JP7151817B1 - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の総合性能に優れたタイヤを提供する。【解決手段】シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、前記トレッドにおける陸部Bの断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状である。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関する。
従来より、氷結路面(氷上路面)でのグリップ性能を改善する手法が種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009-091482号公報
しかしながら、従来の技術では、摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の総合性能について改善の余地があることが本発明者の検討の結果明らかとなった。
本発明は、前記課題を解決し、摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の総合性能に優れたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、上記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であるタイヤに関する。
上記ゴム組成物において、下記関係式を満たすことが好ましい。
ゴム成分100質量%中のブタジエンに基づく構成単位の含有量>ゴム成分100質量部に対する液状ゴム及びシリコーンの合計含有量
上記シリコーンが、シリコーンとイソシアネートとの反応物であることが好ましい。
下記関係式を満たすことが好ましい。
液状ゴムの重量平均分子量×0.4<シリコーンの重量平均分子量<液状ゴムの重量平均分子量×10
上記液状ゴムが、液状ゴム100質量%中、ブタジエンに基づく構成単位の含有量が40質量%以上であることが好ましい。
上記トレッドにおける溝深さが5.0~10mmであることが好ましい。
上記陸部における平均サイプ密度が0.5~4.0cm/cmであることが好ましい。
上記トレッドの接地面における陸部比率が50~80%であることが好ましい。
上記トレッドが、2層以上のゴム層を有し、トレッドにおける最表面のゴム層の厚みの比率が90%以下であることが好ましい。
冬用タイヤ又はオールシーズンタイヤであることが好ましい。
本発明は、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、上記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であるタイヤであるので、摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の総合性能に優れる。
トレッド部の一例を示す断面模式図である。 陸部(ブロック)に設けられた複数のサイプの一例を示す平面模式図である。 サイプの長手方向距離を説明するための模式図である。
本発明のタイヤは、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、上記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状である。
上記タイヤで前述の効果が得られる理由は、以下のように推察される。
シリコーンを配合することにより、シリコーンの撥水効果によりウェットグリップ性能及び氷上性能を改善できることが予想される。
しかしながら、本発明者の検討の結果、以下のことが判明した。
シリコーンはゴムとの親和性が低いため、ゴムから分離してしまい単純にシリコーンを配合してもウェットグリップ性能及び氷上性能の改善に寄与しない傾向にある。
また、冬用タイヤでは極低温での走行を考慮して、分子鎖の運動性が高く耐寒性に優れるブタジエン系ゴム(BR系ゴム)を使用することが好ましいが、BR系ゴムは天然ゴムと比較して分子量が低く運動性の高い分子末端が多いため、シリコーンがBR系ゴムに絡みにくく分離し易い傾向にある。
一方、シリコーンと比較して、液状ゴムは疎水性を有しつつ、化学組成がBR系ゴムに近いため、液状ゴムは、BR系ゴムとの親和性が高く、且つ、液状ゴムは、BR系ゴムよりもシリコーンに分子量が近いため、液状ゴムは、BR系ゴム・シリコーンの双方と混ざりやすいので、BR系ゴム-液状ゴム-シリコーンの3種類を組み合わせることでシリコーンがBR系ゴム相中に分散しやすくなる。
また、シリコーンと絡み合った状態で液状ゴム同士が部分的に繋がることにより、シリコーンが液状ゴムから離れにくくなり、また、液状ゴムの一部はBR系ゴムと架橋する。その結果、使用中にBR系ゴムからシリコーンが分離してしまうのを防ぐことが可能となる。
すなわち、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを組み合わせて配合することにより、シリコーンがBR系ゴム相中に分散しやすくなると共に、使用中にBR系ゴムからシリコーンが分離してしまうのを防ぐことが可能となり、シリコーンを配合することにより得られるウェットグリップ性能、氷上性能の改善効果が好適に得られる。
更に、上記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であるため、タイヤの摩耗が進行することにより接地面積が大きくなり、良好な摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能が得られる。一方、接地面積が大きくなることにより、路面や土壌との接触面積が増えてシリコーンが流出しやすくなることが懸念されるが、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを組み合わせて配合することにより、シリコーンの流出を好適に防止でき、シリコーンの撥水効果を維持したまま接触面積を増大でき、摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能により優れることとなる。
以上の通り、本願発明では、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを組み合わせて配合することにより、シリコーンがBR系ゴム相中に分散しやすくなると共に、使用中にBR系ゴムからシリコーンが分離してしまうのを防ぐことが可能となり、シリコーンを配合することにより得られるウェットグリップ性能、氷上性能の改善効果が好適に得られ、更には、特定の配合のゴムにより形成されたトレッドにおいて、陸部の断面形状を、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状とすることにより、相乗作用が生じて、摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の総合性能に優れる。
上記ゴム組成物は、ゴム成分として、ブタジエン系ゴム(BR系ゴム)を含有する。
本明細書において、ゴム成分は、ゴム組成物のマトリックスを構成し、加硫ゴム中からアセトンなどの有機溶媒により脱離させることが不可能な成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が10万以上のもの(25℃で固体状態)である。
ゴム成分の重量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ブタジエン系ゴム(BR系ゴム)としては、ブタジエンに基づく構成単位を含有するゴムであれば特に限定されず、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、BR、SBRが好ましく、BRがより好ましい。
BRとしては特に限定されず、高シス含量のBR、低シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRのシス量(シス含量)は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上、より最も好ましくは95質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。市販品としては、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。また、該スチレン量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン量は、H-NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中、BR系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは40質量%以上、より最も好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中、BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは40質量%以上、より最も好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中、SBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは40質量%以上、より最も好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
BR系ゴム以外に使用できるゴム成分としては、イソプレン系ゴム、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、イソプレン系ゴムが好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下、最も好ましくは60質量%以下、より最も好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物では、BRの含有量/イソプレン系ゴムの含有量>1.0であることが好ましい。
すなわち、BRの含有量/イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは1.0より大きく、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.4以上であり、また、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.8以下、特に好ましくは1.6以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、この関係において、BRの含有量、イソプレン系ゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中の含有量(単位:質量%)である。
ゴム成分100質量%中、BR系ゴム及びイソプレン系ゴムの合計含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム成分は、変性により、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基が導入されていてもよい。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
上記官能基を有する化合物(変性剤)の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記ゴム組成物は、液状ゴムを含有する。
液状ゴムとしては、25℃で液体状態のゴム(好ましくは不飽和結合を有するゴム)であれば特に限定されず、例えば、液状ジエン系ポリマー、液状ファルネセン系ポリマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、液状ゴムとは、主として可塑剤として機能し、加硫ゴム中からアセトンなどの有機溶媒により一部脱離させることが可能な成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が10万未満のもの(25℃で液体状態)である。
液状ゴムの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000以上、より好ましくは3000以上、更に好ましくは1万以上、特に好ましくは2万以上であり、好ましくは10万未満、より好ましくは6万以下、更に好ましくは4万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
液状ジエン系ポリマーとしては、25℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状ブタジエンイソプレン共重合体、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。また、これらの水素添加物も使用可能である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ファルネセン系ポリマーとは、ファルネセンを重合することで得られる重合体であり、ファルネセンに基づく構成単位を有する。ファルネセンには、α-ファルネセン((3E,7E)-3,7,11-トリメチル-1,3,6,10-ドデカテトラエン)やβ-ファルネセン(7,11-ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン)などの異性体が存在するが、以下の構造を有する(E)-β-ファルネセンが好ましい。
Figure 0007151817000002
液状ファルネセン系ポリマーは、ファルネセンの単独重合体(ファルネセン単独重合体)でも、ファルネセンとビニルモノマーとの共重合体(ファルネセン-ビニルモノマー共重合体)でもよい。
ビニルモノマーとしては、スチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、α-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert-ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4-ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、N,N-ジメチルアミノメチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2-t-ブチルスチレン、3-t-ブチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレンなどの芳香族ビニル化合物や、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、ブタジエンが好ましい。すなわち、ファルネセン-ビニルモノマー共重合体としては、ファルネセンとブタジエンとの共重合体(ファルネセン-ブタジエン共重合体)が好ましい。
ファルネセン-ビニルモノマー共重合体において、ファルネセンとビニルモノマーとの質量基準の共重合比(ファルネセン/ビニルモノマー)は、40/60~90/10が好ましい。
液状ゴムとしては、液状SBR、液状BR、液状ブタジエンイソプレン共重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等のブタジエンに基づく構成単位を有する液状ゴムが好ましい。
また、液状SBR、液状BR、液状IR、液状ブタジエンイソプレン共重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体が好ましく、液状SBR、液状BR、液状ブタジエンイソプレン共重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体がより好ましく、液状SBR、液状ファルネセンブタジエン共重合体が更に好ましい。
液状ゴム100質量%中、ブタジエンに基づく構成単位の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上であり、上限は特に限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは60質量%以下、最も好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。液状ゴムのブタジエン比率が高いと、BR系ゴムとの親和性が向上するため、効果がより好適に得られるものと推測される。
本明細書において、ブタジエンに基づく構成単位の含有量は、NMRにより測定される。
液状ゴムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、シリコーンを含有する。
シリコーンとしては、主鎖にシロキサン構造(-Si-O-)を2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルビニルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フルオロシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、ジフェニルシリコーン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルシリコーンが好ましい。
シリコーンは、反応性官能基を有するシリコーンであることが好ましい。反応性官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、シラン官能基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、水酸基、アミノ基が好ましく、水酸基がより好ましい。
シリコーンは、上記反応性官能基を、上記シリコーンの少なくとも主鎖の末端に有していることが好ましく、主鎖が直鎖状である場合は、2個以上有していることが好ましく、主鎖の両末端に上記反応性官能基を有することがより好ましい。一方、主鎖が分岐している場合は、3個以上有していることが好ましい。
シリコーンが水酸基を有する場合、シリコーンの水酸基価は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において水酸基価とは、JIS K 0070:1992に記載の水酸基価であり、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。
シリコーンは、下記好適な態様1又は下記好適な態様2であることが好ましく、下記好適な態様2であることがより好ましい。
(好適な態様1)
シリコーンは、両末端に反応性官能基(好ましくは水酸基又はアミノ基)を有するシリコーンであることが好ましく、下記式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0007151817000003
(式(1)中、Rは炭化水素基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、nは繰り返し単位の数を表す。複数存在するRは同一であっても異なっていてもよい。複数存在するLは同一であっても異なっていてもよい。
Rの炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数1~10)、直鎖状又は分岐状のアルケニル基(好ましくは炭素数2~10)、直鎖状又は分岐状のアルキニル基(好ましくは炭素数2~10)などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。なかでも、炭素数1~10(好ましくは、炭素数1~3)の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチル基がより好ましい。
Lの2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1~8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6~12)、アルキレンオキシ基、-O-、-S-、-SO-、-N(R)-(R:アルキル基)、-CO-、-NH-、-COO-、-CONH-、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
nの繰り返し単位(カッコ内の繰り返し単位)の数は、好ましくは1以上、好ましくは5以上、更に好ましくは10以上、特に好ましくは50以上であり、上限は特に限定されないが、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下、更に好ましくは1000以下、特に好ましくは500以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(好適な態様2)
シリコーンは、一方の末端に反応性官能基(好ましくは水酸基又はアミノ基)を2つ有するシリコーンであることが好ましく、下記式(2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0007151817000004
(式(2)中、Rは炭化水素基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、R21は水素原子又は置換基を表し、R22は水酸基を2つ有する置換基を表し、nは繰り返し単位の数を表す。複数存在するRは同一であっても異なっていてもよい。複数存在するLは同一であっても異なっていてもよい。
式(2)中、Rは炭化水素基を表す。Rの具体例及び好適な態様は上述した式(1)中のRと同じである。
式(2)中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lの具体例及び好適な態様は上述した式(1)中のLと同じである。
式(2)中のR21は水素原子又は置換基を表す。置換基の具体例及び好適な態様は上述した式(1)中のRと同じである。
式(2)中のR22は水酸基を2つ有する置換基を表す。R22の具体例としては、水酸基を2つ有する炭化水素基が挙げられる。
上記水酸基を2つ有する炭化水素基中の炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、効果がより優れる理由から、分岐状であることが好ましい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数1~10)、直鎖状又は分岐状のアルケニル基(好ましくは炭素数2~10)、直鎖状又は分岐状のアルキニル基(好ましくは炭素数2~10)などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。なかでも、効果がより優れる理由から、炭素数1~10(好ましくは、炭素数3~7)の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
式(2)中、nは繰り返し単位(カッコ内の繰り返し単位)の数を表す。好適な態様は上述した式(1)中のnと同じである。
シリコーンとしては、シリコーンとイソシアネートとの反応物(重合体)であることが好ましく、反応性官能基(好ましくは水酸基又はアミノ基)を有するシリコーンとイソシアネートとの重合体(以下においては特定重合体とも言う)であることがより好ましい。これにより、イソシアネート部分がゴムと親和するため、シリコーンがゴムから分離してしまうことをより好適に防止でき、効果がより好適に得られる傾向がある。
特定重合体は、シリコーンが有する反応性官能基(好ましくは水酸基又はアミノ基)とイソシアネートが有するイソシアネート基(-NCO)とが反応することで得られる重合体である。なお、シリコーンが水酸基を有するシリコーンである場合、通常、特定重合体はポリウレタンであり、シリコーンがアミノ基を有する場合、通常、特定重合体はポリウレアである。
また、シリコーンが上記式(2)で表される化合物であり、イソシアネートがジイソシアネートである場合、主鎖が式(2)中のR22とジイソシアネートとの重合体であって、シリコーン(式(2)中のシリコーン構造)を側鎖に有する重合体となる。
イソシアネートとしては、イソシアネート基(-NCO)を有する化合物であれば特に限定されない。イソシアネートは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物(ポリイソシアネート)であることが好ましく、イソシアネート基を2つ有する化合物(ジイソシアネート)であることがより好ましい。
イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族系ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体;等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、芳香族系ポリイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
特定重合体は、反応性官能基(好ましくは水酸基又はアミノ基)を有するシリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体であることが好ましい。
特定重合体がシリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である場合、特定重合体は、シリコーンが有する反応性官能基(好ましくは水酸基又はアミノ基)並びにポリエーテルポリオールが有する水酸基と、イソシアネートが有するイソシアネート基(-NCO)とが反応することで得られる重合体である。
シリコーン及びイソシアネートについては上述のとおりである。
ポリエーテルポリオールとしては、主鎖としてポリエーテルを有し、水酸基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。ポリエーテルとは、エーテル結合を2以上有す構造であり、その具体例としては、例えば、構造単位-R-O-R-を合計して2個以上有する構造が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭化水素基を表す。炭化水素基は特に制限されない。例えば、炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレンジオール(ポリプロピレングリコール:PPG)、ポリオキシプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコールのようなポリオキシアルキレンポリオール;ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、PPGが好ましい。
ポリエーテルポリオールは、両末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールであることが好ましい。
ポリエーテルポリオールの水酸基価は特に限定されないが、好ましくは10以上、より好ましくは20以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは75以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ポリエーテルポリオールの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上であり、好ましくは100000以下、より好ましくは20000以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
特定重合体がシリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である場合、シリコーンに由来する繰り返し単位とポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位との合計に対する、ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位の質量比(以下、「ポリエーテルポリオール含有率」とも言う)は特に限定されないが、0.1~99質量%であることが好ましい。
ここで、シリコーンが上述した好適な態様1である場合、ポリエーテルポリオール含有率は、70質量%以下であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。
また、シリコーンが上述した好適な態様2である場合、ポリエーテルポリオール含有率は、10~95質量%であることが好ましく、75~95質量%であることが好ましい。
特定重合体を製造する方法は特に制限されないが、シリコーンとイソシアネートとを重合する方法(方法1)、又は、シリコーンとポリエーテルポリオールとイソシアネートとを重合する方法(方法2)が好ましい。
この場合、イソシアネートのイソシアネート基(-NCO)と、シリコーン及びポリエーテルポリオールの合計の水酸基(-OH)又はアミノ基との当量比(モル比)は特に限定されないが、0.5~1.5であることが好ましい。また、上記重合では、ジオクチル錫等の触媒を用いるのが好ましい。
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000以上、より好ましくは7500以上、更に好ましくは1万以上、特に好ましくは1.2万以上であり、好ましくは5万以下、より好ましくは3万以下、更に好ましくは2万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリコーンとしては、JNC社、信越化学工業(株)、モメンティブ社、東レ・ダウコーニング(株)、旭化成ワッカーシリコーン(株)等の製品を使用できる。
シリコーンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物において、下記関係式を満たすことが好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。これは、ブタジエンに基づく構成単位の含有量が多い場合、BR相に液状ゴムを介してシリコーンが分散する構造が好適に形成されやすいためと推測される。
ゴム成分100質量%中のブタジエンに基づく構成単位の含有量>ゴム成分100質量部に対する液状ゴム及びシリコーンの合計含有量
「ゴム成分100質量%中のブタジエンに基づく構成単位の含有量」-「ゴム成分100質量部に対する液状ゴム及びシリコーンの合計含有量」(質量部)は0を超え、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは30以上、特に好ましくは35以上であり、上限は特に限定されないが、好ましくは65以下、より好ましくは55以下、更に好ましくは50以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、この関係において、ゴム成分100質量%中のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、ゴム成分100質量%中の含有量(単位:質量%)であるが、単位を揃えるため、ゴム成分100質量部に対する、ゴム成分由来のブタジエンに基づく構成単位の含有量(単位:質量部)を意味する。なお、例えば、ゴム成分としてSBRとBRが使用されている場合、ゴム成分由来のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、SBRのブタジエン部分とBRの合計含有量である。
また、この関係において、液状ゴム及びシリコーンの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対する含有量(単位:質量部)である。
上記ゴム組成物において、下記関係式を満たすことが好ましい。シリコーンと液状ゴムの重量平均分子量の乖離が大きい場合、両者の親和性が低くなりシリコーンの分散が悪化する傾向があるが、下記関係式を満たすことにより、シリコーンと液状ゴムの重量平均分子量の差が小さく、両者の親和性が高くなりシリコーンの分散がより改善し、効果がより好適に得られる傾向がある。
液状ゴムの重量平均分子量×0.4<シリコーンの重量平均分子量<液状ゴムの重量平均分子量×10
左辺の「液状ゴムの重量平均分子量×0.4」は、好ましくは「液状ゴムの重量平均分子量×0.5」、より好ましくは「液状ゴムの重量平均分子量×0.6」である。右辺の「液状ゴムの重量平均分子量×10」は、好ましくは「液状ゴムの重量平均分子量×0.9」、より好ましくは「液状ゴムの重量平均分子量×0.8」である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、シリカを含有することが好ましい。
シリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは350m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。市販されているものとしては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましく、90m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカ及びカーボンブラックの合計含有量100質量%中、シリカの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、液状ゴム以外の可塑剤成分を含有してもよい。
可塑剤成分とは、加硫ゴム中からアセトンにより抽出可能な成分であり、例えば、樹脂、オイル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、樹脂を含有してもよい。
樹脂としては、例えば、シクロペンタジエン系樹脂、テルペン系樹脂、芳香族系樹脂、ロジン樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、水素添加物(水添樹脂)であってもよい。
上記樹脂の市販品としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、オイルを含有することが好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)、日清オイリオグループ(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等)、植物油が好ましく、アロマ系プロセスオイルがより好ましい。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、オイルの含有量には、油展オイルに含まれるオイルも含まれる。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含有してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、硫黄を含有する。加硫後のゴム組成物において、硫黄の大部分がゴム成分と結合している。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に架橋剤として用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上であり、好ましくは3.5質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤を併用することがより好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下、更に好ましくは5.5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1~200質量部が好ましい。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100~180℃、好ましくは120~170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80~110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。加硫時間は、通常5~15分である。
上記ゴム組成物は、例えば、トレッド(キャップトレッド、すなわち、トレッドにおける最表面のゴム層)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチ、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層などのタイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)用いることができる。なかでも、トレッドに好適に用いられる。キャップトレッド及びベーストレッドで構成されるトレッドの場合、キャップトレッドにより好適に使用可能である。
本発明のタイヤ(空気入りタイヤ等)は、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド(キャップトレッド))の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
なお、上記タイヤのタイヤ部材(例えば、トレッド)は、少なくとも一部が上記ゴム組成物で構成されていればよく、全部が上記ゴム組成物で構成されていてもよい。
上記タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として好適に用いられる。なかでも、乗用車用タイヤとして用いられることが好ましい。
また、上記タイヤは、夏用タイヤ、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤ)、オールシーズンタイヤとして好適に用いることが可能であるが、氷結路面での使用が想定されるタイヤであるオールシーズンタイヤ、冬用タイヤとして用いることがより好ましく、冬用タイヤとして用いることが更に好ましい。
すなわち、上記タイヤは、乗用車用冬用タイヤであることが最も好ましい。
なお、本明細書において、乗用車用タイヤとは、4輪走行する自動車に装着することを前提としたタイヤであり、正規荷重が1000kg以下のものを意味する。ここで、最大負荷能力は、好ましくは900kg以下、より好ましくは800kg以下、更に好ましくは700kg以下であり、下限は特に限定されない。
上記タイヤにおいて、上記トレッドにおける陸部(ブロック(例えば、図1中のB))の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状である。
ここで、幅とは、陸部のタイヤ軸方向の長さを意味する。また、陸部の断面とは、タイヤ周方向に垂直方向の面で陸部を切断した断面(例えば、図1の断面)である。
なお、本明細書において、陸部とは、2本の周方向溝により区切られたトレッド部を意味する。すなわち、本明細書において、陸部とは、2本の周方向溝により区切られていないショルダー部の陸部は含まない概念である。
陸部の断面形状は、陸部表面から、陸部に隣接した周方向溝のうち、最も深さが深いものの溝深さの90%までの領域において、トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状である限り特に限定されないが、例えば、タイヤ半径方向外側の辺よりもタイヤ半径方向内側の辺が長い台形の形状が挙げられる。
また、陸部の軸方向外側及び軸方向内側の両方において、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であってもよく、一方の側のみがタイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなり、もう一方の側が幅が一定の形状又はタイヤ半径方向内側に向かって幅が狭くなる形状であってもよい。
なお、上記の通り、トレッドは、少なくとも一部が上記ゴム組成物で構成されていればよいが、主溝に隣接する陸部が上記ゴム組成物で構成され、該陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であることが好ましい。
上記タイヤでは、上記トレッドにおける陸部(ブロック)の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状である。
すなわち、タイヤ新品時のトレッド接地面における陸部のタイヤ軸方向の長さ(D)/タイヤ新品時の50%にトレッド部が摩耗したときのトレッド接地面における陸部のタイヤ軸方向の長さ(D50)は、1より小さく、D/D50は、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.70以下、更に好ましくは0.65以下、特に好ましくは0.60以下であり、下限は特に限定されないが、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.40以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、上記D/D50の関係は、トレッド接地面におけるいずれかの陸部で成立していることが好ましく、赤道面に最も近い陸部で成立していることがより好ましく、全ての陸部で成立していることが更に好ましい。
50(mm)は、好ましくは20以上、より好ましくは25以上、更に好ましくは30以上であり、好ましくは50以下、より好ましくは45以下、更に好ましくは40以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
上記タイヤにおいて、トレッドにおける溝深さは、好ましくは5.0mm以上、より好ましくは6.0mm以上、更に好ましくは6.5mm以上、特に好ましくは7.0mm以上である。また、上限は、好ましくは10mm以下、より好ましくは9.0mm以下、更に好ましくは8.5mm以下、特に好ましくは8.0mm以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本明細書において、トレッドにおける溝深さは、トレッド断面において、溝の最表面側の単点を直線でつないだ線から、溝底までの直線距離であり、トレッドにおいて複数の溝が存在する場合、最も深い溝の溝深さを意味する。
上記タイヤにおいて、トレッドの接地面における陸部比率は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上である。上限は、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましくは73%以下、特に好ましくは70%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、接地面における陸部比率は、上記ショルダー部の陸部も含めた陸部比率を意味する。
なお、本明細書において、上記タイヤが空気入りタイヤの場合、接地面における陸部比率は、正規リム、正規内圧、正規荷重条件下における接地形状から計算される。非空気入りタイヤの場合、正規内圧を必要とせずに、同様に測定できる。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば ”Design Rim”、或いはETRTOであれば”Measuring Rim”を意味する。
「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば”INFLATION PRESSURE”を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば”LOAD CAPACITY”に、夫々0.88を乗じた荷重を意味する。
接地形状は、正規リムに組み付け、正規内圧を加え、25℃で24時間静置した後、タイヤトレッド表面に墨を塗り、正規荷重を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させることで得られる。
タイヤを周方向に72°ずつ回転させて、5か所で転写させる。すなわち、5回、接地形状を得る。
5つの接地形状について、タイヤ軸方向の最大長さの平均値をL、軸方向に直交する方向の長さの平均値をWとする。
接地面における陸部比率は、厚紙の転写された5つの接地形状(墨部分)の平均面積/(L×W)×100(%)で計算される。
ここで、長さや面積の平均値は、5つの値の単純平均である。
上記タイヤにおいて、陸部における平均サイプ密度が0.5~4.0cm/cmであることが好ましい。これにより、効果がより良好に得られる傾向がある。
平均サイプ密度は、より好ましくは1.0cm/cm以上、更に好ましくは1.5cm/cm以上である。上限は、より好ましくは3.0cm/cm以下、更に好ましくは2.0cm/cm以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、平均サイプ密度とは、サイプの長手方向距離の合計値を、接地面全体の面積で除した値である。
接地面とは、タイヤを標準リムにリム組みし、標準内圧を充填した状態で、平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに路面に接触する面である(例えば、図1中のS)。
サイプとは、接地面内における幅(タイヤ軸方向の長さ)2.0mm未満の溝であり、例えば、図2に示す形状を有するものである。
サイプの長手方向距離とは、サイプの最小面積となる外接矩形の長手方向の距離である(例えば、図3中のW)。
陸部の平均高さは、好ましくは5.0mm以上、より好ましくは6.0mm以上、更に好ましくは6.5mm以上、特に好ましくは7.0mm以上である。また、上限は、好ましくは10mm以下、より好ましくは9.0mm以下、更に好ましくは8.5mm以下、特に好ましくは8.0mm以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、陸部の平均高さとは、トレッド表面の各点から、トレッドの主溝底部で最もタイヤ径方向内側の深さまでのタイヤ径方向距離(例えば、図1中のH)の平均値である。
なお、本明細書において、主溝とは、接地面内における幅(タイヤ軸方向の長さ)2.0mm以上の溝で、かつ深さが最大のものである(例えば、図1中のG)。
また、主溝は周方向に連通していればよく、ジグザグ形状でも湾曲形状でも直線形状でもよい。
上記タイヤにおいて、トレッドが、2層以上のゴム層を有し、最表面のゴム層(キャップトレッド)のトレッドにおける厚みの比率が90%以下であることが好ましい。これにより、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記比率は、より好ましくは88%以下、更に好ましくは86%以下である。下限は、特に限定されないが、好ましくは50%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは80%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本明細書において、トレッド全体の厚みは、トレッド断面において赤道面上の陸部表面から、ベルト補強層(バンド)までの直線距離であり、赤道面上に陸部が存在しない場合は赤道面に最も近い陸部で測定される。
また、本明細書において、最表面のゴム層(キャップトレッド)の厚みは、陸部最表面から、他のゴム層との界面までの直線距離であり、界面が波打っている場合は、5ヶ所で測定した平均値とする。
なお、上記厚みの比率は、最表面のゴム層(キャップトレッド)の厚み/トレッド全体の厚みにより算出される。
本明細書において、キャップトレッドとは、多層構造を有するトレッド部の表層部である。
本明細書において、ベーストレッドとは、キャップトレッドと、アンダートレッド、ジョイントレスバンド、又はブレーカーとの間に位置する部材であり、特開2010-095705号公報の図1などに示される部材である。
上記タイヤのサイズは特に限定されず、例えば、タイヤ幅は100~400mmの範囲内で、扁平率は25~85%の範囲内で、リム径は10~25インチの範囲内で、適宜選択可能である。具体例としては、105/50R16、115/50R17、125/55R20、135/45R21、145/45R21、155/45R18、165/45R22、175/45R23、185/60R20、195/55R14、205/40R16、215/40R16、225/40R17、235/40R17、245/40R16、255/40R17、265/40R17、275/35R18、285/30R19、295/45R20等が挙げられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:TSR20(NR)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス量:97質量%、ビニル量:1質量%)
SBR:JSR(株)製のJSR1502(E-SBR、スチレン量:23.5質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN220(NSA:111m/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH-24(アロマ系プロセスオイル)
液状ゴム1:Sartomer Company Inc社製のライコン100(液状SBR、スチレン量:22質量%、Mw:5000)
液状ゴム2:クラレ(株)製のL-FBR-742(液状ファルネセンブタジエン共重合体、BR量:40質量%、Mw:30000)
液状ゴム3:クラレ(株)製のLIR-30(液状IR、IR量:100質量%、Mw:28000)
液状ゴム4:クラレ(株)製のLIR-50(液状IR、IR量:100質量%、Mw:54000)
シリコーン1:下記製造例1で作製したシリコーン(Mw:16000)
シリコーン2:JNC社製の両末端サイラプレーンFM4425(両末端に水酸基を有する反応性シリコーン、下記構造(式中、nは繰り返し単位の数を表す)、重量平均分子量:10000)(上述した式(1)で表される化合物に該当)
Figure 0007151817000005
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
5%オイル硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5質量%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
(製造例1)<シリコーン1(特定重合体)の合成>
反応容器に、シリコーンとして片末端サイラプレーンFMDA26(一方の末端に水酸基を2つ有する反応性シリコーン、下記構造(式中、Rは置換基を表し、nは繰り返し単位の数を表す)(上述した式(2)で表される化合物に該当)、重量平均分子量:15000、水酸基価:約8、JNC社製)と、ポリエーテルポリオールとしてEXCENOL3020(両末端に水酸基を有するポリプロピレングリコール(PPG)、水酸基数:2、重量平均分子量:3000、水酸基価:37.4)とを、5/95の質量比で入れた。オーブンにて原料(片末端サイラプレーンFMDA26、EXCENOL3020)の水分を除去した後、80℃のオイルバスを用いて上記原料をメチルエチルケトン(MEK)(関東化学社製)に溶解させた。
原料が溶解した後、イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、触媒としてネオスタンU-810(ジオクチル錫、日東化成社製)を加えた。このとき、イソシアネートのイソシアネート基(-NCO)と、シリコーン及びポリエーテルポリオールの合計の水酸基(-OH)との当量比(モル比)(-NCO/-OH)が1.05になるようにイソシアネートを加えた。
容器内を窒素置換して重合反応を開始した。重合反応は蓋を閉めたままの閉鎖系で5時間実施した。
このようにして、シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体(シリコーン1)を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は95質量%であった。
片末端サイラプレーンFMDA26
Figure 0007151817000006
(実施例及び比較例)
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、ベーストレッド等の他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で12分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15、トレッドにおける溝深さ:7.5mm、トレッドの接地面における陸部比率:67%、トレッドにおける最表面のゴム層(キャップトレッド)の厚みの比率:85%、トレッドが、平均サイプ密度が1.7cm/cm、平均高さが7.5mmの陸部(ブロック)を有する)を製造した。得られた試験用タイヤを用いて下記評価を行い、結果を表1に示した。
なお、タイヤには、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の主溝をトレッドに設けた。
また、全ての陸部の形状は、表1に示す形状(D、D50)とした。ここで、台形とは、陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状を意味し、長方形とは、陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が一定の形状を意味する。
新品の各試験用タイヤの最も深い主溝の深さが新品時の50%となるように、トレッドラジアスに沿ってトレッド部を摩耗させた後、このタイヤを80℃で7日間熱劣化させることにより、摩耗後の各試験用タイヤを作製した。摩耗後の各試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(摩耗後のウェットグリップ性能)
摩耗後の各試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、湿潤アスファルト路面を実車走行し、ウェットグリップ性能を評価した。具体的には、上記車両を用いて湿潤アスファルト路面を走行し、時速30km/hでロックブレーキを踏み、停止させるまでに要した停止距離(ウェット制動停止距離)を測定し、下記式により指数表示した(ウェット路面でのグリップ性能指数)。指数が大きいほど、摩耗後のウェットグリップ性能が良好である。
(ウェット路面でのグリップ性能指数)=(比較例1の制動停止距離)/(各配合の制動停止距離)×100
(摩耗後の氷結路面でのグリップ性能(氷上性能))
摩耗後の各試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、氷上を実車走行し、氷結路面でのグリップ性能を評価した。具体的には、上記車両を用いて氷上を走行し、時速30km/hでロックブレーキを踏み、停止させるまでに要した停止距離(氷上制動停止距離)を測定し、下記式により指数表示した(氷結路面でのグリップ性能指数)。指数が大きいほど、摩耗後の氷結路面でのグリップ性能(摩耗後の氷上性能)が良好である。
(氷結路面でのグリップ性能指数)=(比較例1の制動停止距離)/(各配合の制動停止距離)×100
ここで、氷結路面でのグリップ性能指数が90以上の場合に、摩耗後の氷上性能に優れると判断した。
Figure 0007151817000007
表1より、シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、上記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状である実施例のタイヤは、摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の総合性能(摩耗後のウェットグリップ性能、摩耗後の氷上性能の2つの指数の総和で表す)に優れることが分かった。
B 陸部(ブロック)
S 接地面
G 主溝
H トレッド表面の各点から、トレッドの主溝底部で最もタイヤ径方向内側の深さまでのタイヤ径方向距離
W サイプの長手方向距離

Claims (11)

  1. シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、
    前記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であるタイヤであって、
    タイヤ新品時のトレッド接地面における陸部のタイヤ軸方向の長さ(D )、タイヤ新品時の50%にトレッド部が摩耗したときのトレッド接地面における陸部のタイヤ軸方向の長さ(D 50 )が、下記式を満たすタイヤ
    /D 50 ≦0.80
  2. シリコーンと、液状ゴムと、ブタジエン系ゴムとを含むゴム組成物を用いたトレッドを有し、
    前記トレッドにおける陸部の断面形状が、タイヤ半径方向内側に向かって幅が広くなる形状であるタイヤであって、
    前記シリコーンが、シリコーンとイソシアネートとの反応物であるタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物において、下記関係式を満たす請求項1又は2記載のタイヤ。
    ゴム成分100質量%中のブタジエンに基づく構成単位の含有量>ゴム成分100質量部に対する液状ゴム及びシリコーンの合計含有量
  4. 前記シリコーンが、シリコーンとイソシアネートとの反応物である請求項1又は記載のタイヤ。
  5. 下記関係式を満たす請求項1~のいずれかに記載のタイヤ。
    液状ゴムの重量平均分子量×0.4<シリコーンの重量平均分子量<液状ゴムの重量平均分子量×10
  6. 前記液状ゴムが、液状ゴム100質量%中、ブタジエンに基づく構成単位の含有量が40質量%以上である請求項1~のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 前記トレッドにおける溝深さが5.0~10mmである請求項1~のいずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記陸部における平均サイプ密度が0.5~4.0cm/cmである請求項1~のいずれかに記載のタイヤ。
  9. 前記トレッドの接地面における陸部比率が50~80%である請求項1~のいずれかに記載のタイヤ。
  10. 前記トレッドが、2層以上のゴム層を有し、トレッドにおける最表面のゴム層の厚みの比率が90%以下である請求項1~のいずれかに記載のタイヤ。
  11. 冬用タイヤ又はオールシーズンタイヤである請求項1~10のいずれかに記載のタイヤ。
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