JP7152622B1 - ウルトラファインバブルの気泡濃度測定方法 - Google Patents

ウルトラファインバブルの気泡濃度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粘性のある試料に含まれるUFBの気泡濃度を正確に測定する方法を提供することを課題とする。【解決手段】ウルトラファインバブルを含み、粘度が1000Pa・s以上の試料における、前記バブルの気泡濃度を測定する方法であって、前記試料の気泡径分布データ(a)を粒子径解析-粒子軌跡解析(PTA)法により取得する工程、前記試料から気泡を80%以下まで除去した参照試料を得る工程、前記参照試料の気泡径分布データ(b)をPTA法により取得する工程、及び取得された気泡径分布データ(a)から気泡径分布データ(b)を差し引くことを含む演算を行うことにより、前記試料に含まれるファインバブルの気泡濃度を算出する工程を含み、前記PTA法に用いる粘度パラメータとして、前記試料のPTA法での解析条件下の粘度値を用いる、方法。【選択図】図1

Description

本発明は、粘性のある試料に含まれるウルトラファインバブルの気泡濃度を測定する方法に関する。
近年、ファインバブルと呼ばれる微細な気泡の研究及び利用が活発に行われている。ファインバブルのうち粒径が1μm未満のごく微細な気泡はウルトラファインバブル(以下、UFBとも記す)と呼ばれ、液体中で長期に滞留する性質があり、それに種々の機能を発揮させる技術が提案されている。化粧料の分野においても、ウルトラファインバブルを含有させることにより優れた効果を得ることが提案されている(特許文献1等)。
UFBの特性と効果との関係はUFBの気泡径や気泡量(濃度)に依存するため、またUFBを含有する組成物の品質管理の観点から、気泡径や気泡量(濃度)を測定することは重要である。そこで、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置などを用いて、ファインバブルの気泡径分布(粒子径分布)を測定する技術が提案されている(特許文献2等)。規格化された方法としては、粒子径解析―粒子軌跡解析(PTA;Particle size analysis - Particle tracking analysis)法がある(ISO 19430、JIS Z 8829:2021)。
また、それらの方法において、UFBの気泡径分布を精度よく測定する手法も考案されている。
例えば、測定対象となる液体試料に、UFB以外にも個体粒子や液体粒子が含まれる場合は、それら他の粒子とUFBとが識別されず、UFBの気泡径分布を精度よく測定することができないおそれがある。特許文献3には、かかる場合において、UFBと他の粒子とで圧力に応じた気泡径変化が異なることを利用して、異なる圧力で取得された液体試料の粒子径分布に関するデータを比較することにより、UFBの気泡径分布のみを特定する技術が開示されている。
特開2006-289236号公報 特開2007-263876号公報 特許6277973号
化粧料等には粘性を付与するために水溶性高分子等の増粘剤やゲル化剤を含有させることが一般的に行われている。本発明者は、そのような粘性のある組成物では、水溶性高分子等に起因する散乱像も検出されてしまうため、測定される「見かけの」気泡個数が「真の」気泡個数よりも大きくなってしまい、正確な測定が困難となることに着目した。
これまでにPTA法を用いてUFBの気泡濃度を測定する対象として、粘性を有する試料が扱われた例は見当たらない。例えば、特許文献3に記載の方法においても、水やアルコール等、せん断速度かけたときに粘性変化が生じない試料を測定対象としている。粘度を低下させるために試料を溶媒で希釈することも考えられるが、手間がかかり現実的ではない。
かかる状況に鑑みて、本発明は粘性のある試料に含まれるUFBの気泡濃度を正確に測定する方法を提供することを課題とする。
本発明者が鋭意検討した結果、UFBを含まない粘性試料で測定される気泡分布データが水溶性高分子等の散乱を反映するバックグラウンドに該当することに着目した。そして、粘性のあるUFB含有試料で測定される「見かけの」気泡径分布データから、UFBを含まない粘性試料で測定される気泡分布データ(バックグラウンドデータ)を差し引くことにより、「真の」気泡径分布データを取得できることに想到した。
また、本発明者は、B型粘度計で測定される試料の粘度は、PTA法による解析時に測定装置中で試料にシェアがかかったときの実際の粘度(解析時の粘度)と乖離していることにも着目した。PTA法、特にナノ粒子を対象とするNTA(Nano TrackingAnalysis))法に用いる解析においては、気泡径分布を算出する際に用いられるストークス-アインシュタインの式における拡散係数に寄与する、粘度パラメータの設定が解析結果に影響を与えるため、その設定値は重要である。本発明者が解析に適した粘度パラメータを探索したところ、レオメータで測定される粘度値が解析時の粘度と一致することが判明した。それにより、該動粘度を解析時の粘度の予測値として用いれば精度よく気泡径分布を取得できることに想到した。
すなわち、本発明は上記2つのポイントにより前記課題を解決するものであり、具体的には以下の通りである。
[1]ウルトラファインバブルを含み、粘度が1000Pa・s以上の試料における、
前記バブルの気泡濃度を測定する方法であって、
前記試料の気泡径分布データ(a)を粒子径解析-粒子軌跡解析(PTA)法により取得
する工程、
前記試料から気泡を80%以下まで除去した参照試料を得る工程、
前記参照試料の気泡径分布データ(b)をPTA法により取得する工程、及び
取得された気泡径分布データ(a)から気泡径分布データ(b)を差し引くことを含む演算を行うことにより、前記試料に含まれるファインバブルの気泡濃度を算出する工程を含み、
前記PTA法に用いる粘度パラメータとして、前記試料のPTA法での解析条件下の粘度値を用いる、方法。
[2]前記試料から気泡を80%以下まで除去した参照試料を得る工程が、前記試料に対し加圧すること、減圧すること、又は超音波処理を加えることにより行われる、[1]に記載の方法。
[3]前記試料のPTA法での解析条件下の粘度値が、PTA法での解析時に前記試料にかかるせん断速度においてレオメータで測定される粘度値である、[1]又は[2]に記載の方法。
本発明により、粘性のある試料においても希釈などの手間をかけずに、含有されるUFBの気泡濃度を精度よく測定することができる。
実施例1の、試料に含有されるUFBの理論上の気泡径分布データ、試料中のUFB気泡分布データ(a;見かけデータ)、及び(a)見かけデータから加圧処理により気泡を除去した試料中のUFB気泡分布データ(b;バックグラウンドデータ)を差し引いた差分データ、を重ねて示したチャート。同じ気泡径における気泡個についてデータaからデータbを差し引くと、理論上のデータに一致することが分かる。
本発明の方法は、ウルトラファインバブルを含み、粘度が1000Pa・s以上の試
料における、前記バブルの気泡濃度を測定する方法である。
ウルトラファインバブルは、粒径が1μm未満の微細な気泡を指し、周知の方法、例えばスタティックミキサー式、ベンチュリ式、キャビテーション式、蒸気凝集式、超音波方式、旋回流方式、加圧溶解方式、微細孔方式、気液混合せん断方式を適用した装置により発生させることができる(再表2011/16529号公報、特許第6077627号公報、特許第6490317号公報等参照)。
本発明の方法が対象とする試料は、通常は液体試料であり、より具体的には水を溶媒として含む水性試料である。
また、粘度1000Pa・s以上、好ましくは5000Pa・s以上、より好ましくは8000Pa・s以上である。
なお、かかる粘度は、20℃で、ビスメトロン粘度計VDA2(芝浦セムテック社製)で3号ローターを用い、回転数6rpm、1分間で行われる場合のものとする。
かかる粘度を示す試料は、通常、増粘剤やゲル化剤として、水溶性高分子等を含有する。
水溶性高分子としては特に限定されないが、例えば、
植物系高分子(例えば、寒天、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアゴム、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、プルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等の天然の水溶性高分子、
デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体;結晶セルロース、セルロース末等);、
ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
本発明においては、粘性のあるUFB含有試料で測定される「見かけの」気泡径分布データ(a)から、UFBを含まない粘性試料で測定される気泡分布データ(b)を差し引くことにより、「真の」気泡径分布データを取得する。これは、UFBを含まない粘性試料で測定される気泡分布データが、試料が含有する水溶性高分子等の散乱を反映するバックグラウンドに該当することに基づく。
これらの気泡径分布データ(a)及び(b)は粒子径解析-粒子軌跡解析(PTA)法により取得する。なお、データ(a)及び(b)の取得順序はいずれが先でもよいが、通常は(a)を先
に取得する。
PTA法の具体的な原理や測定手法についてはISO 19430、JIS Z 8829:2021等を参照されたいが、簡潔に記すと、試料に照射されたレーザー光が、UFBに当たって側方および前方に回折し散乱光を発生させ、該散乱光はその進行方向と交わる面内で一定の空間パターン(光強度分布パターン)を示す。そのUFBの散乱光の動き(ブラウン運動)をトラッキングし、ストークス・アインシュタイン式より、その移動速度からUFBの粒子径が算出され、気泡径分布データが得られる。なお、気泡径分布データは、気泡径分布データを算出するためのデータであってもよい。
PTA法による気泡径分布データの取得は、市販の測定・解析機器で行うことができ、例えば「ナノ粒子解析システム NanoSight」(Malvern Panalytical社製)を好ましく使
用することができる。
測定温度は、特に限定されず、例えば25℃で行うことができる。
気泡径分布データ(b)を取得するための参照試料は、測定対象試料から気泡を80%以
下、好ましくは90%以下、より好ましくは95%以下まで除去したものである。
参照試料は、対象試料の気泡径分布データにおい実際よりも気泡個数が大きく見えてしまう原因となる、水性高分子等の散乱光に起因するバックグラウンドデータを取得するためのものである。すなわち、気泡を除去することによりバックグラウンドデータのみを測定する。
参照試料を得る工程は、対象試料に対し加圧すること、減圧すること、又は超音波処理を加えることにより行うことができる。これらのうち、簡便で効率がよいことから、対象試料を加圧する方法がより好ましい。
加圧は、ポンプ等を用いて常法により行えばよく、例えば25℃において1~5MPaで100~120分間加圧することにより、当初より80%以上気泡を除去(消去)させることができる。なお、後述の参考試験1に示すように、加圧により気泡の個数は減少するが、残存する気泡の粒子径は変化しないことが分かっている。
取得された「見かけの」気泡径分布データ(a)から「バックグラウンドの」気泡径分布
データ(b)を差し引くことを含む演算を行うことにより、「真の」気泡径分布データに基
づく試料に含まれるUFBの気泡濃度を算出される。なおデータ(a)からデータ(b)の差し引きは、通常は、同じ気泡径における気泡個数の差分を得ることを指す。
気泡径分布データからの気泡径ごとの気泡個数や気泡濃度は、常法により行われ、通常は装置に付属する解析ソフトでなされる。
かかる解析においてはストークス・アインシュタイン式において定数として設定する粘度パラメータが大きく影響するところ、本発明の方法においては、粘度パラメータとして、前記試料についてPTA測定外で測ったB型粘度計による実測値ではなく、PTA法での解析条件下の粘度値を用いることを特徴とする。かかる解析条件下の粘度値は、PTA法での解析時に前記試料にかかるせん断速度においてレオメータで測定される粘度値であることが好ましい。
PTA法による測定時に試料が収容される容器内において、通常は試料にはせん断力がかかっているため、解析時の実際の粘度はB型粘度計で測定される試料の粘度とは乖離する。そのため、B型粘度計で測定される試料の粘度を粘度パラメータとして用いて解析すると、算出される気泡分布データに真の値からずれが生じる。
本発明者は後述の参考試験2に示すように、粒径分布が既知の試料を用いてPTA法により粒径分布を測定したときに、測定値と理論値が一致する粘度パラメータを探索したところ、解析時に試料にかかるずり速度(せん速度)における、レオメータで測定される動粘度が一致することが判明した。そのため、レオメータで例えば後述の参考試験2に記載の測定条件で測定したときの動粘度値を、解析時の粘度の予測値として、ストークス・アインシュタイン式における粘度パラメータの数値として用いることができる。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<参考試験1>
UFBを含有する試料に対して圧力をかけたときのUFB濃度への影響を検討した。
常法により、水に空気を封入し、UFB含有水を得た(反応温度:25℃、気泡個数濃度: 2.2×10(mL)、Mode径:110nm(測定温度:25℃、大気圧下))。
前記UFB含有水10gとカルボキシビニルポリマー(Carbopol R Ultrez 10 Polymer、日本ルーブリゾール株式会社製)0.3重量%水溶液10gとを混合し、水酸化カリウムで中和して、およその粘度が、10000mPa・sのUFB含有粘性試料を得た。なお、前記粘度は20℃で、ビスメトロン粘度計VDA2(芝浦セムテック社製)で3号ローターを用い、回転数6rpm、1分間の条件で測定した。
耐圧容器に前記試料20gを充填後し、空圧用ハンドポンプ キット(日本ベーカーヒ
ューズ社製)を用いて1.0MPaまで加圧し、加圧を維持したまま5℃下に0、10又は100分間放置した。
前記試料について、「ナノ粒子解析システム NanoSight NS300,」(Malvern Panalytical社製)を用いて、UFBの粒子個数濃度を測定した。測定条件は以下の通り。
Temperature:25℃, Viscosity cP: 1.9,Laser Type :Blue 405, 分析ソフトウ
ェア:NTA 3.4, duration: 60s, Delay:60s, Camera Level:13, Threshold:40, 1測定当たりの積算回数:6回、測定回数:6回
各試料において測定された気泡濃度を表1に示す。
加圧処理時間に応じて、試料中のUFB気泡濃度は減少した。なお、残存する気泡の粒子径は変化しなかった。
Figure 0007152622000002
<参考試験2>
粘性を有する試料において、粒子径分布の測定値が真の値と一致するために解析に用いるべき粘性パラメータ検討した。
カルボキシビニルポリマー(Carbopol R Ultrez 10 Polymer、日本ルーブリゾール株式会社製)0.15重量%水溶液に、粒子径が既知のラテックス粒子を2×10個/mL又は3×10個/mLとなるように分散させ、およその粘度が、10000mPa・s(参考試験1と同条件での測定値)の標準試料とした。同様に、カルボキビニルポリマー濃度を調整しながら、ラテックス粒子を分散させた、粘度1000mPa・s、5000mPa・sの標準試料も同様に作製した。
前記標準試料について「ナノ粒子解析システム NanoSight NS300」(Malvern Panalytical社製)を用いて、粘度パラメータ(Viscosity cP)を種々変更した他は、参考試験1
と同様に粒子個数濃度を測定した。各粘度の標準試料について、粒子径分布の測定値が調製した実際のサンプルと一致したときの粘度パラメータを記録した(1000mPa・sの標準試料では1.3、5000mPa・sの標準試料では1.5、10000mPa・sの標準試料では1.9)。
前記標準試料について、ストレス制御式レオメータ(AR-G2, ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン)を用いて動粘度を測定した。測定条件は以下の通り。
定常流スイープ,測定温度:25℃,せん断速度:1000~8643(1/s),ポイント数:30
,ジオメトリー:60mmコーンプレート,GAP値:54,各ポイントでの測定時間:1min
いずれのラテックス粒子の個数濃度の標準試料においても、レオメータでの動粘度測定値が先に記録した粘度パラメータの数値となるときのせん断速度が、同一のものとなった(5413~6310(1/S))。そのため、かかるせん断速度は「NanoSight NS300」で前記条件での粒子個数濃度解析時に試料にかかるせん断速度であると解される。すなわち、「NanoSight NS300」での粒子個数濃度解析時に試料にかかるせん断速度における、レ
オメータで測定される動粘度を、粘性パラメータとして解析に用いれば、気泡濃度が未知の試料についても真の気泡濃度値を精度よく測定することができる。
<実施例>
(1)試料調製
水に微細孔方式 発生装置を用いて空気を封入しUFB含有水を得た(反応温度:25
℃、気泡個数濃度: 2.2×10(mL)、Mode径:110nm(測定温度:25℃、大気圧下))。
前記UFB含有水10gとカルボキシビニルポリマー(Carbopol R Ultrez 10 Polymer、日本ルーブリゾール株式会社製)0.3重量%水溶液10gとを混合し、水酸化カリウムで中和して、UFB含有粘性試料を得た。
また、前記UFB含有水10gと純水10gとを混合して、理論値用のUFB含有水を得た。
(2)加圧処理
耐圧容器に(1)で調製した試料20gを充填後し、空圧用ハンドポンプ キット(日
本ベーカーヒューズ社製)を用いて1.0MPaまで加圧し、加圧を維持したまま5℃下に100分間放置し、加圧処理UFB含有粘性試料を得た。
(3)レオメータ測定
(1)で調製したUFB含有粘性試料について、ストレス制御式レオメータ(AR-G2,
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン)を用いて、試料にせん断応力が加わったときの粘度変化を測定した。測定条件は以下の通り。
定常流スイープ,測定温度:25℃,せん断速度:1000~8643(1/s),ポイ
ント数:30,ジオメトリー:60mmコーンプレート,GAP値:54,各ポイントでの測定時間:1min
既知粒子を用いて予め求めておいたせん断速度5413~6310(1/S)のときの動粘
度値を、後述のPTA法による解析において粘性パラメータとして用いた。
(4)PTA法による気泡濃度測定及び解析
(1)及び(2)で調製した各試料について、「ナノ粒子解析システム NanoSight NS300,」(Malvern Panalytical社製)を用いて、UFBの粒子個数濃度を測定した。測定条件は以下の通り。なお,測定は少なくとも5回ずつ繰り返した。この繰り返しにより、各測定で分析された粒子の見かけの数は1000個以上に達した。
Temperature:25℃, Viscosity cP: 1.9,Laser Type :Blue 405, 分析ソフトウ
ェア:NTA 3.4, duration: 60s, Delay:60s, Camera Level:13, Threshold:40,
1測定当たりの積算回数:6回、測定回数:6回
同じ気泡径における気泡個数について、UFB含有粘性試料の気泡分布データから加圧処理UFB含有粘性試料の気泡分布データを差し引いて差分を得た。
(6)結果
図1にUFB含有水中のUFB気泡分布データ(理論値)、UFB含有粘性試料中のU
FB気泡分布データ(a;見かけデータ)、及び(a)見かけデータから加圧処理UFB含有粘性試料中のUFB気泡分布データ(b;バックグラウンドデータ)を差し引いた差分データ、を重ねて示した。見かけデータからバックグラウンドデータを差し引くことで、理論値に一致する気泡分布データが得られた。

Claims (3)

  1. ウルトラファインバブルを含み、粘度が1000Pa・s以上の試料における、前記
    ウルトラファインバブルの気泡濃度を測定する方法であって、
    前記試料の気泡径分布データ(a)を粒子径解析-粒子軌跡解析(PTA)法により取得
    する工程、
    前記試料に対し加圧することにより前記試料から気泡を80%以下まで除去した参照試料を得る工程、
    前記参照試料の気泡径分布データ(b)をPTA法により取得する工程、及び
    取得された気泡径分布データ(a)から気泡径分布データ(b)を差し引くことを含む演算を行うことにより、前記試料に含まれるウルトラファインバブルの気泡濃度を算出する工程を含み、
    前記PTA法に用いる粘度パラメータとして、前記試料のPTA法での解析条件下の粘度値を用いる、方法。
  2. 前記試料が、水溶性高分子を含有する水性試料である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料のPTA法での解析条件下の粘度値が、PTA法での解析時に前記試料にかかるせん断速度においてレオメータで測定される粘度値である、請求項1又は2に記載の方法。
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