特許法第30条第2項適用 「温度測定機能付食材盛付装置」についての実店舗における試験を実施した事実 試験日:平成31年2月18日~同年2月25日 試験を行った者:不二精機株式会社 住所 福岡市博多区西月隈3丁目2番35号 試験を行った場所:吉野家人形町店 住所 東京都中央区日本橋人形町2丁目3-2 株式会社吉野屋
ところで、上記従来の装置は、社員食堂等、各種の食堂等で使用されているが、容器に盛り付けられた飯が暖かい飯であるのか、冷めた飯であるのか、見た目では判別が難しいという課題がある。
従って、食堂等で、冷めた飯が提供されたことに起因して食堂側等にクレームを申し立てられる事例が発生していた。
一方、飯等の食材盛付装置において、容器に盛り付けられる飯等の食材の温度を測定し、表示等する装置は存在しないのが現状である。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、飯等の食材の温度を正確に測定し、その食材温度の表示、警告表示、外部機器への出力(電子メール、ネットワークを介しての送信等)を可能とした温度測定機能付食材盛付装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、ホッパ内の食材を送り出して筐体に設けられた食材出口から下方の容器に所定量の上記食材を落下供給する温度測定機能付食材盛付装置において、温度センサが上記食材出口と上記容器との間の食材落下経路を通過する食材の温度、及び/又は、上記食材落下経路を通過して上記容器内に供給された食材の温度を測定可能なように上記筐体に設けられ、該温度センサにより、上記食材出口から上記容器に食材が落下供給されるまでの食材供給時間内において、上記食材の温度を測定し得るように構成され、上記筐体に上記温度センサにて測定された温度を表示する表示部が設けられ、上記食材供給時間内における上記温度センサからの複数の温度信号を検出すると共に、上記複数の温度信号に基づいて、上記表示部に表示すべき食材温度を決定する制御部とが設けられたものである温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記温度センサは、非接触温度センサであれば例えば赤外線温度センサ(9)、接触式であれば、例えば測定抵抗体を用いたプローブ式の温度センサ(9’,9”)により構成することができる。非接触温度センサであれば、例えば検出視野角の測定範囲内に上記食材落下経路の食材、及び/又は、容器内の食材が入るように設ければよい。接触式温度センサであれば、例えばプローブの先端が上記食材落下経路の食材、及び/又は、容器内の食材に接触するように構成すればよい。上記食材供給時間は、例えば操作者が盛付ボタン(12b)を押圧して、所定量の食材が食材出口(2a)から下方の容器(6)に落下供給されるまでの時間をいう。このように構成すると、該温度センサにより、上記食材出口から上記容器に食材が落下供給されるまでの食材供給時間において、落下供給される上記食材、及び/又は、容器内に供給された食材の温度を測定することができるため、容器に供給された食材の温度を正確に表示することができる。また、制御部において、温度センサから得られる複数の温度信号に基づいて表示部に表示すべき食材温度を決定することができる。この表示部に表示すべき食材温度は、例えば、最高温度又は平均温度等とすることができる。このように構成すると、食材の温度を表示部にて容易に確認することができる。また、非接触温度センサによると、落下中の食材、及び/又は、容器内の食材について非接触にて温度を測定できるため、食材の種類に拘わらずその温度を測定することができる。また、食材落下経路において落下中の食材、及び/又は、容器内の食材の温度を測定し、その内の温度、例えば最も高い温度又は平均温度等を表示部に表示し得るので、正確な食材の温度を測定することができる。
第2に、上記制御部は、上記食材供給時間内に、上記温度センサから入力する温度信号を検出する温度検出手段と、上記温度信号の内、所定間隔内における最も高い温度を順次記憶保持するピークホールド手段と、上記ピークホールド手段にて記憶された温度の内、最も高い温度を選択する比較選択手段と、上記比較選択手段で選択された最も高い温度を上記表示部に表示する表示制御手段とを具備するものである上記第1記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記ピークホールド手段はピークホールド部(13b)と記憶部(13c)により構成することができる。上記比較選択手段は比較手段(13e)と選択手段(13f)により構成することができる。このように構成すると、ピークホールド手段が所定間隔(例えば5msec間隔)毎に温度信号をピークホールドしながら当該間隔で最も高い温度を記憶保持し、比較選択手段が記憶保持した温度の内、最も高い温度を選択して、当該最も高い温度を表示部に表示し得るので、表示部には食材供給時間内に測定した温度の内、最も高い温度を表示することができ、これにより従来、温度センサによる測定温度が比較的低く出ることを防止して、食材の正確な温度を表示することができる。
第3に、上記制御部は、上記食材供給時間内に、上記温度センサから入力する温度信号を検出する温度検出手段と、上記温度検出手段にて検出した複数の温度の平均温度を検出する平均温度算出手段と、上記平均温度を上記表示部に表示する表示制御手段とを具備するものである上記第1記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
このように構成すると、温度検出手段で検出された複数の温度の平均の温度を表示部に表示し得るので、これにより従来、温度センサによる測定温度が比較的低く出ることを防止して、正確な温度を表示部に表示することができる。
第4に、上記容器に供給された上記食材の重量を測定する測定手段が設けられ、上記制御部は上記測定手段からの重量信号を検出すると共に、所定の重量に到達する度に到達信号を上記比較選択手段に送出する重量検出手段を具備しており、上記比較選択手段は、上記到達信号の入力の度に、上記ピークホールド手段にて記憶保持した温度の内、最も高い温度を抽出する比較手段と、上記比較手段にて抽出した複数の温度の内、最も高い温度を選択し、上記表示制御手段に送出する選択手段とを具備している上記第2記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記測定手段は例えばロードセル(7)である。このように構成すると、例えば操作者が300gの盛付ボタンを押圧した場合、重量検出手段が100gの検出時点で到達信号(第1の到達信号)を比較選択手段に送出し、比較手段は当該到達信号が到達したとき、それまで(0g~100gの間)に記憶していた温度の内、最も高い温度を抽出して選択手段に送出し、重量検出手段が200gの検出時点で到達信号(第2の到達信号)を比較選択手段に送出し、比較手段は当該到達信号が到達したとき、それまで(100g~200gの間)に記憶していた温度の内、最も高い温度を抽出して選択手段に送出し、重量検出手段が300gの検出時点で到達信号(第3の到達信号)を比較選択手段に送出し、比較手段は当該到達信号が到達したとき、それまで(200g~300gの間)に記憶していた温度の内、最も高い温度を抽出して選択手段に送出し、上記選択手段は、これらの3つの温度の内、最も高い温度を選択し、結果として最も高い温度を表示部に表示することができる。このように構成すると、食材が所定重量に到達した複数時点での最も高い温度を基準に、表示部に表示する温度を決定できるので、食材供給時間の最初の方だけの食材温度、或いは、食材供給時間の最後の方だけの食材温度ではなく、食材供給時間の全体を使用して、食材の温度をより正確に測定し表示することができる。
第5に、ホッパ内の食材を送り出して筐体に設けられた食材出口から下方の容器に所定量の上記食材を落下供給する温度測定機能付食材盛付装置において、温度センサが上記食材出口と上記容器との間の食材落下経路を通過する食材の温度、及び/又は、上記食材落下経路を通過して上記容器内に供給された食材の温度を測定可能なように上記筐体に設けられ、該温度センサにより、上記食材出口から上記容器に食材が落下供給されるまでの食材供給時間内において、上記食材の温度を測定し得るように構成され、上記筐体に上記温度センサにて測定された温度の警告表示部が設けられ、上記食材供給時間内における上記温度センサからの複数の温度信号を検出すると共に、上記複数の温度信号に基づいて上記警告表示部に警告表示を行うか否かを決定する制御部とが設けられ、上記制御部は最高温度の閾値を記憶する記憶手段を具備しており、上記温度センサからの上記温度信号が上記最高温度の閾値以上となった場合、又は、上記最高温度の閾値を超えた場合、上記警告表示部に警告表示を行うものである温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記記憶手段は例えば閾値記憶手段(13j)により構成することができる。上記最高温度の閾値と比較する温度信号は、温度センサから入力する温度信号に基づいて制御部の例えば選択手段(13f)にて選択された温度信号が上記最高温度の閾値以上又は該閾値を超えた場合に警告表示を行うようにすることもできるし、例えば比較前の温度検出手段(13a)にて検出された温度信号、又は、例えばピークホールド後の記憶部(13c)に記憶された温度信号が上記最高温度の閾値以上又は該閾値を超えた場合に警告表示を行うようにすることもできる。このように構成すると、警告表示がなされた場合に、操作者は、食材の温度が異常に高いことを容易に知ることができる。
第6に、ホッパ内の食材を送り出して筐体に設けられた食材出口から下方の容器に所定量の上記食材を落下供給する温度測定機能付食材盛付装置において、温度センサが上記食材出口と上記容器との間の食材落下経路を通過する食材の温度、及び/又は、上記食材落下経路を通過して上記容器内に供給された食材の温度を測定可能なように上記筐体に設けられ、該温度センサにより、上記食材出口から上記容器に食材が落下供給されるまでの食材供給時間内において、上記食材の温度を測定し得るように構成され、上記筐体に上記温度センサにて測定された温度の警告表示部が設けられ、上記食材供給時間内における上記温度センサからの複数の温度信号を検出すると共に、上記複数の温度信号に基づいて上記警告表示部に警告表示を行うか否かを決定する制御部とが設けられ、上記制御部は最低温度の閾値を記憶する記憶手段を具備しており、上記温度センサからの上記温度信号が上記最低温度の閾値以下となった場合、又は、上記最低温度の閾値を下回った場合、上記警告表示部に警告表示を行うものである温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記記憶手段は例えば閾値記憶手段(13j)により構成することができる。上記最低温度の閾値と比較する温度信号は、温度センサから入力する温度信号に基づいて制御部の例えば選択手段(13f)にて選択された温度信号が上記最低温度の閾値以下又は該閾値を下回った場合に警告表示を行うようにすることもできるし、例えば比較前の温度検出手段(13a)にて検出された温度信号、又は、例えばピークホールド後の記憶部(13c)に記憶された温度信号が上記最低温度の閾値以下又は該閾値を下回った場合に警告表示を行うようにすることもできる。このように構成すると、警告表示がなされた場合に、操作者は、食材の温度が異常に低いことを容易に知ることができる。
第7に、ホッパ内の食材を送り出して筐体に設けられた食材出口から下方の容器に所定量の上記食材を落下供給する温度測定機能付食材盛付装置において、温度センサが上記食材出口と上記容器との間の食材落下経路を通過する食材の温度、及び/又は、上記食材落下経路を通過して上記容器内に供給された食材の温度を測定可能なように上記筐体に設けられ、該温度センサにより、上記食材出口から上記容器に食材が落下供給されるまでの食材供給時間内において、上記食材の温度を測定し得るように構成され、上記食材供給時間内における上記温度センサからの複数の温度信号を検出すると共に、上記複数の温度信号に基づいて食材温度を決定する制御部とが設けられ、かつ、上記制御部には、上記温度信号を他の機器に出力するデータ出力手段が設けられているものである温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記データ出力手段は、例えばLAN出力端子(13o)、外部機器用出力端子(13p)を具備するデータ出力部(13m)、及び、無線LAN通信部(13n)等により構成することができる。上記出力部から他の機器に出力される温度信号は、温度センサから入力する温度信号に基づいて制御部の例えば選択手段(13f)にて選択された温度信号、又は、比較前の例えば温度検出手段(13a)にて検出された温度信号、又は、ピークホールド後の例えば記憶部(13c)に記憶された温度信号とすることもできるし、これらの全ての温度信号とすることもできるし、何れか2種類の温度信号とすることもできる。他の機器は、例えば、他のパーソナルコンピュータ、タブレット端末機器等であり、例えば他のタブレット端末機器等を温度測定機能付食材盛付装置とは別の場所に設置して、当該タブレット端末機器にて受信した温度信号を表示して食材温度を監視することができる。
第8に、上記制御部は、上記温度信号を電子メールとして他の端末機器に送信可能な電子メール送信部を具備している上記第7記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
電子メール送信部は、例えば、電子メール作成部(16a)、電子メールアプリ(16b)、メールアドレス記憶部(16c)を具備する無線LAN通信部(13n)等により構成することができる。上記端末機器は、例えば携帯型パーソナルコンピュータ、携帯電話等である。このように構成すると、温度信号が表示又は添付された電子メールを、温度測定機能付食材盛付装置が設置された場所とは遠く離れた場所において、携帯型パーソナルコンピュータ、携帯電話等にて上記温度信号を確認することができる。
第9に、上記制御部は、上記温度信号をネットワークを介して他の端末機器に送信可能な送信部を具備している上記第7記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成することができる。
上記送信部は例えばLAN出力端子(13o)を具備するデータ出力部(13m)、無線LAN通信部(13n)等により構成することができる。上記端末機器は、例えば携帯型パーソナルコンピュータ、タブレット端末機器、携帯電話等である。このように構成すると、温度信号を、温度測定機能付食材盛付装置が設置された場所とは遠く離れた場所において、ネットワークを介して携帯型パーソナルコンピュータ、携帯電話等にて上記温度信号を確認することができる。
第10に、上記温度センサは非接触温度センサであり、その受光部の検出視野角の測定範囲内に、上記食材出口と上記容器との間の上記食材落下経路、及び/又は、上記食材落下経路を通過して上記容器に供給された食材が入るように構成されたものである上記第1~9の何れかに記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記非接触温度センサは例えば赤外線温度センサ(9)により構成することができる。このように構成すると、食材落下経路を落下する食材、又は、容器に供給された食材、又は、食材落下経路を落下する食材及び容器に供給された食材、の温度を非接触にて測定することが可能であるため、食材の種類に拘わらず温度測定が可能となる。
第11に、上記非接触温度センサは上記筐体に固定されたセンサ取付機枠に設けられており、上記センサ取付機枠の上記非接触温度センサの近傍にはファンが固定され、上記ファンを回転駆動することにより、上記非接触温度センサの受光部から遠ざかる方向の空気流を形成するものである上記第10に記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
このように構成すると、非接触温度センサの受光部から遠ざかる方向に空気流が形成されるため、例えば食材としての飯の蒸気等が非接触温度センサの受光部に当たり、受光部に結露が生ずるのを防止して、正確な温度を測定することが可能となる。
第12に、上記温度センサは食材に接触して温度を感知する温度感知部を有する接触式温度センサであり、上記温度感知部が、上記食材出口と上記容器との間の上記食材落下経路を通過する食材、及び/又は、上記食材落下経路を通過して上記容器に供給された食材に接触するように構成されたものである上記第1~9の何れかに記載の温度測定機能付食材盛付装置により構成される。
上記温度感知部は例えばプローブ(9b)である。このように構成すると、食材に温度感知部を直接接触させることで、食材の温度を直接測定することができる。
本発明によると、温度センサにより、食材出口から容器に食材が落下供給されるまでの食材供給時間において、落下供給される上記食材、及び/又は、容器内に供給された食材の温度を測定することができるため、容器に供給された食材の温度を正確に表示することができる。また、制御部において、温度センサから得られる複数の温度信号に基づいて表示部に表示すべき食材温度を決定することができる。このように構成すると、食材の温度を表示部にて容易に確認することができる。
また、表示部には食材供給時間内に測定した温度の内、最も高い温度を表示することができ、これにより食材の正確な温度を把握することができる。
また、温度検出手段で検出された複数の温度の平均の温度を表示部に表示し得るので、これにより正確な温度を把握することができる。
また、食材が所定重量に到達した複数時点での最も高い温度を基準に、表示部に表示する温度を決定できるので、食材供給時間の最初の方だけの食材温度、或いは、食材供給時間の最後の方だけの食材温度ではなく、食材供給時間の全体を使用して、食材の温度をより正確に測定し表示することができる。
また、警告表示がなされた場合に、操作者は、食材の温度が異常に高いことを容易に知ることができる。
また、警告表示がなされた場合に、操作者は、食材の温度が異常に低いことを容易に知ることができる。
また、例えば他のパーソナルコンピュータ等の端末機器を温度測定機能付食材盛付装置とは別の場所に設置して、当該端末機器にて入力された温度信号を表示して食材温度を監視することができる。
また、温度信号が表示された電子メールを、温度測定機能付食材盛付装置が設置された場所とは離れた場所において、例えば、携帯型端末機器、携帯電話等にて上記温度信号を監視することができる。
また、温度信号を、温度測定機能付食材盛付装置が設置された場所とは離れた場所において、ネットワークを介して携帯型端末機器、携帯電話等にて上記温度信号を監視することができる。
また、食材落下経路を落下する食材、又は、容器に供給された食材、又は、食材落下経路を落下する食材及び容器に供給された食材、の温度を非接触又は接触式の温度センサにて測定することが可能であるため、食材の種類に応じて最適の温度測定が可能となる。
また、非接触温度センサの受光部から遠ざかる方向に空気流が形成されるため、例えば食材としての飯の蒸気等が非接触温度センサの受光部に当たり、受光部に結露が生ずるのを防止して、正確な温度を測定することが可能となる。
以下、本発明における温度測定機能付食材盛付装置について詳細に説明する。
図1は、温度測定機能付食材盛付装置1の正面図、図2は同装置の側面図であり、まず本装置の概要を説明する。
同図において、2は同装置の外部の筐体であり、当該筐体2の内部にホッパ3が設けられており、該ホッパ3の開口部3a下部に食材送り機構4が設けられ、ホッパ3内の食材(ここでは暖かい米飯とする)が上記開口部3aから上記食材送り機構4に落下し、当該食材送り機構4により飯が前方側に送られ、上記食材送り機構4の前方側出口4aから下方に落下供給される(図2、矢印B参照)。
尚、図2において、操作パネル12が設けられた側を前方、操作パネル12が設けられていない側を後方、前方から後方を向いた場合の左右を左右方向、前方から後方を向いた場合の上下を上下方向と定義する(他の図においても同じ)。
この食材送り機構4は各種の構造が考えられ、例えば、ローラコンベアにより食材を前方側出口4aに送る構造(特開2009-278999号公報)、円形回転テーブルの回転により、食材を上記前方側出口4aに送る構造(特開2018-186748号公報)、スクリューコンベアにより食材を上記前方側出口4aに送る構造(特開2004-57065号公報)等が存在する。本発明は、この食材送り機構4の方式には限定されない。
上記前方側出口4a下方には、2つのローラからなる解しローラ5,5(駆動モータM2,M3)がその周面を近接状態で設けられており(図2、図4、図6参照)、上記前方側出口4aに送られた飯は、対向方向(矢印F方向)に回転する上記解しローラ5,5の間を通過して解されながら下方(矢印A方向)に落下し、上記解しローラ5,5下方の食材出口2aから下方(矢印A方向)に落下し、下方に設置されている容器6内に供給される。
上記容器6は、上記筐体2の下部の容器載置台2b上に載置されており、上記容器載置台2bの内部には上記容器6の重量を計測するためのロードセル7が設置されている。よって、このロードセル7は上記容器3内に落下供給される飯の重量を測定し、重量信号を後述の制御部13(図8参照)に送出するものである。
8は、上記食材出口2aの前面側の筐体2の垂直面2cに固定された温度センサ取付機枠である。この温度センサ取付機枠8は、後方側の垂直面8aが上記筐体2の垂直面2cに固定されており、前方側の容器6方向への傾斜面8b(垂直面8aに対する傾斜角度θ1=35度)の内部に、非接触温度センサとしての赤外線温度センサ9が、その先端の受光部9aを下方に向けて固定されている(図3参照)。尚、図1、図4は上記傾斜面8bを取り外した状態を示している。上記赤外線温度センサ9は受光部9aのレンズで赤外線を集光し、その強度で食材の温度を測定する。
従って、上記赤外線温度センサ9も、上記垂直面8aに対して角度θ1の傾斜角度を以って傾斜した状態で、上記傾斜面8bの内側に、アングル10a,10bにより固定されている(図4参照)。この赤外線温度センサ9の受光部9aの検出視野角はθ2=15度であるため(図3参照)、当該温度センサ9の温度検出範囲Eは、図3中に符号Eにて表示した範囲となる。
従って、上記赤外線温度センサ9は、その受光部9aの検出視野角の範囲E(温度検出範囲E)内に、上記食材出口2aと上記容器6との間の食材落下経路Sが入るように、上記筐体2(温度センサ取付機枠8)に設けられ(固定され)、該赤外線温度センサ9により、上記食材出口2aから上記容器6に食材R1が落下供給されるまでの食材供給時間において、落下供給される上記食材R1の温度を測定し得るように構成されている。
上記赤外線温度センサ9は、その受光部9aの検出視野角の範囲E内に、上記食材供給経路Sと共に、上記容器6に落下供給された食材R2をも入るように上記筐体2(温度センサ取付機枠8)に固定されている(図3参照)。これにより、上記食材出口2aから上記容器6に落下中の食材R1の温度と、上記容器6内に落下供給された食材R2の温度をも検出し得るように構成されている。
よって、当該赤外線温度センサ9の温度検出範囲Eは、上記食材出口2aから落下して容器6に落下するまでの、落下中の飯R1と、容器6内に落下した後の飯R2の両方を温度検出範囲Eとしているものである。
上記温度センサ取付機枠8は、上記垂直面8aと上記傾斜面8bの両左右側面は、略逆三角形状の左右側面8c,8c’によって閉鎖されており(図4参照)、当該センサ取付機枠8の上側は上面閉鎖蓋8dによって閉鎖されている。但し、上記温度センサ取付機枠8の下方は、開口8eが形成され、上記食材落下経路Sに向けて開放されている(図4参照)。
そして、上記右側の側面8c’の内側には、受光部9aのレンズの結露防止用のファン11が固定されている。このファン11の固定部の上記側面8c’対応部分には、空気取り入れ用の複数の開口11aが貫通形成されている(図5参照)。これにより、上記ファン11を回転させることによって、上記開口11aから外部の空気が、温度センサ取付機枠8内部に取り入れられ(図4、矢印C方向参照)、さらに温度センサ取付機枠8内部において、上方から下方の上記開口8eに向かう空気の流れ(図4、矢印D方向参照)、即ち、上記赤外線温度センサ9の受光部9aから遠ざかる方向の空気流を形成することによって、飯の蒸気が上記受光部9aのレンズに付着して、上記赤外線温度センサ9の受光部9aのレンズに結露が発生することを防止するものである。
即ち、図3に示すように、赤外線温度センサ9の受光部9aは、落下供給される飯R1に近接して設置されているので、飯の蒸気が受光部9aのレンズに付着して結露を生じ、その結果、正確な温度が測定できなくなる。よって、上記結露の発生を防止するため、上記受光部9aから遠ざかる方向の空気流を発生させ、上記飯の蒸気が上記受光部9aのレンズに付着するのを防止するのである。
図1中12は、操作パネルであり、上部に温度の表示部12a、下部に複数の盛付ボタン12bが並んでいる。上記盛付ボタン12bは、複数のボタンが並列に設けられており、各ボタンに左側から、例えば、100g、200g、300g、400g・・・等の盛り付ける飯の重量が表示されている。そして、例えば操作者が200gの盛付ボタン12bを押すと、制御部13はそれを認識し、食材送り機構4の駆動モータM1及び解しローラ5,5の駆動モータM2,M3を駆動し、飯が食材出口2aから容器6に落下供給されると、ロードセル7からの重量信号を認識し、当該重量信号に基づいて、上記制御部13が、飯の重量が200gになったことを認識すると、上記食材送り機構4の駆動モータM1及び解しローラ5,5の駆動モータM2,M3を停止するものである。これにより、盛付ボタン12bに対応する重量の飯を容器6内に盛り付けることができるように構成されている。
尚、図1、図2中、符号2dは上記筐体2の上面を開閉する蓋体である。次に、図8、図9に基づいて、本発明の電気的構成を説明する。
図8に示すように、上記赤外線温度センサ9は、増幅器14を介して上記制御部13に接続されている。上記ロードセル7、上記食材送り機構4を駆動するための駆動モータM1、上記解しローラ5,5を駆動するための駆動モータM2,M3、上記ファン11、上記表示部12a,上記盛付ボタン12bを含む上記操作パネル12は各々制御部13に接続されている。
上記制御部13はCPUを具備するコンピュータであり、図10に示す動作手順からなるプログラムが予め記憶されており、上記プログラムに従って、以下に説明する動作を行うものである。図9は上記CPUの機能をブロック化した機能ブロック図である。
上記赤外線温度センサ9にて検出した温度信号は、上記増幅器14にて増幅され、その後、制御部13の温度検出手段13aに入力する(図9参照)。
上記温度検出手段13aは検出した温度信号を、制御部13のピークホールド部13bに送出する。ピークホールド部13bでは、例えば5msec毎に、温度検出手段13aから入力する温度信号の内、最も高い温度をピークホールドし(図7参照)、ピークホールドした温度信号イ、ロ、ハ・・・を記憶部13cに送出し、上記記憶部13cは上記ピークホールド部13bから入力する温度信号(温度データ)イ、ロ、ハ・・・を順次記憶していく(図11の記憶部13c参照)。
上記記憶部13cは上記ピークホールドした温度を記憶すると共に、同時にそれらの温度信号を次段の比較手段13eに送出する。
一方、制御部13の重量検出手段13dは、ロードセル7からの重量信号が順次入力しており、例えば300gの盛付ボタン12bが押されている場合は、ロードセル7からの重量信号が100gになった時点、200gになった時点、300gになった時点を検出し、上記比較手段13eに各々到達信号(100gに到達したときの第1到達信号、200gに到達したときの第2到達信号、300gに到達したときの第3到達信号)を各々通知する。
上記比較手段13eは、上記記憶部13cから順次入力する温度信号を保持すると共に、100gに到達した上記第1到達信号を受信した場合、それまでの温度信号の内、最も高い温度信号(温度データ)を選択手段13fに送出し、同様に、200gに到達した第2到達信号を受信した場合は、100gから200gまでの間に入力した温度信号の内、最も高い温度信号(温度データ)を選択手段13fに送出し、300gに到達した第3到達信号を受信した場合は、200gから300gまでの間に入力した温度信号の内、最も高い温度信号(温度データ)を選択手段13fに送出する、という動作を行う(図11参照)。
上記選択手段13fは、0g~100gまでの重量計測時における最も高い測定温度(例えば80℃、図11参照)、100gから200gまでの重量計測時における最も高い計測温度(例えば70℃、図11参照)、200gから300gまでの重量計測時における最も高い計測温度(例えば75℃、図11参照)が順次送られてくるので、これらの計測温度信号の内、最も高い温度データを選択し(この場合、80℃)、その温度信号(温度データ)を表示制御手段13hに送出する。その結果、上記表示制御手段13hは送られてきた温度信号(80℃)を表示部12a(例えば液晶表示部)に表示する。その結果、上記表示部12aに「80℃」が食材の温度として数字にて表示される。尚、表示形式は数字に限られず、グラフ表示において、該当温度部分を点滅させる等の表示でも良い。
このように、0gから300gにおける重量計測時間(食材供給時間)において、赤外線温度センサ9にて計測した温度信号の内、最も高い温度が表示部12aに表示されるように構成されている。
本発明は上述のように構成されるので、以下、本発明の温度測定機能付食材盛付装置の動作を図10のフローチャートに基づいて説明する。
尚、本動作において、操作者は盛付ボタンの「300g」を押圧したものとする(図10、P1参照)。また、食材は炊き立ての暖かい米飯(飯)であり、ホッパ3(保温機能付)内に予め十分な量が供給されているものとする。また、当該食材盛付装置1の電源をオンした時点で、赤外線温度センサ9は温度検出可能な能動状態となっているものとする。
上記300gの盛付ボタン12bが押されると、制御部13はそれを検出し、制御部(駆動手段13g)は駆動モータM1,M2,M3及びファン11を駆動開始する(図10P2)。すると、温度センサ部8のファン11が回転駆動すると共に、食材送り機構4が駆動してホッパ3内の飯を前方側出口4a方向に搬送し、上記飯が上記前方側出口4aから下方に落下供給され(矢印B方向)、下方の解しローラ5,5間に落下される。
上記解しローラ5,5は対向方向に回転駆動しているので、上記解しローラ5,5間に供給された飯は対向回転するローラ5,5間を通過することにより解されながら、食材出口2aから下方の容器6内に落下供給されていく(図3矢印A方向)。
このとき図3に示すように、赤外線温度センサ9の受光部9aの温度検出範囲Eの食材落下経路Sを、飯R1が上記食材出口2aから下方に落下していくため(矢印A方向)、赤外線温度センサ9は、上記温度検出範囲Eを通過する飯R1の温度を検出し、検出した温度を温度信号として増幅器14に送出し、当該増幅器14にて増幅された温度信号は制御部13(温度検出手段13a)に順次入力していく(図10P3)。
また、上記飯は上記容器6内に落下供給されていくが、容器6内に供給された飯R2も上記赤外線温度センサ9の温度検出範囲E内に存在するため、上記赤外線温度センサ9は、容器6内に貯留された飯の温度をも検出し、検出された温度は温度信号として、上記増幅器14を介して、上記制御部13(温度検出手段13a)に入力していく(図10P3参照)。
上記制御部(温度検出手段13a)に入力した温度信号は、順次、制御部13内のピークホールド部13bに送られ、当該ピークホールド部13bにて、例えば5msec毎にピークホールドされ(図10P4,P5、図7参照)、5msec内にピークホールドされた温度の内、最も高い温度(温度データ)は、次段の記憶部13cに順次記憶されていく(図10P6、図11イ、ロ、ハ・・参照)。
即ち、図7に示すように、ピークホールド部13bにおいて、入力する温度信号は、5msec毎にピークホールドされ(図10P4,P5参照)、5msec間における最も高い温度(図7の(イ)、(ロ)、(ハ)・・・)が記憶部13cに送られて、当該記憶部13cに順次記憶されていく(図10P6、図11参照)。
一方、上記容器6内に飯が落下供給されていくと、ロードセル7にてその重量が計測され、重量信号が制御部13(重量検出手段13d)に送出されていく(図10P12参照)。上記制御部13(重量検出手段13d)は、上記重量信号を検出し、100gに到達した時点で(図10P13)、比較手段13eに第1到達信号を送出する(図10P16参照)。その後、測定終了か否かを判断し(図10P17)、この場合まだ測定が終了していないので、ステップP2に戻って、同様の動作を繰り返す。
上記制御部13(比較手段13e)は、上記第1到達信号が入力すると、それまでに記憶部13cから入力した温度信号(0g~100gまでに入力した温度信号)を相互に比較し、最も高い温度(例えば80℃とする)を抽出し、抽出した温度信号を次段の選択手段13fに送出する(図10P7、図11参照)。その後、未だ測定は終了していないので(図10P8参照)、ステップP3に戻って、ステップP4~P6の上記温度検出・記憶動作を継続する。
そして、100gの重量検出の後は上記ステップP13を経て、ステップP14にて、上記制御部13(重量検出手段13d)は、検出した重量が200gに到達した時点で(図10P14参照)、比較手段13eに第2到達信号を送出する(図10P16参照)。この場合まだ測定が終了していないので、ステップP2に戻って、同様の動作を繰り返す。
上記制御部13(比較手段13e)は、上記第2到達信号が入力すると、それまでに記憶部13cから入力した温度信号(100g~200gまでに入力した温度信号)を相互に比較し、最も高い温度(例えば70℃)を抽出し、抽出した温度信号を次段の選択手段13fに送出する(図10P7、図11参照)。その後、未だ測定は終了していないので(図10P8参照)、ステップP3に戻って、ステップP4~P6の上記温度検出・記憶動作を継続する。
そして、200gの重量検出の後は、ステップP14を経て、ステップP15にて、上記制御部13(重量検出手段13d)は、検出した重量が300gに到達した時点で(図10P15参照)、比較手段13eに第3到達信号を送出する(図10P16参照)。この時点で、測定は終了したので、制御部13(重量検出手段13d)は、ひとまずステップP17からプログラムの先頭に戻る。
上記制御部13(比較手段13e)は、上記第3到達信が入力すると、それまでに記憶手段13cから入力した温度信号(200g~300gまでに入力した温度信号)を相互に比較し、最も高い温度(例えば75℃)を抽出し、抽出した温度信号を次段の選択手段13fに送出する(図10P7、図11参照)。
その後、これで測定は終了したので(図10P8参照)、制御手段13(選択手段13f)は、比較手段13eにて抽出された温度、即ち、0~100gまでの重量測定時間内での最も高い温度(80℃)と、100g~200gまでの重量測定時間内での最も高い温度(70℃)と、200g~300gまでの重量測定時間内での最も高い温度(75℃)とを比較し、これらの温度の中で最も高い温度(この場合80℃)を選択し(図10P9)、当該温度に対応する温度信号(温度データ)を表示制御手段13hに送出する。
上記制御部(表示制御手段13h)は上記選択手段13fで選択された温度(この場合80℃)を表示部12aに送出し、その結果、表示部12aに食材の温度が「80℃」であることが表示される(図10P10参照)。その後、制御部13は測定終了したことを認識し、プログラムの先頭に戻る(図10P11参照)。
その後は同様の動作の繰り返しとなる。尚、上記実施形態は「300g」の盛付ボタン12bが押された場合を説明したが、「200g」の場合は、到達信号は、0~100gの到達時点と、100g~200gの到達時点にて発生することになり、「400g」の場合は、0~100g、100g~200g、200g~300g、300g~400gの各到達時点で発生させても良いし、その他、0gから所定のグラム数に到達するまでの食材供給時間を所定(任意)の回数に区切って、その回数に到達した時点で到達信号を発生させても良い。
また、温度測定期間中は、上記ファン11が駆動されることにより、受光部9aから遠ざかる方向の空気流が形成されているため、飯の蒸気、或いは、その他の埃等が受光部9aのレンズに付着することを防止することができるため、レンズの結露或いは埃の付着等を防止して、常時、正確な温度を測定することが可能となる。また、受光部9aを食材の近接位置に設置しても、蒸気、埃等の影響がないため、より実際の食材に近い温度を検出することが可能となる。
図12に示すものは、赤外線温度センサ9の固定角度を変更したものであり、この赤外線温度センサ9を水平に近い状態に固定し、その検出視野角の範囲E(温度検出範囲E)は、食材落下経路Sのみに向かっており、容器6内に落下供給された食材は検出視野角の範囲E(温度検出範囲E)外となるように設定固定されている。
このように構成すると、上記食材落下経路Sを落下する食材R1のみの温度を測定することになり、食材出口2aから落下供給された直後の食材R1の温度を検出することができ、より落下する食材に近い温度を測定することが可能となる。尚、図12中符号19は、センサ取付機枠8に設けられ、上記水平に近い状態の上記赤外線温度センサ9を固定する固定アングルである。
さらに他の実施形態として、上記赤外線温度センサ9をより垂直に近い状態に設置して、その検出視野角の範囲E(温度測定範囲E)を、容器6内に落下供給された食材R2のみに向かわせることも可能である。
このように構成すると、落下中の食材R1の温度は測定せず、容器6内の食材R2のみの温度を測定することになり、容器6内に供給された後の食する直前の食材の温度を測定し、表示することが可能となる。
即ち、赤外線温度センサ9にて、上記食材出口2aと上記容器6との間の食材落下経路Sを通過する食材R1の温度、及び/又は、上記食材落下経路Sを通過して上記容器6内に供給された食材R2の温度を測定可能なように、上記センサ9は上記筐体に設けられている。従って、赤外線温度センサ9にて図3に示すように食材R1及びR2の両方の温度を検出する場合と(図3参照)、図12に示すように上記赤外線温度センサ9にて食材R1のみの温度を検出する場合(水平に近い状態の赤外線温度センサ9のみを設ける場合)と、図示していないが、赤外線温度センサにて食材R2のみの温度を検出する場合(垂直に近い状態に固定した赤外線温度センサのみを設ける場合)の何れかの3パターンが考えられる。
上記固定アングル19はセンサ取付機枠8の両側に設けられた板状のアングルであり、上記ファン11を駆動することにより、図4と同様に、水平に近い状態の赤外線温度センサ9の受光部9aから遠ざかる方向の空気流が形成され、同様に、受光部9aの結露等を防止することができる。赤外線温度センサを垂直に近い状態に固定した場合も同様に、上記ファン11を駆動することにより、受光部9aから遠ざかる方向の空気流を形成して、受光部9aの結露等を防止することができる。
図13、図14に示すものは、本発明の他の実施形態であり、図14は図13の制御部13の動作手順を示したものである。上記実施形態では検出温度の内、最も高い温度を表示したが、この実施形態では、複数の検出温度の平均温度を算出し、該平均温度を表示部12aに表示し得るように構成したものである。尚、図13において、図9の実施形態と同一又は対応する構成部材には同一符号を付し、便宜上それらの説明は省略する。また、図14のフローチャートと共に説明する動作において、上記実施形態と同一の動作は説明を省略する。
操作者が盛付ボタン200gを押したとすると、食材落下経路Sを落下する食材R1及び/又は容器6内の食材R2の温度が赤外線温度センサ9にて測定され、赤外線温度センサ9にて測定した温度信号は、制御部13(温度検出手段13a)にて検出され(図14P3参照)、ピークホールド部13bにて所定間隔毎にピークホールドされ(図14P4,P5参照)、ピークホールドされた温度データは、記憶部13cにて順次記憶されていく(図14P6参照)。その後、200gの計量が終了するまでは、ステップP3に戻って、上記所定時間毎のピークホールド動作(ステップP4,P5)及び記憶動作(ステップP6)を継続する(図14P7,P3参照)。
そして、制御部13(重量検出手段13d)が200gの計測を検出すると(図14P11,P12参照)、測定終了信号を記憶部13cに送出する(図14P12参照)。上記制御部13(記憶部13c)は上記測定終了信号の入力を検出すると、測定は終了したものと判断し(図14P7参照)、制御部13(記憶部13c)は測定終了信号が入力するまでに記憶した温度データを平均温度算出手段13iに送出する。
上記平均温度算出手段13iは、上記記憶部13cから送られてくる温度データ、即ち、0g~200gまでの食材供給時間における温度データの平均温度を算出し(図14P8参照)算出された平均温度を表示制御手段13hに送出する。
上記表示制御手段13hは、送られてきた平均温度を表示部12aに送出し、結果として表示部12aに平均温度が表示される(図14P9参照)。
このように構成すると、重量測定開始から重量測定終了までの食材供給時間において、複数の検出温度の平均温度を表示部に表示することができるので、食材の温度が極端に低く出ることもなく、正確な食材の温度を測定することができる。
図15に示すものは、本発明のさらに他の実施形態であり、非接触温度センサではなく、接触式の温度センサ9’,9”を用いたものである。接触式の温度センサ9’,9”は、先端部にプローブ9bを具備しており、プローブ9bに接触した物体の温度を測抵抗体、熱電対等の機能を利用して測定するものである。
従って、接触式の温度センサ9’は、そのプローブ9bを上記食材落下通路S内に設置して、食材出口2aから下方に落下する食材R1と、容器6内に落下供給された食材R2の両方に上記プローブ9bが接触するように設定する。このように設定することにより、上記接触式の温度センサ9’により、落下中の食材R1と容器6に落下供給された食材R2の両方の温度を測定することができる。
一方、非接触の温度センサ9”は、上記温度センサ9’より水平に近い状態に寝かせて設置しており、上記食材落下通路Sを落下中の食材R1にのみ接触するように構成され、上記落下中の食材R1のみの温度を測定し得るように構成したものである。勿論、上記接触式の温度センサ9’,9”から得られた温度信号は、図9又は図13のブロック図に示す構成により同様に処理され、表示部12aに表示される。尚、図15中符号19は上記温度センサ9”をセンサ取付機枠8に固定するための固定アングルである。
さらに他の実施形態として、上記接触式温度センサ9’,9”をより垂直に近い状態に設置して、そのプローブを、容器6内に落下供給された食材R2のみに接触するように構成することも可能である。
このように構成すると、落下中の食材R1の温度は測定せず、容器6内の食材R2のみの温度を測定することになり、容器6内に供給された後の食する直前の食材の温度を測定し、表示することが可能となる。
即ち、接触式の温度センサ9’,9”にて、上記食材出口2aと上記容器6との間の食材落下経路Sを通過する食材R1の温度、及び/又は、上記食材落下経路Sを通過して上記容器6内に供給された食材R2の温度を測定可能なように上記センサは、上記筐体に設けられている。従って、接触式の温度センサの場合も、食材R1と食材R2の両方の温度を測定する場合(図12の温度センサ9’)、食材R1のみの温度を測定する場合(図12の温度センサ9”)、食材R2のみの温度を測定する場合(図示していないが、温度センサを垂直に近い状態に立てた場合)の何れかの3パターンが考えられる。このように、接触式の温度センサ9’,9”を用いても、本発明を構成することが可能となる。
図16に示すものは、本発明の他の実施形態であり、図9の実施形態に対して、表示部12aに代えて警告表示部12cとし、制御部13には、閾値記憶手段13j、閾値比較手段13kを設けたものである。
この実施形態は、制御部13に、温度信号の最高温度の閾値(例えば90℃)、温度信号の最低温度の閾値(例えば15℃)を予め記憶している閾値記憶手段13jを設ける。そして、閾値比較手段13jにて、選択手段13fにて最終的に選択された温度が、上記最高温度の閾値以上、或いは、上記最高温度の閾値を超えた場合は、表示制御手段13hを介して警告表示部12c(例えば、液晶表示部)に、「食材温度が高すぎる」旨の文字にて警告表示を行うものである。この警告表示は、例えば、警告表示部12cとして、「赤」の最高温度の警告ランプを設け、当該警告ランプを点灯させることで、食材の温度が高すぎる旨の警告表示でも良い。
又は、閾値比較手段13jにて、上記選択手段13fにて最終的に選択された温度が、上記最低温度の閾値以下、或いは、上記最低温度の閾値を下回った場合は、表示制御手段13hを介して警告表示部12c(例えば、液晶表示部)に、「食材温度が低すぎる」旨の文字にて警告表示を行うものである。この警告表示は、例えば、警告表示部12cとして、「緑」の最低温度の警告ランプを設け、当該警告ランプを点灯させることで、食材の温度が低すぎる旨の警告表示でも良い。
また、本実施形態では、上記閾値記憶手段13jに最高温度の閾値及び最低温度の閾値の2つを記憶し、閾値比較手段13kにて食材温度が高すぎる場合と食材温度が低すぎる場合の両方の警告表示を行うように構成しても良いし、上記閾値記憶手段13jに最高温度の閾値のみ、又は、最低温度の閾値のみを記憶し、上記閾値比較手段13kにて最高温度の警告表示のみ、又は、最低温度の警告表示のみを行うように構成しても良い。
また、上述の説明では、上記閾値比較手段13jにて、選択手段13fによって最終的に選択された温度信号に基づいて、上記閾値との比較を行ったが、温度検出手段13aで検出された温度信号(温度検出手段13aから閾値比較手段13kへの破線参照)、記憶部13cにて記憶した全ての温度信号(記憶部13cから閾値比較手段13kへの実線参照)を閾値比較手段13kに送出し、上記全ての温度信号について、上記閾値との比較を行い、同様に、警告表示を行うように構成しても良い。
このように構成すると、食材の温度の異常(食材温度が高すぎる場合及び/又は低すぎる場合)を迅速に検出することが可能となる。
図17に示すものは、本発明のさらに他の実施形態であり、図9の実施形態に対して、温度検出手段13aにて検出した温度信号(温度検出手段13aからデータ出力部13mへの破線参照)、記憶部13cに記憶した温度信号(記憶部13cからデータ出力部13mへの実線参照)、又は、選択手段13fにて選択された温度信号を(選択手段13fからデータ出力部13mへの実線参照)、データ出力部13m、LAN出力端子13oを介して、LAN15に出力し、又は、外部機器用出力端子13pを介して外部機器に出力し得るように構成したものである。
上記データ出力部13mは、上記温度検出手段13aにて受信した温度信号、上記記憶部13cに記憶した温度信号、又は、選択手段13fにて選択された温度信号を受け、シリアル信号又はパラレル信号としてLAN出力端子13o、外部機器出力端子13pに出力する。このとき、上記データ出力部13mはLAN出力端子13oに対しては、例えばRS232C方式の温度データをLAN規格のシリアルデータに変換した上で送出する。また、外部機器出力端子13pに対してはそのまま出力するか他の規格(例えばRS-485)等に変換した上で出力する。
上記LAN出力端子13oには、当該温度測定機能付食材盛付装置1が設置された構内のLAN15が接続されており、当該LAN15にはインターネット17、無線LANルータ18が接続されている。よって、上記LAN15にパーソナコンピュータその他の端末機器等(図示せず)を別の場所にて接続して、上記シリアルデータとしての上記温度信号を上記LAN15を介して上記パーソナルコンピュータにて受信して監視することができる。また、上記外部機器用出力端子13pに外部機器としての例えばパーソナルコンピュータを接続することで、当該パーソナルコンピュータにて上記温度信号を受信して監視することができる。このように構成すると、上記温度測定機能付食材盛付装置1の温度信号を、別の場所のパーソナルコンピュータ等の外部機器で受けることができ、例えば別の場所の外部機器にて温度信号を監視することができる。
また、上記制御部13は、無線LAN通信部13nを有しており、上記データ出力部13mにてLAN規格に変換されたシリアルデータを無線信号にて送信することもできる。上記無線信号は無線LANルータ18を介して受信し得るので、上記LAN15に接続された上記外部機器(例えばパーソナルコンピュータ等)にて、無線LANルータ18を介して上記温度信号を無線で受信して、当該外部機器にて監視することも可能である。さらに、上記LAN15はインターネット17にも接続されているので、インターネット17に接続されたサーバコンピュータを介して、インターネット17を通じて、上記温度信号を携帯端末機器等(スマートフォン、タブレット端末等)にて受信することで、例えば遠く離れた場所にて、上記温度信号を監視することもできる。
さらに図18に示すように、上記無線LAN通信部13nに電子メールを自動的に作成する機能を組み込むことで、電子メールにて離れた場所における携帯端末機器にて、電子メール形式で温度信号を受信することができる。上記無線LAN通信部13nには、電子メールを作成する電子メール作成用アプリケーションプログラム(以下、「電子メールアプリ」という)16b、メールアドレス記憶部16c、電子メール作成部16a、無線送信部16dを有している。上記電子メール作成部16aに上記データ出力部13mからLAN規格の温度データが順次入力すると、上記電子メールアプリ16bが起動され、メール作成部16aにて、添付ファイルとして温度データが記録されたデータファイルが作成される。その後、電子メールに上記データファイルが添付されることで電子メールが作成され、上記メールアドレス記憶部16cに記憶されているメールアドレスに向けて、当該電子メールが無線送信部16dから送信される。
上記電子メールは無線LANルータ18を介してインターネット17に送信され、インターネットプロバイダを介してメールアドレス先の携帯端末機器等に向けて送信される。よって、上記携帯端末機器等において、受信した電子メールを開くことにより、上記温度信号を監視することができる。勿論、上記外部機器用出力端子13pに接続されたパーソナルコンピュータ、上記LAN15に接続されたパーソナルコンピュータの電子メール送信機能を利用して、他の機器に上記温度データが添付された電子メールを送信しても良い。尚、図17のように外部機器用出力端子13p、LAN出力端子13o、無線LAN送信部13nを設ける場合、温度測定機能付食材盛付装置1自体には、表示部12a、警告表示部12cは必ずしも設ける必要はないが、設けても差し支えない。
本発明によれば、温度センサ(非接触式、接触式)により、上記食材出口2aから容器6に食材が落下供給されるまでの食材供給時間において、落下供給される上記食材、及び/又は、容器に供給された食材の温度を測定することができるため、容器6に供給された食材の温度を正確に測定し得ると共に、表示部12aにて容易にその温度を確認することができる。
また、非接触温度センサ9によると、落下中の食材、及び/又は容器に供給された食材について非接触にて温度を測定できるため、食材の種類に拘わらずその温度を測定することができる。また、食材落下経路Sにおいて落下中の食材、及び/又は、容器に供給された食材の温度を測定し、その内の温度、例えば最も高い温度又は平均温度等を表示部12aに表示し得るので、従来のように検出温度が低く出ることもなく、正確な食材の温度を測定することができる。
また、食材が所定重量に到達した複数時点での最も高い温度を基準に、表示部12aに表示する温度を決定できるので、食材供給時間の最初の方だけの食材温度、或いは、食材供給時間の最後の方の食材温度ではなく、食材供給時間の全体を使用して、食材の温度を正確に測定することができる。
また、温度検出手段13aで検出された複数の温度の平均の温度を表示部12aに表示し得るので、温度が極端に低く出ることもなく、正確な温度を表示部に表示することができる。
また、上記食材落下経路Sを落下中の食材R1のみならず、容器6内に落下供給された食材R2の温度をも検出し得るため、より広い範囲の食材の箇所の温度を測定し、その中から表示すべき温度を選択することができる。
また、食材落下経路Sを落下する食材、及び/又は、容器に供給された食材の温度を非接触にて測定することが可能であるため、食材の種類に拘わらず温度測定が可能となる。
また、上記食材落下経路Sを落下中の食材のみならず、容器6内に落下供給された食材R2の温度をも非接触で検出し表示し得るため、より広い範囲の食材の箇所の温度を測定し、その中から表示すべき温度を選択することができる。
また、非接触温度センサ9の受光部9aから遠ざかる方向に空気流が形成されるため、例えば食材としての飯の蒸気が非接触温度センサの受光部に当たり、受光部9aに結露が生ずるのを防止して、正確な温度を測定することが可能となる。これにより、非接触温度センサ9の受光部9aをより食材に近い位置に固定することができ、より正確な食材の温度を測定することができる。
また、警告表示がなされた場合に、操作者は、食材の温度が異常に高いことを容易に知ることができる。
また、警告表示がなされた場合に、操作者は、食材の温度が異常に低いことを容易に知ることができる。
また、例えば他のパーソナルコンピュータ等の端末機器を温度測定機能付食材盛付装置とは別の場所に設置して、当該端末機器にて受信した温度信号を表示して食材温度を監視することができる。
また、温度信号が記録された電子メールを、温度測定機能付食材盛付装置が設置された場所とは離れた場所において、例えば、携帯型端末機器、携帯電話等にて上記温度信号を監視することができる。
また、温度信号を、温度測定機能付食材盛付装置が設置された場所とは離れた場所において、ネットワークを介して携帯型端末機器、携帯電話等にて上記温度信号を監視することができる。
上記実施形態では、検出した温度の内の最も高い温度、又は、検出した温度の内の平均温度を表示するようにしたが、その他、測定温度を基準として各種の温度を表示することも可能である。また、上記ピークホールドの間隔は5msecとしたが、この間隔は任意に決定することができる。また、赤外線温度センサ9の視野角は15度としたが、視野角もこれに限定されない。
また、図13の実施形態では、一旦ピークホールドした温度に基づいて平均温度を検出したが、ピークホールドすることなく、複数の検出温度に基づいて平均温度を検出し得るように構成しても良い。
また、赤外線温度センサ9及び接触式の温度センサ9’,9”は、温度センサ取付機枠8に固定した場合を説明したが、上記機枠8に角度変化可能に回動し得るように設け、落下中の食材R1のみの温度を検出可能とした角度と、上記食材R1と容器6内の食材R2の両方の温度を検出可能となる角度とを角度変更可能に設けてもよい。
また、接触式又は非接触式の温度センサ9,9’,9”は、落下中の食材R1のみを測定する温度センサ9,9”と、容器6内の食材R2のみを測定する温度センサの両方を上記機枠8に設けても良い。
また、接触式の温度センサ9’はプローブ9aが容器6内に挿入されるため、容器6の設置、取り出し時に、容器6が当たって、温度センサ9’の角度が変更されることが考えられるが、角度が変更されても、バネ等で当初の測定位置(図15の温度センサ9’の位置)に戻ることができるように、上記機枠8にフレキシブルな状態で設けても良い。
本発明の温度測定機能付食材盛付装置1は、表示部12aのみを有するもの、警告表示部12cのみを有するもの、表示部12aと警告表示部12cの両方を有するものの何れであって良い。また、LAN出力端子13o、外部機器出力端子13p、無線LAN通信部13nを有する実施形態のものは、表示部12a又は警告表示部12cを何れも設けなくても良いし、何れかを設けても良いし、両方設ける構成であっても良い。