JP7149877B2 - Flexural mesh gear device and driven device - Google Patents
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Description
本発明は、撓み噛合い式歯車装置及び被駆動装置に関する。 TECHNICAL FIELD The present invention relates to a flexural mesh gear device and a driven device.
以前より、撓み変形する外歯歯車を備えた撓み噛合い式歯車装置がある(例えば特許文献1を参照)。この外歯歯車は、起振体軸受を介して起振体が内嵌され、起振体が内側で回転することで撓み変形する。さらに、外歯歯車は剛性を有する内歯歯車と噛合う。
このような機械要素を用いる撓み噛合い式歯車装置は、多くの場合は、装置内部の潤滑剤の使用が必要となっている。
There has been a flexural mesh type gear device having an external gear that flexibly deforms (see, for example, Patent Document 1). The external gear is internally fitted with a vibrating body via a vibrating body bearing, and bends and deforms when the vibrating body rotates inside. Furthermore, the external gear meshes with the rigid internal gear.
Flexible mesh gear systems using such mechanical elements often require the use of internal lubricants.
上記従来の撓み噛合い式歯車装置は、内歯歯車の軸方向端面に円周溝が設けられている。例えば、このような円周溝に予め潤滑剤であるグリスを配置することで、装置内部に潤滑を図ることが可能である。
上述のような円周溝は、潤滑剤の配置領域として適しているが、装置内部において、円周溝の開口部の向きは一定である。これに対して、撓み噛合い式歯車装置は、使用用途や取り付け位置によって、あらゆる向きで使用され得る。このため、円周溝の開口部が上方を向いた状態のままに維持されると、内部の潤滑剤が円周溝から外部に供給されず、周囲の潤滑不足を生じるおそれがあった。
In the above-described conventional flexural mesh gear device, a circumferential groove is provided on the axial end face of the internal gear. For example, it is possible to lubricate the inside of the device by disposing grease, which is a lubricant, in such a circumferential groove in advance.
The circumferential groove as described above is suitable as a lubricant arrangement area, but the orientation of the opening of the circumferential groove is constant inside the device. On the other hand, the flexural meshing gear device can be used in any direction depending on the intended use and mounting position. For this reason, if the opening of the circumferential groove is kept facing upward, the internal lubricant cannot be supplied from the circumferential groove to the outside, which may result in insufficient lubrication of the surroundings.
本発明は、良好な潤滑を行うことができる撓み噛合い式歯車装置及び被駆動装置を提供することを目的とする。 SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide a flexural mesh gear system and a driven device capable of good lubrication.
本発明に係る撓み噛合い式歯車装置は、
起振体と、起振体により撓み変形する外歯歯車と、外歯歯車が噛合う第1内歯歯車及び第2内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
前記第1内歯歯車は、前記第2内歯歯車と対向する面に潤滑溜りを有し、
前記潤滑溜りから潤滑剤を掻き出す掻き出し機構を有する構成とした。
A flexural mesh gear device according to the present invention includes:
A flexural mesh gear device comprising a vibration generator, an external gear that is flexurally deformed by the vibration generator, and a first internal gear and a second internal gear that mesh with the external gear,
The first internal gear has a lubrication reservoir on a surface facing the second internal gear,
It is configured to have a scraping mechanism for scraping out the lubricant from the lubricating reservoir.
また、本発明に係る被駆動装置は、
前記撓み噛合い式歯車装置が、前記潤滑溜りの開口部を鉛直上方に向けて組み込まれている構成とした。
Further, the driven device according to the present invention includes:
The flexure mesh type gear device is configured such that the opening of the lubricating reservoir faces vertically upward.
本発明によれば、良好な潤滑を行うことができる撓み噛合い式歯車装置及び被駆動装置を提供できる。 According to the present invention, it is possible to provide a flexural mesh gear device and a driven device capable of performing good lubrication.
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。 BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[撓み噛合い式歯車装置]
図1は、本発明の実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置1を示す断面図である。本明細書では、回転軸O1に沿った方向を軸方向、回転軸O1に直交する方向を径方向、回転軸O1を中心とする回転方向を周方向と定義する。
[Flexible mesh type gear device]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a flexural
撓み噛合い式歯車装置1は、図1に示すように、起振体軸10、起振体軸10により撓み変形される外歯歯車12、外歯歯車12と噛合う第1内歯歯車としての第1ケーシング22、外歯歯車12と噛合う第2内歯歯車としての内歯部材23、起振体軸受15を備える。さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、第2ケーシング24、第1カバー26、第2カバー27、軸受31、32及び主軸受33、シール用のOリング34,35,38及びオイルシール41,42,43を備える。
As shown in FIG. 1, the flexural
起振体軸10は、中空軸状であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が楕円状である起振体10Aと、起振体10Aの軸方向の両側に設けられ回転軸O1に垂直な断面の外形が円形である軸部10B、10Cとを有する。なお、楕円状とは、幾何学的に厳密な楕円に限定されるものではなく、略楕円を含む。起振体軸10は、回転軸O1を中心に回転し、起振体10Aの回転軸O1に垂直な断面の外形形状の中心は回転軸O1と一致する。
The vibrating
外歯歯車12は、可撓性を有する円筒状の金属であり、外周に歯が設けられている。
The
第1ケーシング22及び内歯部材23(第1内歯歯車、第2内歯歯車)は内歯22g、23gを備えており、第1ケーシング22の内歯22gが、外歯歯車12の軸方向の中央より片側の歯部に噛合し、内歯部材23の内歯23gが、外歯歯車12の軸方向の中央よりもう一方の片側の歯部に噛合する。第1ケーシング22は、その内周部の該当箇所に内歯22gが設けられて構成される。内歯部材23は、その内周部の該当箇所に内歯23gが設けられて構成される。
The
起振体軸受15は、起振体10Aと外歯歯車12との間に配置される。起振体軸受15は、複数の転動体(コロ)15Aと、外輪15Bと、複数の転動体15Aを保持する保持器15Cとを有する。複数の転動体15Aは、一方の内歯22gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体15Aと、他方の内歯23gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体15Aとを有する。複数の転動体15Aは、起振体10Aの外周面と外輪15Bの内周面とを転走面として転動する。
The vibration generator bearing 15 is arranged between the
外歯歯車12、外輪15B及び保持器15Cの軸方向の両側には、これらに当接して、これらが軸方向に変位することを抑止するスペーサリング36、37が設けられている。
第1ケーシング22及び第2ケーシング24は互いに連結されて、内歯22g、23g及び外歯歯車12の径方向外方を覆う。
The
第1カバー26は、第1ケーシング22と連結されて、起振体軸10の一端側における外周部を覆う。
The
第2カバー27は、起振体軸10の他端側における外周部を覆う。第2カバー27及び内歯部材23には、出力側の端部に軸方向に一続きに延びるボルト連結用穴27h、23hが設けられている。
撓み噛合い式歯車装置1において、相手部材と連結されて減速された運動を相手部材に出力する側を「出力側」と呼び、軸方向における出力側とは反対側を「反出力側」と呼ぶ。
撓み噛合い式歯車装置1が相手装置と接続される際、第2カバー27と内歯部材23はボルト連結用穴27h、23hを介して相手装置の被駆動部材に共締めにより連結される。ボルト連結用穴27h、23hは、周方向の複数の箇所に設けられている。第2カバー27及び内歯部材23には、両者を仮止めするためのボルト穴27j、23jが設けられている。
The
In the flexural
When the flexural meshing
軸受31は、例えば玉軸受であり、起振体軸10の軸部10Bと第1カバー26との間に配置される。第1カバー26は、軸受31を介して起振体軸10を回転自在に支持する。
起振体軸10には、軸受31の配置箇所に隣接して(軸方向の中央側に)外径が大きく変化する段差h1が設けられている。第1カバー26には、軸受31の配置箇所に隣接して(軸方向の一端側に)内径が小さく変化する段差h2が設けられている。軸方向において、軸受31は、段差h1、h2の間に配置される。段差h1、h2は、軸受31が軸方向に移動するのを係止するストッパーとして機能する。つまり、軸受31は、第1カバー26及び起振体軸10のそれぞれに対してインロー嵌合構造によって取り付けられ、段差h1、h2が軸受31の軸方向の位置決めを行う。
The
The vibrating
軸受32は、例えば玉軸受であり、起振体軸10の軸部10Cと第2カバー27との間に配置される。第2カバー27は、軸受32を介して起振体軸10を回転自在に支持する。
起振体軸10には、軸受32の配置箇所に隣接して(軸方向の中央側に)外径が大きく変化する段差h3が設けられている。第2カバー27には、軸受32の配置箇所に隣接して(軸方向の一端側に)内径が小さく変化する段差h4が設けられている。軸方向において、軸受32は、段差h3、h4の間に配置される。段差h3、h4は、軸受32が軸方向に移動するのを係止するストッパーとして機能する。つまり、軸受32は、第2カバー27及び起振体軸10のそれぞれに対してインロー嵌合構造によって取り付けられ、段差h3、h4が軸受32の軸方向の位置決めを行う。
なお、軸受31,32は、玉軸受を例示したが他のラジアル軸受を使用しても良い。
The
The vibrating
Although the
主軸受33は、例えば、クロスローラ軸受であり、内歯部材23と第2ケーシング24との間に配置される。第2ケーシング24は、主軸受33を介して内歯部材23を回転自在に支持する。主軸受33は、内歯部材23と一体化された内輪と、第2ケーシング24と一体化された外輪と、内輪と外輪との間に配置される複数の転動体とを有する。なお、主軸受33は、内歯部材23と第2ケーシング24との間で、軸方向に離間した複数の軸受(アンギュラ玉軸受、テーパ軸受等)から構成されてもよい。
The
一方のオイルシール41は、軸方向の一端部で、起振体軸10の軸部10Bと第1カバー26との間に配置され、軸方向外側への潤滑剤の流出を抑制する。
もう一方のオイルシール42は、軸方向の他端部で、起振体軸10の軸部10Cと第2カバー27との間に配置され、軸方向外側への潤滑剤の流出を抑制する。
オイルシール43は、第2ケーシング24と内歯部材23との間に配置され、この部分からの潤滑剤の流出を抑制する。
One
The
The
シール用のOリング34,35,38は、それぞれ、第1ケーシング22と第1カバー26との間、第1ケーシング22と第2ケーシング24との間、内歯部材23と第2カバー27との間を、シールし、潤滑剤の漏れを抑止する。つまり、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1の内部空間(外歯歯車12や主軸受33の存在する空間)は、潤滑剤が封入される潤滑剤封入空間とされ、Oリング34,35,38やオイルシール41、42、43によって密封されている。
O-
[撓み噛合い式歯車装置内の潤滑構造]
撓み噛合い式歯車装置1は、いかなる向きでも設置することができ、いかなる向きでも使用することができるので、あらゆる向きとなることが想定される。この実施形態では、撓み噛合い式歯車装置1の回転軸O1が鉛直上下方向に向けられ、軸方向における出力側(第2カバー27側)が上に向けられた状態で使用されることを前提として説明する。
[Lubrication structure in flexural mesh gear device]
Since the bending
撓み噛合い式歯車装置1の潤滑剤封入空間内の各部は、予め、潤滑剤が供給される。ここでは、潤滑剤の供給量が、潤滑剤封入空間の容積の40%である場合を例示する。図1における二点鎖線L1は、上記供給量の全ての潤滑剤が仮想的に潤滑剤封入空間の下側に溜まった場合の界面高さを示している。
Lubricant is supplied in advance to each part in the lubricant-filled space of the flexural
ところで、第1内歯歯車としての第1ケーシング22には、第2内歯歯車としての内歯部材23に対向する面に潤滑溜り221を有している。この潤滑溜り221は、回転軸O1を中心とする凹状の円周溝である。この潤滑溜り221には、使用前に予め潤滑剤を入れておいても良い。
前述したように、撓み噛合い式歯車装置1の出力側が上に向けられた状態の場合、潤滑溜り221は、その開口部が鉛直上方を向いた状態となる。また、潤滑溜り221が形成された第1ケーシング22の内歯部材23側の対向面は、前述した潤滑剤の界面高さL1よりも上に位置している。
この場合、撓み噛合い式歯車装置1の出力側が上に向けられた状態では、潤滑溜り221内の潤滑剤が滞留し、潤滑剤封入空間内の各部へは供給されずに、潤滑不足が生じ得る。
By the way, the
As described above, when the output side of the
In this case, when the output side of the flexible
このため、撓み噛合い式歯車装置1は、潤滑剤封入空間内に、潤滑溜り221から潤滑剤を掻き出す掻き出し機構が設けられている。
掻き出し機構は、第2内歯歯車としての内歯部材23の第1ケーシング22側の対向面から軸方向に沿って第1ケーシング22側に延出された掻き出し部材44を有する構成となっている。
For this reason, the bending
The scraping mechanism has a scraping
掻き出し部材44は、内歯部材23の第1ケーシング22側の対向面上において、径方向について潤滑溜り221と一致する位置に設けられている。
さらに、掻き出し部材44は、軸方向に沿った棒状体であり、潤滑溜り221内に挿入された状態で内歯部材23に取り付けられている。また、掻き出し部材44の延出端部は、潤滑溜り221の底部近傍にまで延びている。掻き出し部材44の延出端部と潤滑溜り221の底部との隙間は狭い方が好ましい。また、掻き出し部材44の径方向の幅は、潤滑溜り221の径方向の幅よりも狭いが、摺動を生じない範囲で極力近似することが好ましい。
また、掻き出し部材44の延出端部は、棒状ではなく、潤滑溜り221内の潤滑剤をすくい上げるヘラ状としても良い。その場合、掻き出し部材44の延出端部は、潤滑溜り221の底部側と第1ケーシング22に対する内歯部材23の相対的な回転移動方向下流側とを合成した斜め方向にヘラの先端部が延びていることが好ましい。
The scraping
Further, the scraping
Further, the extending end of the scraping
また、掻き出し部材44は、内歯部材23とは別部材である。掻き出し部材44は、内歯部材23の第1ケーシング22側の対向面上に形成された装着部としての取り付け穴231に圧入可能なボス部441を備えており、内歯部材23に対して後付可能となっている。
Also, the raking
撓み噛合い式歯車装置1は、起振体軸10が回転を行うと、第1ケーシング22と内歯部材23との間では回転軸O1を中心とする相対的な回転動作が発生する。第1ケーシング22と内歯部材23とは同心なので、これらが相対的に回転を行うと、掻き出し部材44は、円周に沿った潤滑溜り221の内部を当該潤滑溜り221に沿って相対的に周回移動する。このため、潤滑溜り221内に滞留した潤滑剤を掻き出し部材44によって潤滑溜り221の外部に掻き出すことができる。
In the flexural
掻き出し部材44によって潤滑溜り221から掻き出された潤滑剤の一部は、内歯部材23と第2ケーシング24の隙間空間に流れ込み、主軸受33の転動体と転走面の間を通って隙間空間における主軸受33の反潤滑溜り側(出力側)の空間にまで達する。なお、「反潤滑溜り側の空間」とは、内歯部材23と第2ケーシング24との隙間空間であって、軸方向における、主軸受33に対する掻き出し部材44とは逆側の部分を示す。
一方、内歯部材23には、主軸受33の反潤滑溜り側(出力側)において、外周面から内周面(外歯歯車12側)まで径方向に沿って貫通した連通孔232が形成されている。
これにより、掻き出し部材44によって潤滑溜り221から掻き出された潤滑剤は、内歯部材23の連通孔232を通って外歯歯車12側に還流する。
このように、内歯部材23に設けられた連通孔232により、掻き出し部材44によって潤滑溜り221から掻き出された潤滑剤を内歯部材23の径方向外側から径方向内側に循環させることができ、内歯部材23の周囲に設けられた主軸受33、軸受31,32、外歯歯車12と内歯22g,23gの噛合部等に効果的に供給することができる。
A part of the lubricant scraped out from the lubricating
On the other hand, in the
As a result, the lubricant scraped out from the lubricating
In this manner, through the
内歯部材23の連通孔232は、一つ設けても良いし、複数設けてもよい。連通孔232を一つ設ける場合には、軸方向から見て、掻き出し部材44と連通孔232と重なる配置とすることが好ましい。連通孔232を複数設ける場合には、周方向について掻き出し部材44の周辺に集中的に設けても良いし、周方向に一定の間隔で設けてもよい。
One
[撓み噛合い式歯車装置の動作]
上記撓み噛合い式歯車装置1では、図示略のモータ等から回転運動が入力され、起振体軸10が回転すると、起振体10Aの運動が外歯歯車12に伝わる。このとき、外歯歯車12は、起振体10Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車12は、固定された第1ケーシング22の内歯22gと長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車12は起振体10Aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車12の内側で起振体10Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車12は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸10の回転周期に比例する。
[Operation of flexure mesh type gear device]
In the flexural
外歯歯車12が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車12と内歯22gとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、外歯歯車12の歯数が100で、内歯22gの歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車12と内歯22gとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車12が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸10の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車12に伝達される。
When the
一方、外歯歯車12はもう一方の内歯23gとも噛合っているため、起振体軸10の回転によって外歯歯車12と内歯23gとの噛合う位置も回転方向に変化する。一方、内歯23gの歯数と外歯歯車12の歯数とは一致しているため、外歯歯車12と内歯部材23とは相対的に回転せず、外歯歯車12の回転運動が減速比1:1で内歯部材23へ伝達される。これらによって、起振体軸10の回転運動が減速比100:2で減速されて、内歯部材23及び第2カバー27へ伝達される。そして、この減速された回転運動が相手部材に出力される。
On the other hand, since the
上記モータ等から回転運動が入力され、減速回転が内歯部材23及び第2カバー27から出力されている間、第1ケーシング22の潤滑溜り221内では、内歯部材23の減速回転に伴って掻き出し部材44が周回移動を行い、内部に溜まった潤滑剤の掻き出しが行われる。
掻き出された潤滑剤は、内歯部材23と第2ケーシング24の隙間空間に移動し、主軸受33を通って隙間空間における主軸受33の反潤滑溜り側(出力側)の空間にまで移動する。そして、内歯部材23の連通孔232を通って、内歯部材23の径方向内側に戻される。
内歯部材23の径方向内側では、外歯歯車12と各内歯22g,23gが噛合し、外歯歯車12は、長軸位置が周回移動を行っているので、潤滑剤は径方向外側に押し出され、潤滑溜り221に戻される。
このように、潤滑剤は、内歯歯車23の径方向外側と径方向内側とを循環し、潤滑剤封入空間内の各所に行き渡る。
While rotational motion is input from the motor or the like and decelerated rotation is output from the internal
The scraped-out lubricant moves into the gap space between the
On the radially inner side of the
In this way, the lubricant circulates radially outward and radially inwardly of the
[発明の実施形態の技術的効果]
上記撓み噛合い式歯車装置1は、第1ケーシング22の内歯部材23側の対向面に潤滑溜り221を有し、この潤滑溜り221から潤滑剤を掻き出す掻き出し機構を有するので、潤滑溜り221の開口部が上を向いた状態で潤滑剤が滞留を生じても、外部に掻き出すことができ、潤滑を良好に行い、潤滑剤封入空間内における潤滑剤不足の発生を効果的に抑制することが可能となる。
ここで、上記撓み噛合い式歯車装置1は、工作機械やロボットなど各種被駆動装置に組み込まれて使用されるが、潤滑溜り221の開口部を鉛直上方に向けて組み込まれる場合に特に好適である。ただし、このような組み込み態様に限定されるものではない。ここで、「潤滑溜り221の開口部を鉛直上方に向けて」とは、開口部の法線方向と鉛直上向き方向とのなす角が-90度~90度の場合をいう。
[Technical effect of the embodiment of the invention]
The flexible
Here, the flexural
また、上記掻き出し機構は、内歯部材23と一体的に回転する掻き出し部材44を有するので、第1ケーシング22と内歯部材23との間に生じる相対的な回転動作により掻き出し部材44を潤滑溜り221に沿って相対移動させることができ、掻き出し部材44の掻き出し動作を行うための独立した駆動源を設けることなく効果的に潤滑剤の掻き出しを行うことが可能である。
In addition, since the scraping mechanism has the scraping
また、掻き出し部材44は、内歯歯車23と別部材で構成され、内歯歯車23には掻き出し部材44のボス部441を圧入して取り付ける取り付け穴231が設けられている。
このため、撓み噛合い式歯車装置1の内歯部材23に対して掻き出し部材44を後付けすることが可能となる。従って、潤滑溜り221の開口部が上を向いた状態で使用又は設置されない撓み噛合い式歯車装置1については、掻き出し部材44を取り付けず、潤滑溜り221の開口部が上を向いた状態で使用又は設置される撓み噛合い式歯車装置1のみに対して掻き出し部材44を取り付けることが可能となる。
これにより、撓み噛合い式歯車装置1は、潤滑溜り221内の潤滑剤の掻き出し作業が不要な場合には、掻き出し部材44の取り付けを行わないことができ、部品点数の低減を図ることが可能となる。
また、潤滑溜り221内の潤滑剤の掻き出し作業が不要な撓み噛合い式歯車装置1と掻き出しが必要な撓み噛合い式歯車装置1とについて、部品の共通化を図ることができ、大量生産時の生産性を高めることが可能となる。つまり、掻き出し部材44を有さない撓み噛合い式歯車装置を製造する場合にも、取り付け穴231が設けられた内歯歯車23を使用することで、掻き出し部材44以外の全ての部品を共用して、掻き出し部材44を有する撓み噛合い式歯車装置と掻き出し部材44を有さない撓み噛合い式歯車装置を製造することができる。
The scraping
Therefore, it becomes possible to retrofit the scraping
As a result, the bending
In addition, parts can be shared between the flexible
また、撓み噛合い式歯車装置1は、内歯部材23が主軸受33の反潤滑溜り側の空間と外歯歯車12側の空間を連通する連通孔232を有するので、掻き出し部材44により潤滑溜り221内から掻き出された潤滑剤を内歯部材23の径方向外側から径方向内側にかけて循環させることができ、潤滑剤封入空間内の随所に潤滑剤を効果的に供給することが可能となる。
Further, in the bending
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られず、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
[others]
The embodiments of the present invention have been described above. However, the present invention is not limited to the above embodiments, and details shown in the embodiments can be changed as appropriate without departing from the scope of the invention.
例えば、前述した掻き出し部材44は、ボス部441を内歯部材23の取り付け穴231に圧入して取り付けているが、取り付け構造は、これに限定されない。
例えば、図2に示す掻き出し部材44Aのように、内歯部材23の第1ケーシング22側の対向面上に形成された装着部としてのネジ穴231Aに対して螺入可能なネジ軸441Aを基端部に有する構造としても良い。なお、この掻き出し部材44Aの潤滑溜り221側の延出端部は、掻き出し部材44と同一形状で良い。
このような掻き出し部材44Aは、掻き出し部材44と同様に、部品の共通化による大量生産時の生産性を高めることが可能となる。
さらに、掻き出し部材44Aは、内歯部材23に対してネジ止めにより固定する構造なので、掻き出し部材44Aが不要となった場合には、掻き出し部材44Aを取り外すことも可能である。
For example, the scraping
For example, like the raking
Like the scraping
Furthermore, since the scraping
また、掻き出し部材44,44Aは、周方向に沿って複数設けてもよい。その場合には、各掻き出し部材44,44Aは周方向に一定の間隔で配置することが好ましい。
また、潤滑溜り221は、潤滑剤を貯留できる構成を有していればよく、その具体的な構成は特に限定されず、例えば周方向に間欠的に設けられてもよいし、断面形状も特に限定されない。例えば、撓み噛合い式歯車装置1の出力回転範囲が360°に満たない範囲で使用される場合等には、潤滑溜り221も使用される範囲で形成されていれば良い。
Also, a plurality of scraping
In addition, the lubricating
ここで、撓み噛合い式歯車装置1を減速機として搭載し、当該撓み噛合い式歯車装置1により駆動される被駆動部材とを備えた被駆動装置である産業用ロボット100の例を図3に示す。
この産業用ロボット100では、潤滑溜り221の開口部を鉛直上方に向けて撓み噛合い式歯車装置1が組み込まれる場合を例示する。
Here, FIG. 3 shows an example of an
In this
図3に示すように、この産業用ロボット100は、水平多関節ロボットであり、作業スペースに固定されたベース部110と、先端に物体を把持するヘッド121が取り付けられたヘッドユニット120とを備えている。ヘッドユニット120は、2つの関節部131、132とアーム部材133とを介し、水平方向に移動可能なようにベース部110に連結されている。具体的には、基端側の関節部131がベース部110とアーム部材133とを連結し、先端側の関節部132がアーム部材133とヘッドユニット120とを連結している。
As shown in FIG. 3, this
2つの関節部131、132は、それぞれがサーボモータ111、123と撓み噛合い式歯車装置1、1とを備えており、サーボモータ111、123の回転運動を撓み噛合い式歯車装置1、1で減速した運動により、連結した2つの部材を相対的に回動させる。
The two
ヘッドユニット120内には、先端(下端)にヘッド121を有する軸部122と連結された2つのモータ124、125が収容されている。このうち一方のモータ124は軸部122を上下方向(鉛直方向)に移動させ、他方のモータ125は軸部122を鉛直軸回りに回転させる。
The
上記産業用ロボット100において、基端側の関節部131の撓み噛合い式歯車装置1では、下側から入力される回転運動により、第2カバー27及び内歯部材23に固定されるアーム部材133が、被駆動部材として駆動される。一方、先端側の関節部132の撓み噛合い式歯車装置1では、上側から入力される回転運動により、第2カバー27及び内歯部材23に固定されるヘッドユニット120が被駆動部材として駆動される。
産業用ロボット100の場合も、撓み噛合い式歯車装置1において、掻き出し機構により潤滑が良好に行われ、各関節部131,132の動作が円滑に行われる。
In the
In the case of the
1 撓み噛合い式歯車装置
10 起振体軸
10A 起振体
12 外歯歯車
22 第1ケーシング(第1内歯歯車)
22g 内歯
221 潤滑溜り
23 内歯部材(第2内歯歯車)
23g 内歯
231 取付穴(装着部)
231A ネジ穴(装着部)
232 連通孔
33 主軸受
34,35,38 Oリング
41,42,43 オイルシール
44,44A 掻き出し部材
441 ボス部
441A ネジ軸
100 産業用ロボット(被駆動装置)
O1 回転軸
22g
23g
231A screw hole (mounting part)
232
O1 rotation axis
Claims (5)
前記第1内歯歯車は、前記第2内歯歯車と対向する面に潤滑溜りを有し、
前記潤滑溜りから潤滑剤を掻き出す掻き出し機構を有する、
撓み噛合い式歯車装置。 A flexural mesh gear device comprising a vibration generator, an external gear that is flexurally deformed by the vibration generator, and a first internal gear and a second internal gear that mesh with the external gear,
The first internal gear has a lubrication reservoir on a surface facing the second internal gear,
Having a scraping mechanism for scraping lubricant from the lubricating reservoir,
Flexure mesh type gear system.
請求項1に記載の撓み噛合い式歯車装置。 The scraping mechanism has a scraping member that rotates integrally with the second internal gear,
A flexural mesh gear device according to claim 1.
前記第2内歯歯車には、前記掻き出し部材の装着部が設けられる、
請求項2に記載の撓み噛合い式歯車装置。 The raking member is a separate member from the second internal gear,
The second internal gear is provided with a mounting portion for the scraping member,
A flexural mesh gear device according to claim 2.
請求項1から3のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。 The second internal gear has a communication hole that communicates a space on the side opposite to the lubrication pool of the main bearing and a space on the side of the external gear,
A flexural mesh gear device according to any one of claims 1 to 3.
前記撓み噛合い式歯車装置は、前記潤滑溜りの開口部を鉛直上方に向けて組み込まれていることを特徴とする被駆動装置。 A driven device incorporating the flexural mesh gear device according to any one of claims 1 to 4,
A driven device according to claim 1, characterized in that said bending mesh type gear device is incorporated so that the opening of said lubrication reservoir faces vertically upward.
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