ファイバー10の外周面に半導体発光構造20を成長させる。この工程を一例を図14に示す。ここでは、作成したファイバー10を第一ドラムに巻き付けておき、この第一ドラムから送り出したファイバー10を、第一ドラムと離間させて配置した第二ドラムで巻き取る。この間に、側面から加熱を行い、半導体発光構造20を成長させる。この図では左から右方向にファイバー10を送出しており、複数の工程毎に区画している。各工程同士の間は、ArカーテンシールCSなどを用いて区画している。
まず左端の第一工程ではHClでファイバー10の洗浄を行う。次に第二工程としてファイバー10を単結晶のサファイアを成長基板として、このファイバー基板の周囲に低温成長バッファ層21(例えばGaN層)を成長させる。
次に第三工程として、低温成長バッファ層21の上面にn型半導体層22(ここではn-GaN層)を成長させる。次いで第四工程として、n型半導体層22の上面に発光層23(ここではInGaN層)を成長させる。さらに第五工程として、発光層23の上面にp型半導体層24(ここではp-AlGaN層)を成長させる。そして第六工程として、p型半導体層24の上面にp側コンタクト層25(ここではp-GaN層)を成長させる。またこれらの工程において加熱には、例えばCO2レーザを照射させる。
このようにして、半導体発光素子構造を成長させたファイバー10を、第二ドラムに巻き取る。さらに必要に応じて、半導体発光構造20を分離する。ここでは、エッチングにより、図15Aの縦断面図、図15Bの横断面図に示すように、ファイバー10の長さ方向に一定間隔で半導体発光構造20を分離する。分離された半導体発光構造20同士の間には、絶縁層28が形成される。
さらに蒸着やスパッタや導体印刷によるメタライズを行って、隣接する半導体発光構造20同士を接続層29で電気的に接続する。ここでは図16Aの縦断面図、図16Bの横断面図に示すように、n側電極27、p側電極26を半導体発光構造20毎に形成する。そして保護膜を形成した後、さらにn側電極27と隣接するp側電極26とを接続させる接続層29を形成して配線する。また、直列接続された半導体発光構造20の端縁に位置する電極部には、外部と接続するための端子を形成する。このようにして、複数の半導体発光構造20が直列に接続された発光素子が得られる。
本発明の発光素子及びその製造方法は、白熱電球型のLEDランプのフィラメントや、液晶バックライトの導光板の周囲に配置する紐状の光源などに好適に利用できる。
100、200、500、600、700、900、1000…発光素子
10、10A、10B、10C、10D…ファイバー
12…芯体
20…半導体発光構造
21…低温成長バッファ層
22…n型半導体層
23…発光層
24…p型半導体層
25…p側コンタクト層
26…p側電極
27…n側電極
28…絶縁層
29…接続層
30…外部接続端子
40、40B…放熱部材
50…バンプ
52…バッド電極
LB…電球
CS…Arカーテンシール

Claims (12)

  1. サファイア又はスピネルで構成されたファイバーと、
    前記ファイバーの外周面に形成された半導体発光構造と、
    を備え、
    前記ファイバーは、サファイア又はスピネルで構成された内部に該ファイバーの延長方向に沿って延長された金属製の芯体を備える発光素子。
  2. 請求項1に記載の発光素子であって、
    前記芯体は、タングステン又はイリジウムである発光素子。
  3. 請求項1又は2に記載の発光素子であって、
    前記半導体発光構造は、窒化物半導体積層構造である発光素子。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の発光素子であって、
    前記サファイアの<0001>又はスピネルの<111>が、前記ファイバーの延長方向と交差する断面方向と一致している発光素子。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の発光素子であって、
    前記ファイバーの断面が円形状に形成されてなる発光素子。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の発光素子であって、
    前記ファイバーの延長方向に沿って、前記半導体発光構造が複数離間されて形成されてなる発光素子。
  7. 請求項6に記載の発光素子であって、
    前記離間された半導体発光構造はそれぞれ正負の電極部を有し、各半導体発光構造が各々の電極部を介して直列接続されてなる発光素子。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の発光素子であって、
    前記芯体が、放熱部材に接続されてなる発光素子。
  9. 発光素子の製造方法であって、
    サファイア又はスピネルで構成され、繊維状に延長された金属製の芯体を内部に含むファイバーを準備する工程と、
    前記芯体を加熱した状態で、前記ファイバーの外周面に半導体発光構造を成長させる工程と、
    を含む発光素子の製造方法。
  10. 請求項9に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記サファイアの<0001>又はスピネルの<111>が、前記ファイバーの延長方向と交差する断面方向と一致している発光素子の製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記ファイバーを準備する工程が、μ-PD法により前記サファイア又はスピネルを成長させる工程を含む発光素子の製造方法。
  12. 請求項9又は10に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記ファイバーを準備する工程が、LHPD法により前記サファイア又はスピネルを成長させる工程を含む発光素子の製造方法。
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