JP7155378B2 - 三次元造形物形成方法 - Google Patents

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本発明の実施形態は、三次元造形物形成装置および三次元造形物形成方法に関する。
従来、例えば3Dプリンタとも呼ばれる三次元造形物形成装置が知られている。三次元造形物の形成方法の一つに、インクジェット方式がある。インクジェット方式の三次元造形物形成装置は、インクジェットヘッドから造形材(モデル材)を所定の位置に吐出し、硬化させることを繰り返して目的とする造形物を形成する。
造形物は、例えば工業製品,日用品や玩具など種類が多岐に亘り、形状も多種多様である。インクジェット方式の三次元造形物形成装置の場合、多種多様な形状のうちオーバーハングの部分又は天井の部分を形成するには造形材を支持する支持部(サポート部)が必要である。支持部は、支持部用のインクジェットヘッドから支持材(サポート材)を吐出し、硬化させて形成する。支持部は、造形物を形成し終えると除去される。支持部を除去可能なように、例えば樹脂や重合体などのうち水又は溶剤に溶け易い材料、或いは、例えばワックスや蝋など加熱溶融し易い材料が支持材に用いられる。
支持材として、例えば樹脂や重合体などのうち水又は溶剤に溶け易い材料を選択した場合、同じく樹脂を主体として形成される造形物との密着性が高く、造形物に支持材が付着残りすることがある。一方、支持材として、例えばワックスや蝋など加熱溶融し易い材料を選択した場合、溶融除去するのに比較的長時間を要することがある。長時間の加熱を行うと、造形物が熱変形を起こす懸念がある。
米国特許第6569373号明細書 米国特許第6863859号明細書 日本国特許第5972335号 日本国特開2016-132773
本発明が解決しようとする課題は、造形物からの剥離性に優れ、且つ、除去に要する時間を短縮することのできる支持部で造形物を支持した三次元造形物を形成することのできる三次元造形物形成装置および三次元造形物形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、実施形態の三次元造形物形成方法は、造形物の材料である造形材を積層し、硬化させて造形物を形成する工程と、前記造形物とは非相溶の熱溶融性材料と熱可塑性樹脂を含む第1支持材を積層し、硬化させて前記造形物の表面に接する第1支持部を形成する工程と、前記第1支持材とは硬化後の溶解特性が異なる水溶性材料を含む第2支持材を前記第1支持部の表面に接するように積層し、硬化させて前記第1支持部を介在して前記造形物を支持する第2支持部を形成する工程と、前記造形物、前記第1支持部および前記第2支持部を形成した後、前記第2支持部を水に溶解させて除去してから、加熱処理により前記第1支持部を除去する工程と、を含む。
実施形態の三次元造形物形成装置の概略構成を示す斜視図である。 実施形態の三次元造形物形成装置のインクジェットヘッドユニットを示す斜視図である。 実施形態の三次元造形物形成装置の制御系のブロック図である。 実施形態の三次元造形物形成装置で造形物、第1支持部及び第2支持部を形成する工程を示す説明図である。 実施形態の第1支持部及び第2支持部を除去して造形物を取り出す工程を示す説明図である。 実施形態の三次元造形物形成装置で形成する三次元造形物の他の一例である。
以下、実施形態に従う三次元造形物形成装置について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。なお、各図において、同一構成については同一の符号を付す。
図1は、実施形態の三次元造形物形成装置の一例として、インクジェット方式の3Dプリンタ1の概略構成を示す。図2は、3Dプリンタ1が備えるインクジェットヘッドユニット2の概略構成を示す。図3は、3Dプリンタ1の制御系のブロック図である。
さらに、図1には、3Dプリンタ1で形成する三次元造形物3の一例として、正面からみると「Tの字」の形状の目的対象造形物(図5参照)31を、第1支持部32及び第2支持部33で支持した形状を示している。第1支持部32は、目的対象造形物31の表面と接している。第2支持部33は、第1支持部32を介在して目的対象造形物31を支持している。第1支持部32は、第2支持部33よりも容積が小さくなるように厚みを小さく設定している。目的対象造形物31、第1支持部32及び第2支持部33は、いずれもインクジェット方式で形成される。第1支持部32及び第2支持部33は、目的対象造形物31と一体的に形成された後、三次元造形物3から目的対象造形物31を取り出す際に除去される。
第1支持部32の材料である第1支持材は、造形材が硬化して形成される目的対象造形物31とは混ざらない非相溶の成分で構成されている。相溶の成分で構成された材料を用いると、目的対象造形物31の表面との境界を例えばドットレベルで規定するのが難しく、さらに第1支持部32を除去するときの目的対象造形物31からの剥離性が悪いからである。第1支持部32の厚みは、インクジェットヘッドユニット2から吐出される1ドットの直径よりも大きく、第2支持部33の厚みよりも小さい。第2支持部33の材料である第2支持材は、第1支持材とは硬化後の溶解特性が異なる成分で構成されている。第1支持材と第2支持材は非相溶であることが好ましい。一例として、第1支持材の材料として熱溶融性材料を用い、第2支持材の材料として水溶性材料を用いる。第2支持材は、水溶性に代えて水以外の溶媒に溶解性を示す材料であってもよい。或いは、第2支持材として、第1支持材とは融点が異なる熱溶融性材料を用いてもよい。このように、三次元造形物3の支持部は、溶解特性が異なる2つの支持部32,33によって構成されている。第1支持材及び第2支持材の材料の具体例は後述する。
続いて、3Dプリンタ1の構成について説明する。図1~図3に示すように、3Dプリンタ1は、三次元造形物3を支持するステージ11、ステージ11の上方位置に配置されるインクジェットヘッドユニット2を備えている。3Dプリンタ1は、ステージ11とインクジェットヘッドユニット2の相対的な位置関係を可変に制御して、インクジェットヘッドユニットユニット2から吐出される造形材、第1支持材及び第2支持材を階層的に積み重ねていくことによって三次元造形物3を形成する。ステージ11及びインクジェットヘッドユニット2は、プロセス空間を形成する例えば箱型のケース10の内部に収容されている。
インクジェットヘッドユニット2は、キャリッジ21に保持されている。キャリッジ21は、駆動装置の一例である主走査駆動モータ41を備えており、主走査方向(X方向)に配置されたガイド22に沿って移動自在になっている。キャリッジ21は、3Dプリンタ1の制御部4から出力される位置制御情報に従って、インクジェットヘッドユニット2を主走査方向の所定の位置に自在に移動させる。ステージ11は、ステージ用のキャリッジ12の上面に支持されている。キャリッジ12は、駆動装置の一例である副走査駆動モータ42を備えており、副走査方向(Y方向)に配置されたガイド13に沿ってステージ11を移動させる。キャリッジ12は、3Dプリンタ1の制御部4から出力される位置制御情報に従って、ステージ11を副走査方向の所定の位置に自在に移動させる。ステージ11は、さらにキャリッジ12を介して昇降装置14に支持されている。昇降装置14は、駆動装置の一例である昇降駆動モータ43を備えており、高さ方向(Z方向)に配置されたガイド15に沿ってステージ11を移動させる。昇降装置14は、3Dプリンタ1の制御部4から出力される位置制御情報に従って、ステージ11を高さ方向の所定の位置に自在に移動させる。なお、ステージ11を高さ方向に移動させる構成に代えて、インクジェットヘッドユニット2を高さ方向に移動させるようにしてもよい。
インクジェットヘッドユニット2は、造形材吐出ヘッド5、第1支持材吐出ヘッド6、第2支持材吐出ヘッド7を備えている。造形材吐出ヘッド5は、目的対象造形物31の材料である造形材の液滴を吐出する。第1支持材吐出ヘッド6は、例えば熱溶融性材料を主成分として含有する第1支持材の液滴を吐出する。第2支持材吐出ヘッド7は、例えば水溶性材料を主成分として含有する第2支持材の液滴を吐出する。造形材吐出ヘッド5、第1支持材吐出ヘッド6及び第2支持材吐出ヘッド7には、流路を介して造形材タンク51、第1支持材タンク61及び第2支持材タンク71が夫々接続されている。各タンク51,61,71に貯留された液状の材料は、送液装置の一例であるポンプ(不図示)によって各吐出ヘッド5,6,7に供給される。各タンク51,61,71は、例えば樹脂製又は金属製の矩形状のタンクである。液状の材料が流れる流路52,62,72は、例えばフレキシブルなチューブである。第1支持材として例えば熱溶融性材料を用いる場合、材料が液体状態を維持するための保温装置(不図示)を第1支持材タンク61及び流路62に配置する。保温装置は、例えばヒータである。
インクジェットヘッドユニット2は、さらに光照射装置の一例として第1UV光源23及び第2UV光源24を備えている。例えば紫外線(UV)の波長を含む光を照射すると硬化する光硬化性材料を造形材に用いる場合、所望の位置に着弾した造形材に紫外線を照射して硬化させる。支持材の材料として光硬化性材料を採用した場合も同様である。第1UV光源23及び第2UV光源24は、インクジェットヘッドユニット2の主走査方向(X方向)の両側に配置されている。第1UV光源23は、主走査方向(X方向)のうち紙面右側に向かってインクジェットヘッドユニット2を走査する際に、紫外線を照射する。
第2UV光源24は、主走査方向(X方向)のうち紙面左側に向かってインクジェットヘッドユニット2を走査する際に、紫外線を照射する。なお、電子線(EB)を照射すると硬化する電子線硬化タイプの材料を用いる場合、UV光源に代えて電子線照射装置を配置する。
造形材吐出ヘッド5、第1支持材吐出ヘッド6及び第2支持材吐出ヘッド7に用いるインクジェットヘッドは、例えばドロップオンデマンド・ピエゾ方式、シェアウォールタイプ、シェアモードタイプのいずれかの吐出方式のアクチュエータ58,68,78を備えたインクジェットヘッドを用いることができる。各吐出ヘッド5,6,7は、特に図2に示すように、外形が概ね矩形状になっており、長辺が副走査方向(Y方向)に沿うように配置されている。各吐出ヘッド5,6,7の大きさは、一例として、長さ80~90mm、幅60~70mm、厚み20~30mmである。各吐出ヘッド5,6,7の底面に配置されたノズルプレート53,63,73には吐出孔であるノズル(不図示)が形成されている。ノズルの密度は、例えば150~1200dpiの範囲内で形成されている。各吐出ヘッド5,6,7は、例えば容量が1~180ピコリットルの範囲内の液滴を例えば1~15ドロップの範囲内で吐出して、例えば150~1200dpiのドットを形成することのできるインクジェットヘッドを用いる。第1支持材として例えば熱溶融性材料を用いる場合、材料が液体状態を維持するための保温装置(不図示)を第1支持材吐出ヘッド6に配置する。保温装置は、例えば温水などの温度調整水が内部を流れる保温部材である。
第1UV光源23及び第2UV光源24は、底面に紫外線(UV)の波長を含む光を照射する照射面23a,24aが配置されている。第1UV光源23及び第2UV光源24は、同じ構造である。
3Dプリンタ1の制御部4は、特に図3に示すように、CPU44、ROM45、RAM46、造形層・支持層データメモリ47、I/Oポート48を備えている。CPU44、ROM45、RAM46、造形層・支持層データメモリ47、I/Oポート48は、例えば3Dプリンタ1の内部に配置される制御基板である。CPU44は、入出力ポートであるI/Oポート48を通して、駆動系のデバイスを制御する。一例として、CPU44は、例えばステージ11とインクジェットヘッドユニット2の時系列の位置データを主走査駆動回路41A、副走査駆動回路42A、昇降駆動回路43Aに夫々送る。主走査駆動回路41A、副走査駆動回路42A、昇降駆動回路43Aは、時系列の位置データに基づいて主走査駆動モータ41、副走査駆動モータ42、昇降駆動モータ43の起動及び停止を夫々制御する。また、CPU44は、I/Oポート48を通して、第1UV光源23及び第2UV光源24などの造形系のデバイスの起動及び停止を制御する。さらに、CPU44は、I/Oポート48を通して、ユーザインターフェースである3Dプリンタの操作部16、3Dプリンタ1の各センサ17を制御する。
ROM45は、CPU44が実行するプログラム及び各種制御条件などの情報を格納している。CPU44は、プログラム及び各種制御条件を読み出して、3Dプリンタ1の全体動作の制御を実行する。RAM46は、例えばコンピュータ等の外部機器から送られてくる三次元造形物3の形状のデータを格納する。三次元造形物3の形状のデータは、一例として、CADシステムによって作成される。或いは実物を三次元測定システムで実測した結果に基づいて作成される。勿論、他の方法で作成してもよい。三次元造形物3の形状のデータは、例えば有線通信又は無線通信を介して3Dプリンタ1に送られる。外部機器から送られてくるデータが目的対象造形物31の形状のみの場合、3Dプリンタ1の制御部4が目的対象造形物31の形状を解析して第1支持部32及び第2支持部33の形状を決定するようにプログラムを構成してもよい。
CPU44は、三次元造形物3の形状のデータに基づき、三次元造形物3を水平面でスライスした多層構造のデータを生成する(図4参照)。スライスする厚みは、例えばインクジェットヘッドユニット2から吐出される1ドットの直径と同じか、又は1ドットの直径よりも大きく設定される。さらに、CPU44は、生成した全ての層の平面に対して、面内にある目的対象造形物31の領域、第1支持部32の領域及び第2支持部33の領域を例えばドット単位に分割し、各吐出ヘッド5,6,7から吐出する液滴の着弾位置を設定する。このように生成された各層ごとのデータは、造形層・支持層データメモリ47に格納される。
造形層・支持層データメモリ47に格納した各層ごとのデータは、各吐出ヘッド5,6,7に夫々送られる。すなわち、各層ごとの造形材を吐出する例えばドット単位の領域のデータ、第1支持材を吐出する例えばドット単位の領域のデータ、第2支持材を吐出する例えばドット単位の領域のデータが、各吐出ヘッド5,6,7の駆動回路54,64,74に夫々送られる。
各吐出ヘッド5,6,7の駆動回路54,64,74は、データバッファ55,65,75、デコーダ56,66,76、ドライバ57,67,77を夫々備えている。データバッファ55,65,75は、時系列の吐出データを保存する。時系列の吐出データは、ステージ11とインクジェットヘッドユニット2の時系列の位置データと同期される。デコーダ56,66,76は、時系列の吐出データに基づいて、ドライバ57,67,77を制御する。ドライバ57,67,77は、デコーダ56,66,76の制御に基づいてアクチュエータ58,68,78を動作させる電気信号Vを出力する。電気信号Vは、ノズルプレート53,63,73の所定のノズルから液滴を吐出するための駆動力としてアクチュエータ58,68,78に印加する電圧である。
続いて、造形材、第1支持材及び第2支持材の一例について説明する。造形材は、光硬化性樹脂であるモノマー又はオリゴマーを主成分として含有し、さらに光重合開始剤を含んでいる。追加的に、安定剤、フィラー、顔料などの添加物を含んでいてもよい。光硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレート、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ジメチルアミノエチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチルなどが一例として挙げられる。光重合開始剤としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニルプロパンなどが一例として挙げられる。造形材は、例えば1~100[mPa・s]、好ましくは5~40[mPa・s]の粘度の液滴が吐出されるように調整される。
第1支持材は、少なくとも融点が常温又はケース内の温度よりも高い熱溶融性材料である。一例として、融点が40~100℃の範囲内にあるワックスや蝋などの熱溶融性油脂である。ワックス、蝋などの熱溶融性油脂としては、石油由来のワックスであるパラフィンワックス、マイクロクリスタレンワックスなど、植物由来のワックスであるカルナバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、ライスワックスなど、動物由来のワックスである蜜蝋、ウールワックスなど、鉱物由来のワックスであるモンタンワックスなど、合成ワックスであるフィッシャー・トロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸アミド、ジヘプタデシルケトンなどが一例として挙げられる。第1支持材は、例えば吐出する際の液状のときの粘度が1~100[mPa・s]、好ましくは5~40[mPa・s]である。
第1支持材は、ワックス、蝋などの熱溶融性油脂と相溶する熱可塑性樹脂を例えば1~20%含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アセタール樹脂、フッ素樹脂、芳香族石油樹脂、水素化石油樹脂などが一例として挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば熱溶融性油脂の融解時の粘度が低い場合に、粘度調整剤として混合される。
第1支持材は、さらに平均粒子径(D50)が例えば1nm~200nmの粒子を含んでいてもよい。粒子としては、シリカ、アルミナなどのフィラー、有機顔料、無機顔料などの着色材などが一例として挙げられる。
第2支持材は、例えば1~99%が水溶性化合物である。水溶性化合物としては、水溶性ポリエステル樹脂、スチレンマレイン酸ハーフエステル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、水溶性ナイロン樹脂、および、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムなどの高級脂肪酸塩などが一例として挙げられる。水溶性化合物以外の成分として、例えば光硬化化合物を含むことができる。
次に、実施形態の三次元造形物3の形成方法の一例として、3Dプリンタ1で三次元造形物3を形成する流れについて説明する。図4は、三次元造形物3が形成されていく時系列の様子を模式的に示している。CPU44は、三次元造形物3の形状のデータに基づき、三次元造形物3を水平面でスライスした多層構造のデータを生成し、さらに生成した全ての層に対して各吐出ヘッド5,6,7から吐出する液滴の着弾位置を設定する。生成された各層ごとのデータは、造形層・支持層データメモリ47に格納され、さらに各吐出ノズル5,6,7の駆動回路54,64,74に送られる。また、CPU44は、時系列の吐出データと同期するステージ11とインクジェットヘッドユニット2の時系列の位置データを各駆動回路41A,42A,43Aに送る。
キャリッジ21に保持されたインクジェットヘッドユニット2は、時系列の位置データに従って主走査方向に走査される。造形材吐出ヘッド5は、時系列の位置データと同期する時系列の吐出データに従って複数のノズルのうち所定のノズルから所定のタイミングで造形材の液滴を吐出する。吐出された造形材の液滴は、造形材層を形成する所定の位置に着弾する。但し、ステージ11との剥離性を確保するために、最下層N1には下地となる第1支持材層32aを形成し、造形層は、第2層目N2の造形層32bから造形するのが好ましい。この主走査方向に走査しながらの造形材の吐出動作を、ステージ11を副走査方向にずらしながら繰り返すことにより、ステージ上に造形材層32bを形成する。ステージ11上に形成される造形材層32bは、第1UV光源23又は第2UV光源24から照射される紫外線によって例えば重合反応が進行して硬化する。なお、紫外線の照射量又は照射時間などを調整することによって硬化の程度を調整することができる。
造形材を吐出しながらインクジェットヘッドユニット2が走査している最中、第1支持材吐出ヘッド6も、時系列の位置データと同期する時系列の吐出データに従って複数のノズルのうち所定のノズルから所定のタイミングで第1造形材の液滴を吐出する。吐出された第1支持材の液滴は、最下層N1の第1支持材層32aを形成する所定の位置に着弾する。この主走査方向に走査しながらの第1支持材の吐出動作を、ステージを副走査方向にずらしながら繰り返すことにより、ステージ11上に最下層N1の第1支持材層32aの全体を形成する。熱溶融性材料である第1支持材は、常温又はケース内の温度まで冷えて融点以下になることで硬化する。例えばケース内の温度を調整することによって、第1支持材層32aの硬化の程度を調整することができる。また、着弾後の硬化を早めるために、例えばケース10内に冷却装置を設けるようにしてもよい。
造形材及び第1支持材を吐出しながらインクジェットヘッドユニット2が走査している最中、第2支持材吐出ヘッド7も、時系列の位置データと同期する時系列の吐出データに従って複数のノズルのうち所定のノズルから所定のタイミングで第2造形材の液滴を吐出する。吐出された第2支持材の液滴は、最下層N1の第2支持材層33aを形成する所定の位置に着弾する。この主走査方向に走査しながらの第2支持材の吐出動作を、ステージ11を副走査方向にずらしながら繰り返すことにより、ステージ11上に最下層N1の第2支持材層33aの全体を形成する。ステージ11上に形成される第2支持材層33aは、第1UV光源23又は第2UV光源24から照射される紫外線によって例えば重合反応が進行して硬化する。紫外線の照射量又は照射時間などを調整することによって硬化の程度を調整することができる。
このように、吐出データ及び位置データに基づいて、最下層N1が形成される。最下層N1が形成されると、続いて最下層N1の上に第2層目N2の造形材層31b、第1支持材層32b及び第2支持材層33bを形成するために、位置データに基づいてステージ11が1段階下げられる。そして、最下層N1と同様の吐出動作を実行して、第2層目N2の造形材層31b、第1支持材層32b及び第2支持材層33bを形成する。なお、例えば三次元造形物3の最上層Nのように、層内に第1支持材層及び第2支持材層が含まれない場合がある。最上層Nのように造形材層31nのみで構成されているときには、造形材吐出ヘッド5の吐出動作のみ実行する。
第Nn層目まで積層が進むと、目的対象造形物31のオーバーハングしている「Tの字」の裏面と接する第1支持材層32nが形成される。そして、この第1支持材層32nの上に目的対象造形物3の「Tの字」の部分が形成され、最上層Nまで積層することによって三次元造形物3の全体が完成する。
三次元造形物3が完成すると、第1支持部32及び第2支持部33を除去して目的対象造形物31を取り出す。第1支持部32及び第2支持部33を除去する流れについて、図5を参照しながら説明する。図5は、第1支持部32及び第2支持部33を除去する時系列の様子を模式的に示している。第1支持部32及び第2支持部33の除去は、三次元造形物3を3Dプリンタ1から取り出してから実行される。まず、第2支持部33を除去する。第2支持部33は、例えば水を貯留するタンク又は水槽内に三次元造形物3を浸漬させて水に溶解させることで除去される。水槽内に液流を形成するよう撹拌してもよい。水への浸漬に代えて、三次元造形物3に向けて水噴射装置から水を噴射して第2支持部33を溶解させるようにしてもよい。第2支持部33は、第1支持部32よりも厚みがあり容積も大きいが、水に溶解させることで除去できるので加熱溶融に比べると短い時間で除去することができる。
第2支持部33が除去されると、次に第1支持部32を除去する加熱処理を行う。加熱処理の温度は、第1支持部32を構成する熱溶融性材料の融点よりも高い温度であって、且つ、目的対象造形物31の熱変形温度よりも低い温度に設定する。加熱処理は、例えばヒータを備えた恒温器内に三次元造形物3を所定時間配置する。溶けた材料は、回収して再使用するようにしてもよい。恒温器に代えて、例えば加熱処理温度にまで加温した溶媒を貯留するタンク又は液槽に三次元造形物3を浸漬させてもよい。この場合、溶媒は、例えば溶けた熱溶融性材料と相溶の液体を用いる。第1支持材は、目的対象造形物とは混ざらない非相溶の熱溶融性材料であるので目的対象造形物31からの剥離性が良く、樹脂材に比べて付着残りが少ない。さらに、第1支持部32は、容積が小さくなるよう厚みを小さく設定しているので、その分、除去に要する時間が短くできる。
なお、他の例として、グラス形状の目的対象造形物8を形成する場合、図6に模式的に示すように、ステム81の外周からボウル82の下部に亘って第1支持部83を形成し、第1支持部83を介在してボウル82の下部を支持するように第2支持部84を形成する。さらに、ボウル82の内周面が内側に向かってオーバーハングしている部分にも第1支持部85を形成し、第1支持部85を介在してボウル82の内周面を支持するように第2支持部86を形成する。このような目的対象構造物8に対しても、目的対象構造物8と接するように第1支持部83,85を形成し、さらに第1支持部83,85を介在して目的対象構造物8を支持するように第2支持部84,86を形成して三次元造形物とする。
勿論、目的対象構造物の形状は、図1、図4~図6に示した形状に限らない。さらに、支持部は、第1支持部と第2支持部の2層に限らない。例えば、溶解特性の異なる材料で第3支持部を形成するようにしてもよい。
以上、説明した実施形態のいずれかによれば、造形材が硬化して形成される目的対象造形物31,8とは非相溶の第1支持材によって目的対象造形物31,8の表面に接する第1支持部32,83,85を形成し、第1支持材とは硬化後の溶解特性が異なる第2支持材によって、第1支持部32,83,85を介在して目的対象造形物31,8を支持する第2支持部33,84,86を形成することにより、目的対象造形物31,8からの剥離性に優れ、且つ、除去に要する時間を短縮することのできる支持部32,33,83,84,85,86で目的対象造形物31,8を支持した三次元造形物を形成することができる。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 3Dプリンタ
3 三次元造形物
31 目的対象造形物
32 第1支持部
33 第2支持部
4 制御部
5 造形材吐出ヘッド
6 第1支持材吐出ヘッド
7 第2支持材吐出ヘッド

Claims (3)

  1. 造形物の材料である造形材を積層し、硬化させて造形物を形成する工程と、
    前記造形物とは非相溶の熱溶融性材料と熱可塑性樹脂を含む第1支持材を積層し、硬化させて前記造形物の表面に接する第1支持部を形成する工程と、
    前記第1支持材とは硬化後の溶解特性が異なる水溶性材料を含む第2支持材を前記第1支持部の表面に接するように積層し、硬化させて前記第1支持部を介在して前記造形物を支持する第2支持部を形成する工程と、
    前記造形物、前記第1支持部および前記第2支持部を形成した後、前記第2支持部を水に溶解させて除去してから、加熱処理により前記第1支持部を除去する工程と、を含む三次元造形物形成方法。
  2. 前記第1支持部は、容積が前記第2支持部よりも小さい請求項1に記載の三次元造形物形成方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、前記熱溶融性材料と相溶である請求項1又は2に記載の三次元造形物形成方法。
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