JP7150785B2 - 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、および、記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、および、記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、複数の視差画像を合成して画像を出力する画像処理装置に関する。
従来から、撮影レンズの射出瞳を複数の領域に瞳分割し、分割された瞳領域に応じた複数の視差画像を同時に撮影可能な撮像装置が知られている。
特許文献1には、1つの画素に対して、1つのマイクロレンズと複数に分割された光電変換部が形成されている2次元撮像素子を用いた撮像装置が開示されている。分割された光電変換部は、1つのマイクロレンズを介して撮影レンズの射出瞳の異なる瞳部分領域を受光するように構成され、瞳分割を行う。これらの分割された光電変換部のそれぞれの受光信号に基づいて、分割された瞳部分領域に応じた複数の視差画像を生成することができる。特許文献2には、分割された光電変換部のそれぞれの受光信号の全てを加算することにより撮像画像を生成する撮像装置が開示されている。
米国特許第4410804号 特開2001-083407号公報
ところで、特許文献1、2に開示されているような撮像装置において、主被写体にピントを合わせる一方、前景や背景を大きくボカすことにより、主被写体を効果的に際立たせる撮影が行われることがある。しかしながら、撮影シーンによっては、主被写体(例えば、鳥)の手前に位置する前景(花びら)が大きくボケることにより主被写体が隠れてしまう前ボケ被りが生じ、撮影画像の品位が低下する場合がある。
そこで本発明は、撮像画像の品位を向上させる画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、および、記憶媒体を提供する。
本発明の一側面としての画像処理装置は、複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を互いにシフトさせずに対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、前記設定手段は、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定する。
本発明の一側面としての撮像装置は、1つのマイクロレンズに対して複数の光電変換部を有し、該マイクロレンズが2次元状に複数配列され複数の画素を構成する撮像素子と、前記複数の光電変換部から得られた複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を互いにシフトさせずに対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、前記設定手段は、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定することを特徴とする。
本発明の一側面としての画像処理方法は、複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定するステップと、前記設定するステップにより設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を互いにシフトさせずに対応する領域毎に合成して合成画像を生成するステップと、を有し、前記設定するステップは、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としてのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は上記方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶していることを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、撮像画像の品位を向上させる画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、および、記憶媒体を提供することができる。
各実施例における撮像装置のブロック図である。 実施例1における画素配列を示す図である。 実施例1における画素構造を示す図である。 各実施例における撮像素子および瞳分割機能の説明図である。 各実施例における撮像素子および瞳分割機能の説明図である。 各実施例におけるデフォーカス量と像ずれ量と関係図である。 主被写体への前ボケ被り画像の例である。 各実施例における画像処理(ボケ調整処理)の説明図である。 各実施例における画像処理(ボケ調整処理)の効果の説明図である。 各実施例における瞳ずれによる実効絞り値の説明図である。 実施例2における画素配列を示す図である。 実施例2における画素構造を示す図である。 各実施例におけるリフォーカス処理の概略説明図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における撮像装置の概略構成について説明する。図1は、本実施例における撮像装置100(カメラ)のブロック図である。撮像装置100は、カメラ本体とカメラ本体に着脱可能な交換レンズ(結像光学系または撮影光学系)とを備えたデジタルカメラシステムである。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、カメラ本体とレンズとが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
第1レンズ群101は、撮影レンズ(結像光学系)を構成する複数のレンズ群のうち最も前方(被写体側)に配置されており、光軸OAの方向(光軸方向)に進退可能な状態でレンズ鏡筒に保持される。絞り兼用シャッタ102(絞り)は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行うとともに、静止画撮影時には露光時間調節用シャッタとして機能する。第2レンズ群103は、絞り兼用シャッタ102と一体的に光軸方向に進退し、第1レンズ群101の進退動作と連動して変倍動作を行うズーム機能を有する。第3レンズ群105は、光軸方向に進退することにより焦点調節(フォーカス動作)を行うフォーカスレンズ群である。光学的ローパスフィルタ106は、撮影画像の偽色やモアレを軽減するための光学素子である。
撮像素子107は、結像光学系を介して被写体像(光学像)の光電変換を行い、例えばCMOSセンサまたはCCDセンサ、および、その周辺回路により構成される。撮像素子107としては、例えば、横方向にm個の画素、縦方向にn個の画素を有する受光ピクセル上にベイヤー配列の原色カラーモザイクフィルタをオンチップで形成した2次元単板カラーセンサが用いられる。
ズームアクチュエータ111は、不図示のカム筒を回動(駆動)することで第1レンズ群101および第2レンズ群103を光軸方向に沿って移動させることにより、変倍動作を行う。絞りシャッタアクチュエータ112は、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御して光量(撮影光量)を調節するとともに、静止画撮影時の露光時間を制御する。フォーカスアクチュエータ114は、第3レンズ群105を光軸方向に移動させて焦点調節を行う。
電子フラッシュ115は、被写体を照明するために用いられる照明装置である。電子フラッシュ115としては、キセノン管を備えた閃光照明装置または連続発光するLED(発光ダイオード)を備えた照明装置が用いられる。AF補助光手段116は、所定の開口パターンを有するマスクの像を、投光レンズを介して、被写体に投影する。これにより、暗い被写体や低コントラストの被写体に対する焦点検出能力を向上させることができる。
CPU121は、撮像装置100の種々の制御を司る制御装置(制御手段)である。CPU121は、演算部、ROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、および、通信インターフェイス回路などを有する。CPU121は、ROMに記憶された所定のプログラムを読み出して実行することにより、撮像装置100の各種回路を駆動し、焦点検出(AF)、撮影、画像処理、または、記録などの一連の動作を制御する。
電子フラッシュ制御回路122は、撮影動作に同期して電子フラッシュ115の点灯制御を行う。補助光駆動回路123は、焦点検出動作に同期してAF補助光手段116の点灯制御を行う。撮像素子駆動回路124は、撮像素子107の撮像動作を制御するとともに、取得した画像信号をA/D変換してCPU121に送信する。
画像処理回路125(画像処理装置)は、撮像素子107から出力された画像データのγ(ガンマ)変換、カラー補間、または、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮などの処理を行う。本実施例において、画像処理回路125は、決定手段(設定手段)125aおよび画像生成手段125bを有する。決定手段125aは、複数の視差画像のそれぞれの位置に応じて変化する重み係数を決定する。画像生成手段125bは、その重み係数に基づいて複数の視差画像を合成して画像(合成画像)を生成する。
フォーカス駆動回路126(フォーカス駆動手段)は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ114を駆動し、第3レンズ群105を光軸方向に沿って移動させることにより、焦点調節を行う。絞りシャッタ駆動回路128は、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動して、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御する。ズーム駆動回路129(ズーム駆動手段)は、撮影者のズーム操作に応じて、ズームアクチュエータ111を駆動する。
表示器131(表示手段)は、例えばLCD(液晶表示装置)を備えて構成される。表示器131は、撮像装置100の撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像、撮影後の確認用画像、または、焦点検出時の合焦状態表示画像などを表示する。操作部132(操作スイッチ群)は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、および、撮影モード選択スイッチなどを備えて構成される。レリーズスイッチは、半押し状態(SW1がONの状態)、および、全押し状態(SW2がONの状態)の2段階のスイッチを有する。記録媒体133は、例えば撮像装置100に着脱可能なフラッシュメモリであり、撮影画像(画像データ)を記録する。
続いて、図2および図3を参照して、本実施例における撮像素子107の画素配列および画素構造について説明する。図2は、撮像素子107の画素配列を示す図である。図3は、撮像素子107の画素構造を示す図であり、図3(a)は撮像素子107の画素200Gの平面図(+z方向から見た図)、図3(b)は図3(a)中の線a-aの断面図(-y方向から見た図)をそれぞれ示している。
図2は、撮像素子107(2次元CMOSセンサ)の画素配列(撮影画素の配列)を、4列×4行の範囲で示している。本実施例において、各々の撮像画素(画素200R、200G、200B)は、2つの副画素201、202により構成さている。このため、図2には、副画素の配列が、8列×4行の範囲で示されている。
図2に示されるように、2列×2行の画素群200は、画素200R、200G、200Bがベイヤー配列で配置されている。すなわち画素群200のうち、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下にそれぞれ配置されている。各画素200R、200G、200B(各撮像画素)は、2列×1行に配列された副画素201、202により構成されている。副画素201は、結像光学系の第1瞳領域を通過した光束を受光する画素である。副画素202は、結像光学系の第2瞳領域を通過した光束を受光する画素である。
図2に示されるように、撮像素子107は、4列×4行の撮像画素(8列×4行の副画素)を面上に多数配置して構成されており、撮像信号(副画素信号)を出力する。本実施例の撮像素子107は、画素(撮像画素)の周期Pが4μm、画素(撮像画素)の数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素である。また撮像素子107は、副画素の列方向の周期PSUBが2μm、副画素の数NSUBが横11150列×縦3725行=約4150万画素である。
図3(b)に示されるように、本実施例の画素200Gには、画素の受光面側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が設けられている。マイクロレンズ305は、2次元状に複数配列されており、受光面からz軸方向(光軸OAの方向)に所定の距離だけ離れた位置に配置されている。また画素200Gには、x方向にN分割(2分割)、y方向にN分割(1分割)された光電変換部301および光電変換部302が形成されている。光電変換部301および光電変換部302は、それぞれ、副画素201および副画素202に対応する。
光電変換部301および光電変換部302は、それぞれ、p型層とn型層との間にイントリンシック層を挟んだpin構造のフォトダイオードとして構成される。必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合のフォトダイオードとして構成してもよい。画素200G(各画素)には、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルタ306が設けられる。必要に応じて、副画素ごとにカラーフィルタ306の分光透過率を変えることができ、またはカラーフィルタを省略してもよい。
図3に示されるように、画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光された後、光電変換部301および光電変換部302で受光される。光電変換部301および光電変換部302においては、受光量に応じて電子とホールとの対が生成され、それらが空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層に蓄積される。一方、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて、撮像素子107の外部へ排出される。光電変換部301および光電変換部302のn型層に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
続いて、図4を参照して、撮像素子107の瞳分割機能について説明する。図4は、撮像素子107の瞳分割機能の説明図であり、1つの画素部における瞳分割の様子を示している。図4は、図3(a)に示される画素構造のa-a断面を+y側から見た断面図、および、結像光学系の射出瞳面を示している。図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るため、断面図のx軸およびy軸を図3のx軸およびy軸に対してそれぞれ反転させている。
図4において、副画素201(第1副画素)の瞳部分領域501(第1瞳部分領域)は、重心が-x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305を介して略共役関係になっている。このため瞳部分領域501は、副画素201で受光可能な瞳領域を表している。副画素201の瞳部分領域501の重心は、瞳面上で+x側に偏心している。また、副画素202(第2副画素)の瞳部分領域502(第2瞳部分領域)は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305を介して略共役関係になっている。このため瞳部分領域502は、副画素202で受光可能な瞳領域を表している。副画素202の瞳部分領域502の重心は、瞳面上で-x側に偏心している。瞳領域500は、光電変換部301、302(副画素201、202)を全て合わせた際の画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
入射光は、マイクロレンズ305により、焦点位置に集光される。しかし、光の波動性による回折の影響により、集光スポットの直径は、回折限界Δよりも小さくすることができず、有限の大きさとなる。光電変換部301、302の受光面サイズが約1~2μm程度であるのに対し、マイクロレンズ305の集光スポットは約1μm程度である。このため、光電変換部301、302の受光面とマイクロレンズ305とを介して共役の関係にある図4の瞳部分領域501、502は、回折ボケのため、明瞭に瞳分割されず、受光率分布(瞳強度分布)が得られる。
図5は、撮像素子107と瞳分割機能の説明図である。結像光学系の瞳領域のうち互いに異なる瞳部分領域501、502を通過した光束は、撮像素子107の各画素に互いに異なる角度で撮像素子107の撮像面600に入射し、2×1分割された副画素201、202で受光される。本実施例では、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されている例について説明しているが、これに限定されるものではなく、必要に応じて垂直方向に瞳分割を行ってもよい。
本実施例において、撮像素子107は、1つのマイクロレンズを共有し、結像光学系(撮影レンズ)の瞳のうち互いに異なる領域(第1瞳部分領域、第2瞳部分領域)を通過する複数の光束を受光する複数の副画素を備えている。撮像素子107は、複数の副画素として、第1副画素(複数の副画素201)および第2副画素(複数の副画素202)を含む。本実施例において、複数の副画素201の受光信号を集めて第1視差画像を生成し、複数の副画素202の受光信号を集めて第2視差画像を生成する。このように本実施例では、互いに異なる瞳部分領域ごとに複数の副画素の受光信号を集めて、それぞれの視差画像を生成する。
本実施例において、第1視差画像および第2視差画像は、それぞれ、ベイヤー配列の画像である。必要に応じて、第1視差画像および第2視差画像のそれぞれに対して、デモザイキング処理を行ってもよい。また本実施例において、撮像素子107の画素ごとに副画素201、202の信号を加算して読み出すことにより、有効画素数Nの解像度を有する撮像画像を生成することができる。このように本実施例では、複数の視差画像(第1視差画像と第2視差画像)から撮像画像を生成する。
次に、図6を参照して、撮像素子107の副画素201から取得される第1視差画像および副画素202から取得される第2視差画像のデフォーカス量と像ずれ量との関係について説明する。図6は、デフォーカス量と像ずれ量との関係図である。図6において、撮像素子107は撮像面600に配置されており、図4および図5と同様に、結像光学系の射出瞳が瞳部分領域501、502に2分割されている様子が示されている。
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面600までの距離を|d|、結像位置が撮像面600よりも被写体側にある前ピン状態を負符号(d<0)、結像位置が撮像面600よりも被写体の反対側にある後ピン状態を正符号(d>0)として定義される。被写体の結像位置が撮像面600(合焦位置)にある合焦状態において、デフォーカス量d=0が成立する。図6において、合焦状態(d=0)である被写体601、および、前ピン状態(d<0)である被写体602がそれぞれ示されている。前ピン状態(d<0)および後ピン状態(d>0)を併せて、デフォーカス状態(|d|>0)という。
前ピン状態(d<0)では、被写体602からの光束のうち、瞳部分領域501(または瞳部分領域502)を通過した光束は、一度、集光する。その後、光束は、光束の重心位置G1(G2)を中心とする幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面600でボケた像となる。ボケた像は、撮像素子107に配列された各画素を構成する副画素201(副画素202)により受光され、第1視差画像(第2視差画像)が生成される。このため、第1視差画像(第2視差画像)は、撮像面600上の重心位置G1(G2)に、被写体602が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね比例して増加する。同様に、第1視差画像と第2視差画像との間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1-G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加する。後ピン状態(d>0)に関しても同様であるが、第1視差画像と第2視差画像と間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となる。
このように本実施例において、第1視差画像と第2視差画像、または、第1視差画像と第2視差画像とを加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1視差画像と第2視差画像と間の像ずれ量の大きさは増加する。
次に、本実施例におけるボケ調整(主被写体への前ボケ被り低減)の画像処理について説明する。なお、ボケ調整(主被写体への前ボケ被り低減)の画像処理は、CPU121の指令に基づいて画像処理回路125(決定手段125a、画像生成手段125b)により実行される。画像処理回路125は、撮像素子107により取得される複数の視差画像(第1視差画像および第2視差画像)を入力し、本実施例の画像処理を実行する。
図7は、主被写体への前ボケ被り画像の例である。図7の領域700において、第1被写体としての主被写体(鳥)の手前(至近側)に位置する第2被写体としての前景(花びら)が大きくボケて主被写体が隠れる前ボケ被りが生じている。
ここで、j、iを整数として、第1視差画像(および第2視差画像)の行方向j番目、列方向i番目の位置を(j、i)として表し、位置(j、i)の画素の第1視差画像をA(j、i)、第2視差画像をB(j、i)とする。
第1ステップとして、CPU121(画像処理回路125)は、主被写体への前ボケ被りを低減する所定領域R=[j1、j2]×[i1、i2]、および、所定領域の境界幅σを設定する。そして、以下の式(1)により、所定領域Rおよび所定領域の境界幅σに応じたテーブル関数T(j、i)を算出する。
Figure 0007150785000001
テーブル関数T(j、i)は、所定領域Rの内側で1、所定領域Rの外側で0となり、所定領域Rの境界幅σで、概ね、1から0に連続的に変化する。必要に応じて、所定領域Rは、円形や、その他の任意の形状としてもよい。また、必要に応じて、複数の所定領域および境界幅を設定してもよい。
第2ステップとして、CPU121(画像処理回路125)は、実係数w(-1≦w≦1)とし、以下の式(2A)により、第1視差画像A(j、i)の第1重み係数W(j、i)を算出する。同様に、CPU121(画像処理回路125)は、以下の式(2B)により、第2視差画像B(j、i)の第2重み係数W(j、i)を算出する。
Figure 0007150785000002
Figure 0007150785000003
第3ステップとして、画像処理回路125は、第1視差画像A(j、i)、第2視差画像B(j、i)、第1重み係数W(j、i)、および、第2重み係数W(j、i)から、以下の式(3)により、出力画像I(j、i)を生成する。
Figure 0007150785000004
必要に応じて、画像処理回路125は、シフト量sによるリフォーカス処理と組み合わせ、以下の式(4A)または式(4B)により、出力画像I(j、i)を生成してもよい。
Figure 0007150785000005
Figure 0007150785000006
ここで、図13を参照して、リフォーカス処理について説明する。図13は、本実施例の撮像素子107により取得された第1信号(第1副画素の受光信号)および第2信号(第2副画素の受光信号)による1次元方向(列方向、水平方向)のリフォーカス処理の説明図である。図13において、iを整数として、撮像面600に配置された撮像素子107の列方向i番目の画素の第1信号をAi、第2信号をBiとして模式的に表している。第1信号Aiは、(図5の瞳部分領域501に対応する)主光線角度θaでi番目の画素に入射した光束の受光信号である。第2信号Biは、(図5の瞳部分領域502に対応する)主光線角度θbでi番目の画素に入射した光束の受光信号である。
第1信号Aiおよび第2信号Biは、光強度分布情報だけでなく、入射角度情報も含む。このため、第1信号Aiを角度θaに沿って仮想結像面610まで平行移動させ、第2信号Biを角度θbに沿って仮想結像面610まで平行移動させ、これらを加算することにより、仮想結像面610でのリフォーカス信号を生成できる。第1信号Aiを角度θaに沿って仮想結像面610まで平行移動させることは、列方向に+0.5画素シフトに対応し、第2信号Biを角度θbに沿って仮想結像面610まで平行移動させることは、列方向に-0.5画素シフトに対応する。したがって、第1信号Aiと第2信号Biとを相対的に+1画素シフトさせ、第1信号Aiと第2信号(Bi+1)とを対応させて加算することにより、仮想結像面610でのリフォーカス信号を生成できる。同様に、第1信号Aiと第2信号Biとを整数シフトさせて(画素整数個分だけシフトさせて)加算することにより、整数シフト量に応じた各仮想結像面でのシフト加算信号(リフォーカス信号)を生成できる。
本実施例では、結像光学系の異なる瞳部分領域を通過した光束を受光する複数の副画素が設けられた画素を複数配列した撮像素子により取得される、複数の視差画像を入力し、複数の視差画像毎に重み係数を掛けて合成し出力画像を生成する。好ましくは、本実施例では、複数の視差画像ごとの重み係数は、出力画像の領域に応じて連続的に変化する。また好ましくは、本実施例では、出力画像を、複数の視差画像ごとに重み係数を掛けて加算またはシフト加算して生成する。
次に、図8を参照して、主被写体への前ボケ被りを低減するボケ調整の画像処理の原理について説明する。図8は、ボケ調整のための画像処理の説明図である。図8において、本実施例の撮像素子107は撮像面600上に配置されており、図5と同様に、結像光学系の射出瞳が瞳部分領域501、502に2分割される。
図8(a)は、主被写体への前ボケ被り画像の例であり、主被写体q1(第1被写体)の像p1(合焦像)に、手前の被写体q2(第2被写体)のボケ像(Γ1+Γ2)が重なって撮影される状態を示している。図8(b)、(c)は、図8(a)の例を、結像光学系の瞳部分領域501を通過する光束と瞳部分領域502を通過する光束とにそれぞれ分離した図を示している。
図8(b)では、主被写体q1からの光束は、瞳部分領域501を通過して合焦状態で像p1に結像し、手前の被写体q2からの光束は、瞳部分領域501を通過して、デフォーカス状態でボケ像Γ1に広がり、撮像素子107の各画素の副画素201で受光される。副画素201の受光信号から第1視差画像が生成される。第1視差画像では、主被写体q1の像p1と手前の被写体q2のボケ像Γ1とが互いに重なることなく撮影される。所定領域(被写体q1の像p1近傍)において、複数の視差画像(第1視差画像と第2視差画像)の中で、至近側の被写体(被写体q2のボケ像Γ1)が最も狭い範囲で撮影されている視差画像の例である。また、所定領域(被写体q1の像p1近傍)において、複数の視差画像(第1視差画像と第2視差画像)の中で、被写体q2のボケ像Γ1の写りが少なく、コントラスト評価値が最も大きい視差画像の例である。
一方、図8(c)では、主被写体q1からの光束は瞳部分領域502を通過して合焦状態で像p1に結像し、手前の被写体q2からの光束は瞳部分領域502を通過してデフォーカス状態でボケ像Γ2に広がり、撮像素子107の各画素の副画素202で受光される。副画素202の受光信号から第2視差画像が生成される。第2視差画像では、主被写体q1の像p1と手前の被写体q2のボケ像Γ2が互いに重なって撮影される。所定領域において、複数の視差画像の中で、至近側の被写体が最も狭い範囲で撮影されている視差画像の例である。また、所定領域において、複数の視差画像の中で、ボケ像の写りが少なく、コントラスト評価値が最も大きい視差画像の例である。所定領域(被写体q1の像p1近傍)において、複数の視差画像(第1視差画像と第2視差画像)の中で、至近側の被写体(被写体q2のボケ像Γ2)が最も広い範囲で撮影されている視差画像の例である。また、所定領域(被写体q1の像p1近傍)において、複数の視差画像(第1視差画像と第2視差画像)の中で、被写体q2のボケ像Γ2の写りが多く、コントラスト評価値が最も小さい視差画像の例である。
本実施例では、所定領域(像p1近傍)において、像p1とボケ像Γ1との重なりが少ない第1視差画像の第1重み係数Wを、像p1とボケ像Γ2との重なりが多い第2視差画像の第2重み係数Wよりも大きく設定し、式(3)により出力画像を生成する。これにより、主被写体への前ボケ被りを低減した画像を生成することができる。
好ましくは、本実施例では、出力画像の所定領域において、複数の視差画像の中で、至近側の被写体が最も広い範囲で撮影されている視差画像の重み係数が最も小さいか、または、至近側の被写体が最も狭い範囲で撮影されている視差画像の重み係数が最も大きい。また好ましくは、本実施例では、出力画像の所定領域において、複数の視差画像の中で、コントラスト評価値が最も小さい視差画像の重み係数が最も小さいか、または、コントラスト評価値が最も大きい視差画像の重み係数が最も大きい。
次に、図9を参照して、本実施例における画像処理(ボケ調整処理)の効果について説明する。図9は、画像処理(ボケ調整処理)の効果の説明図である。図9(a)は、図7の所定領域700における主被写体(鳥)への花びらの前ボケ被りを低減するボケ調整処理前の画像を示している。図9(b)は、ボケ調整処理後の画像を示している。図9(a)の画像(ボケ調整処理前の画像)では、鳥のくちばしや目、羽にかけて、花びらの前ボケで白く覆われている(図9(a)中の破線で示される円の内側)。一方、図9(b)の画像(ボケ調整処理後の画像)では、このような前ボケが低減されている。本実施例では、必要に応じて、ボケ調整処理を行わない所定領域以外では、結像光学系のボケ形状を変化させないために、複数の視差画像ごとの重み係数(第1重み係数、第2重み係数)を、概ね均等に加算し、出力画像を生成することが好ましい。
次に、図10を参照して、本実施例における撮像素子107の周辺像高での瞳ずれについて説明する。図10は、瞳ずれによる実効絞り値の説明図であり、撮像素子107の周辺像高に配列された各画素の副画素201、202がそれぞれ受光する瞳部分領域501、502と結像光学系の射出瞳400との関係を示している。
図10(a)は、結像光学系の射出瞳距離Dl(射出瞳400と撮像素子107の撮像面との距離)と、撮像素子107の設定瞳距離Dsとが略等しい場合を示している。この場合、中央像高と同様に、周辺像高においても、結像光学系の射出瞳400は瞳部分領域501、502により略均等に瞳分割される。
一方、図10(b)に示されるように、結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子107の設定瞳距離Dsよりも短い場合、撮像素子107の周辺像高では、結像光学系の射出瞳400と撮像素子107の入射瞳との間に瞳ずれが生じる。このため、結像光学系の射出瞳400は不均一に瞳分割される。図10(b)の場合、瞳部分領域501に対応する第1視差画像の実効絞り値は、瞳部分領域502に対応する第2視差画像の実効絞り値よりも小さい(明るい)値となる。一方、反対側の像高では、瞳部分領域501に対応する第1視差画像の実効絞り値は、瞳部分領域502に対応する第2視差画像の実効絞り値よりも大きい(暗い)値となる。
図10(c)に示されるように、結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子107の設定瞳距離Dsよりも長い場合、撮像素子107の周辺像高では、結像光学系の射出瞳400と撮像素子107の入射瞳との間に瞳ずれが生じる。このため、結像光学系の射出瞳400は不均一に瞳分割される。図10(c)の場合、瞳部分領域501に対応する第1視差画像の実効絞り値は、瞳部分領域502に対応する第2視差画像の実効絞り値よりも大きい(暗い)値となる。一方、反対側の像高では、瞳部分領域501に対応する第1視差画像の実効絞り値は、瞳部分領域502に対応する第2視差画像の実効絞り値よりも小さい(明るい)値となる。瞳ずれにより周辺像高で瞳分割が不均一になるのに伴い、第1視差画像および第2視差画像の実効F値も不均一となる。このため、第1視差画像および第2視差画像のいずれか一方のボケの広がりが大きくなり、他方のボケの広がりが小さくなる。このため本実施例では、必要に応じて、出力画像の所定領域において、複数の視差画像の中で、実効絞り値が最も小さい視差画像の重み係数を最も小さくするか、または、実効絞り値が最も大きい視差画像の重み係数を最も大きくすることが好ましい。
以上の構成により、撮影後に主被写体への前ボケ被りを低減させ、撮像画像としての品位を向上させることができる。
次に、図11および図12を参照して、本発明の実施例2における撮像装置について説明する。本実施例は、複数の視差画像として、第1~第4視差画像から撮影画像を生成する点で、第1視差画像および第2視差画像から撮影画像を生成する実施例1とは異なる。
図11は、本実施例における撮像素子107の画素配列を示す図である。図12は、撮像素子107の画素構造を示す図であり、図12(a)は撮像素子107の画素200Gの平面図(+z方向から見た図)、図12(b)は図12(a)中の線a-aの断面図(-y方向から見た図)をそれぞれ示している。
図11は、撮像素子107(2次元CMOSセンサ)の画素配列(撮影画素の配列)を、4列×4行の範囲で示している。本実施例において、各々の撮像画素(画素200R、200G、200B)は、4つの副画素201、202、203、204により構成さている。このため、図11には、副画素の配列が、8列×8行の範囲で示されている。
図11に示されるように、2列×2行の画素群200は、画素200R、200G、200Bがベイヤー配列で配置されている。すなわち画素群200のうち、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下にそれぞれ配置されている。各画素200R、200G、200B(各撮像画素)は、2列×2行に配列された副画素201、202、203、204により構成されている。副画素201は、結像光学系の第1瞳領域を通過した光束を受光する画素である。副画素202は、結像光学系の第2瞳領域を通過した光束を受光する画素である。副画素203は、結像光学系の第3瞳領域を通過した光束を受光する画素である。副画素204は、結像光学系の第4瞳領域を通過した光束を受光する画素である。
図11に示されるように、撮像素子107は、4列×4行の撮像画素(8列×8行の副画素)を面上に多数配置して構成されており、撮像信号(副画素信号)を出力する。本実施例の撮像素子107は、画素(撮像画素)の周期Pが4μm、画素(撮像画素)の数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素である。また撮像素子107は、副画素の列方向の周期PSUBが2μm、副画素の数NSUBが横11150列×縦7450行=約8300万画素である。
図12(b)に示されるように、本実施例の画素200Gには、画素の受光面側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が設けられている。マイクロレンズ305は、受光面からz軸方向(光軸OAの方向)に所定の距離だけ離れた位置に配置されている。また画素200Gには、x方向にN分割(2分割)、y方向にN分割(2分割)された光電変換部301、302、303、304が形成されている。光電変換部301~304は、副画素201~204にそれぞれ対応する。
本実施例において、撮像素子107は、1つのマイクロレンズを共有し、結像光学系(撮影レンズ)の瞳のうち互いに異なる領域(第1~第4瞳部分領域)を通過する複数の光束を受光する複数の副画素を備えている。撮像素子107は、複数の副画素として、第1副画素(複数の副画素201)、第2副画素(複数の副画素202)、第3副画素(複数の副画素203)、および、第4副画素(複数の副画素204)を含む。本実施例において、複数の副画素201の受光信号を集めて第1視差画像を生成する。同様に、複数の副画素202の受光信号を集めて第2視差画像、複数の副画素203の受光信号を集めて第3視差画像、複数の副画素204の受光信号を集めて第4視差画像をそれぞれ生成する。また本実施例において、第1~第4視差画像は、それぞれ、ベイヤー配列の画像である。必要に応じて、第1~第4視差画像のそれぞれに対して、デモザイキング処理を行ってもよい。
ここで、j、iを整数として、第1視差画像~第42視差画像のそれぞれの行方向j番目、列方向i番目の位置を(j、i)として表す。そして、位置(j、i)の画素の第1視差画像をA(j、i)、第2視差画像をB(j、i)、第3視差画像をC(j、i)、第4視差画像をD(j、i)とする。また、第1視差画像の第1重み係数をW(j、i)、第2視差画像の第2重み係数をW(j、i)、第3視差画像の第3重み係数をW(j、i)、第4視差画像の第4重み係数をW(j、i)とする。
第1ステップとして、CPU121(画像処理回路125)は、主被写体への前ボケ被りを低減する所定領域R=[j1、j2]×[i1、i2]、および、所定領域の境界幅σを設定する。そして、式(1)により、所定領域Rおよび所定領域の境界幅σに応じたテーブル関数T(j、i)を算出する。
テーブル関数T(j、i)は、所定領域Rの内側で1、所定領域Rの外側で0となり、所定領域Rの境界幅σで、概ね、1から0に連続的に変化する。必要に応じて、所定領域Rは、円形や、その他の任意の形状としてもよい。また、必要に応じて、複数の所定領域および境界幅を設定してもよい。
第2ステップとして、CPU121(画像処理回路125)は、実数wa、wb、wc、wd(wa+wb+wc+wd=0)とし、以下の式(5A)により、第1視差画像A(j、i)の第1重み係数W(j、i)を算出する。同様に、CPU121は、以下の式(5B)~(5D)により、第2視差画像B(j、i)の第2重み係数W(j、i)、第3視差画像C(j、i)の第3重み係数W(j、i)、第4視差画像D(j、i)の第4重み係数W(j、i)をそれぞれ算出する。
Figure 0007150785000007
Figure 0007150785000008
Figure 0007150785000009
Figure 0007150785000010
第3ステップとして、画像処理回路125は、以下の式(6)により、出力画像I(j、i)を生成する。
Figure 0007150785000011
必要に応じて、画像処理回路125は、シフト量s、tによるリフォーカス処理と組み合わせ、以下の式(7A)または式(7B)により、出力画像Ist(j、i)を生成してもよい。
Figure 0007150785000012
Figure 0007150785000013
本実施例において、前述以外の構成は実施例1と同様であるため、それらの説明は省略する。以上の構成により、撮影後に主被写体への前ボケ被りを低減させ、撮像画像としての品位を向上させることができる。
このように各実施例において、画像処理装置(画像処理回路125)は、決定手段125aおよび画像生成手段125bを有する。決定手段125aは、複数の視差画像のそれぞれの位置に応じて変化する重み係数を決定する。画像生成手段125bは、重み係数に基づいて複数の視差画像を合成して画像を生成する。画像処理装置は、決定手段125aに代えて、例えばCPU121などの装置(決定手段125aと同様の機能を有する装置)により決定された重み係数を取得可能な取得手段を有するように構成してもよい。
好ましくは、画像生成手段は、複数の視差画像のそれぞれに重み係数を掛けて加算する(合成する)ことにより画像を生成する。また好ましくは、画像生成手段は、複数の視差画像のそれぞれに重み係数を掛けてシフト加算する(リフォーカス処理を利用して合成する)ことにより画像を生成する。
好ましくは、重み係数は、複数の視差画像のそれぞれの位置に応じて連続的に変化する。これは、例えばテーブル関数T(j、i)を利用することにより実現可能である。また好ましくは、複数の視差画像のそれぞれの重み係数の和(総和)は、複数の視差画像における全ての位置において一定である。例えば、実施例1のように1つのマイクロレンズに対して2つの副画素を有する撮像素子から得られる第1視差画像の第1重み係数Wと第2視差画像の第2重み係数Wとの和は、画像中のいずれの位置においても一定となる。または、実施例2のように1つのマイクロレンズに対して4つの副画素を有する撮像素子から得られる第1~第4視差画像のそれぞれの第1~第4重み係数W~Wの和(総和)は、画像中のいずれの位置においても一定となる。
好ましくは、複数の視差画像は、結像光学系の互いに異なる瞳部分領域を通過した光束を受光する複数の光電変換部(複数の副画素)から構成される画素を複数配列した撮像素子により取得される。すなわち、複数の視差画像は、瞳部分領域ごとの副画素の受光信号から生成される。
好ましくは、画像生成手段は、画像の第1領域(例えば、所定領域Rおよび境界幅σ)において、重み係数に基づいて複数の視差画像を合成する。より好ましくは、第1領域は、第1被写体(被写体q1)よりも至近側の第2被写体(被写体q2)のボケを低減するために設定された領域である。また好ましくは、画像生成手段は、画像の第1領域とは異なる第2領域(例えば、所定領域Rの外側)において、複数の視差画像に互いに等しい重み係数を掛けて加算することにより画像を生成する。
好ましくは、決定手段は、画像の第1領域において、複数の視差画像の複数の重み係数のうち、第1被写体よりも至近側の第2被写体が最も広い範囲で撮影されている視差画像の重み係数を最も小さくする。また好ましくは、決定手段は、画像の第1領域において、複数の視差画像の複数の重み係数のうち、第1被写体よりも至近側の第2被写体が最も狭い範囲で撮影されている視差画像の重み係数を最も大きくする。
好ましくは、決定手段は、画像の第1領域において、複数の視差画像の複数の重み係数のうち、コントラスト評価値が最も小さい視差画像の重み係数を最も小さくする。また好ましくは、決定手段は、画像の第1領域において、複数の視差画像の複数の重み係数のうち、コントラスト評価値が最も大きい視差画像の重み係数を最も大きくする。
好ましくは、決定手段は、画像の第1領域において、複数の視差画像の複数の重み係数のうち、実効絞り値が最も小さい視差画像の重み係数を最も小さくする。また好ましくは、決定手段は、画像の第1領域において、複数の視差画像の複数の重み係数のうち、実効絞り値が最も大きい視差画像の重み係数を最も大きくする。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施例によれば、撮像画像の品位を向上させる画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
125 画像処理回路(画像処理装置)
125a 決定手段
125b 画像生成手段

Claims (21)

  1. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を互いにシフトさせずに対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、
    前記設定手段は、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、
    前記設定手段は、前記複数の視差画像の中で実効絞り値がより小さい視差画像に対応する重み係数がより小さい重み係数になるように、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記設定手段は、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を、前記複数の視差画像の中でコントラスト評価値がより小さい視差画像に対応する重み係数がより小さい重み係数になるように設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、
    前記設定手段は、前記複数の視差画像の中で被写体がより広い範囲で撮影されている視差画像に対応する重み係数がより小さい重み係数になるように、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を設定することを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記設定手段は、前記複数の視差画像の中で被写体が最も広い範囲で撮影されている視差画像に対応する重み係数が最も小さい重み係数になるように、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を設定することを特徴とする請求項1または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記設定手段は、前記複数の視差画像の中で被写体が最も狭い範囲で撮影されている視差画像に対応する重み係数が最も大きい重み係数になるように、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を設定することを特徴とする請求項1、4または5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、
    前記設定手段は、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定し、
    前記複数の領域は、領域内の被写体のボケを低減するために設定された領域である第1領域を含むことを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記画像生成手段は、前記複数の視差画像それぞれにおいて対応する前記重み係数を掛けて加算することにより、前記合成画像を生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記重み係数は、前記複数の視差画像それぞれにおいて、前記複数の領域に対する位置に基づく関数に従って連続的に変化することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記複数の視差画像それぞれにおける、前記複数の領域に対応する前記重み係数の和は一定であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記複数の視差画像は、結像光学系の互いに異なる瞳部分領域を通過した光束を受光する複数の光電変換部から構成される画素を複数配列した撮像素子により取得されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記複数の視差画像は、1つのマイクロレンズに対して複数の光電変換部を有し、該マイクロレンズが2次元状に複数配列され複数の画素を構成する撮像素子により取得されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記画像生成手段は、前記合成画像の第1領域とは異なる領域の画像は、前記複数の視差画像に互いに等しい重み係数を掛けて加算することにより生成することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、
    前記設定手段は、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定し、
    前記複数の視差画像それぞれにおける、前記複数の領域に対応する前記重み係数の和は一定であることを特徴とする画像処理装置。
  15. 1つのマイクロレンズに対して複数の光電変換部を有し、該マイクロレンズが2次元状に複数配列され複数の画素を構成する撮像素子と、
    前記複数の光電変換部から得られた複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を互いにシフトさせずに対応する領域毎に合成して合成画像を生成する画像生成手段と、を有し、
    前記設定手段は、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定することを特徴とする撮像装置。
  16. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定するステップと、
    前記設定するステップにより設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を互いにシフトさせずに対応する領域毎に合成して合成画像を生成するステップと、を有し、
    前記設定するステップは、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定することを特徴とする画像処理方法。
  17. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定するステップと、
    前記設定するステップにより設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成するステップと、を有し、
    前記設定するステップは、前記複数の視差画像の中で実効絞り値がより小さい視差画像に対応する重み係数がより小さい重み係数になるように、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を設定することを特徴とする画像処理方法。
  18. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定するステップと、
    前記設定するステップにより設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成するステップと、を有し、
    前記設定するステップは、前記複数の視差画像の中で被写体がより広い範囲で撮影されている視差画像に対応する重み係数がより小さい重み係数になるように、前記複数の領域それぞれにおける重み係数を設定することを特徴とする画像処理方法。
  19. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定するステップと、
    前記設定するステップにより設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成するステップと、を有し、
    前記設定するステップは、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定し、
    前記複数の領域は、領域内の被写体のボケを低減するために設定された領域である第1領域を含むことを特徴とする画像処理方法。
  20. 複数の視差画像それぞれにおいて、画像内の複数の領域に対応する重み係数を設定するステップと、
    前記設定するステップにより設定される重み係数に基づいて、前記複数の視差画像を対応する領域毎に合成して合成画像を生成するステップと、を有し、
    前記設定するステップは、前記複数の領域に異なる前記重み係数を設定し、
    前記複数の視差画像それぞれにおける、前記複数の領域に対応する前記重み係数の和は一定であることを特徴とする画像処理方法。
  21. 請求項16乃至20のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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