JP7152901B2 - 押出成形セメント組成物用添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は、押出成形セメント組成物用添加剤に関する。より詳しくは、低品質のフライアッシュを配合したセメント押出成形物の表面状態や押出性を改善する押出成形セメント組成物用添加剤に関する。
従来、セメント系押出成形用組成物は、珪砂や珪石粉等の珪酸質原料を使用し、高温高圧養生を行うことにより高強度化している。近年、産業副産物の有効利用の促進および資源保護の観点から、石炭火力発電所等から発生する石炭灰あるいはフライアッシュが珪酸質原料として利用されている。高品質のフライアッシュは球形の微粒子であるため、ベアリング効果により混練物に流動性を付与し、また押出成形時の抵抗が小さくなり成形し易いといった種々の効果を有する。
しかし、原子力発電から火力発電へのエネルギー転換が進み、火力発電所から産出されるフライアッシュは、低品位炭を含め、使用炭種が多様化しており、非球形粒子の割合が多くなる傾向にある。また、各火力発電所によってボイラーの特性や使用する炭種が異なるため、火力発電所ごとにフライアッシュの品質が相違することが指摘されている。その為、押出成形セメント製品に使用されるフライアッシュの品質の変動の影響を受け、混練物の流動性にばらつきが生じ、押出成形セメント製品の成形性や表面平滑性を低下させる問題が生じているのが現状である。
これらの問題を改善するため、セルロース系増粘剤や各種添加剤(特許文献1~3参照)を増量することが考えられるが、フライアッシュの品質によっては効果が得られないばかりか、粘度が上昇して押出速度が低下し、かえって逆効果となりかねない。
特開平6-100347号公報 特開2001-253743号公報 国際公開2005/123625号パンフレット
本発明の目的は、低品質のフライアッシュを配合したセメント組成物の押出性及び押出成形物の表面状態を改善する押出成形セメント組成物用添加剤を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、所定の硫酸エステル塩を押出成形セメント組成物に添加することで、その混練物の流動性と、押出成形物の押出性及び表面状態を改善することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]下記化学式(1)で表される硫酸エステル塩(A)、及び下記化学式(2)で表される硫酸エステル塩(B)を含有する、押出成形セメント組成物用添加剤。
-O-(AO)n1-SO (1)
-O-(AO)n2-SO (2)
(式中、Rは炭素数1~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基、RはRと炭素数が2以上異なる炭素数1~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基であり、AO、AOはそれぞれ独立して炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、n、nはそれぞれ独立して0~30の整数であり、M、Mはそれぞれ独立してアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
[2]硫酸エステル塩(A)と硫酸エステル塩(B)とを、質量基準で(A)/(B)=10/90~90/10の割合で含有する、[1]に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
[3]さらに硫酸エステル塩(A)、硫酸エステル塩(B)とは異なる下記化学式(3)で表される硫酸エステル塩(C)を含有する、[1]又は[2]に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
-O-(AO)n3-SO (3)
(式中、Rは炭素数1~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基であり、AO炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、nは0~30の整数であり、Mはアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
[4]さらに減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、硬化促進剤、消泡剤、急結剤、硬化遅延剤及び防錆剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する、[1]~[3]のいずれか1項に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
[5]さらにポリカルボン酸系減水剤を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の押出成形セメント組成物用添加剤を含有する、押出成形セメント組成物。
[7]さらに水硬性物質、珪酸質原料及び水を含有するものである、[6]に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
[8]前記珪酸質原料が、フライアッシュを含有するものである、[7]に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
[9][6]~[8]のいずれかに記載の押出成形セメント組成物の押出成形物を硬化させてなるセメント製品。
に関するものである。
本発明の押出成形セメント組成物用添加剤を低品質のフライアッシュを配合したセメント組成物に添加することで、その混練物の流動性と、押出性及び押出成形物の表面状態を改善することができる。
以下、本発明の押出成形セメント組成物用添加剤を詳細に説明する。
本発明の押出成形セメント組成物用添加剤は、下記化学式(1)で表される硫酸エステル塩(A)、及び下記化学式(2)で表される硫酸エステル塩(B)を含有することを特徴とするものである。
-O-(AO)n1-SO (1)
-O-(AO)n2-SO (2)
(式中、Rは炭素数1~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基、RはRと炭素数が2以上異なる炭素数1~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基であり、AO、AOはそれぞれ独立して炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、n、nはそれぞれ独立して0~30の整数であり、M、Mはそれぞれ独立してアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
炭素数1~24のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、ノニル基、n-デシル基、1-アダマンチル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基(ミルスチル基)、ヘキサデシル基(パルミチル基)、オクタデシル基(ステアリル基)、イコシル基、ドコシル基(ベヘニル基)、テトラコシル基等が挙げられる。
炭素数2~24のアルケニル基としては、具体的には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、ドコセニル基、テトラコセニル基等が挙げられ、これらは分岐構造、環状構造を有していてもよい。
前記一般式(1)、(2)中のAO、AOはそれぞれ独立して炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシエチレン基、1,2-または1,3-オキシプロピレン基、1,2-、1,3-または1,4-オキシブチレン基が挙げられる。これらの内、好ましいのはオキシエチレン基と1,2-オキシプロピレン基であり、特に好ましいのはオキシエチレン基である。n、nはアルキレンオキサイドの付加モル数であり、0~30の整数であるが、押出性の改善効果の点で好ましくは1~10の整数である。n、nが2以上の場合、n個のAOは同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダム付加、ブロック付加または交互付加のいずれの付加形式でもよい。
前記一般式(1)、(2)中、M、Mはそれぞれ独立してアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられ、第2族金属としては、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等が挙げられる。有機アンモニウムとは、有機アミン由来のアンモニウムであり、前記有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
本発明の押出成形セメント組成物用添加剤中の前記硫酸エステル塩(A)と硫酸エステル塩(B)の含有割合は、質量基準で(A)/(B)=10/90~90/10であれば好ましい。
本発明の押出成形セメント組成物用添加剤は、さらに硫酸エステル塩(A)や硫酸エステル塩(B)とは異なる下記化学式(3)で表される硫酸エステル塩(C)を含有していてもよい。
-O-(AO)n3-SO (3)
(式中、Rは炭素数1~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基であり、AO炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、nは0~30の整数であり、Mはアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
押出成形セメント組成物における上記硫酸エステル塩の配合量は、セメント組成物に良好な押出性を付与する点で、水硬性物質100質量部に対し、好ましくは0.01~1.0質量部であり、更に好ましくは0.02~0.1質量部である。
本発明における押出成形セメント組成物用添加剤には、必要に応じて、高性能減水剤、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、セルロース系増粘剤、繊維材料、硬化促進剤,消泡剤(抑泡剤及び破泡剤)、急結剤、硬化遅延剤、防錆剤、及びポリマーディスパージョン等を含有させることができる。
減水剤(セメント分散剤)としては、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤等の各種減水剤を使用できる。例えば、ポリカルボン酸系共重合体の塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、リグニンスルホン酸塩、グルコン酸ソーダ、糖アルコールなどが挙げられる。
中でも、セメント組成物に流動性を付与する点でポリカルボン酸系減水剤を使用することが好ましい。
ポリカルボン酸系減水剤としては、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)に由来する構成単位と、不飽和カルボン酸系単量体(b)に由来する構成単位を有する共重合体又はその塩が好ましく使用できる。
ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)に由来する構成単位としては、下記一般式(4)で表すことができる。
Figure 0007152901000001
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1乃至22の炭化水素基を表し、Xは-COO-又は-(CHO-を表し、aは1乃至20の整数を表す。AOは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキシ基を表す。pはアルキレンオキシ基の付加モル数で1乃至200の整数を表す。)
上記式(4)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1乃至22の炭化水素基を表し、好ましくは水素原子又は炭素原子数1乃至8のアルキル基、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
Oは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキシ基を表し、具体的にはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基が挙げられる。二種以上のアルキレンオキシ基から構成される場合、これらアルキレンオキシ基はブロック付加又はランダム付加の何れでも良い。
pは上記アルキレンオキシ基の付加モル数で1乃至200の整数を表す。好ましくは5乃至120、より好ましくは10乃至100、更に好ましくは40乃至100である。
ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)としては、具体的には以下のものを例示することができる。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3-ブテン-1-オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3-メチル-3-ブテン-1-オール)アルキレンオキシド付加物、3-メチル-2-ブテン-1-オールアルキレンオキシド付加物、2-メチル-3-ブテン-2-オールアルキレンオキシド付加物、2-メチル-2-ブテン-1-オールアルキレンオキシド付加物、2-メチル-3-ブテン-1-オールアルキレンオキシド付加物等の不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物。なお本発明では、(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの両方をいい、(メタ)アリルアルコールとはアリルアルコールとメタリルアルコールの両方をいう。
上記不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び不飽和脂肪酸並びにそれらの酸無水物、例えば無水マレイン酸を表す。このうち、特にメタクリル酸が好ましい。
ポリカルボン酸系減水剤において、上記単量体(a)、(b)以外で共重合可能な単量体(c)としては、以下の公知の単量体を挙げることができる;(1)(非)水系単量体類:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、スチレンなど;(2)アニオン系単量体類:ビニルスルホン酸塩、スチレンスルホン酸塩、メタクリル酸リン酸エステルなど;(3)アミド系単量体類:アクリルアミド、アクリルアミドのアルキレンオキサイド付加物など、(4)ポリアミドポリアミン系単量体:ポリアミドポリアミンと(メタ)アクリル酸の縮合物に、必要に応じてアルキレンオキサイドを付加した化合物。
前記単量体(a)乃至(c)の共重合比は質量基準で(a):(b):(c)=50~95:5~50:0~40が好ましく、(a):(b):(c)=70~90:10~30:0~20がより好ましい。
上記ポリカルボン酸系減水剤の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合開始剤を用いての溶液重合や塊状重合等の公知の重合方法が使用できる。また分子量は特に限定されないが、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、ポリエチレングリコール換算)で5,000乃至100,000の範囲にあることが、良好な分散性発現の観点から好ましい。
また、上記ポリカルボン酸系減水剤は、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、アルキルアミン、有機アミン類などの中和剤によって、予め部分中和、或いは完全中和された形態として、本発明の押出成形セメント組成物用添加剤に含有されることが好ましい。
押出成形セメント組成物における減水剤の配合量は、水硬性物質、珪酸質原料及び骨材の合計質量100質量部に対し、好ましくは0.1~100質量部であり、更に好ましくは0.5~50質量部、特に好ましくは1~20質量部である。
公知のセメント用混和材及び混和剤の添加量は、各々の添加剤について効果が発揮される適切な量を加えればよい。
セルロース系増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
押出成形セメント組成物におけるセルロース系増粘剤の配合量は、水硬性物質、珪酸質原料及び骨材の合計質量100質量部に対し、好ましくは0.05~10質量部であり、更に好ましくは0.1~5質量部、特に好ましくは0.2~3質量部、最も好ましくは0.3~2質量部である。
上記の範囲であれば、押出成形品の生産性が向上するため好ましい。
繊維材料としては、バージンパルプや故紙パルプ、鉱物繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
押出成形セメント組成物における繊維材料の配合量は、水硬性物質、珪酸質原料及び骨材の合計質量100質量部に対し、好ましくは0.05~50質量部であり、更に好ましくは0.1~40質量部、特に好ましくは0.2~30質量部である。
上記の範囲であれば、押出成形品の強度が向上するため好ましい。
本発明において押出成形セメント組成物としては、水硬性物質、珪酸質原料及び水を含有してなるものが挙げられ、それらに加え、更に、セルロース系増粘剤や繊維材料等を含有してなるものが挙げられる。
水硬性物質としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、着色セメント、石膏等が挙げられる。
押出成形セメント組成物における水硬性物質の含有率は、押出成形セメント組成物の質量に基づき、好ましくは5~90質量%であり、更に好ましくは10~70質量%、特に好ましくは15~50質量%である。
珪酸質原料としては、珪石粉末、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、ポゾラン等が挙げられる。これらの中でも、特に好ましくはフライアッシュであるが、コンクリート用フライアッシュとしてJIS A6201に規定されるI種からIV種のいずれも使用可能であり、さらに、JIS規格外のその他のフライアッシュも使用可能である。
本発明の押出成形セメント組成物には、珪酸質原料以外に、川砂、砕砂、硅砂、硅石粉、ワラストナイト、石灰石、マイカ類、軽量骨材等の骨材を含んでいてもよい。
押出成形セメント組成物における珪酸質原料の配合量は、水硬性物質100質量部に対し、好ましくは1~500質量部であり、更に好ましくは5~400質量部、特に好ましくは10~300質量部である。
上記の範囲であれば、押出成形品の強度が向上するため好ましい。
押出成形前のセメント組成物における水の配合量は、水硬性物質、珪酸質原料及び骨材の合計質量100質量部に対し、好ましくは15~150質量部であり、更に好ましくは25~100質量部、特に好ましくは30~75質量部である。
上記の範囲であれば、押出成形品の生産性が向上するため好ましい。
本発明における押出成形セメント組成物には、必要に応じて、軽量化材、着色剤、公知のセメント用混和材等を含有させることができる。
押出成形セメント組成物における着色剤、減水剤以外のセメント用混和材及び混和剤の添加量は、各々の添加剤について効果が発揮される適切な量を加えればよい。
押出成形セメント組成物の製造方法としては特に制限はなく、例えば以下の方法が挙げられる。
本発明の押出成形セメント組成物用添加剤、水硬性物質、珪酸質原料、骨材、水、セルロース系増粘剤、パルプ系繊維材料、軽量化材、着色剤、公知のセメント用混和材及び混和剤を、投入時期、順序に制限なくニーダー、オムニミキサー、アイリッヒミキサー等の混練機に投入して混練する方法が挙げられる。なお、添加剤が液状の場合、押出成形セメント組成物を構成する水に添加剤を溶解させてから、各種原料と混合することができる。添加剤が粉末状の場合、水硬性物質と添加剤をドライブレンドし、その後各種原料と混合することができる。
上記の方法で得られた押出成形セメント組成物は、所定の製品断面の金型を取り付けた押出成形機により板状に成形された後、ロールやプレスにより表面模様を転写し、押出成形物とすることができる。
押出成形物は、切断機を用いて所定の長さに切断された後、蒸気養生(60~100℃ で4~36時間)及び/又はオートクレーブ養生(120~200℃で5~15時間)することにより硬化し、セメント製品とすることができる。
本発明のセメント製品は、主に外壁材として使用することができるが、屋根材、間仕切材、天井材等の建築部材や役物等の生産にも適用可能である。
以下実施例により本発明を説明する。ただし本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら制限されるものではない。なお、実施例1、2、7は参考例である。
[実施例1:セメント押出成形物の作製]
普通ポルトランドセメント100g、低品質グレードのフライアッシュ(強熱減量5.9%、メチレンブルー吸着量が0.67mg/g)100g、故紙40g、メチルセルロースを3gをハイパワーミキサー((株)丸東製作所製:CB-34)でドライブレンドした後、水200gと、表1に示すポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩からなる添加剤(1)と、減水剤((a)ポリエチレングリコール(50モル)モノメチルエーテルのメタクリル酸エステルと(b)メタクリル酸の共重合物((a)/(b)=85/15,Mw:39,000))を35%水溶液として普通ポルトランドセメントに対して0.67%混合し、ハイパワーミキサーで7分間混練し、混練物を得た。得られた混合物は、加圧押出機(ADVANTEC社製、BT-700S型)を用いて押出成形し、セメント押出成形物を作製した。
[実施例2~7]
硫酸エステル塩として添加剤(1)に代えて表1に示す組成のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩からなる添加剤(2)~(7)を用いた点以外は実施例1と同様にしてセメント押出成形物を作製した。
[比較例1]
添加剤(1)を用いない点以外は実施例1と同様にしてセメント押出成形物を作製した。
[比較例2~5]
硫酸エステル塩として添加剤(1)に代えて表2に示すポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩からなる添加剤(8)~(11)を用いた点以外は実施例1と同様にしてセメント押出成形物を作製した。
Figure 0007152901000002
Figure 0007152901000003
<表中の略号の説明>
TEA:トリエタノールアミン
TMA:トリメチルアミン
実施例1~7、比較例1~5で作製したセメント押出成形物の表面状態、押出成形時の押出性(押出量、保水性)を表3及び表4に示した。尚、押し出し圧は0.15MPaとし、2分間で押し出された重さ(g)を計測した。また、保水性は上記押し出し圧を継続した場合、押し出しが不可能となった場合の時間で評価を行った。押し出し可能な時間が長い程、保水性は良好であるものと評価した。
[セメント押出成形物の品位]
(表面状態)
セメント押出成形時に金型より押し出されるセメント押出成形物を目視により観察し、以下の評価基準により表面状態の評価を行った。
○ : セメント押出成形物の表面が平滑で良好。
△ : セメント押出成形物の表面に凹凸がやや見られる。
× : セメント押出成形物の表面に凹凸が見られるか、または、セメント押出成形物
にひび割れが見られる。
Figure 0007152901000004
Figure 0007152901000005
表3及び表4に示す結果より、添加剤(1)~(7)を添加した場合、比較例に比べ良好な表面状態が良好で、押出性及び保水性が改善されており、低品位フライアッシュを含む押し出しセメント用添加剤として有効であることが分かる。

Claims (9)

  1. フライアッシュ(JIS A6201に規定されるI種に該当するものを除く)を配合したセメント組成物に添加する押出成形セメント組成物用添加剤であって、
    下記化学式(1)で表される硫酸エステル塩(A)、及び下記化学式(2)で表される硫酸エステル塩(B)を、質量基準で(A)/(B)=10/90~90/10の割合で含有する、押出成形セメント組成物用添加剤。
    -O-(AO)n1-SO (1)
    -O-(AO)n2-SO (2)
    (式中、Rは炭素数12のアルキル基、は炭素数14のアルキル基であり、AO、AOはそれぞれ独立して炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、n、nはそれぞれ独立して0~30の整数であり、M、Mはそれぞれ独立してアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
  2. 下記化学式(1)で表される硫酸エステル塩(A)、及び下記化学式(2)で表される硫酸エステル塩(B)を、質量基準で(A)/(B)=10/90~90/10の割合で含有する、押出成形セメント組成物用添加剤(ただし、エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤と両性界面活性剤との組合わせを含有するセメント系押し出し成形体用添加剤を除く)。
    -O-(A O) n1 -SO (1)
    -O-(A O) n2 -SO (2)
    (式中、R は炭素数12のアルキル基、R は炭素数14のアルキル基であり、A O、A Oはそれぞれ独立して炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、n 、n はそれぞれ独立して0~30の整数であり、M 、M はそれぞれ独立してアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
  3. さらに下記化学式(3)で表される硫酸エステル塩(C)を含有する、請求項1又は2に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
    -O-(AO)n3-SO (3)
    (式中、Rは炭素数1~24のアルキル基(ただし、炭素数12のアルキル基と炭素数14のアルキル基を除く。)又は炭素数2~24のアルケニル基であり、AO炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、nは0~30の整数であり、Mはアルカリ金属、第2族金属、アンモニウム、または有機アンモニウムである。)
  4. さらに減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、硬化促進剤、消泡剤、急結剤、硬化遅延剤及び防錆剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
  5. さらにポリカルボン酸系減水剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の押出成形セメント組成物用添加剤。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の押出成形セメント組成物用添加剤を含有する、押出成形セメント組成物。
  7. さらに水硬性物質、珪酸質原料及び水を含有する、請求項6に記載の押出成形セメント組成物。
  8. 前記珪酸質原料が、フライアッシュを含有するものである、請求項7に記載の押出成形セメント組成物。
  9. 請求項6~8のいずれか1項に記載の押出成形セメント組成物の押出成形物を硬化させてなるセメント製品。
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