JP7151589B2 - 両面粘着シート、離型フィルム付積層体及び画像表示装置用積層体 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献4に記載されているような、ガラス転移点が低く分子量が大きい粘着シートは常温や高温における接着力が低いため、部材を貼合した際に実使用環境下で折曲げ試験を行う前にはがれてしまうなど、両面粘着シートとしての基本的な性能に問題があった。
また、この欠点を補うために、ガラス転移点が高い両面粘着シートをフレキシブルディスプレイに適用しようとすると、部材を貼合して複数回折り曲げると折れ痕が残るという問題があった。
しかしながら、本発明者は、両面粘着シートの特性についてより詳細に研究したところ、ガラス転移温度(Tg)が-55℃以上であっても、所定のせん断貯蔵弾性率G’と引張貯蔵弾性率E’を有する粘着シートであれば、折曲げ痕や剥離を発生させることなく十分な折り曲げ耐性を有すること、並びに、実用的に使用できる程度の粘着力を有する粘着シートとなることを新たに見出した。
周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’(25℃)と引張貯蔵弾性率E’(25℃)が式1の関係を満たし、
周波数1Hz、該ガラス転移温度におけるせん断貯蔵弾性率G’(Tg)と引張貯蔵弾性率E’(Tg)が式2の関係を満たす両面粘着シートを提案する。
式1:1.0≦E’(25℃)/G’(25℃)≦5.0
式2:5.0≦E’(Tg)/G’(Tg)
本発明の実施形態の一例に係る両面粘着シート(以下「本両面粘着シート」とも称する。)は、少なくとも次の(1)~(3)の特性を有することが好ましい。
また、「せん断貯蔵弾性率G’」とは、せん断モードで動的粘弾性測定を行った際の貯蔵弾性率を意味し、「引張貯蔵弾性率E’」とは、引張モードで動的粘弾性測定を行った際の貯蔵弾性率を意味し、それぞれ後述する実施例に記載の方法で求められる値をいう。
(2)周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’(25℃)と引張貯蔵弾性率E’(25℃)が、式1の関係を満たす。
式1:1.0≦E’(25℃)/G’(25℃)≦5.0
(3)周波数1Hz、ガラス転移温度(Tg)におけるせん断貯蔵弾性率G’(Tg)と引張貯蔵弾性率E’(Tg)が、式2の関係を満たす。
式2:5.0≦E’(Tg)/G’(Tg)
本両面粘着シートの厚みは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
一方、本両面粘着シートの厚みが10μm以上であることで、ハンドリング性に優れたものとなる。
本両面粘着シートにおいて、周波数1Hzのせん断における損失正接(tanδ)のピーク温度で定義されるガラス転移温度(Tg)は、-50℃以上-20℃以下であるのが好ましい。中でも、当該下限は、好ましくは-48℃であり、更に好ましくは-45℃である。一方、当該上限は好ましくは-18℃であり、より好ましくは-15℃である。
ガラス転移温度(Tg)が-50℃以上であることで、折り曲げ耐性に優れた両面粘着シートとすることができる。一方、-20℃以下にあることで常温における接着力に優れた両面粘着シートとすることができる。
本両面粘着シートは、周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’(25℃)と引張貯蔵弾性率E’(25℃)が式1の関係を満たすのが好ましい。
式1:1.0≦E’(25℃)/G’(25℃)≦5.0
式2:5.0≦E’(Tg)/G’(Tg)
しかしながら、本発明者は、単にガラス転移温度の数値のみで耐久性が決定されるものではなく、常温域および低温域におけるせん断貯蔵弾性率G’と引張貯蔵弾性率E’の関係が重要であることを見出した。
通常の弾性体は、E’≒3G’の関係を満たすことが知られている。本両面粘着シートにおいては、ガラス転移温度(Tg)が-50℃以上-20℃の範囲においては、このような関係からずれて、5.0≦E’(Tg)/G’(Tg)の関係を満足することが一つの特徴であり、これによって所望の折り曲げ性を得ることができる。
また、両面粘着シートの架橋度を調整することでも、上記せん断貯蔵弾性率G’と引張貯蔵弾性率E’の数値を調整することが出来る。
たとえば、架橋点間分子量を大きくし、ゲル成分を多くすれば、せん断貯蔵弾性率G’と引張貯蔵弾性率E’を大きくすることができる。粘着シートにおいて架橋点間分子量を大きくするには、主原料の粘着剤において、分子量を大きくしたり、架橋点となる官能基の含有量を増やしたりすればよい。また、他にも、高分子量の架橋剤を用いたり、水素引き抜きタイプの開始剤を用いたりすればよい。
後述するように、少なくとも二つの粘着層を有する本両面粘着シートとする場合は、最表裏層に粘着層(H)を有し、該最表裏層の内側に少なくとも1層以上の粘着層(S)を有する粘着シートであることが好ましい。
式3:G’S(25℃)<G’H(25℃)
例えば、せん断貯蔵弾性率が比較的大きい粘着層(H)を本両面粘着シートの最表裏層に備えることによって、初期タック性、接着性を高めることが出来る。
一方、せん断貯蔵弾性率が比較的小さい粘着層(S)を本両面粘着シートの内側に備えることによって、折り曲げ時に部材との層間応力を小さくして、優れた折曲性を発現することが出来る。
他方、主剤(ベースポリマー)にガラス転移温度(Tg)の低いポリマーを配合する方法については、後述する光硬化性化合物(D)を配合する方法を挙げることができる。
特に、粘着層(H)を形成する際、ガラス転移温度を上げる必要があるという観点から、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸を構成単位として有する(メタ)アクリルエステル重合体(A)を含有する粘着層(H)とすることが好ましい。ただし、この方法に限定はされない。
粘着層(S)は折り曲げに対して耐性が高いため、厚み割合が30%以上であることで、折り曲げ耐性が高い粘着シートとなる。一方、95%以下であることで、初期タック性、接着性が高いレベルで維持できる。
このような観点から、前記粘着層(S)の厚みの割合は、30%以上、中でも50%以上、中でも65%以上であるのがより好ましく、また、95%以下、中でも90%以下、中でも80%以下であるのがより好ましい。
本両面粘着シートは、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)を含有する粘着剤組成物(以下「本粘着剤組成物」という。)から形成される粘着剤層を少なくとも一層以上有するシートであることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体の他、これと共重合可能なモノマー成分を重合することにより得られる共重合体を挙げることができる。
(a)カルボキシル基含有モノマー(以下「共重合性モノマーA」とも称する。)
(b)水酸基含有モノマー(以下「共重合性モノマーB」とも称する。)
(c)アミノ基含有モノマー(以下「共重合性モノマーC」とも称する。)
(d)エポキシ基含有モノマー(以下「共重合性モノマーD」とも称する。)
(e)アミド基含有モノマー(以下「共重合性モノマーE」とも称する。)
(f)ビニルモノマー(以下「共重合性モノマーF」とも称する。)
(g)側鎖の炭素数が1~3の(メタ)アクリレートモノマー(以下「共重合性モノマーG」とも称する。)
(h)マクロモノマー(以下「共重合性モノマーH」とも称する。)
このようなアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばエチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレートなどを挙げることができる。
本粘着剤組成物は、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)の他、架橋剤(B)を含有するものであることが好ましい。
本粘着剤組成物は、上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)及び架橋剤(B)の他、光開始剤(C)を含有するものであることが好ましい。
本粘着剤組成物は、上述した(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)、架橋剤(B)及び光開始剤(C)の他にも、必要に応じて、次に説明する光硬化性化合物(D)を含有してもよい。例えば、次に説明する光硬化性化合物(D)を配合することにより、本粘着剤組成物及び本両面粘着シートのガラス転移温度を下げることができる。よって、例えば、前記粘着層(H)及び粘着層(S)を形成する際、共通する(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)を使用する一方、粘着層(S)にのみ光硬化性化合物(D)を含有させて、粘着層(S)のガラス転移温度を前記のように相対的に低くすることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)よりもガラス転移温度(TgA)が低い化合物を配合することにより、本粘着剤組成物及び本両面粘着シートのガラス転移温度を低下させることができ、低温(例えば-30℃)での柔軟性を高めて、該温度における折りたたみ耐性を優れたものとすることができる。よって、前記粘着層(S)に好適に適用することができる。
光硬化性化合物(D)が、かかる範囲のガラス転移温度を有することにより、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)のガラス転移温度(TgA)を比較的高く設定することができるようになるから、接着性を担保しながら、折曲性を高めることができる。
このような(メタ)アクリレート(b-1)として、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート、ポリテトラメチレングリコール骨格含有ウレタンアクリレート、ポリプロピレングリコール骨格含有ウレタンアクリレート、ポリエチレングリコール骨格含有ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
当該グリコール骨格を有する(メタ)アクリレート(b-1)は、光硬化後のガラス転移温度(TgD)を低くし易く、該骨格成分の分子量を調整することで柔軟性等を付与することができる。
これらの中でもとりわけ、ポリエチレングリコール骨格及び/又はポリプロピレングリコール骨格であることがさらに好ましい。
より具体的には、末端の(メタ)アクリロイル基の重合に由来するピーク(b1)と、グリコール骨格に由来するピーク(b2)とを有する、光硬化性化合物を挙げることができる。
この際、前記ピーク(b1)のピーク温度は、-40℃以下、中でも-65℃以上或いは-45℃以下、中でも-60℃以上或いは-50℃以下であることが好ましく、前記ピーク(b2)のピーク温度は、0℃以下、中でも-50℃以上或いは-5℃以下、中でも-45℃以上或いは-10℃以下であることが好ましい。
このように、光硬化性化合物(D)が、動的粘弾性の損失正接(Tanδ)ピーク温度を、2つ有することにより、当該化合物(D)のTgDを低くすることができる。
光硬化性化合物(D)がこのようなグリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートであれば、直線構造が長く結合しているため、これらのグリコール骨格を有することにより、本粘着剤組成物のガラス転移温度をより効果的に下げることができ、被着体への良好な濡れ性と、高い柔軟性とを付与することができる。
かかる観点から、前記光硬化性化合物(D)は、前記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)100質量部に対して15質量部を超え75質量部未満の割合で含有されるのが好ましく、中でも20質量部以上或いは70質量部以下、その中でも30質量部以上或いは65質量部以下の割合で含有されるのがさらに好ましい。
本粘着剤組成物は、上述した(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)、架橋剤(B)、光開始剤(C)及び光硬化性化合物(D)の他にも、必要に応じて、通常の粘着組成物に配合されている公知の成分を含有してもよい。例えば、粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、防錆剤、老化防止剤、吸湿剤、加水分解防止剤、帯電防止剤、消泡剤、無機粒子などの各種の添加剤を適宜含有させることが可能である。
また、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を、必要に応じて適宜含有してもよい。
本両面粘着シートの製造方法としては、公知の製造方法を採用することができる。以下に、その一例を示す。
本発明の画像表示装置用積層体(以下「本積層体」とも称する。)は、2つの画像表示装置用構成部材が本両面粘着シートを介して貼り合わされた画像表示装置用積層体である。
本発明の画像表示装置用積層体を備えた画像表示装置は、折り曲げても不具合が生じないフレキシブル性に優れたものとなる
2つの屈曲又は湾曲可能な画像表示装置用構成部材の貼合において、上述した本両面粘着シートを用いると、当該部材を折り曲げて使用した場合であっても、粘着材がはみ出したり、凝集破壊したりすることなく、また、両面粘着シートに折れ痕が付くこともない。
実施例及び比較例で作製した両面粘着シートについて、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置「ダイナミックアナライザー RDAII」を用いてせん断法により、次の条件で測定した。
・治具:Φ25mmパラレルプレート
・歪み:0.5%
・周波数:1Hz
・温度:-70~200℃(-70℃から昇温速度3℃/minで測定)
・試料厚さ:500μm
日本工業規格JIS-K7244に準拠して、アイティー計測制御(株)製の粘弾性測定装置「DVA-200」を用い、引張法により、フィルムの長手方向と直角な方向(TD方向)について、振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分で、温度-60℃から100℃まで(ただし、20℃をすぎると粘着シートがやわらかくなり測定が徐々に困難になり、実質的に数値が得られるのは、温度が最高で30℃くらいになることが多い)測定した。得られたデータからグラフを作成し、内挿して、温度25℃での貯蔵弾性率(E’)の値を求めた。
実施例及び比較例で作製した両面粘着シートを、1mmの厚さになるまで積層し、これをガラス転移温度の測定サンプルとした。
この測定サンプルシートについて、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置「ダイナミックアナライザー RDAII」を用いてせん断法により、次の条件で測定した時のTanδの極大値を示す温度を読み取った。当該温度をガラス転移温度(Tg)とした。
・治具:Φ25mmパラレルプレート
・歪み:0.5%
・周波数:1Hz
以下の手順により、両面粘着シートの折曲性を評価した。
(1)実施例及び比較例で作製した両面粘着シート1~9を、50mm×100mmに裁断し、PETフィルム(厚み0.38mm×50mm×100mm)に貼合した。
(2)貼合したサンプルをPET(0.1mm×50mm×100mm)と貼合した積層体を作製した。
(3)PET38μmを内側として、作製された積層体を、折り曲げ試験機CL09type-D01(ユアサシステム製)を用いて、次の試験条件で試験を行った。
・曲率半径 r=3mm
・試験速度 60rpm
・試験回数 10万回
・試験環境 (A条件)23℃50%RH、
(B条件)-20℃
(4)試験後の積層体を目視観察した。両面粘着シートに折れ痕のついているものと、被着体に両面粘着シートの剥がれがあるものを「×(poor)」、目視観察で変化のないものを「○(good)」として評価した。
なお、前記目視観察において、図1に示すような投影試験による観察を行った。
投影機とスクリーンの間に折り曲げ試験後のサンプルを設置し、スクリーンに映った折り曲げ試験後のサンプルに歪みの有無で、両面粘着シートに折れ痕のついているものと、被着体からの両面粘着シートの剥がれを判別した。
実施例および比較例で作製した両面粘着シートについて、接着力を測定した。なお、積層品の場合は、積層作業を行う前の表層のみの接着力を測定した。
7cm×5cmのサイズにカットした両面粘着シートの離型PETを片側剥離し、7cm×15cmにカットした光学PETフィルム(東洋紡社製の商品名「コスモシャインA4300」の100μm品)とゴムロールを用いて貼り合わせた。このとき、両面粘着シートのカット品の長辺と光学PETフィルムのカット品の短辺が一致するように貼り合わせた。貼り合わせたサンプルを40℃の恒温槽で30分保管したのち、1cm×15cmのサイズに貼り合わせたサンプルを切り出した。残ったもう片側の離型PETを剥離し、ゴムロールを用いて厚さ3mmのソーダライムガラス板に貼り合わせた。貼り合わせたサンプルを40℃の恒温槽で3時間保管したのち、さらに23℃の環境で30分養生し、以下の条件で接着力を測定した。
・引張速度:60mm/min
・測定環境:23℃50%RH
(1)「両面粘着シートW50」「両面粘着シートW66」「両面粘着シートW75」「両面粘着シートW80」「両面粘着シートW100」
アクリル酸エステル共重合体ポリマーWP:100質量部に対し、光開始剤として4-メチルベンゾフェノン:1.0質量部と、架橋剤として1,9-ノナンジオールジアクリレート:0.6質量部とを添加して粘着剤組成物Wを得た。
また、前記粘着剤組成物Wをシート状にホットメルト成形する厚さを0.066mm、0.075mm、0.080mm、又は、0.100mmに変更した以外、両面粘着シートW50と同様にして、厚みのみ異なる両面粘着シートW66、両面粘着シートW75m、両面粘着シートW80、両面粘着シートW100をそれぞれ得た。これらのサンプルの25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’の値は0.023MPaであって、ガラス転移温度(Tg)は-36℃であった。
アクリル酸エステル共重合体ポリマーHP:100質量部に対し、光開始剤として4-メチルベンゾフェノン:1.0質量部と、架橋剤として1,9-ノナンジオールジアクリレート:0.6質量部とを添加して粘着剤組成物Hを得た。
また、前記粘着剤組成物Hをシート状にホットメルト成形する厚さを0.100mmに変更した以外、両面粘着シートH25と同様にして、厚みのみ異なる両面粘着シートH100を得た。これらのサンプルの25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’の値は0.06MPaであって、ガラス転移温度(Tg)は-17.6℃であった。
酢酸エチル溶媒に、メトキシエチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレートからなる共重合体を溶解させ、離型PETフィルムの上に乾燥させて厚さ0.010mmとなるように、塗工し、80℃のオーブンで乾燥させ、その上にもう一枚の離型フィルムをロールで貼合し、両面粘着シートハード10を得た。
また、前記共重合体を溶解させて塗工する厚みを0.100mmに変更した以外、両面粘着シートハード10と同様にして、厚みのみ異なる両面粘着シートハード100を得た。これらのサンプルの25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’の値は0.18MPaであって、ガラス転移温度(Tg)は-21.5℃であった。
アクリル酸エステル共重合体ポリマーVP:100質量部に対し、光開始剤として4-メチルベンゾフェノン:4.5質量部を添加して粘着剤組成物Vを得た。
また、前記粘着剤組成物Vをシート状にホットメルト成形する厚さを0.017mm、0.100mmに変更した以外、両面粘着シートV12.5と同様にして、厚みのみ異なる両面粘着シートV17、両面粘着シートV100を得た。これらのサンプルの25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’の値は0.04MPaであって、ガラス転移温度(Tg)は-25℃であった。
アクリル酸エステル共重合体ポリマーRP:100質量部に対し、光開始剤として4-メチルベンゾフェノン:4.5質量部を添加して紫外線硬化型の粘着剤組成物Rを得た。
アクリル酸エステル共重合体ポリマーRP:100質量部に対し、架橋剤として旭硝子株式会社製の商品名「PEM-X264」を25質量部、光開始剤として4-メチルベンゾフェノン:4.5質量部を添加して紫外線硬化型の粘着剤組成物Cを得た。
離型PETを片側剥離した両面粘着シートW50とH25を、ゴムロールを用いて貼り合わせた後、さらにW50のもう片方の離型PETを剥離し、離型PETを片側剥離したもう1枚のH25と貼り合わせることで、H25/W50/H25の積層構成を有する両面粘着シートを得た。得られた両面粘着シートについてそれぞれの測定結果を表1に示す。
離型PETを片側剥離した両面粘着シートW80とハード10を、ゴムロールを用いて貼り合わせた後、さらにW80のもう片方の離型PETを剥離し、離型PETを片側剥離したもう一枚のハード10と貼り合わせることで、ハード10/W80/ハード10の積層構成を有する両面粘着シートを得た。得られた両面粘着シートについてそれぞれの測定結果を表1に示す。
離型PETを片側剥離した前記両面粘着シートW66とV17とを、ゴムロールを用いて貼り合わせた後、さらにW66のもう片方の離型PETを剥離し、離型PETを片側剥離したもう一枚のV17と貼り合わせることで、V17/W66/V17の積層構成を有する両面粘着シートを得た。得られた両面粘着シートについてのそれぞれの評価結果を表1に示す。
離型PETを片側剥離した前記両面粘着シートW75とV12.5とを、ゴムロールを用いて貼り合わせた後、さらにW75のもう片方の離型PETを剥離し、離型PETを片側剥離したもう一枚のV12.5と貼り合わせることで、V12.5/W75/V12.5の積層構成を有する両面粘着シートを得た。得られた両面粘着シートについてのそれぞれの評価結果を表1に示す。
離型PETを片側剥離した前記両面粘着シートC66とR17をゴムロールを用いて貼り合わせた後、さらにC66のもう片方の離型PETを剥離し、離型PETを片側剥離したもう一枚のR17と貼り合わせることで、R17/C66/R17の積層構成を有する両面粘着シートを得た。得られた両面粘着シートについてのそれぞれの評価結果を表1に示す。
両面粘着シートH100をそのまま両面粘着シートとした。それぞれの評価結果を表1に示す。
両面粘着シートハード100をそのまま両面粘着シートとした。それぞれの評価結果を表1に示す。
両面粘着シートV100をそのまま両面粘着シートとした。それぞれの評価結果を表1に示す。
両面粘着シートW100をそのまま両面粘着シートとした。それぞれの評価結果を表1に示す。
粘着シートのガラス転移温度(Tg)が高い比較例1では、折り曲げたときに折れ痕が残った。
温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’と引張貯蔵弾性率E’が前記式2の関係を満たしていない比較例2でも、折り曲げたときに折れ痕が残った。
特に比較例3では、低温時の折曲性が若干劣っていた。
温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’と引張貯蔵弾性率E’が前記式1の関係を満たしていない比較例4の両面粘着シートW100では、接着力が低くOCAとしての性能が発現されなかった。
式1:1.0≦E’(25℃)/G’(25℃)≦5.0
式2:5.0≦E’(Tg)/G’(Tg)
2 折曲試験後のサンプル
3 スクリーン
4 折れ痕
Claims (12)
- 周波数1Hzのせん断における損失正接(tanδ)のピーク温度で定義されるガラス転移温度(Tg)が-50℃以上-20℃以下であり、
周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’(25℃)と引張貯蔵弾性率E’(25℃)が式1の関係を満たし、
周波数1Hz、該ガラス転移温度におけるせん断貯蔵弾性率G’(Tg)と引張貯蔵弾性率E’(Tg)が式2の関係を満たす両面粘着シート。
式1:1.0≦E’(25℃)/G’(25℃)≦5.0
式2:5.0≦E’(Tg)/G’(Tg) - 厚みが10μm以上150μm以下である請求項1に記載の両面粘着シート。
- 粘着層を少なくとも二層以上有する請求項1又は2に記載の両面粘着シート。
- 最表裏層に粘着層(H)を有し、該最表裏層の内側に少なくとも一つの粘着層(S)を有し、粘着層(H)の周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’H(25℃)と、粘着層(S)の周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’S(25℃)とが、式3の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の両面粘着シート。
式3:G’S(25℃)<G’H(25℃) - 両面粘着シート全体の厚みに対する前記粘着層(S)の厚みの割合が30%以上95%以下である、請求項4に記載の両面粘着シート。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の両面粘着シートの少なくとも片面に離型フィルムを備えた離型フィルム付積層体。
- 2つの画像表示装置用構成部材が両面粘着シートを介して貼合されており、
該両面粘着シートは、周波数1Hzのせん断における損失正接(tanδ)のピーク温度で定義されるガラス転移温度(Tg)が、-50℃以上-20℃以下であり、且つ、周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’(25℃)と引張貯蔵弾性率E’(25℃)が、式1の関係を満たし、且つ、周波数1Hz、該ガラス転移温度(Tg)におけるせん断貯蔵弾性率G’(Tg)と引張貯蔵弾性率E’(Tg)が、式2の関係を満たすものである、画像表示装置用積層体。
式1:1.0≦ E’(25℃)/G’(25℃)≦5.0
式2:5.0≦E’(Tg)/G’(Tg) - 前記両面粘着シートの厚みが10μm以上150μm以下である、請求項7に記載の画像表示装置用積層体。
- 前記両面粘着シートは、粘着層を少なくとも二層以上有するものである、請求項7又は8に記載の画像表示装置用積層体。
- 前記両面粘着シートは、最表裏層に粘着層(H)を有し、該最表裏層の内側に少なくとも一層以上の粘着層(S)を有し、
粘着層(H)の周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’H(25℃)と、粘着層(S)の周波数1Hz、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’S(25℃)が、式3の関係を満たすことを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置用積層体。
式3:G’S(25℃)<G’H(25℃) - 前記画像表示構成部材のうち少なくとも1つが、表面保護パネル、タッチパネル、光学フィルム及び有機ELディスプレイパネルからなる群から選択されるものである、請求項7~9のいずれか1項に記載の画像表示装置用積層体。
- 請求項7~11のいずれか1項に記載の画像表示装置用積層体を備えた、画像表示装置。
Priority Applications (1)
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